JP6780826B2 - 潤滑油組成物及び内燃機関の摩擦低減方法 - Google Patents

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本発明は、潤滑油組成物及び内燃機関の摩擦低減方法に関する。
近年、環境規制の強化に伴い、高い省燃費性がエンジンオイルに要求されている。このため、潤滑油組成物中にモリブデンジチオカーバメート(MoDTC)等のモリブデン化合物を配合し、金属間摩擦係数を低減する取り組みがなされてきた。
MoDTC等のモリブデン化合物は、80℃以上の比較的高い温度領域で摩擦低減効果を発揮するものである。モリブデン化合物を配合した潤滑油組成物としては、例えば特許文献1が挙げられる。
一方、エステル系、アミン系等の無灰摩擦調整剤も摩擦低減のために用いられている(例えば、特許文献2)。
これら無灰摩擦調整剤は、80℃未満の比較的低い温度領域における摩擦低減効果に優れている。
モリブデン化合物の高温領域における摩擦低減特性、及び無灰摩擦調整剤の低温領域における摩擦低減特性を考慮すると、モリブデン化合物及び無灰摩擦調整剤を併用することにより、幅広い温度領域での摩擦低減効果の発揮が期待できる。
特開2015−010177号公報 国際公開2011/062282
しかし、モリブデン化合物及び無灰摩擦調整剤を併用した場合、無灰摩擦調整剤がモリブデン化合物の摩擦低減効果を阻害し、結果的に省燃費性を損なってしまうという問題があった。
本発明は、摩擦低減効果に優れ、省燃費性に優れた潤滑油組成物を提供することを目的とする。
上記課題を解決すべく、本発明の実施形態は、(A)潤滑油基油、(B)モリブデン化合物、及び(C)無灰摩擦調整剤を含む潤滑油組成物であって、
前記(B)モリブデン化合物として下記一般式(I)に示す二核の有機モリブデン化合物を含み、かつ該二核の有機モリブデン化合物のモリブデン原子換算の含有量が潤滑油組成物全量基準で0.030質量%以上0.140質量%以下であり、
前記(C)無灰摩擦調整剤として、(C1)エステル系無灰摩擦調整剤及び/又は(C2)アミン系無灰摩擦調整剤を含み、かつ該(C1)エステル系無灰摩擦調整剤及び(C2)アミン系無灰摩擦調整剤の含有量の合計が潤滑油組成物全量基準で0.1質量%超1.8質量%以下である潤滑油組成物を提供する。

[式(I)中、R〜Rは炭素数4〜22の炭化水素基を表し、R〜Rは、同一であってもよいし、異なっていてもよい。X1〜X4は、各々硫黄原子又は酸素原子を表す。]
本発明の潤滑油組成物は、モリブデン化合物の摩擦低減効果を阻害することなく、モリブデン化合物と無灰摩擦調整剤との併用を可能とすることから、摩擦低減効果に優れ、省燃費性を良好にすることができる。
以下、本発明の実施形態を説明する。
[潤滑油組成物]
本実施形態の潤滑油組成物は、(A)潤滑油基油、(B)モリブデン化合物、及び(C)無灰摩擦調整剤を含む潤滑油組成物であって、
前記(B)モリブデン化合物として下記一般式(I)に示す二核の有機モリブデン化合物を含み、かつ該二核の有機モリブデン化合物のモリブデン原子換算の含有量が潤滑油組成物全量基準で0.030質量%以上0.140質量%以下であり、
前記(C)無灰摩擦調整剤として、(C1)エステル系無灰摩擦調整剤及び/又は(C2)アミン系無灰摩擦調整剤を含み、かつ該(C1)エステル系無灰摩擦調整剤及び(C2)アミン系無灰摩擦調整剤の含有量の合計が潤滑油組成物全量基準で0.1質量%超1.8質量%以下であるものである。

