JP2014122189A - 含フッ素化合物及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】有機溶媒への溶解性が高く、高キャリア移動度を有する有機半導体材料となる化合物及びその製造方法を提供する。
【解決手段】下記式(2)で表される含フッ素化合物。
[下式において、Rは同一であっても異なっていてもよく水素原子又は炭素数1〜12のパーフルオロアルキル基であり、1以上のRは炭素数1〜12のパーフルオロアルキル基である。mは2〜4の整数であり、nは0又は1であり、m+nは2〜4の整数である。]
【化1】
Figure 2014122189

【選択図】なし

Description

本発明は、新規含フッ素化合物及びその製造方法に関する。
近年、有機化合物を半導体材料として用いた有機半導体素子は、従来のシリコン等の無機半導体材料を用いた半導体素子と比べて、その加工性が容易であることから、低価格なデバイスの実現が期待されている。また、有機化合物の半導体材料は、構造的に柔軟であることから、プラスチック基板と組み合わせて用いることで、フレキシブルなディスプレイ等のデバイスを実現することが期待されている。
半導体の加工プロセスには、プラズマやイオンビームなどの蒸着によるドライプロセスと、塗布やプリンタブル、インクジェットなど、有機溶媒を用いたウェットプロセスとが知られている。従来の有機半導体材料は有機溶媒に対して溶解性が低く、ウェットプロセスの適用が困難であったため、ドライプロセスが広く利用されてきた。一方、ウェットプロセスは、半導体結晶にダメージを与えることなく加工できる等の長所がある。
一般に、有機半導体材料にはキャリア移動度の向上が求められている。有機半導体材料において、キャリア移動度の向上のための手段としては、未だ有効な手段は確立していないが、分子間相互作用の強化や、分子配列の制御が重要と考えられている。例えば、縮合多環系化合物は、平面構造により共役系が拡張され、π−πスタックによる強い分子間相互作用を持つとして、有機半導体材料としての利用が試みられている(非特許文献1)。
縮合多環系化合物のうちアセン化合物は有機半導体材料として優れた機能が期待されている。
特許文献1には、ウェットプロセスによりアセン化合物を有機半導体材料として使用するために、アセン骨格にアルキル基等の置換基を導入することで、有機溶媒への溶解性を高める手法が開示されている。また引用文献2には、重金属を用いたカップリング反応によるパーフルオロアルキル基を有するアセン化合物の製造方法が開示されている。
また、複素環式化合物の利用も検討されている。
例えば非特許文献2には、アントラジチオフェンの合成法及び2位と8位にアルキル基を有するジアルキルアントラジチオフェンが記されている。
特許文献3には、コア骨格の一部にO、S、Se、またはTeを含み、さらにアルキル基などの置換基を導入した複素環式化合物が開示され、電子素子や光電子素子に利用できると記載されている。
特開2007−13097号公報 国際公開第2011/022678号 特表2012−512140号公報
D.J.Gundlach, S.F.Nelson, T.N.Jachson et al., Appl.Phys.Lett.,(2002),80,2925. Joyce G. Laquindanum et.al., "Synthesis, Morphology, and Field−Effect Mobility of Anthradithiophenes" J. Am. Chem. Soc., 1998, 120 (4), pp 664−672
しかし、非特許文献2及び特許文献3に記載される複素環式化合物は、有機溶媒への溶解性が低く、ウェットプロセスに適用しにくい化合物である。非特許文献2に記載のジアルキルアントラジチオフェンは、コア骨格であるアントラジチオフェン骨格の大気中での安定性が、アルキル基の電子供与性によって低いことが予測される。
本発明は、ドライプロセス及びウェットプロセスのいずれにも適用可能であり、大気中での化合物の安定性が高く、かつキャリア移動度が高い縮合多環系化合物の提供を目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意研鑽を積んだ結果、低極性溶媒にも比較的可溶な特定構造の含フッ素芳香族化合物を新たに見出し、本発明を完成するに至った。また、重金属のコンタミネーションが少ない、当該含フッ素芳香族化合物の製造方法も新たに見出した。
すなわち、本発明は下記<1>〜<6>に関するものである。
<1>下記式(2)で表される含フッ素化合物。
Figure 2014122189
[上記式において、Rは同一であっても異なっていてもよく、水素原子又は炭素数1〜12のパーフルオロアルキル基であり、1以上のRは炭素数1〜12のパーフルオロアルキル基である。mは2〜4の整数であり、nは0又は1であり、m+nは2〜4の整数である。]
