JP2006145910A - 内照式電飾看板用不燃性シート - Google Patents

内照式電飾看板用不燃性シート Download PDF

Info

Publication number
JP2006145910A
JP2006145910A JP2004336758A JP2004336758A JP2006145910A JP 2006145910 A JP2006145910 A JP 2006145910A JP 2004336758 A JP2004336758 A JP 2004336758A JP 2004336758 A JP2004336758 A JP 2004336758A JP 2006145910 A JP2006145910 A JP 2006145910A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
sheet
weight
layered silicate
parts
oxygen
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2004336758A
Other languages
English (en)
Inventor
Tetsuya Kusano
哲也 草野
Toshiaki Tanaka
俊章 田中
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sekisui Chemical Co Ltd
Original Assignee
Sekisui Chemical Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sekisui Chemical Co Ltd filed Critical Sekisui Chemical Co Ltd
Priority to JP2004336758A priority Critical patent/JP2006145910A/ja
Publication of JP2006145910A publication Critical patent/JP2006145910A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Laminated Bodies (AREA)
  • Illuminated Signs And Luminous Advertising (AREA)

Abstract

【課題】 高い透光性及び不燃性を有し、かつ、耐候性、耐水性、耐摩耗性、柔軟性及び抗張力等の力学的強度に優れる内照式電飾看板用不燃性シートを提供する。
【解決手段】 ガラスクロスと、前記ガラスクロスの片面又は両面に積層された不燃性樹脂層とからなる内照式電飾看板用不燃性シートであって、前記ガラスクロスは、経糸密度及び緯糸密度が15〜45本/25mmであり、前記不燃性樹脂層は、酸素含有熱可塑性樹脂、層状珪酸塩及び難燃剤を含有し、前記層状珪酸塩は、広角X線回折測定法により測定した(001)面の平均層間距離が3nm以上であり、かつ、一部又は全部が5層以下に分散している内照式電飾看板用不燃性シート。
【選択図】 なし

