JP2019186404A - 成形装置及び物品の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】歩留まりの向上に有利な成形装置を提供する。【解決手段】型を用いて基板上の組成物を成形する成形処理を行う成形装置であって、前記基板を保持する保持部と、前記成形処理を制御する制御部と、を有し、前記制御部は、前記保持部に前記基板を第1保持力で保持させた状態で前記基板上の組成物に前記型を押し付ける処理を開始し、前記処理を開始した後で前記保持部に前記基板を前記第1保持力よりも小さい第2保持力で保持させ、前記保持部に前記基板を前記第2保持力で保持させた状態を前記基板上の組成物の前記型への充填が完了するまで維持することを特徴とする成形装置を提供する。【選択図】図7

Description

本発明は、成形装置及び物品の製造方法に関する。
インプリント装置は、パターンが形成された型(モールド)と基板上のインプリント材とを接触させた状態でインプリント材を硬化させ、硬化したインプリント材から型を引き離すことで基板上にパターンを形成する(例えば、特許文献1及び2参照)。特許文献1には、基板上のインプリント材に型を接触させる際に、型を基板に向かって凸形状に変形させる技術が開示されている。また、特許文献2には、基板上のインプリント材に型を接触させる際に、基板の裏面に加える圧力(圧力分布)を制御することによって基板の表面形状を制御する技術が開示されている。
特表2009−518207号公報 特開2017−103399号公報
インプリント装置において、基板を保持(支持)する基板保持面には、基板と型との平衡性を維持するために、数μm以下の平坦性、及び、低い荒さ精度が求められている。基板保持面の平坦度が低い場合、基板と基板保持面との間に空間が生じるため、その領域では型からインプリント材への押し付け力が十分に伝わらず、基板上に形成されるパターンに欠陥(ボイド)が発生して歩留まりが低下してしまう。一方、基板と基板保持面との間を高真空にして空間がない状態にすると、基板保持面の荒さが基板上に形成されるパターンに転写されて歩留まりが低下してしまう。
本発明は、このような従来技術の課題に鑑みてなされ、歩留まりの向上に有利な成形装置を提供することを例示的目的とする。
上記目的を達成するために、本発明の一側面としての成形装置は、型を用いて基板上の組成物を成形する成形処理を行う成形装置であって、前記基板を保持する保持部と、前記成形処理を制御する制御部と、を有し、前記制御部は、前記保持部に前記基板を第1保持力で保持させた状態で前記基板上の組成物に前記型を押し付ける処理を開始し、前記処理を開始した後で前記保持部に前記基板を前記第1保持力よりも小さい第2保持力で保持させ、前記保持部に前記基板を前記第2保持力で保持させた状態を前記基板上の組成物の前記型への充填が完了するまで維持することを特徴とする。
本発明の更なる目的又はその他の側面は、以下、添付図面を参照して説明される好ましい実施形態によって明らかにされるであろう。
本発明によれば、例えば、歩留まりの向上に有利な成形装置を提供することができる。
本発明の一側面としてのインプリント装置の構成を示す概略図である。 型保持部及び型保持部の周辺部分の構成を模式的に示す断面図である。 基板チャックの構成を模式的に示す図である。 型の構成を模式的に示す図である。 基板チャックの凹部と、型のパターン部との位置関係を示す図である。 型全面ショット領域に対するインプリント処理を説明するための図である。 型全面ショット領域に対するインプリント処理を説明するための図である。 基板チャックの凹部と、型のパターン部との位置関係を示す図である。 図1に示すインプリント装置の動作を説明するためのフローチャートである。 物品の製造方法を説明するための図である。 図1に示すインプリント装置を平坦化装置として用いる場合を説明する図である。
以下、添付図面を参照して、本発明の好適な実施の形態について説明する。なお、各図において、同一の部材については同一の参照番号を付し、重複する説明は省略する。
図1は、本発明の一側面としてのインプリント装置100の構成を示す概略図である。インプリント装置100は、半導体デバイスや液晶表示素子の製造工程であるリソグラフィ工程に採用され、基板にパターンを形成するリソグラフィ装置である。インプリント装置100は、型(モールド、テンプレート)を用いて基板上の組成物を成形する成形処理を行う成形装置として機能する。本実施形態では、インプリント装置100は、基板上に供給されたインプリント材と型とを接触させ、インプリント材に硬化用のエネルギーを与えることにより、型の凹凸パターンが転写された硬化物のパターンを形成する。
インプリント材には、硬化用のエネルギーが与えられることによって硬化する硬化性組成物(未硬化状態の樹脂と呼ぶこともある)が用いられる。硬化用のエネルギーとしては、電磁波、熱などが用いられる。電磁波としては、例えば、その波長が10nm以上1mm以下の範囲から選択される、赤外線、可視光線、紫外線などの光を用いる。
