JP2014168075A - インプリント装置及びインプリント方法 - Google Patents

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【課題】押印工程を短時間で行うことができ、かつ被転写体に転写されたパターンの寸法精度も高い転写装置を提供する。
【解決手段】転写装置は、モールドMP又は被転写体WFである駆動対象をモールドが被転写体から離れた第1の位置から該モールドが被転写体に接触する第2の位置に移動させてモールドと被転写体との間に押圧力を作用させる駆動手段10と、該押圧力に関する値を検出する検出手段104と、駆動手段を制御する制御手段501とを有する。制御手段は、駆動対象を、第1の位置から該第1の位置と第2の位置との間の第3の位置を目標位置として移動させるように駆動手段を制御し、駆動対象が第3の位置に移動した後は検出手段による検出値が目標値に増加するように駆動手段を制御する。
【選択図】図1

Description

本発明は、基板上の液体又は粘性体にモールドを押し当てて該基板上にパターンを形成するインプリント技術に関する。
ナノインプリントは、10nm程度の微細なパターンをも転写することが可能であり、ICやLSI等の半導体チップ、液晶パネル等の表示素子、磁気ヘッド等の検出素子、CCD等の撮像素子といった各種デバイスの製造に用いられる(非特許文献1参照)。
ナノインプリントには、熱サイクル法や光硬化法(UV硬化型)等の方式がある。熱サイクル法では、樹脂(熱可塑性材料)をガラス転移温度以上に加熱して樹脂の流動性を高め、該樹脂にモールドを押し付けた状態で冷却した後にモールドを剥離する。また、光硬化法では、紫外線硬化型の樹脂(UV硬化樹脂)に透明なモールドを押し付けた状態で該モールドを通して樹脂に紫外線を照射し、硬化させた後、モールドを剥離する。
このようなナノインプリントにおいては、モールドの押し付け(押印)工程に要する時間を短縮することが求められている。特許文献1には、モールドを樹脂に押し付ける際に、モールドを超音波振動させて樹脂の粘度を低下させることで、その流動性を高め、短時間でパターンの微細な凹部にまで樹脂を行き渡らせ易くする技術が開示されている。
特開2004−288811号公報
S. Y. Chou, et.al., Science, vol.272,p.85−87, 5 April 1996
また、押印工程においては、モールドに作用する荷重(つまりは、モールドと被転写体との間に作用する押圧力)を一定に維持するように制御することも必要である。荷重が変動すると、被転写体に転写されたパターンの寸法精度が低下するためである。しかし、特許文献1には、このような荷重制御については何ら開示されていない。
ここで、押印工程は、モールドが被転写体から離れた位置から、モールド及び被転写体のうち一方を他方に近づけて両者を接触させるまでの工程と、モールドを被転写体に押し付る荷重を一定に制御する工程とに分けられる。
押印工程を高速化するために、単純に前者の工程においてモールド又は被転写体の移動速度を高くすると、モールドが被転写体に接触した瞬間に大きな衝撃が発生する。モールドと被転写体とが平行な状態で両者を接触させた場合でも、これを微視的に見れば、モールド及び被転写体のうち一方の頂点が他方に点接触することになり、衝撃によってモールドが破損する可能性がある。
また、UV硬化法でのナノインプリントにおいては、モールドはUV光を透過する石英等のガラスで作成されており、衝撃に弱い。このため、押印工程において、モールドを被転写体に対してゆっくり近づけなくてはならず、これにより押印工程に要する時間が増加する。
本発明は、インプリントに要する時間の短さの点で有利なインプリント装置及び方法を提供する。
本発明の一側面としてのインプリント装置は、基板上の液体又は粘性体にモールドを押し当てて前記基板上にパターンを形成するインプリント装置であって、前記モールドが前記液体又は粘性体から離れた第1の状態から該モールドが前記液体又は粘性体に接触した第2の状態に状態を変更する駆動手段と、前記駆動手段を制御する制御手段と、を有し、前記制御手段は、前記押し当てを行う場合、前記押し当ての方向において、前記第1の状態から前記第2の状態になる前に前記駆動手段の力制御を開始し且つ前記モールドと前記基板との相対速度を第1相対速度から第2相対速度に変更し、前記力制御を開始する前は前記駆動手段の位置制御を行い、前記第1相対速度は前記第2相対速度より高くあるように、前記駆動手段を制御する、ことを特徴とする。
本発明によれば、インプリントに要する時間の短さの点で有利なインプリント装置及び方法を提供することができる。
本発明の実施例1である転写装置の構成を示す概略図。 押印工程における駆動開始時のモールド駆動部を示す図。 押印工程におけるウエハ接触時及び押印時のモールド駆動部を示す図。 従来の押印工程におけるモールド駆動部の駆動量と荷重の変化を示す図。 離型工程における離型開始時のモールド駆動部を示す図。 離型工程における離型途中及び離型完了時のモールド駆動部を示す図。 実施例1における制御装置の構成を示すブロック図。 従来の制御フローを説明する図。 実施例1の押印工程におけるモールド駆動部の駆動量と荷重の変化を示す図。 実施例1における制御フローを説明する図。 実施例1におけるモールドステージ及び制御切換位置の設定方法を説明する図。 実施例1における制御切換位置の別の設定方法を説明する図。 本発明の実施例2である転写装置の構成を示す概略図。 実施例2における制御装置の構成を示すブロック図。 実施例2における圧力制御装置の構成を示すブロック図。 実施例2の押印工程におけるモールド駆動部の駆動量と荷重の変化を示す図。 本発明の実施例3である転写装置の構成を示す概略図。 実施例3において、ウエハ高さセンサを用いた制御切換位置の設定方法を説明する図。 実施例等において行われる光硬化法によるナノインプリントの概略を説明する図。
