JP2007016128A - 光学樹脂 - Google Patents

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Abstract

【課題】 透明性、耐UV性、耐熱性に優れ、しかも、優れた接着強度、屈折率を有する、金属を含有する新規構造のシルセスキオキサン硬化物からなる光学樹脂を提供する。
【解決の手段】 チタンアルコキシド、ジルコニウムアルコキシド等の金属アルコキシド(C)の存在下に、エポキシ基、3,4−エポキシシクロヘキシル基、オキセタニル基等の反応性環状エーテル基を有するシルセスキオキサン(A)と、酸無水物等の前記反応性環状エーテル基と反応可能な硬化剤(B)とを反応させてなる光学樹脂。
【選択図】 なし

Description

本発明は、光学樹脂、光学樹脂のための樹脂組成物、光学樹脂を使用してなる光素子に関し、詳細には、接着強度、透明性、耐UV性、耐熱性、屈折率に優れた特性を有する、金属を含有する新規構造のシルセスキオキサン硬化物からなる光学樹脂に関する。
従来、光学樹脂としてはアクリル樹脂や透明エポキシ樹脂が多用されてきた。しかしながら、アクリル樹脂は、傷がつきやすく、耐熱性にも劣る。エポキシ樹脂は、硬度、耐熱性が高い一方で耐UV性が低く、経時に黄変し易い性質があった。このエポキシ樹脂の欠点を克服するものとして、シリコーンゴムなどのケイ素樹脂系樹脂を含む光学樹脂の開発が進められた(例えば、特許文献1、2参照。)。しかしながら、一般的にケイ素系樹脂はエポキシ樹脂と比較して脆く柔軟性に欠けることがよく知られている。
光学材料の特性を改善する技術として、主量の透明熱可塑性樹脂に従量の籠型シルセスキオキサンを配合した素材が提案されている(例えば、特許文献3参照。)。この技術における素材は、車両用内外装品への適用を念頭に開発されている。また、エポキシ化合物等のカチオン重合性化合物とエポキシ基等の各種官能基を含有する籠型シルセスキオキサンとを配合した重合性組成物が、光導波路用途に提案されている(例えば、特許文献4参照。)。
特開2004−140220号公報 特開2004−238589号公報 特開2005−41963号公報 特開2004−238589号公報
しかしながら、シルセスキオキサンの持つ優れた透明性、耐UV性や耐熱性を維持しつつ、接着強度や屈折率に優れたシルセスキオキサン系光学樹脂はいまだ知られていない。上述の現状に鑑み、本発明は、透明性、耐UV性、耐熱性に優れ、しかも、優れた接着強度、屈折率を有する、金属を含有する新規構造のシルセスキオキサン硬化物からなる光学樹脂を提供することを目的とする。
本発明者らは上記課題を解決するべく鋭意検討した結果、特定種類の反応性官能基を導入したシルセスキオキサンと硬化剤との反応系に金属アルコキシドを加えることにより、シルセスキオキサンの構造を保持しつつ硬化物に金属が化学結合により取り込まれて新規構造のシルセスキオキサン硬化物を得ることができることを見出した。本発明はこの新規知見に基づいてなされたものであり、従って、本発明は、金属アルコキシド(C)の存在下に、反応性環状エーテル基を有するシルセスキオキサン(A)と、前記反応性環状エーテル基と反応可能な硬化剤(B)とを反応させてなる光学樹脂である。
本発明はまた、金属アルコキシド(C)の存在下に、反応性環状エーテル基を有するシルセスキオキサン(A)と、前記反応性環状エーテル基と反応可能な硬化剤(B)とを反応させてなる光学樹脂のための樹脂組成物であって、反応性環状エーテル基を有するシルセスキオキサン(A)、前記反応性環状エーテル基と反応可能な硬化剤(B)及び金属アルコキシド(C)を必須成分とする樹脂組成物でもある。
本発明はさらに、上記光学樹脂を使用してなる光素子でもある。
(1)本発明の光学樹脂は上述の構成により、接着強度、耐熱性、耐UV性、屈折率、透明性が優れている。
(2)本発明の光学樹脂は上述の構成により、シルセスキオキサン自体の構造中に置換原子として金属を導入することなく、従って、シルセスキオキサンの構造を保持したまま、その硬化物からなる成形体を得ることができ、しかも、金属を化学結合により硬化物に含有させることが可能である。
(3)本発明の光学樹脂は上述の構成により、高輝度の光素子用の封止材に要求される必要性能をそれぞれ充分な水準で満たすことができる。
本発明における反応性環状エーテル基を有するシルセスキオキサン(A)(以下、単にシルセスキオキサン(A)ともいう。)は、(RSiO3/2)nの構造を有するポリシロキサンの誘導体である。上記シルセスキオキサン(A)は、ラダー型又はランダム型構造、又は、籠型構造のものであってもよいが、ラダー型又はランダム型構造のものが好ましい。従って、上記シルセスキオキサン(A)は、好ましくは、ラダー型構造のもののみ、ランダム型構造のもののみ、又は、ラダー型構造のものとランダム型構造のものの混合物のいずれかであり、より好ましくはラダー型構造のものとランダム型構造のものの混合物である。