Description

本発明は、高い透光性及び不燃性を有し、かつ、耐候性、耐水性、耐摩耗性、柔軟性及び抗張力等の力学的強度に優れる内照式電飾看板用不燃性シートに関する。
内照式電飾看板は、商店やコンビニエンスストア等の店名表示や商品の広告等の幅広い分野で使用されており、例えば、所定の標示が施された透光性のシート材の背後に光源を配置し、その光源からの光をシート材に照射して、所定の標示が浮かび上がらせるようにしたものが知られている。
このような内照式電飾看板に用いられるシート材には、耐候性、耐水性、耐磨耗性、柔軟性及び抗張力等の力学的性質と同時に、使用部位によっては、建築基準法に規定されているように火災時における延焼を防ぐため、難燃性が必要とされている。このため、通常、シート材としては、ポリエステル繊維やガラス繊維等のシート状繊維を基材として、これに難燃性の樹脂を被覆したものが用いられている。従来より、被覆用の難燃性樹脂としては、軟質ポリ塩化ビニル系樹脂やポリテトラフルオロエチレン系樹脂等が用いられていた。
しかしながら、軟質ポリ塩化ビニル系樹脂を用いた場合は、含有される可塑剤や難燃剤等が、経時的に表層へ滲み出すことにより、表面の粘着性が増し大気中の汚れが付着したり、柔軟性、耐候性又は不燃性等が低下したりする問題があった。また、ポリテトラフルオロエチレン系樹脂を用いた場合は、柔軟性、機械的強度等が低下するとともに、成形性が悪いという問題があった。
一方、工業用途に用いられる高分子材料には、近年、廃プラスチックの処理や環境ホルモンの問題から、環境に負荷をかけない材料、即ち、環境適応型材料への転換が望まれている。具体的には、燃焼時のダイオキシン発生や可塑剤の毒性等の問題から、例えば、ポリ塩化ビニル系樹脂からポリオレフィン系樹脂への転換が検討されている。
このように、近年では、環境対応型材料へ転換するためにポリオレフィン系樹脂等の熱可塑性樹脂を用いた、いわゆるエコ材料に対する要求が高まっているが、熱可塑性樹脂は、最も燃焼性の高い樹脂の1つであるので、難燃性を発現させることは最も困難な課題となっている。
このような問題点を解決するために、現状では、大量の難燃剤を熱可塑性樹脂に練り込んで使用することが多い。なかでも、含ハロゲン難燃剤は、難燃化の効果が高く、成形性の低下や成形体の力学的強度の低下等も比較的少ないことから多用されている。しかし、含ハロゲン難燃剤を用いた場合、成形加工時や燃焼時に多量のハロゲン系ガスが発生して、機器が腐食したり、人体に悪影響を及ぼす等の恐れがあるために、安全性の面からハロゲン含有化合物を使用しない、いわゆる非ハロゲン難燃化処理方法が強く望まれている。
このため、熱可塑性樹脂の非ハロゲン難燃化処理方法の1つとして、燃焼時に有毒なガスを発生しない、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、塩基性炭酸マグネシウム等の金属化合物を添加する方法が、特許文献1及び特許文献2に開示されている。
しかしながら、易燃性の熱可塑性樹脂に充分な難燃性を付与するためには、大量の無機系難燃剤を添加する必要があり、その結果、得られる組成物やこの組成物からなる成形体の力学的強度が著しく低下して、実用に供することが難しいという問題があった。特に大量
の無機系難燃剤を添加した場合、フィルム材料に必要な柔軟性や伸び等の物性を確保することが困難であるという問題があった。
一方、内照式電飾看板に用いられるシート材には、電飾看板として使用する場合の意匠性や鮮明性を確保するため、充分な透光性を有していることが必要とされることから、従来、シート材の基材としてガラスクロスを用いる場合は、ガラスクロスの糸密度を小さくして、織目を粗くすることにより、シート材の透光性を向上させていた。
しかしながら、織目を粗いガラスクロスを用いた場合、実際の燃焼時に形状を維持することができないため、強固な不燃被膜層を形成することができず、更に、織目の間から可燃性ガスが流出するため、延焼をくい止めることができなかった。
特開昭57−165437号公報 特開昭61−36343号公報
本発明は、上記に鑑み、高い透光性及び不燃性を有し、かつ、耐候性、耐水性、耐摩耗性、柔軟性及び抗張力等の力学的強度にも優れる内照式電飾看板用不燃性シートを提供することを目的とする。
本発明は、ガラスクロスと、上記ガラスクロスの片面又は両面に積層された不燃性樹脂層とからなる内照式電飾看板用不燃性シートであって、上記前記ガラスクロスは、経糸密度及び緯糸密度が15〜45本/25mm以下であり、上記不燃性樹脂層は、酸素含有熱可塑性樹脂、層状珪酸塩及び難燃剤を含有し、上記層状珪酸塩は、広角X線回折測定法により測定した(001)面の平均層間距離が3nm以上であり、かつ、一部又は全部が5層以下に分散している内照式電飾看板用不燃性シートである。
なお、本明細書において、不燃性シートとは、建築基準法施行令108条の2に準拠した発熱性試験を行った場合に、50kW/mの輻射加熱条件下で20分間加熱し燃焼した時の総発熱量が8MJ/m未満、200kW/mを超える発熱時間が10秒未満であり、かつ、発熱性試験後のサンプル(供試体)に亀裂や穴開き等が観察されないシートを意味する。
以下に本発明を詳述する。
本発明の内照式電飾看板用不燃性シートは、ガラスクロスと、上記ガラスクロスの片面又は両面に積層された不燃性樹脂層とからなる。
本発明者らは鋭意検討した結果、糸密度が大きく、織目の粗いガラスクロスに、層状珪酸塩がナノメートルオーダーで微分散した不燃性樹脂層を積層することにより、高い透光性を有し、内照式看板に使用した場合に優れた意匠性や鮮明性を確保することができ、かつ、燃焼時には層状珪酸塩がガラスクロスの隙間に入り込み、高強度の不燃被膜層が形成されることから、優れた不燃性を有する内照式電飾看板用不燃性シートとすることができることを見出し、本発明を完成させるに至った。
上記ガラスクロスは、経糸密度及び緯糸密度の下限が15本/25mm、上限が45本/25mmである。
経糸密度及び緯糸密度が15本/25mm未満であると、内照式電飾看板用不燃性シートの抗張力、引裂強度等の力学的強度が低下することがあり、45本/25mmを超えると、透光性が低下し、内照式看板用のシート材として用いた場合に意匠性、鮮明性が低下する。好ましい下限は20本/25mm、好ましい上限は40本/25mmである。
上記ガラスクロスは、単繊維の直径の好ましい下限が3μm、好ましい上限が10μmであ
る。3μm未満であると、耐候性、耐磨耗性及び抗張力等の力学的強度が低下することが
あり、10μmを超えると、透光性が低下し、内照式看板用のシート材として用いた場合
に意匠性、鮮明性が低下することがある。
上記ガラスクロスの厚さの好ましい下限は100μm、好ましい上限は400μmである。100μm未満であると、機械強度が不足し、かつ、不燃性フィルムの不燃性能が不充分
となることがある。400μmを超えると柔軟性が低下する。
上記ガラスクロスの重量の好ましい下限は150g/m、好ましい上限は350g/mである。150g/m未満であると、充分な柔軟性、抗張性等の力学的強度を得られないことがあり、350g/mを超えると、重量が大きすぎて、施工性等が低下することがある。
上記ガラスクロスとしては、難燃性能を向上させるために、表面をポリリン酸カルバメート等の難燃剤により処理したものを用いてもよい。上記ポリリン酸カルバメート等の難燃剤の塗工量としては特に限定されないが、好ましい下限は固形分として20g/m、上限は70g/mである。20g/m未満であると、難燃性が不充分となることがあり、70g/mを超えると、繊維自身が硬くなり、内照式電飾看板用不燃性シートとして要求される柔軟性が低下することがある。
上記不燃性樹脂層は、酸素含有熱可塑性樹脂、層状珪酸塩及び難燃剤を含有する。
上記酸素含有熱可塑性樹脂としては、なかでも、エチレン−(メタ)アクリル酸アルキル共重合体、エチレン−(メタ)アクリル酸共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体及びエチレン−ビニルアルコール共重合体からなる群より選択される少なくとも1種を用いることが好ましい。
上記酸素含有熱可塑性樹脂を用いる場合、エチレンと共重合する物質に由来する成分、即ち、(メタ)アクリル酸アルキル、(メタ)アクリル酸、酢酸ビニル又はビニルアルコール等に由来する成分の含有量の好ましい下限は10重量%であり、好ましい上限は50重量%である。10重量%未満であると、内照式電飾看板用不燃性シートの不燃性が不充分となることがあり、50重量%を超えると、内照式電飾看板用不燃性シートの成形(製膜)が困難となったり、成形後の内照式電飾看板用不燃性シートがブロッキングを起こすことがある。
より好ましい下限は10重量%であり、より好ましい上限は30重量%である。
上記酸素含有熱可塑性樹脂の酸素含有量の好ましい下限は3重量%であり、好ましい上限は20重量%である。3重量%未満であると、内照式電飾看板用不燃性シートの不燃性が不充分となることがあり、20重量%を超えると、内照式電飾看板用不燃性シートの成形が困難となったり、内照式電飾看板用不燃性シートの表面がべたついて。塵挨が付着する等の不具合を生じることがある。より好ましい下限は5重量%であり、より好ましい上限は15重量%である。
上記酸素含有熱可塑性樹脂として、エチレン−酢酸ビニル共重合体を用いる場合、その形態としては特に限定されず、固形であってもよく、エチレン−酢酸ビニル共重合体からなるエマルションであってもよい。
上記エチレン−酢酸ビニル共重合体の形態がエマルションである場合、粘度の好ましい下限は1000mPa・sであり、上限は10000mPa・sである。1000mPa・s未満であると、ガラスクロスに塗工した場合、ハジキを発生し内照式電飾看板用不燃性シートの厚みが不充分となることがあり、10000mPa・sを超えると、塗工した場合にムラを発生し、均一な厚みの内照式電飾看板用不燃性シートを成形することができな
いことがある。
上記酸素含有熱可塑性樹脂の重量平均分子量の好ましい下限は5千、好ましい上限は500万であり、より好ましい下限は2万、より好ましい上限は30万である。
また、分子量分布(重量平均分子量/数平均分子量)の好ましい下限は1.1であり、好ましい上限は80であり、より好ましい下限は1.5であり、より好ましい上限は40である。
本発明の内照式電飾看板用不燃性シート中において、上記層状珪酸塩は、広角X線回折法により測定した(001)面の平均層間距離が3nm以上であり、かつ、一部又は全部が5層以下に分散している。