[式(I)中、R〜Rは炭素数4〜22の炭化水素基を表し、R〜Rは、同一であってもよいし、異なっていてもよい。X1〜X4は、各々硫黄原子又は酸素原子を表す。]
<(A)潤滑油基油>
本実施形態の潤滑油組成物は、(A)潤滑油基油を含む。(A)成分の潤滑油基油としては、鉱油及び/又は合成油が挙げられる。
鉱油としては、溶剤精製、水添精製等の通常の精製法により得られた、パラフィン基系鉱油、中間基系鉱油及びナフテン基系鉱油等、あるいは、フィッシャートロプシュプロセス等により製造されるワックス(ガストゥリキッドワックス)や鉱油系ワックスを異性化することによって製造されるもの等が挙げられる。
合成油としては、炭化水素系合成油、エーテル系合成油等が挙げられる。炭化水素系合成油としては、ポリブテン、ポリイソブチレン、1−オクテンオリゴマー、1−デセンオリゴマー、エチレン−プロピレン共重合体等のα−オレフィンオリゴマー又はその水素化物、アルキルベンゼン、アルキルナフタレン等を挙げることができる。エーテル系合成油としては、ポリオキシアルキレングリコール、ポリフェニルエーテル等が挙げられる。
(A)潤滑油基油は、上述の鉱油及び合成油のうちの一種を用いた単一系でも良いが、鉱油の二種以上を混合してなるもの、合成油の二種以上を混合してなるもの、鉱油及び合成油のそれぞれの一種又は二種以上を混合してなるもののように、混合系であってもよい。
特に、(A)潤滑油基油としては、米国石油協会の基油分類において、グループ3及びグループ4に分類される鉱油又は合成油から選ばれる1種以上を用いることが好ましい。
(A)潤滑油基油の含有量は、潤滑油組成物全量基準で60質量%以上であることが好ましく、65質量%以上95質量%以下であることがより好ましく、70質量%以上85質量%以下であることがさらに好ましい。
<(B)モリブデン化合物>
本実施形態の潤滑油組成物は、(B)モリブデン化合物を含む。また、本実施形態の潤滑油組成物は、(B)成分のモリブデン化合物として、下記一般式(I)に示す二核の有機モリブデン化合物を含み、かつ該二核の有機モリブデン化合物のモリブデン原子換算の含有量が潤滑油組成物全量基準で0.030質量%以上0.140質量%以下である。
一般式(I)において、R〜Rは炭素数4〜22の炭化水素基を表し、R〜Rは、同一であってもよいし、異なっていてもよい。炭素数が3以下になると油溶性が悪く、23以上になると融点が高くなりハンドリングが悪くなるとともに摩擦低減能が低くなる。上記観点からその炭素数は好ましくは炭素数4〜18、さらに好ましくは炭素数8〜13である。
〜Rの炭化水素基としては、アルキル基、アルケニル基、アルキルアリール基、シクロアルキル基、シクロアルケニル基が挙げられ、分枝鎖または直鎖のアルキル基又はアルケニル基が好ましく、分枝鎖または直鎖のアルキル基がより好ましい。分枝鎖または直鎖のアルキル基としては、n−オクチル基、2−エチルヘキシル基、イソノニル基、n−デシル基、イソデシル基、ドデシル基、トリデシル基、イソトリデシル基等が挙げられる。
また、基油への溶解性、貯蔵安定性及び摩擦低減能の観点から、一般式(I)に示す二核の有機モリブデン化合物は、R及びRが同一のアルキル基、R及びRが同一のアルキル基であって、R及びRのアルキル基とR及びRのアルキル基が異なることが好ましい。
また、一般式(I)において、X〜Xは硫黄原子又は酸素原子を表し、X〜Xは同一であってもよいし、異なっていてもよい。好ましくは硫黄原子と酸素原子の比が、硫黄原子/酸素原子=1/3〜3/1、より好ましくは1.5/2.5〜3/1である。上記範囲内であれば、耐腐食性や、潤滑油基油に対する溶解性の面で良好な性能が得られる。また、X〜Xの全てが硫黄原子又は酸素原子であってもよい。
本実施形態の潤滑油組成物は、上記二核の有機モリブデン化合物のモリブデン原子換算の含有量が、潤滑油組成物全量基準で0.030質量%以上0.140質量%以下であることを要する。
上記二核の有機モリブデン化合物のモリブデン原子換算の含有量が0.030質量%未満の場合、高温領域での摩擦低減効果を良好にすることができず、省燃費性を満足できない。また、上記二核の有機モリブデン化合物のモリブデン原子換算の含有量が0.140質量%超の場合、清浄性が悪化する。
上記二核の有機モリブデン化合物のモリブデン原子換算の含有量は、潤滑油組成物全量基準で0.050〜0.120質量%であることが好ましく、0.060〜0.100質量%であることがより好ましい。
なお、本実施形態の潤滑油組成物は、モリブデン化合物として、さらに、一核の有機モリブデン化合物及び/又は三核の有機モリブデン化合物を含有していてもよい。
<(C)無灰摩擦調整剤>
本実施形態の潤滑油組成物は、(C)無灰摩擦調整剤を含む。また、本実施形態の潤滑油組成物は、(C)成分の無灰摩擦調整剤として、(C1)エステル系無灰摩擦調整剤及び/又は(C2)アミン系無灰摩擦調整剤を含み、かつ該(C1)エステル系無灰摩擦調整剤及び(C2)アミン系無灰摩擦調整剤の含有量の合計が、潤滑油組成物全量基準で0.1質量%超1.8質量%以下である。
なお、本実施形態において、(C1)エステル系無灰摩擦調整剤を含まず、(C2)アミン系無灰摩擦調整剤のみを含む場合、(C2)アミン系無灰摩擦調整剤の含有量が上記範囲を満たすものとする。また、本実施形態において、(C2)アミン系無灰摩擦調整剤を含まず、(C1)エステル系無灰摩擦調整剤のみを含む場合、(C1)エステル系無灰摩擦調整剤の含有量が上記範囲を満たすものとする。また、後述する各種の好適な実施形態においても、(C1)エステル系無灰摩擦調整剤及び(C2)アミン系無灰摩擦調整剤のいずれか一方のみを含む場合、当該一方の無灰摩擦調製剤が各種の好適な実施形態を満たすものとする。
(C1)エステル系無灰摩擦調整剤及び(C2)アミン系無灰摩擦調整剤の含有量の合計が、潤滑油組成物全量基準で0.1質量%以下の場合、(C1)成分及び/又は(C2)成分に基づく摩擦低減効果を付与できない。また、(C1)エステル系無灰摩擦調整剤及び(C2)アミン系無灰摩擦調整剤の含有量の合計が、潤滑油組成物全量基準で1.8質量%を超える場合、(B)モリブデン化合物に基づく摩擦低減効果が損なわれ、摩擦係数が上昇に転じてしまう。
一方、本実施形態の潤滑油組成物は、(C)成分の無灰摩擦調整剤として、(C1)エステル系無灰摩擦調整剤及び/又は(C2)アミン系無灰摩擦調整剤を用い、かつ、これらの含有量の合計を上記範囲とすることにより、摩擦低減効果を良好にして、省燃費性を良好にできる。
(C1)エステル系無灰摩擦調整剤及び(C2)アミン系無灰摩擦調整剤の含有量の合計は、潤滑油組成物全量基準で0.2質量%以上1.7質量%以下が好ましく、0.4質量%以上1.6質量%以下がさらに好ましい。
(C1)エステル系無灰摩擦調整剤
(C1)成分のエステル系無灰摩擦調整剤としては、各種エステル化合物を用いることができるが、分子中に1以上のヒドロキシル基を有するエステル化合物が好ましく、分子中に2以上のヒドロキシル基を有するエステル化合物がより好ましい。
また、分子中に1以上のヒドロキシル基を有するエステル化合物は、炭素数が2〜24であることが好ましく、10〜24であることがより好ましく、16〜22であることがさらに好ましい。
分子中に1以上のヒドロキシル基を有するエステル化合物は、例えば、下記一般式(II)のように分子中に1つのヒドロキシル基を有するエステル化合物、下記一般式(III)のように分子中に2つのヒドロキシル基を有する化合物が挙げられる。これらの中でも一般式(III)に示す化合物が好適である。
一般式(II)及び一般式(III)において、R及びR10は、それぞれ炭素数1〜32の炭化水素基である。
及びR10の炭化水素基の炭素数は、8〜32が好ましく、12〜24がより好ましく、16〜20がさらに好ましい。
及びR10の炭化水素基としては、アルキル基、アルケニル基、アルキルアリール基、シクロアルキル基及びシクロアルケニル基が挙げられる。これらの中でも、アルキル基又はアルケニル基が好ましく、その中でもアルケニル基が好ましい。
及びR10におけるアルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、トリデシル基、テトラデシル基、ペンタデシル基、ヘキサデシル基、ヘプタデシル基、オクタデシル基、ノナデシル基、イコシル基、ヘンイコシル基、ドコシル基、トリコシル基及びテトラコシル基が挙げられ、これらは直鎖状、分岐状、環状のいずれであってもよい。
また、R、R10におけるアルケニル基としては、ビニル基、プロペニル基、ブテニル基、ペンテニル基、ヘキセニル基、ヘプテニル基、オクテニル基、ノネニル基、デセニル基、ウンデセニル基、ドデセニル基,トリデセニル基,テトラデセニル基,ペンタデセニル基,ヘキサデセニル基,ヘプタデセニル基,オクタデセニル基,ノナデセニル基,イコセニル基,ヘンイコセニル基,ドコセニル基,トリコセニル基,テトラコセニル基が挙げられるが、これらは直鎖状、分岐状、環状のいずれであってもよく、二重結合の位置も任意である。
〜R、R11〜R15は、それぞれ水素原子又は炭素数1〜18の炭化水素基であり、互いに同一でも異なってもよい。
一般式(II)においては、R〜Rの全てが水素原子であり、又はR〜Rがいずれも水素原子であるとともにRが炭化水素基であることが好ましい。また、一般式(III)においては、R11〜R15の全てが水素原子であることが好ましい。
なお、(C1)エステル系無灰摩擦調整剤として、上記一般式(II)に示す化合物を用いる場合、R〜Rが全て同一である単一種を用いてもよいし、R〜Rの一部が異なる異種のもの(例えば、Rの炭素数や二重結合の有無が異なるもの)を二種以上混合して用いてもよい。同様に、(C1)エステル系無灰摩擦調整剤として、上記一般式(III)に示す化合物を用いる場合、R10〜R15が全て同一である単一種を用いてもよいし、R10〜R15の一部が異なる異種のもの(例えば、R10の炭素数や二重結合の有無が異なるものや、R11〜R15が異なるもの)を二種以上混合して用いてもよい。
〜R、R11〜R15が炭化水素基の場合、該炭化水素基は、飽和でも不飽和でもよく、脂肪族でも芳香族でもよく、直鎖状でも分岐状でも環状でもよい。
また、一般式(II)のaは、1〜20の整数を示すが、好ましくは1〜12、より好ましくは1〜10である。
一般式(II)で示される化合物は、例えば、脂肪酸とアルキレンオキシドとの反応により得られるものである。
ここで、一般式(II)で示される化合物を得るための脂肪酸としては、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、オレイン酸、牛脂脂肪酸、ヤシ油脂肪酸等が挙げられる。また、アルキレンアキシドとしては、炭素数2〜12のアルキレンオキシドが挙げられ、具体的には、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、ブチレンオキシド、ヘキシレンオキシド、オクチレンオキシド、デシレンオキシド、ドデシレンオキシド等が挙げられる。
