JP2010032893A - 反射防止フィルム及びそれを用いたディスプレイ用前面フィルター - Google Patents

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Abstract

【課題】可視光線波長領域における反射率が低いとともに反射光の色味も低減されて表示品位が高い反射防止フィルム及びそれを用いたディスプレイ用前面フィルターを提供する。
【解決手段】ポリエチレンテレフタレート基材10と、前記基材10の一方の主面側にウェットコーティング法で形成された反射防止層11とを含む反射防止フィルムであって、前記反射防止層11は基材10側から順次積層形成され、屈折率がそれぞれ1.56〜1.59、1.50〜1.54、1.58〜1.62、1.80〜1.85、1.36〜1.39であり、膜厚がそれぞれ75〜95nm、1200〜5000nm、80〜95nm、140〜155nm、95〜100nmである第一の層1、第二の層2、第三の層3、第四の層4、第五の層5を含み、かつ5度入射における表面反射率が、450〜700nmの波長領域において1.0%以下である反射防止フィルム。
【選択図】図1

Description

本発明は、反射防止フィルム及びそれを用いたディスプレイ用前面フィルターに関する。
従来より、陰極管表示装置(CRT)、液晶表示装置(LCD)、プラズマディスプレイパネル(PDP)などの画像表示装置のディスプレイ画面への外光の映り込みを防止するため、屈折率の異なる層を組み合わせて光の干渉作用により反射光を抑制する反射防止膜が採用されてきた。反射防止膜は低屈折率材料からなる薄膜を一層設けたものから、低屈折率材料からなる薄膜と高屈折率材料からなる薄膜を組み合わせた複層構成のものなどがある。なるべく広い波長領域での光の反射を防止するため、従来から、薄膜を積層させた多層膜の反射防止膜が一般的に用いられているが、このような多層膜の反射防止膜は、化学蒸着(CVD)法、物理蒸着(PVD)法、特に真空蒸着法などの物理蒸着法やスパッタ法により、金属酸化物の透明薄膜を積層させるドライコーティング法で作製されることが一般的であった。しかしこれらのドライコーティグ法は生産性が低く、製造コストが高くなるため、大量生産に適していない。近年では、屈折率の異なるコーティング組成物(コーティング液)をフィルムなどの透明基材上にコーティングし、乾燥・硬化させるというウェットコーティング法が用いられるようになってきている。これにより安価な製造コストにて、膜強度と反射率の低さを両立した反射防止フィルムを作製することが一般的になってきた。ウェットコーティング法においても、ドライコーティング法と同様、反射防止膜を多層構造にすることで、より広い波長領域での光の反射を防止することができる。こうした反射防止フィルムはLCDやPDPなどの画面最表面に用いられている。例えば、特許文献1〜3には、透明支持体の上に3層の屈折率の異なる層を形成することにより、反射率及び反射光の色味を低減し、表示品位を改善した反射防止フィルムが開示されている。
特開2003−121606号公報 特許第3718031号公報 特許第4051015号公報
しかし、近年のLCD、PDPの大型化、及び高品質化に伴い、使用者の背面の蛍光灯など、輝度の高い光源がディスプレイ表面に映り込んだ際の反射光の色味も重要視されるようになってきた。上記の蒸着法やスパッタ法によって製造されている反射防止フィルムの反射スペクトルの一例を、図3に示すが、450nm未満及び650nm以降の波長領域においては反射率が高く、反射光の色味が赤紫色から青紫色に強く着色しており、反射光源が背後にある場合、表示品位を悪化させてしまう問題がある。一方、上記の特許文献1〜3に記載の反射防止フィルムは、波長450〜650nmの範囲の平均反射率はある程度制御できるが、反射光の色味としては赤紫色から青紫色の範囲での強い着色を解消することはできず、ディスプレイの表示品位としては満足できないものであった。また、反射光の色味が強いために、反射防止層の僅かな膜厚ムラによって色味が大きくシフトし、目視で色味ムラとして検出されてしまう問題もある。特に、プラズマディスプレイパネルのような大画面では色味の影響は大きく、表示品位を大きく損なう赤みや青みの制御が不十分といった問題があった。そのため、より広い波長領域(450〜700nm)において反射率の低い反射防止フィルムが求められている。
本発明は、上記従来の問題を解決するため、可視光線波長領域における反射率が低いとともに反射光の色味も低減されて表示品位が高い反射防止フィルム及びそれを用いたディスプレイ用前面フィルターを提供する。
本発明の反射防止フィルムは、ポリエチレンテレフタレート(PET)基材と、前記PET基材の一方の主面側にウェットコーティング法で形成された反射防止層とを含む反射防止フィルムであって、前記反射防止層は前記PET基材側から順次積層形成された第一の層、第二の層、第三の層、第四の層及び第五の層を含み、前記第一の層は、屈折率が1.56〜1.59、膜厚が75〜95nmであり、前記第二の層は、屈折率が1.50〜1.54、膜厚が1200〜5000nmであり、前記第三の層は、屈折率が1.58〜1.62、膜厚が80〜95nmであり、前記第四の層は、屈折率が1.80〜1.85、膜厚が140〜155nmであり、前記第五の層は、屈折率が1.36〜1.39、膜厚が95〜100nmであり、かつ5度入射における表面反射率が、450〜700nmの波長領域において1.0%以下であることを特徴とする。
