JP2014130703A - 端子付電線における防食被覆形成方法及び端子付電線支持装置 - Google Patents

端子付電線における防食被覆形成方法及び端子付電線支持装置 Download PDF

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Abstract

【課題】合成樹脂の防食被覆が端子付電線に形成される際に、流動状態の合成樹脂が圧着端子の接点部へ流れ込むことを防ぐこと。
【解決手段】端子付電線900における圧着端子100の姿勢が、その先端が斜め上方を向く第一姿勢に維持された状態で、流動樹脂800が、絶縁電線90の先端寄りの先端側部分領域801に供給され、流動性がなくなるまで硬化される。その後、端子付電線900における圧着端子100の姿勢が、第一姿勢のときよりも水平に近い姿勢に維持された状態で、流動樹脂800が、端子付電線900の保護領域における先端側部分領域801領域よりも先端側に対し反対側の領域に供給され、硬化される。
【選択図】図1

Description

本発明は、絶縁電線及びその絶縁電線の端部に圧着された圧着端子を含む端子付電線に合成樹脂の防食被覆を形成する方法及び防食被覆が形成される際に用いられる端子付電支持装置に関する。
一般に、ワイヤハーネスにおける絶縁電線の端部には、金属製の圧着端子が取り付けられる。特許文献1,2に示されるように、圧着端子は、被覆圧着部、芯線圧着部及び接点部を有する場合が多い。被覆圧着部は、絶縁電線の端部における絶縁被覆に圧着される部分である。芯線圧着部は、絶縁電線の端部における絶縁被覆から延び出た芯線に圧着される部分である。また、接点部は、相手側の端子と嵌り合うことによって相手側の端子に接続される部分である。
なお、被覆圧着部、芯線圧着部及び接点部は、それぞれインシュレーションバレル、ワイヤバレル及びコンタクトと称される。一般に、圧着端子は、銅又は銅の合金など、銅を主成分とする金属材料で構成される。
そして、被覆圧着部及び芯線圧着部の各々の一部が曲げられて絶縁被覆及び芯線に対してかしめられることにより、被覆圧着部が絶縁電線の絶縁被覆の部分を把持し、芯線圧着部が絶縁電線の芯線を把持する。その結果、圧着端子は、絶縁電線の端部に固定される。以下、端部に圧着端子が取り付けられた絶縁電線のことを端子付電線と称する。
圧着端子において、被覆圧着部は圧着端子を絶縁電線に強固に保持する役割を担い、芯線圧着部は主として圧着端子と絶縁電線の芯線とを電気的に接続する役割を担う。
ところで、端子付電線において、絶縁電線の芯線がアルミニウム線である場合、銅を主成分とする圧着端子と接触するアルミニウム線は、雨水又は結露水などの電解液が付着した場合に、異種金属接触腐食によって腐食しやすい。端子付電線における異種金属接触腐食を防止するためには、合成樹脂などの非導電性の部材の被覆によって絶縁電線の芯線における圧着端子から露出した部分を覆うことが有効である。
異種金属接触腐食の回避のため、特許文献1,2に示される端子付電線は、絶縁電線の芯線における圧着端子から露出した部分を覆う防食被覆を備える。この防食被覆は、絶縁電線の芯線と圧着端子の芯線圧着部とが接触する部分への液体の浸入を防ぐために設けられている。
端子付電線において、防食被覆で覆われるべき保護領域は、少なくとも絶縁電線における絶縁被覆の末端とそこから延び出た芯線との境界の部分から絶縁電線の先端までを含む領域である。ここで、絶縁電線の先端は、絶縁電線における絶縁被覆の末端から延び出た芯線の先端である。
特許文献1の端子付電線において、防食被覆は、絶縁電線と圧着端子との接続部分に融解した合成樹脂、即ち、流動状態の合成樹脂が塗布されることによって形成される。この場合、流動状態の合成樹脂が滴下され、その合成樹脂が硬化することによって防食被覆が形成される。また、特許文献2の端子付電線において、防食被覆は金型を用いた合成樹脂のインサート成形によって形成される。特許文献1に示される防食被覆は、金型装置を用いることなく簡易に形成可能である点、及び使用樹脂量が少ない点において好適である。なお、特許文献1において、防食被覆の合成樹脂として、シリコン系、アクリル系、ウレタン系、ポリアミド系又はエポキシ系の合成樹脂などを使用できるとされている。
特開2010−108798号公報 特開2001−162657号公報
特許文献1に示されるように、防食被覆が流動状態の合成樹脂の滴下によって形成される場合、流動状態の合成樹脂が、端子付電線における絶縁電線の先端部分に供給されると、その合成樹脂が、硬化する前に圧着端子の接点部へ流れ込みやすい。合成樹脂が接点部へ流れ込むと、保護領域に残る合成樹脂の量が不足し、保護領域に形成される防食被覆の厚みが不足する。
さらに、接点部において硬化した合成樹脂が、接点部と相手側端子との電気的な接続不良の原因となる。また、防食被覆の接点部側の縁が、接点部内に形成されることになるため、防食被覆が予め定められた領域に形成されたか否かを確認することが難しくなる。
一方、流動状態の合成樹脂が圧着端子の接点部へ流れ込むことを防ぐため、比較的流動性の低い合成樹脂、即ち、比較的粘性の高い合成樹脂を供給することが考えられる。しかしながら、この場合、合成樹脂を必要な領域全体に行き渡らせることが難しくなる。
