JP7233182B2 - 端子付き電線およびその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は例えば自動車等に用いられる端子付き電線およびその製造方法に関するものである。
従来、自動車、OA機器、家電製品等の分野では、電力線や信号線として、電気導電性に優れた銅系材料からなる電線が使用されている。特に、自動車分野においては、車両の高性能化、高機能化が急速に進められており、車載される各種電気機器や制御機器が増加している。したがって、これに伴い、使用される端子付き電線も増加する傾向にある。
一方、環境問題が注目される中、自動車の軽量化が要求されている。したがって、ワイヤハーネスの使用量増加に伴う重量増加が問題となる。このため、従来使用されている銅線に代えて、軽量なアルミニウム電線が注目されている。
ここで、このような電線同士を接続する際や機器類等の接続部においては、接続用端子が用いられる。しかし、アルミニウム電線を用いた端子付き電線であっても、接続部の信頼性等のため、端子部には、電気特性に優れる銅が使用される場合がある。このような場合には、アルミニウム電線と銅製の端子とが接合されて使用される。
しかし、異種金属を接触させると、標準電極電位の違いから、いわゆる電食が発生する恐れがある。特に、アルミニウムと銅との標準電極電位差は大きいため、接触部への水の飛散や結露等の影響により、電気的に卑であるアルミニウム側の腐食が進行する。このため、接続部における電線と端子との接続状態が不安定となり、接触抵抗の増加や線径の減少による電気抵抗の増大、更には断線が生じて電装部品の誤動作、機能停止に至る恐れがある。
このため、電線と端子との接続部を防食材で被覆する方法が提案されている。しかし、圧着後の端子付き電線に防食材を塗布すると、防食材が流れてしまい、必要な部分を確実に防食材で覆うことができない場合がある。
これに対し、端子圧着部と端子本体との間のトランジション部に流れ止めを形成して、導線圧着部を被覆する樹脂が端子本体側に流れることを抑制する端子付き電線の製造方法が提案されている。(特許文献1)。
特開2018-77949号公報
しかし、圧着時に、導線圧着部の先端から露出する導線が変形し、導線の先端部が他の部位よりも上方に向けて突き出すおそれがある。この場合には、導線の一部が樹脂被覆部から上方に露出する場合がある。また、被覆圧着部と導線圧着部との間において、導線が上方に膨らみ、この部位において、導線の一部が樹脂被覆部から露出する場合がある。このように、導線の一部が樹脂被覆部から露出すると、十分な防食性を確保できなくなる。
本発明は、このような問題に鑑みてなされたもので、樹脂被覆からの導線の露出を抑制して、確実に防食性を確保することが可能な端子付き電線およびその製造方法を提供することを目的とする。
前述した目的を達するために第1の発明は、被覆導線と端子とが接続される端子付き電線であって、前記被覆導線は、被覆部と、前記被覆部の先端から露出する導線とを具備し、前記端子は、端子本体と圧着部とがトランジション部を介して連結されており、前記圧着部は、前記導線が圧着される導線圧着部と、前記被覆部が圧着される被覆圧着部と、前記導線圧着部と前記被覆圧着部との間のバレル間部と、を具備し、前記トランジション部には、前記導線の先端部の高さよりも高い樹脂製の流出防止部が設けられ、前記流出防止部は、前記導線の先端部より前記端子本体側で、前記トランジション部の側壁間の全幅に渡って形成された第1の流出防止部を有し、前記流出防止部は、前記トランジション部の側壁上に、前記側壁の厚み以下の厚みで、前記第1の流出防止部から前記導線圧着部側へ向けて形成された第2の流出防止部を更に有し、少なくとも、前記バレル間部から前記流出防止部までの前記導線が露出する部位が防食材で覆われることを特徴とする端子付き電線である。
また前記導線圧着部の先端部近傍に前記第2の流出防止部同士を繋ぐように設けられた第3の流出防止部を更に有し、前記流出防止部は前記導線圧着部の先端側を囲むように形成されていてもよい。
前記バレル間部の両側壁上および前記被覆圧着部の先端部近傍の幅方向に形成された、略コの字状の樹脂製の他の流出防止部が設けられ、前記他の流出防止部は、前記被覆部から露出する前記導線の高さよりも高く、前記流出防止部と前記他の流出防止部の間において、前記導線が露出する部位が前記防食材で覆われていてもよい。
第2の発明は、被覆導線と端子とが接続される端子付き電線であって、前記被覆導線は、被覆部と、前記被覆部の先端から露出する導線とを具備し、前記端子は、端子本体と圧着部とがトランジション部を介して連結されており、前記圧着部は、前記導線が圧着される導線圧着部と、前記被覆部が圧着される被覆圧着部と、前記導線圧着部と前記被覆圧着部との間のバレル間部と、を具備し、前記導線圧着部の上方または、前記導線圧着部と前記バレル間部との境界部近傍における前記バレル間部に、前記被覆部から露出する前記導線の高さよりも高い樹脂製の流出防止部が設けられ、前記流出防止部は、前記導線圧着部の上方に前記導線圧着部の全幅で形成されるか、または前記導線圧着部の後方の前記バレル間部の全幅で形成される第4の流出防止部を有し、少なくとも、前記第4の流出防止部の後方において、前記バレル間部から前記第4の流出防止部までの前記導線が露出する部位が防食材で覆われることを特徴とする端子付き電線である。
第2の発明では、前記導線の先端部より前記端子本体側で、前記トランジション部の側壁間の全幅に渡って形成され、前記導線の先端部の高さよりも高い樹脂製の他の流出防止部を有し、前記防食材が、前記他の流出防止部の後方と前記第4の流出防止部の後方のそれぞれに設けられていてもよい。