一般式(II)の化合物としては、ポリオキシエチレンモノラウレート、ポリオキシエチレンモノステアレート、ポリオキシエチレンモノオレレートが挙げられる。
一般式(III)で示される化合物としては、グリセリンモノラウレート、グリセリンモノステアレート、グリセリンモノミステレート、グリセリンモノオレエート等のグリセリン脂肪酸モノエステルが挙げられる。この中でもグリセリンモノオレエートが好適である。
(C2)アミン系無灰摩擦調整剤
(C2)アミン系無灰摩擦調整剤としては、脂肪族系のアミン系化合物が好適であり、分子中に1以上のヒドロキシル基を有する脂肪族系のアミン系化合物がより好適である。また、(C2)アミン系無灰摩擦調整剤は、第1級アミン、第2級アミン、第3級アミンの何れであってもよいが、第3級アミンが好適である。
分子中に1以上のヒドロキシル基を有する脂肪族系のアミン系化合物であって、第3級アミンである(C2)アミン系無灰摩擦調整剤としては、下記一般式(IV)、(V)に示す化合物が挙げられ、一般式(IV)に示す化合物が好適である。
上記一般式(IV)及び(V)において、R16、R25及びR26は、それぞれ炭素数1〜32の炭化水素基であり、R25及びR26互いに同一でも異なってもよい。
16、R25及びR26の炭化水素基の炭素数は、8〜32が好ましく、10〜24がより好ましく、12〜20がさらに好ましい。
16、R25及びR26の炭化水素基としては、アルキル基、アルケニル基、アルキルアリール基、シクロアルキル基及びシクロアルケニル基が挙げられる。これらの中でも、アルキル基又はアルケニル基が好ましい。
16、R25及びR26におけるアルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、トリデシル基、テトラデシル基、ペンタデシル基、ヘキサデシル基、ヘプタデシル基、オクタデシル基、ノナデシル基、イコシル基、ヘンイコシル基、ドコシル基、トリコシル基及びテトラコシル基が挙げられ、これらは直鎖状、分岐状、環状のいずれであってもよい。
また、R16、R25及びR26におけるアルケニル基としては、ビニル基、プロペニル基、ブテニル基、ペンテニル基、ヘキセニル基、ヘプテニル基、オクテニル基、ノネニル基、デセニル基、ウンデセニル基、ドデセニル基,トリデセニル基、テトラデセニル基、ペンタデセニル基、ヘキサデセニル基、ヘプタデセニル基、オクタデセニル基、ノナデセニル基、イコセニル基、ヘンイコセニル基、ドコセニル基、トリコセニル基、テトラコセニル基が挙げられるが、これらは直鎖状、分岐状、環状のいずれであってもよく、二重結合の位置も任意である。
17〜R24及びR27〜R30は、水素原子、炭素数1〜18の炭化水素基、又はエーテル結合若しくはエステル結合を含有する酸素含有炭化水素基であり、互いに同一でも異なってもよいが、水素原子又は炭化水素基が好ましい。
17〜R24及びR27〜R30の炭化水素基としては、飽和でも不飽和でもよく、脂肪族でも芳香族でもよく、直鎖状でも分岐状でも環状でもよく、例えば、アルキル基またはアルケニル基等の脂肪族炭化水素基、又は芳香族炭化水素基が挙げられる。より具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ブテニル基、ヘキシル基、ヘキセニル基、オクチル基、オクテニル基、2−エチルヘキシル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、デセニル基、ドデシル基、ドデセニル基、トリデシル基、テトラデシル基、テトラデセニル基、ペンタデシル基、ヘキサデシル基、ヘキサデセニル基、ヘプタデシル基、オクタデシル基、オクタデセニル基、ステアリル基、イソステアリル基、オレイル基、リノール基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、メチルシクロヘキシル基、エチルシクロヘキシル基、プロピルシクロヘキシル基、ジメチルシクロヘキシル基、トリメチルシクロヘキシル基等の脂肪族炭化水素基、フェニル基、メチルフェニル基、エチルフェニル基、ジメチルフェニル基、プロピルフェニル基、トリメチルフェニル基、ブチルフェニル基、ナフチル基などの芳香族炭化水素基等が挙げられる。
この炭化水素基としては、炭素数1〜18のものが好ましく、炭素数1〜12のものがより好ましくは、炭素数1〜4のものがよりさらに好ましく、炭素数2のものが最も好ましい。
エーテル結合又はエステル結合を含有する酸素含有炭化水素基としては、例えば炭素数1〜18のものであり、メトキシメチル基、エトキシメチル基、プロポキシメチル基、イソプロポキシメチル基、n−ブトキシメチル基、t−ブトキシメチル基、ヘキシルオキシメチル基、オクチルオキシメチル基、2−エチルヘキシルオキシメチル基、デシルオキシメチル基、ドデシルオキシメチル基、2−ブチルオクチルオキシメチル基、テトラデシルオキシメチル基、ヘキサデシルオキシメチル基、2−ヘキシルドデシルオキシメチル基、アリルオキシメチル基、フェノキシ基、ベンジルオキシ基、メトキシエチル基、メトキシプロピル基、1,1−ビスメトキシプロピル基、1,2−ビスメトキシプロピル基、エトキシプロピル基、(2−メトキシエトキシ)プロピル基、(1−メチル−2−メトキシ)プロピル基、アセチルオキシメチル基、プロパノイルオキシメチル基、ブタノイルオキシメチル基、ヘキサノイルオキシメチル基、オクタノイルオキシメチル基、2−エチルヘキサノイルオキシメチル基、デカノイルオキシメチル基、ドデカノイルオキシメチル基、2−ブチルオクタノイルオキシメチル基、テトラデカノイルオキシメチル基、ヘキサデカノイルオキシメチル基、2−ヘキシルドデカノイルオキシメチル基、ベンゾイルオキシメチル基等が挙げられる。
また、b〜dは、それぞれ0〜20の整数を示す。
b+cは1〜20であることが好ましく、1〜10であることがより好ましく、1〜4であることがさらに好ましく、2であることが最も好ましい。
一般式(IV)においては、R17〜R24の全てが水素原子であることが好ましい。また、一般式(V)においては、R27〜R30の全てが水素原子であることが好ましい。
(C2)アミン系無灰摩擦調整剤として、一般式(IV)の脂肪族アミン化合物を用いる場合、R16が全て同一のものを用いてもよいし、牛脂等の天然由来の炭化水素基のように、R16が異なるもの(例えば、炭素数や二重結合の有無が異なるもの)を混合して用いてもよい。同様に、(C2)アミン系無灰摩擦調整剤として、一般式(V)の脂肪族アミン化合物を用いる場合、R25及びR26が全て同一のものを用いてもよいし、R25及びR26が異なるもの(例えば、炭素数や二重結合の有無が異なるもの)を混合して用いてもよい。
一般式(IV)の具体的な化合物としては、オクチルエタノールアミン、デシルエタノールアミン、ドデシルエタノールアミン、テトラデシルエタノールアミン、ヘキサデシルエタノールアミン、ステアリルエタノールアミン、オレイルエタノールアミン、ヤシ油エタノールアミン、パーム油エタノールアミン、ナタネ油エタノールアミン、牛脂エタノールアミン等で例示されるヒドロキシエチル基等の2−ヒドロキシアルキル基を1つ有するアミン化合物;オクチルジエタノールアミン、デシルジエタノールアミン、ドデシルジエタノールアミン、テトラデシルジエタノールアミン、ヘキサデシルジエタノールアミン、ステアリルジエタノールアミン、オレイルジエタノールアミン、ヤシ油ジエタノールアミン、パーム油ジエタノールアミン、ナタネ油ジエタノールアミン、牛脂ジエタノールアミン、等で例示される2−ヒドロキシアルキル基を2つ有するアミン化合物;ポリオキシエチレンオクチルアミン、ポリオキシエチレンデシルアミン、ポリオキシエチレンドデシルアミン、ポリオキシエチレンテトラデシルアミン、ポリオキシエチレンヘキサデシルアミン、ポリオキシエチレンステアリルアミン、ポリオキシエチレンオレイルアミン、ポリオキシエチレン牛脂アミン、ポリオキシエチレンヤシ油アミン、ポリオキシエチレンパーム油アミン、ポリオキシエチレンラウリルアミン、ポリオキシエチレンステアリルアミン、ポリオキシエチレンオレイルアミン、エチレンオキシドプロピレンオキシドステアリルアミン等のポリアルキレンオキサイド構造を有するアミン化合物;が挙げられる。
一般式(V)の具体的な化合物としては、N−メチル−オクチルエタノールアミン、N−メチル−デシルエタノールアミン、N−メチル−ドデシルエタノールアミン、N−メチル−テトラデシルエタノールアミン、N−メチル−ヘキサデシルエタノールアミン、N−メチル−ステアリルエタノールアミン、N−メチル−オレイルエタノールアミン、N−メチル−ヤシ油エタノールアミン、N−メチル−パーム油エタノールアミン、N−メチル−ナタネ油エタノールアミン、N−メチル−牛脂エタノールアミン等で例示されるヒドロキシエチル基等の2−ヒドロキシアルキル基を1つ有するアルキルアミン化合物;ポリオキシエチレンN−メチル−デシルアミン、ポリオキシエチレンN−メチル−ドデシルアミン、ポリオキシエチレンN−メチル−テトラデシルアミン、ポリオキシエチレンN−メチル−ヘキサデシルアミン、ポリオキシエチレンN−メチル−ステアリルアミン、ポリオキシエチレンN−メチル−オレイルアミン等で例示されるポリアルキレンオキサイド構造を有するアルキルアミン化合物が挙げられる。
本実施形態の潤滑油組成物は、(C)成分の無灰摩擦調整剤として、(C1)エステル系無灰摩擦調整剤及び(C2)アミン系無灰摩擦調整剤のいずれかを含めばよいが、(C1)エステル系無灰摩擦調整剤及び(C2)アミン系無灰摩擦調整剤を併用することが好ましい。
(C1)エステル系無灰摩擦調整剤及び(C2)アミン系無灰摩擦調整剤を併用することにより、(B)モリブデン化合物に基づく摩擦低減効果をより維持しやすくできる。すなわち、(C1)エステル系無灰摩擦調整剤及び(C2)アミン系無灰摩擦調整剤を併用することにより、(B)モリブデン化合物、(C1)エステル系無灰摩擦調整剤及び(C2)アミン系無灰摩擦調整剤の3成分に基づく摩擦低減効果を付与することができ、省燃費性をより向上できる。
また、(C1)エステル系無灰摩擦調整剤及び(C2)アミン系無灰摩擦調整剤の併用による上記効果を発揮しやすくする観点から、(C2)アミン系無灰摩擦調整剤の含有量と、(C1)エステル系無灰摩擦調整剤の含有量との質量比[(C2)アミン系無灰摩擦調整剤の含有量/(C1)エステル系無灰摩擦調整剤の含有量]は、1.00未満であることが好ましい。
該比は、0.10以上0.80以下がより好ましく、0.15以上0.60以下がさらに好ましい。
また、(C1)エステル系無灰摩擦調整剤及び(C2)アミン系無灰摩擦調整剤の含有量の合計と、(B)モリブデン化合物のモリブデン原子換算の含有量との質量比[((C1)エステル系無灰摩擦調整剤の含有量+(C2)アミン系無灰摩擦調整剤の含有量)/(B)モリブデン化合物のモリブデン原子換算の含有量]は、4.0〜30.0が好ましく、5.0〜25.0がより好ましく、6.5〜23.0がさらに好ましい。
