JP2014175349A - 積層インダクタ - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明の目的は、磁気飽和によるインダクタンス値の低下を抑制することを可能とする積層インダクタを提供することである。
【解決手段】積層インダクタ10は、磁性体層20a〜20e,20g〜20k及び非磁性体層20fからなる積層体12と、積層体12内に配され、並列接続されている複数のインダクタ導体層30a,30bとを備えている。インダクタ導体層30a,30bを通過する電流の方向と直交するインダクタ導体層30a,30bの断面形状は、全体として楕円状を成している。
【選択図】図3

Description

本発明は、インダクタが内部に配置された積層体からなる積層インダクタに関する。
従来の積層インダクタとしては、例えば、特許文献1に記載の電子部品が知られている。以下に、特許文献1に記載の電子部品について説明する。図9は、特許文献1に記載の電子部品500の外観斜視図である。図10は、特許文献1に記載の電子部品500の分解斜視図である。図11は、図9のB−B断面における断面図に内部電極508a〜508eにより形成される磁力線H500を追加した図である。
電子部品500は、積層体512、外部電極514a,514b、内部電極508及びビア導体500Ba〜500Bdを備え、図9に示すように、直方体状を成している。
積層体512は、図10に示すように、非磁性体層504a〜504e及び磁性体層505a〜505fが積層されて構成されている。内部電極508a〜508eは、磁性体層504a〜504eの主面上に設けられている。また、内部電極508a〜508eの両端はそれぞれ、積層体512の側面に引き出されている。さらに、各内部電極508a〜508eは、非磁性体層504a〜504dのそれぞれを積層方向に貫くビア導体500Ba〜500Bdにより接続されている。外部電極514a,514bは、図9に示すように、積層体512の側面に設けられ、内部電極508a〜508eと接続されている。
以上のように構成された電子部品500の内部電極508a〜508eは、ビア導体500Ba〜500Bdで接続されているため、内部電極508a〜508eは、一本のいわゆるストレート電極としての機能を果たす。そして、電子部品500は、インダクタとして機能する。
ところで、電子部品500の断面構造を見ると、図11に示すように、内部電極508a〜508eの断面はそれぞれ、長方形状を成している。このように、内部電極508a〜508eの断面が長方形状を成していると、内部電極508a〜508eに電流が流れた際に、図11に示すように、内部電極508a〜508eの角部分に磁束が集中する。これにより、内部電極508a〜508eの角部分で磁気飽和が生じ、結果として、電子部品500のインダクタンス値が低下するという問題があった。
特開2009−170446号公報
そこで、本発明の目的は、磁気飽和によるインダクタンス値の低下を抑制することを可能とする積層インダクタを提供することである。
本発明に係る積層インダクタは、複数の絶縁体層が積層されてなる積層体と、前記積層体内に配され、並列接続されている複数のインダクタ導体層と、を備え、前記複数のインダクタ導体層を通過する電流の方向と直交する断面において、該複数のインダクタ導体層の断面形状は、全体として楕円状を成していること、を特徴とする。
本発明の一形態である積層インダクタによれば、磁気飽和によるインダクタンス値の低下を抑制することが可能である。
一実施例である積層インダクタの外観斜視図である。 一実施例である積層インダクタの分解斜視図である。 図1のA−A断面における断面図にインダクタ導体層により形成される磁力線を追加した図である。 製造途中における積層インダクタ導体層の断面図である。 製造途中における積層インダクタ導体層の断面図である。 比較例に係る積層コイルの断面図である。 第2のサンプルの断面図である。 第1及び第2のサンプルにおいて、第1の実験を行った際の結果を示したグラフである。 特許文献1に記載の電子部品の外観斜視図である。 特許文献1に記載の電子部品の分解斜視図である。 図9のB−B断面における断面図に内部電極により形成される磁力線を追加した図である。