上記反応性環状エーテル基としては、例えば、エポキシ基、3,4−エポキシシクロヘキシル基、オキセタニル基、テトラヒドロフラン、テトラヒドロピラン等を挙げることができる。これらのうち、エポキシ基、3,4−エポキシシクロヘキシル基、オキセタニル基が好ましい。
シルセスキオキサン(A)は、各種トリアルコキシシランを共加水分解、共縮合することにより得ることができ、共加水分解、共縮合の条件によりラダー型、ランダム型又は籠型構造のものを得ることができることが知られている。例えば、ラダー型又はランダム型構造体の製造方法としては、本明細書の実施例に記載の方法、又は、特開平6−306173号公報に記載の方法等により製造することができ、籠型構造のものは、特開2004−359933号公報に記載の方法等を適用することができる。
上記反応性環状エーテル基をシルセスキオキサンに導入するには、反応性環状エーテル基を有する3官能有機ケイ素モノマー、例えば、エポキシ基を含有する炭素数2〜12の炭化水素基を有する3官能有機ケイ素モノマーを使用してシルセスキオキサンを製造する方法、又は、シルセスキオキサンのSiに結合する水素原子とジビニル化合物やトリビニル化合物等とをヒドロシリル化反応させる方法により、例えば、エポキシ基を含有する炭素数2〜12の炭化水素基等、を導入する方法等を挙げることができる。
ラダー型構造のシルセスキオキサン(A)は、例えば、以下のような構造を有する。
Figure 2007016128
上記式中、複数のXは同一又は異なって反応性環状エーテル基を、複数のYは同一又は異なって1価の炭化水素基(例えば、炭素数1〜12のアルキル基、炭素数1〜8の炭化水素基を有していてもよいフェニル基等)を表す。
本発明におけるシルセスキオキサン(A)の重量平均分子量は、1500〜20000が好ましい。重量平均分子量が1500未満であると、硬度が不充分となる場合があり、20000を超えると、粘度とが高くなり、作業性が低下するおそれがある。好ましくは2000〜10000である。
上記シルセスキオキサン(A)としては、具体的には、例えば、下記一般式(1):
Figure 2007016128
(式中、複数のRは各々独立してメチル基またはエチル基を表し、R1は炭素数1〜20のアルキル基を表すか、又は、炭素数1〜8の炭化水素基を有していてもよいフェニル基を表す。)で表されるトリアルコキシシラン(I)と、
下記一般式(2):
Figure 2007016128
(式中、複数のRは各々独立してメチル基またはエチル基を表し、R2は反応性環状エーテル基を含有する置換基を表す。)で表されるトリアルコキシシラン(II)とを共加水分解、共縮合することによって得られるラダー型又はランダム型構造のシルセスキオキサン誘導体を挙げることができる。
上記炭素数1〜20のアルキル基としては、例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、s−又はt−ブチル、ペンチル、イソペンチル、ネオペンチル、オクチル、イソオクチル、ドデシル、テトラデシル等を挙げることができる。これらのうち、炭素数1〜12のアルキル基が好ましく、炭素数2〜8のアルキル基がより好ましい。
上記炭素数1〜8の炭化水素基を有していてもよいフェニル基としては、例えば、フェニル、トリル、キシリル、クメニル等のほか、メチル、エチル、プロピル、ブチル、イソブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル等の置換基を有するフェニル基等を挙げることができる。
上記トリアルコキシシラン(I)の具体例としては、例えば、Rが全てメチル基であるか、全てエチル基であるか、メチル基が二つにエチル基が一つであるか、又は、メチル基が一つにエチル基が二つであって、そのそれぞれについて、R1がエチル、イソブチル、イソオクチル又はフェニル等であるもの、等が挙げられる。
上記トリアルコキシシラン(II)における上記一般式(2)中、上記反応性環状エーテル基を含有する置換基としては、例えば、上記反応性環状エーテル基(例えば、エポキシ基、3,4−エポキシシクロヘキシル基、オキセタニル基等)を含有し、エーテル結合を有していてもよい炭素数1〜10の炭化水素基、上記反応性環状エーテル基(例えば、エポキシ基、3,4−エポキシシクロヘキシル基、オキセタニル基等)を含有するシリルオキシ基等を挙げることができる。
上記トリアルコキシシラン(II)の具体例としては、例えば、Rが全てメチル基であるか、全てエチル基であるか、メチル基が二つにエチル基が一つであるか、又は、メチル基が一つにエチル基が二つであって、そのそれぞれについて、R1がエポキシ基、3,4−エポキシシクロヘキシル基若しくはオキセタニル基を含有し、エーテル結合を有していてもよい炭素数1〜10の炭化水素基、又は、エポキシ基、3,4−エポキシシクロヘキシル基若しくはオキセタニル基を含有するシリルオキシ基であるもの、等が挙げられる。
