JP2014137989A - 基板間コネクタのソケット及び基板間コネクタ - Google Patents

基板間コネクタのソケット及び基板間コネクタ Download PDF

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Abstract

【課題】低背化及び挟ピッチ化を容易に達成できる基板間コネクタを提供する。
【解決手段】基板間コネクタ1は、複数のヘッダコンタクト6a及び6bを有するヘッダ3と、複数のソケットコンタクト19a及び19bを有するソケット5とを備える。ソケットコンタクト19a及び19bは、その長さ方向に延在する平板状のソケット側接続部28を備える。ソケット側接続部28には、その長さ方向に延在する挿入固定孔31が設けられる。挿入固定孔31は、挿入部31aと、これに挿入された対応するヘッダコンタクト6a及び6bの突出部17が挿入固定孔31の長さ方向に移動されることにより圧入される圧入部31bとで構成される。
【選択図】図5

Description

本発明は、回路基板同士を接続する基板間コネクタのソケット及び基板間コネクタに関する。
従来、プリント基板等の回路基板同士を電気的に接続する基板間コネクタとして、複数のソケットコンタクトを有するソケットと、各ソケットコンタクトにそれぞれ接続される複数のヘッダコンタクトを有するヘッダとを備えた基板間コネクタが知られている(例えば、特許文献1参照)。
特許文献1の基板間コネクタにおいて、ヘッダコンタクトは、ソケット側に向かって突出する複数の柱状の差込部を備える。また、ソケットコンタクトは、差込部の突出方向と直交する方向から差込部にそれぞれ接する第1〜第3の弾接ばね部を備える。そして、ヘッダとソケットは、各ヘッダコンタクトの差込部を、対応する各ソケットコンタクトの第1〜第3の弾接ばね部の間に挿入することにより接続される。
第1〜第3の弾接ばね部は、差込部がその間に挿入されるとき、第1及び第2の弾接ばね部が差込部に接して撓むことにより、第3の弾接ばね部が差込部に押し付けられ、差込部と強固に接触する。この強固な接触により、ソケットコンタクトとヘッダコンタクトの良好な電気的接続が得られる。
これによれば、第1〜第3の弾接ばね部は、ヘッダコンタクトの差込部の突出方向と直交する方向に撓んで該方向から差込部に接する。このため、各弾接ばね部が差込部の突出方向に撓み自在となっている場合に比べて、差込部の突出方向、すなわちソケットおよびヘッダの接続方向における基板間コネクタの寸法を小さくし、基板間コネクタの低背化を実現することができる。
特開2008−27713号公報
しかしながら、近年のモバイル機器等の高性能化やコンパクト化に伴い、より高度な低背化やコンタクトの狭ピッチ化が求められる。この点、特許文献1の基板間コネクタは、ソケットコンタクトの弾接ばね部が、ヘッダコンタクトの差込部に対し、その突出方向と直交する方向に撓んで接する構造を有するので、該直交方向の寸法が大きくなり、狭ピッチ化を図る上で不利である。
また、特許文献1の基板間コネクタは、ヘッダコンタクトの差込部が弾接ばね部の間に挿入されるとき、第1及び第2の弾接ばね部が差込部に接して撓みを生じることにより第3の弾接ばね部がヘッダコンタクトに押し付けられるようになっているので、構造が複雑である。このため、特許文献1の基板間コネクタによれば、さらなる低背化及び狭ピッチ化を図るのは困難である。
本発明の目的は、かかる従来技術の問題点に鑑み、さらなる低背化及び挟ピッチ化を容易に達成できる基板間コネクタのソケット及び基板間コネクタを提供することにある。
本発明の基板間コネクタのソケットは、回路基板に実装されるヘッダと、他の回路基板に実装されて該ヘッダに電気的に接続されるソケットとを備える基板間コネクタのソケットであって、前記ヘッダは、所定のピッチで配列され、前記ソケット側に突出する突出部を有する導電性の複数のヘッダコンタクトと、該複数のヘッダコンタクトを支持するヘッダボディとを備え、前記ソケットは、長尺の形状を有してその長さ方向に垂直な方向に前記ピッチで配列された導電性の複数のソケットコンタクトと、該複数のソケットコンタクトを支持する絶縁性で樹脂製のソケットボディとを備え、各ソケットコンタクトは、その長さ方向に延在し、かつその配列の方向に平行な平板状のソケット側接続部を備え、各ソケット側接続部には、その厚さ方向に貫通し、かつその長さ方向に延在する挿入固定孔が設けられ、各挿入固定孔は、対応する前記ヘッダコンタクトの突出部が挿入される挿入部と、該挿入部に挿入された該突出部が該挿入固定孔の長さ方向に移動されることにより圧入される圧入部とで構成され、各ソケット側接続部は、その前記挿入固定孔から所定範囲内の接触部を除き、前記ソケットボディの樹脂で被覆され、隣り合うソケット側接続部の間は該樹脂で満たされることを特徴とする。
本発明において、ヘッダとソケットを接続する際には、各ソケットコンタクトの挿入固定孔の挿入部に対して、対応する各ヘッダコンタクトの突出部が挿入されるように、ヘッダとソケットが近接され、位置決めされる。そして、ヘッダが、ソケットに対して、挿入固定孔の長さ方向に移動される。これにより、挿入された各突出部が各挿入固定孔の圧入部に圧入されて固定され、各ヘッダコンタクトとソケットコンタクトが電気的に接触し、ソケットとヘッダの接続が確立される。
この間、挿入部に対して突出部が挿入されるときには、ソケットコンタクトは挿入方向への力をさほど受けることはない。また、突出部が圧入部に圧入されるときには、圧入方向がソケットコンタクトの長さ方向に一致しているので、ソケットコンタクトは、圧入により受ける力に容易に対応することができる。したがって、ソケットとヘッダの接続は、支障なく行われる。
そして、ソケットコンタクトは、そのソケット側接続部が、ソケットコンタクトの長さ方向に延びた平板状のものであって、挿入固定孔が設けられるだけの簡単な構成を有する。また、ヘッダコンタクトも、突出部を有するだけの簡単な構成で足りる。したがって、基板間コネクタのさらなる低背化及び挟ピッチ化を容易に達成することができる。
また、ソケットボディは樹脂製であり、各ソケット側接続部は、接触部を除き、ソケットボディの樹脂で被覆され、隣り合うソケット側接続部の間は該樹脂で満たされるので、ソケットコンタクトのソケットボディによる支持強度を高めるとともに、隣接するソケットコンタクト間の絶縁性を良好に維持できる。また、ソケットコンタクトは、必要な部分を除いてソケットボディの樹脂で被覆されているので、回路基板に実装された状態でソケット内に塵埃が侵入しても、絶縁性が損なわれることはない。これにより、さらなる低背化及び挟ピッチ化をより容易に達成することができる。
