JP6016999B2 - 接続構造体 - Google Patents

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Description

この発明は、例えば、自動車用ワイヤーハーネスの接続を担うコネクタ等に装着される圧着端子を用いた接続構造体に関する。
近年の自動車では、様々な電装機器が装備されており、その電気回路はますます複雑化し、安定した電力供給が必要不可欠となっている。このように様々な電装機器が装備された自動車は、被覆電線を束ねたワイヤーハーネスを配索しており、ワイヤーハーネス同士をコネクタで接続し、電気回路を構成している。
これらのコネクタには、被覆電線を圧着部で圧着接続した圧着端子が内部に装着されており、雄型コネクタと、雌型コネクタとを嵌合させる構成である。
このような電気接続によって構成される電気回路において、コネクタ内部に装着した圧着端子と被覆電線との圧着部分から水分が侵入すると、被覆電線を構成する電線導体の表面が腐食し、導電性が低下するといった問題があった。
このような問題は、圧着部における被覆電線の絶縁被覆の先端部分を圧着するインシュレーションバレルと、絶縁被覆より先端側で露出する電線導体の露出部分を圧着するワイヤバレルとの間に隙間があり、絶縁被覆の先端部分が露出しているため生じると考えられる。
そこで、絶縁被覆の先端から電線導体の先端までを一体的に囲繞するために、ワイヤバレルとインシュレーションバレルとを一体化したバレルを備えた圧着端子を用いることにより、水分の侵入を防止できると考えられる。しかし、昨今の複雑化した電気回路ではより安定した導電性を確保する必要があり、上記圧着端子では充分ではなかった。
また、自動車からの二酸化炭素排出量(CO排出量)の低減が求められている現在において、ガソリン自動車に比べてワイヤーハーネスが多用される電気自動車やハイブリッド自動車が増加しているような状況の中、ガソリン自動車を含め、全ての自動車において、車両の軽量化は燃費向上に大きな影響を与えるため、ワイヤーハーネスやバッテリーケーブル等に、銅(または銅合金)だけでなくアルミニウム(またはアルミニウム合金)製の電線を適用し軽量化を図っている。
このような、アルミニウムやアルミニウム合金で構成するアルミニウム電線を銅や銅合金で構成する圧着端子に圧着接続した場合、両者の接触部分に結露や海水等の水分が介在すると電気化学的反応が生じ、端子材料の錫めっき、金めっき、銅合金等の貴な金属種により、卑な金属であるアルミニウムやアルミニウム合金が腐食する現象、すなわち異種金属腐食(以下において電食という)が生じるという問題がある。
特に、電線導体をバレルで圧着した時、電線導体を構成する素線の位置やプレス圧着時の条件の微差などにより、上記素線間には該素線の長手方向に延びる空隙(図2,図3に示す空隙Z参照)が形成され、圧着端子と被覆電線との圧着部分のうちで、とりわけ、絶縁被覆を剥がした導体露出部の前端側と圧着端子との圧着部分から水分が侵入すると、この水分は毛細管現象により上記空隙内に入り、貴な金属種と卑な金属とのイオン化傾向の違いにより電食が発生する問題点がある。
この電食により、圧着端子の圧着部で圧着したアルミニウム電線が腐食、溶解、消失し、やがては電気抵抗が上昇し、その結果、充分な導電機能を果たせなくなるおそれがあるため、このようなアルミニウム電線を用いる場合はより一層確実に水分の侵入を防止する必要性が求められている。
圧着端子を用いた接続構造体の止水性能向上のために様々な文献が提案されている。例えば、下記特許文献1,2もその1つである。
特許文献1では、止水性能向上のために圧着部分に防水材としてモールド樹脂を樹脂モールドすることについても記載されている。また、特許文献2では、被覆電線に圧着端子を圧着した際に、圧着端子のバレル片と被覆電線の導体との接触部分に、水分が浸入する隙間が生じないように接触状態を保つ接触層を設けることが記載されている。
しかし、特許文献1に記載のモールド樹脂、特許文献2に記載の接触層に用いる樹脂は、有機材料であるため、金属材料と比較して強度が低く耐熱性に劣る。
例えば、接続構造体を自動車用ワイヤーハーネスの接続用などの自動車用部品として適用した場合、10〜20年という長期に亘る使用期間において、高温な環境に晒される時間が長くなると、初期段階では止水性能を満足していたものが、一般に金属材料からなる接続構造体とモールド樹脂の界面、或いは、接続構造体と接触層との界面に隙間が生じてしまい、止水性能を確保することができないおそれがある。
さらに、接続構造体を自動車用部品として適用する場合において、高温な環境に晒される時間が長くなると、上述した樹脂やその他にもシール部材として一般に用いられるゴム等は変質し易く、本来求められる止水性能が低下してしまうおそれがある。
このように、止水性能が低下すると、導体と該導体を被覆する絶縁被覆との間に水分が染み渡り、導体が腐食劣化し、導体と圧着端子との接触抵抗が上昇し、電気抵抗が大きくなって、導電性が低下するという課題が生じる。
特開2010−135121号公報 特開2010−205583号公報
そこで、この発明は、バレル片およびバレル底面の少なくとも何れか一方の先端部に、圧着許容部を圧着状態となした時に、確実な止水性能を確保することができる接続構造体を提供することを目的とする。
