JP2014145902A - 電飾用シート、電飾用印刷物およびその製造方法ならびに電飾看板 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】支持体と、前記支持体の一方の面に配置されたマット層と、前記支持体の他方の面に配置された易接着層とを有し、2mm間隔のくし歯における写像性の透過値(%)、および光の進行方向とシートの法線とのなす角を60度としたときの2mm間隔のくし歯における60度反射の写像性値(%)が以下の関係式を満たす。
写像性の透過値(%)/60度反射の写像性値(%)≧2
【選択図】図1
Description
<1> 支持体と、支持体の一方の面に配置されたマット層と、支持体の他方の面に配置された易接着層とを有し、
2mm間隔のくし歯における写像性の透過値(%)、および光の進行方向とシートの法線とのなす角を60度としたときの2mm間隔のくし歯における60度反射の写像性値(%)が以下の関係式を満たすことを特徴とする電飾用シート。
写像性の透過値(%)/60度反射の写像性値(%)≧2
<2> マット層が、ケイ素含有樹脂、マット剤および界面活性剤を含む<1>の電飾用シート。
<3> ケイ素含有樹脂は、シランカップリング剤を縮合した縮合体を含む<2>の電飾用シート。
<4> シランカップリング剤は4官能のアルコキシシランと3官能または2官能のアルコキシシランとを含み、4官能のアルコキシシランと3官能または2官能のアルコキシシランのモル比は25:75〜85:15である<3>の電飾用シート。
<5> マット剤の体積平均粒子径をrとし、マット層の平均膜厚をtとした場合、t<rである<2>〜<4>のいずれかの電飾用シート。
<6> マット層中に無機微粒子を含有し、無機微粒子の含有量が20%以下である<1>〜<5>のいずれかの電飾用シート。
<7> シランカップリング剤は4官能のアルコキシシランおよび3官能のアルコキシシランを含み、4官能のアルコキシシランと3官能のアルコキシシランのモル比が25:75〜85:15である<3>〜<6>のいずれかの電飾用シート。
<8> 3官能のアルコキシシランがエポキシ基を有するアルコキシシランである<4>〜<7>のいずれかの電飾用シート。
<9> 3官能のアルコキシシランが3−グリシドキシプロピルトリエトキシシランである<4>〜<8>のいずれかの電飾用シート。
<10> マット層が、粒径が0.4〜3μmのマット剤およびバインダーを含み、マット剤とバインダーとの屈折率差が0.1以下である<1>の電飾用シート。
<11> 支持体と前記マット層の間に中間層をさらに有する<1>〜<10>のいずれかの電飾用シート。
<12> ヘイズ値が3〜35%である<1>〜<12>のいずれかの電飾用シート。
<13> マット層の鉛筆硬度が、F以上である<1>〜<12>のいずれかの電飾用シート。
<14> マット層の23℃、相対湿度65%における表面抵抗率が、1.0×1012Ω/sq以下である<1>〜<13>のいずれかの電飾用シート。
<15> マット層が視認側となるように設置する<1>〜<15>のいずれかの電飾用シート。
<16> <1>〜<15>のいずれかの電飾用シート上に、インク組成物をインクジェット記録装置により吐出する工程と、吐出されたインク組成物に放射線を照射して、インク組成物を硬化させる工程と、を含む電飾用印刷物の製造方法。
<17> インク組成物が、放射線硬化型インク組成物である、<16>の電飾用印刷物の製造方法。
<18> インク組成物が、無溶剤系の放射線硬化型インク組成物である、<17>の電飾用印刷物の製造方法。
<19> インクジェット記録装置が、ワイドフォーマットインクジェットプリンターシステムである、<16>〜<18>のいずれかの電飾用印刷物の製造方法。
<20> <16>〜<19>のいずれか1項に記載の電飾用印刷物の製造方法により製造された電飾用印刷物。
<21> <1>〜<15>のいずれか1項に記載の電飾用シートにおけるマット層が視認側となるように設置する<20>の電飾用印刷物。
<22> <20>または<21>の電飾用印刷物と、光源とを有する電飾看板。
<23> <1>〜<15>のいずれかの電飾用シートにおけるマット層が視認側となるように設置する<22>の電飾看板。
本発明の電飾用シートは、支持体と、前記支持体の一方の面に配置されたマット層と、前記支持体の他方の面に配置された易接着層とを有し、2mm間隔のくし歯における写像性の透過値(%)、および光の進行方向とシートの法線とのなす角を60度としたときの2mm間隔のくし歯における60度反射の写像性値(%)が以下の関係式を満たすことを特徴とする。
写像性の透過値(%)/60度反射の写像性値(%)≧2
また、光の進行方向とシートとのなす角を60度としたときの2mm間隔のくし歯における60度反射の写像性値は、前記同様の測定器を用い、入射光の進行方向と電飾用シート10の法線103とのなす角が60度となるように11の面を光の照射側になるようにシートを設置し、電飾用シート10を反射した光を検出する検出器が2mmのくし歯内に内蔵されている装置を用いて測定した写像性値から求めることができる。具体的には、分母が全入射光量であり、分子が電飾用シート表面で反射しかつほぼ正反射する方向に進む光の総量として求められる。なお、60度とは、厳密な角度を要求するものではなく、60度±5°未満の範囲内であることを意味する。60度との誤差は、4°未満であることが好ましく、3°未満であることがより好ましい。
写像性の透過値(%)/60度反射の写像性値(%)≧2を満たし、
写像性の透過値(%)/60度反射の写像性値(%)≧2.5を満たすことが好ましく、
写像性の透過値(%)/60度反射の写像性値(%)≧3を満たすことがより好ましい。