上記トリアルコキシシラン(I)と上記トリアルコキシシラン(II)との配合モル比は、10:90〜90:10であることが好ましく、より好ましくは、40:60〜80:20である。トリアルコキシシラン(I)のモル比が10未満であると硬化後の架橋密度が高くなり、耐熱衝撃性が悪くなるおそれがある。90より大きいと機械強度が低くなるおそれがある。
本発明において、上記シルセスキオキサン(A)は、架橋物を形成して硬化するのであるが、この硬化は、上記反応性環状エーテル基と反応可能な硬化剤(B)(以下、単に硬化剤(B)ともいう。)による。このような硬化剤(B)としては、例えば、熱硬化性樹脂の硬化に使用される硬化剤を使用することができる。このような硬化剤としては、酸無水物化合物、アミン化合物、フェノール化合物などが挙げられる。これらのうち、硬化後の透明性を考慮して、酸無水物が好適であり、例えば、以下のような化合物が挙げられる:無水フタル酸、無水マレイン酸、無水トリメリット酸、無水ピロメリット酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、3−メチル−ヘキサヒドロ無水フタル酸、4−メチル−ヘキサヒドロ無水フタル酸、あるいは3−メチル−ヘキサヒドロ無水フタル酸と4−メチル−ヘキサヒドロ無水フタル酸との混合物、テトラヒドロ無水フタル酸、無水ナジック酸、無水メチルナジック酸など。これらの化合物は、その1種のみを単独で使用できるほか、2種以上を併用して使用することもできる。
上記硬化剤(B)の配合量は、一般的には硬化剤の種類により異なり得るので一概に規定することはできないが、例えば、酸無水物化合物の場合、反応性環状エーテル基1モルに対して酸無水物基0.2〜2.0モルの割合が好ましく、より好ましくは0.5〜1.0モルである。他の種類の硬化剤の場合も、上記値を参照して当業者は適宜に使用することができる。
上記硬化剤(B)とともに、公知の硬化触媒を使用することができる。上記硬化触媒としては、例えば、イミダゾール化合物(2−メチルイミダゾール、4−エチルイミダゾール、2−フェニルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール等)、3級アミン類(トリエチルアミン、ジメチルエタノールアミン、ジメチルベンジルアミン、2,4,6−トリス(ジメチルアミノ)フェノール、1,8−ジアザビシクロ[5,4,0]ウンデセン等)、有機ホスフィン化合物類(トリオルガノホスフィン化合物やテトラフェニルホスホニウム・テトラフェニルボレート等の4級ホスホニウム塩などのオルガノホスフィン類及びその誘導体)等またはこれらの塩類が挙げられる。
このような硬化触媒の配合量は、シルセスキオキサン(A)100重量部に対して、0.05〜5.0重量部が好ましく、より好ましくは0.1〜2.0重量部である。
本発明における金属アルコキシド(C)は、半金属やメタロイドを含まず、従って、例えば、ケイ素は含まれない。上記金属アルコキシド(C)における金属としては、例えば、チタン、ジルコニウム、ハフニウム、アルミニウム、イットリウム、タンタル、テルル、サマリウム、バナジウム、錫等を挙げることができる。アルコキシドとしては特に限定されず、例えば、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ等を挙げることができる。これらのうち、屈折率、耐熱性、経済性(すなわちコスト)の観点から、好ましくは、チタンアルコキシド、ジルコニウムアルコキシドである。
上記アルコキシドとしては、例えば、アルコキシル基を4つ有するもの:例えば、チタンイソプロポキサイド、チタンエトキサイド、チタンメトキシド、チタン−n−ブトキシド、チタンメトキシプロポキシド、チタンメチルフェノキシド、チタン−n−ノニルオキシド、チタン−n−プロポキシド、チタンステアリルオキシド、チタントリイソステアロイルイソプロポキシド、テトラキス(トリメチルシロキシ)チタン、ジルコニウム−n−ブトキシド、ジルコニウム−t−ブトキシド、ジルコニウムエトキシド、ジルコニウム−2−エチルヘキシオキシド、ジルコニウムイソプロポキシド、ジルコニウム−2−メチル−2−ブトキシド、ジルコニウム−n−プロポキシド、テトラキス(トリメチルシロキシ)ジルコニウム等、アルコキシル基を3つ有するもの:例えば、アルミニウム(III)イソプロポキサイド等、アルコキシル基を2つ有するもの:例えば、亜鉛メトキシエトキサイド等、を挙げることが出来る。
上記金属アルコキシド(C)は、また、有機配位子を有する2官能性以上(例えば、アルコキシル基(例えば、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ等)を2つ有する2官能性、又は、アルコキシル基を3つ有する3官能性)の、ジルコニウム、チタン、アルミニウム等の金属のアルコキシドであってもよい。上記有機配位子は、金属アルコキシドに配位し、アルコキシドの反応性を制御することができる。上記有機配位子としては、例えば、β−ジケトン化合物、β−ケトエステル化合物等を挙げることができる。これらのうち、β−ケトエステル化合物が好ましい。
