JP2018045852A - 端子付き電線の製造方法 - Google Patents

端子付き電線の製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2018045852A
JP2018045852A JP2016179170A JP2016179170A JP2018045852A JP 2018045852 A JP2018045852 A JP 2018045852A JP 2016179170 A JP2016179170 A JP 2016179170A JP 2016179170 A JP2016179170 A JP 2016179170A JP 2018045852 A JP2018045852 A JP 2018045852A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
resin member
terminal
dispenser
electric wire
nozzle
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2016179170A
Other languages
English (en)
Other versions
JP6868358B2 (ja
Inventor
中山 弘哲
Hirotetsu Nakayama
弘哲 中山
泰 木原
Yasushi Kihara
泰 木原
正和 小澤
Masakazu Ozawa
小澤  正和
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Furukawa Electric Co Ltd
Furukawa Automotive Systems Inc
Original Assignee
Furukawa Electric Co Ltd
Furukawa Automotive Systems Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Furukawa Electric Co Ltd, Furukawa Automotive Systems Inc filed Critical Furukawa Electric Co Ltd
Priority to JP2016179170A priority Critical patent/JP6868358B2/ja
Publication of JP2018045852A publication Critical patent/JP2018045852A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6868358B2 publication Critical patent/JP6868358B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Abstract

【課題】 製造のタクトタイムを短縮することが可能な端子付き電線の製造方法を提供する【解決手段】 被覆部と、前記被覆部の先端から露出する導線とを具備する被覆導線が、前記導線が圧着される導線圧着部と、前記被覆部が圧着される被覆圧着部とを具備する端子と接続されており、ディスペンサの下方に前記被覆導線の圧着部を配置し、前記ディスペンサの内部の樹脂部材に対して慣性力を与えて、前記ディスペンサのノズルから自重による自由落下の速度以上で前記樹脂部材の液滴を発射して、少なくとも、前記被覆部から露出した前記導線を覆うように前記樹脂部材を塗布し、前記樹脂部材を硬化させる。【選択図】図2

