JP5698314B2 - 空気入りタイヤ - Google Patents

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本発明は、空気入りタイヤに関する。
空気入りタイヤは、路面と接するトレッド以外にもサイドウォール、ケース、クリンチ等様々な部材により構成されている。従来、各部材に使用されるゴム組成物の配合設計においては、それぞれの部材のゴム組成物ごとにラボ試験を行い、それぞれの部材ごとに最も良好なゴム組成物を設計していた(例えば、特許文献1〜3)。そして、このラボ試験の評価結果に基づいて、それぞれの最も良好なゴム組成物で構成された各部材を組み合わせて空気入りタイヤを作製していた。しかし、作製した空気入りタイヤの耐久性が、ラボ試験の結果から期待される耐久性よりも低くなる場合が多いという問題があった。
特許第4308289号公報 特開2008−24913号公報 特許第4246245号公報
本発明は、前記課題を解決し、耐久性に優れた空気入りタイヤを提供することを目的とする。
本発明者は、上記課題について鋭意検討した結果、加硫中やタイヤの使用中に硫黄が部材間で移動し、この硫黄の移動により各部材において物性の変化が生じ、結果として、作製した空気入りタイヤの耐久性が、ラボ試験の結果から期待される耐久性よりも低くなるとの仮説に想到した。
そして、ケースに使用されるケースコード被覆用ゴム組成物の硫黄の移動に着目し、ケースコード被覆用ゴム組成物と、ケースの隣接部材(サイドウォール、クリンチ等)に使用されるゴム組成物(サイドウォール用ゴム組成物、クリンチ用ゴム組成物等)の硫黄の含有量が特定の関係式を満たすことにより、作製した空気入りタイヤの耐久性が非常に優れていることを見出し、更に、部材特有の期待性能に合わせて硫黄量を定めて、本発明を完成させた。
すなわち、第一の本発明は、サイドウォール及びケースを有する空気入りタイヤであって、サイドウォールが、ゴム成分100質量部に対する硫黄の含有量が1.41質量部を超え2.5質量部未満であるサイドウォール用ゴム組成物からなり、ケースが、ケースコードをケースコード被覆用ゴム組成物で被覆されてなり、サイドウォール用ゴム組成物及びケースコード被覆用ゴム組成物の硫黄の含有量が下記関係式を満たす空気入りタイヤに関する。
−0.2<(ケースコード被覆用ゴム組成物のゴム成分100質量部に対する硫黄の含有量)−(サイドウォール用ゴム組成物のゴム成分100質量部に対する硫黄の含有量)<1.1
第一の本発明において、サイドウォール用ゴム組成物の硫黄の含有量が、ゴム成分100質量部に対して、1.61質量部を超え2.3質量部未満であることが好ましい。
第一の本発明において、ケースコード被覆用ゴム組成物の硫黄の含有量が、ゴム成分100質量部に対して、1.91質量部を超え3.5質量部未満であることが好ましい。
第一の本発明において、サイドウォール用ゴム組成物のプロセスオイルの含有量が、ゴム成分100質量部に対して、10質量部以下であることが好ましい。
第一の本発明において、サイドウォール用ゴム組成物のアルキルフェノール・塩化硫黄縮合物の含有量が、ゴム成分100質量部に対して、0.2〜6質量部であることが好ましい。
第二の本発明は、クリンチ及びケースを有する空気入りタイヤであって、クリンチが、ゴム成分100質量部に対する硫黄の含有量が1.71質量部を超え2.9質量部未満であるクリンチ用ゴム組成物からなり、ケースが、ケースコードをケースコード被覆用ゴム組成物で被覆されてなり、クリンチ用ゴム組成物及びケースコード被覆用ゴム組成物の硫黄の含有量が下記関係式を満たす空気入りタイヤに関する。
−0.6<(ケースコード被覆用ゴム組成物のゴム成分100質量部に対する硫黄の含有量)−(クリンチ用ゴム組成物のゴム成分100質量部に対する硫黄の含有量)<1.1
第二の本発明において、クリンチ用ゴム組成物の硫黄の含有量が、ゴム成分100質量部に対して、1.91質量部を超え2.7質量部未満であることが好ましい。
第二の本発明において、ケースコード被覆用ゴム組成物の硫黄の含有量が、ゴム成分100質量部に対して、1.91質量部を超え3.5質量部未満であることが好ましい。
第二の本発明において、クリンチ用ゴム組成物のスルフェンアミド系加硫促進剤の含有量が、ゴム成分100質量部に対して、2.5〜3.5質量部であることが好ましい。
第二の本発明において、クリンチ用ゴム組成物のアルキルフェノール・塩化硫黄縮合物の含有量が、ゴム成分100質量部に対して、0.2〜6質量部であることが好ましい。
第一の本発明によれば、サイドウォール及びケースを有する空気入りタイヤであって、サイドウォールが、特定量の硫黄を含むサイドウォール用ゴム組成物からなり、ケースが、ケースコードをケースコード被覆用ゴム組成物で被覆されてなり、サイドウォール用ゴム組成物及びケースコード被覆用ゴム組成物の硫黄の含有量が特定の関係式を満たす空気入りタイヤであるので、耐久性に優れている。また、良好な操縦安定性、低燃費性、破断時伸びも同時に得られる。
また、第二の本発明によれば、クリンチ及びケースを有する空気入りタイヤであって、クリンチが、特定量の硫黄を含むクリンチ用ゴム組成物からなり、ケースが、ケースコードをケースコード被覆用ゴム組成物で被覆されてなり、クリンチ用ゴム組成物及びケースコード被覆用ゴム組成物の硫黄の含有量が特定の関係式を満たす空気入りタイヤであるので、耐久性に優れている。また、良好な操縦安定性、低燃費性、破断時伸びも同時に得られる。
<第一の本発明>
第一の本発明の空気入りタイヤは、サイドウォール及びケースを有し、サイドウォールが、ゴム成分100質量部に対する硫黄の含有量が1.41質量部を超え2.5質量部未満であるサイドウォール用ゴム組成物からなり、ケースが、ケースコードをケースコード被覆用ゴム組成物で被覆されてなり、サイドウォール用ゴム組成物及びケースコード被覆用ゴム組成物の硫黄の含有量が下記関係式を満たす。
