JP2020056902A - 光学素子及びそれを有する光学系 - Google Patents

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Abstract

【課題】 可視域において広入射角範囲において良好な反射防止性能を有する反射防止膜及びそれを有する光学素子を得ること。【解決手段】 基準波長550nmにおける屈折率が1.48〜2.15の材料よりなる基板の光入射面又は光出射面の少なくとも一方の面に形成される9層構成よりなる反射防止膜であって、反射防止膜は前記基板側から空気側に向かって順に、第1層から第9層とし、屈折率を基準波長の屈折率、光学膜厚を光学膜厚=(基準波長の屈折率)×(厚さ)とし、第1層から第9層の屈折率と光学膜厚を適切に設定したこと。【選択図】 図1

Description

本発明は、反射防止膜を有する光学素子に関し、デジタルカメラ、ビデオカメラ、TVカメラ、監視カメラ等の撮像装置の光学系に用いるときに好適なものである。
光学系に含まれるレンズやフィルター等の光学素子の多くは、光学ガラスや光学プラスチック等の透明部材(基板)を用いて製作されている。このような基板は、屈折率が大きくなると、光入射面と光出射面(光入出射面)の反射率が高くなる。反射率が高い光学素子を光学系に用いると、像面に到達する有効光量が少なくなってしまうとともに不要な反射光が像面に入射してゴーストやフレアとなり、撮影画像の品位を低下させる原因となる。このため、光学素子表面には、反射防止機能を付与することが行われている。
また光入出射面で反射し、像面に到達する不要なゴーストやフレアは光学素子への光束の入射角度や光学素子の形状により大きく変化する。このため基板に付与する反射防止膜は、使用する波長帯域で、かつ種々な入射角度において、良好なる反射防止効果が得られることが望まれている。
基板の光入出射面に付与する反射防止膜として、蒸着により基板の光入出射面に薄膜の誘電体膜を複数層重ねた多層の反射防止膜が知られている。一般的に、反射防止膜はより多くの層を重ねるほど反射防止効果が高く、反射防止効果のある波長帯域も広くなる。
一方、一般的な蒸着で用いられる材料として屈折率1.38のフッ化マグネシウムより低い屈折率をもつ材料を反射防止膜の最表層(最も空気層側)に使用すれば、高性能な反射防止機能を容易に得ることができる。
屈折率の低い材料として、シリカやフッ化マグネシウム等の無機系材料、シリコン樹脂や非晶質のフッ素樹脂などの有機材料を用いることが知られている。これらの材料は層内に空隙を形成することにより屈折率を下げることができる。
特許文献1には、波長420nm〜波長760nmの範囲で屈折率を1.25程度まで下げた中空シリカ微粒子を用いた反射防止膜が提案されている。
特開2015−14631号公報
可視域(波長420nm〜波長650nm)の波長域で広い入射角範囲において反射率を低くし、良好なる反射防止機能を得るには、基板の屈折率や薄膜材料の屈折率や膜厚、そして層数等の構成を適切に設定することが重要になってくる。これらの構成が不適切であると、広い入射角範囲で良好なる反射防止効果を得るのが困難になる。
本発明は、可視域において垂直入射特性とともに高い入射特性においても良好な反射防止性能を有する光学素子及びそれを有する光学系の提供を目的とする。
本発明に係る光学素子は、
基板と、該基板の上に設けられる反射防止膜とを有する光学素子であって、
前記反射防止膜は、前記基板の側から順に配置された第1層、第2層、第3層、第4層、第5層、第6層、第7層、第8層、及び第9層から構成され、
基準波長550nmの光に対して、前記基板の屈折率をnk,前記第1層から前記第9層の屈折率の夫々をn1乃至n9、前記第1層から前記第9層の光学膜厚の夫々をd1乃至d9、前記第1層から前記第8層のうち隣接する二つの層の屈折率差の最大値をΔnとするとき、
