JP2019102322A - 端子付き電線およびその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 防食材が被覆圧着部の後端側へ流動することが防止されて、高い防食性能を発揮することが可能な端子付き電線およびその製造方法を提供する。【解決手段】 まず、被覆導線11と端子1とを圧着により接続する。次に、被覆圧着部9の後端側に、流動防止材19を塗布する。被覆圧着部9の後端部(被覆圧着部9と被覆部15の露出部の境界近傍)に流動防止材19を塗布すると、流動防止材19の一部は、上方から下方へ流れて、被覆圧着部9の後端部を全周にわたって塞ぐ。この状態で、流動防止材19を硬化させる。その後、防食材17をバレル間部8等に塗布し、防食材17を硬化させることで、端子付き電線10を製造することができる。【選択図】図2

Description

本発明は例えば自動車等に用いられる端子付き電線およびその製造方法に関するものである。
従来、自動車、OA機器、家電製品等の分野では、電力線や信号線として、電気導電性に優れた銅系材料からなる電線が使用されている。特に、自動車分野においては、車両の高性能化、高機能化が急速に進められており、車載される各種電気機器や制御機器が増加している。したがって、これに伴い、使用される端子付き電線も増加する傾向にある。
一方、環境問題が注目される中、自動車の軽量化が要求されている。したがって、ワイヤハーネスの使用量増加に伴う重量増加が問題となる。このため、従来使用されている銅線に代えて、軽量なアルミニウム電線が注目されている。
ここで、このような電線同士を接続する際や機器類等の接続部においては、接続用端子が用いられる。しかし、アルミニウム電線を用いた端子付き電線であっても、接続部の信頼性等のため、端子部には、電気特性に優れる銅が使用される場合がある。このような場合には、アルミニウム電線と銅製の端子とが接合されて使用される。
しかし、異種金属を接触させると、標準電極電位の違いから、いわゆる電食が発生する恐れがある。特に、アルミニウムと銅との標準電極電位差は大きいため、接触部への水の飛散や結露等の影響により、電気的に卑であるアルミニウム側の腐食が進行する。このため、接続部における電線と端子との接続状態が不安定となり、接触抵抗の増加や線径の減少による電気抵抗の増大、更には断線が生じて電装部品の誤動作、機能停止に至る恐れがある。
このため、電線と端子との接続部を防食材で被覆する方法が提案されている。例えば、被覆圧着部と導線圧着部との間に露出する導線等に防食材を塗布して被覆した端子付き電線が提案されている(特許文献1)。
特開2017−102998号公報
図7(a)は、従来の端子付き電線100を示す縦方向断面図、図7(b)は、被覆圧着部109における断面図である。端子付き電線100は、端子101と被覆導線111とが接続されて構成される。被覆導線111は、先端部の被覆部115が除去されて、内部の導線113が露出する。被覆導線111の先端から露出する導線113は、端子101の導線圧着部107で圧着され、被覆部115は、被覆圧着部109で圧着される。この際、図7(b)に示すように、被覆部115と被覆圧着部109との間には、隙間が形成される場合がある。
この状態から、図示したように、被覆圧着部109と導線圧着部107の間のバレル間部108に防食材117を塗布すると、防食材117の一部は、図7(b)に示すように、被覆部115と被覆圧着部109との隙間を伝って被覆圧着部109の後端側に流動する(図7(a)の矢印Y)。または、防食材117の一部が被覆圧着部109の上面を流れて被覆圧着部109の後端側に流動する(図7(a)の矢印X)。
このように防食材117の一部が、被覆圧着部109の後端側に流出してしまうと、本来、バレル間部108等に露出する導線113等を被覆する防食材117の形態が安定しない。例えば、防食材117の塗布量を一定に管理しても、塗布した防食材117の多くが後方に流出すれば、十分な被覆厚を確保することができず、十分な防食性能を発揮することができない。
