JP2014118117A - 空気入りタイヤ - Google Patents

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Abstract

【課題】耐久性に優れた空気入りタイヤを提供する。
【解決手段】ブレーカーコードをゴム組成物で被覆されてなるブレーカーと、これに隣接する、ゴム成分100質量%中のイソプレン系ゴムの配合量が35〜100質量%、ゴム成分100質量部に対する架橋剤由来の純硫黄成分配合量が2.1〜6.0質量部であるゴム組成物からなるブレーカークッションとを有する空気入りタイヤであって、ブレーカークッション用ゴム組成物は、単独で、170℃、12分間の加硫条件で加硫することにより得られた加硫ゴムの破断時伸びが350%以上であり、ブレーカークッション用ゴム組成物と、ブレーカーコード被覆用ゴム組成物との架橋剤由来の純硫黄成分配合量が、下記式を満たす。0.00<(前記ブレーカーコード被覆用ゴム組成物の前記架橋剤由来の純硫黄成分配合量)−(前記ブレーカークッション用ゴム組成物の前記架橋剤由来の純硫黄成分配合量)<3.99
【選択図】図1

Description

本発明は、空気入りタイヤに関する。
空気入りタイヤは、路面と接するトレッド以外にもブレーカークッション、ブレーカー、ジョイントレスバンド、アンダートレッド等様々な部材により構成されている。従来、各部材に使用されるゴム組成物の配合設計においては、それぞれの部材のゴム組成物ごとにラボ試験を行い、それぞれの部材ごとに最も良好なゴム組成物を設計していた(例えば、特許文献1〜3)。そして、このラボ試験の評価結果に基づいて、それぞれの最も良好なゴム組成物で構成された各部材を組み合わせて空気入りタイヤを作製していた。しかし、作製した空気入りタイヤの耐久性が、各部材ごとのラボ試験の結果から期待される耐久性よりも低くなる場合が多いという問題があった。
特許第4308289号公報 特開2008−24913号公報 特許第4246245号公報
本発明は、前記課題を解決し、耐久性に優れた空気入りタイヤを提供することを目的とする。
本発明者は、上記課題について鋭意検討した結果、加硫中やタイヤの使用中に硫黄が部材間で移行し、この硫黄の移行により各部材において物性の変化が生じ、結果として、作製した空気入りタイヤの耐久性が、ラボ試験の結果、すなわち、各部材ごとの単一ゴムにおける加硫後の試験サンプルでの試験結果から期待される耐久性よりも低くなるとの仮説に想到した。
そして、特にブレーカークッションに使用されるブレーカークッション用ゴム組成物の硫黄の移行に着目し、ブレーカークッション用ゴム組成物と、ブレーカークッションの隣接部材(ブレーカー、ジョイントレスバンド、アンダートレッド等)に使用されるゴム組成物(ブレーカーコード被覆用ゴム組成物、バンドコード被覆用ゴム組成物、アンダートレッド用ゴム組成物等)の架橋剤由来の純硫黄成分の配合量が特定の関係式を満たすことにより、作製した空気入りタイヤの耐久性が非常に優れていることを見出した。更に、部材特有の期待性能に合わせて硫黄量を定めて、本発明を完成した。
本発明は、ブレーカークッションと、該ブレーカークッションに隣接するブレーカーとを有する空気入りタイヤであって、上記ブレーカークッションは、ゴム成分100質量%中のイソプレン系ゴムの配合量が35〜100質量%、ゴム成分100質量部に対する架橋剤由来の純硫黄成分配合量が2.1〜6.0質量部であるブレーカークッション用ゴム組成物からなり、上記ブレーカーは、ブレーカーコードをブレーカーコード被覆用ゴム組成物で被覆されてなり、上記ブレーカークッション用ゴム組成物は、該ゴム組成物を単独で、170℃、12分間の加硫条件で加硫することにより得られた加硫ゴムの破断時伸びが350%以上であり、上記ブレーカークッション用ゴム組成物と、上記ブレーカーコード被覆用ゴム組成物との上記架橋剤由来の純硫黄成分配合量が、下記式を満たす空気入りタイヤに関する。
0.00<(上記ブレーカーコード被覆用ゴム組成物の上記架橋剤由来の純硫黄成分配合量)−(上記ブレーカークッション用ゴム組成物の上記架橋剤由来の純硫黄成分配合量)<3.99
上記空気入りタイヤは、上記ブレーカークッションに隣接するジョイントレスバンド又はアンダートレッドを更に有し、上記ジョイントレスバンドは、バンドコードをバンドコード被覆用ゴム組成物で被覆されてなり、上記アンダートレッドは、アンダートレッド用ゴム組成物からなり、上記ブレーカークッション用ゴム組成物と、上記バンドコード被覆、アンダートレッド用ゴム組成物との上記架橋剤由来の純硫黄成分配合量が、下記式を満たすことが好ましい。
−3.2<(上記バンドコード被覆、アンダートレッド用ゴム組成物の上記架橋剤由来の純硫黄成分配合量)−(上記ブレーカークッション用ゴム組成物の上記架橋剤由来の純硫黄成分配合量)<3.0
上記空気入りタイヤは、上記バンドコード被覆、アンダートレッド用ゴム組成物が、ゴム成分100質量%中のイソプレン系ゴムの配合量が50〜100質量%、ゴム成分100質量部に対する架橋剤由来の純硫黄成分配合量が2.5〜6.0質量部であり、上記バンドコード被覆、アンダートレッド用ゴム組成物は、該ゴム組成物を単独で、170℃、12分間の加硫条件で加硫することにより得られた加硫ゴムの破断時伸びが350%以上であり、上記ジョイントレスバンド、アンダートレッドの厚みが0.2〜1.5mmであることが好ましい。
上記空気入りタイヤは、上記ブレーカークッション用ゴム組成物が、ゴム成分100質量%中のイソプレン系ゴムの配合量が85質量%以上であることが好ましい。
本発明によれば、ブレーカークッションと、該ブレーカークッションに隣接するブレーカーとを有する空気入りタイヤであって、ブレーカークッションが、特定量のイソプレン系ゴム、架橋剤由来の純硫黄成分を含み、破断時伸びが特定値以上であるブレーカークッション用ゴム組成物からなり、ブレーカーが、ブレーカーコードをブレーカーコード被覆用ゴム組成物で被覆されてなり、ブレーカークッション用ゴム組成物と、ブレーカーコード被覆用ゴム組成物との架橋剤由来の純硫黄成分配合量が、特定の関係式を満たす空気入りタイヤであるので、耐久性に優れている。また、良好な操縦安定性、低燃費性、破断時伸びも同時に得られる。
(a)は、乗用車用タイヤのブレーカークッション周辺における断面模式図の一例である。(b)は、乗用車用タイヤのブレーカークッション周辺における断面模式図の一例である。(c)は、重荷重用、ライトトラック用、大型SUV用、大型乗用車用タイヤのブレーカークッション周辺における断面模式図の一例である。(d)は、ブレーカークッションの硫黄の配合量が比較的少ない場合(例えば、表2のクッション配合1、2)のブレーカークッション周辺における硫黄の移行の様子を示す断面模式図の一例である。
