JP6460786B2 - カメラ用シャッタ及びカメラ - Google Patents
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そこで、電磁石の強力化を図るべく、ヨーク(の磁気回路断面積)の大型化、コイルの巻き数の増加等を行うと、電磁石の大型化すなわち配置スペースの増大を招き、又、起磁力の増加による消費電力の増加等を招く。
この構成によれば、駆動部材が(駆動バネ等の)付勢力に抗してシャッタ動作開始前のセット位置に位置付けられると、電磁石(のコイル)が通電されて駆動部材が吸着保持されると共に羽根部材がシャッタ動作開始前の状態に保持され、所望のタイミングで電磁石(のコイル)が非通電とされると、電磁石による吸着保持が解除されて、駆動部材(及び羽根部材)は付勢力によりシャッタ動作を行って撮影動作が完了する。
ここでは、電磁石として、コイルの通電により生じる起磁力を補助するべく磁気回路内に配置された永久磁石を含む電磁石を採用するため、構造の簡素化、小型化、省スペース化、省電力化等を達成しつつ、シャッタ速度を速くすることができる。
すなわち、コイルに通電して電磁石として使用する場合に、永久磁石が通電により生じる起磁力を補助するように作用する、すなわち、コイルへの通電により生じる磁力線と同じ向きに永久磁石が及ぼす磁力線が方向付けられて作用するため、全体としての磁力線(磁束密度)が増加し、ヨーク(弱磁性材料等により形成されて磁気回路を画定する部材)の大型化、コイル巻き線の増加、及び通電量の増加を招くことなく、強力な電磁石を得ることができる。
この構成によれば、略U字状をなすヨークの一方側磁極部の端部及び他方側磁極部の端部が、駆動部材を吸着保持する部分として作用し、両者の中間領域である屈曲部に永久磁石が配置されるため、一方側磁極部及び他方側磁極部に対して、永久磁石が及ぼす磁力(磁力線)を均等に発生させることができる。
この構成によれば、ヨークの屈曲部に磁気回路の断面を占有するように永久磁石を埋設することで、一方側磁極部の磁気回路の断面に対応するように永久磁石の一方の磁極(N極又はS極)を対向させ、他方側磁極部の磁気回路の断面に対応するように永久磁石の他方の磁極(S極又はN極)を対向させて、永久磁石が及ぼす磁力線を効率よく(漏れなく)磁気回路に導くことができ、それ故に、電磁石の起磁力を補助する永久磁石の小型化を達成しつつ、電磁石全体としての小型化を達成することができる。
この構成によれば、駆動部材がシャッタ動作前のセット位置にセットされても、コイルに通電しない場合は、駆動部材を磁気的吸引力により吸着せず(そのような永久磁石の大きさとする)、コイルに通電する(所定の電量を流す)と、駆動部材を吸着保持することができ、一方、コイルの通電を断つと、(その際の逆起電力により永久磁石の磁力も弱められて)駆動部材を吸着状態から解放することができ、円滑なシャッタ動作を行わせることができる。
この構成によれば、駆動部材がシャッタ動作開始前のセット位置にセットされても、コイルに通電しない場合は、駆動部材を磁気的吸引力により吸着せず(そのような永久磁石の大きさとする)、コイルに通電する(所定の電量を流す)と、駆動部材を吸着保持することができ、一方、コイルに逆通電する(所定の逆向きの電量を流す)と、永久磁石の磁力を相殺してより確実に駆動部材を吸着状態から解放することができ、より円滑なシャッタ動作を行わせることができる。
この構成によれば、羽根部材を駆動する駆動部材を吸着保持する電磁石として、上記のように、コイルの通電により生じる起磁力を補助するべく磁気回路内に配置された永久磁石を含む電磁石を採用するため、構造の簡素化、小型化、省スペース化、省電力化等を達成しつつ、シャッタ速度の高速化を達成できるカメラを得ることができる。