以下、本発明の好ましい実施例について図面を参照しながら説明する。
図1及び図2には、本発明の実施例1である転写装置1の構成を示している。本実施例の転写装置1は、凹凸パターンが形成されたモールド(型)MPと、基板であるウエハWF上に液体又は粘性体としてのUV硬化樹脂が配置された被転写体とを互いに押圧接触させて、UV硬化樹脂にパターンを転写するナノインプリント装置である。また、本実施例の転写装置1は、ステップ・アンド・リピート方式のナノインプリント装置である。
なお、ここではウエハWFと該ウエハWF上に配置されたUV硬化樹脂とをまとめて被転写体と表現したが、以下の説明では、便宜的に被転写体をウエハWFという。
転写装置1は、モールドMPを上下方向(Z方向)に移動させてウエハWFに押し付ける押印機構(駆動手段)10と、ウエハWFを前後左右方向(XY方向)に移動させるウエハステージ20と、転写装置1の全体を支える構造体30とを有する。また、転写装置1は、UV硬化樹脂(レジスト)に対して紫外光を照射する照明系40と、押印機構10の駆動を制御する制御系(制御手段)50とを有する。また、転写装置1は、ウエハWFにUV硬化樹脂を塗布する塗布機構60を有する。さらに、転写装置1は、ウエハWFの位置を計測するアライメントスコープ70と、モールドMPとウエハWFとの間の間隔(距離又はギャップ)を計測するギャップ計測器(計測手段)80とを有する。
モールドMPは、UV硬化樹脂を硬化させるための紫外光を透過する材質(例えば、石英)で作製されている。モールドMPの下面には、UV硬化樹脂に転写される凹凸パターンが3次元的に形成されている。
ウエハWFの表面(基板上)には、塗布機構60によってUV硬化樹脂が塗布される。UV硬化樹脂は、紫外光が照射されることで硬化する材料であり、紫外光を照射する前は液体又は粘性体である。
押印機構10は、モールドステージ101と、第1モールド駆動部102と、第1ガイド103と、荷重センサ(検出手段)104と、第2モールド駆動部105と、第2ガイド106と、ボールナット107と、ボールネジ108と、モータ109とを有する。押印機構10は、モータ109を駆動してボールネジ108を回転させ、ボールナット107に連結されている第2モールド駆動部105と荷重センサ104と第1モールド駆動部102とを一体的に上下方向(Z方向)に移動させる。これにより、第1モールド駆動部102に連結されたモールドステージ101によって保持されたモールドMPが、ウエハWFに対してZ方向に移動してウエハWFに接触し、さらにモールドMPとウエハWFとの間に押圧力を作用させる。
なお、本実施例では、静止状態のウエハWFに対して駆動対象であるモールドMPをZ方向に移動させてモールドMPとウエハWFとを押し当てる場合について説明する。しかし、静止状態のモールドMPに対して駆動対象であるウエハWFをZ方向に移動させてモールドMPとウエハWFとを押し当てるようにしてもよい。
モールドステージ101は、モールドMPを保持する。該モールドステージ101は、モールドMPがウエハWFに接触する際に、モールドMPとウエハWFとが平行に維持されるようにモールドMPのパターン面がウエハWFの表面に倣うように該モールドMPの姿勢の変化を許容する構造を有する。以下、このような姿勢変化を「かわし」といい、該かわしを許容する構造を、「かわし構造」という。モールドステージ101は、その中央部に開口を有し、該開口はUV硬化樹脂を硬化させるための紫外光を通すことができる。
第1モールド駆動部102は、Z方向に移動可能に構成されている。第1モールド駆動部102の上部は、荷重センサ104に連結されている。
第1ガイド103は、第1モールド駆動部102をZ方向に移動させるための案内機構であり、ボール、ローラー又はベアリング等の転動機構が使用される。本実施例では、第1ガイド103としてベアリングを使用しているが、エアガイドを用いてもよい。
荷重センサ104は、該センサ104にかかる荷重を検出する機能を有し、本実施例では、ロードセルが使用されている。荷重センサ104は、モールドMPをウエハWFに押し付けるときにモールドMPとウエハWFとの間に作用する押圧力に対応する荷重やモールドMPをウエハWFから離すときにモールドMPとウエハWFとの間に作用する引張力に対応する荷重を検出する。押圧力に対応する荷重は、押圧力に関する値の1つである。
荷重センサ104による検出結果(検出値)は、押印機構10(つまりはモールドMP)の駆動を制御する制御系50に入力される。荷重センサ104の上部は、第2モールド駆動部105に連結されている。
第2モールド駆動部105は、第1モールド駆動部102と同様に、Z方向に移動可能に構成されている。第2モールド駆動部105の上部は、ボールナット107に連結されている。第2モールド駆動部105は、ボールナット107に係合したボールネジ108が回転することよってZ方向に移動する。
第2ガイド106は、第1ガイド103と同様に、第2モールド駆動部105をZ方向に移動させるための案内機構である。