−0.2<(ケースコード被覆用ゴム組成物のゴム成分100質量部に対する硫黄の含有量)−(サイドウォール用ゴム組成物のゴム成分100質量部に対する硫黄の含有量)<1.1
ケースからサイドウォールへの硫黄の移動が進むと、サイドウォールゴムの架橋密度が増大し、サイドウォールゴムの耐亀裂成長性、破断時伸びが大幅に悪化し、更に、ケースと接するディップ表面でセパレーションが生じやすくなり、耐久性が大幅に悪化してしまう。一方、上記移動により、硫黄が減少することとなるケースでは、ケースコード周辺の硫黄濃度が低下し、ケースコードとケースコード被覆用ゴム間の硫黄の再結合に働く硫黄が不足し、耐久性が低下してしまう。
逆に、サイドウォールからケースへ硫黄が移動する場合、移動量が多いとサイドウォールの硬度(Hs)が低下し、操縦安定性が低下する。そして、ケースでは、硫黄量が増加し、ケースコードとの接着性は良くなるものの、耐亀裂成長性が低下し、耐久性が低下する。
それに対して、第一の本発明では、サイドウォール用ゴム組成物及びケースコード被覆用ゴム組成物の硫黄の含有量が上記関係式を満たすと共に、サイドウォール用ゴム組成物に特定量の硫黄が含まれているため、硫黄の移動を抑制して硫黄の移動量を適度な量に調整でき、良好な操縦安定性、低燃費性、破断時伸びを確保しつつ、良好な耐久性が得られる。
第一の本発明の空気入りタイヤは、サイドウォール及びケースを有する。
ケースとは、ケースコード及びケースコード被覆ゴム層からなる部材であり、カーカスともいう。具体的には、例えば、特開2008−75066号公報の図1等に示される部材である。
サイドウォールとは、ケースの外側に配された部材であり、具体的には、例えば、特開2008−75066号公報の図1等に示される部材である。
第一の本発明において、サイドウォールは、サイドウォール用ゴム組成物からなり、ケースは、ケースコードをケースコード被覆用ゴム組成物で被覆されてなる。
第一の本発明において、サイドウォール用ゴム組成物及びケースコード被覆用ゴム組成物の硫黄の含有量は、下記関係式を満たす。これにより、空気入りタイヤの耐久性を好適に向上できる。なお、−0.2以下の場合、ケースコードとケースコード被覆用ゴムとの接着性が低下し、耐久性が低下する。また、1.1以上の場合、サイドウォール(特に、サイドウォール表層)の架橋密度が増加し、耐亀裂成長性が低下し、耐久性が低下する。
−0.2<(ケースコード被覆用ゴム組成物のゴム成分100質量部に対する硫黄の含有量)−(サイドウォール用ゴム組成物のゴム成分100質量部に対する硫黄の含有量)<1.1
なお、本明細書において、硫黄の含有量とは、ゴム組成物に配合される加硫剤の純硫黄分の合計含有量を意味する。ここで、純硫黄分とは、例えば、加硫剤として、オイル含有硫黄を使用する場合には、オイル含有硫黄に含まれる硫黄分を意味し、また、加硫剤として、硫黄原子を含有する化合物(例えば、アルキルフェノール・塩化硫黄縮合物)を使用する場合には、該化合物中に含まれる硫黄原子を意味する。
上記関係式の下限は、0が好ましく、0.2がより好ましい。
上記関係式の上限は、1.0が好ましく、0.9がより好ましい。
次に、第一の本発明において使用されるサイドウォール用ゴム組成物、ケースコード被覆用ゴム組成物について説明する。
(サイドウォール用ゴム組成物)
サイドウォール用ゴム組成物に使用できる加硫剤としては、特に限定されないが、硫黄、アルキルフェノール・塩化硫黄縮合物等を好適に使用できる。加硫剤としては、硫黄が好ましく、硫黄と共にアルキルフェノール・塩化硫黄縮合物を配合することが好ましい。
硫黄としては、粉末硫黄、沈降硫黄、コロイド硫黄、不溶性硫黄、高分散性硫黄などが挙げられる。
アルキルフェノール・塩化硫黄縮合物を配合することにより、通常の硫黄架橋に比べて熱的に安定な架橋構造を形成することができ、低燃費性、耐久性を大きく向上できると共に、操縦安定性の向上も達成できる。また、アルキルフェノール・塩化硫黄縮合物は、強固にゴム成分と結合するため、該縮合物中に含まれる硫黄は、移動しにくいと考えられる。
アルキルフェノール・塩化硫黄縮合物としては、下記式(1)で示されるアルキルフェノール・塩化硫黄縮合物が好ましい。
Figure 0005698314
(式中、Rは、同一若しくは異なって、炭素数5〜15のアルキル基又はアミル基を示す。x及びyは、同一若しくは異なって、1〜4の整数を示す。mは0〜300の整数を示す。)
mは、アルキルフェノール・塩化硫黄縮合物のゴム成分中への分散性が良い点から、0〜300の整数であり、0〜100の整数が好ましく、3〜100の整数がより好ましい。mが3以上の場合、スコーチの延長、操縦安定性、低燃費性、破断時伸び、耐久性の向上効果が高い。x及びyは、高硬度が効率良く発現できる(リバージョン抑制)点から、1〜4の整数であり、ともに2が好ましい。Rは、アルキルフェノール・塩化硫黄縮合物のゴム成分中への分散性が良い点から、炭素数5〜15のアルキル基又はアミル基であり、炭素数8〜15のアルキル基が好ましい。炭素数が8以上の場合、スコーチの延長、操縦安定性、低燃費性、破断時伸び、耐久性の向上効果が高い。
上記アルキルフェノール・塩化硫黄縮合物は、公知の方法で調製することができ、特に制限されないが、例えば、アルキルフェノールと塩化硫黄とを、モル比1:0.9〜1.25などで反応させる方法などが挙げられる。
アルキルフェノール・塩化硫黄縮合物の具体例として、田岡化学工業(株)製のタッキロールV200(式(1)中のR=C17、x=2、y=2、m:0〜100の整数)、TS3101(式(1)中のR=C1225、x=2、y=2、m:170〜210の整数)などが挙げられる。
なお、上記アルキルフェノール・塩化硫黄縮合物の硫黄含有率は、燃焼炉で800〜1000℃に加熱し、SOガス又はSOガスに変換後、ガス発生量から光学的に定量し、求めた割合をいう。
