JP6384121B2 - プリプレグ及びその製造方法ならびに炭素繊維強化複合材料 - Google Patents
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(1)クリールから炭素繊維1束当たり80〜250gの張力で炭素繊維が引き出された後、梨地加工された自由回転式のパスロールを通じて炭素繊維を開繊部へ導く工程。
(2)一方向に互いに並行するように引き揃えられた炭素繊維に熱を与えつつ、横振動する複数本のラダー形状のロールに炭素繊維を接触させることにより炭素繊維を開繊する工程。
炭素繊維単糸25本の断面を走査顕微鏡で観察し、外周におけるもっとも距離の離れた2点間の距離と、その2点を結んだ直線とほぼ直交する直線群と外周の交点でもっとも距離の短い2点間の距離の比を計測し、平均値として長短径比を得る。
JIS R 7601:1986に準じ、ストランド特性の引張強度、弾性率を測定する。
JIS L 1013:1981に準じて試料のつかみ間の中央に結節をつくり、引張強度を測定する。測定する試料の両端をチャックに挟み込んで固定する。ここで、チャック間のサンプル長は250mmとし、試料の結び目が、チャック間の中央部に位置するようにして、引張り、最大荷重値を測定する。この最大荷重値を試料の(非結節部の)断面積で除した値を結節束強度とする。なお、ここでは、任意に選択した試料についてn=6(右結びと左結びについて各n=3)の平均値を用いる。
本発明のプリプレグにおけるタックは次のように測定される。
プリプレグの表面平滑性を現す最大断面高さRtは、JIS B 0601:2001で粗さ曲線の最大断面高さと定義され、以下のように測定される。100mm幅にカットしたプリプレグを試験片とし、それぞれの試験片毎の表面平滑性を接触式表面粗さ測定器にて測定する。接触式表面粗さ測定器としては、例えば、株式会社小坂研究所製表面粗さ測定器SE−3500を用い、検出器としては触針先端半径2μmのダイヤモンド製の針を備え、測定力0.7mNで測定できるものを使用し、測定速度2mm/secで、一方向性プリプレグ繊維方向に直交するように90mm幅で測定する(n=3)。
プリプレグを10cm四方にカットし、0°/90°/90°/0°に4枚積層した積層基材を1試料とする(W1)。その後上下面を穴あきフィルム及びガラスクロスで挟み込んだ後、プレス機において160℃、3.0MPaの圧力で10分間加熱する(W2)。樹脂フロー率(W)は以下式で求めることができる。樹脂フロー測定器としては、例えば、東邦マシナリー株式会社製9tonレバー操作式圧縮成形機が好適に使用できる。
W=(W1−W2)/W1×100。
プリプレグを6mm四方にカットし、18mm四方のガラスカバーで上下から挟み込んだ後、硬化測定器に乗せて150℃の温度で硬化させる。棒でガラス表面を押し込み、はみ出してくる樹脂の流動性がなくなった時間を測定する(n=3)。なお、硬化測定器としては、例えば、株式会社ユーカリ技研製ゲル化試験器が好適に使用できる。
目視でプリプレグ表面中に発生する幅約5μm以上、長さ5mm以上の単糸毛羽を1m2測定して、その毛羽個数(個/m2)で表す。
本文記載の樹脂粘度は、動的粘弾性法を用いて測定し、測定装置としては、例えば、レオメトリックス社製RDA−II型装置などを用いることができる。本発明における最低粘度とは、温度を常温から上昇させると、樹脂粘度が一旦低下し、その後粘度上昇に転じるが、このプロフィールにおける粘度最小値のことを意味する。また、この最低粘度を示す温度を最低粘度温度と定義する。これらの特性は、かかる装置を用い、振動:3.14ラディアン/秒、昇温速度:1.5℃/分、プレートには半径25mmの平行板、ギャップ:1.0mmの条件にて測定される。
<炭素繊維の作製>
アクリロニトリル99.5モル%、イタコン酸0.5モル%からなる固有粘度[η]が1.80のアクリロニトリル系重合体を3000ホールの口金を用いて、ジメチルスルホキシド水溶液から成る凝固浴に導入して凝固糸を得た。この際、凝固の温度、引取速度、凝固溶媒の濃度を調整して、炭素繊維にしたときの単糸断面の長径と短径の比が1.18になるように調整した。該凝固糸を水洗・延伸し、界面活性剤を付与した後、乾燥緻密化を行い、スチーム延伸し、3000フィラメントのプリカーサを得た。
ビスフェノールA型液状エポキシ樹脂、ビスフェノールA型固形エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂からなるエポキシ樹脂に熱可塑性樹脂としてポリビニルホルマール、硬化剤としてジシアンジアミド、2,4−トルエンビス(ジメチルウレア)混合物からなる樹脂組成物を調製した。この際、これらのうち、主として硬化剤の配合量と割合を調整することによって150℃の硬化時間を1〜5分に調整した。また、エポキシ樹脂の固形と液状の配合比やポリビニルホルマールの量を調整して、90〜115℃における最低粘度が2.2Pa・sの樹脂組成物を得た。
