JP7359566B2 - 端子付き電線、及び、端子金具 - Google Patents

端子付き電線、及び、端子金具 Download PDF

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Description

本発明は、端子付き電線、及び、電線に取り付けられる端子金具に関する。
近年、例えば、車両に配索されるワイヤハーネスには、アルミニウムやアルミニウム合金から形成された導体芯線を有する電線(以下「アルミニウム電線」という。)に銅や銅合金から形成された端子金具が取り付けられた端子付き電線が使用される場合がある。
アルミニウム電線を用いた端子付き電線は、電線自体の軽量化などの点でメリットがあるものの、導体芯線と端子金具とが異種金属であることに起因し、導体芯線と端子金具との間に付着した水が電解液となってガルバニック腐食(異種金属接触腐食)が生じるおそれがある点でデメリットがある。なお、周知のように、ガルバニック腐食は異種金属間における標準電極電位の相違に起因して生じる。
そこで、アルミニウム電線を用いた従来の端子付き電線の一つでは、端子金具のバレル部に圧着された導体芯線を外部から隔離するように、止水用のシール部材が設けられている。これにより、上述したガルバニック腐食が抑制され、端子金具と導体芯線との電気的接続の信頼性が長期間にわたって維持される(例えば、特許文献1を参照)。
特開2019-009026号公報
上述した従来の端子付き電線では、紫外線硬化型の樹脂を用いてシール部材を形成している。具体的には、端子金具を電線の端末に圧着した後、外部に露出している導体芯線を覆うように硬化前の液状の樹脂を滴下する。そして、導体芯線およびその周辺の端子金具(バレル部など)を硬化前の樹脂で十分に覆った後、紫外線を用いて樹脂を硬化させることで、硬化した樹脂で構成されたシール部材を形成するようになっている。
しかし、上記説明から理解されるように、この従来の端子付き電線では、シール部材の形状や配置の精度は、液状の樹脂の滴下量や滴下位置に依存する。例えば、液状の樹脂の滴下量が多すぎると、仮に滴下位置が適正であっても、設計上想定している範囲よりも広い範囲にまで樹脂が濡れ広がる(いわゆる液垂れが生じる)可能性がある。そして、濡れ広がった樹脂に気付かずに樹脂を硬化させると、端子付き電線の設計上想定していない箇所にシール部材が形成されることになる。このような想定外の形状を有するシール部材は、例えば、端子付き電線をコネクタハウジングの端子収容室に挿入する妨げとなり得る。
上述した液垂れは、液状の樹脂の滴下量や滴下位置を厳密に制御することによって抑制し得ると考えられる。しかし、液状の樹脂の滴下量などの要求精度を過度に高めると、端子付き電線の生産性が低下することが懸念される。
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、端子付き電線への止水体の形成精度の高さと端子付き電線の生産性の高さとを両立可能な端子付き電線、及び、その端子付き電線に用い得る端子金具、を提供することにある。
前述した目的を達成するために、本発明に係る端子付き電線および端子金具は、下記[1]~[]を特徴としている。
[1]
電線と、金属板材から構成され且つ前記電線に取り付けられる端子金具と、止水体と、を備える端子付き電線であって、
前記端子金具は、
前記電線の端末にて絶縁被覆の外部に露出する導体芯線に圧着される第1バレル部と、
前記第1バレル部より前記端子金具の軸方向の基端側に位置し且つ前記電線の前記端末にて前記絶縁被覆に圧着される第2バレル部と、
前記第1バレル部と前記第2バレル部とを繋ぐ連結部と、
前記第1バレル部と前記第2バレル部と前記連結部とに囲まれる領域に面する前記金属板材の端面に開口し、且つ、前記領域から離れる向きに延びる切り欠きと、を有し、
前記止水体は、
流動性を有する止水材料の配置及び硬化を経て当該止水体を形成可能な前記止水材料から構成され、且つ、前記連結部を構成する前記金属板材の端面と前記領域に露出する前記導体芯線との間を隔離するように設けられ、
前記切り欠きは、前記絶縁被覆に圧着される前記第2バレル部の加締片における前記軸方向の先端側に向かう端面にて前記先端側に開口し且つ前記基端側に延びており
