JP2001109388A - ディスプレイ用ハードコートフィルムおよびその製造方法 - Google Patents

ディスプレイ用ハードコートフィルムおよびその製造方法

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JP2001109388A
JP2001109388A JP28939399A JP28939399A JP2001109388A JP 2001109388 A JP2001109388 A JP 2001109388A JP 28939399 A JP28939399 A JP 28939399A JP 28939399 A JP28939399 A JP 28939399A JP 2001109388 A JP2001109388 A JP 2001109388A
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Kiminori Nishiyama
公典 西山
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ポリエステルフィルムにハードコート層と反
射防止層を積層したハードコートフィルムにおいて、滑
り性に優れ、かつ熱衝撃による相剥離がないディスプレ
イ用ハードコートフィルムを提供する。 【解決手段】 透明ポリエステルフィルムの片面または
両面に易滑易接着層、ハードコート層および反射防止層
がこの順で積層されてなるフィルムであって、該易滑易
接着層は、ガラス転移点が40〜85℃のポリエステル
樹脂、平均粒径0.15μm以下の微粒子、ならびに脂
肪酸アミドおよび脂肪酸ビスアミドから選ばれる少なく
とも1種のアミド化合物を含み、かつハードコート層が
無機微粒子を含有することを特徴とするディスプレイ用
ハードコートフィルムおよびその製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ディスプレイ用ハ
ードコートフィルムおよびその製造方法に関し、詳しく
は、ポリエステルフィルムにハードコート層と反射防止
層を積層したハードコートフィルムにおいて、滑り性に
優れ、かつ熱衝撃による相剥離がないディスプレイ用ハ
ードコートフィルムおよびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】ポリエステルフィルム、特にポリエチレ
ンテレフテレートやポリエチレンナフタレートの二軸延
伸フィルムは優れた機械的性質、耐熱性、耐薬品性、透
明性を有するため、磁気テープ、写真フィルム、包装フ
ィルム、電子部品用フィルム、光学用フィルム、表面保
護フィルム等の素材として幅広く用いられている。これ
らのフィルムは、磁性層、感光層、保護層、中間層、着
色層等を積層して、別の被着体へ接着または粘着により
貼付し使用されることが多い。最近、特に光学用途とし
て、特にディスプレイ用(LCDやCRT)の画面保護の
目的で、ポリエステルフィルムにハードコート層を積層
し、さらに反射防止層、汚れ防止層を積層したフィルム
をディスプレイ表面に貼付する用途に使用されている。
一般にポリエステルフィルムに対するハードコート層を
構成する成分の密着性は低いので、ポリエステルフィル
ム上にハードコート層を積層する際、ポリエステルフィ
ルム面上に表面処理(後加工)をすることが行われてき
た。この表面処理としては、コロナ処理等の物理的処
理、あるいは易接着層を積層する化学的処理が知られて
いるが、これらの処理は製造工程を増やすことになり経
済的に不利である。また、従来の易接着層を設けた積層
フィルムは、滑り性が不足し、また、それからなるハー
ドコートフィルムを過酷な環境条件、例えば急激な温度
変化(熱衝撃)の環境で使用すると、ハードコート層と
フィルム層の密着力が低下し剥がれる場合があり。また
積層するハードコート層の樹脂成分によっても密着性低
下が起こり、十分満足できるものではない。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、かか
る従来技術の問題を解消し、ポリエステルフィルムにハ
ードコート層と反射防止層を積層したハードコートフィ