Description

本発明は例えば自動車等に用いられる端子付き電線の製造方法に関するものである。
従来、自動車、OA機器、家電製品等の分野では、電力線や信号線として、電気導電性に優れた銅系材料からなる電線が使用されている。特に、自動車分野においては、車両の高性能化、高機能化が急速に進められており、車載される各種電気機器や制御機器が増加している。したがって、これに伴い、使用される端子付き電線も増加する傾向にある。
一方、環境問題が注目される中、自動車の軽量化が要求されている。したがって、ワイヤハーネスの使用量増加に伴う重量増加が問題となる。このため、従来使用されている銅線に代えて、軽量なアルミニウム電線が注目されている。
ここで、このような電線同士を接続する際や機器類等の接続部においては、接続用端子が用いられる。しかし、アルミニウム電線を用いた端子付き電線であっても、接続部の信頼性等のため、端子部には、電気特性に優れる銅が使用される場合がある。このような場合には、アルミニウム電線と銅製の端子とが接合されて使用される。
しかし、異種金属を接触させると、標準電極電位の違いから、いわゆる電食が発生する恐れがある。特に、アルミニウムと銅との標準電極電位差は大きいため、接触部への水の飛散や結露等の影響により、電気的に卑であるアルミニウム側の腐食が進行する。このため、接続部における電線と端子との接続状態が不安定となり、接触抵抗の増加や線径の減少による電気抵抗の増大、更には断線が生じて電装部品の誤動作、機能停止に至る恐れがある。
このため、電線と端子との接続部を樹脂部材で被覆する方法が提案されている(例えば特許文献1)。
特開2015−153721号公報
従来の樹脂部材塗布工程では、少ない樹脂使用量でまんべんなく樹脂部材を塗布するために、吐出ニードル先端にとどまった状態の樹脂の粒を、端子の複数個所に接触させて塗布する。しかし、このような方法では、防食端子は製造できるものの、滴下工程や、端子セットに時間がかかる。また、Z方向の制御が必要となるため、製造のタクトタイムが長く、生産性が低いという課題があった。
本発明は、このような問題に鑑みてなされたもので、製造のタクトタイムを短縮することが可能な端子付き電線の製造方法を提供することを目的とする。
前述した目的を達するために本発明は、被覆部と、前記被覆部の先端から露出する導線とを具備する被覆導線が、前記導線が圧着される導線圧着部と、前記被覆部が圧着される被覆圧着部とを具備する端子と接続されており、ディスペンサの下方に前記被覆導線の圧着部を配置し、前記ディスペンサの内部の樹脂部材に対して慣性力を与えて、前記ディスペンサのノズルから自重による自由落下の速度以上で前記樹脂部材の液滴を発射して、少なくとも、前記被覆部から露出した前記導線を覆うように前記樹脂部材を塗布し、前記樹脂部材を硬化させることを特徴とする端子付き電線の製造方法である。
前記樹脂部材の塗布時の粘度が、10mPa・s以上、1000mPa・s以下であることが望ましい。
前記ノズルから離れた直後の前記樹脂部材の液滴の直径が、前記導線を構成する素線径以上であり、かつ、前記導線圧着部の幅以下であることが望ましい。
前記ディスペンサを、前記端子の幅方向の中心軸上に配置し、前記ディスペンサを前記中心軸上で移動させて、前記樹脂部材を所定間隔で塗布することが望ましい。
前記ディスペンサは、前記樹脂部材を保持する液室と、前記液室へ前記樹脂部材を補充する樹脂部材圧送部と、前記液室の内部で往復動作可能なロッドと、を具備し、前記ロッドを前記ノズルに向けて高速移動させる際に、前記液室内の前記樹脂部材に慣性力を付与して、前記ノズルより前記樹脂部材の液滴を発射させてもよい。
本発明によれば、樹脂部材に慣性力を付与して液滴を発射させるディスペンサによって樹脂部材が塗布されるため、短時間に樹脂部材を塗布することができる。また、樹脂部材の液滴をノズルから発射させるため、樹脂部材の液滴を、塗布対象に接触させる必要がない。このため、ノズルを塗布対象の凹凸に合わせてZ軸方向に移動させる必要がない。
また、塗布時の樹脂部材の粘度が、10〜1000mPa・sであれば、樹脂部材を効率よく隙間に浸透させることができるとともに、樹脂部材が導線表面から流れ落ちてしまうことを抑制することができる。
また、ノズルから離れた直後の樹脂部材の液滴の直径が、導線を構成する素線径以上であれば、樹脂部材を確実に素線間に浸透させることができる。また、ノズルから離れた直後の樹脂部材の液滴の直径が、導線圧着部の幅以下であれば、樹脂部材が導線圧着部の両側から流れることを抑制することができる。