本発明において、隣り合うソケット側接続部の間の前記ソケットボディの部分には、前記圧入による該ソケットボディの歪を吸収する溝又は貫通孔が設けられてもよい。
この構成において、各ヘッダコンタクトの突出部が、対応するソケットコンタクトのソケット側接続部の圧入部へ圧入される際には、そのソケット側接続部が突出部により押し拡げられるので、そのソケット側接続部の両隣のソケット側接続部との間のソケットボディの部分が押圧される。これにより、そのソケットボディの部分は、押圧される分だけ、押圧方向に垂直な方向へ膨出しようとして歪が生じる。
しかし、かかる歪みは、上述の溝又は貫通孔により吸収されるので、当該ソケットボディの部分の膨出は防止される。これにより、基板間コネクタの低背化をより容易に促進することができる。
また、樹脂部分に生じる歪みが吸収されるので、当該樹脂部分への押圧力に対する反力もある程度弱められる。このため、突出部の圧入部への圧入がスムーズに行われる。これにより、隣り合うソケット側接続部の間の間隔、すなわち当該樹脂部分の厚さがある程度薄くても、支障なく圧入が行われる。したがって、狭ピッチ化をより一層促進することができる。
また、本発明において、前記ソケットボディは、前記ソケットコンタクトをインサート材料としたインサート成形で形成され、前記ソケット側接続部の接触部は、前記ソケットボディの形成後に施されるメッキで被覆されてもよい。
これによれば、ソケットボディによりソケット側接続部の接触部以外の部分が覆われた後に接触部へのメッキが行われるので、メッキ被膜を、接触部のみに対して容易に形成することができる。これにより、ソケット側接続部への電気的接触を良好に維持するためのメッキ被膜の形成に要するメッキ材料のコストを大幅に削減することができる。
また、本発明において、前記ヘッダボディ及びソケットボディは、相互に前記圧入の方向へ案内するそれぞれの案内面を有し、前記ヘッダボディ及びソケットボディの一方及び他方は、それぞれ前記案内面に従って該ヘッダボディ及びソケットボディを相対的に移動させて前記圧入を行うためのロック治具を回動させる際の支点と、該ロック治具の回動により該移動を生じさせる力が付与される作用点として機能する部分を有してもよい。
これによれば、各ソケットコンタクトの挿入固定孔の挿入部に対して、対応する各ヘッダコンタクトの突出部が挿入されるように、ソケットとヘッダを近接させて位置決めした後、上述のロック治具を上述の支点の周りで、上述の作用点に力が付与されるように回動させることにより、容易にヘッダとソケットを相互に移動させ、各ヘッダコンタクトの突出部を対応する各ソケットコンタクトの挿入固定孔の圧入部に圧入することができる。
また、本発明において、前記ヘッダボディ及びソケットボディは、相互に前記圧入の方向へ案内するそれぞれの案内面を有し、前記ソケットは、前記案内面に従って前記ヘッダボディ及びソケットボディを相対的に移動させて前記圧入を行うためのロック治具を備え、前記ロック治具は、基端部が連結された2枚の長尺の板状部材で構成され、前記2枚の板状部材は、摘むことにより該板状部材の先端部が閉じられ、摘む力を解除することにより、該板状部材の先端部が弾性力で元の状態に復帰するものであり、一方の板上部材の先端には、前記ヘッダボディの側面を前記案内面に従って前記圧入方向へ押圧するための押圧面が設けられ、他方の板状部材の先端には、前記ソケットボディの側面を前記案内面に従って前記圧入方向へ押圧するための押圧面が設けられ、前記他方の板状部材の先端には、その前記押圧面に隣接して前記ソケットボディを前記ヘッダボディの方へ押圧するための押圧面が設けられてもよい。
これによれば、ロック治具の各押圧面をヘッダボディ及びソケットボディの対応する側面部分に配置し、ロック治具を摘むだけで、容易にソケットをヘッダに接続することができる。
本発明において、前記ソケット側接部続は、前記圧入部への圧入を容易化するための切れ目を有してもよい。これによれば、ヘッダの突出部を圧入部へ圧入する際に、ソケット側接部続の切れ目部分が容易に拡がることにより、該圧入をスムーズに行うことができる。したがって、ソケットとヘッダの接続を容易に行うことができる。
本発明において、前記挿入固定孔の前記圧入部における幅は、前記挿入部側が小さく、該挿入部と反対側が大きくてもよい。
これによれば、ヘッドとソケットの接続に際してソケットコンタクトの挿入固定孔の圧入部に圧入されたヘッダコンタクトの突出部が圧入部から逸脱するのを防止し、ヘッドとソケットの接続を確実に維持することができる。
本発明の基板間コネクタは、回路基板に実装されるヘッダと、他の回路基板に実装されるソケットとを備え、両回路基板を電気的に接続する基板間コネクタであって、前記ソケットとして上述のソケットを備え、前記ヘッダは、前記ソケットにおけるソケットコンタクトと同じピッチで配列された導電性の複数のヘッダコンタクトと、該複数のヘッダコンタクトを支持する絶縁性で樹脂製のヘッダボディとを備え、各ヘッダコンタクトは、前記ソケット側に突出する突出部を有するヘッダ側接続部を備え、各ヘッダコンタクトのヘッダ側接続部は、その前記突出部を含む所定範囲内の接触部を除き、前記ヘッダボディの樹脂で被覆されることを特徴とする。
本発明によれば、各ヘッダコンタクトのヘッダ側接続部は、接触部を除き、ヘッダボディの樹脂で被覆されるので、ヘッダコンタクトのヘッダボディによる支持強度を高めるとともに、隣接するヘッダコンタクト間の絶縁性を良好に維持できる。これにより、基板間コネクタの低背化及び挟ピッチ化をより容易に達成することができる。
本発明の基板間コネクタにおいて、前記突出部は、前記ソケットコンタクトの挿入固定孔の圧入部に圧入されたとき、該突出部がその突出方向に該圧入部から抜けるのを阻止する鉤状部を備え、前記鉤状部は、前記突出部の先端から前記圧入部への圧入の方向に延びていてもよい。
これによれば、突出部が圧入部に圧入されたとき、鉤状部が圧入部の端縁を越えて圧入部周囲のソケットコンタクトの表面上に張り出した状態となる。このため、この状態の鉤状部により、突出部がその突出方向に圧入部から抜けるのを効果的に阻止することができる。
