JP2014174209A - 反射防止膜およびそれを有する光学素子並びに光学系 - Google Patents

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Abstract

【課題】種々の屈折率の基板に対して、可視波長領域の光に対する高性能な反射防止性能を有し、ゴーストやフレアの発生を低減できる反射防止膜およびそれを有する光学素子並びに光学系を提供する。
【解決手段】基板の上に基板側より順に第1層、第2層、第3層、第4層、第5層を積層した反射防止膜であって、基準波長λを550nmとし、ns>n1、1.6≦ns≦2.05、1.3≦n1≦1.8、かつ、0.018λ≦d1≦0.200λ、1.8≦n2≦2.2、かつ、0.018λ≦d2≦0.11λ、1.3≦n3≦1.8、かつ、0.04λ≦d3≦0.31λ、1.8≦n4≦2.2、かつ、0.018λ≦d4≦0.15λ、1.2≦n5≦1.3、かつ、0.18λ≦d5≦0.33λを満たす。
【選択図】図1

Description

本発明は、反射防止膜、およびそれを有する光学素子並びに光学系に関するものである。
光学系に含まれるレンズ等の光学素子は、光学ガラスや光学プラスチック等の透明部材を用いて製作されている。このような透明部材は、屈折率が大きいため、反射率が高くなる。反射率が高いと、像面に到達する有効光量が少なくなってしまうと共に、不要な反射によってゴーストやフレアが生じる。このため、透明部材を用いた光学素子には、反射防止機能を付与することが必要となる。
光学素子に反射防止機能を付与する手法として、蒸着により透明部材の表面に薄膜の誘電体膜を複数層重ねた多層の反射防止膜が知られている。多層を重ねることで反射防止効果を高めた提案が多くされており、例えば、特許文献1には、7層構造による反射防止膜が提案されている。
一方、反射防止膜の最上層(最表層)に、低屈折率材料(シリカやフッ化マグネシウム等の無機系材料、シリコン樹脂や非晶質のフッ素樹脂などの有機材料など)を使用すれば、高性能な反射防止機能を得ることができることが知られる。これらの材料は、層内に空隙を形成することにより、屈折率を下げることができるものである。このような低屈折率材料を反射防止膜の最上層(最表層)に用いた特許文献2には、屈折率を1.27程度まで下げた多孔質シリカ膜を最上層(最表層)とした5層構造の反射防止膜が提案されている。
特開平10−20102号公報 特開2009−168986号公報
しかしながら、特許文献1に開示された従来技術では、可視波長領域の光に対する反射率が0度入射(垂直入射)で0.3%程度であり、反射防止性能としては不十分である。また、特許文献2に開示された従来技術では、反射防止帯域が狭く、角度特性も良くない。
本発明の目的は、種々の屈折率の基板に対して、可視波長領域の光に対する高性能な反射防止性能を有し、ゴーストやフレアの発生を低減できる反射防止膜およびそれを有する光学素子並びに光学系を提供することにある。
上記目的を達成するために、本発明に係る反射防止膜は、基板の上に基板側より順に第1層、第2層、第3層、第4層、第5層を積層した反射防止膜であって、基準波長λを550nmとし、前記基板の屈折率をns、前記第1層の屈折率をn1、光学膜厚をd1(nm)、前記第2層の屈折率をn2、光学膜厚をd2(nm)、前記第3層の屈折率をn3、光学膜厚をd3(nm)、前記第4層の屈折率をn4、光学膜厚をd4(nm)、前記第5層の屈折率をn5、光学膜厚をd5(nm)とするとき、ns>n1、1.6≦ns≦2.05、 1.3≦n1≦1.8、かつ、0.018λ≦d1≦0.200λ、1.8≦n2≦2.2、かつ、0.018λ≦d2≦0.11λ、1.3≦n3≦1.8、かつ、0.04λ≦d3≦0.31λ、1.8≦n4≦2.2、かつ、0.018λ≦d4≦0.15λ、1.2≦n5≦1.3、かつ、0.18λ≦d5≦0.33λを満たすことを特徴とする。
本発明によれば、種々の屈折率の基板に対して、可視波長領域の光に対する高性能な反射防止性能を有し、ゴーストやフレアの発生を低減できる反射防止膜およびそれを有する光学素子並びに光学系を提供することができる。
