JP6077321B2 - 硬化性樹脂組成物、光半導体封止材、及び、光半導体装置 - Google Patents
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Description
また、特許文献2では、有機ケイ素化合物とエポキシ樹脂との反応物、有機アルミニウム化合物、及び、アミン化合物からなる樹脂組成物が開示されているが、このような樹脂組成物は、硬化時に170℃以上の高温が必要である。さらに、このような樹脂組成物の硬化物(成形体)をLED封止材に用いると、発光時の熱により着色し、その結果、LED連続発光における輝度保持率が低下するという課題があり、成形体の耐熱性は充分なものではない。
また、特許文献4では、ポリシロキサン化合物、及び、有機アルミニウム化合物を含有する樹脂組成物が開示されているが、このような樹脂組成物は、常温で長時間安定に貯蔵することが難しい。また、このような樹脂組成物を硬化させる際には、180℃以上の高温で長時間加熱する必要がある。さらに、このような樹脂組成物の硬化物(成形体)をLED封止材に用いると、水蒸気や腐食性ガスの透過性が高く、高温・高湿下や二酸化硫黄などの存在下において、LED連続発光における輝度保持率が低下するという課題がある。
このように、従来の光半導体封止材の材料等に用いられる硬化性樹脂組成物は、貯蔵安定性や、成形体の耐熱性、LED封止材に用いた場合の長時間の輝度保持性が充分とはいえず、これらの特性を更に向上させた組成物を検討する余地があった。
(A)エポキシ樹脂を100質量部と、
(B)下記平均組成式(1):
R1 a(OR2)bSiO(4−a―b)/2 (1)
(式中、R1は、同一又は異なって、炭素数1〜22のアルキル基、炭素数2〜22のアルケニル基、炭素数6〜14のアリール基、炭素数7〜22のアルキル置換アリール基、炭素数7〜22のアラルキル基、エポキシ基を有する1価の有機基、又は、オキセタニル基を有する1価の有機基を表す。R2は、同一又は異なって、水素原子、炭素数1〜22のアルキル基、炭素数2〜22のアルケニル基、炭素数6〜14のアリール基、炭素数7〜22のアルキル置換アリール基、又は、炭素数7〜22のアラルキル基を表す。a及びbは、1.0≦a≦1.7、0.05≦b≦1.0の数であり、1.05≦a+b≦2.0を満たす。)で表されるポリシロキサン化合物を10〜900質量部と、
(C)有機アルミニウム化合物と、
(D)1分子中に少なくとも1つのヒンダードアミン基を有する化合物とを必須成分として含有することを特徴とする硬化性樹脂組成物である。
本発明はまた、上記硬化性樹脂組成物を硬化して得られる光半導体封止材でもある。
本発明はまた、上記光半導体封止材で封止されてなる光半導体装置でもある。
以下に、本発明を詳述する。
なお、以下において記載する本発明の個々の好ましい形態を2つ以上組み合わせたものもまた、本発明の好ましい形態である。
ポリシロキサン化合物と有機アルミニウム化合物とは、エポキシ樹脂の硬化促進剤(触媒)として働くが、ポリシロキサン化合物と有機アルミニウム化合物のみの場合、エポキシ樹脂の硬化が活発に進行し過ぎるため、組成物が充分な貯蔵安定性を発揮することができない。エポキシ樹脂、ポリシロキサン化合物、有機アルミニウム化合物の3成分に更に1分子中に少なくとも1つのヒンダードアミン基を有する化合物を加えることで、ポリシロキサン化合物と有機アルミニウム化合物が有するエポキシ樹脂の硬化促進剤としての作用が過度に発揮されることを抑え、組成物を貯蔵安定性に優れたものとすることができる。
また、ポリシロキサン化合物は、上記エポキシ樹脂の硬化促進剤(触媒)としての作用の他、エポキシ樹脂と反応してエポキシ樹脂を硬化させる硬化剤としても働く。本発明の硬化性樹脂組成物は、エポキシ樹脂を100質量部に対して10〜900質量部のポリシロキサン化合物を含むため、ポリシロキサン化合物は、エポキシ樹脂の硬化促進剤(触媒)としても働き、また、硬化剤としても働くことになる。