写像性の透過値が大きくなれば、裏面に画像を印刷した際の像視認性が良化し、60度の反射の写像性値が小さくなれば外光による写りこみを低減させることができる。一般的に写像性の透過値が大きくなれば、60度の反射の写像性値も大きくなるため、従来技術では上記領域の達成が困難であった。
上記関係を満たすことで、印画像の鮮明度を落とさずに外光の映りこみを抑制可能となる。
図1(a)は、本発明の第1の実施形態の電飾用シートの一例を示した断面図である。図1(a)に示されているように、本発明の第1実施形態の電飾用シート10は、マット層11、支持体12、および易接着層13を積層したものであり、マット層の表面は一定の凹凸を有している。マット層11は硬度と耐傷性を有するハードコート層であることが好ましい。これにより、電飾用シート10が損傷を受けるのを防止することができる。易接着層13上にインク組成物が吐出され画像層が形成される。易接着層13は、支持体12と画像層との接着性を向上させる。
マット層は、ケイ素含有樹脂、マット剤および界面活性剤を含むことが好ましい。ケイ素含有樹脂は、シランカップリング剤を縮合した縮合体を含み、シランカップリング剤は4官能のアルコキシシランと3官能または2官能のアルコキシシランとを含み、前記4官能のアルコキシシランと3官能または2官能のアルコキシシランのモル比は25:75〜85:15である。また、マット層中の無機微粒子の含有量は20%以下である。
シランカップリング剤に使用する素材としては、水溶性又は水分散性の素材を使用することが好ましい。水溶性又は水分散性の素材を使用することは、VOC(volatile organic compounds)による環境汚染を低減する観点からも特に好ましい。
3官能または2官能のアルコキシシランは下記一般式(1)で表される3官能または2官能のアルコキシシランである。
Rn+1Si(OR1)3-n …(1)
(ここで、Rはアミノ基を含まない炭素数が1〜15の有機基、R1はメチル、エチル基等炭素数4以下のアルキル基、n=0または1である。)
中でも、n=0のトリアルコキシシランがより好ましく、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、3−クロロプロピルトリメトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、3−ウレイドプロピルトリエトキシシラン、3−トリメトキシシリルプロピル−2−[2−(メトキシエトキシ)エトキシ]エチルウレタン、3−トリメトキシシリルプロピル−2−[2−(メトキシプロポキシ)プロポキシ]プロピルウレタン等がある。
市販品としては、例えばKBE−403(信越化学工業(株)製)等がある。
一般式(1)のRは、炭素数が1〜15の範囲であるような分子鎖長をもつ有機基であればよい。炭素数を15以下とすることにより、マット層の柔軟性が過度に大きくならず、十分な硬度を得ることができる。また、Rは、炭素数が3〜15であることがより好ましく、5〜13であることがさらに好ましい。Rの炭素数を上記範囲内とすることにより、脆性がより改善されたマット層を得ることができる、また、後述するように中間層を設ける場合には、中間層とマット層の密着性を高めることができる。
4官能のアルコキシシランをマット層用塗布液の成分として用いることにより、4官能のアルコキシシランと一般式(1)の3官能または2官能のアルコキシシランとの加水分解で生じるシラノールの脱水縮合による架橋密度を高くする。架橋密度を高くすることにより、マット層に十分な硬度を付与することができる。
市販品としては、例えばKBE−04(信越化学工業(株)製)等がある。
マット剤としては、有機樹脂微粒子あるいは、無機微粒子が挙げられる。本発明においては、一次粒子径あるいは、その凝集体の体積平均粒子径が400nm以上のものをマット剤と定義する。マット剤は透光性粒子であることが好ましい。
市販品としては、例えばMX−150、MX−180、MX−80H3WT(綜研化学社製)、Nippol UFN1008(日本ゼオン社製)等が挙げられる。
図1に示されているように、マット層11は、マット剤15を保持する。マット層11の厚さはマット剤15の体積平均粒子径rとの関係によって決められることが好ましく、厚さの範囲は0.4〜3.0μmであることが好ましい。
なお、第1の実施形態におけるマット層の鉛筆硬度は、マット層自体に傷がつくことも防ぐため、F以上であることが好ましく、H以上であることがより好ましい。
また、Rzのばらつきを示すσ(Rz)は、0.1未満であればよく、0.08未満であることが好ましく、0.05以下であることがさらに好ましい。さらに、σ(Rz)/Rzは0.12未満であればよく、0.08以下であることが好ましく、0.05以下であることがさらに好ましい。σ(Rz)やσ(Rz)/Rzを上記範囲内とすることにより、外光の映りこみ抑制しつつ、近接する他のシートを傷付けたり、マット層自体に傷が付くことを防ぐことができる。
無機微粒子としては、例えば、導電性の金属微粒子や金属酸化物微粒子等があげられる。金属の具体例としては、アンチモン、セレン、チタン、タングステン、スズ、亜鉛、インジウム、ジルコニア等があり、金属酸化物の具体例としては、酸化アンチモン、酸化セレン、酸化チタン、酸化タングステン、酸化スズ、アンチモンドープ酸化スズ(ATO(アンチモンをドープした酸化スズ))、リンドープ酸化スズ、酸化亜鉛、アンチモン酸亜鉛、スズドープ酸化インジウム、シリカ等が挙げられる。中でもシランカップリング剤との架橋の観点からコロイダルシリカを用いることが好ましい。
