JP2014169248A - ふっ素を含有する配位高分子錯体、ガス吸着材、これを用いたガス分離装置およびガス貯蔵装置 - Google Patents

ふっ素を含有する配位高分子錯体、ガス吸着材、これを用いたガス分離装置およびガス貯蔵装置 Download PDF

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Abstract

【課題】新規な多孔性高分子金属錯体及びこれを用いた優れた特性を有するガス吸着材を提供すること。前記特性を有するガス吸着材を内部に収容してなるガス貯蔵装置およびガス分離装置を併せて提供すること。
【解決手段】次式(1)
[MXY]n (1)
(式中、Mは2価の遷移金属イオン、Xは炭素数1から10であるパーフルオロアルキル基を少なくとも1個以上及び、カルボキシル基を2個含有する芳香族配位子、Yはピリジル型の第2配位子である。qは0または1である。nは、[MXY]から成る構成単位が多数集合しているという特性を示すもので、nの大きさは特に限定されない。)で表され、金属イオンは4個の上記配位子の配位を受けた二次元四角格子の積層型ネットワーク構造を有していることを特徴とする新規な多孔性高分子金属錯体と、それのガス吸着材としての利用ならびにこれを用いたガス分離装置およびガス貯蔵装置。
【選択図】なし

Description

本発明は多孔性高分子金属錯体及びガス吸着材としての利用ならびにこれを用いたガス分離装置およびガス貯蔵装置に関する。
ガス吸着材は、加圧貯蔵や液化貯蔵に比べて、低圧で大量のガスを貯蔵しうる特性を有する。このため、近年、ガス吸着材を用いたガス貯蔵装置やガス分離装置の開発が盛んである。ガス吸着材としては、活性炭やゼオライトなどが知られている。また最近は多孔性高分子金属錯体にガスを吸蔵させる方法も提案されている(特許文献1、非特許文献1参照)。
多孔性高分子金属錯体は、金属イオンと有機配位子から得られる結晶性固体で、種々の金属イオン、有機配位子の組み合わせおよび骨格構造の多様性から、様々なガス吸着特性を発現する可能性を秘めている。しかしながら、これらの従来提案されてきたガス吸着材は、ガス吸着量や作業性などの点で充分に満足できるものとはいえず、より優れた特性を有するガス吸着材の開発が所望されている。
多孔性高分子金属錯体の特徴の一つが、そのネットワーク構造である。一次元の鎖状物集合体、二次元の四角格子の積層体、ジャングルジム状の三次元構造など様々な構造の多孔性高分子金属錯体が知られている(非特許文献2)。これら多様な多孔性高分子金属錯体は、ネットワーク構造及び、それを構成している金属イオン、配位子の化学的性質、物理的な形状に由来して、様々な物性を発現する。
中でも二次元四角格子の積層型のネットワーク構造を有している多孔性高分子金属錯体の一部は、ガスを吸着しうる細孔を有しており、ガス吸着・分離材料としての提案が成されている(特許文献2)。一方で、ほぼ同一の二次元四角格子の積層型のネットワーク構造を有している多孔性高分子金属錯体であっても、ガス吸着性を示すのはその一部であり(非特許文献3)、どのような構造にすれば、ガス吸着特性を有する二次元四角格子の積層型のネットワーク構造を有している多孔性高分子金属錯体を合成できるかはわかっていない。ただし、非特許文献3でしめされるガス吸着性を示す二次元四角格子の積層型のネットワーク構造を有している多孔性高分子金属錯体は、いずれも対イオン(陰イオン)がふっ素原子を含んでいる。しかし、1種はふっ素がホウ素に結合した無機イオンであり、その他はふっ素が炭素に結合した有機イオンであり、どのような形態のふっ素をどの程度導入すると、ガス吸着性を示すのかはわかっていない。
多孔体のガス吸着特性を制御するために、配位子にふっ素原子を導入する試みが行われている(非特許文献4ー7)。ふっ素の材料への一般的な影響として、摺動性、撥水性などは知られているが、前述のふっ素を導入した多孔性高分子金属錯体の例では、ふっ素原子による水素の吸着特性の向上が述べられている。これらは、前記のふっ素原子が惹起する物性とは一致せず、またふっ素原子導入が水素の吸着特性を向上させる原理も詳しくは記載されておらず、すなわち、ふっ素原子の導入が多孔性高分子金属錯体のガス吸着特性にどのような影響を及ぼすかははっきりとはわかっていない。
特開2000-109493号公報 特許第4427236号公報
北川進、集積型金属錯体、講談社サイエンティフィク、2001年214-218頁 Robsonら、Angew. Chem. Int. Ed. 1998, 37, 1460 ± 1494 上代ら、Int. J. Mol. Sci. 2010, 11, 3803-3845 Omaryら、J. Am. Chem. Soc., 2007,129, 15454 Omaryら、Angew. Chem. Int. Ed.2009,48,2500 Liら、J. Am. Chem. Soc., 2004, 126, 1308 Fereyら、J. Am. Chem. Soc., 2010, 132, 1127-1136
本発明は、二次元四角格子の積層型のネットワーク構造を有している新規な多孔性高分子金属錯体及びこれを用いた優れた特性を有するガス吸着材を提供することである。また本発明は、前記特性を有するガス吸着材を内部に収容してなるガス貯蔵装置およびガス分離装置を併せて提供することを目的とする。
本発明者らは、前述のような問題点を解決すべく、鋭意研究を積み重ねた結果、カルボキシル基を二個含み及びふっ素原子を含有する側鎖を有する二座配位子と2価遷移金属イオンの反応で得られる多孔性高分子金属錯体は、ふっ素原子を含有した二次元四角格子の積層型のネットワーク構造を有し、本多孔性高分子金属錯体はガスを多量に吸着する事を見いだし、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、ふっ素原子を含有した二次元四角格子の積層型のネットワーク構造を有し、カルボキシル基を二個含み及びふっ素原子を含有する側鎖を有する二座配位子と2価遷移金属イオンからなる多孔性高分子金属錯体であり、本材料のガス吸蔵材料としての利用及び本ガス吸着材を内部に収容してなるガス貯蔵装置およびガス分離装置に関する発明である。
すなわち本発明は下記にある。
(1)下記式(1)
[MXY]n (1)
(式中、Mは2価の遷移金属イオン、Xは炭素数1から10であるパーフルオロアルキル基を少なくとも1個以上及び、カルボキシル基を2個含有する芳香族配位子、Yはピリジル型の第2配位子である。qは0または1である。nは、[MXY]から成る構成単位が多数集合しているという特性を示すもので、nの大きさは特に限定されない。)
で表され、金属イオンは4個の上記配位子の配位を受けた二次元四角格子の積層型ネットワーク構造を有している多孔性高分子金属錯体。