本発明の空気入りタイヤは、ブレーカークッションと、該ブレーカークッションに隣接するブレーカーとを有し、ブレーカークッションが、特定量のイソプレン系ゴム、架橋剤由来の純硫黄成分を含み、破断時伸びが特定値以上であるブレーカークッション用ゴム組成物からなり、ブレーカーが、ブレーカーコードをブレーカーコード被覆用ゴム組成物で被覆されてなり、かつ、ブレーカークッション用ゴム組成物と、ブレーカーコード被覆用ゴム組成物との架橋剤由来の純硫黄成分配合量が、特定の関係式を満たす。なお、本明細書では、架橋剤由来の純硫黄成分のことを単に硫黄とも記載する。
また、本明細書において、ブレーカークッション用、ブレーカーコード被覆用、バンドコード被覆用、アンダートレッド用ゴム組成物に配合される架橋剤などの薬品の配合量は、全て架橋前のゴム組成物における理論配合量を意味する。すなわち、ブレーカークッション用、ブレーカーコード被覆用、バンドコード被覆用、アンダートレッド用ゴム組成物に含まれる薬品の配合量は、ブレーカークッション用、ブレーカーコード被覆用、バンドコード被覆用、アンダートレッド用未加硫ゴム組成物に含まれる薬品の理論配合量を意味する。ここで、理論配合量とは、ゴム組成物を調製する際に、混練機に投入した薬品の量を意味する。
ブレーカークッションは、ブレーカーを保護するために、ブレーカーのタイヤ半径方向内側に、ブレーカーと接するように設けられた部材である。このブレーカークッションの周囲には、ブレーカー以外にも、ジョイントレスバンド、アンダートレッド、ケース、サイドウォールが設けられている。
例えば、図1(a)に示す乗用車用タイヤでは、ブレーカークッションは、タイヤ半径方向内側でケースと接し、タイヤ半径方向外側では、ブレーカー、ジョイントレスバンド、サイドウォールと接している。また、図1(b)に示す乗用車用タイヤでは、ブレーカークッションは、タイヤ半径方向内側でケースと接し、タイヤ半径方向外側では、ブレーカー、アンダートレッド、サイドウォールと接している。更に、図1(c)に示す重荷重用、ライトトラック用、大型SUV用、大型乗用車用タイヤでは、ブレーカークッションは、タイヤ半径方向内側でケースと接し、タイヤ半径方向外側では、ブレーカー、アンダートレッド、サイドウォールと接している。以上のように、ブレーカークッションは、ブレーカー、ジョイントレスバンド、アンダートレッド、ケース、サイドウォールと接している。
一般に、ゴム組成物、特に、サイドウォール用ゴム組成物、次いでブレーカークッションに用いられるブレーカークッション用ゴム組成物では、酸化劣化後の破断時伸びや耐亀裂成長性を最大限に確保したいため、比較的少量の硫黄が配合されてきた。
一方、ブレーカー、ジョイントレスバンド、ケースに使用されるゴム組成物では、コードとの良好な接着性を確保するために、比較的多量の硫黄が配合されてきた。また、ブレーカーやジョイントレスバンドのカットエンドの処理が悪い場合、これらの部材に使用されるコードを構成するフィラメントが一部露出する場合がある。このような状況になっても良好な品質のタイヤを製造できるように、これらの部材のタイヤ半径方向外側に設けられるアンダートレッドに使用されるゴム組成物においてもコードとの良好な接着性を確保するために、比較的多量の硫黄が配合されてきた。
このように、従来のタイヤでは、比較的硫黄の配合量が少ないブレーカークッションの周囲に、ブレーカークッションよりも硫黄の配合量が少ないサイドウォールや、比較的硫黄の配合量が多いブレーカー、ジョイントレスバンド、アンダートレッド、ケースが隣接している。
そのため、タイヤを加硫する際や使用する際に濃度勾配に従って、ブレーカークッション周辺部において、硫黄の移行が生じる。具体的には、図1(a)、(b)、(d)に示すように、ブレーカー、ジョイントレスバンド、アンダートレッド、ケースからブレーカークッションへ硫黄が移行し、ブレーカークッションからはサイドウォールへ硫黄が移行する。この現象により、ブレーカークッションが硬化し、酸化劣化後の破断時伸びや耐亀裂成長性が低下し、結果として、ブレーカーの端部において、クラックが発生し(図1(a)、(b)参照)、そのクラックがブレーカークッションへと伝播し、タイヤの耐久性が低下してしまう。なお、図1(a)、(b)、(d)における白抜きの矢印は、硫黄の移行を、実線の矢印は、ブレーカーエッジを起点とするクラックの成長方向を示す。一方、ブレーカークッションに使用するゴム組成物の硫黄量を増量すると、ブレーカー、ジョイントレスバンド、アンダートレッド、ケースからブレーカークッションへの硫黄の移行は抑制できるものの、この場合もブレーカークッション自体の高硫黄量に起因して酸化劣化して破断時伸びが低下し、上述のように、タイヤの耐久性が低下してしまう。
それに対して、本発明では、ブレーカークッションが、特定量のイソプレン系ゴム、架橋剤由来の純硫黄成分を含み、破断時伸びが特定値以上であるブレーカークッション用ゴム組成物からなり、ブレーカーが、ブレーカーコードをブレーカーコード被覆用ゴム組成物で被覆されてなり、かつ、ブレーカークッション用ゴム組成物と、ブレーカーコード被覆用ゴム組成物との架橋剤由来の純硫黄成分配合量が、特定の関係式を満たすため、硫黄の移行を抑制して硫黄の移行量を適度な量に調整できると共に、良好な操縦安定性、低燃費性、破断時伸びを確保でき、良好な耐久性が得られる。これは、ブレーカークッションと、ブレーカークッションの隣接部材のうち、特に、ブレーカーとの間において、硫黄の移行を抑制することにより、タイヤの耐久性が向上することを見出したことに基づくものである。なお、上述のように、ラボ試験の結果、すなわち、各部材ごとの単一ゴムにおける加硫後の試験サンプルでの試験結果は、空気入りタイヤの耐久性に必ずしも繋がるわけではないが、本件では、単一ゴムにおける破断時伸びが特定値以上であるブレーカークッション用ゴムを使用する。これは、ブレーカークッションに最低限要求される特性を確保するためである。
本発明の空気入りタイヤは、ブレーカークッションと、該ブレーカークッションに隣接するブレーカーとを有する。また、本発明の空気入りタイヤは、更に、ブレーカークッションに隣接するジョイントレスバンド又はアンダートレッドを有することが好ましい。
