JP2014129431A - 半導体装置製造用仮接着剤、並びに、それを用いた接着性支持体、及び、半導体装置の製造方法 - Google Patents

半導体装置製造用仮接着剤、並びに、それを用いた接着性支持体、及び、半導体装置の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 塗布性に優れるとともに、被処理部材(半導体ウエハなど)に機械的又は化学的な処理を施す際に、高温下(例えば100℃)においても高い接着力により被処理部材を仮支持でき、更には、高温でのプロセスを経た後においても、処理済部材に損傷を与えることなく、処理済部材に対する仮支持を容易に解除できる、半導体装置製造用仮接着剤、並びに、それを用いた接着性支持体、及び、半導体装置の製造方法を提供する。
【解決手段】(A)脂環式骨格を有するラジカル重合性モノマー、(B)高分子化合物、(C)ラジカル重合開始剤を含有する半導体装置製造用仮接着剤、並びに、それを用いた接着性支持体、及び、半導体装置の製造方法。
【選択図】 図1

Description

本発明は、半導体装置製造用仮接着剤、並びに、それを用いた接着性支持体、及び、半導体装置の製造方法に関する。
従来、ICやLSIなどの半導体デバイスの製造プロセスにおいては、通常、半導体シリコンウエハ上に多数のICチップが形成され、ダイシングにより個片化される。
電子機器の更なる小型化及び高性能化のニーズに伴い、電子機器に搭載されるICチップについても更なる小型化及び高集積化が求められているが、シリコン基板の面方向における集積回路の高集積化は限界に近づいている。
ICチップ内の集積回路から、ICチップの外部端子への電気的な接続方法としては、従来より、ワイヤーボンディング法が広く知られているが、ICチップの小型化を図るべく、近年、シリコン基板に貫通孔を設け、外部端子としての金属プラグを貫通孔内を貫通するように集積回路に接続する方法(いわゆる、シリコン貫通電極(TSV)を形成する方法)が知られている。しかしながら、シリコン貫通電極を形成する方法のみでは、上記した近年のICチップに対する更なる高集積化のニーズに充分応えられるものではない。
以上を鑑み、ICチップ内の集積回路を多層化することにより、シリコン基板の単位面積当たりの集積度を向上させる技術が知られている。しかしながら、集積回路の多層化は、ICチップの厚みを増大させるため、ICチップを構成する部材の薄型化が必要である。このような部材の薄型化としては、例えば、シリコン基板の薄型化が検討されており、ICチップの小型化につながるのみならず、シリコン貫通電極の製造におけるシリコン基板の貫通孔製造工程を省力化できることから、有望視されている。
半導体デバイスの製造プロセスに用いられる、半導体シリコンウエハとしては、約700〜900μmの厚さを有するものが広く知られているが、近年、ICチップの小型化等を目的に、半導体シリコンウエハの厚さを200μm以下となるまで薄くすることが試みられている。
しかしながら、厚さ200μm以下の半導体シリコンウエハは非常に薄く、ひいては、これを基材とする半導体デバイス製造用部材も非常に薄いため、このような部材に対して更なる処理を施したり、あるいは、このような部材を単に移動したりする場合等において、部材を安定的に、かつ、損傷を与えることなく支持することは困難である。
上記のような問題を解決すべく、表面にデバイスが設けられた薄型化前の半導体ウエハと加工用支持基板とをシリコーン粘着剤により仮接着し、半導体ウエハの裏面を研削して薄型化した後に、半導体ウエハを穿孔してシリコン貫通電極を設け、その後、半導体ウエハから加工用支持基板を脱離させる技術が知られている(特許文献1参照)。この技術によれば、半導体ウエハの裏面研削時の耐研削抵抗、異方性ドライエッチング工程などにおける耐熱性、メッキやエッチング時の耐薬品性、最終的な加工用支持基板とのスムースな剥離と低被着体汚染性を同時に達成することが可能であるとされている。
また、ウエハの支持方法としては、ウエハを支持層システムにより支持する方法であって、ウエハと支持層システムとの間に、プラズマ堆積法により得られるプラズマポリマー層を分離層として介装させて、支持層システムと分離層との間の接着結合を、ウエハと分離層との間の接合結合より大きくなるようにし、ウエハを支持層システムから脱離する際に、ウエハが分離層から容易に脱離するように構成した技術も知られている(特許文献2参照)。
また、ポリエーテルスルホンと粘性付与剤を使用して、仮接着を行い、加熱により仮接着を解除する技術が知られている(特許文献3参照)。
また、カルボン酸類とアミン類からなる混合物により、仮接着を行い、加熱により仮接着を解除する技術も知られている(特許文献4参照)。
また、セルロースポリマー類等からなる接合層を加温した状態で、デバイスウエハと支持基板を圧着することで接着させて、加温して横方向にスライドすることによりデバイスウエハを支持基板から脱離する技術が知られている(特許文献5参照)。
また、シンジオタクチック1,2−ポリブタジエンと光重合開始剤からなり、放射線の照射により接着力が変化する粘着フィルムが知られている(特許文献6参照)。
更に、ポリカーボネート類からなる接着剤により、支持基板と半導体ウエハとを仮接着し、半導体ウエハに対して処理を行った後、照射線を照射し、次いで、加熱することにより、処理済の半導体ウエハを支持基板から脱離する技術が知られている(特許文献7参照)。
また、側鎖にエネルギー線重合性不飽和基を有するエネルギー線硬化型共重合体と、エポキシ樹脂と、熱活性型潜在性エポキシ樹脂硬化剤とからなる粘接着剤組成物から形成されている粘接着層からなり、放射線の照射により接着力が変化する粘接着テープが知られている(特許文献8参照)。
また、スチレン、環式骨格含有(メタ)アクリル酸エステルモノマー、(メタ)アクリル酸アルキルエステルモノマーとからなるアクリル系ポリマーを主成分とする接着剤組成物が知られている(特許文献9参照)。
特開2011−119427号公報 特表2009−528688号公報 特開2011−225814号公報 特開2011−052142号公報 特表2010−506406号公報 特開2007−045939号公報 米国特許公開2011/0318938号明細書 特開平8−53655号公報 特開2007−119646号公報
ところで、デバイスが設けられた半導体ウエハの表面(すなわち、デバイスウエハのデバイス面)と支持基板(キャリア基板)とを、特許文献1等で知られている粘着剤からなる層を介して仮接着する場合には、半導体ウエハを安定的に支持するべく、粘着剤層には一定の強さの粘着度が要求される。
そのため、半導体ウエハのデバイス面の全面と支持基板とを粘着剤層を介して仮接着する場合においては、半導体ウエハと支持基板との仮接着を充分なものとし、半導体ウエハを安定的に、かつ、損傷を与えることなく支持しようとする程、反面、半導体ウエハと支持基板との仮接着が強すぎることにより、支持基板から半導体ウエハを脱離する際に、デバイスが破損したり、半導体ウエハからデバイスが脱離してしまうという不具合が生じやすい。
また、特許文献2のように、ウエハと支持層システムとの接着が強くなりすぎることを抑制すべく、ウエハと支持層システムとの間に、分離層としてのプラズマポリマー層を、プラズマ堆積法により形成する方法は、(1)通常、プラズマ堆積法を実施するための設備コストは大きい;(2)プラズマ堆積法による層形成は、プラズマ装置内の真空化やモノマーの堆積に時間を要する;及び(3)プラズマポリマー層からなる分離層を設けても、加工に供されるウエハを支持する場合においては、ウエハと分離層との接着結合を充分なものとしながら、反面、ウエハの支持を解除する場合においては、ウエハが容易に分離層から脱離するような接着結合にコントロールすることは容易ではない;等の問題がある。
また、特許文献3、4及び5記載のように、加熱により仮接着を解除する方法では、半導体ウエハを脱離する際にデバイスが破損する不具合が生じやすい。
また、特許文献6、7及び8記載のように、照射線を照射して仮接着を解除する方法では、照射線を透過する支持基板を使用する必要がある。
特許文献9記載のように環式骨格含有(メタ)アクリル酸エステルモノマーを重合してなる重合体を使用した接着剤は、接着性が不十分であった。
本発明は、上記背景を鑑みてなされたものであり、その目的は、塗布性に優れるとともに、被処理部材(半導体ウエハなど)に機械的又は化学的な処理を施す際に、高温下(例えば100℃)においても高い接着力により被処理部材を仮支持でき、更には、高温でのプロセスを経た後においても、処理済部材に損傷を与えることなく、処理済部材に対する仮支持を容易に(高い剥離性で以って)解除できる、半導体装置製造用仮接着剤、並びに、それを用いた接着性支持体、及び、半導体装置の製造方法を提供することにある。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討した結果、その理由は定かではないが、(A)脂環式骨格を有するラジカル重合性モノマー、(B)高分子化合物、及び、(C)ラジカル重合開始剤を含有する接着剤組成物を、半導体ウエハと支持基板との仮接着工程における仮接着剤として使用したところ、塗布性に優れるとともに、高温下(例えば100℃)においても高い接着力により被処理部材を仮支持できるとともに、被処理部材の処理後においては、接着性層に対して、剥離溶剤を接触させることにより、上記の従来技術において行うような、加熱や、活性光線若しくは放射線の照射を行うこともなく、処理済部材に対する仮支持を容易に解除できることを見出した。また、本発明者らは、上記の仮接着剤の使用によって、高温下の仮支持において接着剤からガスが発生しにくく、これにより、半導体装置の製造方法の各プロセスにおいて使用される装置(例えば、露光装置や真空チャンバーなど)が汚染されるという問題を低減できること、及び、半導体装置の製造方法における高温でのプロセスを経た場合においても、処理済部材に損傷を与えることなく、処理済部材に対する仮支持を容易に(高い剥離性で以って)解除できることを見出し、本発明を完成するに至った。すなわち、本発明は、以下の通りである。
〔1〕 (A)脂環式骨格を有するラジカル重合性モノマー、(B)高分子化合物、及び、(C)ラジカル重合開始剤を含有する半導体装置製造用仮接着剤。
〔2〕 前記ラジカル重合性モノマー(A)が、下記式(1)で表されるモノマーである、上記〔1〕に記載の半導体装置製造用仮接着剤。

一般式(1)中、Aは、n価の脂環式炭化水素基を表し、Lは単結合又は2価の連結基を表し、R〜Rは、それぞれ独立して、水素原子、アルキル基又はアリール基を表す。Xは、−O−、又は−(NR)−を表す。Rは、水素原子、アルキル基又はアリール基を表す。nは、1以上の整数を表す。nが2以上の整数である場合、括弧内の構造は同じであっても異なっていてもよい。
〔3〕 前記ラジカル重合性モノマー(A)が、2個以上のラジカル重合性官能基を有する、上記〔1〕に記載の半導体装置製造用仮接着剤。
〔4〕 前記高分子化合物(B)が、炭化水素系樹脂である、上記〔1〕〜〔3〕のいずれか1項に記載の半導体装置製造用仮接着剤。
〔5〕 前記ラジカル重合開始剤(C)として、光ラジカル重合開始剤と熱ラジカル重合開始剤とを含有する、上記〔1〕〜〔4〕のいずれか1項に記載の半導体装置製造用仮接着剤。
〔6〕 基板と、前記基板上に、上記〔1〕〜〔5〕のいずれか1項に記載の半導体装置製造用仮接着剤により形成された接着性層とを有する接着性支持体。
〔7〕 被処理部材の第1の面と基板とを、上記〔1〕〜〔5〕のいずれか1項に記載の半導体装置製造用仮接着剤により形成された接着性層を介して接着させる工程、
前記被処理部材の前記第1の面とは異なる第2の面に対して、機械的又は化学的な処理を施し、処理済部材を得る工程、及び、
前記接着性層から前記処理済部材の第1の面を脱離する工程
を有する、前記処理済部材を有する半導体装置の製造方法。
〔8〕 前記被処理部材の第1の面と基板とを前記接着性層を介して接着させる工程の前に、前記接着性層の、前記被処理部材の第1の面に接着される面に対して、前記活性光線若しくは放射線又は熱を照射する工程を更に有する、上記〔7〕に記載の半導体装置の製造方法。
〔9〕 被処理部材の第1の面と基板とを前記接着性層を介して接着させる工程の後、かつ、前記被処理部材の前記第1の面とは異なる第2の面に対して、機械的又は化学的な処理を施し、処理済部材を得る工程の前に、前記接着性層を50℃〜300℃の温度で加熱する工程を更に有する、上記〔7〕又は〔8〕に記載の半導体装置の製造方法。
〔10〕 前記接着性層から前記処理済部材の第1の面を脱離する工程が、前記接着性層に剥離液を接触させる工程を含む、上記〔7〕〜〔9〕のいずれか1項に記載の半導体装置の製造方法。
〔11〕 前記被処理部材が、被処理基材と、前記被処理基材の第1の面の上に設けられた保護層とを有してなり、
前記保護層の、前記被処理基材とは反対側の面を、前記被処理部材の前記第1の面とし、
前記被処理基材の前記第1の面とは異なる第2の面を、前記被処理部材の前記第2の面とする、上記〔7〕〜〔10〕のいずれか1項に記載の半導体装置の製造方法。
本発明によれば、塗布性に優れるとともに、被処理部材に機械的又は化学的な処理を施す際に、高温下(例えば100℃)においても高い接着力により被処理部材を仮支持でき、更には、高温でのプロセスを経た後においても、処理済部材に損傷を与えることなく、処理済部材に対する仮支持を解除できる、半導体装置製造用仮接着剤、並びに、それを用いた接着性支持体、及び、半導体装置の製造方法を提供できる。
図1A及び図1Bは、それぞれ、接着性支持体とデバイスウエハとの仮接着を説明する概略断面図、及び、接着性支持体により仮接着されたデバイスウエハが薄型化された状態を示す概略断面図である。 従来の接着性支持体とデバイスウエハとの仮接着状態の解除を説明する概略断面図である。 図3A、図3B、図3C及び図3Dは、それぞれ、接着性支持体と保護層付デバイスウエハとの仮接着を説明する概略断面図、接着性支持体により仮接着された保護層付デバイスウエハが薄型化された状態を示す概略断面図、接着性支持体から剥離された保護層付薄型デバイスウエハを示す概略断面図、及び、薄型デバイスウエハを示す概略断面図である。 図4A及び図4Bは、それぞれ、接着性支持体により仮接着されたデバイスウエハが薄型化された状態を説明する概略断面図、及び、接着性支持体により仮接着された保護層付デバイスウエハが薄型化された状態を説明する概略断面図である。 図5Aは、接着性支持体に対する露光を説明する概略断面図を示し、図5Bは、マスクの概略上面図を示す。 図6Aは、パターン露光された接着性支持体の概略断面図を示し、図6Bは、パターン露光された接着性支持体の概略上面図を示す。 接着性支持体に対する活性光線若しくは放射線又は熱の照射を説明する概略断面図を示す。
以下、本発明の実施形態を詳細に説明する。
本明細書に於ける基(原子団)の表記に於いて、置換及び無置換を記していない表記は、置換基を有さないものと共に置換基を有するものをも包含するものである。例えば、「アルキル基」とは、置換基を有さないアルキル基(無置換アルキル基)のみならず、置換基を有するアルキル基(置換アルキル基)をも包含するものである。
本明細書中における「活性光線」又は「放射線」は、例えば、可視光線、紫外線、遠紫外線、電子線、X線等を含むものを意味する。また、本発明において「光」とは、活性光線又は放射線を意味している。
また、本明細書中における「露光」とは、特に断らない限り、水銀灯、紫外線、エキシマレーザーに代表される遠紫外線、X線、EUV光等による露光のみならず、電子線及びイオンビーム等の粒子線による描画をも意味している。
なお、本明細書において、“(メタ)アクリレート”はアクリレートおよびメタアクリレートを表し、“(メタ)アクリルはアクリルおよびメタアクリルを表し、“(メタ)アクリロイル”は、アクリロイルおよびメタクリロイルを表す。また、本明細書中において、“単量体”と“モノマー”とは同義である。本発明における単量体は、オリゴマーおよびポリマーと区別され、質量平均分子量が2,000以下の化合物をいう。本明細書中において、重合性化合物とは、重合性基を有する化合物のことをいい、単量体であっても、ポリマーであってもよい。重合性基とは、重合反応に関与する基を言う。
なお、以下に説明する実施の形態において、既に参照した図面において説明した部材等については、図中に同一符号あるいは相当符号を付すことにより説明を簡略化あるいは省略化する。
本発明の半導体装置製造用仮接着剤(以下、単に、「仮接着剤」とも言う)は、(A)脂環式骨格を有するラジカル重合性モノマー、(B)高分子化合物、及び、(C)ラジカル重合開始剤を含有している。
本発明の半導体装置製造用仮接着剤によれば、塗布性に優れるとともに、被処理部材に機械的又は化学的な処理を施す際に、高温下(例えば100℃)においても高い接着力により被処理部材を仮支持できるとともに、処理済部材に損傷を与えることなく、高温でのプロセスを経た後においても、処理済部材に対する仮支持を解除できる半導体装置製造用仮接着剤が得られる。
本発明の半導体装置製造用仮接着剤は、シリコン貫通電極形成用であることが好ましい。シリコン貫通電極の形成については後に詳述する。
以下、本発明の半導体装置製造用仮接着剤が含有し得る各成分について詳細に説明する。
(A)脂環式骨格を有するラジカル重合性モノマー
本発明の脂環式骨格を有するラジカル重合性モノマーは、脂環式炭化水素基とラジカル重合性官能基とを含む化合物であれば特に制限はない。このように、仮接着剤におけるラジカル重合性モノマーが脂環式骨格(シクロヘキサン環、ビシクロ環、トリシクロ環、スピロ環など)を有することにより、硬化による塗膜収縮が少なく、これにより、高温下(例えば100℃)においても高い接着力により被処理部材を仮支持できるものと考えられる。
更に、脂環式骨格を有するラジカル重合性モノマーは、脂環式骨格を有さないラジカル重合性モノマー(例えば、脂肪族系のラジカル重合性モノマー)に比べて硬化膜のガラス転移温度が高く、これにより、高温でのプロセスを経た後においても、処理済部材に損傷を与えることなく、処理済部材に対する仮支持を容易に(高い剥離性で以って)解除できるものと考えられる。
