JP5203274B2 - 電線と端子の接続部および接続方法 - Google Patents

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Description

この発明は、異種金属からなる電線と端子の接続部および接続方法、特にアルミニウム電線(導体にアルミニウムまたはアルミニウム合金を用いた電線)と接続に用いられる銅製の端子の接続部および接続方法に関する。
自動車、OA機器、家電製品の分野において、電気伝導性に優れた銅系材料からなる心線を有する銅電線が信号線、電力線として使用されてきた。中でも自動車分野においては、車輌の高性能・高機能化が急速に進められてきていることから、車載される各種電気機器、制御機器等の増加に伴って使用される銅電線も増加する傾向にあるのが現状である。このような状況下で車輌の軽量化により燃費効率を向上させようとする場合、銅電線と比較してより軽量で安価なアルミニウム電線が自動車分野において特に注目されている。
しかし、実際にアルミニウム系材料からなる心線を有するアルミニウム電線を自動車用として用いる場合、異種金属接触腐食などの電食が生じる。即ち、アルミニウムは水および銅イオンの存在下では、通常の電食を超える激しい腐食を受ける。なお、アルミニウム電線に限らず、配線工事を行う場合には、電線同士の接続や電線と外部電気機器の端子との接続、あるいは外部電気機器と接続するために電線に接続用端子を装着する必要がある。これらの端子や電線類は前述の通り電気的特性に優れた銅で形成されたものが多い。このため、アルミニウムと銅とを接触・接合しなければならない場合が生じる。
実開04−099364号公報
しかしアルミニウムと銅のように標準電極電位の相違する異種金属を接合させた場合、この接触・接合部において上述したような電食が発生する。特に、アルミニウム心線部と接続されるコネクタ類との間の相互の標準電極電位差が大きい。このため雨天の走行や洗車、あるいは結露などによって被水した場合には、電気的に卑であるアルミニウム心線部のイオン化が進行して腐食が促進する。その結果、末端部の接触状態が悪化して電気的特性が不安定になる他、接触抵抗の増大や腐食による線径の減少により電気抵抗の増大、更には断線が生じて電装部品の誤動作、機能停止に至ることも考えられる。
このような電食を防止する従来の方法として、コネクタ端子に樹脂などの防水剤を充填してモールディングする方法(実開04−099364号公報)や防水コネクタを用いる方法などがある。しかし、モールディングを施す場合、金型に異種金属接続箇所をインサートし、モールドしなければならなく、加工プロセスが複雑となり、使用樹脂量も多いためコストが高くなる。
また、防水コネクタを用いる場合においても、従来防水コネクタが不要とされる部位に防水コネクタを使用することは大幅なコストアップを招くと共に、振動疲労や経年劣化で亀裂などが生じた場合、この亀裂部から雨水等が防水コネクタ内にいったん浸入すると、逆に電食を促進する結果となる。
従って、この発明の目的は、従来の問題点を解決して、結露等によって被水した場合でも、アルミニウム電線の電食の発生を防止して、アルミニウム電線と銅端子のような異種金属からなる電線と端子を、低コストで安定した電気的特性を維持して接続することができる電線と端子の接続部および接続方法を提供することにある。
本発明者は、上述した従来の問題点を解決すべく鋭意研究を重ねた。その結果、以下のことが判明した。
即ち、イオン化傾向の大きい金属を、イオン化傾向の小さい金属に接触させておくことにより、イオン化傾向の大きい金属が犠牲的に腐蝕し、イオン化傾向の小さい金属の腐蝕を抑制する、即ち、イオン化傾向の大きい金属が先に腐蝕して電子を放出して、イオン化傾向の小さい金属に電子を供給し、イオン化傾向の小さい金属の電子放出を妨げることによって防食効果が得られる。
具体的には、アルミニウムまたはアルミニウム合金製の電線導体と、銅または銅合金製の端子と、亜鉛または亜鉛合金との間のイオン化傾向は、亜鉛または亜鉛合金>アルミニウムまたはアルミニウム合金(電線導体)>銅または銅合金(端子)の関係になるので、亜鉛または亜鉛合金の金属材を使用して、電線導体、端子と接触させることによって、亜鉛または亜鉛合金の金属材が犠牲的に腐蝕して、電線導体、端子の腐蝕を防止することができる。
