JP2014169088A - Pcタンク及びその構築方法 - Google Patents

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Abstract


【課題】LNGの液密性を確保しつつ、現場打ちコンクリートよりも工期を短縮する。
【解決手段】本発明に係るPCタンク1は、外槽2及び内槽3からなるLNG貯留のためのタンク本体4と、該タンク本体が載置された基礎版5と、該基礎版の外周に沿ってタンク本体4を取り囲むように立設されたPC防液堤6とで構成するとともに、基礎版5の外周部を、プレキャストセグメント21を環状に複数配置した上、それらをシース管31に挿通された周方向のPC鋼材37を用いて相互に一体化させてなるプレキャスト環状部7で構成し、該プレキャスト環状部の上にPC防液堤6を、該プレキャスト環状部7の内側に、外周部を除く基礎版5の内側領域8をそれぞれ現場打ちコンクリートで構成してある。
【選択図】 図1

Description

本発明は、PCタンク、特に液化天然ガスを貯留するためのPCLNGタンク及びその構築方法に関する。
液化天然ガス(以下、LNG)を貯留するにあたり、最近では、敷地の有効利用や大容量化の観点から、外槽及び内槽からなる金属二重殻式LNGタンクとその周囲に配置される防液堤とを一体化させるとともに、該防液堤をプレストレストコンクリート(以下、PC)とすることで液密性を確保したPCLNGタンクが採用されている。
プレストレストコンクリートからなる防液堤(以下、PC防液堤)は、周方向及び鉛直方向に沿って挿通されたPC鋼材を介してコンクリートに圧縮力を導入するようになっており、貯留中のLNGがLNGタンクから万一漏出した場合であっても、これを施設内にとどめることができるようになっている。
かかるPC防液堤は、シース管が埋設された状態でコンクリートを現場打設し、該コンクリートに所要の強度が発現した後、シース管に挿通されたPC鋼材を緊張させることでコンクリートに圧縮力を導入するという手順で行われてきた。
特開昭61−81979号公報 特開2002−308377号公報 特開2006−291582号公報 特開2011−122389号公報
一方、PCLNGタンクの大規模化に伴う工期短縮の観点から、最近では、現場打ちコンクリートに代えて、プレキャストコンクリートの採用が提案されており、プレキャストセグメントを工場で製作できる分、現場打設の場合よりも工期を短縮することができると期待されている。
しかしながら、PCLNGタンクをプレキャストコンクリート部材で構築するにあたり、該プレキャストコンクリート部材同士の当接部位において高い液密性を確保できるだけの技術が確立されているとは必ずしも言えず、その工事例も未だ国内外で存在しない。
このように、PCLNGタンクを構築するにあたり、プレキャスト工法の採用が検討されているものの、規模が大きくなるにつれて、工期短縮の要請とLNGの液密性確保との両立が難しくなり、それゆえ、現場打ちコンクリートによる従来工法の採用を余儀なくされているのが現状である。
本発明は、上述した事情を考慮してなされたもので、LNGの液密性を確保しつつ、現場打ちコンクリートよりも工期を短縮することが可能なPCタンク及びその構築方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明に係るPCタンクは請求項1に記載したように、タンク本体と該タンク本体が載置された基礎版と該基礎版の外周に沿って前記タンク本体を取り囲むように立設されたPC防液堤とで構成されたPCタンクにおいて、
前記基礎版の外周部を、環状に配置された複数のプレキャストセグメントがそれらに挿通されたPC鋼材で相互に一体化されてなるプレキャスト環状部で構成するとともに、該プレキャスト環状部の上に前記PC防液堤を現場打ちコンクリートで、該プレキャスト環状部の内側に前記外周部を除く前記基礎版の内側領域を現場打ちコンクリートでそれぞれ構成したことで構成したものである。
