JP5306972B2 - ワイヤハーネス、ワイヤハーネスの製造方法 - Google Patents

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本発明は自動車等に用いられるワイヤハーネスおよびワイヤハーネスの製造方法に関するものである。
従来、自動車、OA機器、家電製品等分野では、電力線や信号線として、電気導電性に優れた銅系材料からなる導電線が使用されている。特に、自動車分野においては、車両の高性能化、高機能化が急速に進められており、車載される各種電気機器や制御機器が増加している。したがって、これに伴い、使用されるワイヤハーネスも増加する傾向にある。
一方、環境問題が注目される中、自動車の軽量化が要求されている。したがって、ワイヤハーネスの使用量増加に伴う重量増加が問題となる。このため、従来使用されている銅線に代えて、軽量なアルミニウム電線が注目されている。
ここで、このような電線同士を接続する際や機器類等の接続部においては、接続用端子が用いられる。しかし、アルミニウム心線を用いたワイヤハーネスであっても、接続部の信頼性等のため、端子部には、電気特性に優れる銅が使用される場合がある。このような場合には、アルミニウム電線と銅製の端子とが接合されて使用される。
しかし、異種金属を接触させると、標準電極電位の違いから、いわゆる電食が発生する恐れがある。特に、アルミニウムと銅との標準電極電位差は大きいため、接触部への水の飛散や結露等の影響により、電気的に卑であるアルミニウム側の腐食が進行する。このため、接続部における電線と端子との接続状態が不安定となり、接触抵抗の増加や線径の減少による電気抵抗の増大、更には断線が生じて電装部品の誤動作、機能停止に至る恐れがある。
このような異種金属を接続したアルミ電線用端子としては、電線と端子との接続部を覆うように端子に樹脂材を充填した物がある(特許文献1)。
特開2004−111058号公報
しかし、特許文献1の方法では、コネクタ端子全体を完全に樹脂材で覆う必要があり、使用する樹脂材の量が多く、コストを要する。したがって、より簡易な構造で、接触腐食を防止する方法が望まれる。
本発明は、このような問題に鑑みてなされたもので、構造が簡易であり、接続作業性にも優れる、異種金属によるワイヤハーネスおよびワイヤハーネスの製造方法を提供することを目的とする。
前述した目的を達するために第1の発明は、電線導体と、前記電線導体とは異種金属からなる端子とが接続されるワイヤハーネスであって、前記端子の表面は、少なくとも、前記電線導体との接続部、および前記端子と接続される他の端子との接続部を除く部位が塗料により被覆されることを特徴とするワイヤハーネスである。
前記塗料は、乾燥後の標準膜厚が10〜400μmであり、JIS K 7215のタイプD硬度が40〜80であり、−40℃〜125℃における接着強度が3MPa以上であることが望ましい。
前記塗料は、シリコン系、アクリル系、ウレタン系、ポリアミド系、エポキシ系、フッ素系、ポリビニルブチラール系、フェノール系、ポリアミド系、アクリルゴム系のいずれか、またはこれらの混合体であることが望ましい。
前記電線導体と前記端子との接続部は、樹脂材で被覆されてもよい。この場合、前記樹脂材は、−40℃〜125℃における接着強度が3MPa以上、引張強度が30MPa以上、かつ、弾性率が200〜1000MPaであることが望ましい。
第1の発明によれば、簡易な構造であり、接合作業性にも優れ、接触腐食を防止可能なワイヤハーネスを得ることができる。特に、端子には、電線導体との接触部を除いて塗装が施されるため、端子の大部分が被覆される。したがって、端子の表面積(外気等との接触面積)を小さくすることができる。したがって、異種金属の接触に伴う接触腐食の腐食速度を小さくすることができる。
また、塗料の膜厚および硬度が所定範囲であれば、端子の加工時や取扱い時に剥離することがない。また、塗料の接着強度が所定以上であるため使用環境において、塗料が剥離することがない。
また、電線導体と端子との接続部が樹脂材で被覆されれば、さらに確実に腐食を防止することができる。この際、樹脂材の強度および弾性率等を所定範囲とすることで、使用時に、樹脂材が剥離等することがない。
第2の発明は、ワイヤハーネスの製造方法であって、帯状の端子素材の所定範囲に塗料を塗布し、前記端子素材から端子展開材を打ち抜き、前記塗料が塗布されていない部位が、端子の電線圧着部および端子接続部に位置するように、前記端子展開材を端子の形状に加工するとともに前記電線圧着部に電線導体を挿入して、前記電線圧着部により前記電線導体を圧着することで、前記端子と前記電線導体とが接続されることを特徴とするワイヤハーネスの製造方法である。