前記切り欠きは、
当該切り欠きの開口箇所よりも先端箇所の方が前記端子金具に前記電線が載せ置かれることになる載置面に近い位置にあるように傾斜した形状を有する、
端子付き電線であること。
[2]
上記[1]に記載の端子付き電線において、
前記止水体は、
前記領域に露出する前記導体芯線、及び、前記連結部を構成する前記金属板材の端面を覆うとともに、前記切り欠き内に入っている、
端子付き電線であること。
[3]
上記[1]又は上記[2]に記載の端子付き電線において、
前記切り欠きは、
前記加締片の根元部において前記先端側に開口し且つ前記基端側に延びている、
端子付き電線であること。

金属板材から構成され且つ電線に取り付けられる端子金具であって、
前記電線の端末にて絶縁被覆の外部に露出する導体芯線に圧着される第1バレル部と、
前記第1バレル部より前記端子金具の軸方向の基端側に位置し且つ前記電線の前記端末にて前記絶縁被覆に圧着される第2バレル部と、
前記第1バレル部と前記第2バレル部とを繋ぐ連結部と、
前記第1バレル部と前記第2バレル部と前記連結部とに囲まれる領域に面する前記金属板材の端面に開口し、且つ、前記領域から離れる向きに延びる切り欠きと、を備え、
前記切り欠きは、前記絶縁被覆に圧着される前記第2バレル部の加締片における前記軸方向の先端側に向かう端面にて前記先端側に開口し且つ前記基端側に延びており
前記切り欠きは、
当該切り欠きの開口箇所よりも先端箇所の方が前記端子金具に前記電線が載せ置かれることになる載置面に近い位置にあるように傾斜した形状を有する、
端子金具であること。
上記[1]及び[3]の構成の端子付き電線によれば、端子金具の第1バレル部と第2バレル部と連結部とに囲まれる領域に面する金属板材の端面に開口し且つその領域から離れる向きに延びるように、端子金具に切り欠きが設けられる。更に、流動性を有する状態で配置された後に硬化可能な止水材料(例えば、紫外線硬化型の樹脂や熱硬化型の樹脂など)を用いて、連結部を構成する金属板材の端面と上記領域に露出する導体芯線との間を隔離するように、止水体が設けられる。よって、例えば、その止水材料を端子金具などに滴下して止水体を形成する際、仮に止水材料の滴下量が設計値よりも多少多くても、過剰な止水材料が切り欠き内に流れ込むことで、設計上想定していない範囲にまで止水材料が濡れ広がることを抑制できる。そのため、止水材料の滴下量や滴下位置の精度を過度に高めなくても、設計通りの形状を有する止水体を設計通りの位置に形成し得る。また、特に、端子付き電線が被水した際などに水が溜まり易い端子金具の連結部と導体芯線との間を止水体で隔離することで、上述したガルバニック腐食を適正に抑制できる。したがって、本構成の端子付き電線は、ガルバニック腐食を抑制するとの止水体の本来の機能を高めつつ、端子付き電線への止水体の形成精度の高さと端子付き電線の生産性の高さとを両立可能である。
更に、上記[1]及び[3]の構成の端子付き電線によれば、切り欠きの開口箇所よりも先端箇所の方が載置面に近い位置にあるように(即ち、端子金具の載置面に対して傾くように)、傾斜した形状の切り欠きが設けられる。これにより、例えば、止水材料の滴下量が設計値よりも多い場合、重力に逆らうことなく、過剰に滴下された止水材料を切り欠き内に案内できる。よって、本構成の端子付き電線は、止水体の形成精度を更に高めることができる。
上記[2]の構成の端子付き電線によれば、第1バレル部と第2バレル部と連結部とに囲まれる領域に露出する導体芯線と、連結部の端面と、の双方を止水体で覆うことで、導体芯線と連結部の端面とを適正に隔離できる。また、切り欠き内に止水体が入り込む程度にまで止水材料を配置する(例えば、滴下する)ことで、導体芯線および連結部の端面を、防食の観点から必要十分な程度に隙間なく覆うことができる。
上記[4]の構成の端子金具によれば、端子金具の第1バレル部と第2バレル部と連結部とに囲まれる領域に面する金属板材の端面に開口し且つその領域から離れる向きに延びるように、端子金具に切り欠きが設けられる。よって、例えば、紫外線硬化型の樹脂や熱硬化型の樹脂などを滴下する手法を用いて防食用の止水体を形成する際、仮に樹脂の滴下量が設計値よりも多少多くても、過剰な樹脂が切り欠き内に流れ込むことで、設計上想定していない範囲にまで樹脂が濡れ広がることを抑制できる。そのため、樹脂の滴下量や滴下位置の精度を過度に高めなくても、設計通りの形状を有する止水体を設計通りの位置に形成し得る。また、特に、端子金具が被水した際などに水が溜まり易い端子金具の連結部を覆うように止水体を設ければ、上述したガルバニック腐食を適正に抑制できる。したがって、本構成の端子金具は、ガルバニック腐食を抑制するための止水体の形成精度の高さと、端子金具を用いた端子付き電線の生産性の高さと、を両立可能である。