本発明の第1実施形態に係る基板間コネクタにより回路基板が接続された様子を示す図である。 (a)は図1の基板間コネクタのヘッダの平面図、(b)は該ヘッダの側面図、(c)は(a)のC−C線断面図、(d)は(a)のD−D線断面図である。 図1の基板間コネクタに用いられるロック治具の斜視図である。 (a)は図1の基板間コネクタのヘッダコンタクトの平面図、(b)はその側面図、(c)は他のヘッダコンタクトの平面図、(d)はその側面図であるである。 (a)は図1の基板間コネクタのソケットの平面図、(b)は(a)のB−B線断面図、(c)は(a)のC−C線断面図、(d)は(a)のD−D線断面図である。 (a)は図1の基板間コネクタのソケットコンタクトの平面図、(b)はその側面図である。 (a)は図1の基板間コネクタのソケットの一部の拡大平面図、(b)は(a)のB−B線断面図である。 (a)は図7のソケットのソケット側接続部の側面に平行にソケットボディを貫通したスリットを設けた例を示す断面図、(b)はソケット側接続部の別の例を示す平面図である。 図3のロック治具を用いてヘッダとソケットを接続する方法を示す図である。 ヘッダとコネクタが接続されるときのヘッダコンタクトの突出部と、ソケットコンタクトの挿入固定孔との位置関係を示す図である。 図1の基板間コネクタのヘッダの製造工程におけるヘッダコンタクトに係る部分を示す図である。 図1の基板間コネクタのソケットの製造工程におけるソケットコンタクトに係る部分を示す図である。 (a)は本発明の第2実施形態に係る基板間コネクタのヘッダの平面図、(b)はその側面図、(c)は(a)のC−C線断面図、(d)は(a)のD−D線断面図である。 (a)は図13のヘッダのヘッダコンタクトの平面図、(b)はその側面図、(c)は他のヘッダコンタクトの平面図、(d)はその側面図であるである。 (a)は第2実施形態に係る基板間コネクタのソケットの平面図、(b)は(a)のB−B線断面図、(c)は(a)のC−C線断面図、(d)は(a)のD−D線断面図である。 (a)は図13のヘッダと図15のソケットとの接続に使用するロック治具の正面図、(b)はその側面図である。 図16のロック治具を用いてヘッダとソケットを接続し、及び該接続を解除する方法を示す図である。 図17の接続に際し突出部と挿入固定孔との位置関係を示す図である。
以下、図面を用いて本発明の実施形態を説明する。図1は、本発明の第1実施形態に係る基板間コネクタにより回路基板が接続された様子を示す。図1に示すように、基板間コネクタ1は、回路基板2に実装されるヘッダ3と、他の回路基板4に実装されるソケット5とを備える。ヘッダ3とソケット5との接続により、両回路基板2及び4が電気的に接続される。
図2(a)は、ヘッダ3の平面図である。図2(b)は、ヘッダ3の側面図である。図2(c)は、図2(a)のC−C線断面図である。そして、図2(d)は、図2(a)のD−D線断面図である。図2(a)では、ヘッダ3のソケット5側の面が表示されている。このソケット5側の面に対してソケット5が固定され、ヘッダ3とソケット5との接続が確立される。
図2に示すように、ヘッダ3は、長さ方向に垂直な方向に所定のピッチPで配列された導電性の複数のヘッダコンタクト6a及び6bと、これらのヘッダコンタクト6a及び6bを支持する絶縁性のヘッダボディ7とを備える。ピッチPとしては、例えば、0.35[mm]が該当する。
ヘッダコンタクト6a及び6bは、ここでは2列×12行で配列され、一方の列のヘッダコンタクト6aと他方の列のヘッダコンタクト6bとが対称となるように配置される。各ヘッダコンタクト6a及び6bは、所定部分を除き、ヘッダボディ7を構成する絶縁性の樹脂により覆われる。
ヘッダボディ7は、所定の長さ、幅及び厚さ(高さ)のほぼ板状の形状を有する。ヘッダボディ7の長さ方向及び幅方向は、ヘッダコンタクト6a及び6bの配列の列方向及び行方向にそれぞれ一致する。ヘッダコンタクト6a及び6bは、ヘッダボディ7の幅方向に延在する。
ヘッダボディ7の長さ方向両端部のソケット5側の面には、ヘッダ3とソケット5との接続に際し、ソケット5をヘッダ3に固定するためのヘッダ側係合部8a及び8bと、図3に示すようなロック治具9の回動の支点を構成する4つの支持壁10a〜10dとが設けられる。
ヘッダ側係合部8a及び8bは、ヘッダボディ7の幅及び厚さ方向に平行な断面が、ヘッダボディ7の板面からL字状に突出した形状を有する。ヘッダ側係合部8a及び8bは、後述するソケット側係合部21a及び21b(図5(a)、(c)参照)と係合してソケット5をヘッダ3に固定する機能を有する。
支持壁10a〜10dは、ヘッダボディ7の四隅の近傍にそれぞれ設けられる。ヘッダボディ7の幅方向一方の側の2つの支持壁10a及び10bが、それぞれ他方の側の2つの支持壁10c及び10dと対向するように、各支持壁10a〜10dの壁面は、該幅方向に対して垂直に設けられる。ロック治具9は、ヘッダ3とソケット5との接続時に、ヘッダ3のソケット5側の面に配置されたソケット5を、ヘッダ3の幅方向に移動させるために用いられる。
ヘッダボディ7の幅方向一方の側の2つの支持壁10a及び10bのそれぞれに隣接させて、切欠き内壁11a及び11bが設けられる。切欠き内壁11a及び11bは、ヘッダボディ7の板面に対して垂直で長さ方向に対して傾斜している。切欠き内壁11a及び11bは、後述のソケット5の切欠き外壁23a及び23b(図5(a)参照)と協働し、ヘッダ3に対するソケット5の方向性を容易に認識できるようにする機能を有する。
ヘッダボディ7のソケット5側の面は、ソケット5を該板面に沿った方向に案内する案内面12を構成する。ヘッダボディ7の長さ方向両端部には、ソケット5をヘッダボディ7の幅方向に案内する案内面13が、切欠き内壁11a及び11bに隣接してそれぞれ設けられる。ヘッダ3とソケット5との接続に際しては、ソケット5は、案内面12及び案内面13により、ヘッダ3に対して接続する方向に案内される。
ヘッダボディ7には、その厚さ方向に貫通した2つの矩形孔14が設けられる。各矩形孔14は、それぞれヘッダコンタクト6a及び6bの各列における配列方向に沿って、配列範囲にわたって設けられる。各矩形孔14は、それぞれ各列のヘッダコンタクト6a及び6bにおける後述の接触部18(図4参照)に対応する。
図4(a)は、ヘッダコンタクト6aの平面図であり、図4(b)はその側面図である。図4(c)は、ヘッダコンタクト6bの平面図であり、図4(d)はその側面図である。図4に示すように、ヘッダコンタクト6a及び6bは、いずれも回路基板2(図1参照)に接続される基板接続部15と、ソケット5に接続されるヘッダ側接続部16とを備える。ヘッダ側接続部16は、ソケット5側に突出する突出部17を備える。
ヘッダ側接続部16は、突出部17を含む所定範囲内の接触部18を除き、ヘッダボディ7の樹脂で被覆される(図2(a)、(d)参照)。また、ヘッダ側接続部16と基板接続部15との間のヘッダ側接続部16に隣接する部分も、ヘッダボディ7の樹脂で被覆される。ヘッダボディ7は、ヘッダコンタクト6a及び6bをインサート材料としたインサート成形で形成される。接触部18は、ヘッダボディ7の形成後に施される金メッキで被覆される。