本発明の目的は、合成樹脂の防食被覆が端子付電線に形成される際に、流動状態の合成樹脂が圧着端子の接点部へ流れ込むことを防ぐことである。
本発明の第1態様に係る端子付電線における防食被覆形成方法は、絶縁電線及びその絶縁電線の端部に圧着された圧着端子を含む端子付電線における上記圧着端子から露出した上記絶縁電線の芯線を含む保護領域に合成樹脂の防食被覆を形成する方法であり、以下の各工程を含む。
(1)第1の工程は、上記端子付電線における上記圧着端子の姿勢を、上記圧着端子の先端が斜め上方を向く第一姿勢に維持する第一姿勢維持工程である。
(2)第2の工程は、上記第一姿勢に維持された上記端子付電線の上記保護領域における上記絶縁電線の先端寄りの第一部分領域に、流動状態の合成樹脂を上方から供給する第一樹脂供給工程である。
(3)第3の工程は、上記第一部分領域に供給された上記流動状態の合成樹脂を少なくとも流動性がなくなるまで硬化させる第一樹脂硬化工程である。
(4)第4の工程は、上記第一樹脂硬化工程の後に、上記端子付電線の上記保護領域における上記第一部分領域よりも上記絶縁電線の先端側に対し反対側の第二部分領域に、流動状態の合成樹脂を上方から供給する第二樹脂供給工程である。
(5)第5の工程は、上記保護領域における上記第二部分領域に供給された上記流動状態の合成樹脂を硬化させる第二樹脂硬化工程である。
本発明の第2態様に係る端子付電線における防食被覆形成方法は、第1態様の一態様である。第2態様に係る端子付電線における防食被覆形成方法は、以下に示される第二姿勢維持工程をさらに含む。第二姿勢維持工程は、上記第一樹脂硬化工程の後に、上記端子付電線における上記圧着端子の姿勢を、上記圧着端子の先端が上記第一姿勢のときよりも水平に近い方向を向く第二姿勢に維持する工程である。この場合、上記第二樹脂供給工程は、上記第二姿勢に維持された上記端子付電線の上記保護領域における上記第二部分領域に、流動状態の合成樹脂を上方から供給する工程である。なお、「圧着端子の先端が上記第一姿勢のときよりも水平に近い方向を向く第二姿勢」は、圧着端子の先端が水平方向を向く姿勢を除外しない。
また、本発明の第3態様に係る端子付電線支持装置は、絶縁電線及びその絶縁電線の端部に圧着された圧着端子を含む端子付電線を支持する装置であり、以下に示される各構成要素を備えている。
(1)第1の構成要素は、上記端子付電線を、上記圧着端子の位置を固定した状態で支持する固定支持部である。
(2)第2の構成要素は、上記固定支持部を、上記圧着端子の先端が斜め上方を向く第一支持状態と上記圧着端子の先端が上記第一支持状態のときよりも水平に近い方向を向く第二支持状態と含む複数の支持状態各々で維持可能に支持する可変支持部である。
また、本発明の第4態様に係る端子付電線支持装置は、第3態様の一態様である。第4態様に係る端子付電線支持装置において、上記可変支持部は、回動支持部と昇降支持部と備えている。上記回動支持部は、上記固定支持部を、上記端子付電線の長手方向における位置が異なる上記固定支持部の第一部位及び第二部位のうちの上記第一部位において回動可能に支持する。上記昇降支持部は、上記固定支持部の上記第二部位を昇降可能に支持し、さらに上記第二部位の支持位置を上記固定支持部が上記複数の支持状態各々になるときの上記第二部位の位置各々で維持する。
上記の第1態様及び第2態様の方法において、流動状態の合成樹脂が、端子付電線の保護領域における絶縁電線の先端寄りの第一部分領域に供給されるときから、その合成樹脂の流動性がなくなるまで、端子付電線の圧着端子は、その先端が斜め上方を向く第一姿勢に維持される。そのため、流動状態の合成樹脂が圧着端子の接点部に流れ込むことが防止される。
従って、上記の第1態様及び第2態様の方法が採用されれば、比較的流動性の高い合成樹脂が供給されても、合成樹脂が保護領域から流出する不都合は回避される。その結果、十分な厚みの防食被覆を保護領域に形成することが可能となる。また、接点部における電気的な接続不良の問題は回避され、さらに、防食被覆が予め定められた領域に形成されたか否かを確認することが難しくなる問題も回避される。
ところで、流動状態の合成樹脂が、端子付電線の保護領域における第一部分領域(絶縁電線の先端部分)よりも絶縁電線の先端側に対して反対側の第二部分領域に供給されるときには、圧着端子が水平姿勢もしくは水平方向に対して浅い角度で傾斜した姿勢に維持されている方が、流動状態の合成樹脂が保護領域(第二部分領域)へ均一に行き渡りやすい。
そこで、上記の第2態様の方法においては、流動状態の合成樹脂が保護領域の第二部分領域に供給されるときには、端子付電線の圧着端子は、その先端が第一姿勢のときよりも水平に近い方向を向く第二姿勢に維持される。これにより、防食被覆が、保護領域全体に亘って過不足のない厚みで形成される。
また、上記の第3態様及び第4態様に係る端子付電線支持装置は、上記の第1態様及び第2態様の方法、特に、第2態様の方法での利用に好適な装置である。
また、上記の第4態様に係る端子付電線支持装置においては、端子付電線を直接支持する固定支持部がその第一部位において回動可能に支持され、固定支持部の第二部位が昇降可能に支持される。そのため、固定支持部における第二部位が、第一部位から十分に離れた位置に設定されれば、第二部位の位置決め精度がそれほど高くなくても、固定支持部に支持された圧着端子の傾斜角度の精度が高くなる。その結果、防食被覆の品質が安定する。
