JP2009197139A - 光学用成形体 - Google Patents

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JP2009197139A JP2008040461A JP2008040461A JP2009197139A JP 2009197139 A JP2009197139 A JP 2009197139A JP 2008040461 A JP2008040461 A JP 2008040461A JP 2008040461 A JP2008040461 A JP 2008040461A JP 2009197139 A JP2009197139 A JP 2009197139A
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Kiyokazu Hashimoto
清和 橋本
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Abstract

【課題】大きな厚み部を有する形状に成形した場合であっても、高温・高湿環境下での屈折率の変化が著しく小さい光学用成形体を提供すること。
【解決手段】ビニル脂環式炭化水素重合体を含有する成形材料から成形された光学用成形体であって、ビニル脂環式炭化水素重合体がビニル脂環式炭化水素重合体の繰り返し単位A及びAと、ビニル単量体に由来する繰り返し単位BとからなるA−B−A型の三元ブロック共重合体であり、重合体ブロックAとAの質量比が30:70〜70:30、重合体ブロックA及びAの合計含有割合が97.5〜99.9質量%、重合体ブロックBの含有割合が0.1〜2.5質量%、重量平均分子量が10,000〜500,000である光学用成形体。
【選択図】なし

Description

本発明は、ビニル脂環式炭化水素重合体から成形され、高温・高湿環境下に長時間放置しても、変形や変質が抑制され、屈折率の変化が著しく抑制された光学用成形体に関する。本発明の光学用成形体は、大きな厚み部を有する形状のものであっても、高温・高湿環境下での屈折率の変化が著しく小さいため、光学レンズ、プリズムなどの用途に好適に利用することができる。
カメラ光学系、同ファインダー系、ビデオカメラ、ビデオプロジェクター、双眼鏡、ルーペ、プリンタ光学系、光学式情報記録媒体などの各種OA機器及び光学関連機器に使用される光学用材料には、優れた透明性、高屈折率、低分散性、低複屈折性などの基本的な光学的特性を有することが求められている。さらに、光学用材料には、耐摩耗性、低吸湿性、耐熱性、高強度、耐候性などの諸特性に優れることが要求されている。
このような要求性能に適合する光学用樹脂材料として、例えば、ポリメチルメタクリレート、ポリカーボネート、ジエチレングリコールビスアリルカーボネート、ポリシクロヘキシルメタクリレート、ポリ4−メチルペンテン、非晶性脂環式ポリオレフィン、多環ノルボルネンポリマー、ビニル脂環式炭化水素重合体などが開発されている。
光学用樹脂材料からなる光学用成形体は、例えば、短波長レーザー光線を透過させて使用する光学部品として使用することができる。該光学部品としては、例えば、光ディスク用ピックアップレンズ、レーザープリンタ用fθレンズ、撮像系レンズ、ファインダーレンズ、センサー用レンズなどが挙げられる。光学用樹脂材料からなる光学用成形体は、これらの光学部品の中でも、特に光ディスク用ピックアップレンズとしての用途が注目されている。
光学式情報記録媒体の高記録密度化が進められると、光学式情報記録媒体への情報の書き込み及び記録された情報の読み出しに使用するレーザー光をより短波長にする必要がある。具体的には、波長350〜450nmのブルーレーザー光を使用することが必要になってきている。そのため、このような短波長のレーザー光の照射に対応できる光学用樹脂材料及び該光学用樹脂材料を成形してなるピックアップレンズなどの光学用成形体が求められている。
このように、光学用樹脂材料からなる光学用成形体には、前記の如き諸特性に優れることが求められているが、屈折率特性についても、さらなる改良が求められている。各種OA機器及び光学関連機器は、小型化、高密度化、多機能化、各種関連機器の複合化などの進展に伴い、稼動時に機器の内部が蓄熱する傾向にある。また、各種OA機器及び光学関連機器の世界的規模での使用の拡大などにつれて、高温・高湿環境下で使用される場合が増えている。さらに、これらの機器の高性能化に伴い、光学部品として使用されている光学用樹脂材料からなる光学用成形体には、様々な環境下に置かれた場合であっても、屈折率の変化が極めて小さなことが求められている。
そのため、光学用樹脂材料を成形してなる光学用成形体には、透明性、高屈折率、低分散性、低複屈折性などの光学的特性;耐摩耗性、低吸湿性、耐熱性、機械的強度、耐候性などの諸物性;成形加工性(成形時の溶融流動性);などに優れることに加えて、高温・高湿環境下に長時間放置しても屈折率の変化が極めて小さいことが求められている。
ビニル脂環式炭化水素重合体は、耐熱性、耐候性、低吸湿性、機械強度、成形加工性に優れる上、低複屈折性、透明性などの光学特性に優れるため、光学用樹脂材料として用いられている。しかし、ビニル脂環式炭化水素重合体からなる光学用成形体は、高温・高湿環境下に長時間曝されると、屈折率が変化する傾向を示し、特に厚みの大きな光学用成形体に成形した場合に、そのような傾向が強くなる。ビニル脂環式重合体からなるピックアップレンズやプリズムなどの光学部品は、大きな厚み部を有するため、環境変化によって屈折率が変化しやすい。光学レンズなどの光学用成形体が高温・高湿環境下で屈折率の変化を受けると、例えば、光学式情報記録媒体への情報の書き込み及び記録された情報の読み出しが不正確になる。ビニル脂環式重合体からなる光学用成形体において、高温・高湿環境下での屈折率の変化は、該光学用成形体を用いた各種機器の高性能化を図る上で、大きな問題点のひとつとなっている。
特開2004−86149号公報(特許文献1)には、ビニル脂環式炭化水素重合体を射出成形するに際し、金型温度や保圧を選択することによって、屈折率変化の小さい光学用成形体を得る方法が開示されている。特許文献1の実施例では、ビニル脂環式炭化水素重合体として、スチレン/イソプレン(重量比96/4)のランダム共重合体の水素添加物が用いられている。しかし、特許文献1に記載の方法では、成形条件によっては、成形サイクルタイムが長くなるため、通常の成形方法で屈折率変化の小さい光学成形体を得ることが望まれていた。特許文献1に開示されているスチレン/イソプレンランダム共重合体の水素添加物を成形してなる光学用成形体は、高温・高湿環境下に長時間放置した場合の屈折率変化の抑制効果が必ずしも十分ではなく、さらなる改良が求められている。
再公表2002/059173号公報(特許文献2)には、水素化スチレン重合体ブロック/水素化共役ジエンブロックの重量比が75/25〜97/3の水素化スチレン−共役ジエン−スチレン三元ブロック共重合体が開示されている。しかし、特許文献2に開示されている水素化スチレン−共役ジエン−スチレン三元ブロック共重合体を成形してなる光学用成形体は、高温・高湿環境下に長時間放置した場合の屈折率変化の抑制効果が十分ではない。
特開2003−2938号公報(特許文献3)には、水素化スチレン系マルチブロック共重合体と該水素化スチレン系マルチブロック共重合体を用いた光ディスク基板が開示されている。しかし、特許文献3に開示されているペンタブロック構造を有する水素化スチレン系マルチブロック共重合体を用いたのでは、高温・高湿環境下での屈折率変化の小さい光学用成形体を得ることが困難である。
特開2004−86149号公報 再公表2002/059173号公報 特開2003−2938号公報
本発明の課題は、光学的特性や機械物性などに優れる上、高温・高湿環境下に長時間放置しても、変形や変質が抑制され、屈折率の変化が著しく抑制された合成樹脂製の光学用成形体を提供することにある。
さらに、本発明の課題は、大きな厚み部を有する形状に成形した場合であっても、高温・高湿環境下での屈折率の変化が著しく小さい合成樹脂製の光学用成形体を提供することにある。
本発明者は、透明性、高屈折率、低分散性、低複屈折性などの光学的特性に優れる上、耐熱性、耐候性、低吸湿性、機械強度、成形加工性などの諸特性にも優れた合成樹脂材料として、ビニル脂環式炭化水素重合体に着目した。本発明者は、ビニル脂環式炭化水素重合体として、特定のトリブロック構造を有し、かつ、各ブロックの割合が特定の範囲内となるように選択したものを用いることによって、ビニル脂環式炭化水素重合体としての優れた諸特性を損なうことなく、高温・高湿環境下に長時間放置しても、変形や変質が抑制され、屈折率の変化が著しく抑制された光学用成形体の得られることを見出した。
本発明の光学用成形体は、厚みを大きくした場合であっても、高温・高湿環境下に長時間放置した場合における屈折率の変化が著しく小さいものである。本発明は、これらの知見に基づいて完成するに至ったものである。