具体的には、例えば、硬化性を有する樹脂組成物であって、該硬化性樹脂組成物は、
(A)エポキシ樹脂100質量部、及び、(B)下記平均組成式(1):
R1 a(OR2)bSiO(4−a―b)/2 (1)
(式中、R1は、同一又は異なって、炭素数1〜22のアルキル基、炭素数2〜22のアルケニル基、炭素数6〜14のアリール基、炭素数7〜22のアルキル置換アリール基、炭素数7〜22のアラルキル基、エポキシ基を有する1価の有機基、又は、オキセタニル基を有する1価の有機基を表す。R2は、同一又は異なって、水素原子、炭素数1〜22のアルキル基、炭素数2〜22のアルケニル基、炭素数6〜14のアリール基、炭素数7〜22のアルキル置換アリール基、又は、炭素数7〜22のアラルキル基を表す。a及びbは、1.0≦a≦1.7、0.05≦b≦1.0の数であり、1.05≦a+b≦2.0を満たす。)で表されるポリシロキサン化合物10〜900質量部の反応物と、
(C)有機アルミニウム化合物と、
(D)1分子中に少なくとも1つのヒンダードアミン基を有する化合物とを必須成分として含有することを特徴とする硬化性樹脂組成物もまた、本発明の好適な実施形態の1つである。
また、硬化性を有する樹脂組成物であって、該硬化性樹脂組成物は、
(A)エポキシ樹脂を100質量部と、
(B)下記平均組成式(1):
R1 a(OR2)bSiO(4−a―b)/2 (1)
(式中、R1は、同一又は異なって、炭素数1〜22のアルキル基、炭素数2〜22のアルケニル基、炭素数6〜14のアリール基、炭素数7〜22のアルキル置換アリール基、炭素数7〜22のアラルキル基、エポキシ基を有する1価の有機基、又は、オキセタニル基を有する1価の有機基を表す。R2は、同一又は異なって、水素原子、炭素数1〜22のアルキル基、炭素数2〜22のアルケニル基、炭素数6〜14のアリール基、炭素数7〜22のアルキル置換アリール基、又は、炭素数7〜22のアラルキル基を表す。a及びbは、1.0≦a≦1.7、0.05≦b≦1.0の数であり、1.05≦a+b≦2.0を満たす。)で表されるポリシロキサン化合物を10〜900質量部と、
(C)有機アルミニウム化合物、及び、(D)1分子中に少なくとも1つのヒンダードアミン基を有する化合物の反応物とを必須成分として含有することを特徴とする硬化性樹脂組成物もまた、本発明の好適な実施形態の1つである。
本発明の硬化性樹脂組成物が含む(A)エポキシ樹脂としては、構造中にエポキシ基を有する樹脂であれば特に制限されず、脂環式エポキシ樹脂、水添エポキシ樹脂、脂肪族エポキシ樹脂、芳香族エポキシ樹脂等を用いることができ、これらの1種を用いてもよく、2種以上を用いてもよいが、これらの中でも、脂環式エポキシ樹脂を用いることが好ましい。
すなわち、本発明の硬化性樹脂組成物が含む(A)エポキシ樹脂が、脂環式エポキシ樹脂からなる成分(以下、この成分(A−1)とも記載する)を含むことは本発明の好適な実施形態の1つである。
脂環式エポキシ樹脂を用いると、本発明の硬化性樹脂組成物がより耐熱性に優れたものとなる。
上記脂環式エポキシ樹脂が一般式(2)で表されるものであると、上記硬化性樹脂組成物を硬化して得られる成形体がより密着性に優れたものとなる。これは、成形体中にエーテル結合(例えば、エポキシシクロヘキサン基に由来するもの)とエステル結合との両方が存在することや、シクロヘキサン環が含まれることに起因すると推測される。
上記エポキシシクロヘキサン基中のエポキシ基の位置は限定されず、任意の位置に設けることができる。また、上記エポキシシクロヘキサン基が置換基を有する形態における、該置換基の位置も限定されない。
上記有機基として好ましくは、炭素数1〜18の脂肪族炭化水素基であり、より好ましくは、炭素数1〜10の脂肪族炭化水素基である。
上記脂環式エポキシ樹脂として具体的には、例えば、上記式(3−1)で表される化合物としてセロキサイド2021P(ダイセル化学工業社製)、上記式(3−4)で表される化合物としてセロキサイド2081、セロキサイド2083、セロキサイド2085(いずれも、ダイセル化学工業社製)等が好適である。