また、本発明のディスプレイ用前面フィルターは、基板上に、上記の本発明の反射防止フィルムが配置されている。
本発明は、可視光線波長領域における反射率が低いとともに反射光の色味が制御されて表示品位が高い反射防止フィルム及びそれを用いたディスプレイ用前面フィルターを提供できる。本発明の反射防止フィルムは、低反射と反射光の色味の低減を両立することができるため、例えばPDPの最表面に適用した場合、これまでにない視認性の高さを有することができる。本発明の反射防止フィルムの5度入射における表面反射率が、450〜700nmの波長領域において1.0%以下であることによって、ディスプレイ表面での外光の反射による視認性の低下が充分なレベルまで防止できる。さらに、測定された反射スペクトルから、CIE標準光源D65の5度入射光に対する正反射光の色味を表わすCIE1976L***色空間のL*値、a*値、b*値を算出し、反射光の色味を評価すると、CIE1976L***色空間のa*、b*値がそれぞれ−5≦a*≦5、−10≦b*≦0の範囲内にあるため、ディスプレイに向かう使用者の背面の蛍光灯など、輝度の高い光源がディスプレイ表面に映り込んだ場合にも赤紫色や青紫色に着色することがなく、いわゆる反射光の色味がニュートラルとなり、表示品位の低下が少ない。さらにまた、上記のように反射光の色味が大幅に低減されたことで、反射防止層の膜厚ムラに起因する反射光の色味ムラも大幅に低減される。すなわち、膜厚ムラの許容範囲が広がることになり、製造効率が上がり、コストの更なる低減が可能となる。
本発明において、「5度入射における表面反射率」とは、サンプルの法線方向+5度から入射した光に対する法線方向−5度で反射した光の強度の割合である。また、本発明の反射防止フィルムの5度入射における表面反射率(以下、反射率とも記す)が、450〜700nmの波長領域において1.0%以下であるということは、図4に示しているように450〜700nmの波長領域の全ての波長において1.0%以下、即ち図5に示しているように、450〜700nmの波長領域における最大反射率が1.0%以下であることを意味する。
また、本発明において、上記のように測定した反射スペクトルから、CIE標準光源D65の5度入射光に対する正反射光の色味を表わすCIE1976L***色空間のL*値、a*値、b*値を算出し、反射光の色味を評価すると、CIE1976L***色空間のa*、b*値がそれぞれ−5≦a*≦5、−10≦b*≦0の範囲内にある。
なお、本発明において、上記のPET基材上に形成された反射防止層に含まれている屈折率が異なる層を、PET基材側から近い順に、それぞれ、第一の層、第二の層、第三の層、第四の層及び第五の層とする。
以下、本発明の実施形態を説明する。
(実施形態1)
図1は、本発明の反射防止フィルムの一例を示す断面図である。本実施形態の反射防止フィルム20は、PET基材10(以下、基材10と記す)と、基材10の一方の主面側にウェットコーティング法で形成された反射防止層11とを含む。
〈基材〉
基材10としては、ポリエチレンテレフタレート系樹脂をフィルム状又はシート状に加工したものを用いることができる。本来、反射防止フィルムにおける基材の材質は透明体であればよく、特に限定されないが、本発明の反射防止フィルムは、ディスプレイ前面に適用されても耐える、熱的、機械的形態安定性を有することが必要である。さらに、製造コストも重要である。そこで、本発明においては、これらの特性の面と経済性のバランスの面から、ポリエチレンテレフタレートを主体とするポリエチレンテレフタレート系樹脂を使用する。その中でも、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、あるいは、ポリエチレンー2,6−ナフタレートなどのポリエステル系2軸配向フィルムが、機械的特性、光学特性、耐熱性及び経済性の点から好ましい。このようなポリエチレンテレフタレート基材自体は公知であり、従来公知のポリエステルフィルムの製造法に従って製造することができる。例えば、押し出し成形、カレンダー成形、圧縮成形、射出成形、及び上記樹脂を溶剤に溶解させてキャスティングする方法などの製造方法が挙げられる。なお、上記基材10は、酸化防止剤、難燃剤、耐熱防止剤、紫外線吸収剤、易滑剤、帯電防止剤などの添加剤を含んでもよい。
基材10の厚みは、通常10〜500μmであればよく、35〜260μmが好ましく、50〜200μmがさらに好ましい。基材10の厚みが薄い場合には、ハンドリング性が不良となる。一方、基材10の厚みが厚い場合にはコスト面で問題があるだけでなく、ロール状に巻き取って保存した場合に巻き癖による平面性不良が発生しやすくなる。
〈反射防止層〉
反射防止層11は、基材10側から順次積層形成された第一の層1、第二の層2、第三の層3、第四の層4及び第五の層5を含む。
<第一の層>
