JP2019192354A - 端子付き電線 - Google Patents

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Abstract

【課題】 所定の耐食性を確保しつつ、製造コストを低減することが可能な端子付き電線を提供する。
【解決手段】 被覆導線11の先端は、被覆部15が剥離され、内部の導線13が露出する。被覆導線11の被覆部15は、端子1の被覆圧着部9によって圧着される。また、被覆部15が剥離されて露出する導線13は、導線圧着部7により圧着される。導線圧着部7において、導線13と端子1とが電気的に接続される。なお、被覆部15の端面は、被覆圧着部9と導線圧着部7の間のバレル間部8に位置する。導線圧着部7の先端側に露出する導線13が、防食材17で覆われる。この際、バレル間部8においては、導線13の一部が、防食材17によって覆われずに外部に露出する。
【選択図】図2

Description

本発明は例えば自動車等に用いられる端子付き電線に関するものである。
従来、自動車、OA機器、家電製品等の分野では、電力線や信号線として、電気導電性に優れた銅または銅合金からなる電線が使用されている。特に、自動車分野においては、車両の高性能化、高機能化が急速に進められており、車載される各種電気機器や制御機器が増加している。したがって、これに伴い、使用される端子付き電線も増加する傾向にある。
一方、環境問題が注目される中、自動車の軽量化が要求されている。したがって、ワイヤハーネスの使用量増加に伴う重量増加が問題となる。このため、従来使用されている銅線に代えて、軽量なアルミニウム電線が注目されている。
ここで、このような電線同士を接続する際や機器類等の接続部においては、接続用端子が用いられる。しかし、アルミニウム電線を用いた端子付き電線であっても、接続部の信頼性等のため、端子部には、電気特性に優れる銅が使用される場合がある。このような場合には、アルミニウム電線と銅製の端子とが接合されて使用される。
しかし、異種金属を接触させると、標準電極電位の違いから、いわゆる電食が発生する恐れがある。特に、アルミニウムと銅との標準電極電位差は大きいため、接触部への水の飛散や結露等の影響により、電気的に卑であるアルミニウム側の腐食が進行する。このため、接続部における電線と端子との接続状態が不安定となり、接触抵抗の増加や線径の減少による電気抵抗の増大、更には断線が生じて電装部品の誤動作、機能停止に至る恐れがある。
このため、電線と端子との接続部を防食材で被覆する方法が提案されている。例えば、被覆圧着部と導線圧着部との間に露出する導線等に防食材を塗布して被覆した端子付き電線が提案されている(特許文献1)。
特開2017−102998号公報
従来の端子付き電線においては、被覆部から露出する導線の全体が防食材で被覆される。導線が露出していると、その部位に水が浸入して腐食が進行するためである。
しかし、特に太径の電線においては、導線の露出面積も広くなるため、導線の全体を被覆するように防食材を塗布するためには、防食材の塗布量が多くなるとともに、防食材の塗布と硬化のための時間を要するため、製造コストの上昇を招いていた。
本発明は、このような問題に鑑みてなされたもので、所定の耐食性を確保しつつ、製造コストを低減することが可能な端子付き電線を提供することを目的とする。
前述した目的を達するために本発明は、被覆導線と端子とが接続される端子付き電線であって、前記被覆導線は、被覆部と、前記被覆部の先端から露出する導線とを具備し、前記端子は、端子本体と圧着部とを有し、前記圧着部は、前記導線が圧着される導線圧着部と、前記被覆部が圧着される被覆圧着部と、前記導線圧着部と前記被覆圧着部との間のバレル間部と、を具備し、前記導線の断面積が8mm以上であり、少なくとも、前記導線圧着部の先端側に露出する前記導線の先端部が防食材で覆われており、前記バレル間部において、前記導線の少なくとも一部が露出していることを特徴とする端子付き電線である。
前記導線圧着部の圧縮率が40%以上60%以下であることが望ましい。
前記導線圧着部の先端側に露出する前記導線の全体が防食材で覆われており、前記バレル間部において、前記導線が露出していることが望ましい。
前記導線圧着部の先端側に露出する前記導線の全体が防食材で覆われており、かつ、前記バレル間部は、前記導線圧着部との境界部近傍における幅方向の略中央部のみが防食材で覆われており、他の部位の前記導線が露出していてもよい。
