JP2014118558A - 潤滑用添加剤 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】本発明の潤滑用添加剤は、ヒドロキシル基又はアミノ基を有する有機化合物と、ホウ酸又はホウ酸誘導体を100℃以上150℃以下の温度で加熱撹拌して得られることを特徴とするものである。
【選択図】なし
Description
本発明は、以上の問題点に鑑みて成されたものであり、耐摩耗性に優れ、かつ潤滑油や燃料油等の摩擦係数を低くすることが可能な潤滑用添加剤や燃料油添加剤を提供することを目的とする。
本発明は、以上の知見により得られたものであり、下記(1)〜(14)を提供するものである。
(1)ヒドロキシル基又はアミノ基を有する有機化合物と、ホウ酸又はホウ酸誘導体を100℃以上150℃以下の温度で加熱撹拌して得られる潤滑用添加剤。
(2)前記有機化合物が、アミン化合物(A)、ヒドロキシル基を有するアミド化合物(B)、アミノ基を有するイミド化合物(C)、ヒドロキシル基を有するエステル化合物(D)、及び、ヒドロキシル基を有するアルコール化合物(E)から選ばれる少なくとも1つの化合物である上記(1)に記載の潤滑用添加剤。
(式(B1)及び(B2)において、R51、R61、R62は、炭素数1〜32の炭化水素基であり、R61、R62は互いに同一であっても異なってもよい。R52〜R59、R63〜R66は、水素原子、又は炭素数1〜18の炭化水素基であり、互いに同一でも異なってもよい。nは0〜20の整数を示し、o、pは、それぞれ1〜20の整数を示す。)
(式(D1)及び(D2)において、R81、R101は、それぞれ炭素数1〜32の炭化水素基であり、R82〜R85、R102〜R106は、それぞれ水素原子又は炭素数1〜18の炭化水素基であり、互いに同一でも異なってもよい。また、rは、1〜20の整数を示す。)
(式(E1)〜(E3)において、R71、R91、R111は、それぞれ炭素数1〜32の炭化水素基であり、R72〜R75、R92〜R98、R112〜R118は、それぞれ水素原子又は炭素数1〜18の炭化水素基であり、互いに同一でも異なってもよい。また、qは0〜20の整数を示す。)
(9)前記有機化合物と、ホウ酸又はホウ酸誘導体とのモル比が、1:0.01〜1:10である前記(1)〜(8)のいずれかに記載の潤滑用添加剤。
(10)前記温度が100℃以上130℃以下である上記(1)〜(9)のいずれかに記載の潤滑用添加剤。
(11)潤滑用摩擦調整剤である上記(1)〜(10)のいずれかに記載の潤滑用添加剤。
(12)ヒドロキシル基又はアミノ基を有する有機化合物と、ホウ酸又はホウ酸誘導体を100℃以上150℃以下の温度で加熱撹拌して潤滑用添加剤を得る潤滑用添加剤の製造方法。
(13)3配位のホウ素含有化合物を、3配位と4配位のホウ素含有化合物の合計量に対して、モル比で0.47以上の割合で含有する潤滑用摩擦調整剤。
(14)ヒドロキシル基又はアミノ基を有する有機化合物を、ホウ酸またはホウ酸誘導体に混合させて得られ、3配位と4配位のホウ素含有化合物の合計量に対して、3配位のホウ素含有化合物の量が、モル比で0.47以上である潤滑用添加剤。
<潤滑用添加剤>
本発明の潤滑用添加剤は、ヒドロキシル基又はアミノ基を有する有機化合物とホウ酸又はホウ酸誘導体とを100℃以上150℃以下で加熱撹拌(混合)して得られるホウ素含有化合物である。なお、得られたホウ素含有化合物は、ホウ酸又はホウ酸誘導体がヒドロキシル基又はアミノ基を有する化合物と結合せずに、分散したような状態も含まれる。
本発明の潤滑用添加剤は、潤滑油又は燃料油等に配合されて、それらの摩擦係数を低減するとともに優れた耐磨耗特性を発揮させるものであり、潤滑用摩擦調整剤として好適に使用されるものである。
[アミン化合物(A)]
アミン化合物(A)は、1つ以上のヒドロキシル基と1つ以上のアミノ基を有するアミン化合物(a1)、2つ以上のアミノ基を有するアミン化合物(a2)、アミノ基を1つのみ有するアミン化合物(a3)等が挙げられる。
上記のうちアミン化合物(a1)としては、より詳しくは、下記一般式(A1)、(A2)で表される化合物が挙げられるとともに、アミン化合物(a1)またはアミン化合物(a2)としては、下記一般式(A3)又は(A4)で表される化合物が挙げられる。また、アミン化合物(a3)としては、下記一般式(A5)で表される化合物が挙げられる。
上記炭化水素基は、具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ブテニル基、ヘキシル基、ヘキセニル基、オクチル基、オクテニル基、2−エチルヘキシル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、デセニル基、ドデシル基、ドデセニル基、トリデシル基、テトラデシル基、テトラデセニル基、ペンタデシル基、ヘキサデシル基、ヘキサデセニル基、ヘプタデシル基、オクタデシル基、オクタデセニル基、ステアリル基、イソステアリル基、オレイル基、リノール基、ノナデシル基、イコシル基、エイコシル基、ヘンイコシル基、ドコシル基、トリコシル基、テトラコシル基、ペンタコシル基、ヘキサコシル基、ヘプタコシル基、オクタコシル基、ノナコシル基、トリアコンチル基、ヘントリアコンチル基、ドトリアコンチル基、デセントリマー基、ポリブテン基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、メチルシクロヘキシル基、エチルシクロヘキシル基、プロピルシクロヘキシル基、ジメチルシクロヘキシル基、トリメチルシクロヘキシル基等の脂肪族炭化水素基、フェニル基、メチルフェニル基、エチルフェニル基、ジメチルフェニル基、プロピルフェニル基、トリメチルフェニル基、ブチルフェニル基、ナフチル基などの芳香族炭化水素基などが挙げられる。
また、上記炭化水素基は、炭素数4〜22の炭化水素基が好ましく、6〜18の炭化水素基がより好ましい。
該炭化水素基としては、飽和でも不飽和でもよく、脂肪族でも芳香族でもよく、直鎖状でも分岐状でも環状でもよく、例えば、アルキル基またはアルケニル基等の脂肪族炭化水素基、又は芳香族炭化水素基が挙げられる。より具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ブテニル基、ヘキシル基、ヘキセニル基、オクチル基、オクテニル基、2−エチルヘキシル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、デセニル基、ドデシル基、ドデセニル基、トリデシル基、テトラデシル基、テトラデセニル基、ペンタデシル基、ヘキサデシル基、ヘキサデセニル基、ヘプタデシル基、オクタデシル基、オクタデセニル基、ステアリル基、イソステアリル基、オレイル基、リノール基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、メチルシクロヘキシル基、エチルシクロヘキシル基、プロピルシクロヘキシル基、ジメチルシクロヘキシル基、トリメチルシクロヘキシル基等の脂肪族炭化水素基、フェニル基、メチルフェニル基、エチルフェニル基、ジメチルフェニル基、プロピルフェニル基、トリメチルフェニル基、ブチルフェニル基、ナフチル基などの芳香族炭化水素基などが挙げられる。
この炭化水素基としては、炭素数1〜18のものが好ましく、炭素数1〜16のものがより好ましくは、炭素数1〜12のものが特に好ましい。
エーテル結合又はエステル結合を含有する酸素含有炭化水素基としては、例えば炭素数1〜18のものであり、メトキシメチル基、エトキシメチル基、プロポキシメチル基、イソプロポキシメチル基、n−ブトキシメチル基、t−ブトキシメチル基、ヘキシルオキシメチル基、オクチルオキシメチル基、2−エチルヘキシルオキシメチル基、デシルオキシメチル基、ドデシルオキシメチル基、2−ブチルオクチルオキシメチル基、テトラデシルオキシメチル基、ヘキサデシルオキシメチル基、2−ヘキシルドデシルオキシメチル基、
アリルオキシメチル基、フェノキシ基、ベンジルオキシ基、メトキシエチル基、メトキシプロピル基、1,1−ビスメトキシプロピル基、1,2−ビスメトキシプロピル基、エトキシプロピル基、(2−メトキシエトキシ)プロピル基、(1−メチル−2−メトキシ)プロピル基、アセチルオキシメチル基、プロパノイルオキシメチル基、ブタノイルオキシメチル基、ヘキサノイルオキシメチル基、オクタノイルオキシメチル基、2−エチルヘキサノイルオキシメチル基、デカノイルオキシメチル基、ドデカノイルオキシメチル基、2−ブチルオクタノイルオキシメチル基、テトラデカノイルオキシメチル基、ヘキサデカノイルオキシメチル基、2−ヘキシルドデカノイルオキシメチル基、ベンゾイルオキシメチル基などが挙げることができる。
(a+b)は、好ましくは1〜12、より好ましくは1〜10である。また、c、(e+f+g)、及び(j+k+w+m)はそれぞれ、好ましくは0〜12、より好ましくは0〜7である。d、h、及びiはそれぞれ、好ましくは2〜4である。
一般式(A2)においては、R12〜R14のいずれも水素原子であるとともに、R15が水素原子又は炭化水素基であることが好ましい.
