JP2014163540A - 加熱調理システム及び加熱調理システム用アプリケーションプログラム - Google Patents

加熱調理システム及び加熱調理システム用アプリケーションプログラム Download PDF

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Abstract

【課題】加熱調理器と携帯型の情報端末とを連携させてより良い調理環境を提供する。
【解決手段】加熱調理器は、運転状態を示す運転状態情報を、ワイヤレス通信網を介して携帯情報端末5に送信する。携帯情報端末5は、受信した運転状態情報に基づいて、加熱調理器の運転状態に関連する関連情報を生成し、カメラにより撮影され、加熱調理器を画像内に含む撮影画像を背景画像として、背景画像の中の加熱部を画像認識し、背景画像において加熱部が存在する領域に、加熱部に対応する関連情報を重畳させて、端末側表示部52に表示させる。
【選択図】図11

Description

本発明は、被加熱物を加熱する加熱調理器と、当該加熱調理器とワイヤレス通信網を介して通信可能な携帯情報端末とを有する加熱調理システムに関する。また、被加熱物を加熱する加熱調理器と、ワイヤレス通信網を介して通信可能な携帯情報端末において、実行される加熱調理システム用アプリケーションプログラムに関する。
コンロなどの加熱調理器において、被加熱物の状態をセンシングして、その状態をユーザーに報知したり、加熱状態を自動制御したりする機能が実用化されている。特開2003−219045号公報(特許文献1)には、ユーザーに調理機器の加熱状況を知らせる機能を有した加熱調理機器システムが開示されている。このシステムは、ガスコンロ、携帯型送受信装置を備えて構成されており、ガスコンロと携帯型送受信装置とは無線により通信可能である。ガスコンロ側では、ガスコンロのバーナー部に対するガスの流入量や、当該バーナー部に設置された鍋の底部の温度などの検出結果に用いて加熱状況が判定され、所定の条件に基づいて携帯型送受信装置に対して警報信号を送信する。警報情報を受け取ったユーザーは、ガスコンロに対して確認済信号を送信する。ガスコンロは、例えば警報信号を送信したにも拘わらず、確認済信号を受信しないような場合には、自動的にバーナー部へのガス供給を遮断するような制御を実施することが可能に構成されている(特許文献1:第28〜47段落等)。
特許文献1に開示されたシステムは、加熱調理器をより安全に利用する上で優れた機能を提供するものである。しかし、近年、各種センサーの機能向上やメモリーなどの記憶媒体の大容量化にも相まって、より詳細に被加熱物の状態を検出することが可能となり、また、被加熱物の多様な加熱モデルを記憶することも可能となってきている。このため、それらの情報(検出情報や加熱モデル情報)を用いて、自動的・半自動的に調理を行う機能が付加された加熱調理器も実用化されている。但し、そのような機能は、未だ単一の加熱調理器に付加されているに過ぎず、例えば携帯電話機のような情報端末(通信機能を有するタブレット端末等も含む)と連携した加熱調理システムは発展途上である。
特開2003−219045号公報
上記背景に鑑みて、加熱調理器と携帯型の情報端末とが連携し、ユーザーに対してより良い調理環境を提供することができる技術が望まれる。
上記課題に鑑みた本発明に係る加熱調理システムの特徴構成は、
被加熱物を加熱する加熱調理器と、当該加熱調理器とワイヤレス通信網を介して通信可能な携帯情報端末とを有する加熱調理システムであって、
前記加熱調理器は、
前記被加熱物を加熱する少なくとも1つの加熱部と、
前記加熱部に対する複数種の特定機能の選択情報及び前記特定機能における設定情報の少なくとも一方を含む操作情報を取得する調理器側操作情報取得部と、
前記操作情報に基づいて前記特定機能の夫々に対応する制御を行う調理器制御部と、
前記加熱調理器の運転状態を示す情報であって、前記選択情報、前記設定情報、前記特定機能の実行状態を示す実行状態情報の少なくとも1つを含む運転状態情報を生成する運転状態情報生成部と、
少なくとも前記運転状態情報を前記ワイヤレス通信網に送信する調理器側通信制御部と、を備え、
前記携帯情報端末は、
少なくとも前記運転状態情報を、前記ワイヤレス通信網を介して前記加熱調理器から受信する端末側通信制御部と、
少なくとも静止画像を撮影可能なカメラと、
文字情報及び前記カメラにより撮影された撮影画像を含むグラフィック情報を表示可能な端末側表示部と、
前記加熱調理器を利用するユーザーと当該加熱調理器とのヒューマン・マシン・インターフェース機能に対する制御を行うHMI制御部と、を備え、
前記HMI制御部は、
前記運転状態情報を取得する運転状態情報取得部と、
前記運転状態情報に基づいて前記加熱部に関連する関連情報を生成する関連情報生成部と、
前記カメラにより撮影され、前記加熱調理器を画像内に含む撮影画像を背景画像として取得する背景画像取得部と、
前記背景画像の中の前記加熱部を画像認識する画像処理部と、
前記背景画像において前記加熱部が存在する領域に当該加熱部に対応する前記関連情報を重畳させて、前記端末側表示部に表示させる端末側報知制御部と、を備える点にある。
この特徴構成によれば、ユーザーは、加熱調理器の運転状態を、加熱調理器から離れた携帯情報端末において確認することができる。その際、ユーザーは煩雑な操作を伴うことなく、単純に加熱調理器を撮影するだけで加熱調理器の運転状態を携帯情報端末に表示させることができる。さらに、汎用的なイラストではなく、実際にユーザーが見ている加熱調理器の撮影画像を背景画像として、当該背景画像に運転状態を示す関連情報が文字及びグラフィックの少なくとも一方の形態により重畳表示される。従って、ユーザーは、実際に使用している加熱調理器に応じた適切な情報を提供される。即ち、本特徴構成によれば、加熱調理器と携帯情報端末とが連携し、ユーザーに対してより良い調理環境を提供することができる。