前記導線の先端部における前記防食材の厚みが0.1mm以上であることが望ましい。
塗布時の前記防食材の粘度が30mPa・s以上2000mPa・s以下であることが望ましい。
前記防食材の吸水率が3%以下であり、耐アルカリ性を有することが望ましい。
前記導線圧着部の先端側に露出する前記導線の長さが1mm以上5mm以下であることが望ましい。
前記端子と前記防食材の接着強度が3.9MPa以上であることが望ましい。
前記導線は撚り線であり、少なくとも前記導線圧着部の先端側に露出する前記導線が、溶融一体化されていてもよい。
本発明によれば、断面積が8mm以上の太い導線の端子付き電線に対して、導線先端部の防食材を塗布することで、一部の導線が露出していても、最低限の防食性を確保することができる。このため、防食材の塗布量を削減することができるとともに、防食材の塗布および効果時間を短縮することができ、製造コストを低減することができる。
特に、導線圧着部の圧縮率が40%〜60%であれば、腐食環境下においても、導線と端子との接触抵抗の上昇を抑制することができる。
また、導線圧着部から露出する導線全体を防食材で覆うことで、より高い防食性能を確保することができる。
さらに、バレル間部において、導線圧着部との境界部近傍における幅方向の略中央部のみを防食材で覆うことで、より高い防食性を確保することができるとともに、バレル間部の全体を防食材で覆う場合と比較して、防食材の塗布量および塗布時間等を削減することができる。
また、防食材の厚みが0.1mm以上であれば、より確実に防食性を確保することができる。
また、防食材の粘度が適切であれば、塗布時における防食材の流出を抑制でき、確実に所望の部位を被覆することができるとともに、容易に、防食材を塗布することができる。
また、防食材の吸水率を3%以下とすることで、より高い防食性を確保することができる。
また、導線圧着部の先端からの導線の突出長さを5mm以下とすることで、端子の圧着が容易となり、塗布する防食材の量も削減することができる。また、導線圧着部の先端からの導線の突出長さを1mm以上とすることで、導線圧着部先端部近傍における、端子の銅の面積に対する導線のアルミニウムの面積を確保することができるため、腐食の進行を抑制することができる。
また、端子と防食材の接着強度が3.9MPa以上であれば、端子と防食材との線膨張係数の違いに伴い、熱サイクル試験時に両者にかかる最大応力でも、防食材が端子から剥離することを抑制することができる。
また、導線が撚り線である場合において、少なくとも導線圧着部の先端側に露出する導線が溶融一体化されていれば、水分と接触する可能性のある導線の表面積が減少し、防食性を高めることができる。
本発明によれば、所定の耐食性を確保しつつ、製造コストを低減することが可能な端子付き電線を提供することができる。
端子付き電線10を示す斜視図 端子付き電線10を示す断面図 銅端子の先端に露出するアルミニウム導線を電解液中に配置した際の電位モデル20を示す概念図 導線圧着部の先端に露出する導線13に対する液膜27を示す概念図であり、(a)は相対的に細い導線13である場合を示し、(b)は相対的に太い導線13である場合を示す図 トランジション部4の形状を示す概念図であり、(a)は相対的に細い導線13である場合を示し、(b)は相対的に太い導線13である場合を示す図 端子付き電線10の他の実施形態を示す断面図 端子付き電線10の他の実施形態を示す平面図 端子付き電線10の他の実施形態を示す平面図
以下、図面を参照しながら、本発明の実施形態について説明する。図1は、端子付き電線10を示す斜視図であり、図2は断面図である。なお、図1は、防食材17を透視した図である。端子付き電線10は、端子1と被覆導線11が接続されて構成される。
被覆導線11は、アルミニウムまたはアルミニウム合金製である導線13と、導線13を被覆する被覆部15からなる。すなわち、被覆導線11は、被覆部15と、その先端から露出する導線13とを具備する。導線13は、例えば、複数の素線が撚り合わせられた撚り線である。
端子1は、オープンバレル型であり、銅または銅合金製である。端子1には被覆導線11が接続される。端子1は、端子本体3と圧着部5とがトランジション部4を介して連結されて構成される。圧着部5と端子本体3の間に位置するトランジション部4は、上方が開口する。