(2)Xの前記パーフルオロアルキル基が、CF,C,n−C,n−C,n−C11,n−C17,n−C1021基から選ばれるものである上記(1)に記載の多孔性高分子金属錯体。
(3)前記のq=0である上記(1)、(2)に記載の多孔性高分子金属錯体。
(4)金属イオンが、4個のカルボキシル基と配位結合したユニットが上下に二つ配位したパドルホイール構造を形成している、上記(1)−(3)のいずれかに記載の多孔性高分子金属錯体。
(5)前記のq=1である上記(1)、(2)に記載の多孔性高分子金属錯体。
(6)金属イオンが、2座配位のカルボキシル基1個、1座配位のカルボキシル基1個、ピリジル基2個からそれぞれ配位を受けた5配位状態にある、上記(1)、(2)、(4)のいずれかに記載の多孔性高分子金属錯体。
(7)金属イオンが、1座配位のカルボキシル基2個、ピリジル基2個からそれぞれ配位を受けた4配位状態にある、上記(1)、(2)、(4)のいずれかに記載の多孔性高分子金属錯体。
(8)金属イオン2個がカルボキシル基に架橋された金属イオンクラスターで、1つの金属イオンは2座配位のカルボキシル基2個、1座配位のカルボキシル基2個に配位された6配位で、もう一つの金属イオンは、1座配位のカルボキシル基3個に配位された3配位状態にある、(1)、(2)、(3)のいずれかに記載の多孔性高分子金属錯体。
(9)前記のXが下記式のいずれかで表される化合物である、上記(1)−(8)のいずれかに記載の多孔性高分子金属錯体。
(10)前記のYが下記式のいずれかで表される化合物である、上記(1)−(8)のいずれかに記載の多孔性高分子金属錯体。
(11)2価の遷移金属イオンが銅イオンまたは亜鉛イオンまたはコバルトイオンである、上記(1)−(10)のいずれかに記載の多孔性高分子金属錯体。
(12)2価の遷移金属イオンが亜鉛イオンである、上記(1)−(4)、(9)、(10)のいずれかに記載の多孔性高分子金属錯体。
(13)2価の遷移金属イオンが銅イオンである、上記(1)、(2)、(5)、(6)、(9)、(10)のいずれかに記載の多孔性高分子金属錯体。
(14)2価の遷移金属イオンがコバルトイオンである、(1)、(2)、(3)、(8)、(9)、(10)のいずれかに記載の多孔性高分子金属錯体。
(15)上記(1)−(14)のいずれかに記載の多孔性高分子金属錯体を含むガス吸着材。
(16)上記(15)に記載のガス吸着材を用いるガス分離装置。
(17)上記(15)に記載のガス吸着材を用いるガス貯蔵装置。
本発明の多孔性高分子金属錯体は多量のガスを吸蔵、放出し、かつ、ガスの選択的吸着を行うことが可能である。また本発明の多孔性高分子金属錯体からなるガス吸蔵材料を内部に収容してなるガス貯蔵装置およびガス分離装置を製造することが可能になる。
本発明の多孔性高分子金属錯体は、また例えば、圧力スイング吸着方式(以下「PSA方式」と略記)のガス分離装置として使用すれば、非常に効率良いガス分離が可能である。また、圧力変化に要する時間を短縮でき、省エネルギーにも寄与する。さらに、ガス分離装置の小型化にも寄与しうるため、高純度ガスを製品として販売する際のコスト競争力を高めることができることは勿論、自社工場内部で高純度ガスを用いる場合であっても、高純度ガスを必要とする設備に要するコストを削減できるため、結局最終製品の製造コストを削減する効果を有する。
本発明の多孔性高分子金属錯体の他の用途としては、ガス貯蔵装置が挙げられる。本発明のガス吸着材をガス貯蔵装置(業務用ガスタンク、民生用ガスタンク、車両用燃料タンクなど)に適用した場合には、搬送中や保存中の圧力を劇的に低減させることが可能である。搬送時や保存中のガス圧力を減少させ得ることに起因する効果としては、形状自由度の向上がまず挙げられる。従来のガス貯蔵装置においては、保存中の圧力を維持しなくてはガス吸着量を高く維持できない。しかしながら、本発明のガス貯蔵装置においては、圧力を低下させても充分なガス吸着量を維持できる。
ガス分離装置やガス貯蔵装置に適用する場合における、容器形状や容器材質、ガスバルブの種類などに関しては、特に特別の装置を用いなくてもよく、ガス分離装置やガス貯蔵装置に用いられているものを用いることが可能である。ただし、各種装置の改良を排除するものではなく、いかなる装置を用いたとしても、本発明の多孔性高分子金属錯体を用いている限りにおいて、本発明の技術的範囲に包含されるものである。
本発明の多孔性高分子金属錯体の二次元四角格子の積層型のネットワーク構造を示す。 図2(2a)は式(1)でq=0である場合の本発明の多孔性高分子金属錯体の二次元四角格子の積層型のネットワーク構造を示す。図2(2b)は式(1)でq=1である場合の本発明の多孔性高分子金属錯体の二次元四角格子の積層型のネットワーク構造を示す。 実施例1で製造した単結晶から得られた構造を示す。 実施例2で製造した単結晶から得られた構造(4a−4d)を示す。 図4に示した実施例2で製造した単結晶から得られた構造(4a−4d)の続き(4e)を示す。 実施例3で製造した単結晶から得られた構造(6a−6d)を示す。 図6に示した実施例3で製造した単結晶から得られた構造(6a−6d)の続き(6e)を示す。 実施例4で製造した単結晶から得られた構造(8a−8d)を示す。 実施例4で製造した単結晶から得られた構造の続き(8e)を示す。 実施例5で製造した単結晶から得られた構造を示す。 実施例6で製造した単結晶から得られた構造を示す。 実施例1で得られた単結晶の粉末X線回折チャートである。
本発明の多孔性高分子金属錯体は、下記式(1)で表され、かつ図1から3で模式的にしめされる二次元四角格子の積層型ネットワーク構造を有している多孔性高分子金属錯体である。
[MXY]n (1)
(式中、Mは2価の遷移金属イオン、Xは炭素数1から8であるパーフルオロアルキル基を少なくとも1個以上及び、カルボキシル基を2個含有する芳香族配位子、Yはピリジル型の第2配位子である。qは0または1である。nは、[MXY]から成る構成単位が多数集合しているという特性を示すもので、nの大きさは特に限定されない。)
以下、本発明の二次元四角格子の積層型ネットワーク構造を実施例で得られたデータとしての図面を参照して説明する。以下の図面では、簡単のために、図番を省略し、枝番をもって図番として表記する。たとえば、図1(1a)および図7(6e)は、それぞれ、図(1a)および図(6e)と表記する。
図(1a)(1b)は、本発明の二次元四角格子の積層型ネットワーク構造を有している多孔性高分子金属錯体の1層を抜き出した模式上面図である。図では4×4の格子を示しているが、実際の格子は無限格子状である。図(1a)は正方形の格子、図(1b)は少し歪んだ菱形状格子を示す。図1において、丸(●)は金属イオン、棒は配位子である。