なお、ノズルから離れた直後の樹脂部材の液滴の直径が、導線圧着部の幅以上であると、樹脂部材が導線圧着部の両側から流れ、樹脂部材が無駄となるばかりでなく、素線間への浸透不足となるおそれがある。また、導線圧着部の両側に樹脂部材が付着すると、圧着部の幅が広くなるため、使用時におけるハウジング等との干渉のおそれがある。
また、ディスペンサを、端子の幅方向の中心軸上に配置して移動させることで、樹脂部材を所定間隔で塗布することで、ディスペンサの制御が容易である。
また、ディスペンサが、樹脂部材を保持する液室の内部で往復動作可能なロッドを具備し、ロッドをノズルに向けて高速移動させて樹脂部材に慣性力を付与して、ノズルより樹脂部材の液滴を発射させることで、極めて短時間に樹脂部材の液滴を発射することができる。
本発明によれば、製造のタクトタイムを短縮することが可能な端子付き電線の製造方法を提供することができる。
端子付き電線10を示す斜視図。 (a)〜(c)は、ディスペンサ19の動作機構を示す概念図。 ディスペンサ19の動作機構を示す概念図。 端子付き電線10の平面図。 (a)は、ディスペンサ19から樹脂部材17の液滴が発射する状態を示す図、(b)は、樹脂部材17が塗布された状態を示す図。 樹脂部材17が塗布された状態を示す図。 端子付き電線10の評価方法を示す図。
以下、図面を参照しながら、本発明の実施形態について説明する。図1は、端子付き電線10を示す斜視図である。なお、図は、樹脂部材17を透視した図である。端子付き電線10は、端子1と被覆導線11が接続されて構成される。端子1は、オープンバレル型であり、銅もしくは黄銅などの銅合金あるいはそれらにスズなどがめっきされたものが使用される。端子1には被覆導線11が接続される。
被覆導線11は、アルミニウム線またはアルミニウム合金線である導線13と、導線13を被覆する被覆部15からなる。すなわち、被覆導線11は、被覆部15と、その先端から露出する導線13とを具備する。導線13は、例えば、複数の素線が撚り合わせられた撚り線である。
端子1は、端子本体3と圧着部5とからなる。端子本体3は、所定の形状の板状素材を、断面が矩形の筒体に形成したものである。端子本体3は、内部に、板状素材を矩形の筒体内に折り込んで形成される弾性接触片を有する。端子本体3は、前端部から雄端子などが挿入されて接続される。なお、以下の説明では、端子本体3が、雄型端子等の挿入タブ(図示省略)の挿入を許容する雌型端子である例を示すが、本発明において、この端子本体3の細部の形状は特に限定されない。例えば、雌型の端子本体3に代えて例えば雄型端子の挿入タブを設けてもよい。
圧着部5は、被覆導線11と圧着される部位であり、端子1の長手方向に垂直な断面形状が略U字状のバレル形状を有する。端子1の圧着部5は、被覆導線11の先端側に被覆部15から露出する導線13を圧着する導線圧着部7と、被覆導線11の被覆部15を圧着する被覆圧着部9とからなる。
導線圧着部7の内面の一部には、幅方向(長手方向に垂直な方向)に、図示を省略したセレーションが設けられる。このようにセレーションを形成することで、導線13を圧着した際に、導線13の表面の酸化膜を破壊しやすく、また、導線13との接触面積を増加させることができる。
被覆導線11の先端は、被覆部15が剥離され、内部の導線13が露出する。被覆導線11の被覆部15は、端子1の被覆圧着部9によって圧着される。また、被覆部15が剥離されて露出する導線13は、導線圧着部7により圧着される。導線圧着部7において導線13と端子1とが電気的に接続される。なお、被覆部15の端面は、被覆圧着部9と導線圧着部7の間に位置する。
本発明では、少なくとも、被覆部15から露出する導線13が、樹脂部材17で覆われる。すなわち、導線圧着部7および被覆圧着部9が樹脂部材17によって被覆され、導線13は、樹脂部材17によって外部に露出しない。樹脂部材17は、例えば、シリコーンアクリレート、ウレタンアクリレート、アクリルアクリレートなどの紫外線硬化樹脂である。なお、樹脂部材17の詳細については後述する。
次に、端子付き電線10の製造方法について説明する。本発明で使用されるディスペンサは、従来のようなニードルなどの機械制御のディスペンサ等(樹脂部材を単にエア圧のみで押し出して、ノズル先端に液滴を形成するようなものも含む)ではなく、高速動作が可能である。
