JP2005251354A - 光学素子 - Google Patents

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弥生 江黒
Takeshi Kojima
健 小嶋
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隆 野崎
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Abstract

【課題】脂環式構造を有する重合体を含有する樹脂基体上に少なくとも1層の機能膜を有した光学素子であって、機能膜形成面における拭き性が非常に優れた光学素子を提供する。
【解決手段】脂環式構造を有する重合体を含有する樹脂基体の表面に機能膜を形成した光学素子に対して、特定の条件で405nmの青紫光を特定の強度で照射した場合、一定時間照射後に、表面形状の微少な変化が見られ、具体的には機能膜を有する入射面若しくは出射面に、複数の脈状構造(しわ状の起伏構造)が発生する。この特定条件で照射した場合に、特定時間経過後に機能膜を有する入射面若しくは出射面に変形を起こす光学素子において、機能膜と樹脂基体の間の接着性及び強度(以下、拭き性)が非常に優れるようになる。
【選択図】 図1

Description

本発明は、光学素子に関し、特に、光ピックアップ装置用の光学素子に関する。更には、少なくとも青色レーザ光源を用いた光ピックアップ装置用の光学素子に関する。
光ピックアップ装置等の光学装置に用いられる光学素子として、プラスチック製の成形レンズが多く用いられている。プラスチック製の成形レンズは、ガラス製のレンズに比べて、溶融温度が低く成形が容易であり、金型のメンテナンスも少なくて良い為、製造コストが非常に安価となる点で有利である。しかし、一方で、プラスチックレンズは温度や湿度等の環境変化の影響を受けやすいという問題があった。
光ピックアップ装置としては、従来780nm付近の光源を用いたCD用のピックアップ装置や650nm付近の光源を用いたDVD用のピックアップ装置が用いられてきた。しかし、近年では、更なる記録密度向上の要望に従って、405nm付近の青紫色レーザを用いるいわゆる高密度DVDやブルーディスクと呼ばれる新しい記録媒体が用いられるようになり(特許文献1参照)、このような記録媒体に対応した光ピックアップ装置が求められている。さらに、前記青紫色レーザ光と650nm付近の光や780nm付近の光のうち1種類又は2種類を併用する互換型光ピックアップ装置の開発が進められている。
特開2003−303436号公報
しかし、このような光ピックアップ装置に用いる短波長の光はエネルギーが高い為、長時間照射する場合には光のエネルギーにより劣化する場合がある。その為、短波長の光源を用いた光ピックアップ装置に用いられる光学素子をプラスチックで製造する為には耐光性の高い樹脂が求められる。
また、光ピックアップ装置用の光学素子には、表面保護や、反射防止の目的で樹脂基体表面に様々な機能膜が設けられることが多い。
ところが、このような機能膜と樹脂基体との間の接着性が不足する場合や、機能膜の強度が不足した場合、樹脂基体と機能膜との間で膜はがれを発生したり、機能膜に亀裂が発生したりする問題が生じる。光ピックアップ装置の光学素子の場合は、アルコール等を用いて表面を拭くことがある為、特に優れた接着性が求められる。樹脂レンズの場合、ガラスレンズに比べて周囲の温度、湿度等の環境変化によって形状変化や膨張・伸縮等の変化を起こしやすい傾向にある為、このような接着性の問題が顕著であった。上述のように機能膜が剥落したり亀裂が発生したりした場合には、本来の機能膜としての働きが劣化するだけでなく、光学素子の焦点距離、波面収差、球面収差などの光学性能にも影響を与え、性能が達成できなくなる場合がある。
そこで、本発明の目的は、脂環式構造を有する重合体を含有する樹脂基体上に少なくとも1層の機能膜を有した光学素子であって、機能膜形成面における拭き性が非常に優れた光学素子を提供することである。
請求項1に記載の光学素子は、S1面と、前記S1面と対向するS2面を有し、脂環式構造を有する重合体を含有する樹脂基体、及び少なくとも前記S1面及び前記S2面の一方の上に形成された第1の膜を有する光学素子において、前記第1の膜が形成された面に対して、85℃、相対湿度5%の雰囲気下で、405nmのレーザ光束をピーク強度120mW/mmで照射した場合、照射時間90時間以降に、前記照射領域表面に脈状構造を発生することを特徴とする。
本発明者らは、上述の問題を解決する為に様々な実験を施した結果、脂環式構造を有する重合体を含有する樹脂基体の表面に機能膜を形成した光学素子に対して、特定の条件で405nmの青紫光を特定の強度で照射した場合、一定時間照射後に、表面形状の微少な変化が見られることを発見した。具体的には機能膜を有する入射面若しくは出射面に、複数の脈状構造(しわ状の起伏構造)が発生することを発見した。
更に驚くべきことに、本発明者らは、この特定条件で照射した場合に、特定時間経過後に機能膜を有する入射面若しくは出射面に変形を起こす光学素子において、機能膜と樹脂基体の間の接着性及び強度(以下、拭き性)が非常に優れるようになるということを発見した。すなわち本発明によれば、耐久性に優れた光学素子を提供できるのである。
請求項2に記載の光学素子は、請求項1に記載の発明において、照射時間120時間以降に前記照射領域表面に脈状構造を発生することを特徴とするので、上述の効果を更に高めることができる。
請求項3に記載の光学素子は、請求項1又は2に記載の発明において、前記第1の層が、反射防止機能を有する層であることを特徴とする。
請求項4に記載の光学素子は、凸面であるS1面と、前記S1面と対向するS2面とを有し、脂環式構造を有する重合体を含有する樹脂基体、及び少なくとも前記樹脂基体のS2面上に形成された第1の層を有する光学素子において、85℃、相対湿度5%の雰囲気下で、405nmのレーザ光束を前記S1面から入射させ、前記S2面からピーク強度120mW/mmで出射させた場合、照射時間90時間以降に前記S2面の出射領域表面に脈状構造を発生することを特徴とする。本発明の作用効果は、請求項1に記載の発明と同様である。
請求項5に記載の光学素子は、請求項4に記載の発明において、照射時間120時間以降に前記S2面の出射領域表面に脈状構造を発生することを特徴とするので、上述の効果を更に高めることができる。
請求項6に記載の光学素子は、請求項4又は5に記載の発明において、前記第1の層が反射防止機能を有する層であることを特徴とする。
請求項7に記載の光学素子は、請求項1〜6のいずれかに記載の発明において、前記脂環式構造を有する重合体が、下記一般式(7)で表される脂環式構造を有する繰り返し単位(a)と、下記一般式(8)及び/又は下記一般式(9)で表される鎖状構造の繰り返し単位(b)とを合計含有量が90重量%以上になるように含有し、さらに繰り返し単位(b)の含有量が1重量%以上10重量%未満である脂環式炭化水素系共重合体であることを特徴とする。
Figure 2005251354
Figure 2005251354
Figure 2005251354

〔式(7)中、Xは脂環式炭化水素基であり、式(7)、式(8)、及び式(9)中、R1〜R13は、それぞれ独立に水素原子、鎖状炭化水素基、ハロゲン原子、アルコキシ基、ヒドロキシ基、エーテル基、エステル基、シアノ基、アミド基、イミド基、シリル基、及び極性基(ハロゲン原子、アルコキシ基、ヒドロキシ基、エーテル基、エステル基、シアノ基、アミド基、イミド基、又はシリル基)で置換された鎖状炭化水素基である。式(9)中……は炭素−炭素飽和結合、又は不飽和結合である。〕
請求項8に記載の光学素子は、請求項1〜7のいずれかに記載の発明において、脂環式構造を有する重合体が、下記式(10)で表される繰り返し単位〔1〕を含有する重合体ブロック〔A〕と、下記式(10)で表される繰り返し単位〔1〕並びに下記式(11)で表される繰り返し単位〔2〕または/および下記式(12)で表される繰り返し単位〔3〕を含有する重合体ブロック〔B〕とを有するブロック共重合体であることを特徴とする。
Figure 2005251354

(式中、R は水素原子、または炭素数1〜20のアルキル基を表し、R−R12はそれぞれ独立に、水素原子、炭素数1〜20のアルキル基、ヒドロキシル基、炭素数1〜20のアルコキシ基、またはハロゲン基である。)
Figure 2005251354

