JP2007115767A - 転写処理の方法および転写装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】モールドの凹凸を被成型物に転写する処理において、被成型物へのモールドの押しつけを適切に行うことができる転写処理の方法および転写装置を提供する。
【解決手段】被成型物Wを除いて転写処理の動作速度パターンに従い金型10に押しつけ動作をさせ動作速度の変化を測定して動作速度パターンの指標と関連づけて基準速度Vsとし、動作速度パターンによる転写処理の押しつけ動作において金型支持部7の動作速度を逐次測定し、測定した動作速度と動作速度の測定時における動作速度パターンの指標に対応する速度基準の動作速度とを逐次比較し、同一の指標における測定した動作速度と速度基準の動作速度との差が判定値Vj以上となってから所定距離だけ金型による被成型物への押しつけ動作を継続して行う。
【選択図】 図3

Description

本発明は、微細な凹凸が設けられた型を基板に塗布された樹脂などに押しつけて型の凹凸を樹脂に転写する、いわゆるナノインプリント技術に関する。
半導体の製造において、従来より、光露光リソグラフィとエッチングとを併用して回路パターンを形成することが行われている。しかし、この方法では、半導体回路の微細化の進展とともに露光装置が高額になって初期コストが増大し、半導体の製造コストを上昇させるという問題が生じている。
かかる問題に対して、近年、パターン形成を行う技術としてナノインプリント技術が注目されている。ナノインプリント技術は、例えば、板上に塗布されたポリメタクリル酸メチル(PMMA)などの熱可塑性樹脂(レジスト)をそのガラス転移点以上にまで加熱して軟化させ、パターニングされたモールド(金型)を軟化した熱可塑性樹脂に押しつけてモールドの形状を熱可塑性樹脂に転写するものである。ナノインプリント技術は、装置の構成がシンプルで製造時間も短く、そのため製造コストの低減が期待できるとともに、形成できるパターンの自由度が高いという特徴を有している。
その一方で、ナノインプリント技術では、モールドの押しつけを機械的な機構により行うためモールドの被成型物への押しつけの程度を一定にするのが容易ではなく、転写ごとに転写パターンの厚みのバラツキが生じ易いという問題を有している。
この問題に対して、被成型物に向けて斜めにレーザビームを照射し、被成型物の表面で反射したレーザビームをセンサで受光して被成型物の表面の位置を計測し、基板表面をXYステージの走り方向に対して平行になるように(モールドの押しつけ方向がモールドのパターンが形成された面に垂直な方向を維持するように)制御する転写装置が開示されている(特許文献1)。
また、押しつけの精度の向上のために、モールドの高さおよび被成型物(ポリメタクリル酸メチル)の高さを計測し、これらの間隔が所定量になったら押しつけを中断する装置が開示されている(特許文献2)。
特開2005−101201号公報 特開2005−26462号公報
特許文献1に開示された装置では、モールドの下面と基板のZ方向(垂直方向)の相対的な距離の計測は、センサにより行われる。この装置におけるセンサは、あくまでモールドの下面と下方に設置されたセンサ自体との距離を計測するものであってモールドの下面と基板との距離を計測するものではないので、モールドの下面と基板とのZ方向の「正確」な相対的な距離を計測することも、モールドの下面と基板との接触を正確に検出することもできない。特許文献1の装置では、モールドが基板と接触した後のモールドの基板への押しつけの程度を制御することについては格別の配慮がなされておらず、転写ごとの転写パターンの厚みのバラツキが発生するおそれがある。
特許文献2に開示された装置では、レーザー干渉計は、モールドステージ基部を基準としてウエハ面上の1点のZ方向(垂直方向)の距離を計測することができ、ウエハ高さ計測手段は、モールドステージ基部を基準としてウエハ面上の1点のZ方向の距離を計測することができる。しかしながら、モールドの下面とウエハ面との相対的な距離を正確に計測することまでは考慮されていない。特許文献2の装置においても、モールドの下面がウエハ面に接触した後のモールドの押しつけの程度を制御することができず、転写ごとの転写パターンの厚みのバラツキが発生するおそれがある。
