JP2011018489A - 端子構造、導体と端子の接続部および接続方法 - Google Patents

端子構造、導体と端子の接続部および接続方法 Download PDF

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Abstract

【課題】結露等によって被水した場合でも、アルミニウム電線の電食の発生を防止して、アルミニウム電線と銅端子のような異種金属からなる電線と端子を、低コストで安定した電気的特性を維持して接続することができる端子構造、電線と端子の接続部および接続方法を提供する
【解決手段】
導体の絶縁被覆部および導体部を、前記導体とは異種金属の端子の一部で圧着する導体と端子の接続方法において、粘度が1000ms・aから38000mPa・sの範囲内にある樹脂材を調製し、前記樹脂材を前記導体部に塗布し、前記導体部を前記端子の一部に位置合わせを行い前記導体と前記端子を圧着接続し、前記樹脂材を硬化させる。
【選択図】 図4

Description

本発明は、端子構造、異種金属からなる電線と端子の接続部および接続方法、特にアルミニウム電線(導体にアルミニウムまたはアルミニウム合金を用いた電線)と接続に用いられる銅製の端子構造、端子の接続部および接続方法に関する。
自動車、OA機器、家電製品の分野において、電気伝導性に優れた銅系材料からなる心線を有する銅電線が信号線、電力線として使用されてきた。中でも自動車分野においては、車輌の高性能・高機能化が急速に進められてきていることから、車載される各種電気機器、制御機器等の増加に伴って使用される銅電線も増加する傾向にあるのが現状である。このような状況下で車輌の軽量化により燃費効率を向上させようとする場合、銅電線と比較してより軽量で安価なアルミニウム電線が自動車分野において特に注目されている。
しかし、実際にアルミニウム系材料からなる心線を有するアルミニウム電線を自動車用として用いる場合、異種金属接触腐食などの電食が生じる。即ち、アルミニウムは水および銅イオンの存在下では、通常の電食を超える激しい腐食を受ける。なお、アルミニウム電線に限らず、配線工事を行う場合には、電線同士の接続や電線と外部電気機器の端子との接続、あるいは外部電気機器と接続するために電線に接続用端子を装着する必要がある。これらの端子や電線類は前述の通り電気的特性に優れた銅で形成されたものが多い。このため、アルミニウムと銅とを接触・接合しなければならない場合が生じる。
特開2004−111058号公報
しかしアルミニウムと銅のように標準電極電位の相違する異種金属を接合させた場合、この接触・接合部において上述したような電食が発生する。特に、アルミニウム心線部と接続されるコネクタ類との間の相互の標準電極電位差が大きい。このため雨天の走行や洗車、あるいは結露などによって被水した場合には、電気的に卑であるアルミニウム心線部のイオン化が進行して腐食が促進する。その結果、末端部の接触状態が悪化して電気的特性が不安定になる他、接触抵抗の増大や腐食による線径の減少により電気抵抗の増大、更には断線が生じて電装部品の誤動作、機能停止に至ることも考えられる。
このような電食を防止する従来の方法として、コネクタ端子に樹脂などの防水剤を充填してモールディングする方法や防水コネクタを用いる方法などがある。しかし、モールディングを施す場合、その構造や製造工程が複雑になる上、使用樹脂量も多いためコストがかかる。また、防水コネクタを用いる場合においても、従来防水コネクタが不要とされる部位に防水コネクタを使用することは大幅なコストアップを招くと共に、振動疲労や経年劣化で亀裂などが生じた場合、この亀裂部から雨水等が防水コネクタ内にいったん浸入すると、逆に電食を促進する結果となる。