本発明の実施形態に係る端子付電線支持装置10を含む防食被覆形成装置の第一の概略側面図である。 端子付電線支持装置10を含む防食被覆形成装置の第二の概略側面図である。 端子付電線支持装置10が備える固定支持部1の斜視図である。 本発明の実施形態に係る防食被覆形成方法における先端側樹脂供給工程及び先端側樹脂硬化工程を表す概略図である。 本発明の実施形態に係る防食被覆形成方法における後端側樹脂供給工程及び後端側樹脂硬化工程を表す概略図である。 本発明の実施形態に係る防食被覆形成方法における中間樹脂供給工程及び中間樹脂硬化工程を表す概略図である。 端子付電線の斜視図である。
以下、添付の図面を参照しながら、本発明の実施形態について説明する。以下の実施形態は、本発明を具体化した一例であり、本発明の技術的範囲を限定する事例ではない。以下に示される実施形態における端子付電線支持装置は、車両に搭載されるワイヤハーネスの製造工程において、そのワイヤハーネスの一部を構成する端子付電線の保護領域に合成樹脂の防食被覆が形成される際に、端子付電線を支持する装置である。
<端子付電線>
本発明の実施形態の説明の前に、図7を参照しつつ、ワイヤハーネスの一部を構成する端子付電線900について説明する。端子付電線900は、絶縁電線90と、その端部に取り付けられた圧着端子100とを含む。また、図7には、絶縁電線90の端部に形成された防食被覆80を含む端子付電線900が示されている。
<絶縁電線>
図7に示されるように、絶縁電線90は、長尺な導体である芯線と、その芯線の周囲を覆う絶縁体である絶縁被覆と、を有している。通常、芯線は、細い導体からなる複数の素線が撚り合わされた撚り線であるが、芯線が単線であることも考えられる。圧着端子100が取り付けられる絶縁電線90の端部は、予め一定の長さの分の芯線の周囲から絶縁被覆が剥がれた状態、即ち、一定の長さ分の芯線が絶縁被覆から延び出た状態に加工されている。
以下、絶縁電線90の端部において、絶縁被覆の端から延び出た芯線を裸芯線部901と称する。また、絶縁電線90における絶縁被覆の端部の一定の範囲(数ミリメートルから十数ミリメートル程度の長さの範囲)の部分を被覆端部902と称する。また、絶縁電線90における圧着端子100と接触していない絶縁被覆の部分のうち、被覆圧着部20が圧着された被覆端部902寄りの部分のことを非圧着端部903と称する。
絶縁電線90は、被覆端部902から裸芯線部901の先端までの領域において圧着端子100と接触している。端子付電線900において、絶縁電線90の芯線は、例えば、銅又はアルミニウムを主成分とする金属の線材である。
<圧着端子>
図7に示されるように、圧着端子100は、一列に並んで形成された、被覆圧着部20、第一連結部30、芯線圧着部40、第二連結部50及び接点部60を備えている。
以下、圧着端子100における被覆圧着部20から芯線圧着部40及び接点部60へ向かう直線方向を延伸方向と称する。延伸方向は、圧着端子100が取り付けられる絶縁電線90の長手方向でもある。
圧着端子100は、銅もしくは黄銅などの銅合金の部材、又はそれらの部材に錫(Sn)メッキもしくは錫に銀(Ag)、銅(Cu)、ビスマス(Bi)などが添加された錫合金のメッキが施された導体の部材である。
<圧着端子:被覆圧着部>
被覆圧着部20は、曲がって形成された板状の部分であり、絶縁電線90に圧着される前の状態において、絶縁電線90の被覆端部902が挿入される溝を形成している。即ち、被覆圧着部20は、被覆圧着部20が形成する溝の内側に挿入された被覆端部902の周囲に沿って曲げられることにより、被覆端部902に対して圧着される。
なお、本明細書において、被覆圧着部20の底面、側面及び上面との用語は、便宜上、被覆端部902の四方の面を区別するために用いられており、端子付電線900が敷設された状態における上下左右の方向とは関係しない。
<圧着端子:芯線圧着部>
芯線圧着部40は、絶縁電線90に圧着される前の状態において、曲がって形成された板状の部分であり、絶縁電線90の裸芯線部901が挿入される溝を形成している。そして、芯線圧着部40は、芯線圧着部40が形成する溝の内側に挿入された裸芯線部901に対して圧着される。
<圧着端子:第一連結部>
第一連結部30は、被覆圧着部20と芯線圧着部40とを繋ぐ部分である。第一連結部30は、曲がって形成された板状の部分であり、被覆端部902及び裸芯線部901の境界部分が挿入される溝を形成している。
<圧着端子:第二連結部>
第二連結部50は、芯線圧着部40と接点部60を繋ぐ部分である。第二連結部50は、曲がって形成された板状の部分であり、溝を形成している。裸芯線部901の先端9011が、芯線圧着部40から第二連結部50が形成する溝へはみ出す場合もあるが、そうでない場合もある。なお、裸芯線部901の先端9011は、絶縁電線90の先端である。
<圧着端子:接点部>
接点部60は、圧着端子100の接続相手となる不図示の相手側端子と嵌り合うことによって相手側端子と直接接触し、相手側端子に接続される部分である。図7に示される接点部60は、相手側端子が嵌め入れられる孔が形成された筒状の部分である。なお、接点部60が、相手側端子の端子挿入孔に嵌め入れられる棒状の導体である場合もある。
<防食被覆>