本発明のマット層は界面活性剤を含む。界面活性剤としては、公知のアニオン性、ノニオン性、カチオン性、フッ素系、シリコーン系の界面活性剤が挙げられる。界面活性剤については、例えば、「界面活性剤便覧」(西一郎、今井怡知一郎、笠井正蔵編、産業図書(株)、1960年発行)に記載されている。このうち、アニオン性界面活性剤および/またはカチオン性界面活性剤が好ましく用いられる。
市販のアニオン性界面活性剤としては、例えば、ラピゾールA−90、ラピゾールA−80、ラピゾールBW−30、ラピゾールB−90、ラピゾールC−70(商品名:日本油脂(株)製)、NIKKOL OTP−100(商品名:日光ケミカル(株)製)、コハクールON、コラクールL−40、フォスファノール702(東邦化学(株)製)、ビューライトA−5000、ビューライトSSS、サンデッドBL(三洋化成工業(株)製)等を挙げることができる。
他にも市販のカチオン性界面活性剤として、例えばフタロシアニン誘導体(商品名:EFKA−745、森下産業(株)製)、オルガノシロキサンポリマーKP341(信越化学工業(株)製)、(メタ)アクリル酸系(共)重合体ポリフローNo.75、No.90、No.95(共栄社化学(株)製)、W001(裕商(株)製)等が挙げられる。
マット層用塗布液は硬化剤を含んでもよく、硬化剤は水溶性であることが好ましい。硬化剤は、シラノールの脱水縮合を促してシロキサン結合の形成を促進させるものである。水溶性の硬化剤としては、水溶性の無機酸、有機酸、有機酸塩、無機酸塩、金属アルコキシド、金属錯体を用いることができる。
市販品としては、例えばアルミキレートA(W)(川崎ファインケミカル(株)製)等が挙げられる。
マット層の23℃、相対湿度65%における表面抵抗率は1.0×1012Ω/sq以下であることが好ましい。23℃、相対湿度65%における表面抵抗率を上記範囲内とすることにより、光学積層フィルムに帯電防止機能を付与することができ、積層フィルムの表面に異物が付着すること、印刷過程でロール接触による帯電により引き起こされるインクの飛散によるエラーを防ぐことができる。
このため、マット層の23℃、相対湿度65%における表面抵抗率は1.0×1012Ω/sq以下が好ましく、1.0×108Ω/sq〜1.0×1012Ω/sq以下がより好ましい。
市販品としては、例えばFS−10D、SN−38F、SN−88F、SN−100F、TDL−S、TDL−1(いずれも、石原産業(株)製)等が挙げられる。
電飾用シートの表面特性、特に摩擦係数を制御するために、マット層用塗布液には、ワックスを含ませてもよい。
これら成分の硬化においては、熱硬化や紫外線等の放射線による硬化方法を用いることができ、Irg184(BASF社製)等の市販の重合開始剤を添加してもよい。
図1(b)に示すように、マット層11には、支持体12に固定する目的で、マット層11と支持体12の間にさらに中間層11aを介在させてもよい。
またポリエステルとしては、例えば、ポリヒドロキシブチレート(PHB)系、ポリカプロラクトン(PCL)系、ポリカプロラクトンブチレンサクシネート系、ポリブチレンサクシネート(PBS)系、ポリブチレンサクシネートアジペート(PBSA)系、ポリブチレンサクシネートカーボネート系、ポリエチレンテレフタレートサクシネート系、ポリブチレンアジペートテレフタレート系、ポリテトラメチレンアジペートテレフタレート系、ポリブチレンアジペートテレフタレート系、ポリエチレンサクシネート(PES)系、ポリグリコール酸(PGA)系、ポリ乳酸(PLA)系、脂肪族ポリエステルのカーボネート共重合体、脂肪族ポリエステルとポリアミドとの共重合体などが挙げられる。ポリエステルは、ファインテックスES650、ES2200(DIC(株)製)、バイロナールMD1245、MD1400、MD1480(東洋紡(株)製)、ペスレジンA−110、A−124GP、A−520、A−640(高松油脂(株)製)、プラスコートZ561、Z730、Z687、Z592(互応化学(株)製)の市販品としても入手可能である。
図1(a)に示されるように、支持体12は、マット層11の上に積層される。また、図1(b)に示されるように、支持体12とマット層11の間に中間層11aを設けてもよい。図1(a)および(b)に示されているように、支持体12とマット層11または中間層11aの界面は平坦である。
この中でも、PET、PEN、トリアセチルセルロース、セルロース誘導体がより好ましく、PET、PENが特に好ましい。
易接着層は、支持体のマット層が設けられている側の面と反対側の面に設けられる。易接着層は、支持体のインク組成物に対する接着性を向上させ、インク組成物との密着力を高めるために支持体の一方面であって、マット層11とは反対側の面に設けられる。易接着層は1層であってもよいし、2層以上の積層構造をとってもよい。なお、易接着層はインク受容層と呼ばれることもある。
ポリエステル、ポリウレタン、アクリル樹脂、スチレンブタジエン共重合体については、例えば前述の中間層に使用するバインダーと同様のものが好適に用いられる。
・エチレン又はポリプロピレンと、アクリルモノマー又はメタクリルモノマーとからなる共重合体
・エチレン又はポリプロピレンと、カルボン酸(無水物を含む)とから成る共重合体
・エチレン又はポリプロピレンと、アクリルモノマー又はメタクリルモノマーと、カルボン酸(無水物を含む)とから成る共重合体
オキサゾリン系化合物は、下記式(1)で示されるオキサゾリン基をもつ化合物である。
カルボジイミド系化合物は、−N=C=N−で示される官能基をもつ化合物である。ポリカルボジイミドは、通常、有機ジイソシアネートの縮合反応により合成されるが、この合成に用いられる有機ジイソシアネートの有機基は特に限定されず、芳香族系、脂肪族系のいずれか、あるいはそれらの混合系も使用可能である。ただし、反応性の観点から脂肪族系が特に好ましい。合成の原料としては、有機イソシアネート、有機ジイソシアネート、有機トリイソシアネート等が使用される。有機イソシアネートの例としては、芳香族イソシアネート、脂肪族イソシアネート、及び、それらの混合物が使用可能である。
