JP6077321B2 - 硬化性樹脂組成物、光半導体封止材、及び、光半導体装置 - Google Patents

硬化性樹脂組成物、光半導体封止材、及び、光半導体装置 Download PDF

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Description

本発明は、硬化性樹脂組成物に関する。より詳しくは、光半導体封止材、及び、光半導体装置に好適に用いられる硬化性樹脂組成物に関する。
硬化性樹脂組成物は、熱や光等により硬化し得る樹脂組成物であり、近年、様々な分野への適用が期待されている。具体的には、例えば、電気・電子部材や光学部材、成形材料等の他、塗料や接着剤の材料等の各種用途への適用が種々検討されており、各用途において要求される特性に優れた硬化性樹脂組成物の開発が望まれている。その中でも、硬化性樹脂組成物は、その硬化物(成形体)が透明性(光透過性)を発現させることもできることから、LED(Light Emitting Diode;発光ダイオード)、フォトダイオード等の光半導体の封止材の材料として特に有用である。光半導体封止材とは、光半導体装置を構成するLED素子やフォトダイオード素子を覆うように形成され、該素子を封止する部材である。光半導体封止材の材料として硬化性樹脂組成物を用いる場合、硬化性樹脂組成物の硬化物(成形体)には、透明性(光透過性)に優れるだけでなく、青色光や紫色光といった高エネルギーの短波長光に長時間暴露されても着色しない耐光性や、発光時の素子の発熱により、長期間にわたって高温下に置かれても着色しない耐熱変色性が求められている。
従来の硬化性樹脂組成物としては、例えば、機械強度、接着特性、耐熱性、電気特性、防湿性等に優れた硬化物(成形体)を得ることを目的として、エポキシ樹脂変性シリコーン樹脂が検討されている(例えば、特許文献1及び2参照。)。特許文献1には、エポキシ樹脂、ポリシロキサン化合物、及び、有機アルミニウム化合物を含む樹脂組成物が記載されている。また、特許文献2には、有機ケイ素化合物とエポキシ樹脂との反応物、有機アルミニウム化合物、及び、アミン化合物(モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、ジエチルアミノエタノール、n−ヘキシルアミン等)からなる樹脂組成物が記載されている。
また、光半導体封止材の材料として硬化性樹脂組成物を用いることも検討されている(例えば、特許文献3及び4参照。)。特許文献3には、エポキシ樹脂、有機ケイ素化合物、及び、有機アルミニウム化合物からなる熱硬化性樹脂組成物を用いることにより、耐熱性、電気特性、貯蔵安定性に優れた硬化物(成形体)が得られる旨が開示されている。また、特許文献4には、ポリシロキサン化合物、及び、有機アルミニウム化合物を含有する樹脂組成物を用いることにより、例えば、耐熱性、光学的透明性、強靭性等に優れたLED素子封止材が得られる旨が開示されている。
特開昭61−51025号公報 特開昭59−27952号公報 特開昭62−45644号公報 特開2006−77234号公報
上述したように、特許文献1では、エポキシ樹脂、ポリシロキサン化合物、及び、有機アルミニウム化合物を含む樹脂組成物が開示されているが、このような樹脂組成物は、常温で長時間安定に貯蔵することが難しい。
また、特許文献2では、有機ケイ素化合物とエポキシ樹脂との反応物、有機アルミニウム化合物、及び、アミン化合物からなる樹脂組成物が開示されているが、このような樹脂組成物は、硬化時に170℃以上の高温が必要である。さらに、このような樹脂組成物の硬化物(成形体)をLED封止材に用いると、発光時の熱により着色し、その結果、LED連続発光における輝度保持率が低下するという課題があり、成形体の耐熱性は充分なものではない。
特許文献3では、エポキシ樹脂、有機ケイ素化合物、及び、有機アルミニウム化合物からなる熱硬化性樹脂組成物が開示されているが、このような樹脂組成物は、常温で長時間安定に貯蔵することが難しい。また、このような樹脂組成物の硬化物(成形体)をLED封止材に用いると、発光時の素子からの発熱により、経時的にクラックや着色が生じやすくなり、その結果、LED連続発光における輝度保持率が低下するという課題があり、成形体の耐熱性は充分なものではない。
また、特許文献4では、ポリシロキサン化合物、及び、有機アルミニウム化合物を含有する樹脂組成物が開示されているが、このような樹脂組成物は、常温で長時間安定に貯蔵することが難しい。また、このような樹脂組成物を硬化させる際には、180℃以上の高温で長時間加熱する必要がある。さらに、このような樹脂組成物の硬化物(成形体)をLED封止材に用いると、水蒸気や腐食性ガスの透過性が高く、高温・高湿下や二酸化硫黄などの存在下において、LED連続発光における輝度保持率が低下するという課題がある。
このように、従来の光半導体封止材の材料等に用いられる硬化性樹脂組成物は、貯蔵安定性や、成形体の耐熱性、LED封止材に用いた場合の長時間の輝度保持性が充分とはいえず、これらの特性を更に向上させた組成物を検討する余地があった。
本発明は、上記現状に鑑みてなされたものであり、貯蔵安定性に優れる硬化性樹脂組成物であって、得られる成形体が、耐熱性に優れるとともに、長時間の使用において高い輝度を保持することが可能な硬化性樹脂組成物、該硬化性樹脂組成物を硬化して得られる光半導体封止材、及び、該光半導体封止材で封止されてなる光半導体装置を提供することを目的とするものである。
本発明者は、優れた特性を有する成形体を得ることができる樹脂組成物であって、特に、光半導体封止材の材料として優れた特性を有する樹脂組成物について種々検討したところ、樹脂組成物がエポキシ樹脂と、特定のポリシロキサン化合物と、有機アルミニウム化合物と、1分子中に少なくとも1つのヒンダードアミン基を有する化合物とを含有し、該エポキシ樹脂及び該ポリシロキサン化合物の配合量が特定の範囲に調製されたものであると、樹脂組成物が貯蔵安定性に優れ、かつ、得られる成形体が耐熱性に優れるとともに、長時間の使用において高い輝度を保持することを見出し、本発明に到達したものである。
すなわち本発明は、硬化性を有する樹脂組成物であって、上記硬化性樹脂組成物は、
(A)エポキシ樹脂を100質量部と、
(B)下記平均組成式(1):
(ORSiO(4−a―b)/2 (1)
(式中、Rは、同一又は異なって、炭素数1〜22のアルキル基、炭素数2〜22のアルケニル基、炭素数6〜14のアリール基、炭素数7〜22のアルキル置換アリール基、炭素数7〜22のアラルキル基、エポキシ基を有する1価の有機基、又は、オキセタニル基を有する1価の有機基を表す。Rは、同一又は異なって、水素原子、炭素数1〜22のアルキル基、炭素数2〜22のアルケニル基、炭素数6〜14のアリール基、炭素数7〜22のアルキル置換アリール基、又は、炭素数7〜22のアラルキル基を表す。a及びbは、1.0≦a≦1.7、0.05≦b≦1.0の数であり、1.05≦a+b≦2.0を満たす。)で表されるポリシロキサン化合物を10〜900質量部と、
(C)有機アルミニウム化合物と、
(D)1分子中に少なくとも1つのヒンダードアミン基を有する化合物とを必須成分として含有することを特徴とする硬化性樹脂組成物である。
本発明はまた、上記硬化性樹脂組成物を硬化して得られる光半導体封止材でもある。
本発明はまた、上記光半導体封止材で封止されてなる光半導体装置でもある。
以下に、本発明を詳述する。
なお、以下において記載する本発明の個々の好ましい形態を2つ以上組み合わせたものもまた、本発明の好ましい形態である。