図2(a)〜図2(c)は、ディスペンサ19の動作機構を示す概念図であり、図3は、ロッドの変位を示す図である。図2(a)に示すように、ディスペンサ19は、主に、ノズル25、ロッド21、ばね23等からなる。
液室27には、樹脂部材17が保持される。なお、ディスペンサ19には、加熱部が配置され、必要に応じて樹脂部材17が加熱される。樹脂部材17を加熱することで、樹脂部材17の粘度を下げることができる。なお、加熱温度は、樹脂部材17の特性にもよるが、例えば80℃程度である。
本実施形態では、発射時の樹脂部材17のJIS Z 8803による粘度が、10〜1000mPa・sであることが望ましい。粘度が10mPa・s未満では、樹脂部材17を塗布した際に、樹脂部材17が圧着部近傍から流れ出し、適切に被覆がされない恐れがある。粘度が1000mPa・sを超えると、樹脂部材17を塗布した際に、樹脂部材17が圧着部の内部まで十分に浸透せず、内部に隙間が生じるおそれがある。
ディスペンサ19のロッド21は、ノズル25に対して往復動作が可能である。すなわち、ロッド21は、液室27の内部で往復動作可能である。液室27の内部においてロッド21は、ばね23によって、下方(ノズル方向)に押圧されており、これに対抗するように、図示を省略したエア回路によって、ロッド21は上方(ノズル25とは反対側)に押し上げられている。なお、この状態は、図3のKに対応する。
まず、ディスペンサ19(ノズル25)の下方に被覆導線11の圧着部5(導線圧着部7)を配置する。この状態から、エア圧を遮断すると、図2(b)に示すように、ロッド21がばね23によって下方に移動し(図中矢印A)、ロッド21の先端が液室27内に高速で突出し、急に停止する。なお、この状態は、図3のLに対応する。
ロッド21の高速移動に伴い、液室27内の樹脂部材17に慣性力が付与され、樹脂部材17の液滴が下方に発射(勢いよく吐出)する(図中矢印B)。すなわち、一度のロッド21の高速移動に伴い、樹脂部材17の単一の液滴がディスペンサ19の下方に配置される導線圧着部7近傍に発射されて塗布される。この際、ディスペンサ19のノズル25からは、自重による自由落下の速度以上で樹脂部材17の液滴が発射する。
なお、ノズル25の先端部近傍の樹脂部材17との接触部分には、樹脂部材17との濡れ性を低下するための撥水加工を施してもよい。
次に、再びエア圧を付加すると、図2(c)に示すように、ロッド21は、ばね23の押圧に対抗して上方に押し戻される(図中矢印C)。この際、液室27内には、樹脂部材圧送部29から樹脂部材17が供給される(図中矢印D)。なお、この状態は、図3のJに対応する。なお、ロッド21の制御には、エアではなく、電磁力など他の機構を用いてもよい。
樹脂部材圧送部29は、例えばエアによって樹脂部材17を圧送して液室27に補充することができる。ノズル25の位置を移動させながら、以上を高速で繰り返すことで、樹脂部材17の液滴が複数回断続的に発射されて、樹脂部材17を所定の位置(範囲)に、均一に塗布することができる。例えば、ディスペンサ19は、最大数百回/秒で、樹脂部材17を吐出することができる。
なお、ロッド21の力(ばね23による押圧力)は、例えば、7×10−5N以上であることが望ましい。これ以下であると、樹脂部材17の液滴を発射するための慣性力を樹脂部材17へ付与することができず、十分な加速度(重力以上の加速度)で樹脂部材17の液滴を発射させることが困難となる。
また、樹脂部材17を液室へ圧送するためのエア圧は、例えば10kPa以上とすることが望ましい。これ以下では、ロッド21によって慣性力を付与した際に、液滴を安定して発射することが困難である。なお、圧送エア圧は、さらに100kPa〜400kPaであることが望ましい。エア圧が高すぎると、液滴が大きくなりすぎるためである。
このように、ロッド21のストローク長(図3のH)と、ロッド21に付与するばね力と、樹脂部材17を圧送するエア圧等を調整することで、ノズル25から発射される樹脂部材17の量を調整することができる。すなわち、樹脂部材17の液滴径を調整することができる。
図4は、端子付き電線10の平面図である。樹脂部材17を端子付き電線に塗布する際には、ディスペンサ19のノズル25の中心を、端子1の幅方向の中心軸(図中F線)上に配置し、ディスペンサ19を中心軸F上で移動させながら、樹脂部材17を所定間隔で塗布する。