具体的には、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、4,4−ジフェニルジメチルメタンジイソシアネート、1,4−フェニレンジイソシアネート、2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、シクロヘキサンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、4,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、1,3−フェニレンジイソシアネート等が用いられ、また、有機モノイソシアネートとしては、イソホロンイソシアネート、フェニルイソシアネート、シクロヘキシルイソシアネート、ブチルイソシアネート、ナフチルイソシアネート等が使用される。また、カルボジイミド系化合物は、例えば、カルボジライトV−02−L2(日清紡(株)製)等の市販品としても入手可能である。
脂肪族ワックスの具体例としては、カルナバワックス、キャンデリラワックス、ライスワックス、木ロウ、ホホバ油、パームワックス、ロジン変性ワックス、オウリキュリーワックス、サトウキビワックス、エスパルトワックス、バークワックス等の植物系ワックス、ミツロウ、ラノリン、鯨ロウ、イボタロウ、セラックワックス等の動物系ワックス、モンタンワックス、オゾケライト、セレシンワックス等の鉱物系ワックス、パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、ペトロラクタム等の石油系ワックス、フィッシャートロプッシュワックス、ポリエチレンワックス、酸化ポリエチレンワックス、ポリプロピレンワックス、酸化ポリプロピレンワックス等の合成炭化水素系ワックスを挙げることができる。この中でも、カルナバワックス、パラフィンワックス、ポリエチレンワックスが特に好ましい。これらは環境負荷の低減が可能であることおよび取扱のし易さから水分散体として用いることも好ましい。市販品としては例えばセロゾール524(中京油脂(株)製)などが挙げられる。
滑り剤は、1種のみを用いてもよいし、2種類以上を組み合わせてもよい。
中間層を設けるときのインク受容層の厚みは、0.1〜1μmであることが好ましく、0.2〜0.6μmであることがより好ましい。
第1の実施形態の電飾用シートの製造方法は、シランカップリング剤、体積平均粒子径がrのマット剤および界面活性剤を含む塗布液を支持体上に塗布し、膜厚がtのマット層を形成する工程を含む。シランカップリング剤は4官能のアルコキシシランと3官能または2官能のアルコキシシランを含み、4官能のアルコキシシランと3官能または2官能のアルコキシシランのモル比は25:75〜85:15である。また、rとtの関係は、t<rである。さらに、塗布液中の無機微粒子の含有量が20%以下である。
第2の実施形態では、マット層が、粒径が0.4〜3μmのマット剤およびバインダーを含み、マット剤とバインダーとの屈折率差が0.1以下である以外は第1の実施形態と同様である。即ち、第2の実施形態の電飾用シートにおける支持体、中間層、および易接着層は、第1の実施形態と同様のものを用いることができ、好ましい範囲も同様である。
第2の実施形態におけるマット層は、バインダーとマット剤とを有することが好ましい。バインダーは、光硬化型樹脂を用いることが好ましく、マット剤は、粒径が0.4〜3μmである以外は第1の実施形態で用いるマット剤と同様のものを用いることができ、好ましい範囲も同様である。また、第2の実施形態のマット層は、第1の実施形態と同様に、無機微粒子、界面活性剤、硬化剤、帯電防止剤、その他の添加物を含んでいてもよい。また、特開2012−189978号公報に記載の添加剤を好ましく用いられる。
第2の実施形態で使用するマット剤の粒径としては、0.4〜3μmが好ましい。
マット層の厚さは、0.4〜3.0μmであることが好ましく、0.7〜3.0μmであることがより好ましく、0.8〜3.0μmであることがさらに好ましい。
第2の実施形態の電飾用シートの製造方法は、その製造方法に特に制限なく作製することが可能であり、例えば、マット剤およびバインダーを含む塗布液を支持体上に塗布し、紫外線などの放射線を照射してマット層を形成する工程を含む以外は、第1の実施態様と同様に製造することができる。
本発明の電飾用印刷物の製造方法は、本発明の電飾用シート上に、インク組成物をインクジェット記録装置により吐出する工程と、吐出された前記インク組成物に放射線を照射して、前記インク組成物を硬化させる工程と、を含むことを特徴とする。
放射線とは、その照射によりインク組成物中において開始種を発生させうるエネルギーを付与することができるものであれば、特に制限はなく、広くα線、γ線、X線、紫外線、可視光線、電子線などを包含するものである。中でも、硬化感度及び装置の入手容易性の観点から紫外線および電子線が好ましく、特に紫外線が好ましい。したがって、本発明では、紫外線硬化型のインク組成物が好ましい。
無溶剤型放射線硬化型インク組成物としては、例えば、特開2004−131725公報、特開2009−299057公報などの記載を参酌することができ、その内容は本願明細書に取り込まれる。
