JP2014175598A - 化合物半導体積層体及び半導体装置 - Google Patents

化合物半導体積層体及び半導体装置 Download PDF

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Abstract

【課題】化合物半導体層の反りとクラックの両方が低減された化合物半導体積層体及び半導体装置を提供する。
【解決手段】Si基板10と、Si基板10上に形成された第1の化合物半導体層11と、第1の化合物半導体層11上に形成された第2の化合物半導体層12とを有する。第1の化合物半導体層11は、III−V族化合物半導体からなる。また、第2の化合物半導体層12は、第1の化合物半導体層11と第2の化合物半導体層12の界面から厚さ方向へ、格子定数が階段状または連続的に大きくなる組成傾斜構造のIII−V族化合物半導体層からなる。
【選択図】図1

Description

本発明は、化合物半導体積層体及び半導体装置に関する。より詳細には、Si基板上に形成されたIII−V族化合物半導体を備えた化合物半導体積層体及び半導体装置に関する。
GaAsに代表される化合物半導体は、Siでは得ることのできない特性を発現することができるため、HEMT(High Electron Mobility Transistor)やHBT(Heterojunction Bipolar Transistor)などの高速電子デバイスや、LED(Light Emitted Diode)、LD(Laser Diode)などの光デバイス、高効率の太陽電池、磁気センサなど多岐に渡るデバイスへの応用が進められている。
これらのデバイスにおいて、良好な特性、信頼性を得るためには、その上にデバイス層を形成するための基板上に、結晶欠陥が少なく、表面が平坦な化合物半導体層を形成する技術が重要である。基板材料としてGaAsやInPなどの単結晶からなる化合物半導体を基板として用いると、Siを基板として用いた場合よりも比較的容易に結晶欠陥が少なく、表面が平坦な化合物半導体を形成することができるため、基板材料としては、化合物半導体が良く用いられている。
しかしながら、大型の化合物半導体単結晶を得ることは難しく、また基板の大口径化もSiよりも難しい。また化合物半導体単結晶は、Siと比較すると、脆くて割れやすい上、価格の上でも高価である。
そこで、安価で割れにくく、大口径化が容易なSi基板の上に化合物半導体層を形成した化合物半導体積層体を基板として用いる技術が注目されている(例えば、特許文献1参照。)。高品質の化合物半導体層をSi基板上に形成することができれば、優れた特徴をもつ化合物半導体のデバイスと、Si上の大規模な信号処理回路とを融合させたOEIC(Opto−Electronic Integrated Circuit)などについても利用が可能となる。
特開平7―14776号公報
Si基板上に化合物半導体積層体を形成する方法として、分子線エピタキシー(MBE)法や有機金属気相エピタキシー(MOVPE)法を用いたエピタキシャル成長法が挙げられる。しかしながら、Si基板上にSiとは組成の異なる化合物半導体層を形成するヘテロエピタキシャル成長の場合、格子定数や熱膨張係数が大きく異なるため、これに起因したミスフィットが生じてしまい、結晶欠陥が多く発生してしまう。
特に、化合物半導体層がGaAsの場合、線膨張係数にはGaAsとSiに3倍もの差があり、GaAs成長後の降温過程において熱膨張係数差に起因する引張応力が支配的に働き、結晶欠陥が多く発生する事のみではなく、GaAs結晶中にクラックが発生してしまう。すなわち、クラックの発生抑制のためには、熱膨張係数差に起因するGaAs中に残存する引張応力を小さくする必要がある。熱膨張係数差に起因する引張応力を小さくするための技術としては、低温でGaAs成長を行う方法が挙げられる。例えば特許文献1には、高温で成長したGaAs層(化合物半導体層)の上に、低温でGaAsを成長することで、GaAs全体にかかる熱応力を低減する方法が提案されている。
特許文献1に開示された技術によれば、化合物半導体層にかかる熱応力をある程度低減することは可能である。
しかしながら、特許文献1に開示された低温成長による化合物半導体層を上層に積層する技術ではSi基板と化合物半導体層との熱膨張係数差に起因する引張応力は十分に低減されず、該引張応力に起因した化合物半導体積層体の反りやクラックが顕著になってしまう。化合物半導体積層体の反りが顕著になると、該化合物半導体積層体を用いた半導体装置作製時に露光の焦点距離がばらつく等のプロセス上の不具合が生じたり、ダイシング後の個々の半導体特性の性能ばらつきが生じたり、クラックの原因になるため好ましくない。
そこで、本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、化合物半導体層の反りとクラックの両方が低減された化合物半導体積層体及び半導体装置を提供することを目的とする。
本発明者は、上記課題を解決するために鋭意検討し、その結果、以下に示す各態様により、上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成させた。
即ち、本発明の一態様に係る化合物半導体積層体は、Si基板と、前記Si基板上に形成された第1の化合物半導体層と、前記第1の化合物半導体層上に形成された第2の化合物半導体層とを有し、前記第1の化合物半導体層は、III−V族化合物半導体からなり、前記第2の化合物半導体層は、第1の化合物半導体層と第2の化合物半導体層の界面から厚さ方向へ、格子定数が階段状または連続的に大きくなる組成傾斜構造のIII−V族化合物半導体層からなることを特徴とする。
また、上記の化合物半導体積層体であって、第1の化合物半導体層と前記第2の化合物半導体層の界面において、第2の化合物半導体層の格子定数が、第1の化合物半導体層の99%以上であり101%以下であることを特徴としてもよい。
