JP2006152043A - タイヤのビードフィラー用ゴム組成物および空気入りタイヤ - Google Patents
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Abstract
【課題】耐セット性および接着性を損なうことなく弾性率を高くし、タイヤのビード部の変形抑制および耐久性を向上させることができるビードフィラー用ゴム組成物を提供する。
【解決手段】ジエン系ゴム100重量部に対し、窒素吸着比表面積が50〜120m2/gで、DBP吸油量が70〜130ml/100gであるカーボンブラック55〜90重量部と、コバルト換算で0.05〜0.4重量部に相当する量の有機酸コバルト塩と、レゾルシンまたはレゾルシン誘導体0.3〜3重量部と、前記レゾルシンまたはレゾルシン誘導体の配合量の0.25〜2倍に相当する量のメチレン供与体と、を含有し、加硫物の23℃における貯蔵弾性率E’(23℃)が20〜40MPaであり、かつ、80℃における貯蔵弾性率E’(80℃)との比であるE’(80℃)/E’(23℃)が0.7〜1.0であることを特徴とするタイヤのビードフィラー用ゴム組成物である。
【解決手段】ジエン系ゴム100重量部に対し、窒素吸着比表面積が50〜120m2/gで、DBP吸油量が70〜130ml/100gであるカーボンブラック55〜90重量部と、コバルト換算で0.05〜0.4重量部に相当する量の有機酸コバルト塩と、レゾルシンまたはレゾルシン誘導体0.3〜3重量部と、前記レゾルシンまたはレゾルシン誘導体の配合量の0.25〜2倍に相当する量のメチレン供与体と、を含有し、加硫物の23℃における貯蔵弾性率E’(23℃)が20〜40MPaであり、かつ、80℃における貯蔵弾性率E’(80℃)との比であるE’(80℃)/E’(23℃)が0.7〜1.0であることを特徴とするタイヤのビードフィラー用ゴム組成物である。
Description
本発明は、空気入りタイヤのビードフィラーに用いられるビードフィラー用ゴム組成物、及びそれを用いた空気入りタイヤに関するものである。
一般に、車のハンドルを切ったときリムに発生するタイヤの進行方向を変える力をタイヤに有効に作用させるため、タイヤは、ビード部の剛性を高くしてカーカスに大きい横力が発生するように設計されている。そのため、カーカスプライの端部をビードコアに沿って内側から外側に向かって折り返して係止する際に形成される捲き上げ部とカーカスプライ本体とビードコアとで包囲された空間に充填するビードフィラーも高弾性率のゴム組成物で形成されている。そして、特に、トラックやバスなどに用いられる重荷重用タイヤにおいては、ビード部の変形抑制や耐久性を向上させるため、ビードフィラーの更なる高弾性化が求められている。
従来、このようなビードフィラー用ゴム組成物には、高弾性化を図るため、ノボラック型フェノール樹脂を配合したものや、それらの樹脂と短繊維を配合したものなどが用いられている。しかしながら、ノボラック型フェノール樹脂のみで更なる高弾性化を図ろうとした場合、常温における弾性率は高められるものの、実走行時である高温時の弾性率が低下してしまい、必ずしもビード部の耐久性向上に結びつかないという問題がある。また、この場合、高温時でのへたり(セット性)が大きく、即ち耐セット性に劣るために、ビード部の変形抑制が困難である。
また、従来、ビードフィラーの高弾性化のため、補強性充填剤であるカーボンブラックの配合量を多くする場合がある。この場合、高温時の弾性率低下やへたりについては、ノボラック型フェノール樹脂を用いた場合よりも有利であるが、周辺ゴムやビードワイヤーであるスチール等との接着性が低下し、セパレーションを起こしやすいという問題がある。
また、これら従来のビードワイヤー用ゴム組成物では、発熱性が高く、そのため、ビード部の耐久性に問題がある。