本発明は、上述の問題に鑑みてなされたもので、モールド(型)に形成された凹凸を被成型物に転写する転写処理において、被成型物へのモールドの押しつけを適切に行うことができる転写処理の方法および転写装置を提供することを目的とする。
前記目的を達成するため、本発明においては以下の技術的手段を講じた。
すなわち、本発明に係る転写処理の方法は、金型支持部に支持された金型を被成型物に押しつけて前記金型に形成された凹凸を前記被成型物に転写する転写処理の方法であって、予め、前記被成型物を除いて転写処理における動作速度パターンにしたがい前記金型支持部に押しつけ動作をさせ前記金型支持部の動作速度の変化を測定して前記動作速度パターンの指標と関連づけて基準速度とし、前記動作速度パターンによる転写処理の押しつけ動作において前記金型支持部の動作速度を逐次測定し、測定した当該動作速度と当該動作速度の測定時における前記動作速度パターンの指標に対応する前記基準速度とを逐次比較し、同一の前記指標における前記測定した動作速度と前記基準速度との差が判定値以上となってから所定距離だけ前記金型による前記被成型物への押しつけ動作を継続して行う。
このようにして転写処理を行うことにより、転写処理ごとの金型の被成型物への押しつけの程度のバラツキを減少させることができる。
好ましくは、前記転写処理において前記金型による前記被成型物への押しつけの力を測定し、前記押しつけの力が予め設定された許容値を超えたときに前記金型による前記被成型物への押しつけ動作を停止させる。
このようにすれば、金型および被成型物の損傷を未然に防止することができる。
また、本発明に係る転写装置は、金型支持部に支持された金型を被成型物に押しつけて前記金型に形成された凹凸を前記被成型物に転写する転写装置であって、設定された動作速度パターンに基づいて前記金型支持部に対し前記金型を前記被成型物に押しつける動作をさせる押しつけ手段と、前記金型支持部または前記金型と、前記被成型物または前記被成型物を支持する部材と、の距離を測定する距離測定手段と、前記金型支持部もしくは前記金型の動作速度を測定する、または前記金型支持部の押しつけ動作時に前記距離測定手段で測定された前記距離の変化から前記金型の動作速度を算出する、速度測定手段と、前記被成型物を除いて転写処理における動作速度パターンにしたがい前記金型支持部に押しつけ動作をさせ前記速度測定手段が測定した前記金型支持部の動作速度の変化を前記動作速度パターンの指標と関連づけて基準速度として記憶する記憶手段と、転写処理において前記速度測定手段により得られた動作速度と当該動作速度の測定時における前記動作速度パターンの指標に対応する前記基準速度とを逐次比較して比較結果が所定の要件を満たすか否かを判別する接触検知手段と、前記接触検知手段による判別結果にしたがいさらに所定距離だけ前記押しつけ手段に押しつけ動作をさせる制御手段と、を備える。
本発明に係る転写装置では、金型の被成型物への押しつけの程度のバラツキを減少させることができる。
好ましくは、前記金型支持部に対し前記金型を前記被成型物に押しつける動作における押しつける力を測定する押圧計測手段と、前記押圧計測手段が測定した押しつける力が許容値をこえたときに前記金型による前記被成型物への押しつけ動作を停止させる停止手段と、を有する。
転写装置をこのように構成することにより、金型および被成型物の損傷を未然に防止することができる。
なお、上に述べた「動作速度パターンの指標」は、経過時間または押しつけ手段の押しつけ度合いの指標、例えば、押しつけをサーボモータにより行う場合におけるエンコーダからの出力パルスの累積値などである。
また、「動作速度パターン」は、転写処理において金型支持部の下降速度の変更パターンをいい、例えば、押しつけの全過程で金型支持部が一定の速度で下降するように設定された動作速度パターンである。実際に行われた転写処理において測定手段で測定された速度変化を指すものではない。動作速度パターンは、転写処理の経過時間などに関連づけて設定される。動作速度パターンは、転写処理の経過時間などに応じて速度が変化するように設定することができる。
本発明によると、型に形成された凹凸を被成型物に転写する転写処理において、被成型物への型の押しつけを適切に行うことができる転写の方法および転写装置を提供することができる。
図1は本発明に係る転写装置1の構成を示す図、図2は転写装置1における距離計測部2の概要を示す図、図3はモールドの押しつけの制御方法を示すフローチャートである。
図1において、転写装置1は、転写処理装置3およびコントロールユニット4からなる。
転写処理装置3は、モータ部5、駆動伝達部6、プレス上板7、プレス下板8、距離計測部2、および荷重計測部9などからなる。
モータ部5はプレス上板7を下方に移動させるためのものであり、図示しないサーボモータおよびサーボモータに連動して回転する図示しないボールネジからなる。サーボモータにはエンコーダが取り付けられており、エンコーダからはサーボモータの一定の回転ごとにパルス信号が出力される。このエンコーダからのパルス信号の累積値が、本実施の形態における「動作速度パターンの指標」となる。
駆動伝達部6にはボールネジの回転により上下動する図示しないボールネジ軸が設けられており、ボールネジ軸の下端はプレス上板7に連結されている。
プレス上板7は、ボールネジ軸の上下動に伴って上下動するように構成される。プレス上板7の下端には、金型(モールド)10が取り付け可能になっている。また、プレス上板7には、金型10を加熱するための図示しない加熱手段が設けられている。
なお、プレス上板7は、本発明における金型支持部である。
プレス下板8は、プレス上板7の下方にプレス上板7に対向するようにして配置されている。そして、プレス下板8の上端は、金型10の下方において金型10に対向するようにして被成型物Wを支持可能に構成されている。プレス下板8には、被成型物Wを加熱することができるように図示しない加熱手段が設けられている。
なお、プレス下板8は、本発明における被成型物を支持する部材である。
距離計測部2は、金型位置取出装置11、被成型物位置取出装置12、およびレーザ干渉計13などからなり、プレス上板7およびプレス下板8の距離を計測する。
図2を参照して、金型位置取出装置11は、その一端がプレス上板7の端に結合されている。金型位置取出装置11は、一旦水平方向に延びた後に垂直に上方に延び、上方の端部には、反射面を45度傾斜させた屈折器14が取り付けられている。金型位置取出装置11は、プレス上板7の上下動に伴って上下動するように構成される。
被成型物位置取出装置12は、その一端がプレス下板8の端に結合されている。被成型物位置取出装置12は、金型位置取出装置11の直下で一旦水平方向に延びた後に垂直に上方に延び、上方の端部には、再帰反射器15がその反射部分を屈折器14の反射面に向けて屈折器14の上方に取り付けられている。
レーザ干渉計13は、光源16、分配器17、再帰反射器18、デテクター19、およびパルスジェネレータ20などからなる。
光源16には、単一波長の半導体レーザ光源が使用される。
分配器17は、光源16から発せられ集光されたレーザビームを透過光TL1と反射光RL1との2光束に分配する働きをする。
レーザ干渉計13は、発するレーザビーム(透過光TL1)が水平に屈折器14に入射するように配置されている。
ここで、距離計測部2によるプレス上板7とプレス下板8との距離の計測について説明する。
図2において、光源16からのレーザ光は図示しないレンズにより集光されて1条のレーザビームとなり、分配器17により反射光RL1と透過光TL1との2光束に分配される。反射光RL1は再帰反射器18で反射され入射経路を逆行して分配器17を経てデテクター19に至る。透過光TL1は、屈折器14によって上方に屈曲され再帰反射器15で反射されて入射経路を逆行し、屈折器14および分配器17を経てデテクター19に至る。
転写装置1による転写処理において、距離計測部2における反射光RL1の光路長は一定であり、反射光RL1の位相は変化しない。一方、透過光TL1の光路長は、屈折器14と再帰反射器15との距離、すなわちプレス上板7とプレス下板8との距離(金型成型物間距離H)に応じて変化し、透過光TL1の位相はその距離の変化に応じて変化する。
反射光RL1および透過光TL1は分配器17で合波され合成波はデテクター19で検知される。デテクター19で検知された合成波から反射光RL1に対する透過光TL1の位相差が求められる。パルスジェネレータ20はデテクター19で検知された反射光RL1と透過光TL1との位相差が一定量増加するごとにパルスをコントロールユニット4に発信する。
プレス上板7とプレス下板8との距離は、この求められた位相差と予め検知しメモリ部29に記憶しておいたプレス上板7の下降前の反射光RL1および透過光TL1の位相差とを比較することにより求められる。なお、レーザ干渉計13を用いて行う距離の測定方法は公知である。