本発明の硬化性樹脂組成物は、(A)エポキシ樹脂と、(B)特定のポリシロキサン化合物と、(C)有機アルミニウム化合物と、(D)1分子中に少なくとも1つのヒンダードアミン基を有する化合物の4つの成分を必須とする組成物である。
ポリシロキサン化合物と有機アルミニウム化合物とは、エポキシ樹脂の硬化促進剤(触媒)として働くが、ポリシロキサン化合物と有機アルミニウム化合物のみの場合、エポキシ樹脂の硬化が活発に進行し過ぎるため、組成物が充分な貯蔵安定性を発揮することができない。エポキシ樹脂、ポリシロキサン化合物、有機アルミニウム化合物の3成分に更に1分子中に少なくとも1つのヒンダードアミン基を有する化合物を加えることで、ポリシロキサン化合物と有機アルミニウム化合物が有するエポキシ樹脂の硬化促進剤としての作用が過度に発揮されることを抑え、組成物を貯蔵安定性に優れたものとすることができる。
また、ポリシロキサン化合物は、上記エポキシ樹脂の硬化促進剤(触媒)としての作用の他、エポキシ樹脂と反応してエポキシ樹脂を硬化させる硬化剤としても働く。本発明の硬化性樹脂組成物は、エポキシ樹脂を100質量部に対して10〜900質量部のポリシロキサン化合物を含むため、ポリシロキサン化合物は、エポキシ樹脂の硬化促進剤(触媒)としても働き、また、硬化剤としても働くことになる。
本発明の硬化性樹脂組成物は、(A)エポキシ樹脂と、(B)特定のポリシロキサン化合物と、(C)有機アルミニウム化合物と、(D)1分子中に少なくとも1つのヒンダードアミン基を有する化合物とを必須成分として含有するものである。これらの成分は、少なくとも2種以上の成分があらかじめ反応し、反応物となって上記硬化性樹脂組成物に含有されていてもよい。すなわち、上記(A)〜(D)成分のうち、少なくとも2種以上の成分が反応した反応物と、残りの成分とを必須成分として含有する硬化性樹脂組成物もまた、本発明の好適な実施形態の1つである。
具体的には、例えば、硬化性を有する樹脂組成物であって、該硬化性樹脂組成物は、
(A)エポキシ樹脂100質量部、及び、(B)下記平均組成式(1):
(ORSiO(4−a―b)/2 (1)
(式中、Rは、同一又は異なって、炭素数1〜22のアルキル基、炭素数2〜22のアルケニル基、炭素数6〜14のアリール基、炭素数7〜22のアルキル置換アリール基、炭素数7〜22のアラルキル基、エポキシ基を有する1価の有機基、又は、オキセタニル基を有する1価の有機基を表す。Rは、同一又は異なって、水素原子、炭素数1〜22のアルキル基、炭素数2〜22のアルケニル基、炭素数6〜14のアリール基、炭素数7〜22のアルキル置換アリール基、又は、炭素数7〜22のアラルキル基を表す。a及びbは、1.0≦a≦1.7、0.05≦b≦1.0の数であり、1.05≦a+b≦2.0を満たす。)で表されるポリシロキサン化合物10〜900質量部の反応物と、
(C)有機アルミニウム化合物と、
(D)1分子中に少なくとも1つのヒンダードアミン基を有する化合物とを必須成分として含有することを特徴とする硬化性樹脂組成物もまた、本発明の好適な実施形態の1つである。
また、硬化性を有する樹脂組成物であって、該硬化性樹脂組成物は、
(A)エポキシ樹脂を100質量部と、
(B)下記平均組成式(1):
(ORSiO(4−a―b)/2 (1)
(式中、Rは、同一又は異なって、炭素数1〜22のアルキル基、炭素数2〜22のアルケニル基、炭素数6〜14のアリール基、炭素数7〜22のアルキル置換アリール基、炭素数7〜22のアラルキル基、エポキシ基を有する1価の有機基、又は、オキセタニル基を有する1価の有機基を表す。Rは、同一又は異なって、水素原子、炭素数1〜22のアルキル基、炭素数2〜22のアルケニル基、炭素数6〜14のアリール基、炭素数7〜22のアルキル置換アリール基、又は、炭素数7〜22のアラルキル基を表す。a及びbは、1.0≦a≦1.7、0.05≦b≦1.0の数であり、1.05≦a+b≦2.0を満たす。)で表されるポリシロキサン化合物を10〜900質量部と、
(C)有機アルミニウム化合物、及び、(D)1分子中に少なくとも1つのヒンダードアミン基を有する化合物の反応物とを必須成分として含有することを特徴とする硬化性樹脂組成物もまた、本発明の好適な実施形態の1つである。
本発明の硬化性樹脂組成物は、(A)エポキシ樹脂と、(B)特定のポリシロキサン化合物と、(C)有機アルミニウム化合物と、(D)1分子中に少なくとも1つのヒンダードアミン基を有する化合物とを必須成分として含有するものであるが、本発明の効果を妨げない範囲でその他の成分を含んでいてもよく、また、これらの成分は1種又は2種以上を用いることができる。
<(A)エポキシ樹脂>
本発明の硬化性樹脂組成物が含む(A)エポキシ樹脂としては、構造中にエポキシ基を有する樹脂であれば特に制限されず、脂環式エポキシ樹脂、水添エポキシ樹脂、脂肪族エポキシ樹脂、芳香族エポキシ樹脂等を用いることができ、これらの1種を用いてもよく、2種以上を用いてもよいが、これらの中でも、脂環式エポキシ樹脂を用いることが好ましい。
すなわち、本発明の硬化性樹脂組成物が含む(A)エポキシ樹脂が、脂環式エポキシ樹脂からなる成分(以下、この成分(A−1)とも記載する)を含むことは本発明の好適な実施形態の1つである。
脂環式エポキシ樹脂を用いると、本発明の硬化性樹脂組成物がより耐熱性に優れたものとなる。
上記成分(A−1)は、下記一般式(2):
Figure 0006077321
(式中、X及びXは、同一又は異なって、置換基を有してもよいエポキシシクロヘキサン基を表す。R及びRは、同一又は異なって、炭素数1〜20の2価の有機基を表す。m及びnは、同一又は異なって、0〜10の整数を表す。)で表される化合物であることが好ましい。
上記脂環式エポキシ樹脂が一般式(2)で表されるものであると、上記硬化性樹脂組成物を硬化して得られる成形体がより密着性に優れたものとなる。これは、成形体中にエーテル結合(例えば、エポキシシクロヘキサン基に由来するもの)とエステル結合との両方が存在することや、シクロヘキサン環が含まれることに起因すると推測される。
上記一般式(2)中、X及びXは、同一又は異なって、置換基を有してもよいエポキシシクロヘキサン基を表す。上記置換基としては、特に限定されないが、炭化水素基であることが好ましい。炭化水素基としては、アルキル基、アリール基、アラルキル基が好適である。上記炭化水素基は、無置換の基であっても、水素原子の1または2以上が他の炭化水素基によって置換された基であってもよい。この場合の他の炭化水素基としては、アルキル基(上記炭化水素基がアルキル基である場合には、置換後の炭化水素基は全体として無置換のアルキル基に該当する。)、アリール基、アラルキル基、アルケニル基などが挙げられる。
上記エポキシシクロヘキサン基中のエポキシ基の位置は限定されず、任意の位置に設けることができる。また、上記エポキシシクロヘキサン基が置換基を有する形態における、該置換基の位置も限定されない。
また、上記一般式(2)中、R及びRは、同一又は異なって、炭素数1〜20の2価の有機基を表す。上記有機基としては、全体として炭素数が1〜20であれば限定されず、脂肪族炭化水素基、脂肪族炭化水素を含む有機基等を挙げることができる。上記脂肪族炭化水素を含む有機基とは、例えば、構造中にエーテル結合(−O−)やエステル結合(−O−C(=O)−)等の非炭化水素部位と、脂肪族炭化水素とを有する有機基をいう。なお、脂肪族炭化水素には、鎖状構造を有するものと、環状構造を有するものとの両方が含まれることとする。
上記有機基として好ましくは、炭素数1〜18の脂肪族炭化水素基であり、より好ましくは、炭素数1〜10の脂肪族炭化水素基である。