第一の層1は、屈折率が1.56〜1.59であり、膜厚が75〜95nmである。第一の層1の材料としては、屈折率が1.56〜1.59であり、透光性を有する材料であれば特に制限されず、例えば樹脂などを含むコーティング組成物(以下、第一の層1形成用コーティング組成物と記す)を用いることができる。第一の層1形成用コーティング組成物に含まれる樹脂としては、例えば、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、アクリル樹脂、共重合ポリエステル樹脂などが挙げられる。上記共重合ポリエステル樹脂とは、複数のジカルボン酸と複数のポリオールとの重縮合反応又は複数のエステルと複数のポリオールとのエステル交換反応によって得られるポリエステル樹脂を意味する。なお、これらの樹脂は単独で用いてもよいが、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
また、第一の層1形成用コーティング組成物は、屈折率の調整、易滑性及び耐ブロッキング性を付与する目的で微粒子を添加してもよい。上記微粒子としては、シリカ、酸化チタン、炭酸カルシウム、ケイ酸カルシウム、硫酸バリウム、リン酸カルシウム、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、酸化ジルコニウム、酸化セリウムなどの無機微粒子や架橋高分子微粒子などが挙げられる。これらのうち、シリカ微粒子が高い透明性が得やすいため最も好適である。
上記微粒子の平均粒径は、通常10〜100nmが好ましい。平均粒径が100nmを超えるとフィルム表面が粗面化し、フィルムの透明性が低下する傾向や、微粒子の脱落が発生しやすくなる傾向がある。また、上記コーティング組成物中に含まれる微粒子の含有量は、屈折率が1.56〜1.59となるように添加すればよく、特に限定されないが、例えば上記樹脂と微粒子の全重量を100とした場合、微粒子の配合割合は20〜45が好ましい。上記の微粒子含有量が45重量%を超えると、第一の層1の透明性の低下を引き起こすことがある。上記微粒子は、2種類以上を組み合わせて用いてもよく、平均粒径が異なる同種の微粒子を組み合わせて用いてもよい。いずれにしても、全ての微粒子の平均粒径及び合計含有量が上記の範囲を満たすことが好ましい。ここで、微粒子の平均粒径の測定は、反射防止フィルムをマイクロトーム(microtome)でカットし、カットした反射防止フィルム断面片における微粒子の映像を透過型電子顕微鏡などの電子顕微鏡を用いて倍率20万倍で撮影し、微粒子の一番長い径とそれに直交方向の一番長い径を計測し、両者を平均して長軸短軸の平均径を算出することにより行なわれる。なお、少なくとも300個の微粒子の長軸短軸の平均径を算出し、それらの平均値を微粒子の平均粒径とする。以下においても同様である。
また、第一の層1形成用コーティング組成物には、耐擦傷性を向上させるために、架橋剤を添加することが好ましい。架橋剤としては、例えばオキサゾリン類、エポキシ化合物、メラミン化合物、イソシアネート化合物、カップリング剤などを使用できる。
第一の層1は、上記第一の層1形成用コーティング組成物をウェットコーティング法により、基材10の一方の主面側に塗布することにより形成できる。塗布方法は特に制限されず、例えば、リバースロールコート、ロールコート、ダイコート、エアナイフコート、ブレードコート、リバースコート、グラビアコートなどの塗工法、グラビア印刷、スクリーン印刷、オフセット印刷、インクジェット印刷などの印刷法を用いることができる。
また、第一の層1の形成は、ポリエチレンテレフタレートフィルムを製造するときに同時にインラインで製膜してもよい。すなわちポリエチレンテレフタレートフィルムを延伸やキャストするとき、同時にその表面に第一の層を膜として形成させることが可能である。この方法は広く行われている公知の方法であり、製造されたものも市販品として容易に入手できる。その中で本発明の実施形態に適合するものを用いることができる。
<第二の層>
第二の層2は、屈折率が1.50〜1.54であり、膜厚が1200〜5000nmである。第二の層2の材料としては、屈折率が1.50〜1.54であり、透光性を有する材料であれば特に制限されず、例えば樹脂などを含むコーティング組成物(以下、第二の層2形成用コーティング組成物と記す)を用いることができる。第二の層2形成用コーティング組成物に含まれる樹脂としては、生産性及び硬度の両立の観点より、電離放射線硬化型樹脂が好ましい。ここで、「電離放射線硬化型樹脂」とは、赤外線、可視光線、紫外線、X線、電子線などのすべての電磁波を包含する電離放射線のいずれかの照射により硬化する樹脂をいう。
上記電離放射線硬化型樹脂としては、特に限定されず、ウェットコーティング法による反射防止層の形成に通常用いられる各種の電離放射線硬化型樹脂を使用できる。例えばビニル基、(メタ)アクリロイル基、エポキシ基、オキセタニル基を有するモノマー、プレポリマー、オリゴマー、ポリマーなどを用いることができる。なお、上記において、「(メタ)アクリロイル基」は、「アクリロイル基」及び/又は「メタクリロイル基」を意味する。