また、本発明に係るPCタンクは、前記プレキャストセグメントを、前記内側領域の周縁における版厚とほぼ同じ厚みになるように形成されたセグメント本体と該セグメント本体の上面であって前記PC防液堤が立設される側に延設され該PC防液堤の壁厚とほぼ同じ厚みとなるように形成された壁状接合部とで構成したものである。
また、本発明に係るPCタンクは、前記壁状接合部をその周方向長さが前記セグメント本体の周方向長さより短くなるように構成することで、前記プレキャストセグメントのうち、相互に隣接する2つのプレキャストセグメントの各壁状接合部を周方向に沿って互いに離間させるとともに該各壁状接合部の間に拡がる離間スペースに前記PC防液堤の一部として現場打ちコンクリートを充填配置したものである。
また、本発明に係るPCタンクの構築方法は請求項4に記載したように、タンク本体と該タンク本体が載置された基礎版と該基礎版の外周に沿って前記タンク本体を取り囲むように立設されたPC防液堤とで構成されたPCタンクを構築する方法において、
前記PC防液堤の立設位置に沿って杭を打設し、
該杭の上に複数のプレキャストセグメントを環状に配置するとともにそれらに挿通されたPC鋼材を緊張して該複数のプレキャストセグメントを相互に一体化させることにより、前記基礎版の外周部となるプレキャスト環状部を構成し、
前記プレキャスト環状部の上に前記PC防液堤を現場打ちコンクリートで構成するとともに、前記プレキャスト環状部の内側に前記外周部を除く前記基礎版の内側領域を現場打ちコンクリートで構成するものである。
本発明に係るPCタンク及びその構築方法においては、基礎版と該基礎版の外周に沿って立設されるPC防液堤とを構築するにあたり、基礎版の外周部を、環状に配置された複数のプレキャストセグメントがそれらに挿通されたPC鋼材で相互に一体化されてなるプレキャスト環状部で構成するとともに、該プレキャスト環状部の上にPC防液堤を現場打ちコンクリートで、該プレキャスト環状部の内側に外周部を除く基礎版の内側領域を現場打ちコンクリートでそれぞれ構成してある。
このようにすると、PC防液堤を構築する際の工程上のクリティカルとなる基礎版の外周部がプレキャスト環状部で構成されるため、PC防液堤の工事を早期に開始することが可能となる。
すなわち、従来における基礎版の外周部には、PC鋼材を挿入するためのシース管のうち、周方向のシース管をPC防液堤と同様に埋設するとともに、互いに隣り合うように鉛直方向に沿ってPC防液堤に埋設された2本一組のシース管に接続されるU字状のシース管を埋設する必要があるほか、PCタンクがPCLNGタンクの場合には、アンカーや底部ヒーター管などを埋設する必要があるため、PCタンクの規模が大きくなればなるほど、基礎版の外周部を構築するのに時間を要する。
しかし、複数のプレキャストセグメントを環状に配置するとともに該複数のプレキャストセグメントをPC鋼材を用いて相互に一体化させることでプレキャスト環状部を構成し、該プレキャスト環状部を基礎版の外周部とすれば、プレキャストセグメントを、シース管をはじめとした上述の各種付属設備が埋設された形で予め工場製作することができるため、現場で必要となる作業が大幅に軽減される。
一方、基礎版及びPC防液堤のうち、プレキャスト化される範囲は、上述したように基礎版とPC防液堤との取合い箇所、つまり基礎版の外周部のみとなるため、液密性の対策が必要となる箇所を最小限にとどめることが可能となり、かくしてLNGその他の貯留液の液密性を確保しつつ、現場打ちコンクリートよりも工期を短縮することが可能となる。
