JP2018150635A - 複合繊維、その複合繊維を有する繊維強化複合材料用組成物及び繊維強化複合材料 - Google Patents
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Abstract
【課題】複合繊維の機械的強度を高めるとともに、該複合繊維を高い体積含有率で含み、高い機械的強度を有する繊維強化複合材料を提供する。【解決手段】複数のナノ繊維が集合してなるナノ繊維集合体と、前記複数のナノ繊維間に含浸されたポリビニルアセタールとからなる複合繊維により解決する。【選択図】図3
Description
本発明は、複合繊維、その複合繊維を有する繊維強化複合材料用組成物及び繊維強化複合材料に関する。
気相成長法により基板上に成長させたカーボンナノチューブ(CNT)アレイからCNTを引き出すことで、ウェブと呼ばれるシート状のCNT集合体を製作可能な紡績性CNTアレイが開発されている(非特許文献1)。
この紡績性CNTアレイからCNTの端部分をつまみ、基板表面に平行な方向に引張ることにより、つまみ出した幅のCNTシートを引き出すことができ、撚りを掛けながら引き出すとCNT撚糸を作製することができる。
一方、CNTアレイから引き出したCNTを撚らずにダイに通すことにより、CNTの配向がCNT糸の長手方向と一致したCNT無撚糸を作製できる。現在では、シートもしくは紡績糸をプリフォームに用いたCNT複合材料の研究がなされているが、CNT撚糸は撚り角が小さいほど機械的特性が向上することが知られており、撚り角が0°である無撚糸、すなわち、長さ方向に配向した複数のナノ繊維が径方向に集合してなるナノ繊維の集合体、を使用した機械的特性の優れた複合材料の開発が期待されている。
特許文献1では、撚り角が0°である無撚糸を構成するナノ繊維の繊維間に、ポリアクリル酸、ポリマレイン酸、ポリフマル酸のような高分子が含浸されて構成される、ナノ繊維−高分子複合体が記載されている。
この紡績性CNTアレイからCNTの端部分をつまみ、基板表面に平行な方向に引張ることにより、つまみ出した幅のCNTシートを引き出すことができ、撚りを掛けながら引き出すとCNT撚糸を作製することができる。
一方、CNTアレイから引き出したCNTを撚らずにダイに通すことにより、CNTの配向がCNT糸の長手方向と一致したCNT無撚糸を作製できる。現在では、シートもしくは紡績糸をプリフォームに用いたCNT複合材料の研究がなされているが、CNT撚糸は撚り角が小さいほど機械的特性が向上することが知られており、撚り角が0°である無撚糸、すなわち、長さ方向に配向した複数のナノ繊維が径方向に集合してなるナノ繊維の集合体、を使用した機械的特性の優れた複合材料の開発が期待されている。
特許文献1では、撚り角が0°である無撚糸を構成するナノ繊維の繊維間に、ポリアクリル酸、ポリマレイン酸、ポリフマル酸のような高分子が含浸されて構成される、ナノ繊維−高分子複合体が記載されている。
Y. Inoue, K. Kakihata, Y. Hirono, T. Horie, A. Ishida and H. Miura, Appl. Phys. Lett. 92(2008), 213113
特許文献1には、ナノ繊維−高分子複合体についての機械的強度に関する記載は存在するものの、これを用いた応用例に関する記載はなく、また、その応用例で使用した場合の機械的特性に関する記載も存在しない。
本発明者の研究によると、ナノ繊維としてカーボンナノチューブの無撚糸を用い、これとエポキシ樹脂のようなマトリックス樹脂とを組み合わせて複合材料を作製しようとすると、マトリックス樹脂がカーボンナノチューブの無撚糸に含浸して、そのカーボンナノチューブの無撚糸が膨張してしまうことが分かった。このことにより、機械的強度に優れるナノ繊維の集合体からなる複合繊維を含む繊維強化複合材料の作製は困難であった。また、複合繊維を高い体積含有率で含む繊維強化複合材料の作製は困難であった。
そこで、本発明では、集束剤としてポリビニルアセタールを用いてナノ繊維を集束することで、その複合繊維の機械的強度を高めるとともに、該複合繊維を高い体積含有率で含み、高い機械的強度を有する繊維強化複合材料を提供することを課題とする。
本発明者の研究によると、ナノ繊維としてカーボンナノチューブの無撚糸を用い、これとエポキシ樹脂のようなマトリックス樹脂とを組み合わせて複合材料を作製しようとすると、マトリックス樹脂がカーボンナノチューブの無撚糸に含浸して、そのカーボンナノチューブの無撚糸が膨張してしまうことが分かった。このことにより、機械的強度に優れるナノ繊維の集合体からなる複合繊維を含む繊維強化複合材料の作製は困難であった。また、複合繊維を高い体積含有率で含む繊維強化複合材料の作製は困難であった。
そこで、本発明では、集束剤としてポリビニルアセタールを用いてナノ繊維を集束することで、その複合繊維の機械的強度を高めるとともに、該複合繊維を高い体積含有率で含み、高い機械的強度を有する繊維強化複合材料を提供することを課題とする。
本発明者は、ナノ繊維集合体の集束剤としてポリビニルアセタールを用いて複合繊維と
することで、その複合繊維自体の機械的強度を高めることができるだけでなく、その複合繊維とマトリックス樹脂の複合材料を作製したとき、それらの接着性を高めることができ、高い体積含有率で前記複合繊維を含む繊維強化複合材料を作製できることを見出した。
することで、その複合繊維自体の機械的強度を高めることができるだけでなく、その複合繊維とマトリックス樹脂の複合材料を作製したとき、それらの接着性を高めることができ、高い体積含有率で前記複合繊維を含む繊維強化複合材料を作製できることを見出した。
複数のナノ繊維が集合してなるナノ繊維集合体と、前記複数のナノ繊維間に含浸されたポリビニルアセタールとからなる複合繊維の機械的強度を高めることができ、その複合繊維とマトリックス樹脂とを用いた繊維強化複合材料において、それらの接着性を高めることができるとともに、高い体積含有率で該複合繊維を含ませることができ、機械的強度に優れる繊維強化複合材料を提供できる。
本実施形態は以下の[1]〜[9]に関する。
[1] 複数のナノ繊維が集合してなるナノ繊維集合体と、前記複数のナノ繊維間に含浸されたポリビニルアセタールとからなる複合繊維。
[2] 前記ナノ繊維集合体は、前記複数のナノ繊維が長さ方向に配向して径方向に集合してなるものである、[1]に記載の複合繊維。
[3] 前記ナノ繊維は、カーボンナノチューブ、およびカーボンナノファイバからなる群から選択される1種以上の繊維である、[1]または[2]に記載の複合繊維。
[4] ポリビニルアセタールが、構成単位a、b、およびcを有する化合物である、[1]〜[3]のいずれかに記載の複合繊維。
構成単位aの式において、R1は水素または炭素数1から5のアルキルである。
[5] ポリビニルアセタールが、さらに構成単位dを有する化合物である、[4]に記載の複合繊維。
構成単位dにおいて、R2は独立して、水素または炭素数1から5のアルキルである。
[6] ポリビニルアセタールが、ポリビニルホルマールである、[1]〜[5]のいずれかに記載の複合繊維。
[7] マトリックス樹脂と、[1]〜[6]のいずれかに記載の複合繊維を主成分として含有する、繊維強化複合材料用組成物。
[8] マトリックス樹脂が、エポキシ樹脂である、[7]に記載の繊維強化複合材料用組成物。
[9] エポキシ樹脂が、1種の液状エポキシ樹脂、少なくとも2種の液状エポキシ樹脂を混合したもの、または少なくとも1種の固形エポキシ樹脂を少なくとも1種の液状エポキシ樹脂に溶解したものである、[8]に記載の繊維強化複合材料用組成物。
[10] [1]〜[6]のいずれかに記載の複合繊維とマトリックス樹脂とを含み、該
マトリックス樹脂が硬化してなる、繊維強化複合材料。
[11] マトリックス樹脂が、エポキシ樹脂である、[10]に記載の繊維強化複合材料。
[12] エポキシ樹脂が、1種の液状エポキシ樹脂、少なくとも2種の液状エポキシ樹脂を混合したもの、または少なくとも1種の固形エポキシ樹脂を少なくとも1種の液状エポキシ樹脂に溶解したものである、[11]に記載の繊維強化複合材料。
[1] 複数のナノ繊維が集合してなるナノ繊維集合体と、前記複数のナノ繊維間に含浸されたポリビニルアセタールとからなる複合繊維。
[2] 前記ナノ繊維集合体は、前記複数のナノ繊維が長さ方向に配向して径方向に集合してなるものである、[1]に記載の複合繊維。
[3] 前記ナノ繊維は、カーボンナノチューブ、およびカーボンナノファイバからなる群から選択される1種以上の繊維である、[1]または[2]に記載の複合繊維。
[4] ポリビニルアセタールが、構成単位a、b、およびcを有する化合物である、[1]〜[3]のいずれかに記載の複合繊維。
[5] ポリビニルアセタールが、さらに構成単位dを有する化合物である、[4]に記載の複合繊維。
[6] ポリビニルアセタールが、ポリビニルホルマールである、[1]〜[5]のいずれかに記載の複合繊維。
[7] マトリックス樹脂と、[1]〜[6]のいずれかに記載の複合繊維を主成分として含有する、繊維強化複合材料用組成物。