第二の層2形成用コーティング組成物として、具体的には、生産性及び硬度の両立の観点より、多官能基(メタ)アクリレートモノマー又はアクリレートオリゴマーを一種類以上混合したものが好ましい。また、電離放射線硬化型樹脂を硬化させる際に、必要に応じてコーティング組成物に光重合開始剤を添加する。さらに、その他の成分として、重合禁止剤、酸化防止剤、分散剤、界面活性剤、光安定剤及びレベリング剤などの添加剤を上記コーティング組成物に添加してもよい。また、ウェットコーティング法で成膜後乾燥させる際は、任意量の有機溶媒を添加することができる。
また、上記多官能基のアクリレートモノマーは分子中に(メタ)アクリレート基を2つ以上、好ましくは2から6個を有するモノマーであり、例えばトリシクロデカンジメチロールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールジアクリレート、ジオキサングリコールジアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラアクリレート、ビスフェノールA型ポリエトキシレートジアクリレート、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート及びジペンタエリスリトールヘキサアクリレートなどが挙げられる。
また、アクリレートオリゴマーとしては、例えばエポキシアクリレートオリゴマー、ポリエステルポリアクリレートオリゴマー、ウレタンアクリレートオリゴマーなどが挙げられる。中でも、ウレタンアクリレートオリゴマーはその構造上高い凝集力と水素結合を有するため電離放射線硬化性も高く、硬化塗膜は強靭で耐久性に優れている。
また、上記第二の層2形成用コーティング組成物は、屈折率調整のため、第一の層1形成用コーティング組成物に用いられる無機微粒子と同様の無機微粒子を添加してもよい。上記無機微粒子は、微粒子状のものであればよく、その平均粒径は、5〜100nmが好ましく、5〜50nmがより好ましく、5〜20nmが特に好ましい。また、無機微粒子を添加する以外の屈折率の調整法として、屈折率の高い電離放射線硬化型樹脂(以下、高屈折率樹脂と記す)を用いることができる。上記高屈折率樹脂は、環状基を有する樹脂又はフッ素以外のハロゲン原子を含む樹脂であることが好ましく、その中でも、環状基を有する樹脂の方が好ましい。上記環状基を有する樹脂として、9,9−ビス[4−(2−アクリロイルオキシエトキシ)フェニル]フルオレンなどが挙げられる。
また、上記第二の層2形成用コーティング組成物には、光重合開始剤が含まれている。上記光重合開始剤の配合割合は、樹脂100重量部に対して、1〜15重量部であればよく、2〜8重量部であることが好ましい。
上記光重合開始剤としては、例えばベンゾインエチルエーテル、ベンゾインブチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテルなどのベンゾイン類;アセトフェノン、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、2,2−ジエトキシ−2−フェニルアセトフェノン、1,1−ジクロロアセトフェノン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−メチル−1−〔4−(メチルチオ)フェニル〕−2−モルホリノ−プロパン−1−オン、N,N−ジメチルアミノアセトフェノンなどのアセトフェノン類;2,4−ジエチルチオキサントン、2−クロロチオキサントン、2−イソプロピルチオキサントンなどのチオキサントン類;ベンジルジメチルケタール、アセトフェノンジメチルケタールなどのケタール類:ベンゾフェノン、メチルベンゾフェノン、4,4’−ビスジエチルアミノ−ベンゾフェノン、4−ベンゾイル−4’−メチルジフェニルサルファイドなどのベンゾフェノン類;2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイドなどのホスフィンオキサイド類などがあり、単独又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
上記有機溶媒としては、特に制限はないが、例えばメチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、アセチルアセトンなどのケトン類、エタノール、イソプロピルアルコール、n−ブタノール、ジアセトンアルコールなどのアルコール類、エチルセロソルブ、ブチルセロソルブ、プロピレングリコールモノメチルエーテルなどのエーテル基含有アルコール類、乳酸メチル、乳酸エチル、乳酸ブチルなどのヒドロキシエステル類、アセト酢酸エチル、アセト酢酸メチル、アセト酢酸ブチルなどのβ−ケトエステル類、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素類などが用いられる。これらの有機溶媒は、単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
第一の層1上に第二の層2を形成する方法は、ウェットコーティング法であればよく、特に限定されないが、例えば上記の基材10上に第一の層1を形成する方法と同様の方法を用いることができる。
<第三の層>
第三の層3は、屈折率が1.58〜1.62であり、膜厚が80〜95nmである。第三の層3の材料としては、屈折率が1.58〜1.62であり、透光性を有する材料であれば特に制限されず、例えば第三の層3形成用コーティング組成物としては、上記第二の層2形成用コーティング組成物と同様に、多官能基もしくは単官能基の(メタ)アクリレートモノマー又はアクリレートオリゴマー、光重合開始剤、有機溶媒や酸化防止剤、光安定剤などの各種添加剤を用いることができる。