より多官能な脂環式エポキシ樹脂として具体的には、例えば、EHPE3150(ダイセル化学工業社製)等が好適である。
なお、本明細書における重量平均分子量は、ゲル透過クロマトグラフィー(カラム:TSKgel SuperMultiporeHZ−N 4.6*150を2本、溶離液:テトラヒドロフラン、標準サンプル:TSKポリスチレンスタンダード)により測定することができる。
上記水添エポキシ樹脂としては、飽和脂肪族環状炭化水素骨格に直接的又は間接的に結合したグリシジルエーテル基を平均2個以上有する多官能グリシジルエーテル化合物であることが好ましい。このような水添エポキシ樹脂は、芳香族多官能エポキシ化合物の完全又は部分水添物であることが好ましく、より好ましくは、芳香族多官能グリシジルエーテル化合物の水添物である。具体的には、下記式(4−1)で表される水添ビスフェノールA型エポキシ化合物、下記式(4−2)で表される水添ビスフェノールF型エポキシ化合物などが好ましい。成分(A−2)が水添ビスフェノールA型エポキシ化合物及び/又は水添ビスフェノールF型エポキシ化合物であると、成形体がより耐ヒートサイクル性に優れたものとなる。
式(4−1)、(4−2)においては、シクロヘキシル環やメチレン鎖などの炭化水素の一部の水素原子が置換されたものであってもよい。置換基としては、置換基があってもよい炭化水素基などが好ましい。炭化水素基の中ではアルキル基が好ましく、メチル基、エチル基がより好ましい。
上記水添ビスフェノールF型エポキシ化合物としては、具体的には、ビスフェノールF型エポキシ化合物を水添することにより得られるものを使用することができる。
水添エポキシ樹脂の重量平均分子量は、上述した脂環式エポキシ樹脂の重量平均分子量と同様の方法により測定することができる。
上記成分(A−1)及び成分(A−2)以外のエポキシ樹脂としては、例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂やクレゾールノボラック型エポキシ樹脂等のノボラック型エポキシ樹脂、トリグリシジルイソシアヌレート、ヒダントインエポキシ樹脂等の含窒素環エポキシ樹脂、脂肪族系エポキシ樹脂、グリシジルエーテル型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、ジシクロ環型エポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂等が挙げられる。
エポキシ樹脂中の全塩素量は、JIS K 7243−3に基づき測定することができる。
本発明の硬化性樹脂組成物は、下記平均組成式(1):
R1 a(OR2)bSiO(4−a―b)/2 (1)
(式中、R1は、同一又は異なって、炭素数1〜22のアルキル基、炭素数2〜22のアルケニル基、炭素数6〜14のアリール基、炭素数7〜22のアルキル置換アリール基、炭素数7〜22のアラルキル基、エポキシ基を有する1価の有機基、又は、オキセタニル基を有する1価の有機基を表す。R2は、同一又は異なって、水素原子、炭素数1〜22のアルキル基、炭素数2〜22のアルケニル基、炭素数6〜14のアリール基、炭素数7〜22のアルキル置換アリール基、又は、炭素数7〜22のアラルキル基を表す。a及びbは、1.0≦a≦1.7、0.05≦b≦1.0の数であり、1.05≦a+b≦2.0を満たす。)で表されるポリシロキサン化合物を含有する。上記硬化性樹脂組成物が上記平均組成式(1)で表されるポリシロキサン化合物を含有することにより、上記硬化性樹脂組成物から得られる成形体が、耐熱性及び耐クラック性に優れるとともに、長時間の使用において高い輝度を保持することができる。
SiR21 r(OR22)4−r (5)
(式中、R21は、平均組成式(1)のR1と同様である。R22は、平均組成式(1)のR2と同様である。rは、1〜3の整数である。)で表わされるシラン化合物を加水分解縮合させることにより、あるいは、上記一般式(5)で表わされるシラン化合物と、下記一般式(6):