また、前記流出防止部が、前記バレル間部の両側壁上および前記被覆圧着部の先端部近傍の上方の幅方向において形成された、略コの字状の第5の流出防止部を更に有し、前記第4の流出防止部と前記第5の流出防止部とで前記バレル間部が囲まれていてもよい。
第3の発明は、被覆導線と端子とが接続される端子付き電線であって、前記被覆導線は、被覆部と、前記被覆部の先端から露出する導線とを具備し、前記端子は、端子本体と圧着部とがトランジション部を介して連結されており、前記圧着部は、前記導線が圧着される導線圧着部と、前記被覆部が圧着される被覆圧着部と、前記導線圧着部と前記被覆圧着部との間のバレル間部と、を具備し、前記トランジション部には、前記導線の先端部の高さよりも高い樹脂製の流出防止部が設けられ、少なくとも、前記バレル間部から前記流出防止部までの前記導線が露出する部位が防食材で覆われ、前記導線圧着部の上方であって、バレル同士の突合せ部の両側に流出防止部が設けられ、少なくとも、前記バレル同士の突合せ部の両側の流出防止部の間が防食材で覆われていることを特徴とする端子付き電線である。
第4の発明は、被覆導線と端子とが接続される端子付き電線であって、前記被覆導線は、被覆部と、前記被覆部の先端から露出する導線とを具備し、前記端子は、端子本体と圧着部とがトランジション部を介して連結されており、前記圧着部は、前記導線が圧着される導線圧着部と、前記被覆部が圧着される被覆圧着部と、前記導線圧着部と前記被覆圧着部との間のバレル間部と、を具備し、前記導線圧着部の上方または後方には、前記被覆部から露出する前記導線の高さよりも高い樹脂製の流出防止部が設けられ、少なくとも、前記バレル間部から前記流出防止部までの前記導線が露出する部位が防食材で覆われ、前記導線圧着部の上方であって、バレル同士の突合せ部の両側に流出防止部が設けられ、少なくとも、前記バレル同士の突合せ部の両側の流出防止部の間が防食材で覆われていることを特徴とする端子付き電線である。
第5の発明は、被覆導線と端子とが接続される端子付き電線であって、前記被覆導線は、被覆部と、前記被覆部の先端から露出する導線とを具備し、前記端子は、端子本体と圧着部とがトランジション部を介して連結されており、前記圧着部は、前記導線が圧着される導線圧着部と、前記被覆部が圧着される被覆圧着部と、前記導線圧着部と前記被覆圧着部との間のバレル間部と、を具備し、前記トランジション部には、前記導線の先端部の高さよりも高い樹脂製の流出防止部が設けられ、少なくとも、前記バレル間部から前記流出防止部までの前記導線が露出する部位が防食材で覆われ、前記被覆圧着部の後方に、前記被覆圧着部から所定の隙間をあけて前記被覆部の上方に他の流出防止部が設けられ、前記被覆圧着部と前記他の流出防止部の間が前記被覆圧着部の後端部の全周にわたって防食材で覆われていることを特徴とする端子付き電線である。
第6の発明は、被覆導線と端子とが接続される端子付き電線であって、前記被覆導線は、被覆部と、前記被覆部の先端から露出する導線とを具備し、前記端子は、端子本体と圧着部とがトランジション部を介して連結されており、前記圧着部は、前記導線が圧着される導線圧着部と、前記被覆部が圧着される被覆圧着部と、前記導線圧着部と前記被覆圧着部との間のバレル間部と、を具備し、前記導線圧着部の上方または後方には、前記被覆部から露出する前記導線の高さよりも高い樹脂製の流出防止部が設けられ、少なくとも、前記バレル間部から前記流出防止部までの前記導線が露出する部位が防食材で覆われ、前記被覆圧着部の後方に、前記被覆圧着部から所定の隙間をあけて前記被覆部の上方に他の流出防止部が設けられ、前記被覆圧着部と前記他の流出防止部の間が前記被覆圧着部の後端部の全周にわたって防食材で覆われていることを特徴とする端子付き電線である。
前記流出防止部は、樹脂が硬化した複数の液滴が幅方向にわずかに重なるように配置されて一段目が形成され、一段目の上部に、樹脂が硬化した複数の液滴が幅方向にわずかに重なるように配置されることで二段目以降が積層されて形成されてもよい。
全ての流出防止部を構成する樹脂と前記防食材が光硬化樹脂であることが望ましい。
第1の発明によれば、トランジション部に、導線の先端部の高さよりも高い樹脂製の流出防止部が設けられるため、流出防止部の形成が容易であり、また、導線の先端部が防食材から露出することがなく、バレル間部から流出防止部までの導線を防食材で被覆することができる。このため、高い防食性能を確保することができる。
また、同様に、導線圧着部の上方または後方に、被覆部から露出する導線の高さよりも高い樹脂製の流出防止部が設けられれば、被覆部からの導線露出部を、確実に防食材で被覆することができる。このため、高い防食性能を確保することができる。
この際、複数の樹脂の液滴で流出防止部を形成するため、極めて短時間に流出防止部を形成することができる。
また、樹脂が積層されて流出防止部が形成されていることで、より高さの高い流出防止部を容易に形成することができる。
また、トランジション部に、導線の先端部の高さよりも高い流出防止部を設け、導線圧着部の上方または後方には、被覆部から露出する導線の高さよりも高い流出防止部を設けることで、より確実に、バレル間部から導線の先端までの導線を防食材で覆うことができる。この際、トランジション部に設けられる流出防止部と、導線圧着部の上方または後方に設けられる流出防止部の高さが異なるようにすることで、各部位に応じて適した高さの流出防止部を形成することができ、過剰に高さの高い流出防止部を形成することを抑制することができる。
また、被覆圧着部の後方の被覆部の外周に流出防止部を設けることで、被覆圧着部の後端部から被覆部の外周の流出防止部までの間を防食材で覆うことができる。
また、導線圧着部の上方であって、バレル同士の突合せ部の両側に流出防止部を設けることで、バレル同士の突合せ部を防食材で覆うことができる。
また、流出防止部を構成する樹脂と防食材が光硬化樹脂であれば、製造が容易であり、短時間で端子付き電線を製造することができる。