(式中、R13は、水素原子、または炭素数1〜20のアルキル基を表す。)
Figure 2005251354

(式中、R14およびR15はそれぞれ独立に、水素原子、または炭素数1〜20のアルキル基を表す。)
請求項9に記載の光学素子は、請求項8に記載の発明において、前記ブロック重合体の前記ブロック〔A〕中の繰り返し単位〔1〕のモル分率a(モル%)と、前記ブロック〔B〕中の繰り返し単位〔1〕のモル分率b(モル%)との関係がa>bであることを特徴とする。
請求項10に記載の光学素子は、請求項1〜9のいずれかに記載の発明において、前記光学素子が、光ピックアップ装置用の光学素子であることを特徴とする。
請求項11に記載の光学素子は、請求項10に記載の発明において、前記光学素子が、少なくとも青色レーザ光源を用いた光ピックアップ装置用の光学素子であることを特徴とする。
請求項12に記載の光学素子は、請求項11に記載の発明において、前記光学素子が、対物レンズであることを特徴とする。
本発明によれば、脂環式構造を有する重合体を含有する樹脂基体上に少なくとも1層の機能膜を有した光学素子であって、機能膜形成面における拭き性が非常に優れた光学素子を提供することができる。
本発明において、照射時間90時間以降に「脈状構造を発生する」という場合、90時間より前には観察面に脈状構造が発生しないことを意味する。また、「脈状構造を発生する」とは、観察面上に少なくとも2以上の脈状構造が発生し、且つ、脈状構造の最隆起部と隣り合う最低部との高度差が0.1μm以上になった時点を表す。
また、本発明の光学素子は、1つの光学部材からなる光学素子であってもよいし、複数の光学部材が組み合わされた光学素子であってもよい。本発明で、S1面と対向するS2面という場合は、S1面とS2面が1つの光学部材において対向する構成であってもよいし、S1面とS2面が異なる光学部材上の面であり、他の面を介して対向する状態であってもよい。
本発明の光学素子は、光ピックアップ装置用の光学素子であることが好ましく、更に、光源として青色レーザ光源を用いた光ピックアップ装置に用いられる光学素子であることが好ましい。本発明の光学素子としては例えば導光板、レンズ、ミラー、プリズム等が挙げられるが、特に限りはない。特に、青色レーザ光源を用いた光ピックアップ装置用の光学素子であることが好ましく、更には青色レーザ光源を用いた光ピックアップ装置用の対物レンズであることが好ましい。さらに、青色レーザ光源に加えて、他の波長(660nm付近、780nm付近の波長の少なくとも一つ)の光源を使用する光ピックアップ装置用の対物レンズである事が好ましい。
本発明における機能膜としては、特に限定はないが、反射防止膜、増反射膜、ハーフミラー膜、ダイクロイックコート、偏光膜、赤外カット膜、熱線遮断膜、導電性膜、ハードコート(表面保護膜)等が挙げられる。本発明の機能膜としては特に反射防止膜が好ましい。
本発明の光学素子を得るための手段としては、特に限りはないが、本発明の発明者による研究の結果、脂環式構造を有する重合体を含有する樹脂基体上に機能膜を形成する際、機能膜の成分や形成方法を適宜調整したり、複数の機能膜を適宜組み合わせて形成したりすることにより、このような光学素子を得られることがわかった。
本発明の光学素子を得る為の好ましい方法としては、例えば、脂環式構造を有する重合体を含有する樹脂基体上に機能膜として反射防止膜を設ける場合に、波長405nmの光吸収が極めて少ない無機物質を用いてコートすることで本発明の光学素子を得ることができる。具体的には、低屈折率材料(405nmの光に対するの屈折率1.3以上1.55未満)、中屈折率材料(405nmの光に対する屈折率1.55以上1.7未満)及び高屈折率材料(405nmの光に対する屈折率1.7以上)の少なくとも1つからなる単層若しくは複数層の積層からなる機能膜を形成する際に、基体上に成膜した時、波長405nmの光の吸収が0.5%以下、より好ましくは、0.1%以下にするという方法が挙げられる。
別の方法としては、機能膜の厚みを0.1μm以上にすることが好ましい。更に0.15μm以上15μm以下とすることが好ましい。特に酸化シリコン、または酸化シリコンを主成分とした混合材料(例えば、酸化シリコンと酸化アルミニウムを含む混合材料)からなる層や、酸化アルミニウムからなる層の厚さを厚くし所定の厚さにすることが好ましい。例えば、樹脂基体の近傍の層として、0.1μm以上の上記酸化シリコン系の層を下地層として積層し機能膜の厚さを厚くすることができる。
更に別の方法としては、特定の機能膜を酸素の存在しない条件、若しくは酸素が非常に少ない条件下で、例えば、窒素ガス雰囲気下でコートすることが挙げられる。
更に、樹脂基体と接する層として無機ハロゲン化物からなる層を形成し、前記反射防止膜を形成する方法も挙げられる。又、上述の方法を適宜組み合わせることにより、本発明の構成を達成することができる。
本発明の光学樹脂は脂環式構造を有する重合体を含有する樹脂基体を有する。脂環式構造を有する重合体としては、重合体全繰り返し単位中に、下記一般式(13)で表される脂環式構造を有する繰り返し単位(a)と、下記一般式(14)及び/又は下記一般式(15)で表される鎖状構造の繰り返し単位(b)とを、合計含有量が90重量%以上になるように含有し、さらに繰り返し単位(b)の含有量が1重量%以上10重量%未満である脂環式炭化水素系共重合体が好ましい。
Figure 2005251354
Figure 2005251354
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式(13)中、Xは脂環式炭化水素基であり、式(13)、式(14)、及び式(15)中、R1〜R13は、それぞれ独立に水素原子、鎖状炭化水素基、ハロゲン原子、アルコキシ基、ヒドロキシ基、エーテル基、エステル基、シアノ基、アミド基、イミド基、シリル基、及び極性基(ハロゲン原子、アルコキシ基、ヒドロキシ基、エーテル基、エステル基、シアノ基、アミド基、イミド基、又はシリル基)で置換された鎖状炭化水素基である。その中でも水素原子又は炭素原子数1〜6個の鎖状炭化水素基の場合が、耐熱性、低吸水性に優れるので好ましい。ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、及びヨウ素原子を挙げることができる。極性基で置換された鎖状炭化水素基としては、例えば炭素原子数1〜20、好ましくは1〜10、より好ましくは1〜6のハロゲン化アルキル基が挙げられる。鎖状炭化水素基としては、例えば炭素原子数1〜20、好ましくは1〜10、より好ましくは1〜6のアルキル基;炭素原子数2〜20、好ましくは2〜10、より好ましくは2〜6のアルケニル基が挙げられる。
一般式(1)中のXは脂環式炭化水素基を表し、それを構成する炭素数は、通常4個〜20個、好ましくは4個〜10個、より好ましくは5個〜7個である。脂環式構造を構成する炭素数をこの範囲にすることで複屈折を低減することができる。また脂環式構造は単環構造に限らず、例えばノルボルナン環やジシクロヘキサン環などの多環構造のものでもよい。
脂環式炭化水素基は、炭素−炭素不飽和結合を有してもよいが、その含有量は、全炭素−炭素結合の10%以下、好ましくは5%以下、より好ましくは3%以下である。脂環式炭化水素基の炭素−炭素不飽和結合をこの範囲とすることで、透明性、耐熱性が向上する。また、脂環式炭化水素基を構成する炭素には、水素原子、炭化水素基、ハロゲン原子、アルコキシ基、ヒドロキシ基、エーテル基、エステル基、シアノ基、アミド基、イミド基、シリル基、及び極性基(ハロゲン原子、アルコキシ基、ヒドロキシ基、エーテル基、エステル基、シアノ基、アミド基、イミド基、又はシリル基)で置換された鎖状炭化水素基等が結合していてもよく、中でも水素原子又は炭素原子数1〜6個の鎖状炭化水素基が耐熱性、低吸水性の点で好ましい。
また、一般式(15)中の……は、主鎖中の炭素−炭素飽和、又は炭素−炭素不飽和結合を示すが、透明性、耐熱性を強く要求される場合、不飽和結合の含有率は、主鎖を構成する全炭素−炭素間結合の、通常10%以下、好ましくは5%以下、より好ましくは3%以下である。
一般式(13)で表される繰り返し単位の中でも、下記一般式(16)で表される繰り返し単位が、耐熱性、低吸水性の点で優れている。
Figure 2005251354
一般式(14)で表される繰り返し単位の中でも、下記一般式(17)で表される繰り返し単位が、耐熱性、低吸水性の点で優れている。
Figure 2005251354
一般式(15)で表される繰り返し単位の中でも、下記一般式(18)で表される繰り返し単位が、耐熱性、低吸水性の点で優れている。
Figure 2005251354
一般式(16)、一般式(17)、及び一般式(18)中の、Ra、Rb、Rc、Rd、Re、Rf、Rg、Rh、Ri、Rj、Rk、Rl、Rm、Rnはそれぞれ独立に水素原子または低級鎖状炭化水素基を示し、水素原子または炭素数1〜6の低級アルキル基が、耐熱性、低吸水性の点で優れている。
一般式(14)及び一般式(15)で表される鎖状構造の繰り返し単位の中では、一般式(15)で表される鎖状構造の繰り返し単位の方が、得られる炭化水素系重合体の強度特性に優れている。
本発明においては、炭化水素共重合体中の、一般式(13)で表される脂環式構造を有する繰り返し単位(a)と、一般式(14)及び/又は一般式(15)で表される鎖状構造の繰り返し単位(b)との合計含有量は、重量基準で、通常90%以上、好ましくは95%以上、より好ましくは97%以上である。合計含有量を上記範囲にすることで、低複屈折性、耐熱性、低吸水性、機械強度が高度にバランスされる。
脂環式炭化水素系共重合体における鎖状構造の繰り返し単位(b)の含有量は使用目的に応じて適宜選択されるが、通常、重量基準で1%以上10%未満、好ましくは1%以上8%以下、より好ましくは2%以上6%以下の範囲である。繰り返し単位(b)の含有量が上記範囲にあると、低複屈折性、耐熱性、低吸水性が高度にバランスされる。
また、繰り返し単位(a)の連鎖長は、脂環式炭化水素系共重合体の分子鎖長に対して十分に短く、具体的には、A=(脂環式構造を有する繰り返し単位連鎖の重量平均分子量)、B=(脂環式炭化水素系共重合体の重量平均分子量(Mw)×(脂環式構造を有する繰り返し単位数/脂環式炭化水素系共重合体を構成する全繰り返し単位数))とした時、AがBの30%以下であり、好ましくは20%以下、より好ましくは15%以下、特に好ましくは10%以下の範囲である。Aがこの範囲外では、低複屈折性に劣る。
さらに、繰り返し単位(a)の連鎖長が特定の分布を有しているもの好ましい。具体的には、A=(脂環式構造を有する繰り返し単位連鎖の重量平均分子量)、C=(脂環式構造を有する繰り返し単位連鎖の数平均分子量)としたとき、A/Cが、好ましくは1.3以上、より好ましくは1.3〜8、最も好ましくは1.7〜6の範囲である。A/Cが過度に小さいとブロック程度が増加し、過度に大きいとランダムの程度が増加して、いずれの場合にも低複屈折性に劣る。
本発明の脂環式炭化水素系共重合体の分子量は、ゲル・パーミエーション・クロマトグラフィー(以下、GPC)により測定されるポリスチレン(またはポリイソプレン)換算重量平均分子量(Mw)で、1,000〜1,000,000、好ましくは5,000〜500,000、より好ましくは10,000〜300,000、最も好ましくは50,000〜250,000の範囲である。脂環式炭化水素系共重合体の重量平均分子量(Mw)が過度に小さいと成形物の強度特性に劣り、逆に過度に大きいと成形物の複屈折が大きくなる。
かかる共重合体の分子量分布は、使用目的に応じて適宜選択できるが、GPCにより測定されるポリスチレン(またはポリイソプレン)換算の重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との比(Mw/Mn)で、通常2.5以下、好ましくは2.3以下、より好ましくは2以下の範囲である。Mw/Mnがこの範囲にあると、機械強度と耐熱性が高度にバランスされる。
共重合体のガラス転移温度(Tg)は、使用目的に応じて適宜選択されればよいが、通常50℃〜250℃、好ましくは70℃〜200℃、より好ましくは90℃〜180℃である。
脂環式炭化水素系共重合体の製造方法
本発明の脂環式炭化水素系共重合体の製造方法は、(1)芳香族ビニル系化合物と共重合可能なその他のモノマーとを共重合し、主鎖及び芳香環の炭素−炭素不飽和結合を水素化する方法、(2)脂環式ビニル系化合物と共重合可能なその他のモノマーとを共重合し、必要に応じて水素化する方法等が挙げられる。
上記の方法で本発明の脂環式炭化水素系共重合体を製造する場合には、芳香族ビニル系化合物及び/又は脂環式ビニル系化合物(a’)と共重合可能なその他のモノマー(b’)との共重合体で、共重合体中の化合物(a’)由来の繰り返し単位が、D=(芳香族ビニル系化合物及び/又は脂環式ビニル系化合物由来の繰り返し単位連鎖の重量平均分子量)、E=(炭化水素系共重合体の重量平均分子量(Mw)×(芳香族ビニル系化合物及び/又は脂環式ビニル系化合物由来の繰り返し単位数/炭化水素系共重合体を構成する全繰り返し単位数))、とした時、DがEの30%以下、好ましくは20%以下、より好ましくは15%以下、最も好ましくは10%以下である連鎖構造を有する共重合体の、主鎖、及び芳香環やシクロアルケン環等の不飽和環の炭素−炭素不飽和結合を水素化する方法により効率的に得ることができる。 Dが上記範囲外では、得られる脂環式炭化水素系共重合体の低複屈折性が劣る。
本発明では(1)の方法がより効率的に脂環式炭化水素系共重合体を得ることができるので好ましい。
上記水素化前の共重合体は、さらに、F=(芳香族ビニル系化合物及び/又は脂環式ビニル系化合物由来の繰り返し単位の連鎖の数平均分子量)、としたときの、D/Fが一定の範囲であるのが好ましい。具体的には、D/Fが、好ましくは1.3以上、より好ましくは1.3以上、8以下、最も好ましくは1.7以上、6以下の範囲である。D/Fがこの範囲外では、得られる脂環式炭化水素系共重合体の低複屈折性が劣る。
上記化合物(a’)由来の繰り返し単位の連鎖の重量平均分子量および数平均分子量は、例えば、文献Macromorecules 1983, 16,1925−1928記載の、芳香族ビニル系共重合体の主鎖中不飽和二重結合をオゾン付加した後還元分解し、取り出した芳香族ビニル連鎖の分子量を測定する方法等により確認できる。
水素化前の共重合体の分子量は、GPCにより測定されるポリスチレン(またはポリイソプレン)換算重量平均分子量(Mw)で、1,000〜1,000,000、好ましくは5,000〜500,000、より好ましくは10,000〜300,000の範囲である。共重合体の重量平均分子量(Mw)が過度に小さいと、それから得られる脂環式炭化水素系共重合体の成形物の強度特性に劣り、逆に過度に大きいと水素化反応性に劣る。