また、上記一般式(2)中、m及びnは、同一又は異なって、0〜10の整数を表す。m及びnとしては、上記範囲内であれば特に限定されないが、m及びnのうちいずれか一方が0である場合には、他方は1以上であることが好ましい。すなわち、m+n≧1であることが好ましい。
上記成分(A−1)として具体的には、下記式(3−1)〜(3−5)で表される脂環式エポキシ樹脂が好適である。上記成分(A−1)が、これらの樹脂からなる群より選択される少なくとも1種の樹脂である形態もまた、本発明の好適な形態の1つである。
Figure 0006077321
上記式(3−4)において、pは1〜3の整数を表す。
上記成分としては、中でも、上記式(3−1)〜(3−4)のように、エステル基がシクロヘキサン環に直接結合した形態、すなわち、上記一般式(2)においてm=0である形態がより好ましい。このような形態であると、得られる硬化物が耐久性に優れたものとなる。特に好ましくは、式(3−1)で表される樹脂である。
上記脂環式エポキシ樹脂として具体的には、例えば、上記式(3−1)で表される化合物としてセロキサイド2021P(ダイセル化学工業社製)、上記式(3−4)で表される化合物としてセロキサイド2081、セロキサイド2083、セロキサイド2085(いずれも、ダイセル化学工業社製)等が好適である。
上記成分(A−1)として、2,2−ビス(ヒドロキシメチル)−1−ブタノールの1,2−エポキシ−4−(2−オキシラニル)シクロヘキサン付加物等のより多官能な脂環式エポキシ樹脂もまた、好適に用いることができる。このような脂環式エポキシ樹脂である形態もまた、本発明の好適な形態の1つである。
より多官能な脂環式エポキシ樹脂として具体的には、例えば、EHPE3150(ダイセル化学工業社製)等が好適である。
上記脂環式エポキシ樹脂の重量平均分子量は、1,500未満であることが好ましい。脂環式エポキシ樹脂の重量平均分子量が1,500未満であると、上記硬化性樹脂組成物の粘度が高くなりすぎることを防止でき、ハンドリングが容易になる。更に、上記硬化性樹脂組成物を光半導体封止材の材料として用いる場合、封止材を封止加工する際に、封止材中や封止材と被着体(基板、リフレクター、リードフレーム等)との界面に気泡が生じることを防止でき、上記硬化性樹脂組成物から得られる封止材の光透過性や封止性能を充分に高いものとすることができる。脂環式エポキシ樹脂の重量平均分子量として、より好ましくは、50以上、1,000未満であり、更に好ましくは、80以上、800未満である。
なお、本明細書における重量平均分子量は、ゲル透過クロマトグラフィー(カラム:TSKgel SuperMultiporeHZ−N 4.6150を2本、溶離液:テトラヒドロフラン、標準サンプル:TSKポリスチレンスタンダード)により測定することができる。
本発明の硬化性樹脂組成物における成分(A−1)の含有量は、上記(A)エポキシ樹脂の総量を100質量部とすると、30〜100質量部であることが好ましい。成分(A−1)の含有量が上記範囲内であると、上記硬化性樹脂組成物から得られる成形体の耐光性及び耐熱性をより高くすることができる。成分(A−1)の含有量として、より好ましくは、上記(A)エポキシ樹脂の総量を100質量部とすると、50〜100質量部である。また、本発明の硬化性樹脂組成物から形成される成形体を輝度の保持率に優れたものとする点からは、成分(A−1)の含有量が更に高いことが好ましく、(A)エポキシ樹脂の総量を100質量部に対して70〜100質量部であることが更に好ましく、特に好ましくは、90〜100質量部であり、最も好ましくは、100質量部、すなわち、本発明の硬化性樹脂組成物が(A)エポキシ樹脂として脂環式エポキシ樹脂のみを含むことである。
上記(A)エポキシ樹脂は、更に、水添エポキシ樹脂からなる成分(以下、成分(A−2)とも記載する)を含むものであってもよい。上記硬化性樹脂組成物がこのような成分を含有することで、得られる成形体が耐ヒートサイクル性に優れたものとなる。
上記水添エポキシ樹脂としては、飽和脂肪族環状炭化水素骨格に直接的又は間接的に結合したグリシジルエーテル基を平均2個以上有する多官能グリシジルエーテル化合物であることが好ましい。このような水添エポキシ樹脂は、芳香族多官能エポキシ化合物の完全又は部分水添物であることが好ましく、より好ましくは、芳香族多官能グリシジルエーテル化合物の水添物である。具体的には、下記式(4−1)で表される水添ビスフェノールA型エポキシ化合物、下記式(4−2)で表される水添ビスフェノールF型エポキシ化合物などが好ましい。成分(A−2)が水添ビスフェノールA型エポキシ化合物及び/又は水添ビスフェノールF型エポキシ化合物であると、成形体がより耐ヒートサイクル性に優れたものとなる。
式(4−1)、(4−2)においては、シクロヘキシル環やメチレン鎖などの炭化水素の一部の水素原子が置換されたものであってもよい。置換基としては、置換基があってもよい炭化水素基などが好ましい。炭化水素基の中ではアルキル基が好ましく、メチル基、エチル基がより好ましい。
Figure 0006077321
式中、qは1以上の整数を表す。
上記水添エポキシ樹脂が水添ビスフェノールA型エポキシ化合物及び/又は水添ビスフェノールF型エポキシ化合物である形態においては、該エポキシ樹脂の水素化率は95%より大きいことが好ましい。水素化率が95%より大きいと、成分(A−2)が含有する芳香族環状構造が充分に少なくなるため、得られる硬化物の熱や光による着色(黄変)を充分に抑制することができる。より好ましくは、水素化率が98%より大きいことであり、更に好ましくは、水素化率が100%であることである。
上記水添ビスフェノールA型エポキシ化合物として具体的には、ビスフェノールA型エポキシ化合物を水添することにより得られるものを使用することができ、例えば、YX−8040(三菱化学社製、重量平均分子量3831)、ST−4000D(新日鐵化学社製)などが挙げられる。
上記水添ビスフェノールF型エポキシ化合物としては、具体的には、ビスフェノールF型エポキシ化合物を水添することにより得られるものを使用することができる。
上記水添エポキシ樹脂の重量平均分子量は、1,000以上であることが好ましい。より好ましくは、1,500以上、8,000未満であり、更に好ましくは、2,000以上、6,000未満である。
水添エポキシ樹脂の重量平均分子量は、上述した脂環式エポキシ樹脂の重量平均分子量と同様の方法により測定することができる。
また、上記水添エポキシ樹脂は、エポキシ当量が500以上であることが好ましい。これにより、成形体が一層耐ヒートサイクル性に優れたものとなる。エポキシ当量として、より好ましくは800以上である。上記エポキシ当量はまた、4,000以下であることが好ましい。より好ましくは2,000以下である。
上記成分(A−1)及び(A−2)は、成形体の耐光性や耐熱性を害しない範囲で芳香環を構造中に含んでいてもよい。その場合、芳香環の含有量としては、上記成分(A−1)及び(A−2)の総量を100質量部とすると、当該構造中に含まれる芳香環の質量割合が20質量部以下であることが好ましい。より好ましくは10質量部以下、更に好ましくは5質量部、最も好ましくは0質量部、すなわち芳香環を含まないことである。
上記(A)エポキシ樹脂は、上記成分(A−1)及び成分(A−2)以外のエポキシ樹脂を含むものであってもよいが、成分(A−1)のみ、又は、成分(A−1)及び成分(A−2)のみからなることが好ましい。