1.48≦nk≦2.15、
1.60≦n1≦1.70、 30nm≦d1≦250nm、
2.00≦n2≦2.40、 10nm≦d2≦70nm、
1.60≦n3≦1.70、 70nm≦d3≦200nm、
2.00≦n4≦2.40、 10nm≦d4≦100nm、
1.60≦n5≦1.70、 10nm≦d5≦100nm、
2.00≦n6≦2.40、 150nm≦d6≦250nm、
1.60≦n7≦1.70、 40nm≦d7≦110nm、
2.00≦n8≦2.40、 20nm≦d8≦50nm、
1.22≦n9≦1.28、 130nm≦d9≦170nm
0.40≦Δn≦0.67
なる条件式を満たす。
この本発明の反射防止膜を有する光学素子は、
基板と、該基板の上に設けられる反射防止膜とを有する光学素子であって、
前記反射防止膜は、前記基板の側から順に配置された第1層、第2層、第3層、第4層、第5層、第6層、第7層、第8層、及び第9層から構成され、
基準波長550nmの光に対して、前記基板の屈折率をnk,前記第1層から前記第9層の屈折率の夫々をn1乃至n9、前記第1層から前記第9層の光学膜厚の夫々をd1乃至d9、前記第1層から前記第8層のうち隣接する二つの層の屈折率差の最大値をΔnとするとき、
1.48≦nk≦2.15、
1.60≦n1≦1.70、 30nm≦d1≦250nm、
2.00≦n2≦2.40、 10nm≦d2≦70nm、
1.60≦n3≦1.70、 20nm≦d3≦200nm、
2.00≦n4≦2.40、 10nm≦d4≦100nm、
1.60≦n5≦1.70、 10nm≦d5≦100nm、
2.00≦n6≦2.40、 190nm≦d6≦250nm、
1.60≦n7≦1.70、 40nm≦d7≦110nm、
2.00≦n8≦2.40、 20nm≦d8≦50nm、
1.22≦n9≦1.28、 130nm≦d9≦170nm
0.40≦Δn≦0.67
なる条件式を満たす。
本発明によれば、可視域での波長域かつ広い入射角範囲において良好な反射防止性能を有する光学素子が得られる。
本発明の光学素子の一実施形態を示す断面概略図 本発明の実施例1の光学素子の反射率特性(図2(A)〜図2(D))の説明図 本発明の実施例1の光学素子の反射率特性(図2(E)〜図2(H))の説明図 本発明の実施例1の光学素子の反射率特性(図2(I)〜図2(K))の説明図 本発明の実施例2の光学素子の反射率特性(図3(A)〜図3(D))の説明図 本発明の実施例2の光学素子の反射率特性(図3(E)〜図3(H))の説明図 本発明の実施例2の光学素子の反射率特性(図3(I)〜図3(K))の説明図 本発明の実施例3の光学素子の反射率特性(図4(A)〜図4(C))の説明図 本発明の反射防止膜を有する光学素子を用いた光学系の断面図
以下に、本発明の好ましい実施の形態を、添付の図面に基づいて説明する。本発明に係る反射防止膜は、基準波長550nmにおける屈折率nkが1.48〜2.15の材料よりなる基板の光入射面又は光出射面の少なくとも一方の面に形成される9層構成よりなる反射防止膜である。反射防止膜は基板側から空気側に向かって順に、第1層、第2層、第3層、第4層、第5層、第6層、第7層、第8層、第9層とし、屈折率を基準波長の屈折率、光学膜厚を光学膜厚=(基準波長の屈折率)×(厚さ)とする。このとき、各層の屈折率と光学膜厚を適切に設定している。
本発明に係る反射防止膜は、入射角度が0度から45度の範囲で波長420nmから波長670nmの波長域において反射率の最大値が0.6%以下である。また、波長420nmから波長670nmの波長域において反射率の最大値が、入射角度20度において0.05%以下であり、入射角45度において0.3%以下である。入射角度20度における反射率の最大値が0.05%以下である場合には、低い(小さい)入射角におけるゴーストやフレア抑制に好適である。入射角度45度における反射率の最大値が0.3%以下である場合には、高い(大きい)入射角におけるゴーストやフレア抑制に好適である。