この実施形態に係るカメラ用シャッタ(フォーカルプレンシャッタ)は、図1及び図2に示すように、略矩形の地板10、地板10に平行に配置して固定された支持板20、地板10に対して移動自在に設けられた羽根部材としての先羽根30及び後羽根40、先羽根30を駆動するべく一方向に回転付勢された駆動部材としての先羽根駆動部材50、後羽根40を駆動するべく一方向に回転付勢された駆動部材としての後羽根駆動部材60、先羽根駆動部材50及び後羽根駆動部材60をシャッタ動作開始前のセット位置にセットするセット部材(不図示)、セット位置にセットされた先羽根駆動部材50及び後羽根駆動部材60を吸着して保持する二つの電磁石70,70等を備えている。
尚、地板10には、先羽根30を収容する羽根室を画定する中間板(不図示)、後羽根40を収容する羽根室を画定する裏板(不図示)が所定の間隔をおいて固定されている。
支持板20は、二つの電磁石70,70を保持すると共に支持軸10h,10i等の先端部を嵌合させて支持するように形成されている。
アーム35は、支持軸10dにより回動自在に支持されると共に、その一部が先羽根駆動部材50の駆動ピン50aに連結されている。
アーム36は、支持軸10eにより回動自在に支持されている。
そして、アーム35が、図1に示すように、先羽根駆動部材50により図中の上方に向けて(時計回りに)駆動されることにより、4枚の羽根本体31,32,33、34が重なり合って開口部10aを開放し、一方、図2に示すように、先羽根駆動部材50により図中の下方に向けて(反時計回りに)駆動されることにより、4枚の羽根本体31,32,33,34が展開して開口部10aを閉鎖するようになっている。
アーム45は、支持軸10fにより回動自在に支持されると共に、その一部が後羽根駆動部材60の駆動ピン60aに連結されている。
アーム46は、支持軸10gにより回動自在に支持されている。
そして、アーム45が、図1に示すように、後羽根駆動部材60により図中の上方に向けて(時計回りに)駆動されることにより、4枚の羽根本体41,42,43,44が展開して開口部10aを閉鎖し、一方、図2に示すように、後羽根駆動部材60により図中の下方に向けて(反時計回りに)駆動されることにより、4枚の羽根本体41,42,43,44が重なり合って開口部10aを開放するようになっている。
一方側磁極部71a及び他方側磁極部71bは、矩形断面をなすと共に直線上に伸長するように形成されている。ここでは、一方側磁極部71aの端部71a´及び他方側磁極部71bの端部71b´が、被吸着部50c,60c(被吸着体)を吸着保持する吸着部として作用する。
屈曲部71cは、一方側磁極部71aと他方側磁極部71bを一体的に接続する領域であり、矩形断面をなすと共に、その中央においてその断面を略占有するように矩形状に形成されて永久磁石74を嵌合して埋設し得る嵌合孔71dを備えている。
嵌合孔71dは、図4に示すように、ヨーク71の中心線CL上に対称的に位置するように形成されている。
コイル73は、図4に示すように、ボビン72の周りに巻回されており、その両端部が二つの接続端子に電気的に接続されている。
ここでは、永久磁石74が屈曲部71cに配置されているため、略U字状をなすヨーク71の一方側磁極部71aの端部71a´及び他方側磁極部71bの端部71b´が、被吸着部50c,60c(被吸着体)を吸着保持する部分として作用し、又、両者の中間領域である屈曲部71cに永久磁石74が配置されるため、一方側磁極部71a及び他方側磁極部71bに対して、永久磁石74が及ぼす磁力(磁力線)を対称的に発生させることができる。
また、永久磁石74が屈曲部71cにより画定される磁気回路の断面を占有するように埋設されているため、一方側磁極部71aの磁気回路の断面に対応するように永久磁石74の一方の磁極(N極又はS極)を対向させ、他方側磁極部71bの磁気回路の断面に対応するように永久磁石74の他方の磁極(S極又はN極)を対向させて、永久磁石74が及ぼす磁力線を効率よく(漏れなく)磁気回路に導くことができ、それ故に、電磁石70の起磁力を補助する永久磁石74の小型化を達成しつつ、電磁石70全体としての小型化を達成することができる。