アルキルフェノール・塩化硫黄縮合物の含有量は、ゴム成分100質量部に対して、好ましくは0.2質量部以上、より好ましくは0.5質量部以上である。0.2質量部未満であると、アルキルフェノール・塩化硫黄縮合物を配合した効果が充分に得られない。該含有量は、好ましくは6質量部以下、より好ましくは2質量部以下である。6質量部を超えると、耐久性が著しく低下するおそれがある。
サイドウォール用ゴム組成物において、硫黄の含有量は、ゴム成分100質量部に対して、1.41質量部を超え、好ましくは1.61質量部を超え、より好ましくは1.85質量部を超える。1.41質量部以下では、ケースからの硫黄の流入量が多くなり、サイドウォールゴムの耐亀裂成長性、破断時伸びが大幅に悪化し、更に、ケースと接するディップ表面でセパレーションが生じやすくなり、耐久性が大幅に悪化する。また、充分な操縦安定性が得られない。また、該含有量は、2.5質量部未満、好ましくは2.3質量部未満、より好ましくは2.2質量部未満である。2.5質量部以上では、破断時伸び(特に、熱老化後の破断時伸び)、耐亀裂成長性、低燃費性、耐久性が悪化する。
サイドウォール用ゴム組成物に使用できるゴム成分としては、特に限定されないが、例えば、天然ゴム(NR)、イソプレンゴム(IR)、ブタジエンゴム(BR)、スチレンブタジエンゴム(SBR)、スチレンイソプレンブタジエンゴム(SIBR)、クロロプレンゴム(CR)、アクリロニトリルブタジエンゴム(NBR)等のジエン系ゴムが挙げられる。ゴム成分は、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。なかでも、良好な操縦安定性、低燃費性、破断時伸びを確保しつつ、良好な耐久性が得られるという理由から、NR、BRが好ましく、NRとBRを併用することがより好ましい。
NRとしては特に限定されず、例えば、SIR20、RSS♯3、TSR20、IR2200等、タイヤ工業において一般的なものを使用できる。
ゴム成分100質量%中のNRの含有量は、好ましくは40質量%以上、より好ましくは50質量%以上である。該NRの含有量は、好ましくは80質量%以下、より好ましくは70質量%以下である。NRの含有量が上記範囲内であると、良好な操縦安定性、低燃費性、破断時伸びを確保しつつ、良好な耐久性が得られる。
BRとしては、特に限定されず、例えば、日本ゼオン(株)製のBR1220、宇部興産(株)製のBR150B等の高シス含有量のBR、宇部興産(株)製のVCR412、VCR617等の1,2−シンジオタクチックポリブタジエン結晶(SPB)を含むBR、Polimeri Europa社製のEuroprene BR HV80等の高ビニル含量のBR、希土類元素系触媒を用いて合成されたBR(希土類系BR)等、タイヤ工業において一般的なものを使用できる。また、スズ化合物により変性されたスズ変性ブタジエンゴム(スズ変性BR)も使用できる。なかでも、良好な操縦安定性、低燃費性、破断時伸びを確保しつつ、良好な耐久性が得られるという理由から、希土類系BRが好ましい。また、希土類系BRと共にスズ変性BRを用いると、低燃費性をより向上できる。
希土類系BRの合成に使用される希土類元素系触媒としては、公知のものを使用でき、例えば、ランタン系列希土類元素化合物、有機アルミニウム化合物、アルミノキサン、ハロゲン含有化合物、必要に応じてルイス塩基を含む触媒が挙げられる。なかでも、ランタン系列希土類元素化合物としてネオジム(Nd)含有化合物を用いたNd系触媒が特に好ましい。
ランタン系列希土類元素化合物としては、原子番号57〜71の希土類金属のハロゲン化物、カルボン酸塩、アルコラート、チオアルコラート、アミド等が挙げられる。なかでも、前述のとおり、Nd系触媒の使用が高シス含量、低ビニル含量のBRが得られる点で好ましい。
有機アルミニウム化合物としては、AlR(式中、R、R、Rは、同一若しくは異なって、水素又は炭素数1〜8の炭化水素基を表す。)で表されるものを使用できる。アルミノキサンとしては、鎖状アルミノキサン、環状アルミノキサンが挙げられる。ハロゲン含有化合物としては、AlX 3−k(式中、Xはハロゲン、Rは炭素数1〜20のアルキル基、アリール基又はアラルキル基、kは1、1.5、2又は3を表す。)で表されるハロゲン化アルミニウム;MeSrCl、MeSrCl、MeSrHCl、MeSrClなどのストロンチウムハライド;四塩化ケイ素、四塩化錫、四塩化チタン等の金属ハロゲン化物が挙げられる。ルイス塩基は、ランタン系列希土類元素化合物を錯体化するのに用いられ、アセチルアセトン、ケトン、アルコール等が好適に用いられる。
上記希土類元素系触媒は、ブタジエンの重合の際に、有機溶媒(n−ヘキサン、シクロヘキサン、n−ヘプタン、トルエン、キシレン、ベンゼン等)に溶解した状態で用いても、シリカ、マグネシア、塩化マグネシウム等の適当な担体上に担持させて用いてもよい。重合条件としては、溶液重合又は塊状重合のいずれでもよく、好ましい重合温度は−30〜150℃であり、重合圧力は他の条件に依存して任意に選択してもよい。
上記希土類系BRは、重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との比(Mw/Mn)が好ましくは1.2以上、より好ましくは1.5以上である。1.2未満であると、加工性の悪化が顕著になる傾向がある。該Mw/Mnは、好ましくは5以下、より好ましくは4以下である。5を超えると、耐摩耗性の改善効果が少なくなる傾向がある。
上記希土類系BRのMwは、好ましくは30万以上、より好ましくは50万以上であり、また、好ましくは150万以下、より好ましくは120万以下である。更に、上記希土類系BRのMnは、好ましくは10万以上、より好ましくは15万以上であり、また、好ましくは100万以下、より好ましくは80万以下である。MwやMnが下限未満であると、耐摩耗性が低下したり、低燃費性が悪化する傾向がある。上限を超えると、加工性の悪化が懸念される。
なお、本発明において、Mw、Mnは、ゲルパーミエーションクロマトグラフ(GPC)を用い、標準ポリスチレンより換算した値である。