<2>前記式(2)において、2以上のRは炭素数1〜12のパーフルオロアルキル基である上記<1>に記載の含フッ素化合物。
<3>前記式(2)において、2つのRは炭素数1〜12のパーフルオロアルキル基であり、かつ前記2つのRがパラ位の関係にある上記<1>又は<2>に記載の含フッ素化合物。
<4>前記式(2)で表される化合物が、下記式(2−1)で表される化合物又は下記式(2−2)で表される化合物である、上記<1>〜<3>のいずれか1に記載の含フッ素化合物。
Figure 2014122189
[上記式において、Rは同一であっても異なっていてもよく、炭素数1〜12のパーフルオロアルキル基である。]
<5>上記<1>〜<4>のいずれか1に記載の含フッ素化合物を含む有機半導体材料。
<6>含ハロゲン溶媒中で、チオ硫酸塩の存在下、下記式(1)で表される化合物と式RXで表される化合物(ただしRは、炭素数1〜12のパーフルオロアルキル基である)とを光照射下で反応させることを特徴とする下記式(2’)で表される含フッ素化合物の製造方法。
Figure 2014122189
[上記式において、R’は同一であっても異なっていてもよく、水素原子又はR(ただしRは、前記と同じ意味を示す)であり、1以上のR’はRである。mは2〜4の整数であり、nは0又は1であり、m+nは2〜4の整数である。]
有機半導体薄膜中におけるキャリア輸送は主に分子間のπ電子軌道の重なりにより決定されるので、高移動度の達成には、分子間相互作用を高めて、より強固なπスタッキング構造を構築することが鍵である。本発明に係る含フッ素化合物はチオフェン環を含む縮合環骨格を有することでπ電子系の広い縮合環となり、π電子軌道の重なりが有利となる。また、チオフェン環を含む縮合環骨格にパーフルオロアルキル基が導入されることにより含フッ素化合物の有機溶媒への溶解性が高まるため、有機半導体材料としてウェットプロセスへの適用が可能となる。さらに、電子求引性基であるパーフルオロアルキル基は凝集力が強いので、フルオロフィリック効果を利用して分子間相互作用を強めることから、有機半導体材料として高いキャリア移動度が期待される。
また、本発明に係る含フッ素化合物の製造方法では、パーフルオロアルキル基を、分子の長軸方向(芳香族環の縮合方向)とは垂直の位置に選択的に導入することができる。
すなわち、本発明に係る含フッ素化合物を含む有機半導体材料はドライプロセスに加えウェットプロセスにも適用可能であり、高いキャリア移動度が期待できることから、高性能な有機半導体薄膜を形成でき、有機半導体素子に適用することができる。
以下、本発明を詳細に説明するが、本発明は以下の実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、任意に変形して実施することができる。
なお、式(X)で表される化合物を「化合物(X)」とも称する。
<含フッ素化合物>
本発明にかかる含フッ素化合物は、下記式(2)で表される。
Figure 2014122189
[上記式において、Rは同一であっても異なっていてもよく、水素原子又は炭素数1〜12のパーフルオロアルキル基であり、1以上のRは炭素数1〜12のパーフルオロアルキル基である。
mは2〜4の整数であり、nは0又は1であり、m+nは2〜4の整数である。]
本発明にかかる含フッ素化合物は1以上のRがパーフルオロアルキル基である。パーフルオロアルキル基とは、アルキル基の水素原子の全てがフッ素原子に置換された基をいう。式(2)中には、Rで表される基が、2m個存在する。2m個のRは、それぞれ同一であっても異なっていてもよいが、そのうち1つ以上のRは、パーフルオロアルキル基である。縮合多環系化合物は、縮合環の数が増えるにつれて、π−πスタッキングによる強い分子間相互作用により、キャリア移動度の増加が見込まれる。その一方、強い分子間相互作用は有機溶媒への溶解性の低下も招く。本発明のように縮合環骨格の水素原子の1以上をパーフルオロアルキル基で置換した構造を有する化合物は、有機溶媒への溶解性を飛躍的に高めることができる。
本発明にかかる含フッ素化合物(2)においては、2以上のRがパーフルオロアルキル基であることが、フルオロフィリック効果を利用して分子間相互作用を強める観点から好ましい。パーフルオロアルキル基が2以上存在する場合、パーフルオロアルキル基同志は同一であっても異なっていてもよく、同一であるのが好ましい。さらに、2つのRがパーフルオロアルキル基であり、かつ前記2つのRがパラ位の関係にあることが、基板に対する配向性の向上と、薄膜の結晶性の観点から好ましい。
Rがパーフルオロアルキル基である際に、該基の炭素数が多くなると、立体障害によって縮合環同士の分子間相互作用を弱める傾向がある。したがって、π−πスタッキングによる強い分子間相互作用を損なうことなく、有機溶媒への溶解性を向上させる観点から、パーフルオロアルキル基の炭素数は1〜12であり、1〜6であることが、分子間相互作用と溶解性向上とのバランスの観点から好ましい。