特に、図7(b)に示す例では、被覆圧着部109のバレルが突き合せられて圧着されるが、バレル同士がラップするような被覆圧着部109の場合には、被覆部115との隙間がより大きくなるおそれがある。このため、防食材117の流動量が多くなりやすい。一方、塗布時の防食材117の粘度を上げると、流動量は抑制されるが、導線113の素線間等へ防食材117が流れ込みにくく、防食材117の充填不足に伴う防食性能の低下の恐れがある。
本発明は、このような問題に鑑みてなされたもので、防食材が被覆圧着部の後端側へ流動することが防止されて、高い防食性能を発揮することが可能な端子付き電線およびその製造方法を提供することを目的とする。
前述した目的を達するために第1の発明は、被覆導線と端子とが接続される端子付き電線であって、前記被覆導線は、被覆部と、前記被覆部の先端から露出する導線とを具備し、前記端子は、端子本体と圧着部とを有し、前記圧着部は、前記導線が圧着される導線圧着部と、前記被覆部が圧着される被覆圧着部と、前記導線圧着部と前記被覆圧着部との間のバレル間部と、を具備し、少なくとも、前記バレル間部から前記導線圧着部までの前記導線が露出する部位が防食材で覆われており、前記被覆圧着部側において、硬化前の前記防食材が前記被覆圧着部の後端側へ流動することを抑制する流動防止機構が形成されることを特徴とする端子付き電線である。
前記流動防止機構は、前記被覆圧着部の少なくとも一部と前記被覆部の少なくとも一部に接するように形成された流動防止材であることが望ましい。
この場合、前記流動防止材は、前記被覆圧着部の後端部側に形成されることが望ましい。
前記流動防止材の上端が前記被覆圧着部の最上部よりも上方に位置するように配置されることが望ましい。
前記流動防止材が光硬化樹脂であることが望ましい。
第1の発明によれば、防食材とは別に、被覆圧着部の後端側へ防食材が流れることを抑制する流動防止機構が形成されるため、防食材の形態が安定し、高い防食性能を確保することができる。
また、流動防止機構として流動防止材を形成することで、防食材の流動を容易に抑制することができる。
特に、流動防止材を被覆圧着部の後端部側に形成することで、流動防止材の使用量を抑えるとともに、流動防止材がバレル間部方向へ流れることを抑制することができる。
また、流動防止材が被覆圧着部の上方に盛り上がるように形成されることで、被覆圧着部の上方を伝って防食材が被覆圧着部の後方へ流れることを抑制することができる。
また、流動防止材が光硬化樹脂であれば、短時間で硬化させることができるとともに、加熱処理も不要である。
第2の発明は、被覆導線と端子とが接続される端子付き電線の製造方法であって、前記被覆導線は、被覆部と、前記被覆部の先端から露出する導線とを具備し、前記端子は、端子本体と圧着部とを有し、前記圧着部は、前記導線が圧着される導線圧着部と、前記被覆部が圧着される被覆圧着部と、前記導線圧着部と前記被覆圧着部との間のバレル間部と、を具備し、前記被覆圧着部の少なくとも一部と電線被覆の少なくとも一部に接するように流動防止材を塗布してから硬化させた後、少なくとも、前記バレル間部から前記導線圧着部までの前記導線が露出する部位に防食材を塗布して硬化させることを特徴とする端子付き電線の製造方法である。
前記流動防止材が光硬化樹脂であって、前記流動防止材を光照射によって硬化させることが望ましい。
第2の発明によれば、防食材の形態が安定し、高い防食性能を確保することが可能な端子付き電線を容易に製造することができる。
また、流動防止材を光照射で硬化させれば、短時間で流動防止材を硬化させることができる。
本発明によれば、防食材が被覆圧着部の後端側へ流動することが防止されて、高い防食性能を発揮することが可能な端子付き電線およびその製造方法を提供することができる。
端子付き電線10を示す斜視図。 端子付き電線10を示す断面図。 (a)は流動防止材19を配置した状態を示す図、(b)は、流動防止材19を配置した他の状態を示す図。 (a)は流動防止材19を配置した状態を示す図、(b)は、流動防止材19の他の配置方法を示す図。 (a)は流動防止材19aを配置した状態を示す図、(b)は、さらに防食材17を配置した状態を示す図。 (a)は圧着前の端子1に流動防止突起19bを形成した状態を示す図、(b)は、圧着前の端子1に流動防止材19cを配置した状態を示す図。 (a)は従来の端子付き電線100を示す断面図、(b)は、被覆圧着部109の断面図。