上記希土類系BRのシス含量は、好ましくは90質量%以上、より好ましくは93質量%以上、更に好ましくは95質量%以上である。90質量%未満であると、耐摩耗性、低燃費性が低下するおそれがある。
上記希土類系BRのビニル含量は、好ましくは1.8質量%以下、より好ましくは1.0質量%以下、更に好ましくは0.5質量%以下、特に好ましくは0.3質量%以下である。1.8質量%を超えると、耐摩耗性が低下するおそれがある。
なお、本発明において、希土類系BRのビニル含量(1,2−結合ブタジエン単位量)及びシス含量(シス−1,4−結合ブタジエン単位量)は、赤外吸収スペクトル分析法によって測定できる。
ゴム成分100質量%中のBRの含有量は、好ましくは20質量%以上、より好ましくは30質量%以上である。該BRの含有量は、好ましくは60質量%以下、より好ましくは50質量%以下である。BRの含有量が上記範囲内であると、良好な操縦安定性、低燃費性、破断時伸びを確保しつつ、良好な耐久性が得られる。
プロセスオイルは、ポリマーの締め付けを緩くし、硫黄を移動しやすくする。プロセスオイルによる硫黄の移動促進効果は、C5系レジン等の他の軟化剤よりも大きい。そして、サイドウォール用ゴム組成物は、架橋密度が比較的低いため、プロセスオイルの量が少ない方が、ケースからの硫黄の流入を抑制できる。従って、プロセスオイルの含有量は、ゴム成分100質量部に対して、10質量部以下が好ましい。10質量部を超えると、ケースからの硫黄の流入量が増大し、耐久性が低下するおそれがある。
サイドウォール用ゴム組成物には、カーボンブラックを配合してもよい。カーボンブラックを配合することにより、補強性を高めることができ、耐久性、操縦安定性を向上できる。使用できるカーボンブラックの例としては、GPF、FEF、HAF、ISAF、SAFなどが挙げられるが、特に限定されるものではない。
カーボンブラックを使用する場合、カーボンブラックのチッ素吸着比表面積(NSA)は20m/g以上が好ましい。NSAが20m/g未満では、耐久性、操縦安定性が低下するおそれがある。また、カーボンブラックのNSAは100m/g以下が好ましく、60m/g以下がより好ましい。NSAが100m/gを超えると、充分な低燃費性、加工性が得られないおそれがある。
なお、本明細書において、カーボンブラックのチッ素吸着比表面積は、JIS K 6217−2:2001によって求められる。
カーボンブラックの含有量は、ゴム成分100質量部に対して、好ましくは10質量部以上、より好ましくは20質量部以上である。10質量部未満では、充分な補強性が得られず、耐久性、操縦安定性が悪化する傾向がある。また、カーボンブラックの含有量は、ゴム成分100質量部に対して、好ましくは100質量部以下、より好ましくは70質量部以下である。100質量部を超えると、低燃費性が悪化するおそれがある。
上記ゴム組成物には、前記成分の他に、従来ゴム工業で使用される配合剤、例えば、シリカ等の充填剤、ワックス、酸化防止剤、老化防止剤、加硫促進助剤(ステアリン酸、酸化亜鉛等)、加硫促進剤等を含有してもよい。
加硫促進剤としては、グアニジン系、アルデヒド−アミン系、アルデヒド−アンモニア系、チアゾール系、スルフェンアミド系、チオ尿素系、チウラム系、ジチオカルバメート系、ザンデート系の化合物などが挙げられる。これら加硫促進剤は単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。なかでも、ゴム中への分散性、加硫物性の安定性の点から、スルフェンアミド系加硫促進剤〔N−tert−ブチル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド(TBBS)、N−シクロヘキシル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド(CBS)、N,N−ジシクロヘキシル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド(DCBS)、N,N−ジイソプロピル−2−ベンゾチアゾールスルフェンアミドなど〕が好ましく、TBBSがより好ましい。
加硫促進剤の配合量は、ゴム成分100質量部に対して、好ましくは0.4質量部以上である。また、該配合量は、好ましくは2.0質量部以下、より好ましくは1.5質量部以下である。加硫促進剤の配合量が上記範囲内であると、サイドウォールゴムとしての好適な架橋密度、耐亀裂成長性が得られ、硫黄の移動量を適度な量に調整でき、本発明の効果がより好適に得られる。
サイドウォール用ゴム組成物の製造方法としては、公知の方法を用いることができ、例えば、前記各成分をオープンロール、バンバリーミキサーなどのゴム混練装置を用いて混練する方法等により製造できる。
(ケースコード被覆用ゴム組成物)
ケースコード被覆用ゴム組成物に使用できるゴム成分としては、特に限定されないが、サイドウォール用ゴム組成物と同様のジエン系ゴムを使用できる。ゴム成分は、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。なかでも、良好な操縦安定性、低燃費性、破断時伸びを確保しつつ、良好な耐久性が得られるという理由から、NR、SBRが好ましく、NRとSBRを併用することがより好ましい。また、NR、SBR、BRの併用も耐亀裂成長性を向上でき好ましい。
NRとしては特に限定されず、サイドウォール用ゴム組成物と同様のものを使用できる。
ゴム成分100質量%中のNRの含有量は、好ましくは50質量%以上、より好ましくは60質量%以上である。該NRの含有量は、好ましくは90質量%以下、より好ましくは80質量%以下である。NRの含有量が上記範囲内であると、良好な操縦安定性、低燃費性、破断時伸びを確保しつつ、良好な耐久性が得られる。
