JP2003335962A - 難燃性膜材用シート及び難燃性膜材 - Google Patents
難燃性膜材用シート及び難燃性膜材Info
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Abstract
及び抗張力等の力学的物性に優れる難燃性膜材用シー
ト、及び、この難燃性膜材用シートを用いた難燃性膜材
を提供する。 【解決手段】 熱可塑性樹脂100重量部、層状珪酸塩
0.1〜100重量部及び非ハロゲン系難燃剤5〜10
0重量部を含有することを特徴とする難燃性膜材用シー
ト、及び、上記難燃性膜材用シートをシート状繊維の片
面又は両面に積層してなることを特徴とする難燃性膜
材。
Description
ト及び難燃性膜材に関し、更に詳細には、難燃性、耐候
性、耐水性、耐摩耗性、柔軟性及び抗張力等の力学的物
性に優れる難燃性膜材用シート、及び、この難燃性膜材
用シートを用いた難燃性膜材に関する。
ファサード、フレコン等に用いられる膜材(ターポリ
ン)には、耐候性、耐水性、耐摩耗性、柔軟性及び抗張
力等の力学的物性と同時に、火災時における延焼を防ぐ
ために難燃性が必要とされている。このため、通常、膜
材としては、ポリエステル繊維やガラス繊維等のシート
状繊維を基材として、これに難燃性の樹脂を被覆したも
のが用いられている。従来より、この被覆用の樹脂とし
ては、軟質ポリ塩化ビニル系樹脂やポリテトラフルオロ
エチレン系樹脂等が用いられてきた。
ニル系樹脂を用いた場合、軟質ポリ塩化ビニル系樹脂に
含有される可塑剤や難燃剤等が経時により表層へ滲み出
すことにより、表面の粘着性が増して、大気中の汚れが
付着したり、柔軟性、耐候性、難燃性等が低下したりす
る問題があった。
は、近年、廃プラスチックの処理や環境ホルモンの問題
から、環境に負荷をかけない材料、即ち、環境適応型材
料への転換が望まれている。具体的には、燃焼時のダイ
オキシン発生や可塑剤の毒性等の問題から、例えば、ポ
リ塩化ビニル系樹脂からポリオレフィン系樹脂への転換
が検討されている。
環境適応型材料へ転換するためにシート状繊維の被覆用
樹脂にポリオレフィン系樹脂を用いた、いわゆるエコ膜
材(エコターポリン)の要求が高まっているが、ポリオ
レフィン系樹脂は、最も燃焼性の高い樹脂の1つである
ので、難燃性を発現させることは最も困難な課題となっ
ている。
大量の難燃剤をポリオレフィン系樹脂に練り込んで使用
することが多い。難燃剤のなかでも、含ハロゲン難燃剤
は、難燃化の効果が高く、成形性の低下や成形品の力学
的物性の低下等も比較的少ないことから多用されてい
る。しかし、含ハロゲン難燃剤を用いた場合、成形加工
時や燃焼時に多量のハロゲン系ガスが発生して、機器が
腐食したり、人体に悪影響を及ぼす等の恐れがあるため
に、安全性の面からハロゲン含有化合物を使用しない、
いわゆる非ハロゲン難燃化処理方法が強く望まれてい
る。
37号公報や特開昭61−36343号公報等には、ポ
リオレフィン系樹脂の非ハロゲン難燃化処理方法の1つ
として、燃焼時に有毒なガスを発生しない、水酸化アル
ミニウム、水酸化マグネシウム、塩基性炭酸マグネシウ
ム等の金属化合物を難燃剤として添加する方法が開示さ
れている。
充分な難燃性を付与するためには、大量の金属化合物を
添加する必要があり、その結果、得られる成形体の力学
的物性が著しく低下して、実用に供することが難しいと
いう問題点がある。特に大量の金属化合物を添加した場
合、膜材に必要な柔軟性や伸び等の物性を確保すること
が困難であるという問題点がある。
ウム等の金属水酸化物のみをポリオレフィン系樹脂に添
加した場合は、燃焼時において被膜層を形成することが
できず、脆い灰分が露出し、燃焼残渣が脱落していくの
で、断熱層としての機能を早期に失い、更に、材料が変
形するために延焼をくい止めることができないという問
題点がある。
脂に添加し、燃焼時に表面に被膜を形成して、これによ
る酸素遮断効果を利用することにより、難燃性を発現さ
せる方法が提案されている。しかし、易燃性のポリオレ
フィン系樹脂に充分な難燃性を付与するためには、大量
のリン系難燃剤を添加する必要があり、その結果、得ら
れる成形体の力学的物性が著しく低下し、実用に供する
ことが難しいという問題点がある。
に添加した場合、局所的には被膜が形成されるものの、
強固な被膜層を連続層として形成することは困難であ
る。このような局所的な被膜の機械的強度は非常に弱
く、燃焼時において脆い灰分が露出し、燃焼残渣が脱落
していくために、断熱層としての機能を早期に失い、更
に、材料が変質するために延焼をくい止めることができ
ないという問題点がある。更に、屋外で使用される場合
には、リン系難燃剤が水により抽出され、経時により難
燃性能が低下するという問題点もある。
は、ポリオレフィン系樹脂に赤リン又はリン化合物と加
熱膨張性黒鉛とが添加された難燃性ポリオレフィン系樹
脂組成物が開示されている。この難燃性ポリオレフィン
系樹脂組成物は、酸素指数から見た場合には充分な難燃
性を有するものの、実際には局所的にしか被膜を形成で
きず、強固な被膜層を連続層として形成することができ
ないものである。このような局所的な被膜の機械的強度
は非常に弱く、燃焼時において脆い灰分が露出し、燃焼
残渣が脱落していくために、断熱層としての機能を早期
に失い、更に、材料が変形するために延焼をくい止める
ことができないという問題点がある。
範囲なプラスチックに配合することができ、安全性が高
い難燃剤としてシリコーン系難燃剤が注目されている。
シリコーン系難燃剤は、燃焼時に樹脂表面に移行して不
燃被膜を形成することによる酸素遮断効果を利用して難
燃性を発現することが知られている。しかし、ポリオレ
フィン系樹脂にシリコーン系難燃剤を添加した場合、酸
素指数は大幅に向上するものの、実際の燃焼時には強固
な不燃被膜を形成することができず、不燃被膜の裂け目
から可燃性ガスが流出するため、延焼をくい止めること
ができないという問題点がある。
問題点に鑑み、難燃性、耐候性、耐水性、耐摩耗性、柔
軟性及び抗張力等の力学的物性に優れる難燃性膜材用シ
ート、及び、この難燃性膜材用シートを用いた難燃性膜
材を提供することにある。
(本発明)による難燃性膜材用シートは、熱可塑性樹脂
100重量部、層状珪酸塩0.1〜100重量部及び非
ハロゲン系難燃剤5〜100重量部を含有することを特
徴とする。
よる難燃性膜材は、上記本発明の難燃性膜材用シートを
シート状繊維の片面又は両面に積層してなることを特徴
とする。
熱可塑性樹脂としては、特に限定されるものではない
が、例えば、ポリオレフィン系樹脂、ポリスチレン系樹
脂、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂等が挙げら
れ、なかでも、ポリオレフィン系樹脂が好適に用いられ
る。これらの熱可塑性樹脂は、単独で用いられても良い
し、2種類以上が併用されても良い。
限定されるものではないが、例えば、エチレン単独重合
体、プロピレン単独重合体、エチレンとプロピレンとの
ランダム共重合体又はブロック共重合体、エチレン及び
/又はプロピレンとこれらと共重合可能な他のα−オレ
フィンとの共重合体、エチレン−(メタ)アクリル酸エ
ステル共重合体、エチレン−(メタ)アクリル酸共重合
体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−スチレ
ン共重合体、ブテン単独重合体、イソプレンやブタジエ
ンなどの共役ジエン類の単独重合体又は共重合体等が挙
げられ、なかでも、エチレン単独重合体、プロピレン単
独重合体、エチレン及び/又はプロピレンとこれらと共
重合可能な他のα−オレフィンとの共重合体、エチレン
−アクリル酸エチル共重合体及びエチレン−酢酸ビニル
共重合体が好適に用いられる。これらのポリオレフィン
系樹脂は、単独で用いられても良いし、2種類以上が併
用されても良い。尚、本発明で言う(メタ)アクリル酸
とは、アクリル酸又はメタクリル酸を意味する。
定されるものではないが、例えば、1−ブテン、1−ペ
ンテン、1−ヘキセン、1−ヘプテン、1−オクテン、
4−メチル−1−ペンテン、ブタジエン等が挙げられ
る。これらの他のα−オレフィンは、単独で用いられて
も良いし、2種類以上が併用されても良い。
ではないが、重量平均分子量が5000〜500万であ
ることが好ましく、より好ましくは2万〜30万であ
り、又、分子量分布(重量平均分子量/数平均分子量)
が1.1〜80であることが好ましく、より好ましくは
1.5〜40である。
層状珪酸塩とは、結晶層間に交換性金属カチオンを有す
る珪酸塩鉱物を意味する。
ものではないが、例えば、モンモリロナイト、サポナイ
ト、ヘクトライト、バイデライト、スティブンサイト、
ノントロナイトなどのスメクタイト系粘土鉱物や、バー
ミキュライト、ハロイサイト、膨潤性マイカ等が挙げら
れ、なかでも、モンモリロナイト及び/又は膨潤性マイ
カが好適に用いられる。これらの層状珪酸塩は、天然物
であっても良いし、合成物であっても良い。又、これら
の層状珪酸塩は、単独で用いられても良いし、2種類以
上が併用されても良い。
(1)で定義される形状異方性効果の大きいスメクタイ
ト系粘土鉱物や膨潤性マイカを用いることが好ましい。
形状異方性効果の大きい層状珪酸塩を用いることによ
り、本発明の難燃性膜材用シートはより優れた力学的物
性を有するものとなる。 形状異方性効果=結晶表面(α)の面積/結晶表面(β)の面積 (1) 尚、上式中、結晶表面(α)は層表面を意味し、結晶表
面(β)は層側面を意味する。
ものではないが、凝集構造を解砕した結晶薄片の平均長
さが0.01〜3μm、厚みが0.001〜1μm、ア
スペクト比が20〜500であるものが好ましく、より
好ましくは、平均長さが0.05〜2μm、厚みが0.