図(1c)(1d)は本発明の多孔性高分子金属錯体の1層を抜き出した模式側面図である。図では金属イオン4個分の格子を示しているが、実際の格子は無限格子状である。図(1c)は直線状、図(1d)はジグザグ状の層である。
図(1e)(1f)(1g)(1h)は、本発明の多孔性高分子金属錯体の模式側面図である。図では4層を示しているが、実際の格子は無限格子状である。これらの図に示されるように、各層の間の相互位置は、多孔性高分子金属錯体を合成した際の条件(溶媒、温度、速度)、ゲスト分子などの存在で変わり得るものである。
図(2a)は、式(1)でX=Y=パーフルオロアルキル基を含有する配位子である多孔性高分子金属錯体の二次元四角格子の4×4の格子の1層のみを書き抜いた上面図である。この場合、式(1)中、q=0である。
図(2b)は、式(1)でYで示される第二配位子がピリジル型の2座配位子である場合の本発明の多孔性高分子金属錯体の二次元四角格子の4×4の格子の積層型のネットワーク構造の二次元四角格子の1層のみを書き抜いた上面図である。この場合、式(1)中、q=1である。
上記式(1)中、Xは、炭素数1から8であるパーフルオロアルキル基を少なくとも1個以上及び、カルボキシル基を2個含有する芳香族配位子であり、なかでも、CF−,C−,C−,C−,C11−,C13−,C15−,C17−が好ましい。
次に、実施例で製造した単結晶を単結晶測定装置(極微小結晶用単結晶構造解析装置)にて測定し、得られた回折像を解析ソフトウエアを使用して解析して確認された結晶構造に基づいて、本発明の多孔性高分子金属錯体の構造を図面を用いて説明する。
図(3a)に実施例1で得られた多孔性高分子金属錯体の単結晶X線構造解析で得られた構造の内、一層のみを、結晶学的上のc軸から見た図(図(1a)、上面図に相当)、図(3b)にこの多孔性高分子金属錯体の金属イオンクラスタ(Secondary Bonding Unit(SBU):二次結合単位)を示す。図(3c)に配位子である2,5−ビス(ノルマルノナフルオロブチル)−1、4−ベンゼンカルボン酸の構造式を示す。図(3b)に示す金属イオンからなるクラスタ(SBU)が、パーフルオロアルキル基を含有する配位子4個により連結され、本発明の多孔性高分子金属錯体の基本構造である四角格子が形成される。四角格子には、配位子に置換したパーフルオロアルキル基がつきだしていることがわかる。本図は分子ネットワーク構造の一部を切り抜いたものであり、実際は無限格子である。図(3b)には金属イオンからなるクラスタ(SBU)の拡大図を示す。亜鉛イオンが、カルボキシル基により架橋されることで、2個の亜鉛、4個のカルボキシル基からなる、所謂パドルホイール構造と呼ばれる金属イオンクラスタ(SBU)が形成される。また、図(3d)には結晶学的上のb軸から見た図(側面図に相当)を示す。配位子のベンゼン環と金属イオンからなるクラスタ(SBU)の交互連鎖(四角格子を側面から見た状態)の上下にパーフルオロアルキル基が伸びており、積層構造であることがわかる。
図(4a)に実施例2で得られた多孔性高分子金属錯体の単結晶X線構造解析で得られた構造の内、結晶学的上のa軸から見た図(四角格子の上面図に相当)、図(4b)にこの多孔性高分子金属錯体の金属イオンクラスタ(SBU)を示す。金属イオンは、2座配位のカルボキシル基1個、1座配位のカルボキシル基1個、ピリジル基2個からそれぞれ配位を受けた5配位状態にあることが判る。図(4c)に配位子である5−ノルマルヘプタフルオロプロピルイソフタル酸(C基が5位に配位したイソフタル酸)および4,4’−ビピリジルの構造式を示す。5配位の銅イオンが、C基が5位に配位したイソフタル酸(図(4a)の横方向)及び4,4'-ビピリジン(図(4a)の縦方向)で連結され、本発明の多孔性高分子金属錯体の基本構造である四角格子が形成されている。四角格子の内部には、配位子に置換したパーフルオロアルキル基がつきだしていることがわかる。本図は分子ネットワーク構造の一部を切り抜いたものであり、実際は無限格子である。図(4d)には結晶学的上のb軸から見た図(四角格子の側面図に相当。簡略化の為に、イソフタル酸系配位子のベンゼン環の一部及びパーフルオロアルキル基を非表示とした)を示す。ビピリジンと銅イオンからなる交互連鎖(四角格子を側面から見た状態)の積層構造である事が判る。図(4e)には、パーフルオロアルキルを除かない状態での側面図を示す。パーフルオロアルキル基は概ね四角格子内に収まり、一部が層間にはみ出ている様子がわかる。
図(6a)に実施例3で得られた多孔性高分子金属錯体の単結晶X線構造解析で得られた構造で、四角格子の上面図に相当するものを示す。図(6b)に配位子である5−ノルマルヘプタフルオロプロピルイソフタル酸(C基が5位に配位したイソフタル酸)及び3,6-ジ(4-ピリジル)-1,2,4,5-テトラジンの化学式を示す。5配位の亜鉛イオンが、C基が5位に配位したイソフタル酸(図(6a)の横方向)及び3,6-ジ(4-ピリジル)-1,2,4,5-テトラジン(図(6a)の縦方向)で連結され、本発明の多孔性高分子金属錯体の基本構造である四角格子が形成されている。四角格子の内部には、配位子に置換したパーフルオロアルキル基がつきだしていることがわかる。本図は分子ネットワーク構造の一部を切り抜いたものであり、実際は無限格子である。図(6b)には、金属イオンと配位子の結合様態を示す。金属イオンは、2座配位のカルボキシル基1個、1座配位のカルボキシル基1個、ピリジル基2個の配位を受け、5配位状態にある事がわかる。図(6c)には、配位子である5−ノルマルヘプタフルオロプロピルイソフタル酸(C基が5位に配位したイソフタル酸)および3,6−ジ(4−ピリジル)−1,2,、3,5−テトラジンの構造式を示す。図(6d)には四角格子の側面図に相当するものを示す。簡略化の為に、パーフルオロアルキル基を非表示とした。3,6-ジ(4-ピリジル)-1,2,4,5-テトラジンと亜鉛イオンからなる交互連鎖(四角格子を側面から見た状態)の積層構造である事が判る。図(6e)には、パーフルオロアルキルを除かない状態での側面図を示す。パーフルオロアルキル基は概ね四角格子内に収まり、一部が層間にはみ出ている様子がわかる。