端子付電線900において、絶縁電線90の芯線(裸芯線部901)と圧着端子100とは、それぞれ異種の金属で構成されていることが考えられる。例えば、芯線が、アルミニウム線、即ち、アルミニウムを主成分とする金属(アルミニウムまたはアルミニウム合金)の線材であることが考えられる。一方、圧着端子100が、銅もしくは黄銅などの銅合金の部材、又はそれらの部材に錫(Sn)メッキもしくは錫に銀(Ag)、銅(Cu)、ビスマス(Bi)などが添加された錫合金のメッキが施された部材であることが考えられる。この場合、圧着端子100と接触する裸芯線部901は、異種金属接触腐食によって腐食しやすい。
端子付電線900における絶縁電線90の端部には、裸芯線部901の腐食を防ぐための防食被覆80が形成されている。端子付電線900において、裸芯線部901の腐食防止のために防食被覆80で覆われるべき領域は、少なくとも絶縁電線90における被覆端部902の末端から裸芯線部901の先端までの領域である。以下、この領域のことを保護領域と称する。
端子付電線900において、防食被覆80は、絶縁電線90の保護領域における圧着端子100から露出した部分を覆う合成樹脂の部材である。例えば、防食被覆80は、絶縁電線90の被覆端部902に圧着された被覆圧着部20の中間位置から、第二連結部50の延伸方向における中間位置までの範囲において、その範囲に存在する絶縁電線90における圧着端子100から露出した部分を覆うように形成されている。即ち、防食被覆80は、端子付電線900における芯線の露出部分全体を覆って密封している。
端子付電線900の保護領域は、不図示のコネクタのキャビティ内に挿入される。そのため、防食被覆80は、コネクタ内のキャビティを形成する隔壁との干渉を避けるため、十分な防水性能を果たす範囲内で極力薄く形成されることが望ましい。
防食被覆80は、例えば、シリコン系、アクリル系、ウレタン系、ポリアミド系又はエポキシ系の合成樹脂である。また、図7に示される例では、防食被覆80は、透明又は半透明の材料で構成されているが、防食被覆80は、透明ではない樹脂で構成されることも考えられる。防食被覆80が、有色の半透明の材料で構成されていれば、防食被覆80の厚みの確認が容易となる。
<実施形態:防食被覆形成装置及び圧着端子支持装置>
続いて、図1〜3を参照しつつ、本発明の実施形態に係る端子付電線支持装置10及びそれを含む防食被覆形成装置の構成について説明する。端子付電線支持装置10は、防食被覆80が形成される工程において、端子付電線900を、その圧着端子100の部分が予め定められた複数の姿勢となる状態で支持する装置である。
なお、図1は端子付電線支持装置10を含む防食被覆形成装置の第一の概略側面図である。図2は端子付電線支持装置10を含む防食被覆形成装置の第二の概略側面図である。図3は端子付電線支持装置10が備える固定支持部1の斜視図である。なお、図1,2には、端子付電線支持装置10と端子付電線900とが示されている。同様に、図3には、固定支持部1と端子付電線900とが示されている。
図1,2に示されるように、端子付電線支持装置10は、固定支持部1及び可変支持部8を備えている。なお、図1,2において、固定支持部1の図示は簡略化されている。
また、防食被覆形成装置は、端子付電線支持装置10に加え、ディスペンサ9及びディスペンサ支持部91,92も備えている。ディスペンサ9は、固定支持部1に支持された端子付電線900の保護領域に流動状の合成樹脂を上方から供給する。ディスペンサ支持部91,92は、ディスペンサ9を支持して予め定められた複数の位置に位置決めする。
図1,2に示される例では、ディスペンサ支持部91,92は、ディスペンサ昇降部91と、ディスペンサ水平移動部92とを備えている。ディスペンサ昇降部91は、ディスペンサ9を昇降可能に支持するとともに、ディスペンサ9を所望の高さで保持する。ディスペンサ水平移動部92は、ディスペンサ9を支持するディスペンサ昇降部91を水平方向において移動可能に支持するとともに、ディスペンサ昇降部91を水平方向における所望の位置で保持する。
なお、ディスペンサ9の位置が固定され、端子付電線支持装置10が移動されることにより、ディスペンサ9と端子付電線900との間の相対的な位置決めが行われることも考えられる。
<圧着端子支持装置:固定支持部>
固定支持部1は、端子付電線900を、圧着端子100の位置を固定した状態で支持する部分である。図3に示されるように、固定支持部1は、基部11、底面位置決め部2、先端位置決め部3、側面位置決め部4、電線押さえ部5及び電線挟持部6を備えている。
<固定支持部:基部>
固定支持部1において、基部11は、固定支持部1における他の構成要素を一定の位置関係で支持する部分である。
<固定支持部:底面位置決め部>
底面位置決め部2は、圧着端子100の被覆圧着部20の底面を支える部分である。以下の説明において、端子付電線900の圧着端子100が固定支持部1によって目標位置に固定された状態において、絶縁電線90における被覆端部902の中心線に沿う方向のことを第一方向と称する。また、圧着端子100が目標位置に固定された状態における圧着端子100の幅方向及び高さ方向のことを、それぞれ第二方向及び第三方向と称する。なお、第一方向、第二方向及び第三方向は相互に直交する。