ブレーカークッションとは、ブレーカーを保護するために、ブレーカーのタイヤ半径方向内側に位置し、ブレーカーのタイヤ軸方向外方端に隣接し、このブレーカーの外方端とケースとの間に位置する部材、又は該ブレーカーとケースとの間であって、該ブレーカーの内側全体に亘って配置される部材であり、具体的には、特開2009−137438号公報の図1、特開2006−273934号公報の図1、特開2004−161862号公報の図1等に示される部材である。
ブレーカーとは、ケースのタイヤ半径方向外側に配される部材であり、具体的には、特開2003−94918号公報の図3、特開2006−273934号公報の図1、特開2004−161862号公報の図1等に示される部材である。
ジョイントレスバンドとは、車両の走行時のタイヤの遠心力によってブレーカーがケースから浮き上がるのを抑制するために、ブレーカーのタイヤ半径方向外側に設けられる部材であり、具体的には、特開2009−007437号公報の図3などに示される部材である。
アンダートレッドとは、トレッドと、ジョイントレスバンド又はブレーカーとの間に位置し、ジョイントレスバンド又はブレーカーのタイヤ半径方向外側部分を被覆する部材であり、具体的には、特開2009−191132号公報の図1などに示される部材であり、ベーストレッドを含む概念である。
なお、本明細書において、ブレーカークッション、ブレーカー、ジョイントレスバンド、アンダートレッドをそれぞれ、クッション、brk、JLB、U/Tとも記載する。
本発明において、ブレーカークッション、アンダートレッドは、それぞれ架橋剤が配合されたブレーカークッション用ゴム組成物、アンダートレッド用ゴム組成物からなる。更に、本発明において、ブレーカーは、ブレーカーコードを、架橋剤が配合されたブレーカーコード被覆用ゴム組成物で被覆されてなり、ジョイントレスバンドは、バンドコードを、架橋剤が配合されたバンドコード被覆用ゴム組成物で被覆されてなる。このように、ブレーカークッション用ゴム組成物、アンダートレッド用ゴム組成物、ブレーカーコード被覆用ゴム組成物、バンドコード被覆用ゴム組成物は、それぞれ架橋剤が配合されている。
架橋剤としては、架橋作用を有する硫黄含有化合物が挙げられ、例えば、硫黄架橋剤、硫黄含有ハイブリッド架橋剤、仕上げ練り工程で添加されるシランカップリング剤などが挙げられる。
硫黄架橋剤としては、ゴム分野の加硫で汎用される硫黄が挙げられ、具体的には、粉末硫黄、沈降硫黄、コロイド硫黄、不溶性硫黄、高分散性硫黄などが例示される。
硫黄含有ハイブリッド架橋剤としては、アルキルフェノール・塩化硫黄縮合物、1,6−ヘキサメチレンジチオ硫酸ナトリウム・二水和物、1,6−ビス(N,N’−ジベンジルチオカルバモイルジチオ)ヘキサンなどのアルキルスルフィド架橋剤、ジチオ燐酸スルフェート(Dithiophosphate)などが挙げられる。具体的には、田岡化学工業(株)製のタッキロールV200、フレキシス社製のDURALINK HTS、ランクセス社製のVulcuren VP KA9188、RheinChemie社製のRhenogran SDT−50(Dithiophosphoryl polysulfide)などが市販されている。
また、仕上げ練り工程で配合(添加)されるシランカップリング剤も本発明の架橋剤に該当し、ベース練り工程で配合されたシランカップリング剤はシリカと優先して反応するため、該当しない。
シランカップリング剤としては、ゴム工業において、従来からシリカと併用される硫黄(スルフィド結合)を含む化合物などが挙げられ、例えば、スルフィド系、メルカプト系、ビニル系、アミノ系、グリシドキシ系、ニトロ系、クロロ系シランカップリング剤などが挙げられる。具体的には、Evonik社製のSi69、Si75などが市販されている。
本発明において、ブレーカークッション用ゴム組成物及びそれに隣接するブレーカーコード被覆用ゴム組成物に配合される架橋剤由来の純硫黄成分配合量は、下記式を満たす。これにより、空気入りタイヤの耐久性を好適に向上できる。なお、0.00以下の場合、ブレーカーエッジ周辺のゴムの架橋密度が高くなりすぎて破断時伸び、耐亀裂成長性が低下することにより、タイヤの耐久性が低下する。また、3.99以上の場合、ブレーカークッションへ硫黄が移行しやすくなり、ブレーカークッションが硬化し、酸化劣化後の破断時伸びや耐亀裂成長性が低下し、結果として、タイヤの耐久性が低下する。
0.00<(上記ブレーカーコード被覆用ゴム組成物の上記架橋剤由来の純硫黄成分配合量)−(上記ブレーカークッション用ゴム組成物の上記架橋剤由来の純硫黄成分配合量)<3.99
なお、本発明において、架橋剤由来の純硫黄成分配合量とは、配合(添加)した全架橋剤中に含まれる全硫黄分の合計量を意味する。
上記関係式の下限は、0.20が好ましく、0.40がより好ましく、0.70が更に好ましく、0.90が特に好ましい。
上記関係式の上限は、3.75が好ましく、3.50がより好ましい。
また、本発明では、ブレーカークッション用ゴム組成物及びそれに隣接するバンドコード被覆用ゴム組成物、ブレーカークッション用ゴム組成物及びそれに隣接するアンダートレッド用ゴム組成物に配合される架橋剤由来の純硫黄成分配合量は、下記式を満たすことが好ましい。これにより、空気入りタイヤの耐久性をより好適に向上できる。これは、ブレーカークッションと、ブレーカークッションの隣接部材のうち、ブレーカー、ジョイントレスバンド、アンダートレッド(特に、ブレーカー)との間において、硫黄の移動を抑制することにより、タイヤの耐久性が向上することを見出したことに基づくものである。なお、ジョイントレスバンド、アンダートレッドの両方がブレーカークッションに接している場合、ジョイントレスバンド(バンドコード被覆用ゴム組成物)が下記式を満たすことが好ましい。
なお、−3.2以下の場合、ジョイントレスバンド、アンダートレッドが酸化劣化しやすくなり、破断時伸びが低下しやすくなることにより、ジョイントレスバンドやアンダートレッドの破壊が生じやすくなる傾向があり、タイヤの耐久性が低下する傾向がある。また、3.0以上の場合、ブレーカークッションへ硫黄が移行しやすくなり、ブレーカークッションが硬化し、酸化劣化後の破断時伸びや耐亀裂成長性が低下し、結果として、タイヤの耐久性が低下する傾向がある。
−3.2<(上記バンドコード被覆、アンダートレッド用ゴム組成物の上記架橋剤由来の純硫黄成分配合量)−(上記ブレーカークッション用ゴム組成物の上記架橋剤由来の純硫黄成分配合量)<3.0
上記関係式の下限は、−3.1が好ましく、−2.8がより好ましく、−2.5が更に好ましい。
上記関係式の上限は、2.9が好ましい。
次に、本発明において使用されるブレーカークッション用ゴム組成物、アンダートレッド用ゴム組成物、ブレーカーコード被覆用ゴム組成物、バンドコード被覆用ゴム組成物について説明する。
