JP2001330708A - 反射防止フィルム - Google Patents
反射防止フィルムInfo
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Abstract
を維持しつつ高屈折率層へのクラックなどの亀裂の発生
をなくし、且つ、生産性の改善された反射防止フィルム
の提供。 【解決手段】 透明基材の片面に、屈折率1.6以上の
層(第1層)を積層し、さらに第1層の透明基材側とは
異なる面に屈折率1.55以下の層(第2層)を積層し
たフィルムであって、可視光領域内で選択される任意の
基準波長(λ)に対して、第1層の屈折率(nH)と厚
み(dH)との積が、以下の式(1)を満足することを
特徴とする反射防止フィルム。 0.05λ<nH×dH<0.17λ ・・・(1)
Description
レイの表示面に使用する反射防止フィルムに関し、さら
に詳しくは、生産性に優れながらも高度の反射防止特性
を有する反射防止フィルムに関する。
や照明光を反射すると、例えば、ディスプレイ表面に周
囲の明るい風景が映し出されるなど、ディスプレイ本来
の表示光と反射光とが混合して表示品質が損なわれ、視
認性が極めて低下する。そして、この表示品質の低下
は、近年のコンピューターの普及でCRTやLCDなど
の表示画面を眺める割合が増加しつつあることから、目
の疲労などを惹起する原因として、その改善が強く望ま
れている。特に近年では、コンピューターの小型化で表
示装置の屋外での使用が増加していることから、前述の
改善はますます要求され、さらには、表示画面に擦傷な
どがつかないような耐久性も併せて要求されつつある。
して、ディスプレイなどの表面で反射する光を削減す
る、すなわち、表示画面の表面に反射防止能を有するフ
ィルムなどを貼付することが知られている。そして、こ
の反射防止能を有するフィルムとしては、透明基材の表
面に屈折率の異なる2つの層を、透明基材−高屈折率層
−低屈折率層の順で、且つ、高屈折率層の屈折率とその
厚さとの積を、可視領域内で選ばれる任意の光の基準波
長(λ)に対し、0.175倍以上としたものが特開昭
58−46301号公報で開示されている。
は、前述の屈折率と厚さの積を基準波長(λ)の0.1
75倍以上にしようとすると、高屈折率層を積層する際
の液状での塗布量を多くする必要があり、それによって
塗布後の乾燥や硬化などの工程で、塗布層にクラックな
どの亀裂が入ったりすることがあった。このようなクラ
ックは、反射防止フィルムのヘーズを増加させる、すな
わち、透明性を低下させることから、反射防止フィルム
においては、致命的な欠陥であった。なお、高屈折率の
積層は、塗布のほかにスパッタなどの蒸着でも可能であ
り、該方法によればクラックの問題はない。しかしなが
ら、スパッタなどの蒸着は、真空に近い状態で行わなけ
ればならず、しかも、加工速度が遅いことから、極めて
生産性が乏しいという問題があった。
ディスプレイの表示画面などに貼り合せた際に、前述の
高屈折率層および低屈折率層が構成する反射防止層が清
掃などによって徐々に欠落または微細な傷が入ったりし
て反射防止効果が低下する問題もあり、該反射防止層の
耐擦傷性や密着性を向上させることも要求されつつあ
る。
の反射防止フィルムの有する反射防止性を維持しつつ高
屈折率層へのクラックなどの亀裂の発生をなくし、且
つ、生産性の改善された反射防止フィルムを提供するこ
とにある。本発明の他の課題は、上記の反射防止フィル
ムに、さらに反射防止層の耐擦傷性や密着性といった耐
久性を付与することにある。
を解決しようと鋭意研究した結果、高屈折率層の屈折率
を1.6以上とし、且つ、該屈折率と高屈折率層の厚み
の積を基準となる可視領域の光の波長(λ)の0.05
〜0.17倍とするとき、高屈折率層へのクラックなど
の亀裂を発生することなく反射防止フィルムの生産性を
向上させることができ、しかも、驚くべきことに従来の
反射防止フィルムと同等の反射防止性を維持できること
を見出し、本発明に到達した。
に、屈折率1.6以上の層(第1層)を積層し、さらに
第1層の透明基材側とは異なる面に屈折率1.55以下
の層(第2層)を積層したフィルムであって、可視光領
域内で選択される任意の基準波長(λ)に対して、第1