以下、図面を参照しながら、本発明の実施形態について説明する。図1は、端子付き電線10を示す斜視図であり、図2は断面図である。なお、図1は、防食材17および流動防止材19を透視した図である。端子付き電線10は、端子1と被覆導線11が接続されて構成される。
被覆導線11は、アルミニウム系材料製である導線13と、導線13を被覆する被覆部15からなる。すなわち、被覆導線11は、被覆部15と、その先端から露出する導線13とを具備する。導線13は、例えば、複数の素線が撚り合わせられた撚り線である。
端子1は、オープンバレル型であり、銅系材料製である。端子1には被覆導線11が接続される。端子1は、端子本体3と圧着部5とがトランジション部4を介して連結されて構成される。圧着部5と端子本体3の間に位置するトランジション部4は、上方が開口する。
端子本体3は、所定の形状の板状素材を、断面が矩形の筒体に形成したものである。端子本体3は、内部に、板状素材を矩形の筒体内に折り込んで形成される弾性接触片を有する。端子本体3は、前端部から雄型端子などが挿入されて接続される。なお、以下の説明では、端子本体3が、雄型端子等の挿入タブ(図示省略)の挿入を許容する雌型端子である例を示すが、本発明において、この端子本体3の細部の形状は特に限定されない。例えば、雌型の端子本体3に代えて例えば雄型端子の挿入タブを設けてもよい。
圧着部5は、被覆導線11と圧着される部位であり、圧着前においては、端子1の長手方向に垂直な断面形状が略U字状のバレル形状を有する。端子1の圧着部5は、被覆導線11の先端側に被覆部15から露出する導線13を圧着する導線圧着部7と、被覆導線11の被覆部15を圧着する被覆圧着部9と、導線圧着部7と被覆圧着部9の間のバレル間部8からなる。
導線圧着部7の内面の一部には、幅方向(長手方向に垂直な方向)に、図示を省略したセレーションが設けられる。このようにセレーションを形成することで、導線13を圧着した際に、導線13の表面の酸化膜を破壊しやすく、また、導線13との接触面積を増加させることができる。
被覆導線11の先端は、被覆部15が剥離され、内部の導線13が露出する。被覆導線11の被覆部15は、端子1の被覆圧着部9によって圧着される。また、被覆部15が剥離されて露出する導線13は、導線圧着部7により圧着される。導線圧着部7において、導線13と端子1とが電気的に接続される。なお、被覆部15の端面は、被覆圧着部9と導線圧着部7の間のバレル間部8に位置する。
本発明では、少なくとも、被覆部15から露出する導線13が、防食材17で覆われる。すなわち、少なくとも、バレル間部8から導線圧着部7までの導線13が露出する部位が防食材17で覆われており、導線13は、防食材17によって外部に露出しない。防食材17は、例えば、シリコーンアクリレート、ウレタンアクリレート、アクリルアクリレートなどの紫外線硬化樹脂である。
被覆圧着部9の後端側には、流動防止機構である流動防止材19が配置される。流動防止材19は、例えば、シリコーンアクリレート、ウレタンアクリレート、アクリルアクリレートなどの紫外線硬化樹脂である。なお、流動防止材19と防食材17とは接触していてもよい。詳細は後述するが、この場合でも、両者の形成タイミングが異なるため、その境界は、断面研磨後に光学顕微鏡や偏光顕微鏡で識別が可能である。
次に、端子付き電線10の製造方法について説明する。まず、被覆導線11と端子1とを圧着により接続する。次に、図3(a)に示すように、被覆圧着部9の後端側に、流動防止材19を塗布する。すなわち、被覆圧着部9の少なくとも一部と被覆部15の少なくとも一部に接するように流動防止材19を塗布する。
ここで、本発明において、流動防止材19を塗布するとは、流動防止材19の供給部に形成した液滴を対象部に接触させる方法や、流動防止材19の液滴を供給部から打ち出して(滴下させて)対象部に付着させる方法など、対象部に流動防止材19が付着した状態を得る方法の全てを含むものとする。例えば、流動防止材19を対象部に対して、ジェットディスペンサで塗布してもよく、メカニカルディスペンサで塗布してもよい。