(C)無灰摩擦調整剤は、本実施形態の潤滑油組成物の効果を損なわない範囲で、(C1)エステル系無灰摩擦調整剤及び(C2)アミン系無灰摩擦調整剤以外の無灰系摩擦調整剤(その他の無灰系摩擦調整剤)を含有してもよい。ただし、(C)無灰摩擦調整剤の全量に対する(C1)エステル系無灰摩擦調整剤及び(C2)アミン系無灰摩擦調整剤の含有量の合計は80質量%以上であることが好ましく、90質量%以上であることがより好ましく、100質量%であることがさらに好ましい。
<(D)コハク酸イミドのホウ素変性体>
本実施形態の潤滑油組成物は、さらに、(D)コハク酸イミドのホウ素変性体を含むことが好ましい。
(B)モリブデン化合物と、(C1)エステル系無灰摩擦調整剤及び/又は(C2)アミン系無灰摩擦調整剤とともに、(D)コハク酸イミドのホウ素変性体を用いることにより、(B)モリブデン化合物に基づく摩擦低減効果をより維持しやすくでき、この結果、(B)モリブデン化合物と、(C1)エステル系無灰摩擦調整剤及び/又は(C2)アミン系無灰摩擦調整剤との相乗作用が発揮されやすくなり、摩擦低減効果をより良好にして、省燃費性を良好にできる。
(D)成分のコハク酸イミドのホウ素変性体としては、アルケニル又はアルキルコハク酸モノイミド、あるいは、アルケニル又はアルキルコハク酸ビスイミドをホウ素化したものが挙げられる。
アルケニル又はアルキルコハク酸モノイミドとしては、下記一般式(VI)で示される化合物が挙げられる。また、アルケニル又はアルキルコハク酸ビスイミドとしては、下記一般式(VII)で示される化合物が挙げられる。
一般式(VI)及び式(V)において、R31、R33及びR34は、アルケニル基又はアルキル基であり、重量平均分子量が、それぞれ、好ましくは500〜3,000、より好ましくは1,000〜3,000である。
31、R33及びR34の重量平均分子量が500以上であると、潤滑油基油への溶解性を良好にできる。また、3,000以下であると、本化合物により得られる効果を適切に発揮することが期待される。R33及びR34は同一でも異なっていてもよい。
32、R35及びR36は、それぞれ炭素数2〜5のアルキレン基であり、R35及びR36は同一でも異なっていてもよい。eは1〜10の整数を示し、fは0又は1〜10の整数を示す。
ここで、eは、好ましくは2〜5、より好ましくは2〜4である。eが2以上であると、コハク酸イミドのホウ素変性体により得られる効果が得やすくなることが期待される。eが5以下であると、潤滑油基油に対する溶解性がより一層良好となる。
また、fは好ましくは1〜6であり、より好ましくは2〜6である。fが1以上であると、本化合物により得られる効果を適切に発揮することが期待される。fが6以下であると、潤滑油基油に対する溶解性がより一層良好となる。
アルケニル基としては、ポリブテニル基、ポリイソブテニル基、エチレン−プロピレン共重合体を挙げることができ、アルキル基としてはこれらを水添したものが挙げられる。好適なアルケニル基としては、ポリブテニル基又はポリイソブテニル基が挙げられる。ポリブテニル基は、1−ブテンとイソブテンの混合物あるいは高純度のイソブテンを重合させたものが好適に用いられる。また、好適なアルキル基の代表例としては、ポリブテニル基又はポリイソブテニル基を水添したものが挙げられる。
(D)コハク酸イミドのホウ素変性体は、例えば、ポリオレフィンを無水マレイン酸と反応させてアルケニルコハク酸無水物(x)を得て、さらに、ポリアミンと、ホウ素化合物とを反応させて中間体(y)を得た後、アルケニルコハク酸無水物(x)と中間体(y)とを反応させてイミド化することにより得ることができる。モノイミド又はビスイミドは、アルケニルコハク酸無水物若しくはアルキルコハク酸無水物とポリアミンとの比率を変えることによって製造することが可能である。
また、(D)コハク酸イミドのホウ素変性体は、ホウ素未含有のアルケニル又はアルキルコハク酸モノイミドや、アルケニル又はアルキルコハク酸ビスイミドを、上記ホウ素化合物で処理しても製造できる。
上記したポリオレフィンを形成するオレフィン単量体としては、炭素数2〜8のα−オレフィンの1種又は2種以上を混合して用いることができるが、イソブテンと1−ブテンの混合物を好適に用いることができる。
一方、ポリアミンとしては、エチレンジアミン、プロピレンジアミン、ブチレンジアミン、ペンチレンジアミン等の単一ジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、ペンタエチレンヘキサミン、ジ(メチルエチレン)トリアミン、ジブチレントリアミン、トリブチレンテトラミン、及びペンタペンチレンヘキサミン等のポリアルキレンポリアミン、アミノエチルピペラジン等のピペラジン誘導体を挙げることができる。
上記ホウ素化合物としては、ホウ酸、ホウ酸塩及びホウ酸エステル等が挙げられる。
ホウ酸としては、オルトホウ酸、メタホウ酸及びパラホウ酸等が挙げられる。また、ホウ酸塩としては、メタホウ酸アンモニウム、四ホウ酸アンモニウム、五ホウ酸アンモニウム及び八ホウ酸アンモニウム等のホウ酸アンモニウム等が挙げられる。また、ホウ酸エステルとしては、ホウ酸モノメチル、ホウ酸ジメチル、ホウ酸トリメチル、ホウ酸モノエチル、ホウ酸ジエチル、ホウ酸トリエチル、ホウ酸モノプロピル、ホウ酸ジプロピル、ホウ酸トリプロピル、ホウ酸モノブチル、ホウ酸ジブチル及びホウ酸トリブチル等が挙げられる。
(D)コハク酸イミドのホウ素変性体に含有される窒素原子量に対するホウ素原子量の比(B/N比)は、摩擦低減の観点から、質量基準で0.6以上であることが好ましく、0.7以上であることがより好ましく、0.8以上であることがさらに好ましい。また、B/N比は、特に限定されないが、2.0以下であることが好ましく、1.5以下であることがより好ましく、1.3以下であることがさらに好ましい。
(D)コハク酸イミドのホウ素変性体は、摩擦低減の観点から、3配位のコハク酸イミドのホウ素変性体を多く含むことが好ましく、具体的には、3配位のコハク酸イミドのホウ素変性体を、3配位と4配位のコハク酸イミドのホウ素変性体の合計量に対して、モル比で0.50以上含有することが好ましく、0.60以上とすることがより好ましく、0.65以上とすることがさらに好ましい。
3配位のコハク酸イミドのホウ素変性体及び4配位のコハク酸イミドのホウ素変性体の割合は、例えば、BF・OEt標準(0ppm)として11B−NMR測定により測定可能である。この11B−NMR測定では、3配位のコハク酸イミドのホウ素変性体のピークが5〜25ppmに出現し、4配位のコハク酸イミドのホウ素変性体のピークが−10〜5ppmに出現するため、各ピークの積分値を算出することにより上記割合を算出することが可能である。
また、本実施形態の潤滑油組成物は、(D)コハク酸イミドのホウ素変性体のホウ素原子換算の含有量が、潤滑油組成物全量基準で0.050質量%以下であることが好ましく、0.001〜0.050質量%であることがより好ましく、0.005〜0.040質量%であることがさらに好ましく、0.015〜0.035質量%であることがよりさらに好ましい。
(D)コハク酸イミドのホウ素変性体のホウ素原子換算の含有量を上記範囲とすることにより、(B)モリブデン化合物に基づく摩擦低減効果が損なわれることをより抑制でき、その結果、(B)モリブデン化合物と、(C1)エステル系無灰摩擦調整剤及び/又は(C2)アミン系無灰摩擦調整剤との相乗作用をより発揮することができ、摩擦低減効果をより良好にして、省燃費性をより良好にできる。
また、本実施形態の潤滑油組成物は、(D)コハク酸イミドのホウ素変性体のホウ素原子換算の含有量に対する、(C1)エステル系無灰摩擦調整剤及び前記(C2)アミン系無灰摩擦調整剤を合計した含有量の質量比[(D)コハク酸イミドのホウ素変性体のホウ素原子換算の含有量/((C1)エステル系無灰摩擦調整の含有量+(C2)アミン系無灰摩擦調整剤の含有量)]が0.011以上であることが好ましく、0.013以上0.100以下であることがより好ましく、0.015以上0.070以下であることがさらに好ましい。
該比を上記範囲とすることにより、(B)モリブデン化合物に基づく摩擦低減効果が損なわれることをより抑制でき、(B)モリブデン化合物及び(C1)エステル系無灰摩擦調整剤との相乗作用により、摩擦低減効果をより良好にして、省燃費性をより良好にできる。
<(E)ポリ(メタ)アクリレート>
本実施形態の潤滑油組成物は、さらに、粘度指数向上剤として、(E)ポリ(メタ)アクリレートを含有することが好ましい。(E)ポリ(メタ)アクリレートを含有することにより、さらに省燃費性を向上することができる。
(E)ポリ(メタ)アクリレートを構成するモノマーはアルキル(メタ)アクリレートであり、好ましくは炭素数1〜18の直鎖アルキル基または炭素数3〜34の分岐アルキル基のアルキル(メタ)アクリレートである。
(E)ポリ(メタ)アクリレートを構成する好ましいモノマーとして、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、ペンチル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、ヘプチル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレート、ノニル(メタ)アクリレート、デシル(メタ)アクリレート、ドデシル(メタ)アクリレート、テトラ(メタ)アクリレート、ヘキサ(メタ)アクリレート、オクタデシル(メタ)アクリレートなどが挙げられ、これらモノマーを2種類以上使用してコポリマーとしてもよい。これらモノマーのアルキル基は直鎖状でもよいし、分岐鎖状のものでもよい。
また、炭素数3〜34の分岐アルキル基を有するアルキル(メタ)アクリレートとしては、イソプロピル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、3,5,5−トリメチルヘキシル(メタ)アクリレート、2−ブチルオクチル(メタ)アクリレート、2−ヘキシルデシル(メタ)アクリレート、2−オクチルドデシル(メタ)アクリレート、2−デシルテトラデシル(メタ)アクリレート、2−ドデシルヘキサデシル(メタ)アクリレート、2−テトラデシルオクタデシル(メタ)アクリレートが挙げられる。
(E)ポリ(メタ)アクリレートは、重量平均分子量が100,000〜600,000のものが好ましく、15,000〜400,000のものがより好ましい。
なお、本実施形態において「重量平均分子量」は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)測定によって求めたポリスチレン換算の分子量をいうものとする。
(E)ポリ(メタ)アクリレートは、SSIが50以下であることが好ましく、1〜30であることがより好ましい。重量平均分子量を上記範囲とすることにより、SSIを30以下とすることができる。
ここで、SSIとは、せん断安定性指数(Shear Stability Index)を意味し、ポリ(メタ)アクリレートの分解に抵抗する能力を示す。SSIが大きいほど、ポリマーはせん断に対して不安定で、より分解されやすい。

