JP2014122180A - 口唇化粧料 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】次の成分(A)、(B)及び(C):
(A)平均粒子径0.1〜5μmのフッ素化合物処理した有機粉体 0.1〜10質量%、
(B)25℃で液状のフッ素系油剤 20〜70質量%、
(C)成分(B)を除く、25℃で液状の油剤 10〜70質量%
を含有するF/O乳化型口唇化粧料。
【選択図】なし
Description
(A)平均粒子径0.1〜5μmのフッ素化合物処理した有機粉体 0.1〜10質量%、
(B)25℃で液状のフッ素系油剤 20〜70質量%、
(C)成分(B)を除く、25℃で液状の油剤 10〜70質量%
を含有するF/O乳化型口唇化粧料に関する。
なお、本発明において、成分(A)の平均粒子径は、電子顕微鏡観察、レーザー回折/散乱法による粒度分布測定機によって、測定される。具体的には、レーザー回折/散乱法の場合、エタノールを分散媒として、レーザー回折散乱式粒度分布測定器(例えば、堀場製作所製、LA−920)で測定する。
これらのうち、ポリメタクリル酸メチル、シリコーン樹脂、ポリアミド樹脂が好ましく、ポリメタクリル酸メチル、シリコーン樹脂がより好ましく、ポリメタクリル酸メチルが更に好ましい。
粉体を処理するのに用いるフッ素化合物としては、例えば、パーフルオロアルキル基含有リン酸エステル(米国特許第3632744号)、フルオロアルキルリン酸エステルジエタノールアミン塩のモノエステル体及びジエステル体(特開昭62-250074号公報)、パーフルオロアルキル基を有する樹脂(特開昭55-167209号公報)、四フッ化エチレン樹脂、パーフルオロアルコール、パーフルオロエポキシ化合物、スルホアミド型フルオロリン酸、パーフルオロ硫酸塩、パーフルオロカルボン酸塩、パーフルオロアルキルシラン(特開平2-218603号公報)、パーフルオロポリエーテル基を有する化合物(特開平8-133928号公報)等が挙げられ、25℃で液状のフッ素系油剤を安定に乳化させ、口紅断面(内部)がきめ細かく均一で、表面の発汗を抑制し、塗布時に唇上で上滑りを抑え、むらづきを抑制し、長時間経過後も色移りしにくく、色持ち(唇への付着性)にも優れている点から、パーフルオロアルキル基含有リン酸エステル、フルオロアルキルリン酸エステルジエタノールアミン塩のモノエステル体及びジエステル体、パーフルオロアルキルシランが好ましく、塗布時に唇上で上滑りを抑え、むらづきを抑制する点から、パーフルオロアルキルシランがより好ましい。
F3C−(CF2)5−(CH2)2−Si−(OCH2CH3)3
粉体を表面処理するフッ素化合物のうちでも、トリデカフルオロオクチルトリエトキシシランで表面処理した粉体を用いることにより、安定性に優れ、肌なじみが良く、つっぱり感やムラづきを抑制し、しっとりした使用感を得ることができる。トリデカフルオロオクチルトリエトキシシランとしては、デグサ社製、F8261が好適である。
中でも、フッ素化合物を有機溶剤に溶解又は分散させ、粉体とミキサー内で混合しながら、ミキサーを減圧下で加温して有機溶剤を除去した後、必要に応じて熱処理及び解砕する製造方法が好ましい。ここで用いる有機溶剤としては、例えばメタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、イソブタノール、アセトン、酢酸エチル、酢酸ブチル、メチルエチルケトン、ジクロロメタンに代表される極性有機溶剤や、ノルマルヘキサン、トルエン、キシレンのような炭化水素系有機溶剤が適当である。
有機粉体は、フッ素化合物以外の化合物で併せて処理されていても良い。
パーフルオロポリエーテルとしては、下記一般式(1)
で表わされるパーフルオロポリエーテルが好ましい。
このようなパーフルオロポリエーテルとしては、例えば一般式(2)
で表わされるFOMBLIN HC−04(動粘度測定法で測定した重量平均分子量1,500)、FOMBLIN HC−25(同3,200)、FOMBLIN HC−R(同6,600)(以上、SOLVAY SOLEXIS社製)や、一般式(3)
で表わされるデムナムS−20(重量平均分子量25,000)、デムナムS−65(同4,500)、デムナムS−100(同5,600)、デムナムS−200(同8,400)(以上、ダイキン工業社製)等の市販品を用いることができる。
で表されるポリシロキサン単位を有するフッ素変性シリコーンが好ましい。
pは3〜50の数を示し、好ましくは3〜10、より好ましくは3〜6である。sは1〜5の数を示し、好ましくは1〜3、より好ましくは1である。
フッ素変性シリコーンとしては、次の一般式(6)で表されるものが好ましい。