01〜0.5μm、アスペクト比が50〜200のもの
である。
性金属カチオンとは、層状珪酸塩の結晶表面上に存在す
るナトリウムやカルシウムなどの金属のイオンのことで
あり、これらの金属のイオンは、カチオン性物質とカチ
オン交換性を有するため、カチオン性を有する種々の物
質を上記層状珪酸塩の結晶層間に挿入(インターカレー
ト)もしくは捕捉することができる。
に限定されるものではないが、50〜200ミリ等量/
100gであることが好ましい。層状珪酸塩のカチオン
交換容量が50ミリ等量/100g未満であると、カチ
オン交換により層状珪酸塩の結晶層間に挿入もしくは捕
捉されるカチオン性物質の量が少なくなるために、結晶
層間が充分に非極性化(疎水化)されないことがあり、
逆に層状珪酸塩のカチオン交換容量が200ミリ等量/
100gを超えると、層状珪酸塩の結晶層間の結合力が
強固になりすぎて、結晶薄片が剥離し難くなることがあ
る。
記熱可塑性樹脂として例えばポリオレフィン系樹脂のよ
うな低極性樹脂を用いる場合には、予め層状珪酸塩の結
晶層間をカチオン性界面活性剤でカチオン交換して、非
極性化(疎水化)しておくことが好ましい。予め層状珪
酸塩の結晶層間を非極性化(疎水化)しておくことによ
り、層状珪酸塩と低極性の熱可塑性樹脂との親和性が高
まり、層状珪酸塩を低極性の熱可塑性樹脂中により均一
に微分散させることができる。
限定されるものではないが、例えば、4級アンモニウム
塩や4級ホスホニウム塩等が挙げられ、なかでも、層状
珪酸塩の結晶層間を充分に非極性化(疎水化)し得るこ
とから、炭素数6以上のアルキル鎖を1個以上有する4
級アンモニウム塩(炭素数6以上のアルキルアンモニウ
ム塩)が好適に用いられる。
定されるものではないが、例えば、ラウリルトリメチル
アンモニウム塩、ステアリルトリメチルアンモニウム
塩、トリオクチルメチルアンモニウム塩、ジステアリル
ジメチルアンモニウム塩、ジ硬化牛脂ジメチルアンモニ
ウム塩、ジステアリルジベンジルアンモニウム塩、N−
ポリオキシエチレン−N−ラウリル−N,N−ジメチル
アンモニウム塩等が挙げられる。これらの4級アンモニ
ウム塩は、単独で用いられても良いし、2種類以上が併
用されても良い。
に限定されるものではないが、例えば、ドデシルトリフ
ェニルホスホニウム塩、メチルトリフェニルホスホニウ
ム塩、ラウリルトリメチルホスホニウム塩、ステアリル
トリメチルホスホニウム塩、トリオクチルメチルホスホ
ニウム塩、ジステアリルジメチルホスホニウム塩、ジス
テアリルジベンジルホスホニウム塩等が挙げられる。こ
れらの4級ホスホニウム塩は、単独で用いられても良い
し、2種類以上が併用されても良い。
ような化学処理を施すことによって熱可塑性樹脂中への
分散性を向上させることができる。
性剤によるカチオン交換法(以下、「化学修飾(1)
法」と記す)に限定されるものではなく、例えば、以下
に示す各種化学処理法によっても実施することができ
る。尚、化学修飾(1)法を含め、以下に示す各種化学
処理法によって熱可塑性樹脂中への分散性を向上させた
層状珪酸塩を、以下、「有機化層状珪酸塩」と記す。
有機化層状珪酸塩の結晶表面に存在する水酸基を、これ
と化学結合し得る官能基、又は、化学結合はしなくとも
化学的親和性の大きい官能基を分子末端に1個以上有す
る化合物で化学処理する方法(以下、「化学修飾(2)
法」と記す)。
有機化層状珪酸塩の結晶表面に存在する水酸基を、これ
と化学結合し得る官能基、又は、化学結合はしなくとも
化学的親和性の大きい官能基及び反応性官能基を分子末
端に1個以上有する化合物で化学処理する方法(以下、
「化学修飾(3)法」と記す)。
有機化層状珪酸塩の結晶表面を、アニオン性界面活性を
有する化合物で化学処理する方法(以下、「化学修飾
(4)法」と記す)。
ン性界面活性を有する化合物の分子鎖中のアニオン部位
以外に反応性官能基を1個以上有する化合物で化学処理
する方法(以下、「化学修飾(5)法」と記す)。
(5)法のいずれかの方法で化学処理された有機化層状
珪酸塩に、更に、例えば、無水マレイン酸変性ポリオレ
フィン系樹脂や無水マレイン酸変性ポリフェニレンエー
テル系樹脂などのような有機化層状珪酸塩と反応可能な
官能基を有する樹脂を添加した組成物を用いる方法(以
下、「化学修飾(6)法」と記す)。
も良いし、2種類以上が併用されても良い。
化学結合し得る官能基、又は、化学結合はしなくとも化
学的親和性の大きい官能基としては、特に限定されるも
のではないが、例えば、アルコキシル基、グリシジル
基、カルボキシル基(二塩基性酸無水物も含む)、水酸
基、イソシアネート基、アルデヒド基などの官能基や、
水酸基との化学的親和性が大きいその他の官能基等が挙
げられる。これらの官能基は、単独で用いられても良い
し、2種類以上が併用されても良い。
又は、化学結合はしなくとも化学的親和性の大きい官能
基を有する化合物としては、特に限定されるものではな
いが、例えば、上記に例示した官能基を有するシラン化
合物、チタネート化合物、グリシジル化合物、カルボン
酸類、アルコール類等が挙げられる。これらの化合物
は、単独で用いられても良いし、2種類以上が併用され
ても良い。
るものではないが、例えば、ビニルトリメトキシシラ
ン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリス(β−メ
トキシエトキシ)シラン、γ−アミノプロピルトリメト
キシシラン、γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラ
ン、γ−アミノプロピルジメチルメトキシシラン、γ−
アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−アミノプロピ
ルメチルジエトキシシラン、γ−アミノプロピルジメチ
ルエトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、ジメチ
ルジメトキシシラン、トリメチルメトキシシラン、ヘキ
シルトリメトキシシラン、ヘキシルトリエトキシシラ
ン、N−β−(アミノエチル)γ−アミノプロピルトリ
メトキシシラン、N−β−(アミノエチル)γ−アミノ
プロピルトリエトキシシラン、N−β−(アミノエチ
ル)γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、オク
タデシルトリメトキシシラン、オクタデシルトリエトキ
シシラン、γ−メタクリロキシプロピルメチルジメトキ
シシラン、γ−メタクリロキシプロピルメチルジエトキ
シシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシ
ラン、γ−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン
等が挙げられる。これらのシラン化合物は、単独で用い
られても良いし、2種類以上が併用されても良い。
法における、アニオン性界面活性を有する化合物、及び
/又は、アニオン性界面活性を有し、分子鎖中のアニオ
ン部位以外に反応性官能基を1個以上有する化合物とし
ては、イオン相互作用により層状珪酸塩を化学処理でき
るものであれば如何なる化合物であっても良く、特に限
定されるものではないが、例えば、ラウリル酸ナトリウ
ム、ステアリン酸ナトリウム、オレイン酸ナトリウム、
高級アルコール硫酸エステル塩、第2級高級アルコール
硫酸エステル塩、不飽和アルコール硫酸エステル塩等が
挙げられる。これらの化合物は、単独で用いられても良
いし、2種類以上が併用されても良い。
イン酸変性ポリオレフィン系樹脂や無水マレイン酸変性
ポリフェニレンエーテル系樹脂などのような有機化層状
珪酸塩と反応可能な官能基を有する樹脂を添加した組成
物を分散剤として用いる方法が挙げられる。これは、有
機化層状珪酸塩との化学的親和性が大きい部位と熱可塑
性樹脂との化学的親和性が大きい部位とを有する分散剤
を混合することにより、両者の相溶性を高め、有機化層
状珪酸塩の分散に必要なエネルギーを低下させる方法で
ある。
ではないが、例えば、無水マレイン酸変性ポリオレフィ
ン系オリゴマー等が挙げられ、なかでも、両端が異なる
性質を有するA−B型ジブロックオリゴマーやA−B型
ジブロックポリマー等が好適に用いられる。即ち、有機
化層状珪酸塩との化学的親和性が大きい部位(Aサイ
ト)と熱可塑性樹脂との化学的親和性が大きい部位(B
サイト)との異なる性質を両端に有するA−B型分散剤
は、効率的にそれぞれの化学的親和性を発揮し易いこと
から好適な分散効果が得られる。
得る方法としては、特に限定されるものではないが、例
えば、熱可塑性樹脂、有機化層状珪酸塩及びA−B型分
散剤を共に押出機中で溶融混練する方法が挙げられる。
より測定した(001)面の平均層間距離が3nm以上
であり、且つ、一部又は全部が5層以下に分散している
ことが好ましく、より好ましくは、上記平均層間距離が
6nm以上であり、且つ、一部又は全部が5層以下に分
散していることである。尚、本発明で言う層状珪酸塩の
平均層間距離とは、層状珪酸塩の微細薄片状結晶を層と
した場合の平均の層間距離を意味し、X線回折ピーク及
び透過型電子顕微鏡撮影により、即ち、広角X線回折測
定法により、算出することができる。又、層状珪酸塩の
分散状態は、透過型電子顕微鏡による5万倍から10万
倍の倍率で観察して、一定面積中において観察できる層
状珪酸塩の積層集合体の数(X)の内、5層以下に分散
している積層集合体の数(Y)をカウントし、下記計算
式(2)により算出することができる。 5層以下に分散している割合(%)=(Y/X)×100 (2)
層状分子が剥離して分散すると、層状珪酸塩の結晶薄片
層間における相互作用が殆ど無視できるほどに弱まり、
結晶薄片は熱可塑性樹脂中で一定の間隔を保って微分散
状態となり安定化する。その結果、層状珪酸塩は、結晶
薄片層間の平均層間距離が大きくなると共に分散安定化
して、燃焼時においては層状珪酸塩の結晶薄片の移動に
よって焼結体を形成し易くなる。即ち、層状珪酸塩の結
晶薄片層が平均層間距離3nm以上で分散した難燃性膜
材用シートは、燃焼皮膜となり得る焼結体を形成し易く
なる。この焼結体は燃焼時の早い段階で形成されるの
で、外界からの酸素の供給を遮断するのみならず、燃焼