この発明は、電線導体絶縁被覆で被覆され、先端側において所定の長さの前記電線導体が前記絶縁被覆から露出した導体露出部を有する電線先端部を備えた被覆電線と、前記電線先端部のうち少なくとも前記導体露出部を圧着する圧着許容部を構成するバレル底面と、該バレル底面の幅方向の両側に配置され前記導体露出部の長さより長手方向の長さが長く形成された一対のバレル片を備えた圧着端子とで構成した接続構造体であって、前記圧着許容部において、前記一対のバレル片のうち、一方のバレル片の幅方向の長さが、他方のバレル片の幅方向の長さよりも長く形成され、前記圧着許容部によって、前記導体露出部から前記絶縁被覆の先端までを連続して一体的に囲繞し、前記他方のバレル片の外周に前記一方のバレル片が配置されるように前記一対のバレル片の一部が互いに重ね合わされたバレル重合部を有する圧着部が構成され、該圧着部は、前記圧着部の前部において前記バレル片と前記バレル底面とが圧着されたバレル間圧着部と、前記導体露出部が圧着された導体圧着部と、前記導体圧着部における内周長さよりも内周長さが長く、前記被覆電線の前記絶縁被覆が圧着された被覆圧着部とで構成され、前記圧着部の前記バレル重合部における前記バレル片の幅方向の両端が前記圧着部の幅方向中央から該幅方向の中央を越えた幅方向外方に位置するとともに、
前記他方のバレル片の端部から前記一方のバレル片の端部までの間において、被覆圧着部の前記バレル重合部が、圧着された状態におけるバレル底面からバレル片に向かう方向に凸状に形成されたことを特徴とする。
本発明の接続構造体は、単にバレル片をバレル底面と重ね合わせた構造と比較して格段に優れた止水性能を確保することができ、水分の侵入が最も懸念される部位(圧着部の先端部)において水分の侵入を防止することができる。
したがって、前記圧着部と前記電線先端部との圧着部分を、例えば、止水用のモールド樹脂やゴムなどの防水材やシール材で封止せずとも、充分に優れた止水性能を得ることができる。
詳しくは、接続構造体を高温多湿、あるいは、気温や湿度変化が激しい厳しい環境に長期間に亘って晒した場合、防水材やシール材として一般に用いられる樹脂やゴムなどが変質し、本来、求められる止水機能が劣化してしまうおそれがある。
これに対して本発明の接続構造体は、前記圧着部と前記電線先端部との圧着部分を防水材やシール材で封止せずとも長期間に亘って充分に優れた止水性能を確保することができる。
さらにまた、本発明の接続構造体は、防水材、シール材で封止するなどの止水処理を施す必要がないため、製造工数の効率化を図ることができる。
詳しくは、接続構造体における圧着部と電線先端部との圧着部分に、モールド樹脂や接触層を備えるなどの止水処理を施した場合、接続構造体の製造工数が増えるため、製造効率が悪く、モールド樹脂などの防水材やPET、FEP、ナイロン、PPからなるシール材が必要となるため、材料コストや材料の管理コストが嵩むといいう課題が生じる。
これに対して、本発明の接続構造体は、前記圧着部と前記電線先端部との圧着部分をシール材で封止した構成の場合のように、前記圧着部と前記電線先端部との圧着部分を、シール材で封止するなどの止水処理を別途、施す必要がないため、製造工数の簡素化、効率化を図ることができると共に、防水材、シール材が不要になるため、材料コストや管理コストの削減を図ることができる。
加えて、本発明の接続構造体は、前記圧着部と前記電線先端部との間に防水材やシール材が介在しないため、前記圧着部と前記電線先端部との優れた導通性能を確保することができる。
詳しくは、一般に樹脂やゴムは絶縁性であるものが殆どであり、樹脂の中には、導電性樹脂も存在するが、たとえ導電性樹脂であっても圧着端子の構成材料として一般に用いられることが多い上述した銅や錫などに比べると極めて導電性が低い材料である。
そのような導電性の低い材料、あるいは、絶縁材料からなる防水材、シール材を、導通を確保する必要がある圧着部と電線先端部との圧着部分の近傍に配置する際に、意に反して配置位置のずれや圧着条件が変化するなどした場合、防水材、シール材が電線導体と圧着端子の間に介在した状態で圧着するおそれが生じ、電線導体と圧着端子の間に防水材、シール材が介在すれば、導通性能に支障を来たすおそれがある。
これに対して、本発明の接続構造体は、圧着部分をシール材で封止せずとも充分に優れた止水性能を確保できるため、前記圧着部と前記電線先端部との圧着部分を防水材、シール材で封止する場合における防水材、シール材による不測の介在のおそれがなく、前記圧着部と前記電線先端部との優れた導通性能を安定して確保することができる。
この発明の態様として、前記バレル間圧着部と、前記導体圧着部と、前記被覆圧着部のいずれの位置において、前記一方のバレル片の幅方向端部が、前記圧着部の中心を通る前記バレル底面に対して垂直な鉛直ラインと前記バレル底面との交点を中心として、鉛直ラインに対して60度以上の位置に形成することができる。
また、この発明の態様として、前記バレル間圧着部と、前記導体圧着部のバレル間圧着部側端部とにおいて、前記バレル重合部の曲率中心と前記圧着部の幅方向中央とを結ぶ仮想ラインに対して、前記一方のバレル片の幅方向端部が、前記曲率中心を中心に30度以上の位置に形成することができる。