被覆圧着部9の後端部(被覆圧着部9と被覆部15の露出部の境界近傍)に流動防止材19を塗布すると、流動防止材19の一部は、被覆圧着部9の上方から下方へ流れて、被覆圧着部9の後端部を全周にわたって塞ぐ。また、流動防止材19の一部は、被覆圧着部9の前方の下方にも流れる。なお、この際、流動防止材19の一部(上端)が被覆圧着部9の最上部よりも上方に盛り上がるように配置されることが望ましい。
この状態で、流動防止材19を硬化させる。その後、少なくとも、バレル間部8から導線圧着部7までの導線13が露出する部位に防食材17を塗布し、防食材17を硬化させることで、端子付き電線10を製造することができる。例えば、前述したように、防食材17または流動防止材19が光硬化樹脂である場合には、防食材17または流動防止材19を光照射によって硬化させることができる。なお、防食材17または流動防止材19が光硬化樹脂以外の場合には、熱等の方法を適宜用いて防食材17または流動防止材19を硬化させる。
この際、被覆圧着部9の上方に流動防止材19が配置されるため、これが堰となり、防食材17が被覆圧着部9の上方を伝って後方に流動することがない。また、被覆圧着部9の後端部において、被覆圧着部9と被覆部15との隙間が塞がれているため、防食材17が被覆圧着部9と被覆部15との隙間を伝って後方に流動することが抑制される。すなわち、流動防止材19は、被覆圧着部9側において、硬化前の防食材17が被覆圧着部9の後端側へ流動することを抑制する流動防止機構として機能する。
なお、図3(a)に示す例では、流動防止材19を被覆圧着部9の後端部のみに配置したが、これには限られない。例えば、図3(b)に示すように、被覆圧着部9を覆うように流動防止材19を配置してもよい。すなわち、流動防止材19は、被覆圧着部9の少なくとも一部と被覆部15の少なくとも一部に接するように形成されればよい。この場合でも、流動防止材19の一部は、被覆圧着部9の下方へ流れるとともに、被覆圧着部9と被覆部15の隙間にも流入して塞ぎ、前述したような、防食材17の被覆圧着部9の後方側への流動を抑制することができる。
なお、流動防止材19が過剰に導線13方向へ流れてしまうと、その後に塗布する防食材17による導線13の被覆の妨げとなるおそれもある。また、被覆圧着部9の全体を流動防止材19で被覆すると、流動防止材19の使用量も多くなる。このため、図3(a)に示すように、被覆圧着部9の後端部のみへの塗布で十分な流動防止効果を得ることができれば、被覆圧着部9の全体を流動防止材19で被覆する必要はない。なお、大型の電線の場合であって、被覆圧着部9の長さが長い場合には、被覆圧着部9の前端部のみに流動防止材19を塗布して、流動防止材19を被覆圧着部9と被覆部15との隙間に充填してもよい。
また、効率よく被覆圧着部9の後端部の下方に流動防止材19を配置するために、図4(a)に示すように、被覆圧着部9の後端下部に、受け部20を設けてもよい。受け部20は、被覆圧着部9の下部において、後方に突出する。このため、被覆圧着部9の後端部上方に流動防止材19を塗布した際に、流動防止材19が受け部20に溜まり、効率よく、被覆圧着部9の下部と被覆部15の隙間を埋めることができる。
また、同様の効果は、図4(b)に示すように、流動防止材19を塗布する際に、被覆圧着部9の後端側を上方に向けて傾けてもよい。この状態で、被覆圧着部9の後端部上方に流動防止材19を塗布すると、流動防止材19を、効率よく、被覆圧着部9の下部と被覆部15の隙間に充填することができる。
以上説明したように、本実施形態によれば、流動防止材19を先に形成することによって、その後、防食材17を塗布した際に、防食材17が被覆圧着部9の後方に流動することを抑制することができる。このため、防食に必要な導線13の内部や下部に確実に防食材17を浸透させて、効率良く防食効果を得ることができる。なお、防食材17を塗布する際には、例えば、流動防止材19の一部が、被覆圧着部9の後方から前方に向かって流れた状態ですでに硬化している。このため、後から塗布した防食材17の一部は、被覆圧着部9の前方から、被覆圧着部9の後方に向かって、ある程度は、すでに硬化した流動防止材19の上に重なるようにして、流動防止材19に沿って流れるが、流動防止材19によって、それ以上後方への流動が抑制される。