層の屈折率(nH)と厚み(dH)との積が、以下の式
(1)を満足することを特徴とする反射防止フィルムが
提供される。
金属酸化物、第2層が屈折率1.50以下のケイ素化合
物からなりその厚さが10〜500nmの範囲、第1層
の屈折率(nH)を第2層の屈折率(nL)で割った値
が1.1を超え1.5未満の範囲、もしくは、透明基材
がヘーズが高々1%で表面粗さ(Ra)が高々10nm
の2軸配向ポリエステルフィルムである光学特性の優れ
た反射防止フィルム、または、2軸配向ポリエステルフ
ィルムとして予め易滑易接着層をその少なくとも片面に
塗接した後に結晶配向を完了したもの、透明基材と第1
層との間に硬化性樹脂からなる表面の水の接触角が40
°以下のハードコート層を積層したもの、ハードコート
層として無機微粒子を20〜80重量%含有する紫外線
硬化性樹脂からなるもの、もしくは、第2層の第1層側
とは異なる面に水の接触角が95°以上の防汚染層を積
層した耐久性の優れた反射防止フィルムも提供される。
明基材の片面に、屈折率1.6以上の層(第1層)を積
層し、さらに第1層の透明基材側とは異なる面に屈折率
1.55以下の層(第2層)を積層したフィルムであ
る。勿論、本発明の効果を損なわない範囲において、他
の層を積層しても良く、例えば、第2層のような屈折率
の低い層、第1層と第2層との積層体もしくはハードコ
ート層を第1層と透明基材との間に形成したもの、また
は、防汚染層を第2層の第1層側とは異なる面に形成し
たものなども本発明に含まれる。換言すれば、本発明
は、透明基材、第1層および第2層を見たとき、この3
層がこの順で積層されたものであり、第1層の透明基材
とは異なる面側に第2層が積層されていないものは含ま
ない。以下、第1層を高屈折率層、第2層を低屈折率
層、および、第1層と第2層を併せて反射防止層と称す
ることがある。
おける第1層は、屈折率が1.6以上であり、好ましく
は1.65以上である。屈折率が1.6未満では、十分
な反射防止性能が得難かったり、必要な厚みが厚くなっ
て生産性が低下したりする。屈折率の上限については、
高々2.5であることが好ましい。高屈折率層を構成す
るものとしては、チタン、ジルコニウム、タンタル、亜
鉛、インジウム、ハウニウム、セリウム、錫、ニオブ、
イットリウム、セリウム、マグネシウムおよびアルミニ
ウムから選ばれた少なくとも1つの群の酸化物または窒
化物を主成分とするものが挙げられる。これらの中で
も、酸化チタン、酸化ジルコニウム、酸化タンタル、酸
化亜鉛、酸化インジウムを主成分とするものが好まし
い。高屈折率層の形成方法としては、真空蒸着法、反応
性蒸着法、イオンビームアシスト蒸着法、スパッタリン
グ法、イオンプレーティング法やプラズマCVD法など
の気層成長法、または、金属酸化物を微粒子化してバイ
ンダー樹脂に分散させた塗料やゾル−ゲル法を利用した
塗料を塗布する湿式成膜方式なども使用できる。湿式成
膜方式の塗布方法としては、グラビアコート法、スクリ
ーンコート法、ディップコート法、スピンコート法、ス
プレーコート法などのウェットコート使用することがで
き、紫外線照射や電子線照射などを組合せても良い。好
まし形成方法は、厚さが薄くなっても厚み斑がほとんど
惹起しないことから気層成長法であり、高屈折率層の厚
みが薄いことから必要な厚みを形成するのにかかる加工
時間も短く、本発明においては生産性も問題とはならな
い。
と厚み(dH)との積が、以下の式(1)を満足するこ
とが必要である。 0.05λ<nH×dH<0.17λ ・・・(1) ここで、式中のλは可視光領域内で選択される任意の基
準波長である。
では、十分な反射防止性能が得難く、他方、0.17λ
以上では、塗布による形成だとクラックなどの亀裂が生
じたり、スパッタなどの蒸着による形成だと必要な厚み
にするまでの加工時間が長く生産性の乏しいものとな
る。
5以下であり、好ましくは1.5以下である。屈折率が
1.55を越えると、高屈折率層の屈折率が近くなり過
ぎて、十分な反射防止性能が得難くなる場合がある。屈
折率の下限については、少なくとも1.3であることが
好ましい。低屈折率層を構成するものとしては、酸化ケ
イ素を主成分とするものが好ましく、フッ素化合物を含
んでいても良い。低屈折率層の形成方法は、高屈折率層