上記成分(A−1)及び成分(A−2)以外のエポキシ樹脂としては、例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂やクレゾールノボラック型エポキシ樹脂等のノボラック型エポキシ樹脂、トリグリシジルイソシアヌレート、ヒダントインエポキシ樹脂等の含窒素環エポキシ樹脂、脂肪族系エポキシ樹脂、グリシジルエーテル型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、ジシクロ環型エポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂等が挙げられる。
上記成分(A−1)と成分(A−2)との配合比は、質量比(成分(A−1)/成分(A−2))で100/0〜50/50であることが好ましい。配合比をこのような範囲に調整することにより、上記硬化性樹脂組成物から得られる成形体が透明性、耐熱性、耐光性、密着性、耐ヒートサイクル性等に優れたものとなる。上記質量比として、より好ましくは55/45以上であり、更に好ましくは65/35以上、最も好ましくは71/29以上である。これにより、硬化性樹脂組成物の粘度が高くなりすぎることを防止でき、気泡の発生を抑制して上記硬化性樹脂組成物から得られる成形体の光透過性や封止性能を充分に高いものとすることができる。特に、上記質量比が90/10以下である場合、上記硬化性樹脂組成物から得られる成形体が耐ヒートサイクル性に一層優れたものとなる。
上記(A)エポキシ樹脂は、該エポキシ樹脂中の全塩素量が200ppm以下であることが好ましい。上記(A)エポキシ樹脂中の全塩素量が200ppm以下であると、上記硬化性樹脂組成物から得られる成形体をLED封止材に用いた場合、長時間の使用においてより高い輝度を保持することができる。上記(A)エポキシ樹脂中の全塩素量は、より好ましくは100ppm以下であり、更に好ましくは50ppm以下である。
エポキシ樹脂中の全塩素量は、JIS K 7243−3に基づき測定することができる。
<(B)ポリシロキサン化合物>
本発明の硬化性樹脂組成物は、下記平均組成式(1):
(ORSiO(4−a―b)/2 (1)
(式中、Rは、同一又は異なって、炭素数1〜22のアルキル基、炭素数2〜22のアルケニル基、炭素数6〜14のアリール基、炭素数7〜22のアルキル置換アリール基、炭素数7〜22のアラルキル基、エポキシ基を有する1価の有機基、又は、オキセタニル基を有する1価の有機基を表す。Rは、同一又は異なって、水素原子、炭素数1〜22のアルキル基、炭素数2〜22のアルケニル基、炭素数6〜14のアリール基、炭素数7〜22のアルキル置換アリール基、又は、炭素数7〜22のアラルキル基を表す。a及びbは、1.0≦a≦1.7、0.05≦b≦1.0の数であり、1.05≦a+b≦2.0を満たす。)で表されるポリシロキサン化合物を含有する。上記硬化性樹脂組成物が上記平均組成式(1)で表されるポリシロキサン化合物を含有することにより、上記硬化性樹脂組成物から得られる成形体が、耐熱性及び耐クラック性に優れるとともに、長時間の使用において高い輝度を保持することができる。
上記平均組成式(1)中、Rは、同一又は異なって、炭素数1〜22のアルキル基、炭素数2〜22のアルケニル基、炭素数6〜14のアリール基、炭素数7〜22のアルキル置換アリール基、炭素数7〜22のアラルキル基、エポキシ基を有する1価の有機基、又は、オキセタニル基を有する1価の有機基を表す。Rは、同一又は異なって、水素原子、炭素数1〜22のアルキル基、炭素数2〜22のアルケニル基、炭素数6〜14のアリール基、炭素数7〜22のアルキル置換アリール基、又は、炭素数7〜22のアラルキル基を表す。これらの基は、置換基を有していても、置換基を有していない無置換体であってもよい。
上記炭素数1〜22のアルキル基の具体例としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、t−ブチル基、n−ヘキシル基、シクロヘキシル基、n−デシル基などが挙げられる。炭素数2〜22のアルケニル基の具体例としては、ビニル基、アリル基、シクロヘキセニル基、ノルボルニル基などが挙げられる。炭素数6〜14のアリール基の具体例としては、フェニル基、トリル基、p−ヒドロキシフェニル基、ナフチル基などが挙げられる。炭素数7〜22のアルキル置換アリール基の具体例としては、メチルフェニル基、エチルフェニル基、t−ブチルフェニル基、n−オクチルフェニル基などが挙げられる。炭素数7〜22のアラルキル基の具体例としては、1−(p−ヒドロキシフェニル)エチル基、2−(p−ヒドロキシフェニル)エチル基、ベンジル基などが挙げられる。エポキシ基を有する1価の有機基の具体例としては、2−グリシドキシエチル基、3−グリシドキシプロピル基、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチル基、3−(3,4−エポキシシクロヘキシル)プロピル基などが挙げられる。オキセタニル基を有する1価の有機基の具体例としては、3−メチル−3−n−プロポキシメチルオキセタニル基、3−エチル−3−n−プロポキシメチルオキセタニル基、3−メチル−3−n−ブトキシメチルオキセタニル基などが挙げられる。
上記平均組成式(1)で表されるポリシロキサン化合物は、公知の方法で製造することが可能であるが、例えば、下記一般式(5):
SiR21 (OR224−r (5)
(式中、R21は、平均組成式(1)のRと同様である。R22は、平均組成式(1)のRと同様である。rは、1〜3の整数である。)で表わされるシラン化合物を加水分解縮合させることにより、あるいは、上記一般式(5)で表わされるシラン化合物と、下記一般式(6):
Si(OR23 (6)
(式中、R23は、平均組成式(1)のRと同様である。)で表わされるアルキルシリケートとを共加水分解縮合させることにより得られる。
上記一般式(5)で表されるシラン化合物の具体例としては、例えば、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、n−プロピルトリメトキシシラン、イソブチルトリメトキシシラン、n−ヘキシルトリメトキシシラン、n−ヘキシルトリエトキシシラン、n−オクチルトリメトキシシラン、n−デシルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、アリルトリメトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、ジイソプロピルジメトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、ジフェニルジエトキシシラン、シクロヘキシルメチルジメトキシシラン、メチルフェニルジメトキシシランなどが挙げられる。なお、これらの化合物は単独で使用しても、2種類以上を組み合わせて使用してもよい。
上記一般式(6)で表されるアルキルシリケートの具体例としては、例えば、テトラメチルメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラ−n−プロポキシシラン、テトライソブトキシシランなどが挙げられる。なお、これらの化合物は単独で使用しても、2種類以上を組み合わせて使用してもよい。
上記ポリシロキサン化合物のポリスチレン換算の重量平均分子量は、1,000〜20,000であることが好ましい。上記ポリシロキサン化合物の重量平均分子量が上記範囲内であると、上記硬化性樹脂組成物の粘度が高くなりすぎることを防止でき、ハンドリングが容易になる。更に、封止加工する際に封止材中や封止材と被着体との界面に気泡が生じることを防止でき、上記硬化性樹脂組成物から得られる封止材の光透過性、耐熱性、耐クラック性、封止性能を充分に高いものとすることができる。