基板接続部15は、回路基板2側の面が、回路基板2の回路に接続し得るように、ヘッダボディ7の回路基板2側の面よりもやや回路基板2側に張り出している(図2(d)参照)。接触部18の突出部17を除く部分のソケット5側の面は、ヘッダボディ7の案内面12とほぼ同一面上に位置する。
ヘッダコンタクト6a及び6bの基板接続部15と接触部18との間の部分、及び接触部18よりも先端側の部分が、ヘッダボディ7の厚さ方向において、基板接続部15と接触部18との間に位置するように、ヘッダコンタクト6a及び6bは、それぞれ6か所において、ヘッダボディ7の長さ方向に垂直な面内で曲げられている。
図5(a)は、ソケット5の平面図である。図5(b)は、図5(a)のB−B線断面図である。図5(c)は、図5(a)のC−C線断面図である。そして、図5(d)は、図5(a)のD−D線断面図である。
図5に示すように、ソケット5は、その長さ方向に垂直な方向に、ヘッダコンタクト6a及び6bの場合と同じピッチPで配列された導電性の複数のソケットコンタクト19a及び19bと、複数のソケットコンタクト19a及び19bを支持する絶縁性のソケットボディ20とを備える。
ソケットコンタクト19a及び19bは、それぞれヘッダコンタクト6a及び6bに対応するように、2列×12行で配列され、各列のソケットコンタクト19a及び19bの向きは対称である。各ソケットコンタクト19a及び19bは、所定部分を除き、ソケットボディ20を構成する絶縁性の樹脂により覆われる。
ソケットボディ20は、所定の長さ、幅及び厚さ(高さ)のほぼ板状の形状を有する。ソケットボディ20の長さ方向及び幅方向は、ソケットコンタクト19a及び19bの配列の列方向及び行方向にそれぞれ一致する。ソケットコンタクト19a及び19bは、ソケットボディ20の幅方向に延在する。
ソケットボディ20の両端部には、ヘッダ3とソケット5との接続に際してソケット5をヘッダ3に固定するためのソケット側係合部21a及び21bと、ソケットボディ20の幅が狭くなった部分の側壁で構成される4つの段差部22a〜22dとが設けられる。段差部22a〜22dは、それぞれヘッダボディ7の4つの支持壁10a〜10dに対応している。
4つの段差部22a〜22dのうち、ヘッダボディ7の支持壁10a及び10bに対応する段差部22a及び22bに隣接するソケットボディ20の角部には、ヘッダボディ7の切欠き内壁11a及び11bにそれぞれ対応する2つの切欠き外壁23a及び23bが設けられる。
ヘッダ3とソケット5との接続に際しては、段差部22a及び22bと支持壁10a及び10bとの間にロック治具9の2つの下端部9a及び9b(図3参照)がそれぞれ挿入され、ヘッダ3とソケット5が相対的に接続方向に移動される。ヘッダ3とソケット5との接続を解除する場合には、段差部22c及び22dと支持壁10c及び10dとの間にロック治具9の2つの下端部9a及び9bがそれぞれ挿入され、ヘッダ3とソケット5が相対的に解除方向に移動される。
ソケット側係合部21a及び21bは、ヘッダ3とソケット5が接続方向に移動されるときにヘッダ側係合部8a及び8bとそれぞれ係合し得るように、ヘッダ側係合部8a及び8bとは向きが逆のL字型の断面形状を有する。
ソケット側係合部21a及び21bは、ヘッダ3とソケット5の接続時にヘッダ側係合部8a及び8bが挿入される挿入孔24a及び24bに対し、切欠き外壁23a及び23b側に隣接して設けられる。ソケット側係合部21a及び21bは、ヘッダ側係合部8a及び8bと係合してソケット5をヘッダ3に固定する機能を有する。
ソケットボディ20のヘッダ3側の面は、ヘッダボディ7の案内面12に対応する案内面25を構成する。ヘッダボディ7の長さ方向の両端面は、ヘッダボディ7の案内面13に対応する案内面26を構成する。ヘッダ3とソケット5との接続に際しては、案内面12、13、25及び26を介して、ソケット5がヘッダ3に対して接続する方向に案内される。
ソケットボディ20には、その厚さ方向に貫通した複数の楕円形状の楕円孔27が設けられる。各楕円孔27は、それぞれ各ソケットコンタクト19a及び19bの後述する接触部32(図6参照)に対応して設けられる。
図6(a)は、ソケットコンタクト19aの平面図であり、図6(b)は、その側面図である。図6(c)は、ソケットコンタクト19bの平面図であり、図6(d)は、その側面図である。図6に示すように、ソケットコンタクト19a及び19bは、いずれもその長さ方向に延在し、かつその列方向の配列方向に平行な平板状のソケット側接続部28と、他の回路基板4に接続される基板接続部29を備える。ソケット側接続部28は、該列方向に直交する側面30を両側に有する。ソケット側接続部28には、その厚さ方向に貫通し、その長さ方向に延在する挿入固定孔31が設けられる。
挿入固定孔31は、対応するヘッダコンタクト6a及び6bの突出部17が挿入される挿入部31aと、挿入部31aに挿入された突出部17が挿入固定孔31の長さ方向に移動されることにより圧入される圧入部31bとで構成される。
挿入固定孔31の圧入部31bにおける幅は、挿入部31a側が小さく、挿入部31aと反対側が大きい。すなわち、挿入固定孔31の挿入部31aから圧入部31bへ移行する部分31cでは幅が一旦狭まる。そして、圧入部31bへ移行した部分では幅が大きく拡がり、その部分から圧入部31bの中間部までは一定の幅である。そして、該中間部から奥の方にかけて、突出部17の幅に至るまで徐々に広がっている。
2列に配列されたソケットコンタクト19a及び19bにおいて、一方の列のソケットコンタクト19aと他方の列のソケットコンタクト19bの向きは逆であるが、双方の列のソケットコンタクト19a及び19bの挿入固定孔31において、挿入部31aに対し、同一方向に圧入部31bが存在する。
ソケット側接続部28は、挿入固定孔31から所定範囲内の接触部32を除き、ソケットボディ20の樹脂で被覆され、隣り合うソケット側接続部28の間は該樹脂で満たされる(図5(a)、(b)、(d)参照)。また、ソケット側接続部28と基板接続部29との間のソケット側接続部28に隣接する部分も、ソケットボディ20の樹脂で被覆される。
ソケットボディ20は、ソケットコンタクト19a及び19bをインサート材料としたインサート成形で形成される。接触部32は、ソケットボディ20の形成後に施される金メッキで被覆される。
基板接続部29は、回路基板4側の面が、回路基板4の回路に接続し得るように、ソケットボディ20の回路基板4側の面よりもやや回路基板4側に張り出している(図5(c)参照)。ソケット側接続部28は、ソケットボディ20の両面の間に位置する。ソケットコンタクト19a及び19bは、ソケット側接続部28がこの位置に位置するように、2か所において、ソケットボディ20の長さ方向に垂直な面内で曲げられている。