また、第三の層3形成用コーティング組成物は、屈折率の観点から、無機微粒子を含むことが好ましい。上記無機微粒子としては、上記第一の層1形成用コーティング組成物で述べた無機微粒子と同様の無機微粒子を用いることができる。さらに、酸化インジウム、錫ドープ酸化インジウム(ITO)、アンチモンドープ酸化錫(ATO)、リンドープ酸化錫(PTO)、五酸化アンチモン、アンチモン酸亜鉛、酸化亜鉛、酸化錫などの高い導電性を有する無機微粒子を用いることができる。高い導電性を有する上記無機微粒子を用いれば、帯電を防止する効果が得られるので好ましい。上記無機微粒子は、単独又は2種以上を組み合わせて用いることができる。上記無機微粒子は、微粒子状のものであればよく、その平均粒径は、5〜100nmが好ましく、5〜50nmがより好ましく、5〜20nmが特に好ましい。この範囲内であれば、樹脂中における分散性が向上するからである。また、第三の層3の屈折率を1.58〜1.62にするために、樹脂と無機微粒子の全重量を100とした場合、無機微粒子の配合割合は35〜60が好ましい。
第二の層2上に第三の層3を形成する方法は、ウェットコーティング法であればよく、特に限定されないが、例えば上記の基材10上に第一の層1を形成する方法と同様の方法を用いることができる。
<第四の層>
第四の層4は、屈折率が1.80〜1.85であり、膜厚が140〜155nmである。第四の層4の材料としては、屈折率が1.80〜1.85であり、透光性を有する材料であれば特に制限されず、例えば第四の層4形成用コーティング組成物としては、上記第二の層2形成用コーティング組成物と同様に、多官能基もしくは単官能基の(メタ)アクリレートモノマー又はアクリレートオリゴマー、無機微粒子、光重合開始剤、有機溶媒や酸化防止剤、光安定剤などの各種添加剤を用いることができる。
上記第四の層4形成用コーティング組成物は、屈折率の観点から、無機微粒子を含むことが好ましい。上記無機微粒子としては、上記第二の層2形成用コーティング組成物で述べた無機微粒子と同様の無機微粒子を用いることができる。その中でも、酸化チタンが好ましく、特に、光触媒作用が弱く、かつ屈折率も高いルチル構造の酸化チタン微粒子を用いることが好ましい。例えば、アナターゼ構造の酸化チタン微粒子は、光触媒作用があり、紫外線の照射によりこの層を構成する樹脂成分や基材などの有機物を分解してしまう恐れがあるからである。上記無機微粒子は、微粒子状のものであればよく、その平均粒径は、5〜100nmが好ましく、5〜50nmがより好ましく、5〜20nmが特に好ましい。また、第四の層4の屈折率を1.80〜1.85にするために、樹脂と無機微粒子の全重量を100とした場合、無機微粒子の配合割合は65〜80が好ましい。
また、上記屈折率を満足できるのであれば、上記無機微粒子は、単独又は2種以上を組み合わせて用いることができる。また、第三の層3と同様に、導電性を有する無機微粒子を添加することにより、第四の層4に帯電防止機能を付与することもできる。
第三の層3上に第四の層4を形成する方法は、ウェットコーティング法であればよく、特に限定されないが、例えば上記の基材10上に第一の層1を形成する方法と同様の方法を用いることができる。
<第五の層>
第五の層5は、屈折率が1.36〜1.39であり、膜厚が95〜100nmである。第五の層5の材料としては、屈折率が1.36〜1.39であり、透光性を有する材料であれば特に制限されず、例えば第五の層5形成用コーティング組成物としては、上記第二の層2形成用コーティング組成物と同様に、多官能基もしくは単官能基の(メタ)アクリレートモノマー又はアクリレートオリゴマー、無機微粒子、光重合開始剤、有機溶媒や各種添加剤などを用いることができる。
また、第五の層5形成用コーティング組成物は、屈折率の観点から、無機微粒子としては、二酸化珪素(シリカ)、フッ化マグネシウムなどの屈折率の低い無機微粒子、又はそれらを中空状にした無機微粒子、例えば中空シリカ微粒子などを含むことが好ましい。中でも、中空シリカ微粒子がより好ましい。
中空シリカ微粒子の空隙率は30%を超え50%以下であればよい。30%以下では反射防止効果が十分得られない傾向があり、50%を超えると中空シリカ微粒子の合成時に無機酸化物としての硬度を維持することが困難である傾向がある。ここで、「空隙率」とは、総体積に対する空隙部分の比のことをいう。
中空シリカ微粒子の平均粒径は、5〜100nmが好ましく、5〜60nmがより好ましい。この範囲内であれば、樹脂中における分散性が向上するからである。また、第五の層5の屈折率を1.36〜1.39にするために、樹脂と中空シリカ微粒子の全重量を100とした場合、中空シリカ微粒子の配合割合は55〜75が好ましい。
第四の層4上に第五の層5を形成する方法は、ウェットコーティング法であればよく、特に限定されないが、例えば上記の基材10上に第一の層1を形成する方法と同様の方法を用いることができる。