更に、上記[4]の構成の端子金具によれば、切り欠きの開口箇所よりも先端箇所の方が載置面に近い位置にあるように(即ち、端子金具の載置面に対して傾くように)、傾斜した形状の切り欠きが設けられる。これにより、例えば、止水材料の滴下量が設計値よりも多い場合、重力に逆らうことなく、過剰に滴下された止水材料を切り欠き内に案内できる。よって、本構成の端子金具は、止水体の形成精度を更に高めることができる。
このように、本発明によれば、端子付き電線への止水体の形成精度の高さと端子付き電線の生産性の高さとを両立可能な端子付き電線、及び、その端子付き電線に用い得る端子金具を提供できる。
以上、本発明について簡潔に説明した。更に、以下に説明される発明を実施するための形態を添付の図面を参照して通読することにより、本発明の詳細は更に明確化されるであろう。
図1は、止水体が設けられる前の本発明の実施形態に係る端子付き電線の斜視図である。 図2(a)~図2(c)は、図1に示す端子付き電線に紫外線硬化型の液状の樹脂を滴下して、端子付き電線の所定領域に止水体を設ける際の過程を示す側面図である。 図3は、止水体が設けられた本発明の実施形態に係る端子付き電線の斜視図である。
<実施形態>
以下、図面を参照しながら、電線10に本発明の実施形態に係る端子金具20を取り付けた端子付き電線1について説明する。以下、説明の便宜上、端子金具20の軸方向(嵌合方向)において、相手側端子(図示省略)が嵌合する側(図1、図2及び図3において左側)を先端側(前方側)とし、その反対側(図1、図2及び図3において右側)を基端側(後方側)と称呼する。また、図1、図2及び図3において上側及び下側をそれぞれ、上側及び下側と称呼する。
図1~図3に示すように、電線10の端部に端子金具20が圧着され、端子金具20と電線10の導体芯線11とが電気的に接続されている。図3に示すように、電線10の導体芯線11が接続された端子金具20の所定箇所には、止水体60が設けられている。これにより、導体芯線11のガルバニック腐食が抑制され、端子金具20と導体芯線11との電気的接続の信頼性を長期間にわたって維持できるようになっている。電線10と端子金具20と止水体60とにより、端子付き電線1が構成されている。端子付き電線1は、例えば、自動車等の車両に配索されるワイヤハーネスを構成する。
電線10は、導体芯線11と、この導体芯線11を覆う樹脂からなる絶縁被覆12とを有した絶縁電線である。導体芯線11は、アルミニウム又はアルミニウム合金から構成され、複数の素線を撚り合わせて構成されている。電線10の導体芯線11をアルミニウム又はアルミニウム合金から構成することで、端子付き電線1が軽量化され、端子付き電線1を含んで構成されるワイヤハーネスも軽量化される。軽量化された端子付き電線1は、特に電気自動車やハイブリッド自動車などのワイヤハーネスが多用される車両に好適に用いられる。
端子金具20は、軸方向において先端側から基端側に向けて、順に、相手側端子(図示省略)と接続されることになる接点部31、電線10の端末における絶縁被覆12から露出した導体芯線11と電気的に接続される第1バレル部41、及び、電線10の端末における絶縁被覆12と電気的に接続される第2バレル部、を有している。接点部31と第1バレル部41とは、第1連結部35によって互いに繋がり、第1バレル部41と第2バレル部42とは、第2連結部36により繋がっている。
端子金具20は、アルミニウム又はアルミニウム合金からなる導体芯線11と異なる金属材料から形成されている。具体的には、端子金具20は、銅または銅合金などからなる金属板(板状体)を母材として形成されている。