[8] マトリックス樹脂が、エポキシ樹脂である、[7]に記載の繊維強化複合材料用組成物。
[9] エポキシ樹脂が、1種の液状エポキシ樹脂、少なくとも2種の液状エポキシ樹脂を混合したもの、または少なくとも1種の固形エポキシ樹脂を少なくとも1種の液状エポキシ樹脂に溶解したものである、[8]に記載の繊維強化複合材料用組成物。
[10] [1]〜[6]のいずれかに記載の複合繊維とマトリックス樹脂とを含み、該
マトリックス樹脂が硬化してなる、繊維強化複合材料。
[11] マトリックス樹脂が、エポキシ樹脂である、[10]に記載の繊維強化複合材料。
[12] エポキシ樹脂が、1種の液状エポキシ樹脂、少なくとも2種の液状エポキシ樹脂を混合したもの、または少なくとも1種の固形エポキシ樹脂を少なくとも1種の液状エポキシ樹脂に溶解したものである、[11]に記載の繊維強化複合材料。
<複合繊維>
本発明の一実施形態である、複合繊維について説明する。
該複合繊維は、複数のナノ繊維が集合してなるナノ繊維集合体と、前記複数のナノ繊維間に含浸されたポリビニルアセタールとからなる。
また、前記ナノ繊維集合体は、長さ方向に配向した複数のナノ繊維が径方向に集合してなるナノ繊維集合体、つまり撚り角が0°である無撚糸であることが好ましい。
前記複合繊維によれば、ナノ繊維集合体を構成する複数のナノ繊維間に、疎水結合、水素結合を形成可能な官能基を有するポリビニルアセタールが含浸されていることにより、ナノ繊維集合体と比較して直径が小さく、そのため、大きな密度を備えるので、ナノ繊維集合体単独よりも優れた機械的強度を得ることができる。
前記ナノ繊維−高分子複合体(複合繊維)がナノ繊維集合体と比較して直径が小さいのは、複数のナノ繊維間に含浸されたポリビニルアセタールの官能基の相互作用により、ナノ繊維間の距離が短くなるためと考えられる。
本実施形態の複合繊維では、その直径として70〜150μmの態様を挙げることができ、80〜140μmの態様を好ましく例示できる。
また、本実施形態の複合繊維の長さとしては、0.1〜70cmの態様を挙げることができ、0.5〜70cmの態様を好ましく例示できる。
また、本実施形態の複合繊維におけるナノ繊維集合体とポリビニルアセタールの割合については、ナノ繊維集合体の体積含有率が50〜99%である態様を挙げることができ、70〜99%である態様が好ましい。
本発明の一実施形態である、複合繊維について説明する。
該複合繊維は、複数のナノ繊維が集合してなるナノ繊維集合体と、前記複数のナノ繊維間に含浸されたポリビニルアセタールとからなる。
また、前記ナノ繊維集合体は、長さ方向に配向した複数のナノ繊維が径方向に集合してなるナノ繊維集合体、つまり撚り角が0°である無撚糸であることが好ましい。
前記複合繊維によれば、ナノ繊維集合体を構成する複数のナノ繊維間に、疎水結合、水素結合を形成可能な官能基を有するポリビニルアセタールが含浸されていることにより、ナノ繊維集合体と比較して直径が小さく、そのため、大きな密度を備えるので、ナノ繊維集合体単独よりも優れた機械的強度を得ることができる。
前記ナノ繊維−高分子複合体(複合繊維)がナノ繊維集合体と比較して直径が小さいのは、複数のナノ繊維間に含浸されたポリビニルアセタールの官能基の相互作用により、ナノ繊維間の距離が短くなるためと考えられる。
本実施形態の複合繊維では、その直径として70〜150μmの態様を挙げることができ、80〜140μmの態様を好ましく例示できる。
また、本実施形態の複合繊維の長さとしては、0.1〜70cmの態様を挙げることができ、0.5〜70cmの態様を好ましく例示できる。
また、本実施形態の複合繊維におけるナノ繊維集合体とポリビニルアセタールの割合については、ナノ繊維集合体の体積含有率が50〜99%である態様を挙げることができ、70〜99%である態様が好ましい。
本実施形態の複合繊維を作製する方法として、ポリビニルアセタールを有機溶媒に溶解させた溶液に糸にしたナノ繊維集合体を浸漬させる、またはナノ繊維のウェブにポリビニルアセタール溶液を滴下させてからダイに通して糸にして乾燥させることにより作製する、などを挙げることができる。しかし、複数ナノ繊維間にポリビニルアセタールを含浸させるには、一旦糸にしてから溶液に浸漬する方法では不十分であるため、後者のナノ繊維のウェブに溶液を滴下する方法が好ましい。ポリビニルアセタールの溶液については後述する。
また、本実施形態の複合繊維は、前記ナノ繊維として、例えば、カーボンナノチューブ、カーボンナノファイバからなる群から選択される1種以上の繊維を用いることができる。
従来の炭素繊維を超える引張強さと弾性率が期待でき、さらに金属材料と比較して小さな密度であることから考えて,繊維強化複合材料のナノ繊維としてカーボンナノチューブからなるナノ繊維であることが好ましい。その中でも、後述する方法で作製された多層カーボンナノチューブ(MWNT)を用いることが好ましい。
本明細書において、ナノ繊維とは、直径が1nm〜100nm、長さが直径の100倍以上の繊維状物質のことを意味する。
従来の炭素繊維を超える引張強さと弾性率が期待でき、さらに金属材料と比較して小さな密度であることから考えて,繊維強化複合材料のナノ繊維としてカーボンナノチューブからなるナノ繊維であることが好ましい。その中でも、後述する方法で作製された多層カーボンナノチューブ(MWNT)を用いることが好ましい。
本明細書において、ナノ繊維とは、直径が1nm〜100nm、長さが直径の100倍以上の繊維状物質のことを意味する。
カーボンナノチューブからなる撚糸または無撚糸の製造は以下のように行う。
まず化学気相成長法により、昇華した触媒と炭化水素のガスとが気相反応することで基板表面の酸化ケイ素の部分にカーボンナノチューブが垂直配向したカーボンナノチューブアレイを作製する。そのカーボンナノチューブアレイからカーボンナノチューブを引き出
すことで、ウェブと呼ばれるシート状のカーボンナノチューブ集合体を製作可能な紡績性カーボンナノチューブアレイを作製する。
そして、紡績性カーボンナノチューブアレイからカーボンナノチューブシートを引き出すことができ、撚りを掛けながら引き出すことでカーボンナノチューブ撚糸を作製できる。
または、カーボンナノチューブアレイから引き出したカーボンナノチューブを撚らずにダイに通すことにより、カーボンナノチューブの配向がカーボンナノチューブ糸の長手方向と一致した、すなわち撚り角が0°のカーボンナノチューブ無撚糸を作製できる。
本実施形態ではポリビニルアセタールを介して、カーボンナノチューブのナノ繊維同士が接着した無撚糸を作製して用いることが好ましい。
なお、より具体的なカーボンナノチューブの製造方法としては、例えば特開2009−196873号公報に記載の方法を用いることができる。
まず化学気相成長法により、昇華した触媒と炭化水素のガスとが気相反応することで基板表面の酸化ケイ素の部分にカーボンナノチューブが垂直配向したカーボンナノチューブアレイを作製する。そのカーボンナノチューブアレイからカーボンナノチューブを引き出
すことで、ウェブと呼ばれるシート状のカーボンナノチューブ集合体を製作可能な紡績性カーボンナノチューブアレイを作製する。
そして、紡績性カーボンナノチューブアレイからカーボンナノチューブシートを引き出すことができ、撚りを掛けながら引き出すことでカーボンナノチューブ撚糸を作製できる。
または、カーボンナノチューブアレイから引き出したカーボンナノチューブを撚らずにダイに通すことにより、カーボンナノチューブの配向がカーボンナノチューブ糸の長手方向と一致した、すなわち撚り角が0°のカーボンナノチューブ無撚糸を作製できる。
本実施形態ではポリビニルアセタールを介して、カーボンナノチューブのナノ繊維同士が接着した無撚糸を作製して用いることが好ましい。
なお、より具体的なカーボンナノチューブの製造方法としては、例えば特開2009−196873号公報に記載の方法を用いることができる。
本実施形態におけるポリビニルアセタール(以下、ポリビニルアセタール樹脂ともいう)は、以下で示す構成単位a、構成単位b、および構成単位cを含むことが好ましい。さらに、以下で示す構成単位dを含んでもよい。
構成単位aにおいて、R1は水素または炭素数1から5のアルキルである。
構成単位dにおいて、R2は独立して、水素または炭素数1から5のアルキルである。
ポリビニルアセタール樹脂における構成単位aからdの総含有率は、全構成単位に対して、80重量%から100重量%であることが好ましい。ポリビニルアセタール樹脂に含まれ得るその他の構成単位の例には、分子間ホルマール単位やヘミホルマール単位が含まれる。構成単位a以外のビニルアセタール鎖単位の含有率は、5mol%未満であることが好ましい。
構成単位aは、アセタール部位を有する構成単位であって、連続するポリビニルアルコ−ル鎖単位とアルデヒド(R1−CHO)との反応により形成され得る。構成単位aにおけるR1は水素または炭素数1から5のアルキル基である。
構成単位bは、ビニルアセテ−ト鎖を含む構成単位である。
構成単位cは、ビニルアルコ−ル鎖を含む構成単位である。