により発生する可燃性ガスも遮断することができ、熱可
塑性樹脂の発熱速度を抑制することができる。即ち、優
れた燃焼防止性能を発現することが可能となる。従っ
て、このような層状珪酸塩を熱可塑性樹脂中に配合し、
分散させて得られる難燃性膜材用シートは、著しく優れ
た難燃性、耐候性、機械的強度等の諸性能を発現するも
のとなる。又、層状珪酸塩の結晶薄片層間の平均層間距
離が3nm以上、好ましくは6nm以上であると、層状
珪酸塩の結晶薄片層が層ごとに分離し、層状珪酸塩の結
晶薄片層間における相互作用が殆ど無視できるほどに弱
まるので、層状珪酸塩を構成する結晶薄片の熱可塑性樹
脂中での分散状態が離砕安定化の方向に進行する利点が
ある。
に分散しているということは、本来数十層の積層体であ
る層状珪酸塩の層状分子の一部又は全部が剥離して広く
分散していることを意味しており、これも層状珪酸塩の
結晶薄片層間における相互作用が弱まっていることにな
り、上記と同様の効果を得ることができる。又、層状珪
酸塩の一部又は全部が5層以下に分散しているというこ
とは、具体的には、層状珪酸塩の10%以上が5層以下
に分散している状態にあることが好ましいことを意味
し、より好ましくは層状珪酸塩の20%以上が5層以下
に分散している状態である。
ていることが好ましく、より好ましくは3層以下に分層
していることであり、更に好ましくは単層状に分層(薄
片化)していることである。
状珪酸塩の結晶薄片層間の平均層間距離が3nm以上で
あり、且つ、層状珪酸塩の一部又は全部が5層以下に分
散している状態、即ち、熱可塑性樹脂中に層状珪酸塩が
高分散している状態であれば、熱可塑性樹脂と層状珪酸
塩との界面面積が増大し、層状珪酸塩の結晶薄片間の平
均隣接距離が小さくなる。
増大すると、層状珪酸塩の表面における熱可塑性樹脂の
拘束の度合いが高まり、弾性率等の機械的強度が向上す
る。又、層状珪酸塩の表面における熱可塑性樹脂の拘束
の度合いが高まると、溶融粘度が高くなって成形性も向
上する。更に、層状珪酸塩の邪魔板効果により、熱可塑
性樹脂中の添加剤等のブリードアウトが抑制されると共
に、層状珪酸塩の紫外線遮蔽効果により、難燃性膜材用
シートの耐候性が向上する。
前記熱可塑性樹脂100重量部に対して、上述の層状珪
酸塩(有機化層状珪酸塩も含む)0.1〜100重量部
が配合されていることが必要であり、好ましくは1〜2
0重量部である。
酸塩の配合量が0.1重量部未満であると、燃焼時に焼
結体を形成し難くなるので、得られる難燃性膜材用シー
トの難燃性が不充分となり、逆に熱可塑性樹脂100重
量部に対する層状珪酸塩の配合量が100重量部を超え
ると、得られる難燃性膜材用シートの密度が高くなっ
て、重量増加及び柔軟性低下により施工性が悪くなる。
法としては、特に限定されるものではないが、例えば、
熱可塑性樹脂と層状珪酸塩とを押出機、二本ロール、バ
ンバリーミキサー等で溶融混練する方法;熱可塑性樹脂
と層状珪酸塩との両者が溶解する有機溶媒中で混練する
方法;重合触媒としての遷移金属錯体を含有する層状珪
酸塩を用いてオレフィン系単量体を重合することにより
混練する方法等が挙げられ、いずれの方法が採られても
良い。
単量体の重合触媒機能を有するものであれば良く、特に
限定されるものではないが、例えば、IV族、V族、X
族、XI族の金属錯体等が挙げられる。これらの遷移金
属錯体は、単独で用いられても良いし、2種類以上が併
用されても良い。
非ハロゲン系難燃剤としては、難燃性膜材用シートに難
燃性を付与し得るものであれば如何なる非ハロゲン系難
燃剤であっても良く、特に限定されるものではないが、
例えば、金属水酸化物、ベンゾオキサジン、メラミン誘
導体、金属酸化物、リン系難燃剤、シリコーン系難燃剤
等が挙げられ、なかでも、金属水酸化物、ベンゾオキサ
ジン、メラミン誘導体及び金属酸化物が好適に用いられ
る。これらの非ハロゲン系難燃剤は、単独で用いられて
も良いし、2種類以上が併用されても良い。
るものではないが、例えば、水酸化マグネシウム、水酸
化アルミニウム、ドーソナイト、アルミン酸化カルシウ
ム、2水和石膏、水酸化カルシウム等が挙げられ、なか
でも、水酸化マグネシウムや水酸化アルミニウムが好適
に用いられる。これらの金属水酸化物は、単独で用いら
れても良いし、2種類以上が併用されても良い。2種類
以上の金属水酸化物を併用する場合、各々が異なる温度
で吸熱脱水反応を開始するので、より高い難燃化効果を
得ることができる。
より表面処理が施されているものであっても良い。上記
表面処理剤としては、特に限定されるものではないが、
例えば、シランカップリング剤、チタネート系カップリ
ング剤、ポリビニルアルコール系表面処理剤、エポキシ
系表面処理剤等が挙げられる。これらの表面処理剤は、
単独で用いられても良いし、2種類以上が併用されても
良い。
も含む)は、燃焼時の高熱下で吸熱脱水反応を起こすの
で、吸熱し、且つ、水分子を放出することにより、燃焼
場の温度を低下させ、消火する効果を発揮する。本発明
の難燃性膜材用シートは、前記層状珪酸塩を含有してい
るので、上記金属水酸化物による難燃化効果が増大され
る。これは、層状珪酸塩の燃焼時の被膜形成による難燃
化効果と金属水酸化物の吸熱脱水反応による難燃化効果
とが協奏的に起こり、それぞれの難燃化効果が助長され
ることによるものと考えられる。
されるものではないが、例えば、6,6’−(1−メチ
ルエチリデン)ビス(3,4−ジヒドロ−3−フェニル
−2H−1,3−ベンゾオキサジン)等が挙げられる。
これらのベンゾオキサジンは、単独で用いられても良い
し、2種類以上が併用されても良い。
で重合反応を起こすことにより、焼結体を形成する。こ
の焼結体は燃焼時の早い段階で形成されるので、外界か
らの酸素の供給を遮断するのみならず、燃焼により発生
する可燃性ガスも遮断することができ、難燃性膜材用シ
ートの発熱速度を抑制することができる。即ち、優れた
延焼防止性能を発現することが可能となる。
れるものではないが、例えば、メラミン、メラミンシア
ヌレート、メラミンイソシアヌレート等や、これらに表
面処理が施されたもの等が挙げられ、なかでも、メラミ
ンシアヌレートが好適に用いられる。これらのメラミン
誘導体は、単独で用いられても良いし、2種類以上が併
用されても良い。
重合反応を起こすことにより、焼結体を形成する。この
焼結体は燃焼時の早い段階で形成されるので、外界から
の酸素の供給を遮断するのみならず、燃焼により発生す
る可燃性ガスも遮断することができ、難燃性膜材用シー
トの発熱速度を抑制することができる。即ち、優れた延
焼防止性能を発現することが可能となる。
ものではないが、例えば、酸化亜鉛、酸化チタン、酸化
銅、硼酸亜鉛(2ZnO・3B2 O3 ・3.5H2 O)
等や、これらに表面処理が施されたもの等が挙げられ、
なかでも、硼酸亜鉛が好適に用いられる。これらの金属
酸化物は、単独で用いられても良いし、2種類以上が併
用されても良い。
脱水反応を起こすので、吸熱し、且つ、水分子を放出す
ることにより、燃焼場の温度を低下させ、消火する効果
を発揮する。又、燃焼時の高熱下でガラス状の溶融物に
よる焼結体を形成する。この焼結体の形成により、外界
からの酸素の供給を遮断するのみならず、燃焼により発
生する可燃性ガスも遮断することができ、難燃性膜材用
シートの発熱速度を抑制することができる。即ち、優れ
た延焼防止性能を発現することが可能となる。
前記熱可塑性樹脂100重量部に対して、上記非ハロゲ
ン系難燃剤5〜100重量部が配合されていることが必
要であり、好ましくは20〜60重量部である。
ゲン系難燃剤の配合量が5重量部未満であると、充分な
難燃化効果を得られず、逆に熱可塑性樹脂100重量部
に対する非ハロゲン系難燃剤の配合量が100重量部を
超えると、難燃化効果は充分に得られるものの、成形加
工性が低下したり、得られる難燃性膜材用シートの密度
が高くなって、重量増加及び柔軟性低下により施工性が
低下する。
燃助剤を含有することが好ましい。難燃助剤を含有させ
ることにより、本発明の難燃性膜材用シートは、酸素指
数が向上すると共に、最大発熱速度が大幅に低下する。
のではないが、例えば、フッ素樹脂、シリコーンオイ
ル、シリコーン・アクリル複合ゴム及びカーボンブラッ
クからなる群より選択される少なくとも1種の難燃助剤
が好適に用いられる。
り熱可塑性樹脂組成物中で繊維状となり、成形時の溶融
張力を飛躍的に向上させることができる。これにより、
難燃性膜材用シートの生産速度を飛躍的に向上させるこ
とができる。同様に、燃焼時においても、溶融した熱可
塑性樹脂組成物中でフッ素樹脂が溶融粘度を向上させる
ことにより、ドリップ現象(溶融樹脂が落下する現象)
の発生を効果的に抑制し、延焼防止効果を付与できる。
又、これにより、燃焼時に層状珪酸塩による焼結被膜の
形成が阻害されないので、難燃性が向上する。フッ素樹
脂は、フッ素置換量が多いほど分子構造上剛直になるこ
とにより凝集し難くなる。又、フッ素樹脂は、延伸によ
り繊維状構造をとり、より剛直になることが知られてい
る。
リル複合ゴムは、活性基を有する熱可塑性樹脂と燃焼時
に反応してチャー化を促進し、又は、ガラス状の無機化
合物の被膜が形成される時には、保膜材として強固なも
のとなり、熱可塑性樹脂の熱分解を抑制する。
されていないものの、チャー形成を促進し、火勢を著し
く抑制する。
前記熱可塑性樹脂100重量部に対して、上記難燃助剤
0.1〜20重量部が配合されていることが好ましく、
より好ましくは0.5〜15重量部である。
剤の配合量が0.1重量部未満であると、得られる難燃
性膜材用シートの酸素指数が充分に向上しなかったり、
最大発熱速度が充分に低下しないことがあり、逆に熱可
塑性樹脂100重量部に対する難燃助剤の配合量が20
重量部を超えると、得られる難燃性膜材用シートの密度
が高くなったり、機械的強度が低下したり、柔軟性が乏
しくなることがある。
色顔料として酸化チタンを含有することが好ましい。酸
化チタンを含有させることにより、本発明の難燃性膜材
用シートは、白色性や隠蔽力が向上すると共に、難燃性
もより向上する。
ものではないが、例えば、アナターゼ型酸化チタンやル
チル型酸化チタン等が挙げられ、いずれの酸化チタンが
用いられても良いが、特に難燃化効果や耐候性の面から
は、ルチル型酸化チタンを用いることが好ましい。又、