SSIは、ポリマーに由来するせん断による粘度低下を示すもので、上記計算式により算出される。式中、Kvは、基油にポリ(メタ)アクリレートを加えた混合物の100℃動粘度の値である。Kv1は、基油にポリ(メタ)アクリレートを加えた混合物を、ASTM D6278の手順にしたがって、30サイクル高剪断ボッシュ・ディーゼルインジェクターに通過させた後の100℃動粘度の値である。また、Kvoilは、基油の100℃動粘度の値である。なお、基油としては、100℃動粘度5.35mm/s、粘度指数105のGroup II基油を使用する。
(E)ポリ(メタ)アクリレートの含有量は、省燃費性の観点から、潤滑油組成物全量基準で0.5〜15質量%であることが好ましく、1〜10質量%であることがより好ましく、1〜8質量%であることがさらに好ましい。
ここで、ポリ(メタ)アクリレートの含有量は、ポリ(メタ)アクリレートからなる樹脂分のみの含有量を意味し、例えば該ポリ(メタ)アクリレートとともに含有する希釈油等の質量は含まれない、固形分基準の含有量である。
<(F)金属系清浄剤>
本実施形態の潤滑油組成物は、さらに、(F)金属系清浄剤を含有することが好ましい。(F)金属系清浄剤を含有することで、高温運転時のエンジン内部のデポジットの生成を抑制し、スラッジの堆積を防止してエンジン内部を清浄に保つとともに、エンジン油の劣化等を原因として生じる酸性物質を中和し、腐食摩耗を防止することができる。
(F)金属系清浄剤としては、アルカリ金属系清浄剤又はアルカリ土類金属系清浄剤が挙げられる。具体的には、アルカリ金属スルホネート又はアルカリ土類金属スルホネート、アルカリ金属フェネート又はアルカリ土類金属フェネート、アルカリ金属サリシレート又はアルカリ土類金属サリシレート等の中から選ばれる1種以上の金属系清浄剤が挙げられる。また、アルカリ金属としてはナトリウム、カリウム、アルカリ土類金属としてはマグネシウム、カルシウムが挙げられ、これらの中でもアルカリ金属であるナトリウム、アルカリ土類金属であるマグネシウム、カルシウムが好ましく、カルシウムがさらに好ましい。
(F)金属系清浄剤は、中性、塩基性、過塩基性のいずれであってもよいが、塩基性や過塩基性のものが好ましい。また、(F)金属系清浄剤の全塩基価は10〜500mgKOH/gが好ましく、150〜450mgKOH/gがより好ましい。なお、全塩基価は、JIS K2501の過塩素酸法に従って測定したものである。
本実施形態の潤滑油組成物は、上述した(F)金属系清浄剤に基づく効果を発現する観点から、(E)金属系清浄剤の金属量換算の含有量が、潤滑油組成物全量基準で0.05〜0.50質量%であることが好ましく、0.10〜0.30質量%であることがより好ましい。
<(G)ジチオリン酸亜鉛>
本実施形態の潤滑油組成物は、さらに、(G)ジチオリン酸亜鉛を含有することが好ましい。(G)成分のジチオリン酸亜鉛を含有することで、摩擦低減効果をより良好にすることができる。
(G)ジチオリン酸亜鉛としては、下記一般式(VIII)に示すものが挙げられる。