端子本体3は、所定の形状の板状素材を、断面が矩形の筒体に形成したものである。端子本体3は、内部に、板状素材を矩形の筒体内に折り込んで形成される弾性接触片を有する。端子本体3は、前端部から雄型端子などが挿入されて接続される。なお、以下の説明では、端子本体3が、雄型端子等の挿入タブ(図示省略)の挿入を許容する雌型端子である例を示すが、本発明において、この端子本体3の細部の形状は特に限定されない。例えば、雌型の端子本体3に代えて例えば雄型端子の挿入タブを設けてもよい。
圧着部5は、被覆導線11と圧着される部位であり、圧着前においては、端子1の長手方向に垂直な断面形状が略U字状のバレル形状を有する。端子1の圧着部5は、被覆導線11の先端側に被覆部15から露出する導線13を圧着する導線圧着部7と、被覆導線11の被覆部15を圧着する被覆圧着部9と、導線圧着部7と被覆圧着部9の間のバレル間部8からなる。
導線圧着部7の内面の一部には、幅方向(長手方向に垂直な方向)に、図示を省略したセレーションが設けられる。このようにセレーションを形成することで、導線13を圧着した際に、導線13の表面の酸化膜を破壊しやすく、また、導線13との接触面積を増加させることができる。
被覆導線11の先端は、被覆部15が剥離され、内部の導線13が露出する。被覆導線11の被覆部15は、端子1の被覆圧着部9によって圧着される。また、被覆部15が剥離されて露出する導線13は、導線圧着部7により圧着される。導線圧着部7において、導線13と端子1とが電気的に接続される。なお、被覆部15の端面は、被覆圧着部9と導線圧着部7の間のバレル間部8に位置する。
本実施形態では、導線圧着部7の先端側に露出する導線13が、防食材17で覆われる。図示した例では、導線圧着部7の先端側に露出する導線13の全体が防食材17で覆われる。この際、バレル間部8においては、導線13の一部が、防食材17によって覆われずに外部に露出する。
なお、防食材17の吸水率は、3%以下であることが望ましい。防食材17の吸水率が高いと、防食材17を浸透した水分によって、腐食が進行するおそれがある。また、防食材17は、耐アルカリ性を有することが望ましい。なお、本発明において、防食材17が耐アルカリ性を有するとは、主にエステル結合を有さない樹脂であって、例えば紫外線硬化樹脂では、ウレタンアクリレートが好適に使用される。この場合、ウレタン結合部分はイソシアネートとポリオールが反応することで構成されるが、ポリオールは水酸基(OH)を2個以上含有する化合物であって、一般的にはポリエーテルポリオール(Polyetherpolyol)、ポリエステルポリオール(Polyesterpolyol)、ポリカーボネートポリオール(Polycarbonatepolyol)、ポリカプロラクトンポリオール(Polycaprolactonepolyol)の4種類のものが使用されており、そのうち、耐アルカリ性を満たすためにポリエステルポリオール以外のポリオールが好適に使用される。中でもポリエーテルポリオールが、柔軟性があり、耐サーマルショック性に優れより好ましい。
ここで、前述したように、本発明においては導線13の全てが防食材17によって被覆されるのではなく、バレル間部8においては、導線13が外部に露出する。したがって、当該部位において、導線13は外部の水分と接触する可能性がある。しかし、発明者らは、最も腐食の進行しやすい部位が、導線圧着部7から露出する導線13の先端部であることを知見した。
図3は、円筒形の銅23の内部にアルミニウム25を挿入して、アルミニウム25の先端を銅23の先端から突出させたものを電解液21中に配置したモデルにおける電位モデル20を示すシミュレーション結果の概念図である。電解液21において、電位が高い領域から順に、A→B→Cで示す。
図示したように、銅23とアルミニウムとの界面部近傍よりも、アルミニウム25の先端部の方が電解液21の電位が高く、より早く腐食が進行することを示している。すなわち、最も腐食の早く進行する部位を防食することで、腐食の進行を遅らせることができることを見出した。
さらに、発明者らは、鋭意研究の結果、太径の導線13の方が、先端部のみの防食を行った際に、前述した腐食の進行を遅らせる効果が大きいことを見出した。この原理は以下のように考えられる。