構成単位dは、カルボキシル基を有する鎖であり、構成単位dにおけるR2は、水素または炭素数1から5のアルキルであり、水素または炭素数1から3のアルキルであることがより好ましい。
構成単位bは、ビニルアセテ−ト鎖を含む構成単位である。
構成単位cは、ビニルアルコ−ル鎖を含む構成単位である。
構成単位dは、カルボキシル基を有する鎖であり、構成単位dにおけるR2は、水素または炭素数1から5のアルキルであり、水素または炭素数1から3のアルキルであることがより好ましい。
構成単位aにおけるR1がバルキ−な基(例えば炭素数が多い炭化水素基)であると、ポリビニルアセタ−ルの軟化点が低下する傾向がある。軟化点の低いポリビニルアセタールをナノ繊維集合体との複合繊維に用いると、複合繊維を用いた繊維強化複合材料を作製する場合、マトリックス(例えばエポキシ樹脂)に該複合繊維を含浸させて成型すると高温において粘度が大きく低下して樹脂が流れすぎてしまうことがある。また、R1がバルキ−な基であるポリビニルアセタ−ル樹脂は、溶媒への溶解性は高いが、一方で耐薬品性に劣ることがある。そのため構成単位aにおけるR1は、水素原子(H)または炭素数1〜5のアルキルであり、水素原子又は炭素数1〜3のアルキルであることがより好ましく、水素原子であることが特に好ましい。
R1が水素原子である場合は、ポリビニルホルマールになる。
R1が水素原子である場合は、ポリビニルホルマールになる。
ポリビニルアセタ−ル樹脂における各構成単位は、構成単位aの含有率が49.9〜80mol%であり、構成単位bの含有率が0.1〜49.9mol%であり、構成単位cの含有率が0.1〜49.9mol%であることが好ましい。構成単位dを有する場合、構成単位dの含有率は0.1〜49.9mol%であることが好ましい。より好ましくは、構成単位aの含有率が49.9〜80mol%であり、構成単位bの含有率が1〜30mol%であり、構成単位cの含有率が1〜30mol%である。構成単位dを含む場合、構成単位dの含有率のより好ましい範囲は1〜30mol%である。
ポリビニルアセタ−ル樹脂の耐薬品性、可撓性、耐摩耗性、機械的強度を充分に得るために、構成単位aの含有率を49.9mol%以上にすることが好ましい。また、ポリビニルアセタ−ル樹脂における構成単位aは、分子鎖中に連続して存在しているビニルアルコ−ル鎖分をアセタール化することによって形成される。すなわち、分子鎖中に連続して
いないビニルアルコール鎖(例えば、2つのビニルアセタール鎖の間に、挟まれて存在する1つのビニルアルコール鎖)をアセタール化することは難しいのである。そのため、合成においては構成単位aの含有率を80.0mol%以下とすることが好ましい。
いないビニルアルコール鎖(例えば、2つのビニルアセタール鎖の間に、挟まれて存在する1つのビニルアルコール鎖)をアセタール化することは難しいのである。そのため、合成においては構成単位aの含有率を80.0mol%以下とすることが好ましい。
構成単位bの含有率が0.1mol%以上であれば、ポリビニルアセタ−ル樹脂の溶媒への溶解性やエポキシ樹脂への溶解性が良くなる。構成単位bの含有率を49.9mol%までとすると、ポリビニルアセタ−ル樹脂の耐薬品性、可撓性、耐摩耗性、機械的強度が低下しにくいため好ましい。
構成単位cは、溶媒への溶解性やエポキシ樹脂への溶解性を考慮して、含有率が49.9mol%までとすることが好ましい。また、ポリビニルアセタ−ル樹脂の製造において、ポリビニルアルコ−ル鎖をアセタ−ル化する際、構成単位bと構成単位cが平衡関係となるため、構成単位cの含有率は0.1mol%以上が好ましい。
構成単位cは、溶媒への溶解性やエポキシ樹脂への溶解性を考慮して、含有率が49.9mol%までとすることが好ましい。また、ポリビニルアセタ−ル樹脂の製造において、ポリビニルアルコ−ル鎖をアセタ−ル化する際、構成単位bと構成単位cが平衡関係となるため、構成単位cの含有率は0.1mol%以上が好ましい。
ポリにビニルアセタール樹脂が構成単位dを含有する場合、その構成単位dの含有率は、良好な粘度、およびエポキシ樹脂への溶解性を考慮すれば、49.9mol%以下とすることが好ましい。また、側鎖カルボキシル基とエポキシ樹脂との架橋反応がスムーズに行なわれることによって、耐熱性(ガラス転移温度)を維持できること、またナノ繊維間に含浸されたポリビニルアセタールのカルボキシル基同士の水素結合によりナノ繊維同士が密着して複合繊維の機械的強度が向上することにより、強靭性に優れた繊維強化複合材料が得られるため、構成単位dの含有率が0.1mol%以上であることが好ましい。
ポリビニルアセタール樹脂における、構成単位a〜cのそれぞれの割合は、(JISK6729)に準じて測定して求めることができる。
ポリビニルアセタ−ル樹脂における構成単位dの含有率は、以下に述べる方法で測定することができる。
1mol/l水酸化ナトリウム水溶液中で、共重合によりカルボキシル基が導入されたポリビニルアセタール樹脂を、2時間、80℃で加温する。この操作により、カルボキシル基にナトリウムが付加し、カルボン酸ナトリウムが付加されたポリマーが得られる。該ポリマーから過剰な水酸化ナトリウムを抽出した後、脱水乾燥を行なう。その後、炭化させて原子吸光分析を行い、ナトリウムの付加量を求めて定量する。
なお、構成単位b(ビニルアセテート鎖)分析時に、構成単位dは、ビニルアセテート鎖として定量されるため、JIS K6729に準じて測定された構成単位bより構成単位dを差し引き、構成単位bを補正する。
また、ポリビニルアセタールにおける上記の各構成単位の割合を変更するには、例えば主原料の酢酸ビニルモノマーに対してアクリル酸アルキルエステルやメタクリル酸アルキルエステルの割合を任意に変更したり、加水分解のための水と酸触媒の添加量、アセタール化のためのアルデヒド化合物の添加量を調整することで調整できる。
ポリビニルアセタ−ル樹脂における構成単位dの含有率は、以下に述べる方法で測定することができる。
1mol/l水酸化ナトリウム水溶液中で、共重合によりカルボキシル基が導入されたポリビニルアセタール樹脂を、2時間、80℃で加温する。この操作により、カルボキシル基にナトリウムが付加し、カルボン酸ナトリウムが付加されたポリマーが得られる。該ポリマーから過剰な水酸化ナトリウムを抽出した後、脱水乾燥を行なう。その後、炭化させて原子吸光分析を行い、ナトリウムの付加量を求めて定量する。
なお、構成単位b(ビニルアセテート鎖)分析時に、構成単位dは、ビニルアセテート鎖として定量されるため、JIS K6729に準じて測定された構成単位bより構成単位dを差し引き、構成単位bを補正する。
また、ポリビニルアセタールにおける上記の各構成単位の割合を変更するには、例えば主原料の酢酸ビニルモノマーに対してアクリル酸アルキルエステルやメタクリル酸アルキルエステルの割合を任意に変更したり、加水分解のための水と酸触媒の添加量、アセタール化のためのアルデヒド化合物の添加量を調整することで調整できる。
ポリビニルアセタール樹脂の重量平均分子量は、5000から300000であることが好ましく、10000から150000であることがより好ましい。ポリビニルアセタール樹脂の重量平均分子量が、5000以上の場合、ポリビニルホルマール樹脂は、ナノ繊維集合体間へ含浸しやすくなり、かつエポキシ樹脂への溶解性は高くなり、ポリビニルアセタール樹脂による強靭化作用を得られるので好ましい。ポリビニルアセタール樹脂の重量平均分子量が、300000以下の場合、ナノ繊維集合体間へ含浸性を保ちつつ、エポキシ樹脂に溶解したときの粘度が増大しすぎることがないため繊維強化複合材料への成型時の作業性から好ましい。
ポリビニルアセタール樹脂の重量平均分子量は、GPC法により測定することができる。具体的な測定条件は以下の通りである。
装置:LC−4000シリーズ(日本分光社製)
検出器:RI−4030
オーブン:CO−4060
ポンプ: PU−4180
分離カラム:Shodex KF−805L×2本
温度:40℃
キャリア:クロロホルム
標準試料:ポリスチレン
ポリビニルアセタール樹脂の重量平均分子量は、GPC法により測定することができる。具体的な測定条件は以下の通りである。
装置:LC−4000シリーズ(日本分光社製)
検出器:RI−4030
オーブン:CO−4060
ポンプ: PU−4180
分離カラム:Shodex KF−805L×2本
温度:40℃
キャリア:クロロホルム
標準試料:ポリスチレン
ポリビニルアセタールとしては、ポリビニルホルマール、ポリビニルブチラールなどが挙げられる。本実施形態の複合繊維に用いるポリビニルアセタールとして、炭素繊維複合材料のマトリックス(例えばエポキシ樹脂)への溶解が良好であるポリビニルホルマールが好ましい。また、ポリビニルホルマールは多くの細孔を有する粒子(細孔容積(代表値);0.71ml/g)であり、予めポリビニルホルマール粒子とエポキシ樹脂を混練してエポキシ樹脂を細孔に充填させれば少なくとも90℃でエポキシ樹脂に溶解する。
