JP2014164922A - 圧着端子、接続構造体、コネクタ、及び接続構造体の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】アルミニウム芯線201の外周を絶縁性の絶縁被覆202で被覆した被覆電線200における絶縁被覆202の先端近傍に対して加締めて圧着する被覆圧着部131と、絶縁被覆202の先端から被覆電線200の長手方向Xに所定の長さ露出したアルミニウム芯線201に対して加締めて圧着する導体圧着部132とで一体に構成した断面中空状のバレル部130を備えた圧着端子100であって、常温で半固形、または半流動性を有する止水材134を、被覆圧着部131に装填したことを特徴とする。
【選択図】図3
Description
これらコネクタは、被覆電線に圧着して接続した圧着端子が内部に装着されており、凹凸対応して接続される雌型コネクタと雄型コネクタとを嵌合させる構成である。
例えば、特許文献1に記載の圧着端子は、電線の導体を圧着する導体圧着部、及び電線の絶縁被覆を圧着する被覆圧着部で構成した圧着部を備えた圧着端子において、被覆圧着部に電線の長手方向と交差する方向にセレーションを設けて、被覆圧着部と絶縁被覆との境界を凸凹状にしている。これにより、特許文献1の圧着端子は、水分の侵入経路を複雑にして絶縁被覆側からの水分の侵入を防止するとされている。
上記止水材は、被覆圧着部に塗布または注入により装填し、被覆圧着部を圧着する際に変形または流動するような構成とすることができる。
具体的には、被覆圧着部に装填した止水材が、被覆圧着部を圧着する際に変形または流動し、被覆圧着部と被覆電線における絶縁被覆との隙間を閉塞するように介在することにより、圧着端子における絶縁被覆側の端部から被覆圧着部の内部に水分が侵入することを防止できる。
上記グリスは、油成分を含み、撥水性を有する構成とすることができる。
この発明によれば、絶縁被覆側からの水分の侵入をより確実に防止することができる。
さらには、適度に変形または流動するグリスにより、被覆圧着部と被覆電線における絶縁被覆との隙間を閉塞することができるため、絶縁被覆側からの水分の侵入をより確実に防止することができる。
上記流出阻止手段は、被覆圧着部の内面に形成した凸部または凹部、あるいは防水性を有するシール材により構成することができる。
具体的には、流出阻止手段が、被覆圧着部を圧着する際における止水材の流出を阻止することにより、圧着後に被覆圧着部と被覆電線における絶縁被覆との間に介在する止水材が減少することを防止できる。この結果、絶縁被覆側からの水分の侵入を防止するために十分な量の止水材を確保することができる。
さらに、被覆電線と端子とを圧着した後も端子構造体からの止水材の流出を抑制することができ、長期に亘って絶縁被覆側からの水分の侵入を防止することができる。
具体的には、常温で半固形、または半流動性を有する止水材が、被覆圧着部と被覆電線における絶縁被覆との隙間を閉塞するように介在することにより、圧着端子における絶縁被覆側の端部から被覆圧着部の内部に水分が侵入することを防止できる。
この発明によれば、絶縁被覆側からの水分の侵入をより確実に防止することができる。
さらには、適度に変形または流動するグリスにより、被覆圧着部と被覆電線における絶縁被覆との隙間を閉塞することができるため、絶縁被覆側からの水分の侵入をより確実に防止することができる。
この発明によれば、絶縁被覆側からの水分の侵入をより確実に防止することができる。
この発明によれば、銅線による電線導体を有する被覆電線に比べて軽量化できるとともに、上述した確実な止水性により、いわゆる異種金属腐食(以下において電食という)を防止することができる。
しかしながら、上述した確実な止水性により、銅系材料による導体部分を有する被覆電線に比べて軽量化を図りながら、いわゆる電食を防止することができる。
この発明によれば、安定した導電性を確保したまま圧着端子を接続することができる。
したがって、コネクタは、確実な導電性を備えた接続状態を確保することができる。
上記止水材を被覆圧着部に装填するとは、圧着端子の製造時に止水材を被覆圧着部に装填すること、または、圧着直前に止水材を被覆圧着部に装填することを含む概念である。
具体的には、被覆圧着部に止水材を装填した後、圧着部に被覆電線を挿入し、被覆圧着部を圧着することにより、被覆圧着部に装填した止水材が変形または流動する。この結果、止水材が、被覆圧着部と被覆電線における絶縁被覆との隙間を閉塞するように介在することにより、圧着端子における絶縁被覆側の端部から被覆圧着部の内部に水分が侵入することを防止できる。
具体的には、被覆電線における絶縁被覆の外周面に止水材を塗布した後、圧着部に前記被覆電線を挿入し、被覆圧着部を圧着することにより、絶縁被覆の外周面に塗布した止水材が変形または流動する。この結果、止水材が、被覆圧着部と被覆電線における絶縁被覆との隙間を閉塞するように介在することにより、圧着端子における絶縁被覆側の端部から被覆圧着部の内部に水分が侵入することを防止できる。