端子金具20は、金属板(板状体)に対してプレス加工(打ち抜き加工および曲げ加工)を施すことで形成されたものである。プレス加工される前の金属板の全表面(表裏面及び側面)には、電線10の導体芯線11の腐食を抑制して耐食性を向上させる等の目的から、スズ(錫。Sn)等によるメッキ処理が事前に施されていることが好適である。この場合、プレス加工後においてプレス加工で露出した金属板の端面(加工面)は、メッキ処理されていない母材(例えば、銅など)が露出した状態となる。
図1に示すように、接点部31は、先端部分が開口した矩形筒状に形成される。この接点部31の開口部分に相手側端子(図示省略)が挿し込まれ、接点部31と相手側端子とが電気的に接続されることになる。
矩形筒状の接点部31を構成する底壁(下面)32及び一対の側壁33は、接点部31の基端側端から基端側に延在している。このように接点部31から基端側に延在する底壁32及び一対の側壁33は、軸方向において先端側から基端側に向けて、順に、第1連結部35の全体、第1バレル部41の一部、第2連結部36の全体、及び、第2バレル部42の一部を構成している。一対の側壁33について、第1連結部35を構成する部分の上端面35a、第1バレル部41を構成する部分の先端側端面41a及び後端側端面41b、第2連結部36を構成する部分の上端面36a、及び、第2バレル部42を構成する部分の先端側端面42aには、上述したように、端子金具20の母材が露出している。
第1バレル部41は、図1に示すように、電線10の端末における絶縁被覆12から露出した導体芯線11に圧着されて導体芯線11に電気的に接続される。このような圧着および接続のため、第1バレル部41は、一対の側壁33の上端から延出して導体芯線11に圧着される一対の加締片45を有している。
第2バレル部42は、図1に示すように、電線10の端末における絶縁被覆12に圧着される。このような圧着のため、第2バレル部42は、一対の側壁33の上端から延出して絶縁被覆12に圧着される加締片46,47を有している。
第2バレル部42の加締片46,47の根元部における先端側端面(第1バレル部41に向かう端面)には、それぞれ、先端側に開口し且つ基端側に延びる(窪む)スリット状の切り欠き48が形成されている。別の言い方をすると、切り欠き48は、第1バレル部41と第2バレル部42と連結部36とに囲まれる領域Sに面する金属板材の端面(第2バレル部42の先端側端面42a)に開口し、領域Sから離れる向きに延びている。なお、図1及び図2(a)に示すように、領域Sは、第1バレル部41の後端側端面41bよりも基端側にあり、第2バレル部42の先端側端面42aよりも先端側にあり、且つ、第2連結部36の上端面36aよりも上方側にある領域である。
更に、本例では、切り欠き48は、切り欠き48の開口箇所(本例では、端子金具20の先端側にある箇所)よりも切り欠き48の最深箇所(即ち、切り欠きの先端。本例では、端子金具20の基端側にある箇所)の方が、底壁32(後述する載置面)に近い位置にあるように、傾斜している。更に、第2連結部36の上端面36aと切り欠き48の下壁面とは、連続したひとつながりの面を構成している。切り欠き48の作用・効果については後述する。
圧着前の端子金具20における接点部31から基端側に延在する底壁32の上面は、電線10の端部が配置される「載置面」とされる。即ち、絶縁被覆12から露出した導体芯線11が一対の加締片45に挟まれた位置にあり、且つ、絶縁被覆12が加締片46,47に挟まれた位置にあるように、電線10をこの載置面に配置させた状態で、一対の加締片45及び加締片46,47が周知の圧着機などを用いて加締められる。これにより、一対の加締片45が電線10の導体芯線11に圧着され、加締片46、47が電線10の絶縁被覆12に圧着される。これにより、図1に示すように、止水体60が設けられる前の端子付き電線が得られる。
図1に示す例では、一対の加締片45は、一対の延出端が互いに突き合わされた状態で導体芯線11に食い込むように湾曲した状態で加締められて導体芯線11に圧着されている。更に、導体芯線11の末端部11aは、一対の加締片45の先端側端より先端側に位置しており、第1バレル部41から露出している。加締片46,47は、加締片46の延出端部の上に加締片47の延出端部が重なる(オーバーラップする)ように湾曲した状態で加締められて絶縁被覆12に圧着されている。