(式中、R37〜R40は、それぞれ独立に、炭素数6〜20の直鎖状、分岐状又は環状のアルキル基、及び炭素数6〜20の直鎖状、分岐状又は環状のアルケニル基から選ばれる何れか一種を示す。)
一般式(VIII)のR37〜R40の炭素数を6〜20とすることにより、潤滑油基油への溶解性、及び摩擦低減のバランスを良好にすることができる。
一般式(VIII)のR37〜R40のアルキル基又はアルケニル基の炭素数は、8〜18であることが好ましく、10〜14であることがより好ましい。また、一般式(VIII)のR37〜R40は、アルキル基であることが好ましい。
37〜R40におけるアルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、トリデシル基、テトラデシル基、ペンタデシル基、ヘキサデシル基、ヘプタデシル基、オクタデシル基、ノナデシル基、イコシル基、ヘンイコシル基、ドコシル基、トリコシル基及びテトラコシル基が挙げられ、これらは直鎖状、分岐状、環状のいずれであってもよい。また、アルケニル基としては、ビニル基、プロペニル基、ブテニル基、ペンテニル基、ヘキセニル基、ヘプテニル基、オクテニル基、ノネニル基、デセニル基、ウンデセニル基、ドデセニル基、トリデセニル基、テトラデセニル基、ペンタデセニル基、ヘキサデセニル基、ヘプタデセニル基、オクタデセニル基、ノナデセニル基、イコセニル基、ヘンイコセニル基、ドコセニル基、トリコセニル基、テトラコセニル基が挙げられるが、これらは直鎖状、分岐状、環状のいずれであってもよく、二重結合の位置も任意である。
上記一般式(VIII)において、R37〜R40は、たがいに同じであってもよいし、異なっていてもよいが、製造上の容易さの観点から、同一であるものが好ましい。
これらの中ではラウリル基等のドデシル基、テトラデシル基、ヘキサデシル基、ステアリル基等のオクタデシル基、イコシル基、オレイル基等のオクタデセニル基が好ましいが、ラウリル基が最も好ましい。
(G)ジチオリン酸亜鉛の含有量は、摩擦低減及び耐磨耗性のバランスの観点から、潤滑油組成物全量基準で0.01〜3.00質量%であることが好ましく、0.10〜1.50質量%であることがより好ましい。
また、(G)ジチオリン酸亜鉛のリン原子換算の含有量は、潤滑油組成物全量基準で、100〜2,000ppmが好ましく、300〜1,500ppmがより好ましく、500〜1,000ppmがさらに好ましく、600〜840ppmがよりさらに好ましい。
<任意添加成分>
本実施形態の潤滑油組成物は、任意添加成分として、ホウ素未含有のコハク酸イミド、酸化防止剤、錆止め剤、金属不活性化剤、流動点降下剤及び消泡剤等の任意添加成分を含有してもよい。
これら任意添加成分の含有量は、潤滑油組成物全量基準で0.01〜5.00質量%程度である。
<潤滑油組成物の物性>
本実施形態の潤滑油組成物は、低温〜高温の広い温度範囲の摩擦低減の観点から、40℃動粘度、100℃動粘度及び150℃HTHS粘度が以下の範囲であることが好ましい。
40℃動粘度は、20〜40mm/sであることが好ましく、20〜35mm/sであることがより好ましい。
100℃動粘度は、3.0〜12.5mm/sであることが好ましく、4.0〜9.3mm/sであることがより好ましい。
150℃HTHS粘度は、1.4〜2.9mPa・sであることが好ましく、1.7〜2.9mPa・sであることがより好ましい。
なお、動粘度はJIS K2283に準拠して測定した。また、HTHS粘度は、ASTMD4683に準拠して、TBS粘度計(Tapered Bearing Simulator Viscometer)を用い、油温100℃、せん断速度10/s、回転数(モーター)3000rpm、間隔(ローターとステーターとの間隔)3μmの条件で測定した。
<潤滑油組成物の用途>
本実施形態の潤滑油組成物の用途は特に限定されないが、四輪自動車、二輪自動車等の各種の内燃機関用に好適に使用できる。また、内燃機関の中でも、ガソリンエンジン用に特に好適に使用できる。
[内燃機関の摩擦低減方法]
本実施形態の内燃機関の摩擦低減方法は、内燃機関に、上述した本実施形態の潤滑油組成物を添加するものである。
本実施形態の内燃機関の摩擦低減方法によれば、(B)モリブデン化合物に基づく摩擦低減効果が損なわれることを抑制するとともに、(B)モリブデン化合物と、(C1)エステル系無灰摩擦調整剤及び/又は(C2)アミン系無灰摩擦調整剤との相乗作用により、摩擦低減効果を良好にして、省燃費性を良好にすることができる。内燃機関がガソリンエンジンである場合、前記効果を特に良好にできる。
次に、本発明を実施例により、さらに詳細に説明するが、本発明は、これらの例によってなんら限定されるものではない。
1.実施例及び比較例の潤滑油組成物の調製
表1〜3の組成で実施例及び比較例の潤滑油組成物を調製した。なお、潤滑油組成物の調製には以下の材料を用いた。
<(A)潤滑油基油>
100℃動粘度が4.07mm/sの鉱油、粘度指数:131、%C:−0.4、%C:12.8、%C:87.6
<(B)モリブデン化合物>
一般式(I)の二核の有機モリブデン化合物(Mo含有率10質量%のMoDTC)
<(C1)エステル系無灰摩擦調整剤>
グリセリンモノオレエート(1分子中の水酸基数:2)
<(C2)アミン系無灰摩擦調整剤>
アルキルジエタノールアミン(アルキル基の炭素数は12〜20の混合)
<(D)コハク酸イミドのホウ素変性体>
ポリブテニルコハク酸ビスイミドのホウ素変性体(ホウ素含量:1.3質量%、窒素含量:1.2質量%、ホウ素原子量/窒素原子量:1.1)
<(E)ポリ(メタ)アクリレート> ポリメタクリレート(重量平均分子量44万、樹脂分含有量17%、SSI30)<(F)金属系清浄剤>
カルシウム系清浄剤(カルシウム含有量:12.1質量%、過塩基性、全塩基価350mgKOH/g)
<(G)ジチオリン酸亜鉛>
ZnDTP(リン含有量:7.0質量%、亜鉛含有量:8.0質量%、硫黄含有量:14.0質量%)
<その他の成分>
ホウ素変性体でないポリブテニルコハク酸ビスイミド、ヒンダードフェノール系酸化防止剤、ジフェニルアミン系酸化防止剤、流動点降下剤、金属不活性化剤、消泡剤
2.測定及び評価
表1〜3の組成に調製した実施例及び比較例の潤滑油組成物について、以下の評価を行った。結果を表1〜3に示す。
2−1.HTHS粘度
明細書本文の記載に従い、潤滑油組成物の150℃HTHS粘度を測定した。
2−2.摩擦係数(HFRR試験)
HFRR試験機(PCS Instruments社製)を用い、下記の条件にて潤滑油組成物の摩擦係数を測定した。摩擦係数が低い程、摩擦低減効果に優れ、省燃費性が良好であるといえる。
・テストピース:(A)ボール=HFRR標準テストピース(AISI 52100材)、(B)ディスク=HFRR標準テストピース(AISI 52100材)
・振幅:1.0mm
・周波数:50Hz
・荷重:5g
・温度:80℃
表1〜3中、[質量%Mo]は、潤滑油組成物全量に対する(B)モリブデン化合物のモリブデン原子換算の含有量を示し、[質量%B]は、潤滑油組成物全量に対する(D)コハク酸イミドのホウ素変性体のホウ素原子換算の含有量を示し、[質量%Metal]は、潤滑油組成物全量に対する(F)金属系清浄剤の金属原子(カルシウム原子)換算の含有量を示す。
表1の結果から明らかなように、(B)モリブデン化合物と、特定量の(C1)エステル系無灰摩擦調整剤及び/又は(C2)アミン系無灰摩擦調整剤とを含む実施例1〜2の潤滑油組成物は、(C1)エステル系無灰摩擦調整剤及び/又は(C2)アミン系無灰摩擦調整剤を含まない比較例1の潤滑油組成物に対して、摩擦低減効果が良好であることが確認できる。
また、適量を超える(C1)エステル系無灰摩擦調整剤及び/又は(C2)アミン系無灰摩擦調整剤を含む比較例2の潤滑油組成物は、摩擦低減効果が良好でないことが確認できる。この原因は、多量の(C1)エステル系無灰摩擦調整剤及び/又は(C2)アミン系無灰摩擦調整剤によって、(B)モリブデン化合物の摩擦低減効果が損なわれたためと考えられる。
表2の結果から、(C1)エステル系無灰摩擦調整剤及び(C2)アミン系無灰摩擦調整剤を併用し、かつ、(C2)アミン系無灰摩擦調整剤の含有量[Y]と、(C1)エステル系無灰摩擦調整剤の含有量[X]との質量比([Y]/[X])を1.0未満とすることにより、摩擦低減効果をより良好にできることが確認できる。特に、[Y]/[X]が0.10を超えて1.00未満である実施例6〜8の潤滑油組成物は、摩擦低減効果に極めて優れることが確認できる。
表3の結果から、(B)モリブデン化合物と、(C1)エステル系無灰摩擦調整剤及び/又は(C2)アミン系無灰摩擦調整剤と、(D)コハク酸イミドのホウ素変性体とを含む実施例6の潤滑油組成物は、(B)モリブデン化合物と、(C1)エステル系無灰摩擦調整剤及び/又は(C2)アミン系無灰摩擦調整剤と、(D)コハク酸イミドのホウ素変性体とを含むものの、(D)コハク酸イミドのホウ素変性体を含まない実施例10の潤滑油組成物に比べて、摩擦低減効果が良好であることが確認できる。この原因は、実施例6の潤滑油組成物では、(B)モリブデン化合物と、(C1)エステル系無灰摩擦調整剤及び/又は(C2)アミン系無灰摩擦調整剤とともに、(D)コハク酸イミドのホウ素変性体を用いることにより、(B)モリブデン化合物に基づく摩擦低減効果がより維持されやすくなり、(B)モリブデン化合物と、(C1)エステル系無灰摩擦調整剤及び/又は(C2)アミン系無灰摩擦調整剤との相乗作用により、摩擦低減効果がより良好となったためと考えられる。
本実施形態の潤滑油組成物は、摩擦低減効果が良好であり、省燃費性を良好にできる。このため、本実施形態の潤滑油組成物は、四輪自動車、二輪自動車等の各種の内燃機関用に好適に使用できる。また、内燃機関の中でも、ガソリンエンジン用に特に好適に使用できる。

