JP2014113703A - Led封止体用金型離型フィルムおよびそれを用いたled封止体の製造方法 - Google Patents

Led封止体用金型離型フィルムおよびそれを用いたled封止体の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】複雑な形状の金型に対して追従させても、フィルムの破れおよび厚みムラなどを生じず、離型性および得られる樹脂成形体の表面状態の良好な離型フィルムを提供する。
【解決手段】
基材層Cと、前記基材層Cの一方の表面上に配置される、4−メチル−1−ペンテンと、前記4−メチル−1−ペンテン1以外の炭素数2〜20のα−オレフィンとの共重合体を主成分として含む最外層Aとを含み、前記共重合体における前記4−メチル−1−ペンテン1以外の炭素数2〜20のα−オレフィン由来の構成単位の含有割合が、3質量%以上であり、前記最外層Aが離型層であり、23℃で測定される最大押し込み深さをD(μm)としたときに、下記式で定義される前記最外層Aのダイナミック硬さが0.5以上8.0以下である、LED封止体用金型離型フィルム。
ダイナミック硬さ=3.8584×0.5/D
【選択図】図1

Description

発光ダイオード(LED:Light Emitting Diode。以下、単に「LED」とも記す)を含む半導体チップは、通常、封止樹脂で封止された半導体パッケージと呼ばれる樹脂成形体として基板上に実装される。このような半導体パッケージは、例えば、半導体チップを配置した金型に封止樹脂を注入し、注入された封止樹脂を硬化成形することで製造される。
近年、半導体パッケージの小型軽量化に伴い、封止樹脂の量を減らすことが検討されている。また、封止樹脂の量を減らした場合であっても半導体チップと封止樹脂とが強固に接着されるように、封止樹脂に含有させる離型剤の量を減らすことが検討されている。このため、硬化成形後の封止樹脂を金型から容易に離型させるべく、金型内面と封止樹脂との間に離型フィルムを配置する方法が採用されている(例えば、特許文献1参照)。
樹脂材料の金型成形に用いられる離型フィルムとして、例えば、特許文献2〜7に開示されたものが知られている。特許文献2には、4−メチル−1−ペンテン樹脂からなる表面層と、ポリエステルを含有するポリマーアロイからなる支持体層とを備えた離型フィルムが記載されている。特許文献3には、4−メチル−1−ペンテン共重合体からなる樹脂層と、ポリオレフィンまたはポリアミドからなる樹脂層が積層された多層インフレーションフィルムが記載されている。
特許文献4には、「多層プリント基板製造用の離型フィルム」として、A層(表面層)/B層(接着層)/C層(基材層)/B’層(接着層)/A’層(表面層)の5層構造を有し、A層(表面層)およびA’層(表面層)が4−メチル−1−ペンテン系重合体樹脂を含むフィルムが記載されている。特許文献5には、「半導体樹脂パッケージ製造用の離型フィルム」として、前述と同様の5層構造を有し、さらにB層(接着層)が変性4−メチル−1−ペンテン系重合体を含み、C層(基材層)がポリアミド樹脂を含むフィルムが記載されている。
特許文献6には、「LED封止体用の離型フィルム」として、4−メチル−1−ペンテン共重合体からなる表面層と、ポリエステル共重合体からなる樹脂層の積層フィルムが記載されている。同用途のフィルムとして、特許文献7には、4−メチル−1−ペンテン共重合体と熱可塑性エラストマーのポリマーアロイフィルムが記載されている。
特許第4096659号公報 特開2000−218752号公報 特開2001−62893号公報 特開2004−82717号公報 国際公開第2010/023907号公報 特開2011−240547号公報 特開2012−153775号公報
しかしながら、LEDの封止体(パッケージ)を製造する際に使用される金型などは、通常の半導体パッケージを製造するための金型に比してギャップ(上金型と下金型のパーティング面からキャビティの最深部までの段差)が大きく、形状が複雑である場合が多い。また、LED封止体のレンズ部分は、封止体内のLED素子からの光の方向を調整するものでもある。そのため、LED素子からの光を設計どおりに集光できるように、LEDパッケージ製造時に、LEDパッケージの表面状態を制御する必要がある。
これに対して、特許文献2〜5等に記載された離型フィルムをLEDパッケージ製造に使用すると、フィルムの機械的強度(弾性率等)が高く、金型の形状に沿って伸びきれず(追従せず)、金型面に密着しない場合があった。それにより、金型内の離型フィルムに「放射状の皺」が生じることがあった。また、これらの離型フィルムを、強引に伸ばして金型の形状に追従させたとしても、離型層の最表面が均一に伸びず(均一に伸張変形せず)、ネッキングが生じる場合があった。それにより、金型内の離型フィルムに「厚みムラ」が生じることがあった。一方、フィルムの機械的強度が低い場合は、金型の形状に沿って伸びる際に、フィルムが局所的に伸びすぎてしまい、金型内の離型フィルムに「凹凸皺」が生じることがあった。これらにより、樹脂成形体を離型フィルムから剥離する際の離型性が低下し、樹脂成形体の表面に「放射状の皺」、「厚みムラ」あるいは「凹凸皺」が転写されて、外観が損なわれる場合があった。