上記(1)の方法において使用する芳香族ビニル系化合物の具体例としては、例えば、スチレン、α−メチルスチレン、α−エチルスチレン、α−プロピルスチレン、α−イソプロピルスチレン、α−t−ブチルスチレン、2−メチルスチレン、3−メチルスチレン、4−メチルスチレン、2,4−ジイソプロピルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、4−t−ブチルスチレン、5−t−ブチル−2−メチルスチレン、モノクロロスチレン、ジクロロスチレン、モノフルオロスチレン、4−フェニルスチレン等が挙げられ、スチレン、2−メチルスチレン、3−メチルスチレン、4−メチルスチレン等が好ましい。
上記(2)の方法において使用する脂環式ビニル系化合物の具体例としては、例えば、シクロブチルエチレン、シクロペンチルエチレン、シクロヘキシルエチレン、シクロヘプチルエチレン、シクロオクチルエチレン、ノルボルニルエチレン、ジシクロヘキシルエチレン、α−メチルシクロヘキシルエチレン、α−t−ブチルシクロヘキシルエチレン、シクロペンテニルエチレン、シクロヘキセニルエチレン、シクロヘプテニルエチレン、シクロオクテニルエチレン、シクロデケニルエチレン、ノルボルネニルエチレン、α−メチルシクロヘキセニルエチレン、及びα−t−ブチルシクロヘキセニルエチレン等が挙げられ、これらの中でも、シクロヘキシルエチレン、α−メチルシクロヘキシルエチレンが好ましい。
これらの芳香族ビニル系化合物及び脂環式ビニル系化合物は、それぞれ単独で、あるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
共重合可能なその他のモノマーとしては、格別な限定はないが、鎖状ビニル化合物及び鎖状共役ジエン化合物等が用いられ、鎖状共役ジエンを用いた場合、製造過程における操作性に優れ、また得られる脂環式炭化水素系共重合体の強度特性に優れる。
鎖状ビニル化合物の具体例としては、例えば、エチレン、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、4−メチル−1−ペンテン等の鎖状オレフィンモノマー;1−シアノエチレン(アクリロニトリル)、1−シアノ−1−メチルエチレン(メタアクリロニトリル)、1−シアノ−1−クロロエチレン(α−クロロアクリロニトリル)等のニトリル系モノマー;1−(メトキシカルボニル)−1−メチルエチレン(メタアクリル酸メチルエステル)、1−(エトキシカルボニル)−1−メチルエチレン(メタアクリル酸エチルエステル)、1−(プロポキシカルボニル)−1−メチルエチレン(メタアクリル酸プロピルエステル)、1−(ブトキシカルボニル)−1−メチルエチレン(メタアクリル酸ブチルエステル)、1−メトキシカルボニルエチレン(アクリル酸メチルエステル)、1−エトキシカルボニルエチレン(アクリル酸エチルエステル)、1−プロポキシカルボニルエチレン(アクリル酸プロピルエステル)、1−ブトキシカルボニルエチレン(アクリル酸ブチルエステル)などの(メタ)アクリル酸エステル系モノマー、1−カルボキシエチレン(アクリル酸)、1−カルボキシ−1−メチルエチレン(メタクリル酸)、無水マレイン酸などの不飽和脂肪酸系モノマー等が挙げられ、中でも、鎖状オレフィンモノマーが好ましく、エチレン、プロピレン、1−ブテンが最も好ましい。
鎖状共役ジエンは、例えば、1,3−ブタジエン、イソプレン、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン、1,3−ペンタジエン、及び1,3−ヘキサジエン等が挙げられる。これら鎖状ビニル化合物及び鎖状共役ジエンの中でも鎖状共役ジエンが好ましく、ブタジエン、イソプレンが特に好ましい。これらの鎖状ビニル化合物及び鎖状共役ジエンは、それぞれ単独で、あるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
これらの鎖状ビニル系化合物は、それぞれ単独で、あるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
化合物(a’)を重合する方法は、格別制限はないが、一括重合法(バッチ法)、モノマー逐次添加法(モノマー全使用量の内の一部を用いて重合を開始した後、残りのモノマーを逐次添加して重合を進めていく方法)等が挙げられ、特にモノマー逐次添加法を用いると、好ましい連鎖構造を有する炭化水素系共重合体が得られる。水素化前の共重合体は、前述のDの値がより小さい程、及び/又は、D/Fが大きな値を示す程、よりランダムな連鎖構造を有する。共重合体がどの程度のランダム性を有しているかは、芳香族ビニル系化合物の重合速度と共重合可能なその他のモノマーの重合速度との速度比で決まり、この速度比が小さい程、よりランダムな連鎖構造を有していることになる。
前記モノマー逐次添加法によれば、均一に混合された混合モノマーが重合系内に逐次的に添加されるため、バッチ法とは異なり、ポリマーの重合による成長過程においてモノマーの重合選択性をより下げることができるので、得られる共重合体がよりランダムな連鎖構造になる。また、重合系内での重合反応熱の蓄積が小さくてすむので重合温度を低く安定に保つことがでる。
モノマー逐次添加法の場合、まずモノマーの全使用量のうち、通常0.01重量%〜60重量%、好ましくは0.02重量%〜20重量%、より好ましくは0.05重量%〜10重量%のモノマーを初期モノマーとして予め重合反応器内に存在させた状態で開始剤を添加して重合を開始する。初期モノマー量をこのような範囲にすると、重合開始後の初期反応において発生する反応熱除去を容易にすることができ、得られる共重合体をよりランダムな連鎖構造にすることができる。
上記初期モノマーの重合転化率を70%以上、好ましくは80%以上、より好ましくは90%以上になるまで反応を継続すると、得られる共重合体の連鎖構造がよりランダムになる。その後、前記モノマーの残部を継続的に添加するが、添加の速度は重合系内のモノマーの消費速度を考慮して決定される。
通常は、初期モノマーの重合添加率が90%に達するまでの所要時間をT、初期モノマーの全使用モノマーに対する比率(%)をIとしたとき、関係式[(100−I)×T/I]で与えられる時間の0.5〜3倍、好ましくは0.8〜2倍、より好ましくは1〜1.5倍となる範囲内で残部モノマーの添加が終了するように決定される。具体的には通常0.1〜30時間、好ましくは0.5時間〜5時間、より好ましくは1時間〜3時間の範囲となるように、初期モノマー量と残りモノマーの添加速度を決定する。また、モノマー添加終了直後の全モノマー重合転化率は、通常80%以上、好ましくは85%以上、より好ましくは90%以上である。モノマー添加終了直後の全モノマー重合転化率を上記の範囲とすると、得られる共重合体の連鎖構造がよりランダムになる。
重合反応は、ラジカル重合、アニオン重合、カチオン重合等、特別な制約はないが、重合操作、後工程での水素化反応の容易さ、及び最終的に得られる炭化水素系共重合体の機械的強度を考えると、アニオン重合法が好ましい。
ラジカル重合の場合は、開始剤の存在下、通常0℃〜200℃、好ましくは20℃〜150℃で、塊状重合、溶液重合、懸濁重合、乳化重合等の方法を用いることができるが、特に樹脂中への不純物等の混入等を防止する必要のある場合は、塊状重合、懸濁重合が望ましい。ラジカル開始剤としては、過酸化ベンゾイル、過酸化ラウロイル、t−ブチル−パーオキシ−2−エチルヘキサノエート等の有機過酸化物、アゾイソブチロニトリル、4,4−アゾビス−4−シアノペンタン酸、アゾジベンゾイル等のアゾ化合物、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウムに代表される水溶性触媒やレドックス開始剤などが使用可能である。
アニオン重合の場合には、開始剤の存在下、通常0℃〜200℃、好ましくは20℃〜100℃、特に好ましくは20℃〜80℃の温度範囲において、塊状重合、溶液重合、スラリー重合等の方法を用いることができるが、反応熱の除去を考慮すると、溶液重合が好ましい。この場合、重合体及びその水素化物を溶解できる不活性溶媒を用いる。溶液反応で用いる不活性溶媒は、例えばn−ブタン、n−ペンタン、iso−ペンタン、n−ヘキサン、n−ヘプタン、iso−オクタン等の脂肪族炭化水素類;シクロペンタン、シクロヘキサン、メチルシクロペンタン、メチルシクロヘキサン、デカリン等の脂環式炭化水素類;ベンゼン、トルエン等の芳香族炭化水素類等が挙げられ、中でも脂肪族炭化水素類や脂環式炭化水素類を用いると、水素化反応にも不活性な溶媒としてそのまま使用することができる。これらの溶媒は、それぞれ単独で、或いは2種類以上を組み合わせて使用でき、通常、全使用モノマー100重量部に対して200〜10,000重量部となるような割合で用いられる。
上記アニオン重合の開始剤としては、例えば、n−ブチルリチウム、sec−ブチルリチウム、t−ブチルリチウム、ヘキシルリチウム、フェニルリチウムなどのモノ有機リチウム、ジリチオメタン、1,4−ジオブタン、1,4−ジリチオー2−エチルシクロヘキサン等の多官能性有機リチウム化合物などが使用可能である。
重合反応においては、また、重合促進剤や、ランダマイザー(或る1成分の連鎖が長くなるのを防止する機能を有する添加剤)などを使用できる。アニオン重合の場合には、例えばルイス塩基化合物をランダマイザーとして使用できる。ルイス塩基化合物の具体例としては、例えば、ジメチルエーテル、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、ジブチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジフェニルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、エチレングリコールメチルフェニルエーテル等のエーテル化合物;テトラメチルエチレンジアミン、トリメチルアミン、トリエチルアミン、ピリジン等の第3級アミン化合物;カリウム−t−アミルオキシド、カリウム−t−ブチルオキシド等のアルカリ金属アルコキシド化合物;トリフェニルホスフィン等のホスフィン化合物が挙げられる。これらのルイス塩基化合物は、それぞれ単独で、或いは2種類以上を組み合わせて使用できる。
上記のラジカル重合やアニオン重合により得られた重合体は、例えばスチームストリッピング法、直接脱溶媒法、アルコール凝固法等の公知の方法で回収できる。また、重合時に、水素化反応で不活性な溶媒を用いた場合には、重合溶液から重合体を回収せず、そのまま水素添加工程に使用することができる。
不飽和結合の水素化方法
水素化前の共重合体の芳香環やシクロアルケン環などの不飽和環の炭素−炭素二重結合や主鎖の不飽和結合等の水素化反応を行う場合は、反応方法、反応形態に特別な制限はなく、公知の方法にしたがって行えばよいが、水素化率を高くでき、且つ水素化反応と同時に起こる重合体鎖切断反応の少ない水素化方法が好ましく、例えば、有機溶媒中、ニッケル、コバルト、鉄、チタン、ロジウム、パラジウム、白金、ルテニウム、及びレニウムから選ばれる少なくとも1つの金属を含む触媒を用いて行う方法が挙げられる。水素化触媒は、不均一触媒、均一触媒のいずれも使用可能である。
不均一系触媒は、金属または金属化合物のままで、又は適当な担体に担持して用いることができる。担体としては、例えば、活性炭、シリカ、アルミナ、炭化カルシウム、チタニア、マグネシア、ジルコニア、ケイソウ土、炭化珪素等が挙げられ、触媒の担持量は、通常0.01〜80重量%、好ましくは0.05〜60重量%の範囲である。均一系触媒は、ニッケル、コバルト、チタンまたは鉄化合物と有機金属化合物(例えば、有機アルミニウム化合物、有機リチウム化合物)とを組み合わせた触媒、またはロジウム、パラジウム、白金、ルテニウム、レニウム等の有機金属錯体触媒を用いることができる。ニッケル、コバルト、チタンまたは鉄化合物としては、例えば、各種金属のアセチルアセトン塩、ナフテン塩、シクロペンタジエニル化合物、シクロペンタジエニルジクロロ化合物等が用いられる。有機アルミニウム化合物としては、トリエチルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウム等のアルキルアルミニウム、ジエチルアルミニウムクロリド、エチルアルミニウムジクロリド等のハロゲン化アルミニウム、ジイソブチルアルミニウムハイドライド等の水素化アルキルアルミニウム等が好適に用いられる。
有機金属錯体触媒の例としては、上記各金属のγ−ジクロロ−π−ベンゼン錯体、ジクロロ−トリス(トリフェニルホスフィン)錯体、ヒドリド−クロロ−トリフェニルホスフィン)錯体等の金属錯体が使用される。これらの水素化触媒は、それぞれ単独で、或いは2種類以上組み合わせて使用することができ、その使用量は、重合体に対して、重量基準にて、通常、0.01〜100部、好ましくは0.05〜50部、より好ましくは0.1〜30部である。
水素化反応は、通常10℃〜250℃であるが、水素化率を高くでき、且つ、水素化反応と同時に起こる重合体鎖切断反応を小さくできるという理由から、好ましくは50℃〜200℃、より好ましくは80℃〜180℃である。また水素圧力は、通常0.1MPa〜30MPaであるが、上記理由に加え、操作性の観点から、好ましくは1MPa〜20MPa、より好ましくは2MPa〜10MPaである。
このようにして得られた、水素化物の水素化率は、1H−NMRによる測定において、主鎖の炭素−炭素不飽和結合、芳香環の炭素−炭素二重結合、不飽和環の炭素−炭素二重結合のいずれも、通常90%以上、好ましくは95%以上、より好ましくは97%以上である。水素化率が低いと、得られる共重合体の低複屈折性、熱安定性等が低下する。
水素化反応終了後に水素化物を回収する方法は特に限定されていない。通常、濾過、遠心分離等の方法により水素化触媒残渣を除去した後、水素化物の溶液から溶媒を直接乾燥により除去する方法、水素化物の溶液を水素化物にとっての貧溶媒中に注ぎ、水素化物を凝固させる方法を用いることができる。
脂環式構造を有する重合体としては、重合体ブロック〔A〕および重合体ブロック〔B〕を有するブロック共重合体が更に好ましい。重合体ブロック〔A〕は、下記式(19)で表される繰り返し単位〔1〕を含有する。重合体ブロック〔A〕中の繰り返し単位〔1〕の含有量は、好ましくは50モル%以上、より好ましくは70モル%以上、特に好ましくは90モル%以上である。
Figure 2005251354