コントロールユニット4は、カウンタ21、比較照合部22と接触判定部23とからなる接触検知手段24、カウンタリセット部25と押し込み量制御部26と自動停止部27とからなる作動制御手段28、メモリ部29、モータドライバ30、およびAD変換器31などからなる。
コントロールユニット4は、距離計測部2からの距離情報および荷重計測部9からの荷重情報に基づいてモータ部5をコントロールし、転写装置1における転写処理を適切に行うことができるようにプレス上板7の上下動を制御する働きをする。転写処理におけるコントロールユニット4の各構成の機能については、後に転写装置1の動作の説明とともに説明する。
カウンタ21、比較照合部22、接触判定部23、カウンタリセット部25、押し込み量制御部26、および自動停止部27は、制御プログラム、CPU(マイクロコンピュータ)、RAMなどにより実現される。メモリ部29はRAMおよびハードディスクなどの外部記憶装置により、モータドライバ30およびAD変換器31は専用の電子回路により実現される。コントロールユニット4には図示しないキーボード、マウスなどの入力装置、およびLCDまたはCRTなどの表示装置が接続され、コントロールユニット4の動作に関する種々の条件を入力しまたは変更し、またコントロールユニット4の動作を監視することが可能となっている。
荷重計測部9は、金型10を被成型物Wに押しつける力(以下、「加圧力P」という)を被成型物Wからの反力として測定するためのものであり、加圧力Pは図示しないロードセルにより計測される。
次に、転写装置1による転写処理について説明する。
ところで、転写装置1による転写処理では、被成型物Wに対して転写処理を行う前に、予めプレス上板7の下降動作の特性を求めておく。プレス上板7の下降動作の特性を求めるときの転写装置1の動作は、被成型物Wを除外して行うことを除けば後に説明する被成型物Wへの転写処理におけるものと同じである。
プレス上板7の下降動作の特性は、プレス上板7に金型10を取り付けプレス下板8に被成型物Wを支持しない状態でプレス上板7を下降動作させて測定される。下降動作の特性は、下降動作におけるサーボモータの動作程度を示すエンコーダからのパルス信号の累積値と、レーザ干渉計13により計測されるプレス上板7およびプレス下板8の距離の変化から算出されたプレス上板7の下降速度との関係として求められる。
レーザ干渉計13では、その要素の一部であるインターポレータによってデテクター19が検知した信号が高分解能パルス波に変換される。カウンタ21は、レーザ干渉計13が逐次送信するパルス信号を受け取る。
図4はエンコーダからのパルス信号の累積値とプレス上板7の下降速度との関係を示す図である。図4においては、サーボモータは一定の速度で回転しプレス上板7は全体としてほぼ一定の速度で下降する。しかし、部分部分を取り出せばボールネジとボールネジ軸との固有の特性になどによりプレス上板7の下降速度にはやや大きなほぼ周期的な振動が見られる。
図5はプレス上板7の下降速度をその前後それぞれ10の下降速度の移動平均から求めた図である。図5に示されるように、プレス上板7の下降速度に移動平均を採用することにより周期的な振動の大きさは大幅に低下する。
以下、プレス上板7の下降速度の移動平均を単に「プレス上板7の下降速度」または「下降速度」ということがある。
図6は被成型物Wを除いた状態で同一条件下でプレス上板7を2回下降動作させたときの下降速度の再現性を表す図である。図6(a),(b)に示されるように、同一条件下におけるプレス上板7の下降速度のプロファイル(エンコーダからのパルス信号の累積値との関係)は、振動の周期およびその大きさについてほぼ相似し、良好な再現性が得られている。被成型物Wを除いた状態のプレス上板7の下降速度のプロファイルは、基準速度Vsとしてコントロールユニット4のメモリ部29に格納される。基準速度Vsは、一回の計測結果で決定してもよく、複数回の計測結果からの平均値により決定してもよい。
なお、サーボモータは一定の速度で回転するので、エンコーダからのパルス信号の累積値はプレス上板7の下降開始からの経過時間にほぼ比例する。
さて、図3を参照して、被成型物Wへの転写処理は、作動制御手段28からの処理開始信号を受けたモータドライバ30がサーボモータを起動させることにより開始される(#11)。サーボモータは一定の速度で回転し、プレス上板7は一定の速度で下降を開始する(#12)。