ルムにおいて、滑り性に優れ、かつ熱衝撃による相剥離
がないディスプレイ用ハードコートフィルムを提供する
こと、そして、かかるディスプレイ用ハードコートフィ
ルムを安価に製造できる製造方法を提供することであ
る。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者は、これらの問
題を解決すべく鋭意検討した結果、基材である透明ポリ
エステルフィルムに、特定の成分からなる易滑易接着層
を設けることで、該易滑易接着層が熱衝撃によるハード
コート層にかかる内部応力を吸収し、さらに特定成分の
ハードコート剤を用いることで、ハードコート層自身の
内部応力緩和を減少させ、ハードコート層の密着性を著
しく改善できることを見出し、そして、その易滑易接着
層をフィルム製膜工程中で形成することにより安価に易
滑易接着層を積層したフィルムを製造できることを見出
し、本発明を完成するに至った。
【0005】すなわち、本発明の目的は、以下の2つの
構成により達成することができる。 1.透明ポリエステルフィルムの片面または両面に易滑
易接着層、ハードコート層および反射防止層がこの順で
積層されてなるフィルムであって、該易滑易接着層は、
ガラス転移点が40〜85℃のポリエステル樹脂、平均
粒径0.15μm以下の微粒子、ならびに脂肪酸アミド
および脂肪酸ビスアミドから選ばれる少なくとも1種の
アミド化合物を含み、かつハードコート層が無機微粒子
を含有することを特徴とするディスプレイ用ハードコー
トフィルム。 2.結晶配向が完了する前のポリエステルフィルムの片
面または両面に、ガラス転移点が40〜85℃のポリエ
ステル樹脂、平均粒径0.15μm以下の微粒子、なら
びに脂肪酸アミドおよび脂肪酸ビスアミドから選ばれる
少なくとも1種のアミド化合物を含む塗液を塗布し、延
伸し、加熱して易滑易接着層を積層した二軸配向ポリエ
ステルフィルムを製造し、該易滑易接着層の上に、ハー
ドコート層および反射防止層をこの順で積層することを
特徴とするディスプレイ用ハードコートフィルムの製造
方法。以下本発明をさらに詳細に説明する。
【0006】[ポリエステルフィルム]本発明における
透明ポリエステルフィルムを構成するポリエステルと
は、芳香族二塩基酸またはそのエステル形成性誘導体と
ジオールまたはそのエステル形成性誘導体とから重縮合
して得られる線状飽和ポリエステルである。かかるポリ
エステルの具体例としては、ポリエチレンテレフタレー
ト、ポリエチレンイソフタレート、ポリブチレンテレフ
テレート、ポリエチレン−2,6ナフタレンジカルボキ
シレート等が挙げられ、これらの共重合体またはこれと
小割合の他樹脂とのブレンド物等も含まれる。
【0007】ポリエステルフィルムは、従来から知られ
ている方法で製造することができる。例えば、二軸延伸
ポリエステルフィルムは、ポリエステルを乾燥後、Tm
〜(Tm+70)℃の温度(但し、Tm:ポリエステル
の融点)で押出機にて溶融し、ダイ(例えばT−ダイ、
I−ダイ等)から回転冷却ドラム上に押出し、40〜9
0℃で急冷して未延伸フィルムを製造し、ついで該未延
伸フィルムを(Tg−10)〜(Tg+70)℃の温度
(Tg:ポリエステルのガラス転移温度)で縦方向に
2.5〜8.0倍の倍率で延伸し、横方向に2.5〜
8.0倍の倍率で延伸し、必要に応じて180〜250
℃の温度で1〜60秒間熱固定することにより製造でき
る。
【0008】フィルムの厚みは5〜250μmの範囲が
好ましい。また、本発明のハードコートフィルムはディ
スプレイの表面保護に用いられるので、透明である必要
がある。
【0009】これらのポリエステルには、必要により、
適当なフィラーを含有させることができる。このフィラ
ーとしては、従来からポリエステルフィルムの滑り性付
与剤として知られているものが挙げられるが、その例を
示すと炭酸カルシウム、酸化カルシウム、酸化アルミニ
ウム、カオリン、酸化珪素、酸化亜鉛、カーボンブラッ
ク、炭化珪素、酸化錫、架橋アクリル樹脂粒子、架橋ポ
リスチレン樹脂粒子、メラミン樹脂粒子、架橋シリコー
ン樹脂粒子等が挙げられる。さらにポリエステル中に
は、着色剤、帯電防止剤、酸化防止剤、有機滑剤、触媒
なども適宜添加することができる。
【0010】[易滑易接着層]本発明においては、ポリ