従って、本発明の目的は、従来の問題点を解決して、結露等によって被水した場合でも、アルミニウム電線の電食の発生を防止して、アルミニウム電線と銅端子のような異種金属からなる電線と端子を、低コストで安定した電気的特性を維持して接続することができる端子構造、電線と端子の接続部および接続方法を提供することにある。
本発明の導体と端子の接続方法の態様は、導体の絶縁被覆部および導体部を、前記導体とは異種金属の端子の一部で圧着する導体と端子の接続方法において、粘度が1000mPa・sから38000mPa・sの範囲内にある樹脂材を調製し、前記樹脂材を前記導体部に塗布し、前記導体部を前記端子の一部に位置合わせを行い前記導体と前記端子を圧着接続し、前記樹脂材を硬化させることを特徴とする。
本発明の導体と端子の接続方法の他の態様は、前記樹脂材は、前記導体部のすべての露出部を覆うことを特徴とする。
本発明の導体と端子の接続方法の他の態様は、導体の絶縁被覆部および導体部を、前記導体とは異種金属の端子の一部で圧着する導体と端子の接続方法において、粘度が1000mPa・sから38000mPa・sの範囲内にある樹脂材を調製し、前記樹脂材を前記端子の所定の位置に塗布し、前記導体部を前記端子の一部に位置合わせを行い前記導体と前記端子を圧着接続し、前記樹脂材を硬化させることを特徴とする。
本発明の導体と端子の接続方法の他の態様は、前記所定の位置は、位置合わせした前記導体部に対応する部分であることを特徴とする。
本発明の導体と端子の接続方法の他の態様は、前記樹脂材は金属に対する接着強度が−40℃から125℃の範囲において3MPa以上となるように調製し、さらに前記樹脂材の引張り強度が30MPa以上で、且つ弾性率が200MPa以上、1000MPa以下となるように硬化させることを特徴とする。
本発明の導体と端子の接続方法の他の態様は、前記樹脂材が、シリコン系、アクリル系、ウレタン系、ポリアミド系、または、エポキシ系樹脂であることを特徴とする。
本発明の導体と端子の接続方法の他の態様は、前記導体がアルミニウムまたはアルミニウム合金からなり、前記端子が銅または銅合金からなっていることを特徴とする。
本発明の導体と端子の接続部の態様は、導体の絶縁被覆部および導体部を、前記導体とは異種金属の端子の一部で圧着する導体と端子の接続部において、前記端子から露出された前記導体部を覆うように配置された樹脂部を備え、前記樹脂部の引張り強度が30MPa以上であり、弾性率が200MPa以上、1000MPa以下であることを特徴とする。
本発明の導体と端子の接続部の他の態様は、前記端子は一端に形成された端子本体と、他端に形成され前記絶縁被覆部と圧着される前記第1圧着部と、前記端子本体と前記第1圧着部との間に形成され前記導体部と圧着される第2圧着部とを備え、前記第2圧着部の内面には、前記端子の幅方向にセレーションが形成されると共に、前記端子の長手方向に樹脂材の流動を促す溝部が形成されていることを特徴とする。
本発明の導体と端子の接続部の他の態様は、前記樹脂部が、シリコン系、アクリル系、ウレタン系、ポリアミド系、または、エポキシ系樹脂であることを特徴とする。
本発明の導体と端子の接続部の他の態様は、前記導体がアルミニウムまたはアルミニウム合金からなり、前記端子が銅または銅合金からなっていることを特徴とする。
本発明の端子の態様は、一端に形成された端子本体と、他端に形成された第1圧着部と、前記端子本体と前記第1圧着部との間に形成された第2圧着部とを有する端子において、前記第2圧着部の内面には、前記端子の幅方向にセレーションが形成されると共に、前記端子の長手方向に樹脂材の流動を促す溝部が形成されていることを特徴とする。
本発明の端子の他の態様は、前記溝部は、前記端子の長手方向に複数形成されていることを特徴とする。
本発明の端子の他の態様は、前記第2圧着部は、導体の導体部と位置合わせさせられる底面部と前記底面部から前記端子の幅方向に延伸するように形成させられた2つの側面部を備え、前記溝部は前記底面部および2つの前記側面部にそれぞれ形成されていることを特徴とする。