また、上記の化合物半導体積層体であって、前記第1の化合物半導体層がGaAs、GaAs1−zSb(0<z≦1)、のいずれか、もしくはこれらのうち組成または組成比zが異なる2つ以上を積層した積層構造であることを特徴としてもよい。
また、上記の化合物半導体積層体であって、前記第2の化合物半導体層がGa1−xInAs(0≦x≦1)もしくはGa1−xInAsSb(0≦x≦1)であり、第1の化合物半導体層と第2の化合物半導体層の界面から厚さ方向へ、階段状または連続的にInの組成比xが大きくなる組成傾斜構造のIII−V族化合物半導体層であることを特徴としてもよい。
また、上記の化合物半導体積層体であって、前記第2の化合物半導体層がGaAs1−ySb(0≦y≦1)もしくはGaInAs1−ySb(0≦y≦1)のいずれかであり、第1の化合物半導体層と第2の化合物半導体層の界面から厚さ方向へ、階段状または連続的にSbの組成比yが大きくなる組成傾斜構造のIII−V族化合物半導体層であることを特徴としてもよい。
また、上記の化合物半導体積層体であって、前記第1の化合物半導体層の膜厚が2μm以上であることを特徴としてもよい。
また、上記の化合物半導体積層体であって、前記第1の化合物半導体層を構成するIII−V族化合物半導体層のうち少なくとも1つの化合物半導体について、前記Si基板の表面の面方位と同じ面に対応するX線回折ピークのロッキングカーブのFWHM値が1秒以上350秒以下であることを特徴としてもよい。
また、上記の化合物半導体積層体であって、前記第2の化合物半導体層上に形成された、格子定数が一定の第3の化合物半導体層、をさらに有することを特徴としてもよい。
本発明の別の態様に係る半導体装置は、上記の化合物半導体積層体を用いて製造されることを特徴とする。
本発明の一態様によれば、化合物半導体層の反りとクラックの両方が低減された化合物半導体積層体を提供することが可能になる。
本発明の実施形態に係る化合物半導体積層体1の構成例を示す断面図である。 実施形態に係る化合物半導体積層体1の他の構成例を示す断面図である。 実施例1〜6および比較例1〜6の形成条件等と評価の結果を示す図である。
以下、本発明を実施するための形態(本実施形態)について詳細に説明する。
本実施形態の化合物半導体積層体は、Si基板と、前記Si基板上に形成された、第1の化合物半導体層と、前記第1の化合物半導体層の上に形成された、第2の化合物半導体層とがこの順で積層された化合物半導体積層体である。Si基板上に形成された前記第1の化合物半導体層は、III−V族化合物半導体からなる。また、第1の化合物半導体層上に形成された前記第2の化合物半導体層は、第1の化合物半導体層と第2の化合物半導体層の界面から厚さ方向(即ち、上面の方向)へ、格子定数が階段状または連続的に大きくなる組成傾斜構造のIII−V族化合物半導体層からなることを特徴とする。
本発明者は、第1の化合物半導体層のクラックの発生抑制のためには、引張応力を低減するのみならず、積極的に圧縮応力を導入する必要がある点に着目した。
圧縮応力の導入のためには、第1の化合物半導体層上に、第1の化合物半導体よりも格子定数の大きい層を導入することで、圧縮方向のミスフィット応力(以下、圧縮応力)を導入する方法が考えられる。
しかしながら、一定組成の層では、圧縮応力を導入することは容易ではない。第1の化合物半導体と、その上に形成される一定組成の第2の化合物半導体との格子定数差が小さい場合、導入される圧縮応力が小さくなってしまう。逆に、格子定数差が大きい場合、第1の化合物半導体層と第2の化合物半導体層との界面付近で上層が格子緩和してしまうために、圧縮応力は十分に導入されない。
そこで、本実施形態においては、第1の化合物半導体層の上に形成される第2の化合物半導体層を、第1の化合物半導体層と第2の化合物半導体層の界面から厚さ方向へ、格子定数が階段状または連続的に大きくなる組成傾斜構造のIII−V族化合物半導体層とすることにより、格子緩和してしまうことを防ぎながら、圧縮応力を十分に導入することを可能にしている。これにより、従来の化合物半導体積層体と比べて、反りとクラックの両方が低減された化合物半導体積層体を得ることができる。
図1は、本発明の実施形態に係る化合物半導体積層体1の構成例を示す断面模式図である。図1に示すように、化合物半導体積層体1は、Si基板10と、Si基板10上に形成された第1の化合物半導体層11と、第1の化合物半導体層11上に形成された第2の化合物半導体層12とを有する。
この化合物半導体積層体1は、各種の成膜方法を用いて形成される。例えば、分子線エピタキシー(MBE)法や有機金属気相エピタキシー(MOVPE)法などは好ましい方法である。これらの方法を用いて、Si基板10上に第1の化合物半導体層11および第2の化合物半導体層12をこの順で積層することが可能である。
本発明により形成した化合物半導体積層体1は、該積層体を形成した成膜装置から一旦、大気中に取り出しても良い。大気中に取り出した化合物半導体積層体1は、そのままエッチング、電極形成するなどして半導体デバイスを作製しても良いし、化合物半導体積層体1を形成したのと同一の成膜装置、或いは別の成膜装置に再度導入し、該積層体上に新たにデバイス層としての化合物半導体積層体を形成しても良い。
また、本発明により化合物半導体積層体1を形成した後、該積層体を形成したのと同一の成膜装置において引き続き、或いは真空を保持したまま別の成膜装置に搬送した後、該積層体上に新たに化合物半導体積層体を形成しても良い。
本発明により形成した化合物半導体積層体1上に、新たに形成する化合物半導体積層体に用いる材料は、特に制限されない。例えば、GaAs、InAs、GaSb、InSb、InGaP、およびこれらの混晶などが挙げられる。次に、本実施形態の各構成要件について説明する。
[Si基板]
本実施形態において、Si基板10は、Siからなりその上に形成される化合物半導体層を支持することが可能なものであれば特に制限されない。
Si基板10は化合物半導体積層体の単結晶を成長できるものであることが望ましく、Siの単結晶基板が好ましく用いられる。単結晶基板は、半絶縁性基板であっても良いし、ドナー不純物やアクセプタ不純物によって、n型やp型にドーピングされた導電性基板であっても良い。単結晶基板の面方位は特に制限はないが、(100)、(111)、(110)等が好ましい。また、これらの面方位に対して1°から5°傾けた面方位を用いることもあるが、この限りではない。