エステルフィルムの片面または両面に、ガラス転移点が
40〜85℃のポリエステル樹脂、平均粒径0.15μ
m以下の微粒子、ならびに脂肪酸アミドおよび脂肪酸ビ
スアミドから選ばれる少なくとも1種のアミド化合物を
含む易滑易接着層を設ける。
【0011】易滑易接着層を構成するポリエステルは、
ガラス転移点(以下Tgと略することがある)が40〜
85℃、好ましくは45〜80℃のものである。Tgが
40℃未満の場合、得られたハードコートフィルムの耐
熱性が低くなり、また滑り性が劣る。一方、Tgが85
℃を超えると易滑易接着層の接着性が劣る。上記ポリエ
ステルは、水に可溶性または分散性のポリエステルであ
る。かかるポリエステルとしては、テレフタル酸、イソ
フタル酸、フタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン
酸、ヘキサヒドロテレフタル酸、4,4’−ジフェニル
ジカルボン酸、フェニルインダンジカルボン酸、アジピ
ン酸、セバシン酸、5−Naスルホイソフタル酸、トリ
メリット酸、ジメチロールプロピオン酸等のポリカルボ
ン酸成分と、エチレングリコール、ジエチレングリコー
ル、ネオペンチルグリコール、1,4−ブタンジオー
ル、1,6−ヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサ
ンジメタノール、グリセリン、トリメチロールプロパ
ン、ビスフェノールAのアルキレンオキシド付加物等の
ポリヒドロキシ化合物成分とからなるポリエステルを挙
げることができる。上記ポリエステルは、さらに水親和
性を付与することが必要な場合、ポリエステル中にSO
3Na基やCOONa基を導入してもよく、またポリエ
ーテル成分を導入することができる。かかるポリエステ
ルは、易滑易接着層中、60〜92重量%含まれること
が好ましい。
【0012】また、易滑易接着層を構成する脂肪酸アミ
ド、脂肪酸ビスアミドは、それぞれR1CONH2、R2
CONHR4NHOCR3で表されるものであり、R1
O−、R2CO−およびR3CO−は脂肪酸残基、−NH
4NH−はジアミン残基である。これらを構成する脂
肪酸としては、炭素数6〜22の飽和または不飽和脂肪
酸が好ましい。かかる脂肪酸アミド、脂肪酸ビスアミド
としては、例えば、炭素数13〜15で分子量200〜
800のN,N’−アルキレンビスアミド等を好ましく
挙げることができる。さらに具体的には、N,N’−メ
チレンビスステアリン酸アミド、N,N’−エチレンビ
スパルミチン酸アミド、N,N’−メチレンビスラウリ
ン酸アミド、リノール酸アミド、カプリル酸アミド、ス
テアリン酸アミド等を例示することができる。これらの
中、特に下記式(I)で示されるビスアミドが好ましく
用いられる。 RCONH(CH2nNHOCR ……(I)
【0013】但し、式(I)中のRCO−は脂肪酸残基
を示し、nは1または2である。ここでRは、炭素数5
〜21のアルキル基または炭素数5〜21のアルケニル
基が好ましい。これらの脂肪酸アミド、脂肪酸ビスアミ
ドは、易滑易接着層を形成する組成物中に、3〜10重
量%含まれていることが好ましい。脂肪酸アミド、脂肪
酸ビスアミドの含有量が少なすぎると十分な接着力が得
られず、滑り性、耐ブロッキング性が低下する傾向があ
り、逆に多すぎると、フィルムと塗膜との密着性が低下
したり、塗膜の脆化を招いたりすると共に、ヘーズが高
くなったりすることがある。
【0014】また、易滑易接着層を構成する微粒子は、
平均粒径が0.15μm以下の微粒子であり、例えば炭
酸カルシウム、炭酸マグネシウム、酸化カルシウム、酸
化亜鉛、酸化マグネシウム、酸化ケイ素、ケイ酸ソー
ダ、水酸化アルミニウム、酸化鉄、酸化ジルコニウム、
硫酸バリウム、酸化チタン、酸化錫、三酸化アンチモ
ン、カーボンブラック、二硫化モリブデン等の無機微粒
子、アクリル系架橋重合体、スチレン系架橋重合体、シ
リコーン樹脂、フッ素樹脂、ベンゾグアナミン樹脂、フ
ェノール樹脂、ナイロン樹脂、ポリエチレンワックス等
の有機微粒子等を挙げることができる。これらの中、水
不溶性の固体物質は、水分散液中で沈降するのを避ける
ため、比重が3を超えない超微粒子を選ぶことが好まし