本発明に係るPCタンク及びその構築方法においては、PC防液堤に圧縮力がプレストレスとして予め導入されていることを前提とし、従来通り、必要に応じて周方向及び鉛直方向に沿って配置されたPC鋼材によって適宜プレストレスを導入するものであって、PCタンクとして必要なプレストレス導入とプレキャストセグメントを一体化するために必要なPC鋼材の緊張とは本来的に異なるものであるが、周方向に関しては、同一のPC鋼材を併用する形で行うことが可能である。
プレキャストセグメントは任意に構成することが可能であって、例えば基礎版を構成する内側領域の周縁における版厚を高さとし、PC防液堤の壁厚を幅とした矩形断面の湾曲部材で構成することも可能であるが、基礎版を構成する内側領域の周縁における版厚とほぼ同じ厚みになるように形成されたセグメント本体と該セグメント本体の上面であってPC防液堤が立設される側に延設され該PC防液堤の壁厚とほぼ同じ厚みとなるように形成された壁状接合部とで構成したならば、壁状接合部の幅をセグメント本体の幅よりも小さくして壁状接合部の剛性をセグメント本体の剛性よりも小さくすることにより、PC防液堤を構成する現場打ちコンクリートを打設したとき、その温度応力に追従して壁状接合部が変形する、換言すれば温度応力による現場打ちコンクリートの膨張収縮を壁状接合部が拘束しないように構成することが可能となり、かくしてPC防液堤に温度応力に伴うひび割れが生じるのを抑制することができる。
ここで、タンク本体の設置側から見た場合、プレキャストセグメント同士の当接によって形成される鉛直目地のうち、セグメント本体同士の鉛直目地については基礎版の内側領域で覆われて露出せず、壁状接合部の鉛直目地がわずかに露出するにとどまるため、プレキャストセグメント同士の鉛直目地に必要な液密性確保のための対策は若干の対策で足りる。なお、プレキャストセグメントとPC防液堤あるいは基礎版の内側領域との接合箇所については、いずれも現場打ちコンクリートによる打継ぎとなるため、液密性が問題となる目地は形成されない。
壁状接合部は、その周方向長さをセグメント本体の周方向長さと同じになるようにしてもかまわないが、該周方向長さをセグメント本体の周方向長さより短くなるように構成することで、プレキャストセグメントのうち、相互に隣接する2つのプレキャストセグメントの各壁状接合部を周方向に沿って互いに離間させるとともに該各壁状接合部の間に拡がる離間スペースにPC防液堤の一部として現場打ちコンクリートを充填配置した構成とするならば、壁状接合部の鉛直目地自体が形成されないため、セグメント本体同士の鉛直目地が基礎版で覆われて露出しないことと相俟って、タンク本体の設置側には、プレキャストセグメント同士の当接による鉛直目地が一切形成されないこととなり、かくしてプレキャストセグメント同士の当接によって生じる鉛直目地への液密性対策がさらに軽減され、又は不要となる。
本実施形態に係るPCタンクを示した鉛直断面図。 本実施形態に係るPCタンクのA−A線に沿う水平断面図。 本実施形態に係るPCタンクの詳細図であり、(a)はプレキャストセグメントの鉛直断面図、(b)はB−B線方向から見た矢視図。 プレキャストセグメント同士の当接状況を示した斜視図。 変形例に係るプレキャストセグメント同士の当接状況を示した斜視図。
以下、本発明に係るPCタンク及びその構築方法の実施の形態について、添付図面を参照して説明する。
図1は、本実施形態に係るPCタンクを示した鉛直断面図である。同図でわかるように、本実施形態に係るPCタンク1は、PCLNGタンクに適用されたものであって、外槽2及び内槽3からなるLNG貯留のためのタンク本体4と、該タンク本体が載置された基礎版5と、該基礎版の外周に沿ってタンク本体4を取り囲むように立設されたPC防液堤6とで構成してある。
ここで、基礎版5の外周部はプレキャスト環状部7で構成してあり、該プレキャスト環状部の上にPC防液堤6を現場打ちコンクリートで立設してあるとともに、該プレキャスト環状部7の内側には、外周部を除く基礎版5の内側領域8を現場打ちコンクリートで構成してある。