この発明によれば、絶縁被覆側からの水分の侵入をより確実に防止することができる。
さらには、適度に変形または流動するグリスにより、被覆圧着部と被覆電線における絶縁被覆との隙間を閉塞することができるため、絶縁被覆側からの水分の侵入をより確実に防止することができる。
さらに、市販のグリスを安価で入手し、止水材として使用することができるため、製造コストを低減することができる。
この発明によれば、絶縁被覆側からの水分の侵入をより確実に防止することができる。
なお、図1は被覆電線200、及び圧着端子100における上方からの外観斜視図を示し、図2はバレル部130における溶接について説明する説明図を示している。
また、図2(a)は、ボックス部110を二点鎖線で示す透過状態とした圧着端子100の底面側の概略斜視図を示し、図2(b)は図2(a)におけるZ部拡大図を示している。
つまり、バレル部130は、長手方向Xの前端、及び端部130a同士を溶着して閉塞して、長手方向Xの後方に開口を有する略筒状に形成されている。
さらに、図3(a)は図1中のA−A矢視断面図を示し、図3(b)は被覆電線200を挿入した圧着端子100に対して圧着工具10で加締めて圧着する工程を説明する説明図を示している。
止水材134は、常温で半固形、または半流動性を有する材料であれば、グリスに限定しないが、グリスのように撥水性を有する材料であることが好ましい。
また、被覆電線200における圧着される領域全体ではなく、該領域よりも長手方向Xに狭い領域に対応させて、被覆圧着部131の内周面に止水材134を装填してもよい。この場合、バレル部130を圧着する際に変形または流動する止水材134が、被覆電線200における圧着される領域からはみ出すのを防止することができる。
その後、図3(b)に示すように、被覆電線200を挿入した圧着端子100のバレル部130に対して、アンビルとクリンパで構成された1組の圧着工具10で挟み込むようにして圧着する。
なお、図5はメス型コネクタ21とオス型コネクタ31の接続対応状態の斜視図を示し、図5中においてオス型コネクタ31を二点鎖線で図示している。
そして、メス型コネクタ21とオス型コネクタ31とを嵌合することで、ワイヤーハーネス20とワイヤーハーネス30とを接続する。
具体的には、被覆圧着部131に装填した止水材134が、被覆圧着部131を圧着する際に変形または流動し、被覆圧着部131と被覆電線200における絶縁被覆202との隙間を閉塞するように介在することにより、圧着端子100における絶縁被覆202側の端部から被覆圧着部131の内部に水分が侵入することを防止できる。
具体的には、撥水性を有するグリスが、圧着端子100における絶縁被覆202側の端部から被覆圧着部131の内部に侵入しようとする水分を撥水することにより、水分の侵入をより確実に防止できる。
したがって、メス型コネクタ21は、確実な導電性を備えた接続状態を確保することができる。
図6(a)において、凹部135は、長手方向Xに直交する周方向に沿って形成したが、これに限定せず、長手方向Xに交差する他の周方向に沿って形成した構成としてもよい。
具体的には、凹部135が、被覆圧着部131を圧着する際における止水材134の流出を阻止することにより、圧着後に被覆圧着部131と被覆電線200における絶縁被覆202との間に介在する止水材134が減少することを防止できる。この結果、絶縁被覆202側からの水分の侵入を防止するために十分な量の止水材134を確保することができる。
なお、図7(a)は圧着端子100における長手方向Xの断面図を示し、図7(b)は図7(a)中におけるB−B矢視断面図を示し、図7(c)は図7(a)におけるC−C矢視断面図を示している。また、図7中において、被覆電線200の図示を省略している。
図7(a)において、各凹部136は、長手方向Xに直交する周方向に沿って形成したが、これに限定せず、長手方向Xに交差する他の周方向に沿って形成した構成としてもよい。
ただし、凹部136は、長手方向Xに2列で配置した構成に限定せず、3列以上で配置した構成としてもよい。
このとき、止水材134の流出を凸部137で阻止することにより、圧着後に被覆圧着部131と被覆電線200における絶縁被覆202との間に介在する止水材134が減少することを防止し、絶縁被覆202側からの水分の侵入を防止するために十分な量の止水材134を確保することができる。そのため、絶縁被覆202側からの水分の侵入をより確実に防止することができる。
このとき、止水材134の流出をシール材138で阻止することにより、圧着後に被覆圧着部131と被覆電線200における絶縁被覆202との間に介在する止水材134が減少することを防止し、絶縁被覆202側からの水分の侵入を防止するために十分な量の止水材134を確保することができる。そのため、絶縁被覆202側からの水分の侵入をより確実に防止することができる。