硬化性組成物は、光の照射によって、或いは、加熱によって硬化する組成物である。光の照射によって硬化する光硬化性組成物は、重合性化合物と光重合開始剤とを少なくとも含有し、必要に応じて、非重合性化合物又は溶剤を含有してもよい。非重合性化合物は、増感剤、水素供与体、内添型離型剤、界面活性剤、酸化防止剤、ポリマー成分などの群から選択される少なくとも一種である。
インプリント材は、スピンコーターやスリットコーターによって基板上に膜状に付与されてもよい。また、インプリント材は、液体噴射ヘッドによって、液滴状、或いは、複数の液滴が繋がって形成された島状又は膜状で基板上に付与されてもよい。インプリント材の粘度(25℃における粘度)は、例えば、1mPa・s以上100mPa・s以下である。
基板には、ガラス、セラミックス、金属、半導体、樹脂などが用いられ、必要に応じて、その表面に基板とは別の材料からなる部材が形成されていてもよい。具体的には、基板は、シリコンウエハ、化合物半導体ウエハ、石英ガラスなどを含む。
インプリント装置100は、図1に示すように、基板ステージ104と、基板ステージ104を支持する支持ベース113と、基板ステージ104(基板103)を駆動する基板駆動部132とを有する。基板ステージ104には、基板103を吸着して保持する基板チャック(保持部)108や基準マーク115が設けられている。また、インプリント装置100は、型102を保持する型保持部101と、型保持部101(型102)を駆動する型駆動部131とを有する。
本実施形態では、基板103の表面に平行な方向をXY平面とするXYZ座標系を用いて方向を示す。XYZ座標系におけるX軸、Y軸及びZ軸のそれぞれに平行な方向をX方向、Y方向及びZ方向とし、X軸周りの回転、Y軸周りの回転及びZ軸周りの回転のそれぞれをθX、θY及びθZとする。X軸、Y軸、Z軸に関する制御又は駆動(移動)は、それぞれ、X軸に平行な方向、Y軸に平行な方向、Z軸に平行な方向に関する制御又は駆動を意味する。また、θX、θY、θZに関する制御又は駆動は、それぞれ、X軸に平行な軸の周りの回転、Y軸に平行な軸の周りの回転、Z軸に平行な軸の周りの回転に関する制御又は駆動を意味する。
基板駆動部132及び型駆動部131は、基板103と型102との相対的な位置及び回転をX軸、Y軸、Z軸、θX軸、θY軸及びθZ軸の6軸に関して調整する相対駆動機構を構成する。Z軸に関する基板103と型102との相対的な位置の調整は、基板上のインプリント材と型102とを接触させる(基板上のインプリント材に型102を押し付ける)動作、及び、基板上の硬化したインプリント材から型102を引き離す動作を含む。基板駆動部132は、例えば、基板103を複数の軸(例えば、X軸、Y軸、θZ軸)に関して駆動するように基板ステージ104を駆動する。型駆動部131は、例えば、型102を複数の軸(例えば、X軸、Y軸、Z軸、θX軸、θY軸、θZ軸)に関して駆動するように型保持部101を駆動する。
また、インプリント装置100は、アライメントスコープ116と、基板計測部109と、オフアクシスアライメントスコープ107と、硬化部105と、観察部114と、供給部(ディスペンサ)106と、型計測部117とを有する。
アライメントスコープ116は、型102と基板103との相対位置を計測する。アライメントスコープ116は、型102のマークと基板103のマークとの相対位置を示す情報、例えば、型102のマーク及び基板103のマークの画像や型102のマークと基板103のマークとによって形成されるモアレの画像を取得する。例えば、4つのアライメントスコープ116を設けることによって、基板103のショット領域の四隅のマークを同時に検出することができる。
基板計測部109は、基板103の表面の形状を計測する。本実施形態では、基板計測部109は、距離を計測可能なセンサを含み、基板103の表面の複数の位置における高さを計測する。オフアクシスアライメントスコープ107は、基板103のマークを検出する。硬化部105は、インプリント材を硬化させるエネルギー(例えば、光)を基板上のインプリント材に供給し、かかるインプリント材を硬化させる。
観察部114は、基板上のインプリント材と型102との接触の状態や型102のパターンに対するインプリント材の充填の状態を観察する。このように、観察部114は、基板上のインプリント材の型102への充填状態を取得する取得部として機能する。
供給部106は、基板上にインプリント材を供給(塗布)する。供給部106は、例えば、インプリント材を吐出する複数の吐出口が配列された吐出部を含む。供給部106は、吐出部を複数の軸(例えば、6軸)に関して駆動する駆動機構を含んでいてもよい。
型計測部117は、型102のパターン面(表面)の形状を計測する。本実施形態では、型計測部117は、距離を計測可能なセンサを含み、型102のパターン面の複数の位置における高さを計測する。