かくして、本発明によれば、ビニル脂環式炭化水素重合体を含有する成形材料から成形された光学用成形体であって、
(a)該ビニル脂環式炭化水素重合体が、それぞれ下記式(1)
Figure 2009197139
(Rは、水素原子または炭素数1〜20のアルキル基である。R〜R12は、それぞれ独立に、水素原子、炭素数1〜20のアルキル基、ヒドロキシル基、炭素数1〜20のアルコキシ基またはハロゲン原子である。)
で表される繰り返し単位を含有する2つの重合体ブロックA及び重合体ブロックA、並びに
下記式(2)
Figure 2009197139
(R13は、水素原子または炭素数1〜20のアルキル基である。)
で表される繰り返し単位及び下記式(3)
Figure 2009197139
(R14及びR15は、それぞれ独立に、水素原子または炭素数1〜20のアルキル基である。)
で表される繰り返し単位からなる群より選ばれる少なくとも一種の繰り返し単位を含有する重合体ブロックB
からなるA−B−A型のトリブロック構造を持つ三元ブロック共重合体であり、
(b)該ブロック共重合体中での該重合体ブロックAと該重合体ブロックAの質量比が、30:70〜70:30であり、
(c)該ブロック共重合体中での該重合体ブロックAと該重合体ブロックAの合計含有割合が、97.5〜99.9質量%であり、
(d)該ブロック共重合体中での該重合体ブロックBの含有割合が、0.1〜2.5質量%であり、かつ、
(e)該ブロック共重合体の重量平均分子量が、10,000〜500,000の範囲内である
ことを特徴とする光学用成形体が提供される。
本発明によれば、ビニル脂環式炭化水素重合体としての優れた光学的特性や機械物性などの諸特性を損なうことなく、高温・高湿環境下に長時間放置しても、変形や変質が抑制され、屈折率の変化が著しく抑制された光学用成形体を提供することができる。本発明の光学用成形体は、厚みが大きな部分を持つ形状に成形たものであっても、高温・高湿環境下に長時間放置した場合における屈折率の変化が著しく小さい。
本発明の光学用成形体は、ビニル脂環式炭化水素重合体を成形してなるものであるため、透明性、高屈折率、低分散性、低複屈折性などの光学特性;耐熱性、耐候性、低吸湿性、機械強度などの機械物性;成形加工性;耐レーザー性などに優れている。
1.トリブロック構造を持つ三元ブロック共重合体
本発明で用いるビニル脂環式炭化水素重合体は、「重合体ブロックA−重合体ブロックB−重合体ブロックA」型のトリブロック構造を持つ三元ブロック共重合体である。
重合体ブロックA及びAは、下記式(1)
Figure 2009197139
(Rは、水素原子または炭素数1〜20のアルキル基である。R〜R12は、それぞれ独立に、水素原子、炭素数1〜20のアルキル基、ヒドロキシル基、炭素数1〜20のアルコキシ基またはハロゲン原子である。)
で表される繰り返し単位を含有する重合体ブロックである。
は、水素原子またはメチル基であることが好ましく、水素原子であることがより好ましい。R〜R12は、水素原子またはメチル基であることが好ましく、その全てが水素原子であるか、いずれか1つがメチル基であることがより好ましく、その全てが水素原子であることが特に好ましい。炭素数1〜20のアルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基などが好ましい。ハロゲン原子としては、塩素原子、臭素原子、フッ素原子などが挙げられる。
重合体ブロックA及びAは、それぞれ同一でも異なっていてもよい。重合体ブロックA及びAは、式(1)で表わされる繰り返し単位以外の繰り返し単位として、鎖状共役ジエン化合物及び/または鎖状ビニル化合物に由来する繰り返し単位を水素化した繰り返し単位を、通常30モル%以下、好ましくは20モル%以下、より好ましくは10モル%以下の割合で含有していてもよい。重合体ブロックA及びAが鎖状共役ジエン及び/または鎖状ビニル化合物由来の繰り返し単位を水素化した繰り返し単位を含有する場合、これらの水素化繰り返し単位を、前記式(1)で表わされる繰り返し単位とランダム共重合体の形式で含んでいる。
重合体ブロックA及びAは、透明性などの光学的特性、機械物性、屈折率特性などの観点から、式(1)で表わされる繰り返し単位を単独で含有するものが好ましい。重合体ブロックA及びAは、透明性などの光学的特性、機械物性、屈折率特性などが優れることから、下記式(4)
Figure 2009197139
(Rは、水素原子または炭素数1〜20のアルキル基、好ましくは水素原子またはメチル基、より好ましくは水素原子である。)
で表わされる繰り返し単位を含有するものであることが好ましく、該繰り返し単位を単独で含有するものであることがより好ましい。重合体ブロックAまたはAと重合体ブロックBとの間では、各ブロックを構成する繰り返し単位の一部が混在することがある。その混合量は、各ブロックを構成する全繰り返し単位の通常5モル%以下、好ましくは3モル%以下、より好ましくは2モル%以下、特に好ましくは1モル%以下である。
重合体ブロックBは、下記式(2)
Figure 2009197139
(R13は、水素原子または炭素数1〜20のアルキル基である。)
で表される繰り返し単位、及び下記式(3)
Figure 2009197139
(R14及びR15は、それぞれ独立に、水素原子または炭素数1〜20のアルキル基である。)
で表される繰り返し単位からなる群より選ばれる少なくとも一種の繰り返し単位を含有する重合体ブロックである。
該式(2)で表わされる繰り返し単位において、R13は、水素原子またはメチル基であることが好ましく、水素原子であることがより好ましい。該式(3)で表わされる繰り返し単位において、R14が水素原子であり、R15がメチル基またはエチル基であることが好ましい。
重合体ブロックBは、上記式(2)及び/または式(3)で表わされる繰り返し単位のほか、下記式(5)
Figure 2009197139
(R31は、水素原子または炭素数1〜20のアルキル基である。R32は、ニトリル基、アルコキシカルボニル基、ホルミル基、ヒドロキシカルボニル基またはハロゲン原子である。R33は、水素原子であるか、またはR32と相互に結合して、酸無水物基またはイミド基を形成してもよい。)
で表される繰り返し単位を含有していてもよい。
上記式(5)で表わされる繰り返し単位は、重合体ブロックB中に、通常30モル%以下、好ましくは20モル%以下、より好ましくは10モル%以下の割合で、ランダムに含有されるものである。光学特性や屈折率特性の観点からは、重合体ブロックBは、前記式(2)及び/または(3)で表わされる繰り返し単位のみから構成されたものであることが好ましく、式(2)で表わされる繰り返し単位のみであることがより好ましい。前記した通り、重合体ブロックAまたはAと重合体ブロックBとの間では、各ブロックを構成する繰り返し単位の一部が混在することがある。その混合量は、各ブロックを構成する全繰り返し単位の通常5モル%以下、好ましくは3モル%以下、より好ましくは2モル%以下、特に好ましくは1モル%以下である。
本発明で使用するA−B−A型のトリブロック構造を持つ三元ブロック共重合体は、該三元ブロック共重合体中での重合体ブロックAと重合体ブロックAの質量比が30:70〜70:30であり、該三元ブロック共重合体中での重合体ブロックAと重合体ブロックAの合計含有割合が97.5〜99.9質量%であり、かつ、該三元ブロック共重合体中での重合体ブロックBの含有割合が0.1〜2.5質量%である。
該三元ブロック共重合体中での重合体ブロックAと重合体ブロックAの質量比は、30:70〜70:30、好ましくは40:60〜60:40、より好ましくは45:55〜55:45である。この質量比が上記範囲内にあることによって、高温・高湿環境下での屈折率の変化が極めて小さな光学用成形体を得ることができる。
該三元ブロック共重合体中での重合体ブロックAと重合体ブロックAの合計含有割合は、97.5〜99.9質量%であり、好ましくは97.5〜99.7質量%、より好ましくは98.0〜99.5質量%、特に好ましくは98.5〜99.5質量%である。これに対応して、該三元ブロック共重合体中での重合体ブロックBの含有割合は、0.1〜2.5質量%であり、好ましくは0.3〜2.5質量%、より好ましくは0.5〜2.0質量%、特に好ましくは0.5〜1.5質量%である。
該三元ブロック共重合体中での重合体ブロックAと重合体ブロックAの合計含有割合が小さすぎると(重合体ブロックBの含有割合が大きすぎると)、該三元ブロック共重合体からなる光学用成形体が高温・高湿環境下に長時間曝されたときの屈折率の変化が大きくなる。同様に、該三元ブロック共重合体中での重合体ブロックAと重合体ブロックAの合計含有割合が大きすぎると(重合体ブロックBの含有割合が小さすぎると)、該三元ブロック共重合体からなる光学用成形体が高温・高湿環境下に長時間曝されたときの屈折率の変化が大きくなる傾向を示す。