前記電線導体を前記電線かしめ部に挿入する前に、前記電線導体と前記電線かしめ部のいずれかに、JIS Z 8803による粘度が1000〜38000mPa・sである樹脂材を塗布し、前記電線かしめ部により前記電線導体をかしめた後に、前記樹脂材を硬化させてもよく、または、前記電線導体を前記電線かしめ部に挿入した後に、前記電線導体と前記電線かしめ部のいずれかに、JIS Z 8803による粘度が1000〜38000mPa・sである樹脂材を塗布し、前記電線かしめ部により前記電線導体をかしめた後に、前記樹脂材を硬化させてもよい。
第2の発明によれば、従来の端子加工工程を利用して接触腐食を防止することが可能なワイヤハーネスを製造することができる。特に、端子素材に塗装を行うのみであるため、製造が容易である。
また、端子と電線導体との接合前、または接合後に、接合部に対して樹脂材料を塗布し、接合後に硬化させることで、より確実に接触腐食を防止することができる。
本発明によれば、構造が簡易であり、接続作業性にも優れる、異種金属によるワイヤハーネスおよびワイヤハーネスの製造方法を提供することができる。
ワイヤハーネス1を示す斜視図。 端子3を示す図で、(a)は斜視図、(b)は断面図。 端子素材の表面側を示す図で、(a)は表面の塗装部7を示す図、(b)は、端子打ち抜き部と塗装部7との関係を示す図。 端子素材の裏面側を示す図で、(a)は裏面の塗装部7を示す図、(b)は、端子打ち抜き部と塗装部7との関係を示す図。 プレス後端子素材23を示す図で、(a)は表面図、(b)は裏面図。 端子3と被覆電線5との接続部を示す図で、(a)は断面図、(b)は平面図。 子3と被覆電線5との接続部に樹脂材25を設けた状態を示す図で、(a)は正面図、(b)は正面断面図、(c)は平面図。
以下、図面を参照しながら、本発明の実施形態について説明する。図1は、ワイヤハーネス1を示す斜視図である。ワイヤハーネス1は、端子3および被覆電線5等から構成される。端子3は、銅もしくは黄銅などが使用される。端子3には被覆電線5が接続される。電線導体である被覆電線5は、アルミニウムもしくはアルミニウム合金製の導線が使用される。すなわち、被覆電線5の導線を構成する金属と端子3を構成する金属は異種金属である。なお、以下の説明においては、銅製の端子と、アルミニウム製の(導体を有する)被覆電線5である例について説明する。
被覆電線5の先端は、絶縁被覆が剥離され、内部の導線が露出されている。被覆電線5の被覆部が端子の被覆線圧着部11によって圧着される。また、絶縁被覆が剥離されて露出する導線部は、導線圧着部13により圧着される。導線圧着部13において導線部と端子3とが電気的に接続される。
端子3の先端部には筒状の端子本体15が設けられる。図1は、雌型の端子を示す例であり、端子本体15内部に雄端子が挿入されて電気的に接続される。なお、端子3の詳細は後述する。
端子3の表面(表面側および裏面側を含む)は、一部の非塗装部9を除き、略全面にわたって塗料が塗装された塗装部7となる。導線圧着部13の内面および端子本体15内部の雄端子との接触部が非塗装部9となる。塗装部7は、耐塩水性を有する塗料が塗布されており、絶縁層となる。したがって、導線との接触部である導線圧着部13内面や、雄端子との接触部である端子本体15内面においては、電気的な接触を確保するため、非塗装部9となる。
なお、塗料としては、シリコン系、アクリル系、ウレタン系、ポリアミド系、エポキシ系、フッ素系、ポリビニルブチラール系、フェノール系、ポリイミド系、アクリルゴム系のいずれか、またはこれらの混合物であればよい。
次に、端子3について詳細に説明する。図2は端子3を示す図で、図2(a)は斜視図、図2(b)は断面図である。前述の通り、端子3は、被覆線圧着部11、導線圧着部13、端子本体15等から構成される。端子3と接続される被覆電線の導線を圧着する導線圧着部13の内面側は、非塗装部9となる。また、端子本体15の内部(下部)には、雄端子と接触する端子接触部19が設けられる。すなわち、端子3と接続される雄端子は、端子接触部19の接触面(上面)、端子本体15の両側面(内面)および端子本体15の上面(内面)と接触する。このため、端子接触部19の接触面(上面)、端子本体15の両側面(内面)および端子本体15の上面(内面)は非塗装部9となる。