い。かかる微粒子は、塗膜表面を粗面化すると共に、微
粒子自体による塗膜の補強作用があり、さらには塗膜へ
の耐ブロッキング性付与作用を有し、フィルムに優れた
滑り性を与えることになる。これらの微粒子は、易滑易
接着層中に、5〜30重量%含まれていることが好まし
く、特に、平均粒径が0.1μm以上の比較的大きな粒
子を用いるときには5〜10重量%の範囲から、また、
平均粒径が0.01〜0.1μmの粒子を用いるときに
は、8〜30重量%の範囲から選定するのが好ましい。
【0015】本発明で用いられる上記3成分を主成分と
する組成物は、塗膜を形成させるために、水溶液、水分
散液あるいは乳化液の形態で使用される。塗膜を形成す
るために、必要に応じて、前記ポリエステル以外の他の
樹脂、帯電防止剤、着色剤、界面活性剤、紫外線吸収剤
などを添加することができる。塗布液の基材フィルムへ
の塗布は、ポリエステルフィルムの製造過程で行なう。
さらに、ポリエステルフィルムが二軸配向ポリエステル
フィルムの場合、結晶配向が完了する前のフィルムに塗
布液を塗布することが必要である。ここで、結晶配向が
完了する前のフィルムとは、未延伸フィルム、未延伸フ
ィルムを縦方向または横方向の何れか一方に配向せしめ
た一軸配向フィルム、さらには縦方向および横方向の二
方向に低倍率延伸配向せしめたもの(最終的に縦方向ま
た横方向に再延伸せしめて配向結晶化を完了せしめる前
の二軸延伸フィルム)等を含むものである。特に、未延
伸フィルムまたは一方向に配向せしめた一軸延伸フィル
ムに、上記組成物の塗布液を塗布し、そのまま縦延伸お
よび/または横延伸と熱固定処理(加熱処理)とを施す
方法が好ましい。塗布方法としては、公知の任意の塗工
法が適用できる。例えばロールコート法、グラビアコー
ト法、ロールブラッシュ法、スプレーコート法、エアー
ナイフコート法、含浸法、カーテンコート法などを単独
または組合せて用いることができる。塗布液の塗布量
は、塗膜の乾燥後の厚みで、0.02〜0.3μm、好
ましくは0.07〜0.25μmの範囲となる量が好ま
しい。塗膜の厚さが薄過ぎると接着力が不足し、逆に厚
過ぎるとブロッキングを起こしたり、ヘーズ値が高くな
ったりする可能性がある。本発明における易滑易接着層
は、かかる方法により薄くて均一でしかも工程を増やす
ことなく安価に形成することができる。
【0016】塗布液をフィルムに塗布する際には、塗布
性を向上させるための予備処理としてフィルム表面にコ
ロナ表面処理、火炎処理、プラズマ処理等の物理処理を
施すか、あるいは塗膜組成物と共にこれと化学的に不活
性な界面活性剤を併用することが好ましい。かかる界面
活性剤は、フィルムへの水性塗液の濡れを促進するもの
であり、例えば、ポリオキシエチレンアルキルフェニル
エーテル、ポリオキシエチレン−脂肪酸エステル、ソル
ビタン脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、脂
肪酸金属石鹸、アルキル硫酸塩、アルキルスルホン酸
塩、アルキルスルホコハク酸塩等のアニオン型、ノニオ
ン型界面活性剤を挙げることができる。
【0017】[ハードコート層]本発明におけるハード
コート層は、紫外線硬化性樹脂からなるハードコート層
であることが好ましい。紫外線硬化性樹脂としては、例
えばウレタン−アクリレート系、エポキシアクリレート
系、ポリエステル−アクリレート系などの紫外線硬化性
組成物を挙げることができる。特に、ハードコート層樹
脂自身が基材の伸縮に追従するためには、ウレタン成分
をソフトセグメントとして含んだアクリレート系の光硬
化性樹脂が好ましい。さらに、塗膜の耐摩耗性の向上と
硬化時の体積収縮率の減少のために、無機微粒子を含有
する。無機微粒子の含有量は20〜60重量%が好まし
く、無機微粒子の平均粒径は100nm以下のものが好
ましい。また、ハードコート性向上のために、無機微粒
子表面に光重合反応性を有する感光性基を導入したもの
が好ましい。感光性基としては単官能性または多官能性
アクリレートが好ましい。無機微粒子の含有量が20重
量%未満であると耐摩耗性不良および紫外線硬化時の体
積収縮率が高くなりフィルムにカールが発生する。60
重量%以上であると、ハードコート樹脂の伸縮性不良と
なり、屈曲によるクラックが入りやすくなる。無機微粒