図7(a)は、ソケット5の一部の拡大平面図である。図7(b)は、図7(a)のB−B線断面図である。図7に示すように、隣り合うソケット側接続部28の間のソケットボディ20の部分には、上述の突出部17の圧入部31bへの圧入による該ソケットボディ20の歪を吸収する溝33が設けられる。溝33は、挿入固定孔31の長さ方向に平行で、断面がV字状の形状を有する。溝33は、上述の突出部17の圧入後に、該ソケットボディ20の部分が盛り上がるのを防止する。
なお、溝33の代わりに、図8(a)のように、ソケット側接続部28の側面30に平行にソケットボディ20を貫通した貫通孔としてのスリット34を設けて、溝33と同様の機能をスリット34により行うようにしてもよい。
図9(a)〜(d)は、図3のロック治具9を用いてヘッダ3とソケット5を接続し、及び該接続を解除する方法を示す。図10(a)及び(b)は、この接続に際して生じるヘッダコンタクト6a及び6bの突出部17と、ソケットコンタクト19a及び19bの挿入固定孔31との位置関係を、図5(a)と同じ側から見た様子を示す。なお、突出部17は、横断面で示されている。
図9(a)では、各ヘッダコンタクト6a及び6bの突出部17が、対応する各ソケットコンタクト19a及び19bの挿入固定孔31の挿入部31aに挿入され、かつヘッダ側係合部8a及び8bがそれぞれソケットボディ20の挿入孔24a及び24bに挿入された状態であって、ヘッダ3とソケット5とが接続されていない状態が示されている。
ヘッダ3とソケット5は、この状態において、切欠き内壁11a及び11b側の支持壁10a及び10bと切欠き外壁23a及び23b側の段差部22a及び22bとの間に2つの幅D1の溝が形成され、かつ反対側の支持壁10c及び10dと段差部22c及び22dとの間に2つの幅D2の溝が形成される寸法を有する。
幅D1は、ロック治具9の下端部9a又は9bを幅D1の溝に挿入するのに適した幅である。幅D2は、幅D1に対し、ヘッダ3とソケット5の接続を確立するために図9(a)の状態から接続方向に移動させる距離を加えた幅である。
ヘッダ3とソケット5を接続するに際しては、まず、ヘッダ3の図2(a)で表示されている側の面とソケット5の図5(a)で表示されている側の面とを対向させる。そして、各ヘッダコンタクト6a及び6bの突出部17を、対応するソケットコンタクト19a及び19bの挿入固定孔31の挿入部31aに挿入し、かつヘッダ側係合部8a及び8b(図2参照)をそれぞれソケットボディ20の挿入孔24a及び24b(図5参照)に挿入する。
これにより、ヘッダ3とソケット5は、図9(a)の状態となる。すなわち、上述の幅D1の溝及び幅D2の溝が形成される。また、挿入孔24a及び24bに挿入されたヘッダ側係合部8a及び8bは、それぞれソケット側係合部21a及び21b(図5参照)に対峙する。また、このとき、挿入固定孔31の挿入部31aに挿入された突出部17は、図10(a)で示すように、挿入固定孔31の長さ方向にやや長い矩形断面の一方の短辺側の側面を圧入部31bの方に向けて挿入部31a内を貫通した状態となっている。
次に、図9(a)のように、ロック治具9の両下端部9a及び9bをそれぞれ2つの幅D1の溝に挿入する。次に、図9(a)及び(b)のように、ロック治具9を、ソケット5側に回動させる。
このとき、ロック治具9の下端部9a及び9bは、ヘッダ3の支持壁10a及び10bと案内面12との隣接部分により支持され、ロック治具9の下端部9a及び9b近傍部分がソケットボディ20の段差部22a及び22bのヘッダ3と反対側の端縁部を押す。すなわち、当該隣接部分は、ロック治具9の回動によりソケット5を移動させる際の支点として機能し、当該端縁部は、該移動を生じさせる力が付与される作用点として機能する。
ロック治具9の回動は、ヘッダ側係合部8a及び8bが、それぞれソケット側係合部21a及び21bに係合し、各ヘッダコンタクト6a及び6bの突出部17が、対応するソケットコンタクト19a及び19bの圧入部31bに圧入されるまで行われる。これにより図9(b)の状態となり、ヘッダ3とソケット5との接続が完了する。
このとき、圧入部31bに圧入された突出部17は、図10(b)に示すように、圧入部31b内を貫通した状態となっている。そして、突出部17の幅は、挿入部31aから圧入部31bへ移行する部分31cの幅よりも広い。
この状態において、圧入部31bの本来の幅は突出部17の幅よりも若干小さいので、圧入部31bは、突出部17の圧入部31bへの圧入により、幅方向へ若干押し拡げられている。また、図10(b)のように、突出部17は、挿入部31aと圧入部31bとの間の幅が狭くなっている部分31cにより、挿入部31a方向へは抜け難くなっている。
これにより、各ヘッダコンタクト6a及び6bは対応する対応するソケットコンタクト19a及び19bと確実に接続された状態となる。すなわち、図1のように、ヘッダ3が実装されている回路基板2と、ソケット5が実装されている他の回路基板4との接続が完了する。
なお、この間、支持壁10a及び10bと段差部22a及び22bとの間の幅は、上述の幅D1から幅D2に広がり、反対側の支持壁10c及び10dと段差部22c及び22dとの間の幅は、上述の幅D2から幅D1に減少する。
ヘッダ3とソケット5の接続を解除するに際しては、図9(c)のように、ロック治具9の両下端部9a及び9bを、それぞれ支持壁10c及び10dと段差部22c及び22dとの間の2つの幅D1の溝に挿入する。次に、図9(c)及び(d)のように、ロック治具9を、ソケット5側に回動させる。
このとき、ロック治具9の下端部9a及び9bは、ヘッダ3の支持壁10c及び10dと案内面12との隣接部分により支持され、ロック治具9の下端部9a及び9b近傍部分がソケットボディ20の段差部22c及び22dのヘッダ3と反対側の端縁部を押す。すなわち、当該隣接部分は、ロック治具9の回動によりソケット5を移動させる際の支点として機能し、当該端縁部は、該移動を生じさせる力が付与される作用点として機能する。
ロック治具9の回動は、図9(d)のように、ヘッダ側係合部8a及び8bとソケット側係合部21a及び21bとの係合が解除され、各ヘッダコンタクト6a及び6bの突出部17が、対応するソケットコンタクト19a及び19bの圧入部31bから挿入部31aに移動して圧入が解除されるまで行われる。
これにより、ヘッダ3とソケット5との接続が解除され、ヘッダ3とソケット5を分離することが可能となる。すなわち、図9(a)の状態となり、回路基板2と、他の回路基板4との接続が解除される。このとき、図10(a)に示すように、各突出部17が、対応する挿入固定孔31の挿入部31aを貫通する位置に移動するので、ヘッダ3とソケット5とを容易に分離することができる。