また、この発明の態様として、前記バレル間圧着部は、前記バレル片と前記バレル底面とが重ねられて、圧着された状態におけるバレル片からバレル底面に向かう方向に凸状となるように圧着することができる。
また、この発明の態様として、前記圧着端子の先端にはトランジション部が一体形成され、該トランジション部の底部にドレン孔を形成することができる。
上述した構成により、トランジション部に付着または溜まった水をドレン孔から排出することができるので、圧着許容部を圧着状態とした圧着部の先端から、水が圧着部の内部に侵入しようとするのを防止することができ、止水性能のさらなる向上を図ることができる。
また、この発明の態様として、前記ドレン孔は、その孔縁後端が、圧着許容部を圧着状態とした圧着部の先端と一致するように形成することができる。
上述した構成により、圧着部を適正に確保しつつドレン性能の向上を図ることができる。
つまり、前記ドレン孔の孔縁後端が圧着部先端から前方に過度に離れる構造の場合には、圧着部先端とトランジション部との間の段差部に水が溜まりやすくなり、逆に、前記ドレン孔の孔縁後端が圧着部先端から後方に位置する構造の場合には、圧着部とドレン孔とがオーバラップすることで、圧着部が減少して、充分な圧着部の確保が阻害されるのみならず、ドレン孔とトランジション部裏面との間に別途段差部が形成され、この部分に水が溜まりやすくなる。
これに対して、本発明の接続構造体は、ドレン孔の孔縁後端を圧着部の先端と一致させたことにより、ドレン孔が圧着部に悪影響を与えることなく、該ドレン孔にてトランジション部に付着または溜まった水を排出して、水が圧着部内部に侵入しようとするのを防止することができる。
また、この発明の態様として、前記一対のバレル片の幅方向両端部がテーパ状に形成することができる。
また、この発明の態様として、前記バレル重合部における外側バレル片の外端は、前記圧着部の外端部を巻き込むように折り返すことができる。
上述した構成により、バレル重合部における外側バレル片の外端が圧着部の外端部を巻き込むように折り返されるので、上述のオーバラップ構造に加えて外側バレル片外端の巻込み折返し構造により、外側バレル片と内側バレル片との密着状態を保つことができ、これにより、止水性能のさらなる向上を図ることができる。
この発明によれば、バレル片およびバレル底面の少なくとも何れか一方の先端部に、圧着許容部を圧着状態となした時に、バレル底面とバレル片とを係合する係合部を形成したので、確実な止水性能を確保する接続構造体を提供することができる。
圧着接続構造体の外観図 圧着接続構造体の構成説明図 圧着接続構造体の幅方向縦断面図 雌型圧着端子、および、被覆電線の構成説明図 雌型圧着端子の構成説明図 雌型圧着端子の構成説明図 係合部の構造を示す断面図 外側バレル片外端の巻込み折返し構造を示す断面図
この発明の一実施形態を以下図面とともに説明する。
本実施形態の圧着接続構造体1は、電線導体203を絶縁被覆202で被覆し、先端側の絶縁被覆202を剥がして露出させた導体露出部201aを有する電線先端部200aを備えた被覆電線200と、該被覆電線200に対する圧着を許容する圧着許容部30Aを構成するバレル片32とバレル底面31を備えた雌型圧着端子10とで構成し、電線先端部200aのうち、少なくとも導体露出部201aを圧着許容部30Aで圧着することにより一体に構成している。
雌型圧着端子10は、バレル片32を、バレル底面31の幅方向Yの両側に一対備え、バレル片32を、導体露出部201aの長さより長手方向Xの長さを長く形成するとともに、導体露出部201aから絶縁被覆202の先端の被覆先端202aまでを連続して一体的に囲繞するように、長手方向Xに連続して形成している。
圧着許容部30Aを圧着した圧着部30に、少なくとも一対のバレル片32の一部が互いに重ね合わされたバレル重合部Dを形成している。
ここで、バレル重合部Dのうち、外側に位置するバレル片32を外側バレル片32aに設定するとともに、外側バレル片32aの内側に位置するバレル片32を内側バレル片32bに設定している。
また、バレル片32およびバレル底面31の少なくとも何れか一方の先端部には、圧着許容部30Aを圧着状態となした時に、バレル底面31とバレル片32とを係合する係合部34が形成されている。
以下において、上述した圧着接続構造体1、および、雌型圧着端子10について図面を参照して詳述する。
図1(a)は圧着接続構造体1の斜視図を示し、図1(b)は予備圧着状態の圧着301を構成した圧着接続構造体の斜視図である。
図2(a)は圧着接続構造体1をその幅方向Y中央において長手方向に沿って断面した縦断面図、図2(b)は図2(a)のX1部拡大図、図2(c)は図2(a)のX2部拡大図である。
図3(a)は図2(a)のA−A線断面図、図3(b)は図2(a)のB−B線断面図、図3(c)は図2(a)のC−C線断面図、図3(d)は図2(a)のD−D線断面図、図3(e)は図2(a)のE−E線断面図、図3(f)は図2(a)のF−F線断面図である。
図4は雌型圧着端子10、および被覆電線200の先端側部分の外観図である。
図5(a)は雌型圧着端子10の右側面図、図5(b)は雌型圧着端子10をその幅方向Y中央において長手方向に沿って断面した縦断面図、図5(c)は雌型圧着端子10の背面図である。