なお、第二の層2、第三の層3、第四の層4及び第五の層5形成用材料として、電離放射線硬化型樹脂を用いる場合には、窒素などの不活性ガスをパージして、酸素濃度が1000ppm以下になる条件下で紫外線照射を行うことが好ましい。これにより、酸素による重合阻害を防止することができる。
反射防止層における第一の層1、第二の層2、第三の層3、第四の層4及び第五の層5の屈折率及び膜厚を上記の範囲にすることで、5度入射における表面反射率が、450〜700nmの波長領域において1.0%以下である反射防止フィルム20が得られる。また、得られた反射防止フィルム20の反射光の色度は、CIE1976L***色空間において、−5≦a*≦5、−10≦b*≦0の範囲である。即ち、反射防止層における第一の層1、第二の層2、第三の層3、第四の層4及び第五の層5の屈折率及び膜厚を上記の範囲内にすることで、広い波長領域において反射率が低く、反射光の色味がニュートラルに近い反射防止フィルム20が得られる。
なお、反射防止フィルム20の5度入射における表面反射率は、波長450〜750nmの領域において1%以下であればよく、0.6%以下であることが好ましい。さらに、反射防止フィルム20の反射光の色度は、CIE1976L***色空間において、−5≦a*≦5、−10≦b*≦0の範囲が好ましく、−3≦a*≦3、−5≦b*≦0の範囲がより好ましい。
(実施形態2)
図2は、本発明のディスプレイ用前面フィルターの一例を示す断面図である。本実施形態のディスプレイ用前面フィルター30は、基板21と、基板21の一方の主面に配置された反射防止フィルム22及び他方の主面に配置された電磁波遮蔽体23と、電極(アース)24から形成されている。
基板21の材料は、透光性を有し、ディスプレイを保護するために十分な強度を備えた材料であれば特に限定されないが、例えば強化ガラスなどのガラス基材やプラスチック基材などを用いればよい。プラスチック基材としては、例えば機能性を有したフィルム基材でもよい。基板21の厚みもディスプレイの種類や基板の材質によって異なり、特に限定されず、通常は0.1〜20mm、好ましくは0.1〜15mmである。
反射防止フィルム22としては、例えば、実施形態1の反射防止フィルム20をそのまま用いることができる。基板21への反射防止フィルム22の接着は、適宜接着剤又は粘着剤で基板上に貼り合わせればよい。この場合、反射防止フィルム22は、その反射防止層が形成された主面の反対面が基板21側になるように配置される。
電磁波遮蔽体23としては、透光性を有し、電磁波を遮蔽する機能を有するものであれば特に限定されず、例えば透明基材上に透明導電薄膜や導電性メッシュなどを配置したものなど従来公知のものを用いることができる。
本実施形態によれば、ディスプレイの表示品位が高品質化されたディスプレイ用前面フィルターが得られる。
以下、実施例に基づき本発明を説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。なお、特に記載がない場合、実施例及び比較例における「部」は重量部を意味する。
先ず、実施例及び比較例で用いた評価方法を説明する。
<膜厚及び屈折率>
反射分光膜厚計“FE−3000”(大塚電子株式会社製)を用いて、反射防止フィルムの反射防止層に含まれる各層の膜厚及び屈折率を測定した。
<可視光線波長領域における反射率>
反射防止フィルムのPET基材の反射防止層が形成された一方の主面側とは反対側であるもう一方の主面側を紙やすりで削った後、黒の油性フェルトペンで黒く塗りつぶした。その後、紫外可視分光光度計“Ubest V−570型”(日本分光株式会社製)を用いて、反射防止フィルムの反射防止層側の5度入射における表面反射率の測定を行い、450〜700nmの波長領域における反射率を得た。そして、450〜700nmの波長領域における反射率の最大値を最大反射率とした。
<反射光の色度a*、b*
上記の可視光線波長領域における反射率の測定により得られた反射スペクトルからCIE1976L***色空間における反射防止フィルムの反射防止層側の反射光の色度a*、b*を算出し、反射光の色味を評価した。
次に、反射防止層の形成に用いるコーティング組成物について説明する。
<コーティング組成物A1〜A3>
9,9−ビス[4−(2−アクリロイルオキシエトキシ)フェニル]フルオレン(BAEPF)、ペンタエリスリトールトリアクリレート(PETA)、“DPHA−40H”(ウレタンアクリレートオリゴマー、日本化薬株式会社製)、光重合開始剤“IRGACURE907”(チバスペシャルティケミカルズ株式会社製)、メチルイソブチルケトン(MIBK)及びプロピレングリコールモノメチルエーテル(PGME)などを下記表1の配合割合で配合し、コーティング組成物A1〜A3を得た。
<コーティング組成物B1〜B4>
ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(DPHA)、アンチモン酸亜鉛分散液である“セルナックス CX−Z210IP F2”(アンチモン酸亜鉛の平均粒径:20nm、日産化学工業株式会社製、CX−Z210IP)、光重合開始剤“IRGACURE907”、イソプロピルアルコール(IPA)、メチルイソブチルケトン(MIBK)及びプロピレングリコールモノメチルエーテル(PGME)などを下記表1の配合割合で配合し、コーティング組成物B1〜B4を得た。