脂環式骨格としては、例えば、シクロ骨格、ビシクロ骨格、トリシクロ骨格、スピロ骨格、及び、ジスピロ骨格等を挙げることができる。脂環式骨格は、中でも原子を共有している複数の環からなる構造であるもの、例えば、ビシクロ骨格、トリシクロ骨格、スピロ骨格、ジスピロ骨格等の骨格であることが好ましい。
また、脂環式骨格は、エステル類、アミド類等のラジカル重合性モノマーを形成するためのポリオール、ポリアミン等の残基を有するものも好ましい。
ラジカル重合性官能基としては、特に制限されないが、不飽和基(エチレン性不飽和結合基など)が好ましい。
ラジカル重合性モノマー(A)は、2個以上のラジカル重合性官能基を有することが好ましく、これにより、仮接着性の接着性及び剥離性をより向上できる。
脂環式骨格を有するラジカル重合性モノマーは、放射線硬化型官能基を有するものであることが好ましく、接着強度の観点から、例えば、下記一般式(1)で表される化合物であることが好ましい。
一般式(1)中、Aは、n価の脂環式炭化水素基を表す。Lは単結合又は2価の連結基を表す。R〜Rは、それぞれ独立して、水素原子、アルキル基又はアリール基を表す。Xは、−O−、または−(NR)−を表す。Rは、水素原子、アルキル基又はアリール基を表す。nは、1以上の整数を表す。nが2以上の整数である場合、括弧内の構造は同じであっても異なっていてもよい。
Aで表されるn価の脂環式炭化水素基としては、環状の非芳香族炭化水素基であれば特に限定はなく、単環式炭化水素基、2環式炭化水素基、及び、3環式以上の多環式炭化水素基が挙げられる。脂環式炭化水素基としては、例えば、シクロペンタン環基、シクロヘキサン環基などの飽和単環式炭化水素基、不飽和脂環式炭化水素基、ビシクロヘキサン環基、ノルボルナン環基、イソボルナン環基、ジシクロペンタン環基、ジシクロペンテン環基、アダマンタン環基、デカヒドロナフタレン環基、ペルヒドロフルオレン環基、トリシクロデカン環基、及びビシクロノナン環基などの飽和多環式炭化水素基等を挙げることができる。脂環式炭化水素基は、さらに置換基を有してもよい。該置換基としては、例えば、アルキル基、アルケニル基、アリール基、アラルキル基、アルコキシ基、水酸基、1級アミノ基、2級アミノ基、3級アミノ基、アルキル又はアリールカルボニル基、及びシアノ基等が挙げられる。また、脂環式炭化水素基は、さらに縮合環を形成していてもよい。
本発明における脂環式炭化水素基としては、粘度や溶解性の観点から、脂環式炭化水素基部分の炭素数が5〜20であることが好ましい。
Lで表される2価の連結基は、−CO−、−O−、−NH−、2価の脂肪族基、2価の芳香族基およびそれらの組み合わせからなる群より選ばれる2価の連結基を表すことが好ましい。
ここで2価の脂肪族基とは、アルキレン基、置換アルキレン基、アルケニレン基、置換アルケニレン基、アルキニレン基、置換アルキニレン基またはポリアルキレンオキシ基を意味する。なかでもアルキレン基、置換アルキレン基、アルケニレン基、および置換アルケニレン基が好ましく、アルキレン基および置換アルキレン基がさらに好ましい。
2価の脂肪族基は、環状構造よりも鎖状構造の方が好ましく、さらに分岐を有する鎖状構造よりも直鎖状構造の方が好ましい。2価の脂肪族基の炭素原子数は、1〜20であることが好ましく、1〜15であることがより好ましく、1〜12であることがさらに好ましく、1〜10であることがさらにまた好ましく、1〜8であることがよりさらに好ましく、1〜4であることが特に好ましい。
2価の脂肪族基の置換基の例としては、ハロゲン原子(F、Cl、Br、I)、ヒドロキシ基、カルボキシ基、アミノ基、シアノ基、アリール基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アシル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、アシルオキシ基、モノアルキルアミノ基、ジアルキルアミノ基、アリールアミノ基およびジアリールアミノ基等が挙げられる。
2価の芳香族基の例としては、フェニレン基、置換フェニレン基、ナフタレン基および置換ナフタレン基が挙げられ、フェニレン基が好ましい。
2価の芳香族基の置換基の例としては、上記2価の脂肪族基の置換基の例に加えて、アルキル基が挙げられる。
Lは、単結合、又は、2価の脂肪族基であることがより好ましい。
前記一般式(1)中、−X−は、−O−、または−(NR)−を表す。Rは、水素原子、アルキル基またはアリール基を表す。アルキル基は、炭素数1〜6のアルキル基であることが好ましく、炭素数1〜3のアルキル基であることがより好ましい。
アリール基は、炭素数6〜12のアリール基であることが好ましく、炭素数6〜10のアリール基であることがより好ましい。本発明では、Rは、水素原子が好ましい。
〜Rは、それぞれ独立に、水素原子又は1価の有機基を表すが、Rとしては、好ましくは、水素原子又は置換基を有してもよいアルキル基などが挙げられ、なかでも、水素原子又はメチル基が、ラジカル反応性が高いことから好ましい。また、R及びRは、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、アミノ基、カルボキシル基、アルコキシカルボニル基、スルホ基、ニトロ基、シアノ基、置換基を有してもよいアルキル基、置換基を有してもよいアリール基、置換基を有してもよいアルコキシ基、置換基を有してもよいアリールオキシ基、置換基を有してもよいアルキルアミノ基、置換基を有してもよいアリールアミノ基、置換基を有してもよいアルキルスルホニル基、又は、置換基を有してもよいアリールスルホニル基であることが好ましく、なかでも、水素原子、カルボキシル基、アルコキシカルボニル基、置換基を有してもよいアルキル基、又は、置換基を有してもよいアリール基であることがラジカル反応性が高いことから、より好ましい。
は水素原子であることが好ましく、これにより、仮接着剤の接着性をより向上できる。
nは、1以上の整数を表し、好ましくは1〜8の整数、より好ましくは2〜8の整数、2〜6の整数が最も好ましい。
nが2以上の整数である場合、一般式(1)における括弧内の構造は同じであっても異なっていてもよいが、同じであることが好ましい。
脂環式骨格を有し、ラジカル重合性官能基を一つ有するラジカル重合性モノマーの具体例を以下に示すが、本発明はこれらに限定されるものではない。これらは、それぞれ単独で又は2種以上を混合して用いることができる。
単環式(メタ)アクリレートとしては、シクロプロピル(メタ)アクリレート、シクロブチル(メタ)アクリレート、シクロペンチル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、シクロヘプチル(メタ)アクリレート、シクロオクチル(メタ)アクリレート、シクロノニル(メタ)アクリレート、シクロデシル(メタ)アクリレート等のシクロアルキル基の炭素数が3〜10のシクロアルキル(メタ)アクリレート等が挙げられる。単環式(メタ)アクリレートの具体例としては、メタクリル酸イソボロニル、及び、メタクリル酸シクロヘキシルを好適に挙げることができる。また、市販品としては、例えば、出光興産製のアダマンテートMMなどが挙げられる。
2環式(メタ)アクリレートとしては、イソボルニル(メタ)アクリレート、ノルボルニル(メタ)アクリレート等が挙げられる。また、3環式(メタ)アクリレートとしては、アダマンチル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニルオキシエチル(メタ)アクリレート等が挙げられる。これらのうち、自己分散性ポリマー粒子の分散安定性と、定着性、ブロッキング耐性の観点から、2環式(メタ)アクリレート、又は3環式以上の多環式(メタ)アクリレートを少なくとも1種であることが好ましく、イソボルニル(メタ)アクリレート、アダマンチル(メタ)アクリレート、及びジシクロペンタニル(メタ)アクリレートから選ばれる少なくとも1種であることがより好ましい。
次に脂環式骨格を有し、ラジカル重合性官能基を二つ有するラジカル重合性モノマーの具体例を以下に示すが、本発明はこれらに限定されるものではない。これらは、それぞれ単独で又は2種以上を混合して用いることができる。
シクロプロパンジアクリレート、シクロペンタンジアクリレート、シクロヘキサンジアクリレート、シクロブタンジアクリレート、ジメチロールシクロプロパンジアクリレート、ジメチロールシクロペンタンジアクリレート、ジメチロールシクロヘキサンジアクリレート、ジメチロ−ルシクロブタンジアクリレート、シクロプロパンジメタクリレート、シクロペンタンジメタクリレート、シクロヘキサンジメタクリレート、シクロブタンジメタクリレート、ジメチロールシクロプロパンジメタクリレート、ジメチロールシクロペンタンジメタクリレート、ジメチロールシクロヘキサンジメタクリレート、ジメチロ−ルシクロブタンジメタクリレート、ビシクロブタンジアクリレート、ビシクロオクタンジアクリレート、ビシクロノナンジアクリレート、ビシクロウンデカンジアクリレート、ジメチロ−ルビシクロブタンジアクリレート、ジメチロールビシクロオクタンジアクリレート、ジメチロールビシクロノナンジアクリレート、ジメチロールビシクロウンデカンジアクリレート、ビシクロブタンジメタクリレート、ビシクロオクタンジメタクリレート、ビシクロノナンジメタクリレート、ビシクロウンデカンジメタクリレート、ジメチロ−ルビシクロブタンジメタクリレート、ジメチロールビシクロオクタンジメタクリレート、ジメチロールビシクロノナンジメタクリレート、ジメチロールビシクロウンデカンジメタクリレート、トリシクロヘプタンジアクリレート、トリシクロデカンジアクリレート、トリシクロドデカンジアクリレート、トリシクロウンデカンジアクリレート、トリシクロテトラデカンジアクリレート、トリシクロデカントリデカンジアクリレート、ジメチロールトリシクロヘプタンジアクリレート、ジメチロールトリシクロデカンジアクリレート、ジメチロールトリシクロドデカンジアクリレート、ジメチロールトリシクロウンデカンジアクリレート、ジメチロールトリシクロテトラデカンジアクリレート、ジメチロールトリシクロデカントリデカンジアクリレート、トリシクロヘプタンジジメタクリレート、トリシクロデカンジメタクリレート、トリシクロドデカンジメタクリレート、トリシクロウンデカンジメタクリレート、トリシクロテトラデカンジメタクリレート、トリシクロデカントリデカンジメタクリレート、ジメチロールトリシクロヘプタンジメタクリレート、ジメチロールトリシクロデカンジメタクリレート、ジメチロールトリシクロドデカンジメタクリレート、ジメチロールトリシクロウンデカンジメタクリレート、ジメチロールトリシクロテトラデカンジメタクリレート、ジメチロールトリシクロデカントリデカンジメタクリレート、スピロオクタンジアクリレート、スピロヘプタンジアクリレート、スピロデカンジアクリレート、シクロペンタンスピロシクロブタンジアクリレート、シクロヘキサンスピロシクロペンタンジアクリレート、スピロビシクロヘキサンジアクリレート、ジスピロヘプタデカンジアクリレート、ジメチロールスピロオクタンジアクリレート、ジメチロールスピロヘプタンジアクリレート、ジメチロールスピロデカンジアクリレート、ジメチロールシクロペンタンスピロシクロブタンジアクリレート、ジメチロールシクロヘキサンスピロシクロペンタンジアクリレート、ジメチロールスピロビシクロヘキサンジアクリレート、ジメチロールジスピロヘプタデカンジアクリレート、スピロオクタンジメタクリレート、スピロヘプタンジメタクリレート、スピロデカンジメタクリレート、シクロペンタンスピロシクロブタンジメタクリレート、シクロヘキサンスピロシクロペンタンジメタクリレート、スピロビシクロヘキサンジメタクリレート、ジスピロヘプタデカンジメタクリレート、ジメチロールスピロオクタンジメタクリレート、ジメチロールスピロヘプタンジメタクリレート、ジメチロールスピロデカンジメタクリレート、ジメチロールシクロペンタンスピロシクロブタンジメタクリレート、ジメチロールシクロヘキサンスピロシクロペンタンジメタクリレート、ジメチロールスピロビシクロヘキサンジメタクリレート、ジメチロールジスピロヘプタデカンジメタクリレート。
中でも、ラジカル重合性官能基を二つ有するラジカル重合性モノマーとして好ましいものはジメチロールトリシクロデカンジアクリレート、ジメチロールトリシクロデカンジメタクリレート、ジメチロールビシクロオクタンジアクリレート、ジメチロールビシクロオクタンジメタクリレート、ジメチロールスピロオクタンジアクリレート、及び、ジメチロールスピロオクタンジメタクリレートである。
ラジカル重合性官能基を二つ有するラジカル重合性モノマーは、ジメチロールトリシクロデカンジアクリレート、又はジメチロールトリシクロデカンジメタクリレートであることが特に好ましく、ジメチロールトリシクロデカンジアクリレートが最も好ましい。市販されているジメチロールトリシクロデカンジメタクリレートとしては、新中村化学製NKエステルDCPが挙げられ、市販されているジメチロールトリシクロデカンジアクリレートとしては、日本化薬製KAYARAD R−684、共栄社化学製ライトアクリレートDCP−A、新中村化学製NKエステルA−DCP、及び、DIC社製LUMICURE DCA−200などが挙げられる。
脂環式骨格を有するラジカル重合性モノマーの含有量は、本発明の仮接着剤の全固形分に対して、20質量%〜95質量%であることが好ましく、30質量%〜90質量%であることがより好ましく、40質量%〜85質量%であることが更に好ましい。
(B)高分子化合物
本発明の半導体装置製造用仮接着剤は、高分子化合物を含有することで塗布性が優れる。なお、ここでいう塗布性とは、塗布後の膜厚の均一性や塗布後の膜形成性のことをいう。
本発明においては、高分子化合物は任意のものを使用できる。例えば、炭化水素樹脂、ノボラック樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、ユリア樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、アルキド樹脂、ポリウレタン、ポリイミド、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル、テフロン(登録商標)、ABS樹脂、AS樹脂、アクリル樹脂、ポリアミド、ポリアセタール、ポリカーボネート、ポリフェニレンエーテル、ポリブチレンテラフタレート、ポリエチレンテレフタラート、ポリフェニレンスルフィド、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリアリレート、ポリエーテルエーテルケトン、ポリアミドイミドなどの合成樹脂や、天然ゴムなどの天然樹脂が挙げられる。中でも、(A)脂環式骨格を有する重合性モノマーとの組み合わせた場合の接着性の観点から、高分子化合物は、炭化水素樹脂、ポリウレタン、ノボラック樹脂、又は、ポリイミドであることが好ましく、炭化水素樹脂であることがより好ましい。
高分子化合物が炭化水素樹脂であることにより、仮接着剤の接着性をより向上できるとともに、高温下における仮支持においても接着剤がガスを発生する問題を低減できる。これは、高分子化合物と脂環式骨格を有するラジカル重合性モノマー(A)との混和性がより向上することに起因するものと考えられる。
本発明において、バインダーは必要に応じて2種以上を組み合わせて使用しても良い。
本発明においては、炭化水素樹脂として任意のものを使用できる。
本発明における炭化水素樹脂は基本的には炭素原子と水素原子のみからなる樹脂を意味するが、基本となる骨格が炭化水素樹脂であれば、側鎖としてその他の原子を含んでいても良い。すなわち、炭化水素樹脂にアクリル樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、ポリビニルピロリドン樹脂のように、主鎖に炭化水素基以外の官能基が直接結合する場合も本発明における炭化水素樹脂に包含されるものであり、この場合、主鎖に炭化水素基が直接結合されてなる繰り返し単位の含有量が、樹脂の全繰り返し単位に対して30モル%以上であることが好ましい。
上記条件に合致する炭化水素樹脂としては例えば、ポリスチレン樹脂、テルペン樹脂、テルペンフェノール樹脂、変性テルペン樹脂、水添テルペン樹脂、水添テルペンフェノール樹脂、ロジン、ロジンエステル、水添ロジン、水添ロジンエステル、重合ロジン、重合ロジンエステル、変性ロジン、ロジン変性フェノール樹脂、アルキルフェノール樹脂、脂肪族石油樹脂、芳香族石油樹脂、水添石油樹脂、変性石油樹脂、脂環族石油樹脂、クマロン石油樹脂、インデン石油樹脂、ポリスチレン−ポリオレフィン共重合体、オレフィンポリマー(例えば、メチルペンテン共重合体)、及び、シクロオレフィンポリマー(例えば、ノルボルネン共重合体、ジシクロペンタジエン共重合体、テトラシクロドデセン共重合体)などが挙げられる。
炭化水素樹脂は、中でも、ポリスチレン樹脂、テルペン樹脂、ロジン、石油樹脂、水素化ロジン、重合ロジン、オレフィンポリマー、又は、シクロオレフィンポリマー、ポリスチレン−ポリオレフィン共重合体であることが好ましく、ポリスチレン樹脂、テルペン樹脂、ロジン、オレフィンポリマー、シクロオレフィンポリマー、又はポリスチレン−ポリオレフィン共重合体であることがより好ましく、ポリスチレン樹脂、テルペン樹脂、ロジン、シクロオレフィンポリマー、オレフィンポリマー、又はポリスチレン−ポリオレフィン共重合体であることが特に好ましく、ポリスチレン樹脂、シクロオレフィンポリマー、又はポリスチレン−ポリオレフィン共重合体であることが最も好ましい。
シクロオレフィンポリマーとしては、ノルボルネン系重合体、単環の環状オレフィンの重合体、環状共役ジエンの重合体、ビニル脂環式炭化水素重合体、及びこれら重合体の水素化物などが挙げられる。シクロオレフィンポリマーの好ましい例としては、下記一般式(II)で表される繰り返し単位を少なくとも1種以上含む付加(共)重合体、及び、一般式(I)で表される繰り返し単位の少なくとも1種以上を更に含んでなる付加(共)重合体が挙げられる。また、シクロオレフィンポリマーの他の好ましい例としては、一般式(III)で表される環状繰り返し単位を少なくとも1種含む開環(共)重合体が挙げられる。