そして、底面位置決め部2は、端子付電線900の圧着端子100における絶縁電線90の被覆端部902に圧着された被覆圧着部20の底面を支える。被覆圧着部20の底面が底面位置決め部2に接することにより、被覆圧着部20は、第三方向において目標位置に位置決めされる。
なお、図3に示される固定支持部1において、複数の端子付電線900を同時に位置決めすることが可能なように、固定支持部1は複数の底面位置決め部2を備えている。しかしながら、1つの底面位置決め部2のみが固定支持部1に設けられていることも考えられる。
<固定支持部:先端位置決め部>
図1〜3に示されるように、先端位置決め部3は、圧着端子100における接点部60の先端601に接する部分である。端子付電線900の圧着端子100は、先端位置決め部3によって第一方向においてのみ位置決めされる。
なお、図3に示される固定支持部1において、複数の端子付電線900を同時に位置決めすることが可能なように、先端位置決め部3は、複数の接点部60の先端601が同時に接することが可能な形状で形成されている。しかしながら、先端位置決め部3が、1つの接点部60のみに接する形状で形成されていることも考えられる。
<固定支持部:側面位置決め部>
図3に示されるように、側面位置決め部4は、圧着端子100の被覆圧着部20が目標位置に配置された状態において、絶縁電線90における非圧着端部903の両側面に接する部分である。
本実施形態において、側面位置決め部4は、第三方向から見て絶縁電線90の中心線が沿うべき目標直線の両側における目標直線から等距離の位置に形成された複数の突起部である。絶縁電線90の非圧着端部903は、第三方向から見て目標直線に沿う状態でそれら複数の突起部の間に挟み込まれる。
絶縁電線90の非圧着端部903が側面位置決め部4によって位置決めされることにより、圧着端子100の被覆圧着部20が第二方向において位置決めされる。
なお、図3に示される固定支持部1において、複数の端子付電線900を同時に位置決めすることが可能なように、複数組の側面位置決め部4が設けられている。しかしながら、1組の側面位置決め部4のみが設けられた構造が採用されることも考えられる。
<固定支持部:電線押さえ部>
電線押さえ部5は、目標直線に沿って配置される絶縁電線90における非圧着端部903を第三方向において押さえる部分である。電線押さえ部5は、絶縁電線90の非圧着端部903を第三方向において押さえることにより、圧着端子100の被覆圧着部20の底面を底面位置決め部2の支え面に押し付ける。
図3に示されるように、電線押さえ部5は、受け部51、押し付け部52及び固定部53を含む。受け部51は、絶縁電線90の非圧着端部903を第三方向の一方の側から支え、押し付け部52は、非圧着端部903を受け部51に押しつける。
端子付電線900の絶縁電線90が受け部51に沿って配置されるときに、押し付け部52は、受け部51から大きく離隔した位置に置かれる。その後、押し付け部52は、絶縁電線90の非圧着端部903を受け部51に押し付ける位置、即ち、受け部52に接近した位置で固定される。
固定部53は、押し付け部52を受け部51に接近した位置に固定する部分である。例えば、固定部53は、板状の押し付け部52に形成された欠け部もしくは孔に通されるネジ部材によって押し付け部52を所定の位置に固定する。
なお、図3に示される固定支持部1において、複数の端子付電線900を同時に位置決めすることが可能なように、電線押さえ部5は、複数の絶縁電線90の非圧着端部903を同時に押さえることが可能な形状で形成されている。しかしながら、電線押さえ部5が、1本の絶縁電線90の非圧着端部903のみを押さえることが可能な形状で形成されていることも考えられる。
<固定支持部:電線挟持部>
電線挟持部6は、端子付電線900の絶縁電線90における絶縁被覆の部分を挟持することによって端子付電線900を補助的に支持する部分である。電線挟持部6は、絶縁電線90の絶縁被覆の部分における非圧着端部903よりも圧着端子100に対し反対側の部分を挟持する。例えば、電線挟持部6は、絶縁電線90を弾性力で挟持する一対の板バネ部材などである。
電線挟持部6は、端子付電線900の荷重などによって端子付電線900に作用する引張力が、端子付電線900における非圧着端部903から末端側の部分に作用することを防ぐ。これにより、端子付電線900に作用する引張力によって端子付電線900における非圧着端部903から末端側の部分の位置がずれることが防がれる。
なお、図3に示される固定支持部1において、複数の端子付電線900を同時に位置決めすることが可能なように、複数の電線挟持部6が設けられている。しかしながら、1つの電線挟持部6のみを備える端子付電線位置決め具が採用されることも考えられる。
<圧着端子支持装置:可変支持部>
可変支持部8は、固定支持部1を複数の支持状態各々で維持可能に支持する機構である。より具体的には、可変支持部8によって支持される固定支持部1の複数の支持状態には、固定支持部1によって支持された端子付電線900における圧着端子100の先端が斜め上方を向く第一支持状態と、同じく圧着端子100の先端が第一支持状態のときよりも水平に近い方向を向く第二支持状態とが含まれる。なお、ここでいう水平に近い方向としては、水平方向又は非水平方向が考えられる。
図1は、可変支持部8が固定支持部1を第一支持状態で支持している状況を示している。また、図2は、可変支持部8が固定支持部1を第二支持状態で支持している状況を示している。
