JP5561778B2 - 硬化性樹脂組成物およびその硬化物 - Google Patents
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Description
ところが、LED製品の発光波長の短波長化(主に青色発光をするLED製品で480nm以下の場合を示す)が進んだ結果、短波長の光の影響で前記封止材料がLEDチップ上で着色し最終的にはLED製品として、照度が低下してしまうという指摘がされている。
そこで、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3′,4′エポキシシクロヘキシルカルボキシレートに代表される脂環式エポキシ樹脂(特許文献1、2)や、シロキサン骨格(具体的にはSi−O結合を有した骨格)を導入したシリコーン変性エポキシ樹脂(特許文献3)を封止材として使用する検討が行われている。
しかし、一般にエポキシ樹脂やシリコーン変性エポキシ樹脂は、シリコーン樹脂に比べタックが少なく、耐ガス透過性において優れることが知られている。しかし、耐熱性については、いまだ十分ではなく、さらなる改善が課題となっている。
一方、シリコーン樹脂において、金属キレート化合物を添加した樹脂組成物を封止材として使用する検討が行われているが、耐腐食ガス透過性を確保するのが困難であった(特許文献4、5)。
そこで、タックが少なく、耐熱性、耐光性、耐腐食ガス透過性のバランスに優れる樹脂組成物の開発が望まれていた。
すなわち本発明は、
(1)
脂環式エポキシ樹脂および/またはオルガノポリシロキサン(A)と多価カルボン酸(B)、ジルコニウム塩および/またはジルコニウム錯体(C)を必須成分とする硬化性樹脂組成物、
ただし、脂環式エポキシ樹脂および/またはオルガノポリシロキサン(A)と多価カルボン酸(B)は以下の条件を満たす。
脂環式エポキシ樹脂および/またはオルガノポリシロキサン(A):
脂環式エポキシ樹脂は、骨格にエポキシシクロヘキサン構造を有する化合物であることを特徴とする
一方、オルガノポリシロキサンは、少なくとも、その分子中にグルシジル基および/またはエポキシシクロヘキシル基を有するエポキシ樹脂であることを特徴とする
多価カルボン酸(B):
少なくとも2つ以上のカルボキシル基を有し、脂肪族炭化水素基またはシロキサン骨格を主骨格とすることを特徴とする
(2)
ジルコニウム錯体(C)の配位子が、下記式(1)で表される構造を有することを特徴とする(1)記載の硬化性樹脂組成物、
(ただし、Yは炭素数1〜6のアルキル基または炭素数1〜3のアルコキシ基を示す。)
(3)
ジルコニウム錯体(C)の配位子が、下記式(2)で表される構造を有することを特徴とする(1)記載の硬化性樹脂組成物、
(ただし、Zは炭素数1〜3のアルキル基または炭素数1〜3のアルキル基を有するアルコキシ基を示す。m、nはそれぞれ1〜3の整数を示す。)
(4)
ジルコニウム塩および/またはジルコニウム錯体(C)が、ジルコニウム−2’−ヒドロキシ−4’,5’−ジメトキシアセトフェノン錯体、およびジルコニウム−イソバレリルアセトン錯体のうちの一方または両方であることを特徴とする(1)記載の硬化性樹脂組成物、
(5)
酸無水物を含有することを特徴とする前項(1)〜(4)のいずれか一項に記載の硬化性樹脂組成物、
(6)
多価カルボン酸(B)が炭素数5以上の2〜6官能の多価アルコールと飽和脂肪族環状酸無水物との反応により得られた化合物であることを特徴とする前項(1)〜(5)のいずれか一項に記載の硬化性樹脂組成物、
(7)
多価カルボン酸(B)が分岐鎖構造または環状構造を有する炭素数5以上の2〜6官能の多価アルコールまたはシロキサン構造を有する多価アルコールと、メチルヘキサヒドロ無水フタル酸またはシクロヘキサン−1,3,4−トリカルボン酸−3,4−無水物との反応により得られた化合物であることを特徴とする前項(1)〜(6)のいずれか一項に記載の硬化性樹脂組成物、
(8)
脂環式エポキシ樹脂として、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3’,4’−エポキシシクロヘキシルカルボキシレートまたは下記式(3)を含有することを特徴とする前項(1)〜(7)のいずれか一項に記載の硬化性樹脂組成物、
(9)
ヒンダードアミン系光安定剤と酸化防止剤を含有することを特徴とする前項(1)〜(3)のいずれか一項に記載の硬化性樹脂組成物、
(10)
前項(1)〜(3)のいずれか一項に記載の硬化性樹脂組成物を硬化してなる硬化物、
に関する。
本発明のエポキシ樹脂組成物は脂環式エポキシ樹脂および/またはオルガノポリシロキサン(A)と多価カルボン酸(B)、ジルコニウム塩および/またはジルコニウム錯体(C)を必須成分とする。
脂環式エポキシ樹脂および/またはオルガノポリシロキサン(A)のうち、脂環式エポキシ樹脂は骨格にエポキシシクロヘキサン構造を有する化合物であることを特徴とし、一般に環状の不飽和結合を酸化しエポキシ化合物を合成することにより得られる。
本発明において、構造については特に限定されないが、シクロヘキセン構造を有する化合物の酸化反応により得られるエポキシ樹脂が特に好ましい。
具体的には、シクロヘキセンカルボン酸とアルコール類とのエステル化反応あるいはシクロヘキセンメタノールとカルボン酸類とのエステル化反応(Tetrahedron vol.36 p.2409 (1980)、Tetrahedron Letter p.4475 (1980)等に記載の手法)、あるいはシクロヘキセンアルデヒドのティシェンコ反応(特開2003−170059号公報、特開2004−262871号公報等に記載の手法)、さらにはシクロヘキセンカルボン酸エステルのエステル交換反応(特開2006−052187号公報等に記載の手法)によって製造できる化合物を酸化した物などが挙げられる。