ここで、前記関連情報は、前記被加熱物又は前記加熱部の温度であると好適である。加熱調理器の加熱部が燃焼していない場合には、加熱部に設置された被加熱物や加熱部自体の温度が高いか否かをユーザーが目視によって確認することができない。また、加熱部や被加熱物の温度などが表示される表示部が加熱調理機器に備えられていたとしても、加熱部が燃焼していない場合には、そのような表示もなされていない可能性がある。ユーザーが加熱調理器を撮影することによって、その撮影画像上に関連情報として被加熱物又は加熱部の温度が表示されるので、ユーザーは加熱部や被加熱物の温度が高いか否かを目視によって良好に確認することができる。その結果、不用意にユーザーが加熱部や被加熱物に触れるようなことも抑制できる。
加熱調理器は、特定機能の1つとして、複数種の調理種別に対応し、当該調理種別に対応した加熱方法を設定して自動的に又は半自動的に調理を行う自動調理機能を有している場合がある。このような場合、当該調理種別に応じた実用的な関連情報が提供されると好適である。尚、この際、各調理種別に応じた情報を携帯情報端末に格納しておくためには、携帯情報端末に多くの記憶領域を確保する必要がある。携帯情報端末は、ワイヤレス通信網を介して通信可能であるから、ワイヤレス通信網からアクセス可能なクラウドデータベースから各調理種別に応じた情報を取得すると好適である。1つの好適な態様として、本発明に係る加熱調理システムは、前記携帯情報端末が、前記ワイヤレス通信網を介してクラウドデータベースと通信可能であり、前記加熱調理器が、前記特定機能の1つとして、複数種の調理種別に対応し、当該調理種別に対応した加熱方法を設定して自動的に又は半自動的に調理を行う自動調理機能を有し、前記関連情報生成部が、前記端末側通信制御部を介して前記クラウドデータベースから前記調理種別に応じた加熱方法を示すグラフィック及び前記調理種別に応じた前記加熱部の使用方法の少なくとも一方を含む調理情報を取得して前記関連情報を生成する構成とすることができる。
上述した本発明に係る加熱調理システムの種々の技術的特徴は、加熱調理システム用アプリケーションプログラムにも適用可能である。例えば、本発明に係る加熱調理システム用アプリケーションプログラムは、上述した加熱調理システムの特徴を備えた各種の機能をコンピュータに実現させることが可能である。以下にその代表的な態様を例示する。当然ながらこのような加熱調理システム用アプリケーションプログラムも、上述した加熱調理システムの作用効果を奏することができる。さらに、加熱調理システムの好適な態様として例示した種々の付加的特徴をこの加熱調理システム用アプリケーションプログラムに組み込むことも可能であり、当該プログラムはそれぞれの付加的特徴に対応する作用効果も奏することができる。
その場合における加熱調理システム用アプリケーションプログラムの特徴構成は、
被加熱物を加熱する加熱部に対する複数種の特定機能の選択情報及び前記特定機能における設定情報の少なくとも一方を含む操作情報に基づいて前記特定機能の夫々に対応する制御を行い、前記加熱調理器の運転状態を示す情報であって、前記選択情報、前記設定情報、前記特定機能の実行状態を示す実行状態情報の少なくとも1つを含む運転状態情報を生成してワイヤレス通信網に送信する加熱調理器と、当該ワイヤレス通信網を介して通信可能な携帯情報端末であって、少なくとも静止画像を撮影可能なカメラと、文字情報及び前記カメラにより撮影された撮影画像を含むグラフィック情報を表示可能な端末側表示部とを備えた当該携帯情報端末において、コンピュータに実現させる加熱調理システム用アプリケーションプログラムであって、
少なくとも前記加熱調理器からの前記運転状態情報を、前記ワイヤレス通信網を介して受信する端末側受信機能を有する端末側通信制御機能と、
前記加熱調理器を利用するユーザーと当該加熱調理器とのヒューマン・マシン・インターフェース機能に対する制御を行うHMI制御機能と、をコンピュータに実現させ、
前記HMI制御機能が、
前記運転状態情報を取得する運転状態情報取得機能と、
前記運転状態情報に基づいて前記加熱部に関連する関連情報を生成する関連情報生成機能と、
前記カメラにより撮影され、前記加熱調理器を画像内に含む撮影画像を背景画像として取得する背景画像取得機能と、
前記背景画像の中の前記加熱部を画像認識する画像処理機能と、
前記背景画像において前記加熱部が存在する領域に当該加熱部に対応する前記関連情報を重畳させて、前記端末側表示部に表示させる端末側報知制御機能と、を備える点にある。
加熱調理システムの構成例を模式的に示す図 ガスコンロの外観図 加熱調理システムの機能構成例を模式的に示すブロック図 ガスコンロの加熱部の構成例を模式的に示す図 ガスコンロ(バーナー)の操作部(操作パネル)の一例を示す図 ガスコンロ(バーナー)の操作部(操作シート)の一例を示す図 ガスコンロ(グリル)の操作部(操作シート)の一例を示す図 ガスコンロ(バーナー)の操作部(操作シート)の構造例を示す図 スマートフォンのハードウェア構成を模式的に示すブロック図 HMI制御部の構成例を模式的に示すブロック図 表示操作部への表示形態の一例を示す図 表示操作部への表示形態の一例を示す図 表示操作部への表示形態の一例を示す図 表示操作部への表示形態の一例を示す図
〔システム概要〕
以下、本発明の実施形態を、加熱調理器と、携帯情報端末とが協働する加熱調理システムを例として、図面に基づいて説明する。本実施形態において、加熱調理器1と、携帯情報端末5とは、図1に示すような形態により、ワイヤレス通信網Nを介して通信し、協働する。ワイヤレス通信網Nによる通信の1つの形態としては、符号“NA”で示すアドホック・モードやポイント・ツー・ポイント・モードなど、対応する加熱調理器1と携帯情報端末5とが直接一対一で通信する形態を採ることができる。
あるいは、図1に符号“NI”で示すインフラストラクチャー・モードと称される形態で、加熱調理器1と携帯情報端末5とが通信を行う形態を採ることもできる。具体的には、図1に示すように、加熱調理器1及び携帯情報端末5以外の機器も接続されるネットワークに、加熱調理器1及び携帯情報端末5がそれぞれ接続され、当該ネットワークを介して両者が通信する。当該ネットワークへは、アクセスポイントAPを介して接続される。このネットワークは、例えばユーザーの家庭内のローカルなネットワーク(構内LAN)であってもよいし、インターネットであってもよい。図1に示すように、構内用アクセスポイントA1を介して両者が構内LANに接続されてもよいし、外部用アクセスポイントA2,A3を介して両者がインターネットに接続されてもよい。当然ながら、構内用アクセスポイントA1及び構内LANを経由して、両者がインターネットに接続されてもよい。何れにしても、加熱調理システム9は、加熱調理器1と、携帯情報端末5とが、直接コネクタやケーブルによって有線により接続されることなく、ワイヤレス通信網Nを介して接続され、協働するシステムである。