(ブレーカークッション用ゴム組成物)
ブレーカークッション用ゴム組成物において、架橋剤由来の純硫黄成分合計配合量は、ゴム成分100質量部に対して2.1〜6.0質量部である。2.1質量部未満では、ブレーカークッションへ硫黄が移行しやすくなり、ブレーカークッションが硬化し、酸化劣化後の破断時伸びや耐亀裂成長性が低下し、結果として、タイヤの耐久性が低下する。6.0質量部を超えると、ブレーカークッション用ゴム自体の高硫黄量に起因してブレーカークッションが硬化し、上述のように、タイヤの耐久性が低下してしまう。該純硫黄成分合計配合量は、好ましくは2.2〜5.6質量部、より好ましくは2.3〜5.0質量部である。
ブレーカークッション用ゴム組成物に使用できるゴム成分としては特に限定されず、天然ゴム(NR)やイソプレンゴム(IR)などのイソプレン系ゴム、ブタジエンゴム(BR)、スチレンブタジエンゴム(SBR)、スチレンイソプレンブタジエンゴム(SIBR)、クロロプレンゴム(CR)、アクリロニトリルブタジエンゴム(NBR)等のジエン系ゴムが挙げられる。なかでも、良好な操縦安定性、低燃費性、破断時伸びを確保しつつ、良好な耐久性が得られるという理由から、イソプレン系ゴム、BRが好ましい。
イソプレン系ゴムのNRとしては、SIR20、RSS♯3、TSR20等、タイヤ工業において一般的なものを使用でき、IRとしても、IR2200等、タイヤ工業において一般的なものを使用できる。
ゴム成分100質量%中のイソプレン系ゴムの配合量は、好ましくは35質量%以上、より好ましくは60質量%以上、更に好ましくは80質量%以上、特に好ましくは85質量%以上であり、100質量%であってもよい。イソプレン系ゴムの配合量が上記範囲内であると、良好な操縦安定性、低燃費性、破断時伸びを確保しつつ、良好な耐久性が得られる。
BRとしては、特に限定されず、例えば、日本ゼオン(株)製のBR1220、ランクセス社製のCB24、宇部興産(株)製のBR150B等の高シス配合量のBR、宇部興産(株)製のVCR412、VCR617等の1,2−シンジオタクチックポリブタジエン結晶(SPB)含有BR、Polimeri Europa社製のEuroprene BR HV80等の高ビニル含量のBR、希土類元素系触媒を用いて合成されたBR(希土類系BR)等、タイヤ工業において一般的なものを使用できる。また、スズ化合物により変性されたスズ変性ブタジエンゴム(スズ変性BR)も使用できる。また、各種シリカ用変性BRも好適に使用できる。なかでも、良好な操縦安定性、低燃費性、破断時伸びを確保しつつ、良好な耐久性が得られるという理由から、ネオジウム触媒を用いて重合されたハイシスBR、スズ変性BR、SPB含有BRが好ましい。
スズ変性BRとしては、従来公知のものを使用でき、例えば、開始剤としてリチウムを用いて重合され、ビニル結合量が5〜50質量%、Mw/Mnが2.0以下、スズ原子の配合量が50〜3000ppmのスズ変性BRを好適に使用できる。
また、SPB含有BRとしても、従来公知のものを使用できる。
ブレーカークッション用ゴム組成物を低偏平タイヤに用いる場合等は、BRを配合しなくてもよいが、耐亀裂成長性やリバージョンの抑制を重視する通常の汎用タイヤに用いる場合、ゴム成分100質量%中のBRの配合量は、好ましくは20質量%以上である。該BRの配合量は、好ましくは70質量%以下、より好ましくは60質量%以下である。BRの配合量が上記範囲内であると、良好な耐摩耗性、操縦安定性、低燃費性、破断時伸びを確保しつつ、良好な耐久性が得られる。
ブレーカークッション用ゴム組成物には、カーボンブラック及び/又はシリカを配合しても良い。カーボンブラック、シリカを配合する場合、これらの合計配合量は、操縦安定性、低燃費性、破断時伸びなどのブレーカークッションの要求性能に応じて適宜設定すれば良いが、これらの合計配合量は、ゴム成分100質量部に対して、好ましくは20〜120質量部、より好ましくは30〜80質量部である。
ブレーカークッション用ゴム組成物には、カーボンブラックを配合することが好ましい。カーボンブラックを配合することにより、補強性を高めることができ、耐久性、操縦安定性を向上できる。また、カーボンブラックとシリカを併用することにより、より良好なタイヤの耐久性が得られる。使用できるカーボンブラックの例としては、GPF、FEF、HAF、ISAF、SAFなどが挙げられるが、特に限定されるものではない。また、使用できるシリカも特に限定されない。
カーボンブラックを使用する場合、カーボンブラックのチッ素吸着比表面積(NSA)は20m/g以上が好ましく、60m/g以上がより好ましい。NSAが20m/g未満では、耐久性、操縦安定性が低下するおそれがある。また、カーボンブラックのNSAは120m/g以下が好ましく、100m/g以下がより好ましい。NSAが120m/gを超えると、充分な低燃費性、加工性が得られないおそれがある。
なお、本明細書において、カーボンブラックのチッ素吸着比表面積は、JIS K 6217−2:2001によって求められる。
カーボンブラックの含有量は、ゴム成分100質量部に対して、好ましくは10質量部以上、より好ましくは20質量部以上、更に好ましくは30質量部以上である。10質量部未満では、充分な補強性が得られず、耐久性、操縦安定性が悪化する傾向がある。また、カーボンブラックの含有量は、ゴム成分100質量部に対して、好ましくは80質量部以下、より好ましくは55質量部以下、更に好ましくは50質量部以下である。80質量部を超えると、低燃費性が悪化するおそれがある。
ブレーカークッション用ゴム組成物には、上記成分の他に、従来ゴム工業で使用される配合剤、例えば、他の補強用充填剤、ワックス、酸化防止剤、老化防止剤、ステアリン酸、酸化亜鉛、ステアリン酸コバルト、軟化剤等を配合してもよい。また、グアニジン系、アルデヒド−アミン系、アルデヒド−アンモニア系、チアゾール系、スルフェンアミド系、チオ尿素系、ジチオカルバメート系、ザンデート系などの加硫促進剤を配合してもよい。
(ブレーカーコード被覆用ゴム組成物)
ブレーカーコード被覆用ゴム組成物において、架橋剤由来の純硫黄成分合計配合量は、ゴム成分100質量部に対して、好ましくは2.8質量部以上、より好ましくは3.0質量部以上、更に好ましくは4.0質量部以上、特に好ましくは4.5質量部以上である。2.8質量部未満では、コードとの接着性が悪化し、耐久性が低下する傾向がある。該合計配合量は、好ましくは6.4質量部以下、より好ましくは6.1質量部以下、更に好ましくは5.8質量部以下である。6.4質量部を超えると、酸化劣化しやすくなり、破断時伸びが低下しやすくなることにより、耐久性が低下する傾向がある。