ポリビニルアセタールを溶解する溶媒として、N−メチルピロリドン(NMP)、シクロペンタノン、ジメチルスルホキシド(DMSO)、テトラヒドロフラン(THF)、クロロホルム(CHCl3)、メタノール・トルエンの混合溶媒(体積比;メタノール:ト
ルエン=40:60)、1,4−ジオキサン、酢酸、シクロヘキサノン、フェノール、N
,N−ジメチルホルムアミド、ベンジルアルコール、プロピレンカーボネートなどが挙げられる。ナノ繊維同士をポリビニルアセタールで密着させるためには構成単位dを含むポリビニルホルマール樹脂を用いることが好ましく、そのような構造のポリビニルホルマールを溶解させるのに適切な溶媒として、ポリアクリル酸を溶解させることができるDMSOが好ましい。
ルエン=40:60)、1,4−ジオキサン、酢酸、シクロヘキサノン、フェノール、N
,N−ジメチルホルムアミド、ベンジルアルコール、プロピレンカーボネートなどが挙げられる。ナノ繊維同士をポリビニルアセタールで密着させるためには構成単位dを含むポリビニルホルマール樹脂を用いることが好ましく、そのような構造のポリビニルホルマールを溶解させるのに適切な溶媒として、ポリアクリル酸を溶解させることができるDMSOが好ましい。
ポリビニルアセタールをDMSOへ溶解させる際には、ポリビニルアセタールとしてポリビニルホルマールを用いる場合、その濃度は1〜7重量%が好ましい。ポリビニルホルマール濃度が1重量%以上であると、ナノ繊維間へポリビニルホルマールを接着でき、ポリビニルホルマール溶液に含浸していないナノ繊維集合体に比べてヤング率が向上する。そして繊維強化複合材料にしたときに繊維体積含有率(Vf)が高くなり、繊維強化複合材料の強度、剛性が高くなる。また、ポリビニルホルマール濃度が7重量%以下であればポリビニルホルマール溶液に含浸していないナノ繊維集合体に比べてヤング率が向上し、繊維強化複合材料にしたときのVfがさらに高くなって強度、剛性が高くなる。さらに溶液をナノ繊維ウェブに滴下してダイに通して糸にした後、150℃で乾燥する前にポリビニルホルマールが空気中の水分の吸収により析出することがない。
<繊維強化複合材料用組成物>
本実施形態の複合繊維を用いた繊維強化複合材料用組成物及び繊維強化複合材料に含有させるマトリックス樹脂として、エポキシ樹脂を用いることが好ましい。マトリックス樹脂にエポキシ樹脂を用いた場合、ポリビニルアセタールのエポキシ樹脂への相溶性が高いため、複合繊維の強度向上に加えて複合繊維とマトリックス樹脂との強固な接着が考えられる。エポキシ樹脂の種類については、100℃で液状のものであることが好ましく、ポリビニルアセタールが溶解しやすいエポキシ樹脂が好ましい。
また、固体のエポキシ樹脂であっても液状エポキシ樹脂と混合して、100℃で液状であれば本実施形態に用いることができる。
本実施形態の複合繊維を用いた繊維強化複合材料用組成物及び繊維強化複合材料に含有させるマトリックス樹脂として、エポキシ樹脂を用いることが好ましい。マトリックス樹脂にエポキシ樹脂を用いた場合、ポリビニルアセタールのエポキシ樹脂への相溶性が高いため、複合繊維の強度向上に加えて複合繊維とマトリックス樹脂との強固な接着が考えられる。エポキシ樹脂の種類については、100℃で液状のものであることが好ましく、ポリビニルアセタールが溶解しやすいエポキシ樹脂が好ましい。
また、固体のエポキシ樹脂であっても液状エポキシ樹脂と混合して、100℃で液状であれば本実施形態に用いることができる。
エポキシ樹脂は、分子内に2個以上のエポキシ基を有する化合物であり、ビスフェノール型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、グリシジルアミン型エポキシ樹脂、イソシアネート変性エポキシ樹脂、ウレタン変性エポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂、フルオレン型エポキシ樹脂などを使
用することができる。 これらのエポキシ樹脂は、単独、または2種類以上を併用して使
用することができる。
用することができる。 これらのエポキシ樹脂は、単独、または2種類以上を併用して使
用することができる。
ビスフェノール型エポキシ樹脂については、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールAD型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂、ブロム化ビスフェノールA型エポキシ樹脂などがある。
ビスフェノールA型エポキシ樹脂としては、三菱化学株式会社製品では、jER827、jER828、jER834、jER1001、jER1002、jER1003、jER1004、jER1055、jER1007、jER1009、jER1010が含まれる。DIC株式会社製品では、エピクロン840、エピクロン850、エピクロン860、エピクロン1050、エピクロン1055、エピクロン2050、エピクロン3050が含まれ、東都化成株式会社製品では、エポトートYD−127、エポトートYD−128、エポトートYD−134が含まれる。
ビスフェノールF型エポキシ樹脂としては、三菱化学株式会社製品では、jER806、jER807、jER4004P、jER4005P、jER4007P、jER4010P、などが含まれる。DIC株式会社製品としては、エピクロン830が含まれ、東都化成株式会社製品では、エポトートYD−170、エポトートYD−2001、エポトートYD−2004、エポトートYD−2005RLが含まれる。
ビスフェノールS型エポキシ樹脂としては、DIC株式会社製品のエピクロンEXA-
1514、エピクロンEXA-1515、などが含まれる。
ブロム化ビスフェノールA型エポキシ樹脂としては、三菱化学株式会社製品のjER5046B80、jER 5047B75、jER 5050T60、jER 5050、j
ER 5051や、日本インキ化学工業株式会社製品のエピクロン152、エピクロン1
53などが含まれる。
ビスフェノールA型エポキシ樹脂としては、三菱化学株式会社製品では、jER827、jER828、jER834、jER1001、jER1002、jER1003、jER1004、jER1055、jER1007、jER1009、jER1010が含まれる。DIC株式会社製品では、エピクロン840、エピクロン850、エピクロン860、エピクロン1050、エピクロン1055、エピクロン2050、エピクロン3050が含まれ、東都化成株式会社製品では、エポトートYD−127、エポトートYD−128、エポトートYD−134が含まれる。
ビスフェノールF型エポキシ樹脂としては、三菱化学株式会社製品では、jER806、jER807、jER4004P、jER4005P、jER4007P、jER4010P、などが含まれる。DIC株式会社製品としては、エピクロン830が含まれ、東都化成株式会社製品では、エポトートYD−170、エポトートYD−2001、エポトートYD−2004、エポトートYD−2005RLが含まれる。
ビスフェノールS型エポキシ樹脂としては、DIC株式会社製品のエピクロンEXA-
1514、エピクロンEXA-1515、などが含まれる。
ブロム化ビスフェノールA型エポキシ樹脂としては、三菱化学株式会社製品のjER5046B80、jER 5047B75、jER 5050T60、jER 5050、j
ER 5051や、日本インキ化学工業株式会社製品のエピクロン152、エピクロン1
53などが含まれる。
フェノールノボラック型エポキシ樹脂としては、三菱化学株式会社製品のjER152、jER154や、DIC株式会社製品のエピクロンN−740、エピクロンN−770、エピクロンN−775が含まれ、東都化成株式会社製品としては、エポトートYDPN−638などが含まれる。
クレゾールノボラック型エポキシ樹脂としては、DIC株式会社製品のエピクロンN−660、エピクロンN−665、エピクロンN−670、エピクロンN−673、エピクロンN−695や、日本化薬株式会社製品のEOCN−1020、EOCN−102S、EOCN−104Sなどが含まれる。
クレゾールノボラック型エポキシ樹脂としては、DIC株式会社製品のエピクロンN−660、エピクロンN−665、エピクロンN−670、エピクロンN−673、エピクロンN−695や、日本化薬株式会社製品のEOCN−1020、EOCN−102S、EOCN−104Sなどが含まれる。
グリシジルアミン型エポキシ樹脂としては、住友化学株式会社製品として、ELM−120、ELM−434、ELM−434HVや、DIC株式会社製品のエピクロン430−L、エピクロン430や、東都化成株式会社製品のエポトートYH−434、エポトートYH−434Lや、三菱化学株式会社製品のjER604や、日本化薬株式会社製品のGAN,GOTが含まれる。
イソシアネート変性エポキシ樹脂やウレタン変性エポキシ樹脂としては、旭化成エポキシ株式会社製品のAER4152や、株式会社ADEKA製品のACR1348などが含まれる。
脂環式エポキシ樹脂としては、ダイセル化学工業株式会社製品のセロキサイド2021、セロキサイド2080などが含まれる。
ビフェニル型エポキシ樹脂としては、三菱化学株式会社製品のjER XY4000、