本発明によると、異種金属である例えばアルミニウムの導体と銅の端子を圧着接続する場合、導体と端子を圧着する前に流動性を有する樹脂を導体もしくは端子に塗布した後、導体と端子を圧着接続し、樹脂を硬化させるので、アルミニウム電線の心線部が密閉されて外部から遮断され、たとえ結露等による被水が生じた場合にも、水がアルミニウム電線と接触することが無いので、安定した電気的特性を維持して異種金属の導体と端子とを接続することができる。
また、圧着接続した後に樹脂を導体に塗布し硬化させる方法と比較して、端子に導体が隠れてしまって完全な樹脂の塗布作業が難しいといった課題も解決でき、また、外観もきれいな仕上がりを実現することができる。そして、樹脂材を必要な部分のみに塗布して、硬化させるので、複雑な製造工程を必要とせず、低コストで導体と端子とを接続することができる。
本発明に係る導体と端子の接続方法の第一の実施形態を示す図である。 本発明に係る導体と端子の接続方法の第二の実施形態を示す図である。 本発明に係る端子構造の第一の実施形態を示す上視図である。 本発明に係る導体と端子の接続部を示す側面図である。 本発明に係る導体と端子の接続部を示す平面図である。 本発明に係る導体と端子の接続部を示す断面図である。 本発明に係る導体と端子の接続部の、信頼性試験前後における接触抵抗値の変動量を示すグラフである。
本発明の実施形態に係る端子、導体と端子の接続部および接続方法を、図1〜図6を用いて以下に説明する。なお、同一機能を有する各構成部については、図示及び説明簡略化のため、同一符号を付して示す。
図1及び図2は、導体と端子の接続方法を説明する図である。図1(a)〜(d)は、樹脂材9を導体部5に塗布してから導体2と端子3を圧着する接続方法を示している。また、図2(a)〜(d)は、樹脂材9を端子3に塗布してから導体2と端子3を圧着する接続方法を示している。
図1(a)は、導体2と端子3を圧着接続する前の段階を示している。導体2は、導体部5(例えば、アルミ二ウム心線など)を絶縁被覆部4で被覆したものであり、端子3に圧着接続するため、導体2の先端部分の絶縁被覆部4が剥ぎ取られ、導体部5が露出している。端子3は、一端に図示しない別のコネクタと電気的に接続される端子本体8が形成され、他端に導体2の絶縁被覆部4と圧着接続される第1圧着部6が形成されている。また、端子本体8と第1圧着部6との間には、導体部5と圧着接続される第2圧着部7が形成されている。なお、端子3の材質としては、銅もしくは黄銅などが考えられ、導体部5の材質としては、アルミニウムやアルミニウム合金などが考えられる。他にも異種金属であれば様々な組合わせが考えられる。
図1(b)は、導体2と端子3を圧着接続する前の段階を示しており、導体2の導体部5を覆うように樹脂材9が塗布されている。樹脂材9は導体部5が露出されている部分をすべて覆うように塗布することが望ましく、露出部分を全て覆うことで圧着接続後においても導体部5が外部から完全に遮断され、安定した電気的特性を維持して異種金属の導体と端子とを接続することが可能となる。
樹脂材9は、ある程度流動性を有するものであれば良く、特に粘度が1000mPa・sから38000mPa・sの範囲内にあるものが特に適している。粘度が1000mPa・sより低い場合には、樹脂材9の流動性が大きくなり、所定の位置に樹脂材9を塗布しても樹脂材9が流れてしまうため、圧着接続後に導体部5を完全に外部から遮断できない。また粘度が38000mPa・sより高い場合には、樹脂材9の流動性がなくなり、圧着接続後に導体部5の露出部を覆うことが難しく、導体部5を外部から完全に遮断できない。