Claims (13)

  1. (A)潤滑油基油、(B)モリブデン化合物、(C)無灰摩擦調整剤、及び(D)コハク酸イミドのホウ素変性体を含む潤滑油組成物であって、
    前記(B)モリブデン化合物として下記一般式(I)に示す二核の有機モリブデン化合物を含み、かつ該二核の有機モリブデン化合物のモリブデン原子換算の含有量が潤滑油組成物全量基準で0.030質量%以上0.140質量%以下であり、
    前記(C)無灰摩擦調整剤として、下記一般式(II)又は下記一般式(III)で示される(C1)エステル系無灰摩擦調整剤及び/又は下記一般式(IV)又は下記一般式(V)で示される(C2)アミン系無灰摩擦調整剤を含み、かつ該(C1)エステル系無灰摩擦調整剤及び(C2)アミン系無灰摩擦調整剤の含有量の合計が潤滑油組成物全量基準で0.1質量%超1.8質量%以下であり、
    前記(D)コハク酸イミドのホウ素変性体が、下記一般式(VII)で示される化合物のホウ素化物であり、
    前記(D)コハク酸イミドのホウ素変性体のホウ素原子換算の含有量に対する、前記(C1)エステル系無灰摩擦調整剤及び前記(C2)アミン系無灰摩擦調整剤を合計した含有量の質量比[前記(D)コハク酸イミドのホウ素変性体のホウ素原子換算の含有量/(前記(C1)エステル系無灰摩擦調整剤の含有量+前記(C2)アミン系無灰摩擦調整剤の含有量]が0.011以上0.052以下である、潤滑油組成物(但し、潤滑油組成物中に、組成物全量基準で、0.2〜1.0質量%の酸アミド化合物及び0.02〜0.1質量%の下記一般式(X)に示されるベンゾトリアゾール誘導体を含有するものを除く。)