成分(C)の油剤としては、通常の化粧料に用いられるものであればいずれでも良く、例えば、シリコーン油、炭化水素油、エステル油、エーテル油、高級アルコール等が挙げられ、安定性、使用性の観点から、炭化水素油、エステル油、高級アルコールが好ましい。
より具体的には、スクワラン、流動パラフィン、流動イソパラフィン、ポリブテン、水添ポリイソブテン、水添ポリデセン等の炭化水素油;イソノナン酸イソトリデシル、イソステアリン酸イソプロピル、ミリスチン酸オクチルドデシル、ジカプリン酸ネオペンチルグリコール、ジイソステアリン酸グリセリル、トリイソステアリン酸グリセリル、リンゴ酸ジイソステアリル、ホホバ油等のエステル油;オクチルドデカノール等の高級アルコールなどが挙げられ、なかでも、イソノナン酸イソトリデシル、リンゴ酸ジイソステアリル、ミリスチン酸オクチルドデシル、ホホバ油、流動イソパラフィン、オクチルドデカノール、ジカプリン酸ネオペンチルグリコールが好ましい。
ワックスは、25℃で固形の油性成分であり、通常の化粧料に用いられるものであれば制限されず、例えば、オゾケライト、セレシン等の鉱物系ワックス;パラフィン、マイクロクリスタリンワックス、ペトロラタム等の石油系ワックス;フィッシャー・トロプシュワックス、ポリエチレンワックス等の合成炭化水素;カルナウバロウ、キャンデリラロウ、ライスワックス、木ロウ、サンフラワーワックス等の植物系ワックス;ミツロウ、鯨ロウ等の動物性ワックス;シリコーンワックス、合成ミツロウ等の合成ワックス;脂肪酸、高級アルコール及びこれらの誘導体が挙げられる。
ワックスは、スティック等の形成、油の染み出し抑制、潤いの付与、塗布膜の持続性向上などの点から、融点50℃以上、140℃以下が好ましく、60℃以上、110℃以下がより好ましい。
また、本発明の口唇化粧料は、固形状、非固形状のものとして得ることができ、口紅、リップクリーム、リップグロス、リップライナーなどとすることができる。
上述した実施形態に関し、本発明は、更に以下の組成物を開示する。
(A)平均粒子径0.1〜5μmのフッ素化合物処理した有機粉体 0.1〜10質量%、
(B)25℃で液状のフッ素系油剤 20〜70質量%、
(C)成分(B)を除く、25℃で液状の油剤 10〜70質量%
を含有するF/O乳化型口唇化粧料。
<3>成分(B)の含有量は、全組成中に20質量%以上であり、25質量%以上が好ましく、30質量%以上がより好ましく、70質量%以下であり、65質量%以下が好ましく、60質量%以下がより好ましい前記<1>又は<2>記載の口唇化粧料。
<4>成分(C)の含有量は、全組成中に10質量%以上であり、15質量%以上が好ましく、18質量%以上がより好ましく、70質量%以下であり、55質量%以下が好ましく、48質量%以下がより好ましい前記<1>〜<3>のいずれか1記載の口唇化粧料。
<6>成分(A)及び(B)の質量割合(A)/(B)が、0.003以上が好ましく、0.005以上がより好ましく、0.01以上が更に好ましく、0.5以下が好ましく、0.3以下がより好ましく、0.2以下が更に好ましい前記<1>〜<5>のいずれか1記載の口唇化粧料。
<7>成分(A)が、ポリメタクリル酸メチル、シリコーン樹脂及びポリアミド樹脂から選ばれる1種又は2種以上を含む前記<1>〜<6>のいずれか1記載の口唇化粧料。
<8>成分(A)の平均粒子径が、0.2〜3μmが好ましい前記<1>〜<7>のいずれか1記載の口唇化粧料。
<10>成分(A)が球状である前記<1>〜<9>のいずれか1記載の口唇化粧料。
<11>成分(B)が、下記一般式(4)及び(5)
で表されるポリシロキサン単位を有するフッ素変性シリコーンが好ましい前記<1>〜<10>のいずれか1記載の口唇化粧料。
温度計、冷却管を備えた2Lの四つ口フラスコに、FA-6 (ユニマッテク社製)800g(2.2mol)と粒状NaOH(和光純薬社製)175.78g(4.4mol)を加えた。窒素雰囲気下で、テフロン(登録商標)製12cm三日月攪拌翼にて200rpmにて攪拌しながら、加熱し、フラスコ内温度を60℃とした。そこへ臭化アリル(和光純薬社製)398.73g(3.3mol)を2時間かけて滴下した。滴下終了後70℃で1時間、80℃で1時間撹拌した。その後130℃に昇温し、過剰の臭化アリルを除去した。60℃まで冷却後、イオン交換水800gを入れ、30分間攪拌、その後静置して分層させた。上層の水層を抜き出し、さらにイオン交換水800gを入れ、再度攪拌、静置、水層除去を行った。60℃/5KPaにて脱水し、100℃/2KPaにて蒸留し、留分として、C6F13−CH2CH2−O−CH2CH=CH2 774.9gを得た(収率88%)。