SBRとしては特に限定されず、乳化重合スチレンブタジエンゴム(E−SBR)、溶液重合スチレンブタジエンゴム(S−SBR)等、タイヤ工業において一般的なものを使用できる。なかでも、良好な操縦安定性、低燃費性、破断時伸びを確保しつつ、良好な耐久性が得られるという理由から、E−SBRが好ましい。
ゴム成分100質量%中のSBRの含有量は、好ましくは10質量%以上、より好ましくは20質量%以上である。該BRの含有量は、好ましくは50質量%以下、より好ましくは40質量%以下である。SBRの含有量が上記範囲内であると、良好な操縦安定性、低燃費性、破断時伸びを確保しつつ、良好な耐久性が得られる。
使用できる加硫剤としては、特に限定されないが、サイドウォール用ゴム組成物と同様のものを使用できる。
ケースコード被覆用ゴム組成物において、硫黄の含有量は、ゴム成分100質量部に対して、好ましくは1.91質量部を超え、より好ましくは2.41質量部を超える。1.91質量部以下では、ケースコードとの接着性が低下し、耐久性が低下するおそれがある。また、充分な低燃費性、破断時伸びが得られないおそれがある。また、該含有量は、好ましくは3.5質量部未満、より好ましくは3.1質量部未満、更に好ましくは3.0質量部未満である。3.5質量部以上では、破断時伸び、耐亀裂成長性が低下し、耐久性が低下する。また、充分な低燃費性が得られないおそれがある。硫黄の含有量が上記範囲内であると、良好な操縦安定性、低燃費性を確保しつつ、良好な破断時伸び、耐亀裂成長性、ケースコードとの接着性が得られ、結果的に良好な耐久性が得られる。
プロセスオイルの含有量は、ゴム成分100質量部に対して、好ましくは4〜12質量部である。プロセスオイルの含有量が上記範囲内であると、良好なシート加工性が得られ、また、硫黄の移動量を適度な量に調整できる。
ケースコード被覆用ゴム組成物には、カーボンブラックを配合してもよい。カーボンブラックを配合することにより、補強性を高めることができ、耐久性、操縦安定性を向上できる。
カーボンブラックを使用する場合、カーボンブラックのチッ素吸着比表面積(NSA)は40m/g以上が好ましく、60m/g以上がより好ましい。NSAが40m/g未満では、耐久性、操縦安定性が低下するおそれがある。また、カーボンブラックのNSAは150m/g以下が好ましく、100m/g以下がより好ましい。NSAが150m/gを超えると、分散性が悪く、充分な低燃費性が得られないおそれがある。
カーボンブラックの含有量は、ゴム成分100質量部に対して、好ましくは10質量部以上、より好ましくは20質量部以上である。10質量部未満では、充分な補強性が得られず、耐久性、操縦安定性が悪化する傾向がある。また、カーボンブラックの含有量は、ゴム成分100質量部に対して、好ましくは90質量部以下、より好ましくは60質量部以下である。90質量部を超えると、低燃費性が悪化するおそれがある。
ケースコード被覆用ゴム組成物は、コードとの接着性を向上させる目的で、レゾルシン樹脂(縮合物)、変性レゾルシン樹脂(縮合物)、クレゾール樹脂、変性クレゾール樹脂から選ばれる少なくとも1種の化合物を、メチレン供与体とともに配合してもよい。
上記ゴム組成物には、前記成分の他に、従来ゴム工業で使用される配合剤、例えば、シリカ等の充填剤、ワックス、酸化防止剤、老化防止剤、加硫促進助剤(ステアリン酸、酸化亜鉛等)、加硫促進剤等を含有してもよい。
加硫促進剤としては、サイドウォール用ゴム組成物と同様のものを好適に使用できる。
加硫促進剤の配合量は、ゴム成分100質量部に対して、好ましくは0.3質量部以上、より好ましくは0.8質量部以上、更に好ましくは0.9質量部以上である。また、該配合量は、好ましくは2.5質量部以下、より好ましくは1.7質量部以下である。加硫促進剤の配合量が上記範囲内であると、ケースコード被覆用ゴムとしての好適な架橋密度が得られ、硫黄の移動量を適度な量に調整でき、本発明の効果がより好適に得られる。
ケースコード被覆用ゴム組成物の製造方法としては、サイドウォール用ゴム組成物と同様の方法を用いることができる。
第一の本発明の空気入りタイヤは、上記ゴム組成物を用いて通常の方法によって製造される。すなわち、必要に応じて各種添加剤を配合したゴム組成物を、未加硫の段階でタイヤの各部材の形状(サイドウォールの場合は、サイドウォール用ゴム組成物をサイドウォールの形状、ケースの場合は、未加硫の段階で、シート状のケースコード被覆用ゴム組成物をケースコードに上下から圧着被覆してケースの形状)に合わせて押し出し加工し、タイヤ成型機上にて通常の方法にて成形し、他のタイヤ部材とともに貼り合わせ、未加硫タイヤを形成した後、加硫機中で加熱加圧してタイヤを製造することができる。
ケースコードとしては、ポリエチレン、ナイロン、アラミド、グラスファイバー、ポリエステル、レーヨン、ポリエチレンテレフタレート等の繊維により得られるコードが挙げられる。また、複数種類の繊維により得られるハイブリッドコードを使用してもよい。
<第二の本発明>
第二の本発明の空気入りタイヤは、クリンチ及びケースを有し、クリンチが、ゴム成分100質量部に対する硫黄の含有量が1.71質量部を超え2.9質量部未満であるクリンチ用ゴム組成物からなり、ケースが、ケースコードをケースコード被覆用ゴム組成物で被覆されてなり、クリンチ用ゴム組成物及びケースコード被覆用ゴム組成物の硫黄の含有量が下記関係式を満たす。
−0.6<(ケースコード被覆用ゴム組成物のゴム成分100質量部に対する硫黄の含有量)−(クリンチ用ゴム組成物のゴム成分100質量部に対する硫黄の含有量)<1.1
ケースからクリンチへの硫黄の移動が進むと、クリンチゴムの架橋密度が増大し、クリンチゴムの破断時伸びが大幅に悪化し、更に、ケースと接するディップ表面でセパレーションが生じやすくなり、耐久性が大幅に悪化してしまう。一方、上記移動により、硫黄が減少することとなるケースでは、ケースコード周辺の硫黄濃度が低下し、ケースコードとケースコード被覆用ゴム間の硫黄の再結合に働く硫黄が不足し、耐久性が低下してしまう。