式中、mは0〜4の整数を表す。R〜Rは、それぞれ独立して、水素原子又は炭素数1〜10の炭化水素基を表し、X〜X、及び、Y〜Yは、それぞれ独立して、水素原子、炭素数1〜10の炭化水素基、ハロゲン原子、ハロゲン原子で置換された炭素数1〜10の炭化水素基、−(CHCOOR11、−(CHOCOR12、−(CHNCO、−(CHNO、−(CHCN、−(CHCONR1314、−(CHNR1516、−(CHOZ、−(CHW、又は、XとY、XとY、若しくはXとYから構成された(−CO)O、(−CO)NR17を表す。R11、R12、R13、R14、R15、R16及びR17は、それぞれ独立して、水素原子、又は、炭化水素基(好ましくは炭素数1〜20の炭化水素基)を表し、Zは、炭化水素基、又は、ハロゲンで置換された炭化水素基を表し、Wは、SiR18p3−p(R18は炭素数1〜10の炭化水素基を表し、Dはハロゲン原子、−OCOR18又は−OR18を表し、pは0〜3の整数を示す)を表す。nは0〜10の整数を表す。
ノルボルネン系重合体は、特開平10−7732号、特表2002−504184号、US2004/229157A1号あるいはWO2004/070463A1号等に開示されている。ノルボルネン系重合体は、ノルボルネン系多環状不飽和化合物同士を付加重合することによって得ることができる。また、必要に応じ、ノルボルネン系多環状不飽和化合物と、エチレン、プロピレン、ブテン;ブタジエン、イソプレンのような共役ジエン;エチリデンノルボルネンのような非共役ジエンとを付加重合することもできる。このノルボルネン系重合体は、三井化学(株)よりアペルの商品名で発売されており、ガラス転移温度(Tg)の異なる例えばAPL8008T(Tg70℃)、APL6013T(Tg125℃)あるいはAPL6015T(Tg145℃)などのグレードがある。ポリプラスチック(株)よりTOPAS8007、同5013、同6013、同6015などのペレットが発売されている。
更に、Ferrania社よりAppear3000が発売されている。
ノルボルネン系重合体の水素化物は、特開平1−240517号、特開平7−196736号、特開昭60−26024号、特開昭62−19801号、特開2003−1159767号あるいは特開2004−309979号等に開示されているように、多環状不飽和化合物を付加重合あるいはメタセシス開環重合した後、水素添加することにより製造できる。
前記一般式(III)中、R及びRは、それぞれ独立して、水素原子又はメチル基であることが好ましく、X及びYは水素原子であることが好ましく、その他の基は適宜選択される。このノルボルネン系重合体は、JSR(株)からアートン(Arton)GあるいはアートンFという商品名で発売されており、また日本ゼオン(株)からゼオノア(Zeonor)ZF14、ZF16、ゼオネックス(Zeonex)250、同280、同480Rという商品名で市販されており、これらを使用することができる。
高分子化合物のゲルパーエミッションクロマトグラフィー(GPC)法によるポリスチレン換算の重量平均分子量は、10,000〜1,000,000であることが好ましく、50,000〜500,000であることが好ましく、100,000〜300,000であることがより好ましい。
高分子化合物の含有量は、本発明の仮接着剤の全固形分に対して、5質量%〜80質量%であることが好ましく、10質量%〜70質量%であることがより好ましく、15質量%〜60質量%であることが更に好ましい。
(C)ラジカル重合開始剤
本発明の半導体装置製造用仮接着剤は、ラジカル重合開始剤、すなわち活性光線又は放射線の照射(光照射)、又は熱によりラジカルを発生する化合物を含有する。
本発明の半導体装置製造用仮接着剤がラジカル重合開始剤を有することにより、接着性層へ光を照射又は加熱することで、ラジカルによる硬化反応が起こり、光照射部又は加熱部における接着性を低下できる。この光照射又は加熱を例えば接着性層中央部に行い、周縁部にのみ接着性を残せば、剥離時に溶剤浸漬により溶解すべき剥離層の面積が小さくなるため、剥離までに要する時間が短縮される、という利点がある。
活性光線又は放射線の照射によりラジカルを発生する化合物(以下、単に、光ラジカル重合開始剤とも言う)としては、例えば、以下に述べる重合開始剤として知られているものを用いることができる。
前記重合開始剤としては、前記重合性モノマーとしての重合性基を有する反応性化合物における重合反応(架橋反応)を開始する能力を有する限り、特に制限はなく、公知の重合開始剤の中から適宜選択することができる。例えば、紫外線領域から可視の光線に対して感光性を有するものが好ましい。また、光励起された増感剤と何らかの作用を生じ、活性ラジカルを生成する活性剤であってもよい。
また、前記重合開始剤は、約300nm〜800nm(好ましくは330nm〜500nm)の範囲内に少なくとも約50の分子吸光係数を有する化合物を、少なくとも1種含有していることが好ましい。
前記重合開始剤としては、公知の化合物を制限なく使用できるが、例えば、ハロゲン化炭化水素誘導体(例えば、トリアジン骨格を有するもの、オキサジアゾール骨格を有するもの、トリハロメチル基を有するものなど)、アシルホスフィンオキサイド等のアシルホスフィン化合物、ヘキサアリールビイミダゾール、オキシム誘導体等のオキシム化合物、有機過酸化物、チオ化合物、ケトン化合物、芳香族オニウム塩、ケトオキシムエーテル、アミノアセトフェノン化合物、ヒドロキシアセトフェノン、アゾ系化合物、アジド化合物、メタロセン化合物、有機ホウ素化合物、鉄アレーン錯体などが挙げられる。
前記トリアジン骨格を有するハロゲン化炭化水素化合物としては、例えば、若林ら著、Bull.Chem.Soc.Japan,42、2924(1969)記載の化合物、英国特許1388492号明細書記載の化合物、特開昭53−133428号公報記載の化合物、独国特許3337024号明細書記載の化合物、F.C.SchaeferなどによるJ.Org.Chem.;29、1527(1964)記載の化合物、特開昭62−58241号公報記載の化合物、特開平5−281728号公報記載の化合物、特開平5−34920号公報記載化合物、米国特許第4212976号明細書に記載されている化合物、などが挙げられる。
前記米国特許第4212976号明細書に記載されている化合物としては、例えば、オキサジアゾール骨格を有する化合物(例えば、2−トリクロロメチル−5−フェニル−1,3,4−オキサジアゾール、2−トリクロロメチル−5−(4−クロロフェニル)−1,3,4−オキサジアゾール、2−トリクロロメチル−5−(1−ナフチル)−1,3,4−オキサジアゾール、2−トリクロロメチル−5−(2−ナフチル)−1,3,4−オキサジアゾール、2−トリブロモメチル−5−フェニル−1,3,4−オキサジアゾール、2−トリブロモメチル−5−(2−ナフチル)−1,3,4−オキサジアゾール;2−トリクロロメチル−5−スチリル−1,3,4−オキサジアゾール、2−トリクロロメチル−5−(4−クロルスチリル)−1,3,4−オキサジアゾール、2−トリクロロメチル−5−(4−メトキシスチリル)−1,3,4−オキサジアゾール、2−トリクロロメチル−5−(1−ナフチル)−1,3,4−オキサジアゾール、2−トリクロロメチル−5−(4−n−ブトキシスチリル)−1,3,4−オキサジアゾール、2−トリプロモメチル−5−スチリル−1,3,4−オキサジアゾールなど)などが挙げられる。
また、上記以外の重合開始剤として、アクリジン誘導体(例えば、9−フェニルアクリジン、1,7−ビス(9,9’−アクリジニル)ヘプタンなど)、N−フェニルグリシンなど、ポリハロゲン化合物(例えば、四臭化炭素、フェニルトリブロモメチルスルホン、フェニルトリクロロメチルケトンなど)、クマリン類(例えば、3−(2−ベンゾフラノイル)−7−ジエチルアミノクマリン、3−(2−ベンゾフロイル)−7−(1−ピロリジニル)クマリン、3−ベンゾイル−7−ジエチルアミノクマリン、3−(2−メトキシベンゾイル)−7−ジエチルアミノクマリン、3−(4−ジメチルアミノベンゾイル)−7−ジエチルアミノクマリン、3,3’−カルボニルビス(5,7−ジ−n−プロポキシクマリン)、3,3’−カルボニルビス(7−ジエチルアミノクマリン)、3−ベンゾイル−7−メトキシクマリン、3−(2−フロイル)−7−ジエチルアミノクマリン、3−(4−ジエチルアミノシンナモイル)−7−ジエチルアミノクマリン、7−メトキシ−3−(3−ピリジルカルボニル)クマリン、3−ベンゾイル−5,7−ジプロポキシクマリン、7−ベンゾトリアゾール−2−イルクマリン、また、特開平5−19475号公報、特開平7−271028号公報、特開2002−363206号公報、特開2002−363207号公報、特開2002−363208号公報、特開2002−363209号公報などに記載のクマリン化合物など)、アシルホスフィンオキサイド類(例えば、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルホスフィンオキサイド、ビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチル−ペンチルフェニルホスフィンオキサイド、LucirinTPOなど)、メタロセン類(例えば、ビス(η5−2,4−シクロペンタジエン−1−イル)−ビス(2,6−ジフロロ−3−(1H−ピロール−1−イル)−フェニル)チタニウム、η5−シクロペンタジエニル−η6−クメニル−アイアン(1+)−ヘキサフロロホスフェート(1−)など)、特開昭53−133428号公報、特公昭57−1819号公報、同57−6096号公報、及び米国特許第3615455号明細書に記載された化合物などが挙げられる。
前記ケトン化合物としては、例えば、ベンゾフェノン、2−メチルベンゾフェノン、3−メチルベンゾフェノン、4−メチルベンゾフェノン、4−メトキシベンゾフェノン、2−クロロベンゾフェノン、4−クロロベンゾフェノン、4−ブロモベンゾフェノン、2−カルボキシベンゾフェノン、2−エトキシカルボニルベンゾフェノン、ベンゾフェノンテトラカルボン酸又はそのテトラメチルエステル、4,4’−ビス(ジアルキルアミノ)ベンゾフェノン類(例えば、4,4’−ビス(ジメチルアミノ)ベンゾフェノン、4,4’−ビスジシクロヘキシルアミノ)ベンゾフェノン、4,4’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン、4,4’−ビス(ジヒドロキシエチルアミノ)ベンゾフェノン、4−メトキシ−4’−ジメチルアミノベンゾフェノン、4,4’−ジメトキシベンゾフェノン、4−ジメチルアミノベンゾフェノン、4−ジメチルアミノアセトフェノン、ベンジル、アントラキノン、2−t−ブチルアントラキノン、2−メチルアントラキノン、フェナントラキノン、キサントン、チオキサントン、2−クロル−チオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、フルオレノン、2−ベンジル−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)−1−ブタノン、2−メチル−1−〔4−(メチルチオ)フェニル〕−2−モルホリノ−1−プロパノン、2−ヒドロキシ−2−メチル−〔4−(1−メチルビニル)フェニル〕プロパノールオリゴマー、ベンゾイン、ベンゾインエーテル類(例えば、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインプロピルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインフェニルエーテル、ベンジルジメチルケタール)、アクリドン、クロロアクリドン、N−メチルアクリドン、N−ブチルアクリドン、N−ブチル−クロロアクリドンなどが挙げられる。
市販品では、カヤキュアーDETX(日本化薬製)も好適に用いられる。
光重合開始剤としては、ヒドロキシアセトフェノン化合物、アミノアセトフェノン化合物、及び、アシルホスフィン化合物も好適に用いることができる。より具体的には、例えば、特開平10−291969号公報に記載のアミノアセトフェノン系開始剤、特許第4225898号公報に記載のアシルホスフィンオキシド系開始剤も用いることができる。
ヒドロキシアセトフェノン系開始剤としては、IRGACURE−184、DAROCUR−1173、IRGACURE−500、IRGACURE−2959、IRGACURE−127(商品名:いずれもBASF社製)を用いることができる。アミノアセトフェノン系開始剤としては、市販品であるIRGACURE−907、IRGACURE−369、及び、IRGACURE−379(商品名:いずれもBASF社製)を用いることができる。アミノアセトフェノン系開始剤として、365nmまたは405nm等の長波光源に吸収波長がマッチングされた特開2009−191179公報に記載の化合物も用いることができる。また、アシルホスフィン系開始剤としては市販品であるIRGACURE−819やDAROCUR−TPO(商品名:いずれもBASF社製)を用いることができる。
光重合開始剤として、より好ましくはオキシム系化合物が挙げられる。オキシム系開始剤の具体例としては、特開2001−233842号記載の化合物、特開2000−80068号記載の化合物、特開2006−342166号記載の化合物を用いることができる。
本発明で重合開始剤として好適に用いられるオキシム誘導体等のオキシム化合物としては、例えば、3−ベンゾイロキシイミノブタン−2−オン、3−アセトキシイミノブタン−2−オン、3−プロピオニルオキシイミノブタン−2−オン、2−アセトキシイミノペンタン−3−オン、2−アセトキシイミノ−1−フェニルプロパン−1−オン、2−ベンゾイロキシイミノ−1−フェニルプロパン−1−オン、3−(4−トルエンスルホニルオキシ)イミノブタン−2−オン、及び2−エトキシカルボニルオキシイミノ−1−フェニルプロパン−1−オンなどが挙げられる。
オキシムエステル化合物としては、J.C.S.Perkin II(1979年)pp.1653−1660)、J.C.S.Perkin II(1979年)pp.156−162、Journal of Photopolymer Science and Technology(1995年)pp.202−232、特開2000−66385号公報記載の化合物、特開2000−80068号公報、特表2004−534797号公報、特開2006−342166号公報の各公報に記載の化合物等が挙げられる。
市販品ではIRGACURE−OXE01(BASF社製)、IRGACURE−OXE02(BASF社製)も好適に用いられる。
また上記記載以外のオキシムエステル化合物として、カルバゾールN位にオキシムが連結した特表2009−519904号公報に記載の化合物、ベンゾフェノン部位にヘテロ置換基が導入された米国特許7626957号公報に記載の化合物、色素部位にニトロ基が導入された特開2010−15025号公報および米国特許公開2009−292039号記載の化合物、国際公開特許2009−131189号公報に記載のケトオキシム系化合物、トリアジン骨格とオキシム骨格を同一分子内に含有する米国特許7556910号公報に記載の化合物、405nmに吸収極大を有しg線光源に対して良好な感度を有する特開2009−221114号公報記載の化合物、などを用いてもよい。
好ましくはさらに、特開2007−231000号公報、及び、特開2007−322744号公報に記載される環状オキシム化合物に対しても好適に用いることができる。環状オキシム化合物の中でも、特に特開2010−32985号公報、特開2010−185072号公報に記載されるカルバゾール色素に縮環した環状オキシム化合物は、高い光吸収性を有し高感度化の観点から好ましい。
また、オキシム化合物の特定部位に不飽和結合を有する特開2009−242469号公報に記載の化合物も、重合不活性ラジカルから活性ラジカルを再生することで高感度化を達成でき好適に使用することができる。
最も好ましくは、特開2007−269779号公報に示される特定置換基を有するオキシム化合物や、特開2009−191061号公報に示されるチオアリール基を有するオキシム化合物が挙げられる。
化合物のモル吸光係数は、公知の方法を用いることができるが、具体的には、例えば、紫外可視分光光度計(Varian社製Carry−5 spctrophotometer)にて、酢酸エチル溶媒を用い、0.01g/Lの濃度で測定することが好ましい。
光ラジカル重合開始剤としては、露光感度の観点から、トリハロメチルトリアジン化合物、ベンジルジメチルケタール化合物、α−ヒドロキシケトン化合物、α−アミノケトン化合物、アシルホスフィン化合物、フォスフィンオキサイド化合物、メタロセン化合物、オキシム化合物、トリアリルイミダゾールダイマー、オニウム化合物、ベンゾチアゾール化合物、ベンゾフェノン化合物、アセトフェノン化合物及びその誘導体、シクロペンタジエン−ベンゼン−鉄錯体及びその塩、ハロメチルオキサジアゾール化合物、3−アリール置換クマリン化合物からなる群より選択される化合物が好ましい。
さらに好ましくは、トリハロメチルトリアジン化合物、α−アミノケトン化合物、アシルホスフィン化合物、フォスフィンオキサイド化合物、オキシム化合物、トリアリルイミダゾールダイマー、オニウム化合物、ベンゾフェノン化合物、アセトフェノン化合物であり、トリハロメチルトリアジン化合物、α−アミノケトン化合物、オキシム化合物、トリアリルイミダゾールダイマー、ベンゾフェノン化合物からなる群より選ばれる少なくとも一種の化合物が最も好ましく、オキシム化合物を用いるのが最も好ましい。
熱によりラジカル発生する化合物(以下、単に、熱ラジカル重合開始剤とも言う)としては、公知の熱ラジカル発生剤を用いることができる。
熱ラジカル重合開始剤は、熱のエネルギーによってラジカルを発生し、重合性モノマーの重合反応を開始又は促進させる化合物である。熱ラジカル発生剤を添加することによって、仮接着剤を用いて形成された接着性層に対して熱を照射した後に、被処理部材と接着性支持体との仮接着を行う場合においては、熱により架橋性基を有する反応性化合物における架橋反応が進行することにより、後に詳述するように、接着性層の接着性(すなわち、粘着性及びタック性)を前もって低下させることができる。