なお、本明細で言う、層状珪酸塩の平均層間距離とは、層状珪酸塩の微細薄片状結晶を層とした場合の平均の層間距離を意味し、X線回折ピーク及び透過型電子顕微鏡撮影により、すなわち、広角X線回折法により算出することができる。また、層状珪酸塩の分散状態は、透過型電子顕微鏡により5万倍から10万倍の倍率で観察して、一定面積中において観察できる層状珪酸塩の積層集合体の数(X)のうち、5層以下に分散している積層集合体の数(Y)をカウントし、下記式(1)により算出することができる。
5層以下に分散している層状珪酸塩の割合(%)=(Y/X)×100 (1)
本来、数十層の積層体である層状珪酸塩の層状分子が剥離して分散すると、層状珪酸塩の結晶薄片層間における相互作用がほとんど無視できるほどに弱まり、結晶薄片は酸素含有熱可塑性樹脂中で一定の間隔を保って微分散状態となり安定化する。その結果、層状珪酸塩は、結晶薄片層間の平均層間距離が大きくなるとともに分散安定化して、燃焼時においては層状珪酸塩の結晶薄片の移動によって焼結体を形成しやすくなる。すなわち、層状珪酸塩の結晶薄片層が平均層間距離3nm以上で分散した内照式電飾看板用不燃性シートは、燃焼被膜となりうる焼結体を形成しやすくなる。この焼結体は、燃焼時の早い段階で形成されるので、外界からの酸素の供給を遮断するのみならず、燃焼により発生する可燃性ガスも遮断することができ、酸素含有熱可塑性樹脂の発熱速度を抑制することができる。すなわち、優れた燃焼防止性能を発現することが可能となる。したがって、このような層状珪酸塩を酸素含有熱可塑性樹脂中に含有させ、分散させて得られる内照式電飾看板用不燃性シートは、著しく優れた不燃性、力学的強度、耐候性等の諸性能を発現するものとなる。また、上記平均層間距離は、6nm以上であることが好ましい。層状珪酸塩の結晶薄片層間の平均層間距離が6nm以上であると、層状珪酸塩の結晶薄片層が層ごとに分離し、層状珪酸塩の結晶薄片層間における相互作用がほとんど無視できるほどに弱まるので、層状珪酸塩を構成する結晶薄片の酸素含有熱可塑性樹脂中での分散状態が離砕安定化の方向に進行する利点がある。
また、層状珪酸塩の一部又は全部が5層以下に分散しているということは、本来数十層の積層体である層状珪酸塩の層状分子の一部又は全部が剥離して広く分散していることを意味しており、これも層状珪酸塩の結晶薄片層間における相互作用が弱まっていることになり、上記と同様の効果を得ることができる。また、層状珪酸塩の一部又は全部が5層以下に分散しているということは、具体的には、層状珪酸塩の集合体の10%以上が5層以下に分散している状態にあることが好ましいことを意味し、より好ましくは層状珪酸塩の集合体の20%以上が5層以下に分散している状態である。
層状珪酸塩の積層数は、5層以下に分層していることが好ましく、3層以下に分層していることがより好ましい。更に好ましくは単層状(薄片状)に分散していることである。
本発明の内照式電飾看板用不燃性シートにおいて、層状珪酸塩の結晶薄片層間の平均層間距離が3nm以上であり、かつ、層状珪酸塩の一部又は全部が5層以下に分散している状態、すなわち、酸素含有熱可塑性樹脂中に層状珪酸塩が高分散している状態であれば、燃
焼時に、層状珪酸塩がガラスクロスの隙間に入り込み、高強度の不燃被膜層が形成される。従って、このような高分散状態の層状珪酸塩とガラスクロスとを併用することにより、織目が粗いガラスクロスを用いる場合であっても、優れた不燃性を実現することができ、高い透光性と不燃性とを両立することが可能となる。
また、酸素含有熱可塑性樹脂と層状珪酸塩との界面面積が増大することから、層状珪酸塩の結晶薄片間の平均隣接距離が小さくなる。酸素含有熱可塑性樹脂と層状珪酸塩との界面面積が増大すると、層状珪酸塩の表面における酸素含有熱可塑性樹脂の拘束の度合いが高まり、弾性率等の力学的強度が向上する。また、層状珪酸塩の表面における酸素含有熱可塑性樹脂の拘束の度合いが高まると、溶融粘度が高くなって成形性も向上する。更に、層状珪酸塩の邪魔板効果により、酸素含有熱可塑性樹脂中の添加剤等のブリードアウトが抑制されるとともに、層状珪酸塩の紫外線遮蔽効果により内照式電飾看板用不燃性シートの耐候性が向上する。
上記層状珪酸塩としては、例えば、モンモリロナイト、サポナイト、ヘクトライト、バイデライト、スティブンサイト、ノントロナイト等のスメクタイト系粘土鉱物やバーミキュライト、ハロイサイト、膨潤性マイカ(膨潤性雲母)等が挙げられ、なかでも、モンモリロナイト及び/又は膨潤性マイカが好適に用いられる。これらの層状珪酸塩は、天然物であってもよいし、合成物であってもよい。また、これらの層状珪酸塩は、単独で用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。なお、本発明の内照式電飾看板用不燃性シートに用いられる層状珪酸塩とは、層間に交換性金属カチオンを有する珪酸塩鉱物を意味する。
上記層状珪酸塩としては、下記式(2)で定義される形状異方性の大きいスメクタイト系粘土鉱物や膨潤性マイカを用いることが好ましい。形状異方性の大きい層状珪酸塩を用いることにより、本発明の内照式電飾看板用不燃性シートはより優れた力学的物性を有するものとなる。
形状異方性=結晶表面(A)の面積/結晶側面(B)の面積 (2)
式中、結晶表面(A)は層表面を意味し、結晶側面(B)は層側面を意味する。
上記層状珪酸塩の形状としては特に限定されず、平均長さが0.01〜3μm、厚みが0.001〜1μm、アスペクト比が20〜500であることが好ましく、より好ましくは、平均長さが0.05〜2μm、厚みが0.01〜0.5μm、アスペクト比が50〜200である。
上記層状珪酸塩の結晶層間に存在する交換性金属カチオンとは、層状珪酸塩の結晶表面上に存在するナトリウムイオンやカルシウムイオン等の金属イオンのことであり、これらの金属イオンは、他のカチオン性物質とのカチオン交換性を有するため、カチオン性を有する種々の物質を層状珪酸塩の結晶層間に挿入(インターカレート)もしくは補足することができる。
上記層状珪酸塩のカチオン交換容量は、特に限定されず、50〜200ミリ等量/100gであることが好ましい。層状珪酸塩のカチオン交換容量が50ミリ等量/100g未満であると、カチオン交換により層状珪酸塩の結晶層間に挿入もしくは補足されるカチオン性物質の量が少なくなるために、結晶層間が充分に非極性化(疎水化)されないことがあり、逆に層状珪酸塩のカチオン交換容量が200ミリ等量/100gを超えると、層状珪酸塩の結晶層間の結合力が強固になりすぎて、結晶薄片が剥離しにくくなることがある。
本発明の内照式電飾看板用不燃性シートにおいては、予め上記層状珪酸塩の結晶層間をカチオン性界面活性剤でカチオン交換して、非極性化しておくことが好ましい。予め層状珪
酸塩の結晶層間を非極性化しておくことにより、層状珪酸塩と上記酸素含有熱可塑性樹脂中の低極性のエチレンあるいはプロピレン部分との親和性が高まり、層状珪酸塩を酸素含有熱可塑性樹脂中により均一に微分散させることができる。
上記カチオン性界面活性剤としては特に限定されず、例えば、4級アンモニウム塩や4級ホスホニウム塩等が挙げられ、なかでも、層状珪酸塩の結晶層間を充分に非極性化しうることから、炭素数6以上のアルキル鎖を1個以上有する4級アンモニウム塩(炭素数6以上のアルキルアンモニウム塩)が好適に用いられる。これらのカチオン性界面活性剤は、単独で用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
上記4級アンモニウム塩としては、特に限定されず、例えば、ラウリルトリメチルアンモニウム塩、ステアリルトリメチルアンモニウム塩、トリオクチルメチルアンモニウム塩、ジステアリルジメチルアンモニウム塩、ジ硬化牛脂ジメチルアンモニウム塩、ジステアリルジベンジルアンモニウム塩、N−ポリオキシエチレン−N−ラウリル−N,N−ジメチルアンモニウム塩等が挙げられる。これらの4級アンモニウム塩は、単独で用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
上記4級ホスホニウム塩としては、特に限定されず、例えば、ドデシルトリフェニルホスホニウム塩、メチルトリフェニルホスホニウム塩、ラウリルトリメチルホスホニウム塩、ステアリルトリメチルホスホニウム塩、トリオクチルメチルホスホニウム塩、ジステアリルジメチルホスホニウム塩、ジステアリルジベンジルホスホニウム塩等が挙げられる。これらの4級ホスホニウム塩は、単独で用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
上記層状珪酸塩は、上述のような化学処理を施すことによって酸素含有熱可塑性樹脂中への分散性を向上させることができる。
上記層状珪酸塩の化学処理は、上記カチオン性界面活性剤によるカチオン交換法(以下、「化学修飾(1)法」ともいう)に限定されるものではなく、例えば、以下に示す化学修飾(2)〜化学修飾(6)法の各種化学処理法によっても実施することができる。これらの化学修飾法は、単独で用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。なお、化学修飾(1)法を含め、以下に示す各種化学処理法によって酸素含有熱可塑性樹脂樹脂中への分散性を向上させた層状珪酸塩を、以下、「有機化層状珪酸塩」ともいう。
化学修飾(2)法は、化学修飾(1)法で化学処理された有機化層状珪酸塩の結晶表面に存在する水酸基を、これと化学結合し得る官能基又は化学結合はしなくとも化学的親和力の大きい官能基を分子末端に1個以上有する化合物で化学処理する方法である。
化学修飾(3)法は、化学修飾(1)法で化学修飾された有機化層状珪酸塩の結晶表面に存在する水酸基を、これと化学結合し得る官能基又は化学結合はしなくとも化学的親和力の大きい官能基及び反応性官能基を分子末端に1個以上有する化合物で化学処理する方法である。
化学修飾(4)法は、化学修飾(1)法で化学処理された有機化層状珪酸塩の結晶表面を、アニオン性界面活性を有する化合物で化学処理する方法である。
化学修飾(5)法は、化学修飾(4)法において、アニオン性界面活性を有し分子鎖中のアニオン部位以外に反応性官能基を1個以上有する化合物で化学処理する方法である。
化学修飾(6)法は、上記化学修飾(1)法〜化学修飾(5)法のいずれかの方法で化学処理された有機化層状珪酸塩に、更に、例えば、無水マレイン酸変性ポリオレフィン系樹脂のような有機化層状珪酸塩と反応可能な官能基を有する樹脂を添加した組成物を用いる方法である。