例えば、被覆部15側から順に、被覆圧着部9と導線圧着部7の間であって、被覆部15上(図中G1)、および導線13上(図中G2)に樹脂部材17を塗布し、さらに、導線圧着部7の後端(図中G3)、導線圧着部7上(図中G4)、および導線圧着部7の先端側の導線13上(図中G5)の順に樹脂部材17を塗布する。このようにすることで、ディスペンサ19を端子付き電線10の長手方向に一直線上に移動させるのみであるため、ディスペンサ19の制御が容易である。
図5(a)は、図4のE−E線における断面を示す図で、樹脂部材17を塗布する瞬間を示す図、図5(b)は、樹脂部材17が塗布された状態を示す図である。前述したように、ディスペンサ19のノズル25からは、樹脂部材17の液滴が発射する。樹脂部材17がノズル25から離れる瞬間においては、液滴はやや長細い形状となり得るが、ノズル25から離れた瞬間に(図中矢印M)、略球形の液滴となる。
ここで、一回の発射で発射される樹脂部材17の液滴を球形とした場合において、その液滴径(図中N)は、導線13を構成する各素線の線径(図中D)よりも大きいことが望ましい。液滴径Nが素線径Dよりも小さいと、樹脂部材17が単一の素線上に乗ってしまい、表面張力で液滴形状が素線上で維持され、樹脂部材17が素線間に浸透しない恐れがある。液滴径Nを素線径Dよりも大きくすることで、液滴の少なくとも一部が素線間に付着し、表面張力等によって樹脂部材17を素線間に浸透させることができる。
また、液滴径(図中N)は、導線圧着部7の幅(図中P)よりも小さいことが望ましい。液滴径Nが導線圧着部7の幅Pよりも大きいと、樹脂部材17が導線圧着部7の両側に流れてしまうため、樹脂部材17が無駄となる。また、導線圧着部7の両側に樹脂部材17が流れ始めると、樹脂部材17は優先的に導線圧着部7の両側に流れてしまい、十分に樹脂部材17を導線13に浸透させることができなくなる。このため、液滴径Nを導線圧着部7の幅Pよりも小さくくすることで、液滴を確実に導線13上に付着させ、樹脂部材17を素線間に浸透させることができる。
なお、樹脂部材17の塗布厚み(図中Q)は、被覆導線11の被覆部15の厚みよりも厚いことが望ましい。例えば、導線13の表面からの樹脂部材17の塗布厚みQは、被覆部15の厚みの1.2倍以上であることが望ましい。このようにすることで、導線13のみならず被覆部15の表面まで確実に樹脂部材17で覆うことができ、外力が加わっても樹脂部材17がはがれにくくなる。
図6は、この様にして樹脂部材17を塗布した状態の、長手方向の断面図である。このように、少なくとも、被覆部15から露出した導線13を覆うように樹脂部材17を塗布し、樹脂部材17を硬化させることで、端子付き電線10の防食構造を構築することができる。
ここで、樹脂部材17は、例えば紫外線硬化樹脂である。
なお、樹脂部材17は、紫外線硬化のみではなく、紫外線硬化と湿気硬化、嫌気硬化、熱硬化などを組み合わせたハイブリッド硬化型であってもよい。このようにすることで、紫外線の照射困難な部位も容易に硬化させることができる。
また、硬化後の樹脂部材17の硬度は、被覆部15の硬度よりも低いことが望ましい。例えば、樹脂部材17および被覆部15のそれぞれの樹脂材料で2mm厚さのシートを形成し、JIS K6253−3による硬度測定を行った際、被覆部15のデュロメータ硬さA50〜A100に対して、樹脂部材17のデュロメータ硬さはA20〜A50の範囲であることが望ましい。
樹脂部材17のショア硬度が小さすぎると、傷がつきやすく、樹脂部材17のショア硬度が大きすぎると、大きな熱収縮応力を受けるため、熱衝撃環境における寿命が短くなる。また、樹脂部材17の硬度を被覆部15の硬度よりも低くすることで、温度変化や外力などによる膨張や変形に対して、樹脂部材17を容易に追従させることができる。このため、隙間が生じにくい。
なお、pH10の水酸化ナトリウム溶液に、硬化後の樹脂部材17を24時間浸漬した後の質量減少率は、10%以下であることが望ましい。
また、硬化させた樹脂部材17の厚さ200μmのシートを作製し、JIS K6251により25℃破断伸びを測定した際の、樹脂部材17の破断伸びは、100%以上が好ましい。このように、樹脂部材17の破断伸びが100%以上であれば、前述したように、温度変化や外力などによる膨張や変形に対して、樹脂部材17を容易に追従させることができる。
ウレタンアクリルオリゴマー、アクリルモノマー、および光開始剤を主成分とする紫外線硬化と湿気硬化の硬化機構を持つ紫外線硬化型樹脂組成物を作成し、各種条件で端子付き電線に塗布し、塗布の可否および防食試験を実施した。