前記式(1)で表わされる繰り返し単位を単独で有する単独重合体(例えば、ポリスチレンの水素添加物)を用いた場合には、得られた光学用成形体の高温・高湿環境下に長時間曝されたときの屈折率の変化が大きくなる。A−B−A型のトリブロック構造を持つ三元ブロック共重合体であっても、ブロックBの含有割合が2.5質量%を超えて大きいと、得られた光学用成形体の高温・高湿環境下に長時間曝されたときの屈折率の変化が著しく大きくなる。
ブロック共重合体であっても、前記特定のトリブロック型構造ではなく、例えば、A−B−A−B−A型のペンタブロック構造を持つブロック共重合体を用いた場合には、得られた光学用成形体の高温・高湿環境下に長時間曝されたときの屈折率の変化が大きくなる。前記式(1)で表わされる繰り返し単位と、前記式(2)及び/または(3)で表わされる繰り返し単位を持つ共重合体であっても、前記特定のトリブロック型構造ではなく、ランダム共重合体である場合には、それを用いて得られる光学用成形体の高温・高湿環境下に長時間曝されたときの屈折率の変化が大きくなる。
本発明で使用する三元ブロック共重合体の分子量は、テトラヒドロフラン(THF)を溶媒とするゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)により測定されるポリスチレン換算の重量平均分子量(Mw)で表わしたとき、10,000〜500,000、好ましくは50,000〜200,000、より好ましくは80,000〜150,000の範囲内である。該三元ブロック共重合体の重量平均分子量が上記範囲内にあると、機械的強度、耐熱性、成形加工性のバランスに優れる。
本発明で使用する三元ブロック共重合体の分子量分布は、使用目的に応じて適宜選択できるが、GPCにより測定されるポリスチレン換算の重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との比(Mw/Mn)で表わしたとき、好ましくは3.0以下、より好ましくは2.0以下、特に好ましくは1.5以下である。比(Mw/Mn)は、その下限値が1.0であるが、多くの場合、1.1〜1.3の範囲内で良好な機械的強度や耐熱性、成形加工性などの諸特性を得ることができる。
本発明で使用する三元ブロック共重合体のガラス転移温度(Tg)は、使用目的に応じて適宜選択することができるが、示差走査型熱量計(DSC)により測定したとき、好ましくは80〜200℃、より好ましくは100〜180℃、さらに好ましくは120〜160℃、特に好ましくは125〜150℃である。三元ブロック共重合体のガラス転移温度が上記範囲内にあると、光学用成形体の環境試験前後の屈折率の変化が小さくなるため好ましい。
本発明で使用する三元ブロック共重合体は、各ブロックを形成するモノマーまたはモノマー混合物を3段階に分けて逐次重合する方法、あるいは重合後に、必要に応じて、生成ブロック共重合体を水素添加する方法によって合成することができる。好ましい合成方法としては、例えば、以下の方法が挙げられる。
(1)第一の方法:
1段目として、芳香族ビニル化合物を重合して、該芳香族ビニル化合物に由来する繰り返し単位を有する重合体ブロックを生成させる。次に、2段目として、鎖状ビニル化合物及び鎖状共役ジエン化合物からなる群より選ばれる少なくとも1種のビニル単量体を重合して、該ビニル単量体に由来する繰り返し単位を有するブロックを生成させる。さらに、3段目として、芳香族ビニル化合物を重合して、該芳香族ビニル化合物に由来する繰り返し単位を有する重合体ブロックを生成させる。重合後、得られたブロック共重合体中の芳香環及び不飽和炭素−炭素二重結合を水素添加して、ビニル脂環式炭化水素重合体として三元ブロック共重合体を得る。
(2)第二の方法:
1段目として、6員環を持つ飽和脂環族ビニル化合物を重合して、該飽和脂環族ビニル化合物に由来する繰り返し単位を有する重合体ブロックを生成させる。次に、2段目として、鎖状ビニル化合物及び鎖状共役ジエン化合物からなる群より選ばれる少なくとも1種のビニル単量体を重合して、該ビニル単量体に由来する繰り返し単位を有するブロックを生成させる。さらに、3段目として、6員環を持つ飽和脂環族ビニル化合物を重合して、該飽和脂環族ビニル化合物に由来する繰り返し単位を有する重合体ブロックを生成させる。生成ブロック共重合体が不飽和炭素−炭素二重結合を有する場合には、重合後、水素添加して、該不飽和炭素−炭素二重結合を飽和させる。
(3)第三の方法:
1段目として、芳香族ビニル化合物と6員環を持つ不飽和脂環族ビニル化合物との混合モノマーを重合して、該混合モノマーに由来する繰り返し単位を有する重合体ブロックを生成させる。次に、2段目として、鎖状ビニル化合物及び鎖状共役ジエン化合物からなる群より選ばれる少なくとも1種のビニル単量体を重合して、該ビニル単量体に由来する繰り返し単位を有するブロックを生成させる。さらに、3段目として、芳香族ビニル化合物と6員環を持つ不飽和脂環族ビニル化合物との混合モノマーを重合して、該混合モノマーに由来する繰り返し単位を有する重合体ブロックを生成させる。重合後、得られたブロック共重合体中の芳香環及び不飽和炭素−炭素二重結合を水素添加して、ビニル脂環式炭化水素重合体として三元ブロック共重合体を得る。
上記方法(1)乃至(3)において、各ブロックにその他の繰り返し単位を導入する場合には、その他の繰り返し単位をもたらすモノマーをランダム共重合させる。
芳香族ビニル化合物としては、例えば、スチレン、α−メチルスチレン、α−エチルスチレン、α−プロピルスチレン、α−イソプロピルスチレン、α−t−ブチルスチレン、2−メチルスチレン、3−メチルスチレン、4−メチルスチレン、2,4−ジイソプロピルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、4−t−ブチルスチレン、5−t−ブチル−2−メチルスチレン、モノクロロスチレン、ジクロロスチレン、モノフルオロスチレン、4−フェニルスチレンが挙げられる。
芳香族ビニル化合物は、アルキル基やハロゲン原子以外に、ヒドロキシル基やアルコキシ基などの置換基を有するものであってもよい。これらの芳香族ビニル化合物の中でも、スチレン、2−メチルスチレン、3−メチルスチレン、4−メチルスチレン、α−メチルスチレンが好ましく、スチレン及びα−メチルスチレンがより好ましく、スチレンが特に好ましい。芳香族ビニル化合物は、それぞれ単独で、あるいは2種以上を組み合わせて使用することができる。
6員環を持つ飽和脂環族ビニル化合物としては、例えば、ビニルシクロヘキサン、3−メチルイソプロペニルシクロヘキサンなどが挙げられる。これらの飽和脂環族ビニル化合物は、アルキル基以外に、ヒドロキシル基、アルコキシ基、ハロゲン原子などの置換基を有するものであってもよい。これらの飽和脂環族ビニル化合物は、それぞれ単独で、あるいは2種以上を組み合わせて使用することができる。
6員環を持つ不飽和脂環族ビニル化合物としては、例えば、シクロヘキセニルエチレン、α−メチルシクロヘキセニルエチレン、α−t−ブチルシクロヘキセニルエチレンなどが挙げられる。これらの不飽和脂環族ビニル化合物は、ハロゲン基、アルコキシ基、ヒドロキシル基などの置換基を導入したものであってもよい。これらの不飽和脂環族ビニル化合物は、それぞれ単独で、あるいは2種以上を組み合わせて使用することができる。
鎖状ビニル化合物としては、例えば、エチレン、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、4−メチル−1−ペンテンなどが挙げられる。これらの中でも、エチレン、プロピレン、及び1−ブテンが好ましい。
鎖状共役ジエン化合物としては、例えば、1,3−ブタジエン、イソプレン、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン、1,3−ペンタジエン、及び1,3−ヘキサジエンが挙げられる。
これら鎖状ビニル化合物及び鎖状共役ジエン化合物からなる群より選ばれる少なくとも1種のビニル単量体としては、鎖状共役ジエン化合物が好ましく、ブタジエン及びイソプレンがより好ましく、イソプレンが特に好ましい。
上記各モノマーまたはモノマー混合物を重合して三元ブロック共重合体を合成する方法としては、ラジカル重合、アニオン重合、カチオン重合などが挙げられる。これらの重合法の中でも、アニオン重合が好ましく、不活性な有機溶媒中でリビングアニオン重合を行う方法がより好ましい。
アニオン重合は、重合開始剤の存在下、通常0〜200℃、好ましくは20〜100℃、特に好ましくは20〜80℃の範囲内の温度で行う。重合開始剤としては、例えば、n−ブチルリチウム、sec−ブチルリチウム、t−ブチルリチウム、ヘキシルリチウム、フェニルリチウムなどのモノ有機リチウム;ジリチオメタン、1,4−ジオブタン、1,4−ジリチオー2−エチルシクロヘキサン等の多官能性有機リチウム化合物;などを使用することができる。