(積層インダクタの構成)
以下で、一実施例である積層インダクタ10について図面を参照しながら説明する。図1は、一実施例である積層インダクタ10の外観斜視図である。図2は、一実施例である積層インダクタ10の分解斜視図である。図3は、図1のA−A断面における断面図にインダクタ導体層30a,30bにより形成される磁力線Hを追加した図である。以下で、積層インダクタ10の積層方向をz軸方向とし、z軸方向から平面視したときに、積層インダクタ10の長辺に沿った方向をx軸方向と定義する。さらに、z軸方向から平面視したときに、積層インダクタ10の短辺に沿った方向をy軸方向と定義する。なお、x軸、y軸及びz軸は互いに直交している。
積層インダクタ10は、積層体12、インダクタ導体層30a,30b及び外部電極40a,40bにより構成され、図1に示すように、直方体状を成している。
積層体12は、図2に示すように、絶縁体層20a〜20kがz軸方向の負方向側から正方向側に向かって、この順に並ぶように積層されることにより構成されている。また、各絶縁体層20a〜20kは、z軸方向から平面視したときに、長方形状を成している。従って、絶縁体層20a〜20kが積層されることにより構成された積層体12は、図1に示すように、直方体である。なお、絶縁体層20a〜20e,20g〜20kは磁性体材料により構成されている。絶縁体層20a〜20e,20g〜20kの材料としては、例えばフェライトが挙げられる。また、絶縁体層20f(所定の絶縁体層)は非磁性体材料により構成されている。絶縁体層20fの材料は、硼珪酸ガラス及びセラミックスフィラー等である。さらに、絶縁体層20a〜20e,20g〜20kの厚さは70μmであり、絶縁体層20fの厚さは25μmである。以下で、各絶縁体層20a〜20kのz軸方向の正方向側の面を上面と称し、z軸方向の負方向側の面を下面と称す。
インダクタ導体層30a,30bは、積層体12内に位置しており、インダクタを構成している。具体的には、インダクタ導体層30aは、図2に示すように、絶縁体層20eの上面、つまり絶縁体層20fの下面におけるy軸方向の中央に配置されている。また、インダクタ導体層30bは、図2に示すように、絶縁体層20fの上面におけるy軸方向の中央に配置されている。従って、絶縁体層20f(所定の絶縁体層)は、インダクタ導体層30a,30bの層間に位置する。また、z軸方向から平面視したときに、インダクタ導体層30aとインダクタ導体層30bとは略一致して重なっている。また、インダクタ導体層30a,30bの両端は、積層体12のx軸方向の正負両側の面に露出しており、後述する外部電極40a,40bと接続されている。つまり、インダクタ導体層30a,30bは、外部電極40a,40b間で並列接続されている。また、インダクタ導体層30a,30bにおける電流が流れる方向は、共にx軸方向である。
また、インダクタ導体層30a,30bは、図2に示すように、x軸方向に直線状に延在する帯状の導体層である。インダクタ導体層30a,30bのy軸方向の線幅は略均一である。インダクタ導体層30aのx軸方向と直交する方向における断面形状Saは、図3に示すように、z軸方向の負方向側に凸な半楕円形である。また、インダクタ導体層30bのx軸方向と直交する方向における断面形状Sbは、図3に示すように、z軸方向の正方向側に凸な半楕円形である。従って、断面形状Sa及び断面形状Sbを組み合わせた断面形状は、全体として楕円状を成している。なお、全体として楕円状を成しているとは、本実施例において、断面形状Saにおけるz軸方向の負方向側の弧(すなわち、断面形状Saにおいて絶縁体層20fに接触していない部分)、及び、断面形状Sbにおけるz軸方向の正方向側の弧(すなわち、断面形状Sbにおいて絶縁体層20fに接触していない部分)を組み合わせた形状が、楕円状を成しているという意味である。インダクタ導体層30の材料は、Au,Ag,Pd,Cu,Ni等の導電性材料である。また、インダクタ導体層30a,30bの厚さは、70μmである。従って、絶縁体層20fの厚さは、インダクタ導体層30a,30bの厚さよりも薄い。