アルコール類としては、アルコール性水酸基を有する化合物であれば特に限定されないがエチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,2−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、シクロヘキサンジメタノール、2,4−ジエチルペンタンジオール、2−エチル−2−ブチル−1,3−プロパンジオール、ネオペンチルグリコール、トリシクロデカンジメタノール、ノルボルネンジオールなどのジオール類、グリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、トリメチロールブタン、2−ヒドロキシメチル−1,4−ブタンジオールなどのトリオール類、ペンタエリスリトール、ジトリメチロールプロパンなどのテトラオール類などが挙げられる。またカルボン酸類としてはシュウ酸、マレイン酸、フマル酸、フタル酸、イソフタル酸、アジピン酸、シクロヘキサンジカルボン酸などが挙げられるがこれに限らない。
これらエポキシ樹脂の具体例としては、ERL−4221、UVR−6105、ERL−4299(全て商品名、いずれもダウ・ケミカル製)、セロキサイド2021P、エポリードGT401、EHPE3150、EHPE3150CE(全て商品名、いずれもダイセル化学工業製)、ジシクロペンタジエンジエポキシドおよび下記式(3)
で表されるエポキシ樹脂などが挙げられるがこれらに限定されるものではない。
良好な耐熱性、耐光性を付与する観点から、式(3)で表されるエポキシ樹脂を好適に使用することができる。
これらは単独で用いてもよく、2種以上併用してもよい。
脂環式エポキシ樹脂を使用することで、シリコーン樹脂に比べ、タックが少なく、耐腐食ガス透過性に優れる樹脂組成物を得ることが可能となる。
具体的には特開2004−256609号公報、特開2004−346144号公報、国際公開第2004/072150号、特開2006−8747号公報、国際公開第2006/003990号、特開2006−104248号公報、国際公開第2007/135909号、特開2004−10849号公報、特開2004−359933号公報、国際公開第2005/100445号、特開2008−174640号公報等に記載の三次元に広がる網の目状の構造を有したシルセスキオキサンタイプのオルガノポリシロキサンが挙げられる。
本発明において、構造については特に限定されないが、単純な三次元網目構造のシロキサン化合物では硬すぎるため、硬さを緩和する構造が望まれる。本発明においては特にシリコーンセグメントとカップリング材の前述のシルセスキオキサン構造とを1分子中に有するブロック構造体が好ましい(以下、ブロック型シロキサン化合物(D)と称す)。
XSi(OR1)3 (4)
一般式(4)中のXとしては、エポキシ基を有する有機基であれば特に制限はない。例えば、β−グリシドキシエチル、γ−グリシドキシプロピル、γ−グリシドキシブチル等のグリシドキシ炭素数1〜4アルキル基、グリシジル基、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチル基、γ−(3,4−エポキシシクロヘキシル)プロピル基、β−(3,4−エポキシシクロヘプチル)エチル基、β−(3,4エポキシシクロヘキシル)プロピル基、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)ブチル基、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)ペンチル基等のオキシラン基を持った炭素数5〜8のシクロアルキル基で置換された炭素数1〜5のアルキル基が挙げられる。これらの中で、グリシドオキシ基で置換された炭素数1〜3のアルキル基、エポキシ基を有する炭素数5〜8のシクロアルキル基で置換された炭素数1〜3のアルキル基、例えば、β−グリシドキシエチル基、γ−グリシドキシプロピル基、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチル基が好ましく、特に耐熱着色性に優れることからβ−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチル基が好ましい。
一般式(5)の式中、複数存在するR2は互いに同一であっても異なっていてもよく、炭素数1〜10のアルキル基、炭素数6〜14のアリール基、炭素数2〜10のアルケニル基を示す。
炭素数1〜10のアルキル基としては、炭素数1〜10の直鎖状、分岐状もしくは環状のアルキル基が挙げられ、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、i−ブチル基、sec−ブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、i−ペンチル基、アミル基、n−ヘキシル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、オクチル基、2−エチルヘキシル基、ノニル基、デシル基等を挙げることができる。これらの中で、耐光性を考慮すると、メチル基、エチル基、シクロヘキシル基が好ましい。
炭素数6〜14のアリール基としては、例えば、フェニル基、o−トリル基、m−トリル基、p−トリル基、キシリル基等を挙げることができる。
炭素数2〜10のアルケニル基としては、ビニル基、1−メチルビニル基、アリル基、プロペニル基、ブテニル基、ペンテニル基、ヘキセニル基等のアルケニル基等を挙げることができる。
R2は耐光性、耐熱性の観点から、メチル基、フェニル基、シクロヘキシル基、n−プロピル基が好ましく、特にメチル基、フェニル基が好ましい。タックを防ぎ、耐腐食ガス透過性を向上させる観点から考えると、フェニル基が好ましい。
GPCの各種条件
メーカー:島津製作所
カラム:ガードカラム SHODEX GPC LF−G LF−804(3本)
流速:1.0ml/min.