この発明は、上記研究結果に基づいてなされたものであって、この発明の電線と端子の接続方法の第1の態様は、電線の絶縁被覆部および露出した電線導体部を、前記電線導体部と異種金属である端子の一方の端部に装着し、
前記端子の一部および露出した前記電線導体部を包むように、前記電線導体部および前記端子よりも卑な金属材からなる円筒状物を装着し、
前記端子の前記一部、前記露出した電線導体部および前記円筒状物を相互に接触した状態で機械的にかしめて圧着させて形成する、電線と端子の接続方法である。
この発明の電線と端子の接続方法の第2の態様は、前記円筒状物は、前記端子に対応する側面の一部に開口部を備え、前記円筒状物の長さは、前記端子内に装着される前記電線導体部の長さ以上である、電線と端子の接続方法である。
この発明の電線と端子の接続方法の第3の態様は、絶縁被覆部および露出した電線導体部からなる電線の前記電線導体部の外表面を包むように金属材からなる円筒状物を装着し、
前記電線導体部と異種金属である端子の一方の端部に、前記電線導体部および前記端子よりも卑な金属材である前記円筒状物を装着した前記電線導体部を装着し、
前記端子の前記一部、前記電線導体部および前記円筒状物を機械的にかしめて圧着させて形成する、電線と端子の接続方法である。
この発明の電線と端子の接続方法の第4の態様は、前記円筒状物は、切り欠き部の無い円筒形状からなり、前記円筒状物の長さは、露出した前記電線導体部の長さ以上である、電線と端子の接続方法である。
この発明の電線と端子の接続方法の第5の態様は、電線の絶縁被覆部および露出した電線導体部を、前記電線導体部と異種金属である端子の一方の端部に装着し、
前記電線導体部を覆うように、前記端子の一部を機械的にかしめて、前記電線導体部と前記端子とを圧着し、
前記電線導体部を覆うように圧着した前記端子の外周面に、前記電線導体部および前記端子よりも卑な金属からなる犠牲電極部材を取り付けて形成する、電線と端子の接続方法である。
この発明の電線と端子の接続方法の第6の態様は、前記電線導体がアルミニウムまたはアルミニウム合金からなり、前記端子が銅または銅合金からなり、前記円筒形状物が亜鉛または亜鉛合金からなっている、電線と端子の接続方法である。
この発明の電線と端子の接続方法の第7の態様は、前記犠牲電極部材が単体または複数の部材からなり、前記電線導体部と前記端子の圧着部およびその近傍に取り付けられる、電線と端子の接続方法である。
この発明の電線と端子の接続部の第1の態様は、端子と、電線導体部および絶縁被覆部が前記端子に圧着されて接続された前記端子と異種金属の電線と、前記端子から露出した前記電線導体部および少なくとも前記端子の一部を覆うように圧着された、前記電線および前記端子よりも卑な金属部材を備えた、導体と端子の接続部である。
この発明の電線と端子の接続部の第2の態様は、前記金属部材は、前記端子に対応する側面の一部に開口部を備え、前記金属部材の長さは、前記端子内に装着される前記電線導体部の長さ以上である、電線と端子の接続部である。
この発明の電線と端子の接続部の第3の態様は、絶縁被覆部および露出した電線導体部からなる電線と、
前記電線導体部の外表面を包むように圧着された金属部材と、
その内部に前記電線導体部が包まれた前記金属部材の一部を覆うように機械的にかしめて圧着された、前記電線と異種金属の端子とを備え、前記金属部材が前記電線および前記端子よりも卑な金属である、電線と端子の接続部である。
この発明の導体と端子の接続部の第4の態様は、前記金属部材は、切り欠き部が無く、前記金属部材の長さは、露出した前記電線導体部の長さ以上である、電線と端子の接続部である。
この発明の電線と端子の接続部の第5の態様は、端子と、電線導体部および絶縁被覆部が前記端子に圧着されて接続された前記端子と異種金属の電線と、
前記電線導体部を覆うように圧着した前記端子の外周面に取り付けられた、前記電線導体部および前記端子よりも卑な金属部材からなる犠牲電極部材とを備えた電線と端子の接続部である。