Si基板10表面は、真空中で加熱して酸化膜除去しても良いし、有機物、金属等の汚染物質を除去した後、濃度1.0wt%のフッ化水素水溶液を用いて表面の酸化膜を除去して、水素終端処理を行っても良い。
[第1の化合物半導体層]
本実施形態において、第1の化合物半導体層11は、Si基板10上に形成され、III−V族化合物半導体からなる層であれば特に制限されない。第1の化合物半導体層11として、具体的にはAlP、GaP、InP、AlAs、GaAs、InAs、AlSb、GaSb、InSbもしくはこれらの混晶が挙げられるがこの限りではない。
第1の化合物半導体層11の成長速度は、結晶性確保の観点から1.5μm/h以下が好ましい。また、上記成長速度は、形成時間の観点から0.05μm/h以上が好ましい。第1の化合物半導体層11の表面平坦性は、プロセスにおける均一性の確保の観点から、Rrms10nm以下が好ましい。第1の化合物半導体層11の膜厚は、結晶性確保の観点から、0.3μm以上が好ましく、欠陥密度低減の観点から、2μm以上であることがより好ましい。また、上記膜厚は、形成時間の観点から5μm以下が好ましい。第1の化合物半導体層11は、ノンドープでも良いし、ドナー不純物やアクセプタ不純物によって、n型やp型にドーピングしても良い。
デバイスへの応用の多様性観点から、第1の化合物半導体層11は、GaAs、GaAs1−zSb(0<z≦1)、のいずれか、もしくはこれらのうち組成または組成比zが異なる2つ以上を積層した積層構造であるであることが好ましい。この際、成長温度は結晶性の確保の観点から550℃以上が好ましく、Asの再蒸発による結晶性劣化防止の観点から、750℃以下が好ましい。また、Sbの組成比zは結晶性確保の観点から、0以上0.1以下であることが望ましい。
[第2の化合物半導体層]
本実施形態において、第2の化合物半導体層12は、第1の化合物半導体層11上に形成され、その格子定数が、第1の化合物半導体層11と第2の化合物半導体層12の界面から厚さ方向(即ち、上面の方向)へ階段状または連続的に大きくなる組成傾斜構造のIII−V族化合物半導体層からなる層であれば特に制限されない。格子定数が、第1の化合物半導体層11と第2の化合物半導体層12の界面から厚さ方向へ階段状または連続的に大きくなる組成傾斜構造のIII−V族化合物半導体層を得るためには、3元系以上の混晶を用いる方法が挙げられる。
第2の化合物半導体層12として、具体的にはAlP、GaP、InP、AlAs、GaAs、InAs、AlSb、GaSb、InSbからなる群より選択される少なくとも2つ以上組み合わせからなる混晶が挙げられるがこの限りではない。
第2の化合物半導体層12の成長温度は、熱膨張係数差に起因する引張応力の低減の観点から、200℃以上500℃以下が好ましく、200℃以上350℃以下がより好ましい。第2の化合物半導体層12の成長速度は、結晶性確保の観点から1.5μm/h以下が好ましい。また、形成時間の観点から0.05μm/h以上が好ましい。第2の化合物半導体層12の表面平坦性は、プロセスにおける均一性の確保の観点から、Rrmsは10nm以下が好ましい。
第2の化合物半導体層12の混晶比の変化率(III族原子A,BおよびV族原子Cが、A1−xCで表される場合のXの値の変化率、または、III族原子AおよびV族原子C,Dが、AC1−yで表される場合のyの値の変化率))は格子緩和を防ぐために、膜厚100nmあたり0より大きく0.1以下であることが好ましい。
第2の化合物半導体層12の膜厚は、圧縮応力の導入の観点から第1の化合物半導体層11の膜厚の10%以上が好ましく、形成時間の導入の観点から第1の化合物半導体層11の膜厚の40%以下が好ましい。第2の化合物半導体層12の平均線膨張係数は、熱膨張係数差に起因する引張応力の低減の観点から第1の化合物半導体層11の平均線膨張係数よりも小さいことが望ましい。
格子不整合による欠陥発生を抑制する観点から、第1の化合物半導体層11と第2の化合物半導体層12の界面において、第2の化合物半導体層12の格子定数が、第1の化合物半導体層11の99%以上であり101%以下であることが好ましい。
また、III族元素の制御のみで容易に形成できるという観点から、第2の化合物半導体層12がGa1−xInAs(0≦x≦1)もしくはGa1−xInAsSb(0≦x≦1)であり、第1の化合物半導体層11と第2の化合物半導体層12の界面から厚さ方向へ階段状または連続的にInの組成比xが大きくなる組成傾斜構造のIII−V族化合物半導体層であることが好ましい。Inの組成比xが大きくなるほど、第2の化合物半導体層12の格子定数が大きくなる。
また、V族元素の制御のみで容易に形成できるという観点から、第2の化合物半導体層12がGaAs1−ySb(0≦y≦1)もしくはGaInAs1−ySb(0≦y≦1)のいずれかであり、第1の化合物半導体層11と第2の化合物半導体層12の界面から厚さ方向へ階段状または連続的にSbの組成比yが大きくなる組成傾斜構造のIII−V族化合物半導体層であることも好ましい。Sbの組成比yが大きくなるほど、第2の化合物半導体層12の格子定数が大きくなる。
また、GaAsSb1−zとAlAsSb1−z(0≦z≦1)とについて、組成比zが同じであれば格子定数がほとんど同じであることから、第2の化合物半導体層12がAl1−xInAs(0≦x≦1)もしくはAl1−xInAsSb(0≦x≦1)であり、第1の化合物半導体層11と第2の化合物半導体層12の界面から厚さ方向へ階段状または連続的にInの組成比xが大きくなる組成傾斜構造のIII−V族化合物半導体層であることも好ましい。Inの組成比xが大きくなるほど、第2の化合物半導体層12の格子定数が大きくなる。この場合、第2の化合物半導体層12のバンドギャップを第1の化合物半導体層11のバンドギャップよりも大きくすることができるため、化合物半導体積層体を第2の化合物半導体層12の表面から光を入れて化合物半導体層11を受光層として用いる受光デバイスとして利用する際に、第2の化合物半導体層12の吸収によるロスを防げるという効果を奏する。