また、インプリント装置100は、型102と基板103との間の空間にパージガスを供給するガス供給部170を有する。ガス供給部170は、例えば、型保持部101に設けられた流路を含む。パージガスとしては、基板上のインプリント材の硬化を阻害しないガス、例えば、ヘリウムガス、窒素ガス及び凝縮性ガス(例えば、ペンタフルオロプロパン(PFP))の少なくとも1つを含むガスが用いられる。
更に、インプリント装置100は、インプリント装置100の全体を制御する制御部190を有する。制御部190は、例えば、CPUやメモリなどを含むコンピュータで構成され、記憶部に記憶されたプログラムに従ってインプリント装置100の各部を統括的に制御する。
図2は、型保持部101及び型保持部101の周辺部分の構成を模式的に示す断面図である。型保持部101は、例えば、吸着部110を含み、吸着部110によって型102を吸着することによって型102を保持する。型102は、メサ状のパターン部(メサ部)1021を含む。パターン部1021(のパターン面)には、基板上に形成すべきパターンが形成されている。
型保持部101は、例えば、硬化部105から供給される、基板上のインプリント材を硬化させるためのエネルギーを透過する構造、具体的には、中空構造を有する。型保持部101は、型102の裏面(パターン面の反対側の面)の側に圧力室(キャビティ)133を形成するシール部材(例えば、シートガラス)112と、圧力室133の圧力を制御するための流路111と、圧力制御部181とを含む。
圧力制御部181は、流路111を介して、圧力室133に接続されている。圧力制御部181は、例えば、圧力室133の圧力が外部空間の圧力よりも高くなるように、圧力室133の圧力を制御する。これにより、型102のパターン部1021(中央部)が基板103(下方)に向かって凸形状となるように型102を変形させることができる。圧力制御部181及び流路111は、型102の変形を制御(調整)する型変形機構180を構成する。
図3は、基板チャック108の構成を模式的に示す図である。基板チャック108は、制御部190の制御下において、基板103に対する吸着圧力(基板チャック108が基板103を保持する保持力)を制御(調整)する圧力制御機構300を含む。圧力制御機構300は、基板103の裏面側の圧力分布を制御する。
圧力制御機構300は、基板チャック108の表面に設けられた複数の凹部121、122、123、124及び125と、複数の凹部121乃至125の圧力を個別に制御可能な圧力制御部150とを含む。複数の凹部121乃至125は、基板103に対する保持力を独立に制御可能な複数の保持領域を構成する。例えば、圧力制御部150が、−40kPaの負圧を凹部122、123及び124に供給し、−5kPaの負圧を凹部121に供給する場合を考える。この場合、基板103の凹部121に対応する領域(部分)を基板チャック108と密着させずに基板103を保持することができる。なお、凹部121乃至125の数は、5つに限定されるものではなく、要求される仕様に応じて任意の数に変更することができる。また、圧力制御部150が凹部121乃至125に個別に供給可能な圧力の範囲及び値は、要求される仕様に応じて決定される。凹部121乃至125の形状は、図3に示されているように、同心円状に配置された円形形状又はリング形状であってもよいし、その他の形状であってもよい。基板チャック108は、基板103に対抗する面内における周辺部分にテーパ部TPを含んでいてもよい。また、基板103の裏面側の圧力、即ち、基板チャック108と基板103とで囲まれた空間の圧力に関しては、かかる空間の圧力を計測するセンサを設け、センサの計測値によって制御してもよい。
図4は、型102の構成を模式的に示す図である。型102は、薄板状の可動部(ダイアフラム)1022と、可動部1022から突出するように設けられたパターン部1021と、可動部1022を支持する支持部1024とを含む。可動部1022の裏面側(パターン部1021が配置された側の反対側)には、支持部1024によって取り囲まれた空洞部1025が設けられている。空洞部1025は、圧力室133の一部を構成する。
可動部1022は、例えば、1mm程度の厚さを有する。パターン部1021は、例えば、30μm程度の厚さを有する。パターン部1021の表面(パターン面)には、凸パターン204及び凹パターン203で構成されるパターンが形成されている。凸パターン204の表面と凹パターン203の表面との間の段差、即ち、凸パターン204の高さは、例えば、数十nmから数百nm程度の範囲である。パターン部1021には、1つ又は複数のマーク206が設けられている。