図11は、ヘッダ3の製造工程におけるヘッダコンタクト6a及び6bに係る部分を示す。図11に示すように、ヘッダ3の製造工程は、金属板35からヘッダコンタクト6a及び6bとなる部分36及び金属キャリア37を打ち抜き、該部分36を上述の図4のヘッダコンタクト6a及び6bの形状にプレス加工し、そしてメッキ部分38及び39に金メッキを施す工程を備える。なお、金メッキは、ヘッダボディ7が成形された後に行われる。
ヘッダ3の突出部17は、金属キャリア37を打ち抜くときに形成された突出部17となる部分がプレス加工により90°折り曲げられて形成される。メッキ部分38は、基板接続部15となる部分である。メッキ部分39は、ヘッダ側接続部16の接触部18となる部分である。
上述のプレス加工が施された後、金属板35は、1つのヘッダ3に対応する範囲毎に切断され、インサート成形に供され、ヘッダボディ7が成形される。その際、金属キャリア37は、インサートされるヘッダコンタクト6a及び6bを成形用の金型に対して位置決めするために使用される。その後、上述の金メッキが施され、金属キャリア37が切断される。これにより、ヘッダ3の製造が完了する。
図12は、ソケット5の製造工程におけるソケットコンタクト19a及び19bに係る部分を示す。図12に示すように、ソケット5の製造工程は、金属板35からソケットコンタクト19a及び19bとなる部分40及び金属キャリア41を打ち抜き、該部分40を上述図6のソケットコンタクト19a及び19bの形状にプレス加工し、そしてメッキ部分42及び43に金メッキを施す工程を備える。
メッキ部分42は基板接続部29となる部分である。メッキ部分43は、ソケット側接続部28の接触部32となる部分である。なお、金メッキは、ソケットボディ20が成形された後に行われる。
上述のプレス加工が施された後、金属板35は、1つのソケット5に対応する範囲毎に切断され、インサート成形に供され、ソケットボディ20が成形される。その際、金属キャリア41は、インサートされるソケットコンタクト19a及び19bを成形用の金型に対して位置決めするために使用される。その後、上述の金メッキが施され、金属キャリア41が切断される。これにより、ソケット5の製造が完了する。
以上説明したように、本実施形態によれば、ソケットコンタクト19a及び19bは、その長さ方向に延びた平板状で挿入固定孔31が設けられるだけの簡単なソケット側接続部28を有する。また、ヘッダコンタクト6a及び6bも、突出部17を有するだけの簡単な構成で足りる。したがって、基板間コネクタ1のさらなる低背化及び挟ピッチ化を容易に達成することができる。
また、ヘッダコンタクト6a及び6bのヘッダ側接続部16は、接触部18を除き、ヘッダボディ7の樹脂で被覆され、ソケットコンタクト19a及び19bのソケット側接続部28は、接触部32を除き、ソケットボディ20の樹脂で被覆される。これにより、ヘッダコンタクト6a及び6bのヘッダボディ7による支持強度及びソケットコンタクト19a及び19bのソケットボディ20による支持強度を高めるとともに、隣接するヘッダコンタクト6a及び6b間並びにソケットコンタクト19a及び19b間の絶縁性を良好に維持できる。したがって、さらなる低背化及び挟ピッチ化をより容易に達成することができる。
また、ヘッダコンタクト6a及び6b並びにソケットコンタクト19a及び19bは、必要な部分を除いて樹脂で被覆されているので、ヘッダ3又はソケット5がそれぞれ回路基板2及び4に実装された状態でヘッダ3やソケット5内に塵埃が侵入しても、絶縁性が損なわれることはない。
また、隣り合うソケット側接続部28の間のソケットボディ20の部分には、ヘッダコンタクト6a及び6bの突出部17がソケットコンタクト19a及び19bの圧入部31bへ圧入されることによるソケットボディ20の部分の歪を吸収する溝33又はスリット34が設けられるので、当該ソケットボディ20の部分の膨出を防止し、かつ当該圧入をスムーズに行うことができる。したがって、狭ピッチ化をより一層促進することができる。
また、ソケットボディ20は、ソケットコンタクト19a及び19bをインサート材料としたインサート成形で形成した後、ソケット側接続部28の接触部32をメッキで被覆するようにしたので、接触部32のみに対してメッキ被膜を容易に形成し、メッキ材料のコストを大幅に削減することができる。
また、ヘッダボディ7及びソケットボディ20に、それぞれヘッダボディ7及びソケットボディ20を相対的に移動させるためのロック治具9を回動させる際の支点と、該ロック治具9の回動により該移動を生じさせる力が付与される作用点として機能する部分を有するので、容易にヘッダコンタクト6a及び6bの突出部17を対応するソケットコンタクト19a及び19bの圧入部31bに圧入することができる。
また、挿入固定孔31の圧入部31bにおける幅は、挿入部31a側が小さく、挿入部31aと反対側が大きいので、圧入されたヘッダコンタクト6a及び6bの突出部17が圧入部31bから逸脱するのを防止し、ヘッダ3とソケット5の接続を確実に維持することができる。
図13(a)は、本発明の第2実施形態に係る基板間コネクタのヘッダ103の平面図である。図13(b)は、ヘッダ103の側面図である。図13(c)は、図13(a)のC−C線断面図である。そして、図13(d)は、図13(a)のD−D線断面図である。
ヘッダ103のヘッダボディ107は、ヘッダ側係合部8a及び8bに加えてさらにヘッダ側係合部121a及び121bを追加した点、及び支持壁10a〜10dを削除した点以外は第1実施形態におけるヘッダボディ7と同様のものである。
ヘッダ側係合部121a及び121bは、第1実施形態のソケットボディ20におけるソケット側係合部21a及び21bの場合と同様に、挿入孔124a及び124bから、相手側の係合部を挿入して該係合部と係合するように構成される。支持壁10a〜10dを削除したのは、後述するように、第2実施形態では、基板間コネクタの接続に、図3のロック治具9とは異なるロック治具を用いるからである。
図14(a)は、ヘッダ103が備えるヘッダコンタクト106aの平面図、図14(b)はその側面図である。図14(c)は、ヘッダ103が備えるヘッダコンタクト106bの平面図であり、図14(d)はその側面図である。
図14に示すように、ヘッダコンタクト106a及び106bは、突出部17の先端に、それぞれ基板接続部15側及びヘッダコンタクト106bの先端側へ延びた(圧入方向へ延びた)鉤状部17aが設けられていること以外は、第1実施形態のヘッダ3のヘッダコンタクト6a及び6bと同様の構成を有する。また、ヘッダコンタクト106a及び106bは、ヘッダコンタクト6a及び6bの場合と同様にして、ヘッダボディ107により支持される。