の形成と同様な方法が採用でき、その厚みは、10〜5
00nmの範囲にあることが、反射防止性能の観点から
好ましい。
る透明基材は、平滑で透明性のあるプラスティックフィ
ルムであり、プラスティックとしては、ポリメチルメタ
クリレート、ポリカーボネート、ポリスチレン、ポリエ
チレンサルファイド、ポリエーテルスルホン、ポリオレ
フィン、ポリエステルまたはトリアセチルセルロースな
どが挙げられ、それぞれの目的や用途によって適宜選択
できる。これらの中でも、芳香族二塩基酸またはそのエ
ステル形成性誘導体と、ジオールまたはそのエステル形
成性誘導体とから重合して得られる線状飽和ポリエステ
ルが好ましい。該ポリエステルの具体例としては、ポリ
エチレンテレフタレート、ポリエチレンイソフタレー
ト、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレン−2,
6−ナフタレンジカルボキシレート、これらの共重合体
またはこれらに他の樹脂を小割合で混ぜ合わせたブレン
ド物などが挙げられる。なお、ここでいう小割合とは、
ポリエステルの重量を基準として、高々20wt%、好
ましくは10wt%以下の範囲で他の樹脂を混ぜ合せる
ことを意味する。これらの中でも、ポリエチレンテレフ
タレートまたはポリエチレン−2,6−ナフタレンジカ
ルボキシレートが好ましい。
適当なフィラーを含有させることができる。このフィラ
ーとしては、従来からポリエステルフィルムの滑り性付
与剤として知られているものが挙げられるが、その例を
示すと炭酸カルシウム、酸化カルシウム、酸化アルミニ
ウム、カオリン、酸化珪素、酸化亜鉛、カーボンブラッ
ク、炭化珪素、酸化錫、架橋アクリル樹脂粒子、架橋ポ
リスチレン樹脂粒子、メラミン樹脂粒子、架橋シリコー
ン樹脂粒子等が挙げられる。さらにポリエステル中に
は、着色剤、帯電防止剤、酸化防止剤、有機滑剤、触媒
なども適宜添加することができる。
使用できるように成形する、すなわち、これらのプラス
ティックフィルムの製造は従来から知られている方法で
製造できる。例えば、2軸延伸ポリエステルフィルム
は、ポリエステルを乾燥後、Tm〜(Tm+70)℃の
温度(但し、Tm:ポリエステルの融点)で押出機にて
溶融し、ダイ(例えばT−ダイ、I−ダイ等)から回転
冷却ドラム上に押出し、40〜90℃で急冷して未延伸
フィルムを製造し、ついで該未延伸フィルムを(Tg−
10)−(Tg+70)℃の温度(Tg:ポリエステル
のガラス転移温度)で縦方向に2.5〜8.0倍の倍率
で延伸し、横方向に2.5〜8.0倍の倍率で延伸し、
必要に応じて180〜250℃の温度で1〜60秒間熱
固定することにより製造できる。このようにして得られ
る透明基材の厚みは、反射防止フィルムの種類、目的ま
たは用途に応じて適宜選択すれば良く、好ましくは25
〜250μmの範囲が好ましい。
下、説明する。本発明における反射防止フィルムは、表
面の耐摩耗性などを向上できることから、透明基材と反
射防止層との間に、ハードコート層を設けることが好ま
しい。本発明におけるハードコート層としては、紫外線
硬化性樹脂からなるハードコート層であることが好まし
い。紫外線硬化樹脂としては、例えば、アクリル系、ウ
レタン−アクリル系、エポキシ−アクリレート系、ポリ
エステル・アクリレート系などの紫外線硬化性組成物を
挙げることができる。特に、ハードコート層樹脂自身が
基材の伸縮に追従するためには、ウレタン成分をソフト
セグメントとして含んだアクリレート系の紫外線硬化性
樹脂が好ましい。さらに、ハードコート層の耐摩耗性の
向上とハードコート層への硬化時の体積収縮率を減少さ
せるため、無機微粒子を含有することが好ましい。無機
微粒子の含有量は20〜80重量%が好ましく、無機微
粒子の平均粒径はハードコート層の厚みにもよるが30
μm以下のものが好ましい。また、ハードコート層から
無機微粒子の脱落を防止するために、無機微粒子は、そ
の表面に光重合反応性を有する感光性基を導入したもの
が好ましい。感光性基としては単官能性または多官能性
アクリレートが好ましい。無機微粒子の含有量が20重
量%未満だと耐摩耗性が乏しくなったり、または、紫外
線硬化時の体積収縮率が高く、フィルムにカールが発生
し易くなる場合がある。他方、60重量%以上である