次に、端子3の製造方法について説明する。図3および図4は帯状の端子素材21を示す図であり、図3(a)、図3(b)は端子素材21の表面側を示し、図4(a)、図4(b)は端子素材21の裏面側を示す図である。端子素材21の所定の部位には、あらかじめ塗料が塗装(プリント)され、塗装部7、非塗装部9が形成される。なお、非塗装部9を形成するためには、例えば、端子素材21の非塗装部を形成したい部位に、あらかじめマスキングを施しておけばよい。
図3(a)に示すように、端子素材21の表面側(端子3の外面を構成する面)には、帯状に塗装部7および非塗装部9が形成される。図3(b)は、図3(a)で示す端子素材21に対して、端子の形状にプレスする際のプレス形状を点線で示した図である。図3(b)に示すように、非塗装部9は、端子プレス型の先端部近傍に位置する。なお、後述するが、非塗装部9に対応する部位は、端子3加工後に端子接触部19(図2(b))の上面側に対応する部位である。
同様に、図4(a)に示すように、端子素材21の裏面側(端子3の内面を構成する面)には、帯状および所定形状に塗装部7および非塗装部9が形成される。図4(b)は、図4(a)で示す端子素材21に対して、端子の形状にプレスする際のプレス形状を点線で示した図である。図4(b)に示すように、非塗装部9は、端子プレス型の中央近傍に位置する。なお、後述するが、非塗装部9に対応する部位は、端子3加工後に、導体圧着部13(図2)内面および端子本体15の両側内面および端子本体15の上側内面に対応する部位である。
図5は、端子素材21からプレスされた、プレス後端子素材23(端子展開材)を示す図で、図5(a)は表面(端子3の外面を構成する面)を示す図であり、図5(b)は裏面(端子3の内面を構成する面)を示す図である。前述のように、プレス後端子素材23の表面においては、端子接触部19(の上面側)に対応する部位に非塗装部9の位置が対応し、プレス後端子素材23の裏面においては、導体圧着部13(内面側)および端子本体15(内面側)が非塗装部9の位置に対応する。プレス後端子素材23は、曲げ加工等により端子形状に加工されるとともに被覆電線5と接続され、ワイヤハーネス1が製造される。
図6は、端子3と被覆電線5とが接続された状態を示す図で、図6(a)は断面図、図6(b)は平面図を示す。前述の通り、被覆電線5の被覆部は被覆線圧着部11で圧着される。また、導線25は導線圧着部13で圧着される。導線圧着部13の内面は非塗装部9であるため、導線25と導線圧着部13とは電気的に接続される。また、前述の通り、端子本体15内面における雄端子との接触面も非塗装部9であるため、雄端子を挿入時には、端子同士が電気的に接続される。
他の部材と電気的に接続する部位(接触部)以外の部位は、端子3の内外面を含めて塗装部7となる。すなわち、端子3の金属面における、外気(外環境)と接触する表面積が小さくなる。通常、標準電極電位の異なる異種金属の接触による接触腐食の腐食速度は、接触する卑な金属の表面積(外部の腐食雰囲気や液体等と接触する表面積)に対する貴な金属の表面積の面積比に比例する。したがって、貴な金属である例えば銅製の端子の表面を塗装部7により被覆し、卑な金属である導線25の表面積よりも小さくすることで、腐食速度を小さくすることができ、防食効果を得ることができる。
なお、塗装は、乾燥時の平均膜厚が10μm〜400μmであることが望ましい。膜厚が10μm未満または400μmを超える場合にでは、端子加工時に塗装部7の剥離や亀裂が生じる恐れがあるためである。なお、上記膜厚を得るためには、JIS Z 8803における流体の粘度の測定方法に準じた塗装前の塗料の粘度が、100mPa・s以上10000mPa・s以下であることが望ましい。塗料の粘度が大きいことで膜厚が一定しないためである。
また、塗装の硬度は、JIS K 7215のタイプD硬度が40〜80であることが望ましい。硬度が小さすぎても、または、大すぎても、端子加工時に塗装が破壊される恐れがあるためである。
さらに、塗装の接着強度は、−40℃〜125℃における接着強度が3MPa以上であることが望ましい。接着強度が低いと、使用時および加工時において塗装が剥離する恐れがあるためである。
以上説明したように、本実施形態のワイヤハーネス1によれば、異種金属の接触に伴う接触腐食の腐食速度を小さくすることにより、効率良く防食効果を得ることができる。すなわち、従来のような、接触部全体を被覆して防食するものとは思想が異なり、両金属の表面積比を小さくすることで、防食速度を抑えるものである。特に、端子素材にあらかじめ塗装部7を設けるのみであるため、特殊な工程が必要ではなく、簡易に製造が可能である。