一般式(A3)において、e、f及びgそれぞれが1以上であって、R17〜R28は全て水素原子であることが好ましく、より好ましくはe、f及びg全てが1である。もちろん、一般式(A3)において、e、f及びg全てが0であって、ヒドロキシル基を有していなくてもよい。
また、一般式(A4)においては、j、k、w及びmが全て0であることが好ましい。さらに、一般式(A5)においてR47はアルキル基であることが好ましく、また、R48、R49の少なくとも1つが炭化水素基となってもよく、その炭化水素基はアルキル基であることが好ましい。
また、一般式(A1)で示される化合物の市販品としては、アミート105、アミート308、アミート320(以上、花王株式会社製)、ナイミーンL−202、ナイミーンL−207、ナイミーンS−202、ナイミーンS−204、ナイミーンS−210、ナイミーンS−215、ナイミーンS−220、ナイミーンT2−202、ナイミーンT2−206、ナイミーンT2−210、ナイミーンT2−230、ナイミーンT2−260、ナイミーンDT−203、ナイミーンDT−208(以上、日油株式会社製)、カワソフトEP59S(川研ファインケミカル)、エソミンT/15、エソミンS/15、エソミンO/15((以上、ライオン株式会社製)等が入手できる。
アルキル又はアルケニルジアミンの市販品としては、デュオミンCD、デュオミンT、デュオミンHTフレーク(以上、ライオン株式会社製)ニッサンアミンDT、ニッサンアミンDT−H、ニッサンアミンDOB-R(以上、日油株式会社製)等が市販品として入手できる。
1級アミノ基及び2級アミノ基の少なくともいずれかを1つ以上有する化合物(Aa)は、具体的には1級アミン又は2級アミンが挙げられ、1級アミンは、総炭素数が1以上32以下の炭化水素基を有していることが好ましく、さらに酸素原子を含んでもよい。また、2級アミンは、炭化水素基の総炭素数が2以上40以下であることが好ましく、さらに酸素原子を含んでいても良い。
1級アミン又は2級アミンにおいて、炭化水素基の総炭素数が上記下限値以上であれば、その1級アミン又は2級アミンから得られるアミノアルコール化合物は、潤滑油基油などに十分溶解し、上記上限値以下であれば高塩基価のアミノアルコール化合物が得られる。
2級アミンの具体例としては、ジメチルアミン、ジエチルアミン、ジブチルアミン、ジヘキシルアミン、ジオクチルアミン、ジデシルアミン、ジドデシルアミン、ジテトラデシルアミン、ジヘキサデシルアミン、ジオクタデシルアミン、ジ2−エチルヘキシルアミン、ジオレイルアミン、メチルステアリルアミン、エチルステアリルアミン、メチルオレイルアミン、ジエタノールアミン、ジプロパノールアミン、2−ブチルアミノエタノール、ヘキシルアミノエタノール、フェニルアミノエタノール、シクロヘキシルエタノールアミンを挙げることができる。また、ピペリジン、ピペラジン、モルホリンのように環状の2級アミンも挙げることができる。
アミン化合物(Aa)とエポキシ化合物(Ae)の反応は、約50℃〜250℃の温度で行うことが好ましく、約80℃〜200℃の温度で行うことがより好ましい。
ヒドロキシル基を有するアミド化合物(B)は、分子内に1以上のアミド基と分子内に1以上のヒドロキシル基を有するアミドアルコール化合物であって、下記、一般式(B1)又は一般式(B2)で示される化合物であることが好ましい。
R51、R61、R62における炭化水素基としては、飽和でも不飽和でもよく、脂肪族でも芳香族でもよく、直鎖状でも分岐状でも環状でもよく、例えば、アルキル基またはアルケニル基等の脂肪族炭化水素基、又は芳香族炭化水素基が挙げられる。具体的には,メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ブテニル基、ヘキシル基、ヘキセニル基、オクチル基、オクテニル基、2−エチルヘキシル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、デセニル基、ドデシル基、ドデセニル基、トリデシル基、テトラデシル基、テトラデセニル基、ペンタデシル基、ヘキサデシル基、ヘキサデセニル基、ヘプタデシル基、オクタデシル基、オクタデセニル基、ステアリル基、イソステアリル基、オレイル基、リノール基、ノナデシル基、イコシル基、エイコシル基、ヘンイコシル基、ドコシル基、トリコシル基、テトラコシル基、ペンタコシル基、ヘキサコシル基、ヘプタコシル基、オクタコシル基、ノナコシル基、トリアコンチル基、ヘントリアコンチル基、ドトリアコンチル基、デセントリマー基、ポリブテン基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、メチルシクロヘキシル基、エチルシクロヘキシル基、プロピルシクロヘキシル基、ジメチルシクロヘキシル基、トリメチルシクロヘキシル基等の脂肪族炭化水素基、フェニル基、メチルフェニル基、エチルフェニル基、ジメチルフェニル基、プロピルフェニル基、トリメチルフェニル基、ブチルフェニル基、ナフチル基等の芳香族炭化水素基などが挙げられる。
ここで、R51及びR61の炭化水素基の炭素数は、4〜22が好ましく、6〜18がより好ましい。また、R62の炭化水素基の炭素数は、1〜18が好ましく、1〜10がより好ましく、1〜4が特に好ましい。
R52〜R59、R63〜R66の炭化水素基としては、炭素数1〜16のものが好ましく、炭素数1〜12のものがより好ましく、炭素数1〜10のものが特に好ましい。
一般式(B2)においては、R63〜R65のいずれも水素原子であるとともに、R66が水素原子又は炭化水素基であることが好ましい.