この発明の電線と端子の接続部の第6の態様は、前記電線導体がアルミニウムまたはアルミニウム合金からなり、前記端子が銅または銅合金からなり、前記円筒形状物が亜鉛または亜鉛合金からなっている、電線と端子の接続部である。
この発明によると、結露等によって被水した場合でも、アルミニウム電線の電食の発生を防止して、アルミニウム電線と銅端子のような異種金属からなる電線と端子を、低コストで安定した電気的特性を維持して接続することができる電線と端子の接続部および接続方法を提供することができる。
この発明によると、露出した電線導体および異種金属の端子の一部を、これらの材料よりも卑な金属材からなる円筒状物で包むように装着し、電線導体、端子および円筒状物が相互に接触した状態で機械的にかしめて圧着するので、円筒状物が犠牲的に腐蝕して、電線導体、端子の腐蝕を防止することができる。
更に、露出した電線導体の外表面を包むように、電線導体および端子よりも卑な金属材からなる円筒状物を装着し、次いで、電線導体に装着された円筒状物を異種金属である端子に装着し、機械的にかしめて圧着するので、円筒状物が犠牲的に腐蝕して、電線導体、端子の腐蝕を防止することができる。
更に、露出した電線導体を異種金属である端子の一方の端部に装着し、機械的に圧着し、このように圧着した端子の外周面に、電線導体部および端子よりも卑な金属からなる犠牲電極部材を取り付けるので、犠牲電極部材が犠牲的に腐蝕して、電線導体、端子の腐蝕を防止することができる。
図1は、この発明の電線と端子の接続部の1つの態様を説明する摸式図である。 図2は円筒状物の1つの態様を説明する斜視図である。図2(a)は、開口部を備えていない円筒状物、図2(b)は、開口部を備えた円筒状物である。 図3は、この発明の電線と端子を接続する方法の1つの態様を説明する図である。 図4は、この発明の電線と端子を接続する方法の他の1つの態様を説明する図である。 この発明の電線と端子を接続する方法の他の1つの態様を説明する図である。 図6は、この発明の電線と端子を接続する方法の他の1つの態様を説明する図である。 図7は、図6(b)に示す、単体の亜鉛または亜鉛合金の板材が端子の外周面に取り付けられた接続部が、コネクタに接続される状態を示す図である。
この発明の電線と端子の接続部および接続方法の態様について図面を参照しながら詳細に説明する。
この発明の電線と端子の接続方法の1つの態様は、電線の絶縁被覆部および露出した電線導体部を、前記電線導体部と異種金属である端子の一方の端部に装着し、前記端子の一部および露出した前記電線導体部を包むように、前記電線導体部および前記端子よりも卑な金属材からなる円筒状物を装着し、前記端子の前記一部、前記露出した電線導体部および前記円筒状物を相互に接触した状態で機械的にかしめて圧着させて形成する、電線と端子の接続方法である。
この発明の電線と端子の接続部の1つの態様は、端子と、電線導体部および絶縁被覆部が前記端子に圧着されて接続された前記端子と異種金属の電線と、前記端子から露出した前記電線導体部および少なくとも前記端子の一部を覆うように圧着された、前記電線および前記端子よりも卑な金属部材を備えた、導体と端子の接続部である。
図1は、この発明の電線と端子の接続部の1つの態様を説明する摸式図である。図2は円筒状物の1つの態様を説明する斜視図である。図2(a)は、開口部を備えていない円筒状物、図2(b)は、開口部を備えた円筒状物である。
銅または銅合金製の端子3(以下、銅製の端子について説明するが、銅合金製の端子でも同じことが言える)は、銅または銅合金板(以下、同様に銅板について説明する)をプレス加工によって形成した端子本体9、第1圧着部6、および第2圧着部7を備えている。アルミニウムまたはアルミニウム合金製の電線(以下、アルミニウム電線について説明するが、アルミニウム合金電線でも同じことが言える)2は、絶縁被覆部4および(後述する)電線導体部を備えている。
端子3の第1圧着部6は、アルミニウム電線2の絶縁被覆部4を機械的にかしめて圧着する1対の矩形の片部かならっている。端子3の第2圧着部7は、アルミニウム電線2の(後述する)アルミニウム電線導体部5を機械的にかしめて圧着する1対の矩形の別の片部からなっている。第1圧着部6と第2圧着部7の間、および、第2圧着部7と端子本体9の間は、それぞれ上端部が切り取られた切り欠き部10、11を備えている。