プレキャスト環状部7は図2でよくわかるように、複数のプレキャストセグメント21を環状に配置して構成してある。プレキャスト環状部7の周方向に沿った分割数、換言すればプレキャストセグメント21の連結個数は、本実施形態では説明の便宜上、16としてあるが、これらの分割数や連結個数は、PCタンク1の規模に応じて適宜定めればよく、例えば4〜32の範囲で設定することが可能である。
プレキャストセグメント21は、周方向に沿って列状に連結したとき、それらの連続内面が円筒内面を、連続外面が円筒外面をそれぞれ形成するよう、プレキャスト環状部7の内径や外径に基づいて湾曲形成してある。
図3は、プレキャストセグメント21を詳細に示したものである。同図でわかるように、プレキャストセグメント21は、基礎版5を構成する内側領域8の周縁の版厚とほぼ同じ厚みになるように形成されたセグメント本体22と、該セグメント本体の上面であってPC防液堤6が立設される側に延設され該PC防液堤の壁厚とほぼ同じ厚みとなるように形成された壁状接合部23とで構成してある。
プレキャストセグメント21には、PC防液堤6に互いに隣り合うように鉛直方向に沿って埋設された2本一組のシース管34,34に接続されるU字状のシース管32を埋設してあるとともに、セグメント本体22には、周方向のシース管31を複数段(同図では4段)にわたって埋設し、壁状接合部23には、周方向のシース管33を埋設してある。なお、U字状のシース管32は、シース管34,34の組数に応じた個数が配置されるが、本実施形態では、説明の便宜上、プレキャストセグメント21ごとに一つずつ配置するものとした。
壁状接合部23は、その周方向長さがセグメント本体22の周方向長さより短くなるように構成することで、相互に隣接する2つのプレキャストセグメント21,21の各壁状接合部23,23を周方向に沿って互いに離間させるとともに、該各壁状接合部の間に拡がる離間スペースにPC防液堤6の一部として現場打ちコンクリートを充填配置してある。
本実施形態に係るPCタンク1は、このようなプレキャストセグメント21を環状に複数配置した上、それらをシース管31に挿通された周方向のPC鋼材37を用いて相互に一体化させてあるとともに、PCタンクとして必要な周方向のプレストレスについては、上述のPC鋼材37とシース管33に挿通された周方向のPC鋼材38を介してプレキャスト環状部7及びその周辺部位に圧縮力として導入してある。
PC鋼材37は、上述したように複数段に配置されたものであって、全体としては、プレキャストセグメント21を相互に一体化させる役割と通常のプレストレスを導入するための役割の両方を担うが、それぞれが両役割を兼用するようにしてもよいし、個別に役割分担させる、例えば、埋設高さ位置に応じて、相互に一体化させる役割を果たすものと通常のプレストレスを導入するためのものに分けるようにしてもかまわない。
PC防液堤6については、PCタンクとして必要なプレストレスを、周方向についてはPC鋼材37,38と同様のPC鋼材(図示せず)を用いて、鉛直方向についてはシース管34,34及びシース管32に挿通された鉛直方向のPC鋼材36を用いてそれぞれ、従来と同様に圧縮力として導入すればよい。
本実施形態に係るPCタンク1を構築するには、まず、PC防液堤6の立設位置に沿って杭35(図3(a))を打設し、次いで、該杭の上にプレキャストセグメント21を環状に複数配置する。
次に、周方向に挿通されたPC鋼材37を緊張することにより、プレキャストセグメント21同士を互いに一体化させて基礎版5の外周部となるプレキャスト環状部7を構築する。
次に、壁状接合部23,23の間に拡がる離間スペースに現場打ちコンクリートを充填してPC防液堤6の一部としつつ、プレキャスト環状部7の上にPC防液堤6を鉄筋コンクリート体として構築する一方、プレキャスト環状部7の内側に上述した外周部を除く基礎版5の内側領域8を同じく鉄筋コンクリート体として構築する。これら鉄筋コンクリート体は、いずれも現場打ちコンクリートで構成する。