図(8a)に実施例4で得られた多孔性高分子金属錯体の単結晶X線構造解析で得られた構造の内、結晶学的上のb軸から見た図(四角格子の上面図に相当)を示す。図(8b)に配位子である5−ノルマルヘプタフルオロプロピルイソフタル酸(C基が5位に配位したイソフタル酸)及び1,4−ビス(4−ピリジル)ベンゼンの化学式を示す。4配位の亜鉛イオンが、C基が5位に配位したイソフタル酸(図(8a)の横方向)及び1,4−ビス(4−ピリジル)ベンゼン(図(8a)の縦方向)で連結され、本発明の多孔性高分子金属錯体の基本構造である四角格子が形成されている。四角格子の内部には、配位子に置換したパーフルオロアルキル基がつきだしていることがわかる。本図は分子ネットワーク構造の一部を切り抜いたものであり、実際は無限格子である。図(8b)には、金属イオンと配位子の結合様態を示す。1座配位のカルボキシル基2個、ピリジル基2個の配位を受け、4配位状態にある事がわかる。図(8c)に配位子である5−ノルマルヘプタフルオロプロピルイソフタル酸(C基が5位に配位したイソフタル酸)及び1,4−ビス(4−ピリジル)ベンゼンの構造式を示す。図(8d)には結晶学的上のc軸から見た図(四角格子の側面図に相当。簡略化の為に、イソフタル酸系配位子のベンゼン環の一部及びパーフルオロアルキル基を非表示とした)を示す。1,4−ビス(4−ピリジル)ベンゼンと亜鉛イオンからなる交互連鎖(四角格子を側面から見た状態)のジグザグ型積層構造である事が判る。図(8e)には、パーフルオロアルキルを除かない状態での側面図を示す。パーフルオロアルキル基は層間にはみ出ている様子がわかる。
図(10a)に実施例5で得られた多孔性高分子金属錯体の単結晶X線構造解析で得られた構造の内、結晶学的上のc軸から見た図(四角格子の上面図に相当)を示す。図(10b)には金属イオンと配位子の結合様式を示す。含ふっ素基は図の見やすさの為に削除している。コバルトイオン2個がカルボキシル基に架橋された2核クラスターで、1つのコバルトイオンは2座配位のカルボキシル基2個、1座配位のカルボキシル基2個に配位された6配位で、もう一つのコバルトイオンは、1座配位のカルボキシル基3個に配位された3配位状態にあることがわかる。実際にはジメチルホルムアミドがコバルトイオンに配位しているが、図の見やすさのために図からは削除している。6配位の2核コバルトイオンが、C基が5位に配位したイソフタル酸及び5−ペンタフルオロエチルイソフタル酸(C基が5位に配位したイソフタル酸)で連結され、本発明の多孔性高分子金属錯体の基本構造である四角格子が形成されている。四角格子の内部には、配位子に置換したパーフルオロアルキル基がつきだしていることがわかる。本図は分子ネットワーク構造の一部を切り抜いたものであり、実際は無限格子である。図(10c)には結晶学上のa軸から見た図(四角格子の側面図に相当。)を示す。C基が5位に配位したイソフタル酸と2核コバルトイオンからなる交互連鎖(四角格子を側面から見た状態)のジグザグ型積層構造である事が判る。パーフルオロアルキル基は層間にはみ出ている様子がわかる。
図(11a)に実施例6で得られた多孔性高分子金属錯体の単結晶X線構造解析で得られた構造の内、結晶学的上のc軸から見た図(四角格子の上面図に相当)を示す。図(11b)には金属イオンと配位子の結合様式を示す。含ふっ素基は図の見やすさの為に削除している。図(10c)の実施例5で得られた構造と同一であることがわかる。実際にはジメチルホルムアミドがコバルトイオンに配位しているが、図の見やすさのために図からは削除している。6配位の2核コバルトイオンが、C基が5位に配位したイソフタル酸及び5−ノルマルパーフルオロデシルイソフタル酸(C1021基が5位に配位したイソフタル酸)で連結され、本発明の多孔性高分子金属錯体の基本構造である四角格子が形成されており、ネットワーク構造、金属イオンと配位子の結合様式は、実施例5で得られた物質の構造と同様であることがわかる。図(11c)には結晶学的上のa軸から見た図(四角格子の側面図に相当。)を示す。C1021基が5位に配位したイソフタル酸と2核コバルトイオンからなる交互連鎖(四角格子を側面から見た状態)のジグザグ型積層構造である事が判る。パーフルオロアルキル基は層間にはみ出ている様子がわかる。含ふっ素基が実施例5の物質と比べて長いため、この長い含ふっ素基を格納するために、実施例5の化合物と比較して、層間が広い事がわかる。
すなわち、これらの構造はいずれも二次元四角格子の積層型のネットワーク構造を有し、カルボキシル基を二個及びふっ素原子を含有する側鎖を有する二座配位子と2価遷移金属イオンからなる多孔性高分子金属錯体であることがわかる。配位子はカルボキシル基を二個及びふっ素原子を含有する側鎖を有する二座配位子1種の場合と、第二配位子としてピリジル型の2座配位子を含む場合と二通りあるが、いずれであっても、二次元四角格子がふっ素原子を含有する側鎖を有している構造が形成される。また四角格子の交点で、配位子を連結する役割を果たしている金属は、4配位や5配位の銅や亜鉛イオン、あるいは2個の金属イオンが金属クラスタの一種であるSBUを形成していても、同様に四角格子を形成する働きを果たしている事が判る。
本発明の化合物の基本構造は、二次元四角格子の積層型のネットワーク構造である。ここで重要なのはネットワークのトポロジーであり、個々の結合角は、本化合物が柔軟性を有するが故に、必ずしも常に図と同一の結合角を有するとは限らない。たとえば図8〜9では積層がジグザグ構造を有しているが、トポロジー的には図6などの平面型の積層構造と同一と見なすことができる。
本発明の多孔性高分子金属錯体は多孔体であるため、水やアルコールやエーテルなどの有機分子に触れると孔内に水や有機溶媒を含有し、たとえば式(2)
[MXY]n(G)m (2)
(式中、Mは2価の遷移金属イオン、Xは炭素数1から8であるパーフルオロアルキル基を少なくとも1個以上及び、カルボキシル基を2個含有する芳香族配位子、Yはピリジル型の第2配位子である。qは0または1である。Gは後述のような合成に使用した溶媒分子や空気中の水分子であり、通常ゲスト分子と呼ばれる。nは、[MXY]から成る構成単位が多数集合しているという特性を示すもので、nの大きさは特に限定されない。mは金属イオン1に対して0.2から6である。)であるような複合錯体に変化する場合がある。
しかし、これらの複合錯体中の上記Gで表されるゲスト分子は、多孔性高分子金属錯体に弱く結合しているだけであり、ガス吸着材として利用する際の減圧乾燥などの前処理によって除かれ、元の式(1)で表される錯体に戻る。そのため、式(2)で表されるような錯体であっても、本質的には本発明の多孔性高分子金属錯体と同一物と見なすことができる。
また本発明の多孔性高分子金属錯体は、金属イオンに後述のような合成に使用した溶媒分子や空気中の水分子が配位し、たとえば式(3)
[MXYLz]n (3)
(式中、Mは2価の遷移金属イオン、Xは炭素数1から8であるパーフルオロアルキル基を少なくとも1個以上及びカルボキシル基を2個含有する芳香族配位子、Yはピリジル型の第2配位子である。qは0または1である。Lは後述のような合成に使用した溶媒分子や空気中の水分子である。nは、[MXY]から成る構成単位が多数集合しているという特性を示すもので、nの大きさは特に限定されない。zは金属イオン1に対して1または2である。)であるような複合錯体に変化する場合がある。