下記特許文献1には、ビード部の耐久性を向上させるため、ビードフィラーを構成するゴムとして、25℃における貯蔵弾性率E’(25)が3.0×108〜5.0×108dyn/cm2であり、かつ、80℃における貯蔵弾性率E’(80)との比E’(80)/E’(25)が0.7以上であるものを用い、また、このような高弾性のゴム組成物を得るために、ジエン系ゴム100重量部にN2SA40〜120、DBP70〜130のカーボンブラックを70〜95重量部配合することが提案されている。しかしながら、特許文献1では、有機酸コバルト塩を配合することが開示されておらず、また、それにより接着性を損なうことなく高弾性化が図れることについても開示されていない。また、特許文献1のゴム組成物はtanδが高く、そのため発熱性にも劣るものである。
下記特許文献2には、耐疲労性を損なうことなく弾性率を高くするため、特定のジエン系ゴムに、シリカと、レゾルシンまたはその誘導体と、ヘキサメチレンテトラミンまたはメラミン誘導体とを配合したビードフィラー用ゴム組成物が提案されている。しかしながら、特許文献2にも有機酸コバルト塩を配合することは開示されておらず、また、弾性率が8〜15MPaと低く、更なる高弾性化が求められていた。
特開平6−64412号公報
特開平11−240981号公報
本発明は、上記の点に鑑みてなされたものであり、耐セット性および接着性を損なうことなく弾性率を高くし、タイヤのビード部の変形抑制および耐久性を向上させることができるビードフィラー用ゴム組成物、およびそれを用いた空気入りタイヤを提供することを目的とする。
本発明者は、上記の点に鑑みて鋭意検討していく中で、ジエン系ゴムに特定のカーボンブラックとともに有機酸コバルト塩、レゾルシン誘導体またはその誘導体およびメチレン供与体を配合することにより、耐セット性および接着性を損なわずに弾性率を高くすることができ、タイヤのビード部の変性抑制や耐久性を向上できることを見い出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明に係るタイヤのビードフィラー用ゴム組成物は、ジエン系ゴム100重量部に対し、窒素吸着比表面積が50〜120m2/gで、DBP吸油量が70〜130ml/100gであるカーボンブラック55〜90重量部と、コバルト換算で0.05〜0.4重量部に相当する量の有機酸コバルト塩と、レゾルシンまたはレゾルシン誘導体0.3〜3重量部と、前記レゾルシンまたはレゾルシン誘導体の配合量の0.25〜2倍に相当する量のメチレン供与体と、を含有し、加硫物の23℃における貯蔵弾性率E’(23℃)が20〜40MPaであり、かつ、80℃における貯蔵弾性率E’(80℃)との比であるE’(80℃)/E’(23℃)が0.7〜1.0であることを特徴とするものである。
かかる本発明のビードフィラー用ゴム組成物は、加硫物の80℃における損失正接tanδ(80℃)が0.10〜0.15であり、かつ、セット性が2〜10%であることが好ましい。
また、本発明に係る空気入りタイヤは、これらのゴム組成物からなるビードフィラーを備えるものである。
本発明によれば、ジエン系ゴムに対して、特定のカーボンブラックとともに、有機酸コバルト塩、レゾルシンまたはその誘導体およびメチレン供与体を配合することにより、耐セット性および接着性を損なわずに弾性率を高くすることができる。また、tanδが低く発熱性も抑えることができる。そのため、空気入りタイヤ、特に重荷重用タイヤにおいて、従来にも増して、ビード部の変性抑制や耐久性を向上することができる。
以下、本発明の実施に関連する事項について詳細に説明する。
本発明のビードフィラー用ゴム組成物において、ゴム成分として使用されるジエン系ゴムとしては、天然ゴム、イソプレンゴム、スチレンブタジエンゴム、ブタジエンゴムなどが挙げられ、これらはいずれか一種のみを用いても2種以上併用してもよい。好ましくは、天然ゴム及び/又はイソプレンゴム100重量%、または、天然ゴム及び/又はイソプレンゴム60重量%以上と、スチレンブタジエンゴム、ブタジエンゴムなどの他のジエン系ゴム40重量%とのブレンドゴムを用いることである。