重合開始剤に対して不活性な有機溶媒としては、例えば、n−ブタン、n−ペンタン、イソペンタン、n−ヘキサン、n−ヘプタン、イソオクタン等の脂肪族炭化水素類;シクロペンタン、シクロヘキサン、メチルシクロペンタン、メチルシクロヘキサン、デカリン等の脂環式炭化水素類;ベンゼン、トルエン等の芳香族炭化水素類;が挙げられる。これらの中でも、脂肪族炭化水素類または脂環式炭化水素類を用いると、重合後の水素添加反応においても、水素化触媒に対して不活性な有機溶媒としてそのまま使用することができる。これらの有機溶媒は、それぞれ単独で、あるいは2種類以上を組み合わせて使用することができる。有機溶媒は、全モノマー100質量部に対して、通常200〜10,000質量部の割合で用いられる。
モノマー混合物を用いて各重合体ブロックを生成させる場合には、各重合体ブロック内で特定のモノマー成分の連鎖が長くなるのを防止するために、重合促進剤やランダマイザーなどを使用することができる。特に、重合反応をアニオン重合により行う場合には、ルイス塩基化合物などをランダマイザーとして使用することが好ましい。
ルイス塩基化合物の具体例としては、ジメチルエーテル、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、ジブチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジフェニルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、エチレングリコールメチルフェニルエーテル等のエーテル化合物;テトラメチルエチレンジアミン、トリメチルアミン、トリエチルアミン、ピリジン等の第3級アミン化合物;カリウム−t−アミルオキシド、カリウム−t−ブチルオキシド等のアルカリ金属アルコキシド化合物;トリフェニルホスフィン等のホスフィン化合物;が挙げられる。これらのルイス塩基化合物は、それぞれ単独で、あるいは2種類以上を組み合わせて使用することができる。
リビングアニオン重合によりブロック共重合体を得る方法としては、従来公知の逐次付加重合反応法、及びカップリング法などが挙げられるが、本発明においては、逐次付加重合反応法を用いるのが好ましい。
逐次付加重合反応法により、トリブロック構造を持つ三元ブロック共重合体を得るには、有機溶媒中で、1段目のモノマーまたはモノマー混合物を重合して第一重合体ブロックを生成させ、次いで、重合反応系内に2段目のモノマーまたはモノマー混合物を添加し、第一重合体ブロックのリビング末端に第二重合体ブロックを生成させ、さらに、重合反応系内に3段目のモノマーまたはモノマー混合物を添加し、第二重合体ブロックのリビング末端に第三重合体ブロックを生成させる。
得られた三元ブロック共重合体は、重合反応系から、例えば、スチームストリッピング法、直接脱溶媒法、アルコール凝固法などの方法によって回収する。重合反応後、水素添加を行う場合には、重合反応溶液を水素化反応工程に使用することができるので、重合反応系から三元ブロック共重合体を回収することなく、水素添加反応を行う。水素化反応工程後、反応溶液から三元ブロック共重合体を回収する。
モノマーとして芳香族ビニル化合物を用いると、1段目の重合工程によって、下記式(6)
Figure 2009197139
(R16は、水素原子または炭素数1〜20のアルキル基である。R17〜R27は、それぞれ独立に、水素原子、炭素数1〜20のアルキル基、ヒドロキシル基、炭素数1〜20のアルコキシ基またはハロゲン原子である。)
で表わされる繰り返し単位を有する重合体ブロックA’が生成する。
芳香族ビニル化合物に由来する繰り返し単位は、下記式(7)
Figure 2009197139
(R16は、水素原子または炭素数1〜20のアルキル基、好ましくは水素原子またはメチル基、より好ましくは水素原子である。)
で表わされる繰り返し単位であることが好ましい。
該重合体ブロックA’中の上記式(6)で表わされる繰り返し単位、好ましくは式(7)で表わされる繰り返し単位の割合は、通常70モル%以上、好ましくは80モル%以上、より好ましくは90モル%以上、特に好ましくは100モル%である。残りの繰り返し単位は、鎖状共役ジエン化合物及び/または鎖状ビニル化合物に由来する繰り返し単位である。
2段目の重合工程において、鎖状共役ジエン化合物及び/または鎖状ビニル化合物を重合すると、下記式(8)
Figure 2009197139
(R28は、水素原子または炭素数1〜20のアルキル基である。)
で表わされる繰り返し単位、及び/または下記式(9)
Figure 2009197139
(R29は、水素原子または炭素数1〜20のアルキル基である。R30は、水素原子、炭素数1〜20のアルキル基またはアルケニル基である。)
で表わされる繰り返し単位を有する重合体ブロックB’が生成する。
該重合体ブロックB’は、下記式(10)
Figure 2009197139
(R34は、水素原子または炭素数1〜20のアルキル基である。R35は、ニトリル基、アルコキシカルボニル基、ホルミル基、ヒドロキシカルボニル基またはハロゲン原子である。R36は、水素原子であるか、またはR35と相互に結合して、酸無水物基またはイミド基を形成してもよい。)
で表わされる繰り返し単位を含んでいてもよい。該繰り返し単位は、それぞれ対応するビニル化合物の付加重合によって形成することができる。
上記式(10)で表わされる繰り返し単位は、重合体ブロックB’中に、通常30モル%以下、好ましくは20モル%以下、より好ましくは10モル%以下の割合で、ランダムに含有されるものである。該重合体ブロックB’は、式(8)で表わされる繰り返し単位を単独で含有するものであることが好ましい。
3段目のモノマーとして、芳香族ビニル化合物を用いると、前記式(6)で表わされる重合体ブロックA’が形成される。このようにして、A’−B’−A’型のトリブロック構造を有する三元ブロック共重合体が得られる。この三元ブロック共重合体は、重合体ブロックA’中に芳香環を有しており、さらに、重合体ブロックB’中に炭素−炭素二重結合を有する場合があるため、水素添加して芳香環を脂環式構造に変え、不飽和二重結合を飽和に変換する。側鎖に炭素−炭素二重結合などの不飽和結合を持つ重合体ブロックが存在する場合には、水素添加によって、それらの不飽和結合も飽和に変換する。
水素添加を行う方法及びその反応形態には特別な制限はなく、公知の方法にしたがって行うことができる。水素添加率を高くすることができ、重合体鎖の切断反応が少ない水素化法が好ましく、例えば、有機溶媒中、ニッケル、コバルト、鉄、チタン、ロジウム、パラジウム、白金、ルテニウム、及びレニウムからなる群より選ばれる少なくとも1つの金属を含む水素化触媒を用いて水素添加する方法が挙げられる。水素化触媒は、不均一系触媒及び均一系触媒のいずれも使用可能である。
不均一系触媒は、金属または金属化合物のままで、または適当な担体に担持して用いることができる。担体としては、例えば、活性炭、シリカ、アルミナ、炭化カルシウム、チタニア、マグネシア、ジルコニア、ケイソウ土、炭化ケイ素等が挙げられる。触媒の担持量は、好ましくは0.01〜80質量%、より好ましくは0.05〜60質量%である。
均一系触媒は、ニッケル、コバルト、チタンまたは鉄化合物と有機金属化合物(例えば、有機アルミニウム化合物、有機リチウム化合物)とを組み合わせた触媒;またはロジウム、パラジウム、白金、ルテニウム、レニウム等の有機金属錯体触媒;を用いることができる。ニッケル、コバルト、チタンまたは鉄化合物としては、例えば、各種金属のアセチルアセトン塩、ナフテン酸塩、シクロペンタジエニル化合物、シクロペンタジエニルジクロロ化合物等が用いられる。有機アルミニウム化合物としては、トリエチルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウム等のアルキルアルミニウム、ジエチルアルミニウムクロリド、エチルアルミニウムジクロリド等のハロゲン化アルミニウム、ジイソブチルアルミニウムハイドライド等の水素化アルキルアルミニウム等が好適に用いられる。
有機金属錯体触媒の例としては、上記各金属のγ−ジクロロ−π−ベンゼン錯体、ジクロロ−トリス(トリフェニルホスフィン)錯体、ヒドリド−クロロ−トリフェニルホスフィン錯体等の金属錯体が使用される。
これらの水素化触媒は、それぞれ単独で、あるいは2種類以上を組み合わせて使用することができる。その使用量は、全モノマー100質量部に対して、好ましくは0.01〜100質量部、より好ましくは0.05〜50質量部、特に好ましくは0.1〜30質量部である。
水素化反応は、通常10〜250℃の温度で行われるが、水素添加率を高くすることができ、かつ、重合体鎖の切断反応を抑えることができる点で、水素化反応温度は、好ましくは50〜200℃、より好ましくは80〜180℃である。水素化反応における水素圧力は、好ましくは0.1〜30MPaであるが、上記理由に加え、操作性の観点から、より好ましくは1〜20MPa、特に好ましくは2〜10MPaである。