図6(a)は雌型圧着端子10の展開図、図6(b)は図6(a)の要部拡大図、図6(c)は図6(b)のA−A線矢視断面図、図6(d)は図6(b)のB−B線矢視断面図、図6(e)は図6(b)のC−C線矢視断面図、図6(f)は図6(b)のD−D線矢視断面図である。
図7(a)は図4の雌型圧着端子10において係合部形成部位を断面して示す断面図、図7(b)は係合部構造の他の実施形態を示す断面図、図7(c)は係合部構造のさらに他の実施形態を示す断面図である。
本実施形態の圧着接続構造体1は、被覆電線200の先端に対して雌型圧着端子10を圧着部30で圧着接続した構成であり、被覆電線200と雌型圧着端子10との圧着部分には、電線先端部200a、すなわち、導体露出部201aおよび、被覆先端202aに対して圧着許容部30Aを圧着した圧着部30を構成している(図1(a)参照)。
圧着部30は、図1(a)に示すように、長手方向の前方(先端側)から後端側へ順に、バレル間圧着部30a、導体圧着部30b、被覆圧着部30cを構成している。
バレル間圧着部30aは、図2および図4に示すように、圧着許容部30Aにおけるバレル間圧着許容部30Aaにおいてバレル底面31とバレル片32とを圧着した圧着部分であり、導体圧着部30bは、圧着許容部30Aの導体圧着許容部30Abを導体露出部201aに圧着した圧着部分であり、被覆圧着部30cは、圧着許容部30Aの被覆圧着許容部30Acを絶縁被覆202に圧着した圧着部分である。
圧着部30で圧着して雌型圧着端子10と接続する被覆電線200は、図4に示すように、アルミニウム素線を束ねた複数本のアルミニウム芯線201を、絶縁樹脂で構成する絶縁被覆202で被覆して構成している。被覆電線200の先端側には、該先端側の絶縁被覆202を剥がして電線導体203を露出させた導体露出部201aを有する電線先端部200aを構成している。
また、雌型圧着端子10は、長手方向Xの先端側である前方から後方に向かって、図示省略する雄型コネクタにおける挿入タブの挿入を許容するボックス部20と、該ボックス部20の後方で、所定の長さのトランジション部20aを介して配置された圧着許容部30Aとを一体に構成している。なお、長手方向Xとは、ボックス部20で圧着して接続する被覆電線200の長手方向Xと一致する方向である。
雌型圧着端子10は、表面が錫メッキ(Snメッキ)された黄銅等の銅合金条に、打ち抜き加工、および、折曲げ加工を施して立体構成したオープンバレル型端子である。
ボックス部20は、倒位の中空四角柱体で構成され、内部に、長手方向Xの後方に向かって折り曲げられ、挿入される雄型コネクタの挿入タブ(図示省略)に接触するディンプル21aを有する弾性接触片21を備えている。
中空四角柱体であるボックス部20の天井部22(22a,22b)は、側面部分23(23a,23b)(図5参照)に対して幅方向Yの外側に延長する延長部分を重なるように折り曲げて構成している。
圧着許容部30Aは、図4,図5に示すように、バレル底面31と、該バレル底面31の幅方向Yの両側から斜め外側上方に延出した一対のバレル片32(32Aa,32Ab)とで構成している。
一対のバレル片32は、長尺バレル片32Aaと短尺バレル片32Abとで構成し、長尺バレル片32Aaは、図5(c)に示すように、雌型圧着端子10を背面視したとき、幅方向Yの右側に位置し、幅方向Yの左側に位置する短尺バレル片32Abの突出長さより若干長く形成されている。
なお、図4に示すように、バレル片32の長手方向Xの長さXbは、絶縁被覆202の長手方向X前方側の先端である被覆先端202aから、長手方向X前方で露出する電線露出部201aの長手方向Xの露出長さXwよりも長く形成している。
詳しくは、圧着許容部30Aは、長手方向Xの前方から後方に順にバレル間圧着許容部30Aaと、導体圧着許容部30Abと、被覆圧着許容部30Acとを構成し、これらを長手方向Xに一体に形成している。圧着許容部30Aのバレル間圧着許容部30Aaは、圧着許容部30Aの前方でバレル片32とバレル底面31との圧着を許容する部位である。導体圧着許容部30Abは、電線先端部200aの導体露出部201aの圧着を許容する部位であり、被覆圧着許容部30Acは、電線先端部200aの絶縁被覆202の圧着を許容する部位である。
導体圧着許容部30Abと被覆圧着許容部30Acとは、それぞれ圧着する電線導体203、および、絶縁被覆202の外径に応じた形状で形成しているため、絶縁被覆202を圧着する被覆圧着許容部30Acのバレル片32は、アルミニウム芯線201を圧着する導体圧着許容部30Abのバレル片32より長い内周長さに形成している。
さらに、図6に示すように、圧着許容部30Aには、導体係合溝33と、仮想バレル境界線αと、前方の係合部34と、後方のバレル係合溝部35とを形成している。
導体係合溝33は、圧着許容部30Aにおける導体圧着許容部30Abの内面に、バレル底面31から両側のバレル片32に達するまで幅方向Yに沿って連続して形成した溝であり、長手方向Xに所定間隔を隔てて互いに平行に複数、例えば、4本形成している。
仮想バレル境界線αは、圧着許容部30Aの内面におけるバレル底面31とバレル片32との境界部分、すなわちバレル片32をバレル底面31に対して折曲げるバレル折曲げ部分β(図5(c)参照)において長手方向に沿って連続するものである。