また、GaAsSb1−zとAlAsSb1−z(0≦z≦1)とについて、組成比zが同じであれば格子定数がほとんど同じであることから、第2の化合物半導体層12がAlAs1−ySb(0≦y≦1)もしくはAlInAs1−ySb(0≦y≦1)のいずれかであり、第1の化合物半導体層11と第2の化合物半導体層12の界面から厚さ方向へ階段状または連続的にSbの組成比yが大きくなる組成傾斜構造のIII−V族化合物半導体層であることも好ましい。Sbの組成比yが大きくなるほど、第2の化合物半導体層12の格子定数が大きくなる。この場合、第2の化合物半導体層12のバンドギャップを第1の化合物半導体層11のバンドギャップよりも大きくすることができるため、化合物半導体積層体を第2の化合物半導体層12の表面から光を入れて化合物半導体層11を受光層として用いる受光デバイスとして利用する際に、第2の化合物半導体層12の吸収によるロスを防げるという効果を奏する。
[その他の構成要件]
図2は、本発明の実施形態に係る化合物半導体積層体1の他の構成例を示す断面模式図である。図2に示すように、化合物半導体積層体1は、第2の化合物半導体層12上に、格子定数が一定の第3の化合物半導体層13を備えていてもよい。歪みのない格子緩和した第3の化合物半導体層13を最表面に有することにより、デバイスの長期信頼性の向上という効果を奏する。
[実施形態の効果]
本発明の実施態様によれば、化合物半導体層の反りとクラックの両方が低減された化合物半導体積層体を提供することができる。また、このような化合物半導体積層体を用いて製造される半導体装置は、化合物半導体積層体の反りが小さく、クラックも低減されている。このため、例えば、半導体装置作製時の露光の焦点距離が反りが原因でばらついたり、クラックが原因で半導体装置が割れたりする等の不具合を低減することができる。これにより、ダイシング後の個々の半導体特性について、性能のばらつきを低減することができる。
以下、本発明を実施例に基づいて詳細に説明するが、本発明は、下記実施例に限定されるものではなく、その発明の主旨を逸脱しない範囲において、種々変更可能であることは言うまでもない。
[実施例1](GaInAsのInを増やす 480℃)
まず、直径4インチ、厚さ525μmのSi(111)基板の表面の有機物、金属等の汚染物質を除去した後、濃度1.0wt%のフッ化水素水溶液を用いて表面の酸化膜を除去して、水素終端処理を行った。これを直ちにMBE装置内に導入し、1×10−6Torr(1.333×10−6Pa)以下の真空中で、基板温度が300℃になるまで加熱し、温度が一定になったところでAsを照射した。
引き続き、分子線強度が7.7×10−8TorrのGaと、分子線強度が3.0×10−5TorrのAs分子をクラッキングすなわち加熱して生成したAs分子とを同時に照射することにより、膜厚20nmのGaAs層を、1時間当たり0.1μmの形成速度で形成した。
その後、基板温度が580℃になるまで加熱し、温度が一定になったところで、分子線強度が7.7×10−7TorrのGaと、分子線強度が3.0×10−5TorrのAs分子をクラッキングすなわち加熱して生成したAs分子と、分子線強度が1.3×10−6TorrのSbとを同時に照射することにより、膜厚2200nmのGaAsSb層を、1時間当たり1μmの形成速度で形成した。すなわち、第1の化合物半導体層として膜厚2220nmのGaAsとGaAsSbの積層体を形成した。このとき、As原料はクラッキングされたAsであるため、GaAsSb層のSb組成は3%と低い。
その後、基板温度を下げ、480℃で一定になったところで、
分子線強度が3.0×10−5TorrのAs分子をクラッキングすなわち加熱して生成したAs分子と、Gaの分子線強度を6.2×10−7Torrから5.8×10−7Torrに、Inの分子線強度を8×10−8Torrから2.2×10−7Torrにそれぞれ連続的に変化させながら、膜厚300nmの第2の化合物半導体層Ga1−xInAs層を、1時間当たり1μmの形成速度で形成した。
SIMS分析の結果から、組成比xは、第1の化合物半導体層と第2の化合物半導体層の界面から0.10から0.25に連続的に変化していた。すなわち、組成変化量は膜厚100nmあたり0.05であった。SEM−EDX分析からも同様の組成変化量を確認可能である。また、SIMSの分析結果から、第1の化合物半導体層と前記第2の化合物半導体層の界面における第1の化合物半導体層の組成はGaAs0.97Sb0.03であり、第2の化合物半導体層の組成はGa0.90In0.10Asであり、このことから第2の化合物半導体層の格子定数は、第1の化合物半導体層の100.5%であった。
反り測定装置「FSM8800」(Frontier Semiconductor Measurements Inc.社製)を用いて、反り測定を行ったところ、化合物半導体積層体は下に凸に反っていた。化合物半導体積層体の中心部の高さ座標から、中心部から40mm離れた箇所の高さ座標を引いた値(以下、Δhとする)は、−18μmであった。Δhが正の値であることは、化合物半導体積層体が上に凸に沿っていることを示し、負の値であることは、下に凸に沿っていることを示す。
光学顕微鏡を用いて、ウエハ表面を観察したところ、クラックは見られなかった。
第1の化合物半導体層の(111)面に対応するX線回折ピークをX線回折装置「PW1830」(PHILIPS社製)を用いて解析したところ、第1の化合物半導体層の、(111)面に対応するX線回折ピークのロッキングカーブのFWHM値は521秒であった。
[実施例2](GaAsSbのSbを増やす 480℃)
まず、実施例1と同様に、直径4インチ、厚さ525μmのSi(111)基板の表面の有機物、金属等の汚染物質を除去した後、濃度1.0wt%のフッ化水素水溶液を用いて表面の酸化膜を除去して、水素終端処理を行った。