上記ポリシロキサン化合物の重量平均分子量としては、より好ましくは、1,500〜15,000であり、更に好ましくは、2,000〜10,000である。
ポリシロキサン化合物の重量平均分子量は、上述した脂環式エポキシ樹脂の重量平均分子量と同様の方法により測定することができる。
上記ポリシロキサン化合物は、25℃における粘度が1〜8,000Pa・sであることが好ましい。このような粘度のものであると、上記硬化性樹脂組成物の粘度が高くなりすぎることを防止でき、ハンドリングが容易になる。25℃における粘度は、より好ましくは、5〜5,000Pa・sであり、更に好ましくは、10〜3,000Pa・sである。
ポリシロキサン化合物の粘度は、R/Sレオメーター(ブルックフィールド社製)により測定することができる。
上記硬化性樹脂組成物における(B)ポリシロキサン化合物の含有量は、(B)ポリシロキサン化合物が含有するOR量と、(A)エポキシ樹脂が含有するエポキシ基の割合にもよるが、好ましくは、上記(A)エポキシ樹脂の総量を100質量部とすると、10〜900質量部である。上記(B)ポリシロキサン化合物の含有量が上記範囲内であると、ポリシロキサン化合物がエポキシ樹脂の硬化促進剤(触媒)としての機能に加え、エポキシ樹脂と反応してエポキシ樹脂を硬化させる硬化剤としての機能も良好に発揮することができる。また、硬化性樹脂組成物から形成される形成体が耐熱性、耐光性、耐クラック性に優れたものとなり、LED封止材に用いられた場合に良好な輝度保持性を発揮することができる。
上記硬化性樹脂組成物における(B)ポリシロキサン化合物の含有量は、上記(A)エポキシ樹脂の総量を100質量部に対して、好ましくは、10〜500質量部であり、より好ましくは、15〜300質量部であり、更に好ましくは、20〜150質量部である。
<(C)有機アルミニウム化合物>
本発明の硬化性樹脂組成物は、有機アルミニウム化合物を含有する。上記硬化性樹脂組成物が有機アルミニウム化合物及びポリシロキサン化合物を含有することにより、エポキシ樹脂、さらにはエポキシ樹脂とポリシロキサン化合物間での硬化反応を比較的マイルドな条件下で促進させることができ、耐熱性や耐光性に優れた硬化物を得ることができる。これにより、被着体が無機材料と比較して耐熱性の低い樹脂材料からなる場合、熱硬化工程における加熱による被着体への影響を低減することも可能となる。
上記有機アルミニウム化合物としては、特に限定されないが、本発明の硬化性樹脂組成物の他成分との相溶性が良好な化合物であることが好ましい。具体的には、アルミニウムキレート化合物又はアルミニウムアルコキシドであることが好ましく、中でもアルミニウムキレート化合物であることがより好ましい。有機アルミニウム化合物として、アルミニウムキレート化合物を用いることで、本発明の硬化性樹脂組成物から得られる成形体が、高温環境下での使用でも高い輝度を保持することができる特性をより充分に発揮することができるものとなる。
上記アルミニウムキレート化合物及び上記アルミニウムアルコキシドとしては、下記一般式(7):
Figure 0006077321
(式中、Rは、同一又は異なって、炭素数1〜22のアルキル基又はアルコキシル基を表す。Rは、同一又は異なって、炭素数1〜12のアルキル基を表す。gは、Alイオンの価数を表す。hは、0〜3の数を表す。式中酸素原子とAlとの間の点線は、酸素原子がAlに配位していることを表す。Alに配位する2つの酸素原子と、該2つ酸素原子の間の3つの炭素原子とで形成される構造部分の点線の円弧は、この構造部分の少なくとも1対の原子が二重結合で結ばれていることを表し、該二重結合が、点線の円弧部分を形成する環構造と共役していてもよい。)で表される化合物を好適に用いることができる。
なお、「Rは、同一又は異なって、炭素数1〜22のアルキル基又はアルコキシル基を表す」とは、hを付した()の中の構造部分が複数ある場合、当該複数の構造部分におけるRの構造が同一であってもよく、異なっていてもよいことを意味する。Rについても同様である。
上記一般式(7)で表されるアルミニウムキレート化合物の具体例としては、例えば、アルミニウムエチルアセトアセテートジイソプロピレート、アルミニウムモノアセチルアセテートビス(エチルアセトアセテート)、アルミニウムトリス(アセチルアセトネート)、アルミニウムトリス(エチルアセトアセテート)、アルミニウムトリス(オクタデシルアセトアセテート)、アルミニウムトリス(ヘキサデシルアセトアセテート)、アルミニウムトリス(テトラデシルアセトアセテート)、アルミニウムトリス(ドデシルアセトアセテート)などが挙げられる。なお、これらの化合物は単独で使用しても、2種類以上を組み合わせて使用してもよい。
上記一般式(7)で表される化合物のうち、アルミニウムアルコキシドは、下記一般式(8):
Figure 0006077321
(式中、Rはアルキル基を表し、3つのRは、同一のアルキル基であってもよく、異なるアルキル基であってもよい。)で表される化合物である。すなわち、上記一般式(7)においてh=0で表される化合物である。
上記一般式(8)において、Rはアルキル基を表すが、アルキル基の具体例としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、t−ブチル基、n−ヘキシル基、シクロヘキシル基、n−デシル基などが挙げられる。
上記一般式(8)におけるRは炭素数1〜22のアルキル基であることが好ましい。
上記一般式(8)で表されるアルミニウムアルコキシドの具体例としては、アルミニウムトリエトキシド、アルミニウムトリイソプロポキシド、アルミニウムトリsec−ブトキシド、アルミニウムトリtert−ブトキシドなどが挙げられる。
上記硬化性樹脂組成物における(C)有機アルミニウム化合物の含有量は、(A)エポキシ樹脂及び(B)ポリシロキサン化合物の合計100質量部に対して、0.05〜5質量部であることが好ましい。上記有機アルミニウム化合物の含有量をこのような範囲とすることで、硬化速度をより充分に高めるとともに、硬化時や使用環境下での硬化物の着色をより充分に抑制することができる。有機アルミニウム化合物の含有量として、より好ましくは、0.075〜3質量部であり、更に好ましくは、0.1〜2質量部である。
<(D)ヒンダードアミン基を有する化合物>
本発明の硬化性樹脂組成物は、1分子中に少なくとも1つのヒンダードアミン基を有する化合物を含有する。上記硬化性樹脂組成物が1分子中に少なくとも1つのヒンダードアミン基を有する化合物を含有することにより、上記硬化性樹脂組成物が貯蔵安定性に優れたものとなり、硬化性樹脂組成物配合後、本配合物を用いて成形物を作製したり、あるいは光半導体封止を実施するに際し、作業完了まで充分な時間を確保することができたり、配合後長時間にわたっての使用が可能となる。また、通常のアミン配合では、比較的低温下で配合物成分のエポキシ樹脂を変質させたり、所望の硬化反応以外の反応を引き起こしたり、硬化に際しても170℃以上の高温を要するのに対し、ヒンダードアミン基を有する化合物を用いることにより、これらの不具合を抑制することが可能となる。また、ヒンダードアミン基を有する化合物を用いることにより、常温で充分な作業時間を確保しつつも、硬化に際しては120℃程度の比較的マイルドな条件下、短時間で硬化完了をさせることができる。さらに、ヒンダードアミン基を有する化合物は、通常のアミン化合物に比べて酸素共存下でも着色物質を生成し難いため、上記硬化性樹脂組成物をLED封止材に用いた場合、通常のアミン化合物を用いた組成物から得られる成形体に比べて変色が起こりにくく、優れた輝度保持性を発揮することができる。