    [式(I)中、R〜Rは炭素数4〜22の炭化水素基を表し、R〜Rは、同一であってもよいし、異なっていてもよい。X1〜X4は、硫黄原子又は酸素原子を表す。]

    [式(II)中、Rは、炭素数1〜32の炭化水素基を示す。また、R〜Rは、それぞれ水素原子又は炭素数1〜18の炭化水素基であり、互いに同一でも異なってもよい。また、aは1〜20の整数を示す。]

    [式(III)中、R10は、炭素数1〜32の炭化水素基を示す。また、R11〜R15は、それぞれ水素原子又は炭素数1〜18の炭化水素基を示し、互いに同一でも異なってもよい。]

    [式(IV)中、R16は、炭素数1〜32の炭化水素基を示す。また、R17〜R24は、それぞれ水素原子、炭素数1〜18の炭化水素基、又はエーテル結合若しくはエステル結合を含有する酸素含有炭化水素基を示し、互いに同一でも異なってもよい。また、b及びcは、それぞれ0〜20の整数を示し、b+cは1〜20である。]

    [式(V)中、R25及びR26は、それぞれ炭素数1〜32の炭化水素基を示し、互いに同一でも異なってもよい。また、R27〜R30は、それぞれ水素原子、炭素数1〜18の炭化水素基、又はエーテル結合若しくはエステル結合を含有する酸素含有炭化水素基を示し、互いに同一でも異なってもよい。また、dは0〜20の整数を示す。]

    [式(VII)中、R33及びR34は、アルケニル基又はアルキル基を示し、R35及びR36は、それぞれ炭素数2〜5のアルキレン基を示し、互いに同一でも異なってもよい。また、fは0又は1〜10の整数を示す。]

    [式(X)中、R 及びR は、それぞれ独立に、酸素原子、硫黄原子、又は窒素原子を含んでいてもよい炭素数1〜30のヒドロカルビル基である。]
  2. 前記(C1)エステル系無灰摩擦調整剤及び(C2)前記アミン系無灰摩擦調整剤の含有量の合計が潤滑油組成物全量基準で0.1質量%超1.1質量%以下である請求項1に記載の潤滑油組成物。
  3. 前記(C1)エステル系無灰摩擦調整剤がグリセリンモノオレエートである請求項1又は2に記載の潤滑油組成物。
  4. 前記(D)コハク酸イミドのホウ素変性体に含有される窒素原子量に対するホウ素原子量の比が、質量基準で0.6以上2.0以下である請求項1〜3のいずれか1項に記載の潤滑油組成物。
  5. 前記(D)コハク酸イミドのホウ素変性体のホウ素原子換算の含有量が、潤滑油組成物全量基準で0.050質量%以下である請求項1〜4のいずれか1項に記載の潤滑油組成物。
  6. 前記(C1)エステル系無灰摩擦調整剤及び前記(C2)アミン系無灰摩擦調整剤を合計した含有量と、前記(B)モリブデン化合物のモリブデン原子換算の含有量との質量比[((C1)エステル系無灰摩擦調整剤の含有量+(C2)アミン系無灰摩擦調整剤の含有量)/(B)モリブデン化合物のモリブデン原子換算の含有量]が、4.0〜30.0である請求項1〜5のいずれか1項に記載の潤滑油組成物。
  7. さらに、(E)ポリ(メタ)アクリレートを含む請求項1〜6のいずれか1項に記載の潤滑油組成物。
  8. さらに、(F)金属系清浄剤を含む請求項1〜7のいずれか1項に記載の潤滑油組成物。
  9. さらに、(G)ジチオリン酸亜鉛を含む請求項1〜8のいずれか1項に記載の潤滑油組成物。
  10. 前記(A)潤滑油基油が、米国石油協会の基油分類において、グループ3及びグループ4に分類される鉱油又は合成油から選ばれる1種以上である請求項1〜9のいずれか1項に記載の潤滑油組成物。
  11. (A)潤滑油基油、(B)モリブデン化合物、(C)無灰摩擦調整剤、及び(D)コハク酸イミドのホウ素変性体を含む潤滑油組成物であって、
    前記(B)モリブデン化合物として下記一般式(I)に示す二核の有機モリブデン化合物を含み、かつ該二核の有機モリブデン化合物のモリブデン原子換算の含有量が潤滑油組成物全量基準で0.030質量%以上0.140質量%以下であり、
    前記(C)無灰摩擦調整剤として、下記一般式(II)又は下記一般式(III)で示される(C1)エステル系無灰摩擦調整剤及び/又は下記一般式(IV)又は下記一般式(V)で示される(C2)アミン系無灰摩擦調整剤を含み、かつ該(C1)エステル系無灰摩擦調整剤及び(C2)アミン系無灰摩擦調整剤の含有量の合計が潤滑油組成物全量基準で0.1質量%超1.8質量%以下であり、
    前記(D)コハク酸イミドのホウ素変性体が、下記一般式(VII)で示される化合物のホウ素化物であり、
    前記(D)コハク酸イミドのホウ素変性体のホウ素原子換算の含有量に対する、前記(C1)エステル系無灰摩擦調整剤及び前記(C2)アミン系無灰摩擦調整剤を合計した含有量の質量比[前記(D)コハク酸イミドのホウ素変性体のホウ素原子換算の含有量/(前記(C1)エステル系無灰摩擦調整剤の含有量+前記(C2)アミン系無灰摩擦調整剤の含有量]が0.011以上0.052以下である、潤滑油組成物(但し、潤滑油組成物中に、酸アミド化合物又は下記一般式(X)に示されるベンゾトリアゾール誘導体を含有するものを除く。)

    [式(I)中、R 〜R は炭素数4〜22の炭化水素基を表し、R 〜R は、同一であってもよいし、異なっていてもよい。X 1 〜X 4 は、硫黄原子又は酸素原子を表す。]

    [式(II)中、R は、炭素数1〜32の炭化水素基を示す。また、R 〜R は、それぞれ水素原子又は炭素数1〜18の炭化水素基であり、互いに同一でも異なってもよい。また、aは1〜20の整数を示す。]

    [式(III)中、R 10 は、炭素数1〜32の炭化水素基を示す。また、R 11 〜R 15 は、それぞれ水素原子又は炭素数1〜18の炭化水素基を示し、互いに同一でも異なってもよい。]

    [式(IV)中、R 16 は、炭素数1〜32の炭化水素基を示す。また、R 17 〜R 24 は、それぞれ水素原子、炭素数1〜18の炭化水素基、又はエーテル結合若しくはエステル結合を含有する酸素含有炭化水素基を示し、互いに同一でも異なってもよい。また、b及びcは、それぞれ0〜20の整数を示し、b+cは1〜20である。]

    [式(V)中、R 25 及びR 26 は、それぞれ炭素数1〜32の炭化水素基を示し、互いに同一でも異なってもよい。また、R 27 〜R 30 は、それぞれ水素原子、炭素数1〜18の炭化水素基、又はエーテル結合若しくはエステル結合を含有する酸素含有炭化水素基を示し、互いに同一でも異なってもよい。また、dは0〜20の整数を示す。]

    [式(VII)中、R 33 及びR 34 は、アルケニル基又はアルキル基を示し、R 35 及びR 36 は、それぞれ炭素数2〜5のアルキレン基を示し、互いに同一でも異なってもよい。また、fは0又は1〜10の整数を示す。]

    [式(X)中、R 及びR は、それぞれ独立に、酸素原子、硫黄原子、又は窒素原子を含んでいてもよい炭素数1〜30のヒドロカルビル基である。]
  12. 内燃機関に用いられる請求項1〜11のいずれか1項に記載の潤滑油組成物。
  13. 内燃機関に、請求項1〜11のいずれか1項に記載の潤滑油組成物を添加する内燃機関の摩擦低減方法。
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