これを直ちにMBE装置内に導入し、1×10−6Torr(1.333×10−6Pa)以下の真空中で、基板温度が300℃になるまで加熱し、温度が一定になったところでAsを照射した。
引き続き、分子線強度が7.7×10−8TorrのGaと、分子線強度が3.0×10−5TorrのAs分子をクラッキングすなわち加熱して生成したAs分子とを同時に照射することにより、膜厚20nmのGaAs層を、1時間当たり0.1μmの形成速度で形成した。
その後、基板温度が580℃になるまで加熱し、温度が一定になったところで、分子線強度が7.7×10−7TorrのGaと、分子線強度が3.0×10−5TorrのAs分子をクラッキングすなわち加熱して生成したAs分子と、分子線強度が1.3×10−6TorrのSbとを同時に照射することにより、膜厚2200nmのGaAsSb層を、1時間当たり1μmの形成速度で形成した。すなわち、第1の化合物半導体層として膜厚2220nmのGaAsとGaAsSbの積層体を形成した。
その後、基板温度を下げ480℃で一定になったところで、分子線強度が7.7×10−7TorrのGaと、1.0×10−5TorrのAs分子をクラッキングすなわち加熱して生成したAs分子と、Sbの分子線強度を2.0×10−6Torrから4.1×10−6Torrに連続的に変化させながら、膜厚300nmの第2の化合物半導体層GaAs1−ySb層を、1時間当たり1μmの形成速度で形成した。SIMS分析の結果から、組成比yは、第1の化合物半導体層と第2の化合物半導体層の界面から0.10から0.25に連続的に変化していた。すなわち、組成変化量は膜厚100nmあたり0.05であった。SEM−EDX分析からも同様の組成変化量を確認可能である。
また、SIMSの分析結果から、第1の化合物半導体層と前記第2の化合物半導体層の界面における第1の化合物半導体層の組成はGaAs0.97Sb0.03であり、第2の化合物半導体層の組成はGaAs0.91Sb0.09であり、このことから第2の化合物半導体層の格子定数は、第1の化合物半導体層の100.5%であった。
反り測定装置を用いて、反り測定を行ったところ、Δhは−20μmであった。光学顕微鏡を用いて、ウエハ表面を観察したところ、クラックは見られなかった。
第1の化合物半導体層の(111)面に対応するX線回折ピークをX線回折装置を用いて解析したところ、第1の化合物半導体層の、(111)面に対応するX線回折ピークのロッキングカーブのFWHM値は515秒であった。
[比較例1](capなし)
実施例1と同様の方法で第1の化合物半導体層までを形成した後、第2の化合物半導体を形成することなく装置から取り出し、化合物半導体積層体を得た。反り測定装置を用いて、反り測定を行ったところ、Δhは−29μmであった。光学顕微鏡を用いて、ウエハ表面を観察したところ、クラックは見られなかった。
第1の化合物半導体層の(111)面に対応するX線回折ピークをX線回折装置を用いて解析したところ、第1の化合物半導体層の、(111)面に対応するX線回折ピークのロッキングカーブのFWHM値は487秒であった。
[比較例2](GaAsを特許文献1のように形成(温度制御):GaAs 380℃)
まず、実施例1と同様に、直径4インチ、厚さ525μmのSi(111)基板の表面の有機物、金属等の汚染物質を除去した後、濃度1.0wt%のフッ化水素水溶液を用いて表面の酸化膜を除去して、水素終端処理を行った。
これを直ちにMBE装置内に導入し、1×10−6Torr(1.333×10−6Pa)以下の真空中で、基板温度が300℃になるまで加熱し、温度が一定になったところでAsを照射した。
引き続き、分子線強度が7.8×10−8TorrのGaと、分子線強度が3.0×10−5TorrのAs分子をクラッキングすなわち加熱して生成したAs分子とを同時に照射することにより、膜厚20nmのGaAs層を、1時間当たり0.1μmの形成速度で形成した。
その後、基板温度が580℃になるまで加熱し、温度が一定になったところで、分子線強度が7.7×10−7TorrのGaと、分子線強度が3.0×10−5TorrのAs分子をクラッキングすなわち加熱して生成したAs分子と、分子線強度が1.4×10−6TorrのSbとを同時に照射することにより、膜厚2200nmのGaAsSb層を、1時間当たり1μmの形成速度で形成した。すなわち、第1の化合物半導体層として膜厚2220nmのGaAsとGaAsSbの積層体を形成した。
その後、基板温度を下げ380℃で一定になったところで、分子線強度が7.7×10−7TorrのGaと、3.0×10−5TorrのAs分子をクラッキングすなわち加熱して生成したAs分子とを同時に照射することにより、膜厚300nmの第2の化合物半導体層GaAs層を、1時間当たり1μmの形成速度で形成した。
SIMSの分析結果から、第1の化合物半導体層と前記第2の化合物半導体層の界面における第1の化合物半導体層の組成はGaAs0.97Sb0.03であり、第2の化合物半導体層の組成はGaAsであり、このことから第2の化合物半導体層の格子定数は、第1の化合物半導体層の99.8%であった。
反り測定装置を用いて、反り測定を行ったところ、Δhは−40μmであった。光学顕微鏡を用いて、ウエハ表面を観察したところ、クラックは見られなかった。
第1の化合物半導体層の(111)面に対応するX線回折ピークをX線回折装置を用いて解析したところ、第1の化合物半導体層の、(111)面に対応するX線回折ピークのロッキングカーブのFWHM値は492秒であった。
[比較例3](GaAs 280℃)
第2の化合物半導体層の形成温度を280℃とする以外は、比較例2と同様の方法で化合物半導体積層体を得た。SIMSの分析結果から、第1の化合物半導体層と前記第2の化合物半導体層の界面における第1の化合物半導体層の組成はGaAs0.97Sb0.03であり、第2の化合物半導体層の組成はGaAsであり、このことから第2の化合物半導体層の格子定数は、第1の化合物半導体層の99.8%であった。