上記ヒンダードアミン基を有する化合物としては、下記一般式(9):
Figure 0006077321
(式中、Rは、水素原子、炭素数1〜18のアルキル基、炭素数6〜20のアリール基、炭素数7〜12のアラルキル基、アシル基、オキシラジカル基、又は、OR13基を表す。R13は、水素原子、炭素数1〜18のアルキル基、炭素数6〜20のアリール基、炭素数7〜12のアラルキル基、アシル基を表す。R〜R12は、同一又は異なって、炭素数1〜6のアルキル基を表すか、又は、互いに結合して炭素数4〜12の脂肪族環を形成していることを表す。)で表されるピペリジン環を有する化合物が好ましい。したがって、上記ヒンダードアミン基を有する化合物としては、上記一般式(9)で表される構造のピペリジン化合物、又は、上記一般式(9)で表されるピペリジン環を構造の一部として有する化合物が好ましい。
上記1分子中に少なくとも1つのヒンダードアミン基を有する化合物の具体例としては、2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、1,2,2,6,6−ペンタメチルピペリジン、2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジルステアレート、1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジルベンゾエート、N−(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)ドデシルコハク酸イミド、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)セバケート、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)・ジ(トリデシル)ブタンテトラカルボキシレート、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)・ジ(トリデシル)ブタンテトラカルボキシレート、1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸テトラキス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジニル)、1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸テトラキス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジニル)、1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸テトラキス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジニル)、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−1−ウンデシルオキシピペリジン−4−イル)カーボネートなどが挙げられる。この中でも、エポキシ樹脂との相溶性に優れ、貯蔵安定性を高める効果がより高いことから、1分子中に2つ以上のヒンダードアミン基を有する化合物が好ましい。1分子中に2つ以上のヒンダードアミン基を有する化合物の具体例としては、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)セバケート、1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸テトラキス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジニル)、1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸テトラキス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジニル)、1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸テトラキス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジニル)などが挙げられる。
上記硬化性樹脂組成物における(D)1分子中に少なくとも1つのヒンダードアミン基を有する化合物の含有量は、(A)エポキシ樹脂及び(B)ポリシロキサン化合物の合計100質量部に対して、0.05〜5質量部であることが好ましい。1分子中に少なくとも1つのヒンダードアミン基を有する化合物をこのような割合で含むことで、硬化性樹脂組成物を貯蔵安定性により優れたものとすることができる。1分子中に少なくとも1つのヒンダードアミン基を有する化合物の含有量として、より好ましくは、0.075〜3質量部であり、更に好ましくは、0.1〜2質量部である。
<その他の成分>
本発明の硬化性樹脂組成物は、(A)エポキシ樹脂、(B)特定のポリシロキサン化合物、(C)有機アルミニウム化合物、及び、(D)1分子中に少なくとも1つのヒンダードアミン基を有する化合物を必須成分とする限り、その他の成分を含んでいてもよく、該その他の成分は1種又は2種以上を用いることができる。該その他の成分としては、例えば、ポリアルキルグリコール、ポリエステルポリオール、ポリカーボネートポリオール、ポリ(メタ)アクリレートなどの耐クラック性向上剤、無機あるいは有機微粒子、溶媒、他の重合成分としてのオキセタン化合物、酸化防止剤、カップリング剤、離型剤、可塑剤、消泡剤、レべリング剤などの各種添加剤等を挙げることができる。さらに、光半導体封止材としては、蛍光体や光拡散剤などの配合も可能である。また、複合材料のマトリックス樹脂や塗膜形成樹脂、薄肉厚の封止材として用いる場合には溶媒を配合することもできる。
溶媒は、組成物の粘度調整等を目的として、必要に応じて含むことができる。溶媒としては、特に制限されず、いずれの有機溶媒であれば使用することができるが、上述したエポキシ化合物、ポリシロキサン化合物、有機アルミニウム化合物、及び、1分子中に少なくとも1つのヒンダードアミン基を有する化合物を溶解するものが好ましい。例えば、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン類;トルエン、キシレン等の炭化水素類;ブタノール、2−エチルヘキシルアルコールなどのアルコール類;エチレングリコール、ジエチレングリコール、(ジ)エチレングリコールメチルエーテル、(ジ)エチレングリコールエチルエーテル、(ジ)エチレングリコールアセテート、(ジ)エチレングリコールジアセテート、(ジ)エチレングリコールメチルエーテルアセテート、プロピレングリコール、プロピレングリコールメチルエーテル、プロピレングリコールエチルエーテル、プロピレングリコールメチルエーテルアセテートなどのグリコール及びその誘導体(エーテル、エステル)類;酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル類が好ましい。