有機配位子を有する金属アルコキシドの具体例としては、例えば、ジルコニウムジ−n−ブトキサイド(ビス−2,4−ペンタンジオネート)、ジルコニウムジイソプロポキサイドビス(2,2,6,6−テトラメチル−3,5−ヘプタンジオネート、ジルコニウムメタクリルオキシエチルアセトアセテートトリ−n−プロポキサイド、チタンジイソプロポキサイドビス(テトラメチルヘプタンジオネート)、チタンジイソプロポキサイドビス(エチルアセトアセテート)、チタンメタクリルオキシエチルアセトアセテートトリイソプロポキサイド、チタンアリルアセトアセテートトリイソプロポキサイド、チタンジ−n−ブトキサイド(ビス−2,4−ペンタンジオネート)、チタンジ−n−ブトキサイド(ビス−2,4−ペンタンジオネート)、チタンジイソプロポキサイド(ビス−2,4−ペンタンジオネート)、アルミニウム(III)ジ−s−ブトキサイドエチルアセトアセテート、アルミニウム(III)ジイソプロポキサイドエチルアセトアセテート等を挙げることができる。
上記金属アルコキシド(C)の配合量は、上記シルセスキオキサン(A)100重量部に対して1〜50重量部が好ましく、5〜20重量部がより好ましい。配合量が1重量部未満であると屈折率が低下する場合があり、50重量部を超えると、耐熱性が低下するおそれがある。
本発明の光学樹脂は、上記金属アルコキシド(C)の存在下に、上記シルセスキオキサン(A)と、上記硬化剤(B)とを反応させてなる。この硬化反応の過程で、反応性環状エーテル基と硬化剤又はそれから生成した活性化学種との反応により環状エーテルの開環反応が生じ、この過程において水酸基が生成する。この水酸基の一部と上記金属アルコキシド(C)とが反応することができる。上記シルセスキオキサン(A)中には通常、水酸基が含まれていないか、又は、含まれていたとしても非常に少ない。従って、上記反応の過程で生成する水酸基の少なくとも一部は、金属アルコキシドと反応して、金属が化学結合によりシルセスキオキサン硬化物中に取り込まれることができる。また、この硬化の過程では、シルセスキオキサンの構造自体は維持される。従って、本発明の光学樹脂は、シルセスキオキサン同士を架橋する構造中に金属が化学結合により取り込まれている構造をとることができる。
硬化反応は、例えば、130〜220℃、数分〜数時間の条件で反応させることが通常行われている。
本発明の樹脂組成物は、上記光学樹脂のための、上記シルセスキオキサン(A)、上記硬化剤(B)及び上記金属アルコキシド(C)を必須成分とする。
本発明の樹脂組成物には、本発明の目的を阻害しないかぎり、その他の各種の添加剤を配合することができ、例えば、組成物の粘度を調整するための希釈剤、密着性を更に向上させるためのシランカップリング剤、耐候性を向上させる紫外線吸収剤、光安定剤などが挙げられる。
上記希釈剤としては、グリセリンジグリシジルエーテル、ブタンジオールジグリシジルエーテル、ジグリシジルアニリン、ネオペンチルグリコールグリシジルエーテル、シクロヘキサンジメタノールジグリシジルエーテル、アルキレンジグリシジルエーテル、ポリグリコールジグリシジルエーテル、ポリプロピレングリコールジグリシジルエーテル、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル、グリセリントリグリシジルエーテル、4−ビニルシクロヘキセンモノオキサイド、ビニルシクロヘキセンジオキサイド、メチル化ビニルシクロヘキセンジオキサイド等の反応性希釈剤を挙げることができる。これら反応性希釈剤は単独で使用できる他、2種以上を混合しても使用することができる。
上記シランカップリングとしては、例えば、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリエトキシシラン、ビルニトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン等が挙げられる。
上記紫外線吸収剤の具体例としては、例えば、フェニルサリシレート、p−t−ブチルフェニルサリシレート、p−オクチルフェニルサリシレート等のサリチル酸類、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−オクトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−ドデシルオキシベンゾフェノン、2,2′−ジヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2,2′−ジヒドロキシ−4,4′−ジメトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシ−5−スルホベンゾフェノン等のベンゾフェノン類、2−(2′−ヒドロキシ−5′−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2′−ヒドロキシ−5′−tert−ブチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