このようにして得られたブロック共重合体の水素添加率は、H−NMRによる測定において、主鎖及び側鎖の炭素−炭素不飽和結合、芳香環やシクロアルケン環の炭素−炭素不飽和結合のいずれも、通常90%以上、好ましくは95%以上、より好ましくは99%以上、多くの場合、実質的に100%である。水素添加率が上記範囲にあると、三元ブロック共重合体の耐熱性、耐光性、耐候性などに優れる。
水素化反応終了後、三元ブロック共重合体は、例えば、濾過、遠心分離などの方法により反応溶液から水素化触媒を除去した後、有機溶媒を直接乾燥により除去する方法;反応溶液を、ブロック共重合体にとっての貧溶媒中に注ぎ、凝固させる方法;等によって回収することができる。
乾燥温度は、好ましくは150〜280℃、より好ましくは200〜260℃である。乾燥時間は、好ましくは0.5〜5時間、より好ましくは1〜3時間である。三元ブロック共重合体は、加熱により分解し、例えば、スチレンのホモポリマーやスチレン鎖の短いブロック共重合体などを生じることがあるが、この乾燥条件であれば、分解物の量は少なく、成形体の物性に悪影響を及ぼさない。乾燥温度が高すぎたり、乾燥時間が長すぎる場合、三元ブロック共重合体の分解が促進され、成形体の強度が低下したり、光学特性が低下したりする。乾燥温度が低すぎたり、乾燥時間が短すぎると、溶剤の除去が不十分となり、光学特性が低下する。
本発明で使用する三元ブロック共重合体には、必要に応じて、各種配合剤を配合することができる。配合剤の種類は、格別限定されないが、例えば、酸化防止剤、熱安定剤、耐光安定剤、耐候安定剤、紫外線吸収剤、近赤外線吸収剤などの安定剤;滑剤、可塑剤などの樹脂改質剤;染料や顔料などの着色剤;帯電防止剤、難燃剤、フィラーなどが挙げられる。これらの配合剤は、それぞれ単独で、あるいは2種以上を組み合せて用いることができる。その配合量は、本発明の効果を損なわない範囲で適宜選択される。三元ブロック共重合体に、これらの配合剤を含有させることによって、成形材料を調製する。
本発明で使用する三元ブロック共重合体には、上記配合剤の中でも、酸化防止剤、紫外線吸収剤または耐光安定剤を配合することが好ましい。酸化防止剤としては、フェノール系酸化防止剤、リン系酸化防止剤、イオウ系酸化防止剤などが挙げられ、これらの中でもフェノール系酸化防止剤が好ましく、アルキル置換フェノール系酸化防止剤がより好ましい。三元ブロック共重合体に酸化防止剤を配合することにより、透明性、耐熱性などを低下させることなく、成形加工時の酸化劣化による着色や強度低下を防止することができる。これらの酸化防止剤は、それぞれ単独で、あるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。その配合量は、本発明の目的を損なわない範囲で適宜選択されるが、三元ブロック共重合体100質量部に対して、好ましくは0.001〜5質量部、より好ましくは0.01〜1質量部である。
紫外線吸収剤としては、例えば、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2,2′−ジヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2,2′−ジヒドロキシ−4,4′−ジメトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシ−2′−ベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシ−5−スルホベンゾフェノントリヒドレート、2−ヒドロキシ−4−n−オクトキシベンゾフェノン、2,2′,4,4′−テトラヒドロキシベンゾフェノン、4−ドデシロキシ−2−ヒドロキシベンゾフェノン、ビス(5−ベンゾイル−4−ヒドロキシ−2−メトキシフェニル)メタンなどのベンゾフェノン系紫外線吸収剤;2−(2′−ヒドロキシ−5′−メチル−フェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4−メチル−6−(3,4,5,6−テトラヒドロフタルイミディルメチル)フェノール、2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4−6−ビス(1−メチル−1−フェニルエチル)フェノール、2−(2′−ヒドロキシ−3′,5′−ジ−第三−ブチル−フェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2′−ヒドロキシ−3′−第三−ブチル−5′−メチル−フェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(2′−ヒドロキシ−5′−第三オクチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2′−ヒドロキシ−3′,5′−ジ−第三−アミルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−〔2′−ヒドロキシ−3′−(3″,4″,5″,6″−テトラヒドロフタルイミドメチル)−5′−メチルフェニル〕ベンゾトリアゾール、2,2′−メチレンビス〔4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)−6−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)フェノール〕などのベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤;などが挙げられる。
耐光安定剤としては、ベンゾフェノン系耐光安定剤、ベンゾトリアゾール系耐光安定剤、ヒンダードアミン系耐光安定剤などが挙げられる。
三元ブロック重合体に、ガラス転移温度(Tg)が30℃以下の軟質重合体を配合することにより、透明性、耐熱性、機械的強度などの諸特性を低下させることなく、長時間の高温・高湿度環境下での白濁を防止することができる。軟質重合体のTgが2つ以上ある場合には、最も低いTgが30℃以下であることが必要である。
軟質重合体の具体例としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−α−オレフィン共重合体、エチレン−プロピレン−ジエン共重合体(EPDM)などのオレフィン系軟質重合体;ポリイソブチレン、イソブチレン−イソプレンゴム、イソブチレン−スチレン共重合体などのイソブチレン系軟質重合体;ポリブタジエン、ポリイソプレン、ブタジエン−スチレンランダム共重合体、イソプレン−スチレンランダム共重合体、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体、スチレン−エチレン・プロピレン−スチレンブロック共重合体、ブタジエン−スチレン・ブロック共重合体、スチレン−ブタジエン−スチレン・ブロック共重合体、イソプレン−スチレン・ブロック共重合体、スチレン−イソプレン−スチレン・ブロック共重合体などのジエン系軟質重合体;ジメチルポリシロキサン、ジフェニルポリシロキサンなどのケイ素含有軟質重合体;ポリブチルアクリレート、ポリブチルメタクリレート、ポリヒドロキシエチルメタクリレートなどのアクリル系軟質重合体;ポリエチレンオキシド、ポリプロピレンオキシド、エピクロルヒドリンゴムなどのエポキシ系軟質重合体;フッ化ビニリデン系ゴム、四フッ化エチレン−プロピレンゴムなどのフッ素系軟質重合体;天然ゴム、ポリペプチド、蛋白質、ポリエステル系熱可塑性エラストマー、塩化ビニル系熱可塑性エラストマー、ポリアミド系熱可塑性エラストマーなどのその他の軟質重合体;これらの水素化物などが挙げられる。これらの軟質重合体は、架橋構造を有するものであってもよく、また、変性反応により官能基を導入したものであってもよい。
軟質重合体の中でも、ジエン系軟質重合体が好ましく、特に軟質重合体の炭素−炭素不飽和結合を水素化した水素化物が、ゴム弾性、機械的強度、柔軟性、及び分散性の点で優れている。軟質重合体の配合量は、化合物の種類に応じて異なるが、一般に、配合量が多すぎれば、三元ブロック共重合体のガラス転移温度や透明性が大きく低下し、光学用成形体としての使用に適さなくなる。軟質重合体の配合量が少なすぎれば、高温・高湿環境下において、光学用成形物の白濁を生じる場合がある。軟質重合体の配合割合は、三元ブロック共重合体100質量部に対して、好ましくは0.01〜10質量部、より好ましくは0.02〜5質量部、特に好ましくは0.05〜2質量部である。
本発明の光学用成形体は、特定の三元ブロック共重合体を成形して得られたものである。光学用成形体は、5mm以上の最大厚み部を有する成形体とすることができる。光学用成形体の形状は、特に制限はなく、例えば、三角錐状(プリズム状)、球状、棒状、板状、円柱状、角柱状、筒状、レンズ状、カマボコ型、球冠状など、様々な形状が挙げられ、用途に応じて適宜選択される。