jER YL6121H、jER YL6640や、日本化薬株式会社製品のNC−3000などが含まれる。
ナフタレン型エポキシ樹脂としては、DIC株式会社製品のエピクロンHP4032や、日本化薬株式会社製品のNC−7000、NC−7300などが含まれる。
ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂としては、DIC株式会社製品のエピクロンHP
7200、エピクロンHP7200L、エピクロンHP7200Hや、日本化薬株式会社製品のXD−1000−1L、XD−1000−2Lなどが含まれる。
イソシアネート変性エポキシ樹脂やウレタン変性エポキシ樹脂としては、旭化成エポキシ株式会社製品のAER4152や、株式会社ADEKA製品のACR1348などが含まれる。
脂環式エポキシ樹脂としては、ダイセル化学工業株式会社製品のセロキサイド2021、セロキサイド2080などが含まれる。
ビフェニル型エポキシ樹脂としては、三菱化学株式会社製品のjER XY4000、
jER YL6121H、jER YL6640や、日本化薬株式会社製品のNC−3000などが含まれる。
ナフタレン型エポキシ樹脂としては、DIC株式会社製品のエピクロンHP4032や、日本化薬株式会社製品のNC−7000、NC−7300などが含まれる。
ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂としては、DIC株式会社製品のエピクロンHP
7200、エピクロンHP7200L、エピクロンHP7200Hや、日本化薬株式会社製品のXD−1000−1L、XD−1000−2Lなどが含まれる。
エポキシ樹脂は、オキシラニルを少なくとも1つ有する化合物であり、反応性希釈剤を含んでもよい。反応性希釈剤は一般的なエポキシ樹脂よりも分子量が低く、25℃での粘度が2mPa・sから100mPa・sであることが好ましい。反応性希釈剤は一方のエポキシ樹脂の粘度を下げる目的に用いてもよい。
反応性希釈剤は、モノエポキシド類として、次の化合物がある。
アルコール系のアリルグリシジルエーテル、n−ブチルグリシジルエーテル、2−エチルヘキシルグリシジルエーテル、高級アルコールグリシジルエーテルがある。
フェノール系としてフェニルグリシジルエーテル、p-tert−ブチルフェニルグリ
シジルエーテル、クレジルグリシジルエーテル、フェノール(EO)5グリシジルエーテル、sec−ブチルフェニルグリシジルエーテル、カルダノールジグリシジルエーテル、ジブロモフェニルグリシジルエーテルがある。
その他の化合物として、グリシジルメタクリレート、スチレンオキサイド、3級カルボン酸グリシジルエステルがある。
反応性希釈剤は、モノエポキシド類として、次の化合物がある。
アルコール系のアリルグリシジルエーテル、n−ブチルグリシジルエーテル、2−エチルヘキシルグリシジルエーテル、高級アルコールグリシジルエーテルがある。
フェノール系としてフェニルグリシジルエーテル、p-tert−ブチルフェニルグリ
シジルエーテル、クレジルグリシジルエーテル、フェノール(EO)5グリシジルエーテル、sec−ブチルフェニルグリシジルエーテル、カルダノールジグリシジルエーテル、ジブロモフェニルグリシジルエーテルがある。
その他の化合物として、グリシジルメタクリレート、スチレンオキサイド、3級カルボン酸グリシジルエステルがある。
反応性希釈剤は、ジエポキシド類としてN,N’−ジグリシジルアニリン、N,N−ジグリシジル−O-トルイジン、無水ヘキサヒドロフタル酸ジグリシジルエステル、ポリエ
チレングリコールジグリシジルエーテル(n=2〜13)、エチレングリコールジグリシ
ジルエーテル、ポリプロピレングリコールジグリシジルエーテル(n=3〜11)、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、レソルシノールジグリシジルエーテル、ジグリシジル−O−フタレート、ジブロモネオペンチルグリコールジグリシジルエーテルがある。
反応性希釈剤は、トリエポキシド類として、グリセロールポリグリシジルエーテル、トリメチロールプロパンポリグリシジルエーテルがある。
チレングリコールジグリシジルエーテル(n=2〜13)、エチレングリコールジグリシ
ジルエーテル、ポリプロピレングリコールジグリシジルエーテル(n=3〜11)、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、レソルシノールジグリシジルエーテル、ジグリシジル−O−フタレート、ジブロモネオペンチルグリコールジグリシジルエーテルがある。
反応性希釈剤は、トリエポキシド類として、グリセロールポリグリシジルエーテル、トリメチロールプロパンポリグリシジルエーテルがある。
液状エポキシ樹脂は1種の液状エポキシ樹脂、もしくは少なくとも2種のエポキシ樹脂を混合したものを用いてよい。また少なくとも1種の固形エポキシ樹脂を少なくとも1種の液状エポキシ樹脂に溶解して用いてもよい。
本実施形態にかかる繊維強化複合材料用組成物における、複合繊維の割合については、複合繊維が4〜70体積%である態様を挙げることができ、好ましくは複合繊維が10〜70体積%である態様を挙げることができる。
<繊維強化複合材料>
上記で説明した繊維強化複合材料用組成物を硬化させるか、上記で説明した複合繊維とマトリックス樹脂を別々に準備したものを後述する方法で組み合わせ、該マトリックス樹脂を硬化させることで、本実施形態にかかる繊維強化複合材料を得ることができる。
本実施形態にかかる繊維強化複合材料では、複合繊維を主成分として含む。本実施形態にかかる繊維強化複合材料において、主成分とは繊維体積含有率(Vf)が10〜70体積%であることを示す。炭素繊維を用いた繊維強化複合材料において、繊維体積含有率(V
f)が少なくとも60体積%と高いことが特徴であり、Vfが高ければ強度、弾性率が向
上することが知られている。よって本実施形態の複合繊維を用いた繊維強化複合材料において高剛性、高強度な複合材にするには、Vfを高くすることが重要であり、少なくともVfが10体積%あれば高剛性、高強度を発現できる。
ポリビニルアセタールを含浸していないナノ繊維集合体に比べてポリビニルアセタールをナノ繊維集合体に含浸させた複合繊維はVfを10体積%以上にすることができ、高剛性、高強度の繊維強化複合材料の作製が可能と考えられる。Vfが70体積%以下であればマトリックス樹脂の含浸不足がなく、高剛性、高強度を発現できる。
本実施形態における複合繊維を主成分とする繊維強化複合材料の作製法については公知の方法を用いることができる。代表的な方法として、プリプレグ法、フィラメントワインディング法、レジントランスファーモールディング法がある。
例えば、前記の複合繊維を用いたプリプレグ法で繊維強化複合材料を作製する場合、まずシリコンで離型処理した紙やプラスチックフィルムの間に複合繊維とマトリックス樹脂とを配置して、これらシートを油圧またはローラで加圧し、複合繊維内にマトリックス樹脂を含浸、一体化させ、ある程度反応を進め、可撓性のプリプレグシートが作られる。このようなプリプレグシートを所定の方向に配列して積層し、加圧し一体化させ、最終的に加熱、加圧して硬化する。
フィラメントワインディング法とは複合繊維の束をマトリックス樹脂槽の中を通して、あらかじめ用意した所定のマンドレルにこれを巻きつけて成形する方法である。
レジントランスファーモールディング法とは、複合繊維とマトリックス樹脂からなる上記の繊維強化複合材料用組成物を型内に閉じ込め、低粘度の状態であらかじめ前記組成物に触媒を添加し、最終的にはさらに比較的低圧力で型内にレジンを射出成形する方法である。したがってマトリックス樹脂の硬化は型内で行われ、硬化を促進するため加熱することもある。
なお、上記の各方法においてマトリックス樹脂は、繊維強化複合材料用組成物に用いるものと同じものを用いることができる。
上記で説明した繊維強化複合材料用組成物を硬化させるか、上記で説明した複合繊維とマトリックス樹脂を別々に準備したものを後述する方法で組み合わせ、該マトリックス樹脂を硬化させることで、本実施形態にかかる繊維強化複合材料を得ることができる。
本実施形態にかかる繊維強化複合材料では、複合繊維を主成分として含む。本実施形態にかかる繊維強化複合材料において、主成分とは繊維体積含有率(Vf)が10〜70体積%であることを示す。炭素繊維を用いた繊維強化複合材料において、繊維体積含有率(V
f)が少なくとも60体積%と高いことが特徴であり、Vfが高ければ強度、弾性率が向
上することが知られている。よって本実施形態の複合繊維を用いた繊維強化複合材料において高剛性、高強度な複合材にするには、Vfを高くすることが重要であり、少なくともVfが10体積%あれば高剛性、高強度を発現できる。
ポリビニルアセタールを含浸していないナノ繊維集合体に比べてポリビニルアセタールをナノ繊維集合体に含浸させた複合繊維はVfを10体積%以上にすることができ、高剛性、高強度の繊維強化複合材料の作製が可能と考えられる。Vfが70体積%以下であればマトリックス樹脂の含浸不足がなく、高剛性、高強度を発現できる。
