JP2014173053A - プレス成形用プリプレグおよび繊維強化複合材料 - Google Patents

プレス成形用プリプレグおよび繊維強化複合材料 Download PDF

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Abstract

【課題】プレス成形時の樹脂と炭素繊維の流動を抑制し、複雑な凹凸を備えた金型形状でのプレス成形においても、物性や外観を損ねない炭素繊維強化複合材料を得ることができるプリプレグを提供すること。
【解決手段】一方向に配列した炭素繊維に熱硬化性樹脂を含浸させてなるプリプレグであって、前記炭素繊維と、熱硬化性樹脂が次の(A)、(B)を満足することを特徴とするプレス成形用プリプレグ。
(A)原子間力顕微鏡により測定される表面粗さRaが15nm以上50nm以下の範囲にあり、フックドロップ値が10cm以下である炭素繊維。
(B)100〜150℃における最低粘度が0.5Pa・s以上10Pa・s以下の範囲にあり、24℃における粘度が10,000Pa・s以上200,000Pa・s以下の範囲にある熱硬化性樹脂組成物。
【選択図】図3

Description

本発明は、炭素繊維強化複合材料の製造に供される炭素繊維プリプレグに関し、特に表面に凹凸を備えた金型形状でのプレス成形に好適な一方向炭素繊維プリプレグに関する。
炭素繊維とマトリックス樹脂とからなる炭素繊維強化複合材料は、機械強度特性に優れるため、スポーツ用途をはじめ、航空宇宙用途、一般産業用途に広く用いられている。
炭素繊維強化複合材料の製造には、各種の方式が用いられるが、一方向に引き揃えた炭素繊維束にマトリックス樹脂を含浸させたシート状の中間基材であるプリプレグ(一方向炭素繊維プリプレグ)を使用する方法が広く用いられている。この方法ではプリプレグを所望の形状に裁断した後、複数枚積層し、加熱硬化させることによって炭素繊維強化複合材料が得られる。
プリプレグの成形方法としては、オートクレーブ成形や、シートワインディング等があるが、近年、自動車部材のような量産性を求められる部材に使用するため、ハイサイクルプレス成形により好適に成形される一方向炭素繊維プリプレグが求められている。
通常、一方向炭素繊維プリプレグのハイサイクルプレス成形では、硬化時間の短縮と、成形体内部のボイドを抑制するため、100〜150℃、1〜15MPaの高温高圧条件が用いられるが、このような条件下では金型からの樹脂の流出や、成形体表面の樹脂不足(以下、樹脂枯れと称す)、繊維の蛇行による部分的な繊維目の開き(以下、繊維割れと称す)といった外観不良が生じることがあった。
従来、特許文献1〜3に示すような高粘度のエポキシ樹脂や、熱可塑性樹脂の添加、硬化反応の早い硬化剤を用いることで、金型内における樹脂の流動を調整する方法があったが、これらはいずれも平らな表面や、一次元方向にR形状を備えた単純な金型での外観不良の改善であり、複雑な凹凸形状を備えた金型での改善は困難であった。
特開2010−248379号公報 特開2005−213352号公報 特開2004−099814号公報
本発明は、加熱硬化時の炭素繊維の流動を抑制し、複雑な凹凸形状を備えた金型においても成形品の表面外観を損ねない、ハイサイクルプレス成形に好適な一方向炭素繊維プリプレグを提供することを課題とする。
上記課題を解決するための本発明は、一方向に配列した炭素繊維に熱硬化性樹脂組成物を含浸させてなるプリプレグであって、前記炭素繊維と、前記熱硬化性樹脂組成物が次の(A)、(B)を満足することを特徴とするプレス成形用プリプレグである。
(A)引張強度が3000MPa以上5000MPa以下の範囲にあり、引張弾性率が200GPa以上600GPa以下の範囲にあり、原子間力顕微鏡により測定される表面粗さRaが15nm以上50nm以下の範囲にあり、フックドロップ値が10cm以下である炭素繊維。
(B)100〜150℃における最低粘度が0.5Pa・s以上10Pa・s以下の範囲にあり、24℃における粘度が10,000Pa・s以上200,000Pa・s以下の範囲にある熱硬化性樹脂組成物。なお、上記(A)で規定されるフックドロップ値の測定は以下のとおり行われる。
<炭素繊維のフックドロップ値測定>