本発明の実施形態に係る反射防止膜を用いた光学素子を示す概略図である。 実施例1の反射防止膜を用いた光学素子の反射率特性を示す図である。 実施例2の反射防止膜を用いた光学素子の反射率特性を示す図である。 実施例3の反射防止膜を用いた光学素子の反射率特性を示す図である。 実施例4の反射防止膜を用いた光学素子の反射率特性を示す図である。 実施例5の反射防止膜を用いた光学素子の反射率特性を示す図である。 実施例6の反射防止膜を用いた光学素子の反射率特性を示す図である。 実施例7の反射防止膜を用いた光学素子の反射率特性を示す図である。 実施例8の反射防止膜を用いた光学素子の反射率特性を示す図である。 実施例9の反射防止膜を用いた光学素子の反射率特性を示す図である。 実施例10の反射防止膜を用いた光学素子の反射率特性を示す図である。 実施例11の反射防止膜を用いた光学素子の反射率特性を示す図である。
以下に、本発明の好ましい実施の形態を、添付の図面に基づいて詳細に説明する。
(光学素子および光学系)
図12に、本発明の実施形態に係る反射防止膜を付与した光学素子としてのレンズ、およびそれを有する光学系としての撮像光学系(結像光学系)を示す。この撮像光学系は、デジタルカメラ、ビデオカメラおよび交換レンズなどの光学機器に用いられる。図12において、103は撮像面であり、CCDセンサ又はCMOSセンサ等の固体撮像素子(光電変換素子)が配置される。102は絞り、G101からG111は光学素子としてのレンズである。これらのレンズのうち、入射面及び射出面の少なくとも一方に、後述する反射防止膜が付与されている。図12に示す撮像光学系の数値実施例を表1に示す。
(反射防止膜)
図1は、本発明の実施形態に係る反射防止膜の略図を示す。反射防止膜7は5層膜からなり、基板6に対して、基板側より順に第1層(層1)、第2層(層2)、第3層(層3)、第4層(層4)、第5層(層5)の薄膜を積層したものである。本実施形態に係る反射防止膜は、基準波長λ=550nmとし、反射率が0度入射(垂直入射)で従来例の0.3%程度に比べ小さく、かつ反射防止帯域が従来例に比べ広い特性を備える。
1)屈折率
本実施形態に係る反射防止膜では、基板6と接するために基板6の屈折率の影響を受け易い第1層(層1)の屈折率n1を、基板6の屈折率nsよりも低く設定することを一つの特徴とする。屈折率の数値範囲としては、基板の屈折率nsが1.60≦ns≦2.05と広範囲の前提で、第1層の屈折率n1は1.3≦n1≦1.7である。ここで、基板の屈折率nsは1.80≦ns≦2.05がより望ましい。
第2層の屈折率n2は1.8≦n2≦2.2、第3層の屈折率n3は1.6≦n3≦1.7である。また、第4層の屈折率n4は1.8≦n4≦2.2、最上層である第5層の屈折率n5は低屈折率であり、1.20≦n5≦1.30である。
ここで、基板、層1乃至層5の屈折率の大小関係として、基板に対し層1が低く、層1に対し層2が高く、層2に対し層3が低く、層3に対し層4が高く、層4に対し層5が低くなる関係に設定することができる(後述の具体的実施例)。
2)光学膜厚
第1層目の層1の光学膜厚d1は、λ/16(≒0.0625λ)近傍が好ましく、λ/16近傍から離れた値(特に光学膜厚d1が0.200λを超える値)だと、反射防止性能が高い帯域が狭くなる。この性質は、高屈折率基板において、顕著に表れることが鋭意検討の結果、確認されている。さらに、光学膜厚が0.018λ未満だと、膜厚制御が難しく、設計値通り作製できないといった問題がある。これは、第1層目に限らず、全層に関して言えることである。よって、層1の膜厚d1は、0.018λ≦d1≦0.200λを満たすことが好ましい。
また、第2層目の層2の膜厚d2は、0.018λ≦d2≦0.11λを満たすことが好ましい。光学膜厚が0.018λ未満だと、膜厚制御が難しく、設計値通り作製できない。また、光学膜厚が0.11λを超えると、短波長側の反射率性能が良くなくなるためである。
また、第3層目の層3の膜厚d3は、鋭意検討の結果、0.04λ≦d3≦0.31λを満たすことが好ましい。なお、第3層の膜厚は、第1層、第2層、第4層および第5層の膜構成に依存し、採り得る膜厚範囲は広くなる。