距離計測部2および荷重計測部9は、プレス上板7が下降するあいだ一定時間ごとにプレス上板7とプレス下板8との距離(金型成型物間距離H)および加圧力Pを計測する。パルスジェネレータ20からは計測された距離に応じてパルス信号がカウンタ21に送られる。荷重計測部9から送られる加圧力Pについてのアナログ信号は、AD変換器31でデジタル化され作動制御手段28で処理される。
続いて、カウンタ21でカウントされたパルスジェネレータ20からのパルス信号に基づき、プレス上板7の下降速度が比較照合部22において算出される(#13)。ここで、下降速度はいわゆる移動平均による平均値として算出される。また、比較照合部22では、エンコーダからのパルス信号の累積値が同一のときの基準速度Vsがメモリ部29から読み出され、算出された移動平均との差分量が求められる(#14)。求められた差分量は、予め入力されメモリ部に格納された判定値Vjと接触判定部23において比較され、差分量が判定値Vj以上の場合に、金型10と被成型物Wとが実質的に接触したと判断される(#15)(図8参照)。
ここで、判定値Vjには、被成型物Wを除外して同一条件下で計測した複数の下降速度のプロファイルを統計処理し、実際の転写処理に判定値Vjとして適用可能な、バラツキの範囲を超えた有意な数値が決定される。例えば、各プロファイル間の同一のパルス累積値における下降速度のバラツキ(標準偏差)を複数のパルス累積値について求め、バラツキの範囲以上と判断される差分量が判定値Vjに決定される。また、「実質的に」としたのは、転写処理では現実に接触したかを問題とするのではなく、プレス上板7の下降速度を変化させる程度の反力(加圧力P)を生ずるような金型10と被成型物Wの位置関係を問題としているからである。したがって、「実質的な接触」は現実の(目視による)接触と異なりこれより若干押しつけられた状態である場合がある。
次に、実際に転写処理を行った場合におけるプレス上板7の下降速度および加圧力Pの変化を以下に説明する。
図7は転写処理において計測されたプレス上板7の下降速度および加圧力Pの例を表す図、図8は図7における金型10と被成型物Wとが接触する近辺の下降速度を表す図である。
図7において、プレス上板7が下降を始めてから金型10がプレス下板8に支持された被成型物Wに現実に接するA点までは荷重計測部9に負荷が加わらないので、加圧力Pはほぼ0で推移する。プレス上板7の金型10が被成型物Wに接するA点から以降は、加圧力Pは徐々に上昇する。一方、プレス上板7の下降速度は、A点を経過してもしばらくはA点以前とほぼ同じである。つまり金型10は下降速度を低下させる程の大きな反力を受けていないといえる。これは、金型10が被成型物Wに現実に接触した直後は、金型10とプレス上板7との接続部分、および被成型物Wのプレス下板8への支持部分等における「機械的な遊び分」の消滅が、加圧力Pの上昇に反映されたためと考えられる。
やがて「機械的な遊び分」がなくなると、金型10が被成型物Wを押しつける力によりプレス上板7の下降が制限を受け始め、B点以降では、サーボモータが一定の速度で回転しても被成型物Wからの反力によりプレス上板7の下降速度が低下し始める。つまり、B点で、金型10が被成型物Wに実質的に接触し、成型処理に入ったものと解される。サーボモータが一定の速度で回転するにもかかわらず下降速度が低下するのは、サーボモータから金型10までの各連結部分における構成部材の剛性、歪み、およびボールネジおよびボールネジ軸等の動力伝達部分の遊び等が関連しているためである。
ふたたび図3に戻って、接触判定部23において金型10と被成型物Wとが実質的に接触したと判断されると(#15)、カウンタリセット部25によりプレス上板7の下降停止の指示がモータドライバ30に送られる。また、カウンタリセット部25により金型10の被成型物Wへの押しつけ量(プレス下板8に対するプレス上板7の相対変位)Lに初期値0が与えられる(リセットされる)(#16)。
プレス上板7の下降停止状態は所定時間継続され(#17)、この間に、被成型物Wは接する金型10により成型温度にまで加熱される。