外部電極40aは、図1に示すように、積層体12のx軸方向の正方向側の面を覆うように設けられている。また、外部電極40bは、積層体12のx軸方向の負方向側の面を覆うように設けられている。なお、外部電極40a,40bの材料は、Au,Ag,Pd,Cu,Ni等の導電性材料である。また、前述のとおり、外部電極40a,40bは、インダクタ導体層30a,30bの両端と接続されている。これにより、インダクタ導体層30a,30bは、外部電極40a,40b間において並列接続されており、1つのインダクタを構成している。
(積層インダクタの製造方法)
以上のように構成された積層インダクタ10の製造方法について以下に説明する。なお、以下では、一つの積層インダクタ10について説明するが、実際には、未焼成の複数の積層体12がつながったマザー積層体を作製し、マザー積層体をカットした後に外部電極40a,40bを形成して、複数の積層インダクタ10を得る。図4及び図5は、製造途中における積層インダクタ10の断面図である。なお、セラミックグリーンシートの積層方向をz軸方向とし、z軸方向から平面視したときに、完成後の積層インダクタ10の長辺に沿った方向をx軸方向と定義する。さらに、z軸方向から平面視したときに、完成後の積層インダクタ10の短辺に沿った方向をy軸方向と定義する。また、x軸、y軸及びz軸は互いに直交している。
まず、絶縁体層20a〜20e,20g〜20kとなるべきセラミックグリーンシートを準備する。具体的には、酸化第二鉄(Fe23)、酸化亜鉛(ZnO)及び酸化ニッケル(NiO)を所定の比率で秤量した後、それぞれの材料を原材料としてボールミルに投入し、湿式調合を行う。得られた混合物を乾燥してから粉砕し、得られた粉末を仮焼する。得られた仮焼粉末をボールミルにて湿式粉砕した後、乾燥してから解砕して、磁性体粉末を得る。
得られた磁性体粉末に対して、結合剤(酢酸ビニル、水溶性アクリル等)と可塑剤、湿潤剤、分散剤を加えてボールミルで混合を行い、その後、減圧により脱泡を行う。得られたセラミックスラリーをドクターブレード法により、キャリアシート上にシート状に形成して乾燥させ、絶縁体層20a〜20e,20g〜20kとなるべきセラミックグリーンシートを作製する。
また、絶縁体層20a〜20e,20g〜20kとなるべきセラミックグリーンシートの準備と並行して、絶縁体層20fとなるべきセラミックグリーンシートを準備する。絶縁体層20fとなるべきセラミックグリーンシートの作製工程は、原材料が硼珪酸ガラス及びセラミックフィラーである点を除いて、絶縁体層20a〜20e,20g〜20kとなるべきセラミックグリーンシートを作製する工程と基本的に同じであるため、ここでの説明は省略する。
次に絶縁体層20e,20fとなるべきセラミックグリーンシートの表面上に、Au,Ag,Pd,Cu,Ni等を主成分とする導電性ペーストを、スクリーン印刷やフォトリソグラフィ法により塗布し、乾燥させてインダクタ導体層30a,30bを形成する。
次に、絶縁体層20a〜20kとなるべきセラミックグリーンシートをこの順に並ぶように積層・圧着して、未焼成のマザー積層体を得る。その後、未焼成のマザー積層体を静水圧プレスなどにより加圧して本圧着を行う。
なお、各セラミックグリーンシートを積層すると、図4に示すように、マザー積層体におけるインダクタ導体層30a,30bが設けられている領域のz方向の厚みは、インダクタ導体層30a,30bが設けられていない領域のz軸方向の厚みよりもインダクタ導体層30a,30bの厚みの分だけ厚くなる。また、インダクタ導体層30a,30bは、セラミックグリーンシートよりも硬い。従って、この状態でマザー積層体に加圧処理が施されると、図5に示すように、マザー積層体におけるインダクタ導体層30a,30bが設けられている領域のセラミックグリーンシートが大きく押しつぶされる。ただし、図5に示すように、インダクタ導体層30a,30bが設けられている領域とインダクタ導体層30a,30bが設けられていない領域との境界におけるマザー積層体のz軸方向の厚みは、連続的に変化する。そのため、インダクタ導体層30a,30bのy軸方向の両端は、インダクタ導体層30a,30bのy軸方向の中央よりも大きくつぶされる。