本発明のゴム組成物には、上記ジエン系ゴム100重量部に対して、窒素吸着比表面積(N2SA)が50〜120m2/gであり、かつ、DBP吸油量が70〜130ml/100gであるカーボンブラックが55〜90重量部配合される。このような物性値を持つカーボンブラックを配合することにより効果的に高弾性化を図ることができる。なお、該カーボンブラックの配合量が55重量部未満では、貯蔵弾性率が低くなり、タイヤの耐久性の向上が得られない。また、90重量部を越えると、加工性を損なうことになる。
ここで、カーボンブラックの窒素吸着比表面積は、JIS K6217に準じて測定される値であり、また、DBP吸油量は、JIS K6217に準じて測定される値であり、これらが上記範囲内にあるカーボンブラックの具体例としては、ISAF:東海カーボン製「シースト6」(窒素吸着比表面積=119m2/g、DBP吸油量=114ml/100g)、HAF:東海カーボン製「シースト3」(窒素吸着比表面積=79m2/g、DBP吸油量=101ml/100g)、HAF−LS:東海カーボン製「シースト300」(窒素吸着比表面積=84m2/g、DBP吸油量=75ml/100g)等が挙げられる。
本発明のゴム組成物には、有機酸コバルト塩が配合される。有機酸コバルト塩は、周辺ゴムおよびビードワイヤーとの接着性を向上し、また、ビードフィラーゴムの弾性率のアップにも寄与する。かかる有機酸コバルト塩としては、例えば、ステアリン酸コバルト、ナフテン酸コバルト、ネオデカン酸コバルト等が挙げられる。
有機酸コバルト塩は、ジエン系ゴム100重量部に対して、コバルトとしての添加量が0.05〜0.4重量部となるように配合される。0.05重量部未満であると、接着性に劣り、0.4重量部を越えると、増量効果が認められない。より好ましい配合量は、コバルト換算で、上限が0.3重量部、下限が0.2重量部である。
本発明のゴム組成物には、ジエン系ゴム100重量部に対して、レゾルシンまたはその誘導体が0.3〜3重量部配合されるとともに、該レゾルシンまたはその誘導体にメチレン基を供与して硬化させるメチレン供与体がレゾルシンまたはその誘導体の配合量の0.25〜2倍に相当する量にて配合される。レゾルシンまたはその誘導体とメチレン供与体を併用した場合、通常のノボラック型フェノール樹脂を配合した場合に比べて、少量でも弾性率の増大効果が大きく、高温時での弾性率の低下やへたりの増大を抑えることができる。レゾルシンまたはその誘導体のより好ましい配合量は、1〜3重量部である。また、メチレン供与体のより好ましい配合量は、レゾルシンまたはその誘導体の配合量の0.5〜2倍である。
上記メチレン供与体としては、例えば、ヘキサメチレンテトラミン、メラミン誘導体、パラホルムアルデヒドなどが挙げられ、特にヘキサメチレンテトラミンまたはメラミン誘導体が好適である。該メラミン誘導体としては、ヘキサメトキシメチルメラミン、ヘキサメチロールメラミンなどのメチロールメラミンなどが挙げられる。
上記レゾルシン誘導体としては、レゾルシン−アルデヒド縮合物、レゾルシン−アルキルフェノール−アルデヒド共縮合物、レゾルシン−アリールフェノール−アルデヒド共縮合物、レゾルシン−アラルキルフェノール−アルデヒド共縮合物などが挙げられる。
本発明のゴム組成物には、上記した成分の他に、老化防止剤、亜鉛華、ステアリン酸、加硫剤、加硫促進剤など、タイヤのビードフィラー用ゴム組成物において一般に使用される各種添加剤を配合することができる。
本発明のビードフィラー用ゴム組成物は、その加硫物が以下の物性を持つものである。すなわち、加硫物の23℃における貯蔵弾性率E’(23℃)と、80℃における貯蔵弾性率E’(80℃)に関し、
・E’(23℃)=20〜40MPa
・E’(80℃)/E’(23℃)=0.7〜1.0
を満足する。E’(23℃)が20MPa未満では、ビード部の耐久性を向上させることができず、40MPaを越えると、接着性が悪化する。E’(80℃)/E’(23℃)が0.7未満では、実走行時の弾性率が低下するので、ビード部の実際の変形抑制や耐久性の向上効果が得られない。
・E’(23℃)=20〜40MPa
・E’(80℃)/E’(23℃)=0.7〜1.0
を満足する。E’(23℃)が20MPa未満では、ビード部の耐久性を向上させることができず、40MPaを越えると、接着性が悪化する。E’(80℃)/E’(23℃)が0.7未満では、実走行時の弾性率が低下するので、ビード部の実際の変形抑制や耐久性の向上効果が得られない。