このようにしてアルミニウム電線導体部5が端子3に圧着された状態で、アルミニウム電線導体部5および端子3よりも卑な金属製の円筒状物8を、第1圧着部6、第2圧着部7を覆うようにして装着している。卑な金属製の円筒状物8は、更に圧着されて、切り欠き部10、11から露出したアルミニウム電線導体部5および端子3と相互に接触している。
図1に示す態様のこの発明の電線と端子の接続部は、アルミニウム電線導体部5、端子3、円筒状物8が相互に接触しているので、円筒状物8が犠牲的に腐蝕して、電線導体部5、端子3の腐蝕を防止することができる。
即ち、異種金属であるアルミニウム電線導体部5と端子3は、電解質の性質を有する液中、または湿度環境下で腐蝕が促進される。即ち、海中、海岸地域、融雪剤散布地域で、海塩環境が腐蝕を促進する。このような海塩環境下での防食方法として、犠牲防食法がある。犠牲防食法によると、イオン化傾向の大きい金属を、イオン化傾向の小さい金属に接触させておくことにより、イオン化傾向の大きい金属が犠牲的に腐蝕し、イオン化傾向の小さい金属の腐蝕を抑制する。
即ち、イオン化傾向の大きい金属が先に腐蝕して電子を放出して、イオン化傾向の小さい金属に電子を供給し、イオン化傾向の小さい金属の電子放出を妨げる。イオン化傾向は、金属の電極電位(=腐蝕電位)で示され、電極電位が卑(マイナス“−”方向)であるとき、イオン化傾向が大きく、電極電位が貴(プラス“+”方向)であるとき、イオン化傾向が小さい。
海塩中のイオン化傾向として、亜鉛または亜鉛合金、アルミニウムまたはアルミニウム合金、銅または銅合金の間には次の関係がある。
亜鉛または亜鉛合金>アルミニウムまたはアルミニウム合金>銅または銅合金
この発明においては、電線導体部5はアルミニウム、端子3は銅であるので、上述した円筒状物8は、亜鉛または亜鉛合金が好ましい。従って、上述したように、この発明の電線と端子の接続部は、アルミニウム電線導体部5、端子3、円筒状物8が相互に接触しているので、円筒状物8が犠牲的に腐蝕して、電線導体部5、端子3の腐蝕を防止することができる。
なお、腐蝕速度は、貴な金属と卑な金属の表面積の比率に大きく依存することが知られており、貴な金属の表面積の比率が高くなるほど、腐蝕速度が高くなる。従って表面積比:(貴な金属の表面積)/(卑な金属の表面積)を出きるだけ小さくすることによってより効果的に電線導体、端子の腐蝕を防止することができる。
図3は、この発明の電線と端子を接続する方法の1つの態様を説明する図である。図3に示すように、アルミニウム電線2は、アルミニウム電線導体部5および絶縁被覆部4からなり、先端部にアルミニウム電線導体部5が露出している。アルミニウム電線導体部5は、通常多数のアルミニウム細線の撚線からなっている。端子3は、一方の端末に他の部材と電気的に接続される端子本体9、アルミニウム電線2の絶縁被覆部4を機械的にかしめて圧着する1対の矩形の片部からなる第1圧着部6、および、アルミニウム電線2のアルミニウム電線導体部5を機械的にかしめて圧着する1対の矩形の別の片部からなる第2圧着部7を備えている。
アルミニウム電線2は、端子3に装着され、絶縁被覆部4が1対の矩形の片部からなる第1圧着部6によって機械的にかしめられて固定される。第1圧着部6の内面と絶縁被覆部4の外面の間は間隙が生じないように固定されるのが好ましい。絶縁被覆部4が除去されたアルミニウム電線導体部5は、1対の矩形の別の片部からなる第2圧着部7によって機械的にかしめられて固定される。第2圧着部7の内面とアルミニウム電線導体部5の外面の間は、同様に、間隙が生じないように固定されるのが好ましい。
このように、アルミニウム電線2が端子3に固定された状態で、アルミニウム電線2および端子3よりも、イオン化傾向の大きい金属の円筒状物8を、少なくとも第1圧着部6および第2圧着部7を覆うように、端子3に装着し、円筒状物8、端子3、アルミニウム電線2を一括してかしめて、電線と端子を接続する。この態様の電線と端子の接続部においては、アルミニウム電線導体部5、端子3、円筒状物8が相互に接触しているので、円筒状物8が犠牲的に腐蝕して、電線導体部5、端子3の腐蝕を防止することができる。