この脂肪酸ジアルカノールアミドは、スタホームF、スタホームT、スタホームFK、スタホームDL、スタホームDF-1、スタホームDF-2、スタホームDF−4、スタホームDFC、スタホームDO、スタホームDOS(以上、日油株式会社製)、アミゾールCDE、アミゾールFDE、アミゾールKD−1、アミゾールKD−3、アミゾールCD、アミゾールFD、アミゾールCDC、アミゾールM、アミゾールLDE、アミゾールLMDE、アミゾールMDE、アミゾールSDE、アミゾールSDHE、アミゾールODE、アミゾールODHE(以上、川研ファインケミカル株式会社製)、ポリノンDAO、ポリノンDAL-C、ポリノンDAT(以上、昭栄薬品株式会社製)などが市販品として入手できる。
また、一般式(B1)を示す具体的な化合物としては、ポリオキシエチレンオクタン酸アミド、ポリオキシエチレンデカン酸アミド、ポリオキシエチレンラウリン酸アミド、ポリオキシエチレンミリスチン酸アミド、ポリオキシエチレンパルミチン酸アミド、ポリオキシエチレンステアリン酸アミド、ポリオキシエチレンオレイン酸アミド、ポリオキシエチレンヤシ油脂肪酸アミド、ポリオキシエチレンパーム油脂肪酸アミド、ポリオキシエチレンナタネ油脂肪酸アミド、ポリオキシエチレン牛脂脂肪酸アミド等で例示されるポリオキシアルキレン脂肪酸アミド等のポリアルキレンオキサイド構造を有する脂肪酸アミドが挙げられ、これらはn、oのいずれか一方のみが1以上であるモノアルカノールアミドであるものが通常使用されるが、n、oのいずれも1以上であるジアルカノールアミドでもよいし、これらの混合物でもよい。
イミド化合物(C)としては、分子内に1以上のイミド基を有し、好ましくはコハク酸イミドである。コハク酸イミドとしては、下記、一般式(C1)で示される化合物が挙げられる。
炭素数20〜150のアルケニル基又はアルキル基としては、通常、炭素数2〜16のモノオレフィンやジオレフィンの重合体又は共重合体、若しくはそれらを水素化したものが使用される。モノオレフィンの具体例としては、例えばエチレン、プロピレン、ブテン、ブタジエン、デセン、ドデセン、ヘキサデセンなどが挙げられる。これらのモノオレフィンの中で、本発明においては、高温における清浄性を高め、かつ入手し易い点で、特にブテンが好ましく、その重合体であるポリブテニル基、さらにそれを水素化したアルキル基である水素化ポリブテニル基が好ましい。このアルケニル基又はアルキル基の炭素数を20以上とすることで、潤滑油基油などに十分溶解し、コハク酸イミドの本来の機能である分散性能も発揮することができる。また,150以下とすることで粘度が高くなることが防止される。
このとき、炭素数20〜150のアルケンとマレイン酸無水物のモル比は、1:5〜5:1の割合で調整でき、アルケニルコハク酸無水物とポリアミン(D2)の比は、1:5〜5:1の割合で調整することができる。
エステル化合物(D)は、分子中に1以上のヒドロキシル基を有する化合物であって、下記一般式(D1)または(D2)で示される化合物が挙げられる。
R81、R101の炭化水素基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ブテニル基、ヘキシル基、ヘキセニル基、オクチル基、オクテニル基、2−エチルヘキシル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、デセニル基、ドデシル基、ドデセニル基、トリデシル基、テトラデシル基、テトラデセニル基、ペンタデシル基、ヘキサデシル基、ヘキサデセニル基、ヘプタデシル基、オクタデシル基、オクタデセニル基、ステアリル基、イソステアリル基、オレイル基、リノール基、ノナデシル基、イコシル基、エイコシル基、ヘンイコシル基、ドコシル基、トリコシル基、テトラコシル基、ペンタコシル基、ヘキサコシル基、ヘプタコシル基、オクタコシル基、ノナコシル基、トリアコンチル基、ヘントリアコンチル基、ドトリアコンチル基、デセントリマー基、ポリブテン基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、メチルシクロヘキシル基、エチルシクロヘキシル基、プロピルシクロヘキシル基、ジメチルシクロヘキシル基、トリメチルシクロヘキシル基等の脂肪族炭化水素基、フェニル基、メチルフェニル基、エチルフェニル基、ジメチルフェニル基、プロピルフェニル基、トリメチルフェニル基、ブチルフェニル基、ナフチル基等の芳香族炭化水素基などが挙げられる。
ここで、R81及びR101の炭化水素基の炭素数は、8〜32が好ましく、12〜24がより好ましい。
また、rは、1〜20の整数を示すが、好ましくは1〜12、より好ましくは1〜10である。
一般式(D1)においては、R82〜R85の全てが水素原子であり、又はR82〜R84、がいずれも水素原子であるとともにR85が炭化水素基であることが好ましい。また、一般式(D2)においては、R102〜R106の全てが水素原子であることが好ましい。
ここで、一般式(D1)で示される化合物を得るための脂肪酸としては、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、オレイン酸、牛脂脂肪酸、ヤシ油脂肪酸等が挙げられる。また、アルキレンアキシドとしては、炭素数2〜12のアルキレンオキシドが挙げられ、具体的には、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、ブチレンオキシド、ヘキシレンオキシド、オクチレンオキシド、デシレンオキシド、ドデシレンオキシド等が挙げられる。
一般式(D1)の化合物としては、ポリオキシエチレンモノラウレート、ポリオキシエチレンモノステアレート、ポリオキシエチレンモノオレレートが挙げられる。また、一般式(D1)の化合物は、ノニオン(L−2、L−4、S−2、S−4、S−6、S−10、S−15、S−15K、S−15.4、O−2、O−3、O−4、O−5、O−6)(ライオン株式会社製)、イオネットシリーズ(MS−400、MS−1000、DL−200及びDS−4000、MO−400、MO−600、DO−400、DO−600)(三洋化成工業株式会社製)が市販品として入手できる。
一般式(D2)で示される化合物は、市販品として、ユニグリGO−102R、ユニグリGO−106、ユニグリGL−106、ユニグリGS−106(以上、日油株式会社製)、リョートーポリグリエステルL−10D、リョートーポリグリエステルL−7D、リョートーポリグリエステルM−10D、リョートーポリグリエステルM−7D、リョートーポリグリエステルP−8D、リョートーポリグリエステルSWA−20D、リョートーポリグリエステルリョートーポリグリエステルSWA−10D、リョートーポリグリエステルO−50D、リョートーポリグリエステルO−15D、リョートーポリグリエステルER−60D(以上、三菱化学フーズ株式会社製)、NIKKOL DGMO−CV、NIKKOL DGMO−90V、NIKKOL Tetraglyn1‐OV、NIKKOL Decaglyn1−OV、NIKKOL Decaglyn 1−LN、NIKKOL Decaglyn 5−HS、NIKKOL Decaglyn 5−OV、NIKKOL Decaglyn 7−OV、NIKKOL Decaglyn 10−OV、NIKKOL Decaglyn 10−MAC、NIKKOL Decaglyn PR−20(以上、日光ケミカルズ株式会社製)などが入手できる。
アルコール化合物(E)は、分子内にヒドロキシル基を1つ以上有する化合物であって、例えば、下記一般式(E1)、(E2)、(E3)等で表される化合物が挙げられる。
R71、R91、R111の炭化水素基としては、炭素数8〜24の炭化水素基が好ましく、8〜18の炭化水素基がより好ましい。
この炭化水素基としては、炭素数1〜16のものが好ましく、炭素数1〜12のものがより好ましくは、炭素数1〜10のものが特に好ましい。
また、qは、0〜20の整数を示すが、好ましくは0〜12、より好ましくは0〜10である。