なお、図10は実施例2における圧着端子100、及び圧着接続構造体1を説明する説明図を示し、図10(a)は圧着端子100、及び被覆電線200の長手方向Xにおける断面形状の断面図を示し、図10(b)は圧着接続構造体1の長手方向Xにおける断面形状の断面図を示している。
なお、実施例2において、実施例1と同様の構成については、同一の符号を付して、詳細な説明を省略する。
この発明の電線導体は、実施形態のアルミニウム芯線201に対応し、
以下同様に、
圧着部は、バレル部130に対応し、
流出阻止手段は、凹部135,136、凸部137及びシール材138に対応し、
接続構造体は、圧着接続構造体1に対応し、
アルミ系材料は、アルミニウム合金に対応し、
銅系材料は、黄銅等の銅合金条に対応し、
コネクタハウジングは、メス型コネクタハウジング22、及びオス型コネクタハウジング32に対応し、
コネクタは、メス型コネクタ21、及びオス型コネクタ31に対応するが、
この発明は、上述の実施形態の構成のみに限定されるものではなく、多くの実施の形態を得ることができる。
21…メス型コネクタ
22…メス型コネクタハウジング
31…オス型コネクタ
32…オス型コネクタハウジング
100…圧着端子
130…バレル部
131…被覆圧着部
132…導体圧着部
134,210…止水材
135,136…凹部
137…凸部
138…シール材
200…被覆電線
201…アルミニウム芯線
202…絶縁被覆
X…長手方向
Claims (12)
- 電線導体の外周を絶縁性の絶縁被覆で被覆した被覆電線における前記絶縁被覆の先端近傍に対して加締めて圧着する被覆圧着部と、前記絶縁被覆の先端から前記被覆電線の長手方向に所定の長さ露出した前記電線導体に対して加締めて圧着する導体圧着部とで一体に構成した断面中空状の圧着部を備えた圧着端子であって、
常温で半固形、または半流動性を有する止水材を、前記被覆圧着部に装填した
圧着端子。 - 前記止水材を、グリスで構成した
請求項1に記載の圧着端子。 - 前記被覆圧着部に、圧着する際における前記止水材の流出を阻止する流出阻止手段を備えた
請求項1または2に記載の圧着端子。 - 電線導体の外周を絶縁性の絶縁被覆で被覆した被覆電線における前記絶縁被覆の先端近傍に対して加締めて圧着する被覆圧着部と、前記絶縁被覆の先端から前記被覆電線の長手方向に所定の長さ露出した前記電線導体に対して加締めて圧着する導体圧着部とで一体に構成した断面中空状の圧着部を備えた圧着端子における前記圧着部によって、前記被覆電線と前記圧着端子とを接続した接続構造体であって、
常温で半固形、または半流動性を有する止水材を、前記被覆圧着部と前記被覆電線における前記絶縁被覆との間に介在させた
接続構造体。 - 前記止水材を、グリスで構成した
請求項4に記載の接続構造体。 - 前記被覆圧着部に、圧着する際における前記止水材の流出を阻止する流出阻止手段を備えた
請求項4または5に記載の接続構造体。 - 前記電線導体を、アルミ系材料で構成するとともに、
少なくとも前記圧着部を、銅系材料で構成した
請求項4から6のいずれか一つに記載の接続構造体。 - 請求項4から7のいずれか一つに記載の接続構造体における圧着端子をコネクタハウジング内に配置した
コネクタ。 - 電線導体の外周を絶縁性の絶縁被覆で被覆した被覆電線における前記絶縁被覆の先端近傍に対して加締めて圧着する被覆圧着部と、前記絶縁被覆の先端から前記被覆電線の長手方向に所定の長さ露出した前記電線導体に対して加締めて圧着する導体圧着部とで構成した断面中空状の圧着部を備えた圧着端子における前記圧着部によって、前記被覆電線と前記圧着端子とを圧着接続する接続構造体の製造方法であって、
常温で半固形、または半流動性を有する止水材を、前記被覆圧着部に装填した後、前記圧着部に前記被覆電線を挿入し、前記被覆電線と前記圧着端子とを圧着接続する
接続構造体の製造方法。 - 電線導体の外周を絶縁性の絶縁被覆で被覆した被覆電線における前記絶縁被覆の先端近傍に対して加締めて圧着する被覆圧着部と、前記絶縁被覆の先端から前記被覆電線の長手方向に所定の長さ露出した前記電線導体に対して加締めて圧着する導体圧着部とで構成した断面中空状の圧着部を備えた圧着端子における前記圧着部によって、前記被覆電線と前記圧着端子とを圧着接続する接続構造体の製造方法であって、
常温で半固形、または半流動性を有する止水材を、前記被覆電線における前記絶縁被覆の外周面に塗布した後、前記圧着部に前記被覆電線を挿入し、前記被覆電線と前記圧着端子とを圧着接続する
接続構造体の製造方法。 - 前記止水材を、グリスで構成した
請求項9または10に記載の接続構造体の製造方法。 - 前記被覆圧着部に、圧着する際における前記止水材の流出を阻止する流出阻止手段を備えた
請求項9から11のいずれか一つに記載の接続構造体の製造方法。
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