上記化学修飾(2)法における、水酸基と化学結合し得る官能基又は化学結合はしなくとも化学的親和力の大きい官能基としては、特に限定されず、例えば、アルコキシル基、グリシジル基(エポキシ基)、カルボキシル基(二塩基性酸無水物も含む)、水酸基、イソシアネート基、アルデヒド基等の官能基や、水酸基との化学的親和力が高いその他の官能基等が挙げられる。これらの官能基は、単独で用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
また、上記水酸基と化学結合しうる官能基又は化学結合はしなくとも化学的親和力の大きい官能基を有する化合物としては、特に限定されず、例えば、上記例示の官能基を有するシラン化合物、チタネート化合物、グリシジル化合物、カルボン酸類、アルコール類等が挙げられ、なかでもシラン化合物が好適に用いられる。これらの化合物は、単独で用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
上記シラン化合物としては、特に限定されず、例えば、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリス(β−メトキシエトシキ)シラン、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、γ−アミノプロピルジメチルメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−アミノプロピルメチルジエトキシシラン、γ−アミノプロピルジメチルエトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、トリメチルメトキシシラン、ヘキシルトリメトキシシラン、ヘキシルトリエトキシシラン、N−β−(アミノエチル)γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−β−(アミノエチル)γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−β−(アミノエチル)γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、オクタデシルトリメトキシシラン、オクタデシルトリエトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン等が挙げられる。これらのシラン化合物は、単独で用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
化学修飾(4)法及び化学修飾(5)法における、アニオン性界面活性を有する化合物又はアニオン性界面活性を有し分子鎖中のアニオン部位以外に反応性官能基を1個以上有する化合物としては、イオン相互作用により層状珪酸塩を化学処理できるものであればよく、特に限定されず、例えば、ラウリル酸ナトリウム、ステアリン酸ナトリウム、オレイン酸ナトリウム、高級アルコール硫酸エステル塩、第2級高級アルコール硫酸エステル塩、不飽和アルコール硫酸エステル塩等が挙げられる。これらの化合物は、単独で用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
また、化学修飾(6)法としては、例えば、無水マレイン酸変性ポリオレフィン系樹脂のような有機化層状珪酸塩と反応可能な官能基を有する樹脂を分散剤として添加した組成物を用いる方法が挙げられる。これは、有機化層状珪酸塩と化学的親和性が大きい部位と、酸素含有熱可塑性樹脂との化学的親和力が大きい部位とを有する樹脂を分散剤として混合すること
により両者の相溶性を高め、層状珪酸塩の分散に必要なエネルギーを低下させる方法である。
上記分散剤として用いられる有機化層状珪酸塩と反応可能な官能基を有する樹脂としては、特に限定されず、例えば、無水マレイン酸変性ポリオレフィン系オリゴマーや無水マレイン酸変性ポリオレフィン系ポリマー等が挙げられ、なかでも、両端が異なる性質を有するA−B型ジブロックオリゴマーやA−B型ジブロックポリマー等が好適に用いられる。すなわち、有機化層状珪酸塩との化学的親和力が大きい部位(Aサイト)と酸素含有熱可塑性樹脂との化学的親和性の高い部位(Bサイト)との異なる性質を両端に有するA−B型樹脂は、それぞれの化学的親和性を効率的に発揮しやすいことから、優れた分散効果を
発現する。
上記A−B型樹脂を用いて高分散状態を得る方法としては、特に限定されず、例えば、酸素含有熱可塑性樹脂、有機化層状珪酸塩及び分散剤として機能するA−B型樹脂を押出機中で一括して溶融混練することが挙げられる。
上記層状珪酸塩の含有量の好ましい下限は酸素含有熱可塑性樹脂100重量部に対して0.1重量部、好ましい上限は50重量部である。0.1重量部未満であると、燃焼時に焼結体を形成しにくくなるので、不燃性フィルムの不燃性が不充分となることがあり、50重量部を超えると、内照式電飾看板用不燃性シートの密度(比重)が高くなって、重量増加及び柔軟性低下により加工性や施工性が低下することがある。より好ましい下限は1重量部、より好ましい上限は20重量部である。
酸素含有熱可塑性樹脂に対する層状珪酸塩の配合方法としては、特に限定されず、例えば、酸素含有熱可塑性樹脂と層状珪酸塩とを押出機、二本ロール、バンバリーミキサー等で溶融混練する方法、酸素含有熱可塑性樹脂と層状珪酸塩との両者が溶解もしくは分散する有機溶媒中で混練する方法、重合触媒としての遷移金属錯体を含有する層状珪酸塩を用いて酸素含有熱可塑性樹脂の単量体を重合することにより混練する方法等が挙げられ、いずれの方法が採られていてもよい。
上記遷移金属錯体としては、酸素含有熱可塑性樹脂の単量体の重合触媒機能を有するものであればよく、特に限定されず、例えば、IV族、V族、X族、XI族の金属錯体等が挙げられる。これらの金属錯体は、単独で用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
本発明の内照式電飾看板用不燃性シートに用いられる難燃剤としては、内照式電飾看板用不燃性シートに難燃性を付与しうるものであればよく、特に限定されず、例えば、金属水酸化物、メラミン誘導体、金属酸化物、リン系難燃剤、シリコーン系難燃剤等の非ハロゲン系難燃剤が挙げられ、なかでも、金属水酸化物、メラミン誘導体及び金属酸化物からなる群より選択される少なくとも1種であることが好ましい。これらの難燃剤は、単独で用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
上記金属水酸化物としては、特に限定されず、例えば、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、ドーソナイト、アルミン酸化カルシウム、2水和石こう、水酸化カルシウム等が挙げられ、なかでも、水酸化マグネシウムや水酸化アルミニウムが好適に用いられる。これらの金属水酸化物は、単独で用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
上記金属水酸化物としては、各種の表面処理剤により表面処理が施されているものであってもよい。上記表面処理剤としては、特に限定されず、例えば、シランカップリング剤、チタンカップリング剤、ポリビニルアルコール系表面処理剤、エポキシ系表面処理剤等が挙げられる。これらの表面処理剤は、単独で用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
上記金属水酸化物(表面処理金属水酸化物も含む)は、燃焼時の高熱下で吸熱脱水反応を起こすことにより、吸熱し、かつ、水分子を放出することで燃焼場の温度を低下させ、消火する効果を発揮する。また、2種類以上の金属水酸化物を併用することにより、各々が異なる温度で吸熱脱水反応を開始するので、より高い難燃効果を得ることができる。
本発明の内照式電飾看板用不燃性シートは、上記層状珪酸塩を含有しているので、上記金属水酸化物による難燃化効果が増大される。これは、層状珪酸塩の燃焼時の被膜形成による難燃化効果と金属水酸化物の吸熱脱水反応による難燃化効果とが協奏的に起こり、それぞれの難燃化効果が助長されることによる。
上記メラミン誘導体としては、特に限定されず、例えば、メラミン、メラミンシアヌレート、メラミンイソシアヌレート等や、これらに表面処理が施されたもの等が挙げられ、なかでも、メラミンシアヌレートが好適に用いられる。これらのメラミン誘導体は、単独で用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
上記メラミン誘導体は、燃焼時の高熱下で重合反応を起こすことにより、焼結体を形成する。この焼結体は燃焼時の早い段階で形成されるので、外界からの酸素の供給を遮断するのみならず、燃焼により発生する可燃性ガスも遮断することができ、内照式電飾看板用不燃性シ−トの発熱速度を抑制することができる。即ち、優れた延焼防止性能を発現することが可能となる。
上記金属酸化物としては、特に限定されず、例えば、酸化亜鉛、酸化チタン、酸化銅、硼酸亜鉛(2ZnO・3B・3.5HO)等や、これらに表面処理を施したもの等が挙げられ、なかでも、硼酸亜鉛が好適に用いられる。これらの金属酸化物は、単独で用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
上記金属酸化物は、燃焼時の高熱下で重合反応を起こすことにより、焼結体を形成する。この焼結体は燃焼時の早い段階で形成されるので、外界からの酸素の供給を遮断するのみならず、燃焼により発生する可燃性ガスも遮断することができ、内照式電飾看板用不燃性シートの発熱速度を抑制することができる。すなわち、優れた延焼防止性能を発現することが可能となる。
上記難燃剤の含有量の好ましい下限は酸素含有熱可塑性樹脂100重量部に対して5重量部、好ましい上限は100重量部である。5重量部未満であると、不燃性が不充分となることがあり、100重量部を超えると、不燃性が充分に得られるものの、内照式電飾看板用不燃性シートの密度(比重)が高くなって、重量増加及び柔軟性低下により加工性や施工性が低下することがある。より好ましい下限は20重量部、より好ましい上限は60重量部である。
上記不燃性樹脂層は、更に、難燃助剤が含有することが好ましい。
難燃助剤を含有することにより、本発明の内照式電飾看板用不燃性シートは、酸素指数が向上したり、最大発熱速度が大幅に低下したりする。
上記難燃助剤としては、特に限定されず、例えば、シリコーン・アクリル複合ゴム、シリコーンオイル等が挙げられる。これらの難燃助剤は、単独で用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