の発明は、第1-6の発明のいずれかに記載の端子付き電線の製造方法であって、前記トランジション部、前記導線圧着部の上方または後方に、複数の樹脂の液滴の塗布と硬化を繰り返して、前記流出防止部を形成し、前記流出防止部は、前記トランジション部において、前記導線の先端部の高さよりも高く形成されるか、または、前記導線圧着部の上方または前記バレル間部において、前記被覆部から露出する前記導線の高さよりも高く形成され、前記流出防止部の後方に、防食材を塗布した後、光照射することで防食材を硬化させ、前記バレル間部から前記流出防止部までの前記導線が露出する部位を防食材で覆うことを特徴とする端子付き電線の製造方法である。
前記流出防止部は、ジェットディスペンサによって、樹脂の液滴を打ち出し、打ち出しと連動させて光を照射させて硬化させ、その横に、同様にして互いにわずかに重なるように樹脂の液滴の打ち出しと硬化を繰り返し行い、前記トランジション部の側壁間の全幅、前記導線圧着部の全幅又は前記バレル間部の全幅に一段目を形成し、一段目の上部に、樹脂の液滴の打ち出しと硬化を繰り返して二段目以降を積層することが望ましい。
の発明によれば、高い防食性能を確保することが可能な端子付き電線を容易に製造することができる。
特に、ジェットディスペンサによる樹脂の打ち出しと、樹脂の硬化工程を繰り返すことで、容易に所定の幅に対し所定の高さの流出防止部を形成することができる。
本発明によれば、樹脂被覆からの導線の露出を抑制して、確実に防食性を確保することが可能な端子付き電線およびその製造方法を提供することができる。
端子付き電線10を示す斜視図。 端子付き電線10を示す断面図。 端子付き電線10の製造工程を示す図で、(a)は平面図、(b)は断面図。 流出防止部19近傍の拡大図。 (a)は、端子付き電線10aを示す平面図、(b)は、端子付き電線10bを示す平面図。 (a)は、端子付き電線10cを示す平面図、(b)は、端子付き電線10dを示す平面図。 (a)は、端子付き電線10eを示す平面図、(b)は、端子付き電線10eを示す断面図、(c)は、流出防止部19e近傍の拡大図。 (a)は、端子付き電線10fを示す平面図、(b)は、端子付き電線10gを示す平面図。 (a)は、端子付き電線10hを示す平面図、(b)は、端子付き電線10iを示す平面図。 端子付き電線10jを示す断面図。
以下、図面を参照しながら、本発明の実施形態について説明する。図1は、端子付き電線10を示す斜視図であり、図2は断面図である。なお、図1は、防食材17を透視した図である。端子付き電線10は、端子1と被覆導線11が接続されて構成される。
被覆導線11は、アルミニウムまたはアルミニウム合金製である導線13と、導線13を被覆する被覆部15からなる。すなわち、被覆導線11は、被覆部15と、その先端から露出する導線13とを具備する。導線13は、例えば、複数の素線が撚り合わせられた撚り線である。
端子1は、オープンバレル型であり、銅または銅合金製である。端子1には被覆導線11が接続される。端子1は、端子本体3と圧着部5とがトランジション部4を介して連結されて構成される。圧着部5と端子本体3の間に位置するトランジション部4は、上方が開口する。
端子本体3は、所定の形状の板状素材を、断面が矩形の筒体に形成したものである。端子本体3は、内部に、板状素材を矩形の筒体内に折り込んで形成される弾性接触片を有する。端子本体3は、前端部から雄型端子などが挿入されて接続される。なお、以下の説明では、端子本体3が、雄型端子等の挿入タブ(図示省略)の挿入を許容する雌型端子である例を示すが、本発明において、この端子本体3の細部の形状は特に限定されない。例えば、雌型の端子本体3に代えて例えば雄型端子の挿入タブを設けてもよい。
圧着部5は、被覆導線11と圧着される部位であり、圧着前においては、端子1の長手方向に垂直な断面形状が略U字状のバレル形状を有する。端子1の圧着部5は、被覆導線11の先端側に被覆部15から露出する導線13を圧着する導線圧着部7と、被覆導線11の被覆部15を圧着する被覆圧着部9と、導線圧着部7と被覆圧着部9の間のバレル間部8からなる。
導線圧着部7の内面の一部には、幅方向(長手方向に垂直な方向)に、図示を省略したセレーションが設けられる。このようにセレーションを形成することで、導線13を圧着した際に、導線13の表面の酸化膜を破壊しやすく、また、導線13との接触面積を増加させることができる。
被覆導線11の先端は、被覆部15が剥離され、内部の導線13が露出する。被覆導線11の被覆部15は、端子1の被覆圧着部9によって圧着される。また、被覆部15が剥離されて露出する導線13は、導線圧着部7により圧着される。導線圧着部7において、導線13と端子1とが電気的に接続される。なお、被覆部15の端面は、被覆圧着部9と導線圧着部7の間のバレル間部8に位置する。
トランジション部4には、樹脂製の流出防止部19が設けられる。流出防止部19の高さは、導線13の先端部の高さ(トランジション部4上面からの高さ)よりも高い。例えば、図2に示すように、導線13の先端は、導線圧着部7における導線13の高さよりも高くなる場合があるが、流出防止部19の高さは、導線圧着部7から露出する導線13の先端部の高さよりも高い。特に、図示したように、導線圧着部7の先端に露出する導線13の先端の高さが、導線圧着部7の先端部における上面高さよりも高くなる場合には、流出防止部19は、導線13の先端部の高さよりも高い位置まで形成されるため、導線圧着部7の先端部における上面高さよりも高くまで形成されることとなる。なお、流出防止部19は、トランジション部4の幅方向の全幅に渡って形成される。