難燃性膜材用シートが防汚性の要求される用途に用いら
れる場合には、光触媒効果を有する酸化チタンを用いる
ことが好ましい。
前記熱可塑性樹脂100重量部に対して、上記酸化チタ
ン1〜20重量部が配合されていることが好ましく、よ
り好ましくは2〜7重量部である。
タンの配合量が1重量部未満であると、白色性、隠蔽力
及び難燃化効果を充分に得られないことがあり、逆に熱
可塑性樹脂100重量部に対する酸化チタンの配合量が
20重量部を超えると、白色性、隠蔽力及び難燃化効果
は充分に得られるものの、成形加工性が低下したり、得
られる難燃性膜材用シートの柔軟性が乏しくなることが
ある。
ルーイング剤及び/又は蛍光顔料を含有することが好ま
しい。ブルーイング剤及び/又は蛍光顔料を含有させる
ことにより、本発明の難燃性膜材用シートは、白色性が
より向上する。
前記熱可塑性樹脂100重量部に対して、上記ブルーイ
ング剤及び/又は蛍光顔料0.1〜10重量部が配合さ
れていることが好ましく、より好ましくは1〜5重量部
である。
イング剤及び/又は蛍光顔料の配合量が0.1重量部未
満であると、得られる難燃性膜材用シートの白色性が充
分に向上しないことがあり、逆に熱可塑性樹脂100重
量部に対するブルーイング剤及び/又は蛍光顔料の配合
量が10重量部を超えると、成形加工性が低下すること
がある。
である熱可塑性樹脂、層状珪酸塩、非ハロゲン系難燃
剤、及び、好ましく含有される難燃助剤、酸化チタン、
ブルーイング剤及び/又は蛍光顔料以外に、本発明の課
題達成を阻害しない範囲で必要に応じて、例えば、酸化
防止剤、熱安定剤、光安定剤、紫外線吸収剤、滑剤、離
型剤、帯電防止剤等の各種添加剤の1種もしくは2種以
上を含有していても良い。又、本発明の難燃性膜材用シ
ートは、物性をより均一化するために、結晶核剤となり
得るものが少量含有されて、結晶が微細化されていても
良い。
られる熱可塑性樹脂組成物の調製方法としては、特に限
定されるものではないが、例えば、必須成分である熱可
塑性樹脂、層状珪酸塩、非ハロゲン系難燃剤、及び、必
要に応じて含有させる難燃助剤等の各所定配合量を直接
混練する方法や、熱可塑性樹脂に所定配合量以上の層状
珪酸塩及び必要に応じて含有させる難燃助剤等を混練し
てマスターバッチを調製した後、調製されたマスターバ
ッチに所定配合量となるように熱可塑性樹脂及び非ハロ
ゲン系難燃剤を配合して希釈する、いわゆるマスターバ
ッチ法等が挙げられ、いずれの方法が採られても良い。
は、特に限定されるものではなく、例えば、上記方法で
調製された熱可塑性樹脂組成物を押出成形法、カレンダ
ー成形法、熱プレス成形法、インフレーション成形法等
の公知の成形法で製膜することにより、所望の難燃性膜
材用シートを得ることができる。
ートは、厚みが0.1〜2mmであり、且つ、密度が
0.90〜1.25g/cm3 であることが好ましい。
満であるか、又は、密度が0.90g/cm3 未満であ
ると、充分な難燃性を発現できなくなることがあり、逆
に難燃性膜材用シートの厚みが2mmを超えるか、又
は、密度が1.25g/cm3を超えると、柔軟性が不
充分となったり、重量が増すことにより施工性が低下す
ることがある。
TM E 1354「建築材料の燃焼性試験方法」に準
拠した燃焼試験において、50kW/m2 の輻射加熱条
件下で30分間加熱し燃焼した時の最大発熱速度が35
0kW/m2 以下であることが好ましく、より好ましく
は300kW/m2 以下である。
350kW/m2 を超えると、充分な難燃性を発現でき
なくなることがある。
TM E 1354に準拠した燃焼試験において、50
kW/m2 の輻射加熱条件下で30分間加熱し燃焼する
ことにより得られた燃焼残渣を0.1cm/秒の速度で
圧縮したときの降伏点応力が4.9×103 Pa以上で
あることが好ましい。
4.9×103 Pa未満であると、僅かな衝撃により燃
焼残渣が簡単に崩壊し、火災時に難燃性膜材用シート自
体やこの難燃性膜材用シートを用いた後述する難燃性膜
材にドリップ現象が発生して、延焼の危険性が生じるこ
とがある。
指数が26以上であることが好ましく、より好ましくは
28以上であり、更に好ましくは30以上である。上記
酸素は、例えば、ASTM D 2863「酸素指数に
よるプラスチックの燃焼性標準試験方法」に準拠して測
定することができる。
350kW/m2 以下であることに加えて、酸素指数が
26以上であると、難燃性膜材用シートを各種形態での
難燃性膜材に用いた場合に、充分な難燃性をより確実に
発現することができる。
己消火性を有していることが好ましい。難燃性膜材用シ
ートが自己消火性を有していないと、膜構造建築物用膜
材やテント倉庫用膜材として使用される場合の難燃性膜
材の実用性が不充分となることがある。
発明の難燃性膜材用シートをシート状繊維の片面又は両
面に積層してなる。
は、難燃性膜材の用途や難燃性膜材に要求される性能等
に応じて適宜設定されれば良く、特に限定されるもので
はない。又、難燃性膜材用シートをシート状繊維の両面
に積層する場合、一方の面に積層される層数及び他方の
面に積層される層数は、同一の層数であっても良いし、
異なる層数であっても良い。
るものではないが、例えば、ビニロン繊維、ナイロン繊
維、ポリエステル繊維、ポリアミド繊維などの合成繊維
や木錦、麻などの天然繊維の単独編織物又は混合編織
物、ガラス繊維、炭素繊維、うアラミド繊維等が挙げら
れ、なかでも、ポリエステル繊維及びガラス繊維が好適
に用いられる。これらのシート状繊維は、単独で用いら
れても良いし、2種類以上が併用されても良い。
ては、特に限定されるものではないが、例えば、フィラ
メント、紡績糸等が挙げられ、なかでも、防汚性の面か
ら表面に繊維羽毛を有しないフィラメントが好適に用い
られる。尚、上記糸の太さは、特に限定されるものでは
ない。
μmであることが好ましい。シート状繊維の厚みが10
μm未満であると、得られる難燃性膜材の機械的強度が
不充分となることがあり、逆にシート状繊維の厚みが5
00μmを超えると、得られる難燃性膜材の柔軟性や耐
水性が不充分となることがある。
の難燃性をより向上させるために、難燃剤により処理さ
れたものであることが好ましい。
ではないが、例えば、ポリリン酸カルバメート等が挙げ
られる。これらの難燃剤は、単独で用いられても良い
し、2種類以上が併用されても良い。
としては、特に限定されるものではないが、例えば、シ
ート状繊維に難燃剤を塗工する方法、シート状繊維を難
燃剤中に浸漬して、難燃剤を含浸させる方法等が挙げら
れ、いずれの方法が採られても良い。
浸量は、特に限定されるものではないが、固形分換算
で、10〜200g/m2 であることが好ましい。難燃
剤の上記塗工量や含浸量が10g/m2 未満であると、
充分な難燃性を得られないことがあり、逆に難燃剤の上
記塗工量や含浸量が200g/m2 を超えると、シート
状繊維自体が硬くなって、得られる難燃性膜材の柔軟性
が不充分となることがある。
膜材の難燃性をより向上させるために、水100重量
部、水酸基含有樹脂及び/又は主鎖中にエーテル基を含
有する樹脂5〜40重量部、層状珪酸塩0.5〜5重量
部、珪素含有無機物0.5〜5重量部及び炭酸カリウム
及び/又は過マンガン酸カリウム0.5〜5重量部を含
有する水溶液により処理されたものであることが好まし
い。
としては、特に限定されるものではないが、例えば、シ
ート状繊維に水溶液を塗工する方法、シート状繊維を水
溶液中に浸漬して、シート状繊維中に水溶液を含浸させ
る方法等が挙げられ、いずれの方法が採られても良い。
浸量は、特に限定されるものではないが、固形分換算
で、10〜200g/m2 であることが好ましい。水溶
液の上記塗工量や含浸量が10g/m2 未満であると、
充分な難燃性を得られないことがあり、逆に水溶液の上
記塗工量や含浸量が200g/m2 を超えると、シート
状繊維自体が硬くなって、得られる難燃性膜材の柔軟性
が不充分となることがある。
膜材の難燃性をより向上させるために、その片面又は両
面に、水酸基含有樹脂及び/又は主鎖中にエーテル基を
含有する樹脂100重量部、層状珪酸塩5〜80重量
部、珪素含有無機物1〜10重量部及び炭酸カリウム及
び/又は過マンガン酸カリウム1〜10重量部を含有す
る樹脂シートを積層してなるものであることが好まし
い。
の、シート状繊維を上記水溶液により処理する方法及び
シート状繊維の片面又は両面に上記樹脂シートを積層す
る方法は、それぞれ単独で用いられても良いし、両者が
併用されても良い。
基含有樹脂としては、特に限定されるものではないが、
例えば、ポリビニルアルコール、ビニルアルコール−酢
酸ビニル共重合体、エチレン−ビニルアルコール共重合
体、エチレン−ビニルアルコール−酢酸ビニル共重合体
等が挙げられる。これらの水酸基含有樹脂は、単独で用
いられても良いし、2種類以上が併用されても良い。
中にエーテル基を含有する樹脂としては、特に限定され
るものではないが、例えば、ポリエチレングリコールや
ポリプロピレングリコール等が挙げられる。これらの主
鎖中にエーテル基を含有する樹脂は、単独で用いられて
も良いし、2種類以上が併用されても良い。
珪酸塩とは、結晶層間に交換性金属カチオンを有する珪
酸塩鉱物を意味する。
の難燃性膜材用シートに含有されるものと同様の層状珪
酸塩で良く、特に限定されるものではないが、例えば、
モンモリロナイト、サポナイト、ヘクトライト、バイデ
ライト、スティブンサイト、ノントロナイトなどのスメ
クタイト系粘土鉱物や、バーミキュライト、ハロイサイ
ト、膨潤性マイカ等が挙げられ、なかでも、モンモリロ
ナイト及び/又は膨潤性マイカが好適に用いられる。こ
れらの層状珪酸塩は、天然物であっても良いし、合成物
であっても良い。又、これらの層状珪酸塩は、単独で用
いられても良いし、2種類以上が併用されても良い。
(1)で定義される形状異方性効果の大きいスメクタイ
ト系粘土鉱物や膨潤性マイカを用いることが好ましい。
形状異方性効果の大きい層状珪酸塩を用いることによ
り、シート状繊維及び本発明の難燃性膜材はより優れた
力学的物性を有するものとなる。
ものではないが、凝集構造を解砕した結晶薄片の平均長
さが0.01〜3μm、厚みが0.001〜1μm、ア
スペクト比が20〜500であるものが好ましく、より
好ましくは、平均長さが0.05〜2μm、厚みが0.