インク供給系は、例えば、本発明のインク組成物を含む元タンク、供給配管、インクジェットヘッド直前のインク供給タンク、フィルター、ピエゾ型のインクジェットヘッドからなる。ピエゾ型のインクジェットヘッドは、好ましくは1〜100pl、より好ましくは8〜30plのマルチサイズドットを、好ましくは320×320〜4,000×4,000dpi、より好ましくは400×400〜1,600×1,600dpi、さらに好ましくは720×720dpiの解像度で吐出できるよう駆動することができる。なお、本発明でいうdpiとは、2.54cm当たりのドット数を表す。
温度コントロールの方法としては、特に制約はないが、例えば、温度センサーを各配管部位に複数設け、インク流量、環境温度に応じた加熱制御をすることが好ましい。温度センサーは、インク供給タンク及びインクジェットヘッドのノズル付近に設けることができる。また、加熱するヘッドユニットは、装置本体を外気からの温度の影響を受けないよう、熱的に遮断もしくは断熱されていることが好ましい。加熱に要するプリンター立上げ時間を短縮するため、あるいは熱エネルギーのロスを低減するために、他部位との断熱を行うとともに、加熱ユニット全体の熱容量を小さくすることが好ましい。
放射線硬化型インク組成物は、概して通常インクジェット記録用インクで使用される水性インクより粘度が高いため、吐出時の温度変動による粘度変動が大きい。インク組成物の粘度変動は、液滴サイズの変化及び液滴吐出速度の変化に対して大きな影響を与え、ひいては画質劣化を引き起こす。したがって、吐出時のインク組成物の温度はできるだけ一定に保つことが必要である。よって、本発明において、インク組成物の温度の制御幅は、好ましくは設定温度の±5℃、より好ましくは設定温度の±2℃、さらに好ましくは設定温度±1℃とすることが適当である。
また、インクジェット記録装置を用いたインクジェット記録装置は、ワイドフォーマットインクジェットプリンターシステムを用いることが好ましい。ワイドフォーマットインクジェットプリンターシステムとは、インクジェット記録装置からインク組成物を吐出したとほぼ同時に放射線を照射させて、吐出されたインク組成物を硬化させるシステムであり、短時間で大型の印刷物を作製することが可能となる。
本発明のインクジェット用記録シート上に吐出されたインク組成物は、放射線を照射することによって硬化する。これは、インク組成物に含まれるラジカル重合開始剤が放射線の照射により分解して、ラジカルを発生し、そのラジカルによってラジカル重合性化合物の重合反応が、生起、促進されるためである。このとき、インク組成物においてラジカル重合開始剤と共に増感剤が存在すると、系中の増感剤が放射線を吸収して励起状態となり、ラジカル重合開始剤と接触することによってラジカル重合開始剤の分解を促進させ、より高感度の硬化反応を達成させることができる。
また、発光ダイオード(LED)及びレーザーダイオード(LD)を放射線源として用いることが可能である。特に、紫外線源を要する場合、紫外LED及び紫外LDを使用することができる。例えば、日亜化学(株)は、主放出スペクトルが365nmと420nmとの間の波長を有する紫色LEDを上市している。さらに一層短い波長が必要とされる場合、米国特許番号第6,084,250号明細書は、300nmと370nmとの間に中心付けされた放射線を放出し得るLEDを開示している。また、他の紫外LEDも、入手可能であり、異なる紫外線帯域の放射を照射することができる。本発明で特に好ましい放射線源はUV−LEDであり、特に好ましくは350〜420nmにピーク波長を有するUV−LEDである。
なお、LEDの被記録媒体上での最高照度は10〜2,000mW/cm2であることが好ましく、20〜1,000mW/cm2であることがより好ましく、50〜800mW/cm2であることが特に好ましい。
放射線の照射条件並びに基本的な照射方法は、特開昭60−132767号公報に開示されている。具体的には、インクの吐出装置を含むヘッドユニットの両側に光源を設け、いわゆるシャトル方式でヘッドユニットと光源を走査することによって行われる。放射線の照射は、インク着弾後、一定時間(好ましくは0.01〜0.5秒、より好ましくは0.01〜0.3秒、さらに好ましくは0.01〜0.15秒)をおいて行われることになる。このようにインク着弾から照射までの時間を極短時間に制御することにより、被記録媒体に着弾したインクが硬化前に滲むことを防止するこが可能となる。また、多孔質な被記録媒体に対しても光源の届かない深部までインクが浸透する前に露光することができるため、未反応モノマーの残留を抑えることができるので好ましい。
さらに、駆動を伴わない別光源によって硬化を完了させてもよい。国際公開第99/54415号パンフレットでは、照射方法として、光ファイバーを用いた方法やコリメートされた光源をヘッドユニット側面に設けた鏡面に当て、記録部へUV光を照射する方法が開示されており、このような硬化方法もまた、本発明の製造方法に適用することができる。
ワイドフォーマットUVインクジェットプリンターシステムとしては、LuxelJet UV360GTW/XTWおよびUV550GTW/XTWシリーズ、Acuity LED 1600(いずれも富士フイルム株式会社製)、inca SP320/SP320e/SP320S/SP320W(Inca Digital Printers Limited製)などを用いることができる。
なお、本発明の印刷物の製造方法にてカラー画像を得るためには、各色のインク組成物(インクセット)を用い、明度の低い色から順に重ねていくことが好ましい。具体的には、イエロー、シアン、マゼンタ、ブラックのインク組成物からなるインクセットを使用する場合には、イエロー→シアン→マゼンタ→ブラックの順で本発明のインクジェット用記録シート上に付与することが好ましい。さらに、ライトシアン、ライトマゼンタ色のインク組成物群と、シアン、マゼンタ、ブラック、ホワイト、イエローの濃色インク組成物群と、の計7色が少なくとも含まれるインクセットを使用する場合には、その場合には、ホワイト→ライトシアン→ライトマゼンタ→イエロー→シアン→マゼンタ→ブラックの順で本発明のインクジェット用記録シート上に付与することが好ましい。