(式中、Rは水素原子、または炭素数1〜20のアルキル基を表し、R−R12はそれぞれ独立に、水素原子、炭素数1〜20のアルキル基、ヒドロキシル基、炭素数1〜20のアルコキシ基、またはハロゲン基である。尚、前記R−R12は、R 、R 、R 、R 、R 、R 、R 、R 、R10、R11およびR12である。以降同様。)
上記式(19)で表される繰り返し単位〔1〕の好ましい構造は、R が水素またはメチル基で、R−R12がすべて水素のものである。重合体ブロック〔A〕中の繰り返し単位〔1〕の含有量が上記範囲にあると、透明性および機械的強度に優れる。重合体ブロック〔A〕における、前記繰り返し単位〔1〕以外の残部は、鎖状共役ジエンや鎖状ビニル化合物由来の繰り返し単位を水素化したものである。
重合体ブロック〔B〕は、前記繰り返し単位〔1〕ならびに下記式(20)で表される繰り返し単位〔2〕または/および下記式(21)で表される繰り返し単位〔3〕を含有する。重合体ブロック〔B〕中の繰り返し単位〔1〕の含有量は、好ましくは40〜95モル%、より好ましくは50〜90モル%である。繰り返し単位〔1〕の含有量が上記範囲にあると、透明性および機械的強度に優れる。ブロック〔B〕中の繰り返し単位〔2〕のモル分率をm2(モル%)および、繰り返し単位〔3〕のモル分率をm3(モル%)としたときに、2×m2+m3が、好ましくは2モル%以上、より好ましくは5〜60モル%、最も好ましくは10〜50モル%である。
Figure 2005251354

(式中、R13は、水素原子、または炭素数1〜20のアルキル基を表す。)
上記式(20)で表される繰り返し単位〔2〕の好ましい構造は、R13が水素またはメチル基のものである。
Figure 2005251354

(式中、R14およびR15はそれぞれ独立に、水素原子、または炭素数1〜20のアルキル基を表す。)
上記式(21)で表される繰り返し単位〔3〕の好ましい構造は、R14が水素で、R15がメチル基またはエチル基のものである。
重合体ブロック〔B〕中の、前記繰り返し単位〔2〕または繰り返し単位〔3〕の含有量が少なすぎると、機械的強度が低下する。したがって、繰り返し単位〔2〕および繰り返し単位〔3〕の含有量が上記範囲にあると、透明性および機械的強度に優れる。重合体ブロック〔B〕は、さらに、下記式(22)で表される繰り返し単位〔X〕を含有していてもよい。繰り返し単位〔X〕の含有量は、本発明のブロック共重合体の特性を損なわない範囲の量であり、好ましくはブロック共重合体全体に対し、30モル%以下、より好ましくは20モル%以下である。
Figure 2005251354