また、本発明のビードフィラー用ゴム組成物は、その加硫物の80℃における損失正接tanδ(80℃)が0.10〜0.15であり、かつ、セット性が2〜10%であることが好ましい。tanδが0.15を越えると、発熱性が高く、そのため、ビード部の耐久性が劣ることになる。また、セット性が10%を越えると、実走行時のへたりが大きくなって、ビード部の変形抑制効果が劣ることになる。
以上よりなる本発明のビードフィラー用ゴム組成物は、空気入りラジアルタイヤのビードフィラーを構成するためのゴム組成物として用いられ、常法に従い加硫成形することにより、ビードフィラーを形成することができる。本発明のゴム組成物は、特に、トラックやバスなどの大型車に用いられる重荷重用タイヤのビードフィラー用に好適である。
以下、本発明の実施例を示すが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
バンバリーミキサーを使用し、下記表1に示す配合に従い、ビードフィラー用ゴム組成物を調製した。表1中の各配合物の詳細は以下の通りである。
バンバリーミキサーを使用し、下記表1に示す配合に従い、ビードフィラー用ゴム組成物を調製した。表1中の各配合物の詳細は以下の通りである。
・NR:天然ゴム「RSS#3」
・SBR:JSR製「SBR1502」
・HAF:東海カーボン製「シースト3」(窒素吸着比表面積=79m2/g、DBP吸油量=101ml/100g)
・FEF:東海カーボン製「シーストSO」(窒素吸着比表面積=42m2/g、DBP吸油量=87ml/100g)。
・ステアリン酸コバルト:日本鉱業製(コバルト成分10重量%)
・レゾルシン誘導体:住友化学製「スミカノール620」(レゾルシン−アルキルフェノール−ホルマリン樹脂)
・メラミン誘導体:三井サイテック製「サイレッツ963L」(ヘキサメトキシメチルメラミン)
・ノボラック型フェノール樹脂:住友ベークライト製「スミライトレジンPR−13349」(オイル変性アルキルフェノール樹脂)。
・SBR:JSR製「SBR1502」
・HAF:東海カーボン製「シースト3」(窒素吸着比表面積=79m2/g、DBP吸油量=101ml/100g)
・FEF:東海カーボン製「シーストSO」(窒素吸着比表面積=42m2/g、DBP吸油量=87ml/100g)。
・ステアリン酸コバルト:日本鉱業製(コバルト成分10重量%)
・レゾルシン誘導体:住友化学製「スミカノール620」(レゾルシン−アルキルフェノール−ホルマリン樹脂)
・メラミン誘導体:三井サイテック製「サイレッツ963L」(ヘキサメトキシメチルメラミン)
・ノボラック型フェノール樹脂:住友ベークライト製「スミライトレジンPR−13349」(オイル変性アルキルフェノール樹脂)。
各ゴム組成物には、共通配合として、亜鉛華(三井金属鉱業製「亜鉛華3号」)8重量部、ステアリン酸(花王製「ルナックS−20」)2重量部、老化防止剤(住友化学製「アンチゲン6C」)1重量部、加硫促進剤NS(大内新興化学工業製「ノクセラーNS−P」)2重量部、硫黄(鶴見化学工業製「粉末硫黄」)7重量部を配合した。
得られた各ゴム組成物について、150℃×30分で加硫して所定形状の試験片を作製し、得られた試験片を用いて、E’(23℃)、E’(80℃)、tanδ(80℃)、セット性を測定した。また、各ゴム組成物について接着性とタイヤ耐久性を評価した。各測定・評価方法は以下の通りである。
・E’(23℃)、E’(80℃)、tanδ(80℃):粘弾性スペクトロメータ(ユービーエム製)を用いて、初期歪み5%、動的歪み±2%、周波数10Hz、温度23℃、80℃の条件下で測定した。
・セット性:動的疲労試験機(島津製)を用いて、初期歪み5%、動的歪み±2%、周波数10Hz、温度80℃にて、30分間振動させた後の試験片の変形率であり、試験前の試験片の長さをA、試験後の試験片の長さをBとして、[(B−A)/A]×100(%)により算出した。