上記パーフルオロアルキル基の構造は、直鎖状でも分枝状でもよく、フッ素原子の相互作用による分子間相互作用の向上の点から直鎖状が好ましい。
mはベンゼン環の繰り返し単位数である。mは、2〜4の整数であり、好ましくは2〜3の整数である。
nはチオフェン環の繰り返し単位数であり、0又は1である。nが0である場合は、チオフェン環は存在せず、式(2)で表した化合物の片末端はベンゼン環であることを意味する。mを付したべンゼン環と、nを付したチオフェン環が共に存在する場合、ベンゼン環とチオフェン環の連なり方は、式(2)で表記した順で連なる。すなわち、mが2以上である場合、ベンゼン環が連なることを意味する。
m+nは2〜4の整数であり、好ましくは2又は4である。
以上より、本発明に係る含フッ素化合物は、下式(2−1)〜(2−7)で表される化合物であることがより好ましい。
Figure 2014122189
上記式において、Rは炭素数1〜12のパーフルオロアルキル基である。複数のRは同一であっても異なっていてもよい。Rとしては、有機溶媒への溶解性の観点から、炭素数1〜6の直鎖状パーフルオロアルキル基であることがより好ましい。また、式中のRは同一であるのが好ましい。
本発明に係る含フッ素化合物のうち、2つのRがパーフルオロアルキル基である場合の具体例を下記に示す。nC13とは、直鎖の基(すなわち、−(CFF)であることを意味する。また、下式におけるnC13部分は、CF−、C−、nC−、nC−、nC11−、nC15−、nC17−、nC19−等の基であってもよい。
Figure 2014122189
本発明における含フッ素芳香族化合物は、縮合環のπ−πスタックによる強い分子間相互作用によって高いキャリア移動度を実現することができる。また、化合物中のパーフルオロアルキル基の存在によって有機溶媒への溶解性を向上することができる。
したがって、本発明における含フッ素化合物は、高キャリア移動度を有する有機半導体材料として有用であり、簡便かつ基板を損傷させないウェットプロセスを用いて、高性能の有機半導体薄膜を大量に製膜することが可能となる。さらには、該有機半導体薄膜を使った、優れた有機半導体素子および有機半導体デバイスを得ることが可能となる。
<含フッ素化合物の製造方法>
本発明の含フッ素化合物(2)は、以下に示すように製造できる。すなわち、含ハロゲン溶媒中で、チオ硫酸塩の存在下、下記式(1)で表される化合物と式RXで表される化合物(ただしRは、炭素数1〜12のパーフルオロアルキル基である)とを光照射下で反応させて下記式(2’)で表される含フッ素化合物の製造方法である。
Figure 2014122189
[上記式において、R’は同一であっても異なっていてもよく、水素原子又はR(ただしRは、前記と同じ意味を示す)であり、1以上のR’はRである。mは2〜4の整数であり、nは0又は1であり、m+nは2〜4の整数である。]
式(2’)におけるR’がRである場合、該Rは、反応に用いた式RXで表される化合物のRに対応する。R、m、およびnの意味、及び好ましい態様は、前記のとおりである。またRが炭素数1〜12のパーフルオロアルキル基である場合の好ましい態様は、上記本発明の含フッ素化合物の好ましい態様と同様である。
Xはハロゲン原子であり、具体的には、塩素原子、臭素原子またはヨウ素原子が例示できる。Xは、収率の向上の点で、ヨウ素原子または臭素原子が好ましく、ヨウ素原子がさらに好ましい。
通常の有機化学反応の知識によれば、炭素数1〜12のパーフルオロアルキル基である場合のRは、反応性が高いとチオフェンの2位の炭素原子には導入されると考えられるが、本発明によれば、縮合環骨格の短軸方向に導入される。また、チオフェンを構成する硫黄原子も酸化されない。
このように、本発明の製造方法によれば、特定の炭素原子に位置選択的にパーフルオロアルキル基を導入できる。また、本発明の製造方法は光照射すれば反応が進行する。よって、本発明の製造方法は、加熱等の操作を必須とせずに簡便な反応条件で実施できる利点がある。
本発明の製造方法において、化合物(1)としては公知の化合物または公知の手法により製造できる化合物が採用できる。具体的には下記に示す化合物等が挙げられる。
Figure 2014122189
式(1)で表される化合物と式RXで表される化合物との反応において、式RXで表される化合物の使用量は、目的とする化合物中に導入する基Rの数に応じて、適宜変更するのが好ましい。通常の場合、式(1)で表される化合物に対する式RXの量は、理論量の1〜100倍モルが好ましく、2〜20倍モルが好ましい。