本実施形態では、少なくとも、バレル間部8から流出防止部19までの導線13が露出する部位が防食材17で覆われている。また、防食材17は、流出防止部19の上端近傍まで設けられるため、導線13が、防食材17によって完全に覆われて、外部に露出しない。
なお、防食材17および流出防止部19を構成する樹脂は、例えば、アクリレート系の光硬化樹脂である。なお、防食材17と流出防止部19とは、明確な境界なく完全に一体化されていてもよい。この場合でも、両者の形成タイミングが異なるため、その境界を、断面研磨後に光学顕微鏡や偏光顕微鏡で識別は可能である。
次に、端子付き電線10の製造方法について説明する。まず、被覆導線11と端子1とを圧着により接続する。次に、トランジション部4に、樹脂の塗布と硬化によって、流出防止部19を形成する。ここで、流出防止部19は、ジェットディスペンサによって、樹脂を打ち出す工程と、樹脂を硬化させる工程を繰り返し、樹脂を、所定の幅に対し所定の高さに積層させることで形成することができる。
例えば、図3(a)に示すように、トランジション部4に対して樹脂の液滴をジェットディスペンサで打ち出し、打ち出しと連動させて光を照射させて硬化させ、その横に、同様にしてわずかにラップするように樹脂の液滴の打ち出しと硬化を行い、トランジション部4の幅方向に流出防止部19を形成する。すなわち、流出防止部19は、複数の樹脂の液滴の塗布と硬化を繰り返して形成されることが望ましい。なお、光を点滅させて打ち出しと連動させるのではなく、光を照射した状態で樹脂を打ち出してもよい。トランジション部4の全幅に渡って流出防止部19が形成されると、次に、1段目の流出防止部19の上部に、2段目の流出防止部19を積層する。
図3(b)に示すように、上記の工程を繰り返すことで、トランジション部4において、樹脂が積層されている流出防止部19を形成することができ、導線圧着部7から露出する導線13の先端部の高さよりも高く流出防止部19を形成することができる。なお、前述したように、流出防止部19を構成する硬化した樹脂の各液滴や各層の樹脂は、形成タイミングが異なるため、その境界を、断面研磨後に光学顕微鏡や偏光顕微鏡で識別は可能である。
図4は、流出防止部19近傍の拡大図である。前述したように、樹脂の液滴の打ち出しと硬化とを繰り返すことで、厚みに対して高さの高い流出防止部19を形成することができる。ここで、流出防止部19の高さ(トランジション部4の鏡面からの高さ)をHとすると、前述したように、高さHは、導線13の先端部の高さ(図中C)よりも高い。
また、平面視において、流出防止部19の頂点(平面視における厚みの中心)から流出防止部19の裾野までの距離(すなわち、流出防止部19の厚み(電線の長手方向の厚み)の1/2)をDとする。この場合、距離Dは、3mm以下であることが望ましい。
ここで、距離Dは、端子のサイズ等によって適切な値が変わる。一般に、大型端子ではDが大きくなり、小型端子ではDは小さくなる。Dが大きすぎると、硬化前の流出防止部19の樹脂材の滴が、端子の複数の部位に同時に接触することで、滴の形状がくずれるため、流出防止部19を所望の形状に形成することが困難である。一方、Dが小さすぎると、流出防止部19を形成するために樹脂材の滴の数が多くなるため、製造に要する時間が長くなる。すなわちコストアップ要因となる。
また、流出防止部19のH/Dは、0.5以上であることが望ましく、さらに望ましくは1.0以上であり、2以上であればより望ましい。このように、Dに対するHを所定以上大きくすることで、流出防止部19が、厚みに対して十分な高さを有するため、より効率の良い流出防止部19となる。
次に、流出防止部19の後方(少なくともバレル間部8から流出防止部19までの間)に防食材17を塗布した後、光照射することで防食材17を硬化させ、バレル間部8から流出防止部19までの導線13が露出する部位を防食材17で覆う。以上により、端子付き電線10を得ることができる。
なお、本発明において、防食材17を塗布するとは、防食材17の液滴を対象部に接触させる方法や、防食材17の液滴を供給部から打ち出して(滴下させて)対象部に付着させる方法など、対象部に防食材17が付着した状態を得る方法の全てを含むものとする。例えば、防食材17の液滴を対象部に対して、メカニカルディスペンサで接触させて塗布してもよく、流出防止部19と同様に、ジェットディスペンサで供給部から打ち出して塗布してもよい。
なお、流出防止部19を形成する樹脂の粘度は、例えば常温で1000mPa・s以上の樹脂を加熱して100mPa・sで打ち出すことで、ジェットディスペンサによる打ち出しが可能であるとともに、打ち出し後の樹脂が流れてしまうことを抑制することができる。一方、防食材17の粘度は、1000mPa・s以下で塗布すればよく、より好ましくは、粘度を数mPa・s~数百mPa・s程度とすればよく、例えば、浸透性をより高めるため、3mPa・s以下の粘度でも良い。
以上説明したように、本実施形態によれば、トランジション部4に、導線13の高さよりも高い流出防止部19が形成されるため、流出防止部19を堰として、防食材17を流出防止部19の高さまで塗布することができる。このため、導線圧着部7の先端(端子本体3側の端部)から露出する導線13を確実に防食材17で覆うことができる。特に、導線圧着部7において強圧着する場合には、導線圧着部7の先端から露出する導線13の先端が、導線圧着部7の上面よりも高い位置に跳ね上がる場合があるが、流出防止部19を、さらにそれ以上の高さに形成することで、確実に防食性を確保することができる。また、この場合には、流出防止部19の高さが、導線圧着部7の上面よりも高い位置まで形成されるため、導線圧着部7の上面に塗布した防食材17の流出を防止することができる。
また、樹脂を積層して流出防止部19が形成されるため、厚みに対して高さの高い流出防止部19を得ることができる。このため、効率よく、所定高さの流出防止部19を得ることができ、防食材17の流出を防止しつつ所定の高さまで防食材17を塗布することができる。