モータ109は、ボールナット107に連結されている。モータ109が動作することでボールネジ108が回転し、該ボールネジ108に係合したボールナット107及びこれに連結された第2モールド駆動部105、荷重センサ104及び第1モールド駆動部102がZ方向に移動する。
ウエハステージ20は、ウエハWFを保持し、XY方向におけるウエハWFの位置を制御したり、ウエハWFの姿勢を制御したりする。ウエハステージ20は、モールドMPのパターンを逐次転写する際に、X方向又はY方向にステップ移動する。ウエハステージ20の位置及び姿勢は、図示しないレーザー干渉計による計測結果に基づいて高精度に制御される。
構造体30は、定盤301と、フレーム302と、除振装置303とを有する。定盤301は、ウエハステージ20及びフレーム302を支持する。定盤301は、除振装置303を介して床に載置される。除振装置303は、ウエハステージ20に要求される高精度な位置決め精度を維持するために、床からの振動を遮断する。除振装置303は、エアダンパ等により構成される。
照明系40は、ランプボックス401と、光ファイバ402と、照明光学系403とを有する。UV硬化樹脂を硬化させるための紫外光は、ランプボックス401に配置された高圧水銀ランプによって生成され、光ファイバ402を介して照明光学系403に導かれる。照明光学系403は、紫外光の照射画角及び照射強度分布を整えて、モールドMPを通してウエハWFに塗布されたUV硬化樹脂に紫外光を照射する。
照明光学系403は、第1モールド駆動部102の内部に配置されている。照明光学系403は、例えば、照度分布を均一化する複数のレンズユニットや、第1モールド駆動部102の下部に形成された開口を介して紫外光を照射するために紫外光を反射するミラーによって構成される。
制御系50は、制御装置501と、モータドライバ502と、記憶装置503と、インターフェース部504とを有し、モールドMPをZ方向に駆動する押印機構10を制御する。制御装置501は、荷重センサ104の検出値に基づく演算処理によって、モータドライバ502に駆動信号を出力する。モータドライバ502は、制御装置501からの駆動信号に従ってモータ109を動作させる。インターフェース部504は、制御系50への制御パラメータの入力等、外部とのデータの通信を行う。記憶装置503は、制御パラメータ等の各種データを記憶する。
塗布機構60は、レジストであるUV硬化樹脂をウエハWFに塗布する機構であり、モールドMPのパターンを転写する領域にUV硬化樹脂を滴下する。UV硬化樹脂がスピンコート等の方法によって、ウエハWFの全体に予め塗布されている場合には、塗布機構60は不要である。
アライメントスコープ70は、フレーム302に保持され、ウエハWFにモールドMPのパターンを転写する際に、ウエハWF上に配置されたアライメントマークを検出する。アライメントスコープ70は、モールドMPとウエハWFとの位置合わせに使用される。
ギャップ計測器80は、モールドステージ101内に設置されており、モールドMPとウエハWFとの間の距離を計測する。ギャップ計測器80は、例えば、ウエハWFに光を照射して、その反射光の強度スペクトルを検出し、該強度スペクトルと距離の大きさとの関係を示すデータベースを参照することで、距離を求める(特開2008―8889号公報参照)。
次に、上記のように構成された転写装置1の動作について説明する。まず、図示しないモールド搬送系によって、モールドMPを転写装置1に搬入し、モールドステージ101に装着する。そして、図示しない計測系によってモールドMPのパターンが形成された面(以下、パターン面という)の姿勢を計測するとともに、その計測結果に基づいてモールドステージ101を駆動し、モールドMPの姿勢を基準姿勢とする。基準姿勢とは、例えば、ウエハステージ20の走査方向(XY平面)に平行な姿勢である。
次に、図示しないウエハ搬送系によって、ウエハWFを転写装置1に搬入する。そして、アライメントスコープ70によってウエハWF上のアライメントマークを検出し、該検出結果に基づいてウエハステージ20上にウエハWFを位置決めする。
次に、モールドMPのパターンをウエハWFに逐次転写する。転写動作は、図19に示すように、(a)押印工程と、(b)硬化工程と、(c)離型工程とを含む。
押印工程では、まず塗布機構60によって、ウエハWF上におけるモールドMPのパターンを転写する領域にUV硬化樹脂UCRを滴下する。そして、ウエハWFをモールドMPの真下の位置に位置決めし、押印機構10を駆動してモールドMPをウエハWFに押し付ける。これにより、モールドMPのパターン面(すなわち、モールドMPに形成されたパターン)に沿ってUV硬化樹脂UCRが流動する。
図2及び図3には、押印工程における第1モールド駆動部102、荷重センサ104及び第2モールド駆動部105の動きを模式的に示している。ZAは、第1モールド駆動部102のZ方向の位置(以下、Z位置という)を表し、ZBは、第2モールド駆動部105のZ位置を表している。荷重センサ104は、上述したように、ロードセルである。ロードセルは、バネ構造を内部に有し、引張り荷重や押圧荷重がかかった場合にバネが伸縮する量を荷重に換算することによって該荷重を検出する。