図4(a)は、相対的に細い導線13の場合における、導線圧着部7の先端に露出する導線13に対して付着する液膜27を示す概念図であり、図4(b)は相対的に太い導線13である場合における、導線圧着部7の先端に露出する導線13に対して付着する液膜27を示す概念図である。
導線13の径が相対的に小さいと、導線13の外周に付着する液膜27の総量(体積)が小さくなる。このため、液中に溶存できるアルミニウムイオンの総量が少なくなる。この結果、より早期にアルミニウム腐食生成物が析出しやすくなる。腐食生成物が導線13の外周面に形成されると、腐食に関与する導線13の表面積が減少する。この際、腐食生成物に覆われていない部分の腐食が加速される。この結果、腐食の進行が速くなると考えられる。一方、相対的に太い導線13の場合には、溶存できるアルミニウム量が多く、腐食生成物が形成されにくくまた、腐食生成物が導線13の表面に形成されても、腐食に関与する導線13の表面積が十分あるため、腐食の進行が加速されず、導線13の内部(導線圧着部7との接触面など)への腐食の進行が遅れるものと考えられる。
また、図5(a)は、相対的に細い導線13の場合における、トランジション部4の形状を示す概念図であり、図4(b)は相対的に太い導線13である場合における、トランジション部4の形状を示す概念図である。図示したように、相対的に外径の小さな導線13と圧着される端子のトランジション部4は、相対的に太い導線13と圧着される端子のトランジション部4と比較して、側壁の立ち上がりが急である。このため、トランジション部4に水がたまった際に、水が抜けにくく、腐食が進行しやすいものと考えられる。
このように、太い導線13に対しては、導線13の先端部を防食することで、より効果的に腐食の進行を遅らせることができる。特に、従来の様に、導線13の全体を防食材17で被覆する場合には、導線13が太いと、防食材17の塗布面積も広くなり、防食材の塗布量が多くなる。このため、防食材17の塗布および硬化時間が長くなる。したがって、導線13が太い場合において、導線13の一部にのみ防食材17を塗布することによる製造のタクトタイムの短縮効果が大きい。本発明では、導線13の断面積が8mm以上の導線13が圧着された端子付き電線10に対して、特に効果的である。
次に、端子付き電線10の製造方法について説明する。まず、先端に導線13が露出する被覆導線11を端子1に配置する。この際、導線圧着部7の先端に露出する導線13の長さを1mm以上5mm以下とする。導線13の突出長さが5mmを越えると必要な防食材17の量が増えコストが増し、また、端子1との圧着も難しくなる。一方、導線13の突出長さが1mmを下回ると、導線圧着部における銅に対するアルミニウムの面積比が小さくなる。通常、銅に対してアルミニウムの面積が大きくなると、腐食の進行が遅くなり、銅に対してアルミニウムの面積が小さくなると腐食が進みやすくなる。このため、導線圧着部7の先端に露出する導線13の長さを1mm以上5mm以下とすることが望ましい。
次に、被覆導線11を端子1に圧着する。この際、導線圧着部7における導線13の圧縮率は40%以上60%以下であることが望ましい。圧縮率が小さいと、導線13の断線等の恐れがある。また、圧縮率が大きいと、導線13と導線圧着部7との密着が十分でなく、水分の浸入によって腐食が進行するおそれがある。ここで、導線圧着部7における導線13の圧縮率とは、(圧縮後の導線13の断面積)/(圧縮前の導線13断面積)で算出される。なお、特に望ましくは、導線圧着部7における導線13の圧縮率は40%以上50%以下である。
次に、導線圧着部7の先端から露出する導線13に防食材17を塗布し、防食材17を硬化させることで、端子付き電線10を製造することができる。この際、塗布時の防食材17の粘度は、30mPa・s以上2000mPa・s以下であることが望ましい。防食材17の粘度が2000mPa・sを越えると、防食材17の塗布が困難になり、塗布に要する時間が増加する。一方、防食材17の粘度が30mPa・s未満であると、防食材17を塗布した際、防食材17が流れ出て、適切に被覆されない恐れがある。
なお、導線13の先端部における防食材17の厚みは0.1mm以上であることが望ましい。防食材17の厚さが薄いと、導線13の一部が防食材17の外に飛び出すおそれがあり、この場合に防食の効果がなくなるためである。