JIS−L1013(2010)「化学繊維フィラメント糸試験方法」の交絡度測定方法に準じて測定される。炭素繊維からなる糸束の試料の一端を適当な性能を有する垂下装置の上部つかみ部に取り付け、つかみ部より1m下方の位置に荷重(100g)を吊り下げ、該試料を垂直に垂らす。該試料の上部つかみ部より1cm下部の点に繊維束を2分割するようにフック(直径1mmの針金状)を挿入する。フックの他端には所定の荷重(10g)を取り付け、約2cm/秒の速度でフックを降下させる。フックが糸の絡みにより停止した点までのフックの降下距離L[cm]を求め、上述の操作を50回(1回/m×50)繰り返し、その平均値で表す。なお、単繊維間に撚り、捩れがあるとこの値が小さくなる。
本発明に係るプリプレグは、プレス成形時の樹脂と炭素繊維の流動を抑制し、複雑な凹凸を備えた金型形状でのプレス成形においても、物性や外観を損ねない炭素繊維強化複合材料を得ることができる。特に成形後の炭素繊維強化複合材料の外観を、塗装などをせずに直接使用する用途においては、製品のロスを大幅に削減できる。
図1は、金型(上下)の一実施形態例を示した概略断面図である。 図2は、金型(下)の一実施形態例を示した概略表面図である。 図3は、炭素繊維強化複合材料の一実施形態を示したモデル断面図である。 図4は、本発明のプリプレグの製造に用いられるプリプレグ製造装置の一実施形態を示した概略図である。
以下、本発明のプレス成形用プリプレグについて説明する。
本発明における構成要素(A)の炭素繊維としては、ピッチ系、ポリアクリロニトリル系などの炭素繊維が好ましく用いられる。構成要素(A)の炭素繊維の引張強さは3000MPa以上5000MPa以下であり、好ましくは3500MPa以上4500MPa以下である。炭素繊維の引張強さを3000MPa以上とすることで、得られる繊維強化複合体の軽量化が可能となり、5000MPa以下とすることにより、成形体の切削加工における単糸の抜けを抑制できる。構成要素(A)の炭素繊維の弾性率は200GPa以上600GPa以下である。炭素繊維の弾性率を200GPa以上とすることで、本発明のプリプレグを用いて得られる成形体の厚みを薄く保つことができ、600GPa以下とすることにより、当該成形体の機械特性、とくに剪断強度を高く保つことができる。
さらに、構成要素(A)の炭素繊維は単糸が適度に交絡しているとよく、例えば耐炎化、炭化工程で撚りを掛けて焼成され、焼成された炭素繊維の単糸が交絡しているものや、原糸の製造工程から炭化巻取工程のいずれかで交絡処理を施された炭素繊維が好適に使用される。構成要素(A)の炭素繊維の交絡度は、上記した方法により測定される炭素繊維のフックドロップ値が10cm以下である必要がある。フックドロップ値を10cm以下とすることで、炭素繊維の集束性が高く、プレス成形する際に樹脂の流動による炭素繊維の動きが抑えられ、本発明のプリプレグを用いて得られる成形品表面の凹凸部分に発生する繊維割れを抑制することができる。好ましいフックドロップ値は2cm以上である。フックドロップ値を2cm以上とすることによって、炭素繊維の過度の集束性を押さえることで、薄物のプリプレグを割れ欠点なく作製することができる。
また、構成要素(A)の炭素繊維は、下記の方法により測定される炭素繊維表面の算術平均粗さRaが、15nm以上50nm以下である必要がある。表面粗さRaを15nm以上とすることによって、炭素繊維束を構成する単糸間に適度な空隙が生まれ、プレス成形する際の樹脂の流動を少なくすることができ、50nm以下とすることによって、炭素繊維の集束性が保たれ、樹脂の流動による単糸の動きを抑制することができる。かかる観点から、好ましい算術平均粗さRaは、20nm以上40nm以下である。
<炭素繊維の表面平滑度測定>
炭素繊維の表面平滑度は、表面の算術平均粗さ(Ra)によって評価する。算術平均表面粗さは、次のようにして測定する。測定試料としては、炭素繊維を長さ数mm程度にカットしたものを用い、銀ペーストを用いて基板(シリコンウエハ)上に固定し、原子間力顕微鏡(AFM)によって各単糸の中央部において、3次元表面形状の像を得る。原子間力顕微鏡としてはDigital Instuments社製 NanoScope IIIaにおいてDimension 3000ステージシステムを使用した。観測条件は下記条件とする。
・走査モード:タッピングモード
・探針:探針一体型シリコンカンチレバー
・走査範囲:2.5μm
・走査速度:0.3Hz
・ピクセル数:512×512
・測定環境:室温、大気中。
各試料について、単糸1本から1箇所ずつ観察して得られた像について、繊維断面の丸みを3次曲面で近似し、得られた像全体を対象として算術平均粗さ(Ra)を算出する。単繊維5本について算術平均粗さ(Ra)を求め、それらの平均値をとる。