図2は、押印工程の開始時を示している。図2において、第1モールド駆動部102は、荷重センサ104を介して第2モールド駆動部105から吊り下がっている。この状態では、実際には、荷重センサ104に、第1モールド駆動部102とモールドMPの重さが荷重として作用しているが、制御装置501は、このときの荷重を0と認識する。また、この状態では、モールドMPはウエハWFから離れている。このときの駆動対象であるモールドMPの位置が第1の位置に相当する。
図3(a)は、押印工程が開始されて第2モールド駆動部105が下降し、モールドMPがウエハWFに接触した状態を示している。このときのモールドMPの位置が第2の位置に相当する。
図3(b)は、図3(a)に示す状態から第2モールド駆動部105がさらに下降し、モールドMPがウエハWFに押し付けられた状態(モールドMPとウエハWFとの間に押圧力が作用した状態)を示している。第1モールド駆動部102及びモールドMPは、図3(a)に示す位置から基本的に動かないが、第2モールド駆動部105は荷重センサ104の縮み量に相当する量だけ下降している。荷重センサ104は、モールドMPとウエハWFとの間に作用した押圧力(以下、押印力という)に対応する検出値を出力する。
ここで、押印工程における各構成要素の働きについて説明する。図4の上側の図は、従来の押印工程における第1モールド駆動部102及び第2モールド駆動部105の動きを示すグラフである。第2モールド駆動部105の動きは、制御装置501からの駆動信号(すなわち、制御系50からの駆動指令)に対応する。また、図4の下側に示す図は、第1モールド駆動部102及び第2モールド駆動部105の動きに応じた押印力(荷重)の変化を示すグラフである。
図4の上側の図において、縦軸は第1モールド駆動部102及び第2モールド駆動部105のZ位置を表し、横軸は時間を表す。上述したように、ZAは第1モールド駆動部102のZ位置を、ZBは第2モールド駆動部105のZ位置をそれぞれ示している。なお、第1モールド駆動部102及び第2モールド駆動部105のZ位置は、後述する離型工程が開始される位置を基準として示している。
図4の下側の図において、縦軸は荷重(荷重センサ104による検出荷重に対応する)を表し、横軸は時間を表す。なお、図4の上側の図の時間軸と下側の図の時間軸とは同一である。
図4において、モールドMPがウエハWFから離れている状態からモールドMPが徐々に下降し(時間T0からT1の間)、ある程度下降したところでモールドMPがウエハWFに接触する(時間T1)。さらに、第2モールド駆動部105を下降させると、第1モールド駆動部102は停止したままであるが、荷重(押印力)が上昇する。そして、所定の荷重に達した時点(時間T2)で、第2モールド駆動部105の下降を停止する。これで、押印工程が完了する。
このように、第1モールド駆動部102、第2モールド駆動部105及びボールネジ108等の位置を制御することによって押印力を発生させる押印機構10では、変位(駆動量)を荷重に変換する要素(バネの機能)が必要となる。本実施例では、変位を荷重に変換する要素を荷重センサ104が担っている。なお、変位を荷重に変換する要素を非常に剛性の高い部材で構成した場合には、非常に微小な変位(Z方向の駆動量)でも大きく荷重が変化することとなり、著しく制御性が悪くなってしまう。
図4は、あくまでも従来の押印工程における各構成要素の働きを説明したものであって、本実施例の押印工程については、後に詳しく説明する。
押印工程が完了すると、硬化工程に移行する。硬化工程では、図19(b)に示すように、モールドMPをウエハWFに押し付けた状態で、ウエハWFに塗布されたUV硬化樹脂UCRに紫外光を照射し、該UV硬化樹脂UCRを硬化させる。
硬化工程が完了すると、離型工程に移行する。離型工程では、図19(c)に示すように、押印機構10によりモールドMPをウエハWFから引き離す方向に駆動し、モールドMPをUV硬化樹脂UCRから剥離させる。なお、離型工程については、後で詳しく説明する。
このようにして、パターン転写が完了すると、ウエハWFには、モールドMPのパターン形状と同じ形状(ただし、凹凸は逆)のレプリカパターンがUV硬化樹脂に形成される。そして、ウエハステージ20を駆動し、ウエハWF上における次の転写位置にUV硬化樹脂を滴下した後、ウエハWFを転写位置に移動させ、上述した押印工程、硬化工程及び離型工程を繰り返す。
図5及び図6を用いて離型工程について説明する。図5及び図6は、離型工程における第1モールド駆動部102、荷重センサ104及び第2モールド駆動部105の動きを模式的に示している。
図5は、離型工程の開始時を示しており、押印工程の完了時と同じである。すなわち、第2モールド駆動部105がZ方向に移動(下降)し、荷重センサ104が縮んでいる。
この状態から第2モールド駆動部105を上昇させると、図6(a)に示すように、押印工程においてモールドMPとウエハWFが接触した位置(図3(a))より第2モールド駆動部105が上昇しても、モールドMPがウエハWFから離れない。これは、ウエハWFに塗布されたUV硬化樹脂が硬化することで、UV硬化樹脂が接着剤として機能し、モールドMPとウエハWFとの間に接着力が働くからである。
第2モールド駆動部105をさらに上昇させると、図6(b)に示すように、モールドMPとウエハWFとの間に働く引張り力によってモールドMPがウエハWFから離れる。言い換えれば、モールドMPとウエハWFとの間に働く接着力よりもモールドMPとウエハWFとの間に働く引張り力が大きくなることで、モールドMPがウエハWFから離れる。