図5(a)及び図5(b)は、図4に示す型102を用いて基板上のインプリント材にパターンを形成するインプリント処理を行う際において、図3に示す基板チャック108の凹部121乃至125と、型102のパターン部1021との位置関係を示す図である。図5(a)及び図5(b)を参照するに、基板103のショット領域902は、インプリント処理を行う対象領域に対応する。ショット領域902には型102のパターン部1021の全面が収まるため、このようなショット領域を型全面ショット領域と称する。この場合、凹部122、123及び124をショット直下領域(第1保持領域)とし、凹部121及び125をショット周辺領域(第2保持領域)とする。
図6(a)、図6(b)、図6(c)、図6(d)、図6(e)、図6(f)、図6(g)、図7(a)及び図7(b)を参照して、インプリント装置100における型全面ショット領域に対するインプリント処理を説明する。かかるインプリント処理は、制御部190がインプリント装置100の各部を統括的に制御することで行われる。
図6(a)乃至図6(g)は、インプリント処理を行っている間の基板103や型102の状態を示している。なお、図6(a)乃至図6(g)では、簡略化のために、型102のパターン部1021のみを示している。図7(a)は、型102を介して基板上のインプリント材301に与えられる押付力のプロファイルを示し、型102がインプリント材301を押し付ける力を負の押付力としている。図7(a)では、縦軸は押付力を示し、横軸は時間を示している。図7(b)は、基板チャック108の基板103に対する吸着圧力のプロファイルを示し、基板103が基板チャック108に吸着される圧力を負の吸着圧力としている。図7(b)では、縦軸は吸着圧力を示し、横軸は時間を示している。但し、図7(b)に示す吸着圧力は、基板チャック108のショット直下領域の基板103に対する吸着圧力を示し、以下、吸着圧力に関する説明は、基板チャック108のショット直下領域のものである。また、図7(a)及び図7(b)に示すタイミング(時刻)Tb、Tc、Td、Te、Tf及びTgは、それぞれ、図6(b)、図6(c)、図6(d)、図6(e)、図6(f)及び図6(g)に示す状態に対応している。
まず、制御部190は、図6(a)に示すように、ガス供給部170から型102と基板103との間の空間にパージガスが供給された状態において、型102の降下を開始するように型駆動部131を制御する。これにより、供給部106から基板103のショット領域に供給されたインプリント材301に対して型102が近づく。この際、制御部190は、基板チャック108が基板103を第1吸着圧力(第1保持力)で保持するように、圧力制御機構300を制御する。このように、制御部190は、基板チャック108に基板103を第1吸着圧力で保持させた状態で基板上のインプリント材301に型102を押し付ける処理(押付処理)を開始する。
なお、制御部190は、型102の降下、即ち、押付処理を開始する前に、或いは、押付処理と並行して、型102が基板103に向かって凸形状となるように、圧力制御部181を介して圧力室133の圧力を制御してもよい。圧力制御部181を介して型102を目標の凸形状に変形させるためには、一般的に、数百msec程度を要する。そこで、供給部106による基板103へのインプリント材301の供給と並行して、圧力制御部181による圧力室133の圧力の制御を開始してもよい。
次いで、制御部190は、図6(b)に示すように、基板上のインプリント材301に型102のパターン部1021の一部を接触させる(押し付ける)。この際、基板103と型102のパターン部1021との間にガスが入らないように、型102のパターン部1021の中心部から基板上のインプリント材301に接触させるとよい。型102と基板103とを近づける動作は、例えば、第1動作と、かかる第1動作の後の第2動作とを含む。第1動作では、型102と基板103とを第1速度で近づける。第2動作では、型102と基板103とを第1速度よりも遅い第2速度で近づけて、型102と基板上のインプリント材301とを接触させる。これにより、型102(のパターン部1021)と基板103との衝突を防止することができる。図6(b)に示す状態において、型102を介して基板上のインプリント材301に与えられる押付力、及び、基板チャック108の基板103に対する吸着圧力は、それぞれ、図7(a)及び図7(b)に示すタイミングTbに対応している。
次に、制御部190は、図6(c)に示すように、基板上のインプリント材301が型102のパターン部1021の端部まで広がるように、型駆動部131を制御する。この期間は、図7(a)に示すように、型102を介して基板上のインプリント材301に与える押付力が最大となるタイミングTcまでの期間であって、押付力を増加させる第1期間である。また、基板チャック108の基板103に対する吸着圧力は、図7(b)に示すように、タイミングTcまで第1吸着圧力を維持する。第1吸着圧力は、本実施形態では、基板上のインプリント材301に型102を接触させてから引き離すまでの間で最小の吸着圧力である。ここでは、基板チャック108と基板103とを密着させて、型駆動部131の力を逃がさないことが目的となるため、基板チャック108の基板103に対する吸着圧力は、より低いことが好ましい。