また、炭素繊維の断面形状は、走査型電子顕微鏡で単糸の断面形状を測定し、その断面を楕円形に近似したときに、その長径と短径の比が1.10以上あることが好ましい。長径と短径の比を1.10以上することにより、炭素繊維の単糸間に適度な隙間を確保でき適当な糸の太さを確保することができる。
構成要素(A)の炭素繊維は、ポリアクリロニトリルプリカーサの湿式紡糸条件、すなわち、紡糸原液の溶媒種類、ポリマー重合度、共重合組成、ポリマー濃度などを定めた後、紡糸条件を調整することによってプリカーサの表面が比較的粗いものを製造し、それらを焼成して炭素繊維を得ることが好ましい。これらは凝固浴の温度、濃度、ポリマー原液の濃度を調整し、湿式紡糸を採用する場合は凝固糸の引取速度と口金吐出線速度との比、いわゆるドラフトを比較的高く保つことによって製造でき、乾湿式紡糸を採用する場合は、湿式紡糸よりはさらにドラフトを高く設定して、比較的凝固速度を低速にして凝固糸を得る凝固浴温度、濃度条件を採用することによって表面が適度に粗いプリカーサを製造できる。また主として凝固浴の溶媒の種類の選択や溶媒濃度の調節によって、長径と短径の比を1.10以上に設定できる
これらのプリカーサを製造する際に油剤として使用する界面活性剤は、焼成工程での融着や集束性不足による品質低下を防ぎ、得られる炭素繊維の物性を高く保つため、耐熱性有機化合物から成る油剤やシリコーン油剤を付与することが好ましい。
このようにして得たプリカーサを、張力下で200℃以上300℃以下の加熱雰囲気で耐炎化し、不活性ガス雰囲気下、最高温度2000℃以下で炭化し、必要で有れば同雰囲気下、最高温度3000℃以下で黒鉛化し、表面処理、サイジング処理後乾燥し、巻き上げることによって炭素繊維を得ることができる。これらの炭素繊維の表面粗さ、短径と長径の比は、プリカーサの表面粗さ、短径と長径の比を調整して、所望の値とすることができる。また、強度、弾性率は、繊維に傷が入らないように、張力や温度を設定して焼成することによって所望の値とすることができる。
表面処理を行った後に付与するサイジング剤として、エポキシ基やウレタン基を含む集束剤やその他の界面活性剤が用いられ、炭素繊維に対して好ましくは0.1質量%以上2質量%以下、より好ましくは0.3質量%以上1.2質量%以下のサイジング剤が付与された後、適宜張力をかけながら乾燥して、ワインダーに巻き上げることにより炭素繊維が得られる。炭素繊維の集束性を確保し糸乱れを防ぐために、本発明ではサイジング剤が付与された後の炭素繊維のドレープ値を好ましくは5cm以上18cm以下、より好ましくは8cm以上15cm以下とするように、付着量、乾燥条件を調整することが好ましい。下記の方法により測定される炭素繊維のドレープ値を5cm以上とすることによって、糸道を走行する糸条、特に単糸の集束性を確保できて、単糸の引き揃え斑を防ぐとともに、プリプレグ化時のクリールから含浸部に至る糸道での毛羽を防ぐことができる。またドレープ値を18cm以下に保つことによって単糸の良好な開繊性を確保できる。
<ドレープ値の測定>
炭素繊維束のパッケージから炭素繊維束を約1m程度引き出し、それをカットする。室温で炭素繊維束の上先端を固定し、下先端に30gの重りをつけ30分間放置する。その後、炭素繊維束から重りを外して約30cmにカットし、炭素繊維束が自重で撓まないように薄い板に乗せながら、炭素繊維束の片側を測定台に固定し、次いで炭素繊維束の他端を長さ25cm分台から引き出した状態で薄い板を取り外し、いわゆる片持ち梁の状態とし、その時の炭素繊維の先端から、引き出した台までの水平距離(cm)をドレープ値とする。
プリカーサの製造工程においては、糸条糸道を単糸に仮撚り、捻り、絡みなどが発生しないように、糸道ガイドを使用する場合は、糸幅に対して集束効果が少なく、摩擦が小さいものを使用し、糸条方向を転換するときには、転換の際、糸に非繊維軸方向の力が加わらないようにすることが好ましい。また、複数本の繊維束を合糸して最終の繊維とする場合は、繊維束に撚りや捻りを発生させず、繊維束や単糸の絡みを避ける糸道を採用することが好ましい。また、これらのプリカーサを炭素繊維製造工程に供するに際し、集束性を向上させるため、加撚しながら耐炎化工程に供し、炭化、表面処理、サイジング処理などを行った後、一旦ボビンに巻き取った後、解舒しながら解撚する方法や、巻取中に解撚して、無よりの炭素繊維を得ることが好ましい。また、必要に応じて、焼成工程では加撚した糸条を合糸しながら焼成し、最終製品に至るまでに分繊することも、生産性を向上するために有効である。