また、第4層目の層4の膜厚d4は、0.018λ≦d4≦0.15λを満たすことが好ましい。光学膜厚が0.018λ未満だと、膜厚制御が難しく、設計値通り作製できない。また、光学膜厚が0.15λを超えると、反射防止性能が高い帯域が狭くなるためである。
また、最上層である層5の膜厚d5は、一般的に反射防止膜の最上層の膜厚が1/4λ近傍(≒0.25λ)であることから、鋭意検討の結果、0.18λ≦d5≦0.33λが好ましいことが分かった。なお、上述したように、光学膜厚が0.018λ未満だと、膜厚制御が難しく、設計値通り作製できない。
3)材料および製法
第5層以外の4層である層1乃至層4の材料は、無機系膜(シリカ(SiO2)、五酸化タンタル(Ta)、酸化アルミニウム(Al)、フッ化マグネシウム(MgF2)等)から成る。そして、製法としては、成膜の簡便さから真空蒸着法もしくはスパッタ法により成膜されることが望ましい。
ここで、層1および層3は、シリカ(SiO2)、アルミナ(Al)、フッ化マグネシウム(MgF2)のいずれかから成ることが好ましい。
また、層2および層4は、チタン、タンタル、ジルコニア、クロム、ニオブ、セリウム、ハフニウム、イットリウムの内のいずれかの酸化物の単体もしくは前記酸化物の混合物から成ることが好ましい。
最上層である層5は、空気(屈折率1.0)と接することから屈折率を下げる必要があるため、SiO2、MgF2のような屈折率の低いものが好ましく、更に以下に述べる理由から、主成分が中空微粒子であることが好ましい。シリカもしくはフッ化マグネシウムからなる中空微粒子は、バインダーにより結合し、中空微粒子内部に含まれる空気(屈折率1.0)と中空微粒子およびバインダーの存在比を調整することで、低屈折率(1.2〜1.3)が得られる。
また、中空微粒子の内部に空隙があることで、空隙に水分や不純物の吸着を防ぐことができるため、耐環境性が良くなり、屈折率変化のない安定した特性を得ることができる。中空微粒子はバインダーにより結合する必要があるため、ゾルゲル法で作製することが好ましい。
塗工方法としては特に限定されることはなく、ディップコート法、スピンコート法、スプレーコート法、ロールコート法など液状塗工液の一般的な塗工方法を用いることができる。レンズのような曲面を有する基材へ膜厚を均一に成膜できる観点から、塗料をスピンコートで成膜することが好ましい。塗工後は乾燥を行う。
乾燥は乾燥機、ホットプレート、電気炉などを用いることができる。乾燥条件は、基材に影響を与えず且つ中空粒子内の有機溶媒を蒸発できる程度の温度と時間とする。一般的には300℃以下の温度を用いることが好ましい。塗工回数は通常1回が好ましいが、乾燥と塗工を複数回繰り返しても良い。
(具体的実施例)
以下に、具体的な実施例を示す。ただし、これらは一例に過ぎず、本発明はこれらの条件に限定されるものではない。
(実施例1)
本実施例では、屈折率1.60(λ=550nm)のガラス基板上に、反射防止膜を表2に示す膜構成で作製した。このとき、第1層目から第4層目までは真空蒸着法により成膜した。また、第5層目は、屈折率が1.23になるように、中空SiO含有の溶液とバインダー溶液を混合調整して作製した液をスピンコーターで塗工し、100〜250℃のクリーンオーブンで1時間焼成した。
図2に、波長400nmから800nmの範囲での、入射角度が夫々0度、15度、30度、45度における反射率特性を示す。本実施例の反射防止膜は、450nmから700nmの可視光領域において、入射角度が0度(垂直入射)では反射率が従来例の0.3%程度より小さく、入射角度が15度、30度における反射率は1.0%以下であり、入射角度が45度では1.6%以下である。よって、本実施例の反射防止膜は、広帯域で反射防止効果が高い、高性能な反射防止膜であると言える。
本実施例では、基板、第1層乃至第5層の屈折率の大小関係として、基板に対し第1層が低く、第1層に対し第2層が高く、第2層に対し第3層が低く、第3層に対し第4層が高く、第4層に対し第5層が低い関係となる。そして、第1層と第3層は同じ屈折率、第2層と第4層は同じ屈折率、第1層に対し第5層が低い屈折率という関係となる。即ち、以下の大小関係を満足する。