図3を参照して説明した態様に使用する円筒状物8は、図2を参照して説明したように、開口部12を備えている円筒状物8、開口部を備えていない円筒状物8の何れも使用することができる。開口部12を備えた円筒状物8を使用することによって、例えば円筒状物8の開口部12を第2圧着部7に対応する位置に容易に配置することが可能になり、位置決めが簡単にできる。
図4は、この発明の電線と端子を接続する方法の他の1つの態様を説明する図である。この態様においても、銅製の端子3は、銅板をプレス加工によって形成した端子本体9、第1圧着部6、および第2圧着部7を備えている。同様に、アルミニウム電線2は、絶縁被覆部4およびアルミニウム電線導体部5を備えている。
この態様では、先ず、アルミニウム電線2のアルミニウム電線導体部5に、アルミニウム電線本体部5および端子3の材質よりもイオン化傾向の大きい金属の円筒状物8を装着し、機械的にかしめて圧着する。次いで、このようにアルミニウム電線導体部5に金属の円筒状物8を装着した状態で、端子3に装着する。即ち、金属の円筒状物8を装着したアルミニウム電線2は、端子3に装着され、絶縁被覆部4が1対の矩形の片部からなる第1圧着部6によって機械的にかしめられて固定される。金属の円筒状物8を装着したアルミニウム電線導体部5は、1対の矩形の別の片部からなる第2圧着部7によって機械的にかしめられて固定される。この際、端子3の1対の矩形の片部および別の片部がアルミニウム電線導体部5に直接接触しないように留意する。
この態様の電線と端子の接続部においても、アルミニウム電線導体部5、端子3、円筒状物8が相互に接触しているので、円筒状物8が犠牲的に腐蝕して、電線導体部5、端子3の腐蝕を防止することができる。
図5は、この発明の電線と端子を接続する方法の他の1つの態様を説明する図である。図5(a)に示すように、アルミニウム電線導体部5および絶縁被覆部4からなり、先端部にアルミニウム電線導体部5が露出しているアルミニウム電線2を、端子3に装着する。アルミニウム電線2は、端子3に装着され、絶縁被覆部4が1対の矩形の片部からなる第1圧着部6によって機械的にかしめられて固定される。絶縁被覆部4が除去されたアルミニウム電線導体部5は、1対の矩形の別の片部からなる第2圧着部7によって機械的にかしめられて固定される。図5(b)に示すように、異種金属であるアルミニウム電線2と銅端子3とを接続する。
次いで、図5(c)に示すように、上述したように異種金属であるアルミニウム電線2と銅端子3とを接続した状態で、端子3の外周面に、アルミニウム電線2及び端子3よりもイオン化傾向の大きい金属である亜鉛または亜鉛合金の板材を取り付ける。即ち、端子本体部9の上面および側面には、対応する形状、即ち、断面コの字形の亜鉛または亜鉛合金板材13を、それぞれの面が接触するように取り付ける。第1圧着部6の上面および側面には、同様に対応する形状、即ち、断面コの字形の亜鉛または亜鉛合金板材15を、それぞれの面が接触するように取り付ける。第2圧着部7の上面および側面には、同様に対応する形状、即ち、断面コの字形の亜鉛または亜鉛合金板材14を、それぞれの面が接触するように取り付ける。その結果、図5(d)に示すように、端子3によって圧着固定されたアルミニウム電線2の外側を、端子3と亜鉛または亜鉛合金板材13、14、15が接触するように装着する。
断面コの字形の亜鉛または亜鉛合金板材13、14、15と端子3の各部との取り付けは、それぞれの対応する面に凹凸面を形成して、相互に嵌合させることによって、行うことができる。犠牲材である亜鉛または亜鉛合金板材13、14、15が接続部に対して位置ずれを起こすと防食効果が低下するので、係止部を設けて係止することが重要である。この態様によると、従来用いていた方法によって、異種金属であるアルミニウム電線2と銅端子3とを接続し、その状態で、更に、端子3の外周面に、アルミニウム電線及び端子よりもイオン化傾向の大きい金属である亜鉛または亜鉛合金の板材13、14、15を取り付けるだけで、アルミニウム電線導体部5、端子3、亜鉛または亜鉛合金板材13、14、15が相互に接触しているので、亜鉛または亜鉛合金板材13、14、15が犠牲的に腐蝕して、電線導体部5、端子3の腐蝕を防止することができる。