また、流動防止材19が光硬化樹脂であれば、極めて短時間に流動防止材19を硬化させることができる。なお、流動防止材19を塗布した後、短時間に被覆圧着部9の下方まで流れるためには、流動防止材19の粘性が低い方が望ましい。特に、流動防止材19は、防食材17の流動を防止可能であればよいため、大きな硬度は不要であり、使用量を削減するためにも、濃度が薄く粘性の低いものでよい。一方、防食材17は、多少の強度と導線13への浸透性などが必要なため、防食材17の粘性を流動防止材19の粘性よりも高くしてもよい。また、防食材17の硬化後の硬度を流動防止材19の硬化後の硬度よりも高くしてもよい。
また、流動防止材19を被覆圧着部9の上方に盛り上がるように配置することで、防食材17の堰となり、防食材17が被覆圧着部9の上面を伝って後方に流動することを抑制することができる。
また、被覆圧着部9の下端に受け部20を設けたり、流動防止材19の塗布の際に被覆圧着部9の後端を上方に傾けることで、流動防止材19を効率よく被覆圧着部9の後端下部に配置することができる。
次に、第2の実施形態について説明する。図5(a)、図5(b)は、第2の実施形態にかかる端子付き電線の製造方法を示す図である。なお、以下の説明において、第1の実施形態と同様の機能を奏する構成については、図1〜図4と同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
本実施形態においては、まず、図5(a)に示すように、流動防止材19を前述した方法で形成するとともに、トランジション部4の底面上に、流動防止材19aを塗布する。この際、流動防止材19aがトランジション部4の全幅にわたって形成されることが望ましい。例えば、トランジション部4の幅方向中央に流動防止材19aを塗布して、全幅に流動防止材19aを広げてもよく、幅方向の複数個所に流動防止材19aを塗布してもよい。
流動防止材19aは、導線圧着部7(または導線圧着部7から露出する導線13の先端)から離間した位置に形成される。すなわち、流動防止材19aと導線圧着部7(または導線圧着部7から露出する導線13の先端)との間には、端子1の長手方向に対して隙間が形成される。このように隙間を形成することで、この後に塗布される防食材17の樹脂溜まりを形成することができる。
次に、図5(b)に示すように、防食材17を塗布すると、前述したように、流動防止材19によって、防食材17が被覆圧着部9の後方へ流動することを抑制することができる。また、流動防止材19aによって、防食材17が端子本体3側へ流動することも抑制することができる。
第2の実施形態によれば、第1の実施形態と同様の効果を得ることができる。また、流動防止材19aを形成することで、導線13等を被覆する防食材17が、端子本体3側へ流れることを抑制することができる。
次に、第3の実施形態について説明する。図6(a)は、第3の実施形態にかかる圧着前の端子1を示す図である。本実施形態では、被覆圧着部9の内面側に突出する流動防止突起19bが形成される。流動防止突起19bは、流動防止材19と同様に、防食材17が被覆圧着部9の後方に流動することを抑制する流動防止機構として機能する。
この状態から、被覆導線11を圧着すると、被覆圧着部9の内面には流動防止突起19bが形成されているため、前述した被覆圧着部9と被覆部15との隙間が塞がれて、防食材17の流動が抑制される。
なお、被覆圧着部9の一部を変形させて形成される流動防止突起19bに代えて、図6(b)に示すように、流動防止材19cを設けてもよい。圧着前の端子1に対して、被覆圧着部9の内面に流動防止材19cを塗布して硬化させ、この状態で被覆導線11を圧着してもよい。このようにしても、被覆圧着部9の内面には凸形状が形成されているため、前述した被覆圧着部9と被覆部15との隙間が塞がれて、防食材17の流動が抑制される。