本実施形態においては、加熱調理器1としてガスコンロを適用し、携帯情報端末5としてスマートフォンを適用した場合を例として説明する。ここで、スマートフォンとは、インターネットとの親和性が高く、パーソナルコンピュータの機能をベースとして作られた多機能携帯電話をいう。尚、加熱調理器1、携帯情報端末5は、ガスコンロやスマートフォンに限定されるものではない。加熱調理器1としてIHヒーターやホットプレートを適用することもできる。また、携帯情報端末5として、データ通信機能付きの携帯電話(フィーチャーフォン)や、データ通信機能付きの携帯型音楽プレーヤー、データ通信機能付きのカメラなどを適用することもできる。また、携帯情報端末5は、掌にすっぽり収まるような小型の携帯機器に限定されることなく、画面サイズが7〜9インチ以上のタブレット型端末も含まれる。
〔ガスコンロ(加熱調理器)〕
上述したように、本実施形態においては、加熱調理器1としてガスコンロを用いた形態を例示する。図2は、キッチンの調理テーブルのテーブルトップに組み込まれたガスコンロ1Aを示している。テーブルトップの下方には、ガスコンロ1Aの本体部(図2では不可視)が収容されている。当該本体部の上面には、当該上面よりも周囲にはみ出したフランジ部を有する平板状の天板TPが備えられている。天板TPは、例えば、耐熱性強化ガラスにより構成されている。ガスコンロ1Aの本体部は、テーブルトップをくり抜いた開口部を通ってテーブルトップの下方に収容され、フランジ部によってテーブルトップに支持されている。
ガスコンロ1Aは、加熱部Sとして、左バーナーBL、右バーナーBR、後バーナーBBの3つのバーナーBと、1つのグリルGとを有して構成されている。各バーナーBは、吐出される燃料ガスのブンゼン燃焼によって炎を出す炎口b7と、炎口b7の周囲を水平面(天板TP)に沿って取り囲む五徳b9とを備えている。炎口b7は、天板TPから上方に突き出すように設置されており、五徳b9は、天板TPの面上に設置されている。鍋やフライパンなどの被加熱物は、五徳b9の上に設置され、炎口b7から吹き出す炎によって加熱される。
グリルGは、被加熱物を収容する収容空間g0に引き出し式に出入りするグリル本体g1を備えて構成されている。グリル本体g1は、被加熱物が載置されるグリル焼き網g3と、グリル焼き網g3を支持する焼き網支持台g4と、グリル焼き網g3から滴る焼き汁等を受け止めるグリル受け皿g5と、グリル本体g1を収容空間g0に収容する際にグリルGの扉となるグリル扉g6と、グリルGの内部(閉空間となった収容空間g0)をグリルGの外部から視認できるようにグリル扉g6に設けられたグリル扉ガラスg7とを有して構成されている。収容空間g0には、スライドレールg2が備えられ、グリル本体g1は、このスライドレールg2をスライドすることによって収容空間g0に対して引き出し式に出入りする。グリルGにおいて炎を出す炎口(図2では不図示)は、収容空間g0の上下に設けられている。
図3の模式的ブロック図に示すように、加熱部S(バーナーB及びグリルG)の運転は、ガスコンロ1Aに備えられた調理器制御部11によって制御される。ガスコンロ1Aには、マイクロコンピュータなどの論理演算プロセッサを中核とする調理器制御装置10が備えられている。調理器制御部11は、調理器制御装置10を構成するハードウェア及びプログラムなどのソフトウェアとの協働によって実現される機能部である。後述する調理器側操作情報取得部12、運転状態情報生成部13、調理器側報知制御部14、調理器側通信制御部19等も同様の機能部である。従って、これら各機能部は、一部又は全てが共通のハードウェアやソフトウェアによって構成される場合がある。以下、調理器制御装置10による加熱部Sの運転制御について説明する。バーナーB及びグリルGの基本的な構造及び制御形態は同様であるから、ここでは1つのバーナーBを代表として説明する。
図4の模式的構成図に示すように、バーナーBのバーナー本体b6には、燃料ガスFを供給する供給管b8が接続されている。供給管b8には、燃料ガスFの供給量を調整する調整弁b1と、バーナーBへの燃料ガスの供給を遮断可能な遮断弁b2とが配置されている。また、炎口b7付近には、炎の有無を検出する火炎センサーb3と、燃料ガスFを火花点火可能な点火栓b4が配置されている。さらに、五徳b9に載置された被加熱物Pの底面に当接してこの被加熱物Pの温度を検出する温度センサーb5が配置されている。調整弁b1、遮断弁b2、火炎センサーb3、点火栓b4、温度センサーb5は、調理器制御部11に接続されている。
上述したように、調理器制御装置10は、ハードウェア及びプログラムなどのソフトウェアとの協働によって実現される機能部を有して構成されている。図3及び図4に示すように、調理器制御装置10は、機能部として、調理器制御部11と、調理器側操作情報取得部12と、運転状態情報生成部13と、調理器側報知制御部14とを有している。調理器制御部11は、加熱部Sに対する複数種の特定機能の夫々に対応する制御を行う機能部である。調理器側操作情報取得部12は、特定機能の選択情報及び特定機能における設定情報の少なくとも一方を含む操作情報を取得する機能部である。運転状態情報生成部13は、ガスコンロ1A(加熱調理器1)の運転状態を示す情報であって、選択情報、設定情報、特定機能の実行状態を示す実行状態情報の少なくとも1つを含む運転状態情報を生成する機能部である。調理器側報知制御部14は、特定機能の実行状態をユーザーに報知するための調理器側報知情報を生成して調理器側報知部4を介してユーザーに報知する機能部である。