また、流出防止部19と防食材17がいずれも光硬化樹脂であるため、短時間で硬化させることができ、製造性が良好である。
次に、第2の実施形態について説明する。図5(a)は、端子付き電線10aを示す平面図である。なお、以下の説明において、第1の実施形態と同様の機能を奏する構成については、図1~図4と同一の符号を付し、重複する説明を省略する。また、以下に示す各流出防止部は、前述の通り、複数の樹脂の液滴が硬化することで形成される。
端子付き電線10aは、端子付き電線10と略同様の構成であるが、流出防止部19に加えて流出防止部19aが設けられる点で異なる。前述したように、トランジション部4の上方には、トランジション部4の全幅に渡って、流出防止部19が設けられる。すなわち、流出防止部19は、トランジション部4の側壁部の内面に接触する。
流出防止部19aは、トランジション部4の側壁上に形成される。すなわち、流出防止部19aの厚みは、トランジション部4の側壁の厚み以下で形成される。例えば、流出防止部19aのD(図4参照)は、0.1mm程度である。流出防止部19aは、流出防止部19と略同一の高さであって、流出防止部19から導線圧着部7側に向けて形成される。すなわち、流出防止部19、19aで導線圧着部7の先端側を略コの字状に囲むように形成される。
防食材17は、バレル間部8から、流出防止部19、19aで囲まれる範囲にわたって設けられ、バレル間部8から導線圧着部7の先端露出する導線13を覆う。
第2の実施形態によれば、第1の実施形態と同様の効果を得ることができる。また、トランジション部4の側壁上に流出防止部19aを設けることで、トランジション部4の側壁よりも高い流出防止部19、19aとすることができる。このため、トランジション部4の側方への防食材17の流出を防止することができ、より確実に、導線13を防食材17で覆うことができる。
次に、第3の実施形態について説明する。図5(b)は、第3の実施形態にかかる端子付き電線10bを示す平面図である。端子付き電線10bは、端子付き電線10aと略同様の構成であるが、流出防止部19、19aに加えて流出防止部19bが設けられる点で異なる。
前述したように、トランジション部4の上方には、トランジション部4の全幅に渡って、流出防止部19が設けられる。また、流出防止部19aは、トランジション部4の側壁上に形成される。流出防止部19bは、流出防止部19、19aと略同一の高さであって、導線圧着部7の先端部近傍に、両サイドの流出防止部19a同士を繋ぐように設けられる。すなわち、流出防止部19、19a、19bで導線圧着部7の先端側を略ロの字状に囲むように形成される。
防食材17は、流出防止部19、19a、19bで囲まれた範囲内と、バレル間部8から、流出防止部19bまでに設けられ、導線13を覆う。なお、この場合でも、バレル間部8から流出防止部19までの導線13が露出する部位が防食材17で覆われているとする。
第3の実施形態によれば、第2の実施形態と同様の効果を得ることができる。また、導線圧着部7の先端側に流出防止部19bを設けることで、導線圧着部7の先端側の導線13を確実に防食材17で覆うことができる。
次に、第4の実施形態について説明する。図6(a)は、第4の実施形態にかかる端子付き電線10cを示す平面図である。端子付き電線10cは、端子付き電線10aと略同様の構成であるが、流出防止部19、19aに加えて流出防止部19cが設けられる点で異なる。
流出防止部19cは、被覆圧着部9の先端部(導線圧着部7側の端部)近傍に幅方向に形成されるとともに、バレル間部8の両側壁上にバレル間部8を挟むように形成される。すなわち、流出防止部19cでバレル間部8を後方から略コの字状に囲むように形成される。
防食材17は、流出防止部19、19aで囲まれた範囲から流出防止部19cで囲まれた範囲まで設けられ、当該範囲における導線13を覆う。
第4の実施形態によれば、第2の実施形態と同様の効果を得ることができる。また、防食材17が、被覆圧着部9の後方や側方に流出することも抑制することができる。
次に、第5の実施形態について説明する。図6(b)は、第5の実施形態にかかる端子付き電線10dを示す平面図である。端子付き電線10dは、端子付き電線10cと略同様の構成であるが、流出防止部19、19a、19cに加えて流出防止部19dが設けられる点で異なる。
前述したように、流出防止部19、19aによって、導線圧着部7の先端側が略コの字状に囲まれる。また、流出防止部19cによって、バレル間部8が後方から略コの字状に囲まれる。流出防止部19dは、流出防止部19aと流出防止部19cを繋ぐように設けられる。すなわち、流出防止部19dは、導線圧着部7の上方であって、バレル同士の突合せ部の両側に設けられ、流出防止部19、19a、19c、19dによってバレル間部8からトランジション部4までの所定の範囲が囲まれる。
防食材17は、流出防止部19、19a、19c、19dで囲まれた範囲に設けられ、当該範囲における導線13を覆う。
第5の実施形態によれば、第4の実施形態と同様の効果を得ることができる。また、バレル同士の突合せ部の両側の流出防止部19dの間を防食材17で覆うことができ、導線圧着部7の側方に防食材17が流出することも抑制することができる。
次に、第6の実施形態について説明する。図7(a)は、第6の実施形態にかかる端子付き電線10eを示す平面図であり、図7(b)は、端子付き電線10eを示す断面図である。端子付き電線10eは、端子付き電線10と略同様の構成であるが、流出防止部19に加えて流出防止部19eが設けられる点で異なる。