2′−ヒドロキシ−3′,5′−ジtert−ブチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2′−ヒドロキシ−3′−tert−ブチル−5′−メチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(2′−ヒドロキシ−3′,5′−ジtert−ブチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(2′−ヒドロキシ−3′,5′−ジtert−アミルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−{(2′−ヒドロキシ−3′,3′′,4′′,5′′,6′′−テトラヒドロフタルイミドメチル)−5′−メチルフェニル}ベンゾトリアゾール等のベンゾトリアゾール類、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)セバケート、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)[{3,5−ビス(1,1−ジメチルエチル)−4−ヒドロキシフェニル}メチル]ブチルマロネート等のヒンダードアミン類などが挙げられる。これらは、単独で使用できるほか、2種以上を組み合わせて使用することが出来る。
これらの紫外線吸収剤は、シルセスキオキサン誘導体100重量部に対して好ましくは0.01から10重量部配合される。
上記光安定剤の具体例としては、例えば、ポリ[{6−(1,1,3,3,−テトラメチルブチル)アミノ−1,3,5−トリアジン−2,4−ジイル}{(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジン)イミノ}ヘキサメチレン{(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジン)イミノ}]等のヒンダードアミン類が挙げられる。これらは単独で使用できるほか、2種以上を組み合わせて使用することが出来る。
これらの光安定剤は、シルセスキオキサン(A)100重量部に対して好ましくは0.01から10重量部配合される。
本発明の樹脂組成物には、加熱時の酸化劣化を防止するために、酸化防止剤を添加することが出来る。この酸化防止剤としては、例えば、フェノール系、硫黄系、リン系酸化防止剤等が挙げられる。
フェノール系酸化防止剤の具体例としては、例えば、2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール、ジブチルヒドロキシトルエン、ブチル化ヒドロキシアニソール、2,6−ジ−t−ブチル−p−エチルフェノール、ステアリル−β−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート等のモノフェノール類、2,2′−メチレンビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2,2′−メチレンビス(4−エチル−6−t−ブチルフェノール)、4,4′−チオビス(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、4,4′−ブチリデンビス(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、3,9−ビス[1,1−ジメチル−2−{β−(3−t−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオニルオキシ}エチル]2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5,5]ウンデカン等のビスフェノール類、1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−t−ブチルフェニル)ブタン、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、テトラキス−[メチレン−3−(3′,5′−ジ−t−ブチル−4′−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタン、ビス[3,3′−ビス−(4′−ヒドロキシ−3′−t−ブチルフェニル)ブチリックアシッド]グリコールエステル、1,3,5−トリス(3′,5′−ジ−t−ブチル−4′−ヒドロキシベンジル)−S−トリアジン−2,4,6−(1H,3H,5H)トリオン、トコフェノール等の高分子型フェノール類が挙げられる。
硫黄系酸化防止剤としては、ジラウリル−3,3′−チオジプロピオネート、ジミリスチル−3,3′−チオジプロピオネート、ジステアリル−3,3′−チオジプロピオネート等が挙げられる。