調理器側操作情報取得部12は、図5から図7に一例を示すコンロ操作部3(調理器操作部)に対するユーザーの操作を操作情報(調理器側操作情報)として取得する。図5は、ガスコンロ1Aの主電源ボタン31、3つのバーナーBを夫々個別に点火・消火・火炎調整することができる3つのバーナー用ダイヤルスイッチ32、ガスコンロ1Aの操作を制限するロック機能ボタン39が備えられた操作パネル3mを示している。図8に示すように、バーナー用ダイヤルスイッチ32は、バーナーBが停止状態(消火状態)の際には、操作パネル3mのパネル面とほぼ同一面まで押し込まれている。バーナー用ダイヤルスイッチ32は押し戻し式のスイッチとなっており、ユーザーはバーナー用ダイヤルスイッチ32を押し込み、ロックを解除させて、バーナー用ダイヤルスイッチ32をパネル面よりも突出させる。突出した後は、バーナー用ダイヤルスイッチ32が回転可能となるので、ユーザーは回転に応じて火力を調整することができる。バーナーBを消火する場合には、ユーザーは、バーナー用ダイヤルスイッチ32を操作パネル3mのパネル面とほぼ同一面まで押し込む。
各バーナーBは、湯沸かし、炊飯、炒め調理など、調理種別に応じて、調理器制御部11によって火力や加熱時間を自動調整できるように構成されている。このため、このような調理種別をユーザーが指示できるように、操作パネル3mとは別に、図6に示すようなバーナー操作シート3b(操作シート3s)もガスコンロ1Aに備えられている。操作シート3sは、ユーザーによる操作の利便性を考慮して、図2に示すように、操作時にはシート面が上向きとなるように設けられている。しかし、ガスコンロ1Aの正面から操作シート3sが突出することになるので、操作シート3sを使用しない場合には、ガスコンロ1Aの本体部に収納可能に構成されている。具体的には、図8に示すように、操作シート3sは、押し戻し式のロック機構により通常時は、本体部に収容されている。ユーザーが操作シート3sの壁面を押圧することで押し戻し式のロック機構が解除され、操作シート3sが突出するように構成されている。
図6に示すように、バーナー操作シート3bには、各バーナーBに割り当て可能な調理種別や調節機能に対応したキーが、バーナーBごとに区分されて設けられている。本実施形態では、左バーナーBLと右バーナーBRとは同じ調理種別、同じ調節機能が割り当てられている。左バーナーBL及び右バーナーBRは、調理種別として“湯沸かし”、“あぶり高温炒め”が割り当てられ、これらに対応した湯沸かしキーk1及びあぶり高温炒めキーk3が、バーナー操作シート3bに設けられている。後バーナーBBは、調理種別として“炊飯”が割り当てられ、これに対応した炊飯キーk2が、バーナー操作シート3bに設けられている。“あぶり高温炒め”とは、直火料理や、鍋を頻繁に上げるような動作を行う炒め料理などを行う際の動作モードであり、他のモードよりも高い温度まで調理が可能な動作モードである。
3つのバーナーBには、共通した調節機能として、“タイマー機能”が割り当てられている。タイマー機能は、設定された加熱時間の間、バーナーBを燃焼状態とし、加熱時間経過後にバーナーBを停止する(消火する)機能である。加熱時間を設定するために、プラスキーとマイナスキーとの一対のタイマー設定キーk5が設けられている。また、左バーナーBL及び右バーナーBRには、被加熱物Pの温度を一定に保持する“定温保持機能”も割り当てられている。設定温度は、例えば10[℃]ごとなど、段階的に設定可能であり、温度設定キーk4を操作する度に、140[℃]から200[℃]の範囲で10[℃]間隔で設定温度が上昇し、最高温度までいくと最低温度に戻って巡回するように構成されている。尚、温度設定キーk4を操作するごとに設定温度が低下したり、最初にキー操作した際に設定される温度が中間の170[℃]〜180[℃]であったりしてもよい。設定された調理種別や調整機能などの設定パラメータは、取り消しキーk9(とりけし)によって取り消すことができる。
グリルGは、バーナーBよりもさらに多くの調理種別に対応可能である。ユーザーは、図7に示すグリル操作シート3g(操作シート3s)を介してグリルGに対する調理種別や調節機能を設定することができる。グリルGは、自動的に調理を行うオートモードに対応した調理機能と、ユーザーが火力や時間を設定して調理を行うマニュアルモードに対応した調理機能とを実行可能に構成されている。
オートモードに対応した調理機能としては、“あたため”、“魚焼き”、“焼き加減設定”、“アラカルト調理”の4つの機能が個別又は重複して利用可能である。それぞれの機能に対応して、あたためキーj1、魚キーj2、焼き加減キーj3、アラカルトキーj4が、グリル操作シート3gに設けられている。あたため機能は、被加熱物Pを自動的に温める機能であり、魚焼き機能は、被加熱物Pとしての魚を自動的に焼く機能である。焼き加減設定機能は、あたため機能や魚焼き機能を利用する際の火力調整を、温める対象物(揚げ物・焼き物など)や、魚の状態(切り身・姿焼き・干物など)によって設定できる機能である。アラカルト調理機能は、焼きいも、焼き鳥、ピザなど料理の種別を設定することによって自動的に調理を行う機能である。一旦設定した内容(設定パラメータ)は、設定変更キーj8で変更したり、取り消しキーj9(とりけし)で取り消したりすることができる。尚、グリルGには、バーナーBのように点火や消火を行う操作パネル3mが設けられていないので、グリル操作シート3gに点火/消火キーj0が設けられている。
マニュアルモードに対応した調理機能としては、“火力切り換え”、“タイマー機能”、“ダッチオーブン機能”が利用可能である。それぞれの機能に対応して、火力切換キーj5、タイマー設定キーk5、ダッチオーブンキーj6が、グリル操作シート3gに設けられている。上述したように、グリルGには、収容空間g0の上下に炎口が設けられている。収容空間g0の上部に備えられた炎口(上火)と、下部に備えられた炎口(下火)とは、個別に火力調整が可能である。上下それぞれが“強”と“弱”とに火力調整可能な場合には、4通りの組み合わせにより火力調節を行うことができる。ユーザーは、火力切換キーj5を操作するごとに、例えば、“上火強・下火強”、“上火強・下火弱”、“上火弱・下火強”、“上火弱・下火弱”というように火力調節を行うことができる。タイマー機能については、バーナーBと同様であるので説明は省略する。ダッチオーブン機能は、ダッチオーブンを収容空間g0に収容して調理を行う機能である。