上記シリコーン・アクリル複合ゴムやシリコーンオイルは、活性基を有する酸素含有熱可塑性樹脂と燃焼時に反応してチャー形成(チャー化)を促進し、又は、ガラス状の無機化合物の被膜が形成されるときには、保護材として強固なものとなり、酸素含有熱可塑性樹脂の熱分解を抑制する。
上記不燃性樹脂層では、シリコーン・アクリル複合ゴム及び/又はシリコーンオイルの含有量の好ましい下限が酸素含有熱可塑性樹脂100重量部に対して0.1重量部、好ましい上限が20重量部である。0.1重量部未満であると、内照式電飾看板用不燃性シートの酸素指数が充分に向上しなかったり、最大発熱速度が充分に低下しないことがあり、20重量部を超えると、内照式電飾看板用不燃性シートの密度(比重)が高くなったり、力学的強度等が低下したり、柔軟性が乏しくなることがある。より好ましい下限は0.5重量部、より好ましい上限は15重量部である。
上記不燃性樹脂層は、更に着色剤を含有することが好ましい。上記着色剤としては特に限
定されないが、例えば、白色顔料としては、隠蔽力、難燃効果の点で酸化チタンが好適に用いられる。また、本発明の内照式電飾看板用不燃性シートを白色性が重視される用途に用いる場合においては、上記着色剤としては、ブルーイング剤(蛍光増白剤)、蛍光顔料が好適に用いられる。
上記酸化チタンとしては、特に限定されず、例えば、ルチル型酸化チタン、アナターゼ型酸化チタン等が挙げられ、なかでも、隠蔽力、耐候性、難燃化効果に優れることから、ルチル型酸化チタンが好適に用いられる。また、内照式電飾看板用不燃性シートに防汚性が要求される場合には、光触媒効果を有する酸化チタンを用いることが好ましい。これらの酸化チタンは、単独で用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
上記酸化チタンの含有量の好ましい下限は酸素含有熱可塑性樹脂100重量部に対して1重量部、好ましい上限は20重量部である。1重量部未満であると、充分な白色性、隠蔽力、難燃効果が得られず、20重量部を超えると、白色性、隠蔽性、難燃効果等は発現するものの、内照式電飾看板用不燃性シートの加工性が低下したり、柔軟性が乏しくなることがある。より好ましい下限は2重量部、より好ましい上限は7重量部である。
上記ブルーイング剤(蛍光増白剤)又は蛍光顔料の含有量の好ましい下限は酸素含有熱可塑性樹脂100重量部に対して0.1重量部、好ましい上限は10重量部である。0.1重量部未満であると、充分な白色性向上効果が得られず、10重量部を超えると、白色性向上効果は充分に得られるものの、内照式電飾看板用不燃性シートの成形性が低下したり、柔軟性が乏しくなることがある。より好ましい下限は1重量部、より好ましい上限は5重量部である。
上記不燃性樹脂層には、必要に応じて適宜添加剤が含有されてもよい。上記添加剤としては特に限定されず、例えば、層状珪酸塩以外の無機充填剤、酸化防止剤(老化防止剤)、熱安定剤、光安定剤、紫外線吸収剤、滑剤、離型剤、帯電防止剤等が挙げられる。また、本発明の内照式電飾看板用不燃性シートは、物性を均一にするために、結晶核剤となりうるものが少量含有されて、結晶が微細化されていてもよい。
上記層状珪酸塩以外の無機充填剤としては、特に限定されず、例えば、炭酸カルシウム、タルク、クレー、シリカ等が挙げられる。これらの層状珪酸塩以外の無機充填剤は、単独で用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
本発明の内照式電飾看板用不燃性シートは、JIS K 7105に準ずる方法によって測定される全光線透過率の好ましい下限は15%である。15%未満であると、内照式看板用のシート材として用いた場合に意匠性や鮮明性等が不充分となることがある。より好ましい下限は18%である。
本発明の内照式電飾看板用不燃性シートは、ASTM E 1354「建築材料の燃焼性試験方法」に準拠した燃焼試験において、50kW/mの輻射加熱条件下で20分間加熱し燃焼したときの最大発熱速度が350kW/m以下であり、総発熱量が8MJ/m未満であり、200kW/mを超える発熱速度が10秒未満であることが好ましい。上記範囲外であると、充分な不燃性能を発現できないことがある。より好ましくは、上記最大発熱速度が300kW/m以下であり、上記総発熱量が7MJ/m以下であり、上記発熱速度が8秒以下である。
本発明の内照式電飾看板用不燃性シートは、自己消火性を有していることが好ましい。自己消火性を有していないと、実用性が不充分となることがある。
本発明の内照式電飾看板用不燃性シートを製造する方法としては特に限定されず、例えば、基材としてのガラスクロスを、酸素含有熱可塑性樹脂、層状珪酸塩及び難燃剤を含有する溶液に浸漬し、ロール等で絞った後、熱処理を行う方法(ディッピング法)、ガラスクロスに酸素含有熱可塑性樹脂、層状珪酸塩及び難燃剤を含有する溶液を塗布後、熱処理を行う方法(コーティング法);カレンダー成形や押出成形により酸素含有熱可塑性樹脂、層状珪酸塩及び難燃剤を含有する不燃性フィルムを作製した後、加熱庄着ロールにより、不燃性フィルムとガラスクロスとを積層する方法(ラミネート法)等が挙げられる。なかでも、ラミネート法が好適である。
上記不燃性フィルムを製造する方法としては、特に限定されず、例えば、酸素含有熱可塑性樹脂、層状珪酸塩及び難燃剤を含有する樹脂組成物を、押出成形法、カレンダー成形法、熱プレス成形法、インフレーション成形法等の公知の成形法で成形することにより、所望の不燃性フィルムを得ることができる。
上記不燃性フィルムの製造に用いられる樹脂組成物の調製方法としては、特に限定されず、例えば、酸素含有熱可塑性樹脂、層状珪酸塩及び難燃剤と、必要に応じて含有させる難燃助剤、酸化チタン、ブルーイング剤(蛍光増白剤)、蛍光顔料等を直接混練する直接混練法;酸素含有熱可塑性樹脂に所定配合量以上の層状珪酸塩、難燃剤、難燃助剤、酸化チタン、ブルーイング剤(蛍光増白剤)、蛍光顔料等を混練してマスターバッチを調製した後、調製されたマスターバッチに各成分が所定配合量となるように酸素含有熱可塑性樹脂を配合して希釈するマスターバッチ法等が挙げられる。
また、上記酸素含有熱可塑性樹脂としてエチレン−酢酸ビニル共重合体エマルションを用いる場合は、エチレン−酢酸ビニル共重合体エマルション、層状珪酸塩及び難燃剤に、必要に応じて難燃助剤、酸化チタン、ブルーイング剤(蛍光増白剤)、蛍光顔料等を加え、ホモジナイザー、アトライター、ディスパー、ミキサー、3本ロール等を用いて、均一に混合する方法により、樹脂組成物を調製することができる。
本発明の内照式電飾看板用不燃性シートには、ガラスクロスと不燃性樹脂層との接着性を向上させるために必要に応じて、ガラスクロスの片面又は両面に粘(接)着加工が施されていてもよい。
上記粘(接)着加工を施すために用いられる粘(接)着剤としては、ガラスクロスと不燃性樹脂層との接着力に優れるものであれば、特に限定されず、例えば、エラストマー(ゴム)系粘(接)着剤、アクリル樹脂系粘(接)着剤、ポリビニルエーテル系粘(接)着剤、シリコーン系粘(接)着剤、エチレン−酢酸ビニル系粘(接)着剤、エチレン−エチルアクリレート系粘(接)着剤、ウレタン系粘(接)着剤や、これらの粘(接)着剤からなる両面粘(接)着シート(両面粘(接)着テープ)等が挙げられる。これらの粘(接)着剤は、単独で用いられてもよいし、2種以上が併用されてもよい。
本発明の内照式電飾看板用不燃性シートは、表面に防汚性、耐摩耗性、耐擦傷性等を付与するために、必要に応じて、片面又は両面に保護層形成用樹脂からなる保護層が形成されていてもよい。
上記保護層形成用樹脂としては、特に限定されず、例えば、フッ素系樹脂、アクリル系樹脂、ポリビニルアルコール、エチレン−ビニルアルコール共重合体、エチレン−酢酸ビニル−ビニルアルコール三元共重合体等が挙げられる。これらの保護層形成用樹脂は、単独で用いられてもよいし、2種以上が併用されてもよい。
内照式電飾看板用不燃性シートの片面又は両面に保護層を形成する方法としては、特に限定されず、例えば、上記保護層形成用樹脂からなる保護シートを積層する方法や、上記保護層形成用樹脂(水)溶液をコーティングする方法等が挙げられる。
本発明は、高い透光性及び不燃性を有し、耐候性、耐水性、耐摩耗性、柔軟性及び抗張力等の力学的強度にも優れ、かつ、廃棄時に有害物質を排出せず、環境に負荷をかけない内照式電飾看板用不燃性シートである。
本発明を更に詳しく説明するために以下に実施例を挙げるが、本発明はこれらの実施例のみに限定されるものではない。
(実施例1)
小型押出機(「TEX30」、日本製鋼所社製)中に、エチレン−アクリル酸エチル共重合体(「A4250」、酸素含有量:8重量%、日本ポリオレフィン社製)100重量部、無水マレイン酸変性エチレンオリゴマー(「ERA403A」、日本ポリオレフィン社製)5重量部、水酸化マグネシウム(「キスマ5J」、協和化学工業社製)25重量部、ジステアリルジメチル4級アンモニウム塩で有機化処理した膨潤性フッ素マイカ(「ソマシフMAE−100」、コープケミカル社製)10重量部及びシリコーン・アクリル複合ゴム(「メタブレンSX−005」、三菱レイヨン社製)2重量部を充填し、設定温度180℃にて溶融混練して押し出し、押し出されたストランドをペレタイザーにてペレット化した。次いで、得られたペレットを180℃に温調した熱プレスによりシート状に成形し、厚み120μmの不燃性フィルムを作製した。
加熱庄着ロールを用いて経糸密度44本/25mm、緯糸密度33本/25mm、単繊維の直径9μm、撚り数0回/25mm、厚さ180μmのガラスクロス(「KS2500」、カネボウ社製)の両面に、得られた不燃性フィルムを積層し、厚み400μmの内照式電飾看板用不燃性シートを作製した。
(実施例2)
シリコーン・アクリル複合ゴム「メタブレンSX−005」を用いなかったこと以外は実施例1と同様にして、厚み400μmの内照式電飾看板用不燃性シートを作製した。
(実施例3)
エチレン−アクリル酸エチル共重合体「A4250」100重量部の代わりにエチレン−酢酸ビニル共重合体(「ウルトラセン#634」、酸素含有量:6重量%、東ソー社製)100重量部を用い、シリコーン・アクリル複合ゴム「メタブレンSX−005」を用いなかったこと以外は実施例1と同様にして、厚み400μmの内照式電飾看板用不燃性シ
ートを作製した。
(実施例4)
ジステアリルジメチル4級アンモニウム塩で有機化処理した膨潤性フッ素マイカ「ソマシフMAE−100」10重量部の代わりにジステアリルジメチル4級アンモニウム塩で化学処理が施されたモンモリロナイト(「ニューエスベンD」、豊順鉱業社製)10重量部を用いたこと以外は実施例1と同様にして、厚み400μmの内照式電飾看板用不燃性シ