一方、被処理部材と接着性支持体との仮接着を行った後に、接着性支持体における接着性層に対して熱を照射した後に場合には、熱により架橋性基を有する反応性化合物における架橋反応が進行することにより、接着性層がより強靭になり、被処理部材の機械的又は化学的な処理を施している時などに生じやすい接着性層の凝集破壊を抑制できる。すなわち、接着性層における接着性を向上できる。
好ましい熱ラジカル重合開始剤としては、上述した活性光線又は放射線の照射によりラジカルを発生する化合物が挙げられるが、熱分解点が130℃〜250℃、好ましくは150℃〜220℃の範囲の化合物を好ましく使用することができる。
熱ラジカル重合開始剤としては、芳香族ケトン類、オニウム塩化合物、有機過酸化物、チオ化合物、ヘキサアリールビイミダゾール化合物、ケトオキシムエステル化合物、ボレート化合物、アジニウム化合物、メタロセン化合物、活性エステル化合物、炭素ハロゲン結合を有する化合物、アゾ系化合物等が挙げられる。中でも、有機過酸化物又はアゾ系化合物がより好ましく、有機過酸化物が特に好ましい。
具体的には、特開2008−63554号公報の段落0074〜0118に記載されている化合物が挙げられる。
本発明の仮接着剤が、ラジカル重合開始剤(C)として、熱ラジカル重合開始剤を含有する場合(より好ましくは、光ラジカル重合開始剤と熱ラジカル重合開始剤とを含有する場合)、特に、高温時(例えば、100℃)における接着性をより向上できる。
本発明の仮接着剤は、ラジカル重合開始剤を1種で含有しても、2種以上含有しても良い。
本発明のラジカル重合開始剤の含有量(2種以上の場合は総含有量)は、仮接着剤の全固形分に対し0.1質量%以上50質量%以下であることが好ましく、より好ましくは0.1質量%以上30質量%以下、更に好ましくは0.1質量%以上20質量%以下である。
(他の重合性モノマー)
本発明の仮接着剤は、(A)脂環式骨格を有するラジカル重合性モノマーとは異なる重合性モノマー(以下、「他の重合性モノマー」とも言う)を更に含有しても良い。ここで他の重合性モノマーは重合性基を有する。重合性基とは、典型的には、活性光線若しくは放射線の照射、又は、ラジカル若しくは酸の作用により、重合することが可能な基である。
他の重合性モノマーは、典型的には、低分子化合物であり、分子量2000以下の低分子化合物であることが好ましく、1500以下の低分子化合物であることがより好ましく、分子量900以下の低分子化合物であることが更に好ましい。なお、分子量は、通常、100以上である。
他の重合性モノマーにおける重合性基は、例えば、付加重合反応し得る官能基であることが好ましく、付加重合反応し得る官能基としては、エチレン性不飽和結合基、アミノ基、エポキシ基等が挙げられる。また、重合性基は、光照射によりラジカルを発生し得る官能基であってもよく、そのような重合性基としては、例えば、チオール基、ハロゲン基等が挙げられる。なかでも、重合性基は、エチレン性不飽和結合基が好ましい。エチレン性不飽和結合基としては、スチリル基、(メタ)アクリロイル基、アリル基が好ましい。
他の重合性モノマーとしては、具体的にはラジカル重合性化合物(B1)とイオン重合性化合物(B2)が挙げられる。
ラジカル重合性化合物(B1)としては、具体的には、ラジカル重合性基を少なくとも1個、好ましくは2個以上有する化合物から選ばれる。このような化合物群は当該産業分野において広く知られているものであり、本発明においてはこれらを特に限定なく用いることができる。これらは、例えば、モノマー、プレポリマー、すなわち2量体、3量体及びオリゴマー、又はそれらの混合物並びにそれらの多量体などの化学的形態のいずれであってもよい。本発明におけるラジカル重合性化合物は一種単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
ラジカル重合性基は、エチレン性不飽和基が好ましい。エチレン性不飽和基としては、スチリル基、(メタ)アクリロイル基、アリル基が好ましい。
より具体的には、モノマー及びそのプレポリマーの例としては、不飽和カルボン酸(例えば、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、イソクロトン酸、マレイン酸など)やそのエステル類、アミド類、並びにこれらの多量体が挙げられ、好ましくは、不飽和カルボン酸と多価アルコール化合物とのエステル、及び不飽和カルボン酸と多価アミン化合物とのアミド類、並びにこれらの多量体である。また、ヒドロキシル基やアミノ基、メルカプト基等の求核性置換基を有する不飽和カルボン酸エステル或いはアミド類と、単官能若しくは多官能イソシアネート類或いはエポキシ類との付加反応物や、単官能若しくは多官能のカルボン酸との脱水縮合反応物等も好適に使用される。また、イソシアネート基やエポキシ基等の親電子性置換基を有する不飽和カルボン酸エステル或いはアミド類と、単官能若しくは多官能のアルコール類、アミン類、チオール類との付加反応物、更に、ハロゲン基やトシルオキシ基等の脱離性置換基を有する不飽和カルボン酸エステル或いはアミド類と、単官能若しくは多官能のアルコール類、アミン類、チオール類との置換反応物も好適である。また、別の例として、上記の不飽和カルボン酸の代わりに、不飽和ホスホン酸、スチレン等のビニルベンゼン誘導体、ビニルエーテル、アリルエーテル等に置き換えた化合物群を使用することも可能である。
多価アルコール化合物と不飽和カルボン酸とのエステルのモノマーの具体例としては、アクリル酸エステルとして、エチレングリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、1,3−ブタンジオールジアクリレート、テトラメチレングリコールジアクリレート、プロピレングリコールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、トリメチロールプロパントリ(アクリロイルオキシプロピル)エーテル、トリメチロールエタントリアクリレート、ヘキサンジオールジアクリレート、1,4−シクロヘキサンジオールジアクリレート、テトラエチレングリコールジアクリレート、ペンタエリスリトールジアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ジペンタエリスリトールジアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ソルビトールトリアクリレート、ソルビトールテトラアクリレート、ソルビトールペンタアクリレート、ソルビトールヘキサアクリレート、トリ(アクリロイルオキシエチル)イソシアヌレート、イソシアヌール酸エチレンオキシド(EO)変性トリアクリレート、ポリエステルアクリレートオリゴマー等がある。
メタクリル酸エステルとしては、テトラメチレングリコールジメタクリレート、トリエチレングリコールジメタクリレート、ネオペンチルグリコールジメタクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート、トリメチロールエタントリメタクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、1,3−ブタンジオールジメタクリレート、ヘキサンジオールジメタクリレート、ペンタエリスリトールジメタクリレート、ペンタエリスリトールトリメタクリレート、ペンタエリスリトールテトラメタクリレート、ジペンタエリスリトールジメタクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサメタクリレート、ソルビトールトリメタクリレート、ソルビトールテトラメタクリレート、ビス〔p−(3−メタクリルオキシ−2−ヒドロキシプロポキシ)フェニル〕ジメチルメタン、ビス−〔p−(メタクリルオキシエトキシ)フェニル〕ジメチルメタン等がある。
イタコン酸エステルとしては、エチレングリコールジイタコネート、プロピレングリコールジイタコネート、1,3−ブタンジオールジイタコネート、1,4−ブタンジオールジイタコネート、テトラメチレングリコールジイタコネート、ペンタエリスリトールジイタコネート、ソルビトールテトライタコネート等がある。
クロトン酸エステルとしては、エチレングリコールジクロトネート、テトラメチレングリコールジクロトネート、ペンタエリスリトールジクロトネート、ソルビトールテトラジクロトネート等がある。
イソクロトン酸エステルとしては、エチレングリコールジイソクロトネート、ペンタエリスリトールジイソクロトネート、ソルビトールテトライソクロトネート等がある。
マレイン酸エステルとしては、エチレングリコールジマレート、トリエチレングリコールジマレート、ペンタエリスリトールジマレート、ソルビトールテトラマレート等がある。
その他のエステルの例として、例えば、特公昭46−27926号公報、特公昭51−47334号公報、特開昭57−196231号公報記載の脂肪族アルコール系エステル類や、特開昭59−5240号公報、特開昭59−5241号公報、特開平2−226149号公報記載の芳香族系骨格を有するもの、特開平1−165613号公報記載のアミノ基を含有するもの等も好適に用いられる。
また、多価アミン化合物と不飽和カルボン酸とのアミドのモノマーの具体例としては、メチレンビス−アクリルアミド、メチレンビス−メタクリルアミド、1,6−ヘキサメチレンビス−アクリルアミド、1,6−ヘキサメチレンビス−メタクリルアミド、ジエチレントリアミントリスアクリルアミド、キシリレンビスアクリルアミド、キシリレンビスメタクリルアミド等がある。
その他の好ましいアミド系モノマーの例としては、特公昭54−21726号公報記載のシクロへキシレン構造を有すものをあげる事ができる。
また、イソシアネートと水酸基の付加反応を用いて製造されるウレタン系付加重合性化合物も好適であり、そのような具体例としては、例えば、特公昭48−41708号公報に記載されている1分子に2個以上のイソシアネート基を有するポリイソシアネート化合物に、下記一般式(A)で示される水酸基を含有するビニルモノマーを付加させた1分子中に2個以上の重合性ビニル基を含有するビニルウレタン化合物等が挙げられる。
CH=C(R)COOCHCH(R)OH (A)
(ただし、RおよびRは、それぞれ独立して、HまたはCHを示す。)
また、特開昭51−37193号公報、特公平2−32293号公報、特公平2−16765号公報に記載されているようなウレタンアクリレート類や、特公昭58−49860号公報、特公昭56−17654号公報、特公昭62−39417号公報、特公昭62−39418号公報記載のエチレンオキサイド系骨格を有するウレタン化合物類も好適である。
また、ラジカル重合性化合物としては、特開2009−288705号公報の段落番号0095〜段落番号0108に記載されている化合物を本発明においても好適に用いることができる。
また、前記ラジカル重合性化合物としては、少なくとも1個の付加重合可能なエチレン基を有する、常圧下で100℃以上の沸点を持つエチレン性不飽和基を持つ化合物も好ましい。その例としては、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、等の単官能のアクリレートやメタアクリレート;ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールエタントリ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ヘキサンジオール(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(アクリロイルオキシプロピル)エーテル、トリ(アクリロイロキシエチル)イソシアヌレート、グリセリンやトリメチロールエタン等の多官能アルコールにエチレンオキサイドやプロピレンオキサイドを付加させた後(メタ)アクリレート化したもの、特公昭48−41708号、特公昭50−6034号、特開昭51−37193号各公報に記載されているようなウレタン(メタ)アクリレート類、特開昭48−64183号、特公昭49−43191号、特公昭52−30490号各公報に記載されているポリエステルアクリレート類、エポキシ樹脂と(メタ)アクリル酸との反応生成物であるエポキシアクリレート類等の多官能のアクリレートやメタアクリレート及びこれらの混合物を挙げることができる。
多官能カルボン酸にグリシジル(メタ)アクリレート等の環状エーテル基とエチレン性不飽和基を有する化合物を反応させ得られる多官能(メタ)アクリレートなども挙げることができる。
また、その他の好ましいラジカル重合性化合物として、特開2010−160418、特開2010−129825、特許4364216等に記載される、フルオレン環を有し、エチレン性重合性基を2官能以上有する化合物、カルド樹脂も使用することが可能である。
更に、ラジカル重合性化合物のその他の例としては、特公昭46−43946号、特公平1−40337号、特公平1−40336号記載の特定の不飽和化合物や、特開平2−25493号記載のビニルホスホン酸系化合物等もあげることができる。また、ある場合には、特開昭61−22048号記載のペルフルオロアルキル基を含有する構造が好適に使用される。さらに日本接着協会誌 vol. 20、No. 7、300〜308ページ(1984年)に光硬化性モノマーおよびオリゴマーとして紹介されているものも使用することができる。
また、常圧下で100℃以上の沸点を有し、少なくとも一つの付加重合可能なエチレン性不飽和基を持つ化合物としては、特開2008−292970号公報の段落番号[0254]〜[0257]に記載の化合物も好適である。
上記のほか、下記一般式(MO−1)〜(MO−5)で表される、ラジカル重合性化合物も好適に用いることができる。なお、式中、Tがオキシアルキレン基の場合には、炭素原子側の末端がRに結合する。
前記一般式において、nは0〜14であり、mは1〜8である。一分子内に複数存在するR、T、は、各々同一であっても、異なっていてもよい。
上記一般式(MO−1)〜(MO−5)で表されるラジカル重合性化合物の各々において、複数のRの内の少なくとも1つは、−OC(=O)CH=CH、又は、−OC(=O)C(CH)=CHで表される基を表す。
上記一般式(MO−1)〜(MO−5)で表される、ラジカル重合性化合物の具体例としては、特開2007−269779号公報の段落番号0248〜段落番号0251に記載されている化合物を本発明においても好適に用いることができる。
また、特開平10−62986号公報において一般式(1)及び(2)としてその具体例と共に記載の、前記多官能アルコールにエチレンオキサイドやプロピレンオキサイドを付加させた後に(メタ)アクリレート化した化合物も、ラジカル重合性化合物として用いることができる。
中でも、ラジカル重合性化合物としては、ジペンタエリスリトールトリアクリレート(市販品としては KAYARAD D−330;日本化薬株式会社製)、ジペンタエリスリトールテトラアクリレート(市販品としては KAYARAD D−320;日本化薬株式会社製)ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート(市販品としては KAYARAD D−310;日本化薬株式会社製)、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート(市販品としては KAYARAD DPHA ;日本化薬株式会社製)、及びこれらの(メタ)アクリロイル基がエチレングリコール、プロピレングリコール残基を介している構造が好ましい。これらのオリゴマータイプも使用できる。
ラジカル重合性化合物としては、多官能モノマーであって、カルボキシル基、スルホン酸基、リン酸基等の酸基を有していても良い。従って、エチレン性化合物が、上記のように混合物である場合のように未反応のカルボキシル基を有するものであれば、これをそのまま利用することができるが、必要において、上述のエチレン性化合物のヒドロキシル基に非芳香族カルボン酸無水物を反応させて酸基を導入しても良い。この場合、使用される非芳香族カルボン酸無水物の具体例としては、無水テトラヒドロフタル酸、アルキル化無水テトラヒドロフタル酸、無水ヘキサヒドロフタル酸、アルキル化無水ヘキサヒドロフタル酸、無水コハク酸、無水マレイン酸が挙げられる。
本発明において、酸価を有するモノマーとしては、脂肪族ポリヒドロキシ化合物と不飽和カルボン酸とのエステルであり、脂肪族ポリヒドロキシ化合物の未反応のヒドロキシル基に非芳香族カルボン酸無水物を反応させて酸基を持たせた多官能モノマーが好ましく、特に好ましくは、このエステルにおいて、脂肪族ポリヒドロキシ化合物がペンタエリスリトール及び/又はジペンタエリスリトールであるものである。市販品としては、例えば、東亞合成株式会社製の多塩基酸変性アクリルオリゴマーとして、M−510、M−520などが挙げられる。
これらのモノマーは1種を単独で用いても良いが、製造上、単一の化合物を用いることは難しいことから、2種以上を混合して用いても良い。また、必要に応じてモノマーとして酸基を有しない多官能モノマーと酸基を有する多官能モノマーを併用しても良い。
酸基を有する多官能モノマーの好ましい酸価としては、0.1〜40mg−KOH/gであり、特に好ましくは5〜30mg−KOH/gである。多官能モノマーの酸価が低すぎると現像溶解特性が落ち、高すぎると製造や取扱いが困難になり光重合性能が落ち、画素の表面平滑性等の硬化性が劣るものとなる。従って、異なる酸基の多官能モノマーを2種以上併用する場合、或いは酸基を有しない多官能モノマーを併用する場合、全体の多官能モノマーとしての酸基が上記範囲に入るように調整することが必須である。
また、ラジカル重合性化合物として、カプロラクトン構造を有する多官能性単量体を含有することが好ましい。
カプロラクトン構造を有する多官能性単量体としては、その分子内にカプロラクトン構造を有する限り特に限定されるものではないが、例えば、トリメチロールエタン、ジトリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ジトリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、トリペンタエリスリトール、グリセリン、ジグリセロール、トリメチロールメラミン等の多価アルコールと、(メタ)アクリル酸およびε−カプロラクトンをエステル化することにより得られる、ε−カプロラクトン変性多官能(メタ)アクリレートを挙げることができる。なかでも下記式(1)で表されるカプロラクトン構造を有する多官能性単量体が好ましい。