しかし、これらの複合錯体中の上記Lで表される配位性の分子は、金属イオンに弱く結合しているだけであり、ガス吸着材として利用する際の減圧乾燥などの前処理によって除かれ、元の式(1)で表される錯体に戻る。そのため、式(3)で表されるような錯体であっても、本質的には本発明の多孔性高分子金属錯体と同一物と見なすことができる。
本発明の方法では、式(1)で表される化合物は、亜鉛塩や銅塩やコバルト塩などの金属塩、カルボキシル基を二個及びふっ素原子を含有する側鎖を有する二座配位子、ピリジル型の第二配位子を使用する場合は、これらを溶媒に溶かして溶液状態で混合することで製造できる。
溶媒としては、アルコールなどのプロトン系溶媒とジメチルホルムアミドなどのホルムアミドルの混合溶媒を利用すると良好な結果が得られる。アルコールなどのプロトン系溶媒及びジメチルアミドなどのホルムアミド類は亜鉛塩をよく溶解し、さらに亜鉛イオンや対イオンに配位結合や水素結合することで亜鉛塩を安定化し、配位子との急速な反応を抑制することで、副反応を抑制する。アルコールの例としてはメタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノール、2−ブタノールなどの脂肪族系1価アルコール及びエチレングリコールなどの脂肪族系2価アルコール類を例示できる。安価でかつニ亜鉛塩の溶解性が高いという点でメタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、エチレングリコールが好ましい。またこれらのアルコールは単独で用いてもよいし、複数を混合使用してもよい。ホルムアミド類の例としては、ジメチルホルムアミド、ジエチルホルムアミド、ジブチルホルムアミド、ジメチルアセトアミドなどが例示出来る。亜鉛塩の溶解性が高いという点で、ジメチルホルムアミド、ジエチルホルムアミドが好ましい。
アルコール類とジメチルホルムアミド類の混合比率は1:100〜100:0(体積比)で任意である。配位子、金属塩の両方の溶解性が高まり、副生成物の発生を抑制出来るという点で、混合比率は90:10〜10:90(体積比)、反応を加速できるという観点から80:20〜20:80(体積比)が好ましい。
溶媒として前記のアルコール類やホルムアミド類の混合溶媒に別種の有機溶媒を混合して使用することも好ましい。混合比率は1:100〜100:0(体積比)で任意である。アルコール類とジメチルホルムアミド類、他の有機溶媒に対する混合比率を30%以上にすることが、金属塩および配位子の溶解性を向上させる観点から好ましい。
本発明の二次元四角格子の積層型のネットワーク構造を有している新規な多孔性高分子金属錯体を形成するのに必要な金属イオンとしては、2価の遷移金属イオンが挙げられる。これらは、上記の金属クラスター(SBU)を形成したり、あるいは4配位または5配位状態で配位子と配位結合を形成し、四角格子を形成する。2価の遷移金属イオンの具体例としてはコバルト、ニッケル、銅、亜鉛イオンが挙げられる。得られた多孔性高分子金属錯体の化学的安定性の観点から、銅、亜鉛イオンが特に好ましい。
本発明の方法で使用する亜鉛塩としては、2価の亜鉛イオンを含有している塩類であればよく、溶媒への溶解性が高いという点で、硝酸亜鉛、酢酸亜鉛、硫酸亜鉛、ぎ酸亜鉛、塩化亜鉛、臭化亜鉛が好ましく、反応性が高いという点で、硝酸亜鉛、硫酸亜鉛が特に好ましい。
本発明の方法で使用する銅鉛塩としては、2価の銅イオンを含有している塩類であればよく、溶媒への溶解性が高いという点で、硝酸銅、酢酸銅、硫酸銅、ぎ酸銅、塩化銅、臭化銅、ほうふっ化銅が好ましく、反応性が高いという点で、硝酸銅、硫酸銅、ほうふっ化銅が特に好ましい。
本発明の方法で使用するコバルト塩としては、2価のコバルトイオンを含有している塩類であればよく、溶媒への溶解性が高いという点で、硝酸コバルト、酢酸コバルト、硫酸コバルト、ぎ酸コバルト、塩化コバルト、臭化コバルトが好ましく、反応性が高いという点で、硝酸コバルト、硫酸コバルトが特に好ましい。
以下、カルボキシル基を二個含み及びふっ素原子を含有する側鎖を有する二座配位子に関して説明する。本2座配位子は、テレフタル酸の様な直線状でも、イソフタル酸の様な屈曲型の配位子でもよい。
本発明で好ましく用いることができるカルボキシル基を二個含み及びふっ素原子を含有する側鎖を有する二座の芳香族配位子として、一般的には、下記式で表される化合物を挙げることができる。
右の化学式における置換基CnF2n+1は、0個〜4個のいずれででもよく、1個または2個が好ましいが、2個置換する場合、置換位置は2位と3位、2位と5位、2位と6位のいずれでもよく、2位と5位が好ましい。より具体的には、テレフタル酸の様な直線状配位子としては、2位にふっ素原子を含有する側鎖を有する物、2位及び5位にふっ素原子を含有する側鎖を有する物が好ましいものとして挙げられる。イソフタル酸の様な屈曲型の配位子としては、5位にふっ素原子を含有する側鎖を有するイソフタル酸型配位子を挙げられる。
これらの配位子の置換基としては直鎖状または枝分かれのある炭素数1から8であるパーフルオロアルキル基であればよいが、特にガス分離特性が優れる点で、CF3,C25,n−C37,n−C49,n−C511,n−C817,n−C1021基が好ましい。ベンゼン環へのパーフルオロアルキル基の導入方法としては、たとえば、柴崎ら、Chem. Asian J. 2006, 1, 314 - 321を参照することができる。
以下、ピリジル型の二座配位子に関して説明する。本2座配位子は、線上の分子であって、その両端に、配位点となるピリジル基を有している2座配位子である。
本発明で好ましく用いることができるピリジル型の二座配位子として、一般的には、下記式で表される化合物を挙げることができる。
右の化学式における置換基CnF2n+1は、0個〜4個のいずれででもよく、0個が好ましく、1個または2個も好ましいが、2個置換する場合、置換位置は2位と3位、2位と5位、2位と6位のいずれでもよく、2位と5位が好ましい。
具体的には芳香環を二個含む4,4’−ビピリジル、3,4’−ビピリジル、3,3’−ビピリジル、芳香環を3個含む3,6-ジ(4-ピリジル)-1,2,4,5-テトラジン、1,4−ビス(4−ピリジル)ベンゼンなどが挙げられる。これらの内、化学的に安定的な四角格子積層構造が得られるという点で、4,4’−ビピリジル、3,6-ジ(4-ピリジル)-1,2,4,5-テトラジン、1,4−ビス(4−ピリジル)ベンゼンが好ましい。
本発明の方法では、反応促進剤として塩基を添加することも可能である。塩基は、配位子のカルボキシル基を陰イオンに変換する事で、反応を加速すると推定される。塩基としてはたとえば無機塩基として水酸化リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどが例示できる。有機塩基としては、トリエチルアミン、ジエチルイソプロピルアミン、ピリジン、2,6−ルチジンなどが例示出来る。反応加速性が高いという点で、水酸化リチウム、炭酸ナトリウム、水酸化ナトリウム、およびピリジンが好ましい。添加量としては、使用するイソフタル酸の総モルに対し、反応の加速効果が顕著であるという点で好ましくは0.1〜6.0モル、副反応少ないという点でさらに好ましくは0.5から4.0モルである。