本実施形態における複合繊維を主成分とする繊維強化複合材料の作製法については公知の方法を用いることができる。代表的な方法として、プリプレグ法、フィラメントワインディング法、レジントランスファーモールディング法がある。
例えば、前記の複合繊維を用いたプリプレグ法で繊維強化複合材料を作製する場合、まずシリコンで離型処理した紙やプラスチックフィルムの間に複合繊維とマトリックス樹脂とを配置して、これらシートを油圧またはローラで加圧し、複合繊維内にマトリックス樹脂を含浸、一体化させ、ある程度反応を進め、可撓性のプリプレグシートが作られる。このようなプリプレグシートを所定の方向に配列して積層し、加圧し一体化させ、最終的に加熱、加圧して硬化する。
フィラメントワインディング法とは複合繊維の束をマトリックス樹脂槽の中を通して、あらかじめ用意した所定のマンドレルにこれを巻きつけて成形する方法である。
レジントランスファーモールディング法とは、複合繊維とマトリックス樹脂からなる上記の繊維強化複合材料用組成物を型内に閉じ込め、低粘度の状態であらかじめ前記組成物に触媒を添加し、最終的にはさらに比較的低圧力で型内にレジンを射出成形する方法である。したがってマトリックス樹脂の硬化は型内で行われ、硬化を促進するため加熱することもある。
なお、上記の各方法においてマトリックス樹脂は、繊維強化複合材料用組成物に用いるものと同じものを用いることができる。
次に本発明を実施例によってさらに詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
<カーボンナノチューブ(CNT)>
実施例で用いるカーボンナノチューブとして、多層カーボンナノチューブ(MWNT)を用いた。MWNTは、化学気相析出法(CM−CVD法)によりアセチレンガス(C2H2)を原料に、塩化鉄II(FeCl2)を触媒に用いてシリコン基板上に成長させた。基板上に成長させたMWNTの繊維長は0.6〜1mm、直径は30〜50nmであった。
実施例で用いるカーボンナノチューブとして、多層カーボンナノチューブ(MWNT)を用いた。MWNTは、化学気相析出法(CM−CVD法)によりアセチレンガス(C2H2)を原料に、塩化鉄II(FeCl2)を触媒に用いてシリコン基板上に成長させた。基板上に成長させたMWNTの繊維長は0.6〜1mm、直径は30〜50nmであった。
<カーボンナノチューブ糸>
MWNT撚糸は、MWNTアレイの端部分からMWNTのシートをつまみ出し、それを撚りを掛けながら引き出すことにより作製した。実施例で使用したMWNT撚糸の作製条件は引出し速度100mm/s、回転速度30,000rpm、基板寸法10mm×40mmである。MWNT撚糸作製の模式図を図1に示す。
一方、MWNT無撚糸は、MWNTアレイから引き出したシートを撚らずにダイに通すことにより作製した。本研究で使用したMWNT無撚糸の作製条件は引出し速度10mm/s、基板寸法20mm×40mmであり、ダイには図2に示すような直径100μmのピンホール(S71シリーズ、駿河精機)を使用した。MWNT無撚糸作製の模式図を図3に示す。
MWNT撚糸は、MWNTアレイの端部分からMWNTのシートをつまみ出し、それを撚りを掛けながら引き出すことにより作製した。実施例で使用したMWNT撚糸の作製条件は引出し速度100mm/s、回転速度30,000rpm、基板寸法10mm×40mmである。MWNT撚糸作製の模式図を図1に示す。
一方、MWNT無撚糸は、MWNTアレイから引き出したシートを撚らずにダイに通すことにより作製した。本研究で使用したMWNT無撚糸の作製条件は引出し速度10mm/s、基板寸法20mm×40mmであり、ダイには図2に示すような直径100μmのピンホール(S71シリーズ、駿河精機)を使用した。MWNT無撚糸作製の模式図を図3に示す。
<使用したポリビニルホルマールの分子量と組成>
実施例で集束剤として使用したポリビニルホルマールはJNC株式会社製ビニレック(商標)、グレード:PVF−Cである。重量平均分子量Mwは62000であり、ビニルホルマール(構成単位a)は72.48mol%、酢酸ビニル(構成単位b)は8.24mol%、ビニルアルコール(構成単位c)は16.13mol%、アクリル酸(構成単位d)は3.15mol%である。
実施例で集束剤として使用したポリビニルホルマールはJNC株式会社製ビニレック(商標)、グレード:PVF−Cである。重量平均分子量Mwは62000であり、ビニルホルマール(構成単位a)は72.48mol%、酢酸ビニル(構成単位b)は8.24mol%、ビニルアルコール(構成単位c)は16.13mol%、アクリル酸(構成単位d)は3.15mol%である。
<ポリビニルホルマールの真空乾燥>
ポリビニルホルマール樹脂(JNC株式会社製ビニレック(商標)、グレード:PVF-
C)120gを紙皿に載せ、真空乾燥機(商品名:Isotemp Vacuum Ove
n Model 280Aサーモサイエンティフィック製)に入れて窒素気流下で60℃、8時間真空乾燥した(真空度−15in Hg)。
<ポリビニルホルマールのDMSOへの溶解>
1LナスフラスコにDMSO 336.2733gを仕込み、ついで攪拌子を入れた。
次にナスフラスコの口に排気管曲管を接続し、流動パラフィンの入っているバブラーを取り付けた窒素ラインのチューブを同曲管に繋げた。装置を完成させた後、窒素雰囲気下、マグネティックスターラーにて1200rpmで攪拌を開始した。真空乾燥したポリビニルホルマール樹脂(JNC株式会社製ビニレック(商標)、グレード:PVF-C) 37.3637gを少しずつ添加して徐々に攪拌溶解させた。攪拌溶解は30時間行い、溶解終了後、ポリエチレンフィルター(200メッシュ)を敷いたガラス製ロートに溶液を流して異物を除去し、最終的に10重量%のポリビニルホルマール−DMSO溶液を得た。
ポリビニルホルマール樹脂(JNC株式会社製ビニレック(商標)、グレード:PVF-
C)120gを紙皿に載せ、真空乾燥機(商品名:Isotemp Vacuum Ove
n Model 280Aサーモサイエンティフィック製)に入れて窒素気流下で60℃、8時間真空乾燥した(真空度−15in Hg)。
<ポリビニルホルマールのDMSOへの溶解>
1LナスフラスコにDMSO 336.2733gを仕込み、ついで攪拌子を入れた。
次にナスフラスコの口に排気管曲管を接続し、流動パラフィンの入っているバブラーを取り付けた窒素ラインのチューブを同曲管に繋げた。装置を完成させた後、窒素雰囲気下、マグネティックスターラーにて1200rpmで攪拌を開始した。真空乾燥したポリビニルホルマール樹脂(JNC株式会社製ビニレック(商標)、グレード:PVF-C) 37.3637gを少しずつ添加して徐々に攪拌溶解させた。攪拌溶解は30時間行い、溶解終了後、ポリエチレンフィルター(200メッシュ)を敷いたガラス製ロートに溶液を流して異物を除去し、最終的に10重量%のポリビニルホルマール−DMSO溶液を得た。
<複合繊維の作製:ポリビニルホルマールによるカーボンナノチューブ糸の集束>
実施例1:撚糸に対して
上記の撚糸に対しては、竹串での塗布と浸漬(60℃×3hrs)を行った。その後、150℃×1hrの条件で溶媒であるDMSOを乾燥させた。
上記のポリビニルホルマール溶液の濃度を3重量%(実施例1−1)と5重量%(実施例1−2)に調製したものを作製し、試験片本数は各条件6本以上とした。
比較例1
また比較のために、集束剤による処理を行っていない撚糸(比較例1−1)とDMSOのみの溶液に浸漬した撚糸(比較例1−2)に対しても同様の実験を行った。
実施例1:撚糸に対して
上記の撚糸に対しては、竹串での塗布と浸漬(60℃×3hrs)を行った。その後、150℃×1hrの条件で溶媒であるDMSOを乾燥させた。
上記のポリビニルホルマール溶液の濃度を3重量%(実施例1−1)と5重量%(実施例1−2)に調製したものを作製し、試験片本数は各条件6本以上とした。
比較例1
また比較のために、集束剤による処理を行っていない撚糸(比較例1−1)とDMSOのみの溶液に浸漬した撚糸(比較例1−2)に対しても同様の実験を行った。
実施例2:無撚糸に対して
一方、無撚糸に対しては浸漬によるポリビニルホルマールの添加が難しいので、図3に示すように、アレイから引出したMWNTウェブに直接滴下する方法を実施した。具体的には、無撚糸作製時に引出し速度として10mm/sで無撚糸を採用し、その引出中にポリビニルホルマール溶液を滴下した。その後、150℃×1hrの条件で溶媒であるDMSOを乾燥させた。
ポリビニルホルマールとカーボンナノチューブの複合繊維中のカーボンナノチューブの体積含有率を測定したところ、以下の表1に示す結果になった。
ポリビニルホルマール溶液の濃度として、1重量%(実施例2−1)、3重量%(実施例2−2)、5重量%(実施例2−3)、7重量%(実施例2−4)を採用した。
一方、無撚糸に対しては浸漬によるポリビニルホルマールの添加が難しいので、図3に示すように、アレイから引出したMWNTウェブに直接滴下する方法を実施した。具体的には、無撚糸作製時に引出し速度として10mm/sで無撚糸を採用し、その引出中にポリビニルホルマール溶液を滴下した。その後、150℃×1hrの条件で溶媒であるDMSOを乾燥させた。
