JP2009144303A - サイジング剤およびサイジング処理炭素繊維束 - Google Patents

サイジング剤およびサイジング処理炭素繊維束 Download PDF

Info

Publication number
JP2009144303A
JP2009144303A JP2007325978A JP2007325978A JP2009144303A JP 2009144303 A JP2009144303 A JP 2009144303A JP 2007325978 A JP2007325978 A JP 2007325978A JP 2007325978 A JP2007325978 A JP 2007325978A JP 2009144303 A JP2009144303 A JP 2009144303A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
carbon fiber
fiber bundle
sizing agent
sizing
mass
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2007325978A
Other languages
English (en)
Other versions
JP5059579B2 (ja
Inventor
Tomoyuki Kotani
知之 小谷
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Rayon Co Ltd
Original Assignee
Mitsubishi Rayon Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsubishi Rayon Co Ltd filed Critical Mitsubishi Rayon Co Ltd
Priority to JP2007325978A priority Critical patent/JP5059579B2/ja
Publication of JP2009144303A publication Critical patent/JP2009144303A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5059579B2 publication Critical patent/JP5059579B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Landscapes

  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
  • Treatments For Attaching Organic Compounds To Fibrous Goods (AREA)

Abstract

【課題】引張強度に優れたサイジング処理炭素繊維束を提供する。
【解決手段】(1)のビスフェノールA−ポリプロピレンエーテル型エポキシ樹脂と(2)のビスフェノールA型エポキシ樹脂と界面活性剤からなるサイジング剤を付着させる。
Figure 2009144303