したがって、コイル73に通電しない場合は、被吸着部50c,60c(被吸着体)を磁気的吸引力により吸着せず、コイル73に通電する(所定の電量を流す)と、被吸着部50c,60c(被吸着体)を吸着保持することができ、一方、コイル73の通電を断つと、(その際の逆起電力により永久磁石74の磁力も弱められて)被吸着部50c,60c(被吸着体)を吸着状態から解放することができ、又、コイル73に逆通電する(所定の逆向きの電量を流す)と、永久磁石74の磁力を相殺してより確実に被吸着部50c,60c(被吸着体)を吸着状態から解放することができるようになっている。
先ず、シャッタ動作完了後の休止状態においては、図1に示すように、先羽根駆動部材50は駆動バネ51の付勢力により時計回りに回転して駆動ピン50aが長孔10bの端部に設けられた緩衝ゴムに当接して停止し、先羽根30は開口部10aを開放した位置に位置し、又、後羽根駆動部材60は駆動バネ61の付勢力により時計回りに回転して駆動ピン60aが長孔10cの端部に設けられた緩衝ゴムに当接して停止し、後羽根40は開口部10aを閉鎖した位置に位置している。
尚、電磁石70による吸着保持を解除する際に、図7に示すように、コイル73に逆通電する(所定の逆向きの電量を流す)と、永久磁石74の磁力を相殺してより確実に被吸着部50c,60c(被吸着体)を吸着状態から解放することができる。
また、上記構成をなすカメラ用シャッタを備えたカメラ、例えば、デジタルビデオカメラ、デジタルスチルカメラ等によれば、構造の簡素化、小型化、省スペース化、省電力化等を達成しつつ、シャッタ速度の高速化を行うことができる。
また、羽根部材として、先羽根30及び後羽根40の二つの羽根部材を備えた構成を示したが、これに限定されるものではなく、例えば、一つの羽根部材及び一つの駆動部材を備え、単に開口部を開放した状態から閉鎖した状態に移動することでシャッタ動作を行う構成において、駆動部材を吸着保持する電磁石として、本発明の電磁石70を採用してもよい。
10a 開口部
30 先羽根(羽根部材)
40 後羽根(羽根部材)
50 先羽根駆動部材(駆動部材)
51 駆動バネ
50c 被吸着部
60 後羽根駆動部材(駆動部材)
60c 被吸着部
61 駆動バネ
70 電磁石
71 ヨーク
71a 一方側磁極部
71a´ 端部
71b 他方側磁極部
71b´ 端部
71c 屈曲部
71d 嵌合孔
72 ボビン
73 コイル
74 永久磁石
Claims (6)
- 開口部を有する地板と、前記開口部を開閉するべく前記地板に可動に配置された羽根部材と、前記羽根部材を駆動するべく一方向に付勢された駆動部材と、前記駆動部材を付勢力に抗しつつシャッタ動作開始前のセット位置に吸着保持するべく磁気回路の一部を形成するヨーク及び前記ヨークの周りに巻回された励磁用のコイルを含む電磁石と、を備えたカメラ用シャッタであって、
前記電磁石は、前記コイルの通電により生じる起磁力を補助するべく、前記ヨーク内で発生する磁界に沿って磁極が配置されるよう前記ヨークに埋設された永久磁石を含む、
ことを特徴とするカメラ用シャッタ。 - 前記ヨークは、略U字状に形成されて、一方の磁極を生じる一方側磁極部と、他方の磁極を生じる他方側磁極部と、前記一方側磁極部及び他方側磁極部を接続する屈曲部と、を含み、
前記永久磁石は、前記屈曲部に配置されている、
ことを特徴とする請求項1に記載のカメラ用シャッタ。 - 前記永久磁石は、前記屈曲部により画定される磁気回路の断面を占有するように埋設されている、
ことを特徴とする請求項2に記載のカメラ用シャッタ。 - 前記電磁石のコイルは、前記駆動部材を吸着保持する際に前記永久磁石が発生する磁力線と同じ向きの磁力線を生じるように正通電され、前記駆動部材の吸着保持を解除する際に非通電にされる、
ことを特徴とする請求項1ないし3いずれか一つに記載のカメラ用シャッタ。 - 前記電磁石のコイルは、前記駆動部材を吸着保持する際に前記永久磁石が発生する磁力線と同じ向きの磁力線を生じるように正通電され、前記駆動部材の吸着保持を解除する際に前記永久磁石が発生する磁力線と逆向きの磁力線を生じるように逆通電にされる、
ことを特徴とする請求項1ないし3いずれか一つに記載のカメラ用シャッタ。 - 請求項1ないし5いずれか一つに記載のカメラ用シャッタを備えた、
ことを特徴とするカメラ。
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