図1は、本発明の実施形態にかかわる反射防止膜を有する光学素子の説明図である。図1において100は光学素子、30は透明な基板、101は反射防止膜である。115は空気層である。光学素子100はレンズ、フィルター等からなり、基板30の光入出射面のうち少なくとも一方の面に反射防止膜101を有する。反射防止膜101は、基板30側から空気層115側へ順に、第1層11から第9層19までの薄膜を基板30に順次積層して構成されている。
本発明に係る反射防止膜101において、基準波長(設計波長)λは550nmである。基板30の材料の基準波長での屈折率(以下「基板の屈折率」と称する)nkは1.48≦nk≦2.15である。
第1層乃至第9層の屈折率の夫々をn1乃至n9とする。
第1層乃至第9層の光学膜厚の夫々をd1乃至d9とする。
このとき、
第1層目11の材料の基準波長での屈折率(以下「第1層目11の屈折率」と称する。以下、他の層についても同様である)n1は1.60≦n1≦1.70、光学膜厚d1((基準波長の屈折率)×(厚さ))は30nm≦d1≦250nmである。
第2層目12の屈折率n2は2.00≦n2≦2.40、光学膜厚d2は10nm≦d2≦70nmである。
第3層目13の屈折率n3は1.60≦n3≦1.70、光学膜厚d3は70nm≦d3≦200nmである。
第4層目14の屈折率n4は2.0≦n4≦2.40、光学膜厚d4は10nm≦d4≦100nmである。
第5層目15の屈折率n5は1.60≦n5≦1.70、光学膜厚d5は10nm≦d5≦100nmである。
第6層目16の屈折率n6は2.00≦n6≦2.40、光学膜厚d6は150nm≦d6≦250nmである。
第7層目17の屈折率n7は1.60≦n7≦1.70、光学膜厚d7は40nm≦d7≦110nmである。
第8層目18の屈折率n8は2.00≦n8≦2.40、光学膜厚d8は20nm≦d8≦50nmである。
第9層目19の屈折率n9は1.22≦n9≦1.28、光学膜厚d9は130nm≦d9≦170nmである。
第1層11から第8層18のうち隣接する2つの層の屈折率差の最大値をΔnとするとき
040≦Δn≦0.67
である。
他の実施形態としては、第3層目の光学膜厚d3は
20nm≦d3≦200nm
である。また、第6層目の光学膜厚d6は
190nm≦d6≦250nmである。
その他の構成は前述と同じである。
これによれば、低い入射角度から高い入射角度まで良好な反射防止性能が得られる。
上記の適切な屈折率・光学膜厚とすることで、可視域で必要な波長範囲において0度入射から高い入射角(例えば、45度)まで良好な反射防止特性が得られる。
より望ましくは、第3層目の光学膜厚d3は
100nm≦d3≦200nm
である。第3層目の光学膜厚d3について上記条件式を満たすよう設定することで、更に良好な反射防止特性が得られる。
また、好ましくは基板の屈折率nkは
1.48≦nk≦1.65
とするのが良い。
反射防止膜を構成する9つの層には少なくとも互いに屈折率が異なる材料よりなる3種類の層が含まれている。3種類の層のうち1つは、チタン、タンタル、ジルコニウム、クロム、ニオブ、セリウム、ハフニウム、イットリウムのいずれかの酸化物の単体又は酸化物の混合物からなる、屈折率が2.00から2.40の高屈折率層である。他の1つはアルミナ(例えば、Al)の単体又はそれを含む混合物(化合物)からなる、屈折率が1.60から1.70の中屈折率層である。他の1つは、シリカないしフッ化マグネシウムのいずれかを含有する、屈折率が1.22から1.28の低屈折率層である。
第1層目11は基板30と接しており、基板30の屈折率の影響を受けやすい。第1層目11の屈折率n1と、第2層目12の屈折率n2がn1<n2の関係になる様に設定することが好ましい。これによれば反射特性の製造ばらつきに対する特性の敏感度を低く抑える事ができる。さらに、各々の層の屈折率は、次の条件式を満たすことが好ましい。