ここで、図2に示すように、防食材17が導線13の先端を覆うように塗布されると、防食材17は端子1の一部とも密着する。端子1から防食材17が剥離すると、内部に水が浸入し、防食の効果がなくなる。このため、使用環境下において、防食材17と端子1との接着強度が所定以上あることが望ましい。例えば、−40℃における防食材17として想定される線膨張係数は145×10−6/K程度であり、錫メッキ銅合金の線膨張係数は17.7×10−6/K程度と想定される。また、−40℃における防食材17として想定されるヤング率は470MPa程度であり、錫メッキ銅合金のヤング率は110000MPa程度と想定される。この際、−40℃〜25℃(Δ65℃)の熱サイクルにおいて、熱応力以上の接着強度を確保するためには、防食材17と端子1との接着強度が3.9MPa以上であることが望ましい。
以上説明したように、本実施形態によれば、特に太径の端子付き電線に対して、最も腐食条件の悪い部位を防食材17で覆い、腐食条件が相対的に低い部位への防食材17の塗布を行わないため、防食材17の使用量を削減することができるとともに、防食材17の塗布及び効果時間を短縮することができる。この際、太径の端子付き電線であれば、導線13の全体を防食材17で被覆しなくても、径の細い端子付き電線と比較して腐食の進行が遅いため、所定以上の防食性能を満たすことができる。
また、導線13の先端部において防食材17の厚みを所定以上確保することで、十分な防食性能を得ることができる。同様に、防食材17の吸水率を所定以下とし、耐アルカリ性を有する材質を適用することで、十分な防食性能を得ることができる。また、導線圧着部7における導線13の圧縮率を所定の範囲とすることで、高い耐久性を確保することができる。
また、導線圧着部7の先端から露出する導線13の長さを所定の範囲とすることで、圧着性と防食性能とを両立することができる。
また、端子1と防食材17との接着強度が十分であるため、熱サイクル試験において、防食材17が端子1から剥離することを抑制することができる。
なお、同様の効果を得るためには、端子付き電線10は、図1、図2に示した例には限られない。例えば、図6に示すように、防食材17を導線13の先端のみに塗布してもよい。この場合、導線圧着部7から露出する導線13の全体が防食材17によって覆われるのではなく、導線圧着部7から露出する導線13の一部が外部に露出する。このように、少なくとも、導線圧着部7の先端側に露出する導線13の先端部が防食材17で覆われていれば、最も腐食条件の悪い部位を防食して腐食の進行を遅らせることができる。
また、図7に示すように、導線圧着部7の先端側に露出する導線13の全体を防食材17で覆い、かつ、バレル間部8において、導線圧着部7との境界部近傍における導線13の幅方向の略中央部のみを防食材17で覆ってもよい。すなわち、バレル間部8においては、導線圧着部7側の幅方向の中央部以外の他の部位は、導線13が露出する。
バレル間部8においては、導線圧着部7による圧縮の影響で、導線圧着部7との境界部近傍における導線13の幅方向の略中央部が凹み形状となりやすい。このため、この部位に、水分が溜まりやすい。このため、この部位を防食材17で覆うことで、凹みへ水が溜まることを抑制し、防食性能を向上させることができる。この場合でも、導線13の全てを防食材17で覆う場合と比較して、防食材17の使用量を削減することができるとともに、防食材17の塗布及び効果時間を短縮することができる。
また、防食材17の塗布範囲だけではなく、導線13の形態を変えてもよい。例えば、図8に示すように、導線13が複数の素線からなる撚り線である場合において、少なくとも導線圧着部7の先端側に露出する導線13が、溶融一体化されていてもよい。導線13の溶融一体化は、例えばレーザやアーク溶接で行うことができる。
導線13の先端部を溶融一体化することで、素線同士の隙間をなくし、水分と接触可能な表面積を小さくすることができるとともに、先端部の形状をなだらかにすることで、局所的に電位が集中する部位をなくすことができる。
各種の端子付き電線についての防食性能を評価した。試験条件は、6%濃度の塩水に各端子付き電線を1分浸漬し、その後60℃で乾燥した。さらに、80℃・95%湿熱条件で72時間保持した。試験前後で端子と導線との抵抗値を計測し、試験後の抵抗値が2.5mΩ以下のものを「○」とし、2.5mΩを超えるものを「×」とした。さらに、試験前の抵抗値に対して、試験後の抵抗値の増加が100%以下のもの(試験前の抵抗値の2倍以下のもの)を「◎」とした。