カラム温度:40℃
使用溶剤:THF(テトラヒドロフラン)
検出器:RI(示差屈折検出器)
一般式(6)中のR3は、メチル基又はフェニル基を示す。
当量値が200を超えるとブロック型シロキサン化合物(D)を用いた硬化物が硬くなりすぎて目的の低弾性率特性が低下する。
製造工程(i):シラノール末端シリコーンオイルとアルコキシ基を有するケイ素化合物の脱アルコール縮合を行なう工程
製造工程(ii):水を添加しアルコキシ基を有するケイ素化合物のアルコキシ基同士の加水分解縮合を行なう工程
製造工程(i)(ii)は各工程を経由すれば、どのような順に反応を行ってもかまわない。
<製造方法(イ)>
まず、製造工程(i)として末端にシラノール基を有するシリコーンオイル(b)とアルコキシ基を有するケイ素化合物であるアルコキシシラン(a)および/またはアルコキシシラン(c)との脱アルコール縮合反応により、シリコーンオイル末端をアルコキシシラン変性することにより、アルコキシシラン変性体(d)を得る工程を行う。
次いで製造工程(ii)としてアルコキシ基を有するケイ素化合物であるアルコキシシラン(a)(必要に応じてアルコキシシラン(c))、および製造工程(i)で得られたシリコーンオイルのアルコキシシラン変性体(d)に水を添加してアルコキシ基同士の加水分解縮合反応を行う工程を経ることによりブロック型シロキサン化合物(D)を製造する方法。
<製造方法(ロ)>
まず、製造工程(ii)としてアルコキシ基を有するケイ素化合物であるアルコキシシラン(a)(必要に応じてアルコキシシラン(c))の水の添加によるアルコキシ基同士の加水分解縮合反応を行うことで分子内にアルコキシ基を有するシルセスキオキサン(e)を得る工程を行う。
次いで製造工程(i)として末端にシラノール基を有するシリコーンオイル(b)とシルセスキオキサン(e)との反応により、シルセスキオキサン構造に残存するアルコキシ基とシラノール基の脱アルコール縮合反応させる工程を経ることにより、ブロック型シロキサン化合物(D)を製造する方法
<製造方法(ハ)>
まず、製造工程(i)として末端にシラノール基を有するシリコーンオイル(b)とアルコキシ基を有するケイ素化合物であるアルコキシシラン(a)および/またはアルコキシシラン(c)との脱アルコール縮合反応により、シリコーンオイル末端をアルコキシシラン変性することによりアルコキシシラン変性体(d)とした後、系内に水を添加し、ワンポットで製造工程(ii)として残存する(a)(必要に応じて(c))、および(d)のアルコキシ基同士の加水分解縮合反応を行うことによりブロック型シロキサン化合物(D)を製造する方法
以下、さらに具体的に製造方法(ハ)について述べる。
ワンポットで反応させる場合、前述の製造方法(ハ)と逆の順番、すなわち、製造工程(ii)の後に製造工程(i)を行なうと、製造工程(ii)で形成されたアルコキシ基を有するシルセスキオキサンオリゴマーとシリコーンオイル(b)とが、相溶せず、後の製造工程(i)において脱アルコール縮合重合が進行せず、シリコーンオイルが取り残されてしまう可能性が高い。一方で、製造方法(ハ)のように製造工程(i)の後にワンポットで製造工程(ii)を行なう方法を用いれば、シリコーンオイル(b)とアルコキシシラン(a)や(c)との相溶性が比較的高いため、前述のように相溶せずに反応が進行しない、という問題は回避できる。さらにはシラノール基に対して未反応の低分子アルコキシシランが多量に存在することになるため、反応性の観点からも好ましい。ワンポットで行なう場合の製造工程(i)を第1段階反応、製造工程(ii)を第2段階反応とすると、まず第1段階反応(製造工程(i))において、シリコーンオイル(b)とアルコキシシラン(a)(必要に応じてアルコキシシラン(c))の脱アルコール縮合を行ない、シリコーンオイルの末端をアルコキシシリル変性させ、アルコキシシラン変性体(d)を得る。第1段反応においては水を添加していないので、アルコキシ基同士の加水分解縮合は起こらず、シラノール基1当量に対して、アルコキシ基を3当量以上用いて反応させた場合、アルコキシシラン変性体(d)は下記式(7)で示されるような構造で存在していると考えられる。
(I)系中に残存しているアルコキシシラン(a)(必要に応じてアルコキシシラン(c))のアルコキシ基同士の縮合反応。
(II)第1段階反応で得られたアルコキシシラン変性体(d)とアルコキシシラン(a)(必要に応じてアルコキシシラン(c))のアルコキシ基同士の縮合反応。
(III)第1段階反応で得られたアルコキシシラン変性体(d)と(I)で生成したアルコキシシラン(a)(必要に応じてアルコキシシラン(c))の部分縮合物のアルコキシ基同士の縮合反応。
第2段階反応においては上記反応が複合して起こり、シルセスキオキサンセグメントの形成と、さらにシリコーンオイル由来の鎖状シリコーンセグメントとの縮合が同時に行なわれる。
触媒の添加方法は、直接添加するか、可溶性の溶剤等に溶解させた状態で使用する。その中でもメタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール等のアルコール類に触媒をあらかじめ溶解させた状態で添加するのが好ましい。この際に、水等を用いた水溶液として添加することは、前記したように、アルコキシシラン(a)(必要に応じてアルコキシシラン(c))の縮合を一方的に進行させ、それにより生成したシルセスキオキサンオリゴマーと、シリコーンオイル(b)とが相溶せず白濁する可能性がある。
中和反応には酸性または塩基性を示す化合物であれば使用する事ができる。酸性を示す化合物の例としては、塩酸、硫酸、硝酸等の無機酸や蟻酸、酢酸、蓚酸等の有機酸が挙げられる。また、塩基性を示す化合物の例としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム、水酸化セシウムのようなアルカリ金属水酸化物、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウムのようなアルカリ金属炭酸塩、燐酸、燐酸二水素ナトリウム、燐酸水素二ナトリウム、燐酸トリナトリウム、ポリ燐酸、トリポリ燐酸ナトリウムのようなリン酸塩類等の無機塩基、アンモニア、トリエチルアミン、ジエチレントリアミン、n−ブチルアミン、ジメチルアミノエタノール、トリエタノールアミン、テトラメチルアンモニウムハイドロオキサイド等の有機塩基を使用することができる。これらの中でも、特に生成物からの除去が容易である点で無機塩基もしくは無機酸が好ましく、さらに好ましくは中性付近へのpHの調整がより容易である燐酸塩類等である。
活性白土としては、例えば、東新化成社製として、活性白土SA35、SA1、T、R−15、E、ニッカナイトG−36、G−153、G−168が、水沢化学工業社製として、ガレオンアース、ミズカエース等が挙げられる。活性炭としては、例えば、味の素ファインテクノ社製として、CL−H、Y−10S、Y−10SFがフタムラ化学社製として、S、Y、FC、DP、SA1000、K、A、KA、M、CW130BR、CW130AR、GM130A等が挙げられる。ゼオライトとしては、例えば、ユニオン昭和社製として、モレキュラーシーブ3A、4A、5A、13X等が挙げられる。合成吸着剤としては、例えば、協和化学社製として、キョーワード100、200、300、400、500、600、700、1000、2000や、ローム・アンド・ハース社製として、アンバーリスト15JWET、15DRY、16WET、31WET、A21、アンバーライトIRA400JCl、IRA403BLCl、IRA404JClや、ダウ・ケミカル社製、ダウエックス66、HCR−S、HCR−W2、MAC−3等が挙げられる。
吸着剤を反応液に加え、攪拌、加熱等の処理を行い、触媒を吸着した後に、吸着剤をろ過、さらには残渣を水洗することによって、触媒、吸着剤を除くことができる。
重量平均分子量はGPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)を用いて下記条件下測定されたポリスチレン換算の重量平均分子量(Mw)である。
GPCの各種条件
メーカー:島津製作所
カラム:ガードカラム SHODEX GPC LF−G LF−804(3本)
流速:1.0ml/min.