このように、明度の低いインクから順に重ねることにより、下部のインクまで照射線が到達しやすくなり、良好な硬化感度、残留モノマーの低減、密着性の向上が期待できる。また、照射は、全色を吐出してまとめて露光することが可能だが、1色毎に露光するほうが、硬化促進の観点で好ましい。
本発明の電飾用印刷物は、本発明の電飾用印刷物の製造方法によって記録されたことを特徴とする。本発明の電飾用印刷物は、マット層が視認側となるように設置されることが好ましい。即ち、電飾用シートの易接着層上に形成された画像層側に光源を設け、マット層側から視認する。このような態様とすることで、印画像の鮮明度を落とさずに外光の映りこみを抑制することが可能となる。
画像層の厚みは、1〜800μmが好ましく、100〜800μmがより好ましく、500〜750μmがさらに好ましい。
印刷物の幅は、特に制限はないがワイドフォーマットインクジェットプリンターシステムで記録されることが好ましく、0.3〜5mが好ましく、0.5〜4mがより好ましく、1〜3mが特に好ましい。なお、本発明の電飾用シートおよび電飾看板の好ましい幅も、上述の本発明の印刷物の好ましい幅と同様である。
本発明の電飾用印刷物を電飾用印刷物として用いる場合、本発明の電飾用印刷物は、画像層やインク受容層の反対側が視認側となるように設置されることが好ましい。即ち、本発明のインクジェット用記録シートのインク受容層上に形成された画像層側に光源を設け、本発明の印刷物を前記支持体側から視認することが好ましい。
本発明の電飾看板は、光源と、電飾用印刷物とを有し、電飾用印刷物は、透明性、耐候の優れた2種類のアクリル樹脂などの間に配置されることが好ましい。
電飾用印刷物は、視認側がマット層となるように配置、即ち光源側が易接着層となるように配置することが好ましい。
光源は、特に限定されず、例えば電球、蛍光灯、発光ダイオード(LED)、エレクトロルミネッセンスパネル(ELP)、1本又は複数の冷陰極管(CCFL)、熱陰極蛍光灯(HCFL)等いずれも用いることができる。
[支持体の作製]
Ti化合物を触媒として重縮合した固有粘度0.66のポリエチレンテレフタレート(以下「PET」という)樹脂を含水率50ppm以下に乾燥させ、ヒータ温度が280〜300℃設定温度の押し出し機内で溶解させた。溶解させたPET樹脂をダイ部より静電印加されたチルロール上に吐出させ、非結晶ベースを得た。得られた非結晶ベースをベース走行方向に3.1倍に延伸後、幅方向に3.8倍延伸し、厚さ250μmのPET支持体を得た。
PET支持体に対し、730J/m2 の条件でコロナ放電処理を行った後、下記の塗布液Aをバーコート法によりコロナ処理面側に塗布した。そして、これを145℃で1分乾燥して、PET支持体の片面に第1接着層を設け、さらに、第1接着層の面に288J/m2 の条件でコロナ放電処理を行った。第1接着層の上に、下記の塗布液Bをバーコート法により塗布し、これを145℃で1分乾燥し、第1接着層の上に第2接着層が形成された易接着層フィルムを作製した。
塗布液Aの組成は以下の通りである。
アクリル酸エステル共重合体 63.4質量部
(東亜合成化学(株)製 ジュリマーET−410 固形分30%)
ポリオレフィン 95.1質量部
(ユニチカ(株)製 アローベースSE−1013N 固形分20質量%)
架橋剤(カルボジイミド系化合物) 31.5質量部
(日清紡(株)製 カルボジライトV−02−L2 固形分40%)
界面活性剤A 16.7質量部
(三洋化成工業(株)製 ナロアクティーCL−95の1%水溶液)
界面活性剤B 6.9質量部
(日本油脂(株)製 ラピゾールB−90の1%水溶液)
ポリスチレンラテックス水分散液 1.2質量部
(日本ゼオン Nippol UFN1008)
防腐剤 0.8質量部
(大東化学(株)製、1,2−ベンゾチアゾリン−3−オン、固形分 3.5%メタノール溶媒)
蒸留水 α 質量部
(α;塗布液Aの全体が1000質量部になるように量を調節した)
塗布液Bの組成は次の通りである。
ポリエステルの水分散液 77.6質量部
(互応化学(株)製、プラスコートZ592 固形分25%)
ポリウレタン樹脂 51.1質量部
(第一工業製薬(株)製 スーパーフレックス150HS 固形分38%)
架橋剤(オキサゾリン化合物) 15.3質量部
(日本触媒(株)製 エポクロスK−2020E 固形分40%)
界面活性剤A 29.7質量部
(三洋化成工業(株)製 ナロアクティーCL−95の1%水溶液)
界面活性剤B 12.3質量部
(日本油脂(株)製 ラピゾールB−90の1%水溶液)
滑り剤 1.8質量部
(中京油脂(株)製 カルナバワックス分散物セロゾール524 固形分30%)
防腐剤 0.7質量部
(大東化学(株)製、1,2−ベンゾチアゾリン−3−オン、固形分 3.5%メタノール溶媒)
蒸留水 α 質量部
(α;塗布液Bの全体が1000質量部になるように量を調節した)
支持体の一方の面に易接着層を形成した後、その他方の面に310J/m2 の条件でコロナ放電処理を行った後、下記組成からなる中間層用塗布液をバーコート法により塗布した。塗布量を8.4cm3/m2とし、145℃で1分乾燥した。これにより、易接着層が形成された面とは反対側に、平均膜厚約0.1μmの中間層を形成した。
自己架橋型ポリウレタン樹脂バインダー 31.5質量部
(三井化学(株)製、タケラックWS−5100、固形分30%)
二酸化スズ−アンチモン複合針状金属酸化物水分散物 43.7質量部
(石原産業(株)製、FS−10D、固形分20%)