止水体60が設けられる前の端子付き電線の所定領域に対して、図2(a)~図2(c)に示すように、滴下装置50を利用して止水体60が設けられる。止水体60は、流動性を有する状態の止水材料(本例では、紫外線硬化型の液状の樹脂60a)を所定領域に滴下して配置した後、その止水材料を所定の手法(本例では、紫外線の照射)によって硬化することで、構成される。
具体的には、図2(a)に示すように、滴下装置50が幅方向に往復動されつつ端子金具20の軸方向に移動されながら、液状の樹脂60aが順次滴下されていく。この結果、液状の樹脂60aが、上述した領域Sに露出する導体芯線11を覆うように配置される。また、液状の樹脂60aは、第1バレル部41の一対の加締片45の延出端同士が付き合わされながら導体芯線11に食い込むことによって画成される溝状部45a(図1も参照)を埋めるように、配置される。更に、液状の樹脂60aは、第1バレル部41より先端側に露出する導体芯線11の末端部11aを覆うように配置される。加えて、液状の樹脂60aは、第1連結部35の上端面35aの基端側部分、第1バレル部41の先端側端面41aの全体および後端側端面41bの全体、第2連結部36の上端面36aの全体、及び、第2バレル部42の先端側端面42aの全体を覆うように配置される。
ここで、上述したように、第1連結部35の上端面35a、第1バレル部41の先端側端面41a及び後端側端面41b、第2連結部36の上端面36a、及び、第2バレル部42の先端側端面42aには、端子金具20の母材(Cu等)が露出している。端子金具20のこれら端面を覆うように樹脂60aを配置した上で、後述するように樹脂60aを硬化して止水体60を形成することにより、これら端面と導体芯線11との間を隔離できる。これにより、導体芯線11のガルバニック腐食を抑制し得る。
更に、滴下装置50を利用して液状の樹脂60aが順次滴下されていく過程において、仮に意図せず設計値よりも多い量の樹脂60aが滴下されても、図2(b)に示すように、過剰な樹脂60aが切り欠き48内に流れ込む。このとき、切り欠き48が、開口箇所から離れるにつれて下側に位置するように(即ち、電線10の載置面である底壁32に向けて)傾いているので、過剰に滴下された樹脂60aが、切り欠き48内に重力に逆らうことなく案内され得る。この結果、所領域外(設計上想定していない範囲)にまで止水体60が広がることを抑制できる。
上述したように液状の樹脂60aを配置した後、紫外線を用いて液状の樹脂60aを硬化することで、図3に示すように、導体芯線11や上述した各端面が外部に露出しないように止水体60で覆われた端子付き電線1が得られることになる。
<作用・効果>
以上、本発明の実施形態に係る端子付き電線1によれば、導体芯線11及び端子金具20の各端面(例えば、第2連結部36の上端面36a)を覆うように液状の樹脂60a(本例では、紫外線硬化型の樹脂60a)を滴下する際、仮に樹脂60aの滴下量が設計値よりも多くても、過剰な止水体60が切り欠き48内に流れ込むことで、設計上想定していない範囲にまで樹脂60aが濡れ広がることを抑制できる。そのため、樹脂60aの滴下量や滴下位置の精度を過度に高めなくても、設計通りの形状を有する止水体60を設計通りの位置に形成し得る。また、端子付き電線1が被水した際などに特に水が溜まり易い第2連結部36と導体芯線11との間を止水体60で隔離することで、上述したガルバニック腐食を適正に抑制できる。したがって、端子付き電線1は、ガルバニック腐食を抑制するとの止水体60の本来の機能を高めつつ、端子付き電線1への止水体60の形成精度の高さと端子付き電線1の生産性の高さとを両立可能である。更に、端子付き電線1は、止水体60を端子金具20の適正な位置に形成し得るため、例えば、コネクタハウジング(図示省略)の端子収容室(図示省略)内に端子付き電線1を収容する際の作業性を向上できる。
また、例えば、端子金具20の端面(特に、第2バレル部42の先端側端面42a)をより確実に覆うように第2バレル部42の加締片46,47の外表面上に液状の樹脂60aが滴下される場合がある。この場合、滴下された樹脂60aは、加締片46,47の外表面に沿って流れて広がることで、意図しない範囲にまで広がり易い。これに対し、端子金具20では、切り欠き48により、加締片46,47の外表面に沿って流れる止水体60を受け止められる。よって、この場合であっても、設計上想定していない範囲に止水体60が形成されることを抑制できる。
更に、端子付き電線1は、第1バレル部41と第2バレル部42と連結部36とに囲まれる領域Sに露出する導体芯線11と、第2連結部36の上端面36aと、の双方を止水体60で覆うことで、導体芯線11と上端面36aとを適正に隔離できる。また、切り欠き48内に止水体60が入り込む程度にまで樹脂60aを滴下することで、導体芯線11および上端面36aを、防食の観点から必要十分な程度に隙間なく覆うことができる。
更に、本構成の端子付き電線1によれば、端子金具20の底壁32(載置面)に向けて傾くように切り欠き48が設けられる。これにより、過剰に滴下された樹脂60aを切り欠き48内に重力に逆らうことなく案内できる。
<他の形態>
なお、本発明は上記各実施形態に限定されることはなく、本発明の範囲内において種々の変形例を採用することができる。例えば、本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、適宜、変形、改良、等が可能である。その他、上述した実施形態における各構成要素の材質、形状、寸法、数、配置箇所、等は本発明を達成できるものであれば任意であり、限定されない。
上記実施形態では、切り欠き48が、基端側ほど下側に位置するように(即ち、第2バレル部42の載置面に向けて)傾いている。これに対し、切り欠き48が、端子金具20の軸方向に平行または上方に延びていてもよい。更に、上記実施形態では、第2連結部36の上端面36aと切り欠き48の下壁面とが連続したひとつながりの面を構成している。これに対し、上端面36aと切り欠き48の下壁面とがオフセットした段違いの面を構成していてもよい。
更に、上記実施形態では、第2バレル部42に切り欠き48が設けられている。これに対し、切り欠き48は、第2バレル部42以外の箇所に設けられてもよい。例えば、切り欠き48は、第2連結部36の上端面36aに開口するように設けられてもよいし、第1バレル部41の後端側端面41bに開口するように設けられてもよい。但し、上端面36aや後端側端面41bに切り欠き48を設けると、切り欠き48を通じて導体芯線11が外部に露出する場合がある。この場合、切り欠き48を止水体60で十分に埋める等の対策を行うことが好ましい。このような対策を要さない点で、第2バレル部42に切り欠き48を設けることにはメリットがある。
更に、上記実施形態では、止水体60を構成する止水材料として、紫外線硬化型の樹脂が使用されている。これに対し、止水体60を構成する止水材料として、止水機能が発揮できる材料である限りにおいて、どのような材料が使用されていてもよい。
ここで、上述した本発明に係る端子付き電線1及び端子金具20の実施形態の特徴をそれぞれ以下[1]~[4]に簡潔に纏めて列記する。
[1]
電線(10)と、金属板材から構成され且つ前記電線(10)に取り付けられる端子金具(20)と、止水体(60)と、を備える端子付き電線(1)であって、
前記端子金具(20)は、
前記電線(10)の端末にて絶縁被覆(12)の外部に露出する導体芯線(11)に圧着される第1バレル部(41)と、
前記電線(10)の前記端末にて前記絶縁被覆(12)に圧着される第2バレル部(42)と、
前記第1バレル部(41)と前記第2バレル部(42)とを繋ぐ連結部(36)と、
前記第1バレル部(41)と前記第2バレル部(42)と前記連結部(36)とに囲まれる領域(S)に面する前記金属板材の端面(42a)に開口し且つ前記領域(S)から離れる向きに延びる切り欠き(48)と、を有し、
前記止水体(60)は、
流動性を有する止水材料(60a)の配置及び硬化を経て当該止水体(60)を形成可能な前記止水材料(60a)から構成され、且つ、前記連結部(36)を構成する前記金属板材の端面(36a)と前記領域(S)に露出する前記導体芯線(11)との間を隔離するように設けられる、
端子付き電線(1)。
[2]
上記[1]に記載の端子付き電線(1)において、
前記止水体(60)は、
前記領域(S)に露出する前記導体芯線(11)、及び、前記連結部(36)を構成する前記金属板材の端面(36a)を覆うとともに、前記切り欠き(48)内に入っている、
端子付き電線(1)。
[3]