n2>n3・・・(1)
n3<n4・・・(2)
n4>n5・・・(3)
n5<n6・・・(4)
n6>n7・・・(5)
n7<n8・・・(6)
n8>n9・・・(7)
上記の条件式(1)〜(7)は薄膜の屈折率の相対関係を表すものである。すなわち、第3層目13の屈折率は第2層目12の屈折率と第4層目14の屈折率よりも低い。また、第5層目15の屈折率は第4層目14の屈折率と第6層目16の屈折率よりも低く、第7層目17の屈折率は第6層目16の屈折率と第8層目18の屈折率よりも低く、第9層目19の屈折率は第8層目18の屈折率より低い関係で設定することが好ましい。
第1層目11の屈折率n1から第8層目18の屈折率n8の隣接する屈折率差の最大値をΔnとすると、0.40≦Δn≦0.67であることが好ましい。この範囲に設定することにより、リップルの少ない低反射を広い入射角範囲で実現することができる。第1層目11から第9層目19までの光学膜厚は、設定した範囲を外れると、反射防止作用のある波長帯域がせまくなる、反射特性のリップルの高さがおおきくなるなど、反射防止性能の劣化や角度特性が低下する。このため、前述した設定した範囲であることが望ましい。
空気115側の最上層である第9層19は、屈折率を下げる必要があるため、SiO、MgFのような屈折率の低い材料よりなる低屈折率層であることが好ましい。さらに屈折率を低いものにするため第9層19はシリカを主成分とした微粒子であることが好ましい。ここで主成分とは重量比が50%以上を占める成分のことである。
微粒子はバインダーにより結合する。微粒子は内部や形成された膜内に空隙(空孔)を有するため、空隙に含まれる空気(屈折率1.0)によって屈折率を下げることが出来る。空孔は単孔、多孔どちらでも良く適宜選択することが出来る。さらに、微粒子の内部に空隙がある場合には、空隙に水分や不純物の吸着を防ぐことができる。このため、耐環境性が良くなり、屈折率変化の少ない安定した光学特性を得ることができる。
微粒子はバインダーにより結合する必要があるため、ゾルゲル法で作製することが好ましい。塗工方法としては特に限定されることはなく、ディップコート法、スピンコート法、スプレーコート法、ロールコート法など液状塗工材料の一般的な塗工方法を用いることができる。レンズのような曲面を有する基材へ薄膜を膜厚が均一になるように成膜できる観点から、塗料をスピンコート法で成膜することが好ましい。
塗工後は乾燥を行う。乾燥は乾燥機、ホットプレート、電気炉などを用いることができる。乾燥条件は、基材に影響を与えず且つ溶媒を蒸発できる程度の温度と時間とする。一般的には300度C以下の温度を用いることが好ましい。塗工回数は通常1回が好ましいが、乾燥と塗工を複数回繰り返しても良い。また、自然放置により硬化が促進される場合などにおいては、乾燥工程は省略しても良い。
第1層目11から第8層目18は無機系膜からなり、成膜の簡便さから、真空蒸着法やスパッタ法により成膜されることが望ましい。第1層11はフッ化ランタン、フッ化セリウム、フッ化ネオジウム、アルミニウム酸化物(Al)の単体乃至は混合物の層(中屈折率層)からなることが望ましい。
さらに、第2層目12と第8層目18は、チタン、タンタル、ジルコニウム、クロム、ニオブ、セリウム、ハフニウム、イットリウムの酸化物の単体乃至は混合物の層(高屈折率層)からなることが望ましい。構成する材料は少ない方が望ましい。少ない材料で構成することにより、加工バラツキを少なく抑えることができ、光学特性の安定化をはかることができる。
以上のように本発明によれば、可視域の波長に対し、高性能な反射防止性能を有した反射防止膜が得られる。それを光学素子や光学系に用いたとき、ゴーストやフレアの発生を低減することができる。
尚、本発明の光学機器は前述した光学素子と、該光学素子を保持する保持部材を有している。
