JP2014129464A - エポキシ樹脂硬化剤、及びそれを用いたエポキシ樹脂組成物、硬化物、光半導体装置 - Google Patents

エポキシ樹脂硬化剤、及びそれを用いたエポキシ樹脂組成物、硬化物、光半導体装置 Download PDF

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Abstract

【課題】 耐熱着色性に優れる硬化物を与えるエポキシ樹脂硬化剤と、そのエポキシ樹脂硬化剤を用いたエポキシ樹脂組成物、その硬化物及び光半導体装置を提供する。
【解決手段】 多価カルボン酸無水物と酸化防止剤を混合、加熱し得られるエポキシ樹脂硬化剤。酸化防止剤が、フェノール系酸化防止剤とリン系酸化防止剤のいずれか1以上、酸化防止剤が、多価カルボン酸無水物100質量部に対して0.01〜5質量部含まれると好ましい。エポキシ樹脂及び前記のエポキシ樹脂硬化剤を含むエポキシ樹脂組成物。前記のエポキシ樹脂組成物を硬化させてなる硬化物。前記の硬化物で光半導体素子が封止されてなる光半導体装置。
【選択図】 なし

Description

本発明は、エポキシ樹脂硬化剤とそれを用いたエポキシ樹脂組成物、その硬化物、光半導体装置に関する。さらに詳しくは、着色が少ない硬化物を与えるエポキシ樹脂硬化剤、エポキシ樹脂組成物、その硬化物及び光半導体装置に関する。
一般に、酸無水物とエポキシ樹脂から得られるエポキシ樹脂硬化物は、安価で、透明性、電気絶縁性、耐薬品性、耐湿性、接着性等に優れており、電気絶縁材料、半導体材料、接着材料、塗料材料等、様々な用途で用いられている。代表的な使用例の一つとして、発光ダイオード(Light−emitting diode:以下LEDと略す)の発光素子を保護するための封止材を挙げることができるが、近年になって短波長の光を発する光源と蛍光体とを組み合わせた白色LEDが普及するにつれ、封止材の劣化が問題視されるようになってきた。
すなわち、白色LEDの場合、より高エネルギーの光源を用いるため、従来の赤色や緑色のLEDに比べて封止材が劣化して着色しやすく、LEDの寿命が短くなってしまうという問題が発生する。また、発光素子の改良によって小型化及び大電流化が進むにつれ、LEDを長時間点灯させた場合に発生する熱も大きくなり、これによっても同様に封止材の劣化が引き起こされる。
このような光や熱による劣化を抑制することは、エポキシ樹脂のさらなる普及において重要な課題となっている。これを解決する方法として、光や熱により劣化しやすい芳香族エポキシ樹脂に代わって脂環式エポキシ樹脂を用いたエポキシ樹脂組成物の提案がなされている(例えば、特許文献1、2及び3参照)。
一方で、こういった脂環式エポキシ樹脂を用いたエポキシ樹脂組成物を用いても、得られる硬化物の耐熱着色性は充分ではなかった。硬化物の耐熱着色性を向上させる方法として、種々の酸化防止剤を用いる手法が知られている。
しかし、酸化防止剤の選択を誤ると、逆に着色してしまう場合があり、また、ユーザーは、酸化防止剤を添加し、溶解させる工程が必要であった。
特開2000−196151号公報 特開2003−012896号公報 特開2003−221490号公報
本発明は、上記の問題を鑑みてなされたものであり、予め酸化防止剤を添加、溶解させておくことで、ユーザーが酸化防止剤を溶解させる工程を省くことが出来、耐熱着色性に優れる硬化物を与えるエポキシ樹脂硬化剤を提供するものである。また、本発明は、そのエポキシ樹脂硬化剤を用いたエポキシ樹脂組成物、その硬化物及び光半導体装置を提供するものである。
本発明者らは、上記の課題を解決するため鋭意検討した結果、多価カルボン酸無水物に対し、酸化防止剤としてフェノール系酸化防止剤とリン系酸化防止剤をそれぞれ選択、またこれらを併用混合することにより、耐熱着色性に優れる硬化物を与えるエポキシ樹脂硬化剤が容易に得られることを見出し、本発明を完成させるに至った。