逆に、クリンチからケースへ硫黄が移動する場合、移動量が多いとクリンチの硬度(Hs)が低下し、リムズレ性(耐久性)や操縦安定性が低下する。そして、ケースでは硫黄量が増加し、ケースコードとの接着性は良くなるものの、耐亀裂成長性が低下し、耐久性が低下する。
それに対して、第二の本発明では、クリンチ用ゴム組成物及びケースコード被覆用ゴム組成物の硫黄の含有量が上記関係式を満たすと共に、クリンチ用ゴム組成物に特定量の硫黄が含まれているため、硫黄の移動を抑制して硫黄の移動量を適度な量に調整でき、良好な操縦安定性、低燃費性、破断時伸びを確保しつつ、良好な耐久性が得られる。
第二の本発明の空気入りタイヤは、クリンチ及びケースを有する。
クリンチとは、サイドウォール下部に存在するリムとの接触部をカバーするゴム部であり、クリンチエイペックス又はラバーチェーファーともいう。具体的には、例えば、特開2008−75066号公報の図1等に示される部材である。なお、ケースは、上述の通りである。
第二の本発明において、クリンチは、クリンチ用ゴム組成物からなり、ケースは、ケースコードをケースコード被覆用ゴム組成物で被覆されてなる。
第二の本発明において、クリンチ用ゴム組成物及びケースコード被覆用ゴム組成物の硫黄の含有量は、下記関係式を満たす。これにより、空気入りタイヤの耐久性を好適に向上できる。なお、−0.6以下の場合、クリンチからケースに硫黄が移動し、クリンチの硬度(Hs)が低下し、リムズレ性(耐久性)や操縦安定性が低下する。また、1.1以上の場合、ケースからクリンチに硫黄が移動し、クリンチにおいては破断時伸びの低下、ケースにおいてはケースコードとの接着性が低下し、耐久性が低下する。
−0.6<(ケースコード被覆用ゴム組成物のゴム成分100質量部に対する硫黄の含有量)−(クリンチ用ゴム組成物のゴム成分100質量部に対する硫黄の含有量)<1.1
上記関係式の下限は、−0.4が好ましく、−0.2がより好ましい。
上記関係式の上限は、1.0が好ましく、0.9がより好ましい。
次に、第二の本発明において使用されるクリンチ用ゴム組成物について説明する。なお、ケースコード被覆用ゴム組成物については、第一の本発明と同様である。
(クリンチ用ゴム組成物)
クリンチ用ゴム組成物に使用できる加硫剤としては、特に限定されないが、サイドウォール用ゴム組成物と同様のものを好適に使用でき、サイドウォール用ゴム組成物と同様に、加硫剤としては、硫黄が好ましく、硫黄と共にアルキルフェノール・塩化硫黄縮合物を配合することが好ましい。
アルキルフェノール・塩化硫黄縮合物の含有量は、ゴム成分100質量部に対して、好ましくは0.2質量部以上、より好ましくは0.5質量部以上である。0.2質量部未満であると、アルキルフェノール・塩化硫黄縮合物を配合した効果(特に、低燃費性)が充分に得られない。該含有量は、好ましくは6質量部以下、より好ましくは2質量部以下である。6質量部を超えると、耐久性(特に、破断時伸び)が著しく低下するおそれがある。
クリンチ用ゴム組成物において、硫黄の含有量は、ゴム成分100質量部に対して、1.71質量部を超え、好ましくは1.81質量部を超え、より好ましくは1.91質量部を超える。1.71質量部以下では、ケースからの硫黄の流入量が多くなり、クリンチゴムの破断時伸びが大幅に悪化し、更に、ケースと接するディップ表面でセパレーションが生じやすくなり、耐久性が大幅に悪化する。また、充分な操縦安定性、低燃費性が得られない。また、該含有量は、2.9質量部未満、好ましくは2.7質量部未満、より好ましくは2.5質量部未満である。2.9質量部以上では、クリンチゴム自体の熱酸化劣化から、耐摩耗性が低下し、アブレージョン部の割れが生じ、耐久性が低下する。硫黄の含有量が上記範囲内であると、良好な操縦安定性、低燃費性を確保しつつ、良好な破断時伸び、耐亀裂成長性、耐摩耗性が得られ、結果的に良好な耐久性が得られる。
クリンチ用ゴム組成物に使用できるゴム成分としては、特に限定されないが、サイドウォール用ゴム組成物と同様のジエン系ゴムを使用できる。ゴム成分は、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。なかでも、良好な操縦安定性、低燃費性、破断時伸びを確保しつつ、良好な耐久性が得られるという理由から、NR、BRが好ましく、NRとBRを併用することがより好ましい。
NRとしては特に限定されず、サイドウォール用ゴム組成物と同様のものを使用できる。
ゴム成分100質量%中のNRの含有量は、好ましくは10質量%以上、より好ましくは20質量%以上である。該NRの含有量は、好ましくは50質量%以下、より好ましくは40質量%以下である。NRの含有量が上記範囲内であると、良好な操縦安定性、低燃費性、破断時伸びを確保しつつ、良好な耐久性が得られる。
BRとしては、特に限定されず、サイドウォール用ゴム組成物と同様のものを使用できる。なかでも、良好な操縦安定性、低燃費性、破断時伸びを確保しつつ、良好な耐久性が得られるという理由から、上記希土類系BR、VCRが好ましい。また、希土類系BRと共にスズ変性BRを用いると、低燃費性をより向上できる。
ゴム成分100質量%中のBRの含有量は、好ましくは50質量%以上、より好ましくは60質量%以上である。該BRの含有量は、好ましくは90質量%以下、より好ましくは80質量%以下である。BRの含有量が上記範囲内であると、良好な操縦安定性、低燃費性、破断時伸びを確保しつつ、良好な耐久性が得られる。
クリンチ用ゴム組成物は、架橋密度が比較的高いため、プロセスオイルの量は特に限定されないが、ゴム成分100質量部に対して、好ましくは3〜12質量部、より好ましくは3〜7質量部である。プロセスオイルの配合量が上記範囲内であると、硫黄の移動量を適度な量に調整できる。
クリンチ用ゴム組成物には、カーボンブラックを配合することが好ましい。カーボンブラックを配合することにより、補強性を高めることができ、耐久性、操縦安定性を向上できる。