リン系酸化防止剤としては、トリフェニルホスファイト、ジフェニルイソデシルホスファイト、フェニルジイソデシルホスファイト、トリス(ノニルフェニル)ホスファイト、ジイソデシルペンタエリスリトールホスファイト、トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ホスファイト、サイクリックネオペンタンテトライルビス(オクタデシル)ホスファイト、サイクリックネオペンタンテトライルビス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ホスファイト、サイクリックネオペンタンテトライルビス(2,4−ジ−t−ブチル−4−メチルフェニル)ホスファイト、ビス[2−t−ブチル−6−メチル−4−{2−(オクタデシルオキシカルボニル)エチル}フェニル]ヒドロゲンホスファイト等のホスファイト類、9,10−ジヒドロ−9−オキサ−10−ホスファフェナントレン−10−オキサイド、10−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−9,10−ジヒドロ−9−オキサ−10−ホスファフェナントレン−10−オキサイド、10−デシロキシ−9,10−ジヒドロ−9−オキサ−10−ホスファフェナントレン−10−オキサイド等のオキサホスファフェナントレンオキサイド類が挙げられる。
これら酸化防止剤は、単独で使用できるほか、2種以上を組み合わせて使用することが出来る。これらの酸化防止剤は、シルセスキオキサン(A)100重量部に対して好ましくは0.01から10重量部配合される。
本発明の光学樹脂は、シルセスキオキサンの有する硬度、透明性等の特性を生かしつつ、金属アルコキシドを硬化剤とともに使用することにより、シルセスキオキサン硬化物の改質を行うことができる。この改質は、主として、シルセスキオキサン同士を架橋する構造中に金属を含有させることに基づく。従って、シルセスキオキサンの特性を損なうことや変質させることがなく、しかも、硬化物の3次元構造中に、金属を化学結合により導入することができるという、従来にない構造に基づく金属含有シルセスキオキサン硬化物の性質を有する。このような性質は、例えば、光素子用封止樹脂として有利に利用することができる。
本発明の光学樹脂を適用できる光素子としては、発光素子、受光素子、複合光素子、光集積回路等があり、具体的には、例えば、LED、LD等が挙げられる。LED等の発光素子は、一般に、LEDチップ、リードフレーム、金線及び封止樹脂から構成される。例えば、近紫外LEDの構造は、一般に、金属ステムの上に電極配線サブマウントが設置され、その上にLEDチップがマウントされる。このサブマウント上のチップを本発明の光学樹脂で封止することにより、近紫外LED素子が形成される。また、白色発光LEDとするためにLEDチップ上に蛍光体層が配置されていてもよい。この蛍光体層の形成を本発明の光学樹脂を使用して行うことができる。一般には、この上にさらに封止材が適用されて白色発光LEDが形成される。同様にして、本発明の光学樹脂を使用して高輝度青色発光LEDを形成することができる。
以下、実施例により本発明をさらに具体的に説明するが、以下の記載は専ら説明のためであって、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
合成例1
シルセスキオキサン(SQ−1)の合成
撹拌機及び温度計を設置した反応容器に、MIBK150g、水酸化テトラメチルアンモニウムの20%水溶液4.9g(水酸化テトラメチルアンモニウム1.1mmol)、蒸留水13.8gを仕込んだ後、エチルトリメトキシシラン44.7g(297.5mmol)、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン10.0g(42.5mmol)を50〜55℃で徐々に加え、3時間撹拌放置した。反応終了後、系内にMIBK150gを加え、さらに60gの蒸留水で水層のpHが中性になるまで水洗した。次に80gの蒸留水で2回水洗後、減圧下でMIBKを留去して目的の化合物(SQ−1)を得た。Mwは8020であった。分散度Mw/Mn=1.6のラダー型もしくはランダム型構造を主体とするシルセスキオキサンを得た。
合成例2
シルセスキオキサン(SQ−2)の合成
撹拌機及び温度計を設置した反応容器に、MIBK180g、水酸化テトラメチルアンモニウムの20%水溶液12.1g(水酸化テトラメチルアンモニウム2.7mmol)、蒸留水13.8gを仕込んだ後、イソブチルトリメトキシシラン36.2g(203.0mmol)、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン143.8g(609.0mmol)を50〜55℃で徐々に加え、3時間撹拌放置した。反応終了後、系内にMIBK150gを加え、さらに60gの蒸留水で水層のpHが中性になるまで水洗した。次に80gの蒸留水で2回水洗後、減圧下でMIBKを留去して目的の化合物(SQ−2)を得た。Mwは3500であった。分散度Mw/Mn=1.5のラダー型もしくはランダム型構造を主体とするシルセスキオキサンを得た。
合成例3
シルセスキオキサン(SQ−3)の合成