次いで、制御部190は、図6(d)に示すように、基板上のインプリント材301が型102のパターン部1021の全面まで広がるように、型駆動部131を制御する。この期間は、図7(a)に示すように、型102を介して基板上のインプリント材301に与える押付力を減少させる第2期間(タイミングTcからタイミングTeまでの期間)のうち、タイミングTcからタイミングTdまでの期間である。また、基板チャック108の基板103に対する吸着圧力は、図7(b)に示すように、第1期間から第2期間に移行するタイミング(タイミングTc)において、第1吸着圧力よりも低い第2吸着圧力にする(第1保持力よりも小さい第2保持力に切り替える)。第2吸着圧力(第2保持力)は、本実施形態では、基板上のインプリント材301に型102を接触させてから引き離すまでの間で最大の吸着圧力である。このように、基板チャック108と基板103との密着を緩めることで、基板上のインプリント材301に転写された基板チャック108の荒さを解放する。なお、基板チャック108と基板103との密着を解放するために、第2吸着圧力をゼロにしてもよい。
次いで、制御部190は、図6(e)に示すように、基板上のインプリント材301が型102のパターン部1021の全面に広がった状態を維持するように、型駆動部131を制御する。これにより、基板上のインプリント材301が型102のパターン部1021(凹パターン203)に充填される。この期間は、図7(a)に示すように、型102を介して基板上のインプリント材301に与える押付力を減少させる第2期間のうち、タイミングTdからタイミングTeまでの期間である。また、基板チャック108の基板103に対する吸着圧力は、図7(b)に示すように、タイミングTeまで第2吸着圧力を維持する。そして、第2期間が終了するタイミング(タイミングTe)において、第2吸着圧力よりも高い第3吸着圧力にする(第2保持力よりも大きい第3保持力に切り替える)。なお、第3吸着圧力(第3保持力)は、本実施形態では、第1吸着圧力よりも低い吸着圧力である(第1保持力よりも小さい)が、第1吸着圧力と等しくしてもよい。
次いで、制御部190は、図6(f)に示すように、基板上のインプリント材301を硬化させるエネルギーが基板上のインプリント材301に供給されるように、硬化部105を制御する。これにより、基板上のインプリント材301が硬化し、型102のパターン部1021に形成されているパターンがインプリント材301に転写される。図6(f)に示す状態において、型102を介して基板上のインプリント材301に与えられる押付力、及び、基板チャック108の基板103に対する吸着圧力は、それぞれ、図7(a)及び図7(b)に示すタイミングTfに対応している。
次に、制御部190は、図6(g)に示すように、基板上の硬化したインプリント材301から型102が引き離されるように、型駆動部131を制御する。図6(g)に示す状態において、型102を介して基板上のインプリント材301に与えられる押付力、及び、基板チャック108の基板103に対する吸着圧力は、それぞれ、図7(a)及び図7(b)に示すタイミングTgに対応している。
このように、本実施形態では、押付処理を開始した後、例えば、型102を介して基板上のインプリント材301に押付力が与えられている期間に、基板チャック108の基板103に対する吸着圧力を第1吸着圧力から第2吸着圧力に切り替える。そして、基板チャック108に基板103を第2吸着圧力で保持させた状態を基板上のインプリント材301の型102への充填が完了するまで維持する。これにより、型102からインプリント材301への押付力が十分に伝わるとともに、基板チャック108の荒さが基板上に形成されるパターンに転写されることが抑制されるため、歩留まりを向上させることができる。
また、本実施形態では、基板上のインプリント材301の型102への充填が完了した後、インプリント材301を硬化させる前に、基板チャック108の基板103に対する吸着圧力を第2吸着圧力から第3吸着圧力に切り替える。これにより、基板上に形成されるパターンの転写精度を維持するととともに、基板上の硬化したインプリント材301から型102を引き離す際にデチャックが発生することを防止することができる。なお、基板チャック108の基板103に対する吸着圧力を第2吸着圧力から第3吸着圧力に切り替えるタイミングは、インプリント材301を硬化させた後、インプリント材301から型102を引き離す前であってもよい。
また、基板チャック108のショット直下領域を除くショット周辺領域に関しては、基板103に対する吸着圧力を切り替える必要はない。基板チャック108のショット周辺領域については、押付処理を開始してからインプリント材301の型102への充填が完了するまで、更には、インプリント材301から型102を引き離すまで基板103を第1吸着圧力で保持させた状態を維持すればよい。換言すれば、インプリント処理を行っている間において、基板チャック108のショット直下領域以外の領域では、基板103の保持を維持する。これにより、基板チャック108における基板103の位置ずれを低減することができる。