上記[1]又は上記[2]に記載の端子付き電線(1)において、
前記切り欠き(48)は、
当該切り欠き(48)の開口箇所よりも先端箇所の方が前記端子金具(20)に前記電線(10)が載せ置かれることになる載置面(32)に近い位置にあるように傾斜した形状を有する、
端子付き電線(1)。
[4]
金属板材から構成され且つ電線(10)に取り付けられる端子金具(20)であって、
前記電線(10)の端末にて絶縁被覆(12)の外部に露出する導体芯線(11)に圧着される第1バレル部(41)と、
前記電線(10)の前記端末にて前記絶縁被覆(12)に圧着される第2バレル部(42)と、
前記第1バレル部(41)と前記第2バレル部(42)とを繋ぐ連結部(36)と、
前記第1バレル部(41)と前記第2バレル部(42)と前記連結部(36)とに囲まれる領域(S)に面する前記金属板材の端面(42a)に開口し且つ前記領域(S)から離れる向きに延びる切り欠き(48)と、を備える、
端子金具(20)。
1 端子付き電線
10 電線
11 導体芯線
11a 末端部(導体芯線)
12 絶縁被覆
20 端子金具
32 底壁(載置面)
36 第2連結部(連結部)
36a 第2連結部の上端面(端面)
41 第1バレル部
42 第2バレル部
48 切り欠き
60 止水体
S 領域

Claims (4)

  1. 電線と、金属板材から構成され且つ前記電線に取り付けられる端子金具と、止水体と、を備える端子付き電線であって、
    前記端子金具は、
    前記電線の端末にて絶縁被覆の外部に露出する導体芯線に圧着される第1バレル部と、
    前記第1バレル部より前記端子金具の軸方向の基端側に位置し且つ前記電線の前記端末にて前記絶縁被覆に圧着される第2バレル部と、
    前記第1バレル部と前記第2バレル部とを繋ぐ連結部と、
    前記第1バレル部と前記第2バレル部と前記連結部とに囲まれる領域に面する前記金属板材の端面に開口し、且つ、前記領域から離れる向きに延びる切り欠きと、を有し、
    前記止水体は、
    流動性を有する止水材料の配置及び硬化を経て当該止水体を形成可能な前記止水材料から構成され、且つ、前記連結部を構成する前記金属板材の端面と前記領域に露出する前記導体芯線との間を隔離するように設けられ、
    前記切り欠きは、前記絶縁被覆に圧着される前記第2バレル部の加締片における前記軸方向の先端側に向かう端面にて前記先端側に開口し且つ前記基端側に延びており
    前記切り欠きは、
    当該切り欠きの開口箇所よりも先端箇所の方が前記端子金具に前記電線が載せ置かれることになる載置面に近い位置にあるように傾斜した形状を有する、
    端子付き電線。
  2. 請求項1に記載の端子付き電線において、
    前記止水体は、
    前記領域に露出する前記導体芯線、及び、前記連結部を構成する前記金属板材の端面を覆うとともに、前記切り欠き内に入っている、
    端子付き電線。
  3. 請求項1又は請求項2に記載の端子付き電線において、
    前記切り欠きは、
    前記加締片の根元部において前記先端側に開口し且つ前記基端側に延びている、
    端子付き電線。
  4. 金属板材から構成され且つ電線に取り付けられる端子金具であって、
    前記電線の端末にて絶縁被覆の外部に露出する導体芯線に圧着される第1バレル部と、
    前記第1バレル部より前記端子金具の軸方向の基端側に位置し且つ前記電線の前記端末にて前記絶縁被覆に圧着される第2バレル部と、
    前記第1バレル部と前記第2バレル部とを繋ぐ連結部と、
    前記第1バレル部と前記第2バレル部と前記連結部とに囲まれる領域に面する前記金属板材の端面に開口し、且つ、前記領域から離れる向きに延びる切り欠きと、を備え、
    前記切り欠きは、前記絶縁被覆に圧着される前記第2バレル部の加締片における前記軸方向の先端側に向かう端面にて前記先端側に開口し且つ前記基端側に延びており
    前記切り欠きは、
    当該切り欠きの開口箇所よりも先端箇所の方が前記端子金具に前記電線が載せ置かれることになる載置面に近い位置にあるように傾斜した形状を有する、
    端子金具。
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