撹拌機及び温度計を設置した反応容器に、MIBK150g、水酸化テトラメチルアンモニウムの20%水溶液4.8g(水酸化テトラメチルアンモニウム1.1mmol)、蒸留水13.5gを仕込んだ後、フェニルトリメトキシシラン42.1g(160.0mmol)、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン54.2g(160.0mmol)を50〜55℃で徐々に加え、3時間撹拌放置した。反応終了後、系内にMIBK150gを加え、さらに60gの蒸留水で水層のpHが中性になるまで水洗した。次に80gの蒸留水で2回水洗後、減圧下でMIBKを留去して目的の化合物(SQ−3)を得た。Mwは4800であった。分散度Mw/Mn=1.5のラダー型もしくはランダム型構造を主体とするシルセスキオキサンを得た。
合成例4
シルセスキオキサン(SQ−4)の合成
撹拌機及び温度計を設置した反応容器に、MIBK180g、水酸化テトラメチルアンモニウムの20%水溶液11.4g(水酸化テトラメチルアンモニウム2.5mmol)、蒸留水11.4gを仕込んだ後、イソオクチルトリメトキシシラン27.6g(382.0mmol)、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン90.4g(382.0mmol)を50〜55℃で徐々に加え、3時間撹拌放置した。反応終了後、系内にMIBK150gを加え、さらに60gの蒸留水で水層のpHが中性になるまで水洗した。次に80gの蒸留水で2回水洗後、減圧下でMIBKを留去して目的の化合物(SQ−4)を得た。Mwは2800であった。分散度Mw/Mn=1.4のラダー型もしくはランダム型構造を主体とするシルセスキオキサンを得た。
合成例5
シルセスキオキサン(SQ−5)の合成
撹拌機及び温度計を設置した反応容器に、MIBK180g、水酸化テトラメチルアンモニウムの20%水溶液4.5g(水酸化テトラメチルアンモニウム2.4mmol)、蒸留水12.8gを仕込んだ後、ドデシルトリメトキシシラン52.3g(180.0mmol)、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン127.7g(540.0mmol)を50〜55℃で徐々に加え、3時間撹拌放置した。反応終了後、系内にMIBK150gを加え、さらに60gの蒸留水で水層のpHが中性になるまで水洗した。次に80gの蒸留水で2回水洗後、減圧下でMIBKを留去して目的の化合物(SQ−5)を得た。Mwは6700であった。分散度Mw/Mn=1.4のラダー型もしくはランダム型構造を主体とするシルセスキオキサンを得た。
合成例6
シルセスキオキサン(SQ−6)の合成
撹拌機及び温度計を設置した反応容器に、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン
150.0g(634.8mmol)、THF 260g、蒸留水1.61gを入れ室温で攪拌した。そこへフッ化水素酸46%水溶液
13.8ml(317.4mol)を入れ室温で1時間攪拌した。次に反応液を分液漏斗へ移し替え、酢酸エチルを1000ml加え、0.2%炭酸水素ナトリウム水溶液で中和した。水洗後、有機層を取り出し、溶剤を留去して目的の化合物(SQ−6)を得た。Mwは1130であった。分散度Mw/Mn=1.0、IR測定で3500cm−1付近の残存シラノールのピークが消失した、籠型シルセスキオキサンを得た。
実施例1
合成例1で得られたシルセスキオキサン(SQ−1)を10重量部、脂環式酸無水物(新日本理化(株)製;商品名「リカシッドMH−700」)を3.5重量部、チタンメトキシドを2.0重量部、テトラフェニルホスホニウムブロミド0.05重量部、ジブチルヒドロキシトルエンを0.01重量部混ぜ合わせ、封止樹脂組成物を得た。
実施例2
合成例2で得られたシルセスキオキサン(SQ−2)を10重量部、脂環式酸無水物(新日本理化(株)製;商品名「リカシッドMH−700」)を3.0重量部、ジルコニウムメトキシドを2.0重量部、テトラフェニルホスホニウムブロミドを0.05重量部、ジブチルヒドロキシトルエンを0.01重量部混ぜ合わせ、封止樹脂組成物を得た。
実施例3
合成例3で得られたシルセスキオキサン(SQ−3)を10重量部、脂環式酸無水物(新日本理化(株)製;商品名「リカシッドMH−700」)を5.0重量部、チタンブトキシドを4.0重量部、テトラフェニルホスホニウムブロミドを0.05重量部、ジブチルヒドロキシトルエンを0.01重量部混ぜ合わせ、封止樹脂組成物を得た。
実施例4
合成例4で得られたシルセスキオキサン(SQ−4)を10重量部、脂環式酸無水物(新日本理化(株)製;商品名「リカシッドMH−700」)を4.5重量部、ジルコニウムブトキシドを4.0重量部、テトラフェニルホスホニウムブロミドを0.05重量部、ジブチルヒドロキシトルエンを0.01重量部混ぜ合わせ、封止樹脂組成物を得た。
実施例5