本発明の光学用成形体は、最大厚みが5mm以上の厚さを有するものである。一般に、光学用成形体の肉厚が厚いと、例えば、溶融した成形用樹脂材料を金型のキャビティ内に射出注入して成形する際に、該成形用樹脂材料のキャビティに接する面と成形用樹脂材料内部とで冷却速度が異なり、その結果、得られる光学用成形体の表層部と内部とで、屈折率分布などの光学特性に差が生じ、内部では安定した屈折率分布を示すが、表層部では内部とは異なる屈折率分布を示すおそれがある。肉厚の厚い光学用成形体は、残留応力が大きくなることがある。しかし、本発明の特定の三元ブロック共重合体からなる光学用成形体は、高温・高湿環境下に長時間曝された場合であっても、その屈折率の変化が極めて小さく、変形や変質が生じがたく、優れた屈折率特性を示すものである。
本発明の光学用成形体には、所望により、その表面に無機化合物または有機化合物の層を設けることができる。無機化合物としては、例えば、金属酸化物、無機酸化物、金属硫化物、及び金属フッ化物などが挙げられる。金属酸化物の具体例としては、酸化アルミニウム、酸化ビスマス、酸化セリウム、酸化クロム、酸化ユーロピウム、酸化鉄、酸化ルテニウム、酸化インジウム、酸化ランタン、酸化モリブデン、酸化マグネシウム、酸化ネオジミウム、酸化鉛、酸化プラセオジミウム、酸化サマリウム、酸化アンチモン、酸化スカンジウム、酸化スズ、酸化チタン、一酸化チタン、三酸化二チタン、酸化タンタル、酸化タングステン、酸化イットリウム、酸化ジルコニウム、酸化亜鉛などが挙げられる。
その他の酸化物(無機酸化物)の具体例としては、酸化ケイ素、一酸化ケイ素などが挙げられる。金属硫化物の具体例としては、硫化亜鉛などが挙げられる。金属フッ化物の具体例としては、フッ化アルミニウム、フッ化バリウム、フッ化セリウム、フッ化カルシウム、フッ化ランタン、フッ化リチウム、フッ化マグネシウム、クリオライト、チオライト、フッ化ネオジミウム、フッ化ナトリウム、フッ化鉛、フッ化サマリウム、フッ化ストロンチウムなどが挙げられる。
無機化合物層は、上記化合物の中から屈折率の異なるものを、通常2種類以上交互に積層するのが好ましい。無機化合物層を形成する方法としては、(1)真空蒸着法、イオンブレーティング法、スパッタリング法などの方法;(2)無機化合物を分散させた溶液を塗布した後に溶媒を除去する方法;(3)無機化合物からなるフィルム(単層フィルムでも積層フィルムでもよい)を接着する方法;などが挙げられる。
有機化合物としては、アクリル樹脂、シリコーン樹脂などが挙げられる。有機化合物層の形成方法としては、上記樹脂の成分となるモノマーを成形体表面に塗布し、紫外線や電子線により硬化させる方法;上記樹脂を有機溶媒に溶解させて成形体表面に塗布し乾燥させる方法;などが挙げられる。
添加剤の配合方法としては特に制限はなく、例えば、各種添加剤を適当な溶剤に溶解して三元ブロック共重合体の溶液に添加した後、溶剤を除去して添加剤を含む三元ブロック共重合体を回収する方法;あるいはミキサー、二軸混錬機、ロール、ブラベンダー、押出機などでブロック共重合体を溶融状態にして添加剤と混練する方法;が挙げられる。
このようにして調製された三元ブロック共重合体を含有する成形材料の成形方法としては特に制限はなく、例えば、射出成形法、プレス成形法、押出成形法、ブロー成形法などの加熱溶融成形法;溶液キャスト法;などを用いることができる。本発明の光学用成形体においては、寸法精度に優れ、非球面形状などが成形可能な射出成形法及びプレス成形法が好ましく、射出成形法が特に好ましい。
射出成形法において使用する金型は、金型を構成する金属部材の表面をポリイミドやポリエーテルイミド等の耐熱性樹脂で、厚さが0.5〜500μmになるようにコーティングして、金型表面の断熱性を向上させたものが好ましい。金型表面の強度向上のために、Cr、Ni等でメッキを行い、耐熱性樹脂層の上を厚さ0.5〜50μmのメッキ層で被覆したものが好適に使用される。このような金型を使用すれば、射出成形時に成形材料表面が急冷されることによる光学特性の悪化を防止できる。
射出成形法において、金型温度は、通常50〜230℃、好ましくは80〜180℃であり、シリンダ温度は、通常170〜350℃、好ましくは200〜300℃である。射出圧力は、通常10〜200MPa、好ましくは60〜150MPaである。保圧時間(成形材料を射出してから、加圧を止めるまでの時間)は、通常1〜300秒間、好ましくは5〜150秒間である。冷却時間(加圧を中止してから、金型を開くまでの時間)は、通常5〜1,000秒間、好ましくは10〜800秒間である。
シリンダ温度が高すぎると、成形材料の分解、劣化等が起こって、光学用成形体の機械的強度が低下したり、着色したりすることがあり、低すぎると、光学用成形体に残留応力が発生して、複屈折が大きくなったり、転写性が悪くなったりする。金型温度が、高すぎると離型不良が発生し、低すぎると複屈折が大きくなったり、転写性が悪くなったりする。保圧時間が、長すぎると、成形材料の分解、劣化等が起こり、短すぎると、成形収縮が大きくなる。冷却時間は、長すぎると、生産性が低下し、短すぎると、複屈折が大きくなったり、転写性が悪くなったりすることがある。
光学用成形体は、成形後に、80〜110℃の温度で5〜24時間の加熱処理を行うことが好ましい。この加熱処理を行うことにより、光学用成形体の光学特性が向上する。
図2に、本発明で使用する三元ブロック共重合体を射出成形して得られた光学用成形体(プリズム)の一例の斜視図を示す。図2に示す光学用成形体は、幅が30mm、高さが15mm、奥行き寸法が45mmを有している。この成形体を加工して得られた試料について、温度60℃及び相対湿度90%の条件下で500時間放置する環境試験を実施すると、環境試験の実施前に比べて、屈折率変化が通常0.0002以下、好ましくは0.0001以下、より好ましくは0.00007以下である。
以下、本発明について、実施例及び比較例を挙げて具体的に説明するが、本発明は、これらの実施例に限定されるものではない。各種の物性及び特性の測定法及び評価法は、下記の通りである。
(1)重量平均分子量(Mw)及び数平均分子量(Mn):
重合体の重量平均分子量(Mw)、及び重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との比(Mw/Mn)は、テトラヒドロフランを溶離液とするゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)による標準ポリスチレン換算値として測定した。
(2)水素添加率:
重合体の水素添加率は、溶媒として重クロロホルムを用いて、H−NMRスペクトルを測定し、その測定結果に基づいて算出した。
(3)ガラス転移温度:
重合体のガラス転移温度は、示差走査熱量分析計(DSC6220SII、ナノテクノロジー社製)を用いて、JIS K6911に従って測定した。
(4)屈折率:
重合体を含有する成形材料を、射出成形機(ロボショットα−100B、ファナック社製、型締め力最大100t)を用いて、樹脂温度238℃、金型温度123℃、射出圧力100MPaの条件で射出成形し、幅(W)30mm、高さ(h)15mm、奥行き寸法45mmの三角柱からなる光学用成形体を作製した。図2に、該三角柱の斜視図を示す。
該光学用成形体の奥行き22.5mmのところで丸のこ盤により切断すると共に、高さ7.5mmのところも丸のこ盤で切断して、台形試料を作製した。この台形試料の2つの切断面A及び切断面Bを、株式会社島津製作所製試料研磨機Bを用いて、#600以上のスリ面となるように研磨した。このようにして、図3に示す台形の屈折率測定用試料61を作製した。図3に示す台形の屈折率測定用試料61において、A面とB面が接する箇所の角度ωは、90±1度となるように調整した。
該屈折率測定用試料を、カルニューデジタル精密屈折率計(KPR−200、カルニュー光学工業社製)のVブロックプリズム内に、該プリズムと該屈折率測定用試料との接触面に屈折率1.52の接触液を介在させて収容した。図4は、Vブロックプリズムの斜視図である。図5は、該Vブロックプリズム5内に該屈折率測定用試料61を収容した状態を示す断面図である。該Vブロックプリズム5に接する該屈折率測定用試料61の角度ωは、90±1度である。図5は、光の照射方向をも示している。
波長587.6nmの光を用い、温度25℃にて、該屈折率測定用試料の屈折率を測定した。図1は、カルニューデジタル精密屈折率計における屈折率測定の原理を示す説明図である。光源1から出た光は、干渉フィルタ2により単色光とされ、入口スリット3を通り、コリメータレンズ4により平行光束とされ、Vブロックプリズム5、測定用試料6、及びVブロックプリズム5の順に通過する。この際、光は、Vブロックプリズム5と測定用試料6との屈折率差により、光軸の上方または下方に偏向されて通過する。
この偏角をテレメータ部10でとらえ、テレメータレンズ7及び出口スリット8を通過した光を、光電子倍増管9で検出する。テレメータ部10は、上下方向11に回転することができ、その回転は、連動しているサインバーとパルスモータで駆動する。偏角をコンピュータで演算処理し、屈折率の測定結果を画面に表示する。