本実施形態においては、可変支持部8は、回動支持部71と昇降支持部72と備えている。以下の説明において、固定支持部1における、その固定支持部1に支持された端子付電線900の長手方向における位置が異なる2箇所の部位のことを第一部位12及び第二部位13と称する。
図1に示される例では、第二部位13は固定支持部1に支持された端子付電線900の圧着端子100に近い部分であり、第一部位12は、第二部位13よりも圧着端子100から遠い部分である。しかしながら、それらの位置関係が逆であることも考えられる。例えば、第一部位12が、圧着端子100の芯線圧着部40に近い部分であり、第二部位13が第一部位12から絶縁電線90の絶縁被覆側へ離れた部分であることも考えられる。
回動支持部71は、固定支持部1を第一部位12において回動可能に支持する部分である。一方、昇降支持部72は、固定支持部1の第二部位13を昇降可能に支持する部分である、さらに、昇降支持部72は、固定支持部1の第二部位13の支持位置を、固定支持部1が前述の複数の支持状態各々になるときの第二部位13の位置各々で維持する。
回動支持部71は、例えば、固定支持部1の回転軸部を支持する軸受け部などである。また、昇降支持部72は、例えば、固定支持部1の第二部位13を支える作用部721と、その作用部721を上下方向における所望の位置に位置決め可能な線形アクチュエータ722を含む。図1に示される線形アクチュエータ722はスクリュー式の線形アクチュエータである。
<防食被覆形成方法>
次に、図4〜6を参照しつつ、本発明の実施形態に係る防食被覆形成方法の一例について説明する。図4〜6各々は、本発明の実施形態に係る防食被覆形成方法における一部の工程を表す概略図である。即ち、図4は、先端側樹脂供給工程及び先端側樹脂硬化工程を表す概略図である。図5は、後端側供給工程及び後端側樹脂硬化工程を表す概略図である。図6は、中間樹脂供給工程及び中間樹脂硬化工程を表す概略図である。
以下の説明において、流動状態の合成樹脂のことを流動樹脂800と称する。流動樹脂800は、所定の硬化工程を経て硬化し、防食被覆80になる。例えば、流動樹脂800が熱可塑性樹脂であることが考えられる。この場合、流動樹脂800は、冷却されることによって硬化する。
端子付電線900の保護領域を覆う防食被覆80は、流動樹脂800が、複数回に分けて端子付電線900の保護領域における複数の箇所へ上方から供給されることによって形成される。
本実施形態においては、流動樹脂800が、3回に分けて保護領域における3つの部分領域各々に供給される。1回目の流動樹脂800の供給工程が先端側樹脂供給工程であり、2回目の流動樹脂800の供給工程が後端側樹脂供給工程であり、3回目の流動樹脂800の供給工程が中間樹脂供給工程である。
また、少なくとも先端側樹脂供給工程の前と、後端側樹脂供給工程の前とに、端子付電線900における圧着端子100の部分を予め定められた姿勢に維持する姿勢維持工程が行われる。以下の説明において、先端側樹脂供給工程の前に行われる姿勢維持工程のことを第一姿勢維持工程と称し、後端側樹脂供給工程の前に行われる姿勢維持工程のことを第二姿勢維持工程と称する。
また、3回の樹脂供給工程各々の後に、流動樹脂800を硬化させる工程が行われる。それらが先端側樹脂硬化工程、後端側樹脂硬化工程及び中間樹脂硬化工程である。
<第一姿勢維持工程>
防食被覆の形成にあたり、まず、第一姿勢維持工程が行われる。第一姿勢維持工程は、端子付電線900における圧着端子100の姿勢を、圧着端子100の先端が斜め上方を向く第一姿勢に維持する工程である。なお、圧着端子100の先端は、接点部600の先端601である。
図4には、第一姿勢に維持された端子付電線900が示されている。図1に示されるように、端子付電線900は、端子付電線支持装置10によって第一姿勢に維持される。第一姿勢は、例えば、圧着端子100の先端が水平方向に対して20°〜30°程度斜め上方に向いた姿勢である。
<先端側樹脂供給工程>
第一姿勢維持工程に続いて、先端側樹脂供給工程が行われる。図4に示されるように、先端側樹脂供給工程では、流動樹脂800が、第一姿勢(傾斜姿勢)に維持された端子付電線900の保護領域における絶縁電線90の先端寄りの一部である先端側部分領域801の上方から供給される。なお、先端側樹脂供給工程は、第一樹脂供給工程の一例である。なお、裸芯線部901の先端9011が、絶縁電線90の先端である。
図4に示されるように、端子付電線900における圧着端子100の部分が第一姿勢(傾斜姿勢)に維持された状態においては、先端側部分領域801に供給された流動樹脂800は、接点部60へ流れ込まずに第二連結部50の内側の溝内に溜まる。
<先端側樹脂硬化工程>
先端側樹脂供給工程に引き続き、先端側樹脂硬化工程が行われる。先端側樹脂工程は、先端側部分領域801に供給された流動樹脂800を少なくとも流動性がなくなるまで硬化させる工程である。本工程においても、端子付電線900の圧着端子100の部分は第一姿勢に維持される。
流動樹脂800が溶解した熱可塑性樹脂であれば、本工程は、流動樹脂800を冷却する工程である。冷却工程は、自然冷却の工程及び冷却ファンなどの冷却装置を用いた強制冷却の工程のいずれであってもよい。また、流動樹脂800が湿気硬化タイプの合成樹脂であれば、本工程は流動樹脂800を湿気のある環境に晒す工程である。