Si(OR23)4 (6)
(式中、R23は、平均組成式(1)のR2と同様である。)で表わされるアルキルシリケートとを共加水分解縮合させることにより得られる。
上記ポリシロキサン化合物の重量平均分子量としては、より好ましくは、1,500〜15,000であり、更に好ましくは、2,000〜10,000である。
ポリシロキサン化合物の重量平均分子量は、上述した脂環式エポキシ樹脂の重量平均分子量と同様の方法により測定することができる。
ポリシロキサン化合物の粘度は、R/Sレオメーター(ブルックフィールド社製)により測定することができる。
上記硬化性樹脂組成物における(B)ポリシロキサン化合物の含有量は、上記(A)エポキシ樹脂の総量を100質量部に対して、好ましくは、10〜500質量部であり、より好ましくは、15〜300質量部であり、更に好ましくは、20〜150質量部である。
本発明の硬化性樹脂組成物は、有機アルミニウム化合物を含有する。上記硬化性樹脂組成物が有機アルミニウム化合物及びポリシロキサン化合物を含有することにより、エポキシ樹脂、さらにはエポキシ樹脂とポリシロキサン化合物間での硬化反応を比較的マイルドな条件下で促進させることができ、耐熱性や耐光性に優れた硬化物を得ることができる。これにより、被着体が無機材料と比較して耐熱性の低い樹脂材料からなる場合、熱硬化工程における加熱による被着体への影響を低減することも可能となる。
なお、「R5は、同一又は異なって、炭素数1〜22のアルキル基又はアルコキシル基を表す」とは、hを付した()の中の構造部分が複数ある場合、当該複数の構造部分におけるR6の構造が同一であってもよく、異なっていてもよいことを意味する。R6についても同様である。
本発明の硬化性樹脂組成物は、1分子中に少なくとも1つのヒンダードアミン基を有する化合物を含有する。上記硬化性樹脂組成物が1分子中に少なくとも1つのヒンダードアミン基を有する化合物を含有することにより、上記硬化性樹脂組成物が貯蔵安定性に優れたものとなり、硬化性樹脂組成物配合後、本配合物を用いて成形物を作製したり、あるいは光半導体封止を実施するに際し、作業完了まで充分な時間を確保することができたり、配合後長時間にわたっての使用が可能となる。また、通常のアミン配合では、比較的低温下で配合物成分のエポキシ樹脂を変質させたり、所望の硬化反応以外の反応を引き起こしたり、硬化に際しても170℃以上の高温を要するのに対し、ヒンダードアミン基を有する化合物を用いることにより、これらの不具合を抑制することが可能となる。また、ヒンダードアミン基を有する化合物を用いることにより、常温で充分な作業時間を確保しつつも、硬化に際しては120℃程度の比較的マイルドな条件下、短時間で硬化完了をさせることができる。さらに、ヒンダードアミン基を有する化合物は、通常のアミン化合物に比べて酸素共存下でも着色物質を生成し難いため、上記硬化性樹脂組成物をLED封止材に用いた場合、通常のアミン化合物を用いた組成物から得られる成形体に比べて変色が起こりにくく、優れた輝度保持性を発揮することができる。
本発明の硬化性樹脂組成物は、(A)エポキシ樹脂、(B)特定のポリシロキサン化合物、(C)有機アルミニウム化合物、及び、(D)1分子中に少なくとも1つのヒンダードアミン基を有する化合物を必須成分とする限り、その他の成分を含んでいてもよく、該その他の成分は1種又は2種以上を用いることができる。該その他の成分としては、例えば、ポリアルキルグリコール、ポリエステルポリオール、ポリカーボネートポリオール、ポリ(メタ)アクリレートなどの耐クラック性向上剤、無機あるいは有機微粒子、溶媒、他の重合成分としてのオキセタン化合物、酸化防止剤、カップリング剤、離型剤、可塑剤、消泡剤、レべリング剤などの各種添加剤等を挙げることができる。さらに、光半導体封止材としては、蛍光体や光拡散剤などの配合も可能である。また、複合材料のマトリックス樹脂や塗膜形成樹脂、薄肉厚の封止材として用いる場合には溶媒を配合することもできる。