さらに、樹脂材9は、金属に対する接着強度が−40℃から125℃の範囲において3MPa以上であることが望ましい。このような条件になるように樹脂材9を調製することによって、金属に対する接着強度が最適となり、圧着後においても導体部5をより完全に外部から遮断するようにすることができる。なお、樹脂材9の材料としては、シリコン系、アクリル系、ウレタン系、ポリアミド系、またはエポキシ系樹脂を使用することが可能であり、またこれらの樹脂を混合したものを使用することも可能である。
図1(c)は、導体部5を覆うように樹脂材9を塗布した後、導体2と端子3を圧着接続した後を示している。圧着接続は、導体2を端子3の所要の場所に位置合わせし、圧着工具を使用することで、絶縁被覆部4と第1圧着部6が圧着されると同時に、導体部5と第2圧着部7が圧着される。圧着接続後、端子本体8と第2圧着部7の間には切り欠き部11が形成され、第1圧着部6と第2圧着部7の間には切り欠き部12が形成される。そして、圧着接続する際の押圧力で流動性を有する樹脂材9が切り欠き部11、12に押出され、導体部5を完全に外部から遮断できるように導体部5を樹脂材9で覆うことが可能となる。なお、圧着接続する際の押圧力により、導体部5に塗布した樹脂材9が押出され、第2圧着部7と導体部5が電気的に接続されることとなる。
図1(d)は、導体2と端子3を圧着接続した後、樹脂材9を硬化させたものである。樹脂材9に紫外線を当てることや、熱を加えることで、樹脂材9を樹脂材10に硬化させ、異種金属の導体と端子の信頼性の高い接続を実現することが可能となる。また、樹脂材10は、引張り強度が30MPa以上であり、弾性率が200MPa〜1000MPaとなるように硬化させることが特に望ましい。この条件になるように樹脂材9を硬化させることによって、圧着接続後に導体部5を完全に外部から遮断できると共に、長期間、外部環境で使用される場合においても、電気特性の劣化を最小限に抑えることが可能となる。
次に、図2(a)〜(d)を用いて、導体と端子との別の接続方法を説明する。図2(a)〜(d)の接続方法は、図1の接続方法とは、樹脂材9を塗布する場所を異ならせたものである。
図2(a)は図1(a)と同様であり、導体2と端子3を圧着接続する前の段階を示している。図2(b)は、図1(b)とは、樹脂材9を塗布する位置を異ならせたものであり、流動性のある樹脂材9を端子3側に塗布している。より具体的には、導体部5と第2圧着部7を圧着接続する前に位置合わせを行なうが、導体部5が位置合わせさせられる部分に対応するように樹脂材9を第2圧着部7に塗布することとなる。また、樹脂材9の塗布量としては、圧着接続する際の押圧力で流動性を有する樹脂材9が切り欠き部11、12に押出されることによって、導体部5を完全に外部から遮断できる塗布量であればよい。この樹脂材9の塗布量は予め決めておけば、最低限の塗布量で導体部5を完全に外部から遮断することが可能となる。
図2(c)は図1(c)と同様であり、端子3側に樹脂材9を塗布した後、導体2と端子3を圧着接続した後を示している。圧着接続は、導体2を端子3の樹脂材9が塗布されている所要の場所に位置合わせし、圧着工具を使用することで、絶縁被覆部4と第1圧着部6が圧着されると同時に、導体部5と第2圧着部7が圧着される。圧着接続後、端子本体8と第2圧着部7の間には切り欠き部11が形成され、第1圧着部6と第2圧着部7の間には切り欠き部12が形成される。そして、圧着接続する際の押圧力で流動性を有する樹脂材9が切り欠き部11、12に押出されることによって、導体部5を完全に外部から遮断できるように樹脂材9で覆うことが可能となる。なお、圧着接続する際の押圧力により、導体部5に塗布した樹脂材9が押出され、第2圧着部7と導体部5が電気的に接続されることとなる。