n1=n3<n2=n4、かつ、n5<n1
(実施例2)
本実施例では、屈折率1.70(λ=550nm)のガラス基板上に、反射防止膜を表3に示す膜構成で作製した。このとき、第1層目から第4層目までは真空蒸着法により成膜した。また、第5層目は、屈折率が1.23になるように、中空MgF含有の溶液とバインダー溶液を混合調整して作製した液をスピンコーターで塗工し、100〜250℃のクリーンオーブンで1時間焼成した。
図3に、波長400nmから800nmの範囲での、入射角度が夫々0度、15度、30度、45度における反射率特性を示す。本実施例の反射防止膜は、450nmから750nmの可視光領域を含む400nmから800nmにおいて、入射角度が0度(垂直入射)では反射率が従来例の0.3%程度より小さい。そして、入射角度が15度、30度における反射率は0.6%以下であり、入射角度が45度では1.4%以下である。よって、本実施例の反射防止膜は、広帯域で反射防止効果が高い、高性能な反射防止膜であると言える。
(実施例3)
本実施例では、屈折率1.80(λ=550nm)ガラス基板上に、反射防止膜を表4に示す膜構成で作製した。第1層目から第4層目までは真空蒸着法により成膜した。また、第5層目は、屈折率が1.2になるように調整した中空SiOの混合調整液をスピンコーターで塗工後、1時間の焼成により成膜した。
図4に、波長400nmから800nmの範囲での、入射角度が夫々0度、15度、30度、45度における反射率特性を示す。先に述べたように、本実施例でも、基板の屈折率nsは1.8≦ns≦2.05において、より高性能な反射防止膜を作製することができる。
本実施例の反射防止膜は、450nmから750nmの可視光領域を含む400nmから800nmにおいて、入射角度が0度(垂直入射)では反射率が従来例の0.3%程度より小さい。そして、入射角度が15度、30度における反射率は0.5%以下であり、入射角度が45度であっても1.2%以下である。よって、本実施例の反射防止膜は、より広帯域で反射防止効果が高い、高性能な反射防止膜であると言える。
(実施例4)
本実施例では、屈折率1.90(λ=550nm)のガラス基板上に、反射防止膜を表5に示す膜構成で作製した。第1層目から第4層目までは真空蒸着法により成膜した。また、第5層目は、屈折率が1.23になるように調整した中空SiOの混合調整液をスピンコーターで塗工後、1時間の焼成により成膜した。
図5に、波長400nmから800nmの範囲での、入射角度が夫々0度、15度、30度、45度における反射率特性を示す。先に述べたように、本実施例でも、基板の屈折率nsは1.8≦ns≦2.05において、より高性能な反射防止膜を作製することができる。
本実施例の反射防止膜は、450nmから750nmの可視光領域を含む400nmから800nmにおいて、入射角度が0度(垂直入射)では反射率が従来例の0.3%程度より小さい。そして、入射角度が15度、30度における反射率は0.3%以下であり、入射角度が45度であっても1.0%以下である。よって、本実施例の反射防止膜は、より広帯域で反射防止効果が高い、高性能な反射防止膜であると言える。
(実施例5)
本実施例では、屈折率2.00(λ=550nm)のガラス基板上に、反射防止膜を表6に示す膜構成で作製した。第1層目から第4層目までは真空蒸着法により成膜した。また、第5層は、屈折率が1.20になるように調整した中空SiOの混合調整液をスピンコーターで塗工後、1時間の焼成により成膜した。
図6に、波長400nmから800nmの範囲での、入射角度が夫々0度、15度、30度、45度における反射率特性を示す。先に述べたように、本実施例でも、基板の屈折率nsは1.8≦ns≦2.05において、より高性能な反射防止膜を作製することができる。
本実施例の反射防止膜は、450nmから750nmの可視光領域を含む400nmから800nmにおいて、入射角度が0度(垂直入射)では反射率が従来例の0.3%程度より小さい。そして、入射角度が15度、30度における反射率は0.4%以下であり、入射角度が45度であっても1.2%以下である。よって、本実施例の反射防止膜は、より広帯域で反射防止効果が高い、高性能な反射防止膜であると言える。