カラム温度:40℃
使用溶剤:THF(テトラヒドロフラン)
検出器:RI(示差屈折検出器)
存在するケイ素原子の割合は、ブロック型シロキサン化合物(D)の1H NMR、29Si NMR、元素分析等によって求めることができる。
このような、分子中にグリシジル基および/またはエポキシシクロヘキシル基を有するエポキシ樹脂であるオルガノポリシロキサンを用いることで、シリコーン樹脂に比べ、タック性がなく、耐腐食ガス透過性に優れた硬化物を提供できる樹脂組成物を得ることが出来る。
多価カルボン酸(B)としては、特に2〜6官能のカルボン酸が好ましく、炭素数5以上の2〜6官能の多価アルコールまたはシロキサン構造を有する多価アルコールと酸無水物との反応により得られた化合物がより好ましい。さらには上記酸無水物が飽和脂肪族環状酸無水物であるポリカルボン酸が好ましい。
2〜6官能の多価アルコールとしてはアルコール類としては、アルコール性水酸基を有する化合物であれば特に限定されないがエチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,2−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、シクロヘキサンジメタノール、2,4−ジエチルペンタンジオール、2−エチル−2−ブチル−1.3−プロパンジオール、ネオペンチルグリコール、トリシクロデカンジメタノール、ノルボルネンジオール等のジオール類、グリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、トリメチロールブタン、2−ヒドロキシメチル−1,4−ブタンジオール等のトリオール類、ペンタエリスリトール、ジトリメチロールプロパン等のテトラオール類、ジペンタエリスリトールなどのヘキサオール類等が挙げられる。
特に好ましいアルコール類としては炭素数が5以上のアルコールであり、特に1,6-ヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、1,3−シクロヘキサンジメタノール、1,2−シクロヘキサンジメタノール、2,4−ジエチルペンタンジオール、2−エチル−2−ブチル−1,3−プロパンジオール、ネオペンチルグリコール、トリシクロデカンジメタノール、ノルボルネンジオール等の化合物が挙げられ、中でも2−エチル−2−ブチル−1,3−プロパンジオール、ネオペンチルグリコール、2,4−ジエチルペンタンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、トリシクロデカンジメタノール、ノルボルネンジオール等の分岐鎖状構造や環状構造を有するアルコール類がより好ましい。高い照度保持率を付与する観点から、2,4−ジエチルペンタンジオール、トリシクロデカンジメタノールが特に好ましい。
シロキサン構造を有する多価アルコールは特に限定されないが、例えば下記式(8)で表されるシリコーンオイルを使用することができる。
(式(8)において、A1はエーテル結合を介しても良い炭素総数1〜10アルキレン基を表し、A2はメチル基又はフェニル基を表す。また、nは繰り返し数であり平均値を意味し、1〜100である。)
酸無水物としては特にメチルテトラヒドロ無水フタル酸、無水メチルナジック酸、無水ナジック酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、メチルヘキサヒドロ無水フタル酸、ブタンテトラカルボン酸無水物、ビシクロ[2,2,1]ヘプタン−2,3−ジカルボン酸無水物、メチルビシクロ[2,2,1]ヘプタン−2,3−ジカルボン酸無水物、シクロヘキサン−1,3,4−トリカルボン酸−3,4−無水物等が好ましく、中でもメチルヘキサヒドロ無水フタル酸、シクロヘキサン−1,3,4−トリカルボン酸−3,4−無水物が好ましい。ここで、硬度を上げるためには、シクロヘキサン−1,3,4−トリカルボン酸−3,4−無水物が好ましく、照度保持率を上げるためにはメチルヘキサヒドロ無水フタル酸無水物が好ましい。
付加反応の条件としては特に指定はないが、具体的な反応条件の1つとしては酸無水物、多価アルコールを無触媒、無溶剤の条件下、40〜150℃で反応させ加熱し、反応終了後、そのまま取り出す。という手法である。ただし、本反応条件に限定されない。
(式中、複数存在するQは、水素原子、メチル基、カルボキシル基の少なくとも1種を表す。Pは前述の多価アルコール由来の炭素数2〜20の鎖状、環状の脂肪族基である。mは2〜4である。)
で表される化合物が好ましい。
特にメチルテトラヒドロ無水フタル酸、無水メチルナジック酸、無水ナジック酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、メチルヘキサヒドロ無水フタル酸、ブタンテトラカルボン酸無水物、ビシクロ[2,2,1]ヘプタン−2,3−ジカルボン酸無水物、メチルビシクロ[2,2,1]ヘプタン−2,3−ジカルボン酸無水物、シクロヘキサン−1,3,4−トリカルボン酸−3,4−無水物等が好ましい。
特に好ましくは下記式(10)
(式中、存在するSは、水素原子、メチル基、カルボキシル基の少なくとも1種以上を表す。)
で表されるヘキサヒドロ無水フタル酸、メチルヘキサヒドロ無水フタル酸、シクロヘキサン−1,3,4−トリカルボン酸−3,4−無水物が好ましく、中でもメチルヘキサヒドロ無水フタル酸、シクロヘキサン−1,3,4−トリカルボン酸−3,4−無水物が好ましい。
W1/(W1+W2)=0.05〜0.70
ただし、W1は多価カルボン酸(B)の配合重量部、W2は酸無水物の配合重量部を示す。W1/(W1+W2)の範囲として、より好ましくは、0.05〜0.60、さらに好ましくは0.10〜0.55、特に好ましくは0.15〜0.4である。0.05を下回ると、硬化時に酸無水物の揮発が多くなる傾向がつよく、好ましくない。0.70を越えると高い粘度となり、取り扱いが難しくなる。酸無水物を含有させない(少量残存する場合は除く)場合、その形状は固形もしくは固形に近い状態、もしくは結晶となるため、問題はない。
多価カルボン酸(B)と酸無水物を併用する場合、多価カルボン酸(B)の製造時に過剰の酸無水物の中で製造し、多価カルボン酸(B)と酸無水物の混合物を作るという手法も操作の簡便性の面から好ましい。
ジルコニウム塩および/またはジルコニウム錯体(C)としては、例えば、2−エチルヘキサン酸ジルコニウム、ナフテン酸ジルコニウム、ステアリン酸ジルコニウム、ジルコニウム−アセチルアセトン錯体、ジルコニウム−アセト酢酸エチル錯体、ジルコニウム−2’−ヒドロキシ−4’5‘−ジメトキシアセトフェノン錯体、ジルコニウム−イソバレリルアセトン錯体、リン酸のジルコニウム塩および/または錯体、リン酸2−エチルヘキシルのジルコニウム塩および/または錯体が挙げられる。