(式中、R25は水素原子、または炭素数1〜20のアルキル基を表し、R26はニトリル基、アルコキシカルボニル基、ホルミル基、ヒドロキシカルボニル基、もしくはハロゲン基を表し、R27は水素原子を表す。または、R26とR27とは相互に結合して、酸無水物基、もしくはイミド基を形成してもよい。)
また、本発明に用いるブロック共重合体は、重合体ブロック〔A〕中の繰り返し単位〔1〕のモル分率をa、重合体ブロック〔B〕中の繰り返し単位〔1〕のモル分率をbとした場合に、a>bの関係があることが好ましい。これにより、透明性、および機械的強度に優れる。
さらに、本発明に用いるブロック共重合体は、ブロック〔A〕を構成する全繰り返し単位のモル数をma 、ブロック〔B〕を構成する全繰り返し単位のモル数をmb とした場合に、その比(ma :mb )が、好ましくは5:95〜95:5、より好ましくは30:70〜95:5、特に好ましくは40:60〜90:10である。(ma :mb )が上記範囲にある場合に、機械的強度および耐熱性に優れる。
本発明に用いるブロック共重合体の分子量は、テトラヒドロフラン(THF)を溶媒とするゲル・パーミエーション・クロマトグラフィー(以下、GPCと記す。)により測定されるポリスチレン(またはポリイソプレン)換算重量平均分子量(以下、Mwと記す。)で、好ましくは10,000〜300,000、より好ましくは15,000〜250,000、特に好ましくは20,000〜200,000の範囲である。ブロック共重合体のMwが上記範囲にあると、機械的強度、耐熱性、成形性のバランスに優れる。
ブロック共重合体の分子量分布は、使用目的に応じて適宜選択できるが、GPCにより測定されるポリスチレン(またはポリイソプレン)換算のMwと数平均分子量(以下、Mnと記す。)との比(Mw/Mn)で、好ましくは5以下、より好ましくは4以下、特に好ましくは3以下の範囲である。Mw/Mnがこの範囲にあると、機械的強度や耐熱性に優れる。
ブロック共重合体のガラス転移温度(以下、Tgと記す。)は、使用目的に応じて適宜選択されればよいが、示差走査型熱量計(以下、DSCと記す。)による、高温側の測定値で、好ましくは70℃〜200℃、より好ましくは80℃〜180℃、特に好ましくは90℃〜160℃である。
本発明に用いる上記ブロック共重合体は、重合体ブロック〔A〕および重合体ブロック〔B〕を有し、(〔A〕−〔B〕)型のジブロック共重合体であっても、(〔A〕−〔B〕−〔A〕)型や(〔B〕−〔A〕−〔B〕)型のトリブロック共重合体であっても、重合体ブロック〔A〕と重合体ブロック〔B〕とが、交互に合計4個以上つながったブロック共重合体であってもよい。また、これらのブロックがラジアル型に結合したブロック共重合体であってもよい。
本発明に用いるブロック共重合体は、以下の方法により得ることができる。その方法としては、芳香族ビニル化合物または/および環に不飽和結合を有する脂環族ビニル化合物を含有するモノマー混合物、および、ビニル系モノマー(芳香族ビニル化合物および脂環族ビニル化合物を除く)を含有するモノマー混合物を重合して、芳香族ビニル化合物または/および脂環族ビニル化合物由来の繰り返し単位を含有する重合体ブロック、および、ビニル系モノマー由来の繰り返し単位を含有する重合体ブロックを有するブロック共重合体を得る。そして該ブロック共重合体の芳香環または/および脂肪族環を水素化する方法や、飽和脂環族ビニル化合物を含有するモノマー混合物、および、ビニル系モノマー(芳香族ビニル化合物および脂環族ビニル化合物を除く)を含有するモノマー混合物を重合して、脂環族ビニル化合物由来の繰り返し単位を含有する重合体ブロック、および、ビニル系モノマー由来の繰り返し単位を含有する重合体ブロックを有するブロック共重合体を得る方法などが挙げられる。中でも、本発明に用いるブロック共重合体としてより好ましいものは、例えば、以下の方法により得ることができる。
(1)第一の方法としては、まず、芳香族ビニル化合物または/および環に不飽和結合を有する脂環族ビニル化合物を50モル%以上含有するモノマー混合物〔a’〕を重合して、芳香族ビニル化合物または/および環に不飽和結合を有する脂環族ビニル化合物由来の繰り返し単位を含有する重合体ブロック〔A’〕を得る。ビニル系モノマー(芳香族ビニル化合物および脂環族ビニル化合物を除く)を2モル%以上含有し、且つ、芳香族ビニル化合物または/および環に不飽和結合を有する脂環族ビニル化合物をモノマー混合物〔a’〕中の割合よりも少ない割合の量で含有するモノマー混合物〔b’〕を重合して、芳香族ビニル化合物または/および前記脂環族ビニル化合物由来の繰り返し単位とビニル系モノマー由来の繰り返し単位を含有する重合体ブロック〔B’〕を得る。これらの工程を少なくとも経て、前記重合体ブロック〔A’〕および重合体ブロック〔B’〕を有するブロック共重合体を得た後、該ブロック共重合体の芳香環または/および脂肪族環を水素化する。
(2)第二の方法としては、まず、飽和脂環族ビニル化合物を50モル%以上含有するモノマー混合物〔a〕を重合して、飽和脂環族ビニル化合物由来の繰り返し単位を含有する重合体ブロック〔A〕を得る。ビニル系モノマー(芳香族ビニル化合物および脂環族ビニル化合物を除く)を2モル%以上含有し、且つ、飽和脂環族ビニル化合物をモノマー混合物〔a〕中の割合よりも少ない割合の量で含有するモノマー混合物〔b〕を重合して、飽和脂環族ビニル化合物由来の繰り返し単位とビニル系モノマー由来の繰り返し単位を含有する重合体ブロック〔B〕を得る。これらの工程を少なくとも経て、前記重合体ブロック〔A〕および重合体ブロック〔B〕を有するブロック共重合体を得る。
上記方法の中で、モノマーの入手容易性、重合収率、重合体ブロック〔B’〕への繰り返し単位〔1〕の導入のし易さ等の観点から、上記(1)の方法がより好ましい。
上記(1)の方法における芳香族ビニル化合物の具体例としては、スチレン、α−メチルスチレン、α−エチルスチレン、α−プロピルスチレン、α−イソプロピルスチレン、α−t−ブチルスチレン、2−メチルスチレン、3−メチルスチレン、4−メチルスチレン、2,4−ジイソプロピルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、4−t−ブチルスチレン、5−t−ブチル−2−メチルスチレン、モノクロロスチレン、ジクロロスチレン、モノフルオロスチレン、4−フェニルスチレン等や、これらにヒドロキシル基、アルコキシ基などの置換基を有するもの等が挙げられる。中でもスチレン、2−メチルスチレン、3−メチルスチレン、4−メチルスチレン等が好ましい。
上記(1)方法における不飽和脂環族ビニル系化合物の具体例としては、シクロヘキセニルエチレン、α−メチルシクロヘキセニルエチレン、およびα−t−ブチルシクロヘキセニルエチレン等や、これらにハロゲン基、アルコキシ基、またはヒドロキシル基等の置換基を有するもの等が挙げられる。
これらの芳香族ビニル化合物および脂環族ビニル系化合物は、それぞれ単独で、あるいは2種以上を組み合わせて用いることもできるが、本発明においては、モノマー混合物〔a’〕および〔b’〕のいずれにも、芳香族ビニル化合物を用いるのが好ましく、中でも、スチレンまたはα−メチルスチレンを用いるのがより好ましい。
上記方法で使用するビニル系モノマーには、鎖状ビニル化合物および鎖状共役ジエン化合物が含まれる。
鎖状ビニル化合物の具体例としては、エチレン、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、4−メチル−1−ペンテン等の鎖状オレフィンモノマー等が挙げられ、中でも、鎖状オレフィンモノマーが好ましく、エチレン、プロピレン、1−ブテンが最も好ましい。
鎖状共役ジエンは、例えば、1,3−ブタジエン、イソプレン、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン、1,3−ペンタジエン、および1,3−ヘキサジエン等が挙げられる。これら鎖状ビニル化合物および鎖状共役ジエンの中でも鎖状共役ジエンが好ましく、ブタジエン、イソプレンが特に好ましい。これらの鎖状ビニル化合物および鎖状共役ジエンは、それぞれ単独で、あるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
上記のモノマーを含有するモノマー混合物を重合する場合、ラジカル重合、アニオン重合、カチオン重合等のいずれの方法で重合反応を行ってもよいが、アニオン重合によるのが好ましく、不活性溶媒の存在下にリビングアニオン重合を行うのが最も好ましい。
アニオン重合は、重合開始剤の存在下、通常0℃〜200℃、好ましくは20℃〜100℃、特に好ましくは20℃〜80℃の温度範囲において行う。開始剤としては、例えば、n−ブチルリチウム、sec−ブチルリチウム、t−ブチルリチウム、ヘキシルリチウム、フェニルリチウムなどのモノ有機リチウム、ジリチオメタン、1,4−ジオブタン、1,4−ジリチオー2−エチルシクロヘキサン等の多官能性有機リチウム化合物などが使用可能である。
使用する不活性溶媒としては、例えば、n−ブタン、n−ペンタン、イソペンタン、n−ヘキサン、n−ヘプタン、イソオクタン等の脂肪族炭化水素類;シクロペンタン、シクロヘキサン、メチルシクロペンタン、メチルシクロヘキサン、デカリン等の脂環式炭化水素類;ベンゼン、トルエン等の芳香族炭化水素類等が挙げられ、中でも脂肪族炭化水素類や脂環式炭化水素類を用いると、水素化反応にも不活性な溶媒としてそのまま使用することができる。これらの溶媒は、それぞれ単独で、或いは2種類以上を組み合わせて使用でき、通常、全使用モノマー100重量部に対して200〜10,000重量部となるような割合で用いられる。
それぞれの重合体ブロックを重合する際には、各ブロック内で、或る1成分の連鎖が長くなるのを防止するために、重合促進剤やランダマイザーなどを使用することができる。特に重合反応をアニオン重合により行う場合には、ルイス塩基化合物などをランダマイザーとして使用できる。ルイス塩基化合物の具体例としては、ジメチルエーテル、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、ジブチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジフェニルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、エチレングリコールメチルフェニルエーテル等のエーテル化合物;テトラメチルエチレンジアミン、トリメチルアミン、トリエチルアミン、ピリジン等の第3級アミン化合物;カリウム−t−アミルオキシド、カリウム−t−ブチルオキシド等のアルカリ金属アルコキシド化合物;トリフェニルホスフィン等のホスフィン化合物が挙げられる。これらのルイス塩基化合物は、それぞれ単独で、或いは2種類以上を組み合わせて使用することができる。
リビングアニオン重合によりブロック共重合体を得る方法は、従来公知の、逐次付加重合反応法およびカップリング法などが挙げられるが、本発明においては、逐次付加重合反応法を用いるのが好ましい。
逐次付加重合反応法により、重合体ブロック〔A’〕および重合体ブロック〔B’〕を有する上記ブロック共重合体を得る場合には、重合体ブロック〔A’〕を得る工程と、重合体ブロック〔B’〕を得る工程は、順次連続して行われる。具体的には、不活性溶媒中で、上記リビングアニオン重合触媒存在下、モノマー混合物〔a’〕を重合して重合体ブロック〔A’〕を得、引き続きその反応系にモノマー混合物〔b’〕を添加して重合を続け、重合体ブロック〔A’〕とつながった重合体ブロック〔B’〕を得る。さらに所望に応じて、再びモノマー混合物〔a’〕を添加して重合し、重合体ブロック〔A’〕をつなげてトリブロック体とし、さらには再びモノマー混合物〔b’〕を添加して重合し、重合体ブロック〔B’〕をつなげたテトラブロック体を得る。
得られたブロック共重合体は、例えばスチームストリッピング法、直接脱溶媒法、アルコール凝固法等の公知の方法によって回収する。重合反応において、水素化反応で不活性な溶媒を用いた場合には、重合溶液そのままを水素化反応工程にも使用することができるので、重合溶液からブロック共重合体を回収しなくてもよい。
上記(1)の方法において得られる、重合体ブロック〔A’〕および重合体ブロック〔B’〕を有するブロック共重合体(以下、水素化前ブロック共重合体という。)のうち下記の構造の繰り返し単位を有するものが好ましい。
好ましい水素化前ブロック共重合体を構成する重合体ブロック〔A’〕は、下記式(23)で表される繰り返し単位〔4〕を50モル%以上含有する重合体ブロックである。
Figure 2005251354

(式中、R16は水素原子、または炭素数1〜20のアルキル基を表し、R17−R21は、それぞれ独立に、水素原子、炭素数1〜20のアルキル基、ヒドロキシル基、炭素数1〜20のアルコキシ基またはハロゲン基である。尚、上記〔R17−R21〕は、R17、R18、・・およびR21を表す。)
また、好ましい重合体ブロック〔B’〕は、前記繰り返し単位〔4〕を必ず含み、下記式(24)で表される繰り返し単位〔5〕および下記式(25)で表される繰り返し単位〔6〕のいずれかを少なくとも1つ含む重合体ブロックである。また、重合体ブロック〔A’〕中の繰り返し単位〔4〕のモル分率をa’、ブロック〔B’〕中の繰り返し単位〔4〕のモル分率をb’とした場合、a’>b’である。
Figure 2005251354