01〜0.5μm、アスペクト比が50〜200のもの
である。
性金属カチオンとは、層状珪酸塩の結晶表面上に存在す
るナトリウムやカルシウムなどの金属のイオンのことで
あり、これらの金属のイオンは、カチオン性物質とカチ
オン交換性を有するため、カチオン性を有する種々の物
質を上記層状珪酸塩の結晶層間に挿入(インターカレー
ト)もしくは捕捉することができる。
に限定されるものではないが、50〜200ミリ等量/
100gであることが好ましい。層状珪酸塩のカチオン
交換容量が50ミリ等量/100g未満であると、カチ
オン交換により層状珪酸塩の結晶層間に挿入もしくは捕
捉されるカチオン性物質の量が少なくなるために、結晶
層間が充分に非極性化(疎水化)されないことがあり、
逆に層状珪酸塩のカチオン交換容量が200ミリ等量/
100gを超えると、層状珪酸塩の結晶層間の結合力が
強固になりすぎて、結晶薄片が剥離し難くなることがあ
る。
シートに含有される層状珪酸塩と同様に、広角X線回折
測定法により測定した(001)面の平均層間距離が3
nm以上であり、且つ、一部又は全部が5層以下に分散
していることが好ましく、より好ましくは、上記平均層
間距離が6nm以上であり、且つ、一部又は全部が5層
以下に分散していることである。
層状分子が剥離して分散すると、層状珪酸塩の結晶薄片
層間における相互作用が殆ど無視できるほどに弱まり、
結晶薄片は水酸基含有樹脂及び/又は主鎖中にエーテル
基を含有する樹脂中で一定の間隔を保って微分散状態と
なり安定化する。その結果、層状珪酸塩は、結晶薄片層
間の平均層間距離が大きくなると共に分散安定化して、
燃焼時においては層状珪酸塩の結晶薄片の移動によって
焼結体を形成し易くなる。即ち、層状珪酸塩の結晶薄片
層が平均層間距離3nm以上で分散した水溶液が塗工又
は含浸されたシート状繊維、又は、層状珪酸塩の結晶薄
片層が平均層間距離3nm以上で分散した樹脂シートが
片面又は両面に積層されたシート状繊維は、燃焼皮膜と
なり得る焼結体を形成し易くなる。この焼結体は燃焼時
の早い段階で形成されるので、外界からの酸素の供給を
遮断するのみならず、燃焼により発生する可燃性ガスも
遮断することができ、水酸基含有樹脂及び/又は主鎖中
にエーテル基を含有する樹脂の発熱速度を抑制すること
ができる。即ち、優れた延焼防止性能を発現することが
可能となる。従って、このような層状珪酸塩を水酸基含
有樹脂及び/又は主鎖中にエーテル基を含有する樹脂中
に配合し、分散させて得られる水溶液が塗工又は含浸さ
れたシート状繊維、又は、このような層状珪酸塩を水酸
基含有樹脂及び/又は主鎖中にエーテル基を含有する樹
脂中に配合し、分散させて得られる樹脂シートが片面又
は両面に積層されたシート状繊維は、著しく優れた難燃
性、耐候性、機械的強度等の諸性能を発現するものとな
る。又、層状珪酸塩の結晶薄片層間の平均層間距離が3
nm以上、好ましくは6nm以上であると、層状珪酸塩
の結晶薄片層が層ごとに分離し、層状珪酸塩の結晶薄片
層間における相互作用が殆ど無視できるほどに弱まるの
で、層状珪酸塩を構成する結晶薄片の水酸基含有樹脂及
び/又は主鎖中にエーテル基を含有する樹脂中での分散
状態が離砕安定化の方向に進行する利点がある。
に分散しているということは、本来数十層の積層体であ
る層状珪酸塩の層状分子の一部又は全部が剥離して広く
分散していることを意味しており、これも層状珪酸塩の
結晶薄片層間における相互作用が弱まっていることにな
り、上記と同様の効果を得ることができる。又、層状珪
酸塩の一部又は全部が5層以下に分散しているというこ
とは、具体的には、層状珪酸塩の10%以上が5層以下
に分散している状態にあることが好ましいことを意味
し、より好ましくは層状珪酸塩の20%以上が5層以下
に分散している状態である。
ていることが好ましく、より好ましくは3層以下に分層
していることであり、更に好ましくは単層状に分層(薄
片化)していることである。
繊維において、層状珪酸塩の結晶薄片層間の平均層間距
離が3nm以上であり、且つ、層状珪酸塩の一部又は全
部が5層以下に分散している状態、即ち、水酸基含有樹
脂及び/又は主鎖中にエーテル基を含有する樹脂中に層
状珪酸塩が高分散している状態であれば、水酸基含有樹
脂及び/又は主鎖中にエーテル基を含有する樹脂と層状
珪酸塩との界面面積が増大し、層状珪酸塩の結晶薄片間
の平均隣接距離が小さくなる。
ル基を含有する樹脂と層状珪酸塩との界面面積が増大す
ると、層状珪酸塩の表面における水酸基含有樹脂及び/
又は主鎖中にエーテル基を含有する樹脂の拘束の度合い
が高まり、弾性率等の機械的強度が向上する。又、層状
珪酸塩の表面における水酸基含有樹脂及び/又は主鎖中
にエーテル基を含有する樹脂の拘束の度合いが高まる
と、溶融粘度が高くなって、樹脂シートの成形性も向上
する。更に、層状珪酸塩の邪魔板効果により、水酸基含
有樹脂及び/又は主鎖中にエーテル基を含有する樹脂中
の添加剤等のブリードアウトが抑制されると共に、層状
珪酸塩の紫外線遮蔽効果により、シート状繊維及び本発
明の難燃性膜材の耐候性が向上する。
含有無機物としては、特に限定されるものではないが、
例えば、シリカゲルやヒュームドシリカ等が挙げられ
る。これらの珪素含有無機物は、単独で用いられても良
いし、2種類以上が併用されても良い。
は主鎖中にエーテル基を含有する樹脂5〜40重量部、
層状珪酸塩0.5〜5重量部、珪素含有無機物0.5〜
5重量部及び炭酸カリウム及び/又は過マンガン酸カリ
ウム0.5〜5重量部からなる特定の組成を有する水溶
液が塗工又は含浸されたシート状繊維、及び/又は、水
酸基含有樹脂及び/又は主鎖中にエーテル基を含有する
樹脂100重量部、層状珪酸塩5〜80重量部、珪素含
有無機物1〜10重量部及び炭酸カリウム及び/又は過
マンガン酸カリウム1〜10重量部からなる特定の組成
を有する樹脂シートが片面又は両面に積層されたシート
状繊維を用いることにより、本発明の難燃性膜材は、よ
り優れた難燃性を発現するものとなる。
難燃性膜材用シートを上記シート状繊維の片面又は両面
に積層することにより製造することができる。
層方法としては、特に限定されるものではないが、例え
ば、シート状繊維を難燃性膜材用シートを形成するため
の熱可塑性樹脂組成物溶液中に浸漬し、ロール等で絞っ
た後、熱処理を行う方法(ディッピング法)、シート状
繊維に上記熱可塑性樹脂組成物溶液を塗工した後、熱処
理を行う方法(コーティング法)、カレンダー成形法や
押出成形法等により難燃性膜材用シートを成形した後、
加熱圧着ロール等により、難燃性膜材用シートとシート
状繊維とを積層する方法(ラミネート法)、難燃性膜材
用シートとシート状繊維とを接着剤を用いて積層する方
法(接着法)等が挙げられ、いずれの方法が採られても
良いが、なかでも、積層作業が容易且つ簡便であること
から、ラミネート法や接着法を採ることが好ましい。
とシート状繊維との接着力に優れるものであれば良く、
特に限定されるものではないが、例えば、エラストマー
(ゴム)系接着剤、アクリル系接着剤、ポリビニルエー
テル系接着剤、シリコーン系接着剤等が挙げられ、いず
れの接着剤が用いられても良い。難燃性膜材用シートを
シート状繊維の両面に積層する場合、一方の面に適用さ
れる接着剤及び他方の面に適用される接着剤は、同一の
接着剤であっても良いし、異なる接着剤であっても良
い。
ものではなく、例えば、溶剤型接着剤、非水ディスパー
ジョン型接着剤、エマルジョン型(ディスパージョン型
も含む)接着剤、ホットメルト型接着剤、シート状(フ
ィルム状も含む)接着剤、反応型接着剤、光重合可能な
モノマー型もしくはオリゴマー型接着剤等のいずれの形
態であっても良い。
表面の防汚性、耐摩耗性、耐擦傷性等を向上させるため
に、その片面又は両面に保護層が積層されていることが
好ましい。上記保護層としては、フッ素樹脂、アクリル
樹脂及びエチレン−ビニルアルコール−酢酸ビニル共重
合体からなる群より選択される少なくとも1種からなる
保護層が好適に用いられる。難燃性膜材の両面に保護層
を積層する場合、一方の面に積層される保護層及び他方
の面に積層される保護層は、同一の保護層であっても良
いし、異なる保護層であっても良い。
積層する方法としては、特に限定されるものではない
が、例えば、予め保護層を形成するための保護シート
(保護フィルムも含む)を成形し、この保護シートを難
燃性膜材の所定の面に積層する方法や、保護層を形成す
るための樹脂組成物溶液を難燃性膜材の所定の面にコー
ティングする方法等が挙げられ、いずれの方法が採られ
ても良い。
22「建築用薄物材料の難燃性試験方法」に規定される
防炎2級以上の防炎性能を有することが好ましい。難燃
性膜材の防炎性能が上記規定を満たさないと、充分な難
燃性を発現せず、膜構造建築物用膜材やフレキシブルフ
ェイスシート等としての実用性が不充分となることがあ
る。
1091「繊維製品の燃焼性試験方法」に規定される区
分3以上の防炎性能を有することが好ましい。難燃性膜
材の防炎性能が上記規定を満たさないと、充分な難燃性
を発現せず、膜構造建築物用膜材やフレキシブルフェイ
スシート等としての実用性が不充分となることがある。
耐候性、耐水性、耐摩耗性、柔軟性及び抗張力等の力学
的物性に優れている。又、この難燃性膜材用シートを用
いてなる本発明の難燃性膜材は、上記と同様の優れた性
能を発現する。
ることが可能であるが、なかでも、その熱可塑性を利用
した熱融着、又は、縫製等の常法による加工を施すこと
により、例えば、膜構造建築物、テント倉庫、フレキシ
ブルフェイスシート(FFシート:電飾看板用シー
ト)、屋外看板又は屋内看板等に好適に用いることがで
き、更に、その他にも、ファサード、トラック用幌、建
築用養生シート、野積みシート、防水シート、遮水シー
ト、フレキシブルコンテナ等に用いることが可能であ
る。
るものではないが、例えば、イベントパビリオンやドー
ム等の天井膜、軒出しテント、日除けテント等が挙げら
れる。又、上記フレキシブルフェイスシートとしては、
特に限定されるものではないが、例えば、カッティング
シートを貼付することによって得られる電飾看板、屋外
看板又は屋内看板、垂れ幕等が挙げられ、又、片面又は
両面に受容層を設け、インクジェットプリンター又はグ
ラビアロール等により印刷を施すことによって得られる
電飾看板、屋外看板又は屋内看板、垂れ幕等が挙げられ
る。
ることにより、高い難燃性を有し、耐候性、耐水性、耐
摩耗性、柔軟性、抗張力等の力学的物性及び施工性に優
れ、且つ、廃棄時に有害物質を排出せず環境に負荷をか
けない膜構造建築物等を得ることができる。
塑性樹脂、特定量の層状珪酸塩及び特定量の非ハロゲン
系難燃剤を含有してなるので、難燃性、耐候性、耐水