また、本実施形態では、型102を介して基板上のインプリント材301に与えられる押付力のプロファイル(図7(a))に基づいて、基板チャック108の基板103に対する吸着圧力を第1吸着圧力から第2吸着圧力に切り替える場合を例に説明した。但し、観察部114で取得される基板上のインプリント材301の型102への充填状態に基づいて、基板チャック108の基板103に対する吸着圧力を第1吸着圧力から第2吸着圧力に切り替えてもよい。具体的には、観察部114で取得された充填状態が基板上のインプリント材301が型102の全面に充填された状態であるときに、基板チャック108の基板103に対する吸着圧力を第1吸着圧力から第2吸着圧力に切り替える。
また、インプリント装置100では、型全面ショット領域だけではなく、図8(a)及び図8(b)に示すように、欠けショット領域に対してもインプリント処理が行われる。ここで、欠けショット領域とは、型102のパターン部1021に形成されたパターンの一部が基板上のインプリント材に転写されるショット領域であり、基板103の外周(エッジ)が含まれるショット領域である。
図8(a)及び図8(b)は、図4に示す型102を用いて基板103の欠けショット領域にインプリント処理を行う際において、図3に示す基板チャック108の凹部121乃至125と、型102のパターン部1021との位置関係を示す図である。図8(a)及び図8(b)を参照するに、基板103のショット領域903には型102のパターン部1021の全面が収まらないため、このようなショット領域を欠けショット領域と称する。この場合、凹部121及び122をショット直下領域(第1保持領域)とし、凹部123、124及び125をショット周辺領域(第2保持領域)とする。基板103の欠けショット領域にインプリント処理を行う場合にも、型全面ショット領域にインプリント処理と行う場合と同様に、基板チャック108の基板103に対する吸着圧力を制御すればよい。換言すれば、欠けショット領域と型全面ショット領域とで、基板チャック108の基板103に対する吸着圧力の制御に差異はない。
図9を参照して、インプリント装置100の動作(基板103の各ショット領域に対するインプリント処理)を説明する。S801では、基板チャック108に基板103をロードする。S802では、基板103の複数のショット領域のうち、インプリント処理を行う対象領域である対象ショット領域を選択する。
S803では、S802で選択した対象ショット領域に対応する、型102を介して基板上のインプリント材に与えられる押付力のプロファイル(図7(a))を取得する。押付力のプロファイルは、例えば、レシピから対象ショット領域に対する型駆動部131の駆動プロファイルやインプリント材の特性などを取得し、これらの情報を用いたシミュレーションなどにより求めることができる。S804では、S803で取得した押付力のプロファイルに基づいて、基板チャック108の基板103に対する吸着圧力のプロファイル(図7(b))を生成する。
S805では、S802で選択した対象ショット領域に対してインプリント処理を行う。インプリント処理の際には、S804で生成されたプロファイルに従って基板チャック108の基板103に対する吸着圧力を制御する。
S806では、対象ショット領域として選択されてないショット領域があるかどうかを判定する。対象ショット領域として選択されてないショット領域がある場合には、新たな対象ショット領域を選択するために、S802に移行する。一方、対象ショット領域として選択されてないショット領域がない場合には、S807に移行する。S807では、基板チャック108から基板103をアンロードする。
インプリント装置100を用いて形成した硬化物のパターンは、各種物品の少なくとも一部に恒久的に、或いは、各種物品を製造する際に一時的に、用いられる。物品とは、電気回路素子、光学素子、MEMS、記録素子、センサ、或いは、型などである。電気回路素子としては、DRAM、SRAM、フラッシュメモリ、MRAMなどの揮発性又は不揮発性の半導体メモリや、LSI、CCD、イメージセンサ、FPGAなどの半導体素子などが挙げられる。型としては、インプリント用のモールドなどが挙げられる。
硬化物のパターンは、上述の物品の少なくとも一部の構成部材として、そのまま用いられるか、或いは、レジストマスクとして一時的に用いられる。基板の加工工程においてエッチング又はイオン注入などが行われた後、レジストマスクは除去される。
次に、物品の具体的な製造方法について説明する。図10(a)に示すように、絶縁体などの被加工材が表面に形成されたシリコンウエハなどの基板103を用意し、続いて、インクジェット法などにより、被加工材の表面にインプリント材を付与する。ここでは、複数の液滴状になったインプリント材が基板上に付与された様子を示している。