界面活性剤C 2.1質量部
(三洋化成工業(株)製、サンデッドBLの10%水溶液、アニオン性)
界面活性剤A 21.0質量部
(三洋化成工業(株)製、ナロアクティー CL−95の1%水溶液、ノニオン性)
蒸留水 α 質量部
(α;塗布液Bの全体が1000質量部になるように量を調節した)
引き続き下記組成からなるマット層用塗布液を、バーコート法により中間層上に200J/m2 の条件でコロナ放電処理を行った後塗布した。塗布量を13.8cm3/m2とし、145℃で1分乾燥した。これにより、平均膜厚約0.85μmのマット層を形成した。
酢酸水溶液 402.0質量部
(ダイセル化学工業(株)製、工業用酢酸の1%水溶液)
3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン 110.0質量部
(信越化学工業(株)製、KBE−403)
テトラエトキシシラン 127.6質量部
(信越化学工業(株)製、KBE−04)
硬化剤 1.3質量部
(川崎ファインケミカル(株)製、アルミキレートA(W))
界面活性剤C 14.7質量部
(三洋化成工業(株)製、サンデッドBLの10%水溶液、アニオン性)
界面活性剤A 40.9質量部
(三洋化成工業(株)、ナロアクティー CL−95の1%水溶液、ノニオン性)
アクリル樹脂微粒子
(綜研化学社製、MX−150 平均粒子径1.5μm) 9.2質量部
アクリル樹脂微粒子
(綜研化学社製、MX−80H3WT 平均粒子径0.8μm) 9.2質量部
ポリスチレン樹脂微粒子の水分散体 6.9質量部
(日本ゼオン社製 Nippol UFN1008 固形分20% 平均粒子径1.9μm)
蒸留水 α 質量部
(α;塗布液Bの全体が1000質量部になるように量を調節した)
25℃の恒温槽内で酢酸水溶液を激しく攪拌しながら、3−グリシドキシプロピルトリエトキシシランを、この酢酸水溶液中に3分間かけて滴下した。1時間攪拌したのち30℃の恒温槽にて引き続き、テトラエトキシシシランを、酢酸水溶液中に強く攪拌しながら5分かけて添加し、その後2時間攪拌を続けた。さらに1時間かけて10℃へ冷却を行った。このようにして得られた水溶液を水溶液Xとする。
また、硬化剤、界面活性剤、蒸留水、及び樹脂微粒子を添加し、5分間超音波分散を行った。このように得られた粒子分散液を水溶液Yとする。水溶液Xに水溶液Y、界面活性剤、蒸留水を順次添加したのち10℃へ冷却した。
マット層用塗布液および中間層塗布液の組成を一部変え、実施例1と同様の方法により中間層上に塗布し電飾用シートにしたものを実施例2〜9とした。
以下のようにマット層を作製した以外は実施例1と同様にして電飾用シートを作製した。
下記組成からなるマット層用塗布液を、バーコート法により中間層上に塗布した。塗布量を3.5cm3/m2とし、60℃で1分乾燥を行った後に、塗布面側からUV光(ウシオ電機(株)製メタルハライドランプUVL−1500M2)を2000mJ/cm2の条件で照射し、樹脂を硬化させた。これにより、平均膜厚約0.8μmのマット層を形成した。
MEK(メチルエチルケトン) 669.7質量部
多官能アクリルモノマー 314.5質量部
(日本化薬製 KAYARAD DPCA20)
アクリル樹脂微粒子 6.1質量部
(綜研化学社製、MX−180 平均粒子径1.8μm)
紫外線硬化樹脂 9.7質量部
(チバスペシャルティケミカルズ製 Irg184)
マット層用塗布液および中間層塗布液の組成を一部変え、実施例1と同様の方法により中間層上に塗布したものを比較例1〜6とした。マット層用塗布液の組成は下記の表2のとおりとした。
きもと社製の市販の電飾用シート「ビューフルUV TP−188」を比較例7の電飾用シート、きもと社製の市販の電飾用シート「ビューフルUV MT−188」を比較例8の電飾用シート、きもと社製の市販の電飾用シート「ビューフルUV NH−308」を比較例9の電飾用シートとして用いた。
実施例1〜9、比較例1〜9の電飾用シートを用いて、以下の各項目を評価した。結果を表3に示す。
電飾用シートの形態において、ヘイズメーター(NDH−5000、日本電色工業(株))を用い、JIS−K−7105に準じて、ヘイズを測定した。
膜厚のばらつきなく測定できる程度の点数でSEMによる膜の断面写真を撮影し、各部で厚みを測定し、その値を平均することで求めた。
10点平均粗さ(Rz)は、触針式表面粗さ計「ハンディサーフ E−35B」{(東京精密社製}を用いて、JIS B−0601(1994)にしたがい設定し、該表面粗さ計より導出される値を採用した。
JIS(K−5600−5−4)に準拠してマット層塗布面側に対して実施した。
写像性測定器ICM−1DP(スガ試験器社製)を使用し、JIS(K−7105)に準拠して実施した。マット層塗布面側から光を入射させる形で測定した。
各実施例および各比較例で得られた電飾用シートの表面抵抗SR(Ω/sq)を、JIS−K−6911−1995の抵抗率に記載されている方法に基づいて測定した。この表面抵抗SR(Ω/sq)の測定は、各プリズムシート用積層フィルムを23℃、相対湿度65%の雰囲気下で3時間放置して調湿した後、レジスティビティチャンバー(12702A エーディーイー社製)および、デジタル超高抵抗/微少電流計(8340A、エーディーイー社製)を用い同雰囲気下で行われた。
インクとして、無溶剤型放射線硬化型インク(FUJIFILM Speciality Ink System Limited 製、製品番号 UVIJET KO 021 White、UVIJET KO 004 Black、UVIJET KO 215 Cyan 、UVIJET KO 867 Magenta、UVIJET KO 052 Yellow)を用いた。