一般式(E1)においては、R72〜R75の全てが水素原子であり、又はいずれか1つが炭化水素基でその他が水素原子であることが好ましい。一般式(E2)においては、Aは酸素原子であることが好ましく、またR92〜R98のいずれも水素原子であることが好ましい。また、一般式(E3)において、R112〜R117のすべてが水素原子であり、R117が炭化水素基であることが好ましい。
アルキレンオキシドの付加モル数は、アルコール1モルあたり、1〜20が好ましく、さらに好ましくは1〜10、特に好ましくは1〜7である。この範囲であると、鉱油への溶解性がさらに良好となる。
アルキレンオキシドは、1種単独で付加されてもよいし、2種以上が混合されて付加されてもよく、混合して付加される場合、ブロック状、ランダム状及びこれらの組合せのいずれでもよい。具体的には、ポリオキシエチレングリコール、ポリオキシプロピレングリコール、ポリオキシプロピレン・エチレングリコール(オキシプロピレン及びオキシエチレンの結合様式:ランダム)、ポリオキシブチレン・エチレングリコール(オキシプロピレン及びオキシエチレンの結合様式:ランダム)、ポリオキシエチレン・ポリオキシプロピレン・ポリオキシエチレングリコール(オキシプロピレン及びオキシエチレンの結合様式:ブロック)が含まれる。
また、アルコール化合物(E)の炭素数は、C12〜C30が好ましく、C12〜C24が好ましく、C12〜C18が特に好ましい。炭素数がこれらの範囲であると、鉱油への溶解性が良好となる。
上記有機化合物とホウ酸を150℃より高い温度で加熱攪拌すると、3配位のホウ素化合物の生成量が少なくなり、摩擦係数低減の効果が得られにくくなり、さらには、粘度上昇が起きることもある。特に、アミド化合物(B)において高温で処理すると、摩擦係数が大きくなる傾向が強い。
また、100℃以上の温度で加熱攪拌しないと、脱水反応によって生成する水分が残存し、その残存する水分が、燃料油や潤滑油等で、他の添加剤に加水分解を引き起こして、燃料油や潤滑油等の劣化を促進させ、性能を不安定にする原因となる。
また、本発明では、ヒドロキシル基又はアミノ基を有する有機化合物と、ホウ酸又はホウ酸誘導体を、100℃以上130℃以下の温度で加熱攪拌することで、本発明のホウ素含有化合物を得ることが好ましい。
なお、本操作において、100〜150℃の温度範囲でも、段階的、或いは徐々に、温度を上昇させることが好ましい。
また、ヒドロキシル基又はアミノ基を有する有機化合物と、ホウ酸またはホウ酸誘導体との加熱撹拌は、溶剤、例えば炭化水素油等の有機溶剤存在下で行われてもよい。
溶剤を加えるタイミングは、特に限定されず、ホウ酸またはホウ酸誘導体を有機化合物と混合する前に、有機化合物に加えてもよいし、ホウ酸またはホウ酸誘導体を有機化合物と混合した後に加えてもよい。また、100〜150℃の温度範囲で所定時間加熱した後に、溶剤を加えて、その後、さらに100〜150℃の温度範囲で所定時間加熱してもよい。
また、加熱撹拌するとき減圧をして、水分を除去しやすくしてもよい。
ただし、本発明では、ヒドロキシル基又はアミノ基を有する有機化合物と、ホウ酸またはホウ酸誘導体とを混合し、加熱攪拌して潤滑用添加剤を得る一連の操作において、150℃より高い温度に加熱されることはなく、また、130℃より高い温度に加熱されることがないのが好ましい。このように、本発明では、高温で加熱されることがないため、3配位のホウ素化合物を多く生成することが可能となる。
本発明では、3配位のホウ素含有化合物の割合が0.47未満であると、潤滑用添加剤を配合した潤滑油や燃料油の摩擦係数が高くなり、本発明の効果を得ることができない。
また、摩擦係数をより低くして、潤滑油や燃料油をより低粘度化できる観点から、上記割合は、0.50以上となることが好ましく、0.55以上となることがより好ましく、0.65以上となることが特に好ましい。なお、上記割合は、大きいほど摩擦係数を小さくできる傾向にあり、1.0以下となることが好ましい。
このような3配位のホウ素含有化合物と、4配位のホウ素含有化合物の割合は、例えば、BF3・OEt2標準(0ppm)として11B−NMR測定により測定可能である。この11B−NMR測定では、3配位のホウ素含有化合物のピークが5〜25ppmに出現し、4配位のホウ素含有化合物のピークが−10〜5ppmに出現するため、各ピークの積分値を算出することにより上記割合を算出することが可能である。
BF3・OEt2標準(0ppm)とした11B−NMR測定においては、上記したように、化学シフト−10〜25ppmに3配位のピークが出現するため、上記積分値の比が、0.47以上となることにより、潤滑用添加剤中における3配位の割合が多くなり、上記したような本発明の効果を得ることができる。また、低摩擦係数にして、潤滑油や燃料油をより低粘度化できる観点から、上記積分値の比は、0.50以上となることが好ましく、0.55以上となることがより好ましく、0.65以上となることが最も好ましい。また、上記積分値の比は、大きいほど摩擦係数を小さくできる傾向にあり、1.0以下であればよい。
また、潤滑用添加剤において、ホウ素原子の含有量は、好ましくは0.1〜3質量%、より好ましくは1〜3質量%である。
本発明の潤滑用添加剤は、潤滑油基油である炭化水素油や合成油に配合されて使用されるものである。
本発明の潤滑用添加剤が潤滑油基油に配合されてなる潤滑油組成物において、該潤滑用添加剤は、潤滑油組成物において、通常0.01質量%以上50質量%以下、好ましくは0.1質量%以上30質量%以下、より好ましくは0.1質量%以上10質量%以下で配合される。
また、潤滑油組成物には、本発明の潤滑用添加剤の効果を阻害しない範囲で、潤滑油に通常配合される酸化防止剤、耐摩耗剤、清浄分散剤、粘度指数向上剤、流動性向上剤、他の摩擦調整剤及びその他の添加剤を添加してもよい。
潤滑油基油は、一般に潤滑油の基油として用いられるものであればよく、特に制限はないが、100℃における動粘度が1mm2/s以上50mm2/s以下の範囲にあるものが好ましく、2mm2/s以上20mm2/s以下の範囲にあるものがより好ましい。また、この基油の低温流動性の指標である流動点については特に制限はないが、通常−10℃以下であることが好ましい。
炭化水素油としては、例えば、パラフィン系鉱油、ナフテン系鉱油、芳香族系鉱油などの潤滑油基油でもよいし、ガソリン、灯油、軽油などの燃料油の留分でもよく、溶剤精製、水素化精製または水素化分解などのいかなる精製方法を経たものでも使用することができる。
合成油としては、ポリα−オレフィン類、ポリフェニルエーテル、アルキルベンゼン、アルキルナフタレン、エステル油、グリコール系またはポリオレフィン系合成油などを使用することができる。より具体的には、ポリ−α−オレフィン、エチレン−α−オレフィン共重合体、ポリブデン、アルキルベンゼン、アルキルナフタレン、ポリアルキレングリコール、ポリフェニルエーテル、アルキル置換ジフェニルエーテル、ポリオールエステル、二塩基酸エステル、炭酸エステル、シリコーン油、フッ素化油、GTL(Gas to Liquids)等の合成油、パラフィン系鉱油、ナフテン系鉱油、あるいはこれらを精製した精製鉱油類等を用いることができる。
本発明の潤滑用添加剤が配合された潤滑油組成物は、ガソリンエンジン、ディーゼルエンジン及び2サイクルエンジンのような内燃機関用の潤滑油として好適に用いられる他に、ギヤ油、軸受油、変速機油、ショックアブソーバー油あるいは工業用潤滑油としても好適に用いられる。
上記した本発明の潤滑油添加剤(ホウ素含有化合物)は、燃料油に添加される燃料油添加剤としても使用可能なものであり、炭化水素油等からなる燃料油に配合されて使用される。
潤滑用添加剤(燃料油添加剤)が添加される燃料油としては、特に限定されわけではないが、ガソリン、灯油、軽油、重油、ジェット燃料などが挙げられる。
本発明の潤滑用添加剤が燃料油に配合されてなる燃料油組成物において、該潤滑用添加剤は、燃料油組成物全量基準で、好ましくは0.001質量%以上1質量%以下、より好ましくは0.01質量%以上1.0質量%以下で配合される。
燃料油組成物には、本発明の潤滑用添加剤の効果を阻害しない範囲で、着色剤、酸化防止剤、清浄剤、金属不活性化剤、オクタン価向上剤、低温流動性向上剤、潤滑性向上剤、セタン価向上剤などの添加剤を配合してもよい。