調理器側操作情報取得部12は、図5から図7に示すコンロ操作部3(調理器操作部)に対するユーザーの操作を操作情報(調理器側操作情報)として取得する。調理器制御部11は、調理器側操作情報取得部12を介して、操作情報を受け取り、この操作情報に基づいて、バーナーBやグリルG、具体的には、調整弁b1、遮断弁b2、点火栓b4等を制御して、加熱部Sの特定機能を実現させる。
ユーザーによるコンロ操作部3への操作内容は、天板TPに設けられた天面表示部40(調理器側報知部4)に表示される。1つの態様として、調理器制御部11は、調理器側操作情報取得部12を介して受け取った操作情報を、運転状態情報生成部13に伝達する。運転状態情報生成部13は、操作情報を含む運転状態情報を調理器側報知制御部14に伝達する。調理器側報知制御部14は、運転状態情報に基づいて調理器側報知情報を生成して、天面表示部40に出力する。ユーザーは、天面表示部40を介してコンロ操作部3への操作内容を確認することができる。尚、調理器制御装置10に構成される各機能部は、共通のハードウェアやソフトウェアを利用して構築可能であるから、例えば、調理器側操作情報取得部12が取得した操作情報を用いて、直接に調理器側報知制御部14が調理器側報知情報を生成してもよい。
ところで、上述したように、操作パネル3mには、ガスコンロ1Aの操作を制限するロック機能ボタン39が設けられている。ユーザーが、このロック機能ボタン39を所定時間(例えば3秒間)押し続けると、ロック機能が有効となり、ガスコンロ1Aの操作が制限される。操作パネル3mには、ロック機能が有効であることを示すロック機能インジケータ38も備えられている。これら、電源インジケータ36、バーナーインジケータ37、グリルインジケータ4g、ロック機能インジケータ38などのインジケータ49も、調理器側報知部4に相当する。
〔スマートフォン(携帯情報端末)〕
加熱調理システムにおける携帯情報端末5は、図3に示すように、ワイヤレス通信網Nを介して加熱調理器1と通信する端末側通信制御部59と、文字情報及びグラフィック情報を表示可能であると共にユーザーによる操作入力を受け付け可能な表示操作部52と、加熱調理器1を利用するユーザーと加熱調理器1とのヒューマン・マシン・インターフェース機能に対する制御を行うHMI制御部51と、カメラ53と、と備えて構成されている。本実施形態では、携帯情報端末5としてスマートフォン5Aを例示しており、以下スマートフォン5Aの構成について説明する。
図9は、スマートフォン5Aのハードウェア構成を模式的に示すブロック図である。スマートフォン5Aの大部分のハードウェアは、メインボード50(マザーボード)と称される基板上に搭載される。アンテナ56やカメラ53、マイク55mなどの主要な周辺デバイスも当該メインボード50に接続される。スマートフォン5Aは、通常、固定的な電力線に接続されることなく使用されるので、リチウムイオン電池などの二次電池55bを備えており、メインボード50には、二次電池55bを介して各部に電力を供給する電源モジュール50pも搭載されている。
メインボード50には、スマートフォン5Aの中核となるメインプロセッサーMP、メインプロセッサーMPにおいて実行されるプログラム(ソフトウェア)が記憶されたフラッシュメモリー50f、プラグラム実行中の一時ファイルを記憶するメインメモリー50mが搭載されている。メインメモリー50mは揮発性メモリーでよく、例えばDRAMが用いられる。また、本実施形態では、スマートフォン5Aに対してメモリーカード55cも着脱可能に構成されている。メインプロセッサーMPは、メモリーカード55cに格納された、画像や音声を含む各種データや、アプリケーションプログラムなどを利用することも可能である。HMI制御部51、端末側通信制御部59は、これらメインプロセッサーMPやメモリー(50f,50m)などのハードウェアと、プログラム(ソフトウェア)との協働によって実現される機能部である。
スマートフォン5Aには、複数の方式に対応したワイヤレス通信モジュール50tが搭載されている。本実施形態では、ワイヤレス通信モジュール50tとして、携帯電話回線網との通信を制御するベースバンドプロセッサ59bと、無線LANによる通信を制御する無線LANモジュール59rとがメインボード50に搭載されている態様を例示している。ワイヤレス通信モジュール50tは、メインプロセッサーMPと共に、携帯情報端末5の端末側通信制御部59として機能する。また、スマートフォン5Aには、通話の際に利用されるマイク55mとスピーカー55sも備えられている。メインボード50には、ボイスモジュール50vやオーディオモジュール50aが搭載されている。マイク55mはボイスモジュール50vを介してメインプロセッサーMPに接続されている。また、スピーカー55sは、オーディオモジュール50a及びボイスモジュール50vを介してメインプロセッサーMPと接続されている。
携帯情報端末5の表示操作部52は、スマートフォン5Aにおいては、端末側表示部として機能するディスプレイパネル52dと、端末側操作部として機能するタッチパネル52tとにより構成されている。本実施形態では、表示操作部52は、ディスプレイパネル52dとタッチパネル52tとが一体化されたタッチディスプレイパネルとして構成されている。また、スマートフォン5Aには、カメラ53が搭載されている。カメラ53により撮影された撮影画像は、メインプロセッサーMPを介して、或いはDMA転送などによりメインボード50上に設けられたデータバスを介して直接に、メインメモリー50mやメモリーカード55c、フラッシュメモリー50f等に格納される。
また、スマートフォン5Aには、ジャイロセンサー、加速度センサー、気圧センサー、温度センサー、方向センサー、重力センサーなどの各種センサーが搭載されている。本実施形態では、メインボード50に加速度センサー50sが搭載されている形態を例示している。加速度センサー50sは、スマートフォン5Aの傾きや向きを検出する。つまり、加速度センサー50sによってスマートフォン5Aの上下方向を検出して、メインプロセッサーMPは、その上下方向に応じてディスプレイパネル52dへの表示方向を制御することができる。本実施形態では、加速度センサー50sを利用する形態を例示したが、重力センサーやジャイロセンサーを用いることも可能である。当然ながら、複数のセンサーが搭載されていてもよい。