本発明は、以下に関する。
(1)多価カルボン酸無水物と酸化防止剤を混合、加熱し得られるエポキシ樹脂硬化剤。
(2)多価カルボン酸無水物が、下記一般式(1)で表される化合物である項(1)に記載のエポキシ樹脂硬化剤。
Figure 2014129464
(一般式(1)中、R〜Rは、それぞれ独立に、水素原子又は直鎖若しくは分岐状の炭素数1〜4のアルキル基を表し、R〜Rから選ばれる二つが結合して環を形成してもよい。)
(3)酸化防止剤が、フェノール系酸化防止剤とリン系酸化防止剤のいずれか1以上(単品又は併用系)である項(1)又は項(2)に記載のエポキシ樹脂硬化剤。
(4)酸化防止剤が、多価カルボン酸無水物100質量部に対して0.01〜5質量部含まれる項(1)〜(3)のいずれかに記載のエポキシ樹脂硬化剤。
(5)エポキシ樹脂及び項(1)〜(4)のいずれかに記載のエポキシ樹脂硬化剤を含むエポキシ樹脂組成物。
(6)項(5)に記載のエポキシ樹脂組成物を硬化させてなる硬化物。
(7)項(6)に記載の硬化物で光半導体素子が封止されてなる光半導体装置。
本発明によれば、耐熱着色性に優れる硬化物を与えるエポキシ樹脂硬化剤、それを用いたエポキシ樹脂組成物、その硬化物及び光半導体装置を容易に得ることができる。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明に用いる多価カルボン酸無水物は、特に制限は無く、例えば無水コハク酸、無水マレイン酸、無水フタル酸、テトラヒドロ無水フタル酸、メチルテトラヒドロ無水フタル酸、メチルエンドメチレンテトラヒドロ無水フタル酸、無水イタコン酸、ピロメリット酸無水物、ベンゾフェノンテトラカルボン酸無水物等が挙げられる。これらは二種類以上併用してもよい。
本発明により得られる硬化物が、耐熱着色性に優れるという効果をより顕著に発揮させるためには、多価カルボン酸無水物が上記一般式(1)で表される化合物であることが好ましい。
このような化合物としては、例えばヘキサヒドロ無水フタル酸、メチルヘキサヒドロ無水フタル酸、メチルエンドメチレンヘキサヒドロ無水フタル酸等が挙げられる。これらは二種類以上併用してもよい。
多価カルボン酸無水物の使用量は、エポキシ樹脂中のエポキシ基1当量に対して酸無水物基が0.8〜1当量になるよう配合することが好ましく、0.9〜1当量になるよう配合することがより好ましい。酸無水物基が0.8当量未満であると、硬化が不十分となり、硬化物の機械的特性が著しく低下するおそれがある。また、酸無水物基が1当量を超える場合にも、同様に硬化物の機械的特性が低下するおそれがある。
本発明に用いる酸化防止剤は、熱酸化劣化を抑制し高分子に長寿命の付与するために汎用する主要なラジカル捕捉剤であるフェノール系・芳香族アミン系酸化防止剤、酸化物分解作用を持つ硫黄系・リン系酸化防止剤が用いられる。変色性や効果からフェノール系酸化防止剤、リン系酸化防止剤を用いることが好ましい。
フェノール系酸化防止剤としては、例えば1,3,5−トリス(4−t−ブチル−4−ヒドロキシ−2,6−ジメチルベンゼン)イソシアヌレート、1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−t−ブチルフェニル)ブタン、4,4´−ブチリデンビス(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、n−オクタデシル−β−(4´−ヒドロキシ−3´,5´−ジ−t−ブチルフェニル)プロピオネート、テトラキス{メチレン−3−(3´,5´−ジ−t−ブチル−4´−ヒドロキシフェニル)プロピオネート}メタン、トリエチレングリコールビス{3−(3´−t−ブチル−4´−ヒドロキシフェノール)}プロピオネート、3,9−ビス〔2−{3−(3−t−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオニルオキシ}−1,1−ジメチルエチル〕−2,4,8,10−テトラオキサピロ〔5.5〕ウンデカン、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3´,5´−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、トリス(3,5,−ジ−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)イソシアヌレート、2,2´−メチレンビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール等が挙げられ、酸化防止効果をより発揮するものとして、n−オクタデシル−β−(4´−ヒドロキシ−3´,5´−ジ−t−ブチルフェニル)プロピオネート、テトラキス{メチレン−3−(3´,5´−ジ−t−ブチル−4´−ヒドロキシフェニル)プロピオネート}メタン、3,9−ビス〔2−{3−(3−t−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオニルオキシ}−1,1−ジメチルエチル〕−2,4,8,10−テトラオキサピロ〔5.5〕ウンデカン等がより好ましい。
リン系酸化防止剤としては、例えば、トリス(フェニル)ホスファイト、トリス(イソデシル)ホスファイト、ジフェニルイソオクチルホスファイト、トリス(ノニルフェニル)ホスファイト、ジステアリルペンタエリスリトールジホスファイト、トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、9,10−ジヒドロ−9−オキサ−10−フォスファフェナントレン−10−オキシド、ジフェニルモノ(トリデシル)ホスファイト、ビス(トリデシル)ペンタエリスリトールホスファイト、ビス(ノニルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、トリス(2,4−ジ−ブチルフェニル)ホスファイト等が挙げられ、酸化防止効果をより発揮するものとして、9,10−ジヒドロ−9−オキサ−10−フォスファフェナントレン−10−オキシド、ジフェニルモノ(トリデシル)ホスファイト等がより好ましい。
本発明において、より耐熱着色を向上させる手法として、フェノール系酸化防止剤とリン系酸化防止剤を併用させることで、より効果的となる場合がある。例えば、n−オクタデシル−β−(4´−ヒドロキシ−3´,5´−ジ−t−ブチルフェニル)プロピオネートと9,10−ジヒドロ−9−オキサ−10−フォスファフェナントレン−10−オキシド、n−オクタデシル−β−(4´−ヒドロキシ−3´,5´−ジ−t−ブチルフェニル)プロピオネートとジフェニルモノ(トリデシル)ホスファイト等の組合せが挙げられる。
また、硫黄系酸化防止剤のチオエーテル系酸化防止剤も添加して使用することも出来、例えば、テトラキス{メチレン−3−(ラウリルチオ)プロピオネート}メタン、ビス〔メチル−4−{3−n−アルキル(C12orC14)チオプロピオニオジル}−5−t−ブチルフェニル〕スルフィド、ジトリデシル−3,3´−チオジプロピオネート等が挙げられる。
本発明において、酸化防止剤は、多価カルボン酸無水物100質量部に対して0.01〜5質量部含まれることが好ましく、0.05〜3質量部含まれることがより好ましい。酸化防止剤の含有量が0.01質量部未満であると、得られる硬化物の耐熱着色性が十分でなく、また、酸化防止剤の含有量が5質量部を超えると、得られる硬化物の耐熱着色性が著しく低下するおそれがあり、実用上好ましくない。