(式中、R22は水素原子、または炭素数1〜20のアルキル基を表す。)
Figure 2005251354

(式中、R23は水素原子、または炭素数1〜20のアルキル基を表し、R24は水素原子、炭素数1〜20のアルキル基またはアルケニル基を表す。)
さらに、ブロック〔B’〕中には、下記式(26)で示される繰り返し単位〔Y〕を含有していてもよい。
Figure 2005251354

(式中、R28は水素原子、または炭素数1〜20のアルキル基を表し、R29はニトリル基、アルコキシカルボニル基、ホルミル基、ヒドロキシカルボニル基、またはハロゲン基を表し、R30は水素原子を表す。または、R29とR30とは相互に結合して、酸無水物基、またはイミド基を形成してもよい。)
さらに、好ましい水素化前ブロック共重合体は、ブロック〔A’〕を構成する全繰り返し単位のモル数をma ’、ブロック〔B’〕を構成する全繰り返し単位のモル数をmb ’とした場合に、その比(ma’:mb’)が、5:95〜95:5、より好ましくは30:70〜95:5、特に好ましくは40:60〜90:10である。(ma’:mb’)が上記範囲にある場合に、機械的強度や耐熱性に優れる。
好ましい水素化前ブロック共重合体の分子量は、THFを溶媒としてGPCにより測定されるポリスチレン(またはポリイソプレン)換算Mwで、12,000〜400,000、より好ましくは19,000〜350,000、特に好ましくは25,000〜300,000の範囲である。ブロック共重合体のMwが過度に小さいと、機械的強度が低下し、過度に大きいと、水素添加率が低下する。
好ましい水素化前のブロック共重合体の分子量分布は、使用目的に応じて適宜選択できるが、GPCにより測定されるポリスチレン(またはポリイソプレン)換算のMwとMnとの比(Mw/Mn)で、5以下、より好ましくは4以下、特に好ましくは3以下の範囲である。Mw/Mnがこの範囲にあると、水素添加率が向上する。
好ましい水素化前のブロック共重合体のTgは、使用目的に応じて適宜選択されればよいが、DSCによる高温側の測定値で、70℃〜150℃、より好ましくは80℃〜140℃、特に好ましくは90℃〜130℃である。
上記の、水素化前のブロック共重合体の、芳香環やシクロアルケン環などの不飽和環の炭素−炭素不飽和結合、および主鎖や側鎖の不飽和結合等を水素化する方法および反応形態に特別な制限はなく、公知の方法にしたがって行えばよいが、水素化率を高くでき、重合体鎖切断反応の少ない水素化方法が好ましく、例えば、有機溶媒中、ニッケル、コバルト、鉄、チタン、ロジウム、パラジウム、白金、ルテニウム、およびレニウムから選ばれる少なくとも1つの金属を含む触媒を用いて行う方法が挙げられる。水素化触媒は、不均一系触媒、均一系触媒のいずれも使用可能である。
不均一系触媒は、金属または金属化合物のままで、または適当な担体に担持して用いることができる。担体としては、例えば、活性炭、シリカ、アルミナ、炭化カルシウム、チタニア、マグネシア、ジルコニア、ケイソウ土、炭化珪素等が挙げられ、触媒の担持量は、好ましくは0.01〜80重量%、より好ましくは0.05〜60重量%の範囲である。均一系触媒は、ニッケル、コバルト、チタンまたは鉄化合物と有機金属化合物(例えば、有機アルミニウム化合物、有機リチウム化合物)とを組み合わせた触媒、またはロジウム、パラジウム、白金、ルテニウム、レニウム等の有機金属錯体触媒を用いることができる。ニッケル、コバルト、チタンまたは鉄化合物としては、例えば、各種金属のアセチルアセトン塩、ナフテン酸塩、シクロペンタジエニル化合物、シクロペンタジエニルジクロロ化合物等が用いられる。有機アルミニウム化合物としては、トリエチルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウム等のアルキルアルミニウム、ジエチルアルミニウムクロリド、エチルアルミニウムジクロリド等のハロゲン化アルミニウム、ジイソブチルアルミニウムハイドライド等の水素化アルキルアルミニウム等が好適に用いられる。
有機金属錯体触媒の例としては、上記各金属のγ−ジクロロ−π−ベンゼン錯体、ジクロロ−トリス(トリフェニルホスフィン)錯体、ヒドリド−クロロ−トリフェニルホスフィン錯体等の金属錯体が使用される。これらの水素化触媒は、それぞれ単独で、或いは2種類以上組み合わせて使用することができ、その使用量は、重合体100重量部に対して、好ましくは0.01〜100重量部、より好ましくは0.05〜50重量部、特に好ましくは0.1〜30重量部である。
水素化反応は、通常10℃〜250℃であるが、水素化率を高くでき、且つ、重合体鎖切断反応を小さくできるという理由から、好ましくは50℃〜200℃、より好ましくは80℃〜180℃である。また水素圧力は、好ましくは0.1MPa〜30MPaであるが、上記理由に加え、操作性の観点から、より好ましくは1MPa〜20MPa、特に好ましくは2MPa〜10MPaである。
このようにして得られた、ブロック共重合体の水素化率は、 1H−NMRによる測定において、主鎖および側鎖の炭素−炭素不飽和結合、芳香環やシクロアルケン環の炭素−炭素不飽和結合のいずれも、好ましくは90%以上、より好ましくは95%以上、特に好ましくは97%以上である。水素化率が低いと、得られる共重合体の低複屈折性、熱安定性等が低下する。
水素化反応終了後、ブロック共重合体は、例えば濾過、遠心分離等の方法により反応溶液から水素化触媒を除去した後、溶媒を直接乾燥により除去する方法、反応溶液を、ブロック共重合体にとっての貧溶媒中に注ぎ、凝固させる方法等によって回収できる。
上記の本発明に係る重合体には、必要に応じて各種配合剤を配合することができる。ブロック共重合体に配合することができる配合剤は格別限定はないが、酸化防止剤、熱安定剤、耐光安定剤、耐候安定剤、紫外線吸収剤、近赤外線吸収剤などの安定剤;滑剤、可塑剤などの樹脂改質剤;染料や顔料などの着色剤;帯電防止剤、難燃剤、フィラーなどが挙げられる。これらの配合剤は、単独で、あるいは2種以上を組み合せて用いることができ、その配合量は本発明の効果を損なわない範囲で適宜選択される。
本発明においては、重合体に、上記配合剤の中でも、酸化防止剤、紫外線吸収剤、および耐光安定剤を配合するのが好ましい。酸化防止剤としては、フェノール系酸化防止剤、リン系酸化防止剤、イオウ系酸化防止剤などが挙げられ、これらの中でもフェノール系酸化防止剤、特にアルキル置換フェノール系酸化防止剤が好ましい。これらの酸化防止剤を配合することにより、透明性、耐熱性等を低下させることなく、成形時の酸化劣化等によるレンズの着色や強度低下を防止できる。これらの酸化防止剤は、それぞれ単独で、あるいは2種以上を組み合わせて用いることができ、その配合量は、本発明の目的を損なわない範囲で適宜選択されるが、本発明に係る重合体100重量部に対して好ましくは0.001〜5重量部、より好ましくは0.01〜1重量部である。
紫外線吸収剤としては、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2,2’−ジヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2,2’−ジヒドロキシ−4,4’−ジメトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシ−2’−ベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシ−5−スルホベンゾフェノントリヒドレート、2−ヒドロキシ−4−n−オクトキシベンゾフェノン、2,2’,4,4’−テトラヒドロキシベンゾフェノン、4−ドデシロキシ−2−ヒドロキシベンゾフェノン、ビス(5−ベンゾイル−4−ヒドロキシ−2−メトキシフェニル)メタンなどのベンゾフェノン系紫外線吸収剤;2−(2’−ヒドロキシ−5’−メチル−フェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4−メチル−6−(3,4,5,6−テトラヒドロフタルイミディルメチル)フェノール、2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4−6−ビス(1−メチル−1−フェニルエチル)フェノール、2−(2’−ヒドロキシ−3’,5’−ジ−第三−ブチル−フェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’−第三−ブチル−5’−メチル−フェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−5’−第三オクチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’,5’−ジ−第三−アミルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−〔2’−ヒドロキシ−3’−(3’’,4’’,5’’,6’’−テトラヒドロフタルイミドメチル)−5’−メチルフェニル〕ベンゾトリアゾール、2,2’−メチレンビス〔4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)−6−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)フェノール〕などのベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤などが挙げられる。これらの中でも、2−(2’−ヒドロキシ−5’−メチル−フェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4−メチル−6−(3,4,5,6−テトラヒドロフタルイミディルメチル)フェノール、2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4−6−ビス(1−メチル−1−フェニルエチル)フェノールなどが耐熱性、低揮発性などの観点から好ましい。
耐光安定剤としては、ベンゾフェノン系耐光安定剤、ベンゾトリアゾール系耐光安定剤、ヒンダードアミン系耐光安定剤などが挙げられるが、本発明においては、レンズの透明性、耐着色性等の観点から、ヒンダードアミン系耐光安定剤を用いるのが好ましい。ヒンダードアミン系耐光安定剤(以下、HALSと記す。)の中でも、THFを溶媒として用いたGPCにより測定したポリスチレン換算のMnが1000〜10000であるものが好ましく、2000〜5000であるものがより好ましく、2800〜3800であるものが特に好ましい。Mnが小さすぎると、該HALSを重合体に加熱溶融混練して配合する際に、揮発のため所定量を配合できなかったり、射出成形等の加熱溶融成形時に発泡やシルバーストリークが生じるなど加工安定性が低下する。また、ランプを点灯させた状態でレンズを長時間使用する場合に、レンズから揮発性成分がガスとなって発生する。逆にMnが大き過ぎると、ブロック共重合体への分散性が低下して、レンズの透明性が低下し、耐光性改良の効果が低減する。したがって、本発明においては、HALSのMnを上記範囲とすることにより加工安定性、低ガス発生性、透明性に優れたレンズが得られる。
このようなHALSの具体例としては、N,N’,N’’,N’’’−テトラキス−〔4,6−ビス− {ブチル−(N−メチル−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル)アミノ}−トリアジン−2−イル〕−4,7−ジアザデカン−1,10−ジアミン、ジブチルアミンと1,3,5−トリアジンとN,N’−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)ブチルアミンとの重縮合物、ポリ〔{(1,1,3,3−テトラメチルブチル)アミノ−1,3,5−トリアジン−2,4−ジイル}{(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ}ヘキサメチレン{(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ}〕、1,6−ヘキサンジアミン−N,N’−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)とモルフォリン−2,4,6−トリクロロ−1,3,5−トリアジンとの重縮合物、ポリ〔(6−モルフォリノ−s−トリアジン−2,4−ジイル)(2,2,6,6,−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ〕−ヘキサメチレン〔(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ〕〕などの、ピペリジン環がトリアジン骨格を介して複数結合した高分子量HALS;コハク酸ジメチルと4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチル−1−ピペリジンエタノールとの重合物、1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸と1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジノールと3,9−ビス(2−ヒドロキシ−1,1−ジメチルエチル)−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5,5]ウンデカンとの混合エステル化物などの、ピペリジン環がエステル結合を介して結合した高分子量HALSなどが挙げられる。
これらの中でも、ジブチルアミンと1,3,5−トリアジンとN,N’−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)ブチルアミンとの重縮合物、ポリ〔{(1,1,3,3−テトラメチルブチル)アミノ−1,3,5−トリアジン−2,4−ジイル}{(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ}ヘキサメチレン{(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ}〕、コハク酸ジメチルと4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチル−1−ピペリジンエタノールとの重合物などのMnが2,000〜5,000のものが好ましい。
本発明に係るブロック共重合体に対する上記紫外線吸収剤およびHALSの配合量は、重合体100重量部に対して、好ましくは0.01〜20重量部、より好ましくは0.02〜15重量部、特に好ましくは0.05〜10重量部である。添加量が少なすぎると耐光性の改良効果が十分に得られず、屋外で長時間使用する場合等に着色が生じる。一方、HALSの配合量が多すぎると、その一部がガスとなって発生したり、重合体への分散性が低下して、レンズの透明性が低下する。