内容量2000mLのビーカーに水1000mLを入れ、攪拌しながら、粉体100gを投入し、充分攪拌し、スラリーとした。これに攪拌しながらパーフルオロアルキルリン酸エステルジエタノールアミン塩(PF)の15質量%水溶液13.5gを徐々に添加し、終了後100分間攪拌を行い、その後、ヌッチエで吸引濾過し、乾燥器内で、60℃で3時間乾燥し、乳鉢で粉砕して、2%PF処理粉体を得た。
なお、パーフルオロアルキルリン酸エステルジエタノールアミン塩(PF)は、以下の成分(混合物)である。
撹拌装置及び加熱装置を有する反応釜に水10Lを入れ、撹拌しながら、有機粉体1kgを続いて投入し、粉体スラリーを作製した。よく撹拌した後、塩化アルミニウム六水塩12gを水600gに溶解させた塩化アルミニウム六水塩水溶液をゆっくりと添加し、しばらく撹拌した。その後、水洗濾過工程、乾燥工程および粉砕工程を順にそれぞれ行うことにより、塩化アルミニウムが表面処理された有機粉体を得た。こうして得られた塩化アルミニウム処理有機粉体900gをミキサーに入れて撹拌しながら、トリデカフルオロオクチルトリエトキシシラン(デグサ社製:F8261)18gをヘキサン180gに溶解させた溶液を添加した。ヘキサン除去のため、ミキサーを加温し必要に応じてミキサー槽内を減圧乾燥した後、粉砕して、2%FHS処理粉体を得た。
表1に示す組成の口紅を製造し、塗布時の上滑りしにくさ、塗布後の仕上がりのムラになりにくさ、口紅断面のなめらかさ、口紅の発汗しにくさ、色移りしにくさ及び色持ちを評価した。結果を表1に併せて示す。
成分(C)に色材及びその他の成分を加熱して混合し、これに、成分(A)及び(B)を分散して加熱・混合したものを滴下し、混合した後、型に入れ、冷却することにより、口紅を得た。
(1)塗布時の上滑りしにくさ:
口紅を唇に塗布している最中の上滑りしにくさを、5名の専門パネラーが使用し、以下の基準で官能評価した。結果を5名の合計で示す。
5:上滑りしない。
4:あまり上滑りしない。
3:やや上滑りする。
2:上滑りする。
1:かなり上滑りする。
口紅を唇に塗布した後の仕上がりのムラになりにくさを、5名の専門パネラーが使用し、以下の基準で官能評価した。結果を5名の合計で示す。
5:ムラなく均一。
4:あまりムラにならない。
3:ややムラになる。
2:ムラになる。
1:かなりムラになり、ダマになっている。
口紅をカッターで縦に切り、その断面を、5名の専門パネラーが目視にて観察し、以下の基準で評価した。結果を5名の合計で示す。
4:均一でなめらかに見える。
3:粗くざらざらした状態に見える。
2:液滴が見える。
1:分離した大きな液体が見える。
口紅を40℃、1時間静置し、スティック表面を、目視にて観察した。5名の専門パネラーが目視にて観察し、以下の基準で評価した。結果を5名の合計で示す。
4:表面に油の分離や発汗がない。
3:細かい液滴が見える。
2:大きな液滴が見える。
1:表面全体がぬれている。
5名の専門パネラーが、口紅を唇に塗布し4時間経過後、唇に白いタイル(LIXIL社製、ミスティキラミック ブライト釉 SPKC-100/L00)を押し当てたときの色移りを、以下の基準で官能評価した。結果を5名の合計で示す。
5:色移りしない。
4:あまり色移りしない。
3:やや色移りする。
2:色移りする。
1:かなり色移りする。
5名の専門パネラーが、口紅を唇に塗布し4時間経過後の色持ちを、以下の基準で官能評価した。結果を5名の合計で示す。
5:唇に口紅が均一に付着したままになっている。
4:唇に口紅に付着している。
3:唇から口紅が少し取れている。
2:唇から口紅が取れている。
1:唇から口紅がかなり脱落し取れている。
Claims (8)
- 次の成分(A)、(B)及び(C):
(A)平均粒子径0.1〜5μmのフッ素化合物処理した有機粉体 0.1〜10質量%、
(B)25℃で液状のフッ素系油剤 20〜70質量%、
(C)成分(B)を除く、25℃で液状の油剤 10〜70質量%
を含有するF/O乳化型口唇化粧料。 - 成分(B)が、パーフルオロポリエーテル及びフッ素変性シリコーン油から選ばれる1種又は2種以上を含む請求項1記載の口唇化粧料。
- 成分(A)及び(B)の質量割合(A)/(B)が、0.003〜0.5である請求項1又は2記載の口唇化粧料。
- 成分(A)が、ポリメタクリル酸メチル、シリコーン樹脂及びポリアミド樹脂から選ばれる1種又は2種以上を含む請求項1〜3のいずれか1項記載の口唇化粧料。
- 成分(A)の平均粒子径が、0.2〜3μmである請求項1〜4のいずれか1項記載の口唇化粧料。
- 成分(A)及び(C)の質量割合(A)/(C)が、0.003〜1である請求項1〜5のいずれか1項記載の口唇化粧料。
- 成分(A)が球状である請求項1〜6のいずれか1項記載の口唇化粧料。
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