流出防止部19eは、導線圧着部7の上方または後方(バレル間部8との境界部近傍)に、導線圧着部7またはバレル間部8の全幅に設けられる。図7(c)は、流出防止部19e近傍の拡大図である。流出防止部19eの高さ(図中H1)は、被覆部15から露出する導線の高さ(図中C1)よりも高い。なお、高さH1及びC1は、いずれもバレル間部8における端子上面からの高さである。
防食材17は、流出防止部19eの後方と、流出防止部19の後方のそれぞれに設けられる。すなわち、バレル間部8から流出防止部19eまでの導線13が露出する部位が、防食材17で覆われるとともに、流出防止部19eから流出防止部19までの導線13が露出する部位が、防食材17で覆われる。
なお、前述したように、トランジション部4には、導線13の先端部の高さよりも高い流出防止部19が設けられ、導線圧着部7の上方または後方には、被覆部15から露出する導線13の高さよりも高い流出防止部19eが設けられる。この際、トランジション部4に設けられる流出防止部19と、導線圧着部7の上方または後方に設けられる流出防止部19eの高さは異なり、流出防止部19eの高さの方が高い。
第6の実施形態によれば、第1の実施形態と同様の効果を得ることができる。また、導線圧着部7の先端部の導線13を確実に覆うとともに、バレル間部8における導線13を確実に覆うことができる。また、各部の導線13の高さに応じた高さで防食材17を塗布することができるため、流出防止部19のみで防食材17の塗布高さを設定する場合と比較して、防食材17の塗布量を削減することができる。なお、バレル間部8における導線13を防食材17で確実に覆う場合には、流出防止部19は必ずしも必要ではなく、流出防止部19eのみとしてもよい。
次に、第7の実施形態について説明する。図8(a)は、第7の実施形態にかかる端子付き電線10fを示す平面図である。端子付き電線10fは、端子付き電線10cと略同様の構成であるが、流出防止部19、19aに代えて、流出防止部19eが設けられる点で異なる。
本実施形態では、流出防止部19が形成されない。このように、導線圧着部7の先端部おける導線13については、防食材17で容易に被覆することができれば、流出防止部19を設けなくてもよい。一方、前述したように、バレル間部8においては、被覆部15から露出する導線13の高さが高い。このため、バレル間部8における導線13をより確実に覆うため、流出防止部19c、19eによって、バレル間部8を囲む。このようにすることで、バレル間部8の周囲に防食材17が流出することをより確実に抑制し、導線13を防食材17で覆うことができる。
第7の実施形態によれば、バレル間部8における導線13を確実に覆うことができる。
次に、第8の実施形態について説明する。図8(b)は、第8の実施形態にかかる端子付き電線10gを示す平面図である。端子付き電線10gは、端子付き電線10fと略同様の構成であるが、流出防止部19、19a、19bと、流出防止部19c、19eが設けられる点で異なる。
前述したように、トランジション部4において、流出防止部19、19a、19bで導線圧着部7の先端側が、略ロの字状に囲まれる。また、バレル間部8が、流出防止部19c、19eで囲まれる。
防食材17は、流出防止部19、19a、19b及び流出防止部19c、19eで囲まれた範囲と、導線圧着部7の上方に塗布される。すなわち、バレル間部8から、トランジション部4までの間の、導線13が防食材17で覆われる。
第8の実施形態によれば、第3の実施形態及び第7の実施形態と同様の効果を得ることができる。このように、特に導線13の露出のおそれがある部位を流出防止部で囲むことで、防食材17の流出を効率よく抑制し、導線13をより確実に防食材17で覆うことができる。
次に、第9の実施形態について説明する。図9(a)は、第9の実施形態にかかる端子付き電線10hを示す平面図である。端子付き電線10hは、端子付き電線10dと略同様の構成であるが、流出防止部19eが設けられる点で異なる。
本実施形態では、流出防止部19c、19eでバレル間部8が囲まれ、流出防止部19、19a、19d、19eによって、導線圧着部7からトランジション部4までが囲まれ、それぞれの領域において、防食材17が塗布される。このため、流出防止部19c、19eによって、バレル間部8の周囲へ防食材17が流出することが抑制され、流出防止部19、19a、19d、19eによって、導線圧着部7およびトランジション部4の周囲へ防食材17が流出することが抑制される。
第9の実施形態によれば、第5の実施形態及び第6の実施形態と同様の効果を得ることができる。このように、特に導線13の露出のおそれがある部位を流出防止部で囲むことで、防食材17の流出を効率よく抑制し、導線13をより確実に防食材17で覆うことができるとともに、各部の導線13の高さに応じた高さで防食材17を塗布することができる。
次に、第10の実施形態について説明する。図9(b)は、第10の実施形態にかかる端子付き電線10iを示す平面図である。端子付き電線10iは、端子付き電線10hと略同様の構成であるが、流出防止部19bが設けられる点で異なる。
本実施形態では、流出防止部19c、19eでバレル間部8が囲まれ、流出防止部19、19a、19bによって、導線圧着部7の先端側が囲まれ、流出防止部19b、19d、19eによって、導線圧着部7の上方のバレル同士の突合せ部が囲まれ、それぞれの領域において、防食材17が塗布される。このため、流出防止部19c、19eによって、バレル間部8の周囲へ防食材17が流出することが抑制され、流出防止部19、19a、19bによって、トランジション部4の周囲へ防食材17が流出することが抑制され、流出防止部19b、19d、19eによって、導線圧着部7の周囲へ防食材17が流出することが抑制される。