Figure 2009144303

【選択図】なし

Description

本発明はサイジング剤およびサイジング処理炭素繊維束に関する。
炭素繊維強化複合材料は、軽量で比強度および比弾性率等の機械的強度に優れているため、ゴルフシャフトや釣り竿等のスポーツ用途や、航空機用構造材料等に広く用いられている。
このような炭素繊維強化複合材料を得るために炭素繊維束が用いられるが、この炭素繊維束は、例えば、熱硬化性樹脂を含むサイジング剤が付着されてなるものである。このような炭素繊維束に付与される熱硬化性樹脂としては、フェノール樹脂、メラミン樹脂、ビスマレイミド樹脂、不飽和ポリエステル樹脂およびエポキシ樹脂等が使用される。中でも、エポキシ樹脂は、耐熱性、成形性および炭素繊維との接着性に優れ、高度の機械的強度を有する炭素繊維強化複合材料が得られる、熱硬化性樹脂である。
かかる炭素繊維強化複合材料を、航空機、車両および船舶等の構造材料として適用する場合は、炭素繊維強化複合材料中の繊維長さ方向の引張強度を高いレベルで実現させることが要求されている。
これまでにも、可撓性付与剤として知られているビスフェノール型ポリアルキレンエーテルエポキシ化合物をサイジング剤として使用する方法が提案されている(例えば、特許文献1)。また、炭素繊維強化複合材料の引張強度を向上させるため、可撓性付与剤として知られているダイマー酸エポキシ樹脂をサイジング剤として使用する方法が提案されている(例えば、特許文献2)。
特開昭61−28074号公報 特開2004−149721号公報
しかしながら、これらの提案では、炭素繊維強化複合材料中の繊維長さ方向の引張強度は優れるものの、未だ充分な強度ではないという問題があった。
本発明の目的は、繊維長さ方向の引張強度に優れた炭素繊維強化複合材料を得ることができるサイジング剤、およびサイジング処理炭素繊維束を目的とする。
本発明者らは、鋭意検討した結果、特定の骨格を有するエポキシ樹脂を含むサイジング剤が付着されてなるサイジング処理炭素繊維束によって、上記課題を解決できることを見い出して、本発明に至った。
すなわち本発明のサイジング剤は、下記一般式(1)
Figure 2009144303
[式(1)中、nは1〜19の整数であり、mは1〜19の整数である。また、n+m=2〜20の整数である。]
で表される、ビスフェノールA−ポリプロピレンエーテル型エポキシ樹脂を50〜90質量%含有し、
下記一般式(2)
Figure 2009144303
[式(2)中、pは1以上の整数である。]
で表される、軟化点が50℃以上であるビスフェノールA型固形エポキシ樹脂を5〜20質量%含有し、
かつ、界面活性剤を5〜30質量%含有するサイジング剤であることを特徴とする。
本発明のサイジング処理炭素繊維束は、前記サイジング剤が付着されてなることを特徴とし、サイジング剤の付着量が、0.2〜10質量%であることが好ましい。
本発明のサイジング剤と、サイジング処理炭素繊維束によれば、繊維長さ方向の引張強度に優れた、炭素繊維強化複合材料を得ることができる。
本発明のサイジング剤は、(a)成分として、前記一般式(1)の成分を50〜90質量%含有し、(b)成分として、前記一般式(2)の成分を5〜20質量%含有し、(c)成分として界面活性剤を5〜30質量%含有することよりなる。
<(a)成分>
上記一般式(1)中、nおよびmは1〜19の整数であり、好ましくは2〜15である。1未満であると、炭素繊維強化複合材料において、炭素繊維表面近傍の硬化樹脂層の伸度、および靭性向上の程度が小さくなり、引張強度が低下する場合がある。19を超えると、炭素繊維強化複合材料において、炭素繊維表面近傍の硬化樹脂層の伸度および靭性向上の程度が小さくなり、引張強度が低下する場合があるためである。
また、n+m=2〜20の整数であり、好ましくは4〜17でる。2未満であると、炭素繊維強化複合材料において、炭素繊維表面近傍の硬化樹脂層の伸度、および靭性向上の程度が小さくなり、引張強度が低下する場合がある。20を超えると、炭素繊維強化複合材料において、炭素繊維表面近傍の硬化樹脂層の伸度および靭性向上の程度が小さくなり、引張強度が低下する場合があるためである。
このようなビスフェノールA−ポリプロピレンエーテル型エポキシ樹脂の商品として、EP−4000(株式会社ADEKA製)や、EP−4005(株式会社ADEKA製)等を挙げることができる。