カーボンブラックを使用する場合、カーボンブラックのチッ素吸着比表面積(NSA)は40m/g以上が好ましく、60m/g以上がより好ましい。NSAが40m/g未満では、耐久性、操縦安定性が低下するおそれがある。また、カーボンブラックのNSAは150m/g以下が好ましく、100m/g以下がより好ましい。NSAが150m/gを超えると、充分な低燃費性が得られないおそれがある。
カーボンブラックの含有量は、ゴム成分100質量部に対して、好ましくは30質量部以上、より好ましくは50質量部以上である。30質量部未満では、充分な補強性が得られず、耐久性、操縦安定性が悪化する傾向がある。また、カーボンブラックの含有量は、ゴム成分100質量部に対して、好ましくは120質量部以下、より好ましくは80質量部以下である。120質量部を超えると、低燃費性が悪化するおそれがある。
上記ゴム組成物には、前記成分の他に、従来ゴム工業で使用される配合剤、例えば、シリカ等の充填剤、ワックス、酸化防止剤、老化防止剤、加硫促進助剤(ステアリン酸、酸化亜鉛等)、加硫促進剤等を含有してもよい。
加硫促進剤としては、サイドウォール用ゴム組成物と同様のものを好適に使用できる。
加硫促進剤(好ましくはスルフェンアミド系加硫促進剤)の配合量は、ゴム成分100質量部に対して、好ましくは2.5質量部以上、より好ましくは2.8質量部以上である。また、該配合量は、好ましくは3.5質量部以下である。加硫促進剤の配合量が上記範囲内であると、クリンチゴムとしての好適な架橋密度が得られ、良好な操縦安定性、低燃費性が得られると共に、硫黄の移動量を適度な量に調整でき、本発明の効果がより好適に得られる。
クリンチ用ゴム組成物の製造方法としては、サイドウォール用ゴム組成物と同様の方法を用いることができる。
第二の本発明の空気入りタイヤは、上記ゴム組成物を用いて通常の方法によって製造される。すなわち、必要に応じて各種添加剤を配合したゴム組成物を、未加硫の段階でタイヤの各部材の形状(クリンチの場合は、クリンチ用ゴム組成物をクリンチの形状、ケースの場合は、未加硫の段階で、シート状のケースコード被覆用ゴム組成物をケースコードに上下から圧着被覆してケースの形状)に合わせて押し出し加工し、タイヤ成型機上にて通常の方法にて成形し、他のタイヤ部材とともに貼り合わせ、未加硫タイヤを形成した後、加硫機中で加熱加圧してタイヤを製造することができる。
ケースコードとしては、第一の本発明と同様のものを使用できる。
実施例に基づいて、本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらのみに限定されるものではない。
以下、実施例及び比較例で使用した各種薬品について、まとめて説明する。
NR:TSR20
SBR:日本ゼオン(株)製のSBR1502(E−SBR)
BR1:ランクセス(株)製のCB24(Nd系触媒を用いて合成したBR、Tg:−116℃、シス含量:96質量%、ビニル含量:0.7質量%、ML1+4(100℃):45、Mw/Mn:2.69、Mw:50万、Mn:18.6万)
BR2:日本ゼオン(株)製のBR1250H(スズ変性BR)
カーボンブラック1:三菱化学(株)製のダイアブラックH(N330、NSA:79m/g)
カーボンブラック2:三菱化学(株)製のダイアブラックE(N550、NSA:41m/g)
シリカ:デグッサ社製のULTRASIL VN3(NSA:175m/g)
老化防止剤:住友化学(株)製のアンチゲン6C(N−(1,3−ジメチルブチル)−N’−フェニル−p−フェニレンジアミン)
スミカノール620:田岡化学工業(株)製の変性レゾルシン樹脂
スミカノール507A:田岡化学工業(株)製のメチレン供与体
酸化亜鉛:三井金属鉱業(株)製の亜鉛華1号
ステアリン酸:日油(株)製のステアリン酸「椿」
10%オイル含有不溶性硫黄:日本乾溜工業(株)製のセイミOT
TBBS:大内新興化学工業(株)製のノクセラーNS(N−tert−ブチル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド)
プロセスオイル:H&R社製のTDAE
ワックス:日本精蝋(株)製のOzoace0355
V200:田岡化学工業(株)製のタッキロールV200(アルキルフェノール・塩化硫黄縮合物(硫黄含有量:24質量%、重量平均分子量:9000)、式(1)中のR=C17、x=2、y=2、m:0〜100の整数)
TS3101:田岡化学工業(株)製のTS3101(アルキルフェノール・塩化硫黄縮合物(硫黄含有量:27質量%、重量平均分子量:62000)、式(1)中のR=C1225、x=2、y=2、m:170〜210の整数)
C5レジン:丸善石油化学工業(株)製のマルカレッツT−100AS
実施例及び比較例
表1〜3に示す配合内容に従い、バンバリーミキサーを用いて、スミカノール507A、加硫剤、及び加硫促進剤以外の材料を150℃の条件下で5分間混練りし、混練り物を得た。次に、得られた混練り物にスミカノール507A、加硫剤、及び加硫促進剤を添加し、オープンロールを用いて、80℃の条件下で3分間練り込み、未加硫ゴム組成物を得た。得られた未加硫ゴム組成物を170℃の条件下で12分間プレス加硫することにより、加硫ゴム組成物を得た。
また、得られた未加硫ゴム組成物を、クリンチ用ゴム組成物の場合はクリンチの形状に、ケースコード被覆用ゴム組成物の場合は、トッピング後のシートの厚みを1.2mmに成形後、該シートをケースコード(ポリエステルコード)に被覆してケースの形状に、サイドウォール用ゴム組成物の場合はサイドウォールの形状に成形した。そして、表2,3に示す組み合わせに従い、他のタイヤ部材と貼り合わせ、170℃で12分間プレス加硫することにより、試験用空気入りタイヤ(195/65R15)を作製した。
得られた加硫ゴム組成物、試験用空気入りタイヤを使用して、下記の評価を行った。それぞれの試験結果を表1〜3に示す。
(複素弾性率(硬度)(E)、低燃費性(tanδ))