本発明における構成要素(B)の熱硬化性樹脂組成物としては、ポリエステル樹脂、ビニルエステル樹脂、エポキシ樹脂等が好ましく用いられる。熱硬化性樹脂組成物には、硬化剤、増粘剤、収縮防止剤等は適宜含まれていてもよい。本発明において、熱硬化性樹脂としてエポキシ樹脂が用いられることが好ましい。
エポキシ樹脂の具体例としては、ポリオールから得られるグリシジルエーテル、活性水素を複数個有するアミンより得られるグリシジルアミン、ポリカルボン酸より得られるグリシジルエステルや、分子内に複数の2重結合を有する化合物を酸化して得られるポリエポキシド等が挙げられる。例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂、テトラブロモビスフェノールA型エポキシ樹脂などのビスフェノール型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂などのノボラック型エポキシ樹脂、テトラグリシジルジアミノジフェニルメタン、トリグリシジルアミノフェノール、テトラグリシジルキシレンジアミンのようなグリシジルアミン型エポキシ樹脂等あるいはこれらの組み合わせが好適に用いられる。
構成要素(B)の好ましい例であるエポキシ樹脂組成物に用いられる硬化剤としては、エポキシ基と反応し得る活性基を有する化合物であれば用いることができる。例えば、アミン系硬化剤として、エチレンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、ヘキサメチレンジアミン、m−キシリレンジアミンのような脂肪族アミン類、メタフェニレンジアミン、ジアミノジフェニルメタン、ジアミノジエチルジフェニルメタン、ジアミノジエチルジフェニルスルホンなどの芳香族アミン類、ベンジルジメチルアミン、テトラメチルグアニジン、2,4,6−トリス(ジメチルアミノメチル)フェノールなどの第3アミン類、また、ジシアンジアミドのような塩基性活性水素化合物や、アジピン酸ジヒドラジドなどの有機酸ジヒドラジド、2−メチルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール、などのイミダゾール類が挙げられる。また、酸無水物系硬化剤として、ポリアジビン酸無水物、ポリ(エチルオクタデカン二酸)無水物、ポリセバシン酸無水物などの脂肪族酸無水物、メチルテトラヒドロ無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、メチルシクロヘキセンジカルボン酸無水物などの脂環式酸無水物、無水フタル酸、無水トリメット酸、無水ピロメリット酸、グリセロールトリストリメリテートなどの芳香族酸無水物、無水ヘット酸、テトラブロモ無水フタル酸などのハロゲン系酸無水物が挙げられる。本発明においては、比較的低温で硬化し、かつ保存安定性が良好なことから、硬化剤としてアミン系硬化剤、中でも塩基性活性水素化合物を好ましく用いることができる。
本発明においては、構成要素(B)に含まれる熱硬化性樹脂の硬化活性を高めるために、これら硬化剤に、適当な硬化促進剤を組み合わせて用いることができる。好ましい具体例としては、硬化剤であるジシアンジアミドなどのアミン系硬化剤に硬化促進剤として尿素誘導体やイミダゾール誘導体を組み合わせる例、硬化剤であるカルボン酸無水物やポリフェノール化合物に、硬化促進剤として3級アミンやイミダゾール誘導体を組み合わせる例などが挙げられる。本発明においては、比較的低温で硬化し、かつ保存安定性が良好なことから、硬化剤としてアミン系硬化剤、中でもジシアンジアミドに、硬化促進剤として尿素誘導体からなる尿素系硬化促進剤を併用することが好ましい。中でも尿素系硬化促進剤として3−フェニル−1,1ジメチルウレア、3−(3,4−ジクロロフェニル)−1,1−ジメチルウレア(DCMU)、1,1’−4(メチル−m−フェニレン)ビス(3,3’ジメチルウレア)などが好ましく用いられ、その中でも、分子内にウレア基を2個有する化合物、例えば1,1’−4(メチル−m−フェニレン)ビス(3,3’ジメチルウレア)が好ましく用いられる。
構成要素(B)の熱硬化性樹脂組成物には、上記の熱硬化性樹脂、硬化剤、硬化促進剤の他、高分子化合物、有機粒子、無機粒子など、他の成分を適宜その目的に応じて配合することができ、高分子化合物としては、熱可塑性樹脂が好ましく用いられる。かかる熱可塑性樹脂を配合すれば、前記熱硬化性樹脂組成物の粘度やプリプレグの取り扱い性の適正化、また極性の高いものは、接着性を改善する効果が期待できるため好ましい。