ポリビニルホルマールとカーボンナノチューブの複合繊維中のカーボンナノチューブの体積含有率を測定したところ、以下の表1に示す結果になった。
ポリビニルホルマール溶液の濃度として、1重量%(実施例2−1)、3重量%(実施例2−2)、5重量%(実施例2−3)、7重量%(実施例2−4)を採用した。
比較例2
実施例2と比較を行うために、ポリビニルホルマール溶液で処理を行っていない無撚糸(比較例2−1)と、DMSOのみをウェブに滴下することで調製した無撚糸(比較例2−2)も得た。
実施例2と比較を行うために、ポリビニルホルマール溶液で処理を行っていない無撚糸(比較例2−1)と、DMSOのみをウェブに滴下することで調製した無撚糸(比較例2−2)も得た。
<引張試験法>
以下で説明するように、ポリビニルホルマールが力学的特性に与える影響を検討するために、PVFにより集束したMWNT撚糸および無撚糸、そして集束した無撚糸をプリフォームに用いたエポキシ基複合材料に対して引張試験を行った。
図4に試験片形状を示す。試験片は、コの字型台紙の上にMWNT糸を置き、両端を接着剤(シアノアクリレート系強力瞬間接着剤、大創産業)により固定することで作製した。これを引張試験機に固定した後、台紙中央の破線部を切断し、試験を行った。試験条件は、室温大気中、クロスヘッドスピード1mm/min、標点間距離15mmとし、各条件に対して試験本数は3本以上とした。標点間の伸びの測定には非接触伸び計を用いた。
以下で説明するように、ポリビニルホルマールが力学的特性に与える影響を検討するために、PVFにより集束したMWNT撚糸および無撚糸、そして集束した無撚糸をプリフォームに用いたエポキシ基複合材料に対して引張試験を行った。
図4に試験片形状を示す。試験片は、コの字型台紙の上にMWNT糸を置き、両端を接着剤(シアノアクリレート系強力瞬間接着剤、大創産業)により固定することで作製した。これを引張試験機に固定した後、台紙中央の破線部を切断し、試験を行った。試験条件は、室温大気中、クロスヘッドスピード1mm/min、標点間距離15mmとし、各条件に対して試験本数は3本以上とした。標点間の伸びの測定には非接触伸び計を用いた。
<引張試験1:実施例1及び比較例1の撚糸を使用>
前記方法で行った引張試験1で得られた荷重−変位線図と応力−ひずみ線図をそれぞれ図5と図6に、力学的特性を表2−1と表2−2に示す。撚糸の断面積は直径を計測することで算出し、ヤング率はひずみが0.25−0.50%の範囲で算出した。ここでは、撚糸の力学的特性ではなく、PVFによるMWNT撚糸の集束を検討するために、応力−ひずみ線図ではなく、荷重−変位線図について考察する。同一幅のアレイから撚糸を作製しており、断面積が異なっていても断面でのMWNTの本数は全ての条件でほとんど等しいと考えられるので、荷重−変位線図を用いることができる。
前記方法で行った引張試験1で得られた荷重−変位線図と応力−ひずみ線図をそれぞれ図5と図6に、力学的特性を表2−1と表2−2に示す。撚糸の断面積は直径を計測することで算出し、ヤング率はひずみが0.25−0.50%の範囲で算出した。ここでは、撚糸の力学的特性ではなく、PVFによるMWNT撚糸の集束を検討するために、応力−ひずみ線図ではなく、荷重−変位線図について考察する。同一幅のアレイから撚糸を作製しており、断面積が異なっていても断面でのMWNTの本数は全ての条件でほとんど等しいと考えられるので、荷重−変位線図を用いることができる。
実験結果から、集束剤ありの撚糸(実施例1−1、1−2)では、集束剤なしの撚糸よりも破断伸びが小さくなっていた。これは、ポリビニルホルマールがMWNT間を結合することで、すべりにくくなったためだと考えられる。また、実施例1−2では、破断荷重が集束剤なしの撚糸よりも高かった。これは、ポリビニルホルマール溶液の濃度が5重量%である場合は、ポリビニルホルマールによる結合が破断荷重を上昇させるのに十分な濃
度であったためであると考えられる。
度であったためであると考えられる。
<引張試験2:実施例2及び比較例2の無撚糸を使用>
実施例2及び比較例2の無撚糸を用いて、前記方法により引張試験2を行った。試験片本数は各条件で5本以上とした。
引張試験2で得られた荷重−変位線図と応力−ひずみ線図をそれぞれ図7と図8に、力学的特性を表3−1〜表3−3に示す。ここで、実施例2−3では6本中3本の試験片が、実施例2−4では全ての試験片がタブ部で破断した。そのため、表の実施例2−3の平均値はタブ部で破断しなかった3本の値から算出したものである。また、無撚糸の断面積は断面形状が真円ではないので破断面のSEM画像から算出し、ヤング率はひずみが0.25−0.50%の範囲で算出した。
実施例2及び比較例2の無撚糸を用いて、前記方法により引張試験2を行った。試験片本数は各条件で5本以上とした。
引張試験2で得られた荷重−変位線図と応力−ひずみ線図をそれぞれ図7と図8に、力学的特性を表3−1〜表3−3に示す。ここで、実施例2−3では6本中3本の試験片が、実施例2−4では全ての試験片がタブ部で破断した。そのため、表の実施例2−3の平均値はタブ部で破断しなかった3本の値から算出したものである。また、無撚糸の断面積は断面形状が真円ではないので破断面のSEM画像から算出し、ヤング率はひずみが0.25−0.50%の範囲で算出した。
次に、実施例1と同様に、応力−ひずみ線図ではなく荷重−変位線図について考察する。
実験結果から、ポリビニルホルマールを用いて無撚糸を集束することで破断荷重が増加すること、ポリビニルホルマール溶液の濃度が高いほど破断荷重が増加することがわかっ
た。
集束した無撚糸の破断荷重が向上した理由を考察するために、図9に示すようなカーボンナノチューブ1本が無撚糸と等価な弾性特性を持つ均質媒体中に埋め込まれているモデルを考える。このとき、カーボンナノチューブ1本に作用する軸方向垂直応力は図10のように分布している。ポリビニルホルマールを用いて無撚糸を集束することにより、荷重伝達率が向上し、応力分布が実線から破線のように変化する。これにより、カーボンナノチューブ1本に作用する最大応力の平均値が小さくなり、集束した無撚糸の破断荷重が向上すると考えられる。
実験結果から、ポリビニルホルマールを用いて無撚糸を集束することで破断荷重が増加すること、ポリビニルホルマール溶液の濃度が高いほど破断荷重が増加することがわかっ
た。
集束した無撚糸の破断荷重が向上した理由を考察するために、図9に示すようなカーボンナノチューブ1本が無撚糸と等価な弾性特性を持つ均質媒体中に埋め込まれているモデルを考える。このとき、カーボンナノチューブ1本に作用する軸方向垂直応力は図10のように分布している。ポリビニルホルマールを用いて無撚糸を集束することにより、荷重伝達率が向上し、応力分布が実線から破線のように変化する。これにより、カーボンナノチューブ1本に作用する最大応力の平均値が小さくなり、集束した無撚糸の破断荷重が向上すると考えられる。
<エポキシ樹脂との複合材料の作製(実施例3及び比較例3)>
複合材料の母材として,エポキシ樹脂(jER 828、三菱化学)、反応性希釈材(
アルキルモノグリシジルエーテルYED111N、三菱化学)、高温硬化材(4−メチルヘキサヒドロ無水フタル酸/ヘキサヒドロ無水フタル酸=70/30(リカシッドMH−
700)、新日本理化)、硬化促進剤(2−エチル−4−メチルイミダゾ−ル(2E4MZ)、Wako)を90:10:86:1の比率で混合させたものを用いた。硬化条件は
130℃×2hrsであった。
集束したMWNT無撚糸1本に対して、エポキシ樹脂を竹串で塗布し、130℃×2hrsの条件で母材を硬化させることにより複合材料を作製した。このとき、硬化成形時には0.018Nの張力をかけながら母材を硬化させた。また比較用に、集束剤なしの無撚糸の複合材も作製したが、樹脂含浸状態の強度はほぼ0であり、硬化成形時に張力をかけることができないため,集束なしの場合は張力をかけずに母材を硬化させた.
複合材料の繊維体積含有率Vfは次式より算出した。
複合材料の母材として,エポキシ樹脂(jER 828、三菱化学)、反応性希釈材(
アルキルモノグリシジルエーテルYED111N、三菱化学)、高温硬化材(4−メチルヘキサヒドロ無水フタル酸/ヘキサヒドロ無水フタル酸=70/30(リカシッドMH−
700)、新日本理化)、硬化促進剤(2−エチル−4−メチルイミダゾ−ル(2E4MZ)、Wako)を90:10:86:1の比率で混合させたものを用いた。硬化条件は
130℃×2hrsであった。
集束したMWNT無撚糸1本に対して、エポキシ樹脂を竹串で塗布し、130℃×2hrsの条件で母材を硬化させることにより複合材料を作製した。このとき、硬化成形時には0.018Nの張力をかけながら母材を硬化させた。また比較用に、集束剤なしの無撚糸の複合材も作製したが、樹脂含浸状態の強度はほぼ0であり、硬化成形時に張力をかけることができないため,集束なしの場合は張力をかけずに母材を硬化させた.