燃料油組成物は、本発明の潤滑用添加剤が配合されることにより、摩擦係数が低減されて低粘度化されるので、従来の燃料油組成物に比べて、燃費や燃焼効率を向上させることができる。
(1)11B−NMR
BF3・OEt2を外部標準(0ppm)として用い、重クロロホルム中、パルス幅90度にて測定した。
(2)摩擦特性(摩擦係数および摩耗幅)
基油A(100℃の動粘度=11.01mm2/s、粘度指数=105)に、実施例、並びに比較例のホウ素含有化合物を1.0質量%加え、均一に混合し、ボール・オン・ディスク型の往復動摩擦試験機(TE77 キャメロンプリント試験機)により摩擦係数および摩耗幅を測定した。ボールの材質はSUJ2、ボールの直径は10mm、ディスクの材質はSUJ2であった。振動数20Hz、振幅15.0mm、温度80℃にて、各荷重で1800秒間試験を行いつつ、40Nから240Nまで荷重を40Nずつ段階的に上げていった。そして、80N荷重における摩擦係数を求めるとともに、試験終了後に磨耗幅を測定した。
(3)粘度特性
粘度は、VECTRON INTERNATIONAL社製 音響粘度計eCuPを用い、100℃における粘度(g/cm3・cP)を測定した。
(4)ホウ素含有量、及び窒素含有量の測定
ホウ素含有量はASTM D4951に準じて測定した値である。窒素含有量はJIS K2609に準じて測定した値である。
撹拌装置、加熱装置、温度計、ディーンスターク管、ジムロート冷却管および窒素吹き込み管を備えたセパラブルフラスコ反応容器に、ステアリルジエタノールアミン(ナイミーンS−202)267g(0.75mol)、鉱油A(100℃の動粘度=4.12mm2/s、粘度指数=134)40gを仕込み、窒素気流下、70〜80℃に加熱した。この混合物に、ホウ酸43.3g(0.60mol)を徐々に加え、80℃にて2時間撹拌した。更に、脱水しながら、90〜100℃にて2時間、110℃〜120℃にて3時間加熱撹拌した。得られた混合物を、濾過板(NA−600、保留粒子径0.4μm、アドバンテック東洋株式会社製)を用いた加圧濾過(圧力4.0kg/cm2)を行うことにより、293.5gのホウ素含有ステアリルジエタノールアミンを得た。このホウ素含有ステアリルジエタノールアミンは、は、ホウ素含有量2.0質量%、窒素含有量3.1質量%であり、ホウ素原子/窒素原子の質量比が0.65あった。
撹拌装置、加熱装置、温度計、ディーンスターク管、ジムロート冷却管および窒素吹き込み管を備えたセパラブルフラスコ反応容器に、一般式(A1)で示されるポリオキシエチレステアリルアミン(a+b=4)(ナイミーンS-204)435g(0.98mol)を仕込み、窒素気流下、70〜80℃に加熱した。この混合物に、ホウ酸43.3g(0.60mol)を徐々に加え、80℃にて2時間撹拌した。更に、脱水しながら、90〜100℃にて2時間、110℃〜120℃にて3時間加熱撹拌した。得られた混合物を、濾過板(NA−600、保留粒子径0.4μm、アドバンテック東洋株式会社製)を用いた加圧濾過(圧力4.0kg/cm2)を行うことにより、433gのホウ素含有ポリオキシエチレンステアリルアミンを得た。このホウ素含有ポリオキシエチレンステアリルアミンは、ホウ素含有量1.7質量%、窒素含有量3.2質量%であり、ホウ素原子/窒素原子の質量比が0.53であった。
撹拌装置、加熱装置、温度計、ディーンスターク管、ジムロート冷却管および窒素吹き込み管を備えたセパラブルフラスコ反応容器に、一般式(A1)で示されるポリオキシエチレン牛脂アミン(a+b=5)(エソミン T/15)382g(0.80mol)を仕込み、窒素気流下、70〜80℃に加熱した。この混合物に、ホウ酸49.5g(0.80mol)を徐々に加え、80℃にて2時間撹拌した。更に、脱水しながら、90〜100℃にて2時間、110℃〜120℃にて3時間加熱撹拌した。その後、鉱油A90g加え、120℃にて30分加熱撹拌した。得られた混合物を濾過板(NA−600、保留粒子径0.4μm、アドバンテック東洋株式会社製)を用いた加圧濾過(圧力4.0kg/cm2)を行うことにより、433gのホウ素含有ポリオキシエチレン牛脂アミンを得た。このホウ素含有ポリオキシエチレン牛脂アミンは、ホウ素含有量1.7質量%、窒素含有量2.2質量%であり、ホウ素原子/窒素原子の質量比が0.78であった。
ポリオキシエチレン牛脂アミン(エソミン T/15)の代わりに、一般式(A1)で示されるポリオキシエチレンステアリルアミン(a+b=5)(エソミン S/15)を用いた以外、実施例A−3と同様に反応を実施し、ホウ素含有ポリオキシエチレンステアリルアミンを得た。このホウ素含有ポリオキシエチレンステアリルアミンは、ホウ素含有量1.7質量%、窒素含有量1.8質量%であり、ホウ素原子/窒素原子の質量比が0.95であった。
ポリオキシエチレン牛脂アミン(エソミン T/15)の代わりに、一般式(A1)で示されるポリオキシエチレンオレイルアミン(a+b=7)(エソミン O/17)を用いた以外、実施例A−3と同様に反応を実施し、ホウ素含有ポリオキシエチレンオレイルアミンを得た。このホウ素含有ポリオキシエチレンオレイルアミンは、ホウ素含有量1.8質量%であった。
ポリオキシエチレン牛脂アミン(エソミン T/15)の代わりに、一般式(A1)で示されるポリオキシエチレン牛脂アミン(a+b=10)(ナイミーン T2−210)を用いた以外、実施例A−3と同様に反応を実施し、一般式(A1)で示されるホウ素含有ポリオキシエチレン牛脂アミンを得た。このホウ素含有ポリオキシエチレン牛脂アミンは、ホウ素含有量1.4質量%であった。
ポリオキシエチレン牛脂アミン(エソミン T/15)の代わりに、一般式(A1)で示されるポリオキシエチレンステアリルアミン(a+b=10)(ナイミーン S−210)を用いた以外、実施例A−3と同様に反応を実施し、一般式(A1)で示されるホウ素含有ポリオキシエチレンステアリルアミンを得た。このホウ素含有ポリオキシエチレンステアリルアミンは、は、ホウ素含有量1.3質量%であった。
撹拌装置、加熱装置、温度計、ディーンスターク管、ジムロート冷却管および窒素吹き込み管を備えたセパラブルフラスコ反応容器に、N−シクロヘキシルエタノールアミン114.6g(0.80mol)と1,2−エポキシドデカン147.5g(0.80mol)を仕込み、窒素雰囲気下、120℃にて5時間加熱撹拌し、更に、160℃にて2時間加熱撹拌し、1−[シクロヘキシル(2−ヒドロキシエチル)アミノ]ドデカン−2−オールを得た。
この反応物に、窒素気流下、ホウ酸49.5g(0.80mmol)を徐々に加え、80℃にて2時間撹拌した。更に、脱水しながら、90〜100℃にて2時間、110℃〜120℃にて3時間加熱撹拌した。その後、鉱油A90g加え、120℃にて30分間加熱撹拌した。得られた混合物を濾過板(NA−600、保留粒子径0.4μm、アドバンテック東洋株式会社製)を用いた加圧濾過(圧力4.0kg/cm2)を行うことにより、351gのホウ素含有1−[シクロヘキシル(2−ヒドロキシエチル)アミノ]ドデカン−2−オールを得た。は、この得られたホウ素含有化合物は、ホウ素含有量2.3質量%、であった。
撹拌装置、加熱装置、温度計、ディーンスターク管、ジムロート冷却管および窒素吹き込み管を備えたセパラブルフラスコ反応容器に、N−シクロヘキシルエタノールアミン200.5g(1.40mol)と1,2−エポキシドデカン258.1g(1.40mol)を仕込み、窒素雰囲気下、120℃にて5時間加熱撹拌し、更に、160℃にて2時間加熱撹拌し、1−[シクロヘキシル(2−ヒドロキシエチル)アミノ]ドデカン−2−オールを得た。
この反応物に、窒素気流下、ホウ酸43.3g(0.70mmol)を徐々に加え、80℃にて2時間撹拌した。更に、脱水しながら、90〜100℃にて2時間、110℃〜120℃にて3時間加熱撹拌した。その後、鉱油A158g加え、120℃にて30分間加熱撹拌した。得られた混合物を濾過板(NA−600、保留粒子径0.4μm、アドバンテック東洋株式会社製)を用いた加圧濾過(圧力4.0kg/cm2)を行うことにより、609gのホウ素含有1−[シクロヘキシル(2−ヒドロキシエチル)アミノ]ドデカン−2−オールを得た。この得られたホウ素含有化合物は、ホウ素含有量1.2質量%であった。