図2(d)は図1(d)と同様であり、導体2と端子3を圧着接続した後、樹脂材9を硬化させたものである。樹脂材9に紫外線を当てることや、熱を加えることで、樹脂材9を樹脂材10に硬化させ、異種金属の導体と端子の信頼性の高い接続を実現することが可能となる。また、樹脂材10は、引張り強度が30MPa以上であり、弾性率が200MPa〜1000MPaとなるように硬化させることが特に望ましい。このような条件になるように樹脂材9を硬化させることによって、圧着後に導体部5を完全に外部から遮断できると共に、長期間、外部環境で使用される場合においても、電気特性の劣化を最小限に抑えることが可能となる。
以上のように、異種金属である例えばアルミニウムの導体と銅の端子を圧着接続する場合、導体と端子を圧着する前に流動性を有する樹脂を導体もしくは端子に塗布した後、導体と端子を圧着接続し、樹脂を硬化させるので、アルミニウム電線の心線部が密閉されて外部から遮断され、たとえ結露等による被水が生じた場合にも、水がアルミニウム電線と接触することが無いので、安定した電気的特性を維持して異種金属の導体と端子とを接続することができる。
また、圧着接続した後に樹脂を導体に塗布し硬化させる方法と比較して、端子に導体が隠れてしまって完全な樹脂の塗布作業が難しいといった課題も解決でき、また、外観もきれいな仕上がりを実現することができる。そして、樹脂材を必要な部分のみに塗布して、硬化させるので、複雑な製造工程を必要とせず、低コストで導体と端子とを接続することができる。
次に、異種金属の導体と端子を圧着する前に流動性を有する樹脂を導体2もしくは端子3に塗布する場合の、最適な端子構造について、図3を用いて説明する。図3は圧着する前の端子3を示している。なお、図3では導体2を省略している。
図3の端子3は、一端に図示しない別のコネクタと電気的に接続される端子本体8が形成され、他端に図示しない導体2の絶縁被覆部4と圧着接続される第1圧着部6が形成されている。また、端子本体8と第1圧着部6との間には、図示しない導体2の導体部5と圧着接続される第2圧着部7が形成されている。圧着接続前の第2圧着部7は、導体部5と位置合わせさせられる底面部7(a)と底面部7(a)から端子3の幅方向に延伸するように形成させられた2つの側面部7(b)で形成されている。
さらに、第2圧着部7の内面には、端子3の幅方向に複数のセレーション13が形成されている。このセレーション13は、導体2と端子3が引張られた場合でも、強固な接続が維持できるように凹凸構造となっている。しかしながら、流動性を有する樹脂を導体もしくは端子に塗布した後に圧着接続を行うと、このセレーション13により、端子3の長手方向における樹脂の流動性を阻害することとなる。
そこで、樹脂の流動性を促進するように、第2圧着部7の内面に端子3の長手方向に溝部14を形成する。この溝部14は複数あることが望ましく、特に、圧着接続前の第2圧着部7の底面部7(a)および2つの側面部7(b)にそれぞれ底面溝部14(a)、および側面溝部14(b)を形成させることが好ましい。このように溝部14を形成することで、流動性を有する樹脂を導体もしくは端子に塗布した後に圧着接続した場合においても、圧着接続する際の押圧力で流動性を有する樹脂が溝部14を通って押出され、導体部5を外部から完全に遮断することができる。
次に、図4〜6を用いて、以上説明した接続方法により接続された導体2と端子3の接続部1について説明する。図4は、導体2と端子3の接続部1の側面図であり、図5は、導体2と端子3の接続部1の平面図である。また、図4のA−A断面図、B−B断面図、C-C断面図を図6(a)、図6(b)、図6(c)にそれぞれ示したものである。
図4に示すように導体2と端子3の接続部1は、圧着接続する際の押圧力により切り欠き部11、12から押出された樹脂材9が、第1圧着部6、第2圧着部7にはみ出るように広がり、図示しない導体部5を外部から遮断する。その後、樹脂材9を樹脂材10に硬化させることにより信頼性の高い導体2と端子3の接続部1を実現することができる。