さらに、インダクタ導体層30a,30bは、インダクタ導体層30a,30bよりも薄い絶縁体層20fとなるべきセラミックグリーンシートを挟んで対向している。ここで、絶縁体層20fが加圧処理により押しつぶされる量は、絶縁体層20fの厚さで定まり、絶縁体層20fの厚さは、インダクタ導体層30a,30bの厚さより薄い。従って、絶縁体層20fが押しつぶされる量は、インダクタ導体層30a,30bの厚さに比べわずかである。そうすると、加圧処理によって、絶縁体層20fはほとんどつぶれないため、インダクタ導体層30aは、z軸方向の負方向側に埋め込まれ、インダクタ導体層30bはz軸方向の正方向側に埋め込まれる。結果として、インダクタ導体層30aの断面形状は、z軸方向の負方向側に凸な半楕円形の断面形状を成し、インダクタ導体層30bの断面形状は、z軸方向の正方向側に凸な半楕円形の断面形状を成す。つまり、インダクタ導体層30a,30bの断面形状が、全体として楕円状を成すこととなる。
次に、マザー積層体をカット刃により所定寸法の積層体12にカットする。その後、未焼成の積層体12に、脱バインダー処理及び焼成を施す。脱バインダー処理は、例えば、低酸素雰囲気中において500℃で2時間の条件で行う。焼成は、例えば、800℃〜900℃で2.5時間の条件で行う。
次に、外部電極40a,40bを形成する。まず、Agを主成分とする導電性材料からなる電極ペーストを積層体12の側面に塗布する。次に、塗布した電極ペーストを約800℃の温度で1時間の条件で焼き付ける。これにより、外部電極40a,40bの下地電極が形成される。
最後に、下地電極の表面にNi/Snめっきを施す。これにより、外部電極40a,40bが形成される。以上の工程により、積層インダクタ10が完成する。
(効果)
積層インダクタ10によれば、磁気飽和によるインダクタンス値の低下を抑制することが可能である。具体的には、図3に示すように、インダクタ導体層30a,30bに電気が流れた際に発生する磁力線Hは、インダクタ導体層30a,30bの周囲に沿うように形成される。また、インダクタ導体層30a,30bを組み合わせた断面形状は、全体として楕円状を成している。つまり、インダクタ導体層30a,30bを組み合わせた断面形状には角がない。従って、積層インダクタ10では、角部分に磁束が集中することがなく、磁気飽和を抑制することができる。結果として、積層インダクタ10によれば、磁気飽和によるインダクタンス値の低下を抑制することが可能である。
また、積層インダクタ10では、上述のとおり、角部分に磁束集中しにくいため、磁力線が、インダクタ導体層30a,30bの周囲をスムーズに周回することができる。これにより、積層インダクタ10では、電流が大量に流入する前のインダクタンス値、いわゆる初期のインダクタンス値を大きくすることができる。
さらに、積層インダクタ10では、絶縁体層20fの厚さが、インダクタ導体層30a,30bの厚さよりも薄い。これにより、積層インダクタ10では、インダクタンス値の低下を抑制している。具体的には、仮に、絶縁体層20fの厚さが、インダクタ導体層30a,30bよりも厚い場合には、インダクタ導体層30aとインダクタ導体層30bとの距離が大きくなる。そうすると、図6に示すように、積層体内を周回する磁力線Hが、積層体12のz軸方向の正負両側の端面付近に密集してしまう。一方、積層インダクタ10では、絶縁体層20fの厚さが、インダクタ導体層30a,30bの厚さよりも薄い。これにより、図3に示すように、インダクタ導体層30a,30bそれぞれに発生した磁力線Hが、積層体12のz軸方向の正負両側の端面付近に密集することがないため、結果として、インダクタンス値の低下を抑制できる。