と、ハードコート樹脂の伸縮性不良となり、屈曲による
クラックが入りやすくなる場合がある。無機微粒子とし
ては、シリカまたはチタン等の金属酸化物よりなる微粒
子が好ましい。
は、その表面硬度が、鉛筆硬度で4H以上のもので、そ
の表面の水接触角が40゜以下のものである。鉛筆硬度
が4H未満では、ハードコート層による耐摩耗性では、
長期間ロール状に巻いた状態で保存した場合に、ブロッ
キング現象が発生し易く、他方、40゜を超えると、該
層と該層の上に積層される反射防止層との積層界面で密
着性不良を起し易くなる。ハードコート層の表面の水接
触角を40゜以下にする手段としては、例えば、コロナ
処理のような物理的な表面改質などを挙げることができ
る。
コート法、ドクターブレード法、リバースロールコート
法、グラビアロールコート法等の公知の塗布方法で上記
成分を含む塗布液を塗布する方法を用いることができ、
塗膜厚みは0.5〜10μmが好ましい。さらには、1
〜5μm未満ではハードコート性不良となり、10μm
以上はフィルムの伸縮追従において、内部応力が強く、
密着性不良となる。
防止層またはハードコート層との密着向上や表面の滑り
性を向上するために、ポリエステルフィルムの片面また
は両面に、ガラス転移点が40〜85℃のポリエステル
樹脂、平均粒径0.15μm以下の微粒子、ならびに脂
肪酸アミドおよび脂肪酸ビスアミドから選ばれる少なく
とも1種のアミド化合物を含む易滑易接着層を設けるこ
とが好ましい。
ガラス転移点(以下Tgと略することがある)が40〜
85℃、特に45〜80℃の範囲にあるものが好まし
い。Tgが40℃未満の場合、得られた反射防止フィル
ムの耐熱性が不十分になったり、または滑り性が劣るも
のとなる場合がある。一方、Tgが85℃を超えると易
滑易接着層の接着性向上効果が乏しくなる。上記ポリエ
ステルは、水に可溶性または分散性のポリエステルであ
る。かかるポリエステルとしては、テレフタル酸、イソ
フタル酸、フタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン
酸、ヘキサヒドロテレフタル酸、4,4’−ジフェニル
ジカルボン酸、フェニルインダンジカルボン酸、アジピ
ン酸、セバシン酸、5−Naスルホイソフタル酸、トリ
メリット酸、ジメチロールプロピオン酸等のポリカルボ
ン酸成分と、エチレングリコール、ジエチレングリコー
ル、ネオペンチルグリコール、1,4−ブタンジオー
ル、1,6−ヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサ
ンジメタノール、グリセリン、トリメチロールプロパ
ン、ビスフェノールAのアルキレンオキシド付加物等の
ポリヒドロキシ化合物成分とからなるポリエステルを挙
げることができる。なお、上記ポリエステルは、さらに
水親和性を付与することが必要な場合、ポリエステル中
にSO3Na基やCOONa基を導入してもよく、また
ポリエーテル成分を導入することができる。かかるポリ
エステルは、易滑易接着層中、60〜92重量%含まれ
ることが好ましい。
肪酸ビスアミドは、それぞれR1CONH2、R2CON
HR4NHOCR3で表されるものであり、R1CO−、
R2CO−およびR3CO−は脂肪酸残基、−NHR4N
H−はジアミン残基である。これらを構成する脂肪酸と
しては、炭素数6〜22の飽和または不飽和脂肪酸が好
ましい。かかる脂肪酸アミド、脂肪酸ビスアミドとして
は、例えば、炭素数13〜15で分子量200〜800
のN,N’−アルキレンビスアミド等を好ましく挙げる
ことができる。さらに具体的には、N,N’−メチレン
ビスステアリン酸アミド、N,N’−エチレンビスパル
ミチン酸アミド、N,N’−メチレンビスラウリン酸ア
ミド、リノール酸アミド、カプリル酸アミド、ステアリ
ン酸アミド等を例示することができる。これらの中、特
に下記式(I)で示されるビスアミドが好ましく用いら
れる。 RCONH(CH2)nNHOCR……(I)
を示し、nは1または2である。ここでRは、炭素数5
〜21のアルキル基または炭素数5〜21のアルケニル
基が好ましい。これらの脂肪酸アミド、脂肪酸ビスアミ
ドは、易滑易接着層を形成する組成物中に、3〜10重
量%含まれていることが好ましい。脂肪酸アミド、脂肪