図15(a)は、第2実施形態に係る基板間コネクタのソケット105の平面図である。図15(b)は、図15(a)のB−B線断面図である。図15(c)は、図15(a)のC−C線断面図である。そして、図15(d)は、図15(a)のD−D線断面図である。
図15に示すように、ソケット105のソケットボディ120は、ソケット側係合部21a及び21bに加えてさらにソケット側係合部108a及び108bを追加した点以外は第1実施形態におけるソケットボディ20と同様のものである。
ソケット側係合部108a及び108bは、第1実施形態におけるヘッダ側係合部8a及び8bと同様にL字状に突出した形状を有しており、ヘッダ側係合部121a及び121bと係合する。ソケット105の他の点については、第1実施形態のソケット5と同様である。
図16(a)及び(b)は、ヘッダ103とソケット105との接続に使用するロック治具109の正面図及び側面図である。図16に示すように、ロック治具109は、2枚の長尺の板状部材110及び111の各端部をボルトとナットで締結して基端部としたピンセット状の形態を有する。すなわち、摘むことにより先端部が閉じられ、摘む力を解除することにより、弾性力で元の状態に復帰する機能を有する。
板状部材110の先端には、ヘッダボディ107の長さ方向に沿った側面の両端部を、押圧面を介して押圧するための2つの側面押圧部110a及び110bが設けられる。板状部材111の先端には、ソケットボディ120の段差部22a及び22b又は22c及び22dを、押圧面を介して押圧するための2つの段差部押圧部111a及び111bと、ソケットボディ120の案内面25を押圧するための2つの案内面押圧部112a及び112bとが設けられる。
側面押圧部110a及び110bの各押圧面と段差部押圧部111a及び111bの各押圧面は、ロック治具109の内側方向を向いて相互に対向する。案内面押圧部112a及び112bの各押圧面は、ロック治具109の先端方向を向いており、段差部押圧部111a及び111bの各押圧面に対し、それぞれ90°をなして隣接する。側面押圧部110a及び110bは、段差部押圧部111a及び111bよりも若干先端側に位置する。
図17(a)〜(d)は、ロック治具109を用いてヘッダ103とソケット105を接続し、及び該接続を解除する方法を示す。図18(a)及び(b)は、この接続に際して生じるヘッダコンタクト106a及び106bの突出部17と、ソケットコンタクト19a及び19bの挿入固定孔31との位置関係を、図15(a)と同じ側から見た様子を示す。なお、突出部17は、横断面で示されている。
ヘッダ103とソケット105を接続するに際しては、まず、ヘッダ103の図13(a)で表示されている側の面とソケット105の図15(a)で表示されている側の面とを対向させる。そして、各ヘッダコンタクト106a及び106bの突出部17を、対応するソケットコンタクト19a及び19bの挿入固定孔31の挿入部31aに挿入する。また、ヘッダ側係合部8a及び8b(図13参照)をそれぞれソケットボディ20の挿入孔24a及び24b(図15参照)に挿入し、ソケット側係合部108a及び108b(図15参照)をそれぞれヘッダボディ107の挿入孔124a及び124b(図13参照)に挿入する。
これにより、ヘッダ103とソケット105は、図17(a)の状態となる。このとき、挿入固定孔31の挿入部31aに挿入された突出部17は、図18(a)で示すように、第1実施形態の場合と同様に、挿入部31a内を貫通した状態となっている。
次に、図17(a)のように、ロック治具109の案内面押圧部112a及び112bでソケットボディ120の案内面25をヘッダ103側へ押し付けながら、段差部押圧部111a及び111bの各押圧面をソケットボディ120の段差部22a及び22bにそれぞれ接触させ、かつ側面押圧部110a及び110bの各押圧面を、ヘッダボディ107のヘッダコンタクト106b側の側面に接触させる。
次に、図17(a)及び(b)のように、ロック治具109を閉じる方向に操作して、ヘッダ103とソケット105を、それぞれの案内面12及び25に沿って相対移動させる。
この相対移動は、ヘッダ側係合部8a、8b、121a及び121bが、それぞれソケット側係合部21a、21b、108a及び108bに係合し、各ヘッダコンタクト106a及び106bの突出部17が、対応するソケットコンタクト19a及び19bの圧入部31bに圧入されるまで行われる。これにより図17(b)の状態となり、ヘッダ103とソケット105との接続が完了する。
このとき、圧入部31bに圧入された突出部17は、図18(b)に示すように、圧入部31b内を貫通した状態となる。この状態において、第1実施形態の場合と同様に、圧入部31bの両内壁間は若干押し拡げられ、かつ突出部17は、挿入部31a方向へは抜け難くなっている。また、突出部17先端の鉤状部17aが圧入部31bの奥側の端縁を越えて接触部32上に張り出しているので、突出部17が圧入部31bからソケット側接続部28の厚さ方向(突出部17の突出方向)に抜けるのが阻止される。
これにより、各ヘッダコンタクト106a及び106bは対応する対応するソケットコンタクト19a及び19bと確実に接続された状態となる。すなわち、ヘッダ103が実装されている回路基板と、ソケット105が実装されている他の回路基板との接続が完了する。
ヘッダ103とソケット105の接続を解除するに際しては、図17(c)のように、ロック治具109の案内面押圧部112a及び112bでソケットボディ120の案内面25をヘッダ103側へ押し付けながら、段差部押圧部111a及び111bの各押圧面をソケットボディ120の段差部22c及び22dにそれぞれ接触させ、かつ側面押圧部110a及び110bの各押圧面を、ヘッダボディ107のヘッダコンタクト106a側の側面に接触させる。
次に、図17(c)及び(d)のように、ロック治具109を閉じる方向に操作して、ヘッダ103とソケット105を、それぞれの案内面12及び25に沿って相対移動させる。
この相対移動は、ヘッダ側係合部8a、8b、121a及び121bと、ソケット側係合部21a、21b、108a及び108bとの係合が解除され、各ヘッダコンタクト106a及び106bの突出部17が、ソケットコンタクト19a及び19bの挿入部31aに移動し、圧入が解除されるまで行われる。これにより図17(d)の状態となり、ヘッダ103とソケット105との接続の解除が完了する。