ところで、絶縁体層20fの厚さが、インダクタ導体層30a,30bの厚さよりも薄いことにより、インダクタ導体層30a,30bの断面形状が、全体として楕円状を成しやすくなる。具体的には、積層インダクタ10の製造過程において、インダクタ導体層30a,30bは、インダクタ導体層30a,30bよりも薄い絶縁体層20fとなるべきセラミックグリーンシートを挟んで対向している。ここで、セラミックグリーンシートの圧着工程において、絶縁体層20fが加圧処理により押しつぶされる量は、絶縁体層20fの厚さで定まる。また、絶縁体層20fの厚さがインダクタ導体層30a,30bの厚さより薄い。従って、絶縁体層20fが押しつぶされる量は、インダクタ導体層30a,30bの厚さに比べわずかである。そうすると、加圧処理によって、絶縁体層20fはほとんどつぶれないため、インダクタ導体層30aは、z軸方向の負方向側に埋め込まれ、インダクタ導体層30bはz軸方向の正方向側に埋め込まれる。結果として、インダクタ導体層30aの断面形状は、z軸方向の負方向側に凸な半楕円形の断面形状を成し、インダクタ導体層30bの断面形状は、z軸方向の正方向側に凸な半楕円形の断面形状を成す。つまり、インダクタ導体層30a,30bの断面形状が、全体として楕円状を成すこととなる。以上より、絶縁体層20fの厚さが、インダクタ導体層30a,30bの厚さよりも薄いことにより、インダクタ導体層30a,30bの断面形状が、全体として楕円状を成しやすくなる。
また、積層インダクタ10では、インダクタ導体層30a,30bの層間に絶縁体層20f(所定の絶縁体層)が位置している。また、絶縁体層20fは非磁性材料であるから、磁性材料で構成されている絶縁体層20a〜20e,20g〜20kよりも透磁率が低い。これにより、インダクタ導体層30a,30bに電流が流れた際に発生する磁力線Hは、図3に示すように、積層体12のy軸方向に広がるように形成されている。つまり、インダクタ導体層間に非磁性体層を挿入したことにより、閉磁路だった磁力線の経路が開磁路となっている。従って、積層インダクタ10では、絶縁体層20fが絶縁体層20a〜20e,20g〜20kの透磁率である場合と比較して、磁気飽和しにくくなる。これにより、積層インダクタ10では、磁気飽和によるインダクタンス値の低下をより効果的に抑制することが可能である。
これに加え、積層インダクタ10によれば、応力集中によるクラックの発生を抑制することができる。具体的には、インダクタ導体層30a,30bを組み合わせた断面形状は、全体として楕円状を成している。従って、インダクタ導体層30a,30bの断面形状の角の個数は、電子部品500の内部電極508a〜508eにおける矩形状を成した断面形状の角の個数と比較して少ない。従って、積層インダクタ10では、電子部品500と比較して、応力が集中する箇所が少ない。結果として、積層インダクタ10では、応力集中によるクラックの発生を抑制することができる。
さらに、積層インダクタ10のインダクタ導体層30a,30bは、絶縁体層20f,20e上にペースト状の導電性材料が塗布されて形成されている。これにより、インダクタ導体層30a,30bを針金状の線材で形成した場合と比較して、焼成後における積層インダクタ10の割れやクラックが抑制される。具体的には、インダクタ導体層30a,30bを線材で形成した場合、線材にはバインダー等は含まれていない。従って、インダクタ導体層30a,30bを線材で形成した場合に、積層体12の脱バインダー処理及び焼成を行うと、インダクタ導体層30a,30bが収縮せずに、絶縁体層20a〜20kのみが収縮する。そして、インダクタ導体層30a,30bと絶縁体層20a〜20kの収縮率の差による応力が、積層体12内で発生する。これにより、積層インダクタ10に割れやクラックが発生する。