式(2’)で表される化合物として、複数の異なるR基を有する化合物を得たい場合には、式RXで表される化合物を該R基の導入割合に応じた量で反応させるのが好ましい。得られる化合物(2’)は、Rの異なる2種以上の基(R’)が混在した化合物となりうる。
反応に用いる含ハロゲン溶媒としては、反応基質の溶解性の観点からハロゲン化脂肪族溶媒が好ましい。ハロゲン化脂肪族溶媒における、ハロゲン原子は塩素原子又はフッ素原子が好ましい。
含ハロゲン溶媒の例としては、塩素化炭化水素類、塩素化フッ素化炭化水素類(ただし、式RXで表される化合物を除く)、含フッ素エーテル化合物が挙げられる。具体的には、塩化メチレン、クロロホルム、2,3,3−トリクロロヘプタフルオロブタン、1,1,1,3−テトラクロロ−2,2,3,3−テトラフルオロプロパン、1,1,1−トリクロロペンタフルオロプロパン、1,1−ジクロロ−2,2,3,3,3−ペンタフルオロプロパン、1,3−ジクロロ−1,2,2,3,3−ペンタフルオロプロパン、四塩化炭素、1,2−ジクロロエタン、n−C13−C、n−COCH、n−COC等を用いることができる。なかでも、塩化メチレン等の塩素化炭化水素類;1,1−ジクロロ−2,2,3,3,3−ペンタフルオロプロパン、1,3−ジクロロ−1,2,2,3,3−ペンタフルオロプロパン等の塩素化フッ素化炭化水素類が好ましく、塩化メチレンが特に好ましい。
チオ硫酸塩としては特に制限されず、チオ硫酸ナトリウム、チオ硫酸アンモニウムがより好ましく、チオ硫酸ナトリウムが特に好ましい。チオ硫酸塩の使用量は式RXで表される化合物に対して2〜20倍モルが好ましい。
また、反応系中には、さらに水を加えることがチオ硫酸塩の溶解性向上の観点から好ましい。水を加える場合の水の量は、チオ硫酸塩1gに対して1〜10000モルが好ましく、10〜2000モルが特に好ましい。
反応温度は0〜60℃が好ましく、特に10〜30℃がより好ましい。
光照射反応とは、反応系に光照射をしながら行う反応をいう。光照射の光源の例としては紫外線が挙げられる。紫外線を光源とする場合、通常は、化学反応、分解、または殺菌等に用いられる250〜600nmの波長の紫外線を照射可能なものを用いるのが好ましく、特に高圧水銀灯が好ましい。紫外線の波長は300〜600nmが好ましく、330〜470nmが特に好ましい。紫外線照射により反応を行う場合には、公知の光照射装置を採用でき、メリーゴーランド型光反応装置等が挙げられる。
光照射時間としては1〜24時間が好ましく、1〜8時間が特に好ましい。
<有機半導体材料>
本発明の含フッ素化合物(2)は、種々の機能性材料として用いることができ、特に有機半導体材料として有用に用いうる化合物である。
該有機半導体材料とは、本発明の含フッ素化合物(2)を含み、有機半導体用として用いうる材料である。有機半導体材料は、含フッ素化合物(2)のみからなる材料であってみよく、含フッ素化合物(2)と他の材料とを含む材料であってもよい。他の材料としては、他の有機半導体材料や、種々のドーパント等が挙げられる。ドーパントとしては、例えば有機EL素子の発光層として用いる場合には、クマリン、キナクリドン、ルブレン、スチルベン系誘導体、蛍光色素等を用いることができる。
本発明の含フッ素化合物(2)は、パーフルオロアルキル基間の親和力により隣接分子が凝集し(フルオロフィリック効果)、より効率的な電荷移動に寄与する。したがって、本発明の含フッ素化合物(2)を用いれば、高いキャリア移動度を保持した有機半導体薄膜、およびこれを利用したトランジスタ等の電子素子の作製が実現できる。
本発明の含フッ素化合物(2)に対して、パーフルオロアルキル基を有していないアントラジオチオフェンは、電極材料に金を用いた場合、p型半導体としてふるまう。しかし、本発明の含フッ素化合物(2)は、電子求引性置換基であるパーフルオロアルキル基が導入されているため、置換基によって導電性が変わりうる。よって、本発明の含フッ素化合物は、骨格の一部に存在するパーフルオロアルキル基によって電子遷移エネルギーを変化させることでき、導電型を制御することが可能となり、有機半導体材料として好ましい材料になりうる。またn型半導体としても使用できる。
<有機半導体薄膜>
本発明に係る有機半導体材料は、ドライプロセスまたはウェットプロセスを用い、通常の製造方法にしたがって、基板上に有機半導体に膜を形成できる。該膜としては、薄膜、厚膜、又は結晶性を有する膜が挙げられる。
ドライプロセスで薄膜を形成する場合、真空蒸着法、MBE(Molecular Beam Epitaxy)法、スパッタリング法、レーザー蒸着法、気相輸送成長法等の公知の方法を用いうる。
これらの薄膜等は、光電変換素子、薄膜トランジスタ素子、発光素子など種々の機能素子の電荷輸送性部材として機能し、本半導体材料を用いて多様な電子デバイスを作製することが可能である。