図10のブロック図は、HMI制御部51の構成を模式的に示している。HMI制御部51は、ガスコンロ1Aから受信した情報を情報処理して表示操作部52を介してユーザーに報知するための機能部として、運転状態情報取得部61と、説明情報生成部62と、関連情報生成部65と、端末側報知情報生成部63とを備えている。情報処理された情報は、端末側報知制御部85を介して表示操作部52に伝達される。また、HMI制御部51は、ユーザーにより表示操作部52から入力される情報を情報処理して送信部57を介してワイヤレス通信網Nへ送信するための機能部として、端末側操作情報取得部71と、遠隔操作情報生成部73とを備えている。
また、HMI制御部51は、カメラ53により撮影された撮影画像を画像処理して表示操作部52を介してユーザーに報知するための機能部として、背景画像取得部81と、画像処理部82とを備えている。また、HMI制御部51は、種々の標章を生成して表示操作部52を介してユーザーに報知するための機能部として、標章生成部83を備えて構成されている。本実施形態では、HMI制御部51に調理器データベース80を備え、この調理器データベース80から標章などのデータを取得可能に構成されている形態を例示している。この調理器データベース80は、固定的にスマートフォン5Aに備えられている必要はなく、適宜書き換えが可能なようにフラッシュメモリー50fなどに構築されていると好適である。あるいは、必要に応じて情報を取得して、一時的にメインメモリー50mなどの揮発性のメモリーに当該情報を格納するような形態であってもよい。
〔加熱調理システム〕
HMI制御部51に構築される各種機能部の詳細については、以下に詳述する加熱調理システム9の説明において適宜行う。1つの好適な態様として、加熱調理システム9は、ガスコンロ1Aの運転状態を、当該ガスコンロ1Aと離間したスマートフォン5Aにおいてユーザーが確認できるように構成されている。
加熱調理器1としてのガスコンロ1Aにおいて、調理器側操作情報取得部12は、加熱部Sに対する複数種の特定機能の選択情報及び特定機能における設定情報の少なくとも一方を含む操作情報を取得し、調理器制御部11は、その操作情報に基づいて特定機能の夫々に対応する制御を行う。運転状態情報生成部13は、ガスコンロ1Aの運転状態を示す情報であって、選択情報、設定情報、特定機能の実行状態を示す実行状態情報の少なくとも1つを含む運転状態情報を生成する。調理器側通信制御部19の送信部17(調理器側送信部)は、少なくとも運転状態情報を、ワイヤレス通信網Nを介して送信する。
携帯情報端末5としてのスマートフォン5Aにおいては、端末側通信制御部59の受信部58(端末側受信部)が、少なくともガスコンロ1Aからの運転状態情報を、ワイヤレス通信網Nを介して受信する(端末側通信制御機能/ステップ)。HMI制御部51の運転状態情報取得部61は、端末側通信制御部59を介して運転状態情報を取得する(運転状態情報取得機能/ステップ)。関連情報生成部65は、運転状態情報取得部61が取得した運転状態情報に基づいて加熱部Sに関連する関連情報を生成する(関連情報生成機能/ステップ)。また、説明情報生成部62は、運転状態情報に基づいてガスコンロ1Aの運転状態に関連する説明情報を生成する(説明情報生成機能/ステップ)。尚、関連情報生成部65は、説明情報を利用して関連情報を生成することもできる。
背景画像取得部81は、カメラ53により撮影され、ガスコンロ1Aを画像内に含む撮影画像を背景画像として取得する(背景画像取得機能/ステップ)。画像処理部82は、背景画像の中の加熱部Sを画像認識する(画像処理機能/ステップ)。端末側報知制御部85は、背景画像において加熱部Sが存在する領域に、加熱部Sに対応する関連情報を文字及びグラフィックの少なくとも一方の形態により重畳させて、表示操作部52(端末側表示部)に表示させる(端末側報知制御機能/ステップ)。尚、重畳されるグラフィック(標章)は、標章生成部83において生成される(標章生成機能/ステップ)。
図11は、スマートフォン5Aの表示操作部52への表示形態の一例を示す図である。表示操作部52は、カメラ53を利用した撮影を行う際にはビューファインダーとなる。図11〜図14における左上の画像は、ビューファインダーとして機能する表示操作部52に表示される画像を示している。ユーザーは、スマートフォン5A上で動作する加熱調理システム用アプリケーションプログラムを起動させ、さらにサブプログラムとしてそのアプリケーションプログラムにバンドルされているガスコンロ1Aの認識プログラムを起動させる。例えば、このアプリケーションプログラムが起動すると、表示操作部52にトップメニューが現れる。ユーザーは、トップメニューの中に表示された操作標章を選択して、そのトップメニューから階層的に種々のサブプログラムを起動させることができる。
ガスコンロ1Aの認識プログラムが起動されると、表示操作部52はビューファインダーとして機能する。この際、表示操作部52には、シャッター機能や、終了機能などを含む種々の操作標章が表示されるが、ここでは図示及び説明を省略する。図11に示すように、ビューファインダーとしての表示操作部52には、画像認識の対象領域を示すターゲットマーカーTMが表示される。ユーザーは、このターゲットマーカーTMの内側にガスコンロ1A(加熱部S)が含まれるように、撮影アングルを決定して撮影する。
背景画像取得部81は、カメラ53による撮影画像の全体からターゲットマーカーTMの内側の領域の画像を切り出して、背景画像として取得する。画像処理部82は、切り出された背景画像に対して画像処理を行い、背景画像に含まれる加熱部Sを画像認識する。この画像認識によって、背景画像において加熱部Sが存在する座標が特定される。
一方、ガスコンロ1Aからは、ワイヤレス通信網Nを介して運転状態情報が提供されている。従って、スマートフォン5Aは、各加熱部Sの運転状態を知ることができる。尚、画像認識の結果、背景画像内に存在することが分かった加熱部Sに関する運転状態情報を送信するように、スマートフォン5Aからガスコンロ1Aに送信要求情報を送信してもよい。このような送信要求情報は、遠隔操作情報の一種として遠隔操作情報生成部73において生成されると好適である。