ートを作製した。
(実施例5)
ジステアリルジメチル4級アンモニウム塩で有機化処理した膨潤性フッ素マイカ「ソマシフMAE−100」の添加量を2重量部とし、シリコーン・アクリル複合ゴム「メタブレンSX−005」を用いなかったこと以外は実施例1と同様にして、厚み400μmの内
照式電飾看板用不燃性シートを作製した。
(実施例6)
ジステアリルジメチル4級アンモニウム塩で有機化処理した膨潤性フッ素マイカ「ソマシフMAE−100」の添加量を15重量部とし、シリコーン・アクリル複合ゴム「メタブレンSX−005」を用いなかったこと以外は実施例1と同様にして、厚み400μmの
内照式電飾看板用不燃性シートを作製した。
(比較例1)
経糸密度18本/25mm、緯糸密度18本/25mm、単繊維の直径9μm、撚り数2回/25mm、厚さ200μmのガラスクロス(「KS2700」、カネボウ社製)を用いた以外は、実施例1と同様にして、内照式電飾看板用不燃性シートを作製した。
(比較例2)
無水マレイン酸変性エチレンオリゴマー「ERA403A」、ジステアリルジメチル4級アンモニウム塩で有機化処理した膨潤性フッ素マイカ「ソマシフMAE−100」及びシリコーン・アクリル複合ゴム「メタブレンSX−005」を用いなかったこと以外は実施例1と同様にして、厚み400μmの内照式電飾看板用不燃性シートを作製した。
(比較例3)
エチレン−アクリル酸エチル共重合体「A4250」100重量部の代わりにエチレン−酢酸ビニル共重合体「ウルトラセン#634」100重量部、ジステアリルジメチル4級アンモニウム塩で有機化処理した膨潤性フッ素マイカ「ソマシフMAE−100」10重量部の代わりに化学処理が施されていない膨潤性フッ素マイカ(商品名「ソマシフME−100」、コープケミカル社製)10重量部を用い、水酸化マグネシウム「キスマ5J」及びシリコーン・アクリル複合ゴム「メタブレンSX−005」を用いなかったこと以外は実施例1と同様にして、厚み400μmの内照式電飾看板用不燃性シートを作製した。
(実施例7)
無水マレイン酸変性エチレンオリゴマー「ERA403A」を用いなかったこと以外は実施例1の場合と同様にして、厚み400μmの内照式電飾看板用不燃性シートを作製した
(実施例8)
無水マレイン酸変性エチレンオリゴマー「ERA403A」5重量部及びメラミンシアヌレート(「MC−610」、日産化学社製)10重量部を用い、シリコーン・アクリル複合ゴム「メタブレンSX−005」を用いなかったこと以外は実施例7の場合と同様にして、厚み400μmの内照式電飾看板用不燃性シートを作製した。
(実施例9)
無水マレイン酸変性エチレンオリゴマー「ERA403A」5重量部を用いるとともに、シリコーン・アクリル複合ゴム「メタブレンSX−005」2重量部の代わりにシリコーンオイル2重量部を用い、水酸化マグネシウム「キスマ5J」の添加量を15重量部としたこと以外は実施例7の場合と同様にして、厚み400μmの内照式電飾看板用不燃性シ
ートを作製した。
(実施例10)
無水マレイン酸変性エチレンオリゴマー「ERA403A」5重量部を用いるとともに、シリコーン・アクリル複合ゴム「メタブレンSX−005」2重量部の代わりにシリコーンオイル2重量部を用い、水酸化マグネシウム「キスマ5J」の添加量を30重量部としたこと以外は実施例7の場合と同様にして、厚み400μmの内照式電飾看板用不燃性シ
ートを作製した。
(比較例4)
ジステアリルジメチル4級アンモニウム塩で有機化処理した膨潤性フッ素マイカ「ソマシフMAE−100」を用いなかった以外は実施例7の場合と同様にして、厚み400μm
の内照式電飾看板用不燃性シートを作製した。
(比較例5)
無水マレイン酸変性エチレンオリゴマー「ERA403A」5重量部を用いるとともに、エチレン−アクリル酸エチル共重合体「A4250」100重量部の代わりにポリエチレン樹脂(「HB530」、日本ポリケム社製)100重量部、ジステアリルジメチル4級アンモニウム塩で有機化処理した膨潤性フッ素マイカ「ソマシフMAE−100」10重量部の代わりに化学処理が施されていない膨潤性フッ素マイカ「ソマシフME−100」10重量部を用い、水酸化マグネシウム「キスマ5J」を添加せず、シリコーン・アクリル複合ゴム「メタブレンSX−005」の添加量を0.05重量部としたこと以外は実施例7の場合と同様にして、厚み400μmの内照式電飾看板用不燃性シートを作製した。
(実施例11)
無水マレイン酸変性エチレンオリゴマー「ERA403A」5重量部の代わりに酸変性ブロックポリマー(「CB−OM22」、クラレ社製)5重量部、ジステアリルジメチル4級アンモニウム塩で有機化処理した膨潤性フッ素マイカ「ソマシフMAE−100」10重量部の代わりにジステアリルジメチル4級アンモニウム塩で化学処理が施されたモンモリロナイト「ニューエスベンD」10重量部を用い、シリコーン・アクリル複合ゴム「メタブレンSX−005」を用いなかったこと以外は実施例1と同様にして、厚み400μmの内照式電飾看板用不燃性シートを作製した。
(実施例12)
フッ素含有樹脂(「メタブレンS−2000」、三菱レイヨン社製)5重量部を用いるとともに、酸変性ブロックポリマー「CB−OM22」5重量部の代わりに無水マレイン酸変性エチレンオリゴマー「ERA403A」5重量部を用いたこと以外は実施例11と同様にして、厚み400μmの内照式電飾看板用不燃性シートを作製した。
(実施例13)
フッ素含有樹脂(「メタブレンS−2000」、三菱レイヨン社製)5重量部を用いたこと以外は実施例11と同様にして、厚み400μmの内照式電飾看板用不燃性シートを作
製した。
(実施例14)
エチレン−アクリル酸エチル共重合体「A4250」の添加量を70重量部とし、ポリプロピレン樹脂(「EA9」、日本ポリケム社製)10重量部及びスチレン−エチレン−ブチレン−スチレンブロック共重合体(「タフテックH1052」、旭化成社製)20重量部を用いるとともに、ジステアリルジメチル4級アンモニウム塩で化学処理が施されたモンモリロナイト「ニューエスベンD」10重量部の代わりにジステアリルジメチル4級アンモニウム塩で化学処理が施された膨潤性フッ素マイカ「ソマシフMAE−100」10重量部を用いたこと以外は実施例11と同様にして、厚み400μmの内照式電飾看板用
不燃性シートを作製した。
(比較例6)
エチレン−アクリル酸エチル共重合体「A4250」100重量部の代わりにポリエチレン樹脂「HB530」100重量部、酸変性ブロックポリマー「CB−OM22」5重量
部の代わりに無水マレイン酸変性エチレンオリゴマー「ERA403A」5重量部、ジステアリルジメチル4級アンモニウム塩で化学処理が施されたモンモリロナイト「ニューエスベンD」10重量部の代わりに化学処理が施されていない膨潤性フッ素マイカ「ソマシフME−100」10重量部を用い、水酸化マグネシウム「キスマ5J」を用いなかったこと以外は実施例11と同様にして、厚み400μmの内照式電飾看板用不燃性シートを
作製した。
(比較例7)
エチレン−アクリル酸エチル共重合体「A4250」の添加量を70重量部とし、ポリプロピレン樹脂(「EA9」、日本ポリケム社製)10重量部及びスチレン−エチレン−ブチレン−スチレンブロック共重合体(「タフテックH1052」、旭化成社製)20重量部を用いるとともに、水酸化マグネシウム「キスマ5J」の添加量を100重量部とし、酸変性ブロックポリマー「CB−OM22」及びジステアリルジメチル4級アンモニウム塩で化学処理が施されたモンモリロナイト「ニューエスベンD」を用いなかったこと以外は実施例11と同様にして、厚み400μmの内照式電飾看板用不燃性シートを作製した
(比較例8)
水酸化マグネシウム「キスマ5J」の添加量を70重量部とした以外は比較例6と同様にして、厚み400μmの内照式電飾看板用不燃性シートを作製した。
(評価)
実施例1〜14及び比較例1〜8で得られた内照式電飾看板用不燃性シートについて、下記の方法により評価を行った。結果を表1〜3に示した。なお、実施例1〜14及び比較例1〜8で得られた不燃性フィルムの配合組成についても表1〜3に示した。
(平均層間距離の測定)
X線回折測定装置(RINT1100、リガク社製)により不燃性フィルム中の層状珪酸塩の積層面の回折により得られる回折ピークの2θを測定し、下記ブラッグの回折式により、層状珪酸塩の(001)面間隔dを算出し、得られたdを層状珪酸塩の平均層間距離(nm)とした。
λ=2dsinθ
式中、λは0.154(nm)であり、θは回折角を示す。
(層の剥離状態)
透過型電子顕微鏡(JEM−1200EX II、日本電子社製)写真により不燃性フィルム材料中の層状珪酸塩の層の剥離状態を観察し、以下判定基準により層状珪酸塩の層の剥離状態を評価した。
◎:層状珪酸塩の20%以上が5層以下で存在していた。
○:層状珪酸塩が5層以下で存在しているものを含んでいた。
×:全ての層状珪酸塩が5層を超えていた。
(全光線透過率)
JIS K 7105「プラスチックの光学的特性評価試験方法」に準拠して、内照式電飾看板用不燃性シートの全光線透過率(%)を測定した。
(総発熱量、200kW/mを超える発熱時間)
燃焼試験ASTM E 1354に準拠して、内照式電飾看板用不燃性シートの試験片(99mm×99mm)にコーンカロリーメーターによって50kW/mの熱線を照射し燃焼させた。20分間加熱し燃焼させた後の総発熱量(MJ/m)及び200kW/m
を超える発熱時間を測定した。
(穴開き、亀裂の有無)
内照式電飾看板用不燃性シートを20分間加熱した後、裏面に貫通する穴、亀裂の有無を確認した。
○:裏面に貫通する穴、亀裂が無い
×:裏面に貫通する穴、亀裂が有る
Figure 2006145910
Figure 2006145910
Figure 2006145910
表1〜3に示すように、実施例1〜14で得られた内照式看板用不燃性シートは、全光線透過率が高く、不燃性能に優れるものであることがわかった。一方、比較例1〜8で得られた内照式看板用不燃性シートは、総発熱量が大きく、200kW/mを超える発熱時間が長いものであり、また、比較例1、4、7及び8で得られた内照式看板用不燃性シー
トは、穴開きや亀裂が発生していることから、不燃性に劣るものであることがわかった。
本発明によれば、高い透光性及び不燃性を有し、かつ、耐候性、耐水性、耐摩耗性、柔軟性及び抗張力等の力学的強度にも優れる不燃性フィルム材料及び積層体を提供することができる。