<コーティング組成物C1〜C4>
先ず、酸化チタン微粒子(平均粒径:20nm、“TTO−51A”、石原産業株式会社製)10部、“Disperbyk−180”(分散剤、ビックケミー社製)1.0部、アセチルアセトン5.0部及びプロピレングリコールモノメチルエーテル(PGME)30部を混合した組成物を入れた容器に、液の攪拌分散用のビーズとして直径0.3mmのジルコニアビーズを入れ、ペイントシェーカーで3時間分散した後、ジルコニアビーズを取り除いて分散液Cを得た。
次に、分散液C、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(DPHA)、光重合開始剤“IRGACURE907”、イソプロピルアルコール(IPA)、メチルイソブチルケトン(MIBK)及びプロピレングリコールモノメチルエーテル(PGME)などを下記表1の配合割合で配合し、コーティング組成物C1〜C4を得た。
<コーティング組成物D1〜D4>
中空シリカ微粒子(平均粒径:60nm、“ELCOM P−特殊品”、触媒化成株式会社製、)、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールジアクリレート(HPNGDA)、ペンタエリスリトールトリアクリレート(PETA)、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(DPHA)、光重合開始剤“IRGACURE907”、イソプロピルアルコール(IPA)、メチルイソブチルケトン(MIBK)及びプロピレングリコールモノメチルエーテル(PGME)などを下記表1の配合割合で配合し、コーティング組成物D1〜D4を得た。
Figure 2010032893
(実施例1)
先ず、第一の層が形成されているポリエチレンテレフタレート基材として、膜厚100μmのポリエチレンテレフタレートフィルムの一方の主面側に、屈折率1.59、膜厚84nmの塗膜をウェットコーティング法で設けたフィルム(“ルミラーQT78”、東レ株式会社製)を準備した(以下、基材αと記す)。
次に、マイクログラビアコータ(株式会社康井精機社製)を用いて上記のコーティング組成物A1を前記基材αの第一の層上に塗布し、乾燥させた後、窒素パージ下で塗膜に紫外線を300mJ/cm2の光量で照射して塗膜を硬化させ、膜厚が5000nmである第二の層を形成した。
続いて、マイクログラビアコータを用いて上記のコーティング組成物B1を前記第二の層上に塗布し、乾燥させた後、窒素パージ下で塗膜に紫外線を800mJ/cm2の光量で照射して塗膜を硬化させ、膜厚が95nmである第三の層を形成した。
さらに、マイクログラビアコータを用いて上記のコーティング組成物C1を前記第三の層上に塗布し、乾燥させた後、窒素パージ下で塗膜に紫外線を800mJ/cm2の光量で照射して塗膜を硬化させ、膜厚が155nmである第四の層を形成した。
最後に、マイクログラビアコータを用いて上記のコーティング組成物D1を前記第四の層上に塗布し、乾燥させた後、窒素パージ下で塗膜に紫外線を800mJ/cm2の光量で照射して塗膜を硬化させ、膜厚が100nmである第五の層を形成することで、実施例1の反射防止フィルムを得た。
実施例1の反射防止フィルムにおける、基材、反射防止層の第二の層から第五の層までの各層の形成に用いたコーティング組成物の種類、反射防止層の各層の厚み及び屈折率を下記表2に示した。
Figure 2010032893
(実施例2)
第二の層、第三の層、第四の層及び第五の層の形成に、それぞれ、上記のコーティング組成物A2、コーティング組成物B2、コーティング組成物C2及びコーティング組成物D2を用いたこと、及び第二の層から第五の層までの各層の膜厚を上記表2に示したとおりにした以外は、実施例1と同様にし、実施例2の反射防止フィルムを得た。
(実施例3)
第二の層、第三の層、第四の層及び第五の層の形成に、それぞれ、上記のコーティング組成物A3、コーティング組成物B3、コーティング組成物C3及びコーティング組成物D3を用いたこと、及び第二の層から第五の層までの各層の膜厚を上記表2に示したとおりにした以外は、実施例1と同様にし、実施例3の反射防止フィルムを得た。
(比較例1)
第五の層の形成に上記のコーティング組成物D4を用いたこと以外は、実施例2と同様にし、比較例1の反射防止フィルムを得た。
(比較例2)
第四の層の形成に上記のコーティング組成物C4を用いたこと以外は、実施例2と同様にし、比較例2の反射防止フィルムを得た。
(比較例3)
第三の層の形成に上記のコーティング組成物B4を用いたこと以外は、実施例2と同様にし、比較例3の反射防止フィルムを得た。
(比較例4)
第五の層の膜厚を上記表2に示したとおりにした以外は、実施例2と同様にし、比較例4の反射防止フィルムを得た。
(比較例5)
第四の層の膜厚を上記表2に示したとおりにした以外は、実施例2と同様にし、比較例5の反射防止フィルムを得た。
(比較例6)
第三の層の膜厚を上記表2に示したとおりにした以外は、実施例2と同様にし、比較例6の反射防止フィルムを得た。
(比較例7)