なお、先端樹脂硬化工程は、流動樹脂800が接点部60へ流れ込まない程度に硬化するまで行われれば十分であり、流動樹脂800が防食被覆80として必要な堅さに固まるまで行われる必要はない。
<第二姿勢維持工程>
先端側樹脂硬化工程の後、第二姿勢維持工程が行われる。第二姿勢維持工程は、端子付電線900における圧着端子100の姿勢を、圧着端子100の先端が第一姿勢のときよりも水平に近い方向を向く第二姿勢に維持する工程である。
図5には、第二姿勢に維持された端子付電線900が示されている。図2に示されるように、端子付電線900は、端子付電線支持装置10によって第二姿勢に維持される。第二姿勢は、例えば図5に示されるように、圧着端子100の先端が水平方向に向いた姿勢である。或いは、第二姿勢が、圧着端子100の先端が水平方向に対して10°未満程度斜め上方に向いた姿勢であることも考えられる。
<後端側樹脂供給工程>
第二姿勢維持工程に続いて、後端側樹脂供給工程が行われる。図5に示されるように、後端側樹脂供給工程では、流動樹脂800が、第二姿勢に維持された端子付電線900の保護領域における被覆端部902寄りの一部である後端側部分領域802の上方から供給される。なお、後端側部分領域802は、保護領域における第一部分領域(先端側部分領域)よりも絶縁電線90の先端側に対し反対側の第二部分領域の一例である。
図5に示される例では、後端側部分領域802は、絶縁電線90における裸芯線部901と被覆端部902との境界部分である。
図5に示されるように、端子付電線900における圧着端子100の部分が第二姿勢に維持された状態においては、後端側部分領域802に供給された流動樹脂800は、供給された位置から均一に広がりやすい。
<後端側樹脂硬化工程>
後端側樹脂供給工程に引き続き、後端側樹脂硬化工程が行われる。後端側樹脂工程は、後端側部分領域802に供給された流動樹脂800を少なくとも流動性がなくなるまで硬化させる工程である。本工程においても、端子付電線900の圧着端子100の部分は第二姿勢に維持される。
なお、後端樹脂硬化工程は、流動樹脂800が接点部60へ流れ込まない程度に硬化するまで行われれば十分であり、流動樹脂800が防食被覆80として必要な堅さに固まるまで行われる必要はない。
<中間樹脂供給工程>
後端側樹脂硬化工程に続いて、中間樹脂供給工程が行われる。図6に示されるように、中間樹脂供給工程では、流動樹脂800が、第二姿勢に維持された端子付電線900の保護領域における先端側部分領域801と被覆端部902との間の領域である中間部分領域803の上方から供給される。なお、中間部分領域803も、保護領域における第一部分領域(先端側部分領域)よりも絶縁電線90の先端側に対し反対側の第二部分領域の一例である。
図6に示されるように、端子付電線900における圧着端子100の部分が第二姿勢に維持された状態においては、後端側部分領域802に供給された流動樹脂800は、供給された位置から均一に広がりやすい。
<中間樹脂硬化工程>
中間樹脂供給工程に引き続き、中間樹脂硬化工程が行われる。中間樹脂工程は、中間部分領域803に供給された流動樹脂800を少なくとも流動性がなくなるまで硬化させる工程である。本工程においても、端子付電線900の圧着端子100の部分は第二姿勢に維持される。
本実施形態においては、端子付電線900における圧着端子100の部分は、後端樹脂供給工程の開始時から中間樹脂硬化工程の終了時まで同じで維持される。しかしながら、圧着端子100の部分が、中間樹脂供給工程から中間樹脂硬化工程までにおいて、後端側樹脂供給工程から後端側樹脂硬化工程までの姿勢と異なる姿勢で維持されることも考えられる。
例えば、後端側樹脂供給工程から後端側樹脂硬化工程までにおいて、端子付電線900における圧着端子100の部分が、圧着端子100の先端が第一姿勢のときよりも水平に近い斜め上方に向いた第二姿勢に維持され、中間樹脂供給工程から中間樹脂硬化工程までにおいて、端子付電線900における圧着端子100の部分が、圧着端子100の先端が水平方向に向いた第三姿勢に維持されること、などが考えられる。
端子付電線900に対して以上に示された各工程が施されることにより、中間部分領域803の合成樹脂と先端側部分領域801及び後端側部分領域802の合成樹脂とが一体に繋がり、保護領域全体に亘る防食被覆80が形成される。
<効果>
以上に示された防食被覆形成方法において、流動樹脂800が、端子付電線900の保護領域における先端側部分領域801に供給されるときから、その合成樹脂の流動性がなくなるまで、端子付電線900の圧着端子100は、その先端が斜め上方を向く第一姿勢に維持される。そのため、流動樹脂800が圧着端子100の接点部60に流れ込むことが防止される。
従って、上記の防食被覆形成方法が採用されれば、比較的流動性の高い流動樹脂800が供給されても、流動樹脂800が保護領域から流出する不都合は回避される。その結果、十分な厚みの防食被覆80を保護領域に形成することが可能となる。さらに、接点部60における電気的な接続不良の問題は回避される。
また、形成された防食被覆80の接点部60側の縁が、第二連結部50の中間位置に形成されるため、防食被覆80が予め定められた領域に形成されたか否かを確認することが難しくなる問題も回避される。