反り測定装置を用いて、反り測定を行ったところ、Δhは−32μmであった。光学顕微鏡を用いて、ウエハ表面を観察したところ、クラックは見られなかった。
第1の化合物半導体層の(111)面に対応するX線回折ピークをX線回折装置を用いて解析したところ、第1の化合物半導体層の、(111)面に対応するX線回折ピークのロッキングカーブのFWHM値は497秒であった。
実施例1、2と比較例1とを比較した場合、実施例1、2は反りの大きさΔhの絶対値が小さくなることがわかった。
[実施例3](GaInAs 280℃)
第2の化合物半導体層の形成温度を280℃とする以外は、実施例1と同様の方法で化合物半導体積層体を得た。SIMS分析の結果から、第2の化合物半導体層Ga1−xInAsの組成比xは、第1の化合物半導体層と第2の化合物半導体層の界面から0.10から0.25に連続的に変化していた。すなわち、組成変化量は膜厚100nmあたり0.05であった。SEM−EDX分析からも同様の組成変化量を確認可能である。また、SIMSの分析結果から、第1の化合物半導体層と前記第2の化合物半導体層の界面における第1の化合物半導体層の組成はGaAs0.97Sb0.03であり、第2の化合物半導体層の組成はGa0.90In0.10Asであり、このことから第2の化合物半導体層の格子定数は、第1の化合物半導体層の100.5%であった。
反り測定装置を用いて、反り測定を行ったところ、Δhは−3μmであった。光学顕微鏡を用いて、ウエハ表面を観察したところ、クラックは見られなかった。
第1の化合物半導体層の(111)面に対応するX線回折ピークをX線回折装置を用いて解析したところ、第1の化合物半導体層の、(111)面に対応するX線回折ピークのロッキングカーブのFWHM値は550秒であった。
[実施例4](GaInAs 280℃ 膜厚600nm)
まず、実施例1と同様の方法を用いて、Si(111)基板上に第1の化合物半導体積層体を形成した。
その後、基板温度を下げ280℃で一定になったところで、分子線強度が3.0×10−5TorrのAs分子をクラッキングすなわち加熱して生成したAs分子と、Gaの分子線強度を5.5×10−7Torrから4.6×10−7Torrに、Inの分子線強度を7×10−8Torrから1.7×10−7Torrにそれぞれ連続的に変化させながら、膜厚600nmの第2の化合物半導体層Ga1−xInAs層を、1時間当たり1μmの形成速度で形成した。
SIMS分析の結果から、組成比xは、第1の化合物半導体層と第2の化合物半導体層の界面から0.10から0.25に連続的に変化していた。すなわち、組成変化量は膜厚100nmあたり0.025であった。SEM−EDX分析からも同様の組成変化量を確認可能である。また、SIMSの分析結果から、第1の化合物半導体層と前記第2の化合物半導体層の界面における第1の化合物半導体層の組成はGaAs0.97Sb0.03であり、第2の化合物半導体層の組成はGa0.90In0.10Asであり、このことから第2の化合物半導体層の格子定数は、第1の化合物半導体層の100.5%であった。
反り測定装置を用いて、反り測定を行ったところ、Δhは2μmであった。光学顕微鏡を用いて、ウエハ表面を観察したところ、クラックは見られなかった。
第1の化合物半導体層の(111)面に対応するX線回折ピークをX線回折装置を用いて解析したところ、第1の化合物半導体層の、(111)面に対応するX線回折ピークのロッキングカーブのFWHM値は548秒であった。
[実施例5](GaInAs 280℃ In:0.1→0.4)
まず、実施例1と同様の方法を用いて、Si(111)基板上に第1の化合物半導体積層体を形成した。その後、基板温度を下げ280℃で一定になったところで、分子線強度が3.0×10−5TorrのAs分子をクラッキングすなわち加熱して生成したAs分子と、Gaの分子線強度を5.5×10−7Torrから3.8×10−7Torrに、Inの分子線強度を7×10−8Torrから2.8×10−7Torrにそれぞれ連続的に変化させながら、膜厚300nmの第2の化合物半導体層Ga1−xInAs層を、1時間当たり1μmの形成速度で形成した。
SIMS分析の結果から、組成比xは、第1の化合物半導体層と第2の化合物半導体層の界面から0.10から0.40に連続的に変化していた。すなわち、組成変化量は膜厚100nmあたり0.1であった。SEM−EDX分析からも同様の組成変化量を確認可能である。また、SIMSの分析結果から、第1の化合物半導体層と前記第2の化合物半導体層の界面における第1の化合物半導体層の組成はGaAs0.97Sb0.03であり、第2の化合物半導体層の組成はGa0.90In0.10Asであり、このことから第2の化合物半導体層の格子定数は、第1の化合物半導体層の100.5%であった。
反り測定装置を用いて、反り測定を行ったところ、Δhは2μmであった。光学顕微鏡を用いて、ウエハ表面を観察したところ、クラックは見られなかった。
第1の化合物半導体層の(111)面に対応するX線回折ピークをX線回折装置を用いて解析したところ、第1の化合物半導体層の、(111)面に対応するX線回折ピークのロッキングカーブのFWHM値は535秒であった。
実施例3、4、5と実施例1とを比較したところ、実施例3、4、5は第2の化合物半導体積層体の成長温度を低くすることで、反りΔhの絶対値を大幅に低減できることが分かった。
[実施例6](GaAs660℃/GaInAs280℃ In:0.1→0.4 膜厚600nm)
まず、実施例1と同様に、直径4インチ、厚さ525μmのSi(111)基板の表面の有機物、金属等の汚染物質を除去した後、濃度1.0wt%のフッ化水素水溶液を用いて表面の酸化膜を除去して、水素終端処理を行った。
これを直ちにMBE装置内に導入し、1×10−6Torr(1.333×10−6Pa)以下の真空中で、基板温度が300℃になるまで加熱し、温度が一定になったところでAsを照射した。引き続き、分子線強度が6.2×10−8TorrのGaと、分子線強度が3.0×10−5TorrのAs分子をクラッキングすなわち加熱して生成したAs分子とを同時に照射することにより、膜厚20nmのGaAs層を、1時間当たり0.1μmの形成速度で形成した。