図6は、この発明の電線と端子を接続する方法の他の1つの態様を説明する図である。図5を参照して説明した態様は、犠牲材である亜鉛または亜鉛合金板材が複数の部材からなっていたが、図6に示す態様では、犠牲材である亜鉛または亜鉛合金板材が単体の部材からなっている。
図6(a)は、異種金属であるアルミニウム電線に接続された銅端子と、端子の外周面に取り付けられる、亜鉛または亜鉛合金の板材の単体を示す図である。図6(b)は、異種金属であるアルミニウム電線と銅端子とを接続した状態で、端子の外周面に、亜鉛または亜鉛合金の板材を取り付けた状態を示す斜視図である。図6(c)は、図6(b)の裏面から見た斜視図である。取り付けに際しては、図6(a)に示す亜鉛または亜鉛合金の板材の下端の一部を折り曲げて、アルミニウム電線に接続された銅端子に装着する。詳細については、図5を参照して説明した通りである。
図7は、図6(b)に示す、単体の亜鉛または亜鉛合金の板材が端子の外周面に取り付けられた接続部が、コネクタに接続される状態を示す図である。図7(a)は、接続前のコネクタと、端子の外周面に犠牲材が取り付けられた電線と端子の接続部とを示す図である。図7(b)は、コネクタに接続された、犠牲材が取り付けられた電線と端子の接続部を示す図である。図7(c)は、コネクタに接続された、犠牲材が取り付けられた電線と端子の接続部を示す断面図である。図7に示すように、異種金属であるアルミニウム電線2と銅端子3とを接続した接続部における端子3の外周面に、亜鉛または亜鉛合金の板材13を取り付けた状態で、コネクタ16に接続することができる。その際、機能的、電気的に何ら支障を生じることなく接続が可能である。
次に、実施例によって、この発明の電線と端子の接続部および接続方法を説明する。従来の防食対策を施さない電線と端子の接続部、および、上述したこの発明の各種態様の電線と端子の接続部に対して、それぞれ塩水噴霧を48時間行い、圧着部(接続部)の接触抵抗の変動を調べた。防食の効果を判定する方法として、米国防省Military Standard MIL-STD202G-METHOD101に規定される塩水噴霧試験によって行った。その結果は次の通りである。
図1から4を参照して説明した態様の電線と端子の接続部と、従来の防食対策を施さない電線と端子の接続部の接触抵抗の変動は、従来の防食対策を施さない電線と端子の接続部の接触抵抗の変動が400%〜1000%の範囲内であったのに対して、この発明の円筒状物を備えた電線と端子の接続部の接触抵抗の変動は200%以下であった。なお、接触抵抗の変動は、初期値に対する変動率で示した。
次に、図1から4を参照して説明した態様の電線と端子の接続部と、従来の防食対策を施さない電線と端子の接続部の接触抵抗の変動を調べた。従来の防食対策を施さない電線と端子の接続部の表面積比は、10であり、従来の防食対策を施さない電線と端子の接続部の接触抵抗の変動が400%から断線に至るものであった。これに対して、亜鉛合金板材を取り付けたこの発明の電線と端子の接続部の表面積比は、3であり、亜鉛合金板材を取り付けたこの発明の電線と端子の接続部の接触抵抗の変動は、200%以下であった。 なお、表面積比は、次の通りである。
表面積比:
(貴な金属表面積)/(卑な金属表面積)=(端子材表面積)/(電線および亜鉛合金板材の表面積)
接触抵抗の変動は、同様に、初期値に対する変動率で示した。
上述した比較実験によって、この発明の電線と端子の接続部は、著しく優れた腐蝕防止効果があることが実証されている。
上述したように、この発明によると、結露等によって被水した場合でも、アルミニウム電線の電食の発生を防止して、アルミニウム電線と銅端子のような異種金属からなる電線と端子を、低コストで安定した電気的特性を維持して接続することができる電線と端子の接続部および接続方法を提供することができる。
1 電線と端子の接続部
2 アルミニウム電線
3 端子
4 絶縁被覆部