以下に、本発明の反射防止膜の具体的な実施例を示す。ただし、これらは例に過ぎず、本発明の反射防止膜の実施例はこれらの構成に限定されるものではない。
[実施例1]
実施例1では、屈折率が1.52から2.01の基板上に、図1に示すような9層構成の反射防止膜を表2に示した膜構成及び光学膜厚で作製した。表の数値は光学膜厚[nm]で基準波長は550nmとしている。
基板の屈折率は基準波長での屈折率である。光学膜厚ndは次のとおりである。
光学膜厚=(基準波長での屈折率)×(厚さ)
実施例1−1から実施例1−11は実施例1において基板の屈折率、各層の光学膜厚をいろいろと変化させたときを示す。基板については、(株)OHARA社のガラスカタログに記載の屈折率を使用しており、表2には硝材名および基板の屈折率について記載している。以下の各実施例においても同様である。
本実施例において、第1層目から第8層目までは真空蒸着法により成膜した。第1層目から第8層目は中屈折率層と高屈折率層の繰り返しであり、中屈折率層はアルミナ、高屈折率層は酸化タンタルからなる。第1層目から第8層目までの隣接する層の最大屈折率差Δnは0.51で2種類の材料で構成した。また、第9層は、屈折率が1.23になるように調整したシリカ微粒子を含む混合調整液をスピンコーターで塗工した。また、表1には最表層(シリカ微粒子含有膜)および、高屈折率層、中屈折率層の屈折率分散のパラメータを示している。表中のC1、C2、C3を用いて波長λ[nm]における屈折率n(λ)はn(λ)=C1+C2/(λ―C3)と表され、以下の実施例においても同様である。
図2(A)乃至図2(K)に波長400nmから波長700nmの範囲での、0度、20度、45度の入射における実施例1−1から実施例1−11の反射率特性を示す。 図2(A)乃至図2(K)の反射率特性のグラフにおいて、縦軸の反射率の単位は%であり、以下の実施例においても同様である。実施例1−1から実施例1−11の反射防止膜は、0度入射における反射率は波長420nmから波長700nmまで0.1%以下である。また、20度入射における反射率は、波長420nmから波長680nmまで0.05%以下であり、45度入射においても波長400nmから波長660nmの範囲において0.5%以下である。よって、本実施例の反射防止膜は、可視の波長域において反射防止効果が高い、高性能な反射防止膜であることがわかる。
[実施例2]
実施例2では、屈折率が1.52から2.01の基板上に、図1に示すような9層構成の反射防止膜を表3に示した膜構成及び光学膜厚で作製した。表の数値は光学膜厚[nm]で基準波長は550nmとしている。本実施例において、第1層目から第8層目までは真空蒸着法により成膜した。第1層目から第8層目は中屈折率層と高屈折率層の繰り返しであり、中屈折率層はアルミナ、高屈折率層は酸化タンタルからなる。第1層目から第8層目までの隣接する層の最大屈折率差Δnは0.51で2種類の材料で構成した。また、第9層は、屈折率が1.23になるように調整したシリカ微粒子を含む混合調整液をスピンコーターで塗工した。
図3(A)乃至図3(K)に波長400nmから波長700nmの範囲での、0度、20度、45度入射における実施例2−1から実施例2−11の反射率特性を示す。実施例2−1から実施例2−11の反射防止膜は、0度入射における反射率は波長420nmから波長700nmまで0.35%以下である。また、20度入射における反射率は、波長400nmから波長700nmまで0.2%以下であり、45度入射においても波長400nmから波長680nmの範囲において0.3%以下である。よって、本実施例の反射防止膜は、可視の波長域において反射防止効果が高い、高性能な反射防止膜であることがわかる。
[実施例3]