図10(b)に示すように、インプリント用の型102を、その凹凸パターンが形成された側を基板上のインプリント材に向け、対向させる。図10(c)に示すように、インプリント材が付与された基板103と型102とを接触させ、圧力を加える。インプリント材は、型102と被加工材との隙間に充填される。この状態で硬化用のエネルギーを型102を介して照射すると、インプリント材は硬化する。
図10(d)に示すように、インプリント材を硬化させた後、型102と基板103を引き離すと、基板上にインプリント材の硬化物のパターンが形成される。この硬化物のパターンは、型102の凹パターンが硬化物の凸部に、型102の凸パターンが硬化物の凹部に対応した形状になっており、即ち、インプリント材に型102の凹凸パターンが転写されたことになる。
図10(e)に示すように、硬化物のパターンを耐エッチングマスクとしてエッチングを行うと、被加工材の表面のうち、硬化物がない、或いは、薄く残存した部分が除去され、溝となる。図10(f)に示すように、硬化物のパターンを除去すると、被加工材の表面に溝が形成された物品を得ることができる。ここでは、硬化物のパターンを除去したが、加工後も除去せずに、例えば、半導体素子などに含まれる層間絶縁用の膜、即ち、物品の構成部材として利用してもよい。
なお、本実施形態では、型102として、凹凸パターンを設けた回路パターン転写用の型について説明したが、型102は、凹凸パターンがない平面部を有する型(平面テンプレート)であってもよい。平面テンプレートは、平面部によって基板上の組成物を平坦化するように成形する平坦化処理(成形処理)を行う平坦化装置(成形装置)に用いられる。平坦化処理は、基板上に供給された硬化性組成物に平面テンプレートの平面部を接触させた状態で、光の照射によって、或いは、加熱によって硬化性組成物を硬化させる工程を含む。このように、本実施形態は、平面テンプレートを用いて基板上の組成物を成形する成形装置に適用することができる。
基板上の下地パターンは、前工程で形成されたパターンに起因する凹凸プロファイルを有し、特に、近年のメモリ素子の多層構造化に伴い、基板(プロセスウエハ)は、100nm前後の段差を有することもある。基板全体の緩やかなうねりに起因する段差は、フォトリソグラフィ工程で用いられている露光装置(スキャナー)のフォーカス追従機能によって補正可能である。但し、露光装置の露光スリット面積内に収まるピッチの細かい凹凸は、そのまま露光装置の焦点深度(DOF:Depth Of Focus)を消費してしまう。基板の下地パターンを平滑化する従来技術として、SOC(Spin On Carbon)やCMP(Chemical Mechanical Polishing)などの平坦化層を形成する技術が用いられている。しかしながら、従来技術では、図11(a)に示すように、孤立パターン領域Aと繰り返しDense(ライン&スペースパターンの密集)パターン領域Bとの境界部分において、40%〜70%の凹凸抑制率しか得られず、十分な平坦化性能が得られない。また、今後、多層化による下地パターンの凹凸差は更に増加する傾向にある。
この問題に対する解決策として、米国特許第9415418号には、平坦化層となるレジストのインクジェットディスペンサによる塗布と平面テンプレートによる押印で連続膜を形成する技術が提案されている。また、米国特許第8394282号には、基板側のトポグラフィ計測結果をインクジェットディスペンサによって塗布指示する位置ごとの濃淡情報に反映する技術が提案されている。インプリント装置100は、特に、予め塗布された未硬化のレジストに対して、型102の代わりに平面テンプレートを押し当てて基板面内の局所平面化を行う平坦加工(平坦化)装置として適用することができる。
図11(a)は、平坦化加工を行う前の基板を示している。孤立パターン領域Aは、パターン凸部分の面積が少ない。繰り返しDenseパターン領域Bにおいて、パターン凸部分の占める面積と、パターン凹部分の占める面積とは、1:1である。孤立パターン領域Aと繰り返しDenseパターン領域Bの平均の高さは、パターン凸部分の占める割合で異なった値となる。
図11(b)は、基板に対して平坦化層を形成するレジストを塗布した状態を示している。図11(b)には、米国特許第9415418号に提案された技術に基づいてインクジェットディスペンサによってレジストを塗布した状態を示しているが、レジストの塗布には、スピンコーターを用いてもよい。換言すれば、予め塗布された未硬化のレジストに対して平面テンプレートを押し付けて平坦化する工程を含んでいれば、インプリント装置100が適用可能である。
図11(c)に示すように、平面テンプレートは、紫外線を透過するガラス又は石英で構成され、光源からの紫外線の照射によってレジストが硬化する。平面テンプレートは、基板全体のなだらかな凹凸に対しては基板表面のプロファイルに倣う。そして、レジストが硬化した後、図11(d)に示すように、レジストから平面テンプレートを引き離す。