また、本発明に係る重合体に、最も低いガラス転移温度が30℃以下である軟質重合体を配合することにより、透明性、耐熱性、機械的強度などの諸特性を低下させることなく、長時間の高温高湿度環境下での白濁を防止できる。
上記軟質重合体の具体例としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−α−オレフィン共重合体、エチレン−プロピレン−ジエン共重合体(EPDM)などのオレフィン系軟質重合体;ポリイソブチレン、イソブチレン−イソプレンゴム、イソブチレン−スチレン共重合体などのイソブチレン系軟質重合体;ポリブタジエン、ポリイソプレン、ブタジエン−スチレンランダム共重合体、イソプレン−スチレンランダム共重合体、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体、ブタジエン−スチレン・ブロック共重合体、スチレン−ブタジエン−スチレン・ブロック共重合体、イソプレン−スチレン・ブロック共重合体、スチレン−イソプレン−スチレン・ブロック共重合体などのジエン系軟質重合体;ジメチルポリシロキサン、ジフェニルポリシロキサンなどのケイ素含有軟質重合体;ポリブチルアクリレート、ポリブチルメタクリレート、ポリヒドロキシエチルメタクリレートなどのアクリル系軟質重合体;ポリエチレンオキシド、ポリプロピレンオキシド、エピクロルヒドリンゴムなどのエポキシ系軟質重合体;フッ化ビニリデン系ゴム、四フッ化エチレン−プロピレンゴムなどのフッ素系軟質重合体;天然ゴム、ポリペプチド、蛋白質、ポリエステル系熱可塑性エラストマー、塩化ビニル系熱可塑性エラストマー、ポリアミド系熱可塑性エラストマーなどのその他の軟質重合体などが挙げられる。これらの軟質重合体は、架橋構造を有したものであってもよく、また、変性反応により官能基を導入したものでもよい。
上記軟質重合体の中でもジエン系軟質重合体が好ましく、特に該軟質重合体の炭素−炭素不飽和結合を水素化した水素化物が、ゴム弾性、機械的強度、柔軟性、および分散性の点で優れる。軟質重合体の配合量は、化合物の種類に応じて異なるが、一般に、配合量が多すぎれば、重合体のガラス転移温度や透明性が大きく低下し、レンズとして使用することができない。また配合量が少なすぎれば、高温高湿下において成形物の白濁を生じる場合がある。配合量は、ブロック共重合体100重量部に対して、好ましくは0.01〜10重量部、より好ましくは0.02〜5重量部、特に好ましくは0.05〜2重量部である。
本発明で用いる重合体に上記配合剤を配合して重合体組成物を形成する方法は、例えば、ミキサー、二軸混錬機、ロール、ブラベンダー、押出機などでブロック共重合体を溶融状態にして配合剤と混練する方法、適当な溶剤に溶解して分散させ凝固する方法などが挙げられる。二軸混練機を用いる場合、混錬後に通常は溶融状態でストランド状に押し出し、ペレタイザーにてペレット状にカットして用いられることが多い。
本発明における機能膜としては、光学素子として必要な機能を補う効果があれば特に限定はないが、特に反射防止膜が好ましい。
反射防止膜には、上述のように低屈折率材料、中屈折率材料、及び高屈折率材料を適宜選択して用いることができる。
低屈折率材料としては、酸化シリコン、フッ化マグネシウム、フッ化アルミニウム、酸化シリコンと酸化アルミニウムの混合物若しくはこれらの混合物が好ましく用いられる。
中屈折率材料としてフッ化ランタン、フッ化ネオジウム、フッ化セリウム、フッ化アルミニウム、ランタンアルミネート、フッ化鉛、酸化アルミニウム若しくはこれらの混合物が用いられる。更に、酸化アルミニウム、ランタンアルミネート若しくはこれらの混合物が好ましい。
高屈折率材料としては、酸化スカンジウム、酸化ランタン、チタン酸プラセオジウム、チタン酸ランタン、酸化チタン、ランタンアルミネート、酸化いっとりうむ、酸化ハフニウム、酸化ジルコニウム若しくはこれらの混合物が好ましい。更に、酸化スカンジウム、酸化ランタン、ランタンアルミネート、酸化イットリウム、酸化ハフニウム、酸化ジルコニウム若しくはこれらの混合物が好ましい。特にチタン金属元素を含まないことが好ましい。
以下、反射防止層の好ましい構成例を列記する。尚、以下において、n1、n2・・・はそれぞれ第1層、第2層・・・の405nmの光に対する屈折率を表し、d1、d2・・・はそれぞれ第1層、第2層・・・の厚みを表す。基体に最も近い層を第1層とした。
<1層構成:樹脂基体/低屈折率材料/>
1層目:1.2≦n1≦1.55 60nm≦d1≦80nm
<2層構成:樹脂基体/中又は高屈折率材料/低屈折率材料>
1層目:1.55≦n1、 15nm≦d1≦91nm
2層目:1.2≦n2<1.55、 30nm≦n2≦118
<3層構成:樹脂基体/低屈折率材料/高屈折率材料/低屈折率材料>
1層目:1.2≦n1<1.55、 10nm≦d1≦15000nm
2層目:1.7≦n2、 20nm≦d2≦110nm
3層目:1.2≦n3<1.55、 35nm≦d3≦90nm
<3層構成:樹脂基体/中屈折率材料/高屈折率材料/低屈折率材料>
1層目:1.55≦n1<1.7、 40nm≦d1≦15000nm
2層目:1.7≦n2、 35nm≦d2≦90nm
3層目:1.2≦n3<1.55、 45nm≦d3≦85nm
<5層構成:低又は中屈折率材料/高屈折率材料/低屈折率材料/高屈折率材料/低屈折率材料>
1層目:1.2≦n1<1.7、 5nm≦d1≦15000nm
2層目:1.7≦n2、 15nm≦d2≦35nm
3層目:1.2≦n3<1.55、 25nm≦d3≦45nm
4層目:1.7≦n4、 50nm≦d4≦130nm
5層目:1.2≦n5<1.55、 80nm≦d5≦110
<7層構成:樹脂基体/低又は中屈折率材料/高屈折率材料/低屈折率材料/高屈折率材料/低屈折率材料/高屈折率材料/低屈折率材料>
1層目:1.2≦n1<1.7、 80nm≦d1≦15000nm
2層目:1.7≦n2、 10nm≦d2≦25nm
3層目:1.2≦n3<1.55、 30nm≦d3≦45nm
4層目:1.7≦n4、 40nm≦d4≦60nm
5層目:1.2≦n5<1.55、 10nm≦d5≦20nm
6層目:1.7≦n6、 6nm≦d6≦70nm
7層目:1.2≦n7<1.55、 60nm≦d7≦100
本発明における機能膜として用いられる反射防止膜としては、上記には限定されず、4層構成及び6層構成及び8層構成以上の反射防止膜も形成することができる。
本発明の機能膜を成膜する方法としては、特に限定はないが、蒸着法、スパッタリング法、CVD法、ゾルゲル法等を好ましく用いることができる。
(実施例)
テストピースサンプル(樹脂基体、f30mm、厚さ3mmの成形板)の作成
〔樹脂1の製造例〕
十分に乾燥し窒素置換した、攪拌装置を備えたステンレス鋼製重合器に、脱水シクロヘキサン320部、スチレン60部、およびジブチルエーテル0.38部を仕込み、60℃で攪拌しながらn−ブチルリチウム溶液(15%含有ヘキサン溶液)0.36部を添加して重合反応を開始する。1時間重合反応を行った後、反応溶液中に、スチレン8部とイソプレン12部とからなる混合モノマー20部を添加し、さらに1時間重合反応を行った後、反応溶液にイソプロピルアルコール0.2部を添加して反応を停止させる。得られたブロック共重合体のMwは102,100、Mw/Mnは1.11とする。
次いで、上記重合反応溶液400部を、攪拌装置を備えた耐圧反応器に移送し、水素化触媒として、シリカ−アルミナ担持型ニッケル触媒(日揮化学工業社製;E22U、ニッケル担持量60%)10部を添加して混合する。反応器内部を水素ガスで置換し、さらに溶液を攪拌しながら水素を供給し、温度を高く160℃に設定し、圧力4.5MPaにて8時間反応することにより、芳香環まで水素化を行う。水素化反応終了後、反応溶液をろ過して水素化触媒を除去した後、シクロヘキサン800部を加えて希釈し、該反応溶液を3500部のイソプロパノール(クラス1000のクリーンルームで、孔径1μmのフィルターにてろ過したもの)中に注いでブロック共重合体を析出させ、ろ過により分離回収し、80℃にて48時間減圧乾燥させる。得られたブロック共重合体は、スチレン由来の繰り返し単位を含有するブロック(以降Stと略記する)、およびスチレンとイソプレン由来の繰り返し単位を含有するブロック(以降St/Ipと略記する)とからなる2元ブロック共重合体とし、それぞれのブロックのモル比は、St:St/Ip=69:31(St:Ip=10:21)とする。該ブロック共重合体のMwは85,100、Mw/Mnは1.17、主鎖および芳香環の水素化率は99.9%、Tgは126.5℃とする。
<樹脂基体1の作成>
得られたブロック共重合体100部に対し、スチレン−エチレン−ブチレン−スチレン・ブロック共重合体(クラレ社製、セプトン2002)0.1部、および酸化防止剤としてテトラキス−〔メチレン−3−(3’,5’−ジ−第三−ブチル−4’−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕メタン(チバスペシャリティ・ケミカルズ社製、イルガノックス1010)0.1部、およびベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤として、2−(2’−ヒドロキシ−5’−メチル−フェニル)ベンゾトリアゾール(チバ・スペシャリティ・ケミカルズ社製、TINUVIN P)を0.1部、さらにHALSとして、ジブチルアミンと1,3,5−トリアジン・N,N’−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)−1,6−ヘキサメチレンジアミンとN−(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)ブチルアミンとの重縮合物〔HALS(A)、Mn=3,000〕0.1部をそれぞれ添加し、2軸混練機(東芝機械社製、TEM−35B、スクリュー径37mm、L/D=32、スクリュー回転数150rpm、樹脂温度240℃、フィードレート10kg/時間)で混練し、ストランド状に押し出す。これを水冷してペレタイザーで切断し、ペレット化する。
得られたペレットを、空気を流通させた熱風乾燥器を用いて70℃で2時間乾燥して水分を除去した後、射出成形機(ファナック社製AUTOSHOTC MODEL 30A)により、シリンダー温度80℃、金型温度280℃、一次射出圧力98.1MPa、二次射出圧力78.4MPaにて、射出成形し樹脂基体1(樹脂基体、f30mm、厚さ3mmの成形板)を得た。
<比較樹脂基体の作成>
アクリル樹脂を用い上記樹脂基体1の場合と同様の方法で成形することで、比較用樹脂基体を得た。
<テストピースサンプルの作成>
得られた樹脂基体1若しくは比較用樹脂基体(アクリル)に対して、下記の表1〜10の条件でそれぞれ反射防止膜を樹脂基体の片面に蒸着法で形成することで、テストピースサンプル(実施例1〜34、比較例1〜7)を作成した。機能膜の膜厚については、コート面の断面を電子顕微鏡で観察することで、各層の膜厚を求めた。
Figure 2005251354
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<光吸収量の測定>
それぞれのテストピースサンプル(実施例1〜34、比較例1〜7)の波長405nmの光における透過率(T)と、反射率(R、両面の反射率の合計)を測定し、100−T(%)−R(%)で光吸収量を求めた。光吸収量が0.5%以上のものをC、光吸収量が0.5%未満で0.1%以上のものをB、光吸収量が0.1%未満のものをAと分類した。結果を表11に示す。
<光照射テスト>
上記のテストピースサンプル(実施例1〜34,比較例1〜7)の機能膜を有する面に対し、405nmの半導体レーザの光を集光レンズ系で光のピーク強度を120mW/mm2になるように集光して照射を行った。照射中テストピースは85℃、相対湿度5%の雰囲気下で保持した。顕微鏡で光照射面における脈状構造の発生の有無を観察した。90時間よりも前に脈状構造が発生したものをC、90時間以上120時間未満で脈状構造が発生したものをB、120時間以降に脈状構造が発生したものをAとする。尚、A若しくはBが本発明に該当する。結果を表11に示す。
<拭き性評価>
テストピースサンプルの機能膜を形成した面をイソプロピルアルコールを染み込ませた綿棒で加重5〜10gで拭いた。10回拭く毎に膜面を顕微鏡で観察し、機能膜の剥離の有無を観察し、機能膜が剥がれた時の拭き回数の合計で耐拭き性を評価した。
結果を、
30回拭いた時点で機能膜の剥がれが発生しているもの:×
30回拭いた時点では機能膜の剥がれが発生しておらず、100回拭いた時点で機能膜の剥がれが発生しているもの:○
100回拭いた時点で機能膜の剥がれが発生していないもの:◎
として、表11に示す。
<耐環境性評価>
耐熱試験:温度85℃、温度90℃の2条件の環境下に168時間放置後、室温環境で機能膜面の外観を評価した。
高温高湿試験:温度60℃湿度90%の環境下に168時間放置後、室温環境で機能膜面の外観を評価した。
結果を、
外観評価で、耐熱試験(85℃)、高温高湿試験の何れかで膜面にクラック又は膜剥がれが発生しているもの:×
外観評価で、耐熱試験(85℃)、高温高湿試験ともクラック又は膜剥がれが発生していないもの:○
外観評価で耐熱試験(90℃)、高温高湿試験ともクラック又は膜剥がれが発生しないもの:◎
として、表11に示す。
Figure 2005251354
表11より明らかなように、本発明の条件で照射試験を施した場合に、90時間以降に脈状構造が発生するものについては、イソプロピルアルコールで30回拭いても膜剥がれが生じなかった。環境試験においても、膜剥がれ及びクラックの発生はなかった。120時間以降に脈状構造が発生するものは、拭き性、環境試験のどちらにおいても非常に優れていた。
本発明の照射試験で90時間以内に脈状構造が発生するものは、拭き性及び耐環境性の少なくとも一方で問題が生じた。
また、上述の樹脂1(反射防止膜)を用いて、光源として青色半導体レーザ(405〜420nm)を用いたピックアップ装置用の対物レンズ(図1参照)を作成し、レンズ面の内少なくとも光源から最も離れているその出射面に上記の実施例と同様の構成で機能膜(反射防止膜)を成膜した。
このレンズに対して、405〜420nmのレーザ光を25mW/mm2の光強度でレンズの光入射面に照射した。10000時間照射後にイソプロピルアルコールによる拭き試験を行ったが50回拭いても膜剥がれは発生しなかった。また、透過率低下、レンズ性能の劣化は実用上問題にならなかった。特に前記レンズ面の光出射面においては、光が集光し光り強度が他の面より大きいにも係わらず、コート面の拭き性の低下、透過率低下、レンズ性能劣化が見られなかった。
また、反射防止膜をレンズ面にコートする際には、事前にレンズ表面に膜付き向上、傷防止などの為、下地コートを施したり、反射防止膜をレンズ面にコートした後、汚れ付着防止の為、撥水コート、帯電防止コートを施した場合も同様の効果が得られた。
本発明による光学素子の例である2枚のレンズからなる対物レンズの断面図である。
符号の説明
OBJ 対物レンズ