複合材料の繊維体積含有率Vfは次式より算出した。
上記式において、M、V、ρはそれぞれ質量、体積、密度であり、添字のcnt、compo、matrixはそれぞれカーボンナノチューブ、複合材料、母材を表している。また、ρcntは2.1g/cm3(理論値)、ρmatrixは1.16g/cm3(実測値)とした。複合材料中のカーボンナノチューブの質量の測定は、示差熱・熱重量(TG/DTA)同時測定装置(DTG)の熱重量測定の機能を用いて、複合材料中のエポキシ樹脂を熱分解し、熱分解前後の質量から算出した。熱分解の条件は20℃/1minで温度上昇、500℃で20min保持とした。熱分解後の質量には、カーボンナノチューブのほかに炭化エポキシも含まれている。そのため、エポキシ樹脂のみを熱分解させて残った炭化エポキシの質量から、熱分解したエポキシに対する炭化エポキシの割合を計算すると7.17%となった。複合材料を熱分解して、熱分解したエポキシの質量に7.17をかけることによって、熱分解後の炭化エポキシの質量が算出できる。熱分解後の質量から算出した炭化エポキシの質量を引くことで複合材料中のカーボンナノチューブの質量Mcntを計算した。これと熱分解前の質量Mcompoより質量含有率Mfを求めた。
<引張試験3>
MWNT無撚糸1本を繊維基材に用いて作製したエポキシ基複合材料に対して、前記方法で引張試験3とSEM観察を行った。集束に用いたポリビニルホルマール溶液の濃度は1重量%(実施例3−1)、3重量%(実施例3−2)、5重量%(実施例3−3)、7重量%(実施例3−4)とし、試験片本数は各条件で3本以上とした。
また比較のために、未処理の無撚糸を繊維基材に用いた複合材料(比較例3−1)と、DMSOのみをウェブに滴下させて作製した無撚糸を繊維基材に用いた複合材料(比較例3−2)に対しても同じ実験を行った。
図11に複合材料の断面積と繊維体積含有率の関係を示す。図11より、ポリビニルホルマールを用いて集束した無撚糸を繊維基材として複合材料を作製することで、複合化の際の樹脂含浸による無撚糸の膨潤を抑制することができ、それにより複合材料の繊維体積含有率が向上していた。
引張試験3で得られた応力−ひずみ線図を図12に、力学的特性を表4−1〜4−3に示す。すべての試験片がタブ部で破断したので、引張強度の値は参考値である。また、複合材料の断面積は無撚糸と同様に破断面のSEM画像から算出し、ヤング率はひずみが0.25−0.50%の範囲で算出した。
MWNT無撚糸1本を繊維基材に用いて作製したエポキシ基複合材料に対して、前記方法で引張試験3とSEM観察を行った。集束に用いたポリビニルホルマール溶液の濃度は1重量%(実施例3−1)、3重量%(実施例3−2)、5重量%(実施例3−3)、7重量%(実施例3−4)とし、試験片本数は各条件で3本以上とした。
また比較のために、未処理の無撚糸を繊維基材に用いた複合材料(比較例3−1)と、DMSOのみをウェブに滴下させて作製した無撚糸を繊維基材に用いた複合材料(比較例3−2)に対しても同じ実験を行った。
図11に複合材料の断面積と繊維体積含有率の関係を示す。図11より、ポリビニルホルマールを用いて集束した無撚糸を繊維基材として複合材料を作製することで、複合化の際の樹脂含浸による無撚糸の膨潤を抑制することができ、それにより複合材料の繊維体積含有率が向上していた。
引張試験3で得られた応力−ひずみ線図を図12に、力学的特性を表4−1〜4−3に示す。すべての試験片がタブ部で破断したので、引張強度の値は参考値である。また、複合材料の断面積は無撚糸と同様に破断面のSEM画像から算出し、ヤング率はひずみが0.25−0.50%の範囲で算出した。
図12より、ポリビニルホルマールで集束した無撚糸を繊維基材に用いて複合材料を作製することで、力学的特性が向上することが分かる。複合材料の力学的特性と繊維体積含有率の関係を図13に示す。図13より、力学的特性の向上は、無撚糸を集束することに
よる繊維体積含有率の向上に起因するものだと考えられる。
よる繊維体積含有率の向上に起因するものだと考えられる。
比較例3−1のSEM写真を図14に示し、実施例3−3のSEM写真を図15に示す。
図14の(a)の低倍率の写真の白い繊維がカーボンナノチューブであり、暗色の部分がエポキシ破面に相当する。その拡大図が図14の(b)である。エポキシ樹脂の破面は平たんであり、破面から突き出しているカーボンナノチューブに付着するエポキシ樹脂は全く無いことが分かる。
次に、図15の(a)の低倍率の破面を見ると、図14の(a)にみられるような平たん部と、図14とは異なるとげとげしい部分が存在することがわかる。そのとげとげしい部分を拡大したものが図15の(b)である。カーボンナノチューブ同士がポリビニルホルマールと考えられるもので集束されており、またその部分と破面とは一体化しており、ポリビニルホルマールによりカーボンナノチューブとエポキシ樹脂との接着性が改善されたことが分かる。
図14と15の写真は、ポリビニルホルマールの使用により破面形成機構が変化することを意味している。ポリビニルホルマールの使用時に破面の凹凸が生じていること、またおそらく延性樹脂であるポリビニルホルマールがき裂先端で引き伸ばされることにより、カーボンナノチューブの繊維を切断する方向に伝播するき裂のき裂進展抵抗が増加(=破壊靭性が向上)したと考えられる。その結果、集束剤不使用の場合には、いったん複合材料表面にき裂ができるとき裂が不安定に伝播(=すぐに破断する)して、フラットな破面が形成されるが、ポリビニルホルマールを使用した場合には、たとえ複合材料の表面にき裂ができても、き裂の伝播によりポリビニルホルマールが存在する部分にき裂の先端が到達すると、ポリビニルホルマールが延性樹脂であり、かつエポキシ樹脂と良接着していることから、き裂のさらなる伝播が妨げられ、即時破壊に至らない。その結果、ポリビニルホルマールを集束剤として用いた場合には、破断ひずみが伸びる。
図16に破断ひずみをグラフ化したものを示す。ポリビニルホルマール未使用の二種(比較例3−1、3−2)と実施例3−1と、実施例3−2とでは、破断ひずみに有意な差があり、ポリビニルホルマールの使用が複合材料の強化方向の延性をも向上させることが分かった。
図14の(a)の低倍率の写真の白い繊維がカーボンナノチューブであり、暗色の部分がエポキシ破面に相当する。その拡大図が図14の(b)である。エポキシ樹脂の破面は平たんであり、破面から突き出しているカーボンナノチューブに付着するエポキシ樹脂は全く無いことが分かる。
次に、図15の(a)の低倍率の破面を見ると、図14の(a)にみられるような平たん部と、図14とは異なるとげとげしい部分が存在することがわかる。そのとげとげしい部分を拡大したものが図15の(b)である。カーボンナノチューブ同士がポリビニルホルマールと考えられるもので集束されており、またその部分と破面とは一体化しており、ポリビニルホルマールによりカーボンナノチューブとエポキシ樹脂との接着性が改善されたことが分かる。
図14と15の写真は、ポリビニルホルマールの使用により破面形成機構が変化することを意味している。ポリビニルホルマールの使用時に破面の凹凸が生じていること、またおそらく延性樹脂であるポリビニルホルマールがき裂先端で引き伸ばされることにより、カーボンナノチューブの繊維を切断する方向に伝播するき裂のき裂進展抵抗が増加(=破壊靭性が向上)したと考えられる。その結果、集束剤不使用の場合には、いったん複合材料表面にき裂ができるとき裂が不安定に伝播(=すぐに破断する)して、フラットな破面が形成されるが、ポリビニルホルマールを使用した場合には、たとえ複合材料の表面にき裂ができても、き裂の伝播によりポリビニルホルマールが存在する部分にき裂の先端が到達すると、ポリビニルホルマールが延性樹脂であり、かつエポキシ樹脂と良接着していることから、き裂のさらなる伝播が妨げられ、即時破壊に至らない。その結果、ポリビニルホルマールを集束剤として用いた場合には、破断ひずみが伸びる。
図16に破断ひずみをグラフ化したものを示す。ポリビニルホルマール未使用の二種(比較例3−1、3−2)と実施例3−1と、実施例3−2とでは、破断ひずみに有意な差があり、ポリビニルホルマールの使用が複合材料の強化方向の延性をも向上させることが分かった。
Claims (12)
- 複数のナノ繊維が集合してなるナノ繊維集合体と、前記複数のナノ繊維間に含浸されたポリビニルアセタールとからなる複合繊維。
- 前記ナノ繊維集合体は、前記複数のナノ繊維が長さ方向に配向して径方向に集合してなるものである、請求項1に記載の複合繊維。
- 前記ナノ繊維は、カーボンナノチューブ、およびカーボンナノファイバからなる群から選択される1種以上の繊維である、請求項1または2に記載の複合繊維。
- ポリビニルアセタールが、ポリビニルホルマールである、請求項1〜5のいずれか一項に記載の複合繊維。
- マトリックス樹脂と、請求項1〜6のいずれか一項に記載の複合繊維を主成分として含有する、繊維強化複合材料用組成物。
- マトリックス樹脂が、エポキシ樹脂である、請求項7に記載の繊維強化複合材料用組成物。
- エポキシ樹脂が、1種の液状エポキシ樹脂、少なくとも2種の液状エポキシ樹脂を混合したもの、または少なくとも1種の固形エポキシ樹脂を少なくとも1種の液状エポキシ樹脂に溶解したものである、請求項8に記載の繊維強化複合材料用組成物。
- 請求項1〜6のいずれか一項に記載の複合繊維とマトリックス樹脂とを含み、該マトリックス樹脂が硬化してなる、繊維強化複合材料。
- マトリックス樹脂が、エポキシ樹脂である、請求項10に記載の繊維強化複合材料。
- エポキシ樹脂が、1種の液状エポキシ樹脂、少なくとも2種の液状エポキシ樹脂を混合したもの、または少なくとも1種の固形エポキシ樹脂を少なくとも1種の液状エポキシ樹脂に溶解したものである、請求項11に記載の繊維強化複合材料。
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WO2023182354A1 (ja) * | 2022-03-23 | 2023-09-28 | 三菱ケミカル株式会社 | プリプレグ、成形体、圧力容器、プリプレグの製造方法、及び成形体の製造方法 |
-
2017
- 2017-03-10 JP JP2017046037A patent/JP2018150635A/ja active Pending
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