上記溶媒は、硬化性樹脂組成物を硬化して薄肉厚の封止材とする際に封止材中の気泡の原因となって、接着力の低下や、光透過性の低下を招くおそれがある。また、多量に用いると、組成物の粘性が低くなりすぎて封止材の形状の制御性が低下する原因ともなる。したがって、薄肉厚の封止材に用いる場合であっても、溶媒を用いる際には、上記硬化性樹脂組成物の総量100質量部に対して30質量部以下が好ましく、より好ましくは15質量部以下、更に好ましくは10質量部以下、更により好ましくは5質量部以下、一層好ましくは1質量部以下である。特に好ましくは0.1質量部以下であり、最も好ましくは0質量部、すなわち、溶媒を使用しないことである。
本発明の硬化性樹脂組成物を硬化することにより、硬化物を得ることができる。硬化方法としては、上述したように、熱硬化を採用することが好ましい。
上記硬化物は、ガラス転移温度(Tg)が170℃以下であることが好ましい。これにより、硬化物を封止材として用いた場合に、封止材が耐ヒートサイクル性に優れたものとなる。ガラス転移温度としてより好ましくは、150℃以下であり、更に好ましくは、130℃以下である。
硬化物のガラス転移温度は、動的粘弾特性におけるtanδが極大となる温度により測定することができる。
上記硬化物はまた、可視光透過率が80%以上であることが好ましい。具体的には、400nmにおける平行線透過率が80%以上であることが好ましい。これにより、LED封止材用途において要求される高い光透過性及び透明性を実現することができる。400nmにおける平行線透過率としてより好ましくは、85%以上であり、更に好ましくは、90%以上である。
透過率は、UV−VIS分光光度計(Agilent 8453、アジレント・テクノロジー社製)により、厚み1mmのサンプルを用いて測定することができる。
上記硬化物は、高い透明性を有するとともに、被着体に対する接着性、耐熱性、耐光性、耐ヒートサイクル性、耐湿熱性等に優れるものであるため、LED封止材やフォトダイオード封止材等の光半導体封止材、及び、該光半導体封止材で封止されてなる光半導体装置の形成に好適に使用できる。このように、本発明の硬化性樹脂組成物を硬化して得られる光半導体封止材、及び、該光半導体封止材で封止されてなる光半導体装置もまた、本発明の1つである。
本発明の硬化性樹脂組成物は、上述のような構成であるので、樹脂組成物が貯蔵安定性に優れ、かつ、得られる成形体が耐熱性に優れるとともに、長時間の使用において高い輝度を保持するものである。このような本発明の硬化性樹脂組成物は、半導体や光半導体の封止材、受光センサーや太陽電池の封止材、光記録用のピックアップレンズ、撮像機器のレンズ、有機ELや液晶ディスプレイ装置の間隙充填材等として好適に用いることができる。
以下に実施例を掲げて本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例のみに限定されるものではない。なお、特に断りのない限り、「部」は「質量部」を意味するものとする。
以下の実施例において、各種物性値は、それぞれ以下の方法により測定した。
<重量平均分子量>
重量平均分子量は、ゲル透過クロマトグラフィー(カラム:TSKgel SuperMultiporeHZ−N 4.6150を2本、溶離液:テトラヒドロフラン、標準サンプル:TSKポリスチレンスタンダード)により測定した。
<粘度>
粘度の測定は、R/Sレオメーター(米国ブルックフィールド社製)を用いて、40℃、回転速度D=1/sの条件下で行った。なお、粘度20Pa・s以上では、RC25−1の測定治具を使用し、粘度20Pa・s未満では、RC50−1の治具を使用した。また、回転速度D=1/s時点の粘度が測定できないものについては、回転速度D=5〜100/sの値を外挿して、粘度として評価した。
<ポリシロキサン化合物の合成>
合成例1
温度計、還流用の冷却管、および撹拌機を備えた反応器に、メチルトリメトキシシラン(東レ・ダウコーニング社製、Z−6366)208g、メチルイソブチルケトン57.4g、ギ酸21.1gを仕込み、内温35℃で撹拌しながら水44.2gを添加して10分間撹拌した。その後、90℃のオイルバスを用いて、撹拌しながら反応系内を昇温し、還流を開始した。還流開始から1時間経過後、セパラブルフラスコから還流用の冷却管を取り外し、再び加熱撹拌して溶剤を常圧留去した。留出物量が117.4gとなった時点で留去を停止する為にオイルバスを外し、降温した。内温53℃に到達後、53℃のオイルバスで加熱撹拌しながら、10kPaにて溶媒を1時間減圧留去し、その後、撹拌しながら、53℃、1kPaにて溶媒を30分間減圧留去した。更に、昇温して撹拌しながら、80℃、1kPaにて溶媒を30分間減圧留去し、115.7gのポリシロキサン化合物(1)を得た。得られたポリシロキサン化合物(1)の重量平均分子量は4,101、25℃における粘度は1630Pa・sであった。
<硬化触媒の調製>
調製例1
ジイソプロポキシアルミニウムエチルアセトアセテート(ALCH、川研ファインケミカル社製)274.3mg及び1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸テトラキス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジニル)(LA57、ADEKA社製)257.1mgを量り取り、これに溶媒としてセロキサイド2021P(ダイセル化学工業社製、脂環式エポキシ樹脂)4.78gを加え、60℃に加熱して30分混合し、硬化触媒(1)を調製した。これをアルミニウム・アミン化合物の固形分換算で既定の含有率になるように樹脂組成物の調製に用いた。
調製例2
ジイソプロポキシアルミニウムエチルアセトアセテート(ALCH、川研ファインケミカル社製)274.3mg及びビス(1,2,2,6,6−ペンタメチルー4−ピペリジル)セバケート)(Tinuvin765、BASF社製)330.9mgを量り取り、これに溶媒としてセロキサイド2021P(ダイセル化学工業社製、脂環式エポキシ樹脂)5.45gを加えたこと以外は、調製例1と同様にして、硬化触媒(2)を調製した。これをアルミニウム・アミン化合物の固形分換算で既定の含有率になるように樹脂組成物の調製に用いた。
調製例3
ジイソプロポキシアルミニウムエチルアセトアセテート(ALCH、川研ファインケミカル社製)274.3mg及び2,2,6,6−テトラメチルピペリジン183.6mgを量り取り、これに溶媒としてセロキサイド2021P(ダイセル化学工業社製、脂環式エポキシ樹脂)4.12gを加えたこと以外は、調製例1と同様にして、硬化触媒(3)を調製した。これをアルミニウム・アミン化合物の固形分換算で既定の含有率になるように樹脂組成物の調製に用いた。
調製例4
ジイソプロポキシアルミニウムエチルアセトアセテート(ALCH、川研ファインケミカル社製)274.3mg及びトリエチルアミン131.5mgを量り取り、これに溶媒としてセロキサイド2021P(ダイセル化学工業社製、脂環式エポキシ樹脂)3.65gを加えたこと以外は、調製例1と同様にして、硬化触媒(4)を調製した。これをアルミニウム・アミン化合物の固形分換算で既定の含有率になるように樹脂組成物の調製に用いた。
調製例5
ジイソプロポキシアルミニウムエチルアセトアセテート(ALCH、川研ファインケミカル社製)274.3mg及びジエタノールアミン136.7mgを量り取り、これに溶媒としてセロキサイド2021P(ダイセル化学工業社製、脂環式エポキシ樹脂)3.7gを加えたこと以外は、調製例1と同様にして、硬化触媒(5)を調製した。これをアルミニウム・アミン化合物の固形分換算で既定の含有率になるように樹脂組成物の調製に用いた。
<樹脂組成物の調製>
実施例1