子としては、シリカまたはチタン等の金属酸化物よりな
る微粒子が好ましい。
【0018】ハードコート層は、その表面硬度が鉛筆硬
度で4H以上の硬さを有することが好ましく、また、ハ
ードコート層表面はさらにその上に反射防止層を積層す
るため、表面の濡れ性を良くしておく必要がある。ハー
ドコート表面の水接触角が、40〜80°であることが
好ましい。80°を超えると積層界面の密着性不良を起
こし、40°未満ではロール上に巻いた場合ブロッキン
グ現象を起こすことがある。ハードコート層の形成方法
としては、バーコート法、ドクターブレード法、リバー
スロールコート法、グラビアロールコート法等の公知の
塗布方法で上記成分を含む塗布液を塗布する方法を用い
ることができ、塗膜厚みは0.5〜10μmが好まし
い。さらには、1〜5μmが好ましい。0.5μm未満
ではハードコート性不良となり、10μm以上はフィル
ムの伸縮追従において、内部応力が強く、密着性不良と
なる。
【0019】[反射防止層]本発明における反射防止層
は、ハードコート層上に高屈折率層および低屈折率層を
交互に積層することにより形成することができる。高屈
折率成分としては、酸化チタン、酸化インジウム、酸化
亜鉛、酸化ジルコニウム等の金属酸化物。低屈折率成分
としては、酸化ケイ素または弗化マグネシウム等が好ま
しい。また防汚層と低屈折率を兼ねた、フッ素樹脂化合
物を最表層に積層しても良い。反射率としては、400
nmから700nmの波長領域で、最大2%以下である
ことが好ましい。反射防止層の各層の厚みは、下記式を
満足するように設定すると、効果が最も高くなるので好
ましい。 d=0.25×λ/n (上記式中、dは層厚み(nm)、λは波長(540nm)、nは
層構成物質の屈折率を表わす。)
【0020】
【実施例】以下、本発明を実施例により詳述する。な
お、フィルムの特性の測定は、以下の方法にしたがって
実施した。 (1)鉛筆硬度 JISのK5401に準じフィルム表面の硬度を種々の
硬度の鉛筆により評価する。 (2)密着性 ハードコートフィルムを以下の条件で処理した後、カッ
ターナイフで2mm間隔で縦横各6本の切り目を入れ2
5個の碁盤目を作り、碁盤目上にニチバンセロテープを
貼付し、このセロテープを90°の角度で高速で剥離し
た後の、ハードコート層の残留碁盤目の数から下記の基
準で評価した。 〇:25(剥離無し) △:20〜24 ×:19以下 <処理条件> 100℃の熱水に2時間浸漬処理 200℃×30分熱処理 (3)接触角 平板状のフィルム片を水平に置き、所定量の水滴をフィ
ルム片上に置き液滴を作る。角度測定器がついた顕微鏡
により1分後の水の接触角を読み取る。接触角の読み取
りは、画像処理装置を用いてもよい。
【0021】[実施例1]溶融したポリエチレンテレフ
タレート(固有粘度、0.65)をダイより押し出し、
常法により冷却ドラムで冷却して未延伸フィルムとし、
次いで縦方向に3.6倍に延伸した後、下記塗膜用組成
物の濃度8%の水性液を、乾燥後の塗膜厚みが0.10
μmとなる量、ロールコーターで両面に均一に塗布し
た。 <塗膜用組成物> 水性ポリエステル:酸性分がテレフタル酸、イソフタル酸、5−スルホイソフタ ル酸カリウム、グリコール成分がエチレングリコールおよびネオペンチルグリコ ールよりなる共重合ポリエステル(Tg=68℃) 80重量% N,N’−エチレンビスカプリル酸アミド 5重量% 架橋アクリル微粒子(平均粒径0.03μm) 10重量% ポリオキシエチレンノニフェニルエーテル 5重量%
【0022】次いでこのフィルムを引き続いて95℃で
乾燥しながら横方向に120℃で3.8倍に延伸し、2
20℃で熱固定して、厚さ150μmの易滑易接着性ポ
リエチレンテレフタレートフィルム(以下易接着性PE
Tフィルムと記述することがある)を得た。この易接着
性PETフィルムに、ハードコート剤として無機微粒子
を40重量%含むアクリル系UVハードコート剤(JS
R社製ハードコート剤:Z7501)を乾燥膜厚みが2
μmとなるよう塗布し、ハードコート層を形成した。さ
らにハードコート層上にSiO2(90nm)/TiO2(65nm)
/SiO2(90nm)のコーティング膜を順次積層し反射防