以上、本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明はこれらの実施形態に限定されないことはいうまでもなく、その要旨の範囲内で種々の変形及び変更が可能である。
100:インプリント装置 102:型 103:基板 108:基板チャック 190:制御部

Claims (15)

  1. 型を用いて基板上の組成物を成形する成形処理を行う成形装置であって、
    前記基板を保持する保持部と、
    前記成形処理を制御する制御部と、を有し、
    前記制御部は、前記保持部に前記基板を第1保持力で保持させた状態で前記基板上の組成物に前記型を押し付ける処理を開始し、前記処理を開始した後で前記保持部に前記基板を前記第1保持力よりも小さい第2保持力で保持させ、前記保持部に前記基板を前記第2保持力で保持させた状態を前記基板上の組成物の前記型への充填が完了するまで維持することを特徴とする成形装置。
  2. 前記制御部は、前記処理を開始した後、前記型を介して前記基板上の組成物に押付力が与えられている期間に、前記保持部が前記基板を保持する保持力を前記第1保持力から前記第2保持力に切り替えることを特徴とする請求項1に記載の成形装置。
  3. 前記制御部は、前記基板上の組成物の前記型への充填が完了した後、前記基板上の組成物から前記型を引き離す前に、前記保持部に前記基板を前記第2保持力よりも大きい第3保持力で保持させることを特徴とする請求項1又は2に記載の成形装置。
  4. 前記制御部は、前記基板上の組成物の前記型への充填が完了した後、前記基板上の組成物に前記型を押し付けた状態で前記基板上の組成物を硬化させる前に、前記保持部に前記基板を前記第2保持力よりも大きい第3保持力で保持させることを特徴とする請求項1又は2に記載の成形装置。
  5. 前記第3保持力は、前記第1保持力よりも小さいことを特徴とする請求項3又は4に記載の成形装置。
  6. 前記第3保持力は、前記第1保持力と等しいことを特徴とする請求項3又は4に記載の成形装置。
  7. 前記処理は、前記型を介して前記基板上の組成物に与える押付力を増加させる第1期間と、前記押付力を減少させる第2期間と、を含み、
    前記制御部は、前記処理が前記第1期間から前記第2期間に移行するタイミングで、前記保持部が前記基板を保持する保持力を前記第1保持力から前記第2保持力に切り替えることを特徴とする請求項1乃至6のうちいずれか1項に記載の成形装置。
  8. 前記制御部は、前記第2期間が終了するタイミングで、前記保持部が前記基板を保持する保持力を前記第2保持力から前記第2保持力よりも大きい第3保持力に切り替えることを特徴とする請求項7に記載の成形装置。
  9. 前記基板上の組成物の前記型への充填状態を取得する取得部を更に有し、
    前記制御部は、前記取得部で取得される充填状態に基づいて、前記保持部が前記基板を保持する保持力を前記第1保持力から前記第2保持力に切り替えることを特徴とする請求項1に記載の成形装置。
  10. 前記制御部は、前記取得部で取得された充填状態が前記基板上の組成物が前記型の全面に充填された状態であるときに、前記保持部が前記基板を保持する保持力を前記第1保持力から前記第2保持力に切り替えることを特徴とする請求項9に記載の成形装置。
  11. 前記第2保持力は、ゼロを含むことを特徴とする請求項1乃至10のうちいずれか1項に記載の成形装置。
  12. 前記保持部は、前記基板に対する保持力を独立に制御可能な複数の保持領域を含み、
    前記制御部は、
    前記複数の保持領域のうち、前記成形処理を行う対象領域に対応する領域を保持する第1保持領域について、前記処理を開始した後で前記基板を前記第2保持力で保持させ、前記基板を前記第2保持力で保持させた状態を前記基板上の組成物の前記型への充填が完了するまで維持し、
    前記複数の保持領域のうち、前記第1保持領域を除く第2保持領域について、前記処理を開始してから前記基板上の組成物の前記型への充填が完了するまで前記基板を前記第1保持力で保持させた状態を維持することを特徴とする請求項1に記載の成形装置。
  13. 前記成形装置は、前記型のパターンを前記組成物に接触させることにより前記基板上に前記組成物のパターンを形成することを特徴とする請求項1乃至12のうちいずれか1項に記載の成形装置。
  14. 前記成形装置は、前記型の平面部を前記組成物に接触させることにより前記基板上の前記組成物を平坦にすることを特徴とする請求項1乃至12のうちいずれか1項に記載の成形装置。
  15. 請求項13に記載の成形装置を用いてパターンを基板に形成する工程と、
    前記工程で前記パターンが形成された前記基板を処理する工程と、
    処理された前記基板から物品を製造する工程と、
    を有することを特徴とする物品の製造方法。
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