また、後端側樹脂供給工程及び中間樹脂供給工程において、流動樹脂800が、絶縁電線90の先端部分よりも絶縁電線90の先端側に対して反対側の部分領域(後端側部分領域802及び中間部分領域803)に供給されるときには、圧着端子100が水平姿勢もしくは水平方向に対して浅い角度で傾斜した姿勢に維持されている。そのため、流動樹脂800が均一に広がりやすく、防食被覆80が、保護領域全体に亘って過不足のない厚みで形成される。
また、端子付電線支持装置10は、端子付電線900における圧着端子100の部分の傾斜角度を調節可能であるため、上記の防食被覆形成方法における各工程での利用に好適な装置である。
また、端子付電線支持装置10においては、端子付電線900を直接支持する固定支持部1がその第一部位12において回動可能に支持され、固定支持部1の第二部位13が昇降可能に支持される。そのため、固定支持部1における第二部位13が、第一部位12から十分に離れた位置に設定されれば、第二部位13の位置決め精度がそれほど高くなくても、固定支持部1に支持された圧着端子100の傾斜角度の精度が高くなる。その結果、防食被覆80の品質が安定する。
なお、本発明に係る端子付電線防食方法及び端子付電線支持装置は、各請求項に記載された発明の範囲において、以上に示された各実施形態を自由に組み合わせること、或いは各実施形態を適宜、変形する又は一部を省略することによって構成されることも可能である。
1 固定支持部
11 固定支持部の基部
12 基部の第一部位
13 基部の第二部位
2 底面位置決め部
3 先端位置決め部
4 側面位置決め部
5 電線押さえ部
51 電線押さえ部の受け部
52 電線押さえ部の押し付け部
53 電線押さえ部の固定部
6 電線挟持部
7 可変支持部
71 回動支持部
72 昇降支持部
721 作用部
722 線形アクチュエータ
9 ディスペンサ
91 ディスペンサ昇降部
92 ディスペンサ水平移動部
10 端子付電線支持装置
20 被覆圧着部
30 第一連結部
40 芯線圧着部
50 第二連結部
60 接点部
80 防食被覆
90 絶縁電線
100 圧着端子
601 接点部の先端(圧着端子の先端)
800 流動樹脂(流動状体の合成樹脂)
801 先端側部分領域(保護領域の第一部分領域)
802 後端側部分領域(保護領域の第二部分領域)
803 中間部分領域(保護領域の第二部分領域)
900 端子付電線
901 裸芯線部
902 被覆端部
903 非圧着端部
9011 裸芯線部の先端部(絶縁電線の先端部)

Claims (4)

  1. 絶縁電線及び該絶縁電線の端部に圧着された圧着端子を含む端子付電線における前記圧着端子から露出した前記絶縁電線の芯線を含む保護領域に合成樹脂の防食被覆を形成する端子付電線における防食被覆形成方法であって、
    前記端子付電線における前記圧着端子の姿勢を、前記圧着端子の先端が斜め上方を向く第一姿勢に維持する第一姿勢維持工程と、
    前記第一姿勢に維持された前記端子付電線の前記保護領域における前記絶縁電線の先端寄りの第一部分領域に、流動状態の合成樹脂を上方から供給する第一樹脂供給工程と、
    前記第一部分領域に供給された前記流動状態の合成樹脂を少なくとも流動性がなくなるまで硬化させる第一樹脂硬化工程と、
    前記第一樹脂硬化工程の後に、前記端子付電線の前記保護領域における前記第一部分領域よりも前記絶縁電線の先端側に対し反対側の第二部分領域に、流動状態の合成樹脂を上方から供給する第二樹脂供給工程と、
    前記保護領域における前記第二部分領域に供給された前記流動状態の合成樹脂を硬化させる第二樹脂硬化工程と、を含む端子付電線における防食被覆形成方法。
  2. 請求項1に記載の端子付電線における防食被覆形成方法であって、
    前記第一樹脂硬化工程の後に、前記端子付電線における前記圧着端子の姿勢を、前記圧着端子の先端が前記第一姿勢のときよりも水平に近い方向を向く第二姿勢に維持する第二姿勢維持工程をさらに含み、
    前記第二樹脂供給工程は、前記第二姿勢に維持された前記端子付電線の前記保護領域における前記第二部分領域に、流動状態の合成樹脂を上方から供給する工程である、端子付電線における防食被覆形成方法。
  3. 絶縁電線及び該絶縁電線の端部に圧着された圧着端子を含む端子付電線を支持する端子付電線支持装置であって、
    前記端子付電線を、前記圧着端子の位置を固定した状態で支持する固定支持部と、
    前記固定支持部を、前記圧着端子の先端が斜め上方を向く第一支持状態と前記圧着端子の先端が前記第一支持状態のときよりも水平に近い方向を向く第二支持状態と含む複数の支持状態各々で維持可能に支持する可変支持部と、を備える端子付電線支持装置。
  4. 請求項3に記載の端子付電線支持装置であって、
    前記可変支持部は、
    前記固定支持部を、前記端子付電線の長手方向における位置が異なる前記固定支持部の第一部位及び第二部位のうちの前記第一部位において回動可能に支持する回動支持部と、
    前記固定支持部の前記第二部位を昇降可能に支持し、さらに前記第二部位の支持位置を前記固定支持部が前記複数の支持状態各々になるときの前記第二部位の位置各々で維持する昇降支持部と、を備える、端子付電線支持装置。
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