硬化物のガラス転移温度は、動的粘弾特性におけるtanδが極大となる温度により測定することができる。
透過率は、UV−VIS分光光度計(Agilent 8453、アジレント・テクノロジー社製)により、厚み1mmのサンプルを用いて測定することができる。
<重量平均分子量>
重量平均分子量は、ゲル透過クロマトグラフィー(カラム:TSKgel SuperMultiporeHZ−N 4.6*150を2本、溶離液:テトラヒドロフラン、標準サンプル:TSKポリスチレンスタンダード)により測定した。
粘度の測定は、R/Sレオメーター(米国ブルックフィールド社製)を用いて、40℃、回転速度D=1/sの条件下で行った。なお、粘度20Pa・s以上では、RC25−1の測定治具を使用し、粘度20Pa・s未満では、RC50−1の治具を使用した。また、回転速度D=1/s時点の粘度が測定できないものについては、回転速度D=5〜100/sの値を外挿して、粘度として評価した。
合成例1
温度計、還流用の冷却管、および撹拌機を備えた反応器に、メチルトリメトキシシラン(東レ・ダウコーニング社製、Z−6366)208g、メチルイソブチルケトン57.4g、ギ酸21.1gを仕込み、内温35℃で撹拌しながら水44.2gを添加して10分間撹拌した。その後、90℃のオイルバスを用いて、撹拌しながら反応系内を昇温し、還流を開始した。還流開始から1時間経過後、セパラブルフラスコから還流用の冷却管を取り外し、再び加熱撹拌して溶剤を常圧留去した。留出物量が117.4gとなった時点で留去を停止する為にオイルバスを外し、降温した。内温53℃に到達後、53℃のオイルバスで加熱撹拌しながら、10kPaにて溶媒を1時間減圧留去し、その後、撹拌しながら、53℃、1kPaにて溶媒を30分間減圧留去した。更に、昇温して撹拌しながら、80℃、1kPaにて溶媒を30分間減圧留去し、115.7gのポリシロキサン化合物(1)を得た。得られたポリシロキサン化合物(1)の重量平均分子量は4,101、25℃における粘度は1630Pa・sであった。
調製例1
ジイソプロポキシアルミニウムエチルアセトアセテート(ALCH、川研ファインケミカル社製)274.3mg及び1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸テトラキス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジニル)(LA57、ADEKA社製)257.1mgを量り取り、これに溶媒としてセロキサイド2021P(ダイセル化学工業社製、脂環式エポキシ樹脂)4.78gを加え、60℃に加熱して30分混合し、硬化触媒(1)を調製した。これをアルミニウム・アミン化合物の固形分換算で既定の含有率になるように樹脂組成物の調製に用いた。
ジイソプロポキシアルミニウムエチルアセトアセテート(ALCH、川研ファインケミカル社製)274.3mg及びビス(1,2,2,6,6−ペンタメチルー4−ピペリジル)セバケート)(Tinuvin765、BASF社製)330.9mgを量り取り、これに溶媒としてセロキサイド2021P(ダイセル化学工業社製、脂環式エポキシ樹脂)5.45gを加えたこと以外は、調製例1と同様にして、硬化触媒(2)を調製した。これをアルミニウム・アミン化合物の固形分換算で既定の含有率になるように樹脂組成物の調製に用いた。
ジイソプロポキシアルミニウムエチルアセトアセテート(ALCH、川研ファインケミカル社製)274.3mg及び2,2,6,6−テトラメチルピペリジン183.6mgを量り取り、これに溶媒としてセロキサイド2021P(ダイセル化学工業社製、脂環式エポキシ樹脂)4.12gを加えたこと以外は、調製例1と同様にして、硬化触媒(3)を調製した。これをアルミニウム・アミン化合物の固形分換算で既定の含有率になるように樹脂組成物の調製に用いた。