ここで、良好な耐熱性、耐光性を付与する観点からジルコニウム錯体を好適に使用することができる。
(ただし、Yは炭素数1〜6のアルキル基または炭素数1〜3のアルコキシ基を示す。)
(ただし、Zは炭素数1〜3のアルキル基または炭素数1〜3のアルコキシ基を示す。m、nはそれぞれ1〜3の整数を示す。)
前記アミン化合物としては、例えば、テトラキス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)=1,2,3,4−ブタンテトラカルボキシラート、テトラキス(2,2,6,6−トトラメチル−4−ピペリジル)=1,2,3,4−ブタンテトラカルボキシラート、1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸と1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジノールおよび3,9−ビス(2−ヒドロキシ−1,1−ジメチルエチル)−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5.5]ウンデカンとの混合エステル化物、デカン二酸ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート、ビス(1−ウンデカンオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル)カーボネート、2,2,6,6,−テトラメチル−4−ピペリジルメタクリレート、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)セバケート、4−ベンゾイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、1−〔2−〔3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシ〕エチル〕−4−〔3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシ〕−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジニル−メタアクリレート、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジニル)〔〔3,5−ビス(1,1−ジメチルエチル)−4−ヒドロキシフェニル〕メチル〕ブチルマロネート、デカン二酸ビス(2,2,6,6−テトラメチル−1(オクチルオキシ)−4−ピペリジニル)エステル,1,1−ジメチルエチルヒドロペルオキシドとオクタンの反応生成物、N,N′,N″,N″′−テトラキス−(4,6−ビス−(ブチル−(N−メチル−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル)アミノ)−トリアジン−2−イル)−4,7−ジアザデカン−1,10−ジアミン、ジブチルアミン・1,3,5−トリアジン・N,N′−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル−1,6−ヘキサメチレンジアミンとN−(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)ブチルアミンの重縮合物、ポリ〔〔6−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)アミノ−1,3,5−トリアジン−2,4−ジイル〕〔(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ〕ヘキサメチレン〔(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ〕〕、コハク酸ジメチルと4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチル−1−ピペリジンエタノールの重合物、2,2,4,4−テトラメチル−20−(β−ラウリルオキシカルボニル)エチル−7−オキサ−3,20−ジアザジスピロ〔5・1・11・2〕ヘネイコサン−21−オン、β−アラニン,N,−(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジニル)−ドデシルエステル/テトラデシルエステル、N−アセチル−3−ドデシル−1−(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジニル)ピロリジン−2,5−ジオン、2,2,4,4−テトラメチル−7−オキサ−3,20−ジアザジスピロ〔5,1,11,2〕ヘネイコサン−21−オン、2,2,4,4−テトラメチル−21−オキサ−3,20−ジアザジシクロ−〔5,1,11,2〕−ヘネイコサン−20−プロパン酸ドデシルエステル/テトラデシルエステル、プロパンジオイックアシッド,〔(4−メトキシフェニル)−メチレン〕−ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジニル)エステル、2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジノールの高級脂肪酸エステル、1,3−ベンゼンジカルボキシアミド,N,N′−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジニル)等のヒンダートアミン系、オクタベンゾン等のベンゾフェノン系化合物、2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)フェノール、2−(2−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−〔2−ヒドロキシ−3−(3,4,5,6−テトラヒドロフタルイミド−メチル)−5−メチルフェニル〕ベンゾトリアゾール、2−(3−tert−ブチル−2−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(2−ヒドロキシ−3,5−ジ−tert−ペンチルフェニル)ベンゾトリアゾール、メチル3−(3−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−5−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネートとポリエチレングリコールの反応生成物、2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−6−ドデシル−4−メチルフェノール等のベンゾトリアゾール系化合物、2,4−ジ−tert−ブチルフェニル−3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンゾエート等のベンゾエート系、2−(4,6−ジフェニル−1,3,5−トリアジン−2−イル)−5−〔(ヘキシル)オキシ〕フェノール等のトリアジン系化合物等が挙げられるが、特に好ましくは、ピペリジン骨格を有するヒンダートアミン系化合物である。