一方、インダクタ導体層30a,30bをペースト状の導電性材料を塗布することにより形成した場合には、脱バインダー処理及び焼成前において、インダクタ導体層30a,30bは、バインダー等を含むペースト状である。従って、積層体12の脱バインダー処理及び焼成の際に、インダクタ導体層30a,30bは、絶縁体層20a〜20kと共に収縮する。結果として、インダクタ導体層30a,30bと絶縁体層20a〜30kとの収縮率の差による応力の発生が抑制される。従って、積層インダクタ10では、インダクタ導体層30a,30bがペースト状の導電性材料を塗布することにより形成されていることで、焼成後における割れやクラックが抑制される。
(実験)
本願発明者は、積層インダクタ10が奏する効果を明確なものとするためにシミュレーションによる実験を行った。より詳細には、積層インダクタ10を第1のサンプルとして作製した。さらに、図7に示すように、積層インダクタ10におけるインダクタ導体層30a,30bの断面形状を矩形状としたインダクタ導体層30a’,30b’を有する積層インダクタ100を第2のサンプルとして作製した。なお、各サンプルの大きさは、3.2mm×2.5mm×2.0mmである。また、第1のサンプル及び第2のサンプルにおける導体層の幅はともに640μmである。ただし、第1のサンプルの導体層の厚みを93μmとし、第2のサンプルの導体層の厚みを73μmとすることで、第1のサンプル及び第2のサンプルの導体層の断面積を等しくしている。
実験では、第1及び第2のサンプルに電流を印加し、各サンプルのインダクタンス値の周波数特性を測定した。図8は、第1及び第2のサンプルにおいて、第1の実験を行った際の結果を示したグラフである。図8では、縦軸は、インダクタンス値(H)を示しており、横軸は、周波数(Hz)を示している。
実験では、図8に示すように、第1のサンプルのインダクタンス値が、第2のサンプルのインダクタンス値よりも高い値を示していることが分かる。これは、インダクタ導体層30a,30bを組み合わせた断面形状が楕円形状を成していることにより、磁気飽和が抑制され、結果として、インダクタンス値の低下が抑制されたことを示す。
(他の実施例)
なお、本発明に係るインダクタは前記実施例に限定するものではなく、その要旨の範囲内で種々に変更することができる。つまり、絶縁体層の材質、形状やサイズは用途に応じて適宜選択すればよい。また、インダクタ導体層の材質、形状やサイズについても、その要旨の範囲内で用途に応じて適宜選択すればよい。例えば、インダクタ導体層の層数は、2層に限られず、3層又はそれ以上の層数であってもよい。
また、上記実施例においてインダクタ導体層30a,30bは、直線状を成しているが、例えば、蛇行したミアンダ形状を成していてもよい。
以上のように、本発明は、積層インダクタに有用であり、特に、磁気飽和によるインダクタンス値の低下を抑制できる点で優れている。
10 積層インダクタ
12 積層体
20a〜20k 絶縁体層
20f 所定の絶縁体層
30a,30b インダクタ導体層

Claims (3)

  1. 複数の絶縁体層が積層されてなる積層体と、
    前記積層体内に配され、並列接続されている複数のインダクタ導体層と、
    を備え、
    前記複数のインダクタ導体層を通過する電流の方向と直交する断面において、該複数のインダクタ導体層の断面形状は、全体として楕円状を成していること、
    を特徴とする積層インダクタ。
  2. 前記複数のインダクタ導体層の層間には、所定の絶縁体層が配され、
    前記所定の絶縁体層の透磁率は、前記複数の絶縁体層に含まれる該所定の絶縁体層以外の絶縁体層の透磁率よりも低いこと、
    を特徴とする請求項1に記載の積層インダクタ。
  3. 前記複数のインダクタ導体層の層間には、所定の絶縁体層が含まれ、
    前記所定の絶縁体層の厚さは、前記インダクタ導体層の厚さよりも薄いこと、
    を特徴とする請求項1又は請求項2に記載の積層インダクタ。
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