ドライプロセスとして、真空蒸着法、MBE法、または気相輸送成長法を用いて薄膜を形成する場合には、有機半導体材料を加熱して昇華した蒸気を、高真空、真空、低真空、または常圧で基板表面に輸送する。薄膜の形成は、公知の方法や条件に従って実施でき、具体的には、基板温度は20〜200℃、薄膜成長速度は0.001〜1000nm/secが好ましい。該条件とすることで、結晶性があり、かつ、薄膜の表面平滑性がある膜を形成しうる。
基板温度は、低温であると薄膜がアモルファス状になりやすく、高温であると薄膜の表面平滑性が低下する傾向がある。また、薄膜成長速度が遅いと結晶性が低下しやすく、速すぎると薄膜の表面平滑性が低下する傾向がある。
ウェットプロセスで薄膜を形成する場合、含フッ素化合物(2)を含む有機半導体材料を有機溶媒に溶解して溶液化したものを、基板上に被覆することによって有機半導体薄膜を形成することができる。
本発明の含フッ素化合物(2)は、従来の有機半導体材料に比して有機溶媒に対する溶解性が改善され、ウェットプロセスの適用ができる利点を有する化合物である。その理由は、含フッ素化合物中のパーフルオロアルキル基の存在により、本発明に係る有機半導体材料は親油性を示すことから、種々の有機溶媒に可溶となる。ウェットプロセスによる膜形成は、半導体結晶にダメージを与えることなく加工できる利点がある。
ウェットプロセスにおける製膜方法(基板を被覆する方法)としては、塗布、噴霧、および接触等が挙げられる。具体的には、スピンコート法、キャスト法、ディップコート法、インクジェット法、ドクターブレード法、スクリーン印刷法、ディスペンス法等の公知の方法が挙げられる。また、平板状結晶や厚膜状態の形態を取る場合には、キャスト法等が採用できる。製膜方法および有機溶媒は、作製するデバイスに適した組み合わせを選択することが好ましい。
ウェットプロセスにおいては、含フッ素化合物(2)の溶液と基板との界面に、温度勾配、電場、および磁場から選ばれる少なくとも1つを印加して、結晶成長を制御することもできる。該方法を採用すれば、より高結晶性の有機半導体薄膜を製造でき、かつ、高結晶性の薄膜の性能に基づく優れた半導体特性を得ることができる。また、ウェットプロセス製膜時に、環境雰囲気を溶媒雰囲気にすることにより、溶媒乾燥における蒸気圧を制御して、高結晶性の有機半導体薄膜を製造することもできる。
ウェットプロセスにおいて、含フッ素化合物(2)を溶解できる有機溶媒の例としては、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン等の脂肪族炭化水素類;シクロヘキサン等の脂環式炭化水素類;ベンゼン、トルエン、キシレン、フェノール、クレゾール等の芳香族炭化水素類;ジエチルエーテル、tert−ブチルメチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル類;メタノール、エタノール、2−プロパノール等のアルコール類;またはこれらの混合物等の、非ハロゲン系の溶媒の例が挙げられる。
含ハロゲン溶媒の例としては、塩素化炭化水素類、塩素化芳香族炭化水素類、フッ素化炭化水素類、塩素化フッ素化炭化水素類、含フッ素エーテル化合物が例示できる。具体的には、塩化メチレン、クロロホルム、1,2−ジクロロエタン、クロロベンゼン、1,2−ジクロロベンゼン、1,2,4−トリクロロベンゼン、2,3,3−トリクロロヘプタフルオロブタン、1,1,1,3−テトラクロロ−2,2,3,3−テトラフルオロプロパン、1,1,1−トリクロロペンタフルオロプロパン、1,1−ジクロロ−2,2,3,3,3−ペンタフルオロプロパン、1,3−ジクロロ−1,1,2,2,3−ペンタフルオロプロパン、四塩化炭素、1,2−ジクロロエタン、ジクロロペンタフルオロプロパン、n−C13−C、n−COCH、n−COC等が挙げられる。
溶媒は1種のみを用いても2種以上を併用してもよい。2種以上を併用する場合には、非ハロゲン系溶媒と、含ハロゲン溶媒とを併用するのが好ましく、これらを任意の割合で混合した溶媒が好ましい。
本発明における含フッ素化合物(2)を有機溶媒に溶解させて、ウェットプロセスを行う場合には、作業効率の観点等から、有機溶媒に溶解させる有機半導体材料の濃度は、有機溶媒中に0.01質量%以上が好ましく、0.01〜10重量%が特に好ましく、0.2〜10重量%がとりわけ好ましい。本発明の含フッ素化合物(2)は有機溶媒に対する溶解性に優れるため、上記の製造方法で得た含フッ素化合物(2)をカラムクロマトグラフィーや再結晶などの簡易な精製方法によって、高純度化したものを用いてもよい。
ウェットプロセスによる基板上の被覆は、大気下または不活性ガス雰囲気下で行うことができる。特に半導体材料の溶液が酸化しやすい場合には、不活性ガス雰囲気下にすることが好ましく、窒素やアルゴン等を用いることができる。
基板上を被覆した後、溶媒を揮発させることで有機半導体薄膜が形成される。当該薄膜中の溶媒残存量が多いと薄膜の安定性や半導体特性が低下するおそれがあるため、薄膜形成の後に、再度加熱処理や減圧処理を施し、残存している溶媒を除去することが好ましい。