上述したように、スマートフォン5Aは運転状態情報を受け取ると、説明情報や関連情報を生成する。端末側報知制御部85は、これら説明情報や関連情報に基づいて、加熱部Sの運転状態を報知する端末側報知情報を生成して、表示操作部52を介してユーザーに報知する。本実施形態では、端末側報知制御部85は、背景画像において加熱部Sが存在する領域(座標)に当該加熱部Sに対応する関連情報を文字及びグラフィックの少なくとも一方の形態により重畳させる。図11には、関連情報として加熱部(S)、或いは加熱部(S)に設置された鍋などの被加熱物(P)の温度が文字情報として表示されている形態を例示している。
図4を参照して上述したように、各加熱部Sには、温度センサーb5が設置されている。表示される温度の情報は、この温度センサーb5の検出結果に基づいて得られたものである。つまり、加熱部Sに被加熱物Pが設置されていない場合には、温度センサーb5は加熱部Sの周囲の雰囲気温度を検出し、被加熱物Pが設置されている場合は当該被加熱物Pの温度を検出する。加熱部Sに被加熱物Pが設置されているか否かは、温度センサーb5や不図示の近接センサーなどによって検出可能である。従って、被加熱物Pが加熱部Sに設置されているときのみ、温度が表示される形態であってもよい。但し、被加熱物Pは撤去されているが、加熱部Sを使用した直後の状態では、当該加熱部Sが熱い場合がある。従って、被加熱物Pの存否に拘わらず、背景画像に温度が重畳されると好適である。
ところで、上述したように、運転状態情報は、特定機能の実行状態を示す実行状態情報の他、加熱部Sに対する複数種の特定機能の選択情報、及び特定機能における設定情報も含む。特定機能の選択情報は、例えば、炊飯や魚焼き、アラカルト調理等の自動調理機能の調理種別の情報などに相当する。また、特定機能における設定情報は、強火・弱火・標準などの火加減や、おかゆ・ごはんなどの炊き加減などの情報に相当する。このように、ガスコンロ1Aが、特定機能の1つとして、複数種の調理種別に対応し、当該調理種別に対応した加熱方法を設定して自動的に又は半自動的に調理を行う自動調理機能を有している場合に、当該調理種別に応じた実用的な関連情報が提供されると好適である。
スマートフォン5Aは、ワイヤレス通信網Nを介して不図示のクラウドデータベースと通信可能である。関連情報生成部65は、端末側通信制御部59を介してクラウドデータベースから調理種別に応じた加熱方法を示すグラフィック、及び調理種別に応じた加熱部Sの使用方法の少なくとも一方を含む調理情報を取得して関連情報を生成することができる。当然ながら、ワイヤレス通信網Nを介して通信可能なクラウドデータベースから調理情報や、ガスコンロ1Aに関する情報を取得して、調理器データベース80に格納してもよい。調理器データベース80は不揮発性のフラッシュメモリー50fを利用して構築されても良いし、揮発性のメインメモリー50mを利用して一時的に構築されても良い。
図12は、このような調理情報に基づいて生成された関連情報が、図11とは異なる形態で、背景画像に重畳されている例を例示している。図11では、文字によって温度を表示する形態を例示したが、図12では、グラフィックによって加熱部Sが実行中の特定機能を示す形態を例示している。後バーナーBBでは、炊飯機能が実行されており、あと5分で炊飯が完了することがグラフィックによる標章により報知されている。また右バーナーBRでは、被加熱物Pの温度を180℃に保持するように加熱する定温保持機能が実行されていることがグラフィックによる標章により報知されている。また、グリルGでは、魚焼き機能が実行されていることが、グラフィックによる標章により報知されている。ここで、利用される標章は、例えばガスコンロ1Aの天面表示部40における表示のデザインと等価であると好適である。ユーザーは、ガスコンロ1Aとスマートフォン5Aとの双方で統一されたデザインによってガスコンロ1Aの運転状態を確認することができる。
図12では、調理種別に応じた加熱方法を示すグラフィックが表示される例を示したが、さらに、詳細な説明が表示されると好適である。スマートフォン5Aの表示操作部52は、ガスコンロ1Aの天面表示部40と比べて表示形態の自由度が高い。従って、スマートフォン5Aの表示操作部52には、より詳細な情報を比較的自由なレイアウトで表示させることができる。そのような詳細な説明は、例えば説明情報生成部62によって生成される。
図13は、自動炊飯機能が実行されている際に、より詳細な情報が重畳表示される形態を例示している。自動炊飯機能は、例えば、加熱工程・蒸発工程・蒸らし工程の3つの工程により構成されている。加熱工程は、弱火で炊き始めて強火で大きな対流を起こして炊飯するメインの工程であり、蒸発工程は残った水や水蒸気を飛ばす工程であり、蒸らし工程は炊き上がった米を蒸らす工程である。この自動炊飯機能が実行されている際に、自動炊飯機能を構成する複数の工程が提示され、その中で現在進行中の工程が強調表示されると好適である。さらに、図13に示すように、現在進行中の工程に関する説明が表示されると好適である。図13には、現在進行中の工程が蒸発工程であることが強調表示によって示され、その蒸発工程を説明するメッセージも表示されている例を示している。
上述したように、関連情報は、調理種別に応じた加熱部Sの使用方法であってもよい。図14は、グリルGを用いて魚焼きの調理を実行する際に、その使用方法が関連情報として生成され、表示操作部52に表示される例を示している。グリルGのグリル焼き網g3に魚を載せる際には、グリル本体g1が引き出される。ユーザーは、グリル焼き網g3に魚が載せられた状態で、グリル焼き網g3がターゲットマーカーTMの内側に含まれるように撮影する。グリル本体g1又はグリル焼き網g3が画像認識され、グリル焼き網g3に配置された魚も画像認識される。例えば、画像処理部82は、魚の配置が適切であるか否かを判定し、その判定結果を端末側報知制御部85に伝達する。
魚の配置が適切であるという判定結果が伝達された場合には、端末側報知制御部85は、例えば「良好な配置です」などと背景画像にメッセージを重畳させる。尚、図13に例示した炊飯機能と同様に、魚焼きを示すグラフィックによる標章も表示されると好適である。