ディスペンサとしては、図2に示した機構の物を用いた。ノズル径を変えることで、液滴径を変えて、評価を行った。また、本組成物のオリゴマー成分、モノマー成分を調整して粘度の異なる樹脂部材を作成して評価を行った。
防食性能は、図7に示すように、水槽31に塩水33を貯留し、端子付き電線10(端子1)を浸漬した後、端子−電線間の抵抗変動を測定することで評価を行った。塩水33の濃度は、NaCl3.0±0.5%とした。また、端子1の浸漬深さは300±10mmとした。また、水没時間は48時間とし、水没後60±5℃で、95±5%RH雰囲気に48時間の環境で放置した後に、抵抗を測定し、塩水浸漬前の抵抗と比較した。なお、抵抗変動が、2.0mΩ以下のものを合格とした。
表1は、端子サイズを変えて、樹脂部材を塗布した結果である。なお、以下の各実施例は、それぞれn=5で評価を行い、表中の「塗布性」は、n=5の全てに対して再現性良く樹脂部材の液滴を自重による自由落下以上の速度で発射可能であったものを合格(○)とした。なお、発射直後の液滴径は、発射後の樹脂部材の重量を測定し、樹脂密度から球形である場合の直径を算出して求めた。また、防食試験については、n=5の全ての抵抗変動が、2.0mΩ以下であったものを「○」とし、n=5の一部が2.0mΩを超えた場合には「△」とした。
Figure 2018045852
No.1〜3のいずれも、樹脂部材を短時間で塗布することが可能であった。すなわち、従来のエアやスクリュー式などと比較して、短時間で所望の量の樹脂部材を塗布することが可能であった。また、No.1〜3のいずれも、防食試験は合格であった。
表2は、樹脂部材の粘度を変えて、樹脂部材を塗布した結果である。
Figure 2018045852
No.4〜8のいずれも、樹脂部材を短時間で塗布することが可能であった。一方、No.4、8は、一部が防食試験で規格を超えた。No.4は、樹脂部材の粘度が低すぎるため、樹脂部材の厚みが十分確保できなかったためと考えられる。また、No.8は、粘度が高すぎるため、十分に素線間に樹脂部材が浸透しなかったためと考えられる。
表3は、液滴径を変えて、樹脂部材を塗布した結果である。
Figure 2018045852
No.9〜14のいずれも、樹脂部材を短時間で塗布することが可能であった。一方、No.9、13、14は、一部が防食試験で規格を超えた。No.9は、液滴径が素線径よりも小さいため、樹脂部材が十分に素線間に浸透しなかったためと考えられる。また、No.13、14は、液滴径が端子幅(導線圧着部幅)よりも大きいため、樹脂部材が流れてしまい、十分に導線に浸透しなかったためと考えられる。
以上説明したように、本実施形態によれば、樹脂部材17によって、端子1と被覆導線11との接続部を覆うため、効率良く防食効果を得ることができる。この際、ディスペンサ19で樹脂部材17に慣性力を付与して端子付き電線10に樹脂部材17を塗布するため、極めて短時間に、樹脂部材17を塗布することができる。
例えば、従来のスクリュー式やエアによってノズルから所定量の樹脂部材を押し出して、塗布対象に樹脂部材を接触させて塗布させるのでは、塗布に時間を要する。また、圧縮エアによって樹脂部材を吹き飛ばすような方法では、液滴径や塗布位置を制御することが困難であるとともに、ノズル近傍にエア噴射部を設ける必要があることから、ディスペンサの構造が複雑となる。本実施形態のように、ロッド21によって樹脂部材17に慣性力を付与してノズル25から液滴を発射させることで、液滴径や塗布位置を制御しやすい。
また、樹脂部材17の粘度を適正に制御することで、樹脂部材17を導線13の背面側まで浸透させやすく、かつ、十分な塗布厚さを確保することができ、確実に、露出する導線13を樹脂部材17で被覆することができる。
また、樹脂部材17の液滴径を適正にすることで、樹脂部材17を確実に塗布することができる。
以上、添付図を参照しながら、本発明の実施の形態を説明したが、本発明の技術的範囲は、前述した実施の形態に左右されない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
1………端子
3………端子本体
5………圧着部
7………導線圧着部
9………被覆圧着部
10………端子付き電線
11………被覆導線
13………導線
15………被覆部
17………樹脂部材
19………ディスペンサ
21………ロッド
23………ばね
25………ノズル
27………液室
29………樹脂部材圧送部
31………水槽
33………塩水