例えば、チバスペシャリティケミカルズ製として、THINUVIN765、THINUVIN770DF、THINUVIN144、THINUVIN123、THINUVIN622LD、THINUVIN152、CHIMASSORB944、アデカ製として、LA−52、LA−57、LA−62、LA−63P、LA−77Y、LA−81、LA−82、LA−87などが挙げられる。
光安定剤の比率が脂環式エポキシ樹脂および/またはオルガノポリシロキサン(A)に対して0.005重量%未満では、耐光性の改善効果が不十分である。一方、5重量%より多いと、樹脂硬化物が着色し、照度の低下を招くため好ましくない。
併用できる硬化剤としては、例えばアミン系化合物、酸無水物系化合物、アミド系化合物、フェノール系化合物、カルボン酸系化合物等が挙げられる。用いうる硬化剤の具体例としては、アミン類やポリアミド化合物(ジアミノジフェニルメタン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、ジアミノジフェニルスルホン、イソホロンジアミン、ジシアンジアミド、リノレン酸の2量体とエチレンジアミンより合成されるポリアミド樹脂等)、酸無水物とシリコーン系のアルコール類との反応物(無水フタル酸、無水トリメリット酸、無水ピロメリット酸、無水マレイン酸、テトラヒドロ無水フタル酸、メチルテトラヒドロ無水フタル酸、無水メチルナジック酸、無水ナジック酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、メチルヘキサヒドロ無水フタル酸、ブタンテトラカルボン酸無水物、ビシクロ[2,2,1]ヘプタン−2,3−ジカルボン酸無水物、メチルビシクロ[2,2,1]ヘプタン−2,3−ジカルボン酸無水物、シクロヘキサン−1,3,4−トリカルボン酸−3,4−無水物、等の酸無水物とカルビノール変性シリコーン等のシリコーン系アルコール類との反応物等)、多価フェノール類(ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールS、フルオレンビスフェノール、テルペンジフェノール、4,4’−ビフェノール、2,2’−ビフェノール、3,3’,5,5’−テトラメチル−[1,1’−ビフェニル]−4,4’−ジオール、ハイドロキノン、レゾルシン、ナフタレンジオール、トリス−(4−ヒドロキシフェニル)メタン、1,1,2,2−テトラキス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、フェノール類(フェノール、アルキル置換フェノール、ナフトール、アルキル置換ナフトール、ジヒドロキシベンゼン、ジヒドロキシナフタレン等)とホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、ベンズアルデヒド、p−ヒドロキシベンズアルデヒド、o−ヒドロキシベンズアルデヒド、p−ヒドロキシアセトフェノン、o−ヒドロキシアセトフェノン、ジシクロペンタジエン、フルフラール、4,4’−ビス(クロロメチル)−1,1’−ビフェニル、4,4’−ビス(メトキシメチル)−1,1’−ビフェニル、1,4’−ビス(クロロメチル)ベンゼン、1,4’−ビス(メトキシメチル)ベンゼン等との重縮合物およびこれらの変性物、テトラブロモビスフェノールA等のハロゲン化ビスフェノール類、テルペンとフェノール類の縮合物)、その他(イミダゾール、トリフルオロボラン−アミン錯体、グアニジン誘導体、等)等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。これらは単独で用いてもよく、2種以上を用いてもよい
次に本発明の硬化性樹脂組成物を光半導体の封止材またはダイボンド材として用いる場合について詳細に説明する。
注入方法としては、ディスペンサー、トランスファー成形、射出成形等が挙げられる。
加熱は、熱風循環式、赤外線、高周波等の方法が使用できる。 加熱条件は例えば80〜230℃で1分〜24時間程度が好ましい。加熱硬化の際に発生する内部応力を低減する目的で、例えば80〜120℃、30分〜5時間予備硬化させた後に、120〜180℃、30分〜10時間の条件で後硬化させることができる。
(1)分子量:ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)法により、下記条件下測定されたポリスチレン換算、重量平均分子量を算出した。
GPCの各種条件
メーカー:島津製作所
カラム:ガードカラム SHODEX GPC LF−G LF−804(3本)
流速:1.0ml/min.
カラム温度:40℃
使用溶剤:THF(テトラヒドロフラン)
検出器:RI(示差屈折検出器)
(2)エポキシ当量:JIS K−7236に記載の方法で測定。
(3)粘度:東機産業株式会社製E型粘度計(TV−20)を用いて25℃で測定。
以下、合成例、実施例により本発明を更に詳細に説明する。なお、合成例、実施例において「部」は重量部を、「%」は重量%をそれぞれ意味する。
第1段階反応として、β-(3,4エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン106部、重量平均分子量1700(GPC測定値)のシラノール末端メチルフェニルシリコーンオイル234部(シラノール当量850、GPCを用いて測定した重量平均分子量の半分として算出した。)、0.5%水酸化カリウム(KOH)メタノール溶液18部(KOH部数としては、0.09部)を反応容器に仕込み、バス温度を75℃に設定し、昇温した。昇温後、還流下にて8時間反応させた。