(式中、6個のRは全てが下記式(2)で表される基であるか、または6個のRのうち1〜5個が下記式(2)で表される基であり、残余が下記式(3)で表される基である。)
(式中、R1は水素原子またはメチル基を示し、mは1または2の数を示し、「*」は結
合手であることを示す。)
(式中、R1は水素原子またはメチル基を示し、「*」は結合手であることを示す。)
このようなカプロラクトン構造を有する多官能性単量体は、例えば、日本化薬(株)からKAYARAD DPCAシリーズとして市販されており、DPCA−20(上記式(1)〜(3)においてm=1、式(2)で表される基の数=2、R1が全て水素原子である化合物)、DPCA−30(同式、m=1、式(2)で表される基の数=3、R1が全て水素原子である化合物)、DPCA−60(同式、m=1、式(2)で表される基の数=6、R1が全て水素原子である化合物)、DPCA−120(同式においてm=2、式(2)で表される基の数=6、R1が全て水素原子である化合物)等を挙げることができる。
本発明において、カプロラクトン構造を有する多官能性単量体は、単独でまたは2種以上を混合して使用することができる。
また、多官能モノマーとしては、下記一般式(i)又は(ii)で表される化合物の群から選択される少なくとも1種であることも好ましい。
前記一般式(i)及び(ii)中、Eは、各々独立に、−((CHCHO)−、又は−((CHCH(CH)O)−を表し、yは、各々独立に0〜10の整数を表し、Xは、各々独立に、アクリロイル基、メタクリロイル基、水素原子、又はカルボキシル基を表す。
前記一般式(i)中、アクリロイル基及びメタクリロイル基の合計は3個又は4個であり、mは各々独立に0〜10の整数を表し、各mの合計は0〜40の整数である。但し、各mの合計が0の場合、Xのうちいずれか1つはカルボキシル基である。
前記一般式(ii)中、アクリロイル基及びメタクリロイル基の合計は5個又は6個であり、nは各々独立に0〜10の整数を表し、各nの合計は0〜60の整数である。但し、各nの合計が0の場合、Xのうちいずれか1つはカルボキシル基である。
前記一般式(i)中、mは、0〜6の整数が好ましく、0〜4の整数がより好ましい。
また、各mの合計は、2〜40の整数が好ましく、2〜16の整数がより好ましく、4〜8の整数が特に好ましい。
前記一般式(ii)中、nは、0〜6の整数が好ましく、0〜4の整数がより好ましい。
また、各nの合計は、3〜60の整数が好ましく、3〜24の整数がより好ましく、6〜12の整数が特に好ましい。
また、一般式(i)又は一般式(ii)中の−((CHCHO)−又は−((CHCH(CH)O)−は、酸素原子側の末端がXに結合する形態が好ましい。
前記一般式(i)又は(ii)で表される化合物は1種単独で用いてもよいし、2種以上併用してもよい。特に、一般式(ii)において、6個のX全てがアクリロイル基である形態が好ましい。
また、一般式(i)又は(ii)で表される化合物のラジカル重合性化合物中における全含有量としては、20質量%以上が好ましく、50質量%以上がより好ましい。
前記一般式(i)又は(ii)で表される化合物は、従来公知の工程である、ペンタエリスリト−ル又はジペンタエリスリト−ルにエチレンオキシド又はプロピレンオキシドを開環付加反応により開環骨格を結合する工程と、開環骨格の末端水酸基に、例えば(メタ)アクリロイルクロライドを反応させて(メタ)アクリロイル基を導入する工程と、から合成することができる。各工程は良く知られた工程であり、当業者は容易に一般式(i)又は(ii)で表される化合物を合成することができる。
前記一般式(i)、(ii)で表される化合物の中でも、ペンタエリスリトール誘導体及び/又はジペンタエリスリトール誘導体がより好ましい。
具体的には、下記式(a)〜(f)で表される化合物(以下、「例示化合物(a)〜(f)」ともいう。)が挙げられ、中でも、例示化合物(a)、(b)、(e)、(f)が好ましい。
一般式(i)、(ii)で表されるラジカル重合性化合物の市販品としては、例えばサートマー社製のエチレンオキシ鎖を4個有する4官能アクリレートであるSR−494、日本化薬株式会社製のペンチレンオキシ鎖を6個有する6官能アクリレートであるDPCA−60、イソブチレンオキシ鎖を3個有する3官能アクリレートであるTPA−330などが挙げられる。
また、ラジカル重合性化合物としては、特公昭48−41708号、特開昭51−37193号、特公平2−32293号、特公平2−16765号に記載されているようなウレタンアクリレート類や、特公昭58−49860号、特公昭56−17654号、特公昭62−39417号、特公昭62−39418号記載のエチレンオキサイド系骨格を有するウレタン化合物類も好適である。更に、重合性化合物として、特開昭63−277653号、特開昭63−260909号、特開平1−105238号に記載される、分子内にアミノ構造やスルフィド構造を有する付加重合性化合物類を用いることもできる。
ラジカル重合性化合物の市販品としては、ウレタンオリゴマーUAS−10、UAB−140(山陽国策パルプ社製)、UA−7200」(新中村化学社製、DPHA−40H
(日本化薬社製)、UA−306H、UA−306T、UA−306I、AH−600、T−600、AI−600(共栄社製)などが挙げられる。
ラジカル重合性化合物としては、同一分子内に2個以上のメルカプト(SH)基を有する多官能チオール化合物も好適である。特に、下記一般式(I)で表すものが好ましい。
(式中、R1はアルキル基、R2は炭素以外の原子を含んでもよいn価の脂肪族基、R0はHではないアルキル基、nは2〜4を表す。)
上記一般式(I)で表される多官能チオール化合物を具体的に例示するならば、下記の構造式を有する1,4−ビス(3−メルカプトブチリルオキシ)ブタン〔式(II)〕、1,3,5−トリス(3−メルカプトブチルオキシエチル)−1,3,5−トリアジアン−2,4,6(1H,3H5H)−トリオン〔式(III)〕、及びペンタエリスリトール テトラキス(3−メルカプトブチレート)〔式(IV)〕等が挙げられる。これらの多官能チオールは1種または複数組み合わせて使用することが可能である。
仮接着剤中の多官能チオールの配合量については、溶剤を除いた全固形分に対して0.3〜8.9質量%、より好ましくは0.8〜6.4質量%の範囲で添加するのが望ましい。多官能チオールの添加によって、仮接着剤の安定性、臭気、感度、密着性等を良化させることが出来る。
ラジカル重合性化合物について、その構造、単独使用か併用か、添加量等の使用方法の詳細は、仮接着剤の最終的な性能設計にあわせて任意に設定できる。例えば、感度(活性光線又は放射線の照射に対する、接着性の減少の効率)の観点では、1分子あたりの不飽和基含量が多い構造が好ましく、多くの場合は2官能以上が好ましい。また、接着性層の強度を高める観点では、3官能以上のものがよく、更に、異なる官能数・異なる重合性基(例えばアクリル酸エステル、メタクリル酸エステル、スチレン系化合物、ビニルエーテル系化合物)のものを併用することで、感度と強度の両方を調節する方法も有効である。さらに、3官能以上のものでエチレンオキサイド鎖長の異なるラジカル重合性化合物を併用することも好ましい。また、仮接着剤に含有される他の成分(例えば、脂環式骨格を有するラジカル重合性モノマー(A)、ラジカル重合開始剤(C)等)との相溶性、分散性に対しても、ラジカル重合性化合物の選択・使用法は重要な要因であり、例えば、低純度化合物の使用や2種以上の併用により相溶性を向上させうることがある。また、キャリア基板との密着性を向上させる観点で特定の構造を選択することもあり得る。
イオン重合性化合物(B2)としては、炭素数3〜20のエポキシ化合物(B21)及び炭素数4〜20のオキセタン化合物(B22)等が挙げられる。
炭素数3〜20のエポキシ化合物(B21)としては、例えば以下の単官能又は多官能エポキシ化合物が挙げられる。
単官能エポキシ化合物としては、例えば、フェニルグリシジルエーテル、p−tert―ブチルフェニルグリシジルエーテル、ブチルグリシジルエーテル、2−エチルヘキシルグリシジルエーテル、アリルグリシジルエーテル、1,2−ブチレンオキサイド、1,3−ブタジエンモノオキサイド、1,2−エポキシドデカン、エピクロロヒドリン、1,2−エポキシデカン、スチレンオキサイド、シクロヘキセンオキサイド、3−メタクリロイルオキシメチルシクロヘキセンオキサイド、3−アクリロイルオキシメチルシクロヘキセンオキサイド及び3−ビニルシクロヘキセンオキサイドが挙げられる。
多官能エポキシ化合物としては、例えば、ビスフェノールAジグリシジルエーテル、ビスフェノールFジグリシジルエーテル、ビスフェノールSジグリシジルエーテル、臭素化ビスフェノールAジグリシジルエーテル、臭素化ビスフェノールFジグリシジルエーテル、臭素化ビスフェノールSジグリシジルエーテル、エポキシノボラック樹脂、水添ビスフェノールAジグリシジルエーテル、水添ビスフェノールFジグリシジルエーテル、水添ビスフェノールSジグリシジルエーテル、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3’,4’−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル−5,5−スピロ−3,4−エポキシ)シクロヘキサン−メタ−ジオキサン、ビス(3,4−エポキシシクロヘキシルメチル)アジペート、ビニルシクロヘキセンオキサイド、4−ビニルエポキシシクロヘキサン、ビス(3,4−エポキシ−6−メチルシクロヘキシルメチル)アジペート、3,4−エポキシ−6−メチルシクロヘキシル−3’,4’−エポキシ−6’−メチルシクロヘキサンカルボキシレート、メチレンビス(3,4−エポキシシクロヘキサン)、ジシクロペンタジエンジエポキサイド、エチレングリコールジ(3,4−エポキシシクロヘキシルメチル)エーテル、エチレンビス(3,4−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート)、エポキシヘキサヒドロフタル酸ジオクチル、エポキシヘキサヒドロフタル酸ジ−2−エチルヘキシル、1,4−ブタンジオールジグリシジルエーテル、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、グリセリントリグリシジルエーテル、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、ポリプロピレングリコールジグリシジルエーテル類、1,1,3−テトラデカジエンジオキサイド、リモネンジオキサイド、1,2,7,8−ジエポキシオクタン及び1,2,5,6−ジエポキシシクロオクタンが挙げられる。
これらのエポキシ化合物の中でも、重合速度に優れるという観点から、芳香族エポキシド及び脂環式エポキシドが好ましく、脂環式エポキシドが特に好ましい。
炭素数4〜20のオキセタン化合物(B22)としては、オキセタン環を1個〜6個有する化合物等が挙げられる。
オキセタン環を1個有する化合物としては、例えば、3−エチル−3−ヒドロキシメチルオキセタン、3−(メタ)アリルオキシメチル−3−エチルオキセタン、(3−エチル−3−オキセタニルメトキシ)メチルベンゼン、4−フルオロ−[1−(3−エチル−3−オキセタニルメトキシ)メチル]ベンゼン、4−メトキシ−[1−(3−エチル−3−オキセタニルメトキシ)メチル]ベンゼン、[1−(3−エチル−3−オキセタニルメトキシ)エチル]フェニルエーテル、イソブトキシメチル(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、イソボルニルオキシエチル(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、イソボルニル(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、2−エチルヘキシル(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、エチルジエチレングリコール(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、ジシクロペンタジエン(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、ジシクロペンテニルオキシエチル(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、ジシクロペンテニル(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、テトラヒドロフルフリル(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、テトラブロモフェニル(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、2−テトラブロモフェノキシエチル(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、トリブロモフェニル(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、2−トリブロモフェノキシエチル(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、2−ヒドロキシエチル(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、2−ヒドロキシプロピル(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、ブトキシエチル(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、ペンタクロロフェニル(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、ペンタブロモフェニル(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル及びボルニル(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテルが挙げられる。
オキセタン環を2〜6個有する化合物としては、例えば、3,7−ビス(3−オキセタニル)−5−オキサ−ノナン、3,3’−(1,3−(2−メチレニル)プロパンジイルビス(オキシメチレン))ビス−(3−エチルオキセタン)、1,4−ビス[(3−エチル−3−オキセタニルメトキシ)メチル]ベンゼン、1,2−ビス[(3−エチル−3−オキセタニルメトキシ)メチル]エタン、1,3−ビス[(3−エチル−3−オキセタニルメトキシ)メチル]プロパン、エチレングリコールビス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、ジシクロペンテニルビス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、トリエチレングリコールビス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、テトラエチレングリコールビス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、トリシクロデカンジイルジメチレン(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、トリメチロールプロパントリス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、1,4−ビス(3−エチル−3−オキセタニルメトキシ)ブタン、1,6−ビス(3−エチル−3−オキセタニルメトキシ)ヘキサン、ペンタエリスリトールトリス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、ペンタエリスリトールテトラキス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、ポリエチレングリコールビス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、ジペンタエリスリトールヘキサキス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、ジペンタエリスリトールペンタキス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、ジペンタエリスリトールテトラキス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールヘキサキス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールペンタキス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、ジトリメチロールプロパンテトラキス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、EO変性ビスフェノールAビス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、PO変性ビスフェノールAビス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、EO変性水添ビスフェノールAビス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、PO変性水添ビスフェノールAビス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル及びEO変性ビスフェノールF(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテルが挙げられる。
他の重合性モノマーの含有量は、良好な接着強度と剥離性の観点から、前記仮接着剤の全固形分に対して、5〜75質量%が好ましく、10〜70質量%がより好ましく、10〜60質量%が更に好ましい。