実施例2と同様にし、基材αの第一の層上に第二の層を形成した。続いて、マイクログラビアコータを用いてコーティング組成物D2を第二の層上に塗布し、乾燥させた後、窒素パージ下で塗膜に紫外線を800mJ/cm2の光量で照射して塗膜を硬化させて膜厚98nmである第三の層を形成し、比較例7の反射防止フィルムを得た。
(比較例8)
実施例2と同様にし、基材αの第一の層上に第二の層を形成し、第二の層上に第三の層を形成した。続いて、マイクログラビアコータを用いてコーティング組成物D2を第三の層上に塗布し、乾燥させた後、窒素パージ下で塗膜に紫外線を800mJ/cm2の光量で照射して塗膜を硬化させて膜厚98nmである第四の層を形成し、比較例8の反射防止フィルムを得た。
実施例2、3及び比較例1〜8の反射防止フィルムにおける、基材、反射防止層の第二の層から第五の層までの各層の形成に用いたコーティング組成物の種類、反射防止層の各層の厚み及び屈折率を上記表2に示した。
また、上記の評価方法を用いて、実施例1〜3及び比較例1〜8の反射防止フィルムの反射防止層側の可視光線波長領域における反射率及びCIE1976L***色空間における反射光の色度a*、b*を評価し、その結果を上記表2に示した。
表2から、反射防止層に含まれている第一の層、第二の層、第三の層、第四の層及び第五の層の屈折率がそれぞれ1.56〜1.59、1.50〜1.54、1.58〜1.62、1.80〜1.85、1.36〜1.39の範囲内であり、膜厚がそれぞれ75〜95nm、1200〜5000nm、80〜95nm、140〜155nm、95〜100nmの範囲内である、実施例1〜3の反射防止フィルムの5度入射における表面反射率が、450〜700nmの波長領域において1.0%以下であることが分かる。また、実施例1〜3の反射防止フィルムの反射防止層側のCIE1976L***色空間における反射光の色度a*、b*の値から、反射光の色味がニュートラルに近いことが分かる。
一方、反射防止層に含まれている第三の層、第四の層及び第五の層のいずれか一層の屈折率又は膜厚が上記の範囲内ではない、比較例1〜6の反射防止フィルムの5度入射における表面反射率が、450〜700nmの波長領域において1.0%を超えていることが分かる。また、第一の層から第三の層のみを含む比較例7及び第一の層から第四の層のみを含む比較例8の反射防止フィルムの5度入射における表面反射率が、いずれも450〜700nmの波長領域において1.0%を超えていることが分かる。
本発明の反射防止フィルムの一例を示す断面図である。 本発明のディスプレイ用前面フィルターの一例を示す断面図である。 スパッタ法によって製造されている従来の反射防止フィルムの反射スペクトルの一例である。 本発明の一実施形態の反射防止フィルムの反射スペクトルの一例である。 図4の反射スペクトルの450〜700nmの波長領域の部分拡大図である。
符号の説明
1 第一の層
2 第二の層
3 第三の層
4 第四の層
5 第五の層
10 ポリエチレンテレフタレート基材
11 反射防止層
20、22 反射防止フィルム
21 基板
23 電磁波遮蔽体
24 電極
30 ディスプレイ用前面フィルター

Claims (4)

  1. ポリエチレンテレフタレート基材と、前記ポリエチレンテレフタレート基材の一方の主面側にウェットコーティング法で形成された反射防止層とを含む反射防止フィルムであって、
    前記反射防止層は前記ポリエチレンテレフタレート基材側から順次積層形成された第一の層、第二の層、第三の層、第四の層及び第五の層を含み、
    前記第一の層は、屈折率が1.56〜1.59、膜厚が75〜95nmであり、
    前記第二の層は、屈折率が1.50〜1.54、膜厚が1200〜5000nmであり、
    前記第三の層は、屈折率が1.58〜1.62、膜厚が80〜95nmであり、
    前記第四の層は、屈折率が1.80〜1.85、膜厚が140〜155nmであり、
    前記第五の層は、屈折率が1.36〜1.39、膜厚が95〜100nmであり、
    かつ5度入射における表面反射率が、450〜700nmの波長領域において1.0%以下であることを特徴とする反射防止フィルム。
  2. 前記第二の層、第三の層、第四の層及び第五の層が、電離放射線硬化型樹脂を含むコーティング組成物により形成されている請求項1に記載の反射防止フィルム。
  3. 前記第五の層が、中空シリカ微粒子を含むコーティング組成物により形成されている請求項1又は2に記載の反射防止フィルム。
  4. 基板上に、請求項1〜3のいずれか1項に記載の反射防止フィルムが配置されているディスプレイ用前面フィルター。
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JP2014084339A (ja) * 2012-10-19 2014-05-12 Jnc Corp 光硬化性インクジェットインクおよび該インクから得られる撥液性硬化膜
JP2014174209A (ja) * 2013-03-06 2014-09-22 Canon Inc 反射防止膜およびそれを有する光学素子並びに光学系
CN113292940A (zh) * 2020-02-21 2021-08-24 东丽尖端素材株式会社 防碎膜和包括该防碎膜的电子显示器以及电子装置

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