第2段階反応として、メタノールを305部追加後、50%蒸留水メタノール溶液86.4部を60分かけて滴下し、還流下75℃にて8時間反応させた。反応終了後、5%リン酸2水素ナトリウム水溶液で中和後、80℃でメタノールの蒸留回収を行った。メチルイソブチルケトン(MIBK)380部を添加し、水洗を3回繰り返した。次いで有機相を減圧下、100℃で溶媒を除去することにより反応性官能基を有するオルガノポリシロキサン化合物(A−1)300部を得た。得られた化合物のエポキシ当量は718g/eq、重量平均分子量は2200、外観は液状で無色透明であった。
撹拌機、還流冷却管、撹拌装置、ディーンスターク管を備えたフラスコに、窒素パージを施しながら、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸ジメチル200部、3−シクロヘキセン−1−メタノール336部、オルトチタン酸テトラブチル0.1部を加え、140℃で1時間、150℃で1時間、160℃で1時間、170℃で10時間、生成するメタノールを除きながら反応を行った。反応終了後、トルエン580部を加え、10%水酸化ナトリウム水溶液120部でアルカリ水洗を3回行い、さらに得られた有機層を水70部/回で水層が中性になるまで水洗した後、ロータリーエバポレータでトルエン及び未反応の3−シクロヘキセン−1−メタノールを留去することでジオレフィン化合物が345部得られた。ゲルパーミエーションクロマトグラフィーによる分析の結果、95%の純度である事を確認した。
次いで、撹拌機、還流冷却管、撹拌装置を備えたフラスコに、水15部、12−タングストリン酸0.95部、燐酸水素2ナトリウム0.78部、ジ牛脂アルキルジメチルアンモニウムアセテート2.7部(ライオンアクゾ製 50%ヘキサン溶液、アカード2HTアセテート)を加え、タングステン酸系触媒を生成させた後、トルエン180部、得られたジオレフィン化合物を118部加え、さらに再度攪拌することでエマルジョン状態の液とした。この溶液を50℃に昇温し、激しく攪拌しながら、35%過酸化水素水70部を加え、そのまま50℃で13時間攪拌した。反応終了後、1%水酸化ナトリウム水溶液で中和した後、20%チオ硫酸ナトリウム水溶液25部を加え30分攪拌を行い、静置した。2層に分離した有機層を取り出し、ここにシリカゲル(ワコーゲル C−300)10部、活性炭(NORIT製 CAP SUPER)20部、ベントナイト(ホージュン製 ベンゲルSH)20部を加え、室温で1時間攪拌後、ろ過した。得られたろ液を水100部で3回水洗を行い、得られた有機層より、有機溶剤を留去することでエポキシ樹脂(A−2;下記式(11))122部を得た。得られたエポキシ樹脂は液状であり、エポキシ当量は206g/eq.であった。ゲルパーミエーションクロマトグラフィーによる分析の結果、95%の純度である事を確認した。
撹拌機、還流冷却管、撹拌装置を備えたフラスコに、窒素パージを施しながらトリシクロデカンジメタノール20部、メチルヘキサヒドロフタル酸無水物(新日本理化(株)製、リカシッドMH 以下、酸無水物H−1と称す)100部を加え、40℃で3時間反応後70℃で1時間加熱撹拌を行うことで(GPCによりトリシクロデカンジメタノールの消失(1面積%以下)を確認した。)多価カルボン酸(I−1;下記式(12))と酸無水物(H−1) を含有する硬化剤組成物(B−1)が120部得られた。得られた硬化剤組成物は無色の液状樹脂であり、GPCによる純度は多価カルボン酸(I−1)を55面積%、酸無水物(H−1)が45面積%であった。また、官能基当量は201g/eq.であった。
式(11)
撹拌機、還流冷却管、撹拌装置を備えたフラスコに、窒素パージを施しながらトリシクロデカンジメタノール15部、酸無水物(H−1)70部、シクロヘキサン−1,2,4−トリカルボン酸−1,2−無水物(三菱ガス化学製 H−TMAn)15部を加え、40℃で3時間反応後70℃で1時間加熱撹拌を行うことで(GPCによりトリシクロデカンジメタノールの消失(1面積%以下)を確認した。)多価カルボン酸(I−2;下記式(13))と酸無水物(H−1)を含有する硬化剤組成物(B−2)が100部得られた。得られた硬化剤組成物は無色の液状樹脂であり、GPCによる純度は多価カルボン酸(I−2)を37面積%、シクロヘキサン−1,2,4−トリカルボン酸-1,2-無水物が11面積%、酸無水物(H−1)が52面積%であった。また、官能基当量は171g/eq.であった。
エポキシ樹脂として合成例1で得られたオルガノポリシロキサン化合物(A−1)、硬化剤として、合成例3で得られた硬化剤組成物(B−1)(オルガノポリシロキサン(A)と硬化剤組成物(B)の比率は官能基当量で1:0.9)、硬化促進剤としてジルコニウム−2’−ヒドロキシ−4’,5’−ジメトキシアセトフェノン錯体(King Industries社製 K−KAT 4205 以下、触媒C−1)、光安定剤として2−[(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジルオキシ)カルボニルアミノ]エチル=メタクリラート(日本化薬製 IM−0072 以下 D−1)、リン系化合物として、4,4’−ブチリデンビス(3−メチル−6−tert−ブチルフェニル−ジ−トリデシルホスファイト)(ADEKA製 アデカスタブ260 以下 E−1)を使用し、下記表1に示す配合比(重量部)で配合し、20分間脱泡を行い、本発明の硬化性樹脂組成物を得た。
エポキシ樹脂として合成例1で得られたオルガノポリシロキサン化合物(A−1)、硬化剤として、合成例3で得られた硬化剤組成物(B−1)(オルガノポリシロキサン(A)と硬化剤組成物(B)の比率は官能基当量で1:0.9)、硬化促進剤としてジルコニウム−イソバレリルアセトン錯体(King Industries社製 K−KAT XC−6212 以下、触媒C−2)、光安定剤として2−[(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジルオキシ)カルボニルアミノ]エチルメタクリラート(日本化薬製 IM−0072 以下 D−1)、リン系化合物として、4,4´−ブチリデンビス(3−メチル−6−tert−ブチルフェニル−ジ−トリデシルホスファイト)(ADEKA製 アデカスタブ260 以下 E−1)を使用し、下記表1に示す配合比(重量部)で配合し、20分間脱泡を行い、本発明の硬化性樹脂組成物を得た。