ジイソプロポキシアルミニウムエチルアセトアセテート(ALCH、川研ファインケミカル社製)274.3mg及びトリエチルアミン131.5mgを量り取り、これに溶媒としてセロキサイド2021P(ダイセル化学工業社製、脂環式エポキシ樹脂)3.65gを加えたこと以外は、調製例1と同様にして、硬化触媒(4)を調製した。これをアルミニウム・アミン化合物の固形分換算で既定の含有率になるように樹脂組成物の調製に用いた。
ジイソプロポキシアルミニウムエチルアセトアセテート(ALCH、川研ファインケミカル社製)274.3mg及びジエタノールアミン136.7mgを量り取り、これに溶媒としてセロキサイド2021P(ダイセル化学工業社製、脂環式エポキシ樹脂)3.7gを加えたこと以外は、調製例1と同様にして、硬化触媒(5)を調製した。これをアルミニウム・アミン化合物の固形分換算で既定の含有率になるように樹脂組成物の調製に用いた。
実施例1
温度計、および撹拌機を備えた反応器に、セロキサイド2021P(ダイセル化学工業社製、脂環式エポキシ樹脂)50部、ポリシロキサン化合物(1)50部を量り取り、60℃に加熱して30分間混合した。室温に冷却後、硬化触媒(1)を0.3部加えて15分間混合し、樹脂組成物(1)を得た。エポキシ樹脂、ポリシロキサン化合物及び硬化触媒の配合量を表1に示す。
硬化触媒(1)の代わりに硬化触媒(2)を用いたこと以外は、実施例1と同様にして、樹脂組成物(2)を得た。
温度計、および撹拌機を備えた反応器に、セロキサイド2021P(ダイセル化学工業社製、脂環式エポキシ樹脂)40部及びYX−8040(三菱化学社製、固形水添ビスフェノールA型エポキシ樹脂)20部を量り取り、窒素雰囲気下で140℃に加熱して1時間混合した。70℃に冷却後、ポリシロキサン化合物(1)40部を加え、30分間混合した。室温に冷却後、硬化触媒(3)を0.3部加えて30分間混合し、樹脂組成物(3)を得た。
硬化触媒(3)の代わりに硬化触媒(1)を用い、表1に示す配合量でエポキシ樹脂、ポリシロキサン化合物及び硬化触媒を混合する点以外は、実施例3と同様にして、樹脂組成物(4)を得た。
表1に示す配合量でエポキシ樹脂、ポリシロキサン化合物及び硬化触媒を混合する点以外は、実施例1と同様にして、樹脂組成物(5)を得た。
硬化触媒(1)の代わりに硬化触媒(4)を用い、表1に示す配合量でエポキシ樹脂、ポリシロキサン化合物及び硬化触媒を混合する点以外は、実施例1と同様にして、樹脂組成物(比較1)を得た。
硬化触媒(4)の代わりに硬化触媒(5)を用いること以外は、比較例1と同様にして、樹脂組成物(比較2)を得た。
実施例1〜5及び比較例1〜2で得た樹脂組成物(1)〜(5)及び樹脂組成物(比較1)〜(比較2)を、25℃で放置し、増粘して流動性がなくなるまでの時間を計った。結果を表1に示す。
実施例1〜5及び比較例1〜2で得た樹脂組成物(1)〜(5)及び樹脂組成物(比較1)〜(比較2)を、1mmのスペーサーを挟んだ2枚のガラス板間に注入し、厚さ1mmの板状の試料を作製した。得られた試料について、100℃のオーブン中に500時間放置する試験を行い、試験後の着色の有無や程度について評価した。
具体的には、試験前後の400nm光に対する透過率の変化率(ΔT)を測定し、以下の基準で評価した。結果を表1に示す。なお、透過率は、UV−VIS分光光度計(Agilent 8453、アジレント・テクノロジー社製)により測定した。
○:ΔT<5%
△:5%≦ΔT<10%
×:ΔT≧10%
実施例1〜5及び比較例1〜2で得た樹脂組成物(1)〜(5)及び樹脂組成物(比較1)〜(比較2)を、青色LEDチップ(チップサイズ300μm×600μm)を3チップを載せたLEDパッケージ(外形寸法5mm×5mm)にパッケージ内が満たされるように注入し、150℃のオーブンで1時間加熱硬化して試料を作製した。得られた試料を85℃に保持したオーブン中に入れ、60mAの電流を流してLEDを点灯させ、500時間放置する試験を行った。そして、試験後の輝度の保持率について評価した。結果を表1に示す。