合成例5で得られたシルセスキオキサン(SQ−5)を10重量部、脂環式酸無水物(新日本理化(株)製;商品名「リカシッドMH−700」)を2.5重量部、チタンメトキシプロポキシドを4.0重量部、グリセリンジグリシジルエーテルを1.5重量部、テトラフェニルホスホニウムブロミドを0.05重量部、ジブチルヒドロキシトルエンを0.01重量部混ぜ合わせ、封止樹脂組成物を得た。
比較例1
ゴム状シリコーン樹脂(GEシリコーン(株)製「TSE−3033」)を用いた。
比較例2
合成例6で得られたSQ−6を10重量部、脂環式酸無水物(新日本理化(株)製;商品名「リカシッドMH−700」)を4.7重量部、テトラフェニルホスホニウムブロミドを0.05重量部、ジブチルヒドロキシトルエンを0.01重量部混合攪拌して封止樹脂組成物を得た。
比較例3
水素添加ビスフェノールAジグリシジルエーテル(新日本理化(株)製;商品名「リカレジンHBE−100」)を10重量部、脂環式酸無水物(新日本理化製;商品名「リカシッドMH−700」)を4.5重量部、テトラフェニルホスホニウムブロミドを0.05重量部、ジブチルヒドロキシトルエンを0.01重量部混合攪拌して封止樹脂組成物を得た。
評価方法
各実施例の組成物及び各比較例の樹脂又は組成物を用いて試験片を作成し(実施例1〜5及び比較例2、3の各封止樹脂組成物については120℃、10hの硬化条件、比較例1の樹脂については、150℃、1hrの硬化条件)、それぞれについて、以下の方法で、性能を評価した。結果を表1に示した。
(1)耐熱劣化性:1mm厚みの硬化物を150℃、100h曝露した後の470m波長光の透過率(%)を求めた。
(2)耐UV性:1mm厚みの硬化物をメタリングウエザーメーター(スガ試験機製M6T)63℃、100h曝露後の470nm波長光の透過率(%)を求めた。
(3)接着強度:アルミニウム製テストピース2枚を、所定の配合の樹脂を介し、20mm×10mmの面積で貼り合わせたものを120℃、10hrで硬化させた。これをインストロン万能試験にて5mm/minの速度で両側に引っ張り、破壊したときの強度を貼り合わせ面積で除したものを接着強度とした。
(4)透明性:1mm厚みの硬化物を上記硬化条件にて作成し、島津製作所社製分光光度計UV−2450にて470nm波長光の透過率(%)を求めた。
(5)屈折率:アッベ屈折計を用い、589nmにて屈折率を測定した。
Figure 2007016128
実施例の結果から、本発明の光学樹脂を使用した実施例1〜5は、耐熱劣化性、耐UV性、透明性において、本発明の構成を持たないシルセスキオキサン樹脂と少なくとも同程度か又はそれ以上の性能を確保しつつも、なおかつ、屈折率において、有意に優れていることが明らかであった。さらに、本発明の光学樹脂を使用した実施例1〜5は、接着強度において、比較例の樹脂、すなわち、本発明の構成を持たないシルセスキオキサン樹脂(比較例2)、エポキシ樹脂(比較例3)、と比べて顕著に向上していた。また、耐熱劣化性においても、本発明の構成を持たないシルセスキオキサン樹脂(比較例2)に比べて大幅に改善されていた。なお、従来技術に属する比較例1のシリコーン樹脂は、耐熱劣化性、耐UV性、透明性等において優れていたと評価し得るものの、接着強度が不良であった。
本発明の光学樹脂は、シルセスキオキサンの持つ有利な特性を保持しつつ、しかも接着強度、屈折率の改質が可能であり、透明性、耐熱劣化性、耐UV性等に優れた光素子封止材として極めて好適である。

Claims (8)

  1. 金属アルコキシド(C)の存在下に、反応性環状エーテル基を有するシルセスキオキサン(A)と、前記反応性環状エーテル基と反応可能な硬化剤(B)とを反応させてなる光学樹脂。
  2. 反応性環状エーテル基は、エポキシ基、3,4−エポキシシクロヘキシル基及びオキセタニル基からなる群から選択される少なくとも1種である請求項1記載の光学樹脂。
  3. シルセスキオキサン(A)は、ラダー型又はランダム型構造を有する請求項1又は2記載の光学樹脂。
  4. 硬化剤(B)は、酸無水物化合物である請求項1〜3のいずれか記載の光学樹脂。
  5. 金属アルコキシド(C)は、チタンアルコキシド及びジルコニウムアルコキシドからなる群から選択される少なくとも1種である請求項1〜4のいずれか記載の光学樹脂。
  6. 金属アルコキシド(C)は、β−ジケトン化合物又はβ−ケトエステル化合物からなる有機配位子を有する請求項1〜5のいずれか記載の光学樹脂。
  7. 金属アルコキシド(C)の存在下に、反応性環状エーテル基を有するシルセスキオキサン(A)と、前記反応性環状エーテル基と反応可能な硬化剤(B)とを反応させてなる光学樹脂のための樹脂組成物であって、反応性環状エーテル基を有するシルセスキオキサン(A)、前記反応性環状エーテル基と反応可能な硬化剤(B)及び金属アルコキシド(C)を必須成分とする樹脂組成物。
  8. 請求項1〜6のいずれか記載の光学樹脂を使用してなる光素子。
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