本発明の方法では、反応制御剤として有機酸を添加することも可能である。有機酸は、配位子のカルボキシル基の酸としての解離を制御することで、反応が適切に進む事を制御していると考えられる。脂肪族の有機酸としては、酢酸、プロピオン酸などの1価の酸、シュウ酸、マロン酸などの2価の酸、ビシクロ[2,2,2」-オクタン-1,4-ジカルボン酸などの環状カルボン酸が挙げられる。芳香族の有機酸としては、安息香酸、4−メチル安息香酸などの1価の酸が挙げられる。これらの内、溶解性が高く、金属イオンに配位が強すぎない酢酸、安息香酸、ビシクロ[2,2,2」-オクタン-1,4-ジカルボン酸が好ましい。添加量としては、使用する配位子の総モルに対し、反応の効果が顕著であるという点で好ましくは0.1〜12.0モル、副反応が少ないという点でさらに好ましくは0.5から8.0モルである。
金属塩の溶液および配位子を反応させるに当たり、金属塩および配位子を容器に装填した後、溶媒を添加する方法以外に、金属塩、配位子をそれぞれ別個に溶液として調製した後、これらの溶液を混合してもよい。溶液の混合方法は、金属塩溶液に配位子溶液を添加しても、その逆でもよい。また、金属塩溶液と配位子溶液を、積層した後に自然拡散による方法で混合してもよい。混合法としては、必ずしも溶液で行う必要はなく、例えば、金属塩溶液に固体の配位子を投入し、同時に溶媒を入れる方法や、反応容器に金属塩を装填した後に、配位子の固体または溶液を注入し、さらに金属塩を溶かすための溶液を注入するなど、最終的に反応が実質的に溶媒中で起こる方法であれば、種々の方法が可能である。ただし、金属塩の溶液と配位子の溶液を滴下混合する方法が、工業的には最も操作が簡便であり、好ましい。いずれの方法に於いても、二次元四角格子の積層型ネットワーク構造を形成させる為には、反応溶液を調製した後に静置することで、配位子と金属イオンの反応を適切な速度に保つことが好ましい。ここで、静置する温度は、−40℃〜180℃、副生生物の発生が抑制できるという点で、−20℃〜150℃が好ましい。静置する時間は、1時間〜3ヶ月、さらには副生生物が少ないという点で4時間〜2ヶ月であることが好ましい。
溶液の濃度は、金属塩溶液は80mmol/L〜2mol/L、好ましくは40mmol/L〜4mol/Lであり、配位子の有機溶液は80mmol/L〜2mol/L、好ましくは60mmol/L〜3mol/Lである。これより低い濃度で反応を行っても目的物は得られるが、製造効率が低下するため好ましくない。また、これより高い濃度では、吸着能が低下するため好ましくない。
反応温度は−20〜180℃、好ましくは25〜150℃である。これ以下の低温で行うと、原料の溶解度が下がるため好ましくない。オートクレーブなどを用いて、より高温で反応を行うことも可能であるが、加熱などのエネルギーコストの割には、収率は向上しないため実質的な意味はない。
本発明の反応で用いられる金属塩と5カルボキシル基を二個含及びふっ素原子を含有する側鎖を有する二座配位子の混合比率は、金属:配位子の比が1:5〜5:1のモル比、好ましくは1:3〜3:3のモル比の範囲内である。これ以外の範囲では、目的物の収率が低下し、また、未反応の原料が残留して、目的物の取り出しが困難となる。
本発明の反応で用いられる金属塩と5カルボキシル基を二個含及びふっ素原子を含有する側鎖を有する二座配位子(第一配位子)とピリジル型の第二配位子の混合比率は、金属:2種配位子の合計の比が1:5〜5:1のモル比、好ましくは1:3〜3:3のモル比の範囲内である。さらに、第一配位子と第二配位子の比が1:3〜3:1のモル比、好ましくは1:2〜2:1のモル比の範囲内である。これ以外の範囲では、目的物の収率が低下し、また、未反応の原料が残留して、目的物の取り出しが困難となる。
反応は通常のガラスライニングのSUS製の反応容器および機械式攪拌機を使用して行うことができる。反応終了後は濾過、乾燥を行うことで目的物質と原料の分離を行い、純度の高い目的物質を製造することが可能である。
上記の反応により得られた多孔性高分子金属錯体が目的とする二次元四角格子の積層型のネットワーク構造を有しているかどうかは、単結晶X線結晶解析により得られた反射を解析することで確認することが出来る。上記の反応により得られた多孔性高分子金属錯体のガス吸着能は、市販のガス吸着装置を用いて測定が可能である。
本発明の多孔性高分子金属錯体は、原料として複数種のふっ素原子を含有する側鎖を有する二座配位子を混合使用して、使用した複数種の配位子を含有する多孔性高分子金属錯体を合成する、いわゆる固溶体型の多孔性高分子金属錯体を形成する事が可能であることが確認された。
本発明の多孔性高分子金属錯体は、二次元四角格子の積層型のネットワーク構造であり、本ネットワーク構造がふっ素を含む側鎖を有する構造をしている。本来四角格子は内部にガスを吸蔵する可能性があるが、このガス吸着特性に、ふっ素を含む鎖状の官能基が影響を与えていると考えられる。しかし、本発明は理論に拘束されるものではなく、本発明の多孔性高分子金属錯体の特性もこの理論によって制限されるものではない。
多孔性高分子金属錯体の調製方法は種々の条件があり、一義的に決定できるものではないが、ここでは実施例に基づき説明する。
粉末X線回折測定には、ブルカーAX(株)社製粉末X線装置DISCOVER D8 with GADDSを用いた。
実施例1
硝酸亜鉛3水和物0.104ミリモル、2,5−ビス(ノルマルノナフルオロブチル)−1,4−ベンゼンジカルボン酸(2,5位にそれぞれノルマルCF基を有するテレフタル酸)0.04ミリモルをエタノール5mLとジエチルホルムアミド2.5mLに溶解し、直径5ミリのガラス試験管に入れ、蓋をして、アルミブロックバスにて振動を与えないように80℃で5日間加熱した。得られた針状の単結晶を大気に暴露させないようにパラトンにてコーティングした後、(株)リガク社製単結晶測定装置(極微小結晶用単結晶構造解析装置VariMax、MoK・線(λ=0.71069Å))にて測定し(照射時間32秒、d=45ミリ、2θ=−20,温度=−103℃)、得られた回折像を解析ソフトウエア、リガク(株)製解析ソフトウエア「CrystalStructure」を使用して解析し、図3に示すように、いわゆる四角格子積層構造を有していることを確認した(a=10.879(7), b=10.915(7), c=15.796(11); α=96.965(9)、β=108.908(13), γ=94.304(11); 空間群=P−1))。また得られた単結晶を軽くすりつぶして得られた粉末を測定した、粉末X線回折チャートを図12に示す。