まず、導線の径を2.5sq(mm)から16sq(mm)まで変化させて評価した。なお、導線の圧縮率は40%とした。結果を表1、表2に示す。
Figure 2019192354
Figure 2019192354
No.1〜No.5は、導線圧着部の先端から露出する導線にのみ防食材を塗布したものであり、No.6〜No.10は、防食材を塗布していないものである。結果より、8sq以上の径の端子付き電線であるNo.4、5は、導線の先端部に防食材を塗布したもので「◎」評価となった。
次に、導線の圧縮率を変化させて同様の評価を行った。結果を表3に示す。
Figure 2019192354
No.3、11、12は、いずれも導線圧着部の先端から露出する導線にのみ防食材を塗布したものである。結果より、導線の圧縮率が40%〜60%の範囲において、いずれも「〇」評価以上となり、特に、導線の圧縮率が40%〜50%の範囲において「◎」評価となった。
以上、添付図を参照しながら、本発明の実施の形態を説明したが、本発明の技術的範囲は、前述した実施の形態に左右されない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
例えば、上述した各構成は、互いに組み合わせることができることは言うまでもない。
1………端子
3………端子本体
4………トランジション部
5………圧着部
7………導線圧着部
8………バレル間部
9………被覆圧着部
10………端子付き電線
11………被覆導線
13………導線
15………被覆部
17………防食材
20………電位モデル
21………電解液
23………銅
25………アルミニウム

Claims (10)

  1. 被覆導線と端子とが接続される端子付き電線であって、
    前記被覆導線は、被覆部と、前記被覆部の先端から露出する導線とを具備し、
    前記端子は、端子本体と圧着部とを有し、
    前記圧着部は、前記導線が圧着される導線圧着部と、前記被覆部が圧着される被覆圧着部と、前記導線圧着部と前記被覆圧着部との間のバレル間部と、を具備し、
    前記導線の断面積が8mm以上であり、
    少なくとも、前記導線圧着部の先端側に露出する前記導線の先端部が防食材で覆われており、前記バレル間部において、前記導線の少なくとも一部が露出していることを特徴とする端子付き電線。
  2. 前記導線圧着部の圧縮率が40%以上60%以下であることを特徴とする請求項1記載の端子付き電線。
  3. 前記導線圧着部の先端側に露出する前記導線の全体が防食材で覆われており、前記バレル間部において、前記導線が露出していることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の端子付き電線。
  4. 前記導線圧着部の先端側に露出する前記導線の全体が防食材で覆われており、かつ、前記バレル間部は、前記導線圧着部との境界部近傍における幅方向の略中央部のみが防食材で覆われており、他の部位の前記導線が露出していることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の端子付き電線。
  5. 前記導線の先端部における前記防食材の厚みが0.1mm以上であることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれかに記載の端子付き電線。
  6. 塗布時の前記防食材の粘度が30mPa・s以上2000mPa・s以下であることを特徴とする請求項1から請求項5のいずれかに記載の端子付き電線。
  7. 前記防食材の吸水率が3%以下であり、耐アルカリ性を有することを特徴とする請求項1から請求項6のいずれかに記載の端子付き電線。
  8. 前記導線圧着部の先端側に露出する前記導線の長さが1mm以上5mm以下であることを特徴とする請求項1から請求項7のいずれかに記載の端子付き電線。
  9. 前記端子と前記防食材の接着強度が3.9MPa以上であることを特徴とする請求項1から請求項8のいずれかに記載の端子付き電線。
  10. 前記導線は撚り線であり、少なくとも前記導線圧着部の先端側に露出する前記導線が、溶融一体化されていることを特徴とする請求項1から請求項9のいずれかに記載の端子付き電線。
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