酸ビスアミドの含有量が少なすきると十分な接着力が得
難く、滑り性、耐ブロッキング性が低下する傾向があ
り、逆に多すぎると、フィルムと塗膜との密着性が低下
したり、塗膜の脆化を招いたりすると共に、ヘーズが高
くなったりすることがある。
径が0.15μm以下の微粒子であることが好ましく、
例えば炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、酸化カルシ
ウム、酸化亜鉛、酸化マグネシウム、酸化ケイ素、ケイ
酸ソーダ、水酸化アルミニウム、酸化鉄、酸化ジルコニ
ウム、硫酸バリウム、酸化チタン、酸化錫、三酸化アン
チモン、カーボンブラック、二硫化モリブデン等の無機
微粒子または、アクリル系架橋重合体、スチレン系架橋
重合体、シリコーン樹脂、フッ素樹脂、ベンゾグアナミ
ン樹脂、フェノール樹脂、ナイロン樹脂、ポリエチレン
ワックス等の有機微粒子等を挙げることができる。これ
らの中、水不溶性の固体物質は、水分散液中で沈降する
のを避けるため、比重が3を超えない超微粒子を選ぶこ
とが好ましい。かかる微粒子は、塗膜表面を粗面化する
と共に、微粒子自体による塗膜の補強作用があり、さら
には塗膜への耐ブロッキング性付与作用を有し、フィル
ムに優れた滑り性を与えることになる。これらの微粒子
は、易滑易接着層中に、5〜30重量%含まれているこ
とが好ましく、特に、平均粒径が0.1μm以上の比較
的大きな粒子を用いるときには5〜10重量%の範囲か
ら、また、平均粒径が0.01〜0.1μmの粒子を用
いるときには、8〜30重量%の範囲から選定するのが
好ましい。
する組成物は、塗膜を形成させるために、水溶液、水分
散液あるいは乳化液の形態で使用される。塗膜を形成す
るために、必要に応じて、前記ポリエステル以外の他の
樹脂、帯電防止剤、着色剤、界面活性剤、紫外線吸収剤
などを添加することができる。塗布液の基材フィルムへ
の塗布は、ポリエステルフィルムの製造過程で行なう。
さらに、ポリエステルフィルムが二軸配向ポリエステル
フィルムの場合、結晶配向が完了する前のフィルム液を
塗布することが好ましい。ここで、結晶配向が完了する
前のフィルムとは、未延伸フィルム、未延伸フィルムを
縦方向または横方向の何れか一方に配向せしめた一軸配
向フィルム、さらには縦方向および横方向の二方向に低
倍率延伸配向せしめたもの(最終的に縦方向または横方
向に再延伸せしめて配向結晶化を完了せしめる前の二軸
延伸フィルム)等を含むものである。特に、未延伸フィ
ルムまたは一方向に配向せしめた一軸延伸フィルムに、
上記組成物の塗布液を塗布し、そのまま縦延伸および/
または横延伸と熱固定処理(加熱処理)とを施す方法が
好ましい。塗布方法としては、公知の任意の塗工法が適
用できる。例えば、ロールコート法、グラビアコート
法、ロールブラッシュ法、スプレーコート法、エアーナ
イフコート法、含浸法、カーテンコート法などを単独ま
たは組合せて用いることができる。塗布液の塗布量は、
塗膜の乾燥後の厚みで、0.02〜0.3μm、好まし
くは0.07〜0.25μmの範囲となる量が好まし
い。塗膜の厚さが薄過ぎると接着力が不足し、逆に厚過
ぎるとブロッキングを起こしたり、ヘーズ値が高くなっ
たりする可能性がある。本発明における易滑易接着層
は、かかる方法により薄くて均一でしかも工程を増やす
ことなく安価に形成することができる。
性を向上させるための予備処理としてフィルム表面にコ
ロナ表面処理、火炎処理、プラズマ処理等の物理処理を
施すか、あるいは塗膜組成物と共にこれと化学的に不活
性な界面活性剤を併用することが好ましい。かかる界面
活性剤は、フィルムへの水性塗液の濡れを促進するもの
であり、例えば、ポリオキシエチレンアルキルフェニル
エーテル、ポリオキシエチレン−脂肪酸エステル、ソル
ビタン脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、脂
肪酸金属石鹸、アルキル硫酸塩、アルキルスルホン酸
塩、アルキルスルホコハク酸塩等のアニオン型、ノニオ
ン型界面活性剤を挙げることができる。
最表層、すなわち露出面に、シリコーン樹脂層またはフ
ッ素系樹脂層などからなる防汚染層を設けたものが好ま
しい。特に好ましい防汚染層はフッ素系樹脂からなるも