実施例2
硝酸銅3水和物0.02ミリモルをジメチルホルムアミド2mLに溶解し、直径5ミリメートルのガラス試験管にいれ、その上に5−ノルマルヘプタフルオロプロピルイソフタル酸(5位にノルマルC3F7基を有するイソフタル酸)0.01ミリモルおよび4,4'-ビピリジン0.02ミリモルをメタノール2mLに溶解した溶液をしずかに積層し、14日間振動を与えないように緩衝材を入れた容器に本ガラス試験管を入れて静置した。得られた青色の単結晶を実施例1と同様に測定、解析を行い、図4〜5に示すように、いわゆる四角格子積層構造を有していることを確認した(a=13.155(3), b=17.703(4), c=22.00175(5); α=90.00、β=90.00, γ=90.00; 空間群=Pbcn))。
実施例3
硝酸亜鉛3水和物0.01ミリモル、5−ノルマルヘプタフルオロプロピルイソフタル酸(5位にノルマルC3F7基を有するイソフタル酸)0.01ミリモルおよび3,6-ジ(4-ピリジル)-1,2,4,5-テトラジン0.01ミリモルをジメチルホルムアミド1mLおよびエタノール1mLの混合溶媒に溶解し、直径5ミリメートルのガラス試験管にいれ、蓋をしてアルミブロックバスにて振動を与えないように80℃で2日間加熱した。得られた無色の結晶を実施例1と同様に測定、解析を行い、図6〜7に示すように、いわゆる四角格子積層構造を有していることを確認した(a=13.155(3), b=17.703(4), c=22.00175(5); α=90.00、β=90.00, γ=90.00; 空間群=Pbcn))。
実施例4
硝酸亜鉛3水和物0.02ミリモル、5−ノルマルヘプタフルオロプロピルイソフタル酸(5位にノルマルC3F7基を有するイソフタル酸)0.02ミリモルおよび1,4−ビス(4−ピリジル)ベンゼン0.01ミリモルをジメチルホルムアミド2mLおよびエタノール2mLの混合溶媒に溶解し、直径5ミリメートルのガラス試験管にいれ、蓋をしてアルミブロックバスにて振動を与えないように80℃で2日間加熱した。得られた無色の結晶を実施例1と同様に測定、解析を行い、図8に示すように、いわゆる四角格子積層構造を有していることを確認した(a=24.061(15), b=5.659(3), c=20.326(12); α=90.00、β=90.00, γ=90.00; 空間群=Pca21))。
解析により、四角格子の細孔内にジメチルホルムアミド分子(溶媒に基づくゲスト分子)が存在する事が明らかになったが、図の見やすさの為に図8〜9からは省略した。
実施例5
硝酸コバルト3水和物0.01ミリモル、5−ペンタフルオロエチルイソフタル酸(5位にCF基を有するイソフタル酸)0.01ミリモルおよびビシクロ[2,2,2」-オクタン-1,4-ジカルボン酸0.01ミリモルをジメチルホルムアミド1mLおよびエタノール1mLの混合溶媒に溶解し、直径8ミリメートルのガラス試験管にいれ、蓋をしてアルミブロックバスにて振動を与えないように120℃で2日間加熱した。得られた無色の結晶を実施例1と同様に測定、解析を行い、図10に示すように、いわゆる四角格子積層構造を有していることを確認した(a=10.095(11), b=16.2518(19), c=23.292(3); α=90.00、β=100.8225(16), γ=90.00; 空間群=P21/c))。
解析により、コバルトイオン1個に対し3個配位しているジメチルホルムアミド分子(溶媒に基づくゲスト分子)の存在が明らかになったが、図の見やすさの為に図9からは削除した。
実施例6
硝酸コバルト3水和物0.01ミリモル、5−ノルマルパーフルオロデシルイソフタル酸(5位にノルマルC10F21基を有するイソフタル酸)0.01ミリモルおよびビシクロ[2,2,2」-オクタン-1,4-ジカルボン酸0.01ミリモルをジメチルホルムアミド1mLおよびエタノール1mLの混合溶媒に溶解し、直径8ミリメートルのガラス試験管にいれ、蓋をしてアルミブロックバスにて振動を与えないように120℃で2日間加熱した。得られた無色の結晶を実施例1と同様に測定、解析を行い、図11に示すように、いわゆる四角格子積層構造を有していることを確認した(a=10.278(8), b=17.301(13), c=28.01(2); α=90.00、β=90.731(13), γ=90.00; 空間群=P21))。
実施例7
硝酸亜鉛3水和物0.104ミリモル、2,5−ビス(トリフルオロメチル)−1,4−ベンゼンジカルボン酸(2,5位にそれぞれCF基を有するテレフタル酸)0.04ミリモルをエタノール5mLとジエチルホルムアミド2.5mLに溶解し、直径5ミリのガラス試験管に入れ、蓋をして、アルミブロックバスにて振動を与えないように80℃で5日間加熱した。得られた無色の結晶を実施例1と同様に測定、解析を行いいわゆる四角格子積層構造を有していることを確認した。
実施例8
硝酸亜鉛3水和物0.104ミリモル、2,5−ビス(ノルマルヘプタデカフルオロオクチル)−1,4−ベンゼンジカルボン酸(2,5位にそれぞれCF17基を有するテレフタル酸)0.04ミリモルをエタノール5mLとジエチルホルムアミド2.5mLに溶解し、直径5ミリのガラス試験管に入れ、蓋をして、アルミブロックバスにて振動を与えないように80℃で5日間加熱した。得られた無色の結晶を実施例1と同様に測定、解析を行いいわゆる四角格子積層構造を有していることを確認した。
実施例9
硝酸亜鉛3水和物0.104ミリモル、2−(ノルマルノナフルオロブチル)−1,4−ベンゼンジカルボン酸(2位にノルマルCF基を有するテレフタル酸)0.04ミリモルをエタノール5mLとジエチルホルムアミド2.5mLに溶解し、直径5ミリのガラス試験管に入れ、蓋をして、アルミブロックバスにて振動を与えないように80℃で5日間加熱した。得られた無色の結晶を実施例1と同様に測定、解析を行いいわゆる四角格子積層構造を有していることを確認した。
実施例10
硝酸銅3水和物0.02ミリモルをジメチルホルムアミド2mLに溶解し、直径5ミリメートルのガラス試験管にいれ、その上に5−トリフルオロメチルイソフタル酸(5位にCF3基を有するイソフタル酸)0.01ミリモルおよび4,4'-ビピリジン0.02ミリモルをメタノール2mLに溶解した溶液をしずかに積層し、振動を与えないように緩衝材を入れた容器に本ガラス試験管を入れて14日間静置した。得られた青色の結晶を実施例1と同様に測定、解析を行い、いわゆる四角格子積層構造を有していることを確認した。
実施例11