かかる熱可塑性樹脂としては、主鎖に、炭素−炭素結合、アミド結合、イミド結合、エステル結合、エーテル結合、カーボネート結合、ウレタン結合、尿素結合、チオエーテル結合、スルホン結合、イミダゾール結合、カルボニル結合から選ばれる結合を有する熱可塑性樹脂が好ましく使用される。これら熱可塑性樹脂の中でも、ポリアクリレート、ポリアミド、ポリアラミド、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリフェニレンスルフィド、ポリベンズイミダゾール、ポリイミド、ポリエーテルイミド、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリビニルアセタール、ポリビニルホルマールのようなエンジニアリングプラスチックに属する熱可塑性樹脂の一群がより好ましく使用される。
特に、ポリビニルアセタールやポリビニルホルマールなどのポリビニル化合物は、加熱によりエポキシ樹脂に容易に可溶し、硬化物の耐熱性を損なうことなく炭素繊維との接着性を改善するとともに、粘度調整が可能であるため、本発明における熱可塑性樹脂として好ましい。
かかる熱可塑性樹脂の好ましい配合量は、熱硬化性樹脂組成物、好ましくはエポキシ樹脂組成物における全エポキシ樹脂100質量部に対して、0.1質量部以上8質量部以下である。配合量を0.1質量部以上とすることで、室温下におけるプリプレグのべとつきが抑えられ、プリプレグを積層する際の取り扱い性が良好となる。配合量を8質量部以下とすることで、プリプレグを製造する際に、構成要素(A)の炭素繊維からなる糸束へ構成要素(B)の熱硬化性樹脂組成物が含浸し易くなり、それを成形してなる炭素繊維強化複合材料の力学的強度がボイドにより低下することを防ぐことができる。
また、かかる熱硬化性樹脂組成物に配合される有機粒子としてはゴム粒子が好ましく用いられ、このゴム粒子は、マトリックス樹脂である熱硬化性樹脂組成物を硬化して得られる硬化物の靭性が向上し、その硬化物を含んでなる炭素繊維強化複合材料製部材の耐衝撃性が向上する効果を有するので好ましい。かかるゴム粒子としては、架橋ゴム粒子、および架橋ゴム粒子の表面に異種ポリマーをグラフト重合したコアシェルゴム粒子が好ましく用いられる。
かかる熱硬化性樹脂組成物に配合される無機粒子としては、シリカ、アルミナ、スメクタイト、合成マイカ等が好ましく用いられる。これらの無機粒子は、主としてレオロジー制御、すなわち、増粘や揺変性付与のために、構成要素(B)の熱硬化性樹脂組成物に配合される。
構成要素(B)の熱硬化性樹脂組成物は、以上説明した熱硬化性樹脂、硬化剤、硬化促進剤、有機・無機粒子などが組み合わされてなり、下記の方法により測定される100〜150℃における最低粘度を0.5Pa・s以上10Pa・s以下とする必要があり、24℃における粘度を10,000Pa・s以上200,000Pa・s以下とすることが必要である。
<樹脂組成物の粘度測定>
レオメトリック・サイエンティフィック・エフ・イー社製粘弾性測定装置ARESを使用し、半径20mmの平行平板を用い、平行平板間の距離1.0mm、開始温度23℃から昇温速度1.5℃/分、測定周波数0.5Hzの条件下で粘弾性測定を行ない、複素粘性率η*を粘度とする。
プリプレグは、その賦形までの作業を室温の状態で行なうことが多く、室温での取り扱い性が良好であることが求められため、本発明では、構成要素(B)の熱硬化性樹脂組成物の24℃における粘度が10,000Pa・s以上200,000Pa・s以下であるとよい。粘度を10,000Pa・s以上とすることで、プリプレグに適度な固さが付与され、取り扱う際に皺が入ったり、また繊維配列を乱したりして成形体の強度低下を招くことを防ぐことができる。また、粘度を200,000Pa・s以下とすることで、プリプレグの柔軟性が保たれ、金型に沿わせることができる。
さらに、本発明のプリプレグを成形する時に内在する空気を追い出すため、加熱硬化の間に適度に樹脂が流れる程度の粘度まで軟化する必要があり、本発明では、構成要素(B)の熱硬化性樹脂組成物の100〜150℃における最低粘度を0.5Pa・s以上10Pa・s以下とすることが必要である。最低粘度を0.5Pa・s以上とすることで、金型外へのマトリックス樹脂の流出と、マトリックス樹脂が沈み込むことによる成形品の表面の樹脂枯れを抑制することができる。また、最低粘度を10Pa・s以下とすることで、マトリックス樹脂に流動性が付与され、プリプレグを積層した際に形成される層間のボイドによる炭素繊維強化複合材料の力学的強度の低下を防ぐことができる。