本発明に用いるエポキシ樹脂は特に制限は無いが、耐光性及び耐熱性の面から脂環式エポキシ樹脂が好ましい。脂環式エポキシ樹脂は、1分子中に脂環式骨格及び2個以上のエポキシ基を有するものであり、例えば3´,4´−エポキシシクロヘキシルメチル−3,4−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート、ビス(3,4−エポキシシクロヘキシルメチル)アジペート、ビニルシクロヘキセンジオキサイド、水素添加ビスフェノールAジグリシジルエーテル等が挙げられる。これらは二種類以上併用してもよい。
また、目的に応じて脂環式エポキシ樹脂以外のエポキシ樹脂も用いることができる。このようなエポキシ樹脂としては、例えばビスフェノールA、ビスフェノールS、ビスフェノールF等のビスフェノール類とエピクロロヒドリンとの反応により得られるビスフェノール型エポキシ樹脂、フェノールノボラックとエピクロロヒドリンとの反応により得られるフェノールノボラック型エポキシ樹脂、多価カルボン酸とエピクロロヒドリンとの反応により得られるグリシジルエステル型エポキシ樹脂、アルコール型エポキシ樹脂、アミン型エポキシ樹脂などが挙げられる。これらは二種類以上併用してもよい。
これらの脂環式エポキシ樹脂以外のエポキシ樹脂の使用量は、脂環式エポキシ樹脂100質量部に対して0〜80質量部とするのが好ましく、0〜20質量部とするのがより好ましい。脂環式エポキシ樹脂以外のエポキシ樹脂の使用量が80質量部を超えると硬化物の耐光性及び耐熱性が低下するおそれがある。
本発明においては、多価カルボン酸無水物及び酸化防止剤を混合し、加熱することにより目的とするエポキシ樹脂硬化剤を得ることができるが、その製造方法には特に制限は無く、公知の方法を適用することができる。エポキシ樹脂硬化剤の色相が悪い場合は、水素化触媒存在下で水素化することで色相改善を行っても良い。その際用いる水素化触媒としては、ニッケルなどの鉄族元素またはパラジウム、ロジウム、白金などの白金族元素を活性成分として含むものが好ましく、活性成分を担体に保持させた形態のものがより好ましい。また、本発明のエポキシ樹脂硬化剤及びエポキシ樹脂を混合することによってエポキシ樹脂組成物を得ることができるが、その製造方法には特に制限は無く、公知の方法を適用することができる。混合、加熱は、多価カルボン酸無水物と酸化防止剤が溶融できる温度で加熱するか、溶剤を加えて溶解ないし分散混合することで達成できる。加熱は、室温(25℃)〜200℃、好ましくは150℃以下、より好ましくは100℃以下で行う。
本発明におけるエポキシ樹脂組成物は、目的に応じて硬化促進剤を適宜添加することができる。硬化促進剤としては、例えば2−エチル−4−メチルイミダゾール、1−メチルイミダゾール等のイミダゾール類、ベンジルジメチルアミン、N,N−ジメチルアニリン等の三級アミン、テトラメチルアンモニウムクロライド、ベンジルトリエチルアンモニウムクロライド等の四級アンモニウム塩、テトラ−n−ブチルホスホニウム o,o−ジエチルホスホロジチオネート、テトラブチルホスホニウム ベンゾトリアゾラート等のホスホニウム塩、オクチル酸亜鉛、ステアリン酸亜鉛等の金属塩、アセチルアセトン亜鉛、ベンゾイルアセトン亜鉛等の金属錯体などエポキシ樹脂の硬化促進剤として一般に用いられているものが挙げられる。
硬化促進剤のエポキシ樹脂組成物中の配合量は、0.01〜8質量%とするのが好ましく、0.1〜5質量%とするのがより好ましい。硬化促進剤の配合量が0.01質量%未満であると、十分な効果が得られないおそれがある。また、硬化促進剤の配合量が8質量%を超えると、得られる硬化物が着色したり耐熱性が低下したりするおそれがある。