岩本製作所(株)製の粘弾性スペクトロメーターを用いて、70℃、初期歪10%、動歪み2%、周波数10Hzの条件下で、各加硫ゴム組成物の損失正接(tanδ)及び複素弾性率(E)を測定した。
tanδが小さいほど、転がり抵抗が低く、低燃費性に優れることを示す。Eが大きいほど、操縦安定性に優れることを示す。
(引張試験)
加硫ゴム組成物からなる3号ダンベル型試験片を用いて、JIS K 6251「加硫ゴム及び熱可塑性ゴム−引張特性の求め方」に準じて、室温にて引張試験を実施し、破断時伸びEB(%)を測定した。EBが大きいほど、破断時伸びに優れることを示す。
(ドラム耐久性(高荷重耐久ドラム試験))
JIS規格の最大荷重(最大内圧条件)の230%荷重の条件下で、前記タイヤを速度20km/hでドラム走行させ、タイヤが損傷するまでの走行距離を測定した。そして、基準タイヤの耐久性指数を100とし、以下の計算式により、各タイヤの走行距離を指数表示した。なお、耐久性指数が大きいほど、耐久性が優れ、良好であることを示す。
なお、基準タイヤは、表2では、ケースコード被覆用ゴム組成物Aとサイドウォール用ゴム組成物Iを組み合わせた空気入りタイヤ、表3では、ケースコード被覆用ゴム組成物Aとクリンチ用ゴム組成物Iを組み合わせた空気入りタイヤとした。
なお、ドラム耐久性の評価結果が斜体になっているものは比較例に該当し、評価結果が斜体になっていないものは実施例に該当する。
(耐久性指数)=(各タイヤの走行距離)/(基準タイヤの走行距離)×100
Figure 0005698314
Figure 0005698314
Figure 0005698314
表1,2により、サイドウォール及びケースを有する空気入りタイヤであって、サイドウォールが、特定量の硫黄を含むサイドウォール用ゴム組成物からなり、ケースが、ケースコードをケースコード被覆用ゴム組成物で被覆されてなり、サイドウォール用ゴム組成物及びケースコード被覆用ゴム組成物の硫黄の含有量が特定の関係式を満たす空気入りタイヤは、耐久性に優れていた。また、良好な操縦安定性、低燃費性、破断時伸びも同時に得られた。
サイドウォール用ゴム組成物Aよりもプロセスオイルの含有量が多いサイドウォール用ゴム組成物Hを使用した空気入りタイヤは、サイドウォール用ゴム組成物Aを使用した空気入りタイヤに比べて、耐久性に劣っていた。
ケースコード被覆用ゴム組成物Aを使用した空気入りタイヤの耐久性が非常に優れていた。ケースコード被覆用ゴム組成物Fを使用した空気入りタイヤは、低燃費性に非常に優れていた。
表1,3により、クリンチ及びケースを有する空気入りタイヤであって、クリンチが、特定量の硫黄を含むクリンチ用ゴム組成物からなり、ケースが、ケースコードをケースコード被覆用ゴム組成物で被覆されてなり、クリンチ用ゴム組成物及びケースコード被覆用ゴム組成物の硫黄の含有量が特定の関係式を満たす空気入りタイヤは、耐久性に優れていた。また、良好な操縦安定性、低燃費性、破断時伸びも同時に得られた。
クリンチ用ゴム組成物Aよりもプロセスオイルの含有量が多いクリンチ用ゴム組成物Hを使用した空気入りタイヤは、クリンチ用ゴム組成物Aを使用した空気入りタイヤに比べて、耐久性に劣っていた。
クリンチ用ゴム組成物Aよりも加硫促進剤の含有量が少ないクリンチ用ゴム組成物Eを使用した空気入りタイヤは、クリンチ用ゴム組成物Aを使用した空気入りタイヤに比べて、耐久性に劣っていた。
ケースコード被覆用ゴム組成物Aを使用した空気入りタイヤの耐久性が非常に優れていた。

Claims (10)

  1. サイドウォール及びケースを有する空気入りタイヤであって、
    サイドウォールが、希土類元素系触媒を用いて合成されたブタジエンゴムを含み、ゴム成分100質量部に対する硫黄の含有量が1.41質量部を超え2.5質量部未満であるサイドウォール用ゴム組成物からなり、
    ケースが、ケースコードをケースコード被覆用ゴム組成物で被覆されてなり、
    サイドウォール用ゴム組成物及びケースコード被覆用ゴム組成物の硫黄の含有量が下記関係式を満たす空気入りタイヤ。
    −0.2<(ケースコード被覆用ゴム組成物のゴム成分100質量部に対する硫黄の含有量)−(サイドウォール用ゴム組成物のゴム成分100質量部に対する硫黄の含有量)<1.1
  2. サイドウォール用ゴム組成物の硫黄の含有量が、ゴム成分100質量部に対して、1.61質量部を超え2.3質量部未満である請求項1記載の空気入りタイヤ。
  3. ケースコード被覆用ゴム組成物の硫黄の含有量が、ゴム成分100質量部に対して、1.91質量部を超え3.5質量部未満である請求項1又は2記載の空気入りタイヤ。
  4. サイドウォール用ゴム組成物のプロセスオイルの含有量が、ゴム成分100質量部に対して、10質量部以下である請求項1〜3のいずれかに記載の空気入りタイヤ。
  5. サイドウォール用ゴム組成物のアルキルフェノール・塩化硫黄縮合物の含有量が、ゴム成分100質量部に対して、0.2〜6質量部である請求項1〜4のいずれかに記載の空気入りタイヤ。
  6. ケースコード被覆用ゴム組成物のプロセスオイルの含有量が、ゴム成分100質量部に対して、4〜12質量部である請求項1〜5のいずれかに記載の空気入りタイヤ。
  7. ケースコード被覆用ゴム組成物が、チッ素吸着比表面積が60〜150m/gのカーボンブラックを含む請求項1〜6のいずれかに記載の空気入りタイヤ。
  8. サイドウォール用ゴム組成物が、チッ素吸着比表面積が20〜60m/gのカーボンブラックを含む請求項1〜7のいずれかに記載の空気入りタイヤ。
  9. サイドウォール用ゴム組成物が、ゴム成分100質量%中の天然ゴムの含有量が50〜80質量%である請求項1〜8のいずれかに記載の空気入りタイヤ。
  10. サイドウォール用ゴム組成物が、ゴム成分100質量%中のブタジエンゴムの含有量が20〜50質量%である請求項1〜9のいずれかに記載の空気入りタイヤ。
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