エポキシ樹脂として合成例2で得られた脂環式エポキシ樹脂化合物(A−2)、および3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3’,4’−エポキシシクロヘキシルカルボキシレート(ダイセル化学工業製 セロキサイド2021P 以下 A−3)、硬化剤として、合成例4で得られた硬化剤組成物(B−2)(脂環式エポキシ樹脂化合物((A)と硬化剤組成物(B)の比率は官能基当量で1:0.8)、硬化促進剤としてジルコニウム−2’−ヒドロキシ−4’5’−ジメトキシアセトフェノン錯体(King Industries社製 K−KAT 4205 以下、触媒C−1)、光安定剤としてコハク酸ジメチル−1−(2−ヒドロキシエチル)−4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン重縮合物(BASF製 TINUVIN622LD 以下 D−2)を使用し、下記表2に示す配合比(重量部)で配合し、20分間脱泡を行い、本発明の硬化性樹脂組成物を得た。
エポキシ樹脂として合成例1で得られたオルガノポリシロキサン化合物(A−1)、硬化剤として、合成例3で得られた硬化剤組成物(B−1)(オルガノポリシロキサン(A)と硬化剤組成物(B)の比率は官能基当量で1:0.9)、硬化促進剤として亜鉛塩(亜鉛錯体)(楠本化成製 XC−9206 以下、触媒C−3)、光安定剤として2−[(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジルオキシ)カルボニルアミノ]エチルメタクリラート(日本化薬製 IM−0072 以下 D−1)、リン系化合物として、4,4´−ブチリデンビス(3−メチル−6−tert−ブチルフェニル−ジ−トリデシルホスファイト)(ADEKA製 アデカスタブ260 以下 E−1)を使用し、下記表1に示す配合比(重量部)で配合し、20分間脱泡を行い、比較用の硬化性樹脂組成物を得た。
エポキシ樹脂として合成例2で得られた脂環式エポキシ樹脂化合物(A−2)、および3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3’,4’−エポキシシクロヘキシルカルボキシレート(ダイセル化学工業製 セロキサイド2021P 以下 A−3)、硬化剤として、合成例4で得られた硬化剤組成物(B−2)(脂環式エポキシ樹脂化合物((A)と硬化剤組成物(B)の比率は官能基当量で1:0.8)、硬化促進剤として亜鉛塩(亜鉛錯体)(楠本化成製 XC−9206 以下、触媒C−3)、光安定剤としてコハク酸ジメチル−1−(2−ヒドロキシエチル)−4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン重縮合物(BASF製 TINUVIN622LD 以下 D−2)を使用し、下記表2に示す配合比(重量部)で配合し、20分間脱泡を行い、比較用の硬化性樹脂組成物を得た。
耐熱試験条件:150℃オーブン中で96時間放置、または180℃オーブン中で72時間放置、
試験片サイズ:厚さ0.8mm
評価条件:分光光度計により、460nmの透過率を測定。
試験機:スーパーUVテスター(EYE SUPER UV TESTER SUV−WII、岩崎電気(株)製)
耐光試験条件:温度 60℃、湿度 60℃、放射照度 60mW/cm2で100hr放置、
試験片サイズ:厚さ1.0mm
評価条件:分光光度計により、460nmの透過率を測定。その変化率を算出。
耐熱試験条件:150℃オーブン中で96時間放置、または180℃オーブン中で72時間放置、
試験片サイズ:厚さ0.8mm
評価条件:分光光度計により、460nmの透過率を測定。
Claims (8)
- 脂環式エポキシ樹脂および/またはオルガノポリシロキサン(A)と多価カルボン酸(B)、ジルコニウム錯体(C)を必須成分とする硬化性樹脂組成物。
ただし、脂環式エポキシ樹脂および/またはオルガノポリシロキサン(A)、多価カルボン酸(B)とジルコニウム錯体(C)は以下の条件を満たす。
脂環式エポキシ樹脂および/またはオルガノポリシロキサン(A):
脂環式エポキシ樹脂は、骨格にエポキシシクロヘキサン構造を有する化合物であることを特徴とする
一方、オルガノポリシロキサンは、少なくとも、その分子中にグルシジル基および/またはエポキシシクロヘキシル基を有するエポキシ樹脂であることを特徴とする
多価カルボン酸(B):
少なくとも2つ以上のカルボキシル基を有し、脂肪族炭化水素基またはシロキサン骨格を主骨格とすることを特徴とする
ジルコニウム錯体(C):配位子が、下記式(1)で表される構造を有することを特徴とする
- 脂環式エポキシ樹脂および/またはオルガノポリシロキサン(A)と多価カルボン酸(B)、ジルコニウム錯体(C)を必須成分とする硬化性樹脂組成物。
ただし、脂環式エポキシ樹脂および/またはオルガノポリシロキサン(A)、多価カルボン酸(B)とジルコニウム錯体(C)は以下の条件を満たす。
脂環式エポキシ樹脂および/またはオルガノポリシロキサン(A):
脂環式エポキシ樹脂は、骨格にエポキシシクロヘキサン構造を有する化合物であることを特徴とする
一方、オルガノポリシロキサンは、少なくとも、その分子中にグルシジル基および/またはエポキシシクロヘキシル基を有するエポキシ樹脂であることを特徴とする
多価カルボン酸(B):
少なくとも2つ以上のカルボキシル基を有し、脂肪族炭化水素基またはシロキサン骨格を主骨格とすることを特徴とする
ジルコニウム錯体(C):配位子が、下記式(2)で表される構造を有することを特徴とする硬化性樹脂組成物。
- ジルコニウム錯体(C)が、ジルコニウム−2’−ヒドロキシ−4’,5’−ジメトキシアセトフェノン錯体、およびジルコニウム−イソバレリルアセトン錯体のうちの一方または両方であることを特徴とする請求項1または2のいずれか一項に記載の硬化性樹脂組成物。
- 酸無水物を含有することを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の硬化性樹脂組成物。
- 多価カルボン酸(B)が炭素数5以上の2〜6官能の多価アルコールと飽和脂肪族環状酸無水物との反応により得られた化合物であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の硬化性樹脂組成物。
- 多価カルボン酸(B)が分岐鎖構造または環状構造を有する炭素数5以上の2〜6官能の多価アルコールまたはシロキサン構造を有する多価アルコールと、メチルヘキサヒドロ無水フタル酸またはシクロヘキサン−1,3,4−トリカルボン酸−3,4−無水物との反応により得られた化合物であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の硬化性樹脂組成物。
- 請求項1または2のいずれか一項に記載の硬化性樹脂組成物を硬化してなる硬化物。
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