なお、輝度は、光源配光測定システム(IS−LI−TE−1、Radiant Imaging社製)により測定した。
一方、ヒンダードアミン基を有する化合物を含まない樹脂組成物を用いた比較例1及び2では、いずれも樹脂組成物が貯蔵安定性において劣るものであることが分かる。また、いずれも得られる成形体が耐熱性、及び、長時間使用した際の輝度において劣るものであることが分かる。
また、実施例1〜2と実施例3〜4との比較から、エポキシ樹脂として脂環式エポキシ樹脂のみを用いると、得られる成形体が耐熱性に特に優れるものとなり、その結果、長時間使用した際の輝度において優れるものとなることが分かる。
さらに、実施例1〜4と実施例5との比較から、ポリシロキサン化合物の含有量が、エポキシ樹脂の総量100質量部に対して、15〜300質量部であると、得られる成形体が耐熱性に特に優れるものとなり、その結果、長時間使用した際の輝度において優れるものとなることが分かる。
Claims (8)
- 硬化性を有する樹脂組成物であって、
該硬化性樹脂組成物は、
(A)エポキシ樹脂を100質量部と、
(B)下記平均組成式(1):
R1 a(OR2)bSiO(4−a―b)/2 (1)
(式中、R1は、同一又は異なって、炭素数1〜22のアルキル基、炭素数2〜22のアルケニル基、炭素数6〜14のアリール基、炭素数7〜22のアルキル置換アリール基、炭素数7〜22のアラルキル基、エポキシ基を有する1価の有機基、又は、オキセタニル基を有する1価の有機基を表す。R2は、同一又は異なって、水素原子、炭素数1〜22のアルキル基、炭素数2〜22のアルケニル基、炭素数6〜14のアリール基、炭素数7〜22のアルキル置換アリール基、又は、炭素数7〜22のアラルキル基を表す。a及びbは、1.0≦a≦1.7、0.05≦b≦1.0の数であり、1.05≦a+b≦2.0を満たす。)で表されるポリシロキサン化合物を10〜900質量部と、
(C)有機アルミニウム化合物と、
(D)1分子中に少なくとも1つのヒンダードアミン基を有する化合物とを必須成分として含有し、
該(A)エポキシ樹脂は、重量平均分子量が1500未満である脂環式エポキシ樹脂を含むことを特徴とする硬化性樹脂組成物。 - 前記硬化性樹脂組成物における(C)有機アルミニウム化合物の含有量は、(A)エポキシ樹脂及び(B)ポリシロキサン化合物の合計100質量部に対して、0.05〜5質量部であることを特徴とする請求項1に記載の硬化性樹脂組成物。
- 前記硬化性樹脂組成物における(D)1分子中に少なくとも1つのヒンダードアミン基を有する化合物の含有量は、(A)エポキシ樹脂及び(B)ポリシロキサン化合物の合計100質量部に対して、0.05〜5質量部であることを特徴とする請求項1又は2に記載の硬化性樹脂組成物。
- 前記(D)1分子中に少なくとも1つのヒンダードアミン基を有する化合物は、1分子中に2つ以上のヒンダードアミン基を有することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の硬化性樹脂組成物。
- 前記(B)ポリシロキサン化合物は、25℃における粘度が10〜3000Pa・sであることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の硬化性樹脂組成物。
- 前記(A)エポキシ樹脂は、脂環式エポキシ樹脂からなる成分(A−1)と、水添エポキシ樹脂からなる成分(A−2)とを、質量比(成分(A−1)/成分(A−2))=100/0〜50/50で含むことを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の硬化性樹脂組成物。
- 請求項1〜6のいずれかに記載の硬化性樹脂組成物を硬化して得られる光半導体封止材。
- 請求項7に記載の光半導体封止材で封止されてなる光半導体装置。
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