撹拌装置、加熱装置、温度計、ディーンスターク管、ジムロート冷却管および窒素吹き込み管を備えたセパラブルフラスコ反応容器に、N−シクロヘキシルアミン99.2g(1.00mol)と1,2−エポキシドデカン368.6g(2.00mol)を仕込み、窒素雰囲気下、120℃にて5時間加熱撹拌し、更に、160℃にて3時間加熱撹拌し、N,N−ビス(2−ヒドロキシドデシル)−N−シクロヘキシルアミンを得た。
この反応物に、窒素気流下、ホウ酸61.8g(1.00mol)を徐々に加え、80℃にて2時間撹拌した。更に、脱水しながら、90〜100℃にて2時間、110℃〜120℃にて3時間加熱撹拌した。その後、鉱油A113g加え、120℃にて30分間加熱撹拌した。得られた混合物を濾過板(NA−600、保留粒子径0.4μm、アドバンテック東洋株式会社製)を用いた加圧濾過(圧力4.0kg/cm2)を行うことにより、578gのホウ素含有N,N−ビス(2−ヒドロキシドデシル)−N−シクロヘキシルアミンを得た。この得られたホウ素含有化合物は、ホウ素含有量0.9質量%であった。
撹拌装置、加熱装置、温度計、ディーンスターク管、ジムロート冷却管および窒素吹き込み管を備えたセパラブルフラスコ反応容器に、2−(フェニルアミノ)エタノール109.7g(0.80mol)と1,2−エポキシドデカン147.5g(0.80mol)を仕込み、窒素雰囲気下、120℃にて5時間加熱撹拌し、更に、160℃にて3時間加熱撹拌し、1−[N−(2−ヒドロキシエチル)アニリノ]ドデカン−2−オールを得た。
この反応物に、窒素気流下、ホウ酸49.5g(0.80mmol)を徐々に加え、80℃にて2時間撹拌した。更に、脱水しながら、90〜100℃にて2時間、110℃〜120℃にて3時間加熱撹拌した。その後、鉱油A113g加え、120℃にて30分間加熱撹拌し、423gのホウ素含有1−[N−(2−ヒドロキシエチル)アニリノ]ドデカン−2−オールを得た。この得られたホウ素含有化合物は、ホウ素含有量1.9質量%であった。
撹拌装置、加熱装置、温度計、ディーンスターク管、ジムロート冷却管および窒素吹き込み管を備えたセパラブルフラスコ反応容器に、2−(フェニルアミノ)エタノール192.0g(1.40mol)と1,2−エポキシドデカン258.1g(1.40mol)を仕込み、窒素雰囲気下、120℃にて5時間加熱撹拌し、更に、160℃にて3時間加熱撹拌し、1−[N−(2−ヒドロキシエチル)アニリノ]ドデカン−2−オールを得た。
この反応物に、窒素気流下、ホウ酸43.3g(0.70mmol)を徐々に加え、80℃にて2時間撹拌した。更に、脱水しながら、90〜100℃にて2時間、110℃〜120℃にて3時間加熱撹拌した。その後、鉱油A113g加え、120℃にて30分間加熱撹拌し、589gのホウ素含有1−[N−(2−ヒドロキシエチル)アニリノ]ドデカン−2−オールを得た。この得られたホウ素含有化合物は、ホウ素含有量0.9質量%、であった。
撹拌装置、加熱装置、温度計、ディーンスターク管、ジムロート冷却管および窒素吹き込み管を備えたセパラブルフラスコ反応容器に、アニリン93.1g(1.00mol)と1,2−エポキシドデカン368.6g(2.00mol)を仕込み、窒素雰囲気下、120℃にて5時間加熱撹拌し、更に、160℃にて3時間加熱撹拌し、N,N−ビス(2−ヒドロキシドデシル)−アニリンを得た。
この反応物に、窒素気流下、ホウ酸61.8g(1.00mmol)を徐々に加え、80℃にて2時間撹拌した。更に、脱水しながら、90〜100℃にて2時間、110℃〜120℃にて3時間加熱撹拌した。その後、鉱油A113g加え、120℃にて30分間加熱撹拌し、565gのホウ素含有N,N−ビス(2−ヒドロキシドデシル)−アニリンを得た。この得られたホウ素含有化合物は、ホウ素含有量0.9質量%であった。
撹拌装置、加熱装置、温度計、ディーンスターク管、ジムロート冷却管および窒素吹き込み管を備えたセパラブルフラスコ反応容器に、N,N’,N’-トリス(2−ヒドロキシエチル)−N−牛脂−1,3−ジアミノプロパン(エソデュオミンT/13)57.7g(0.15mol)を仕込み、窒素気流下、70〜80℃に加熱した。この混合物に、ホウ酸9.3g(0.15mol)を徐々に加え、80℃にて2時間撹拌した。更に、脱水しながら、90〜100℃にて2時間、110℃〜120℃にて3時間加熱撹拌した。得られた混合物を濾過板(NA−600、保留粒子径0.4μm、アドバンテック東洋株式会社製)を用いた加圧濾過(圧力4.0kg/cm2)を行うことにより、47.3gのホウ素含有N,N’,N’-トリス(2−ヒドロキシエチル)−N−牛脂−1,3−ジアミノプロパンを得た。この得られたホウ素含有化合物は、ホウ素含有量2.7質量%であった。
撹拌装置、加熱装置、温度計、ディーンスターク管、ジムロート冷却管および窒素吹き込み管を備えたセパラブルフラスコ反応容器に、1−オクチルアミン129.2g(1.00mol)と1,2−エポキシドデカン368.6g(2.00mol)を仕込み、窒素雰囲気下、80℃にて2時間、120℃にて2時間加熱撹拌し、更に、160℃にて12時間加熱撹拌し、N,N−ビス(2−ヒドロキシドデシル)−N−オクチルアミンを得た。
この反応物に、窒素気流下、ホウ酸61.8g(1.00mmol)を徐々に加え、80℃にて2時間撹拌した。更に、脱水しながら、90〜100℃にて2時間、110℃〜120℃にて3時間加熱撹拌した。鉱油A113g加え、120℃にて30分間加熱撹拌した。得られた混合物を濾過板(NA−600、保留粒子径0.4μm、アドバンテック東洋株式会社製)を用いた加圧濾過(圧力4.0kg/cm2)を行うことにより、609gのホウ素含有N,N−ビス(2−ヒドロキシドデシル)−N−オクチルアミンを得た。この得られたホウ素含有化合物は、ホウ素含有量1.7質量%、窒素含有量2.1質量%であり、ホウ素原子/窒素原子の質量比が0.79であった。
撹拌装置、加熱装置、温度計、圧力計を備えたオートクレーブに、オレイルアミン107.0g(0.40mol)とプロピレンオキシド46.5g(0.80mol)を仕込み、窒素雰囲気下、80℃にて2時間、120℃にて2時間、140℃にて2時間加熱撹拌し、更に、160℃にて3時間加熱撹拌し、150gのN,N−ビス(2−ヒドロキシプロピル)−N−オレイルアミンを得た。
撹拌装置、加熱装置、温度計、ディーンスターク管、ジムロート冷却管および窒素吹き込み管を備えたセパラブルフラスコ反応容器に、N,N−ビス(2−ヒドロキシプロピル)−N−オレイルアミン150g(0.39mol)を仕込み、窒素雰囲気下、70〜80℃に加熱した。窒素気流下、ホウ酸24.2g(0.39mol)を徐々に加え、80℃にて2時間撹拌した。更に、脱水しながら、90〜100℃にて2時間、110℃〜120℃にて3時間加熱撹拌した。その後、鉱油A44g加え、120℃にて30分間加熱撹拌した。得られた混合物を濾過板(NA−600、保留粒子径0.4μm、アドバンテック東洋株式会社製)を用いた加圧濾過(圧力4.0kg/cm2)を行うことにより、178gのホウ素含有N,N−ビス(2−ヒドロキシプロピル)−N−オレイルアミンを得た。この得られたホウ素含有化合物は、ホウ素含有量2.1質量%、窒素含有量2.7質量%であり、ホウ素原子/窒素原子の質量比が0.77であった。
撹拌装置、加熱装置、温度計、ディーンスターク管、ジムロート冷却管および窒素吹き込み管を備えたセパラブルフラスコ反応容器に、N−オレイル−1,3−ジアミノプロパン(ニッサン アミンDOB−R)194.7g(0.60mol)を仕込み、窒素気流下、70〜80℃に加熱した。この混合物に、ホウ酸37.1g(0.60mol)を徐々に加え、80℃にて2時間撹拌した。更に、脱水しながら、90〜100℃にて2時間、110℃〜120℃にて3時間加熱撹拌した。その後、鉱油A60g加え、120℃にて30分間加熱撹拌した。得られた混合物を濾過板(NA−600、保留粒子径0.4μm、アドバンテック東洋株式会社製)を用いた加圧濾過(圧力4.0kg/cm2)を行うことにより、253gのホウ素含有N−オレイル−1,3−ジアミノプロパンを得た。この得られたホウ素含有化合物は、ホウ素含有量2.9質量%であった。