第10の実施形態によれば、第9の実施形態と同様の効果を得ることができる。このように、各部を別々に流出防止部で囲むことで、防食材17の流出を効率よく抑制し、導線13をより確実に防食材17で覆うことができるとともに、各部の導線13の高さに応じた高さで防食材17を塗布することができる。
次に、第11の実施形態について説明する。図10は、第11の実施形態にかかる端子付き電線10jを示す断面図である。端子付き電線10jは、端子付き電線10eと略同様の構成であるが、流出防止部19fが設けられる点で異なる。
本実施形態では、被覆圧着部9の後方の被覆部15の外周に流出防止部19fが設けられる。流出防止部19fは、被覆圧着部9の後方に所定の隙間をあけて形成される。なお、流出防止部19fは、例えば、被覆部15の上方の略半周に渡って形成される。
流出防止部19fが形成され後、被覆圧着部9と流出防止部19fの間に上方から防食材17を塗布すると、防食材17は、被覆部15の上方から下方に向かって流れ、被覆圧着部9の後端部を全周に渡って覆う。すなわち、被覆圧着部9の後端部から被覆部15の外周の流出防止部19fまでの間を防食材17で覆うことができる。この際、被覆部15の上方に塗布された防食材17は、流出防止部19fによって、被覆導線11に沿って後方に流れることが抑制される。なお、被覆部15の下方の半周においては、防食材17は、被覆圧着部9の後端に沿って流れるため、被覆導線11の後方への流れが抑制され、被覆圧着部9の後端部の全周に渡って防食材17を塗布することができる。
第11の実施形態によれば、第6の実施形態と同様の効果を得ることができる。また、被覆圧着部9の後端部を防食材17で覆うことができるため、被覆圧着部9の後端からの水の浸入を抑制することができる。
以上、添付図を参照しながら、本発明の実施の形態を説明したが、本発明の技術的範囲は、前述した実施の形態に左右されない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
例えば、上述した各構成は、互いに組み合わせることができることは言うまでもない。また、複数個所に流出防止部を形成する際には、全ての流出防止部を構成する樹脂と防食材17が光硬化樹脂であることが望ましいが、その他の樹脂を用いてもよい。
1………端子
3………端子本体
4………トランジション部
5………圧着部
7………導線圧着部
8………バレル間部
9………被覆圧着部
10、10a、10b、10c、10d、10e、10f、10g、10h、10i、10j………端子付き電線
11………被覆導線
13………導線
15………被覆部
17………防食材
19、19a、19b、19c、19d、19e、19f………流出防止部

Claims (14)

  1. 被覆導線と端子とが接続される端子付き電線であって、
    前記被覆導線は、被覆部と、前記被覆部の先端から露出する導線とを具備し、
    前記端子は、端子本体と圧着部とがトランジション部を介して連結されており、
    前記圧着部は、前記導線が圧着される導線圧着部と、前記被覆部が圧着される被覆圧着部と、前記導線圧着部と前記被覆圧着部との間のバレル間部と、を具備し、
    前記トランジション部には、前記導線の先端部の高さよりも高い樹脂製の流出防止部が設けられ、
    前記流出防止部は、前記導線の先端部より前記端子本体側で、前記トランジション部の側壁間の全幅に渡って形成された第1の流出防止部を有し、
    前記流出防止部は、前記トランジション部の側壁上に、前記側壁の厚み以下の厚みで、前記第1の流出防止部から前記導線圧着部側へ向けて形成された第2の流出防止部を更に有し、
    少なくとも、前記バレル間部から前記流出防止部までの前記導線が露出する部位が防食材で覆われることを特徴とする端子付き電線。
  2. 前記導線圧着部の先端部近傍に前記第2の流出防止部同士を繋ぐように設けられた第3の流出防止部を更に有し、前記流出防止部は前記導線圧着部の先端側を囲むように形成されることを特徴とする請求項に記載の端子付き電線。
  3. 前記バレル間部の両側壁上および前記被覆圧着部の先端部近傍の幅方向に形成された、略コの字状の樹脂製の他の流出防止部が設けられ、前記他の流出防止部は、前記被覆部から露出する前記導線の高さよりも高く、前記流出防止部と前記他の流出防止部の間において、前記導線が露出する部位が前記防食材で覆われていることを特徴とする請求項に記載の端子付き電線。
  4. 被覆導線と端子とが接続される端子付き電線であって、
    前記被覆導線は、被覆部と、前記被覆部の先端から露出する導線とを具備し、
    前記端子は、端子本体と圧着部とがトランジション部を介して連結されており、
    前記圧着部は、前記導線が圧着される導線圧着部と、前記被覆部が圧着される被覆圧着部と、前記導線圧着部と前記被覆圧着部との間のバレル間部と、を具備し、
    前記導線圧着部の上方または、前記導線圧着部と前記バレル間部との境界部近傍における前記バレル間部に、前記被覆部から露出する前記導線の高さよりも高い樹脂製の流出防止部が設けられ、
    前記流出防止部は、前記導線圧着部の上方に前記導線圧着部の全幅で形成されるか、または前記導線圧着部の後方の前記バレル間部の全幅で形成される第4の流出防止部を有し、
    少なくとも、前記第4の流出防止部の後方において、前記バレル間部から前記第4の流出防止部までの前記導線が露出する部位が防食材で覆われることを特徴とする端子付き電線。
  5. 前記導線の先端部より前記端子本体側で、前記トランジション部の側壁間の全幅に渡って形成され、前記導線の先端部の高さよりも高い樹脂製の他の流出防止部を有し、
    前記防食材が、前記他の流出防止部の後方と前記第4の流出防止部の後方のそれぞれに設けられていることを特徴とする請求項に記載の端子付き電線。