ヘッダ103とソケット105の製造は、第1実施形態におけるヘッダ3及びソケット5の場合について図11及び図12を用いて説明したのと同様にして行うことができる。第2実施形態によっても、第1実施形態の場合と同様の効果を得ることができる。
なお、本発明は上述の実施形態に限定されない。例えば、ヘッダボディ7及びソケットボディ20を相対的に移動させるためのロック治具9を回動させる際の支点をソケットボディ20上に設け、作用点をヘッダボディ7上に設けてもよい。また、ヘッダコンタクト6a及び6b又はソケットコンタクト19a及び19bへの金メッキは、ヘッダボディ7又はソケットボディの成形前に行ってもよい。
また、図8(b)に示すように、ソケット側接続部28は、圧入部31bへの圧入を容易化するための切れ目31dを有してもよい。この切れ目としては、例えば、ソケット側接続部28の先端から挿入固定孔31の内壁における該先端側にかけて設けたスリット状のものが該当する。
1…基板間コネクタ、2、4…回路基板、3、103…ヘッダ、5、105…ソケット、6a、6b、106a、106b…ヘッダコンタクト、7、107…ヘッダボディ、9、109…ロック治具、17…突出部、17a・・・鉤状部、19a、19b…ソケットコンタクト、20、120…ソケットボディ、28…ソケット側接続部、31…挿入固定孔、31a…挿入部、31b…圧入部、18、32…接触部、33…溝、34…スリット、12、13、25、26…案内面。

Claims (9)

  1. 回路基板に実装されるヘッダと、他の回路基板に実装されて該ヘッダに電気的に接続されるソケットとを備える基板間コネクタのソケットであって、
    前記ヘッダは、所定のピッチで配列され、前記ソケット側に突出する突出部を有する導電性の複数のヘッダコンタクトと、該複数のヘッダコンタクトを支持するヘッダボディとを備え、
    前記ソケットは、長尺の形状を有してその長さ方向に垂直な方向に前記ピッチで配列された導電性の複数のソケットコンタクトと、該複数のソケットコンタクトを支持する絶縁性で樹脂製のソケットボディとを備え、
    各ソケットコンタクトは、その長さ方向に延在し、かつその配列の方向に平行な平板状のソケット側接続部を備え、
    各ソケット側接続部には、その厚さ方向に貫通し、かつその長さ方向に延在する挿入固定孔が設けられ、
    各挿入固定孔は、対応する前記ヘッダコンタクトの突出部が挿入される挿入部と、該挿入部に挿入された該突出部が該挿入固定孔の長さ方向に移動されることにより圧入される圧入部とで構成され、
    各ソケット側接続部は、その前記挿入固定孔から所定範囲内の接触部を除き、前記ソケットボディの樹脂で被覆され、隣り合うソケット側接続部の間は該樹脂で満たされることを特徴とする基板間コネクタのソケット。
  2. 隣り合うソケット側接続部の間の前記ソケットボディの部分には、前記圧入による該ソケットボディの歪を吸収する溝又は貫通孔が設けられることを特徴とする請求項1に記載の基板間コネクタのソケット。
  3. 前記ソケットボディは、前記ソケットコンタクトをインサート材料としたインサート成形で形成され、
    前記ソケット側接続部の接触部は、前記ソケットボディの形成後に施されるメッキで被覆されることを特徴とする請求項1又は2に記載の基板間コネクタのソケット。
  4. 前記ヘッダボディ及びソケットボディは、相互に前記圧入の方向へ案内するそれぞれの案内面を有し、
    前記ヘッダボディ及びソケットボディの一方及び他方は、それぞれ前記案内面に従って該ヘッダボディ及びソケットボディを相対的に移動させて前記圧入を行うためのロック治具を回動させる際の支点と、該ロック治具の回動により該移動を生じさせる力が付与される作用点として機能する部分を有することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の基板間コネクタのソケット。
  5. 前記ヘッダボディ及びソケットボディは、相互に前記圧入の方向へ案内するそれぞれの案内面を有し、
    前記ソケットは、前記案内面に従って前記ヘッダボディ及びソケットボディを相対的に移動させて前記圧入を行うためのロック治具を備え、
    前記ロック治具は、基端部が連結された2枚の長尺の板状部材で構成され、
    前記2枚の板状部材は、摘むことにより該板状部材の先端部が閉じられ、摘む力を解除することにより、該板状部材の先端部が弾性力で元の状態に復帰するものであり、
    一方の板上部材の先端には、前記ヘッダボディの側面を前記案内面に従って前記圧入方向へ押圧するための押圧面が設けられ、
    他方の板状部材の先端には、前記ソケットボディの側面を前記案内面に従って前記圧入方向へ押圧するための押圧面が設けられ、
    前記他方の板状部材の先端には、その前記押圧面に隣接して前記ソケットボディを前記ヘッダボディの方へ押圧するための押圧面が設けられることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の基板間コネクタのソケット。
  6. 前記ソケット側接続部は、前記圧入部への圧入を容易化するための切れ目を有することを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の基板間コネクタのソケット。
  7. 前記挿入固定孔の前記圧入部における幅は、前記挿入部側が小さく、該挿入部と反対側が大きいことを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の基板間コネクタのソケット。
  8. 回路基板に実装されるヘッダと、他の回路基板に実装されるソケットとを備え、両回路基板を電気的に接続する基板間コネクタであって、
    前記ソケットとして請求項1〜6のいずれかのソケットを備え、
    前記ヘッダは、前記ソケットにおけるソケットコンタクトと同じピッチで配列された導電性の複数のヘッダコンタクトと、該複数のヘッダコンタクトを支持する絶縁性で樹脂製のヘッダボディとを備え、
    各ヘッダコンタクトは、前記ソケット側に突出する突出部を有するヘッダ側接続部を備え、
    各ヘッダコンタクトのヘッダ側接続部は、その前記突出部を含む所定範囲内の接触部を除き、前記ヘッダボディの樹脂で被覆されることを特徴とする基板間コネクタ。
  9. 前記突出部は、前記ソケットコンタクトの挿入固定孔の圧入部に圧入されたとき、該突出部がその突出方向に該圧入部から抜けるのを阻止する鉤状部を備え、
    前記鉤状部は、前記突出部の先端から前記圧入部への圧入の方向に延びていることを特徴とする請求項8に記載の基板間コネクタ。

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