撹拌装置、加熱装置、温度計、ディーンスターク管、ジムロート冷却管および窒素吹き込み管を備えたセパラブルフラスコ反応容器に、牛脂ジプロピレントリアミン(トリアミンT)296.9g(0.80mol)を仕込み、窒素気流下、70〜80℃に加熱した。この混合物に、ホウ酸49.5g(0.80mol)を徐々に加え、80℃にて2時間撹拌した。更に、脱水しながら、90〜100℃にて2時間、110℃〜120℃にて3時間加熱撹拌した。その後、鉱油A90g加え、120℃にて30分間加熱撹拌した。得られた混合物を濾過板(NA−600、保留粒子径0.4μm、アドバンテック東洋株式会社製)を用いた加圧濾過(圧力4.0kg/cm2)を行うことにより、385gのホウ素含有牛脂ジプロピレントリアミンを得た。この得られたホウ素含有化合物は、ホホウ素含有量2.3質量%であった。
撹拌装置、加熱装置、温度計、ディーンスターク管、ジムロート冷却管および窒素吹き込み管を備えたセパラブルフラスコ反応容器に、ヤシ油脂肪酸ジエタノールアミド(アミゾールCDE)44.5g(0.15mol)を仕込み、窒素気流下、70〜80℃に加熱した。この混合物に、ホウ酸9.3g(0.15mol)を徐々に加え、80℃にて2時間撹拌した。更に、脱水しながら、90〜100℃にて2時間、110〜120℃にて3時間加熱撹拌し、42.5gのホウ素含有ヤシ油脂肪酸ジエタノールアミドを得た。この得られたホウ素含有化合物は、ホウ素含有量3.4質量%であった。
撹拌装置、加熱装置、温度計、ディーンスターク管、ジムロート冷却管および窒素吹き込み管を備えたセパラブルフラスコ反応容器に、ヤシ油脂肪酸ジエタノールアミドとヤシ油脂肪酸グリセリンの混合物(アミゾールFDE)29.7g、トルエン100mlを仕込み、窒素気流下、70〜80℃に加熱した。この混合物に、ホウ酸6.2g(0.10mol)を徐々に加え、80℃にて2時間撹拌した。更に、脱水しながら、90〜100℃にて2時間、加熱還流下、3時間攪拌した。ろ過後、減圧下、真空エバポレータにて、70℃から120℃昇温しながら3時間かけてトルエンを留去し、27.5gのホウ素含有化合物を得た(100〜120℃での加熱攪拌時間:2時間)。この得られたホウ素含有化合物は、ホウ素含有量2.8質量%、窒素含有量4.2質量%であり、ホウ素原子/窒素原子の質量比が0.67であった。
撹拌装置、加熱装置、温度計、ディーンスターク管、ジムロート冷却管および窒素吹き込み管を備えたセパラブルフラスコ反応容器に、ステアリルジエタノールアミド(アミゾールSDE)37.2(0.10mol)g、トルエン100mlを仕込み、窒素気流下、70〜80℃に加熱した。この混合物に、ホウ酸6.2g(0.10mol)を徐々に加え、80℃にて2時間撹拌した。更に、脱水しながら、90〜100℃にて2時間、加熱還流下、3時間攪拌した。ろ過後、減圧下、真空エバポレータにて、70℃から120℃昇温しながら3時間かけてトルエンを留去し、30.0gのホウ素含有ステアリルジエタノールアミドを得た(100〜120℃での加熱攪拌時間:2時間)。このホウ素含有ステアリルジエタノールアミドは、ホウ素含有量1.8質量%、窒素含有量3.8質量%であり、ホウ素原子/窒素原子の質量比が0.47であった。
撹拌装置、加熱装置、温度計、ディーンスターク管、ジムロート冷却管および窒素吹き込み管を備えたセパラブルフラスコ反応容器に、一般式(B1)で示されるポリオキシエチレンオレイン酸アミド(n=5、o=0)(エソマイドO/15)48.8(0.10mol)gを仕込み、窒素気流下、70〜80℃に加熱した。この混合物に、ホウ酸6.2g(0.10mol)を徐々に加え、80℃にて2時間撹拌した。更に、脱水しながら、90〜100℃にて2時間、110〜120℃にて8時間攪拌した。得られた混合物を濾過板(NA−600、保留粒子径0.4μm、アドバンテック東洋株式会社製)を用いた加圧濾過(圧力4.0kg/cm2)を行うことにより、40.5gのホウ素含有ポリオキシエチレンオレイン酸アミドを得た。このホウ素含有ポリオキシエチレンオレイン酸アミドは、ホウ素含有量2.2質量%であった。
撹拌装置、加熱装置、温度計、ディーンスターク管、ジムロート冷却管および窒素吹き込み管を備えたセパラブルフラスコ反応容器に、一般式(B1)で示されるポリオキシエチレンヤシ油脂肪酸モノエタノールアミド(n=11、o=0)(ナイミッドMF−210)517.8gを仕込み、窒素気流下、70〜80℃に加熱した。この混合物に、ホウ酸49.5g(0.80mol)を徐々に加え、80℃にて2時間撹拌した。更に、脱水しながら、90〜100℃にて2時間、110〜120℃にて8時間攪拌した。鉱油A90g加え、120℃にて加熱撹拌した。得られた混合物を濾過板(NA−600、保留粒子径0.4μm、アドバンテック東洋株式会社製)を用いた加圧濾過(圧力4.0kg/cm2)を行うことにより、607gのホウ素含有ポリオキシエチレンヤシ油脂肪酸モノエタノールアミドを得た。このホウ素含有化合物は、ホウ素含有量1.4質量%であった。
撹拌装置、加熱装置、温度計、ディーンスターク管、ジムロート冷却管および窒素吹き込み管を備えたセパラブルフラスコ反応容器に、ヤシ油脂肪酸N−メチルエタノールアミド(アミノーンC−11S)310.0gを仕込み、窒素気流下、70〜80℃に加熱した。この混合物に、ホウ酸61.8g(1.00mol)を徐々に加え、80℃にて2時間撹拌した。更に、脱水しながら、90〜100℃にて2時間、110〜120℃にて8時間攪拌した。その後、鉱油A68g加え、120℃にて30分間加熱撹拌した。得られた混合物を濾過板(NA−600、保留粒子径0.4μm、アドバンテック東洋株式会社製)を用いた加圧濾過(圧力4.0kg/cm2)を行うことにより、356gのホウ素含有ヤシ油脂肪酸N−メチルエタノールアミドを得た。この得られたホウ素含有化合物は、ホウ素含有量2.9質量%であった。
撹拌装置、加熱装置、温度計、ディーンスターク管、ジムロート冷却管および窒素吹き込み管を備えたセパラブルフラスコ反応容器に、ヤシ油脂肪酸N−メチルエタノールアミド(アミノーンC−11S)310.0gを仕込み、窒素気流下、70〜80℃に加熱した。この混合物に、ホウ酸61.8g(1.00mol)を徐々に加え、80℃にて2時間撹拌した。更に、脱水しながら、90〜100℃にて2時間、110〜120℃にて1時間、130〜140℃にて1時間、150〜160℃にて3時間加熱攪拌した。その後、鉱油A68g加え、120℃にて30分間加熱撹拌した。得られた混合物を濾過板(NA−600、保留粒子径0.4μm、アドバンテック東洋株式会社製)を用いた加圧濾過(圧力4.0kg/cm2)を行うことにより、356gのホウ素含有ヤシ油脂肪酸N−メチルエタノールアミドを得た。この得られたホウ素含有化合物は、ホウ素含有量3.5質量%であった。
1Lオートクレーブにポリブテン(Mn:960)550g、臭化セチル1.5g、無水マレイン酸59g(0.6モル)を入れ、窒素置換した後240℃で5時間反応させた。215℃に降温し、未反応の無水マレイン酸と臭化セチルを減圧留去し、140℃降温してろ過した。得られたポリブテニルコハク酸無水物の収量は550g、ケン化価は86mgKOH/gであった。
500mLセパラブルフラスコ中にポリブテニルコハク酸無水物200g、アミノエチルピペラジン(AEP)7.2g(0.056モル)、ジエチレントリアミン(DETA)4.3g(0.042モル)、トリエチレンテトラアミン(TETA)6.1g(0.042モル)、150ニュートラルの鉱油100gをいれ、窒素気流下150℃で2時間反応させた。200℃に昇温し未反応のAEP,DETAと生成水を減圧留去した。得られたポリブテニルコハク酸イミドの収量は315g、塩基価(塩酸法)30.8mgKOH/gであった。