また、サイジング剤中の(a)成分は、1種単独であっても良いし、2種以上を併用しても良い。
サイジング剤中の(a)成分の割合は、50〜90質量%であり、好ましくは60〜80質量%である。50質量%未満であると、炭素繊維強化複合材料において、炭素繊維表面近傍の硬化樹脂層の伸度、および靭性向上の程度が小さくなり、引張強度が低下する場合がある。また、90質量%を超えると、炭素繊維強化複合材料において、炭素繊維表面近傍の硬化樹脂層の伸度および靭性向上の程度が小さくなり、引張強度が低下する場合があるためである。
<(B)成分>
上記一般式(2)中、pは1以上の整数であり、好ましくは2〜12である。1未満であると炭素繊維強化複合材料において、炭素繊維表面近傍の硬化樹脂層の伸度、および靭性向上の程度が小さくなり、引張強度が低下する場合があるためである。
また、(B)成分の軟化点は50℃以上であり、好ましくは60〜200℃である。軟化点が50℃未満であれば、炭素繊維強化複合材料において、炭素繊維表面近傍の硬化樹脂層の伸度、および靭性向上の程度が小さくなり、引張強度が低下する場合があるためである。なお、本発明における軟化点とは、JIS−K7234によって規定される温度をいう。
このような、ビスフェノールA型固形エポキシ樹脂の商品として、EP−1001(ジャパンエポキシレジン株式会社製)、EP−1002(ジャパンエポキシレジン株式会社製)、EP−1004(ジャパンエポキシレジン株式会社製)を挙げることができる。
サイジング剤中の(b)成分の割合は、5〜20質量%であり、好ましくは6〜15質量%である。5質量%未満であると、炭素繊維強化複合材料において、炭素繊維表面近傍の硬化樹脂層の伸度、および靭性向上の程度が小さくなり、引張強度が低下する場合がある。また、20質量%を超えると、炭素繊維強化複合材料において、炭素繊維表面近傍の硬化樹脂層の伸度および靭性向上の程度が小さくなり、引張強度が低下する場合があるためである。
<(C)成分>
本発明における界面活性剤は特に限定されず、アニオン系界面活性剤、カチオン系界面活性剤、ノニオン系界面活性剤のいずれであっても良く、この内、ノニオン系界面活性剤であることが好ましい。アニオン系界面活性剤およびカチオン系界面活性剤を含むことにより、炭素繊維束を長期間保存した際に(A)成分および(B)成分が硬化することがあるためである。
サイジング剤中における(C)成分の割合は、5〜30質量%であり、好ましくは10〜20質量%である。5質量%未満であると、サイジング剤の溶液あるいは分散液(以降、サイジング液という)中の濃度むらが生じ、サイジング剤の炭素繊維束への浸透が不均一になるおそれがある。一方、30質量%を超えると、サイジング液における乳化剤の効果は飽和し、また、炭素繊維束に、充分量の(a)、(b)成分が付着できないおそれがあるためである。
<溶媒>
サイジング液に用いる溶媒または分散媒は特に限定されないが、取り扱い性および安全性の面から、水を用いることが好ましい。
<その他任意成分>
サイジング剤には、本発明の目的を阻害しない範囲で、取り扱い性の向上や機能付与のために、他の成分を配合することができる。
例えば、サイジング処理炭素繊維束の耐擦過性や集束性をより向上させるため、他のエポキシ樹脂を複数種混合して使用することができる。他のエポキシ樹脂としては、具体的には、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、テトラグリシジルアミン、トリグリシジルアミン等の多官能エポキシ樹脂、ノボラック型エポキシ樹脂、ポリエチレングリコール型、1,6−ヘキサンジオール型、およびグリセリン型等のエポキシ樹脂多官能型反応性希釈剤を挙げることができる。このような、他のエポキシ樹脂は、サイジング剤中に0〜40質量%配合することができる。
また、本発明で用いられるサイジング剤には、炭素繊維の取り扱い性、耐擦過性および耐毛羽性の向上、マトリックス樹脂の含浸性の向上のため、必要に応じて、ポリウレタン、ポリエステルおよびポリアミド樹脂等のエポキシ樹脂以外の樹脂や、分散剤等の補助成分を添加することができる。
本発明のサイジング処理炭素繊維束は、上述のサイジング剤が、炭素繊維束に付着されてなる。