Claims (10)

  1. ガラスクロスと、前記ガラスクロスの片面又は両面に積層された不燃性樹脂層とからなる内照式電飾看板用不燃性シートであって、
    前記ガラスクロスは、経糸密度及び緯糸密度が15〜45本/25mmであり、
    前記不燃性樹脂層は、酸素含有熱可塑性樹脂、層状珪酸塩及び難燃剤を含有し、
    前記層状珪酸塩は、広角X線回折測定法により測定した(001)面の平均層間距離が3nm以上であり、かつ、一部又は全部が5層以下に分散している
    ことを特徴とする内照式電飾看板用不燃性シート。
  2. 酸素含有熱可塑性樹脂100重量部、層状珪酸塩0.1〜50重量部、及び、難燃剤5〜100重量部を含有することを特徴とする請求項1記載の内照式電飾看板用不燃性シート。
  3. 酸素含有熱可塑性樹脂は、エチレン−(メタ)アクリル酸アルキル共重合体、エチレン−(メタ)アクリル酸共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体及びエチレン−ビニルアルコール共重合体からなる群より選択される少なくとも1種であることを特徴とする請求項1又は2記載の内照式電飾看板用不燃性シート。
  4. 酸素含有熱可塑性樹脂の酸素含有量が3〜20重量%であることを特徴とする請求項1、2又は3記載の内照式電飾看板用不燃性シート。
  5. 層状珪酸塩は、モンモリロナイト及び/又は膨潤性マイカであることを特徴とする請求項1、2、3又は4記載の内照式電飾看板用不燃性シート。
  6. 層状珪酸塩は、炭素数6以上のアルキル鎖を1個以上有する4級アンモニウム塩を含有することを特徴とする請求項1、2、3、4又は5記載の内照式電飾看板用不燃性シート。
  7. 難燃剤は、金属水酸化物、メラミン誘導体及び金属酸化物からなる群より選択される少なくとも1種であることを特徴とする請求項1、2、3、4、5又は6記載の内照式電飾看板用不燃性シート。
  8. 更に、シリコーン・アクリル複合ゴム及び/又はシリコーンオイルからなる難燃助剤を0.1〜20重量部含有することを特徴とする請求項1、2、3、4、5、6又は7記載の内照式電飾看板用不燃性シート。
  9. JIS K 7105に準ずる方法により測定される全光線透過率が15%以上であることを特徴とする請求項1、2、3、4、5、6、7又は8記載の内照式電飾看板用不燃性シート。
  10. ASTM E 1354に準拠した燃焼試験において、50kW/mの輻射加熱条件下で20分間加熱し燃焼した時の最大発熱速度が350kW/m以下であり、総発熱量が8MJ/m未満、200kW/mを超える発熱速度が10秒未満であることを特徴とする請求項1、2、3、4、5、6、7、8又は9記載の内照式電飾看板用不燃性シート。
JP2004336758A 2004-11-19 2004-11-19 内照式電飾看板用不燃性シート Pending JP2006145910A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004336758A JP2006145910A (ja) 2004-11-19 2004-11-19 内照式電飾看板用不燃性シート