5 アルミニウム電線導体部
6 第1圧着部
7 第2圧着部
8 円筒状物
9 端子本体
10、11 切り欠き部
13、14、15 犠牲材
16 コネクタ

Claims (13)

  1. 電線の絶縁被覆部および露出した電線導体部を、前記電線導体部と異種金属である端子の一方の端部に装着し、
    前記端子の一部および露出した前記電線導体部を包むように、前記電線導体部および前記端子よりも卑な金属材からなる円筒状物を装着し、
    前記端子の前記一部、前記露出した電線導体部および前記円筒状物を相互に接触した状態で機械的にかしめて圧着させて形成する、電線と端子の接続方法。
  2. 前記円筒状物は、前記端子に対応する側面の一部に開口部を備え、前記円筒状物の長さは、前記端子内に装着される前記電線導体部の長さ以上である、請求項1に記載の電線と端子の接続方法。
  3. 絶縁被覆部および露出した電線導体部からなる電線の前記電線導体部の外表面を包むように金属材からなる円筒状物を装着し、
    前記電線導体部と異種金属である端子の一方の端部に、前記電線導体部および前記端子よりも卑な金属材である前記円筒状物を装着した前記電線導体部を装着し、
    前記端子の前記一部、前記電線導体部および前記円筒状物を機械的にかしめて圧着させて形成する、電線と端子の接続方法。
  4. 前記円筒状物は、切り欠き部の無い円筒形状からなり、前記円筒状物の長さは、露出した前記電線導体部の長さ以上である、請求項3に記載の電線と端子の接続方法。
  5. 電線の絶縁被覆部および露出した電線導体部を、前記電線導体部と異種金属である端子の一方の端部に装着し、
    前記電線導体部を覆うように、前記端子の一部を機械的にかしめて、前記電線導体部と前記端子とを圧着し、
    前記電線導体部を覆うように圧着した前記端子の外周面に、前記電線導体部および前記端子よりも卑な金属からなる犠牲電極部材を取り付けて形成する、電線と端子の接続方法。
  6. 前記電線導体がアルミニウムまたはアルミニウム合金からなり、前記端子が銅または銅合金からなり、前記円筒形状物が亜鉛または亜鉛合金からなっている、請求項1から5の何れか1項に記載の電線と端子の接続方法。
  7. 前記犠牲電極部材が単体または複数の部材からなり、前記電線導体部と前記端子の圧着部およびその近傍に取り付けられる、請求項5に記載の電線と端子の接続方法。
  8. 端子と、電線導体部および絶縁被覆部が前記端子に圧着されて接続された前記端子と異種金属の電線と、前記端子から露出した前記電線導体部および少なくとも前記端子の一部を覆うように圧着された、前記電線および前記端子よりも卑な金属部材を備えた、導体と端子の接続部。
  9. 前記金属部材は、前記端子に対応する側面の一部に開口部を備え、前記金属部材の長さは、前記端子内に装着される前記電線導体部の長さ以上である、請求項8に記載の電線と端子の接続部。
  10. 絶縁被覆部および露出した電線導体部からなる電線と、
    前記電線導体部の外表面を包むように圧着された金属部材と、
    その内部に前記電線導体部が包まれた前記金属部材の一部を覆うように機械的にかしめて圧着された、前記電線と異種金属の端子とを備え、前記金属部材が前記電線および前記端子よりも卑な金属である、電線と端子の接続部。
  11. 前記金属部材は、切り欠き部が無く、前記金属部材の長さは、露出した前記電線導体部の長さ以上である、請求項8に記載の電線と端子の接続部。
  12. 端子と、
    電線導体部および絶縁被覆部が前記端子に圧着されて接続された前記端子と異種金属の電線と、
    前記電線導体部を覆うように圧着した前記端子の外周面に取り付けられた、前記電線導体部および前記端子よりも卑な金属部材からなる犠牲電極部材とを備えた電線と端子の接続部。
  13. 前記電線導体がアルミニウムまたはアルミニウム合金からなり、前記端子が銅または銅合金からなり、前記円筒形状物が亜鉛または亜鉛合金からなっている、請求項8から12の何れか1項に記載の電線と端子の接続部。
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