実施例3では、屈折率が1.52から1.61の基板上に、図1に示すような9層構成の反射防止膜を表4に示した膜構成及び膜厚で作製した。表の数値は光学膜厚[nm]で基準波長は550nmとしている。このとき、第1層目から第8層目までは真空蒸着法により成膜した。第1層目から第8層目は中屈折率層と高屈折率層の繰り返しであり、中屈折率層はアルミナ、高屈折率層は酸化タンタルからなる。第1層目から第8層目までの隣接する層の最大屈折率差Δnは0.51で2種類の材料で構成した。また、第9層は、屈折率が1.23になるように調整したシリカ微粒子を含む混合調整液をスピンコーターで塗工した。
図4(A)乃至図4(C)に波長400nmから波長700nmの範囲での、0度、20度、45度入射における実施例3−1から実施例3−3の反射率特性を示す。実施例3−1から実施例3−3の反射防止膜は、0度入射における反射率は波長420nmから波長700nmまで0.25%以下である。また、20度入射における反射率は、波長420nmから波長700nmまで0.15%以下であり、45度入射においても波長400nmから波長700nmの範囲において0.3%以下である。よって、本実施例の反射防止膜は、可視の波長域において反射防止効果が高い、高性能な反射防止膜であることがわかる。
図5は、本発明の反射防止膜を付与した光学素子と、それを用いた撮像光学系(結像光学系)の要部概略図である。図5において300は撮像光学系であり、デジタルカメラ、ビデオカメラおよび交換レンズなどの光学機器に用いられる。撮像光学系は、保持部材としての鏡筒(不図示)により保持されている。
撮像光学系300は単一の焦点距離よりなる場合を示したが、ズームレンズであっても良い。
図5において、103は撮像面であり、CCDセンサ又はCMOSセンサ等の撮像素子(光電変換素子)が配置される。102は開口絞りである。
G101乃至G111はそれぞれ光学素子としてのレンズである。これらのレンズのうち、少なくとも1つの光学素子の光入射面または光出射面のうち少なくとも1つの面に前述した構成の反射防止膜が付与されている。
以下に本発明の光学系300の数値データを示す。各数値データにおいてiは物体側から面の順序を示し、riは物体側より第i番目の面の曲率半径、diは物体側より第i番目と第i+1番目の間隔、ndi、νdiは第i番目の光学素子の屈折率とアッベ数である。
fは焦点距離、FNOはFナンバー、ωは撮像半画角(度)である。
[数値データ]
以上説明した各実施例は代表的な例にすぎず、本発明の実施に際しては、各実施例に対して種々の変形や変更が可能である。
11 第1層 12 第2層 13 第3層 14 第4層 15 第5層
16 第6層 17 第7層 18 第8層 19 第9層 30 基板
100 光学素子 101 反射防止膜102 開口絞り103 撮像素子
115 空気層G101〜G111 レンズ(光学素子)

Claims (12)

  1. 基板と、該基板の上に設けられる反射防止膜とを有する光学素子であって、
    前記反射防止膜は、前記基板の側から順に配置された第1層、第2層、第3層、第4層、第5層、第6層、第7層、第8層、及び第9層から構成され、
    基準波長550nmの光に対して、前記基板の屈折率をnk、前記第1層から前記第9層の屈折率の夫々をn1乃至n9、前記第1層から前記第9層の光学膜厚の夫々をd1乃至d9、前記第1層から前記第8層のうち隣接する二つの層の屈折率差の最大値をΔnとするとき、
    1.48≦nk≦2.15、
    1.60≦n1≦1.70、 30nm≦d1≦250nm、
    2.00≦n2≦2.40、 10nm≦d2≦70nm、
    1.60≦n3≦1.70、 70nm≦d3≦200nm、
    2.00≦n4≦2.40、 10nm≦d4≦100nm、
    1.60≦n5≦1.70、 10nm≦d5≦100nm、
    2.00≦n6≦2.40、 150nm≦d6≦250nm、
    1.60≦n7≦1.70、 40nm≦d7≦110nm、