第3の実施形態によれば、第1の実施形態と同様の効果を得ることができる。また、被覆圧着部9の内面に凸部を形成することで防食材17が、端子本体3側へ流れることを抑制することができる。このように、防食材17が、被覆圧着部9の後端側へ流動することを抑制できれば、流動防止機構としては、流動防止材19以外でも良い。
また、より効率よく防食効果を得るために、流動防止材19または防食材17を構成する樹脂を塗布した後、圧着部5近傍を加熱してもよい。加熱することにより、樹脂の粘度を下げることができ、被覆圧着部9と被覆部15との隙間や、導線13の素線間および導線13の下部などに、樹脂を浸透させやすくなる。また、内部の空気を追い出すため、空気溜りを低減することができる。このような効果を得るためには、例えば、樹脂粘度が10mPa・s以下、または端子との接触角が10°以下となるように加熱温度を調整すればよい。
また、樹脂を十分に浸透させた後、被覆導線11を冷却してもよい。このようにすることで、内部の空気が収縮し、樹脂を線間などに浸透させることができる。
以上、添付図を参照しながら、本発明の実施の形態を説明したが、本発明の技術的範囲は、前述した実施の形態に左右されない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
例えば、上述した各構成は、互いに組み合わせることができることは言うまでもない。
1………端子
3………端子本体
4………トランジション部
5………圧着部
7………導線圧着部
8………バレル間部
9………被覆圧着部
10………端子付き電線
11………被覆導線
13………導線
15………被覆部
17………防食材
19、19a、19c………流動防止材
19b………流動防止突起
20………受け部
100………端子付き電線
101………端子
107………導線圧着部
108………バレル間部
109………被覆圧着部
111………被覆導線
113………導線
115………被覆部
117………防食材

Claims (7)

  1. 被覆導線と端子とが接続される端子付き電線であって、
    前記被覆導線は、被覆部と、前記被覆部の先端から露出する導線とを具備し、
    前記端子は、端子本体と圧着部とを有し、
    前記圧着部は、前記導線が圧着される導線圧着部と、前記被覆部が圧着される被覆圧着部と、前記導線圧着部と前記被覆圧着部との間のバレル間部と、を具備し、
    少なくとも、前記バレル間部から前記導線圧着部までの前記導線が露出する部位が防食材で覆われており、前記被覆圧着部側において、硬化前の前記防食材が前記被覆圧着部の後端側へ流動することを抑制する流動防止機構が形成されることを特徴とする端子付き電線。
  2. 前記流動防止機構は、前記被覆圧着部の少なくとも一部と前記被覆部の少なくとも一部に接するように形成された流動防止材であることを特徴とする請求項1に記載の端子付き電線。
  3. 前記流動防止材は、前記被覆圧着部の後端部側に形成されることを特徴とする請求項2に記載の端子付き電線。
  4. 前記流動防止材の上端が前記被覆圧着部の最上部よりも上方に位置するように配置されることを特徴とする請求項2または請求項3のいずれかに記載の端子付き電線。
  5. 前記流動防止材が光硬化樹脂であることを特徴とする請求項2から請求項4のいずれかに記載の端子付き電線。
  6. 被覆導線と端子とが接続される端子付き電線の製造方法であって、
    前記被覆導線は、被覆部と、前記被覆部の先端から露出する導線とを具備し、
    前記端子は、端子本体と圧着部とを有し、
    前記圧着部は、前記導線が圧着される導線圧着部と、前記被覆部が圧着される被覆圧着部と、前記導線圧着部と前記被覆圧着部との間のバレル間部と、を具備し、
    前記被覆圧着部の少なくとも一部と前記被覆部の少なくとも一部に接するように流動防止材を塗布してから硬化させた後、少なくとも、前記バレル間部から前記導線圧着部までの前記導線が露出する部位に防食材を塗布して硬化させることを特徴とする端子付き電線の製造方法。
  7. 前記流動防止材が光硬化樹脂であって、前記流動防止材を光照射によって硬化させることを特徴とする請求項6に記載の端子付き電線の製造方法。
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