PC防液堤6を構築するにあたっては、PCタンクとして必要なプレストレスを、周方向についてはPC鋼材37,38と同様のPC鋼材(図示せず)を用いて、鉛直方向についてはシース管34,34及びシース管32に挿通された鉛直方向のPC鋼材36を用いてそれぞれ圧縮力として適当な時期に導入するが、これらプレストレス導入については従来と同様であるので、ここでは詳細な説明を省略する。
プレキャスト環状部7とPC防液堤6との間、及びプレキャスト環状部7と基礎版5の内側領域8との接合面においては、それらの間でせん断力が十分な程度に伝達されるよう、PC防液堤6や基礎版5の内側領域8が接合される側においてプレキャストセグメント21から補強筋(図示せず)を適宜突出させるとともに、該補強筋が埋設されるようにPC防液堤6や基礎版5の内側領域8を施工する。
これらの鉄筋工事及びコンクリート工事については、プレキャスト部材と現場打ちコンクリートとを接合する際に従来から行っている一般的な施工内容に準じて適宜行えばよい。
図4は、プレキャスト環状部7を構成するプレキャストセグメント21同士の当接状況を、PC防液堤6と基礎版5の内側領域8との位置関係とともに示したものである。同図でわかるように、プレキャストセグメント21,21は、セグメント本体22,22の当接箇所で形成される鉛直目地41を介して互いに当接しているが、該鉛直目地は、基礎版5の内側領域8で覆われるため、タンク本体4の設置側には露出しない。
以上説明したように、本実施形態に係るPCタンク1及びその構築方法によれば、シース管をはじめ、アンカー、底部ヒーター管といった各種付属設備については、従来であれば、基礎版の外周部を現場打ちコンクリートによる鉄筋コンクリート体として構築する際に鉄筋等とともにコンクリート打設空間に配置しなければならず、それがPC防液堤を構築する際の工程上のクリティカルとなっていたところ、プレキャストセグメント21に埋設される形で、取付けや配置を先行して行うことができるため、PC防液堤6の工事を早期に開始することが可能となる一方、基礎版5及びPC防液堤6のうち、プレキャスト化される範囲は、基礎版5とPC防液堤6との取合い箇所、つまり基礎版5の外周部のみであるため、液密性の対策が必要となる箇所を最小限にとどめることが可能となり、かくしてLNGその他の貯留液の液密性を確保しつつ、現場打ちコンクリートよりも工期を短縮することが可能となる。
また、本実施形態に係るPCタンク1によれば、プレキャストセグメント21を、基礎版5を構成する内側領域8の周縁の版厚とほぼ同じ厚みになるように形成されたセグメント本体22と該セグメント本体の上面であってPC防液堤6が立設される側に延設され該PC防液堤の壁厚とほぼ同じ厚みとなるように、換言すればセグメント本体22よりも幅が小さくなるように形成された壁状接合部23とで構成するとともに、壁状接合部23をその周方向長さがセグメント本体22の周方向長さより短くなるように構成することで、相互に隣接する2つのプレキャストセグメント21,21の各壁状接合部23,23を周方向に沿って互いに離間させるとともに該各壁状接合部の間に拡がる離間スペースにPC防液堤6の一部として現場打ちコンクリートを充填配置するようにしたので、壁状接合部23の剛性がセグメント本体22の剛性よりも小さくなり、PC防液堤6を構成する現場打ちコンクリートを打設したとき、その温度応力に追従して壁状接合部23が変形する、換言すれば温度応力に起因したPC防液堤6構築時の膨張収縮を壁状接合部23が拘束しないこととなり、かくしてPC防液堤6に温度応力に伴うひび割れが生じるのを十分に抑制することができる。
また、タンク本体4の設置側から見た場合、プレキャストセグメント21,21同士の当接によって形成される鉛直目地、本実施形態ではセグメント本体22,22同士の鉛直目地は、基礎版5の内側領域8で覆われて露出しない。