硝酸銅3水和物0.02ミリモルをジメチルホルムアミド2mLに溶解し、直径5ミリメートルのガラス試験管にいれ、その上に5−ノルマルトリデカフルオロヘキシルイソフタル酸(5位にノルマルCF13基を有するイソフタル酸)0.01ミリモルおよび4,4'-ビピリジン0.02ミリモルをメタノール2mLに溶解した溶液をしずかに積層し、振動を与えないように緩衝材を入れた容器に本ガラス試験管を入れて14日間静置した。得られた青色の結晶を実施例1と同様に測定、解析を行い、いわゆる四角格子積層構造を有していることを確認した。
実施例12
硝酸亜鉛3水和物0.01ミリモル、5−ペンタフルオロエチルイソフタル酸(5位にCF基を有するイソフタル酸)0.01ミリモルおよび3,6-ジ(4-ピリジル)-1,2,4,5-テトラジン0.01ミリモルをジメチルホルムアミド1mLおよびエタノール1mLの混合溶媒に溶解し、直径5ミリメートルのガラス試験管にいれ、蓋をしてアルミブロックバスにて振動を与えないように80℃で2日間加熱した。得られた無色の結晶を実施例1と同様に測定、解析を行い、いわゆる四角格子積層構造を有していることを確認した。
実施例13
硝酸亜鉛3水和物0.01ミリモル、5−ノルマルヘプタデカフルオロオクチルイソフタル酸(5位にノルマルCF17基を有するイソフタル酸)0.01ミリモルおよび3,6-ジ(4-ピリジル)-1,2,4,5-テトラジン0.01ミリモルをジメチルホルムアミド1mLおよびエタノール1mLの混合溶媒に溶解し、直径5ミリメートルのガラス試験管にいれ、蓋をしてアルミブロックバスにて振動を与えないように80℃で2日間加熱した。得られた無色の結晶を実施例1と同様に測定、解析を行い、いわゆる四角格子積層構造を有していることを確認した。
実施例14
硝酸亜鉛3水和物0.02ミリモル、5−トリフルオロメチルイソフタル酸(5位にノルマルCF基を有するイソフタル酸)0.02ミリモルおよび1,4−ビス(4−ピリジル)ベンゼン0.01ミリモルをジメチルホルムアミド2mLおよびエタノール2mLの混合溶媒に溶解し、直径5ミリメートルのガラス試験管にいれ、蓋をしてアルミブロックバスにて振動を与えないように80℃で2日間加熱した。得られた無色の結晶を実施例1と同様に測定、解析を行い、いわゆる四角格子積層構造を有していることを確認した。
実施例15
硝酸亜鉛3水和物0.02ミリモル、5−ノルマルウンデカフルオロペンチルイソフタル酸(5位にノルマルCF11基を有するイソフタル酸)0.02ミリモルおよび1,4−ビス(4−ピリジル)ベンゼン0.01ミリモルをジメチルホルムアミド2mLおよびエタノール2mLの混合溶媒に溶解し、直径5ミリメートルのガラス試験管にいれ、蓋をしてアルミブロックバスにて振動を与えないように80℃で2日間加熱した。得られた無色の結晶を実施例1と同様に測定、解析を行い、いわゆる四角格子積層構造を有していることを確認した。
<ガス吸着の結果>
得られたガス吸着材の二酸化炭素吸着性および窒素の吸着性をBET自動吸着装置(日本ベル株式会社製ベルミニII)をもちいて評価した(測定温度:二酸化炭素は195K、窒素は77K)。測定に先立って試料を393Kで6時間真空乾燥して、微量残存している可能性がある溶媒分子などを除去した。
表1に、実施例1−15で得られた多孔性高分子金属錯体の二酸化炭素と窒素の吸着量を示す。
いずれも二酸化炭素の吸着量が窒素と比較して多く、四角格子積層構造に置換しているふっ素原子を含む官能基が二酸化炭素と相互作用することで特異的な吸着能が発現している事が示唆された。
本発明の多孔性高分子金属錯体は、配位子の整列によって形成される多数の微細孔が物質内部に存在する。この多孔性を生かして二酸化炭素などのふっ素原子と親和性を有するガスの特異的な吸着が可能であり、これらのガスの分離、貯蔵に好適に使用出来る。

Claims (17)

  1. 下記式(1)
    [MXY]n (1)
    (式中、Mは2価の遷移金属イオン、Xは炭素数1から10であるパーフルオロアルキル基を少なくとも1個以上及びカルボキシル基を2個含有する芳香族配位子、Yはピリジル型の第2配位子である。qは0または1である。nは、[MXY]から成る構成単位が多数集合しているという特性を示すもので、nの大きさは特に限定されない。)
    で表され、金属イオンは4個の上記配位子の配位を受けた二次元四角格子の積層型ネットワーク構造を有している多孔性高分子金属錯体。
  2. Xの前記パーフルオロアルキル基が、CF3,C25,n−C37,n−C49,n−C511,n−C817,n−C1021基から選ばれるものである、請求項1に記載の多孔性高分子金属錯体。
  3. 前記のq=0である、請求項1,2のいずれか1項に記載の多孔性高分子金属錯体。
  4. 金属イオンが、4個のカルボキシル基と配位結合したユニットが上下に二つ配位したパドルホイール構造を形成している、請求項1−3のいずれか1項に記載の多孔性高分子金属錯体。
  5. 前記のq=1である、請求項1−3のいずれか1項に記載の多孔性高分子金属錯体。
  6. 金属イオンが、2座配位のカルボキシル基1個、1座配位のカルボキシル基1個、ピリジル基2個からそれぞれ配位を受けた5配位状態にある、請求項1、2,4のいずれか1項に記載の多孔性高分子金属錯体。
  7. 金属イオンが、1座配位のカルボキシル基2個、ピリジル基2個からそれぞれ配位を受けた4配位状態にある、請求項1、2,4のいずれか1項に記載の多孔性高分子金属錯体。
  8. 金属イオン2個がカルボキシル基に架橋された金属イオンクラスターで、1つの金属イオンは2座配位のカルボキシル基2個、1座配位のカルボキシル基2個に配位された6配位で、もう一つの金属イオンは、1座配位のカルボキシル基3個に配位された3配位状態にある、請求項1、2,3のいずれか1項に記載の多孔性高分子金属錯体。
  9. 前記のXが下記式のいずれかで表される化合物である、請求項1−7のいずれか1項に記載の多孔性高分子金属錯体。
  10. 前記のYが下記式のいずれかで表される化合物である、請求項1−8のいずれか1項に記載の多孔性高分子金属錯体。
  11. 2価の遷移金属イオンが銅イオンまたは亜鉛イオンまたはコバルトイオンである、請求項1−10のいずれか1項に記載の多孔性高分子金属錯体。
  12. 2価の遷移金属イオンが亜鉛イオンである、請求項1−4、9,10のいずれか1項に記載の多孔性高分子金属錯体。
  13. 2価の遷移金属イオンが銅イオンである、請求項1、2、5,6,9、10のいずれか1項に記載の多孔性高分子金属錯体。
  14. 2価の遷移金属イオンがコバルトイオンである、請求項1、2、3,8,9、10のいずれか1項に記載の多孔性高分子金属錯体。
  15. 請求項1−14のいずれか1項に記載の多孔性高分子金属錯体を含むガス吸着材。
  16. 請求項15に記載のガス吸着材を用いるガス分離装置。
  17. 請求項15に記載のガス吸着材を用いるガス貯蔵装置。
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