    2.00≦n8≦2.40、 20nm≦d8≦50nm、
    1.22≦n9≦1.28、 130nm≦d9≦170nm
    0.40≦Δn≦0.67
    なる条件式を満たすことを特徴とする光学素子。
  2. 前記第6層の光学膜厚d6は
    190nm≦d6≦250nm
    なる条件式を満たすことを特徴とする請求項1に記載の光学素子。
  3. 基板と、該基板の上に設けられる反射防止膜とを有する光学素子であって、
    前記反射防止膜は、前記基板の側から順に配置された第1層、第2層、第3層、第4層、第5層、第6層、第7層、第8層、及び第9層から構成され、
    基準波長550nmの光に対して、前記基板の屈折率をnk、前記第1層から前記第9層の屈折率の夫々をn1乃至n9、前記第1層から前記第9層の光学膜厚の夫々をd1乃至d9、前記第1層から前記第8層のうち隣接する二つの層の屈折率差の最大値をΔnとするとき、
    1.48≦nk≦2.15、
    1.60≦n1≦1.70、 30nm≦d1≦250nm、
    2.00≦n2≦2.40、 10nm≦d2≦70nm、
    1.60≦n3≦1.70、 20nm≦d3≦200nm、
    2.00≦n4≦2.40、 10nm≦d4≦100nm、
    1.60≦n5≦1.70、 10nm≦d5≦100nm、
    2.00≦n6≦2.40、 190nm≦d6≦250nm、
    1.60≦n7≦1.70、 40nm≦d7≦110nm、
    2.00≦n8≦2.40、 20nm≦d8≦50nm、
    1.22≦n9≦1.28、 130nm≦d9≦170nm
    0.40≦Δn≦0.67
    なる条件式を満たすことを特徴とする光学素子。
  4. 1.48≦nk≦1.65
    なる条件式を満たすことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の光学素子。
  5. 前記第1層から前記第9層は、互いに屈折率が異なる材料から成る3種類の層を含むことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の光学素子。
  6. 前記3種類の層は、波長550nmの光に対して、屈折率が2.00から2.40の高屈折率層と、屈折率が1.60から1.70の中屈折率層と、屈折率が1.22から1.28の低屈折率層と、から成ることを特徴とする請求項5に記載の光学素子。
  7. 前記高屈折率層は、チタン、タンタル、ジルコニウム、クロム、ニオブ、セリウム、ハフニウム、イットリウムのいずれかの酸化物の単体又はそれらの混合物から成り、前記中屈折率層は、アルミナの単体又はそれを含む混合物から成り、前記低屈折率層は、シリコンの酸化物の単体またはそれを含む混合物から成ることを特徴とする請求項6に記載の光学素子。
  8. 前記第9層は、シリカを主成分とした微粒子を含むことを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項に記載の光学素子。
  9. 前記第1層は、アルミナの単体又はそれを含む化合物から成ることを特徴とする請求項1乃至8のいずれか1項に記載の光学素子。
  10. 前記第8層は、チタン、タンタル、ジルコニウム、クロム、ニオブ、セリウム、ハフニウム、イットリウムの酸化物の単体又はそれらの混合物から成ることを特徴とする請求項1乃至9のいずれか1項に記載の光学素子。
  11. 請求項1乃至10のいずれか1項に記載の光学素子と、開口絞りとを有することを特徴とする光学系。
  12. 請求項1乃至10のいずれか1項に記載の光学素子と、該光学素子を保持する保持部材とを有することを特徴とする光学機器。
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