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004336758A JP2006145910A (ja) 2004-11-19 2004-11-19 内照式電飾看板用不燃性シート

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2006145910A true JP2006145910A (ja) 2006-06-08

Family

ID=36625670

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2004336758A Pending JP2006145910A (ja) 2004-11-19 2004-11-19 内照式電飾看板用不燃性シート

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2006145910A (ja)

Cited By (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010037671A (ja) * 2008-08-01 2010-02-18 Photo Craft Co Ltd 不燃性の画像用シート
JP2010072378A (ja) * 2008-09-19 2010-04-02 Sekisui Chem Co Ltd 看板用難燃性シート
JP2010151876A (ja) * 2008-12-24 2010-07-08 Hiraoka & Co Ltd 看板用発光表示体及び、非常灯機能を有する看板用発光表示体システム及び、その照明方法
JP2011133584A (ja) * 2009-12-24 2011-07-07 Hiraoka & Co Ltd 不燃性内照式電飾看板
JP2011133585A (ja) * 2009-12-24 2011-07-07 Hiraoka & Co Ltd 不燃性内照式電飾看板
JP2011180445A (ja) * 2010-03-02 2011-09-15 Sumitomo Bakelite Co Ltd 不燃性看板材料、不燃性看板、及び、不燃性看板材料の製造方法
WO2014119561A1 (ja) * 2013-01-29 2014-08-07 富士フイルム株式会社 電飾用シート、電飾用印刷物およびその製造方法ならびに電飾看板
JP2014201024A (ja) * 2013-04-08 2014-10-27 クラレプラスチックス株式会社 採光不燃シート
JP2015160316A (ja) * 2014-02-26 2015-09-07 平岡織染株式会社 光拡散透過性膜材
KR20150114462A (ko) * 2013-01-29 2015-10-12 도요보 가부시키가이샤 표면 장식용 필름

Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0736396A (ja) * 1993-10-20 1995-02-07 Hiraoka & Co Ltd 電飾用シート
JPH10315399A (ja) * 1997-05-20 1998-12-02 Toray Ind Inc 防汚膜材料
JP2003012942A (ja) * 2000-08-25 2003-01-15 Sekisui Chem Co Ltd シート状成形体
JP2003335962A (ja) * 2001-09-04 2003-11-28 Sekisui Chem Co Ltd 難燃性膜材用シート及び難燃性膜材
JP2004269635A (ja) * 2003-03-07 2004-09-30 Kanbo Pras Corp 難燃性フィルム、不燃性積層体、および不燃性積層体構造体

Patent Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0736396A (ja) * 1993-10-20 1995-02-07 Hiraoka & Co Ltd 電飾用シート
JPH10315399A (ja) * 1997-05-20 1998-12-02 Toray Ind Inc 防汚膜材料
JP2003012942A (ja) * 2000-08-25 2003-01-15 Sekisui Chem Co Ltd シート状成形体
JP2003335962A (ja) * 2001-09-04 2003-11-28 Sekisui Chem Co Ltd 難燃性膜材用シート及び難燃性膜材
JP2004269635A (ja) * 2003-03-07 2004-09-30 Kanbo Pras Corp 難燃性フィルム、不燃性積層体、および不燃性積層体構造体

Cited By (12)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010037671A (ja) * 2008-08-01 2010-02-18 Photo Craft Co Ltd 不燃性の画像用シート
JP2010072378A (ja) * 2008-09-19 2010-04-02 Sekisui Chem Co Ltd 看板用難燃性シート
JP2010151876A (ja) * 2008-12-24 2010-07-08 Hiraoka & Co Ltd 看板用発光表示体及び、非常灯機能を有する看板用発光表示体システム及び、その照明方法
JP2011133584A (ja) * 2009-12-24 2011-07-07 Hiraoka & Co Ltd 不燃性内照式電飾看板
JP2011133585A (ja) * 2009-12-24 2011-07-07 Hiraoka & Co Ltd 不燃性内照式電飾看板
JP2011180445A (ja) * 2010-03-02 2011-09-15 Sumitomo Bakelite Co Ltd 不燃性看板材料、不燃性看板、及び、不燃性看板材料の製造方法
WO2014119561A1 (ja) * 2013-01-29 2014-08-07 富士フイルム株式会社 電飾用シート、電飾用印刷物およびその製造方法ならびに電飾看板
JP2014145902A (ja) * 2013-01-29 2014-08-14 Fujifilm Corp 電飾用シート、電飾用印刷物およびその製造方法ならびに電飾看板
KR20150114462A (ko) * 2013-01-29 2015-10-12 도요보 가부시키가이샤 표면 장식용 필름
KR102180699B1 (ko) * 2013-01-29 2020-11-20 도요보 가부시키가이샤 표면 장식용 필름
JP2014201024A (ja) * 2013-04-08 2014-10-27 クラレプラスチックス株式会社 採光不燃シート
JP2015160316A (ja) * 2014-02-26 2015-09-07 平岡織染株式会社 光拡散透過性膜材

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4263880B2 (ja) 難燃性膜材
JP2009001012A (ja) 難燃性膜材
CA2402880C (en) Flameproof polymer composition
US6924334B1 (en) Polyolefin resin composition
JP2006145910A (ja) 内照式電飾看板用不燃性シート
KR100808424B1 (ko) 시트상 성형체
US20090131568A1 (en) Halogen-free, flame-retardant wire-and-cable composition and related articles
JP3574426B2 (ja) シート状成形体
JP4829555B2 (ja) 不燃性樹脂組成物及び不燃性樹脂フィルム積層体
JP3635567B2 (ja) ポリオレフィン系樹脂組成物
JP2005179597A (ja) 不燃性シート材料
JP2003007155A (ja) 被覆電線の製造方法
JP2005181868A (ja) 不燃性表示体または不燃性看板
JP2004058659A (ja) 化粧シート
JP2006028305A (ja) 難燃性樹脂塗料組成物及び該樹脂塗料組成物の製造方法
JP4532314B2 (ja) 難燃光ファイバ素線
JP4189202B2 (ja) シート状成形体及び化粧シート
KR100561556B1 (ko) 불연성 폴리올레핀 수지 조성물
JP2004160818A (ja) 化粧シート
JP2002285010A (ja) 電線被覆用又はシース用熱可塑性樹脂組成物、並びに、それらを用いたシース及び電線
JP2002285011A (ja) 電線被覆用又はシース用熱可塑性樹脂組成物、並びに、それらを用いたシース及び電線
JP2010072378A (ja) 看板用難燃性シート
JP3784260B2 (ja) ポリオレフィン系樹脂組成物
JP2002338830A (ja) 管状成形体用熱可塑性樹脂組成物及びそれらを用いたステンレス鋼フレキシブル管
JP3882583B2 (ja) 難燃助剤とそれを配合してなる難燃性樹脂組成物

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20070821

A711 Notification of change in applicant

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A711

Effective date: 20081126

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20100706

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20101102