図5に示すように導体2と端子3の接続部1は、第1圧着部6と第2圧着部7の間の切り欠き部12からその導体部の一部5(a)が露出している。更に、第2圧着部7と端子本体8の間の切り欠き部11から、その導体部の一部5(b)が露出している。この露出した導体部の一部5(a)、5(b)は、流動性を有する樹脂材9が圧着接続する際の押圧力により、第1圧着部6、第2圧着部7にはみ出るように広がることによって外部から遮断されることとなる。
図6(a)は図4のA−A断面図を示したものであり、端子本体8と第2圧着部7とにそれぞれ一体的に形成されている連結部15に導体の一部5(b)が配置されている。導体の一部5(b)が全て覆われるように硬化された樹脂材10が配置されている。図6(b)は図4のB−B断面図を示したものであり、流動性を有する樹脂材9が圧着接続する際の押圧力により、第2圧着部7と導体部5の接触面から押し出され、導体部5と第2圧着部7が電気的に接続されることとなる。図6(c)は図4のC−C断面図を示したものであり、第1圧着部6が絶縁被覆部4を圧着しており、樹脂材10が第1圧着部6と絶縁被覆部4の間に一部入り込んでいる。
次に、本発明の導体と端子の接続部を実施例によって更に詳細に説明する。硬化前の樹脂の粘度を1000mPa・sから38000mPa・sの範囲内に調製した時、硬化前の樹脂の金属に対する接着強度、および硬化後の樹脂の引張強度および弾性率をそれぞれ変化させて信頼性試験を行った。信頼性試験前後の接触抵抗値の変動量を測定した結果を表1および図7に示す。
信頼性試験は、はじめに温度120℃の環境下で120時間放置した後、35℃の塩水(5%NaCl)を96時間噴霧した後、温度85℃、湿度95%RHの環境下で96時間放置するものである。そして、信頼性試験前後における接触抵抗値変動の判定基準は、2.5mΩ以下となったものを合格(○)とし、2.5mΩより大きくなったものを不合格(×)とした。
表1は、樹脂の条件である硬化前の樹脂の金属に対する接着強度、および硬化後の樹脂の引張強度および弾性率をA〜T条件のようにそれぞれ変化させ、各条件において接触抵抗値の変動量を測定した結果を示している。また、各条件について、導体と端子の接続部のサンプルをそれぞれ10個づつ作製し、同じ条件での接触抵抗値の変動量の平均値および最小値、最大値をそれぞれ測定した。
また、図7は、表1の結果について横軸をA〜Tの各条件とし、縦軸に接触抵抗値の変動量として、グラフ化したものである。なお、接触抵抗値の変動量の最小値、最大値の範囲を縦の棒軸で表し、平均値を●でプロットしている。
Figure 2011018489
表1および図7から、樹脂材9は、硬化前における金属に対する接着強度が−40℃から125℃の範囲において3MPa以上のとき、接触抵抗値の変動はほぼ安定していることが確認できる。また、硬化後の樹脂材10を引張り強度が30MPa以上、弾性率が200MPa〜1000MPaとなるようにすることによって、信頼性試験前後の接触抵抗値の変動量を、2.5mΩ以下とすることが確認できる。この引張り強度および弾性率が高すぎても低すぎても、端子3または絶縁被覆部4などの線膨張率等の違いにより信頼性試験を行なうと樹脂材10が剥離し、その結果、剥離部分からの水分進入によって腐食が進行し、接触抵抗値が変動する要因になったと思われる。
1 電線と端子の接続部2 導体3 端子4 絶縁被覆部5 導体部6 第1圧着部7 第2圧着部8 端子本体9、10 樹脂材11、12 切り欠き部13 セレーション14 溝部15 連結部

Claims (14)

  1. 導体の絶縁被覆部および導体部を、前記導体とは異種金属の端子の一部で圧着する導体と端子の接続方法において、
    粘度が1000mPa・sから38000mPa・sの範囲内にある樹脂材を調製し、
    前記樹脂材を前記導体部に塗布し、
    前記導体部を前記端子の一部に位置合わせを行い前記導体と前記端子を圧着接続し、
    前記樹脂材を硬化させることを特徴とする導体と端子の接続方法。