前方の係合部34は、バレル間圧着許容部30Aa、つまりバレル片32とバレル底面31の先端部内面に形成されたもので、この係合部34は、圧着許容部30Aのうちのバレル間圧着許容部30Aaを圧着状態となした時に、バレル底面31とバレル片32とを係合する係合手段である。
この実施形態では、図7(a)にも示すように、係合部34は、一対の仮想バレル境界線α,α間に位置する係合凹部34aと、この係合凹部34aに連続して一対のバレル32内面に形成された係合凸部34bと、から構成されており、バレル底面31の内面に形成された係合凹部34aと係合凸部34bとが一直線状に連続するように形成されると共に、長手方向に所定の間隔を隔てて互いに平行に複数条、例えば2条に形成されたものである。
ここで、圧着許容部30Aの中央部位に形成された係合凹部34aは、銅合金条を打抜いて図6(a)に示す雌型圧着端子10の展開形状に加工するプレス加工時に、凹状の形状面を有する下型を用いて形成することができ、仮想バレル境界線αよりも外側のバレル片32内面に形成された係合凸部34bは、上述のプレス加工時に、凸状の形状面を有する下型を用いて形成することができる。
つまり、圧着許容部30Aを圧着状態となした時(図3(a)参照)に、上下方向で接触する接触面部に係合部34を形成したものである。
一方、後方のバレル係合溝部35は、後方バレル係合溝35aと後方バレル被係合溝35bとで形成し、何れも圧着許容部30Aにおける被覆圧着許容部30Acに幅方向Yに沿って形成している。後方バレル被係合溝35bは、長尺バレル片32Aa内面において、長手方向Xに後方バレル係合溝35aの溝幅よりも僅かに狭い所定間隔を隔てて互いに平行に複数、例えば3本形成している。
これら3本の後方バレル被係合溝35b,35b間には、該後方バレル被係合溝35bに対して凸状の部分を有し、該凸状の部分を、後方バレル係合突部35b’に設定している。
また、後方バレル係合溝35aは、短尺バレル片32Abの外面において幅方向Yに沿って形成し、長手方向Xに所定間隔を隔てて互いに平行に複数、例えば、2本形成している。後方バレル係合溝35aは、長手方向Xにおいて、後方バレル係合突部35b’と一致する位置に形成している。
ところで、図6(a),(b)に示すように、上述の雌型圧着端子10の先端にはトランジション部20aが一体形成されており、加工後に底部となるトランジション部20aの中央位置にはドレン孔40が貫通形成されている。
上述のドレン孔40は、その孔縁後端が、圧着許容部30Aを圧着状態とした圧着部30の先端と一致するように形成されている(図2参照)。
この実施形態では、図6で示したように、ドレン孔40として丸孔を例示したが、これは角孔であってもよく、また孔縁後端部を直径部(または直線部)と成した半円形状の透孔(貫通孔)であってもよく、さらには楕円形や多角形状の孔であってもよい。
なお、図中、201aaは電線露出部201aの先端を示し、Zはアルミニウム芯線201相互間にその長手方向に沿って形成される空隙を示す。
つぎに、圧着接続構造体1の製造工程について概略的に説明する。
まず、平板状の銅合金条を準備し、この銅合金条をプレス打抜き加工して、図6(a)に示す展開形状の雌型圧着端子10を形成する。
この時、図6(b)に示す導体係合溝33、係合部34、バレル係合溝部35、ドレン孔40を同時に形成することが可能であるが、展開形状の雌型圧着端子10の打抜き加工後に、各要素33,34,35,40をプレス加工にて形成してもよい。
次に、ボックス部20を周知工程により中空四角柱体に加工すると共に、折曲げ加工により雌型圧着端子10を図4に示すオープンバレル型端子と成す。
次に、図4に示すオープンバレル型端子のバレル底面31に被覆電線200を配置し、この状態で内側バレル片32bの外側に外側バレル片32aが位置するようにこれら両バレル片32b,32aを仮かしめ加工して、図1(b)に示す予備圧着状態と成す。
次に、図1(b)に示す予備圧着状態の雌型圧着端子10を、本かしめ用の下型および上型を用いてかしめ加工すると、図1(a)で示す雌型圧着端子10となる。
このようにして製造された図1(a)の圧着接続構造体1の各部の断面形状を図2(a),図2(b),図2(c),図3(a)〜(f)に示す。
図2(b)および図3(a)に示すように、圧着許容部30Aのバレル間圧着許容部30Aaを圧着状態となした時、バレル底面31とバレル片32とを係合する係合部34を形成したので、圧着によるかしめ完了後には、内側バレル片32bおよび外側バレル片32aの各係合凸部34bがバレル底面31側の係合凹部34aに密着係合して、図3(a)に示すように、圧着部30の先端に水分侵入用の隙間が形成されるのを防止し、隙間がない状態でバレル底面31と各バレル片32a,32bとを密着嵌合することができる。
したがって、水分の侵入が最も懸念される圧着部30先端側から圧着部30の内部に水分が侵入するのを阻止することができ、充分な止水性能を確保することができる。
また、上述の係合部34が形成されたバレル片32、バレル底面31の先端部、すなわち、バレル間圧着許容部30Aaは、圧着時にアルミニウム芯線201が介在されない部分であるから、係合部34の液密な圧着状態がアルミニウム芯線201によって阻害されることがないので、止水性能の向上を図ることができる。