(実施例6)
本実施例では、屈折率2.00(λ=550nm)のガラス基板上に、反射防止膜を表7に示す膜構成で作製した。第1層目から第4層目までは真空蒸着法により成膜した。また、第5層目は、屈折率が1.23になるように調整した中空MgFの混合調整液をスピンコーターで塗工後、1時間の焼成により成膜した。
図7に、波長400nmから800nmの範囲での、入射角度が夫々0度、15度、30度、45度における反射率特性を示す。本実施例の反射防止膜は、実施例1乃至5と比較し、反射防止効果の高い帯域は狭いが、450〜650nmの可視光領域を含む420〜650nmでの入射角度が0度(垂直入射)における反射率は従来例の0.3%程度より小さく、非常に良い反射防止効果を示す。よって、本実施例の反射防止膜は、反射防止効果が高い、高性能な反射防止膜であると言える。
(実施例7)
本実施例では、屈折率1.70(λ=550nm)の基板上に、反射防止膜を表8に示す膜構成で作製した。第1層目から第4層目までは真空蒸着法により成膜した。また、第5層目は、屈折率が1.23になるように調整した中空SiOの混合調整液をスピンコーターで塗工後、1時間の焼成により成膜した。
図8に、波長400nmから800nmの範囲での、入射角度が夫々0度、15度、30度、45度における反射率特性を示す。本実施例の反射防止膜は、実施例1乃至5と比較し、反射防止効果の高い帯域は狭いが、450〜650nmの可視光領域を含む420〜650nmでの入射角度が0度(垂直入射)における反射率は従来例の0.3%程度より小さい(0.1%以下)。即ち、非常に良い反射防止効果を示す。よって、本実施例の反射防止膜は、反射防止効果が高い、高性能な反射防止膜であると言える。
(実施例8)
本実施例では、屈折率1.80(λ=550nm)の基板上に、反射防止膜を表9に示す膜構成で作製した。第1層目から第4層目までは真空蒸着法により成膜した。また、第5層目は、屈折率が1.20になるように調整した中空SiOの混合調整液をスピンコーターで塗工後、1時間の焼成により成膜した。
図9に、波長400nmから800nmの範囲での、入射角度が夫々0度、15度、30度、45度における反射率特性を示す。本実施例の反射防止膜は、実施例1乃至5と比較し、反射防止効果の高い帯域は狭いが、450〜650nmの可視光領域を含む420〜650nmでの入射角度が0度(垂直入射)における反射率は従来例の0.3%程度より小さい(0.2%以下)。即ち、非常に良い反射防止効果を示す。
先に述べたように、本実施例で、基板の屈折率nsは1.8≦ns≦2.05において、より高性能な反射防止膜を作製することができるため、実施例6、7よりも高性能な反射防止膜が作製できる。よって、本実施例の反射防止膜は、より反射防止効果が高い、高性能な反射防止膜であると言える。
(実施例9)
本実施例では、屈折率1.88(λ=550nm)の基板上に、反射防止膜を表10に示す膜構成で作製した。第1層目から第4層目までは真空蒸着法により成膜した。また、第5層目は、屈折率が1.20になるように調整した中空SiOの混合調整液をスピンコーターで塗工後、1時間の焼成により成膜した。
図10に、波長400nmから800nmの範囲での、入射角度が夫々0度、15度、30度、45度における反射率特性を示す。本実施例の反射防止膜は、実施例1乃至5と比較し、反射防止効果の高い帯域は狭いが、450〜650nmの可視光領域を含む420〜650nmでの入射角度が0度(垂直入射)における反射率は従来例の0.3%程度より小さい(0.1%以下)。即ち、非常に良い反射防止効果を示す。
先に述べたように、本実施例で、基板の屈折率nsは1.8≦ns≦2.05において、より高性能な反射防止膜を作製することができるため、実施例6、7よりも高性能な反射防止膜が作製できる。よって、本実施例の反射防止膜は、より反射防止効果が高い、高性能な反射防止膜であると言える。
(実施例10)
本実施例では、屈折率2.00(λ=550nm)の基板上に、反射防止膜を表11に示す膜構成で作製した。第1層目から第4層目までは真空蒸着法により成膜した。また、第5層目は、屈折率が1.20になるように調整した中空SiOの混合調整液をスピンコーターで塗工後、1時間の焼成により成膜した。