その後、基板温度が660℃になるまで加熱し、温度が一定になったところで、分子線強度が6.3×10−7TorrのGaと、分子線強度が3.0×10−5TorrのAs分子をクラッキングすなわち加熱して生成したAs分子と、分子線強度が1.3×10−6TorrのSbとを同時に照射することにより、膜厚2980nmのGaAsSb層を、1時間当たり1μmの形成速度で形成した。すなわち、第1の化合物半導体層として膜厚3000nmのGaAsとGaAsSbの積層体を形成した。
まず、実施例1と同様の方法を用いて、Si(111)基板上に第1の化合物半導体積層体を形成した。
その後、基板温度を下げ280℃で一定になったところで、分子線強度が3.0×10−5TorrのAs分子をクラッキングすなわち加熱して生成したAs分子と、Gaの分子線強度を5.6×10−7Torrから3.9×10−7Torrに、Inの分子線強度を7×10−8Torrから2.9×10−7Torrにそれぞれ連続的に変化させながら、膜厚600nmの第2の化合物半導体層Ga1−xInAs層を、1時間当たり1μmの形成速度で形成した。
SIMS分析の結果から、組成比xは、第1の化合物半導体層と第2の化合物半導体層の界面から0.10から0.40に連続的に変化していた。すなわち、組成変化量は膜厚100nmあたり0.05であった。SEM−EDX分析からも同様の組成変化量を確認可能である。また、SIMSの分析結果から、第1の化合物半導体層と前記第2の化合物半導体層の界面における第1の化合物半導体層の組成はGaAs0.97Sb0.03であり、第2の化合物半導体層の組成はGa0.90In0.10Asであり、このことから第2の化合物半導体層の格子定数は、第1の化合物半導体層の100.5%であった。
反り測定装置を用いて、反り測定を行ったところ、Δhは−19μmであった。光学顕微鏡を用いて、ウエハ表面を観察したところ、クラックは見られなかった。
第1の化合物半導体層の(111)面に対応するX線回折ピークをX線回折装置を用いて解析したところ、第1の化合物半導体層の、(111)面に対応するX線回折ピークのロッキングカーブのFWHM値は311秒であった。
[比較例4](capなし、3000nm、580℃)
まず、実施例1と同様に、直径4インチ、厚さ525μmのSi(111)基板の表面の有機物、金属等の汚染物質を除去した後、濃度1.0wt%のフッ化水素水溶液を用いて表面の酸化膜を除去して、水素終端処理を行った。
これを直ちにMBE装置内に導入し、1×10−6Torr(1.333×10−6Pa)以下の真空中で、基板温度が300℃になるまで加熱し、温度が一定になったところでAsを照射した。
引き続き、分子線強度が8.1×10−8TorrのGaと、分子線強度が3.0×10−5TorrのAs分子をクラッキングすなわち加熱して生成したAs分子とを同時に照射することにより、膜厚20nmのGaAs層を、1時間当たり0.1μmの形成速度で形成した。
その後、基板温度が580℃になるまで加熱し、温度が一定になったところで、分子線強度が8.1×10−7TorrのGaと、分子線強度が3.0×10−5TorrのAs分子をクラッキングすなわち加熱して生成したAs分子と、分子線強度が1.3×10−6TorrのSbとを同時に照射することにより、膜厚2980nmのGaAsSb層を、1時間当たり1μmの形成速度で形成した。すなわち、第1の化合物半導体層として膜厚3000nmのGaAsとGaAsSbの積層体を形成した。
反り測定装置を用いて、反り測定を行ったところ、Δhは−42μmであった。光学顕微鏡を用いて、ウエハ表面を観察したところ、クラックが観察された。
第1の化合物半導体層の(111)面に対応するX線回折ピークをX線回折装置を用いて解析したところ、第1の化合物半導体層の、(111)面に対応するX線回折ピークのロッキングカーブのFWHM値は418秒であった。
[比較例5](capなし、3000nm、660℃)
まず、実施例1と同様に、直径4インチ、厚さ525μmのSi(111)基板の表面の有機物、金属等の汚染物質を除去した後、濃度1.0wt%のフッ化水素水溶液を用いて表面の酸化膜を除去して、水素終端処理を行った。
これを直ちにMBE装置内に導入し、1×10−6Torr(1.333×10−6Pa)以下の真空中で、基板温度が300℃になるまで加熱し、温度が一定になったところでAsを照射した。
引き続き、分子線強度が8.1×10−8TorrのGaと、分子線強度が3.0×10−5TorrのAs分子をクラッキングすなわち加熱して生成したAs分子とを同時に照射することにより、膜厚20nmのGaAs層を、1時間当たり0.1μmの形成速度で形成した。
その後、基板温度が660℃になるまで加熱し、温度が一定になったところで、分子線強度が8.1×10−7TorrのGaと、分子線強度が3.0×10−5TorrのAs分子をクラッキングすなわち加熱して生成したAs分子と、分子線強度が1.3×10−6TorrのSbとを同時に照射することにより、膜厚2980nmのGaAsSb層を、1時間当たり1μmの形成速度で形成した。すなわち、第1の化合物半導体層として膜厚3000nmのGaAsとGaAsSbの積層体を形成した。
反り測定装置を用いて、反り測定を行ったところ、Δhは−75μmであった。光学顕微鏡を用いて、ウエハ表面を観察したところ、クラックが観察された。
第1の化合物半導体層の(111)面に対応するX線回折ピークをX線回折装置を用いて解析したところ、第1の化合物半導体層の、(111)面に対応するX線回折ピークのロッキングカーブのFWHM値は374秒であった。
Si基板上の化合物半導体層の膜厚が大きくなると、反りの大きさが顕著に大きくなる傾向が見られる。比較例4、5のように第1の化合物半導体層の膜厚が3000nmと大きい場合、反りが大きくなり、クラックが観察された。実施例6と比較例5、6とを比較すると、実施例6では反りが顕著に低減しており、クラックの発生を抑制していることがわかった。