ウェットプロセスに使用しうる基板の形状は特に限定されず、通常はシート状の基板や板状の基板が好ましい。基板に用いられる材料も特に限定されずセラミックス、金属基板、半導体、樹脂、紙、不織布等が挙げられる。
基板がセラミックス基板である場合の例としては、ガラス、石英、酸化アルミニウム、サファイア、チッ化ケイ素、炭化ケイ素等の基板が挙げられる。金属基板としては金、銅、銀等の基板が挙げられる。半導体基板としては、シリコン(結晶性シリコン、アモルファスシリコン)、ゲルマニウム、ガリウムヒ素、ガリウムリン、チッ化ガリウム等の基板が挙げられる。樹脂基板としては、ポリエステル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリビニル、ポリビニルアルコール、エチレンビニルアルコール共重合体、環状ポリオレフィン、ポリイミド、ポリアミド、ポリスチレン、ポリカーボネート、ポリエーテルスルフォン、ポリスルフォン、ポリメチルメタクリレート、ポリエチレンテレフタレート、トリアセチルセルロース、ノルボルネン等の基板が挙げられる。
含フッ素化合物(2)を用いることにより、得られた有機半導体薄膜は、結晶性の薄膜とすることができる。結晶性の薄膜は高い結晶性によって高いキャリア移動度が望め、それによる優れた有機半導体デバイス特性を発現する点から好ましい。
薄膜の結晶状態は、薄膜の斜入射X線回折測定、透過型電子線回折、薄膜のエッジ部にX線を入射させ回折を測定する方法により知ることができる。特に薄膜分野の結晶解析手法である斜入射X線回折によるのが好ましい。
X線回折法としては、測定する格子面の方向によって、Out−of−planeXRD法とIn−planeXRD法がある。Out−of−planeXRD法は基板に対して平行な格子面を観察する手法である。In−planeXRD法は基板に対して垂直な格子面を観察する手法である。
薄膜が結晶性であるとは、薄膜を形成する有機半導体材料に由来する回折ピークが観察されることを意味する。具体的には有機半導体材料の結晶格子に基づく回折、分子長さ由来の回折、あるいは分子が基板に対して平行、あるいは垂直に並ぶ配向性を有する際に現れる特徴的な回折ピークが観察されることを意味する。非結晶状態の膜の場合はこの回折は観察されず、回折ピークが現れた薄膜は結晶性の薄膜であることを意味する。
有機半導体素子に使用する有機半導体薄膜層の厚さは、通常10〜1,000nmが好ましい。
<有機半導体素子、有機半導体トランジスタ>
本発明における含フッ素化合物(2)は高いキャリア移動度を有する。よって、含フッ素化合物(2)を含む有機半導体材料は含フッ素化合物の高いキャリア移動度を損なうことなく、有機半導体薄膜を形成することができる。
有機半導体薄膜の層を積層することにより形成した半導体層を含む有機半導体素子は、様々な半導体デバイスに非常に有用である。
半導体デバイスの例としては、有機半導体トランジスタ、有機半導体レーザー、有機光電変換デバイス、有機分子メモリ等が挙げられる。このうち半導体デバイスとしては有機半導体トランジスタが好ましく、さらに電界効果トランジスタ(FET)がより好ましい。
有機半導体トランジスタは、通常、基板、ゲート電極、絶縁体層(誘電体層)、ソース電極、ドレイン電極、及び半導体層で構成される。その他にバックゲートやバルクなどが含まれていてもよい。
有機半導体トランジスタ中の構成要素が配置される順序等については、特に限定されない。また、上記構成要素のうち、ゲート電極、ソース電極、ドレイン電極、及び半導体層は複数層設けてもよい。複数層の半導体層が存在する場合には、同一平面内に設けても、積層して設けてもよい。
以下に本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例によってなんら限定されるものではない。
(評価方法)
本実施例において、合成した化合物の構造は以下に示す分析方法により行った。
<核磁気共鳴分析>
日本電子社製フーリエ変換高分解能核磁気共鳴装置(NMR)、JNM−AL400を使用した。多重度は、singlet:s、doublet:d、triplet:t、quartet:q、multiplet:m、broad:brと略記する。
H NMR(400MHz)。溶媒:クロロホルム−d(CDCl)。内部標準:テトラメチルシラン(TMS)。
19F NMR(376MHz)。溶媒:クロロホルム−d(CDCl)。内部標準:ヘキサフルオロベンゼン(C)を−163ppmとした(CFClを0ppmとする。)
<質量分析>
サーモフィッシャー社製Extractive又は日本電子社製JMF−S3000 SpiralTOF(MALDI−TOFMS)を使用した。Extractiveでは、試料をメタノールに溶解し、イオン化法はESI若しくはAPCIを用いて測定した。MALDI−TOFMSにおいては試料をテトラヒドロフランに0.2質量%で溶解し、カチオン化剤と混合して、分析を行った。カチオン化剤は0.1質量%ヨウ化ナトリウム/アセトニトリル溶液を使用した。