図11に、波長400nmから800nmの範囲での、入射角度が夫々0度、15度、30度、45度における反射率特性を示す。本実施例の反射防止膜は、実施例1乃至5と比較し、反射防止効果の高い帯域は狭いが、450〜650nmの可視光領域を含む420〜650nmでの入射角度が0度(垂直入射)における反射率は従来例の0.3%程度より小さい(0.1%以下)。即ち、非常に良い反射防止効果を示す。
先に述べたように、本実施例で、基板の屈折率nsは1.8≦ns≦2.05において、より高性能な反射防止膜を作製することができるため、実施例6および7よりも高性能な反射防止膜が作製できる。よって、本実施例の反射防止膜は、より反射防止効果が高い、高性能な反射防止膜であることと言える。
(変形例)
本発明は上述した具体的実施例に限定されるものでなく、種々の変形や変更が可能である。例えば、反射防止膜を付与した光学素子としてレンズを示したが、プリズムや透光フィルタなどであっても良い。
1・・第1層(層1)、2・・第2層(層2)、3・・第3層(層3)、4・・第4層(層4)、5・・第5層(層5)、6・・基板、7・・反射防止膜

Claims (11)

  1. 基板の上に基板側より順に第1層、第2層、第3層、第4層、第5層を積層した反射防止膜であって、
    基準波長λを550nmとし、
    前記基板の屈折率をns、
    前記第1層の屈折率をn1、光学膜厚をd1(nm)、
    前記第2層の屈折率をn2、光学膜厚をd2(nm)、
    前記第3層の屈折率をn3、光学膜厚をd3(nm)、
    前記第4層の屈折率をn4、光学膜厚をd4(nm)、
    前記第5層の屈折率をn5、光学膜厚をd5(nm)とするとき、
    ns>n1、
    1.6≦ns≦2.05、
    1.3≦n1≦1.8、かつ、0.018λ≦d1≦0.200λ、
    1.8≦n2≦2.2、かつ、0.018λ≦d2≦0.11λ、
    1.3≦n3≦1.8、かつ、0.04λ≦d3≦0.31λ、
    1.8≦n4≦2.2、かつ、0.018λ≦d4≦0.15λ、
    1.2≦n5≦1.3、かつ、0.18λ≦d5≦0.33λ
    を満たすことを特徴とする反射防止膜。
  2. 1.80≦ns≦2.05を満たすことを特徴とする請求項1に記載の反射防止膜。
  3. n1<n2
    n2>n3
    n3<n4
    n4>n5
    を満たすことを特徴とする請求項1または2に記載の反射防止膜。
  4. n1=n3<n2=n4、かつ、n5<n1であることを特徴とする請求項3に記載の反射防止膜。
  5. 前記第5層は、中空微粒子を含む層であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の反射防止膜。
  6. 前記中空微粒子は、シリカもしくはフッ化マグネシウムからなることを特徴とする請求項5に記載の反射防止膜。
  7. 前記第1層および前記第3層が、シリカ、アルミナ、フッ化マグネシウムのいずれかから成ることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載の反射防止膜。
  8. 前記第2層および前記第4層が、チタン、タンタル、ジルコニア、クロム、ニオブ、セリウム、ハフニウム、イットリウムの内のいずれかの酸化物の単体もしくは前記酸化物の混合物から成ることを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項に記載の反射防止膜。
  9. 前記第1層、前記第2層、前記第3層、前記第4層は、真空蒸着法もしくはスパッタ法により成膜され、前記第5層は、ゾルゲル法で作製されることを特徴とする請求項1乃至8のいずれか1項に記載の反射防止膜。
  10. 請求項1乃至9のいずれか1項に記載の前記反射防止膜を付与した光学素子。
  11. 請求項10に記載の前記光学素子を有する光学系。
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