印刷機として、「ワイドフォーマットUVインクジェットプレスLuxelJet UV550GTW、富士フイルム製」を使用し、(波長 :365nm〜405nm、印画スピード22m2/hr)でカラー画像を2回印刷することで、約2m巾x1.5mサイズの印刷物(電飾用シート)を得た。乾燥後の画像層の厚みは、500〜720μmであった。
上記の方法にて画像を出力した電飾用シートを、評価台の上で、30°方向の角度から天井の蛍光灯がシートに映るような場所に設置し、蛍光灯の写りこみに関しで以下のA〜Eで目視判定した。
A〜Cを性能許容と判断した。
A 蛍光灯像の輪郭がみえない
B 蛍光灯像の輪郭がほぼみえない
C 蛍光灯像の輪郭が若干みえるが、印画像ははっきり視認できる
D 蛍光灯像の輪郭がかなり見え、印画像がはっきり見えない
E 蛍光灯像の輪郭が映りこみ、印画像がわからない
上記画像を出力した電飾用シートを、評価台の上に置き天井灯を輪郭の映らない拡散光源として印画像の鮮明度を以下のA〜Eで目視判定した。
A〜Bを性能許容と判断した。
A 印画像の色がはっきりみえる
B 印画像中の黒色部がわずかに白味がかる
C 印画像中の各色がわずかに白味がかる
D 印画像の黒部の白味が強くみえる
E 印画像の全体が白くなりコントラストがさがる
内寸1100mm(縦)×1300mm(横)×120mm(奥行)の箱体内に20W蛍光灯を6本平行に配置したものを用い、光源側から順に厚み2mmの乳白色アクリル板、上記の方法にて作製および評価を行った後の電飾用印刷物、厚み2mmの無色透明アクリル板となるように配置し電飾看板を作製した。なお、電飾用印刷物の向きは、マット層側が無色透明アクリル板側に向くように配置した。
11 マット層
11a 中間層
12 支持体
13 易接着層
15 マット剤
101 検出器
102 光
103 電飾用シートの法線
Claims (23)
- 支持体と、前記支持体の一方の面に配置されたマット層と、前記支持体の他方の面に配置された易接着層とを有し、
2mm間隔のくし歯における写像性の透過値(%)、および光の進行方向とシートの法線とのなす角を60度としたときの2mm間隔のくし歯における60度反射の写像性値(%)が以下の関係式を満たすことを特徴とする電飾用シート。
写像性の透過値(%)/60度反射の写像性値(%)≧2 - 前記マット層が、ケイ素含有樹脂、マット剤および界面活性剤を含む請求項1に記載の電飾用シート。
- 前記ケイ素含有樹脂は、シランカップリング剤を縮合した縮合体を含む請求項2に記載の電飾用シート。
- 前記シランカップリング剤は4官能のアルコキシシランと3官能または2官能のアルコキシシランとを含み、前記4官能のアルコキシシランと3官能または2官能のアルコキシシランのモル比は25:75〜85:15である請求項3に記載の電飾用シート。
- 前記マット剤の体積平均粒子径をrとし、前記マット層の平均膜厚をtとした場合、t<rである請求項2〜4のいずれか1項に記載の電飾用シート。
- 前記マット層中に無機微粒子を含有し、前記無機微粒子の含有量が20%以下である請求項1〜5のいずれか1項に記載の電飾用シート。
- 前記シランカップリング剤は4官能のアルコキシシランおよび3官能のアルコキシシランを含み、前記4官能のアルコキシシランと前記3官能のアルコキシシランのモル比が25:75〜85:15である請求項3〜6のいずれか1項に記載の電飾用シート。
- 前記3官能のアルコキシシランがエポキシ基を有するアルコキシシランである請求項4〜7のいずれか1項に記載の電飾用シート。
- 前記3官能のアルコキシシランが3−グリシドキシプロピルトリエトキシシランである請求項4〜8のいずれか1項に記載の電飾用シート。
- 前記マット層が、粒径が0.4〜3μmのマット剤およびバインダーを含み、前記マット剤と前記バインダーとの屈折率差が0.1以下である請求項1に記載の電飾用シート。
- 前記支持体と前記マット層の間に中間層をさらに有する請求項1〜10のいずれか1項に記載の電飾用シート。
- ヘイズ値が3〜35%である請求項1〜11のいずれか1項に記載の電飾用シート。
- 前記マット層の鉛筆硬度が、F以上である請求項1〜12のいずれか1項に記載の電飾用シート。
- 前記マット層の23℃、相対湿度65%における表面抵抗率が、1.0×1012Ω/sq以下である請求項1〜13のいずれか1項に記載の電飾用シート。
- 前記マット層が視認側となるように設置する請求項1〜14のいずれか1項に記載の電飾用シート。
- 請求項1〜15のいずれか1項に記載の電飾用シート上に、インク組成物をインクジェット記録装置により吐出する工程と、吐出されたインク組成物に放射線を照射して、前記インク組成物を硬化させる工程と、を含む電飾用印刷物の製造方法。
- 前記インク組成物が、放射線硬化型インク組成物である、請求項16に記載の電飾用印刷物の製造方法。
- 前記インク組成物が、無溶剤系の放射線硬化型インク組成物である、請求項17に記載の電飾用印刷物の製造方法。
- 前記インクジェット記録装置が、ワイドフォーマットインクジェットプリンターシステムである、請求項16〜18のいずれか1項に記載の電飾用印刷物の製造方法。
- 請求項16〜19のいずれか1項に記載の電飾用印刷物の製造方法により製造された電飾用印刷物。
- 請求項1〜15のいずれか1項に記載の電飾用シートにおけるマット層が視認側となるように設置する請求項20に記載の電飾用印刷物。
- 請求項20または21に記載の電飾用印刷物と、光源とを有する電飾看板。
- 請求項1〜15のいずれか1項に記載の電飾用シートにおけるマット層が視認側となるように設置する請求項22に記載の電飾看板。
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