止膜とした。このフィルムの特性を表1に示す。
【0023】[実施例2]実施例1において塗膜組成物
中のN,N’−エチレンビスカプリル酸アミドの代わり
にN,N’−エチレンビスステアリン酸アミドを加える
以外は実施例1と同様にハードコートフィルムを得た。
このフィルムの特性を表1に示す。
【0024】[比較例1]易滑易接着性層を設けない以
外は実施例1と同様にハードコートフィルムを得た。こ
のフィルムの特性を表1に示す。
【0025】[比較例2]ハードコート剤に無機微粒子
を含まないアクリル系UVハードコート剤を用いる以外
は実施例1と同様にハードコートフィルムを得た。この
フィルムの特性を表1に示す。
【0026】
【表1】
【0027】
【発明の効果】本発明によれば、ハードコート層の密着
性に優れ、反射防止層も積層しやすく、ディスプレイ用
ハードコートフィルムとして優れた特性をもつフィルム
を提供することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4F100 AA01C AA20 AA21 AH03B AH03H AK01C AK25 AK41A AK41B AK42 AK42J AL01 AR00B AR00D AR00E BA04 BA05 BA07 BA10A BA10D BA26 CC00C DE01B DE01C EH46 EH462 EJ382 EJ422 GB41 JA05B JA20B JA20C JB04C JB14C JK06 JK12C JK16 JK16B JL11B JL11C JN01A JN06 JN06D JN06E YY00B YY00C 5G435 AA01 AA14 FF01 HH02 HH03 KK07

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 透明ポリエステルフィルムの片面または
    両面に易滑易接着層、ハードコート層および反射防止層
    がこの順で積層されてなるフィルムであって、該易滑易
    接着層は、ガラス転移点が40〜85℃のポリエステル
    樹脂、平均粒径0.15μm以下の微粒子、ならびに脂
    肪酸アミドおよび脂肪酸ビスアミドから選ばれる少なく
    とも1種のアミド化合物を含み、かつハードコート層が
    無機微粒子を含有することを特徴とするディスプレイ用
    ハードコートフィルム。
  2. 【請求項2】 易滑易接着層は、ガラス転移点が40〜
    85℃のポリエステル樹脂60〜92重量%、平均粒径
    0.15μm以下の微粒子5〜30重量%、ならびに脂
    肪酸アミドおよび脂肪酸ビスアミドから選ばれる少なく
    とも1種のアミド化合物3〜10重量%からなる厚み
    0.02〜0.3μmの層である請求項1記載のディス
    プレイ用ハードコートフィルム。
  3. 【請求項3】 ハードコート層は、表面硬度が鉛筆硬度
    4H以上、表面の水接触角が40〜80°、かつ厚みが
    0.5〜10μmである請求項1記載のディスプレイ用
    ハードコートフィルム。
  4. 【請求項4】 ハードコート層は、無機微粒子を20〜
    60重量%含有する紫外線硬化樹脂からなる請求項1記
    載のディスプレイ用ハードコートフィルム。
  5. 【請求項5】 反射防止層は、高屈折率層および低屈折
    率層を交互に積層してなる層である請求項1記載のディ
    スプレイ用ハードコートフィルム
  6. 【請求項6】 結晶配向が完了する前のポリエステルフ
    ィルムの片面または両面に、ガラス転移点が40〜85
    ℃のポリエステル樹脂、平均粒径0.15μm以下の微
    粒子、ならびに脂肪酸アミドおよび脂肪酸ビスアミドか
    ら選ばれる少なくとも1種のアミド化合物を含む塗液を
    塗布し、延伸し、加熱して易滑易接着層を積層した二軸
    配向ポリエステルフィルムを製造し、該易滑易接着層の
    上に、ハードコート層および反射防止層をこの順で積層
    することを特徴とするディスプレイ用ハードコートフィ
    ルムの製造方法。
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