次に、第2の実施形態にかかるワイヤハーネス30について説明する。図7は、ワイヤハーネス30を示す図で、図7(a)は側面図、図7(b)は側面断面図、図7(c)は平面図を示す。なお、以下の説明において、図1等に示すワイヤハーネス1と同一の機能を奏する構成には、同一の符号を付し、重複した説明を省略する。ワイヤハーネス30はワイヤハーネス1と略同様の構成であるが、樹脂材27が設けられる点で異なる。
ワイヤハーネス30は、さらに防食効果を得るために、導線25と導線圧着部13との接合部に、耐塩水性(絶縁性)の樹脂材27が設けられる。すなわち、図7(b)、図7(c)に示すように、樹脂材27が端子3内部まで充填され、露出している異種金属の接触部(導線25および導線圧着部13)が被覆される。樹脂材27としては、−40℃〜125℃における端子3等に対する接着強度が3MPa以上、引張強度が30MPa以上、かつ、弾性率が200〜1000MPaであることが望ましい。樹脂材27の接着強度が小さいと、使用時等において樹脂材27が剥離脱落する恐れがあり、弾性率および引張強度が上記範囲から外れると、樹脂材27の破損や剥離が生じやすくなるため望ましくない。また、樹脂材27の吸水率(沸騰水で2時間における)は5%以下であることが望ましい。
このような樹脂材料27としては、例えば、シリコン系、アクリル系、ウレタン系、ポリアミド系、エポキシ系等、またはこれらの混合樹脂を使用することができる。
樹脂材27を設けるには、たとえば、前述の方法で製造された端子3および被覆電線5を接続し、接続された状態で、導線25および導体圧着部13を被覆するように、硬化前の樹脂材27を塗布する。この場合、硬化前の樹脂材料として、JIS Z 8803における流体の粘度の測定方法に準じた粘度が5000mPa・s〜20000mPa・sの範囲に調整した物が用いられる。粘度が低すぎると、樹脂材27の塗布後に樹脂材27が流れてしまい、粘度が大きすぎると、導線25と導線圧着部13との接合部近傍の隙間に充填されずに、樹脂材27が完全に接続部を被覆することが困難となるためである。
樹脂材27の塗布後、前述したような接着強度、引張強度、弾性率が得られるように、紫外線、熱等を加えることで樹脂材27を硬化させる。以上により、樹脂材27が設けられる。なお、端子3には、端子本体15と被覆電線5との接続部との境界に突起17が形成されるため、突起17が堰となり、樹脂材27が端子本体15内部に流出することがない。
第2の実施の形態にかかるワイヤハーネス30によれば、ワイヤハーネス1と同様の効果を得ることができる。また、樹脂材27が設けられ、導線25と端子3との接触部が被覆されるため、より確実に腐食を防止することができる。なお、図7においては、接続部全体を覆うように樹脂材27を設けたが、前述の通り、端子3には塗装部7が形成され、腐食速度が抑えられているため、導線25および非塗装部9の露出部のみが被覆されれば良い。したがって、樹脂材27の使用量を最低限に抑えることができる。なお、樹脂材27が破損した場合であっても、前述した腐食速度の抑制による防食効果により、接触腐食を抑制できることは言うまでもない。
また、樹脂材27は、導線25と端子3との接続前に塗布することもできる。たとえば、導線25または導線圧着部13の非塗装部9にあらかじめ樹脂材27を塗布しておき、この状態で、導線25と端子3とを接続してもよい。塗布された樹脂材27は、導線圧着部13によって導線25をかしめる際に、樹脂材27が周囲に押し出されて導線25と導線圧着部13とが電気的に接続される。
周囲に押し出された樹脂材27は、導線圧着部13と被覆線圧着部11との間の隙間や、導線25の先端部方向に流れる。なお、導線25と端子3との接続前に樹脂材27を確実に設ける場合には、硬化前の樹脂材料として、JIS Z 8803における流体の粘度の測定方法に準じた粘度が1000mPa・s〜38000mPa・sの範囲に調整した物が用いられる。粘度が低すぎると、接続前に樹脂材27が流れてしまい、粘度が大きすぎると、導線25と導線圧着部13との接合部近傍の隙間に押し出されずに、樹脂材27が完全に接続部を被覆することが困難となるためである。
図6に示すような、塗装部7および非塗装部9を有する端子3と被覆導線5とが接合されたワイヤハーネスを用い、腐食環境下における抵抗変動値を調査した。試験に供するワイヤハーネスは、端子が銅製であり被覆電線の導線がアルミニウム製である。