Claims (5)

  1. 被覆部と、前記被覆部の先端から露出する導線とを具備する被覆導線が、前記導線が圧着される導線圧着部と、前記被覆部が圧着される被覆圧着部とを具備する端子と接続されており、
    ディスペンサの下方に前記被覆導線の圧着部を配置し、前記ディスペンサの内部の樹脂部材に対して慣性力を与えて、前記ディスペンサのノズルから自重による自由落下の速度以上で前記樹脂部材の液滴を発射して、少なくとも、前記被覆部から露出した前記導線を覆うように前記樹脂部材を塗布し、前記樹脂部材を硬化させることを特徴とする端子付き電線の製造方法。
  2. 前記樹脂部材の塗布時の粘度が、10mPa・s以上、1000mPa・s以下であることを特徴とする請求項1記載の端子付き電線の製造方法。
  3. 前記ノズルから離れた直後の前記樹脂部材の液滴の直径が、前記導線を構成する素線径以上であり、かつ、前記導線圧着部の幅以下であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の端子付き電線の製造方法。
  4. 前記ディスペンサを、前記端子の幅方向の中心軸上に配置し、前記ディスペンサを前記中心軸上で移動させて、前記樹脂部材を所定間隔で塗布することを特徴とする請求項1から請求項3のいずれかに記載の端子付き電線の製造方法。
  5. 前記ディスペンサは、前記樹脂部材を保持する液室と、前記液室へ前記樹脂部材を補充する樹脂部材圧送部と、前記液室の内部で往復動作可能なロッドと、を具備し、前記ロッドを前記ノズルに向けて高速移動させる際に、前記液室内の前記樹脂部材に慣性力を付与して、前記ノズルより前記樹脂部材の液滴を発射させることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれかに記載の端子付き電線の製造方法。
JP2016179170A 2016-09-14 2016-09-14 端子付き電線の製造方法 Active JP6868358B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2016179170A JP6868358B2 (ja) 2016-09-14 2016-09-14 端子付き電線の製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2016179170A JP6868358B2 (ja) 2016-09-14 2016-09-14 端子付き電線の製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2018045852A true JP2018045852A (ja) 2018-03-22
JP6868358B2 JP6868358B2 (ja) 2021-05-12