また、他の重合性モノマー及び高分子化合物(B)の含有量の比率(質量比)は、90/10〜10/90であることが好ましく、20/80〜80/20であることがより好ましい。
<その他の成分>
[酸発生剤]
本発明の仮接着剤は活性光線又は放射線の照射や加熱により、酸を発生する化合物(以下、単に、「酸発生剤」とも言う)を含有してもよい。
また、活性光線又は放射線の照射により酸を発生する化合物は、その中でも、pKaが4以下の酸を発生する化合物が好ましく、pKaが3以下の酸を発生する化合物がより好ましい。
酸を発生する化合物の例として、トリクロロメチル−s−トリアジン類、スルホニウム塩やヨードニウム塩、第四級アンモニウム塩類、ジアゾメタン化合物、イミドスルホネート化合物、及び、オキシムスルホネート化合物などを挙げることができる。これらの中でも、高感度である観点から、オキシムスルホネート化合物を用いることが好ましい。これら酸発生剤は、1種単独又は2種類以上を組み合わせて使用することができる。
酸発生剤としては、具体的には、特開2012−8223号公報の段落番号〔0073〕〜〔0095〕記載の酸発生剤を挙げることができる。
本発明の活性光線又は放射線の照射によりラジカル又は酸を発生する化合物の含有量(2種以上の場合は総含有量)は、仮接着剤の全固形分に対し0.1質量%以上50質量%以下であることが好ましく、より好ましくは0.1質量%以上30質量%以下、更に好ましくは0.1質量%以上20質量%以下である。
熱により酸を発生する化合物(以下、単に、熱酸発生剤とも言う)としては、公知の熱酸発生剤を用いることができる。
熱酸発生剤は、好ましくは熱分解点が130℃〜250℃、より好ましくは150℃〜220℃の範囲の化合物が挙げられる。
熱酸発生剤としては、例えば、加熱によりスルホン酸、カルボン酸、ジスルホニルイミドなどの低求核性の酸を発生する化合物である。
熱酸発生剤から発生する酸としてはpKaが2以下と強い、スルホン酸や電子求引基の置換したアルキル又はアリールカルボン酸、同じく電子求引基の置換したジスルホニルイミドなどが好ましい。電子求引基としてはフッ素原子などのハロゲン原子、トリフルオロメチル基等のハロアルキル基、ニトロ基、シアノ基を挙げることができる。
熱酸発生剤としては、上記活性光線又は放射線の照射により酸を発生する光酸発生剤の適用が可能である。例えばスルホニウム塩やヨードニウム塩等のオニウム塩、N−ヒドロキシイミドスルホネート化合物、オキシムスルホネート、o−ニトロベンジルスルホネート等を挙げることができる。
また、本発明においては活性光線又は放射線の照射によって実質的に酸を発生せず、熱によって酸を発生するスルホン酸エステルを使用することも好ましい。
活性光線又は放射線の照射によって実質的に酸を発生していないことは、化合物の露光前後での赤外線吸収(IR)スペクトル、核磁気共鳴(NMR)スペクトル測定により、スペクトルに変化がないことで判定することができる。
スルホン酸エステルの分子量は、230〜1,000が好ましく、230〜800がより好ましい。
本発明で使用可能なスルホン酸エステルは、市販のものを用いてもよいし、公知の方法で合成したものを用いてもよい。スルホン酸エステルは、例えば、塩基性条件下、スルホニルクロリド又はスルホン酸無水物を対応する多価アルコールと反応させることにより合成することができる。
熱酸発生剤は、1種単独で使用しても、2種以上を併用してもよい。
本発明の仮接着剤における酸発生剤の含有量は、被処理部材と接着性支持体との仮接着を行う前に熱照射を行う場合における接着性層の接着性の低減、及び、被処理部材と接着性支持体との仮接着後に熱照射を行う場合における接着性層の接着性の向上の観点から、接着性組成物の全固形分に対し、0.01〜50質量%が好ましく、0.1〜20質量%がより好ましく、0.5〜10質量%であることが最も好ましい。
[連鎖移動剤]
本発明の仮接着剤は、連鎖移動剤を含有することも好ましい。連鎖移動剤は、例えば高分子辞典第三版(高分子学会編、2005年)683−684頁に定義されている。連鎖移動剤としては、例えば、分子内にSH、PH、SiH、GeHを有する化合物群が用いられる。これらは、低活性のラジカル種に水素供与して、ラジカルを生成するか、もしくは、酸化された後、脱プロトンすることによりラジカルを生成しうる。仮接着剤には、特に、チオール化合物(例えば、2−メルカプトベンズイミダゾール類、2−メルカプトベンズチアゾール類、2−メルカプトベンズオキサゾール類、3−メルカプトトリアゾール類、5−メルカプトテトラゾール類等)を好ましく用いることができる。
連鎖移動剤の好ましい含有量は、仮接着剤の全固形分100質量部に対し、好ましくは0.01〜20質量部、更に好ましくは1〜10質量部、特に好ましくは1〜5質量部である。
[重合禁止剤]
本発明の仮接着剤には、仮接着剤の製造中または保存中において、ラジカル重合性モノマーの不要な熱重合を防止するために、少量の重合禁止剤を添加するのが好ましい。
重合禁止剤としては、例えば、ハイドロキノン、p−メトキシフェノール、ジ−t−ブチル−p−クレゾール、ピロガロール、t−ブチルカテコール、ベンゾキノン、4,4’−チオビス(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、N−ニトロソ−N−フェニルヒドロキシルアミンアルミニウム塩が好適に挙げられる。
重合禁止剤の添加量は、仮接着剤の全固形分に対して、約0.01〜約5質量%であるのが好ましい。
[高級脂肪酸誘導体等]
本発明の仮接着剤には、酸素による重合阻害を防止するために、ベヘン酸やベヘン酸アミドのような高級脂肪酸誘導体等を添加して、塗布後の乾燥の過程で接着性層の表面に偏在させてもよい。高級脂肪酸誘導体の添加量は、仮接着剤の全固形分に対して、約0.1〜約10質量%であるのが好ましい。
[その他の添加剤]
また、本発明の仮接着剤は、本発明の効果を損なわない範囲で、必要に応じて、各種添加物、例えば、硬化剤、硬化触媒、シランカップリング剤、充填剤、密着促進剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、凝集防止剤等を配合することができる。
[溶剤]
本発明の半導体装置製造用仮接着剤は、溶剤(通常、有機溶剤)に溶解させて塗布することができる。溶剤は、各成分の溶解性や仮接着剤の塗布性を満足すれば基本的には特に制限はない。
有機溶剤としては、エステル類として、例えば、酢酸エチル、酢酸−n−ブチル、酢酸イソブチル、ギ酸アミル、酢酸イソアミル、酢酸イソブチル、プロピオン酸ブチル、酪酸イソプロピル、酪酸エチル、酪酸ブチル、乳酸メチル、乳酸エチル、オキシ酢酸アルキル(例:オキシ酢酸メチル、オキシ酢酸エチル、オキシ酢酸ブチル(例えば、メトキシ酢酸メチル、メトキシ酢酸エチル、メトキシ酢酸ブチル、エトキシ酢酸メチル、エトキシ酢酸エチル等))、3−オキシプロピオン酸アルキルエステル類(例:3−オキシプロピオン酸メチル、3−オキシプロピオン酸エチル等(例えば、3−メトキシプロピオン酸メチル、3−メトキシプロピオン酸エチル、3−エトキシプロピオン酸メチル、3−エトキシプロピオン酸エチル等))、2−オキシプロピオン酸アルキルエステル類(例:2−オキシプロピオン酸メチル、2−オキシプロピオン酸エチル、2−オキシプロピオン酸プロピル等(例えば、2−メトキシプロピオン酸メチル、2−メトキシプロピオン酸エチル、2−メトキシプロピオン酸プロピル、2−エトキシプロピオン酸メチル、2−エトキシプロピオン酸エチル))、2−オキシ−2−メチルプロピオン酸メチル及び2−オキシ−2−メチルプロピオン酸エチル(例えば、2−メトキシ−2−メチルプロピオン酸メチル、2−エトキシ−2−メチルプロピオン酸エチル等)、ピルビン酸メチル、ピルビン酸エチル、ピルビン酸プロピル、アセト酢酸メチル、アセト酢酸エチル、2−オキソブタン酸メチル、2−オキソブタン酸エチル等、並びに、エーテル類として、例えば、ジエチレングリコールジメチルエーテル、テトラヒドロフラン、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、メチルセロソルブアセテート、エチルセロソルブアセテート、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノプロピルエーテルアセテート等、並びに、ケトン類として、例えば、メチルエチルケトン(2−ブタノン)、シクロヘキサノン、2−ヘプタノン、3−ヘプタノン、メチルアミルケトン等、並びに、芳香族炭化水素類として、例えば、トルエン、キシレン等、その他の有機溶剤として、例えば、N−メチル−2−ピロリドン、リモネン等が好適に挙げられる。
これらの溶剤は、塗布面状の改良などの観点から、2種以上を混合する形態も好ましい。この場合、特に好ましくは、上記の3−エトキシプロピオン酸メチル、3−エトキシプロピオン酸エチル、エチルセロソルブアセテート、乳酸エチル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、酢酸ブチル、3−メトキシプロピオン酸メチル、2−ヘプタノン、シクロヘキサノン、エチルカルビトールアセテート、ブチルカルビトールアセテート、プロピレングリコールメチルエーテル、及びプロピレングリコールメチルエーテルアセテートから選択される2種以上で構成される混合溶液である。
溶剤は、N−メチル−2−ピロリドン、2−ブタノン、メチルアミルケトン、リモネン、又は、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)であることが好ましい。
仮接着剤の塗布液中における溶剤の含有量は、塗布性の観点から、仮接着剤の全固形分濃度が5〜80質量%になる量とすることが好ましく、5〜70質量%がより好ましく、5〜60質量%が更に好ましく、10〜60質量%が特に好ましい。
[界面活性剤]
本発明の仮接着剤には、塗布性をより向上させる観点から、各種の界面活性剤を添加してもよい。界面活性剤としては、フッ素系界面活性剤、ノニオン系界面活性剤、カチオン系界面活性剤、アニオン系界面活性剤、シリコーン系界面活性剤などの各種界面活性剤を使用できる。
特に、本発明の仮接着剤は、フッ素系界面活性剤を含有することで、塗布液として調製したときの液特性(特に、流動性)がより向上することから、塗布厚の均一性や省液性をより改善することができる。
即ち、フッ素系界面活性剤を含有する仮接着剤を適用した塗布液を用いて膜形成する場合においては、被塗布面と塗布液との界面張力を低下させることにより、被塗布面への濡れ性が改善され、被塗布面への塗布性が向上する。このため、少量の液量で数μm程度の薄膜を形成した場合であっても、厚みムラの小さい均一厚の膜形成をより好適に行える点で有効である。
フッ素系界面活性剤中のフッ素含有率は、3質量%〜40質量%が好適であり、より好ましくは5質量%〜30質量%であり、特に好ましくは7質量%〜25質量%である。フッ素含有率がこの範囲内であるフッ素系界面活性剤は、塗布膜の厚さの均一性や省液性の点で効果的であり、仮接着剤中における溶解性も良好である。
フッ素系界面活性剤としては、例えば、メガファックF171、同F172、同F173、同F176、同F177、同F141、同F142、同F143、同F144、同R30、同F437、同F475、同F479、同F482、同F554、同F780、同F781(以上、DIC(株)製)、フロラードFC430、同FC431、同FC171(以上、住友スリーエム(株)製)、サーフロンS−382、同SC−101、同SC−103、同SC−104、同SC−105、同SC1068、同SC−381、同SC−383、同S393、同KH−40(以上、旭硝子(株)製)、PF636、PF656、PF6320、PF6520、PF7002(OMNOVA社製)等が挙げられる。
ノニオン系界面活性剤として具体的には、グリセロール、トリメチロールプロパン、トリメチロールエタン並びにそれらのエトキシレート及びプロポキシレート(例えば、グリセロールプロポキシレート、グリセリンエトキシレート等)、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリエチレングリコールジラウレート、ポリエチレングリコールジステアレート、ソルビタン脂肪酸エステル(BASF社製のプルロニックL10、L31、L61、L62、10R5、17R2、25R2、テトロニック304、701、704、901、904、150R1、ソルスパース20000(日本ルーブリゾール(株)製)等が挙げられる。
カチオン系界面活性剤として具体的には、フタロシアニン誘導体(商品名:EFKA−745、森下産業(株)製)、オルガノシロキサンポリマーKP341(信越化学工業(株)製)、(メタ)アクリル酸系(共)重合体ポリフローNo.75、No.90、No.95(共栄社化学(株)製)、W001(裕商(株)製)等が挙げられる。
アニオン系界面活性剤として具体的には、W004、W005、W017(裕商(株)社製)等が挙げられる。
シリコーン系界面活性剤としては、例えば、東レ・ダウコーニング(株)製「トーレシリコーンDC3PA」、「トーレシリコーンSH7PA」、「トーレシリコーンDC11PA」,「トーレシリコーンSH21PA」,「トーレシリコーンSH28PA」、「トーレシリコーンSH29PA」、「トーレシリコーンSH30PA」、「トーレシリコーンSH8400」、モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ社製「TSF−4440」、「TSF−4300」、「TSF−4445」、「TSF−4460」、「TSF−4452」、信越シリコーン株式会社製「KP341」、「KF6001」、「KF6002」、ビックケミー社製「BYK307」、「BYK323」、「BYK330」等が挙げられる。
界面活性剤は、1種のみを用いてもよいし、2種類以上を組み合わせてもよい。
界面活性剤の添加量は、仮接着剤の全固形分に対して、0.001質量%〜2.0質量%が好ましく、より好ましくは0.005質量%〜1.0質量%である。
次いで、以上に説明した本発明の半導体装置製造用仮接着剤を用いた、接着性支持体、及び、半導体装置の製造方法について説明する。
図1A及び図1Bは、それぞれ、接着性支持体とデバイスウエハとの仮接着を説明する概略断面図、及び、接着性支持体により仮接着されたデバイスウエハが薄型化された状態を示す概略断面図である。
本発明の実施形態において、図1Aに示すように、先ず、キャリア基板12の上に接着性層11が設けられてなる接着性支持体100が準備される。
キャリア基板12の素材は特に限定されないが、例えば、シリコン基板、ガラス基板、金属基板などが挙げられるが、半導体装置の基板として代表的に用いられるシリコン基板を汚染しにくい点や、半導体装置の製造工程において汎用されている静電チャックを使用できる点などを鑑みると、シリコン基板であることが好ましい。
キャリア基板12の厚みは、例えば、300μm〜5mmの範囲内とされるが、特に限定されるものではない。
接着性層11は、本発明の半導体装置製造用仮接着剤を、従来公知のスピンコート法、スプレー法、ローラーコート法、フローコート法、ドクターコート法、浸漬法などを用いて、キャリア基板12上に塗布し、次いで、乾燥することにより形成することができる。
接着性層11の厚みは、例えば、1〜500μmの範囲内とされるが、特に限定されるものではない。
次に、以上のようにして得られた接着性支持体と、デバイスウエハとの仮接着、デバイスウエハの薄型化、及び、接着性支持体からのデバイスウエハの脱離について詳細に説明する。
図1Aに示すように、デバイスウエハ60(被処理部材)は、シリコン基板61の表面61aに複数のデバイスチップ62が設けられてなる。
ここで、シリコン基板61の厚さは、例えば、200〜1200μmの範囲内となっている。
そして、接着性支持体100の接着性層11に対して、シリコン基板61の表面61aを押し当てる。これにより、シリコン基板61の表面61aと、接着性層11とが接着し、接着性支持体100とデバイスウエハ60とが仮接着する。
またこの後、必要に応じて、接着性支持体100とデバイスウエハ60との接着体を加熱し(熱を照射し)、接着性層をより強靭なものとしても良い。これにより、接着性支持体と被処理部材との界面におけるアンカー効果が促進されるとともにデバイスウエハ60の後述する機械的又は化学的な処理を施している時などに生じやすい接着性層の凝集破壊を抑制できるため、接着性支持体100の接着性を高めることになる。
加熱温度は、50℃〜300℃であることが好ましく、100℃〜250℃であることがより好ましく、150℃〜220℃であることが更に好ましい。
加熱時間は、20秒〜10分であることが好ましく、30秒〜5分であることがより好ましく、40秒〜3分であることが更に好ましい。
次いで、シリコン基板61の裏面61bに対して、機械的又は化学的な処理、具体的には、グライディングや化学機械研磨(CMP)等の薄膜化処理を施すことにより、図1Bに示すように、シリコン基板61の厚さを薄くし(例えば、厚さ1〜200μmとし)、薄型デバイスウエハ60’を得る。
また、機械的又は化学的な処理として、薄膜化処理の後に、薄型デバイスウエハ60’の裏面61b’からシリコン基板を貫通する貫通孔(図示せず)を形成し、この貫通孔内にシリコン貫通電極(図示せず)を形成する処理を、必要に応じて行ってもよい。
次いで、接着性支持体100の接着性層11から薄型デバイスウエハ60’の表面61aを脱離する。
脱離の方法は特に限定されるものではないが、接着性層110に剥離液に接触させ、その後、必要に応じて、接着性支持体100に対して薄型デバイスウエハ60’を摺動させるか、あるいは、接着性支持体100から薄型デバイスウエハ60’を剥離することにより行うことが好ましい。本発明の仮接着剤は、剥離液に対する親和性が高いため、上記方法により、接着性層110と薄型デバイスウエハ60’の表面61aとの仮接着を容易に解除することができる。
また、脱離の方法は、機械的な剥離であってもよい。
接着性支持体100から薄型デバイスウエハ60’を脱離した後、必要に応じて、薄型デバイスウエハ60’に対して、種々の公知の処理を施し、薄型デバイスウエハ60’を有する半導体装置を製造する。