その後、押し込み量制御部26からの指示により、プレス上板7は下降が開始される(#18)。押し込み量制御部26は、荷重計測部9からの加圧力Pが加圧の許容上限値PL以下かどうかを判断する(#19)。加圧の許容上限値PLは、予めメモリ部29に格納されており、金型10および被成型物Wの破壊を考慮して金型10ごとに固有の値が設定される。
加圧力Pが許容上限値PL以下であれば、押し込み量制御部26は、続いて距離計測部2からのプレス上板7とプレス下板8との距離(金型成型物間距離H)に基づき、金型10の被成型物Wへの押しつけ量Lが予め入力されている押し込み量設定値Lsに達したかどうかを判断する(#20)。距離Lが押し込み量設定値Lsに達していないときは転写処理が継続され(#19,#20)、押し込み量設定値Lsに達していればプレス上板7の下降が停止されて(#21)転写処理が終了される(#22)。
押し込み量制御部26により加圧力Pが許容上限値PLを超えていたと判断された場合には、自動停止部27は、例えば表示装置に警告の点滅を表示させ(#23)、金型10および被成型物Wの破損を防止するために、モータドライバ30にサーボモータの回転停止を指示する。プレス上板7の下降は直ちに停止されて(#21)転写処理が終了される(#22)。
転写装置1による転写処理において、従来から行われているようにプレス上板7または金型10と被成型物Wとの距離を目安に転写処理を行うと、金型10が被成型物Wに接した後の押しつけ量を正確に知り制御することが難しいため、転写処理ごとの押しつけ量のバラツキが大きくなるおそれがある。
これに対し、上に説明した転写装置1による転写処理では、金型10が被成型物Wに実質的に接触したときを起点として押しつけ量を制御するので、転写処理ごとの押しつけ量のバラツキを小さくすることができ、より精密な転写処理(成型加工)が可能となる。
上記実施においては、一定速度で下降動作させることが本発明の動作速度パターンに該当する。
転写装置1におけるプレス上板7の下降速度を上記したように一定速度とするのではなく、例えば、定められた下降速度の変更パターンに従って変化させてもよい。下降速度の変更パターンは、予めサーボモータのエンコーダからのパルス累積値と関連づけてメモリ部29に格納されている。モータドライバ30は、この変更パターンに基づく押し込み量制御部26の指示により、サーボモータの回転を適宜変更する。この場合の基準速度Vsは、上記したと同様に、金型10を除いた状態で下降速度の変更パターンにしたがってプレス上板7を下降させたときの下降速度が採用される。このようにすることにより、プレス上板7の下降初期には下降速度を速くし、金型10と被成型物Wとが接触する直前で下降速度を遅くして、転写処理を効率よくかつ安定に行うことができる。
上述の実施形態において、基準速度Vsについて、プレス上板7を下降させるためのボールネジおよびベアリングなどの機械特性による固有周期の変動要素を抽出して数値モデル化しておき、図9(a)に示されるような機械特性による外乱要素を含む計測された下降速度の移動平均から上記数値モデル化した変動要素成分を減算することで、機械特性による外乱要素を取り除き、補正した計測された下降速度から金型10と被成型物Wとが実質的に接触するときの相対変位の変化特徴点を見出しやすくしてもよい。このようにすることで、基準速度Vsをメモリ部29に記憶する必要がなくなる。
また、図9(b)に示されるような計測された下降速度の移動平均からから、外乱ノイズの影響を小さくするフィルタ処理を施して、計測された下降速度の移動平均から金型10と被成型物Wとが接触する際の相対変位の変化特徴点を見出しやすくしてもよい。この場合には、基準速度Vsとなる下降速度の移動平均についてもフィルタ処理が施されたものが利用される。このようにすることにより、下降速度の周期変動よりも更に高い周波数のノイズを除去することができるので、金型10と被成型物Wとの実質的な接触をより高い精度で検出することができる。
転写装置1、および転写装置1の各構成または全体の構造、形状、寸法、個数、材質などは、本発明の趣旨に沿って適宜変更することができる。
本発明は、微細な凹凸が設けられた金型を基板に塗布された樹脂に押しつけて金型の凹凸を樹脂に転写するナノインプリント技術などに利用することができる。