のである。防汚染層の水の接触角は、防汚染効果を十分
に発現させるために95゜以上であることが好ましい。
具体的なフッ素系樹脂としては、EEP(フルオロエチ
レン−プロピレン共重合体)、PTFE(ポリテトラフ
ルオロエチレン)、ETFE(エチレン−テトラフルオ
ロエチレン共重合体)、PVF(ポリフッ化ビニル)、
PVDF(ポリフッ化ビニリデン)等が挙げられる。こ
の防汚染層は、ウェットコーティングにより形成される
ことが好ましい。例えば、フッ素の置換基を有するアク
リルモノマーをトルエンで溶液化した塗布液をグラビア
コーターによりコーティングし、その後乾燥する。この
方法によれば高速で均一に成膜できる利点がある。特
に、このコーティング後に150〜200℃でキュアす
るのが好ましく、これにより密着性の向上や膜の硬度の
硬化という効果が奏される。
る。なお、フィルムの特性は以下の方法で測定または評
価した。
の側からカッターナイフにより2mm間隔で縦横各6本
の切れ目を入れて、25個の碁盤目を作った。そして、
該碁盤目上にニチバンセロテープを貼付した後、該セロ
テープを90゜の剥離角度で、剥離し、反射防止フィル
ム上に、残留した反射防止層の碁盤目の数を目視により
カウントし、以下の基準で評価する。 〇:25個残留(剥離なし) △:20〜24個 ×:19個以下
計を用い、波長550mmの可視光を試料に照射した際
の反射率を測定する。
定器(NDH−)を使用して、ヘーズ値を測定した。
易滑性層の側からJIS B0601に準じ、(株)小
坂研究所製の高精度表面粗さ計 SE−3FATを使用
して、針の半径24μm、荷重30mgて拡大倍率20
万倍、カットオフ0.08mmの条件下にチャートを描
かせ、表面粗さ曲線からその中心線方向に測定長さLの
部分を抜き取り、粗さ曲線をY=f(x)て表わした
時、次の式て与えられた値をμm単位で表わした。ま
た、この測定は、基準長を1.25mmとして4個測定
し平均値で表わした。
子を0.005重量%添加したポリエチレンテレフタレ
ート(固有粘度0.65)を溶融状態でダイより押し出
し、冷却ドラムで冷却して、未延伸フィルムとした。次
いで、該未延伸フィルムを長手方向へ3.6倍に延伸し
た後、水溶性共重合ポリエステル(80重量%)N,
N’−エチレンビスカプリル酸アミド(5重量%)、平
均粒径0.03μmの架橋アクリル微粒子(10重量
%)および界面活性剤(5重量%)よりなる塗膜用組成
物を、乾燥後の塗膜厚みが0.1μmとなるようロール
コーターで該未延伸フィルムの片面に塗布した。
がら、横方向に120℃で3.8倍に延伸し、220℃
で熱固定して、厚さ75μmの易滑易接着性ポリエチレ
ンテレフタレートフィルム(以下易接着性PETフィル
ムと称することがある)を得た。
ト剤として、無機微粒子成分を、40重量%を含む、ア
クリル系の紫外線硬化型樹脂(TSR社製「Z750
1」)を厚さ8μmとなるようにコーティングにより形
成し、さらにその表面をコロナ処理により表面の水接触
角を20°とした。
ッタリングによって厚み32nmのTiO2からなる第
一層(屈折率2.1)を設け、該第一層の更に上に、塗
布によって厚み115nmのSiO2からなる第二層
(屈折率1.47)を設け、反射防止フィルムとした。
また、該反射防止フィルムの第二層の露出面には、パー
フルオロアルキル基含有アクリル層からなる防汚染層
を、厚みが5nmとなるようにコーティングによって積
層した。得られた反射防止フィルムの特性を表1に示
す。
ート層と第一層との間にSiO2層(屈折率1.47)
を180nmの厚さで設ける以外は同様な操作を繰り返
した。得られた反射防止フィルムの特性を表1に示す。
からなる第一層の厚みを68nmに変更する以外は同様
な操作を繰り返した。得られた反射防止フィルムの特性
を表1に示す。
ート層へのコロナ処理を施さなかった以外は同様な操作
を繰り返した。得られた反射防止フィルムの特性を表1
に示す。
PETフィルムを中心線表面粗さ(Ra)を25nmの
フィルムに変更する以外は同様な操作を繰り返した。得
られた反射防止フィルムの特性を表1に示す。
Claims (9)
- 【請求項1】 透明基材の片面に、屈折率1.6以上の
層(第1層)を積層し、さらに第1層の透明基材側とは