[比較例6](GaSb 480℃)
まず、実施例1と同様に、直径4インチ、厚さ525μmのSi(111)基板の表面の有機物、金属等の汚染物質を除去した後、濃度1.0wt%のフッ化水素水溶液を用いて表面の酸化膜を除去して、水素終端処理を行った。
これを直ちにMBE装置内に導入し、1×10−6Torr(1.333×10−6Pa)以下の真空中で、基板温度が300℃になるまで加熱し、温度が一定になったところでAsを照射した。
引き続き、分子線強度が7.8×10−8TorrのGaと、分子線強度が3.0×10−5TorrのAs分子をクラッキングすなわち加熱して生成したAs分子とを同時に照射することにより、膜厚20nmのGaAs層を、1時間当たり0.1μmの形成速度で形成した。
その後、基板温度が580℃になるまで加熱し、温度が一定になったところで、分子線強度が7.8×10−7TorrのGaと、分子線強度が3.0×10−5TorrのAs分子をクラッキングすなわち加熱して生成したAs分子と、分子線強度が1.3×10−6TorrのSbとを同時に照射することにより、膜厚2200nmのGaAsSb層を、1時間当たり1μmの形成速度で形成した。すなわち、第1の化合物半導体層として膜厚2220nmのGaAsとGaAsSbの積層体を形成した。
その後、基板温度を下げ480℃で一定になったところで、分子線強度が7.8×10−7TorrのGaと、分子線強度が1.3×10−6TorrのSbとを同時に照射することにより、膜厚300nmの第2の化合物半導体層GaSb層を、1時間当たり1μmの形成速度で形成した。
SIMSの分析結果から、第1の化合物半導体層と前記第2の化合物半導体層の界面における第1の化合物半導体層の組成はGaAs0.97Sb0.03であり、第2の化合物半導体層の組成はGaSbであり、このことから第2の化合物半導体層の格子定数は、第1の化合物半導体層の107.8%であった。
反り測定装置を用いて、反り測定を行ったところ、Δhは−32μmであった。光学顕微鏡を用いて、ウエハ表面を観察したところ、クラックは見られなかった。
第1の化合物半導体層の(111)面に対応するX線回折ピークをX線回折装置を用いて解析したところ、第1の化合物半導体層の、(111)面に対応するX線回折ピークのロッキングカーブのFWHM値は485秒であった。
比較例6は、実施例1〜6のいずれと比べても反りの大きさΔhの絶対値が大きい。
なお、上述した実施例1〜6および比較例1〜6の形成条件等と評価の結果を図3にまとめて示す。
なお、第2の化合物半導体として、実施例1,3〜6では、組成がGa1−xInAs(0≦x≦1)、実施例2はGaAsSb1−z(0≦z≦1)の場合を示したが、格子定数が近いAl1−xInAs(0≦x≦1)やAlAsSb1−z(0≦z≦1)であっても同等の効果が得られる。
1 化合物半導体積層体
10 Si基板
11 第1の化合物半導体層
12 第2の化合物半導体層
13 第3の化合物半導体層

Claims (9)

  1. Si基板と、
    前記Si基板上に形成された第1の化合物半導体層と、
    前記第1の化合物半導体層上に形成された第2の化合物半導体層とを有し、
    前記第1の化合物半導体層は、III−V族化合物半導体からなり、
    前記第2の化合物半導体層は、第1の化合物半導体層と第2の化合物半導体層の界面から厚さ方向へ、格子定数が階段状または連続的に大きくなる組成傾斜構造のIII−V族化合物半導体層からなることを特徴とする化合物半導体積層体。
  2. 第1の化合物半導体層と前記第2の化合物半導体層の界面において、第2の化合物半導体層の格子定数が、第1の化合物半導体層の99%以上であり101%以下であることを特徴とする請求項1に記載の化合物半導体積層体。
  3. 前記第1の化合物半導体層がGaAs、GaAs1−zSb(0<z≦1)、のいずれか、もしくはこれらのうち組成または組成比zが異なる2つ以上を積層した積層構造であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の化合物半導体積層体。
  4. 前記第2の化合物半導体層がGa1−xInAs(0≦x≦1)もしくはGa1−xInAsSb(0≦x≦1)であり、第1の化合物半導体層と第2の化合物半導体層の界面から厚さ方向へ、階段状または連続的にInの組成比xが大きくなる組成傾斜構造のIII−V族化合物半導体層であることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の化合物半導体積層体。
  5. 前記第2の化合物半導体層がGaAs1−ySb(0≦y≦1)もしくはGaInAs1−ySb(0≦y≦1)のいずれかであり、第1の化合物半導体層と第2の化合物半導体層の界面から厚さ方向へ、階段状または連続的にSbの組成比yが大きくなる組成傾斜構造のIII−V族化合物半導体層であることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の化合物半導体積層体。
  6. 前記第1の化合物半導体層の膜厚が2μm以上であることを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の化合物半導体積層体。
  7. 前記第1の化合物半導体層を構成するIII−V族化合物半導体層のうち少なくとも1つの化合物半導体について、前記Si基板の表面の面方位と同じ面に対応するX線回折ピークのロッキングカーブのFWHM値が1秒以上350秒以下であることを特徴とする請求項1から請求項6のいずれか一項に記載の化合物半導体積層体。
  8. 前記第2の化合物半導体層上に形成された、格子定数が一定の第3の化合物半導体層、をさらに有することを特徴とする請求項1から請求項7のいずれか一項に記載の化合物半導体積層体。
  9. 請求項1から請求項8のいずれか一項に記載の化合物半導体積層体を用いて製造されることを特徴とする半導体装置。
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