以上のような樹脂粘度を実現するためには、例えば、熱硬化性樹脂100質量部に対して、前述のアミン系硬化剤を4〜8質量部、尿素系硬化促進剤を0.5〜5質量部、熱可塑性樹脂を0.1〜8質量部の範囲で配合し、熱硬化性樹脂組成物の粘度を調整することが好ましい。
本発明のプリプレグは、炭素繊維の目付が50g/m以上200g/m以下が好ましく、さらに70g/m以上180g/m以下であることがより好ましい。繊維目付を200g/m以下とすることにより、金型の複雑な凹凸形状に沿わせることができ、成形時の繊維割れを抑制することができる。かかる観点から、さらに好ましい繊維目付は180g/m以下である。また、繊維目付を50g/m以上とすることにより、プリプレグの加工が容易となり、製造速度を上げることができ、また、必要な成形品厚みを得るためのプリプレグの積層数を少なくすることができる。かかる観点から、さらに好ましい繊維目付は70g/m以上である。
本発明のプリプレグの樹脂含有率は、20質量%以上50質量%以下が好ましく、25質量%以上40質量%以下であることがより好ましい。樹脂含有率を20質量%以上とすることにより、成形体を製造した際に樹脂を表面に均一に存在させやすくなる。かかる観点から、さらに好ましくは25質量%以上である。また、樹脂含有率を50質量%以下とすることにより、金型外への樹脂の流出と、成形時の樹脂の流動によって繊維配向が乱されることを抑制できる。かかる観点から、さらに好ましくは40質量%以下である。
本発明のプリプレグの製造方法としては、前記熱硬化性樹脂組成物を加熱して低粘度化することにより、炭素繊維束に含浸させるホットメルト法等を挙げることができる。ホットメルト法では、加熱により低粘度化した熱硬化性樹脂組成物を炭素繊維束に含浸させるか、又は樹脂組成物を離型紙等の上にコーティングした樹脂シートを作製した後、炭素繊維束の両側又は片側から樹脂シートを重ね、加熱加圧することにより樹脂を含浸させることによりプリプレグが得られる。このホットメルト法は、プリプレグ中に溶媒が残留することがないため好ましい。
本発明のプリプレグの製造に用いられるプリプレグ製造装置の一実施形態を示した概略図である図4に示すように、一方向に配列された炭素繊維からなる糸束6を導入ロール7よりプリプレグ用樹脂シート12(12の一方はプリプレグ用樹脂シートでなく離型紙のみでも良い)で挟み込み、ヒーター8で加熱し、含浸ロール9にて炭素繊維からなる糸束に熱硬化性樹脂組成物を80〜150℃程度に加熱、40〜150N/cmで加圧含浸し、必要に応じて保護フィルムを上面に貼り付け、引取ロール10で引き取ることにより連続的にプリプレグを製造できる。そして、離型紙13を剥ぎ取り、連続して巻き上げることにより一方向炭素繊維プリプレグのロール体11が得られる。
このようにして得られたプリプレグの成形方法としては、シートワインディングによって筒状体に成形し、ラッピングテープなどで表面を締結したのち、加熱炉で硬化させる。あるいは、所定の配向角で積層し、真空バッグを用いてボイドを除去しながらオートクレーブや加熱炉で硬化させる等、様々な方法で成形することができるが、本発明のプリプレグは特に金型でのハイサイクルプレス成形に好適に用いることができる。
本発明のプリプレグのプレス成形条件としては、前記熱硬化性樹脂組成物の硬化温度以上、熱硬化性樹脂組成物の最低粘度到達温度+60℃以下で成形することが好ましく、金型温度を140℃以上170℃以下とすることが好ましい。金型温度を140℃以上とすることで、樹脂に適度な流動性が付与され、プリプレグ積層間のボイドによる炭素繊維強化複合材料の力学的強度の低下を防ぐことができる。金型温度を170℃以下とすることで、金型外への樹脂の流出と、樹脂が沈み込むことによる成形品の表面の樹脂枯れを抑制することができる。
また、本発明のプリプレグのプレス成形に用いる金型としては、プリプレグ中の炭素繊維の体積含有率、目付、比重、およびプリプレグの積層枚数から計算される炭素繊維強化複合材料の理論厚みと、プリプレグ積層体の上下面に貼り合わせる離型フィルムの合計厚みよりも金型のクリアランスを狭く設定する必要がある。クリアランスは炭素繊維強化複合材料の理論厚みと離型フィルムの合計厚みよりも0.01mm以上0.05mm以下の範囲で狭くすることが好ましい。クリアランスを上記厚みよりも0.01mm以上狭くすることで、金型形状が転写され、樹脂枯れを防止するとともに、所定の形状を得ることができる。クリアランスを上記厚みよりも0.05mm以下の範囲で狭くすることで、金型外への樹脂の流出と、過剰な圧力付与による繊維割れを防止することができる。ここで、炭素繊維強化複合材料の理論厚みとは、以下の式より算出される値である。