ブレーカーコード被覆用ゴム組成物に使用できるゴム成分としては特に限定されず、ブレーカークッション用ゴム組成物と同様のジエン系ゴムを使用できる。なかでも、良好な操縦安定性、低燃費性、破断時伸びを確保しつつ、良好な耐久性が得られるという理由から、イソプレン系ゴムが好ましい。イソプレン系ゴムは、前記と同様のものを使用できる。
ゴム成分100質量%中のイソプレン系ゴムの配合量は、好ましくは35質量%以上、より好ましくは60質量%以上、更に好ましくは75質量%以上、特に好ましくは85質量%以上であり、100質量%であってもよい。イソプレン系ゴムの配合量が上記範囲内であると、良好な操縦安定性、低燃費性、破断時伸びを確保しつつ、良好な耐久性が得られる。
ブレーカーコード被覆用ゴム組成物には、カーボンブラック及び/又はシリカを配合しても良い。カーボンブラック、シリカを配合する場合、これらの合計配合量は、操縦安定性、低燃費性、破断時伸びなどのブレーカークッションの要求性能に応じて適宜設定すれば良いが、これらの合計配合量は、ゴム成分100質量部に対して、好ましくは30〜120質量部、より好ましくは45〜80質量部である。
ブレーカーコード被覆用ゴム組成物には、カーボンブラックを配合することが好ましい。カーボンブラックは、前記と同様のものを好適に使用できる。
カーボンブラックの含有量は、ゴム成分100質量部に対して、好ましくは10質量部以上、より好ましくは30質量部以上、更に好ましくは50質量部以上である。10質量部未満では、充分な補強性が得られず、耐久性、操縦安定性が悪化する傾向がある。また、カーボンブラックの含有量は、ゴム成分100質量部に対して、好ましくは100質量部以下、より好ましくは80質量部以下である。100質量部を超えると、低燃費性が悪化するおそれがある。
ブレーカーコード被覆用ゴム組成物には、上記ゴム成分、シリカ、カーボンブラック以外に、ブレーカークッション用ゴム組成物と同様の配合材料を添加してもよい。また、フェノール樹脂、レゾルシノール樹脂、メラミン樹脂、これらの変性樹脂等の樹脂を配合してもよい。
(アンダートレッド用ゴム組成物)
アンダートレッド用ゴム組成物において、架橋剤由来の純硫黄成分合計配合量は、ゴム成分100質量部に対して、好ましくは2.5質量部以上、より好ましくは2.8質量部以上、更に好ましくは3.0質量部以上である。2.5質量部未満では、ブレーカーゴムからの硫黄の流入量が多く硬化しやすい傾向があり、耐久性が低下する傾向がある。該合計配合量は、好ましくは6.4質量部以下、より好ましくは6.0質量部以下、更に好ましくは5.8質量部以下である。6.4質量部を超えると、酸化劣化しやすくなり、破断時伸びが低下しやすくなることにより、耐久性が低下する傾向がある。
アンダートレッド用ゴム組成物に使用できるゴム成分としては特に限定されず、ブレーカークッション用ゴム組成物と同様のジエン系ゴムを使用できる。なかでも、良好な操縦安定性、低燃費性、破断時伸びを確保しつつ、良好な耐久性が得られるという理由から、イソプレン系ゴムが好ましい。イソプレン系ゴムは、前記と同様のものを使用できる。
ゴム成分100質量%中のイソプレン系ゴムの配合量は、好ましくは35質量%以上、より好ましくは45質量%以上、更に好ましくは65質量%以上、特に好ましくは85質量%以上であり、100質量%であってもよい。イソプレン系ゴムの配合量が上記範囲内であると、良好な操縦安定性、低燃費性、破断時伸びを確保しつつ、良好な耐久性が得られる。
アンダートレッド用ゴム組成物には、カーボンブラック及び/又はシリカを配合しても良い。カーボンブラック、シリカを配合する場合、これらの合計配合量は、操縦安定性、低燃費性、破断時伸びなどのブレーカークッションの要求性能に応じて適宜設定すれば良いが、これらの合計配合量は、ゴム成分100質量部に対して、好ましくは30〜100質量部、より好ましくは45〜80質量部である。
アンダートレッド用ゴム組成物には、カーボンブラックを配合することが好ましい。カーボンブラックは、前記と同様のものを好適に使用できる。
カーボンブラックの含有量は、ゴム成分100質量部に対して、好ましくは10質量部以上、より好ましくは30質量部以上、更に好ましくは50質量部以上である。10質量部未満では、充分な補強性が得られず、耐久性、操縦安定性が悪化する傾向がある。また、カーボンブラックの含有量は、ゴム成分100質量部に対して、好ましくは100質量部以下、より好ましくは80質量部以下である。100質量部を超えると、低燃費性が悪化するおそれがある。
アンダートレッド用ゴム組成物には、上記ゴム成分、シリカ、カーボンブラック以外に、ブレーカークッション用ゴム組成物と同様の配合材料を添加してもよい。
なお、万が一、ブレーカーコード(スチールコード)において、ブレーカーコード被覆用ゴム組成物で被覆されていない箇所が生じた場合に備えて、アンダートレッド用ゴム組成物には、コードとの接着性を確保するために、ステアリン酸コバルト、ネオデカン酸コバルト等の有機酸コバルトを配合しておくことも好ましい。ただし、ブレーカージョイントの精度向上等の工程の改善がなされた場合には、有機酸コバルトを配合しなくてもよい。
(バンドコード被覆用ゴム組成物)
バンドコード被覆用ゴム組成物において、架橋剤由来の純硫黄成分合計配合量は、ゴム成分100質量部に対して、好ましくは2.0質量部以上、より好ましくは2.3質量部以上、更に好ましくは2.5質量部以上である。2.0質量部未満では、繊維コードとの接着性が充分に得られず、耐久性が低下する傾向がある。該合計配合量は、好ましくは6質量部以下、より好ましくは4.5質量部以下、更に好ましくは3.5質量部以下である。6質量部を超えると、酸化劣化しやすくなり、破断時伸びが低下しやすくなることにより、耐久性が低下する傾向がある。
バンドコード被覆用ゴム組成物に使用できるゴム成分としては特に限定されず、ブレーカークッション用ゴム組成物と同様のジエン系ゴムを使用できる。なかでも、良好な操縦安定性、低燃費性、破断時伸びを確保しつつ、良好な耐久性が得られるという理由から、イソプレン系ゴム、SBRが好ましい。イソプレン系ゴムは、前記と同様のものを使用できる。
バンドコード被覆用ゴム組成物において、ゴム成分100質量%中のイソプレン系ゴムの配合量は、好ましくは25質量%以上、より好ましくは50質量%以上である。また、イソプレン系ゴムの配合量は、100質量%であってもよいが、好ましくは80質量%以下である。イソプレン系ゴムの配合量が上記範囲内であると、良好な操縦安定性、低燃費性、破断時伸びを確保しつつ、良好な耐久性が得られる。