本発明に係る転写装置の構成を示す図である。 転写装置における距離計測部の概要を示す図である。 モールドの押しつけの制御方法を示すフローチャートである。 エンコーダからのパルス信号の累積値とプレス上板の下降速度との関係を示す図である。 プレス上板の下降速度を前後データの移動平均から求めた図である。 被成型物を支持しないでプレス上板を下降動作させたときの下降速度の再現性を表す図である。 転写処理において計測されたプレス上板の下降速度および加圧力の例を表す図である。 図7における金型と被成型物とが接触する近辺の下降速度を表す図である。 金型と被成型物との相対変位の変化特徴点を求める方法の概念図である。
符号の説明
1 転写装置
7 金型支持部(プレス上板)
8 被成型物を支持する部材(プレス下板)
9 押圧計測手段(荷重計測部)
10 金型
24 接触検知手段
25 接触検知手段(カウンタリセット部)
26 制御手段(押し込み量制御部)
27 制御手段(自動停止部)
H 距離(金型成型物間距離)
Ls 所定距離(押し込み量設定値)
Vj 判定値
P 押しつけの力(加圧力)
PL 許容値(許容上限値)
Vs 速度基準
W 被成型物

Claims (4)

  1. 金型支持部に支持された金型を被成型物に押しつけて前記金型に形成された凹凸を前記被成型物に転写する転写処理の方法であって、
    予め、前記被成型物を除いて転写処理における動作速度パターンにしたがい前記金型支持部に押しつけ動作をさせ前記金型支持部の動作速度の変化を測定して前記動作速度パターンの指標と関連づけて基準速度とし、
    前記動作速度パターンによる転写処理の押しつけ動作において前記金型支持部の動作速度を逐次測定し、
    測定した当該動作速度と当該動作速度の測定時における前記動作速度パターンの指標に対応する前記基準速度とを逐次比較し、
    同一の前記指標における前記測定した動作速度と前記基準速度との差が判定値以上となってから所定距離だけ前記金型による前記被成型物への押しつけ動作を継続して行う
    ことを特徴とする転写処理の方法。
  2. 前記転写処理において前記金型による前記被成型物への押しつけの力を測定し、
    前記押しつけの力が予め設定された許容値を超えたときに前記金型による前記被成型物への押しつけ動作を停止させる
    請求項1に記載の転写処理の方法。
  3. 金型支持部に支持された金型を被成型物に押しつけて前記金型に形成された凹凸を前記被成型物に転写する転写装置であって、
    設定された動作速度パターンに基づいて前記金型支持部に対し前記金型を前記被成型物に押しつける動作をさせる押しつけ手段と、
    前記金型支持部または前記金型と、前記被成型物または前記被成型物を支持する部材と、の距離を測定する距離測定手段と、
    前記金型支持部もしくは前記金型の動作速度を測定する、または前記金型支持部の押しつけ動作時に前記距離測定手段で測定された前記距離の変化から前記金型の動作速度を算出する、速度測定手段と、
    前記被成型物を除いて転写処理における動作速度パターンにしたがい前記金型支持部に押しつけ動作をさせ前記速度測定手段が測定した前記金型支持部の動作速度の変化を前記動作速度パターンの指標と関連づけて基準速度として記憶する記憶手段と、
    転写処理において前記速度測定手段により得られた動作速度と当該動作速度の測定時における前記動作速度パターンの指標に対応する前記基準速度とを逐次比較して比較結果が所定の要件を満たすか否かを判別する接触検知手段と、
    前記接触検知手段による判別結果にしたがいさらに所定距離だけ前記押しつけ手段に押しつけ動作をさせる制御手段と、を備える
    ことを特徴とする転写装置。
  4. 前記金型支持部に対し前記金型を前記被成型物に押しつける動作における押しつける力を測定する押圧計測手段と、
    前記押圧計測手段が測定した押しつける力が許容値をこえたときに前記金型による前記被成型物への押しつけ動作を停止させる停止手段と、を有する
    請求項3に記載の転写装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011029538A (ja) * 2009-07-29 2011-02-10 Toshiba Corp 半導体装置の製造方法
JP2014168075A (ja) * 2014-04-02 2014-09-11 Canon Inc インプリント装置及びインプリント方法
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