図4には、従来の押印工程において、第2モールド駆動部105の下降速度(移動速度)がほぼ一定である場合の第2モールド駆動部105の動きを示している。従来の押印工程では、荷重センサ104による検出荷重が設定された目標荷重に増加するようにモータ109が駆動される。
制御装置501の構成を図7に示している。また、制御装置501の従来の制御フローを図8に示している。制御装置501は、ステップS101でクロック(時間)のカウントを開始する。次に、制御装置501は、ステップS102で荷重センサ104の出力(検出荷重)を取り込み、ステップS103及びS104で、荷重センサ104による検出荷重と目標荷重との偏差を演算する。そして、制御装置501は、ステップS105及びS107で、ステップS104で演算された偏差に基づいて、PID制御によるモータ109の駆動量を算出し、指令値をモータドライバ502に出力する。
第2モールド駆動部105を高速で駆動した場合には、モールドMPがウエハWFの表面に接触した瞬間に衝撃が発生する。モールドMPは、紫外光を透過する石英等で作製されており、該衝撃によって破損するおそれがある。このため、従来の押印工程では、偏差に対するモータ109への駆動量の指令値(ゲイン)は非常に小さく設定され、これにより第2モールド駆動部105は非常に低速で下降される。つまり、モールドMPの破損を防ぐために、モールドMPの移動速度を小さく設定しなくてはならない。このため、押印工程に非常に長い時間を要していた。
これに対し、本実施例では、押印工程に要する時間を短くするため、押印工程におけるモールドMPの駆動制御を、ギャップ計測器80による計測値に基づく位置制御と荷重センサ104による検出値に基づく荷重制御(荷重フィードバック制御)とで切り換える。具体的には、モールドMPがウエハWFに接触する直前の位置(前述した第1の位置と第2の位置との間の第3の位置)に到達するまではモールドMPを位置制御により高速で移動させる。そして、その位置以降、つまりモールドMPとウエハWFが接触するまでモールドMPを荷重制御により低速で移動させる。これにより、モールドMPの破損を回避しつつ、押印工程に要する時間を短縮する。
以下、本実施例の押印工程における第2モールド駆動部105の駆動制御について、図9を用いて具体的に説明する。
図9の上側の図は、第1モールド駆動部102及び第2モールド駆動部105の動き(駆動パターン)を示すグラフである。なお、第2モールド駆動部105の動きは、制御装置501からの駆動信号(すなわち、制御系50からの駆動指令)に対応する。図9の下側の図は、第1モールド駆動部102及び第2モールド駆動部105の動きに応じた押印力(荷重)の変化を示すグラフである。
図9において、実線(ZB)が本実施例における第2モールド駆動部105の駆動パターン及び荷重(押印力)の変化を示し、鎖線が図4に示した従来の駆動パターン及び荷重の変化を示している。荷重は、本実施例では、荷重センサ104による検出荷重に対応する。一点鎖線(ZA)は、第1モールド駆動部102の駆動パターンを示している。横軸は時間を表す。なお、図9の上側の図の時間軸と下側の図の時間軸とは同一である。
押印工程は、ウエハWFが押印位置に位置決めされた後に開始される。まず、ギャップ計測器80によって、モールドMPとウエハWFとの間の距離を計測する。そして、制御装置501は、該計測された距離に基づいて、すなわち計測された距離から後述する制御切換位置(第3の位置)とウエハWFとの間の距離を差し引いた差分距離(目標距離)に対応する動作量だけモータ109を動作させる。このことは、第2のモールド駆動部105及びモールドMPが、制御切換位置を目標位置として駆動される(すなわち、位置制御される)ことと等価である。制御切換位置は、前述したように、モールドMFがウエハWF(UV硬化樹脂)に接触する直前の位置に設定されている。
また、このとき、第2のモールド駆動部105及びモールドMPは、後述する荷重フィードバック制御での移動速度よりも高速で下降する。
こうして第2のモールド駆動部105及びモールドMPの制御切換位置までの駆動が完了すると、制御装置501は、第2のモールド駆動部105の駆動制御を荷重フィードバック制御(以下、単に荷重制御という)に切り換える。具体的には、図7にその構成を示した制御装置501は、荷重センサ104による検出荷重と目標荷重との偏差からモータ109の駆動量を算出し、モータドライバ502に指令を出す。ここでの駆動制御は、図7に示すようにPID制御である。制御パラメータ(Kp,Ki,Kd)は、荷重制御を適切に行うことができるように設定されており、ゲインを下げることはしていない。
図10には、このときの制御フローを示している。ステップS101〜ステップS105は、図8に示した制御フローと同じである。すなわち、制御装置501は、ステップS101でクロック(時間)のカウントを開始し、ステップS102(検出ステップ)で荷重センサ104の出力(検出荷重)を取り込む。そして、ステップS103及びS104で、荷重センサ104による検出荷重と目標荷重との偏差を演算する。次に、制御装置501は、ステップS105で、ステップS104で演算された偏差に基づいて、PID制御によるモータ109の駆動量を算出する。
本実施例では、ステップS105の後のステップS106にて、PID制御において算出されたモータ109の駆動量と予め決められた速度リミットとを比較する。そして、算出されたモータ109の駆動量が速度リミットを超える値である場合には、ステップS107においてモータドライバ502には速度リミットの値を出力する。