性、耐摩耗性、柔軟性及び抗張力等の力学的物性に優れ
る。
体、プロピレン単独重合体、エチレン及び/又はプロピ
レンとこれらと共重合可能な他のα−オレフィンとの共
重合体、エチレン−アクリル酸エチル共重合体及びエチ
レン−酢酸ビニル共重合体からなる群より選択される少
なくとも1種を用い、層状珪酸塩としてモンモリロナイ
ト及び/又は膨潤性マイカを用い、非ハロゲン系難燃剤
として金属水酸化物、ベンゾオキサジン、メラミン誘導
体及び金属酸化物からなる群より選択される少なくとも
1種を用いることにより、本発明の難燃性膜材用シート
の上記性能は著しく向上する。
性膜材用シートをシート状繊維の片面又は両面に積層し
てなるので、優れた難燃性、耐候性、耐水性、耐摩耗
性、柔軟性及び抗張力等の力学的物性を発現する。
有する水溶液で処理したり、シート状繊維の片面又は両
面に特定の組成を有する樹脂シートを積層することによ
り、本発明の難燃性膜材の難燃性は著しく向上する。
以下に実施例を挙げるが、本発明はこれらの実施例のみ
に限定されるものではない。尚、実施例中の「部」は
「重量部」を意味する。
「TEX30」中に、エチレン−アクリル酸エチル共重
合体(商品名「A4250」、日本ポリオレフィン社
製)84.6部、無水マレイン酸変性エチレンオリゴマ
ー(商品名「ER403A」、日本ポリオレフィン社
製)7.7部、水酸化マグネシウム(商品名「キスマ5
J」、協和化学工業社製)40部、ジステアリルジメチ
ル4級アンモニウム塩で有機化処理を施した膨潤性フッ
素マイカ(商品名「ソマシフMAE−100」、コープ
ケミカル社製)7.7部及びシリコーン・アクリル複合
ゴム(商品名「メタブレンSX−005」、三菱レイヨ
ン社製)3.5部を充填し、設定温度180℃にて溶融
混練して、押し出されたストランドをペレタイザーにて
ペレット化した。次に、得られたペレットを180℃に
温調した熱プレスにより厚み1mm(25cm×30c
m)のシート状に成形し、難燃性膜材用シートを作製し
た。次いで、得られた難燃性膜材用シートを、20重量
%ポリリン酸カルバメート水溶液中に浸漬し乾燥処理を
行ったポリエステル繊維の両面に積層し、180℃に温
調した熱プレスでプレスして、厚み2mmの難燃性膜材
を作製した。
に、エチレン−アクリル酸エチル共重合体「A425
0」84.6部、無水マレイン酸変性エチレンオリゴマ
ー「ER403A」7.7部、水酸化マグネシウム「キ
スマ5J」40部及びジステアリルジメチル4級アンモ
ニウム塩で有機化処理を施した膨潤性フッ素マイカ「ソ
マシフMAE−100」7.7部を充填し、設定温度1
80℃にて溶融混練して、押し出されたストランドをペ
レタイザーにてペレット化した。次に、得られたペレッ
トを180℃に温調した熱プレスにより厚み1mm(2
5cm×30cm)のシート状に成形し、難燃性膜材用
シートを作製した。次いで、得られた難燃性膜材用シー
トを、20重量%ポリリン酸カルバメート水溶液中に浸
漬し乾燥処理を行ったポリエステル繊維の両面に積層
し、180℃に温調した熱プレスでプレスして、厚み2
mmの難燃性膜材を作製した。
共重合体「A4250」84.6部の代わりに、エチレ
ン−酢酸ビニル共重合体(商品名「ウルトラセン#63
4」、東ソー社製)84.6部を用いたこと以外は実施
例2と同様にして、難燃性膜材用シート及び難燃性膜材
を作製した。
ンモニウム塩で有機化処理を施した膨潤性フッ素マイカ
「ソマシフMAE−100」7.7部の代わりに、ジス
テアリルジメチル4級アンモニウム塩で有機化処理を施
したモンモリロナイト(商品名「ニューエスベンD」、
豊順鉱業社製)7.7部を用い、更に、シリコーン・ア
クリル複合ゴム「メタブレンSX−005」2部を配合
したこと以外は実施例2と同様にして、難燃性膜材用シ
ート及び難燃性膜材を作製した。
に、エチレン−アクリル酸エチル共重合体「A425
0」95.15部、無水マレイン酸変性エチレンオリゴ
マー「ER403A」3.85部、水酸化マグネシウム
「キスマ5J」40部及びジステアリルジメチル4級ア
ンモニウム塩で有機化処理を施した膨潤性フッ素マイカ
「ソマシフMAE−100」1部を充填し、設定温度1
80℃にて溶融混練して、押し出されたストランドをペ
レタイザーにてペレット化した。次に、得られたペレッ
トを180℃に温調した熱プレスにより厚み1mm(2
5cm×30cm)のシート状に成形し、難燃性膜材用
シートを作製した。次いで、得られた難燃性膜材用シー
トを、20重量%ポリリン酸カルバメート水溶液中に浸
漬し乾燥処理を行ったポリエステル繊維の両面に積層
し、180℃に温調した熱プレスでプレスして、厚み2
mmの難燃性膜材を作製した。
に、エチレン−アクリル酸エチル共重合体「A425
0」81.15部、無水マレイン酸変性エチレンオリゴ
マー「ER403A」3.85部、水酸化マグネシウム
「キスマ5J」40部及びジステアリルジメチル4級ア
ンモニウム塩で有機化処理を施した膨潤性フッ素マイカ
「ソマシフMAE−100」15部を充填し、設定温度
180℃にて溶融混練して、押し出されたストランドを
ペレタイザーにてペレット化した。次に、得られたペレ
ットを180℃に温調した熱プレスにより厚み1mm
(25cm×30cm)のシート状に成形し、難燃性膜
材用シートを作製した。次いで、得られた難燃性膜材用
シートを、20重量%ポリリン酸カルバメート水溶液中
に浸漬し乾燥処理を行ったポリエステル繊維の両面に積
層し、180℃に温調した熱プレスでプレスして、厚み
2mmの難燃性膜材を作製した。
に、エチレン−アクリル酸エチル共重合体「A425
0」100部及び水酸化マグネシウム「キスマ5J」4
0部を充填し、設定温度180℃にて溶融混練した。そ
れ以降は実施例2と同様にして、難燃性膜材用シート及
び難燃性膜材を作製した。
に、エチレン−酢酸ビニル共重合体「ウルトラセン♯6
34」84.6部、無水マレイン酸変性エチレンオリゴ
マー「ER403A」7.7部及び有機化処理を施して
いない膨潤性フッ素マイカ(商品名「ソマシフME−1
00」、コープケミカル社製)7.7部を充填し、設定
温度180℃にて溶融混練した。それ以降は実施例2と
同様にして、難燃性膜材用シート及び難燃性膜材を作製
した。
に、エチレン−アクリル酸エチル共重合体「A425
0」92.3部、水酸化マグネシウム「キスマ5J」4
0部、ジステアリルジメチル4級アンモニウム塩で有機
化処理を施した膨潤性フッ素マイカ「ソマシフMAE−
100」7.7部及びシリコーン・アクリル複合ゴム
「メタブレンSX−005」2部を充填し、設定温度1
80℃にて溶融混練して、押し出されたストランドをペ
レタイザーにてペレット化した。次に、得られたペレッ
トを180℃に温調した熱プレスにより厚み1mm(2
5cm×30cm)のシート状に成形し、難燃性膜材用
シートを作製した。次いで、得られた難燃性膜材用シー
トを、20重量%ポリリン酸カルバメート水溶液中に浸
漬し乾燥処理を行ったポリエステル繊維の両面に積層
し、180℃に温調した熱プレスでプレスして、厚み2
mmの難燃性膜材を作製した。
に、エチレン−アクリル酸エチル共重合体「A425
0」)84.6部、無水マレイン酸変性エチレンオリゴ
マー「ER403A」7.7部、水酸化マグネシウム
「キスマ5J」40部、ジステアリルジメチル4級アン
モニウム塩で有機化処理を施したモンモリロナイト「ニ
ューエスベンD」7.7部及びシリコーン・アクリル複
合ゴム「メタブレンSX−005」2部を充填し、設定
温度180℃にて溶融混練して、押し出されたストラン
ドをペレタイザーにてペレット化した。次に、得られた
ペレットを180℃に温調した熱プレスにより厚み1m
m(25cm×30cm)のシート状に成形し、難燃性
膜材用シートを作製した。次いで、得られた難燃性膜材
用シートを、20重量%ポリリン酸カルバメート水溶液
中に浸漬し乾燥処理を行ったポリエステル繊維の両面に
積層し、180℃に温調した熱プレスでプレスして、厚
み2mmの難燃性膜材を作製した。
ンモニウム塩で有機化処理を施したモンモリロナイト
「ニューエスベンD」7.7部の代りに、ジステアリル
ジメチル4級アンモニウム塩で有機化処理を施した膨潤
性フッ素マイカ「ソマシフMAE−100」7.7部を
用い、更に、シリコーン・アクリル複合ゴム「メタブレ
ンSX−005」2部の代わりに、ベンゾオキサジンと
して6,6’−(1−メチルエチリデン)ビス(3,4
−ジヒドロ−3−フェニル−2H−1,3−ベンゾオキ
サジン10部を用いたこと以外は実施例8と同様にし
て、難燃性膜材用シート及び難燃性膜材を作製した。
アンモニウム塩で有機化処理を施したモンモリロナイト
「ニューエスベンD」7.7部の代りに、ジステアリル
ジメチル4級アンモニウム塩で有機化処理を施した膨潤
性フッ素マイカ「ソマシフMAE−100」7.7部を
用い、更に、シリコーン・アクリル複合ゴム「メタブレ
ンSX−005」2部の代わりに、シリコーンオイル
(商品名「KF96H−100000」、信越化学工業
社製)2部を用いたこと以外は実施例8と同様にして、
難燃性膜材用シート及び難燃性膜材を作製した。
マ5J」の配合量を40部から20部に変更したこと以
外は実施例10と同様にして、難燃性膜材用シート及び
難燃性膜材を作製した。
マ5J」の配合量を40部から60部に変更したこと以
外は実施例10と同様にして、難燃性膜材用シート及び
難燃性膜材を作製した。
に、エチレン−アクリル酸エチル共重合体「A425
0」100部、水酸化マグネシウム「キスマ5J」40
部及びシリコーン・アクリル複合ゴム「メタブレンSX
−005」2部を充填し、設定温度180℃にて溶融混
練した。それ以降は実施例8と同様にして、難燃性膜材
用シート及び難燃性膜材を作製した。
に、ポリエチレン樹脂(商品名「HB530」、日本ポ
リケム社製)84.6部、無水マレイン酸変性エチレン
オリゴマー「ER403A」7.7部、有機化処理を施
していない膨潤性フッ素マイカ「ソマシフME−10
0」7.7部及びシリコーン・アクリル複合ゴム「メタ
ブレンSX−005」0.05部を充填し、設定温度1
80℃にて溶融混練した。それ以降は実施例8と同様に
して、難燃性膜材用シート及び難燃性膜材を作製した。
中に、エチレン−アクリル酸エチル共重合体「A425
0」)84.6部、無水マレイン酸変性エチレンオリゴ
マー「ER403A」7.7部、水酸化マグネシウム
「キスマ5J」40部、ジステアリルジメチル4級アン
モニウム塩で有機化処理を施した膨潤性フッ素マイカ
「ソマシフMAE−100」7.7部及びシリコーン・
アクリル複合ゴム「メタブレンSX−005」2部を充
填し、設定温度180℃にて溶融混練して、押し出され
たストランドをペレタイザーにてペレット化した。次