SBRとしては特に限定されず、例えば、溶液重合SBR、乳化重合SBRを使用できる。また、各種シリカ用変性SBRも好適に使用できる。
バンドコード被覆用ゴム組成物において、ゴム成分100質量%中のSBRの配合量は、好ましくは10〜60質量%、より好ましくは20〜40質量%である。
バンドコード被覆用ゴム組成物には、カーボンブラック及び/又はシリカを配合しても良い。カーボンブラック、シリカを配合する場合、配合量は、操縦安定性、低燃費性、破断時伸びなどのブレーカークッションの要求性能に応じて適宜設定すれば良いが、これらの合計配合量は、ゴム成分100質量部に対して、好ましくは20〜100質量部、より好ましくは30〜60質量部である。
バンドコード被覆用ゴム組成物には、カーボンブラックを配合することが好ましい。カーボンブラックは、前記と同様のものを好適に使用できる。
カーボンブラックの含有量は、ゴム成分100質量部に対して、好ましくは10質量部以上、より好ましくは20質量部以上、更に好ましくは30質量部以上である。10質量部未満では、充分な補強性が得られず、耐久性、操縦安定性が悪化する傾向がある。また、カーボンブラックの含有量は、ゴム成分100質量部に対して、好ましくは100質量部以下、より好ましくは60質量部以下である。100質量部を超えると、破断時伸び、低燃費性が悪化するおそれがある。
バンドコード被覆用ゴム組成物には、上記ゴム成分、シリカ、カーボンブラック以外に、ブレーカーコード被覆用ゴム組成物と同様の配合材料を添加してもよい。
(空気入りタイヤ)
本発明の空気入りタイヤは、以下の方法など、従来公知の方法で製造できる。
先ず、バンバリーミキサー、オープンロールなどのゴム混練装置に前記架橋剤及び加硫促進剤以外の成分を配合(添加)して混練りした後(ベース練り工程)、得られた混練物に、更に前記架橋剤及び加硫促進剤を配合(添加)して混練することにより、ブレーカークッション用、アンダートレッド用、ブレーカーコード被覆用、バンドコード被覆用未加硫ゴム組成物をそれぞれ作製する。
次いで、それぞれの未加硫ゴム組成物をブレーカークッション、アンダートレッド、ブレーカー、ジョイントレスバンドの形状(ブレーカーの場合は、未加硫の段階で、シート状のブレーカーコード被覆用ゴム組成物をブレーカーコードに上下から圧着被覆してブレーカーの形状に、ジョイントレスバンドの場合は、未加硫の段階で、シート状のバンドコード被覆用ゴム組成物をバンドコードに上下から圧着被覆してジョイントレスバンドの形状)に合わせて押し出し加工する。そして、タイヤ成型機上にてそれらを、更に他のタイヤ部材とともに貼り合わせて、未加硫タイヤ(=生カバー)を作製した後、その未加硫タイヤを加硫機中で加熱加圧することで、空気入りタイヤを製造できる。
ブレーカーコードとしては、例えば、タイヤ用スチールコード、2+2/0.23(線経0.23mmの2本と2本のコードを和して撚り合せたタイヤコード)、黄銅メッキ付高張力コードなどが挙げられる。
バンドコードとしては、例えば、ナイロン66繊維、アラミド繊維、ナイロン繊維、ポリエチレンナフタレート(PEN)繊維、ポリエチレン(PE)繊維、ポリエチレンテレフタレート(PET)繊維等の有機繊維による単一撚りコードや、異なる有機繊維コードを複数撚り合わせた複合コードなどが挙げられる。
良好なタイヤの耐久性が得られるという理由から、ブレーカークッション用、アンダートレッド用、ブレーカーコード被覆用、バンドコード被覆用ゴム組成物は、170℃、12分間の条件による加硫後の破断時伸び、つまり、バンバリーミキサーやニーダー、オープンロールなどで前記ゴム成分、および必要に応じてその他の配合剤を混練りし、その後、170℃、12分間の条件で加硫することで得られたブレーカークッション用、アンダートレッド用、ブレーカーコード被覆用、バンドコード被覆用加硫ゴム組成物の破断時伸びが、特定値以上であることが好ましい。
ブレーカークッション用ゴム組成物は、該ゴム組成物を単独で、170℃、12分間の加硫条件で加硫することにより得られた加硫ゴムの破断時伸び(25℃)が、350%以上であり、450%以上であることが好ましく、550%以上であることがより好ましく、600%以上であることがさらに好ましい。破断時伸びが350%未満である場合は、使用による劣化により破断時伸びEB、耐亀裂成長性が低下しやすく、耐久性が低下する。また、破断時伸びに、性能上の上限はないが、破断時伸びが800%を超えるゴムを製造することが困難なため、破断時伸びは800%以下であることが普通である。
アンダートレッド用ゴム組成物は、該ゴム組成物を単独で、170℃、12分間の加硫条件で加硫することにより得られた加硫ゴムの破断時伸び(25℃)が、350%以上であることが好ましく、400%以上であることがより好ましく、450%以上であることがさらに好ましい。破断時伸びが350%未満である場合は、使用による劣化により破断時伸びEBが低下しやすく、耐久性が低下する。また、破断時伸びに、性能上の上限はないが、破断時伸びが800%を超えるゴムを製造することが困難なため、破断時伸びは800%以下であることが普通である。
ブレーカーコード被覆用ゴム組成物は、該ゴム組成物を単独で、170℃、12分間の加硫条件で加硫することにより得られた加硫ゴムの破断時伸び(25℃)が、350%以上であることが好ましく、400%以上であることがより好ましく、450%以上であることがさらに好ましい。破断時伸びが350%未満である場合は、使用による劣化により破断時伸びEBが低下しやすく、耐久性が低下する。また、破断時伸びに、性能上の上限はないが、破断時伸びが800%を超えるゴムを製造することが困難なため、破断時伸びは800%以下であることが普通である。
バンドコード被覆用ゴム組成物は、該ゴム組成物を単独で、170℃、12分間の加硫条件で加硫することにより得られた加硫ゴムの破断時伸び(25℃)が、350%以上であることが好ましく、380%以上であることがより好ましく、450%以上であることがさらに好ましい。破断時伸びが350%未満である場合は、使用による劣化により破断時伸びEBが低下しやすく、耐久性が低下する。また、破断時伸びに、性能上の上限はないが、破断時伸びが800%を超えるゴムを製造することが困難なため、破断時伸びは800%以下であることが普通である。
なお、本明細書において、破断時伸びは、実施例に記載の方法により25℃にて測定される値である。