本発明における炭素繊維束へのサイジング剤の付着量は特に限定されないが、下記(I)式で表されるサイジング剤付着量が、0.2〜10質量%であることが好ましく、0.4〜3質量%の範囲であることがより好ましい。炭素繊維束に対するサイジング剤の付着量が0.2質量%未満であると、炭素繊維強化複合材料において、炭素繊維表面近傍の柔軟樹脂層の伸度および靭性向上程度が小さく、引張強度が低下する場合がある。また、サイジング処理炭素繊維束が、プリプレグ化および製織される際に、金属ガイド等との摩擦によって、毛羽発生し易い傾向にある。この結果、作成したプリプレグは、平滑性等の品位が低下してしまう場合がある。一方、サイジング剤の付着量が10質量%を超えると、エポキシ樹脂等のマトリックス樹脂が、炭素繊維束周囲のサイジング剤膜に阻害されて、炭素繊維束内部に含浸できず、得られる炭素繊維強化複合材料においてボイド生成し易い傾向となる。この結果、炭素繊維強化複合材料の品位が低下し、かつ機械物性が低下する場合があるためである。
Figure 2009144303
(炭素繊維束)
本発明における炭素繊維束は特に限定されないが、例えば、ポリアクリロニトリル(PAN)系、レーヨン系あるいはピッチ系等の公知の炭素繊維フィラメントが、数千から数万本束になったものを挙げることができる。特に、補強効果を得る上では、高強度のサイジング処理炭素繊維束が得られやすいPAN系炭素繊維束を使用することが好ましい。
炭素繊維束としては、総繊度は好ましくは400〜3000テックスである。フィラメント数は、1000〜100000本が好ましく、3000〜50000本であることがさらに好ましい。そして、炭素繊維束としての強度は、1〜10GPaが好ましく、5〜8GPaであることがさらに好ましい。また、弾性率は100〜1000GPaが好ましく、200〜600GPaであることがさらに好ましい。
なお、炭素繊維束の強度および弾性率とは、JIS−R7608の方法で測定される強度と、弾性率とを言う。
(サイジング処理炭素繊維束の製造方法)
本発明のサイジング処理炭素繊維束の製造方法は、サイジング剤を炭素繊維束に含浸させて、乾燥させることよりなる。
以下に、PAN系炭素繊維束を用いる場合を例として、本発明のサイジング処理炭素繊維束の製造方法を詳細に説明する。
炭素繊維の前駆体繊維を得るための紡糸方法としては、湿式、乾式あるいは乾湿式等の紡糸方法を採用することができるが、高強度の繊維が得られやすい湿式あるいは乾湿式紡糸が好ましく、特に湿式紡糸が好ましい。紡糸原液には、ポリアクリロニトリルのホモポリマーあるいは共重合体の溶液あるいは懸濁液等を用いることができる。
前記紡糸原液を口金に通して紡糸し、凝固、水洗および延伸して前駆体繊維とし、該前駆体繊維を耐炎化処理、炭化処理、必要に応じて更に黒鉛化処理をすることによって炭素繊維束とする。得られた炭素繊維束は、炭素繊維強化複合材料化される際に組み合わされるマトリックス樹脂との接着性を良好なものとするため、必要に応じて電解表面処理等の表面酸化処理がなされる。このようにして、実質的に撚りのない炭素繊維束を得る。
次いで、サイジング剤を溶媒に溶解、または分散したサイジング液を用いて、炭素繊維束にサイジング剤を付着させる。
炭素繊維束にサイジング液を付与する手段は、特に限定されることはなく、ローラーサイジング法、ローラー浸漬法およびスプレー法等を用いることができる。中でも、ローラー浸漬法が好ましく用いられる。一束あたりの単繊維数が多い炭素繊維束についても、サイジング剤を均一に付与しうるためである。
サイジング液におけるサイジング剤の濃度は、サイジング液の付与方法および付与した後に余剰のサイジング液を絞り取る量との調整等によって適宜設定することが好ましく、0.2〜20質量%の範囲で調製することが好ましい。0.2質量%未満であると、炭素繊維束へのサイジング剤の付着量が不充分となり、20質量%を超えると炭素繊維束の収束性が高くなりすぎ、複合材料への成形の際に、樹脂の含浸が不良になるためである。
サイジング液の液温は、溶媒または分散媒の蒸発によるサイジング剤の濃度変動を抑えるため、10〜50℃の範囲が好ましい。また、サイジング液を付与した後に余剰のサイジング液を絞り取る量を調整することにより、サイジング剤の付着量および炭素繊維束内への均一付与ができる。
次いで、溶媒または分散媒を乾燥、除去することにより、サイジング処理炭素繊維束を得ることができる。サイジング液の溶媒または分散媒を乾燥除去する際の条件は、120〜300℃の温度で、10秒〜10分間の範囲が好適であり、より好適には150〜250℃の温度で、30秒〜4分間の範囲である。120℃未満であると、溶媒の除去が不充分となり、300℃以上では、サイジング処理炭素繊維束の品質が劣化するおそれがあるためである。