異なる面に屈折率1.55以下の層(第2層)を積層し
たフィルムであって、可視光領域内で選択される任意の
基準波長(λ)に対して、第1層の屈折率(nH)と厚
み(dH)との積が、以下の式(1)を満足することを
特徴とする反射防止フィルム。 0.05λ<nH×dH<0.17λ ・・・(1) - 【請求項2】 第1層が、屈折率1.65以上の金属酸
化物からなる請求項1記載の反射防止フィルム。 - 【請求項3】 第2層が、屈折率1.50以下のケイ素
化合物からなり、その厚さが10〜500nmの範囲に
ある請求項1記載の反射防止フィルム。 - 【請求項4】 第1層の屈折率(nH)と第2層の屈折
率(nL)とが、以下の式(2)を満足する請求項1記
載の反射防止フィルム。 1.1<nH/nL<1.5 ・・・(2) - 【請求項5】 透明基材がヘーズが高々1%で表面粗さ
(Ra)が高々10nmの2軸配向ポリエステルフィル
ムである請求項1記載の反射防止フィルム。 - 【請求項6】 2軸配向ポリエステルフィルムが、予め
易滑易接着層をその少なくとも片面に塗接した後、結晶
配向を完了したものである請求項5記載の反射防止フィ
ルム。 - 【請求項7】 透明基材と第1層との間に、硬化性樹脂
からなる表面の水の接触角が40°以下のハードコート
層を積層した請求項1記載の反射防止フィルム。 - 【請求項8】 ハードコート層が、無機微粒子を20〜
80重量%含有する紫外線硬化性樹脂からなる請求項6
記載の反射防止フィルム。 - 【請求項9】 第2層の第1層側とは異なる面に、水の
接触角が95°以上の防汚染層を積層した請求項1記載
の反射防止フィルム。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000151224A JP2001330708A (ja) | 2000-05-23 | 2000-05-23 | 反射防止フィルム |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2000151224A JP2001330708A (ja) | 2000-05-23 | 2000-05-23 | 反射防止フィルム |
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Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2001330708A true JP2001330708A (ja) | 2001-11-30 |
Family
ID=18656816
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2000151224A Pending JP2001330708A (ja) | 2000-05-23 | 2000-05-23 | 反射防止フィルム |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2001330708A (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2004054161A (ja) * | 2002-07-24 | 2004-02-19 | Teijin Dupont Films Japan Ltd | 光学用易接着性ポリエステルフィルム |
JP2011145593A (ja) * | 2010-01-18 | 2011-07-28 | Nippon Zeon Co Ltd | ハードコートフィルム及び画像表示素子 |
WO2014119561A1 (ja) | 2013-01-29 | 2014-08-07 | 富士フイルム株式会社 | 電飾用シート、電飾用印刷物およびその製造方法ならびに電飾看板 |
JP2019527152A (ja) * | 2016-06-30 | 2019-09-26 | コーロン インダストリーズ インク | ポリエステル多層フィルム |
-
2000
- 2000-05-23 JP JP2000151224A patent/JP2001330708A/ja active Pending
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