さらに、上述の係合部34は長手方向に間隔を隔てて複数条(この実施形態では2条)形成されたものであるから、前後複数段により止水を行うことができ、止水性能のさらなる向上を図ることができる。
なお、上記構成に代えて、図3(a)に示すように、バレル底面31の内面と内側バレル片32bの内面、バレル底面31の内面と外側バレル片32aの内面、内側バレル片32bの外面と外側バレル片32aの内面とのように、バレル要素が上下に接触する接触面部の全体、または略全体に係合部34を形成する構成を採用してもよい。
一方、図2(a)で示すように、導体係合溝33が形成された導体圧着部30bの所定箇所においては、この導体係合溝33に対してアルミニウム芯線201が食込むので、両者の密着構造により、導電性の向上を図ることができる。
また、図2(a)のX2部の拡大図を図2(c)で示すように、被覆圧着部30cにおいては後方バレル係合溝35a内に後方バレル係合突部35b’が食込んで内側バレル片32bと外側バレル片32aを密着させて、圧着部30の後端側からも水分が侵入するのを防止することができ、止水性能のさらなる向上を図ることができる。
さらに、図3(a)〜図3(f)に各部の断面構造を示すように、圧着許容部30Aを圧着状態とした圧着部30には、一対のバレル片32a,32bの一部が互いに重ね合わされたバレル重合部Dが形成され、しかも、バレル重合部Dにおける外側バレル片32aの外端は、圧着部30の幅方向中央から該幅方向中央を超えた外方に位置するものである。
詳しくは、図3(a)に示すバレル間圧着許容部30Aaを圧着状態としたバレル間圧着部30aと、図3(b)に示すバレル間圧着許容部30Aaに近接する導体圧着許容部30Abの先端を圧着状態とした導体圧着部30bの先端とにおいては、バレル重合部Dの曲率中心C1と圧着部30の幅方向中央とを結ぶ仮想ラインL1に対して、外側バレル片32aの外端が外方に30度以上の位置に設定されており、内側バレル片32bと外側バレル片32aとの充分なオーバラップ量を確保して、このオーバラップ構造により、圧着部30内部に水が侵入しようとするのを防止する構造になっている。
また、図3(c)〜図3(f)に示す導体圧着許容部30Abおよび被覆圧着許容部30Acを圧着状態とした導体圧着部30bおよび被覆圧着部30cにおいては、圧着部30の仮想中心C2を通る仮想鉛直ラインL2に対して、外側バレル片32aの外側が外方に60度以上の位置に設定されており、内側バレル片32bと外側バレル片32aとの充分なオーバラップ量を確保して、このオーバラップ構造により、圧着部30内部に水が侵入しようとするのを防止する構造になっている。
要するに、バレル重合部Dにおける外側バレル片32aの外端は、図3(a)〜図3(f)の何れの断面位置においても、圧着部30の幅方向中央から該幅方向中央を超えた外方に位置するように構成されており、内側バレル片32bと外側バレル片32aとのオーバラップ量を確保して、充分な止水効果を得るように構成したものである。
一方で、図2(a),図2(b)に示すように、トランジション部20aの底部中央には、雌型圧着端子10に付着または溜まった水や水分を排出するためのドレン孔40を形成しているので、このドレン孔40から排水を行なうことができ、特に、圧着許容部30Aを圧着状態とした圧着部30の先端から、水が圧着部30の内部に侵入しようとするのを防止することができ、止水性能のさらなる向上を図ることができる。
このように、図1〜図7(a)で示した実施形態の接続構造体は、電線導体203を絶縁被覆202で被覆し、先端側の前記絶縁被覆202を剥がして露出させた導体露出部201aを有する電線先端部200aを備えた被覆電線200と、前記電線先端部200aのうち少なくとも前記導体露出部201aを圧着する圧着許容部30Aを構成するバレル片32とバレル底面31を備えた圧着端子(雌型圧着端子10参照)とで構成した接続構造体であって、前記バレル片32を、前記バレル底面31の幅方向の両側に配置し、前記バレル片32を、前記導体露出部分の長さXwより長手方向の長さXbを長く形成(Xb>Xw)するとともに、前記導体露出部201aから前記絶縁被覆202の先端までを連続して一体的に囲繞するように、長手方向に連続して形成し、前記バレル片32およびバレル底面31の少なくとも何れか一方の先端部には、前記圧着許容部30Aを圧着状態となした時に、バレル底面31とバレル片32とを係合する係合部34が形成されたものである(図1,図2,図4参照)。
この構成によれば、バレル底面31とバレル片32とを係合する係合部34を形成したので、圧着許容部30Aを圧着状態となした時、係合部34によりバレル片32がバレル底面31に隙間なく密着係合した状態を確保することができる。
よって、単にバレル片32をバレル底面31と重ね合わせた構造と比較して格段に優れた止水性能を確保することができ、特に、上述の係合部34はバレル片32、バレル底面31の先端部に形成したので、水分の侵入が最も懸念される部位(圧着部の先端部)において水分の侵入を防止することができ、高い止水性能を発揮することができる。