・接着性:各ゴム組成物をビードワイヤーとともに加硫することで接着させ、接着後に剥離試験を行い、試験後のビードワイヤーへのゴム付着率を百分率で示した。
・タイヤ耐久性:各ゴム組成物をビードフィラー用ゴムとして用いて、トラックバス用11R22.5 14PRサイズの試作タイヤを作製し、ドラム試験機にて空気内圧0.9MPa、荷重5400kg、速度40km/hの条件で故障が発生するまで走行させ、故障までの走行時間をタイヤ耐久力として、比較例1よりも改良したものを「○」、低下したものを「×」と評価した。
・セット性:動的疲労試験機(島津製)を用いて、初期歪み5%、動的歪み±2%、周波数10Hz、温度80℃にて、30分間振動させた後の試験片の変形率であり、試験前の試験片の長さをA、試験後の試験片の長さをBとして、[(B−A)/A]×100(%)により算出した。
・接着性:各ゴム組成物をビードワイヤーとともに加硫することで接着させ、接着後に剥離試験を行い、試験後のビードワイヤーへのゴム付着率を百分率で示した。
・タイヤ耐久性:各ゴム組成物をビードフィラー用ゴムとして用いて、トラックバス用11R22.5 14PRサイズの試作タイヤを作製し、ドラム試験機にて空気内圧0.9MPa、荷重5400kg、速度40km/hの条件で故障が発生するまで走行させ、故障までの走行時間をタイヤ耐久力として、比較例1よりも改良したものを「○」、低下したものを「×」と評価した。
結果は表1に示す通りであり、本発明にかかる実施例1〜3では、ビードワイヤーとの接着性に優れており、接着性を損なうことなく、常温時及び高温時ともに高弾性化が図られていた。またtanδが小さく、従って発熱性が低いものであった。そのため、実施例1〜3のゴム組成物では、ビード部の耐久性に優れていた。また、実施例1〜3では、セット性が小さく、従って高温時のへたりが小さいため、ビード部の変形抑制効果にも優れるものであった。以上より、実施例1〜3であると、耐セット性及び接着性を損なわずに弾性率を高くすることができ、ビード部の変形抑制効果および耐久性を向上させることができた。
これに対し、比較例1では、カーボンブラックの配合量が規定値未満であったため、弾性率が低く、従って、ビード部の耐久性が不十分であった。また、比較例2では、ステアリン酸コバルト、レゾルシン誘導体およびメラミン誘導体を配合していないため、ビードワイヤーとの接着性に劣り、また、タイヤ耐久性にも劣るものであった。比較例3では、ノボラック型フェノール樹脂を多量に配合したことから、弾性率は高いものの、その温度依存性が大きく、また、tanδが大きく発熱性が高いため、ビード部の耐久性に劣るものであった。
しかも、比較例3では、セット性が大きく、従って高温時のへたりが大きいため、ビード部の変形抑制効果にも劣るものであった。また、比較例4では、ステアリン酸コバルトを配合していないため、接着性に劣る。更に、比較例5では、本発明特定のカーボンブラックを使用していないため、ビード部の耐久性に劣る。
Claims (3)
- ジエン系ゴム100重量部に対し、
窒素吸着比表面積が50〜120m2/gで、DBP吸油量が70〜130ml/100gであるカーボンブラック55〜90重量部と、
コバルト換算で0.05〜0.4重量部に相当する量の有機酸コバルト塩と、
レゾルシンまたはレゾルシン誘導体0.3〜3重量部と、
前記レゾルシンまたはレゾルシン誘導体の配合量の0.25〜2倍に相当する量のメチレン供与体と、を含有し、
加硫物の23℃における貯蔵弾性率E’(23℃)が20〜40MPaであり、かつ、80℃における貯蔵弾性率E’(80℃)との比であるE’(80℃)/E’(23℃)が0.7〜1.0である
ことを特徴とするタイヤのビードフィラー用ゴム組成物。 - 加硫物の80℃における損失正接tanδ(80℃)が0.10〜0.15であり、セット性が2〜10%であることを特徴とする請求項1記載のビードフィラー用ゴム組成物。
- 請求項1又は2記載のゴム組成物からなるビードフィラーを備える空気入りタイヤ。
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