これは、荷重制御に切り換えた段階では、まだモールドMPはウエハWFに接触しておらず、荷重センサ104による検出荷重は0のままである。このため、速度リミットを設定しないと、モールドMPの移動速度が増大して高速でモールドMPがウエハWFに衝突するためである。ステップS103〜S107は、制御ステップに相当する。
荷重制御に切り換わると、モールドMPは位置制御時によりも低速で下降し、コンタクト位置(時間T1’)でウエハWF(UV硬化樹脂)と接触する。この後、さらにモータ109が駆動されることで、モールドMPとウエハWFとの間に押印力が発生し、該押印力に対応する荷重センサ104による検出荷重が目標とする所定荷重に増加する(時間T2’)までモータ109が制御される。
このように、本実施例では、第2のモールド駆動部105及びモールドMPを、その駆動開始位置(第1の位置)から目標位置に高速で駆動する位置制御により、モールドMPがウエハWFに接触する直前の制御切換位置(第3の位置)まで移動させる。その後、第2のモールド駆動部105を、荷重センサ104による検出荷重をモニタしながら低速で駆動する荷重制御に切り換えて、モールドMPをウエハWFに接触させ(第2の位置)、さらに押印力を目標値(所定値)まで増加させる。これにより、第2のモールド駆動部105を駆動開始位置から移動させて押印力を目標値まで増加させるまでの押印工程に要する時間を短くすることが可能となる。しかも、モールドMPをウエハWFに低速で接触させるため、モールドMPの破損も回避することができる。
押印工程をより短時間で行うためには、制御切換位置をできるだけコンタクト位置に近づけるとよい。ただし、近づけすぎると、十分に低速でモールドMPをウエハWFに接触することが難しくなる。このため、制御切換位置を適切に設定することが重要である。以下、制御切換位置の設定について説明する。
図11(a)には、モールドステージ101の構造を示す。1011はモールドステージ101の構造部であり、第1のモールド駆動部102に連結されている。1012はモールドチルトステージであり、後述するかわし機構1013の姿勢変化を許容するためのベースとなる。かわし機構1013は、モールドチルトステージ1012に自由に姿勢を変化させることができるように連結されている。かわし機構1013は、弾性体によってモールドチルトステージ1012に連結されており、外力の作用によって自由に姿勢を変えられる。
基本的にはモールドチルトステージ1012を基準にモールドMPのパターン面をウエハWFの表面(ウエハ面)と平行に合わせるが、実際にパターン面をウエハ面に接触させたときに両面が完全に平行にならない部分をかわし機構1013の姿勢変化により吸収する。これにより、パターン面をウエハ面に完全に平行にした状態でモールドMPをウエハWFに接触させることができる。
かわし機構1013がその姿勢変化ストロークの一端にある状態を図11(b)に示している。この状態では、モールドMPの中心(図に一点鎖線で示す)に比べて、その端部が下側にδだけ突出する。ギャップ計測器80による距離計測をモールドMPの中心で行っている場合には、
δ=(かわし機構のストローク)×(パターン面内で最も中心から離れた位置までの距離)
となる。かわし機構1013の姿勢変化ストロークは0.5mrad程度である。パターン面が25mm四方である場合には、δは10μmとなる。したがって、図9に示した制御切換位置は、コンタクト位置よりも10μm以上、上方に離れた位置に設定する必要がある。制御切換位置の設定の目安として、コンタクト位置からδの2倍程度離れた位置に設定するとよい。
制御切換位置の別の設定方法を以下に説明する。図12に示すように、ウエハ面は、微視的に見ればうねっており、必ずしもギャップ計測器80による計測値がモールドMPとウエハWFとの間の最短距離を表しているとは限らない。ウエハ面の平坦度(最も高い位置と最も低い位置との差)をδ2とした場合、制御切換位置は、コンタクト位置よりもδ2以上離れている必要がある。制御切換位置の設定の目安として、コンタクト位置からの高さをウエハ面の平坦度の2倍程度とするとよい。
ウエハ面の平坦度を知る方法としては、転写装置1に設けた測定装置によって平坦度を測定してもよいし、使用するウエハの平坦度の保証値を用いてもよい。また、半導体ウエハのように、1枚のウエハに何層ものパターンを重ねてプロセスを通す場合には、事前にウエハ面の平坦度の情報が得られている場合が多い。例えば、事前に光露光装置(ステッパ又はスキャナー)によりパターニングを行っていれば、フォーカス位置の計測のためにウエハ面の高さを知る必要がある。この場合、光露光装置での計測データをインターフェース部504を介して記憶装置503に記憶しておき、その情報に基づいて制御切換位置を設定してもよい。
本実施例では、ギャップ計測器80を転写装置1上に搭載して、モールドMPとウエハWF間の距離を計測した。しかし、UV硬化樹脂をウエハWFに滴下する塗布装置に静電容量センサ等の測距センサを搭載しておき、UV硬化樹脂を塗布をするときに同時にウエハ面までの距離を計測してもよい。
図13には、本発明の実施例2である転写装置2の構成を示している。転写装置2の基本構成は、実施例1の転写装置1と同じであり、図13において、実施例1と同じ機能を有する構成要素については同じ符号を付して説明に代える。