本発明におけるエポキシ樹脂組成物には、得られる硬化物の特性を損ねない範囲で各種添加剤を目的に応じてさらに添加することができる。添加剤としては、可撓化剤、紫外線吸収剤、難燃剤、帯電防止剤、消泡剤、チキソトロピー性付与剤、離型剤等が挙げられる。更に、例えば、硬化における重合反応を制御するための連鎖移動剤、硬化物の機械的物性、接着性、取扱い性を改良するための充填剤、可塑剤、低応力化剤、カップリング剤、染料、光散乱剤などが挙げられる。
本発明におけるエポキシ樹脂組成物を加熱硬化させることにより、耐熱着色性に優れる硬化物を得ることができる。硬化物の製造方法には特に制限は無く、公知の方法を適用することができる。加熱硬化の温度及び時間は特に限定されないが、90〜180℃、1〜12時間が好ましい。エポキシ樹脂組成物を塗布、ポッティング、含浸等の方法により、LED発光素子等の表面上に設け、加熱硬化することにより、LED発光素子等を封止し、光半導体装置とすることができる。
本発明の光半導体装置は、LED発光素子、フォトダイオード素子等の光半導体素子が上記硬化物で封止されたものであり、耐熱性に優れるものである。
以下、実施例により本発明をさらに具体的に説明する。本発明はこれらの実施例により制限されるものではない。
(実施例1)
攪拌機、温度計及び還流冷却器を備えた反応容器に株式会社ADEKA製フェノール系酸化防止剤であるAO50(n−オクタデシル−3−(4´−ヒドロキシ−3´,5´−ジ-t−ブチル・フェニル)プロピオネート)を0.6質量部、多価カルボン酸無水物として日立化成株式会社製HN−5500(メチルヘキサヒドロ無水フタル酸)を116質量部仕込み、窒素ガスを吹き込みながら60℃に加熱して攪拌し、均一になるまで溶解させてエポキシ樹脂硬化剤(I)を得た。
上記で得たエポキシ樹脂硬化剤(I)116.6質量部に対して、エポキシ樹脂として脂環式エポキシである3´,4´−エポキシシクロヘキシルメチル−3,4−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート(セロキサイド2021P:株式会社ダイセル製)100質量部、硬化促進剤としてテトラ−n−ブチルホスホニウム o,o−ジエチルホスホロジチオネート(ヒシコーリンPX−4ET:日本化学工業株式会社製)1質量部を加え、80℃に加熱して攪拌し、均一になるまで溶解させてエポキシ樹脂組成物(I−a)を得た。
次に、エポキシ樹脂組成物(I−a)を減圧下で十分に脱泡させてから、1mm厚のシリコーン製のスペーサーをガラス板で挟んだ型に注入して、120℃で1時間加熱した後にさらに150℃で4時間加熱してエポキシ樹脂硬化物(I’−a)を得た。
(実施例2)
攪拌機、温度計及び還流冷却器を備えた反応容器に三光株式会社製リン系酸化防止剤であるHCA(9,10−ジヒドロ−9−オキサ−10−フォスファフェナントレン−10−オキサイド)を0.6質量部、多価カルボン酸無水物として日立化成株式会社製HN−5500(メチルヘキサヒドロ無水フタル酸)を116質量部仕込み、窒素ガスを吹き込みながら60℃に加熱して攪拌し、均一になるまで溶解させてエポキシ樹脂硬化剤(II)を得た。
以下、実施例1と同様にしてエポキシ樹脂硬化物(II'−a)を得た。
(実施例3)
攪拌機、温度計及び還流冷却器を備えた反応容器に株式会社ADEKA製フェノール系酸化防止剤であるAO50を0.6質量部、三光株式会社製リン系酸化防止剤であるHCAを0.6質量部、多価カルボン酸無水物として日立化成株式会社製HN−5500を116質量部仕込み、窒素ガスを吹き込みながら60℃に加熱して攪拌し、均一になるまで溶解させてエポキシ樹脂硬化剤(III)を得た。
以下、実施例1と同様にして硬化物(III’−a)を得た。
(実施例4)