理論厚み(mm)=炭素繊維の目付(g/m)×プリプレグの積層枚数/(炭素繊維の体積含有率(%)×炭素繊維の比重(g/cm)×10)。
本発明のプリプレグはプレス成形によって成形後の外観が優れたものと成る。特に、複雑な凹凸形状を備えた金型でのプレス成形での樹脂枯れ、および、繊維割れの発生が少なく、製品のロスを大幅に削減できる。
本発明の炭素繊維、熱硬化性樹脂組成物、炭素繊維プリプレグおよび炭素繊維強化複合材料について、実施例を挙げて説明する。なお、各実施例の炭素繊維、樹脂組成物、プリプレグ、繊維強化複合材料の特性は、表1にまとめて示す。
(実施例1)
<炭素繊維の作製>
アクリロニトリル99.5モル%、イタコン酸0.5モル%からなる固有粘度[η]が1.80のアクリロニトリル系重合体を20質量%含むジメチルスルホキシド溶液を紡糸原液として、孔径が0.05mmφ、3000ホールの口金を用いて、ジメチルスルホキシド55%水溶液から成る凝固浴に導入して凝固糸を得た。該凝固糸を水洗・延伸し、界面活性剤を付与した後、乾燥緻密化を行い、スチーム延伸し、合糸して6000フィラメントのプリカーサを得た。この際、口金から巻取りまでの糸道で、糸条に捻りやそれに伴う仮撚りが付与されることを防ぐため、ロールやガイドを工夫して、最終のプリカーサの交絡度が1.5のものを得た。
このプリカーサを炭化工程に供し、クリールから解舒する時に加撚しながら解舒して、耐炎化し、最高温度1400℃で炭化した。その後、同張力で連続して陽極酸化してマトリックスとのなじみ性を付与した後、エポキシ化合物を含むサイジング剤を1質量%付着させ、乾燥することによって、繊度400tex、フィラメント数6000、JIS R7608:2007に従って測定したストランド強度3530MPa、弾性率235GPaの炭素繊維を得た。この炭素繊維を焼成時に付与したより数で反対の方向に解撚し、無撚りの炭素繊維を得た。この炭素繊維の表面平滑度Raは30.0nmで、フックドロップ値は7.9cmであった。また単糸の真円度は1.18で、ドレープ値は11cmであった。
<樹脂組成物の調製>
三菱化学(株)製jER828(ビスフェノールA型エポキシ樹脂):35質量部、jER1001(ビスフェノールA型エポキシ樹脂):35質量部、jER154(フェノールノボラック型エポキシ樹脂):30質量部と、チッソ(株)製ビニレックK(ポリビニルホルマール):3質量部を溶融混練し、40から60℃で三菱化学(株)製DICY−7(ジシアンジアミド):5質量部、CVCスペシャリティケミカルズ製オミキュア24(2,4−トルエンビス(ジメチルウレア)):4.2質量部を加えて混練し、樹脂組成物を得た。得られた樹脂組成物の粘度は、100〜150℃における最低粘度が1.3Pa・sであり、24℃における粘度が90,000Pa・sであった。
<プリプレグの作製>
調製した樹脂組成物をリバースロールコータを用いて離型紙上に塗布して樹脂シートを作製した。樹脂シートの樹脂目付は37g/mとした。 次に、作製した炭素繊維を、炭素繊維の目付が150g/mとなるようにシート状に一方向に整列させ、樹脂シートを炭素繊維の両面から重ね、加熱加圧して樹脂組成物を含浸させ、一方向プリプレグを作製した。
<炭素繊維強化複合材料板の作製>
作製したプリプレグを840mm×640mmのサイズにカットし、炭素繊維の繊維軸方向を0°としたときに、0°/90°/0°/0°/90°/0°となるように合計6層積層させた。この積層体を離型フィルムで挟んだものを、積層体中の空気を抜く目的で5分間真空引きを行った後、図1および図2に例示した金型を用いて、金型温度150℃、圧力1.5MPa、硬化時間20分、プレス後の厚み0.9mmでプレス成形し、炭素繊維強化複合材料板を得た。
<炭素繊維強化複合材料板の外観検査>
上記方法にて50枚の炭素繊維強化複合材料板を製作し、複合材料板の表面について、2人の検査者が樹脂枯れ、繊維割れ等の外観不良の有無を検査した結果、外観不良の発生率は0%と良好な結果であった。
(実施例2〜6、比較例1〜5)