本実施例では、圧力制御システム90が設けられている点で実施例1と異なる。圧力制御システム90は、容器901と、圧力センサ902と、圧力制御装置903とを含む。第1のモールド駆動部102と第2のモールド駆動部105との間には、内部の圧力によって伸縮する容器901が配置されている。また、圧力計902は、容器901の内部の圧力を計測し、圧力制御装置903は該圧力を制御する。
図15には、圧力制御装置903の構成を示している。圧力制御装置903は、圧縮機903aと、該圧縮機903aが接続されたタンク903bと、2個のバルブ903c,903dとにより構成されている。タンク903bの内部は、圧縮機903aによって陽圧に保たれている。バルブ903cは、タンク903bから容器901に繋がる主配管の途中に設けられている。バルブ903dは主配管を大気に開放する副配管を開閉する。これらのバルブバルブ903c,903dを開閉させることで、容器901内の圧力を制御できる。
制御装置501は、図14に示すように、圧力センサ902による検出圧力(押印力に関する値)に基づいて、バルブ903c,903dの開閉を制御するための指令を出力する。
本実施例によれば、容器901の内部の圧力を制御することによって、モールドMPのウエハWFに対する押印力を制御することができる。圧力を制御しているため、実施例1のようにボールネジによる駆動のみで押印力を制御する場合に比べて、過大な押印力を与えてしまうことを容易に防止することができる。
本実施例における押印工程における第2モールド駆動部105の駆動制御について、図16を用いて具体的に説明する。図16の上側の図は、第1モールド駆動部102及び第2モールド駆動部105の動き(駆動パターン)を示すグラフである。なお、第2モールド駆動部105の動きは、制御装置501からの駆動信号(すなわち、制御系50からの駆動指令)に対応する。図16の下側の図は、第1モールド駆動部102及び第2モールド駆動部105の動きに応じた押印力(荷重)の変化を示すグラフである。
図16において、実線(ZB)が本実施例における第2モールド駆動部105の駆動パターン及び荷重の変化を示し、鎖線が図4に示した従来の駆動パターン及び荷重の変化を示している。荷重は、本実施例では、圧力センサ902による検出圧力に対応する。一点鎖線(ZA)は、第1モールド駆動部102の駆動パターンを示している。
押印工程は、ウエハWFが押印位置に位置決めされた後に開始される。まず、ギャップ計測器80によって、モールドMPとウエハWFとの間の距離を計測する。そして、制御装置501は、該計測された距離に基づいて、駆動開始位置(第1の位置:時間T0)から、実施例1で説明した差分距離に対応する動作量だけモータ109を動作させる。これにより、第2のモールド駆動部105及びモールドMPが目標位置としての制御切換位置(第3の位置)まで高速で下降する。制御切換位置は、実施例1と同様に設定されている。
こうして第2のモールド駆動部105及びモールドMPの制御切換位置までの駆動が完了すると(時間T3”)、制御装置501は、第2のモールド駆動部105の駆動制御を、圧力制御に切り換える。具体的には、制御装置501は、圧力制御装置903を起動し、容器901内の圧力を目標圧力(目標値)まで増加させるようにバルブ903cを開ける。この目標圧力は、モールドMPとウエハWFとの間に作用する押印力の目標値(目標荷重)に対応する圧力である。
バルブ903cを開けると、容器901の内部に圧縮空気が送り込まれるため、容器901の体積が大きくなり、第2のモールド駆動部105が制御切換位置までの移動速度よりも低速で下降する。そして、モールドMFがウエハWFに接触すると(時間T1”)、その後は、容器901内部の圧力が上昇するにしたがって、押印力が発生及び上昇する。こうして、容器901内部の圧力(圧力センサ902による検出圧力)が目標圧力に達することで、押印工程が終了する。
このように、本実施例では、第2のモールド駆動部105及びモールドMPを、その駆動開始位置(第1の位置)から目標位置に高速で駆動する位置制御により、モールドMPがウエハWFに接触する直前の制御切換位置(第3の位置)まで移動させる。その後、第2のモールド駆動部105を、圧力センサ902よる検出圧力をモニタしながら低速で駆動する圧力制御(言い換えれば、荷重制御)に切り換えて、モールドMPをウエハWFに接触させ(第2の位置)、さらに押印力を目標値(所定値)まで増加させる。これにより、第2のモールド駆動部105を駆動開始位置から移動させて押印力を目標値まで増加させるまでの押印工程に要する時間を短くすることが可能となる。しかも、モールドMPをウエハWFに低速で接触させるため、モールドMPの破損も回避することができる。
図17には、本発明の実施例3である転写装置3の構成を示している。転写装置3の基本構成は、実施例2の転写装置2と同じであり、図17において、実施例2と同じ機能を有する構成要素については同じ符号を付して説明に代える。
本実施例の転写装置3は、実施例1で説明したギャップ計測器を持たず、ウエハ高さセンサ100を有する。押印工程の動作は、基本的に実施例2と同じであるが、ウエハ高さセンサ100による検出結果を用いて制御切換位置を決定する点で、実施例2と異なる。
ウエハWFを転写装置3に搬入した後、ウエハ高さセンサ100によって、該ウエハWFの表面(ウエハ面)の高さを計測し、該計測値を記憶装置503に記憶させる。転写領域ごとにウエハ面の高さを計測し、該計測値に基づいて制御切換位置を変更する。