<剥離液>
以下、剥離液について詳細に説明する。
剥離液としては、水及び、前述した溶剤(有機溶剤)を使用することができる。また、剥離液としては、2−ヘプタノン、リモネン、アセトン及びp−メンタン等の有機溶剤も好ましく、特にデバイスウエハが後述する保護層付デバイスウエハである場合、剥離液はリモネン又はp−メンタンであることが好ましく、p−メンタンであることがより好ましい。これにより、保護層が剥離液に容易に溶解し、剥離性をより向上できる。
更に、剥離性の観点から、剥離液は、アルカリ、酸、及び界面活性剤を含んでいても良い。さらに剥離性の観点から、2種以上の有機溶剤及び水、2種以上のアルカリ、酸及び界面活性剤を混合する形態も好ましい。
アルカリとしては、例えば、第三リン酸ナトリウム、第三リン酸カリウム、第三リン酸アンモニウム、第二リン酸ナトリウム、第二リン酸カリウム、第二リン酸アンモニウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸アンモニウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム、炭酸水素アンモニウム、ホウ酸ナトリウム、ホウ酸カリウム、ホウ酸アンモニウム、水酸化ナトリウム、水酸化アンモニウム、水酸化カリウム及び水酸化リチウムなどの無機アルカリ剤や、モノメチルアミン、ジメチルアミン、トリメチルアミン、モノエチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、モノイソプロピルアミン、ジイソプロピルアミン、トリイソプロピルアミン、n−ブチルアミン、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、モノイソプロパノールアミン、ジイソプロパノールアミン、エチレンイミン、エチレンジアミン、ピリジン、テトラメチルアンモニウムヒドロキシドなどの有機アルカリ剤を使用することができる。これらのアルカリ剤は、単独若しくは2種以上を組み合わせて用いることができる。
酸としては、ハロゲン化水素、硫酸、硝酸、リン酸、ホウ酸などの無機酸や、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸、酢酸、クエン酸、ギ酸、グルコン酸、乳酸、シュウ酸、酒石酸などの有機酸を使用することができる。
界面活性剤としては、アニオン系、カチオン系、ノニオン系、両性イオン系の界面活性剤を使用することができる。この場合、界面活性剤の含有量は、アルカリ水溶液の全量に対して1〜20質量%であることが好ましく、1〜10質量%であることがより好ましい。
界面活性剤の含有量を上記した範囲内とすることにより、接着性支持体100と薄型デバイスウエハ60’との剥離性をより向上できる傾向となる。
アニオン系界面活性剤としては、特に限定されないが、脂肪酸塩類、アビエチン酸塩類、ヒドロキシアルカンスルホン酸塩類、アルカンスルホン酸塩類、ジアルキルスルホコハク酸塩類、直鎖アルキルベンゼンスルホン酸塩類、分岐鎖アルキルベンゼンスルホン酸塩類、アルキルナフタレンスルホン酸塩類、アルキルジフェニルエーテル(ジ)スルホン酸塩類、アルキルフェノキシポリオキシエチレンアルキルスルホン酸塩類、ポリオキシエチレンアルキルスルホフェニルエーテル塩類、N−アルキル−N−オレイルタウリンナトリウム類、N−アルキルスルホコハク酸モノアミド二ナトリウム塩類、石油スルホン酸塩類、硫酸化ヒマシ油、硫酸化牛脂油、脂肪酸アルキルエステルの硫酸エステル塩類、アルキル硫酸エステル塩類、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸エステル塩類、脂肪酸モノグリセリド硫酸エステル塩類、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル硫酸エステル塩類、ポリオキシエチレンスチリルフェニルエーテル硫酸エステル塩類、アルキル燐酸エステル塩類、ポリオキシエチレンアルキルエーテル燐酸エステル塩類、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル燐酸エステル塩類、スチレン−無水マレイン酸共重合物の部分けん化物類、オレフィン−無水マレイン酸共重合物の部分けん化物類、ナフタレンスルホン酸塩ホルマリン縮合物類等が挙げられる。この中で、アルキルベンゼンスルホン酸塩類、アルキルナフタレンスルホン酸塩類、アルキルジフェニルエーテル(ジ)スルホン酸塩類が特に好ましく用いられる。
カチオン系界面活性剤としては、特に限定されないが、従来公知のものを用いることができる。例えば、アルキルアミン塩類、第四級アンモニウム塩類、アルキルイミダゾリニウム塩、ポリオキシエチレンアルキルアミン塩類、ポリエチレンポリアミン誘導体が挙げられる。
ノニオン系界面活性剤としては、特に限定されないが、ポリエチレングリコール型の高級アルコールエチレンオキサイド付加物、アルキルフェノールエチレンオキサイド付加物、アルキルナフトールエチレンオキサイド付加物、フェノールエチレンオキサイド付加物、ナフトールエチレンオキサイド付加物、脂肪酸エチレンオキサイド付加物、多価アルコール脂肪酸エステルエチレンオキサイド付加物、高級アルキルアミンエチレンオキサイド付加物、脂肪酸アミドエチレンオキサイド付加物、油脂のエチレンオキサイド付加物、ポリプロピレングリコールエチレンオキサイド付加物、ジメチルシロキサン−エチレンオキサイドブロックコポリマー、ジメチルシロキサン−(プロピレンオキサイド−エチレンオキサイド)ブロックコポリマー、多価アルコール型のグリセロールの脂肪酸エステル、ペンタエリスリトールの脂肪酸エステル、ソルビトールおよびソルビタンの脂肪酸エステル、ショ糖の脂肪酸エステル、多価アルコールのアルキルエーテル、アルカノールアミン類の脂肪酸アミド等が挙げられる。この中で、芳香環とエチレンオキサイド鎖を有するものが好ましく、アルキル置換又は無置換のフェノールエチレンオキサイド付加物又はアルキル置換又は無置換のナフトールエチレンオキサイド付加物がより好ましい。
両性イオン系界面活性剤としては、特に限定されないが、アルキルジメチルアミンオキシドなどのアミンオキシド系、アルキルベタインなどのベタイン系、アルキルアミノ脂肪酸ナトリウムなどのアミノ酸系が挙げられる。特に、置換基を有してもよいアルキルジメチルアミンオキシド、置換基を有してもよいアルキルカルボキシベタイン、置換基を有してもよいアルキルスルホベタインが好ましく用いられる。具体的には、特開2008−203359号の段落番号〔0256〕の式(2)で示される化合物、特開2008−276166号の段落番号〔0028〕の式(I)、式(II)、式(VI)で示される化合物、特開2009−47927号の段落番号〔0022〕〜〔0029〕で示される化合物を用いることができる。
更に必要に応じ、消泡剤及び硬水軟化剤のような添加剤を含有することもできる。
次いで、従来の実施形態について説明する。
図2は、従来の接着性支持体とデバイスウエハとの仮接着状態の解除を説明する概略断面図である。
従来の実施形態においては、図2に示すように、接着性支持体として、キャリア基板12の上に、従来の仮接着剤により形成された接着性層11’が設けられてなる接着性支持体100’を使用し、それ以外は、図1A及び図1Bを参照して説明した手順と同様に、接着性支持体100’とデバイスウエハとを仮接着し、デバイスウエハにおけるシリコン基板の薄膜化処理を行い、次いで、上記した手順と同様に、接着性支持体100’から薄型デバイスウエハ60’を剥離する。
しかしながら、従来の仮接着剤によれば、高い接着力により被処理部材を仮支持し、処理済部材に損傷を与えることなく、処理済部材に対する仮支持を容易に解除することが困難である。例えば、デバイスウエハとキャリア基板との仮接着を充分にしようとするべく、従来の仮接着剤の内、接着性の高いものを採用すると、デバイスウエハとキャリア基板との仮接着が強すぎる傾向となる。よって、この強すぎる仮接着を解除するべく、例えば、図2に示すように、薄型デバイスウエハ60’の裏面61b’にテープ(例えば、ダイシングテープ)70を貼り付け、接着性支持体120から薄型デバイスウエハ60’を剥離する場合においては、バンプ63が設けられたデバイスチップ62から、バンプ63が脱離するなどして、デバイスチップ62を破損する不具合が生じやすい。
一方、従来の仮接着剤の内、接着性が低いものを採用すると、処理済部材に対する仮支持を容易に解除することはできるが、そもそもデバイスウエハとキャリア基板との仮接着が弱すぎ、デバイスウエハをキャリア基板で確実に支持できないという不具合が生じやすい。
しかしながら、本発明の仮接着剤により形成された接着性層は、充分な接着性を発現するとともに、デバイスウエハ60と接着性支持体100との仮接着は、特に、接着性層11に剥離液を接触させることにより容易に解除できる。すなわち、本発明の仮接着剤によれば、高い接着力によりデバイスウエハ60を仮支持できるとともに、薄型デバイスウエハ60’に損傷を与えることなく、薄型デバイスウエハ60’に対する仮支持を容易に解除できる。
図3A、図3B、図3C及び図3Dは、それぞれ、接着性支持体と保護層付デバイスウエハとの仮接着を説明する概略断面図、接着性支持体により仮接着された保護層付デバイスウエハが薄型化された状態を示す概略断面図、接着性支持体から剥離された保護層付薄型デバイスウエハを示す概略断面図、及び、薄型デバイスウエハを示す概略断面図である。
図4A及び図4Bは、それぞれ、接着性支持体により仮接着されたデバイスウエハが薄型化された状態を説明する概略断面図、及び、接着性支持体により仮接着された保護層付デバイスウエハが薄型化された状態を説明する概略断面図である。
本発明の上記した第1の実施形態においては、図3Aに示すように、デバイスウエハ60に代えて、保護層付デバイスウエハ160(被処理部材)を使用しても良い。
ここで、保護層付デバイスウエハ160は、表面61aに複数のデバイスチップ62が設けられたシリコン基板61(被処理基材)と、シリコン基板61の表面61aに設けられ、デバイスチップ62を保護する保護層80とを有している。
保護層80の厚さは、例えば、1〜1000μmの範囲内となっている。
保護層80は、公知のものを制限なく使用することができるが、デバイスチップ62を確実に保護できるものが好ましい。
保護層80を構成する材料としては、被処理基材を保護する目的であれば、制限なく公知の化合物を使用することができる。具体的には、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、ユリア樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、アルキド樹脂、ポリウレタン、ポリイミド、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン、ポリ酢酸ビニル、テフロン(登録商標)、ABS樹脂、AS樹脂、アクリル樹脂、ポリアミド、ポリアセタール、ポリカーボネート、ポリフェニレンエーテル、ポリブチレンテラフタレート、ポリエチレンテレフタラート、環状ポリオレフィン、ポリフェニレンスルフィド、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリアリレート、ポリエーテルエーテルケトン、ポリアミドイミドなどの合成樹脂や、ロジン、天然ゴムなどの天然樹脂を好ましく使用することができる。
また、保護層80は、本発明の効果を損なわない範囲で必要に応じて、前記仮接着剤に含有され得る化合物を含有できる。
そして、接着性支持体100の接着性層11に対して、保護層付デバイスウエハ160の表面160a(保護層80の、シリコン基板61とは反対側の面)を押し当てる。これにより、保護層付デバイスウエハ160の表面160aと、接着性層21とが接着し、接着性支持体100と保護層付デバイスウエハ160とが仮接着する。
次いで、上記同様、図3Bに示すように、シリコン基板61の厚さを薄くし(例えば厚さ1〜200μmのシリコン基板61’を形成し)、保護層付薄型デバイスウエハ160’を得る。
次に、上記同様、接着性支持体100の接着性層11から保護層付薄型デバイスウエハ160’の表面160aを脱離して、図3Cに示すように、保護層付薄型デバイスウエハ160’を得る。
そして、保護層付薄型デバイスウエハ160’における保護層80を、シリコン基板61’及びデバイスチップ62から除去することにより、図3Dに示すように、シリコン基板61’にデバイスチップ62が設けられてなる薄型デバイスウエハを得る。
保護層80の除去としては、公知のものをいずれも採用できるが、例えば、(1)保護層80を溶剤により溶解除去する方法;(2)保護層80に剥離用テープなどを貼り付け、保護層80をシリコン基板61’及びデバイスチップ62から機械的に剥離する方法;(3)保護層80に対して、紫外線及び赤外線などの光による露光又はレーザー照射を実施することによって、保護層80を分解したり、保護層80の剥離性を向上させたりする方法などが挙げられる。
上記(1)及び(3)は、これらの方法における作用が、保護膜の表面全域に対して為されるため、保護層80の除去が容易であるという利点がある。
上記(2)は、室温下において特段の装置を要することなく、実施が可能という利点がある。
被処理部材としてデバイスウエハ60に代えて保護層付デバイスウエハ160を用いる形態は、接着性支持体100により仮接着されたデバイスウエハ60を薄型化することにより得られる薄型デバイスウエハのTTV(Total Thickness Variation)をより低下したい場合(すなわち、薄型デバイスウエハの平坦性をより向上させたい場合)に有効である。
すなわち、接着性支持体100により仮接着されたデバイスウエハ60を薄型化する場合においては、図4Aに示すように、複数のデバイスチップ62が為すデバイスウエハ60の凹凸形状が、薄型デバイスウエハ60’の裏面61b’に転写される傾向となり、TTVが大きくなる要素になり得る。
一方、接着性支持体100により仮接着された保護層付デバイスウエハ160を薄型化する場合においては、先ず、図4Bに示すように、複数のデバイスチップ62を保護層によって保護しているため、保護層付デバイスウエハ160の、接着性支持体110との接触面において、凹凸形状をほとんど無くすことが可能である。よって、このような保護層付デバイスウエハ160を接着性支持体110によって支持した状態で薄型化しても、複数のデバイスチップ62に由来する形状が、保護層付薄型デバイスウエハ160’の裏面61b”に転写される虞れは低減され、その結果、最終的に得られる薄型デバイスウエハのTTVをより低下することができる。
また、本発明の仮接着剤が、ラジカル重合開始剤(C)として、熱ラジカル重合開始剤を含有する場合は、接着性層11を、熱の照射により接着性が減少する接着性層とすることができる。この場合、具体的には、接着性層11を、熱の照射を受ける前には、接着性を有する層であるが、熱の照射を受けた領域においては、接着性が低下ないしは消失する層とすることができる。
また、本発明の仮接着剤が、ラジカル重合開始剤(C)として、光ラジカル重合開始剤を含有する場合は、接着性層11を、活性光線若しくは放射線の照射により接着性が減少する接着性層とすることができる。この場合、具体的には、接着性層を、活性光線若しくは放射線の照射を受ける前には、接着性を有する層であるが、活性光線若しくは放射線の照射を受けた領域においては、接着性が低下ないしは消失する層とすることができる。
そこで、本発明においては、デバイスウエハ60と接着性支持体100とを接着させる前に、接着性支持体100の接着性層11の、デバイスウエハ60に接着される面に対して、活性光線若しくは放射線又は熱を照射しても良い。
例えば、活性光線若しくは放射線又は熱の照射により、接着性層を、低接着性領域及び高接着性領域が形成された接着性層に変換した上で、被処理部材の接着性支持体による仮接着を行っても良い。以下、この実施形態について説明する。
図5Aは、接着性支持体に対する露光を説明する概略断面図を示し、図5Bは、マスクの概略上面図を示す。
先ず、接着性支持体100の接着性層11にマスク40を介して活性光線又は放射線50を照射(すなわち、露光)する。
図5A及び図5Bに示すように、マスク40は、中央域に設けられた光透過領域41と、周辺域に設けられた遮光領域42とから構成されている。
よって、上記露光は、接着性層11の中央域には露光されるが、中央域を取り囲む周辺域には露光されない、パターン露光である。
図6Aは、パターン露光された接着性支持体の概略断面図を示し、図6Bは、パターン露光された接着性支持体の概略上面図を示す。
上記したように、接着性層11が、活性光線又は放射線の照射により接着性が減少する接着性層である場合、上記のパターン露光を行うことにより、接着性支持体100は、図6A及び図6Bに示すように、中央域及び周辺域に、それぞれ、低接着性領域21A及び高接着性領域21Bが形成された接着性層21を有する接着性支持体110に変換される。
ここで、本明細書中における「低接着性領域」とは、「高接着性領域」と比較して低い接着性を有する領域を意味し、接着性を有さない領域(すなわち、「非接着性領域」)を包含する。同様に、「高接着性領域」とは、「低接着性領域」と比較して高い接着性を有する領域を意味する。
この接着性支持体110は、マスク40を用いたパターン露光により、低接着性領域21A及び高接着性領域21Bが設けられるものであるが、マスク40における光透過領域及び遮光領域のそれぞれの面積及び形状はミクロンないしはナノオーダーで制御可能である。よって、パターン露光により接着性支持体110の接着性層21に形成される高接着性領域21B及び低接着性領域21Aのそれぞれの面積及び形状等を細かく制御できるため、接着性層の全体としての接着性を、デバイスウエハ60のシリコン基板61をより確実かつ容易に仮支持できるとともに、薄型デバイスウエハ60’に損傷を与えることなく、薄型デバイスウエハ60’のシリコン基板に対する仮支持をより容易に解除できる程度の接着性に、高精度で、かつ、容易に制御できる。