<実施例1:化合物(a)の合成>
ナフトチオフェンを、“M.L.Tedjamulia et.al., J.Heterocyclic Chem.,1983,20,1143−1148”を参照して合成した。
パイレックスチューブ中でナフトチオフェン(55.4mg、0.3mmol)を塩化メチレン(7.5mL)に溶解させ、n−C13I(0.13mL、0.6mmol)、チオ硫酸ナトリウム(0.2371g、1.5mmol)及び水(1.5mL)を加え、冷却水を流して反応系の温度を一定に保ちながら、450W高圧水銀ランプ(ウルトラバイオレット社製、紫外線ランプUVG−11)を用いて紫外線を6時間照射した。照射後、水層を除去し、反応溶液を塩化メチレンで抽出した後、有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ過した。ろ過後、ろ液をロータリーエバポレーターで溶媒留去し、濃縮した。その後、カラムクロマトグラフィー(関東化学社製、silica gel60FC(spherical))を用いて分離・精製し(展開溶媒:ヘキサン)、目的の化合物(a)を白色の固体として得た(0.1968g、収率80%)。
Figure 2014122189
(分析結果)
H NMR(400MHz,TMS,CDCl) δ 8.47−8.45(1H,m,Ph),8.41−8.39(1H,m,Ph),7.76(2H,m,Ph),7.69−7.64(2H,m,Ph)
19F NMR(376MHz,CDCl) δ −80.6(6F,s,2CF),−96.9(2F,s,CF),−100.2(2F,s,CF),−118.7(2F,s,CF),−119.2(2F,s,CF),−121.5(4F,s,2CF),−122.5(4F,s,2CF),−125.9(4F,s,2CF
HRMS(APCI)m/z (C2426S[M+])(calcd for 819.9770, found 819.9782)
<実施例2:化合物(b)の合成>
パイレックスチューブ中でアントラジオチオフェン(アルドリッチ社製、27.8mg、0.1mmol)を塩化メチレン(5mL)に溶解させ、n−C13I(0.11mL、0.5mmol)、チオ硫酸ナトリウム(0.1581g、1mmol)及び水(1mL)を加え、冷却水を流して反応系の温度を一定に保ちながら、450W高圧水銀ランプ(ウルトラバイオレット社製、紫外線ランプUVG−11)を用いて紫外線を6時間照射した。照射後、水層を除去し、反応溶液を塩化メチレンで抽出した後、有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ過した。ろ過後、ろ液をロータリーエバポレーターで溶媒留去し、濃縮した。その後、目的の化合物(b)を赤色の固体として得た。
Figure 2014122189
(分析結果)
HRMS(APCI)m/z (C3026[M+H])(calcd for 926.9725, found 926.9724)
<参考例1:化合物(c)の合成>
パイレックスチューブ中でベンゾ[b]チオフェン(東京化成社製、134.2mg、1mmol)を塩化メチレン(25mL)に溶解させ、n−C13I(0.44mL、2.0mmol)、チオ硫酸ナトリウム(0.7837g、5.0mmol)及び水(5mL)を加え、冷却水を流して反応系の温度を一定に保ちながら、450W高圧水銀ランプ(ウルトラバイオレット社製、紫外線ランプUVG−11)を用いて紫外線を24時間照射した。照射後、水層を除去し、反応溶液を塩化メチレンで抽出した後、有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ過した。ろ過後、ろ液をロータリーエバポレーターで溶媒留去し、濃縮した。その後、カラムクロマトグラフィー(関東化学社製、silica gel60FC(spherical))を用いて分離・精製し(展開溶媒:ヘキサン)、目的の化合物(c)を白色の固体として得た(0.1447g、収率32%)。
Figure 2014122189
(分析結果)
H NMR(400MHz,TMS,CDCl) δ 7.91−7.88(2H,m,Ph),7.72(1H,s,Thioph),7.49−7.44(2H,m,Ph)
19F NMR(376MHz,CDCl) δ −80.7(3F,s,CF),−102.0(2F,s,CF),−121.4(4F,s,CF),−122.7(2F,s,CF),−126.0(2F,s,CF),
HRMS(APCI)m/z (C1413S[M+])(calcd for 450.9821, found 450.9833).