したがって、プレキャストセグメント21,21同士の当接によって生じる目地に対し、液密性確保の対策が大幅に軽減され、又は不要となる。
本実施形態では、壁状接合部23をその周方向長さがセグメント本体22の周方向長さより短くなるように構成したが、壁状接合部23に代えて図5に示すように、周方向長さがセグメント本体22の周方向長さと同等の壁状接合部23bとし、該壁状接合部とセグメント本体22とからなるプレキャストセグメント21bでプレキャスト環状部を構成するようにしてもかまわない。
かかる構成においては、同図に示すように、壁状接合部23b,23b同士の当接によって生じる鉛直目地51が、タンク本体4の設置側にわずかに露出するものの、液密性確保の対策が概ね軽減されることに変わりはない。
また、本実施形態では、プレキャストセグメント21を、セグメント本体22及び壁状接合部23で構成したが、PC防液堤6を構築する際にそれを構成する現場打ちコンクリートの膨張収縮が拘束されず、該PC防液堤に温度ひび割れが生じる懸念がないのであれば、プレキャストセグメント21に代えて、壁状接合部23を省略し、セグメント本体22のみからなるプレキャストセグメントで構成するようにしてもよい。
1 PCタンク
4 タンク本体
5 基礎版
6 PC防液堤
7 プレキャスト環状部(基礎版の外周部)
8 基礎版の内側領域
21,21b プレキャストセグメント
22 セグメント本体
23,23b 壁状接合部
31,32,33,34 シース管
36,37,38 PC鋼材

Claims (4)

  1. タンク本体と該タンク本体が載置された基礎版と該基礎版の外周に沿って前記タンク本体を取り囲むように立設されたPC防液堤とで構成されたPCタンクにおいて、
    前記基礎版の外周部を、環状に配置された複数のプレキャストセグメントがそれらに挿通されたPC鋼材で相互に一体化されてなるプレキャスト環状部で構成するとともに、該プレキャスト環状部の上に前記PC防液堤を現場打ちコンクリートで、該プレキャスト環状部の内側に前記外周部を除く前記基礎版の内側領域を現場打ちコンクリートでそれぞれ構成したことで構成したことを特徴とするPCタンク。
  2. 前記プレキャストセグメントを、前記内側領域の周縁における版厚とほぼ同じ厚みになるように形成されたセグメント本体と該セグメント本体の上面であって前記PC防液堤が立設される側に延設され該PC防液堤の壁厚とほぼ同じ厚みとなるように形成された壁状接合部とで構成した請求項1記載のPCタンク。
  3. 前記壁状接合部をその周方向長さが前記セグメント本体の周方向長さより短くなるように構成することで、前記プレキャストセグメントのうち、相互に隣接する2つのプレキャストセグメントの各壁状接合部を周方向に沿って互いに離間させるとともに該各壁状接合部の間に拡がる離間スペースに前記PC防液堤の一部として現場打ちコンクリートを充填配置した請求項2記載のPCタンク。
  4. タンク本体と該タンク本体が載置された基礎版と該基礎版の外周に沿って前記タンク本体を取り囲むように立設されたPC防液堤とで構成されたPCタンクを構築する方法において、
    前記PC防液堤の立設位置に沿って杭を打設し、
    該杭の上に複数のプレキャストセグメントを環状に配置するとともにそれらに挿通されたPC鋼材を緊張して該複数のプレキャストセグメントを相互に一体化させることにより、前記基礎版の外周部となるプレキャスト環状部を構成し、
    前記プレキャスト環状部の上に前記PC防液堤を現場打ちコンクリートで構成するとともに、前記プレキャスト環状部の内側に前記外周部を除く前記基礎版の内側領域を現場打ちコンクリートで構成することを特徴とするPCタンクの構築方法。
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