また、前記圧着許容部30Aは、該圧着許容部30Aの前部においてバレル片32とバレル底面31との圧着を許容するバレル間圧着許容部30Aaと、電線先端部200aの導体露出部201aの圧着を許容する導体圧着許容部30Abと、電線先端部200aの絶縁被覆202の圧着を許容する被覆圧着許容部30Acとを備え、前記係合部34は、前記バレル間圧着許容部30Aaのバレル片32およびバレル底面31の少なくとも何れか一方に形成したものである(図5,図7(a)参照)。
この構成によれば、係合部34は圧着許容部30Aのうち該圧着許容部30Aの前部においてバレル片32とバレル底面31との圧着を許容するバレル間圧着許容部30Aaに形成することができる。
つまり、このバレル間圧着許容部30Aaは、バレル底面31とバレル片32との間に電線導体203が介在しない部分であるから、係合部34によるバレル片32とバレル底面31との密着係合を、電線導体203に左右されることなく、より一層確実に行なうことができ、水分の侵入をさらに良好に防止することができる。
さらに、前記係合部34は、前記バレル底面31と前記一対のバレル片32とに連続して形成したものである(図5(b),図6(b)参照)。
この構成によれば、係合部34を被覆電線200の長手方向前後に離間して形成する構造と対比して、係合部34の形成が容易となり、かつ、係合部34の形成スペースが比較的狭い限られたスペースであっても、適切に係合部34を形成することができる。
さらにまた、前記係合部34を複数条形成したものである(図5(b),図6(b)参照)。
この構成によれば、複数条の係合部34にて止水を行なうことができるので、止水効果のさらなる向上を図ることができる。
しかも、前記圧着端子10の先端にはトランジション部20aが一体形成され、
該トランジション部20aの底部にドレン孔40を形成したものである(図2参照)。
この構成によれば、トランジション部20aに付着または溜まった水をドレン孔40から排出することができるので、圧着許容部30Aを圧着状態とした圧着部30の先端から、水が圧着部30の内部に侵入しようとするのを防止することができ、止水性能のさらなる向上を図ることができる。
また、前記ドレン孔40は、その孔縁後端が、圧着許容部30Aを圧着状態とした圧着部30の先端と一致するように形成されたものである(図2参照)。
この構成によれば、圧着部30を適正に確保しつつドレン性能の向上を図ることができる。
つまり、前記ドレン孔の孔縁後端が圧着部先端から前方に過度に離れる構造の場合には、圧着部先端とトランジション部との間の段差部に水が溜まりやすくなり、逆に、前記ドレン孔の孔縁後端が圧着部先端から後方に位置する構造の場合には、圧着部とドレン孔とがオーバラップすることで、圧着部が減少して、充分な圧着部の確保が阻害されるのみならず、ドレン孔とトランジション部裏面との間に別途段差部が形成され、この部分に水が溜まりやすくなる。
これに対して、本実施形態の接続構造体は、ドレン孔40の孔縁後端を圧着部30の先端と一致させたことにより、ドレン孔40が圧着部30に悪影響を与えることなく、該ドレン孔40にてトランジション部20aに付着または溜まった水を排出して、水が圧着部30内部に侵入しようとするのを防止することができる。
さらに、前記圧着許容部30Aを圧着状態とした圧着部30に、少なくとも前記一対のバレル片32,32の一部が互いに重ね合わされたバレル重合部Dを形成し、該バレル重合部Dのうち、外側に位置するバレル片32を外側バレル片32aに設定し、該外側バレル片32aの内側に位置するバレル片32を内側バレル片32bに設定し、前記バレル重合部Dにおける外側バレル片32aの外端は、前記圧着部30の幅方向中央から該幅方向中央を超えた外方に位置するように成したものである(図3参照)。
この構成によれば、バレル重合部Dにおける外側バレル片32aの外端が、圧着部30の幅方向中央から該幅方向中央を超えた外方に位置するので、内側バレル片32bと外側バレル片32aとの充分なオーバラップ量を確保することができると共に、このオーバラップ構造により圧着部32内部に水が侵入しようとするのを防止することができる。
図7(b)は係合部の構造の他の実施形態を示し、一対の仮想バレル境界線α,α間におけるバレル底面31側の内面に係合凹部34aを形成したものである。
このように形成すると、内側バレル片32bを内方に折曲げ、次に外側バレル片32aが内側バレル片32bの外側に位置するように、該バレル片32aを内方に折曲げた後に、圧着許容部30Aをかしめて圧着部30と成す時、かしめ時の加圧力により内側バレル片32bの一部が塑性変形して係合凹部34a内に食込むと共に、外側バレル片32aの一部も同様に、塑性変形して係合凹部34a内に食込むので、係合部を構成する係合凹部34aによりバレル片32がバレル底面31に隙間なく密着係合した状態を確保することができ、止水性能を確保することができる。
図7(c)は係合部の構造のさらに他の実施形態を示し、一対の仮想バレル境界線α,α間におけるバレル底面31側の内面に係合凸部34bを形成したものである。
このように形成すると、内側バレル片32bを内方に折曲げ、次に外側バレル片32aが内側バレル片32bの外側に位置するように、該バレル片32aを内方に折曲げた後に、圧着許容部30Aをかしめて圧着部30と成す時、かしめ時の加圧力により内側バレル片32bの一部に係合凸部34bが食込むと共に、外側バレル片32aの一部にも同様に、係合凸部34bが食込むので、係合部を構成する係合凸部34bによりバレル片32がバレル底面31に隙間なく密着係合した状態を確保することができ、止水性能を確保することができる。