本発明の空気入りタイヤにおいて、ジョイントレスバンドの厚みは、好ましくは0.2〜1.5mm、より好ましくは0.5〜1.3mmである。ジョイントレスバンドの厚みが上記範囲内であると、スチールブレーカーエッジとバンド繊維間のゴムの厚みを適度に確保でき、タイヤの耐久性がより向上する。
ここで、ジョイントレスバンドの厚みとは、ブレーカーのタイヤ軸方向外方端からタイヤ半径方向外側へ外挿した位置におけるジョイントレスバンドの厚み(タイヤ半径方向の長さ(バンドコードの直径と、該バンドコードを被覆しているゴムの厚みの和、すなわち、トップ反の総仕上り厚み))を意味する。
本発明の空気入りタイヤにおいて、アンダートレッドの厚みは、好ましくは0.2〜1.5mm、より好ましくは0.3〜1.0mmである。アンダートレッドの厚みが上記範囲内であると、オイル含有量が多く、かつ、硫黄含有量が少ないトレッドと、オイル含有量が少なく、かつ、硫黄含有量の多いジョイントレスバンドやブレーカー間で、緩衝効果を発現でき、トレッドとブレーカー間の接着性を向上できる。これにより、タイヤの耐久性がより向上する。
ここで、アンダートレッドの厚みとは、ブレーカーのタイヤ軸方向外方端からタイヤ半径方向外側へ外挿した位置におけるアンダートレッドの厚み(タイヤ半径方向の長さ)を意味する。
本発明の空気入りタイヤは、乗用車用タイヤ、大型乗用車用、大型SUV用タイヤ、トラック、バスなどの重荷重用タイヤ、ライトトラック用タイヤに好適であり、それぞれのサマータイヤ、スタッドレスタイヤとして使用可能である。
以下に、実施例及び比較例で使用した各種薬品について、まとめて説明する。
<NR>:TSR20
<IR>:IR2200
<BR1>:ランクセス(株)製のCB24(Nd系触媒を用いて合成したハイシスBR)
<BR2>:日本ゼオン(株)製のNipol BR1250H(スズ変性BR、開始剤としてリチウムを用いて重合、ビニル結合量:10〜13質量%、Mw/Mn:1.5、スズ原子の含有量:250ppm)
<BR3>:宇部興産(株)製のVCR617
<SBR>:JSR(株)製のSBR1502
<カーボンブラック1>:三菱化学(株)製のダイヤブラックN326(NSA:84m/g)
<カーボンブラック2>:三菱化学(株)製のダイヤブラックN550(NSA:41m/g)
<シリカ>:エボニックデグッサ社製のULTRASIL VN3(NSA:175m/g)
<ワックス>:日本精鑞(株)製のOzoace0355
<老化防止剤1>:住友化学(株)製のアンチゲン6C(N−(1,3−ジメチルブチル)−N’−フェニル−p−フェニレンジアミン)
<老化防止剤2>:住友化学(株)製のアンチゲンFR(アミンとケトンの反応品を精製したものでアミンの残留がないもの、キノリン系老化防止剤)
<酸化亜鉛>:東邦亜鉛(株)製の銀嶺R
<フェノールレジンPR12686>:住友ベークライト(株)製のPR12686(カシューオイル変性フェノール樹脂)
<スミカノール620>:田岡化学工業(株)製のスミカノール620(変性レゾルシノール樹脂(変性レゾルシノール・ホルムアルデヒド縮合物))
<ステアリン酸>:日油(株)製のステアリン酸「椿」
<スミカノール507A>:住友化学工業(株)製のスミカノール507A(変性エーテル化メチロールメラミン樹脂(ヘキサメチロールメラミンペンタメチルエーテル(HMMPME)の部分縮合物)、シリカとオイル35質量%含有)
<ステアリン酸コバルト>:大日本インキ化学工業(株)製のcost−F(コバルト含有量:9.5質量%、ステアリン酸含有量:90.5質量%)
<20%オイル含有不溶性硫黄>:フレキシス(株)製のクリステックスHSOT20(硫黄80質量%及びオイル分20質量%を含む不溶性硫黄)
<10%オイル含有不溶性硫黄>:日本乾溜工業(株)製のセイミサルファー(二硫化炭素による不溶物60%以上の不溶性硫黄、オイル分:10質量%)
<加硫促進剤1>:大内新興化学工業(株)製のノクセラーDZ(N,N’−ジシクロヘキシル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド(DCBS))
<加硫促進剤2>:大内新興化学工業(株)製のノクセラーNS(N−tert−ブチル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド(TBBS))
<C5レジン>:丸善石油化学(株)製のマルカレッツT−100AS(C5系石油樹脂:ナフサ分解によって得られるC5留分中のオレフィン、ジオレフィン類を主原料とする脂肪族系石油樹脂)(軟化点:100℃)
<TDAE>:H&R社製のvivatec500(アロマオイル)
<実施例及び比較例>
(ブレーカーコード被覆用ゴム組成物)
表1に示す配合内容に従い、1.7Lバンバリーミキサーを用いて、ステアリン酸コバルト、硫黄及び加硫促進剤以外の材料を150℃の条件下で5分間混練りし、混練り物を得た(ベース練り工程1)。次に、得られた混練り物にステアリン酸コバルトを添加し、1.7Lバンバリーミキサーを用いて、135℃の条件下で3分間混練りし、混練り物を得た(ベース練り工程2)。次に、得られた混練り物に硫黄及び加硫促進剤を添加し、オープンロールを用いて、105℃の条件下で3分間練り込み、未加硫ゴム組成物を得た(仕上げ練り工程)。
得られた未加硫ゴム組成物を170℃の条件下で12分間プレス加硫し、ブレーカーコード被覆用加硫ゴム組成物を得た。
(バンドコード被覆、アンダートレッド用ゴム組成物)
表1に示す配合内容に従い、1.7Lバンバリーミキサーを用いて、硫黄及び加硫促進剤以外の材料を150℃の条件下で5分間混練りし、混練り物を得た(ベース練り工程)。次に、得られた混練り物に硫黄及び加硫促進剤を添加し、オープンロールを用いて、105℃の条件下で3分間練り込み、未加硫ゴム組成物を得た(仕上げ練り工程)。
得られた未加硫ゴム組成物を170℃の条件下で12分間プレス加硫し、バンドコード被覆用加硫ゴム組成物、アンダートレッド用加硫ゴム組成物を得た。
(ブレーカークッション用ゴム組成物)
表2、3に示す配合内容に従い、1.7Lバンバリーミキサーを用いて、硫黄及び加硫促進剤以外の材料を150℃の条件下で5分間混練りし、混練り物を得た(ベース練り工程)。次に、得られた混練り物に硫黄及び加硫促進剤を添加し、オープンロールを用いて、105℃の条件下で3分間練り込み、未加硫ゴム組成物を得た(仕上げ練り工程)。
得られた未加硫ゴム組成物を170℃の条件下で12分間プレス加硫し、ブレーカークッション用加硫ゴム組成物を得た。
(空気入りタイヤ)