攪拌機、温度計及び還流冷却器を備えた反応容器に株式会社ADEKA製フェノール系酸化防止剤であるAO50を0.6質量部、城北化学工業株式会社製リン系酸化防止剤であるJPM−313(ジフェニルモノ(トリデシル)ホスファイト)を0.6質量部、多価カルボン酸無水物として日立化成株式会社製HN−5500を116質量部仕込み、窒素ガスを吹き込みながら60℃に加熱して攪拌し、均一になるまで溶解させてエポキシ樹脂硬化剤(IV)を得た。
以下、実施例1と同様にしてエポキシ樹脂硬化物(IV’−a)を得た。
(実施例5)
攪拌機、温度計及び還流冷却器を備えた反応容器に株式会社ADEKA製フェノール系酸化防止剤であるAO50を0.06質量部、三光株式会社製リン系酸化防止剤であるHCAを0.06質量部、多価カルボン酸無水物として日立化成株式会社製HN−5500を116質量部仕込み、窒素ガスを吹き込みながら60℃に加熱して攪拌し、均一になるまで溶解させてエポキシ樹脂硬化剤(V)を得た。
以下、実施例1と同様にしてエポキシ樹脂硬化物(V’−a)を得た。
(比較例1)
日立化成株式会社製HN−5500(メチルヘキサヒドロ無水フタル酸)、116質量部に対して、エポキシ樹脂として3´,4´−エポキシシクロヘキシルメチル−3,4−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート(セロキサイド2021P:株式会社ダイセル製)100質量部、硬化促進剤としてテトラ−n−ブチルホスホニウム o,o−ジエチルホスホロジチオネート(ヒシコーリンPX−4ET:日本化学工業株式会社製)1質量部を加え、80℃に加熱して攪拌し、均一になるまで溶解させてエポキシ樹脂組成物(VI−a)を得た。
以下、実施例1と同様にしてエポキシ樹脂硬化物(VI’−a)を得た。
実施例1〜5及び比較例1で得たエポキシ樹脂硬化物(I’−a)〜(VI’−a)の初期の透過率(450nm)及びYI(イエローインデックス)を測定し、高温放置後(150℃、72h)、再び透過率(450nm)及びYIを測定し、その結果を表1に示した。表1における特性評価の方法は以下の通りである。
・透過率:分光光度計によって測定した(測定波長450nm)。
・YI:色相計によって測定した。
Figure 2014129464
表1に示したように、実施例1〜5で得られた硬化物は、耐熱着色性に優れることが判った。それに対し比較例1の硬化物は、耐熱着色性が劣った。本発明により、耐熱着色性に優れる硬化物を与えるエポキシ樹脂硬化剤と、それを用いたエポキシ樹脂組成物及びその硬化物を得ることができた。実施例1、2からリン系酸化防止剤の方が高温放置後の透過率、YIに優れ、更に両者を併用した実施例3では、酸化防止剤単独使用の場合より耐熱着色性により優れる。

Claims (7)

  1. 多価カルボン酸無水物と酸化防止剤を混合、加熱し得られるエポキシ樹脂硬化剤。
  2. 多価カルボン酸無水物が、下記一般式(1)で表される化合物である請求項1に記載のエポキシ樹脂硬化剤。
    Figure 2014129464
    (一般式(1)中、R〜Rは、それぞれ独立に、水素原子又は直鎖若しくは分岐状の炭素数1〜4のアルキル基を表し、R〜Rから選ばれる二つが結合して環を形成してもよい。)
  3. 酸化防止剤が、フェノール系酸化防止剤とリン系酸化防止剤のいずれか1以上である請求項1又は請求項2に記載のエポキシ樹脂硬化剤。
  4. 酸化防止剤が、多価カルボン酸無水物100質量部に対して0.01〜5質量部含まれる請求項1ないし請求項3のいずれかに記載のエポキシ樹脂硬化剤。
  5. エポキシ樹脂及び請求項1ないし請求項4のいずれかに記載のエポキシ樹脂硬化剤を含むエポキシ樹脂組成物。
  6. 請求項5に記載のエポキシ樹脂組成物を硬化させてなる硬化物。
  7. 請求項6記載の硬化物で光半導体素子が封止されてなる光半導体装置。
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