  2. 前記樹脂材は、前記導体部のすべての露出部を覆うことを特徴とする請求項1に記載の導体と端子の接続方法。
  3. 導体の絶縁被覆部および導体部を、前記導体とは異種金属の端子の一部で圧着する導体と端子の接続方法において、
    粘度が1000mPa・sから38000mPa・sの範囲内にある樹脂材を調製し、
    前記樹脂材を前記端子の所定の位置に塗布し、
    前記導体部を前記端子の一部に位置合わせを行い前記導体と前記端子を圧着接続し、
    前記樹脂材を硬化させることを特徴とする導体と端子の接続方法。
  4. 前記所定の位置は、位置合わせした前記導体部に対応する部分であることを特徴とする請求項3に記載の導体と端子の接続方法。
  5. 前記樹脂材は金属に対する接着強度が−40℃から125℃の範囲において3MPa以上となるように調製し、さらに前記樹脂材の引張り強度が30MPa以上で、且つ弾性率が200MPa以上、1000MPa以下となるように硬化させることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の導体と端子の接続方法。
  6. 前記樹脂材が、シリコン系、アクリル系、ウレタン系、ポリアミド系、または、エポキシ系樹脂であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の導体と端子の接続方法。
  7. 前記導体がアルミニウムまたはアルミニウム合金からなり、前記端子が銅または銅合金からなっていることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の導体と端子の接続方法。
  8. 導体の絶縁被覆部および導体部を、前記導体とは異種金属の端子の一部で圧着する導体と端子の接続部において、
    前記端子から露出された前記導体部を覆うように配置された樹脂部を備え、
    前記樹脂部の引張り強度が30MPa以上であり、弾性率が200MPa以上、1000MPa以下であることを特徴とする導体と端子の接続部。
  9. 前記端子は一端に形成された端子本体と、他端に形成され前記絶縁被覆部と圧着される前記第1圧着部と、前記端子本体と前記第1圧着部との間に形成され前記導体部と圧着される第2圧着部とを備え、
    前記第2圧着部の内面には、前記端子の幅方向にセレーションが形成されると共に、
    前記端子の長手方向に樹脂材の流動を促す溝部が形成されていることを特徴とする請求項8に記載の導体と端子の接続部。
  10. 前記樹脂部が、シリコン系、アクリル系、ウレタン系、ポリアミド系、または、エポキシ系樹脂であることを特徴とする請求項8または請求項9に記載の導体と端子の接続部。
  11. 前記導体がアルミニウムまたはアルミニウム合金からなり、前記端子が銅または銅合金からなっていることを特徴とする請求項8〜請求項10のいずれか1項に記載の導体と端子の接続部。
  12. 一端に形成された端子本体と、他端に形成された第1圧着部と、前記端子本体と前記第1圧着部との間に形成された第2圧着部とを有する端子において、
    前記第2圧着部の内面には、前記端子の幅方向にセレーションが形成されると共に、
    前記端子の長手方向に樹脂材の流動を促す溝部が形成されていることを特徴とする端子。
  13. 前記溝部は、前記端子の長手方向に複数形成されていることを特徴とする請求項12に記載の端子。
  14. 前記第2圧着部は、導体の導体部と位置合わせさせられる底面部と前記底面部から前記端子の幅方向に延伸するように形成させられた2つの側面部を備え、
    前記溝部は前記底面部および2つの前記側面部にそれぞれ形成されていることを特徴とする請求項13に記載の端子。
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