まず、使用される端子の所定位置(図1〜図5等に示す位置)にはあらかじめJIS Z 8803における流体の粘度の測定方法に準じた粘度が10000mPa・s以下に調整された塗料を塗装した。塗料としては、シリコン系、アクリル系、ウレタン系、ポリアミド系、エポキシ系の樹脂を、乾燥後の塗膜について、JIS K 7215のタイプD硬度が40以下〜80以上の所望の硬度等になるように調合した。なお、乾燥後の−40℃〜125℃における接着強度は、全て3MPa以上であった。また、乾燥後の塗膜の厚さを10〜600以上まで変化させた。
試験条件としては、120℃の高温暴露120時間、塩水噴霧(5%NaCl)35℃x96時間、高温高湿85℃、95%RHx96時間の信頼性試験を行い、試験前後の接触抵抗値の変動率を調査した。結果を表1に示す。
Figure 0005306972
抵抗変動値が、2.5mΩ以下のものを合格(表中○)とし、抵抗変動値が2.5mΩを超えるものを不合格(表中×)と評価した。表1より明らかなように、乾燥後の標準膜厚が10〜400μmであり、JIS K 7215のタイプD硬度が40〜80であり、−40℃〜125℃における接着強度が3MPa以上であるNo.4〜No.6は腐食が抑制された。一方、上述の範囲を超えるものは、2.5mΩ以上の抵抗変動値となった。なお、詳細な結果は省略するが、塗料の種類によらず、上述の特性値を満足すれば、同様な高い防食効果を得ることが分かった。
以上、添付図を参照しながら、本発明の実施の形態を説明したが、本発明の技術的範囲は、前述した実施の形態に左右されない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
1、30………ワイヤハーネス
3………端子
5………被覆導線
7………塗装部
9………非塗装部
11………被覆線圧着部
13………導線圧着部
15………端子本体
17………突起
19………端子接触部
21………端子素材
23………プレス後端子素材
25………導線
27………樹脂材

Claims (8)

  1. 絶縁被覆される電線導体と、前記電線導体とは異種金属からなる端子とが接続されるワイヤハーネスであって、
    前記端子の表面は、少なくとも、前記電線導体との接続部、および前記端子と接続される他の端子との接続部を除く部位が塗料により被覆されることを特徴とするワイヤハーネス。
  2. 前記塗料は、乾燥後の標準膜厚が10〜400μmであり、JIS K 7215のタイプD硬度が40〜80であり、−40℃〜125℃における接着強度が3MPa以上であることを特徴とする請求項1記載のワイヤハーネス。
  3. 前記塗料は、シリコン系、アクリル系、ウレタン系、ポリアミド系、エポキシ系、フッ素系、ポリビニルブチラール系、フェノール系、ポリアミド系、アクリルゴム系のいずれか、またはこれらの混合体であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のワイヤハーネス。
  4. 前記電線導体と前記端子との接続部は、樹脂材で被覆されることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれかに記載のワイヤハーネス。
  5. 前記樹脂材は、−40℃〜125℃における接着強度が3MPa以上、引張強度が30MPa以上、かつ、弾性率が200〜1000MPaであることを特徴とする請求項4記載のワイヤハーネス。
  6. ワイヤハーネスの製造方法であって、
    帯状の端子素材の所定範囲に塗料を塗布し、前記端子素材から端子展開材を打ち抜き、
    前記塗料が塗布されていない部位が、端子の電線圧着部および端子接続部に位置するように、前記端子展開材を端子の形状に加工するとともに前記電線圧着部に電線導体を挿入して、前記電線圧着部により前記電線導体を圧着することで、前記端子と前記電線導体とが接続されることを特徴とするワイヤハーネスの製造方法。
  7. 前記電線導体を前記電線圧着部に挿入する前に、前記電線導体と前記電線かしめ部のいずれかに、
    JIS Z 8803による粘度が1000〜38000mPa・sである樹脂材を塗布し、
    前記電線圧着部により前記電線導体を圧着した後に、前記樹脂材を硬化させることを特徴とする請求項6記載のワイヤハーネスの製造方法。
  8. 前記電線導体を前記電線圧着部に挿入した後に、前記電線導体と前記電線圧着部のいずれかに、
    JIS Z 8803による粘度が5000〜20000mPa・sである樹脂材を塗布し、
    前記電線圧着部により前記電線導体を圧着した後に、前記樹脂材を硬化させることを特徴とする請求項6記載のワイヤハーネスの製造方法。
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