に、得られたペレットを180℃に温調した熱プレスに
より厚み1mm(25cm×30cm)のシート状に成
形し、難燃性膜材用シートを作製した。次いで、得られ
た難燃性膜材用シートを、20重量%ポリリン酸カルバ
メート水溶液中に浸漬し乾燥処理を行ったポリエステル
繊維の両面に積層し、180℃に温調した熱プレスでプ
レスして、厚み2mmの難燃性膜材を作製した。
ル共重合体「A4250」84.6部の代わりに、ポリ
エチレン樹脂「HB530」84.6部を用いたこと以
外は実施例13と同様にして、難燃性膜材用シート及び
難燃性膜材を作製した。
中に、エチレン−アクリル酸エチル共重合体「A425
0」88.45部、酸変性ブロックポリマー(商品名
「CB−OM22」、クラレ社製)3.85部、水酸化
マグネシウム「キスマ5J」40部及びジステアリルジ
メチル4級アンモニウム塩で有機化処理を施したモンモ
リロナイト「ニューエスベンD」7.7部を充填し、設
定温度180℃にて溶融混練して、押し出されたストラ
ンドをペレタイザーにてペレット化した。次に、得られ
たペレットを180℃に温調した熱プレスにより厚み1
mm(25cm×30cm)のシート状に成形し、難燃
性膜材用シートを作製した。次いで、得られた難燃性膜
材用シートを、20重量%ポリリン酸カルバメート水溶
液中に浸漬し乾燥処理を行ったポリエステル繊維の両面
に積層し、180℃に温調した熱プレスでプレスして、
厚み2mmの難燃性膜材を作製した。
中に、エチレン−アクリル酸エチル共重合体「A425
0」84.6部、無水マレイン酸変性エチレンオリゴマ
ー「ER403A」7.7部、水酸化マグネシウム「キ
スマ5J」40部、ジステアリルジメチル4級アンモニ
ウム塩で有機化処理を施したモンモリロナイト「ニュー
エスベンD」7.7部及びフッ素含有樹脂(商品名「メ
タブレンS−2000」、三菱レイヨン社製)5部を充
填し、設定温度180℃にて溶融混練して、押し出され
たストランドをペレタイザーにてペレット化した。次
に、得られたペレットを180℃に温調した熱プレスに
より厚み1mm(25cm×30cm)のシート状に成
形し、難燃性膜材用シートを作製した。次いで、得られ
た難燃性膜材用シートを、20重量%ポリリン酸カルバ
メート水溶液中に浸漬し乾燥処理を行ったポリエステル
繊維の両面に積層し、180℃に温調した熱プレスでプ
レスして、厚み2mmの難燃性膜材を作製した。
ル共重合体「A4250」の配合量を84.6部から8
8.45部に変更し、更に、無水マレイン酸変性エチレ
ンオリゴマー「ER403A」7.7部の代わりに、酸
変性ブロックポリマー「CB−OM22」3.85部を
用いたこと以外は実施例16と同様にして、難燃性膜材
用シート及び難燃性膜材を作製した。
中に、エチレン−アクリル酸エチル共重合体「A425
0」58.45部、ポリプロピレン樹脂(商品名「EA
9」、日本ポリケム社製)10部、SEBSエラストマ
ー(商品名「タフテックH1052」、旭化成工業社
製)20部、酸変性ブロックポリマー「CB−OM2
2」3.85部、水酸化マグネシウム「キスマ5J」4
0部、ジステアリルジメチル4級アンモニウム塩で有機
化処理を施した膨潤性フッ素マイカ「ソマシフMAE−
100」7.7部及びフッ素含有樹脂「メタブレンS−
2000」5部を充填し、設定温度220℃にて溶融混
練して、押し出されたストランドをペレタイザーにてペ
レット化した。次に、得られたペレットを180℃に温
調した熱プレスにより厚み1mm(25cm×30c
m)のシート状に成形し、難燃性膜材用シートを作製し
た。次いで、得られた難燃性膜材用シートを、20重量
%ポリリン酸カルバメート水溶液中に浸漬し乾燥処理を
行ったポリエステル繊維の両面に積層し、180℃に温
調した熱プレスでプレスして、厚み2mmの難燃性膜材
を作製した。
に、ポリエチレン樹脂「HB530」84.6部、無水
マレイン酸変性エチレンオリゴマー「ER403A」
7.7部及び有機化処理を施していない膨潤性フッ素マ
イカ「ソマシフME−100」7.7部を充填し、設定
温度180℃にて溶融混練して、押し出されたストラン
ドをペレタイザーにてペレット化した。次に、得られた
ペレットを180℃に温調した熱プレスにより厚み1m
m(25cm×30cm)のシート状に成形し、難燃性
膜材用シートを作製した。次いで、得られた難燃性膜材
用シートを、20重量%ポリリン酸カルバメート水溶液
中に浸漬し乾燥処理を行ったポリエステル繊維の両面に
積層し、180℃に温調した熱プレスでプレスして、厚
み2mmの難燃性膜材を作製した。
に、エチレン−アクリル酸エチル共重合体「A425
0」70部、ポリプロピレン樹脂「EA9」10部、S
EBSエラストマー「タフテックH1052」20部及
び水酸化マグネシウム「キスマ5J」170部を充填
し、設定温度220℃にて溶融混練して、押し出された
ストランドをペレタイザーにてペレット化した。次に、
得られたペレットを180℃に温調した熱プレスにより
厚み1mm(25cm×30cm)のシート状に成形
し、難燃性膜材用シートを作製した。次いで、得られた
難燃性膜材用シートを、20重量%ポリリン酸カルバメ
ート水溶液中に浸漬し乾燥処理を行ったポリエステル繊
維の両面に積層し、180℃に温調した熱プレスでプレ
スして、厚み2mmの難燃性膜材を作製した。
5J」の配合量を170部から70部に変更したこと以
外は比較例6と同様にして、難燃性膜材用シート及び難
燃性膜材を作製した。
中に、エチレン−アクリル酸エチル共重合体「A425
0」84.6部、無水マレイン酸変性エチレンオリゴマ
ー「ER403A」7.7部、水酸化マグネシウム「キ
スマ5J」40部、ジステアリルジメチル4級アンモニ
ウム塩で有機化処理を施した膨潤性フッ素マイカ「ソマ
シフMAE−100」7.7部及びシリコーン・アクリ
ル複合ゴム「メタブレンSX−005」3.5部を充填
し、設定温度180℃にて溶融混練して、押し出された
ストランドをペレタイザーにてペレット化した。次に、
得られたペレットを180℃に温調した熱プレスにより
厚み0.5mm(25cm×30cm)のシート状に成
形し、難燃性膜材用シートを作製した。次いで、得られ
た難燃性膜材用シートを、水400g、ポリビニルアル
コール(商品名「ポバール#205」、クラレ社製)1
00g、有機化処理を施していない膨潤性フッ素マイカ
「ソマシフME−100」10g、シリカゲル(20〜
125メッシュ)4g及び炭酸カリウム6gからなる水
溶液中に浸漬し乾燥処理を行ったポリエステル繊維の両
面に積層し、180℃に温調した熱プレスでプレスし
て、厚み1mmの難燃性膜材を作製した。
中に、エチレン−アクリル酸エチル共重合体「A425
0」84.6部、無水マレイン酸変性エチレンオリゴマ
ー「ER403A」7.7部、水酸化マグネシウム「キ
スマ5J」40部及びジステアリルジメチル4級アンモ
ニウム塩で有機化処理を施した膨潤性フッ素マイカ「ソ
マシフMAE−100」7.7部を充填し、設定温度1
80℃にて溶融混練して、押し出されたストランドをペ
レタイザーにてペレット化した。次に、得られたペレッ
トを180℃に温調した熱プレスにより厚み0.5mm
(25cm×30cm)のシート状に成形し、難燃性膜
材用シートを作製した。次いで、得られた難燃性膜材用
シートを、水400g、ポリビニルアルコール「ポバー
ル#205」100g、有機化処理を施していない膨潤
性フッ素マイカ「ソマシフME−100」10g、シリ
カゲル(20〜125メッシュ)4g及び炭酸カリウム
6gからなる水溶液中に浸漬し乾燥処理を行ったポリエ
ステル繊維の両面に積層し、180℃に温調した熱プレ
スでプレスして、厚み1mmの難燃性膜材を作製した。
ル共重合体「A4250」84.6部の代わりに、エチ
レン−酢酸ビニル共重合体「ウルトラセン#634」8
4.6部を用いたこと以外は実施例20と同様にして、
難燃性膜材用シート及び難燃性膜材を作製した。
中に、エチレン−酢酸ビニル共重合体「ウルトラセン#
634」84.6部、水酸化マグネシウム「キスマ5
J」40部、ジステアリルジメチル4級アンモニウム塩
で有機化処理を施した膨潤性フッ素マイカ「ソマシフM
AE−100」7.7部、シリコーン・アクリル複合ゴ
ム「メタブレンSX−005」5部及びメラミンシアヌ
レート(商品名「MC−610」、日産化学社製)30
部を充填し、設定温度180℃にて溶融混練して、押し
出されたストランドをペレタイザーにてペレット化し
た。次に、得られたペレットを180℃に温調した熱プ
レスにより厚み0.5mm(25cm×30cm)のシ
ート状に成形し、難燃性膜材用シートを作製した。次い
で、得られた難燃性膜材用シートを、水400g、ポリ
ビニルアルコール「ポバール#205」100g、有機
化処理を施していない膨潤性フッ素マイカ「ソマシフM
E−100」10g、シリカゲル(20〜125メッシ
ュ)4g及び炭酸カリウム6gからなる水溶液中に浸漬
し乾燥処理を行ったポリエステル繊維の両面に積層し、
180℃に温調した熱プレスでプレスして、厚み1mm
の難燃性膜材を作製した。
中に、エチレン−酢酸ビニル共重合体「ウルトラセン#
634」84.6部、水酸化マグネシウム「キスマ5
J」40部、ジステアリルジメチル4級アンモニウム塩
で有機化処理を施した膨潤性フッ素マイカ「ソマシフM
AE−100」7.7部、シリコーン・アクリル複合ゴ
ム「メタブレンSX−005」5部、メラミンシアヌレ
ート「MC−610」30部及び硼酸亜鉛(商品名「ア
ルカネックスFRC−150」10部を充填し、設定温
度180℃にて溶融混練して、押し出されたストランド
をペレタイザーにてペレット化した。次に、得られたペ
レットを180℃に温調した熱プレスにより厚み0.5
mm(25cm×30cm)のシート状に成形し、難燃
性膜材用シートを作製した。次いで、得られた難燃性膜
材用シートを、水400g、ポリビニルアルコール「ポ
バール#205」100g、有機化処理を施していない
膨潤性フッ素マイカ「ソマシフME−100」10g、
シリカゲル(20〜125メッシュ)4g及び炭酸カリ
ウム6gからなる水溶液中に浸漬し乾燥処理を行ったポ
リエステル繊維の両面に積層し、180℃に温調した熱
プレスでプレスして、厚み1mmの難燃性膜材を作製し
た。
用いたこと以外は実施例20と同様にして、難燃性膜材
用シート及び難燃性膜材を作製した。
比較例8で作製した難燃性膜材用シート及び難燃性膜材
について、下記の方法により、難燃性膜材用シートにつ
いては、層状珪酸塩の平均層間距離、層状珪酸塩の分散
状態、密度、酸素指数、最大発熱速度、燃焼残渣の降伏
点応力の測定を行い、又、難燃性膜材については、JI
S A 1322及びJIS L 1091に規定され