本発明のサイジング処理炭素繊維束では、次のような作用が推測される。
サイジング剤中の(a)成分、(b)成分のエポキシ樹脂が、炭素繊維表面近傍に留まって、マトリックス樹脂と相溶し、樹脂柔軟層を形成する。この炭素繊維束を構成する単繊維を把持する樹脂柔軟層は、(a)成分が柔軟であり、かつ(b)成分が炭素繊維との接着性が良好である。このため、樹脂伸度を高めて、繊維方向に垂直な方向の張力に対しての応力緩和効果と、炭素繊維束を構成する単繊維の破断に対して、硬化樹脂が破壊を抑制する作用として働く効果とにより、炭素繊維強化複合材料の引張強度を向上させるものと考えられる。
また、乳化剤の作用により、サイジング剤が炭素繊維束に浸透しやすくなり、単繊維毎に充分に付着する。この結果、本発明の炭素繊維束は、繊維方向の引張強度に優れ、航空機用構造材料用途、ゴルフシャフトや釣り竿等のスポーツ用品用途、およびその他一般の産業用途に好適に適用しうる。
以下、本発明について実施例を挙げて具体的に説明するが、実施例に限定されるものではない。
実施例中における、各種測定方法は次の通りである。
(サイジング剤付着量率の測定)
約2gのサイジング処理炭素繊維束を秤量(W1)し、該サイジング処理炭素繊維束を50リットル/分の窒素気流中、温度450℃に設定した電気炉(容量120cm )に15分間放置し、サイジング剤を完全に熱分解させる。そして、20リットル/分の乾燥窒素気流中の容器に移し、15分間冷却した後の炭素繊維束を秤量(W2)して、次式よりサイジング剤付着量を求める。
Figure 2009144303
(ストランド強度の測定)
ストランド強度および弾性率はJIS−R7601の方法で測定した。
ストランドの作製は、ジャパンエポキシレジン株式会社製エピコート828(100質量部)、無水メチルナジック酸(90質量部)、ジベンジルジメチルアミン(2質量部)、アセトン(50質量部)を混合した組成の樹脂を、炭素繊維束に含浸後、50℃で1時間、130℃で1時間かけて昇温後、130℃、2時間の条件で硬化させ、樹脂含浸ストランドを得る。得られた樹脂含浸ストランドを用い、樹脂含浸ストランド試験法(JIS R7601に準拠)により樹脂含浸ストランドの引張強度および弾性率を求めた。
(0°引張強度の測定)
三菱レイヨン株式会社製エポキシ樹脂#1053Xと、サイジング処理炭素繊維束とから、炭素繊維目付け198g/m、樹脂含有率35質量%の一方向プリプレグを作成し、そのプリプレグを一方向積層して、1mm厚の硬化板を作成した。0°引張強度は、JIS K7073(1988)に従い測定した。硬化板から、長さ230±0.4mm、幅12.5±0.2mm、厚さ1±0.2mmの一方向0゜引張試験片(I形)を作成した。ゲージ長は125±0.2mmとし、試験片引張試験機のクロスヘッドスピードは15mm/分とし、n=5で行った。
(実施例1、比較例1〜3)
ポリアクリロニトリルを主成分とする共重合体から紡糸し、焼成し、電解表面処理を行い、総フィラメント数24000本の炭素繊維束を得た。この炭素繊維束の特性は、総繊度800テックス、比重:1.8、ストランド強度:6.0GPa、ストランド弾性率:297GPaであった。
サイジング剤には、表1に示す配合比で調製した、水エマルジョン(サイジング剤濃度3質量%)を用いた。前記一般式(1)で表されるビスフェノールA−ポリプロピレンエーテル型エポキシ樹脂として、EP−4005(株式会社ADEKA製)、前記一般式(2)で表されるビスフェノールA型固形エポキシ樹脂として、EP−1002(ジャパンエポキシレジン株式会社製)、界面活性剤としてノニオン系界面活性剤を使用した。また、ダイマー酸エポキシ樹脂として、EP−871(ジャパンエポキシレジン株式会社)を使用した。
ディップ法により前記炭素繊維束にサイジング液を含浸させた後、熱風乾燥機で200℃、2分間乾燥することで、サイジング剤付着量が0.8±0.2質量%のサイジング処理炭素繊維束を得た。このサイジング処理炭素繊維束を用いて、各種評価試験を行った結果を、表1に示す。
Figure 2009144303
表1に示すように、実施例1は、比較例1〜3と比較して、ストランド強度、および0°引張強度が、高いものであった。また、炭素繊維束を構成する単繊維がバラケ易く、樹脂の含浸が良好であった。