Family

ID=61695123

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2016179170A Active JP6868358B2 (ja) 2016-09-14 2016-09-14 端子付き電線の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6868358B2 (ja)

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2019175791A (ja) * 2018-03-29 2019-10-10 古河電気工業株式会社 端子付き電線およびその製造方法
JP2019192354A (ja) * 2018-04-19 2019-10-31 古河電気工業株式会社 端子付き電線
JP2019197676A (ja) * 2018-05-10 2019-11-14 古河電気工業株式会社 端子付き電線およびその製造方法
EP3913748A1 (en) 2020-05-19 2021-11-24 Yazaki Corporation Manufacturing method for electric wire with terminal and manufacturing device for electric wire with terminal
JP7445064B2 (ja) 2018-03-29 2024-03-06 古河電気工業株式会社 端子付き電線の製造方法

Cited By (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2019175791A (ja) * 2018-03-29 2019-10-10 古河電気工業株式会社 端子付き電線およびその製造方法
JP7327903B2 (ja) 2018-03-29 2023-08-16 古河電気工業株式会社 端子付き電線およびその製造方法
JP7445064B2 (ja) 2018-03-29 2024-03-06 古河電気工業株式会社 端子付き電線の製造方法
JP2019192354A (ja) * 2018-04-19 2019-10-31 古河電気工業株式会社 端子付き電線
JP7157545B2 (ja) 2018-04-19 2022-10-20 古河電気工業株式会社 端子付き電線
JP2019197676A (ja) * 2018-05-10 2019-11-14 古河電気工業株式会社 端子付き電線およびその製造方法
EP3913748A1 (en) 2020-05-19 2021-11-24 Yazaki Corporation Manufacturing method for electric wire with terminal and manufacturing device for electric wire with terminal
US11462876B2 (en) 2020-05-19 2022-10-04 Yazaki Corporation Manufacturing method for electric wire with terminal and manufacturing device for electric wire with terminal

Also Published As

Publication number Publication date
JP6868358B2 (ja) 2021-05-12

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6868358B2 (ja) 端子付き電線の製造方法
JP5228116B2 (ja) 接続構造体
US10611139B2 (en) Method for producing at least one spring contact pin or a spring contact pin arrangement, and corresponding devices
JP5306972B2 (ja) ワイヤハーネス、ワイヤハーネスの製造方法
JP2019009026A (ja) 端子付き電線の製造方法
JP2011181499A (ja) 接続構造体
US20130014979A1 (en) Connector Structures and Methods
JP2019175790A (ja) 端子付き電線およびその製造方法
JP2015153715A (ja) 端子付電線の製造方法
JP6217443B2 (ja) 端子付電線の製造方法
JP2018063762A (ja) 端子付き電線の製造方法、端子付き電線
JP2021114479A (ja) 端子付き電線
JP2012190635A (ja) ワイヤハーネス、ワイヤハーネスの製造方法
US9954297B2 (en) Terminal fitting and connector
US20150310956A1 (en) Method for Producing An Electrical Contact Element For Preventing Tin Whisker Formation, and Contact Element
JP2019102322A (ja) 端子付き電線およびその製造方法
JP2015153721A (ja) 端子付電線の製造方法
JP7421844B2 (ja) 端子付き電線およびその製造方法
JP2019197676A (ja) 端子付き電線およびその製造方法
JP2018077949A (ja) 端子付き電線の製造方法
JP2019197653A (ja) 端子付き電線の製造方法
CN107710511B (zh) 电接触元件和改变其至少一个区域的机械和/或电性能的方法
JP7316767B2 (ja) 端子付き電線およびその製造方法
JP7138947B2 (ja) めっき方法、気泡噴出部材、めっき装置、および、デバイス
CN106169659B (zh) 压接端子

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20190911

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20200417

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20200616

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20200805

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20201215

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20210208

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20210323

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20210412

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 6868358

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350