図7(b),図7(c)で示した実施形態においても、その他の構成、作用、効果については先の実施形態とほぼ同様であるから、図7(b),図7(c)において、前図と同一の部分には同一符号を付して、その詳しい説明を省略する。
図8は圧着接続構造体の他の実施形態を示し、特に、外側バレル片外端の巻込み折返し構造を示す断面図である。
図8に示すように、この実施形態においては、バレル重合部Dにおける外側バレル片32aの外端が、圧着部30の外端部、詳しくは、仮想バレル境界線αと対応するバレル間圧着部30aの一側の外端部30bを巻き込むように折り返して、折返し部30eを形成したものである。
このように、前記バレル重合部Dにおける外側バレル片32aの外端を、圧着部30の外端部30dを巻き込むように折り返すと、上述のオーバラップ構造に加えて外側バレル片32a外端の巻込み折返し構造により、外側バレル片32aと内側バレル片32bとの密着状態を保つことができ、これにより、止水性能のさらなる向上を図ることができる。
この発明の構成と、上述の実施形態との対応において、
この発明の接続構造体は、実施形態の圧着接続構体に対応し、
以下同様に、
圧着端子は、雌型圧着端子に対応するも、
この発明は、上述の実施形態の構成のみに限定されるものではない。
1…圧着接続構造体
10…雌型圧着端子
20a…トランジション部
30…圧着部
30A…圧着許容部
30Aa…バレル間圧着許容部
30Ab…導体圧着許容部
30Ac…被覆圧着許容部
31…バレル底面
32…バレル片
32a…外側バレル片
32b…内側バレル片
34…係合部
40…ドレン孔
200…被覆電線
200a…電線先端部
201a…導体露出部
202…絶縁被覆
203…電線導体
D…バレル重合部分

Claims (8)

  1. 電線導体絶縁被覆で被覆され、先端側において所定の長さの前記電線導体が前記絶縁被覆から露出した導体露出部を有する電線先端部を備えた被覆電線と、
    前記電線先端部のうち少なくとも前記導体露出部を圧着する圧着許容部を構成するバレル底面と、該バレル底面の幅方向の両側に配置され前記導体露出部の長さより長手方向の長さが長く形成された一対のバレル片を備えた圧着端子とで構成した接続構造体であって、
    前記圧着許容部において、前記一対のバレル片のうち、一方のバレル片の幅方向の長さが、他方のバレル片の幅方向の長さよりも長く形成され、
    前記圧着許容部によって、前記導体露出部から前記絶縁被覆の先端までを連続して一体的に囲繞し、前記他方のバレル片の外周に前記一方のバレル片が配置されるように前記一対のバレル片の一部が互いに重ね合わされたバレル重合部を有する圧着部が構成され、
    該圧着部は、
    前記圧着部の前部において前記バレル片と前記バレル底面とが圧着されたバレル間圧着部と、前記導体露出部が圧着された導体圧着部と、前記導体圧着部における内周長さよりも内周長さが長く、前記被覆電線の前記絶縁被覆が圧着された被覆圧着部とで構成され、
    前記圧着部の前記バレル重合部における前記バレル片の幅方向の両端が前記圧着部の幅方向中央から該幅方向の中央を越えた幅方向外方に位置するとともに、
    前記他方のバレル片の端部から前記一方のバレル片の端部までの間において、被覆圧着部の前記バレル重合部が、圧着された状態におけるバレル底面からバレル片に向かう方向に凸状に形成された
    接続構造体。
  2. 前記バレル間圧着部と、前記導体圧着部と、前記被覆圧着部のいずれの位置において、
    前記一方のバレル片の幅方向端部が、
    前記圧着部の中心を通る前記バレル底面に対して垂直な鉛直ラインと前記バレル底面との交点を中心として、鉛直ラインに対して60度以上の位置に形成された
    請求項1に記載の接続構造体。
  3. 前記バレル間圧着部と、前記導体圧着部のバレル間圧着部側端部とにおいて、
    前記バレル重合部の曲率中心と前記圧着部の幅方向中央とを結ぶ仮想ラインに対して、前記一方のバレル片の幅方向端部が、前記曲率中心を中心に30度以上の位置に形成された
    請求項1または2記載の接続構造体。
  4. 前記バレル間圧着部は、
    前記バレル片と前記バレル底面とが重ねられて、圧着された状態におけるバレル片からバレル底面に向かう方向に凸状となるように圧着された
    請求項1〜3の何れか1項に記載の接続構造体。
  5. 前記圧着端子の先端にはトランジション部が一体形成され、
    該トランジション部の底部にドレン孔を形成した
    請求項1〜4の何れか1項に記載の接続構造体。
  6. 前記ドレン孔は、その孔縁後端が、圧着許容部を圧着状態とした圧着部の先端と一致するように形成された
    請求項5記載の接続構造体。
  7. 前記一対のバレル片の幅方向両端部がテーパ状に形成された
    請求項1〜6の何れか1項に記載の接続構造体。
  8. 前記バレル重合部における外側バレル片の外端は、前記圧着部の外端部を巻き込むように折り返された
    請求項1〜請求項7の何れか1項に記載の接続構造体。
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