撹拌装置、加熱装置、温度計、ディーンスターク管、ジムロート冷却管および窒素吹き込み管を備えたセパラブルフラスコ反応容器に、ポリブテニルコハク酸イミド110gを仕込み、窒素気流下、70〜80℃に加熱した。この混合物に、ホウ酸19.1g(0.308mol)を徐々に加え、80℃にて2時間撹拌した。更に、脱水しながら、90〜100℃にて2時間、150℃にて2時間加熱撹拌した。得られた混合物を、濾過板(NA−600、保留粒子径0.4μm、アドバンテック東洋株式会社製)を用いた加圧濾過(圧力4.0kg/cm2)を行うことにより、110gのホウ素含有ポリブテニルコハク酸イミドを得た。このホウ素含有ポリブテニルコハク酸イミドは、ホウ素含有量2.1質量%、窒素含有量2.1質量%であり、ホウ素原子/窒素原子の質量比が1.0であった。
ホウ酸の量を13.6g(0.220mol)に変更した点を除いて実施例C−2と同様に実施してホウ素含有ポリブテニルコハク酸イミドを得た。このホウ素含有ポリブテニルコハク酸イミドは、ホウ素含有量1.5質量%、窒素含有量2.1質量%であり、ホウ素原子/窒素原子の質量比が0.7であった。
撹拌装置、加熱装置、温度計、ディーンスターク管、ジムロート冷却管および窒素吹き込み管を備えたセパラブルフラスコ反応容器に、グリセロールモノオレート285.2g(0.80mol)を仕込み、窒素気流下、70〜80℃に加熱した。この混合物に、ホウ酸49.5g(0.80mol)を徐々に加え、80℃にて2時間撹拌した。その後、鉱油A54g加え、120℃にて30分加熱撹拌した。得られた混合物を濾過板(NA−600、保留粒子径0.4μm、アドバンテック東洋株式会社製)を用いた加圧濾過(圧力4.0kg/cm2)を行うことにより、345gのホウ素含有グリセロールモノオレートを得た。
撹拌装置、加熱装置、温度計、ディーンスターク管、ジムロート冷却管および窒素吹き込み管を備えたセパラブルフラスコ反応容器に、グリセロールモノステアレート286.9g(0.80mol)を仕込み、窒素気流下、70〜80℃に加熱した。この混合物に、ホウ酸49.5g(0.80mol)を徐々に加え、80℃にて2時間撹拌した。その後、鉱油A54g加え、120℃にて30分間加熱撹拌した。得られた混合物を濾過板(NA−600、保留粒子径0.4μm、アドバンテック東洋株式会社製)を用いた加圧濾過(圧力4.0kg/cm2)を行うことにより、337gのホウ素含有グリセロールモノステアレートを得た。
撹拌装置、加熱装置、温度計、ディーンスターク管、ジムロート冷却管および窒素吹き込み管を備えたセパラブルフラスコ反応容器に、ラウリルグリコールヒドロキシプロピルエーテル(ビスコセーフ LPE)26.0g(0.10mol)トルエン100mlを仕込み、窒素気流下、70〜80℃に加熱した。この混合物に、ホウ酸6.2g(0.10mol)を徐々に加え、80℃にて2時間撹拌した。更に、脱水しながら、90〜100℃にて2時間、加熱還流下、3時間攪拌した。ろ過後、減圧下、真空エバポレータにて、70℃から120℃昇温しながら3時間かけてトルエンを留去し、26.7gのホウ素含有ラウリルグリコールヒドロキシプロピルエーテルを得た(100〜120℃での加熱攪拌時間:2時間)。
撹拌装置、加熱装置、温度計、ディーンスターク管、ジムロート冷却管および窒素吹き込み管を備えたセパラブルフラスコ反応容器に、3−(ヘキサデシルオキシ)プロパン−1、2−ジオール253.2g(0.80mol)を仕込み、窒素気流下、70〜80℃に加熱した。この混合物に、ホウ酸49.5g(0.80mol)を徐々に加え、80℃にて2時間撹拌した。その後、鉱油A54g加え、120℃にて30分間加熱撹拌した。得られた混合物を濾過板(NA−600、保留粒子径0.4μm、アドバンテック東洋株式会社製)を用いた加圧濾過(圧力4.0kg/cm2)を行うことにより、337gのホウ素含有3−(ヘキサデシルオキシ)プロパン−1、2−ジオールを得た。
1Lオートクレーブ中に、ポリデセン(Mw:2119)100g、臭化セチル0.14g(0.00046ミリモル)、無水マレイン酸12g(0.122モル)を入れ、窒素置換し、248℃で5時間反応させた。215℃に降温し、未反応の無水マレイン酸と臭化セチルを減圧留去し、140℃に降温して濾過した。得られたポリデセニル無水コハク酸の収量は126.9g,ケン化価は41.7mgKOH/gであった。
500mLセパラブルフラスコ中に、上記で得たポリデセニルコハク酸無水物84g、アミノエチルピペラジン(AEP)4.1g(0.032モル)、ジエチレントリアミン(DETA)2.4g(0.024モル)、トリエチレンテトラアミン(TETA)3.5g(0.024モル)、150ニュートラルの鉱油36gをいれ、窒素気流下150℃で2時間反応させた。200℃に昇温し未反応のAEP,DETAと生成水を減圧留去した。得られたポリデセニルコハク酸イミドの収量は123g、塩基価(塩酸法)37.9mgKOH/gであった。
撹拌装置、加熱装置、温度計、ディーンスターク管、ジムロート冷却管および窒素吹き込み管を備えたセパラブルフラスコ反応容器に、ポリデセニルコハク酸イミド110gを仕込み、窒素気流下、70〜80℃に加熱した。この混合物に、ホウ酸19.1g(0.308mol)を徐々に加え、80℃にて2時間撹拌した。更に、脱水しながら、90〜100℃にて2時間、次いで、150℃〜160℃にて2時間加熱撹拌した。得られた混合物を、トルエンに希釈し、減圧濾過、減圧下トルエンを留去し、110gのホウ素含有ポリデセニルコハク酸イミドを得た。このホウ素含有ポリデセニルコハク酸イミドは、ホウ素含有量2.5質量%、窒素含有量1.8質量%であり、ホウ素原子/窒素原子の質量比が1.4であった。
表1において、ホウ素NMRの積分値は、[5〜25ppmのピークの積分値/−10〜25ppmのピークの積分値]である。なお、全ての実施例、比較例について、11B−NMRは、5〜25ppmにおいてピークが見られるとともに、−10〜5ppmにピークが検出されず或いはピークが1本見られたのみであった。そのため、下記積分値は、3配位と4配位のホウ素含有化合物の合計量に対する、3配位のホウ素含有化合物のモル比を示すものである。
Claims (14)
- ヒドロキシル基又はアミノ基を有する有機化合物と、ホウ酸又はホウ酸誘導体を100℃以上150℃以下の温度で加熱撹拌して得られる潤滑用添加剤。
- 前記有機化合物が、アミン化合物(A)、ヒドロキシル基を有するアミド化合物(B)、アミノ基を有するイミド化合物(C)、ヒドロキシル基を有するエステル化合物(D)、及び、ヒドロキシル基を有するアルコール化合物(E)から選ばれる少なくとも1つの化合物である請求項1に記載の潤滑用添加剤。
- アミン化合物(A)は、下記一般式(A1)〜(A5)で表される化合物から選ばれる少なくとも1つの化合物である請求項1に記載の潤滑用添加剤。
- BF3・OEt2を外部標準(0ppm)として用い、重クロロホルム中、11B−NMR測定したとき、化学シフト−10〜25ppmのピークの積分値に対し、化学シフト5〜25ppmのピークの積分値の比が0.47以上である請求項1〜7のいずれかに記載の潤滑用添加剤。
- 前記有機化合物と、ホウ酸又はホウ酸誘導体とのモル比が、1:0.01〜1:10である請求項1〜8のいずれかに記載の潤滑用添加剤。
- 前記温度が100℃以上130℃以下である請求項1〜9のいずれかに記載の潤滑用添加剤。
- 潤滑用摩擦調整剤である請求項1〜10のいずれかに記載の潤滑用添加剤。
- ヒドロキシル基又はアミノ基を有する有機化合物と、ホウ酸又はホウ酸誘導体を100℃以上150℃以下の温度で加熱撹拌して潤滑用添加剤を得る潤滑用添加剤の製造方法。
- 3配位のホウ素含有化合物を、3配位と4配位のホウ素含有化合物の合計量に対して、モル比で0.47以上の割合で含有する潤滑用摩擦調整剤。
- ヒドロキシル基又はアミノ基を有する有機化合物を、ホウ酸またはホウ酸誘導体に混合させて得られ、3配位と4配位のホウ素含有化合物の合計量に対して、3配位のホウ素含有化合物の量が、モル比で0.47以上である潤滑用添加剤。
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