この屈折率測定においては、Vブロックプリズム5に接する測定用試料6の角度ωを90±1度とし、かつ、Vブロックプリズム5に接する測定用試料面を#600以上のスリ面になるように研磨すると共に、Vブロックプリズムと測定用試料との接触面に接触液(測定用試料の屈折率に対する屈折率差が0.05以内の液)を介在させる。
(5)環境試験後の屈折率の変化:
前記カルニューデジタル精密屈折率計を用いて屈折率測定用試料の屈折率を測定した。さらに、該屈折率測定用試料を、温度60℃及び相対湿度90%の環境下に500時間放置した後、前記と同様にして屈折率を測定した。これらの屈折率の測定値に基づいて、環境試験後の屈折率の変化を求めた。その結果を表1に示す。表1に示す測定値は、環境試験前後の屈折率の差である。指数は、実施例1のブロック共重合体を用いて作製した屈折率測定用試料に関する環境試験後の屈折率の変化の測定値を100とした場合の相対的な値を示すものである。
[実施例1]
1.三元ブロック共重合体(a)の合成:
電磁撹拌装置を備えたステンレス鋼製オートクレーブ内を乾燥し、窒素置換した。該オートクレーブ内に、シクロヘキサン320質量部、スチレン(第1段目モノマー)39.04質量部、及びジブチルエーテル0.1質量部を仕込み、次いで、60℃で撹拌しながら、n−ブチルリチウムのヘキサン溶液(濃度15重量%)0.454質量部を添加して、重合を開始した。
0.5時間重合反応を行ったところ、スチレンの転化率は、ほぼ100%となった。この時点で、反応溶液内に、イソプレン(第2段目モノマー)1.92質量部を添加し、0.5時間重合を行った。この時点でのイソプレンの転化率は、ほぼ100%であった。さらに、反応溶液内に、スチレン(第3段目モノマー)39.04質量部を添加し、1時間重合を行った。この時点でのスチレンの転化率は、ほぼ100%であった。この時点で、反応溶液内にイソプロピルアルコール0.1質量部を添加して、反応を停止させた。このようにして、スチレン−イソプレン−スチレン三元ブロック共重合体を合成した。
該三元ブロック共重合体を含有する反応溶液400質量部に、安定化ニッケル水素化触媒〔日揮化学社製、商品名「E19Z」;ニッケル・けい藻土系水素化触媒(Ni含量60重量%)〕4質量部を添加混合した。温度160℃で、オートクレーブ内部の圧力が4.5MPaを保つように水素を供給しながら、6時間水素添加反応を行った。水素添加反応終了後、反応溶液を、ラジオライト♯800を濾過床として、加圧濾過器(フンダフィルター、石川島播磨重工社製)を使用し、圧力0.25MPaで加圧濾過して、無色透明な溶液を得た。次いで、得られた溶液に、ペンタエリスリチル−テトラキス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]及び水素添加スチレン系エラストマー〔軟質重合体;クラレ社製「セプトン2002」(SEPS)〕を、三元ブロック共重合体100質量部当り、それぞれ0.05質量部及び0.02質量部の割合で加えて溶解させた。
この溶液を孔径0.5μmの金属ファイバー製フィルター(ニチダイ社製)にて濾過した。得られた濾液を孔径0.5〜1μmのゼータプラスフィルター30S(キュノ社製)で濾過し、さらに、その濾液を孔径0.2μmの金属ファイバー製フィルター(ニチダイ社製)で濾過して、異物を除去した。
上記で得られた濾液(重合体濃度20質量%)を予備加熱装置で250℃に加熱し、圧力3MPaで円筒型濃縮乾燥機(日立製作所製)に連続的に供給した。濃縮乾燥機の運転条件は、圧力60kPa、内部の濃縮された重合体溶液の温度が260℃となるように調節した。濃縮した溶液は、濃縮乾燥機から連続的に導出し、さらに同型の濃縮乾燥機に温度260℃を保ったまま、圧力1.5MPaで供給した。運転条件は、圧力1.5kPa、温度270℃とした。溶融状態の重合体は、濃縮乾燥機から連続的に導出し、クラス100のクリーンルーム内でダイから押し出し、水冷後、ペレタイザー(OSP−2、長田製作所製)でカッティングして、三元ブロック共重合体(a)のペレットを得た。
該三元ブロック共重合体(a)の重量平均分子量(Mw)、数平均分子量(Mn)に対する重量平均分子量の比で表される分子量分布(Mw/Mn)、水素添加率、及びTgを測定した。これらの結果を表1にまとめて示す。
2.成形体の作製:
金型として、所定のパターン形状を有する金属部材(SUS製)の表面に、平均膜厚40μmのポリイミド層を真空蒸着により形成し、さらにその上に、保護層として厚さ10μmのCr層をCVD法により形成したものを用意した。
該三元ブロック共重合体(a)のペレットを用い、射出成形機(ロボショットα−100B、ファナック社製、型締め力最大100t)により、樹脂温度238℃、金型温度123℃、及び射出圧力100MPaの成形条件にて、幅(W)30mm、高さ(h)15mm、奥行き寸法45mmの三角柱の形状を持つ成形体を作製した。この成形体を用いて、前記屈折率の測定法に記載した方法により屈折率測定用試料を作製した。この屈折率測定用試料を用いて測定した環境試験後の屈折率変化の測定結果を表1に示す。
[実施例2]
1.三元ブロック共重合体(b)の合成:
実施例1において、1段目モノマーのスチレン量を39.6質量部に、2段目モノマーのイソプレン量を0.8質量部に、そして、3段目モノマーのスチレン量を39.6質量部に、それぞれ変更したこと以外は、実施例1と同様にして、スチレン−イソプレン−スチレン三元ブロック共重合体を合成した。さらに、実施例1と同様にして、該ブロック共重合体を水素添加し、三元ブロック共重合体(b)のペレットを作製した。
該三元ブロック共重合体(b)の重量平均分子量(Mw)、数平均分子量(Mn)に対する重量平均分子量の比で表される分子量分布(Mw/Mn)、水素添加率、及びTgを測定した。これらの測定結果を表1にまとめて示す。
2.成形体の作製:
実施例1において、三元ブロック共重合体(a)のペレットに代えて三元ブロック共重合体(b)のペレットを用い、成形条件を樹脂温度244℃及び金型温度129℃に変更したこと以外は、実施例1と同様にして、三角柱の形状を持つ成形体を作製した。この成形体を用いて、前記方法により屈折率測定用試料を作製した。この屈折率測定用試料を用いて測定した環境試験後の屈折率変化の測定結果を表1に示す。
[実施例3]
1.三元ブロック共重合体(c)の合成:
実施例1において、1段目モノマーのスチレン量を39.76質量部に、2段目モノマーのイソプレン量を0.48質量部に、そして、3段目モノマーのスチレン量を39.76質量部に、それぞれ変更したこと以外は、実施例1と同様にして、スチレン−イソプレン−スチレン三元ブロック共重合体を合成した。さらに、実施例1と同様にして、該ブロック共重合体を水素添加し、三元ブロック共重合体(c)のペレットを作製した。
該三元ブロック共重合体(c)の重量平均分子量(Mw)、数平均分子量(Mn)に対する重量平均分子量の比で表される分子量分布(Mw/Mn)、水素添加率、及びTgを測定した。これらの測定結果を表1にまとめて示す。
2.成形体の作製:
実施例1において、三元ブロック共重合体(a)のペレットに代えて三元ブロック共重合体(c)のペレットを用い、成形条件を樹脂温度245℃及び金型温度130℃に変更したこと以外は、実施例1と同様にして、三角柱の形状を持つ成形体を作製した。この成形体を用いて、前記方法により屈折率測定用試料を作製した。この屈折率測定用試料を用いて測定した環境試験後の屈折率変化の測定結果を表1に示す。
[比較例1]
1.水素添加ポリスチレン(d)の合成:
実施例1において、1段目モノマーのスチレン量を80質量部に変更し、2段目モノマー及び3段目モノマーを用いなかったこと以外は、実施例1と同様にしてポリスチレンを合成した。さらに、実施例1と同様にして、該ポリスチレンを水素添加し、水素添加ポリスチレン(d)のペレットを作製した。
該水素添加ポリスチレン(d)の、重量平均分子量(Mw)、数平均分子量(Mn)に対する重量平均分子量の比で表される分子量分布(Mw/Mn)、水素添加率、及びTgを測定した。これらの測定結果を表1にまとめて示す。
2.成形体の作製:
実施例1において、三元ブロック共重合体(a)のペレットに代えて水素添加ポリスチレン(d)のペレットを用い、成形条件を樹脂温度247℃及び金型温度132℃に変更したこと以外は、実施例1と同様にして、三角柱の形状を持つ成形体を作製した。この成形体を用いて、前記方法により屈折率測定用試料を作製した。この屈折率測定用試料を用いて測定した環境試験後の屈折率変化の測定結果を表1に示す。
[比較例2]
1.三元ブロック共重合体(e)の合成:
実施例1において、1段目モノマーのスチレン量を38質量部に、2段目モノマーのイソプレン量を4質量部に、そして、3段目モノマーのスチレン量を38質量部に、それぞれ変更したこと以外は、実施例1と同様にして、スチレン−イソプレン−スチレン三元ブロック共重合体を合成した。さらに、実施例1と同様にして、該ブロック共重合体をに水素添加し、三元ブロック共重合体(e)のペレットを作製した。
該三元ブロック共重合体(e)の重量平均分子量(Mw)、数平均分子量(Mn)に対する重量平均分子量の比で表される分子量分布(Mw/Mn)、水素添加率、及びTgを測定した。これらの測定結果を表1にまとめて示す。