温度計、および撹拌機を備えた反応器に、セロキサイド2021P(ダイセル化学工業社製、脂環式エポキシ樹脂)50部、ポリシロキサン化合物(1)50部を量り取り、60℃に加熱して30分間混合した。室温に冷却後、硬化触媒(1)を0.3部加えて15分間混合し、樹脂組成物(1)を得た。エポキシ樹脂、ポリシロキサン化合物及び硬化触媒の配合量を表1に示す。
実施例2
硬化触媒(1)の代わりに硬化触媒(2)を用いたこと以外は、実施例1と同様にして、樹脂組成物(2)を得た。
実施例3
温度計、および撹拌機を備えた反応器に、セロキサイド2021P(ダイセル化学工業社製、脂環式エポキシ樹脂)40部及びYX−8040(三菱化学社製、固形水添ビスフェノールA型エポキシ樹脂)20部を量り取り、窒素雰囲気下で140℃に加熱して1時間混合した。70℃に冷却後、ポリシロキサン化合物(1)40部を加え、30分間混合した。室温に冷却後、硬化触媒(3)を0.3部加えて30分間混合し、樹脂組成物(3)を得た。
実施例4
硬化触媒(3)の代わりに硬化触媒(1)を用い、表1に示す配合量でエポキシ樹脂、ポリシロキサン化合物及び硬化触媒を混合する点以外は、実施例3と同様にして、樹脂組成物(4)を得た。
実施例5
表1に示す配合量でエポキシ樹脂、ポリシロキサン化合物及び硬化触媒を混合する点以外は、実施例1と同様にして、樹脂組成物(5)を得た。
比較例1
硬化触媒(1)の代わりに硬化触媒(4)を用い、表1に示す配合量でエポキシ樹脂、ポリシロキサン化合物及び硬化触媒を混合する点以外は、実施例1と同様にして、樹脂組成物(比較1)を得た。
比較例2
硬化触媒(4)の代わりに硬化触媒(5)を用いること以外は、比較例1と同様にして、樹脂組成物(比較2)を得た。
<貯蔵安定性の評価>
実施例1〜5及び比較例1〜2で得た樹脂組成物(1)〜(5)及び樹脂組成物(比較1)〜(比較2)を、25℃で放置し、増粘して流動性がなくなるまでの時間を計った。結果を表1に示す。
<耐熱性試験>
実施例1〜5及び比較例1〜2で得た樹脂組成物(1)〜(5)及び樹脂組成物(比較1)〜(比較2)を、1mmのスペーサーを挟んだ2枚のガラス板間に注入し、厚さ1mmの板状の試料を作製した。得られた試料について、100℃のオーブン中に500時間放置する試験を行い、試験後の着色の有無や程度について評価した。
具体的には、試験前後の400nm光に対する透過率の変化率(ΔT)を測定し、以下の基準で評価した。結果を表1に示す。なお、透過率は、UV−VIS分光光度計(Agilent 8453、アジレント・テクノロジー社製)により測定した。
○:ΔT<5%
△:5%≦ΔT<10%
×:ΔT≧10%
<高温点灯試験>
実施例1〜5及び比較例1〜2で得た樹脂組成物(1)〜(5)及び樹脂組成物(比較1)〜(比較2)を、青色LEDチップ(チップサイズ300μm×600μm)を3チップを載せたLEDパッケージ(外形寸法5mm×5mm)にパッケージ内が満たされるように注入し、150℃のオーブンで1時間加熱硬化して試料を作製した。得られた試料を85℃に保持したオーブン中に入れ、60mAの電流を流してLEDを点灯させ、500時間放置する試験を行った。そして、試験後の輝度の保持率について評価した。結果を表1に示す。
なお、輝度は、光源配光測定システム(IS−LI−TE−1、Radiant Imaging社製)により測定した。
Figure 0006077321
上記実施例及び比較例から、エポキシ樹脂、特定のポリシロキサン化合物、有機アルミニウム化合物、及び、1分子中に少なくとも1つのヒンダードアミン基を有する化合物を含有し、該エポキシ樹脂及び該ポリシロキサン化合物の配合量が特定の範囲に調製された樹脂組成物を用いた実施例1〜5では、いずれも樹脂組成物が貯蔵安定性において優れるものであることが分かる。また、いずれも得られる成形体が耐熱性、及び、長時間使用した際の輝度において優れるものであることが分かる。
一方、ヒンダードアミン基を有する化合物を含まない樹脂組成物を用いた比較例1及び2では、いずれも樹脂組成物が貯蔵安定性において劣るものであることが分かる。また、いずれも得られる成形体が耐熱性、及び、長時間使用した際の輝度において劣るものであることが分かる。
また、実施例1〜2と実施例3〜4との比較から、エポキシ樹脂として脂環式エポキシ樹脂のみを用いると、得られる成形体が耐熱性に特に優れるものとなり、その結果、長時間使用した際の輝度において優れるものとなることが分かる。
さらに、実施例1〜4と実施例5との比較から、ポリシロキサン化合物の含有量が、エポキシ樹脂の総量100質量部に対して、15〜300質量部であると、得られる成形体が耐熱性に特に優れるものとなり、その結果、長時間使用した際の輝度において優れるものとなることが分かる。

Claims (8)

  1. 硬化性を有する樹脂組成物であって、
    該硬化性樹脂組成物は、
    (A)エポキシ樹脂を100質量部と、
    (B)下記平均組成式(1):
    (ORSiO(4−a―b)/2 (1)
    (式中、Rは、同一又は異なって、炭素数1〜22のアルキル基、炭素数2〜22のアルケニル基、炭素数6〜14のアリール基、炭素数7〜22のアルキル置換アリール基、炭素数7〜22のアラルキル基、エポキシ基を有する1価の有機基、又は、オキセタニル基を有する1価の有機基を表す。Rは、同一又は異なって、水素原子、炭素数1〜22のアルキル基、炭素数2〜22のアルケニル基、炭素数6〜14のアリール基、炭素数7〜22のアルキル置換アリール基、又は、炭素数7〜22のアラルキル基を表す。a及びbは、1.0≦a≦1.7、0.05≦b≦1.0の数であり、1.05≦a+b≦2.0を満たす。)で表されるポリシロキサン化合物を10〜900質量部と、
    (C)有機アルミニウム化合物と、
    (D)1分子中に少なくとも1つのヒンダードアミン基を有する化合物とを必須成分として含有し、
    該(A)エポキシ樹脂は、重量平均分子量が1500未満である脂環式エポキシ樹脂を含むことを特徴とする硬化性樹脂組成物。
  2. 前記硬化性樹脂組成物における(C)有機アルミニウム化合物の含有量は、(A)エポキシ樹脂及び(B)ポリシロキサン化合物の合計100質量部に対して、0.05〜5質量部であることを特徴とする請求項1に記載の硬化性樹脂組成物。
  3. 前記硬化性樹脂組成物における(D)1分子中に少なくとも1つのヒンダードアミン基を有する化合物の含有量は、(A)エポキシ樹脂及び(B)ポリシロキサン化合物の合計100質量部に対して、0.05〜5質量部であることを特徴とする請求項1又は2に記載の硬化性樹脂組成物。
  4. 前記(D)1分子中に少なくとも1つのヒンダードアミン基を有する化合物は、1分子中に2つ以上のヒンダードアミン基を有することを特徴とする請求項1〜のいずれかに記載の硬化性樹脂組成物。
  5. 前記(B)ポリシロキサン化合物は、25℃における粘度が10〜3000Pa・sであることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の硬化性樹脂組成物。
  6. 前記(A)エポキシ樹脂は、脂環式エポキシ樹脂からなる成分(A−1)と、水添エポキシ樹脂からなる成分(A−2)とを、質量比(成分(A−1)/成分(A−2))=100/0〜50/50で含むことを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の硬化性樹脂組成物。
  7. 請求項1〜のいずれかに記載の硬化性樹脂組成物を硬化して得られる光半導体封止材。
  8. 請求項に記載の光半導体封止材で封止されてなる光半導体装置。
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