また、得られた未加硫の各ブレーカーコード被覆用ゴム組成物、各バンドコード被覆用ゴム組成物、各アンダートレッド用ゴム組成物、各ブレーカークッション用ゴム組成物を用いて、それぞれの部材の形状に押出し成形し、タイヤ成形機上で他のタイヤ部材とともに貼り合わせ、170℃の条件下で12分間加硫し、各試験用タイヤ(サイズ:195/65R15)を得た(架橋工程)。なお、成形の際、ブレーカーについては、得られた未加硫の各ブレーカーコード被覆用ゴム組成物をシート形状にしてスチールコードを被覆し、ブレーカーの形状に成形し、ジョイントレスバンドについては、得られた未加硫の各バンドコード被覆用ゴム組成物をシート形状にしてナイロン66繊維コードを被覆し、ジョイントレスバンドの形状に成形した。また、ジョイントレスバンド、アンダートレッドの厚みは、それぞれ、0.75mm、0.5mmとした。
また、表2に記載のタイヤでは、ブレーカーのタイヤ軸方向外方端からタイヤ半径方向外側へ外挿した位置にジョイントレスバンドのタイヤ軸方向外方端が位置するようにした。すなわち、これらのタイヤでは、ジョイントレスバンドとブレーカーの端が揃っており、ジョイントレスバンドはブレーカークッションに接しておらず、アンダートレッドがブレーカークッションに接している(図1(b)参照)。同様に、表3のU/T配合A、B、Cを使用したタイヤも同様の構造を有する。
一方、表3のJLB配合A、B、C、Dを使用したタイヤでは、ジョイントレスバンドがブレーカー端をはみ出すように形成され、ジョイントレスバンドがブレーカークッションに接している(図1(a)参照)。
得られたブレーカークッション用、アンダートレッド用、ブレーカーコード被覆用、バンドコード被覆用加硫ゴム組成物、試験用タイヤを使用して、下記の評価を行った。評価結果を表1〜3に示す。
(複素弾性率(硬度)(E)、低燃費性(tanδ))
岩本製作所(株)製の粘弾性スペクトロメーターを用いて、70℃、初期歪10%、動歪み2%、周波数10Hzの条件下で、各加硫ゴム組成物の損失正接(tanδ)及び複素弾性率(E)を測定した。
tanδが小さいほど、転がり抵抗が低く、低燃費性に優れることを示す。Eが大きいほど、操縦安定性に優れることを示す。
(引張試験)
加硫ゴム組成物からなる3号ダンベル型試験片を用いて、JIS K 6251「加硫ゴム及び熱可塑性ゴム−引張特性の求め方」に準じて、25℃にて引張試験を実施し、破断時伸びEB(%)を測定した。EBが大きいほど、破断時伸びに優れることを示す。
(耐久性(トレッド耐久性指数))
試験用タイヤを、リム組みせず、80℃、相対湿度95%の湿熱オーブンにいれ、4週間劣化させた。JIS規格の最大荷重(最大空気圧条件)に対して、140%である荷重オーバーロード条件で、劣化させた試験用タイヤをドラム走行させたときの、トレッド部の膨れなど、外観異常、異音の発生までの走行距離を測定した。
基準タイヤの走行距離を100とし、各タイヤの走行距離を指数表示した。なお、指数が大きいほど耐久性(特に、東南アジア、日本中南部での耐久性)に優れることを示す。なお、表中、実施例に該当するタイヤの耐久性の評価結果に下線を付した。
(耐久性指数)=(各タイヤの走行距離)/(基準タイヤの走行距離)×100
Figure 2014118117
Figure 2014118117
Figure 2014118117
ブレーカークッションと、該ブレーカークッションに隣接するブレーカーとを有する空気入りタイヤであって、ブレーカークッションが、特定量のイソプレン系ゴム、架橋剤由来の純硫黄成分を含み、破断時伸びが特定値以上であるブレーカークッション用ゴム組成物からなり、ブレーカーが、ブレーカーコードをブレーカーコード被覆用ゴム組成物で被覆されてなり、ブレーカークッション用ゴム組成物と、ブレーカーコード被覆用ゴム組成物との架橋剤由来の純硫黄成分配合量が、特定の関係式を満たす空気入りタイヤは、耐久性に優れていた。また、良好な操縦安定性、低燃費性、破断時伸びも同時に得られた。

Claims (4)

  1. ブレーカークッションと、該ブレーカークッションに隣接するブレーカーとを有する空気入りタイヤであって、
    前記ブレーカークッションは、ゴム成分100質量%中のイソプレン系ゴムの配合量が35〜100質量%、ゴム成分100質量部に対する架橋剤由来の純硫黄成分配合量が2.1〜6.0質量部であるブレーカークッション用ゴム組成物からなり、
    前記ブレーカーは、ブレーカーコードをブレーカーコード被覆用ゴム組成物で被覆されてなり、
    前記ブレーカークッション用ゴム組成物は、該ゴム組成物を単独で、170℃、12分間の加硫条件で加硫することにより得られた加硫ゴムの破断時伸びが350%以上であり、
    前記ブレーカークッション用ゴム組成物と、前記ブレーカーコード被覆用ゴム組成物との前記架橋剤由来の純硫黄成分配合量が、下記式を満たす空気入りタイヤ。
    0.00<(前記ブレーカーコード被覆用ゴム組成物の前記架橋剤由来の純硫黄成分配合量)−(前記ブレーカークッション用ゴム組成物の前記架橋剤由来の純硫黄成分配合量)<3.99
  2. 前記ブレーカークッションに隣接するジョイントレスバンド又はアンダートレッドを更に有し、
    前記ジョイントレスバンドは、バンドコードをバンドコード被覆用ゴム組成物で被覆されてなり、
    前記アンダートレッドは、アンダートレッド用ゴム組成物からなり、
    前記ブレーカークッション用ゴム組成物と、前記バンドコード被覆、アンダートレッド用ゴム組成物との前記架橋剤由来の純硫黄成分配合量が、下記式を満たす請求項1記載の空気入りタイヤ。
    −3.2<(前記バンドコード被覆、アンダートレッド用ゴム組成物の前記架橋剤由来の純硫黄成分配合量)−(前記ブレーカークッション用ゴム組成物の前記架橋剤由来の純硫黄成分配合量)<3.0
  3. 前記バンドコード被覆、アンダートレッド用ゴム組成物が、ゴム成分100質量%中のイソプレン系ゴムの配合量が50〜100質量%、ゴム成分100質量部に対する架橋剤由来の純硫黄成分配合量が2.5〜6.0質量部であり、
    前記バンドコード被覆、アンダートレッド用ゴム組成物は、該ゴム組成物を単独で、170℃、12分間の加硫条件で加硫することにより得られた加硫ゴムの破断時伸びが350%以上であり、
    前記ジョイントレスバンド、アンダートレッドの厚みが0.2〜1.5mmである請求項2記載の空気入りタイヤ。
  4. 前記ブレーカークッション用ゴム組成物が、ゴム成分100質量%中のイソプレン系ゴムの配合量が85質量%以上である請求項1〜3のいずれかに記載の空気入りタイヤ。
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