実施例1と同じポリマー原液を使用して、口金ホール数、紡糸方法、紡糸・焼成条件を調整することによって、焼成後の表面粗さ、フックドロップ値が表1に示される各種炭素繊維を製造した。この際、以下に記載した条件以外は実施例1と同一の方法とした。実施例6では紡糸浴の溶媒濃度を調整し、同様の焼成条件によって、比較例3,4においては紡糸において、ポリマーを一旦空気中に吐出したのち、凝固浴に導入する方法とし、無撚焼成することで炭素繊維を製造した。なお、単糸の真円度は、実施例2,5、比較例1,2,5では1.18、実施例3,4では1.32、実施例6では1.08、比較例3,4では1.04であり、ドレープ性は、実施例2,5、比較例1,2,5では11cm、実施例3,4では16cm,実施例6では10cm、比較例3,4では18cmであった。
熱硬化性樹脂組成物については、実施例2〜6、比較例1〜4はビニレックKの量を0質量部〜9質量部に変更した以外は実施例1と同様に、各種粘度の熱硬化性樹脂組成物を調製した。比較例5はビニレックKの量を10質量部に、オミキュア24を保土ヶ谷化学工業(株)製DCMU99に変更した以外は実施例1と同様に、各種粘度の熱硬化性樹脂組成物を調製した。
これらの炭素繊維と熱硬化性樹脂組成物を組み合わせ、目付を変えてプリプレグを作製し、それぞれのプリプレグを積層の方向と枚数は変えずに、プレス後の厚みのみを調製して、炭素繊維強化複合材料板を成形した結果を表1に示す。
成形体の外観不良の発生率は、表1に示すとおり、構成要素(A)、(B)を満足する炭素繊維プリプレグを使用した場合(実施例1〜6)、外観不良の発生率は極めて低く、生産性に優れていた。
構成要素(A)、(B)のいずれか一方を満足しない炭素繊維プリプレグを使用した場合(比較例1〜5)については、外観不良の発生率が高く、生産性に劣っていた。
なお、積層体の最表層に、構成要素(A)、(B)を満足する炭素繊維プリプレグ(実施例1〜6)を使用し、2層目以降に構成要素(A)、(B)のいずれか一方を満足しない炭素繊維プリプレグ(比較例1〜5)を使用した場合においても、外観不良の発生率は極めて低く、生産性に優れていた。
Figure 2014173053
本発明の炭素繊維プリプレグは、複雑な凹凸を備えた金型形状でのプレス成形においても、優れた品質の成形品を高い生産性で製造きるため、自動車部材のような量産性を求められる部材の製造に好適に使用できる。
1:金型(上型)
2:金型(下型)
3:プリプレグ挿入スペース
4:炭素繊維単糸(断面)
5:炭素繊維単糸(側面)
6:一方向に配列された炭素繊維束
7:導入ロール
8:ヒーター
9:含浸ロール
10:引取ロール
11:一方向炭素繊維プリプレグのロール体
12:プリプレグ用樹脂シート
13:離型紙
AA’:金型断面
a:炭素繊維強化複合材料(最表層)
b:炭素繊維強化複合材料(2層目)
c:樹脂枯れ
d:繊維割れ

Claims (5)

  1. 一方向に配列した炭素繊維に熱硬化性樹脂組成物を含浸させてなるプリプレグであって、前記炭素繊維と、前記熱硬化性樹脂組成物が次の(A)、(B)を満足することを特徴とするプレス成形用プリプレグ。
    (A)引張強度が3000MPa以上5000MPa以下の範囲にあり、引張弾性率が200GPa以上600GPa以下の範囲にあり、原子間力顕微鏡により測定される表面粗さRaが15nm以上50nm以下の範囲にあり、フックドロップ値が10cm以下である炭素繊維。
    (B)100〜150℃における最低粘度が0.5Pa・s以上10Pa・s以下の範囲にあり、24℃における粘度が10,000Pa・s以上200,000Pa・s以下の範囲にある熱硬化性樹脂組成物。
  2. 前記表面粗さRaが20nm以上40nm以下の範囲にある、請求項1に記載のプレス成形用プリプレグ。
  3. 前記熱硬化性樹脂組成物がエポキシ樹脂組成物であり、エポキシ樹脂組成物中のエポキシ樹脂100質量部に対して0.1質量部以上8質量部以下のポリビニル化合物を含む、請求項1または2に記載のプレス成形用プリプレグ。
  4. 炭素繊維の目付が50g/m以上200g/m以下であり、樹脂含有率が20質量%以上50質量%以下である、請求項1〜3のいずれかに記載のプレス成形用プリプレグ。
  5. 請求項1〜4のいずれかに記載のプレス成形用プリプレグを、最表面に積層した後にプレス成形して得られる炭素繊維強化複合材料。
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