た防炎性能の評価を行った。その結果は表1〜表4に示
すとおりであった。
定装置(商品名「RINT1100」、リガク社製)を
用いて、難燃性膜材用シート中の層状珪酸塩の積層面の
回折より得られる回折ピークの2θを測定し、下記式
(3)のブラックの回折式を用いて層状珪酸塩の(00
1)面間隔を算出し、この式により得られたdを平均層
間距離とした。 λ=2dsinθ (3) 式中、dは層状珪酸塩の面間隔を表し、θは回折角を表
し、λは1.54である。
鏡(TEM、商品名「JEM−1200EX II」、
日本電子社製)写真により難燃性膜材用シート中の層状
珪酸塩の分散状態を観察し、下記判定基準により分散状
態を評価した。 〔判定基準〕 ◎‥‥層状珪酸塩の20%以上が5層以下で存在してい
た。 ○‥‥層状珪酸塩が5層以下で存在しているものを含ん
で分散していた。 ×‥‥層状珪酸塩の全てが5層を超えて存在していた。
の密度を測定した。
63に準拠して、試験片(70mm×6mm×3mm
厚)を自立させて燃焼試験を行った。所定の酸素濃度の
酸素と窒素との混合気体下で燃焼させた時、3分以上燃
焼し続けるか、又は、3分以内に50mm以上燃焼する
場合に、燃焼を維持できると判断し、燃焼を維持できる
最低の酸素濃度の時の混合気体中の容量%で表される酸
素濃度の数値を酸素指数とした。即ち、酸素指数以下の
酸素濃度では自己消火することを意味する。
力)燃焼試験ASTM E 1354に準拠して、試験
片(100mm×100mm×3mm厚)にコーンカロ
リーメーターによって50kW/m2 の熱線を照射し燃
焼させた。加熱開始後から試験片に着火するまでの時間
を測定して、最大発熱速度を求めた。又、燃焼後、燃焼
残渣の生成を観察し、生成した燃焼残渣については、ハ
ンディー圧縮試験機(商品名「KES−G5」、カトー
テック社製)を用いて、圧縮速度0.1cm/秒で降伏
点応力を測定した。
IS L 1091に規定された条件で防炎性能の評価
を行い、それぞれの規定の基準に従って、合格又は不合
格の判定を行った。
膜材は、上記の構成を有するので、燃焼時に焼結体が形
成され、燃焼残渣の形状が保持される。従って、燃焼後
も形状崩壊が起こらず、延燃を防ぐことができる。又、
層状珪酸塩は通常の難燃剤のように大量に配合しなくと
も優れた難燃性を付与することができるので、燃焼前の
力学的物性が保持され、且つ、熱可塑性樹脂の密度が高
くならず、ポリ塩化ビニル樹脂等との分別に有利であ
る。
シートは、難燃性、耐候性、耐水性、耐摩耗性、柔軟性
及び抗張力等の力学的物性に優れるので、難燃性膜材用
等として好適に用いられる。
難燃性膜材用シートを用いて作製されるので、上記優れ
た諸性能を兼備するものであり、膜構造建築物用、テン
ト倉庫用、フレキシブルフェイスシート用、屋外看板
用、屋内看板用等を始め、各種用途むけの膜材として好
適に用いられる。
Claims (32)
- 【請求項1】 熱可塑性樹脂100重量部、層状珪酸塩
0.1〜100重量部及び非ハロゲン系難燃剤5〜10
0重量部を含有することを特徴とする難燃性膜材用シー
ト。 - 【請求項2】 熱可塑性樹脂が、エチレン単独重合体、
プロピレン単独重合体、エチレン及び/又はプロピレン
とこれらと共重合可能な他のα−オレフィンとの共重合
体、エチレン−アクリル酸エチル共重合体及びエチレン
−酢酸ビニル共重合体からなる群より選択される少なく
とも1種であることを特徴とする請求項1に記載の難燃
性膜材用シート。 - 【請求項3】 層状珪酸塩が、モンモリロナイト及び/
又は膨潤性マイカであることを特徴とする請求項1又は
請求項2に記載の難燃性膜材用シート。 - 【請求項4】 層状珪酸塩が、炭素数6以上のアルキル
鎖を1個以上有する4級アンモニウム塩を含有すること
を特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載
の難燃性膜材用シート。 - 【請求項5】 層状珪酸塩が、広角X線回折測定法によ
り測定した(001)面の平均層間距離が3nm以上で
あり、且つ、一部又は全部が5層以下に分散しているこ
とを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれか1項に記
載の難燃性膜材用シート。 - 【請求項6】 非ハロゲン系難燃剤が、金属水酸化物、
ベンゾオキサジン、メラミン誘導体及び金属酸化物から
なる群より選択される少なくとも1種であることを特徴
とする請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載の難燃
性膜材用シート。 - 【請求項7】 更に、フッ素樹脂、シリコーンオイル、
シリコーン・アクリル複合ゴム及びカーボンブラックか
らなる群より選択される少なくとも1種の難燃助剤0.
1〜20重量部を含有することを特徴とする請求項1〜
請求項6のいずれか1項に記載の難燃性膜材用シート。 - 【請求項8】 更に、酸化チタン1〜20重量部を含有
することを特徴とする請求項1〜請求項7のいずれか1
項に記載の難燃性膜材用シート。 - 【請求項9】 更に、ブルーイング剤及び/又は蛍光顔
料0.1〜10重量部を含有することを特徴とする請求
項1〜請求項8のいずれか1項に記載の難燃性膜材用シ
ート。 - 【請求項10】 厚みが0.1〜2mmであり、且つ、
密度が0.90〜1.25g/cm3 であることを特徴
とする請求項1〜請求項9のいずれか1項に記載の難燃
性膜材用シート。 - 【請求項11】 ASTM E 1354に準拠した燃
焼試験において、50kW/m2 の輻射加熱条件下で3
0分間加熱し燃焼した時の最大発熱速度が350kW/
m2 以下であることを特徴とする請求項1〜請求項10
のいずれか1項に記載の難燃性膜材用シート。 - 【請求項12】 ASTM E 1354に準拠した燃
焼試験において、50kW/m2 の輻射加熱条件下で3
0分間加熱し燃焼することにより得られた燃焼残渣を
0.1cm/秒の速度で圧縮したときの降伏点応力が
4.9×103 Pa以上であることを特徴とする請求項
1〜請求項11のいずれか1項に記載の難燃性膜材用シ
ート。 - 【請求項13】 酸素指数が26以上であることを特徴
とする請求項1〜請求項12のいずれか1項に記載の難
燃性膜材用シート。 - 【請求項14】 請求項1〜請求項13のいずれか1項
に記載の難燃性膜材用シートをシート状繊維の片面又は
両面に積層してなることを特徴とする難燃性膜材。 - 【請求項15】 接着剤を用いて難燃性膜材用シートを
シート状繊維の片面又は両面に積層してなることを特徴
とする請求項14に記載の難燃性膜材。 - 【請求項16】 シート状繊維が、ビニロン繊維、ナイ
ロン繊維、ポリエステル繊維、ポリアミド繊維などの合
成繊維、木綿、麻などの天然繊維、ガラス繊維、炭素繊
維及びアラミド繊維からなる群より選択される少なくと
も1種であることを特徴とする請求項14又は請求項1
5に記載の難燃性膜材。 - 【請求項17】 シート状繊維の厚みが10〜500μ
mであることを特徴とする請求項14〜請求項16のい
ずれか1項に記載の難燃性膜材。 - 【請求項18】 シート状繊維が、難燃剤により処理さ
れたものであることを特徴とする請求項14〜請求項1
7のいずれか1項に記載の難燃性膜材。 - 【請求項19】 シート状繊維が、水100重量部、水
酸基含有樹脂及び/又は主鎖中にエーテル基を含有する
樹脂5〜40重量部、層状珪酸塩0.5〜5重量部、珪
素含有無機物0.5〜5重量部及び炭酸カリウム及び/
又は過マンガン酸カリウム0.5〜5重量部を含有する
水溶液により処理されたものであることを特徴とする請
求項14〜請求項18のいずれか1項に記載の難燃性膜
材。 - 【請求項20】 シート状繊維が、その片面又は両面
に、水酸基含有樹脂及び/又は主鎖中にエーテル基を含
有する樹脂100重量部、層状珪酸塩5〜80重量部、
珪素含有無機物1〜10重量部及び炭酸カリウム及び/
又は過マンガン酸カリウム1〜10重量部を含有する樹
脂シートを積層してなるものであることを特徴とする請
求項14〜請求項19のいずれか1項に記載の難燃性膜
材。 - 【請求項21】 水酸基含有樹脂が、ポリビニルアルコ
ール、ビニルアルコール−酢酸ビニル共重合体、エチレ
ン−ビニルアルコール共重合体及びエチレン−ビニルア
ルコール−酢酸ビニル共重合体からなる群より選択され
る少なくとも1種であることを特徴とする請求項19又
は請求項20に記載の難燃性膜材。 - 【請求項22】 主鎖中にエーテル基を含有する樹脂
が、ポリエチレングリコール及び/又はポリプロピレン
グリコールであることを特徴とする請求項19又は請求
項20に記載の難燃性膜材。 - 【請求項23】 層状珪酸塩が、モンモリロナイト及び
/又は膨潤性マイカであることを特徴とする請求項19
〜請求項22のいずれか1項に記載の難燃性膜材。 - 【請求項24】 層状珪酸塩が、広角X線回折測定法に
より測定した(001)面の平均層間距離が3nm以上
であり、且つ、一部又は全部が5層以下に分散している
ことを特徴とする請求項19〜請求項23のいずれか1
項に記載の難燃性膜材。 - 【請求項25】 珪素含有無機物が、シリカゲル及び/
又はヒュームドシリカであることを特徴とする請求項1
9〜請求項24のいずれか1項に記載の難燃性膜材。 - 【請求項26】 片面又は両面に、フッ素樹脂、アクリ
ル樹脂及びエチレン−ビニルアルコール−酢酸ビニル共
重合体からなる群より選択される少なくとも1種からな
る保護層を積層してなることを特徴とする請求項14〜
請求項25のいずれか1項に記載の難燃性膜材。 - 【請求項27】 JIS A 1322に規定される防
炎2級以上の防炎性能を有することを特徴とする請求項
14〜請求項26のいずれか1項に記載の難燃性膜材。 - 【請求項28】 JIS L 1091に規定される区
分3以上の防炎性能を有することを特徴とする請求項1
4〜請求項27のいずれか1項に記載の難燃性膜材。 - 【請求項29】 膜構造建築物用膜材として使用される
ことを特徴とする請求項14〜請求項28のいずれか1
項に記載の難燃性膜材。 - 【請求項30】 テント倉庫用膜材として使用されるこ
とを特徴とする請求項14〜請求項28のいずれか1項
に記載の難燃性膜材。 - 【請求項31】 フレキシブルフェイスシート用膜材と
して使用されることを特徴とする請求項14〜請求項2
8のいずれか1項に記載の難燃性膜材。 - 【請求項32】 屋外看板用膜材又は屋内看板用膜材と
して使用されることを特徴とする請求項14〜請求項2
8のいずれか1項に記載の難燃性膜材。
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