具体的には、ウエハWFを搬入後、ウエハステージ20を駆動してウエハ高さセンサ100の下でウエハWFを移動(走査)しながら、ウエハ面の高さを計測することによって、ウエハ面の凹凸形状を計測する。
これにより、図18に示すように、転写装置3上において、ウエハ面のうちモールドMPを押圧する領域の高さ(表面位置)を計測することができる。そして、該領域ごとにウエハ面の高さに実施例1で説明した値δを足した高さ位置を制御切換位置に設定する。これにより、ウエハWFの転写領域ごとに制御切換位置を適切に設定(変更)することができる。
上記各実施例においては、ギャップ計測器80やウエハ高さセンサ100を使用して制御切換位置を設定したが、本実施例では、それらを用いずに制御切換位置を設定する。
具体的には、1枚のウエハに対して複数箇所にパターン転写を行う場合、最初のパターン転写時には、モールドを極めて低速でウエハに接触させる。モールドがウエハに接触したことは、実施例1に示した荷重センサ104による検出値の変化をモニタすることで検出する。そして、モールドがウエハに接触した位置(高さ)を記憶装置に記憶させる。
次のパターン転写からは、その記憶した位置に実施例1で説明した値δを足した高さ位置を制御切換位置に設定する。
これにより、モールドとウエハとの間の距離を直接計測する必要がないため、ギャップ計測器80が不要になる。また、予めウエハ面の高さを知る必要もないため、装置構成を単純化できる。
以上説明した各実施例は代表的な例にすぎず、本発明の実施に際しては、各実施例に対して種々の変形や変更が可能である。
また、上記各実施例では、UV硬化法によるナノインプリント装置について説明したが、本発明は、熱サイクル法によるインプリント装置にも適用することができる。
1,2,3 転写装置
10 押印機構
101 モールドステージ
102 第1モールド駆動部
104 荷重センサ
105 第2モールド駆動部
106 第2ガイド
108 ボールネジ
109 モータ
20 ウエハステージ
40 照明系
50 制御系
501 制御装置
503 記憶装置
60 塗布機構
70 アライメントスコープ
80 ギャップ計測器
90 圧力制御システム
100 ウエハ高さセンサ
MP モールド
WF ウエハ

Claims (9)

  1. 基板上の液体又は粘性体にモールドを押し当てて前記基板上にパターンを形成するインプリント装置であって、
    前記モールドが前記液体又は粘性体から離れた第1の状態から該モールドが前記液体又は粘性体に接触した第2の状態に状態を変更する駆動手段と、
    前記駆動手段を制御する制御手段と、を有し、
    前記制御手段は、前記押し当てを行う場合、前記押し当ての方向において、前記第1の状態から前記第2の状態になる前に前記駆動手段の力制御を開始し且つ前記モールドと前記基板との相対速度を第1相対速度から第2相対速度に変更し、前記力制御を開始する前は前記駆動手段の位置制御を行い、前記第1相対速度は前記第2相対速度より高くあるように、前記駆動手段を制御する、
    ことを特徴とするインプリント装置。
  2. 前記力制御のための荷重センサまたは圧力センサを有する、ことを特徴とする請求項1に記載のインプリント装置。
  3. 前記モールドと前記基板との間の距離または前記基板の表面の高さを計測する前記位置制御のための計測器を有する、ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載のインプリント装置。
  4. 前記制御手段は、前記位置制御を前記力制御に切り換える位置を前記基板の表面の高さに応じて設定する、ことを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載のインプリント装置。
  5. 前記制御手段は、前記位置制御を前記力制御に切り換える位置を、前記基板の表面の領域ごとの高さに応じて変更する、ことを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載のインプリント装置。
  6. 前記駆動手段は、内部の圧力によって伸縮する容器を有し、前記制御手段は、前記力制御において前記容器の内部の圧力を制御する、ことを特徴とする請求項1ないし請求項5のいずれか1項に記載のインプリント装置。
  7. 前記容器内の圧力を計測する圧力計を有する、ことを特徴とする請求項6に記載のインプリント装置。
  8. 請求項1ないし請求項7のいずれか1項に記載のインプリント装置を用いて、基板上の液体又は粘性体にモールドを押し当てて該基板上にパターンを形成する、ことを特徴とするデバイス製造方法。
  9. 基板上の液体又は粘性体にモールドを押し当てて前記基板上にパターンを形成するインプリント方法であって、
    前記モールドが前記液体又は粘性体から離れた第1の状態から該モールドが前記液体又は粘性体に接触した第2の状態に状態を変更する駆動手段により前記押し当てを行う場合、前記押し当ての方向において、前記第1の状態から前記第2の状態になる前に前記駆動手段の力制御を開始し且つ前記モールドと前記基板との相対速度を第1相対速度から第2相対速度に変更し、前記力制御を開始する前は前記駆動手段の位置制御を行い、前記第1相対速度は前記第2相対速度より高くあるように、前記駆動手段を制御する、
    ことを特徴とするインプリント方法。
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