Claims (3)

  1. 下記一般式(1)
    Figure 2009144303
    [式(1)中、nは1〜19の整数であり、mは1〜19の整数である。また、n+m=2〜20の整数である。]
    で表される、ビスフェノールA−ポリプロピレンエーテル型エポキシ樹脂を50〜90質量%含有し、
    下記一般式(2)
    Figure 2009144303
    [式(2)中、pは1以上の整数である。]
    で表される、軟化点が50℃以上であるビスフェノールA型固形エポキシ樹脂を5〜20質量%含有し、
    かつ、界面活性剤を5〜30質量%含有するサイジング剤。
  2. 請求項1に記載のサイジング剤が、付着されてなることを特徴とする、サイジング処理炭素繊維束。
  3. サイジング剤の付着量が、0.2〜30質量%であることを特徴とする、請求項2に記載のサイジング処理炭素繊維束。
JP2007325978A 2007-12-18 2007-12-18 サイジング剤およびサイジング処理炭素繊維束 Active JP5059579B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007325978A JP5059579B2 (ja) 2007-12-18 2007-12-18 サイジング剤およびサイジング処理炭素繊維束

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007325978A JP5059579B2 (ja) 2007-12-18 2007-12-18 サイジング剤およびサイジング処理炭素繊維束

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2009144303A true JP2009144303A (ja) 2009-07-02
JP5059579B2 JP5059579B2 (ja) 2012-10-24

Family

ID=40915232

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2007325978A Active JP5059579B2 (ja) 2007-12-18 2007-12-18 サイジング剤およびサイジング処理炭素繊維束

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5059579B2 (ja)

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN101982602A (zh) * 2010-10-22 2011-03-02 北京化工大学 一种碳纤维用的上胶剂
CN101736593B (zh) * 2010-01-08 2011-11-30 哈尔滨工业大学 一种碳纤维用水性环氧树脂上浆剂的制备方法
CN110527057A (zh) * 2019-09-10 2019-12-03 界首市超强渔具有限公司 一种轻质绝缘鱼竿材料的制备方法
KR102056814B1 (ko) * 2014-06-24 2019-12-17 코오롱인더스트리 주식회사 필라멘트 와인딩용 멀티-필라멘트 타입 탄소섬유의 제조방법
CN114481618A (zh) * 2022-03-21 2022-05-13 江苏恒神股份有限公司 一种水性处理用碳纤维上浆剂及其制备方法和应用

Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS6128074A (ja) * 1984-07-12 1986-02-07 竹本油脂株式会社 炭素繊維用水性サイジング剤
JPH10182951A (ja) * 1996-12-27 1998-07-07 Asahi Denka Kogyo Kk エポキシ樹脂水分散物
JP2000128584A (ja) * 1998-10-22 2000-05-09 Nippon Nsc Ltd ガラス繊維集束剤用水性エポキシ樹脂分散液およびそれを用いてなるガラス繊維集束剤
JP2001064872A (ja) * 1999-08-25 2001-03-13 Sanyo Chem Ind Ltd 繊維用集束剤
JP2001151857A (ja) * 1999-09-14 2001-06-05 Asahi Denka Kogyo Kk 水性樹脂組成物
JP2002173873A (ja) * 2000-09-19 2002-06-21 Toray Ind Inc 炭素繊維糸条、そのパッケージ状物及び炭素繊維シートの製造方法

Patent Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS6128074A (ja) * 1984-07-12 1986-02-07 竹本油脂株式会社 炭素繊維用水性サイジング剤
JPH10182951A (ja) * 1996-12-27 1998-07-07 Asahi Denka Kogyo Kk エポキシ樹脂水分散物
JP2000128584A (ja) * 1998-10-22 2000-05-09 Nippon Nsc Ltd ガラス繊維集束剤用水性エポキシ樹脂分散液およびそれを用いてなるガラス繊維集束剤
JP2001064872A (ja) * 1999-08-25 2001-03-13 Sanyo Chem Ind Ltd 繊維用集束剤
JP2001151857A (ja) * 1999-09-14 2001-06-05 Asahi Denka Kogyo Kk 水性樹脂組成物
JP2002173873A (ja) * 2000-09-19 2002-06-21 Toray Ind Inc 炭素繊維糸条、そのパッケージ状物及び炭素繊維シートの製造方法

Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN101736593B (zh) * 2010-01-08 2011-11-30 哈尔滨工业大学 一种碳纤维用水性环氧树脂上浆剂的制备方法
CN101982602A (zh) * 2010-10-22 2011-03-02 北京化工大学 一种碳纤维用的上胶剂
KR102056814B1 (ko) * 2014-06-24 2019-12-17 코오롱인더스트리 주식회사 필라멘트 와인딩용 멀티-필라멘트 타입 탄소섬유의 제조방법
CN110527057A (zh) * 2019-09-10 2019-12-03 界首市超强渔具有限公司 一种轻质绝缘鱼竿材料的制备方法
CN110527057B (zh) * 2019-09-10 2021-10-19 界首市超强渔具有限公司 一种轻质绝缘鱼竿材料的制备方法
CN114481618A (zh) * 2022-03-21 2022-05-13 江苏恒神股份有限公司 一种水性处理用碳纤维上浆剂及其制备方法和应用
CN114481618B (zh) * 2022-03-21 2023-10-24 江苏恒神股份有限公司 一种水性处理用碳纤维上浆剂及其制备方法和应用

Also Published As

Publication number Publication date
JP5059579B2 (ja) 2012-10-24

Similar Documents

Publication Publication Date Title
WO2007060833A1 (ja) 炭素繊維束、プリプレグおよび炭素繊維強化複合材料
JP2008274520A (ja) 炭素繊維用サイジング剤および炭素繊維束
KR20130131391A (ko) 탄소 섬유 프리프레그 및 그의 제조 방법, 탄소 섬유 강화 복합 재료
JP5059579B2 (ja) サイジング剤およびサイジング処理炭素繊維束
WO2022009796A1 (ja) サイジング剤付着炭素繊維束
JP6051987B2 (ja) サイジング剤塗布炭素繊維の製造方法
TW201945451A (zh) 預浸體及碳纖維強化複合材料
JP2008095222A (ja) 炭素繊維束およびプリプレグ
JP2016190920A (ja) トウプリプレグ用エポキシ樹脂組成物およびトウプリプレグ
JP2007016364A (ja) 炭素繊維束
US20050271874A1 (en) Carbon fiber strand
JP5189547B2 (ja) 炭素繊維束及び炭素繊維強化複合材料
KR20160026831A (ko) 열가소성 복합 재료 제조용 조성물 및 열가소성 복합 재료의 제조 방법
US11745485B2 (en) Epoxy resin composition for carbon-fiber-reinforced composite materials, prepreg, and carbon-fiber-reinforced composite material
JPWO2020004523A1 (ja) サイジング剤、強化繊維束、繊維強化樹脂成形材料及び繊維強化複合材料
JP6015027B2 (ja) サイジング剤、炭素繊維束および炭素繊維束の製造方法
JP2014163000A (ja) 炭素繊維束、及びそれを用いた炭素繊維強化複合材料
JP2005256226A (ja) サイジング被覆炭素繊維およびその製造方法
JP2004316052A (ja) 炭素繊維製造用油剤及び炭素繊維の製造方法
JP2007145963A (ja) 炭素繊維強化複合材料成形用中間体および炭素繊維強化複合材料
JP4437420B2 (ja) 炭素繊維ストランド
JP4692198B2 (ja) 炭素繊維束およびその製造方法
JP2014162999A (ja) 炭素繊維束、およびそれを用いた炭素繊維強化複合材料
JP7267792B2 (ja) サイジング剤付着炭素繊維束
JP2008150747A (ja) 炭素繊維束

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20101207

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20111101

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20120215

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20120306

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20120424

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20120717

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20120802

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20150810

Year of fee payment: 3

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 5059579

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20150810

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20150810

Year of fee payment: 3

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

S533 Written request for registration of change of name

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250