調製した樹脂組成物をリバースロールコータを用いて離型紙上に塗布して樹脂シートを作製した。樹脂シートの樹脂目付は36.5g/m2とした。次に、作製した炭素繊維を、炭素繊維の目付が148g/m2となるようにシート状に一方向に整列させ、開繊部にて6本のラダー形状のロール上で開繊した後、樹脂シートを炭素繊維の両面から重ね、加熱加圧して樹脂組成物を含浸させ、一方向プリプレグを作製した。上記方法でプリプレグを製作し、プリプレグ表面上の単糸毛羽個数を測定した結果、20個/m2と良好な結果であった。
作製したプリプレグを300mm×200mmのサイズにカットし、炭素繊維の繊維軸方向を0°としたときに、0°/90°/90°/0°となるように合計4層積層させた。この積層体を離型フィルムで挟んだものを、積層体中の空気を抜く目的で5分間真空引きを行った後、金型温度160℃、圧力3.0MPa、硬化時間3分でプレス成形した後、130℃の温度雰囲気下で2時間静置することで炭素繊維強化複合材料板を得た。
上記方法にて30枚の炭素繊維強化複合材料板を製作し、複合材料板の表面について、2人の検査者が繊維ワレ・カスレ等の外観不良の有無を検査した結果、外観不良は無く、良好な結果であった。
実施例1から、紡糸・延伸条件と、付与油剤を調整して単糸断面の長短径比1.28、強度4400MPa、弾性率240GPaの炭素繊維を得た。実施例1のとおり成形した結果、単糸毛羽個数40個/m2、繊維ワレ・カスレ等の外観不良は無く、良好な結果であった。
実施例1からポリマを一旦空気中に押出し、直ちに凝固液中に導入し、紡糸・延伸条件と、付与油剤を調整することによって長短径比1.04、強度4900MPa、弾性率230GPaの炭素繊維を得た。実施例1のとおり成形した結果、単糸毛羽個数280個/m2と成形表面上の炭素繊維単糸毛羽が多く外観品位が劣る結果であった。
実施例1と同じ方法で炭素繊維を作製し、実施例1からポリビニルホルマールの配合量を変更した以外は実施例1と同様に樹脂組成物を調製し、最低粘度0.85Pa・sの樹脂組成物を得た。実施例1のとおり成形した結果、単糸毛羽個数20個/m2と問題なかったものの、成形表面上にカスレが発生し外観品位に劣る結果であった。
実施例1と同じ方法で炭素繊維を作製し、実施例1からポリビニルホルマールの配合量を変更した以外は実施例1と同様に樹脂組成物を調製し、最低粘度6.5Pa・sの樹脂組成物を得た。実施例1のとおり成形した結果、単糸毛羽個数20個/m2と問題なかったものの、表面樹脂流れに伴う繊維ワレが発生し外観品位に劣る成形体であった。
実施例1と同じ方法で炭素繊維及び樹脂を作製し、プリプレグを製造する工程で炭素繊維を開繊させなかった結果、単糸毛羽個数は15個/m2と問題なかったものの、表面平滑性が悪化し、成形外観に凹凸のある成形体であった。
2:炭素繊維単糸(90°)
a:炭素繊維強化複合材料(最表層)
b:炭素繊維強化複合材料(2層目)
c:樹脂カスレ
d:繊維ワレ
3:一方向炭素繊維プリプレグシート
4:炭素繊維単糸毛羽
5:炭素繊維ボビン
6:炭素繊維束
7:パスロール
8:ガイドロール
9:コーム
10:炭素繊維シート
11:樹脂フィルムロール(上側)
12:樹脂フィルムシート
13:導入ロール
14:樹脂フィルムロール(下側)
15:樹脂フィルムシート
16:導入ロール
17:ニップロール
18:ニップロール
19:加熱装置
20:含浸ロール
21:含浸ロール
22:ニップロール
23:ニップロール
24:回収離型紙ロール
25:回収離型紙
26:一方向性炭素繊維プリプレグ
27:一方向性炭素繊維プリプレグロール
28:炭素繊維束
29:パスロール
30:ガイドロール
31:コーム
32:ガイドロール
33a:開繊振動ロール
33b:開繊振動ロール
33c:フリーロール
34:加熱装置
35:炭素繊維束
Claims (4)
- 結節束強度が100〜600MPaであり、単糸の断面の長径と短径との比率が1.10〜1.30の炭素繊維に、90〜115℃における最低粘度が1.0〜5.0Pa・sであり、150℃で加熱した時の硬化時間が1〜5分の間であるマトリックス樹脂を含浸させてなるプリプレグであって、前記プリプレグ表面上の幅5μm以上かつ長さ5mm以上の単糸毛羽個数が50個/m2以下であり、前記マトリックス樹脂のフロー率が10〜20質量%であり、かつ前記プリプレグの表面の最大断面高さRtが80μm以下であるプリプレグ。
- 結節束強度が150〜300MPa、繊維目付が50〜200g/m2、樹脂質量含有率が20〜40%である請求項1に記載のプリプレグ。
- 結節束強度が100〜600MPaであり、単糸の断面の長径と短径との比率が1.10〜1.30の炭素繊維に、90〜115℃における最低粘度が1.0〜5.0Pa・sであり、150℃で加熱した時の硬化時間が1〜5分の間であるマトリックス樹脂を含浸させるプリプレグの製造方法であって、以下の(1)(2)の工程を有することを特徴とするプリプレグの製造方法。
(1)クリールから炭素繊維1束当たり80〜250gの張力で炭素繊維が引き出された後、梨地加工された自由回転式のパスロールを通じて炭素繊維を開繊部へ導く工程。
(2)一方向に互いに並行するように引き揃えられた炭素繊維に熱を与えつつ、横振動する複数本のラダー形状のロールに炭素繊維を接触させることにより炭素繊維を開繊する工程。 - 請求項1または2に記載のプリプレグを硬化させて得られる炭素繊維強化複合材料。
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