また、接着性支持体110における高接着性領域21B、及び、低接着性領域21Aは、パターン露光により、その表面物性が異なるものとはされるが、構造体としては一体となっている。よって、高接着性領域21Bと低接着性領域21Aとで機械的な物性に大きな差異はなく、接着性支持体110の接着性層21にデバイスウエハ60のシリコン基板61の表面61aが接着され、次いで、シリコン基板61の裏面61bが薄膜化処理やシリコン貫通電極を形成する処理を受けても、接着性層21の高接着性領域21Bに対応する裏面61bの領域と、低接着性領域21Aに対応する裏面61bの領域との間で、上記処理に係る圧力(例えば、研削圧力や研磨圧力など)に差は生じにくく、高接着性領域21B、及び、低接着性領域21Aが、上記処理における処理精度に与える影響は少ない。これは、上記問題を生じやすい、例えば厚さ1〜200μmの薄型デバイスウエハ60’を得る場合において特に有効である。
よって、接着性支持体110を使用する形態は、デバイスウエハ60のシリコン基板61に上記の処理を施す際に、処理精度に与える影響を抑制しつつ、シリコン基板61をより確実かつ容易に仮支持できるとともに、薄型デバイスウエハ60’に損傷を与えることなく、薄型デバイスウエハ60’に対する仮支持をより容易に解除できる形態として好ましい。
また、接着性層11を、活性光線若しくは放射線又は熱を照射することにより、接着性層の基板側の内表面から外表面に向けて接着性が低下された接着性層に変換した上で、被処理部材の接着性支持体による仮接着を行っても良い。以下、この実施形態について説明する。
図7は、接着性支持体に対する活性光線若しくは放射線又は熱の照射を説明する概略断面図である。
先ず、接着性層11の外表面に向けて活性光線若しくは放射線又は熱50’を照射することにより、接着性支持体100は、図7に示すように、基板側の内表面31bから外表面31aに向けて接着性が低下された接着性層31を有する接着性支持体120に変換される。
すなわち、接着性層31は、外表面31a側には低接着性領域31Aを、内表面31b側には高接着性領域31Bをそれぞれ有することになる。
このような接着性層31は、活性光線若しくは放射線又は熱50の照射量を、外表面31aには、活性光線若しくは放射線又は熱50が充分に照射されるものの、内表面31bまでには、活性光線若しくは放射線又は熱50が到達しないような照射量とすることにより、容易に形成できる。
ここで、このような照射量の変更は、露光機や加熱装置の設定を変更することにより容易に行うことができるため、設備コストを抑制できるとともに、接着性層21,31の形成に多くの時間を費やすものでもない。
また、上記の本発明の実施形態においては、上記の接着性層11と上記の照射方法とを組み合わせることにより、構造体としては一体であるが、外表面31aにおける接着性が内表面31bにおける接着性よりも積極的に低くされた接着性層31が形成されるため、分離層等の別層を設ける必要もない。
以上のように、上記の接着性層31は、その形成が容易である。
更に、外表面31aにおける接着性及び内表面31bにおける接着性のそれぞれは、接着性層11を構成する素材の選択、及び、活性光線若しくは放射線又は熱の照射量の調整等により、精度良く制御できるものである。
その結果、基板12及びシリコン基板61のそれぞれに対する接着性層31の接着性を、デバイスウエハ60のシリコン基板61を確実かつ容易に仮支持できるとともに、薄型デバイスウエハ60’に損傷を与えることなく、薄型デバイスウエハ60’のシリコン基板に対する仮支持を容易に解除できる程度の接着性に、高精度で、かつ、容易に制御できる。
よって、接着性支持体120を使用する形態も、デバイスウエハ60のシリコン基板61に上記の処理を施す際に、シリコン基板61をより確実かつ容易に仮支持できるとともに、薄型デバイスウエハ60’に損傷を与えることなく、薄型デバイスウエハ60’に対する仮支持をより容易に解除できる形態として好ましい。
本発明の半導体装置の製造方法は、前述した実施の形態に限定されるものではなく、適宜な変形、改良等が可能である。
前述した実施形態において、本発明の半導体装置製造用仮接着剤より形成される接着性層は、デバイスウエハの仮接着の前に、キャリア基板の上に設けられることにより接着性支持体を構成したが、先ず、デバイスウエハ等の被処理部材の上に設けられ、次いで、接着性層が設けられた被処理部材と、基板とが仮接着されても良い。
また、例えば、パターン露光に使用されるマスクは、バイナリマスクであっても、ハーフトーンマスクであっても良い。
また、露光は、マスクを介したマスク露光としたが、電子線等をも用いた描画による選択的露光であっても良い。
また、前述した実施形態において、接着性層は単層構造であるが、接着性層は多層構造であってもよい。多層構造の接着性層を形成する方法としては、活性光線又は放射線を照射する前に、前述した従来公知の方法で接着性組成物を段階的に塗布する方法や、活性光線又は放射線を照射した後に、前述した従来公知の方法で接着性組成物を塗布する方法などが挙げられる。接着性層が多層構造である形態において、例えば、接着性層11が、活性光線若しくは放射線又は熱の照射により接着性が減少する接着性層である場合には、活性光線若しくは放射線又は熱の照射により、各層間の接着性を減少させることにより、接着性層全体としての接着性を減少させることもできる。
また、前述した実施形態においては、接着性支持体により支持される被処理部材として、シリコン基板を挙げたが、これに限定されるものではなく、半導体装置の製造方法において、機械的又は化学的な処理に供され得るいずれの被処理部材であっても良い。
例えば、被処理部材としては、化合物半導体基板を挙げることもでき、化合物半導体基板の具体例としては、SiC基板、SiGe基板、ZnS基板、ZnSe基板、GaAs基板、InP基板、及び、GaN基板などが挙げられる。
更に、前述した実施形態においては、接着性支持体により支持されたシリコン基板に対する機械的又は化学的な処理として、シリコン基板の薄膜化処理、及び、シリコン貫通電極の形成処理を挙げたが、これらに限定されるものではなく、半導体装置の製造方法において必要ないずれの処理も挙げられる。
その他、前述した実施形態において例示した、マスクにおける光透過領域及び遮光領域、接着性層における高接着性領域及び低接着性領域、並びに、デバイスウエハにおけるデバイスチップの形状,寸法,数,配置箇所等は、本発明を達成できるものであれば任意であり、限定されない。
以下、本発明を実施例により更に具体的に説明するが、本発明はその主旨を越えない限り、以下の実施例に限定されるものではない。尚、特に断りのない限り、「部」、「%」は質量基準である。
<接着性支持体の形成>
4インチSiウエハに下記表1記載に示す組成の各液状接着剤組成物(仮接着剤)をスピンコーター(Mikasa製 Opticoat MS−A100,1200rpm,30秒)により塗布したのち、100℃で30秒ベークし、厚さ3μmの接着性層が設けられたウエハ1(すなわち接着性支持体)を形成した。
〔(A)重合性モノマー〕
重合性モノマー(1):KAYARAD R−684(日本化薬製、2官能アクリレート)
重合性モノマー(2):ライトアクリレートDCP−A(共栄社化学製、2官能アクリレート)
重合性モノマー(3):NKエステルDCP(新中村化学製、2官能メタクリレート)
重合性モノマー(4):メタクリル酸イソボロニル(和光純薬製、単官能メタクリレート)
重合性モノマー(5):メタクリル酸シクロヘキシル(東京化成製、単官能メタクリレート)
重合性モノマー(6):アダマンテートMM(出光興産製、単官能メタクリレート)
〔(B)高分子化合物〕
高分子化合物(1):ポリスチレン(Aldrich製、Mw:16.5万)
高分子化合物(2):エスチレンMS200NT(新日鐵化学(株)製のスチレン-メタクリル酸メチル共重合体)
高分子化合物(3):ポリメタクリル酸メチル(Aldrich製、Mw:12.0万)
高分子化合物(4):ゼオネックス480R(日本ゼオン(株)製)
高分子化合物(5):TOPAS5013(ポリプラスチックス(株)製)
〔(C)ラジカル重合開始剤〕
光ラジカル重合開始剤(1):IRGACURE OXE 02(BASF製)
光ラジカル重合開始剤(2):IRGACURE 127(BASF製)
光ラジカル重合開始剤(3):カヤキュアーDETX(日本化薬製)
熱ラジカル重合開始剤(1):パーブチルZ(日油(株)製、t−ブチルパーオキシベンゾエート、分解温度(10時間半減期温度=104℃))
〔溶剤〕
溶剤(1):1−メトキシ−2−プロパノールアセテート
比較例用重合性モノマー(1):n−オクチルメタクリレート(東京化成製、1官能メタクリレート)
比較例用重合性モノマー(2):1,6−ヘキサンジオールジメタクリレート(和光純薬製、2官能メタクリレート)
<被処理部材の作成>
保護層を有さない被処理部材としては、4インチSiウエハをそのまま使用した。
保護層を有する被処理部材としては、4インチSiウエハに、下記保護層用化合物の20質量%p−メンタン溶液をスピンコーター(Mikasa製 Opticoat MS−A100,1200rpm,30秒)により塗布したのち、100℃で300秒ベークし、厚さ20μmの保護層が設けられたウエハを形成した。
保護層を有する場合も有さない場合も、被処理部材としての上記ウエハを、纏めて、ウエハ2と称する。
[保護層用化合物]
保護層用化合物(1):クリアロンP−135(ヤスハラ化学(株)製)
保護層用化合物(2):アルコンP140(荒川化学(株)製)
保護層用化合物(3):TOPAS5013(ポリプラスチックス(株)製)
保護層用化合物(4):ゼオネックス480R(日本ゼオン(株)製)
<接着性試験片の作成>
下記表2及び表3に記載の通り、各液状接着剤組成物からなる仮接着剤を用いて、[露光]、[圧着]の順に各工程を経て接着性試験片を作成した。
[露光]
ウエハ1の接着性層の側から、接着性層の周囲5mmを保護(遮光)するマスクを介して、周囲3mmを除いた接着性層の中央部に対して、UV露光装置(浜松ホトニクス製 LC8)を用いて、254nmの波長の光を、2000mJ/cmの露光量で露光した。
なお、光ラジカル重合開始剤を含まない液状接着剤組成物(17)、比較例用液状接着剤組成物(3)を使用した場合は、この露光工程は行わずに、次工程に移った。
[圧着]
ウエハ2を、ウエハ1の接着性層に重ね、200℃で20N/cmで300秒間加圧接着した。ここで、ウエハ2が保護層が設けられた4インチSiウエハである場合は、この保護層と、ウエハ1の接着性層とを重ねて、上記のように加圧接着した。
<高温時における接着性試験片の接着力測定>
表2に記載の条件で作成された試験片のせん断接着力を、引っ張り試験機((株)イマダ製デジタルフォースゲージ、型式:ZP−50N)を用いて、100℃に加熱しながら、250mm/minの条件で接着性層の面に沿った方向に引っ張り測定した。結果を下記表2に示す。
<剥離性>
表2に記載の条件で作成された試験片を、表2に記載の剥離液に25℃で10分間浸漬させた。剥離液から試験片を取り出し、純水で慎重に洗浄した後、25℃で乾燥させた。作成された試験片を接着性層の垂直方向に引っ張り、Siウエハが破損せずに非常に軽い力で剥離できれば『A』、Siウエハが破損せずに軽い力で剥離できれば『B』、Siウエハが破損せずに強い力で剥離できれば『C』、剥離できなければ『D』とした。なお、Siウエハの破損の有無は目視で確認した。
<高温プロセス後の剥離性>
表2に記載の条件で作成された試験片を、220℃で30分加熱を行い、室温に冷却後、表2に記載の剥離液に25℃で10分間浸漬させた。剥離液から試験片を取り出し、純水で慎重に洗浄した後、25℃で乾燥させた。作成された試験片を接着性層の垂直方向に引っ張り、Siウエハが破損せずに非常に軽い力で剥離できれば『A』、Siウエハが破損せずに軽い力で剥離できれば『B』、Siウエハが破損せずに強い力で剥離できれば『C』、剥離できなければ『D』とした。なお、Siウエハの破損の有無は目視で確認した。
<アウトガス>
液状接着剤組成物の乾固物に窒素雰囲気下で、300℃、10分間の加熱処理を行った後、25℃まで、一旦冷却し、その後、TGA測定により20℃/分の昇温速度で加熱し、300℃までに生じる重量減少が2%未満であれば「B」、2%以上5%未満であれば「C」、5%以上であれば「D」とした。結果を下記表2に示す。
以上のように、脂環式骨格を有するラジカル重合性モノマー(A)を含有しない仮接着剤を用いた比較例1及び2、並びに、ラジカル重合開始剤を含有しない仮接着剤を用いた比較例3は、接着性が不十分であり、アウトガスが生じやすいことが分かった。また、比較例1及び2においては、高温でのプロセスを経ることで剥離性が低下することがわかった。高分子化合物(B)を含まない比較例4においては、ウエハを塗布した後のウエハの表面で斑点状にモノマーが広がっており、評価をすることができなかった。
一方、本発明の仮接着剤を用いた実施例1〜25によれば、塗布性に優れるとともに、接着性及び剥離性に関して良好な結果が得られるのみならず、高温プロセスを経た後の剥離性に関しても良好な結果を示すとともに、アウトガスについても良好な結果を示した。
また、ラジカル重合性モノマー(A)として2個以上のラジカル重合性官能基を有する重合性モノマーを含有する仮接着剤を用いた実施例1〜3、7〜25は、接着力により優れることが分かった。
また、ラジカル重合性モノマー(A)としてアクリル系モノマーを用いた実施例1は、メタクリル系モノマーを用いた実施例3と比較して、接着力により優れることが分かった。
また、高分子化合物(B)として炭化水素樹脂を含有する仮接着剤を用いた実施例1〜13、15〜25は、接着力、及び、アウトガスの性能により優れることが分かった。
更に、ラジカル重合開始剤(C)として、熱ラジカル重合開始剤を含有する仮接着剤を用いた実施例9及び17は、接着力により優れることが分かった。
このように、本発明の仮接着剤は、被処理部材(半導体ウエハなど)に機械的又は化学的な処理を施す際に、更には、高温プロセスを経た後においても処理済部材に損傷を与えることなく、処理済部材に対する仮支持を容易に解除できるものである。
更に、露光工程を経て形成した接着性層の、光が照射された領域には接着性が全くなかった。この技術により、例えば、被処理部材に対して、接着性層の周縁部のみで接着な接着性支持体を形成することができるため、特に、被処理部材がデバイスウエハである場合、デバイスウエハから接着性支持体を脱離する際に、デバイスの内部損傷をより低減することが可能である。
11,11’,21,31 接着性層
12 キャリア基板
21A,31A 低接着性領域
21B,31B 高接着性領域
40 マスク
41 光透過領域
42 遮光領域
50 活性光線又は放射線
50’ 活性光線若しくは放射線又は熱
60 デバイスウエハ
60’ 薄型デバイスウエハ
61,61’ シリコン基板
62 デバイスチップ
63 バンプ
70 テープ
80 保護層
100,100’,110,120 接着性支持体
160 保護層付デバイスウエハ
160’ 保護層付薄型デバイスウエハ

Claims (11)

  1. (A)脂環式骨格を有するラジカル重合性モノマー、(B)高分子化合物、及び、(C)ラジカル重合開始剤を含有する半導体装置製造用仮接着剤。
  2. 前記ラジカル重合性モノマー(A)が、下記式(1)で表されるモノマーである、請求項1に記載の半導体装置製造用仮接着剤。

    一般式(1)中、Aは、n価の脂環式炭化水素基を表し、Lは、単結合又は2価の連結基を表し、R〜Rは、それぞれ独立して、水素原子、アルキル基又はアリール基を表す。Xは、−O−、又は−(NR)−を表す。Rは、水素原子、アルキル基又はアリール基を表す。nは、1以上の整数を表す。nが2以上の整数である場合、括弧内の構造は同じであっても異なっていてもよい。
  3. 前記ラジカル重合性モノマー(A)が、2個以上のラジカル重合性官能基を有する、請求項1に記載の半導体装置製造用仮接着剤。
  4. 前記高分子化合物(B)が、炭化水素系樹脂である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の半導体装置製造用仮接着剤。
  5. 前記ラジカル重合開始剤(C)として、光ラジカル重合開始剤と熱ラジカル重合開始剤とを含有する、請求項1〜4のいずれか1項に記載の半導体装置製造用仮接着剤。
  6. 基板と、前記基板上に、請求項1〜5のいずれか1項に記載の半導体装置製造用仮接着剤により形成された接着性層とを有する接着性支持体。
  7. 被処理部材の第1の面と基板とを、請求項1〜5のいずれか1項に記載の半導体装置製造用仮接着剤により形成された接着性層を介して接着させる工程、
    前記被処理部材の前記第1の面とは異なる第2の面に対して、機械的又は化学的な処理を施し、処理済部材を得る工程、及び、
    前記接着性層から前記処理済部材の第1の面を脱離する工程
    を有する、前記処理済部材を有する半導体装置の製造方法。
  8. 前記被処理部材の第1の面と基板とを前記接着性層を介して接着させる工程の前に、前記接着性層の、前記被処理部材の第1の面に接着される面に対して、前記活性光線若しくは放射線又は熱を照射する工程を更に有する、請求項7に記載の半導体装置の製造方法。
  9. 被処理部材の第1の面と基板とを前記接着性層を介して接着させる工程の後、かつ、前記被処理部材の前記第1の面とは異なる第2の面に対して、機械的又は化学的な処理を施し、処理済部材を得る工程の前に、前記接着性層を50℃〜300℃の温度で加熱する工程を更に有する、請求項7又は8に記載の半導体装置の製造方法。
  10. 前記接着性層から前記処理済部材の第1の面を脱離する工程が、前記接着性層に剥離液を接触させる工程を含む、請求項7〜9のいずれか1項に記載の半導体装置の製造方法。
  11. 前記被処理部材が、被処理基材と、前記被処理基材の第1の面の上に設けられた保護層とを有してなり、
    前記保護層の、前記被処理基材とは反対側の面を、前記被処理部材の前記第1の面とし、
    前記被処理基材の前記第1の面とは異なる第2の面を、前記被処理部材の前記第2の面とする、請求項7〜10のいずれか1項に記載の半導体装置の製造方法。
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