以上説明したように、本実施形態において例示した加熱調理システム9は、ガスコンロ1Aの運転状態を、当該ガスコンロ1Aと離間したスマートフォン5Aにおいてユーザーが良好に確認できるように構成されている。
本発明は、被加熱物を加熱する加熱調理器と、当該加熱調理器とワイヤレス通信網を介して通信可能な携帯情報端末とを有する加熱調理システムに利用することができる。また、被加熱物を加熱する加熱調理器と、ワイヤレス通信網を介して通信可能な携帯情報端末において、実行される加熱調理システム用アプリケーションプログラムに利用することができる。
1 :加熱調理器
1A :ガスコンロ(加熱調理器)
5 :携帯情報端末
5A :スマートフォン(携帯情報端末)
9 :加熱調理システム
11 :調理器制御部
12 :調理器側操作情報取得部
13 :運転状態情報生成部
19 :調理器側通信制御部
51 :HMI制御部
52 :表示操作部(端末側表示部)
53 :カメラ
59 :端末側通信制御部
61 :運転状態情報取得部
63 :端末側報知情報生成部
65 :関連情報生成部
71 :端末側操作情報取得部
73 :遠隔操作情報生成部
81 :背景画像取得部
82 :画像処理部
85 :端末側報知制御部
B :バーナー(加熱部)
BB :後バーナー(加熱部)
BL :左バーナー(加熱部)
BR :右バーナー(加熱部)
G :グリル(加熱部)
N :ワイヤレス通信網
P :被加熱物
S :加熱部

Claims (4)

  1. 被加熱物を加熱する加熱調理器と、当該加熱調理器とワイヤレス通信網を介して通信可能な携帯情報端末とを有する加熱調理システムであって、
    前記加熱調理器は、
    前記被加熱物を加熱する少なくとも1つの加熱部と、
    前記加熱部に対する複数種の特定機能の選択情報及び前記特定機能における設定情報の少なくとも一方を含む操作情報を取得する調理器側操作情報取得部と、
    前記操作情報に基づいて前記特定機能の夫々に対応する制御を行う調理器制御部と、
    前記加熱調理器の運転状態を示す情報であって、前記選択情報、前記設定情報、前記特定機能の実行状態を示す実行状態情報の少なくとも1つを含む運転状態情報を生成する運転状態情報生成部と、
    少なくとも前記運転状態情報を前記ワイヤレス通信網に送信する調理器側通信制御部と、を備え、
    前記携帯情報端末は、
    少なくとも前記運転状態情報を、前記ワイヤレス通信網を介して前記加熱調理器から受信する端末側通信制御部と、
    少なくとも静止画像を撮影可能なカメラと、
    文字情報及び前記カメラにより撮影された撮影画像を含むグラフィック情報を表示可能な端末側表示部と、
    前記加熱調理器を利用するユーザーと当該加熱調理器とのヒューマン・マシン・インターフェース機能に対する制御を行うHMI制御部と、を備え、
    前記HMI制御部は、
    前記運転状態情報を取得する運転状態情報取得部と、
    前記運転状態情報に基づいて前記加熱部に関連する関連情報を生成する関連情報生成部と、
    前記カメラにより撮影され、前記加熱調理器を画像内に含む撮影画像を背景画像として取得する背景画像取得部と、
    前記背景画像の中の前記加熱部を画像認識する画像処理部と、
    前記背景画像において前記加熱部が存在する領域に当該加熱部に対応する前記関連情報を重畳させて、前記端末側表示部に表示させる端末側報知制御部と、
    を備える加熱調理システム。
  2. 前記関連情報は、前記被加熱物又は前記加熱部の温度である請求項1に記載の加熱調理システム。
  3. 前記携帯情報端末は、前記ワイヤレス通信網を介してクラウドデータベースと通信可能であり、
    前記加熱調理器は、前記特定機能の1つとして、複数種の調理種別に対応し、当該調理種別に対応した加熱方法を設定して自動的に又は半自動的に調理を行う自動調理機能を有し、
    前記関連情報生成部は、前記端末側通信制御部を介して前記クラウドデータベースから前記調理種別に応じた加熱方法を示すグラフィック及び前記調理種別に応じた前記加熱部の使用方法の少なくとも一方を含む調理情報を取得して前記関連情報を生成する請求項1又は2に記載の加熱調理システム。
  4. 被加熱物を加熱する加熱部に対する複数種の特定機能の選択情報及び前記特定機能における設定情報の少なくとも一方を含む操作情報に基づいて前記特定機能の夫々に対応する制御を行い、運転状態を示す情報であって、前記選択情報、前記設定情報、前記特定機能の実行状態を示す実行状態情報の少なくとも1つを含む運転状態情報を生成してワイヤレス通信網に送信する加熱調理器と、当該ワイヤレス通信網を介して通信可能な携帯情報端末であって、少なくとも静止画像を撮影可能なカメラと、文字情報及び前記カメラにより撮影された撮影画像を含むグラフィック情報を表示可能な端末側表示部とを備えた当該携帯情報端末において、コンピュータに実現させる加熱調理システム用アプリケーションプログラムであって、
    少なくとも前記加熱調理器からの前記運転状態情報を、前記ワイヤレス通信網を介して受信する端末側受信機能を有する端末側通信制御機能と、
    前記加熱調理器を利用するユーザーと当該加熱調理器とのヒューマン・マシン・インターフェース機能に対する制御を行うHMI制御機能と、をコンピュータに実現させ、
    前記HMI制御機能が、
    前記運転状態情報を取得する運転状態情報取得機能と、
    前記運転状態情報に基づいて前記加熱部に関連する関連情報を生成する関連情報生成機能と、
    前記カメラにより撮影され、前記加熱調理器を画像内に含む撮影画像を背景画像として取得する背景画像取得機能と、
    前記背景画像の中の前記加熱部を画像認識する画像処理機能と、
    前記背景画像において前記加熱部が存在する領域に当該加熱部に対応する前記関連情報を重畳させて、前記端末側表示部に表示させる端末側報知制御機能と、
    を備える加熱調理システム用アプリケーションプログラム。
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