  6. 前記流出防止部が、前記バレル間部の両側壁上および前記被覆圧着部の先端部近傍の上方の幅方向において形成された、略コの字状の第5の流出防止部を更に有し、前記第4の流出防止部と前記第5の流出防止部とで前記バレル間部が囲まれていることを特徴とする請求項に記載の端子付き電線。
  7. 被覆導線と端子とが接続される端子付き電線であって、
    前記被覆導線は、被覆部と、前記被覆部の先端から露出する導線とを具備し、
    前記端子は、端子本体と圧着部とがトランジション部を介して連結されており、
    前記圧着部は、前記導線が圧着される導線圧着部と、前記被覆部が圧着される被覆圧着部と、前記導線圧着部と前記被覆圧着部との間のバレル間部と、を具備し、
    前記トランジション部には、前記導線の先端部の高さよりも高い樹脂製の流出防止部が設けられ、
    少なくとも、前記バレル間部から前記流出防止部までの前記導線が露出する部位が防食材で覆われ、
    前記導線圧着部の上方であって、バレル同士の突合せ部の両側に流出防止部が設けられ、少なくとも、前記バレル同士の突合せ部の両側の流出防止部の間が防食材で覆われていることを特徴とする端子付き電線。
  8. 被覆導線と端子とが接続される端子付き電線であって、
    前記被覆導線は、被覆部と、前記被覆部の先端から露出する導線とを具備し、
    前記端子は、端子本体と圧着部とがトランジション部を介して連結されており、
    前記圧着部は、前記導線が圧着される導線圧着部と、前記被覆部が圧着される被覆圧着部と、前記導線圧着部と前記被覆圧着部との間のバレル間部と、を具備し、
    前記導線圧着部の上方または後方には、前記被覆部から露出する前記導線の高さよりも高い樹脂製の流出防止部が設けられ、
    少なくとも、前記バレル間部から前記流出防止部までの前記導線が露出する部位が防食材で覆われ、
    前記導線圧着部の上方であって、バレル同士の突合せ部の両側に流出防止部が設けられ、少なくとも、前記バレル同士の突合せ部の両側の流出防止部の間が防食材で覆われていることを特徴とする端子付き電線。
  9. 被覆導線と端子とが接続される端子付き電線であって、
    前記被覆導線は、被覆部と、前記被覆部の先端から露出する導線とを具備し、
    前記端子は、端子本体と圧着部とがトランジション部を介して連結されており、
    前記圧着部は、前記導線が圧着される導線圧着部と、前記被覆部が圧着される被覆圧着部と、前記導線圧着部と前記被覆圧着部との間のバレル間部と、を具備し、
    前記トランジション部には、前記導線の先端部の高さよりも高い樹脂製の流出防止部が設けられ、
    少なくとも、前記バレル間部から前記流出防止部までの前記導線が露出する部位が防食材で覆われ、
    前記被覆圧着部の後方に、前記被覆圧着部から所定の隙間をあけて前記被覆部の上方に他の流出防止部が設けられ、前記被覆圧着部と前記他の流出防止部の間が前記被覆圧着部の後端部の全周にわたって防食材で覆われていることを特徴とする端子付き電線。
  10. 被覆導線と端子とが接続される端子付き電線であって、
    前記被覆導線は、被覆部と、前記被覆部の先端から露出する導線とを具備し、
    前記端子は、端子本体と圧着部とがトランジション部を介して連結されており、
    前記圧着部は、前記導線が圧着される導線圧着部と、前記被覆部が圧着される被覆圧着部と、前記導線圧着部と前記被覆圧着部との間のバレル間部と、を具備し、
    前記導線圧着部の上方または後方には、前記被覆部から露出する前記導線の高さよりも高い樹脂製の流出防止部が設けられ、
    少なくとも、前記バレル間部から前記流出防止部までの前記導線が露出する部位が防食材で覆われ、
    前記被覆圧着部の後方に、前記被覆圧着部から所定の隙間をあけて前記被覆部の上方に他の流出防止部が設けられ、前記被覆圧着部と前記他の流出防止部の間が前記被覆圧着部の後端部の全周にわたって防食材で覆われていることを特徴とする端子付き電線。
  11. 前記流出防止部は、樹脂が硬化した複数の液滴が幅方向にわずかに重なるように配置されて一段目が形成され、一段目の上部に、樹脂が硬化した複数の液滴が幅方向にわずかに重なるように配置されることで二段目以降が積層されて形成されることを特徴とする請求項1から請求項10のいずれかに記載の端子付き電線。
  12. 全ての流出防止部を構成する樹脂と前記防食材が光硬化樹脂であることを特徴とする請求項1から請求項11のいずれかに記載の端子付き電線。
  13. 請求項1から請求項12のいずれかに記載の端子付き電線の製造方法であって、
    前記トランジション部、前記導線圧着部の上方または後方に、複数の樹脂の液滴の塗布と硬化を繰り返して、前記流出防止部を形成し、
    前記流出防止部は、前記トランジション部において、前記導線の先端部の高さよりも高く形成されるか、または、前記導線圧着部の上方または前記バレル間部において、前記被覆部から露出する前記導線の高さよりも高く形成され、
    前記流出防止部の後方に、防食材を塗布した後、光照射することで防食材を硬化させ、前記バレル間部から前記流出防止部までの前記導線が露出する部位を防食材で覆うことを特徴とする端子付き電線の製造方法。
  14. 前記流出防止部は、ジェットディスペンサによって、樹脂の液滴を打ち出し、打ち出しと連動させて光を照射させて硬化させ、その横に、同様にして互いにわずかに重なるように樹脂の液滴の打ち出しと硬化を繰り返し行い、前記トランジション部の側壁間の全幅、前記導線圧着部の全幅又は前記バレル間部の全幅に一段目を形成し、一段目の上部に、樹脂の液滴の打ち出しと硬化を繰り返して二段目以降を積層することで形成することを特徴とする請求項13記載の端子付き電線の製造方法。
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