<溶解性試験>
前記の方法で得た化合物(b)のウェットプロセスへの適用性を検討するため、各種溶媒への溶解性試験を行った。また、比較例としてアントラジチオフェンの溶解性試験を行った。具体的には、試料20mgを量りとり、室温で溶媒10gへの溶解性(0.2質量%)を目視により判断した。
溶媒の種類と結果を下記の表1に示す。表1において、○は可溶、×は不溶であったことを表す。なお、「可溶」の基準は溶媒温度が25℃において0.2質量%以上溶解した場合とした。
Figure 2014122189
上記結果から、化合物(b)はアントラジチオフェンと比較して、本発明の含フッ素化合物は有機溶媒への高い溶解性を有することが明らかになった。これは、パーフルオロアルキル基が導入された構造を有する化合物(b)にしためであると考えられる。この結果から、本発明の含フッ素化合物はウェットプロセスが適用できることがわかる。
<イオン化ポテンシャル測定>
化合物(b)のイオン化ポテンシャルを、表面分析装置(理研計器株式会社製、商品名AC−1)を用いて測定する。測定サンプルはシリコン基板に対して、実施例1で得た化合物を真空蒸着(背圧〜10−4Pa、蒸着レート0.1Å/s、基板温度25℃、膜厚:70nm)することにより、作成する。比較例として、同様に作成したアントラジチオフェン蒸着膜を用いる。シミュレーション結果から推算した結果を表2に示す。
Figure 2014122189
イオン化ポテンシャル測定の結果、化合物(b)はアントラジチオフェンよりもHOMOレベルが低く、耐酸化性に優れている。これは、フッ素原子の電子求引性に起因するものであると考えられる。
<有機半導体材料特性>
化合物(b)の有機半導体材料としての特性評価のため蒸着電界効果型トランジスタ(蒸着FET)素子を作製し、電界効果移動度(キャリア移動度)を求める。蒸着FET素子の作製方法と半導体特性の評価手法を以下に示す。
洗浄済みのシリコン酸化膜付きシリコン基板をn−オクチルトリクロロシランのトルエン溶液に浸漬させ、シリコン酸化膜表面を処理する。上記基板に対して、実施例2で得た化合物(b)を真空蒸着(背圧〜10−4Pa、蒸着レート0.1Å/s、基板温度25℃、膜厚:60nm)することにより、有機半導体層を形成する。
この有機半導体層上部にシャドウマスクを用いて金を真空蒸着し(背圧〜10−4Pa、蒸着レート1〜2Å/s、膜厚:50nm)、ソース、ドレイン電極を形成する(チャネル長50μm、チャネル幅1mm)。電極とは異なる部位の有機半導体層及びシリコン酸化膜を削り取り、その部分に導電性ペースト(藤倉化成社製、ドータイトD−550)を付け溶媒を乾燥させる。このようにして、トップコンタクト・ボトムゲート構造の電界効果型トランジスタ(FET)素子を作製する。
得られた蒸着FET素子の電気特性はAgilent社製の半導体デバイスアナライザーB1500Aを用いて真空中(<5×10−3Pa)で評価する。作製した蒸着FET素子のシリコン基板をゲート電極として用い、シリコン基板に電圧を印加し、ソース・ドレイン電極間の電流/電圧曲線をゲート電圧をスキャンさせて測定する。
その結果、蒸着FET素子のゲート電圧によるドレイン電流のon/off動作が観測される。このドレイン電流/ゲート電圧の傾きから電界効果移動度(キャリア移動度)を求める。化合物(b)を用いて形成した有機半導体素子は、トランジスタ素子としての特性を示す。

Claims (6)

  1. 下記式(2)で表される含フッ素化合物。
    Figure 2014122189
    [上記式において、Rは同一であっても異なっていてもよく、水素原子又は炭素数1〜12のパーフルオロアルキル基であり、1以上のRは炭素数1〜12のパーフルオロアルキル基である。mは2〜4の整数であり、nは0又は1であり、m+nは2〜4の整数である。]
  2. 前記式(2)において、2以上のRは炭素数1〜12のパーフルオロアルキル基である請求項1に記載の含フッ素化合物。
  3. 前記式(2)において、2つのRは炭素数1〜12のパーフルオロアルキル基であり、かつ前記2つのRがパラ位の関係にある請求項1又は2に記載の含フッ素化合物。
  4. 前記式(2)で表される化合物が、下記式(2−1)で表される化合物又は下記式(2−2)で表される化合物である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の含フッ素化合物。
    Figure 2014122189
    [上記式において、Rは同一であっても異なっていてもよく、炭素数1〜12のパーフルオロアルキル基である。]
  5. 請求項1〜4のいずれか1項に記載の含フッ素化合物を含む有機半導体材料。
  6. 含ハロゲン溶媒中で、チオ硫酸塩の存在下、下記式(1)で表される化合物と式RXで表される化合物(ただしRは、炭素数1〜12のパーフルオロアルキル基である)とを光照射下で反応させることを特徴とする下記式(2’)で表される含フッ素化合物の製造方法。
    Figure 2014122189
    [上記式において、R’は同一であっても異なっていてもよく、水素原子又はR(ただしRは、前記と同じ意味を示す)であり、1以上のR’はRである。mは2〜4の整数であり、nは0又は1であり、m+nは2〜4の整数である。]

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