2.成形体の作製:
実施例1において、三元ブロック共重合体(a)のペレットに代えて三元ブロック共重合体(e)のペレットを用い、成形条件を樹脂温度232℃及び金型温度117℃に変更したこと以外は、実施例1と同様にして、三角柱の形状を持つ成形体を作製した。この成形体を用いて、前記方法により屈折率測定用試料を作製した。この屈折率測定用試料を用いて測定した環境試験後の屈折率変化の測定結果を表1に示す。
[比較例3]
1.五元ブロック共重合体(f)の合成:
電磁撹拌装置を備えたステンレス鋼製オートクレーブ内を乾燥し、窒素置換した。該オートクレーブ内に、シクロヘキサン320質量部、スチレン(1段目モノマー)26.4質量部、及びジブチルエーテル0.1質量部を仕込み、60℃で撹拌しながら、n−ブチルリチウムのヘキサン溶液(濃度15重量%)0.454質量部を添加して、重合を開始した。
0.5時間重合反応を行ったところ、スチレンの転化率は、ほぼ100%となった。この時点で、反応溶液内に、イソプレン(2段目モノマー)0.4質量部を添加し、0.5時間重合を行ったところ、イソプレン転化率は、ほぼ100%となった。次いで、この時点で、反応溶液内に、スチレン(3段目モノマー)26.4質量部を添加し、0.5時間重合を行ったところ、スチレンの転化率は、ほぼ100%となった。さらに、この時点で、反応溶液内に、イソプレン(第4段目モノマー)0.4質量部を添加し、0.5時間重合を行ったところ、イソプレン転化率は、ほぼ100%となった。この時点で、スチレン(第5段目モノマー)26.4質量部を添加し、1時間重合を行った。この時点でのスチレンの転化率は、ほぼ100%であった。その後、反応溶液内にイソプロピルアルコール0.1質量部を添加して、反応を停止させた。
このようにして、スチレン−イソプレン−スチレン−イソプレン−スチレン五元ブロック共重合体を合成した。その後、実施例1と同様にして、該ブロック共重合体を水素添加し、五元ブロック共重合体(f)のペレットを作製した。
該五元ブロック共重合体(f)の重量平均分子量(Mw)、数平均分子量(Mn)に対する重量平均分子量の比で表される分子量分布(Mw/Mn)、水素添加率、及びTgを測定した。これらの結果を表1にまとめて示す。
2.成形体の作製:
実施例1において、三元ブロック共重合体(a)のペレットに代えて五元ブロック共重合体(f)のペレットを用い、成形条件を樹脂温度243℃及び金型温度128℃に変更したこと以外は、実施例1と同様にして、三角柱の形状を持つ成形体を作製した。この成形体を用いて、前記方法により屈折率測定用試料を作製した。この屈折率測定用試料を用いて測定した環境試験後の屈折率変化の測定結果を表1に示す。
[比較例4]
1.ランダム共重合体(g)の合成:
電磁撹拌装置を備えたステンレス鋼製オートクレーブ内を乾燥し、窒素置換した。該オートクレーブ内に、脱水シクロヘキサン320重量部、及びジブチルエーテル0.1重量部を仕込み、50℃で撹拌しながら、n−ブチルリチウムのヘキサン溶液(濃度15重量%)0.454重量部を添加した。このオートクレーブ内に、スチレン76.8質量部とイソプレン3.2質量部との混合モノマー80重量部を1時間かけて連続的に添加した。添加終了後、同条件下で0.5時間重合を行った。この時点でのスチレン及びイソプレンの転化率は、ほぼ100%であった。その後、反応溶液内にイソプロピルアルコール0.1質量部を添加して反応を停止させた。
このようにして、スチレン/イソプレン・ランダム共重合体を合成した。実施例1と同様にして、該ランダム共重合体を水素添加し、水素添加スチレン/イソプレン・ランダム共重合体(g)のペレットを作製した。この水素添加スチレン/イソプレン・ランダム共重合体(g)の重量平均分子量(Mw)、数平均分子量(Mn)に対する重量平均分子量の比で表される分子量分布(Mw/Mn)、水素添加率、及びTgを測定した。これらの結果を表1にまとめて示す。
2.成形体の作製:
実施例1において、三元ブロック共重合体(a)のペレットに代えて水素添加スチレン/イソプレン・ランダム共重合体(g)のペレットを用い、成形条件を樹脂温度230℃及び金型温度115℃に変更したこと以外は、実施例1と同様にして、三角柱の形状を持つ成形体を作製した。この成形体を用いて、前記方法により屈折率測定用試料を作製した。この屈折率測定用試料を用いて測定した環境試験後の屈折率変化の測定結果を表1に示す。
Figure 2009197139
<考察>
水素化ポリスチレンからなる成形体(比較例1)は、高温・高湿環境下に長時間放置した場合の屈折率の変化が十分に小さいものではない。トリブロック構造を有する水素化スチレン−イソプレン−スチレン三元ブロック共重合体であっても、水素化イソプレン重合体ブロックの含有割合が5.0質量%の場合(比較例2)には、その成形体を高温・高湿環境下に長時間放置すると、屈折率の変化が比較的大きくなる。
ペンタブロック構造を有する水素化スチレン系ブロック共重合体からなる成形体(比較例3)は、高温・高湿環境下に長時間放置した場合の屈折率の変化が十分に小さいものではない。水素化スチレン−イソプレン・ランダム共重合体からなる成形体を高温・高湿環境下に長時間放置すると、屈折率の変化が比較的大きくなる。
これに対して、重合体ブロックBの割合が0.1〜2.5質量%という限定された範囲内にあるトリブロック共重合体からなる成形体(実施例1〜3)は、高温・高湿環境下に長時間放置した場合であっても、その屈折率の変化が極めて小さいものである。
本発明の光学用成形体は、光学レンズ、プリズムなどの光学部品として、カメラ光学系、同ファインダー系、ビデオカメラ、ビデオプロジェクター、双眼鏡、ルーペ、プリンタ光学系、光学式情報記録媒体などの各種OA機器及び光学関連機器において利用することができる。
図1は、カルニューデジタル精密屈折計の測定原理を示す略図である。 図2は、屈折率測定用試料の作製に使用する三角柱成形体の斜視図である。 図3は、三角柱成形体を切断し、切断面を研磨して作製した屈折率測定用試料の斜視図である。 図4は、カルニューデジタル精密屈折計に配置されたVブロックプリズムの斜視図である。 図5は、カルニューデジタル精密屈折計に配置されたVブロックプリズム内に、屈折率測定用試料を収容した状態を示す断面図である。
符号の説明
1 光源
2 干渉フィルタ
3 入口スリット
4 コリメータレンズ
5 Vブロックプリズム
6 測定用試料
7 テレメータレンズ
8 出口スリット
9 光電子倍増管
10 テレメータ部
11 テレメータ部の回転方向
61 屈折率測定用試料
A 切断面
B 切断面
ω Vブロックプリズムに接する測定用試料の角度

Claims (2)

  1. ビニル脂環式炭化水素重合体を含有する成形材料から成形された光学用成形体であって、
    (a)該ビニル脂環式炭化水素重合体が、それぞれ下記式(1)
    Figure 2009197139
    (Rは、水素原子または炭素数1〜20のアルキル基である。R〜R12は、それぞれ独立に、水素原子、炭素数1〜20のアルキル基、ヒドロキシル基、炭素数1〜20のアルコキシ基またはハロゲン原子である。)
    で表される繰り返し単位を含有する2つの重合体ブロックA及び重合体ブロックA、並びに
    下記式(2)
    Figure 2009197139
    (R13は、水素原子または炭素数1〜20のアルキル基である。)
    で表される繰り返し単位及び下記式(3)
    Figure 2009197139
    (R14及びR15は、それぞれ独立に、水素原子または炭素数1〜20のアルキル基である。)
    で表される繰り返し単位からなる群より選ばれる少なくとも一種の繰り返し単位を含有する重合体ブロックB
    からなるA−B−A型のトリブロック構造を持つ三元ブロック共重合体であり、
    (b)該ブロック共重合体中での該重合体ブロックAと該重合体ブロックAの質量比が、30:70〜70:30であり、
    (c)該ブロック共重合体中での該重合体ブロックAと該重合体ブロックAの合計含有割合が、97.5〜99.9質量%であり、
    (d)該ブロック共重合体中での該重合体ブロックBの含有割合が、0.1〜2.5質量%であり、かつ、
    (e)該ブロック共重合体の重量平均分子量が、10,000〜500,000の範囲内である
    ことを特徴とする光学用成形体。
  2. 該光学用成形体が、5mm以上の最大厚み部を有する成形体である請求項1記載の光学用成形体。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2016109593A (ja) * 2014-12-08 2016-06-20 キヤノン株式会社 屈折率計測方法、屈折率計測装置、及び光学素子の製造方法

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