Claims (12)

  1. S1面と、前記S1面と対向するS2面を有し、脂環式構造を有する重合体を含有する樹脂基体、及び少なくとも前記S1面及び前記S2面の一方の上に形成された第1の膜を有する光学素子において、
    前記第1の膜が形成された面に対して、85℃、相対湿度5%の雰囲気下で、405nmのレーザ光束をピーク強度120mW/mmで照射した場合、照射時間90時間以降に、前記照射領域表面に脈状構造を発生することを特徴とする光学素子。
  2. 照射時間120時間以降に前記照射領域表面に脈状構造を発生することを特徴とする請求項1に記載の光学素子。
  3. 前記第1の層が、反射防止機能を有する層であることを特徴とする請求項1又は2に記載の光学素子。
  4. 凸面であるS1面と、前記S1面と対向するS2面とを有し、脂環式構造を有する重合体を含有する樹脂基体、及び少なくとも前記樹脂基体のS2面上に形成された第1の層を有する光学素子において、
    85℃、相対湿度5%の雰囲気下で、405nmのレーザ光束を前記S1面から入射させ、前記S2面からピーク強度120mW/mmで出射させた場合、照射時間90時間以降に前記S2面の出射領域表面に脈状構造を発生することを特徴とする光学素子。
  5. 照射時間120時間以降に前記S2面の出射領域表面に脈状構造を発生することを特徴とする請求項4に記載の光学素子。
  6. 前記第1の層が反射防止機能を有する層であることを特徴とする請求項4又は5に記載の光学素子。
  7. 前記脂環式構造を有する重合体が、下記一般式(1)で表される脂環式構造を有する繰り返し単位(a)と、下記一般式(2)及び/又は下記一般式(3)で表される鎖状構造の繰り返し単位(b)とを合計含有量が90重量%以上になるように含有し、さらに繰り返し単位(b)の含有量が1重量%以上10重量%未満である脂環式炭化水素系共重合体であることを特徴とする請求項1〜6の何れか1項に記載の光学素子。
    Figure 2005251354

    Figure 2005251354

    Figure 2005251354

    〔式(1)中、Xは脂環式炭化水素基であり、式(1)、式(2)、及び式(3)中、R1〜R13は、それぞれ独立に水素原子、鎖状炭化水素基、ハロゲン原子、アルコキシ基、ヒドロキシ基、エーテル基、エステル基、シアノ基、アミド基、イミド基、シリル基、及び極性基(ハロゲン原子、アルコキシ基、ヒドロキシ基、エーテル基、エステル基、シアノ基、アミド基、イミド基、又はシリル基)で置換された鎖状炭化水素基である。式(3)中……は炭素−炭素飽和結合、又は不飽和結合である。〕
  8. 脂環式構造を有する重合体が、下記式(4)で表される繰り返し単位〔1〕を含有する重合体ブロック〔A〕と、下記式(3)で表される繰り返し単位〔1〕並びに下記式(4)で表される繰り返し単位〔2〕または/および下記式(5)で表される繰り返し単位〔3〕を含有する重合体ブロック〔B〕とを有するブロック共重合体であることを特徴とする請求項1〜7の何れか1項に記載の光学素子。
    Figure 2005251354

    (式中、R は水素原子、または炭素数1〜20のアルキル基を表し、R−R12はそれぞれ独立に、水素原子、炭素数1〜20のアルキル基、ヒドロキシル基、炭素数1〜20のアルコキシ基、またはハロゲン基である。)
    Figure 2005251354

    (式中、R13は、水素原子、または炭素数1〜20のアルキル基を表す。)
    Figure 2005251354

    (式中、R14およびR15はそれぞれ独立に、水素原子、または炭素数1〜20のアルキル基を表す。)
  9. 前記ブロック重合体の前記ブロック〔A〕中の繰り返し単位〔1〕のモル分率a(モル%)と、前記ブロック〔B〕中の繰り返し単位〔1〕のモル分率b(モル%)との関係がa>bであることを特徴とする請求項8に記載の光学素子。
  10. 前記光学素子が、光ピックアップ装置用の光学素子であることを特徴とする前記請求項1〜9の何れか1項に記載の光学素子。
  11. 前記光学素子が、少なくとも青色レーザ光源を用いた光ピックアップ装置用の光学素子であることを特徴とする請求項10に記載の光学素子。
  12. 前記光学素子が、対物レンズであることを特徴とする請求項11に記載の光学素子。

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