また、特許文献7に記載の離型フィルムは、機械的強度が低すぎるため、離型フィルムを金型内に固定する際に、金型温度等の条件によっては、離型フィルムが破れる場合があった。このように、特許文献2〜7に記載の離型フィルムをLEDパッケージ製造に使用すると、離型層の最表面が不均一に伸びることによる厚みムラや、フィルムが局所的に伸びすぎることによる凹凸皺が生じやすかった。それにより、局所的に離型性が悪化し、離型フィルムの一部が残渣として残ったりして、LEDパッケージの表面が荒れ、LED素子からの光を設計どおりに集光できない場合があった。
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、複雑な形状の金型に対して追従させても、フィルムの破れや厚みムラなどを生じず、離型性が良好で、かつ得られる樹脂成形体の表面状態が良好な離型フィルムを提供することを目的とする。
[1] 基材層Cと、4−メチル−1−ペンテンと前記4−メチル−1−ペンテン1以外の炭素数2〜20のα−オレフィンとの共重合体を主成分として含む最外層Aと、を含み、前記最外層Aが離型層であり、前記共重合体における前記4−メチル−1−ペンテン1以外の炭素数2〜20のα−オレフィン由来の構成単位の含有割合が1質量%以上であり、前記最外層Aの表面の十点平均粗さRzJISが、0μm以上1.5μm以下であり、23℃で測定される最大押し込み深さをD(μm)としたときに、下記式で定義される前記最外層Aのダイナミック硬さが0.5以上8.0以下である、LED封止体用金型離型フィルム。
ダイナミック硬さ=3.8584×0.5/D
[2] 前記金型離型フィルムの前記最外層Aとは反対側の面の十点平均粗さRzJISが、0μm以上1.5μm以下である、[1]に記載のLED封止体用金型離型フィルム。
[3] 前記基材層Cと前記最外層Aとを接着させる接着層Bをさらに含む、[1]または[2]に記載のLED封止体用金型離型フィルム。
[4] 前記共重合体における、4−メチル−1−ペンテン由来の構成単位の含有割合が93質量%以上である、[1]〜[3]のいずれかいずれかに記載のLED封止体用金型離型フィルム。
[5] 前記基材層Cと、前記基材層Cを挟持する、前記最外層Aおよび前記共重合体を含む他の最外層A’と、前記最外層Aと前記基材層Cとを接着させる接着層Bおよび前記他の最外層A’と前記基材層Cとを接着させる接着層B’と、を含む、[1]〜[4]のいずれかに記載のLED封止体用金型離型フィルム。
[6] 前記基材層Cは、ポリアミド樹脂を含む、[1]〜[5]のいずれかに記載のLED封止体用金型離型フィルム。
[7] 前記接着層Bは、変性4−メチル−1−ペンテン共重合体を含む、[3]〜[6]のいずれかに記載のLED封止体用金型離型フィルム。
[8] 前記基材層Cは、ポリアミド6を含む、[1]〜[7]のいずれかに記載のLED封止体用金型離型フィルム。
[9] 120℃における引張破壊応力が、4.0MPa以上40MPa以下である、[1]〜[8]のいずれかに記載のLED封止体用金型離型フィルム。
[10] 120℃における貯蔵弾性率E’が、30MPa以上200MPa以下である、[1]〜[9]のいずれかに記載のLED封止体用金型離型フィルム。
[11] [1]〜[10]のいずれかに記載のLED封止体用金型離型フィルムを、前記離型フィルムの最外層Aとは反対側の面が金型内面に接するように配置する工程と、前記金型内に、LED搭載基板を配置する工程と、前記金型内に封止樹脂を充填して型締めし、前記封止樹脂を硬化させてLED封止体を得る工程と、得られた前記LED封止体を前記離型フィルムから剥離させる工程とを含む、LED封止体の製造方法。
本発明の離型フィルムは、金型内で破れることなく、複雑な形状の金型に対する追従性に優れており、離型面の最表面が均一に伸び、かつ樹脂成形体からの離型性に優れている。それにより、外観の良好な樹脂成形体を得ることできる。本発明の離型フィルムは、これらの優れた特性を生かし、LEDパッケージをはじめとする比較的複雑な形状を有する金型を用いた各種樹脂成形体を製造する工程において好適に用いることができる。
本発明の離型フィルムの好ましい構成の一例を示す模式図である。 フィルムの製造装置の一部の例を示す模式図である。 金型に離型フィルムを配置した状態を模式的に示す断面図である。 金型内に封止樹脂を充填した状態を模式的に示す断面図である。 型締めして封止樹脂を硬化させる状態を模式的に示す断面図である。 型開きした状態を模式的に示す断面図である。 LEDパッケージの一例を模式的に示す断面図である。 実施例の離型フィルムの評価方法において、金型に離型フィルムを配置した状態を模式的に示す断面図である。 実施例の離型フィルムの評価方法において、金型に配置した離型フィルムを真空吸着させる状態を模式的に示す断面図である。 実施例の離型フィルムの評価方法において、離型フィルム上に封止樹脂を配置した状態を模式的に示す断面図である。 実施例の離型フィルムの評価方法において、型締めして封止樹脂を硬化させる状態を模式的に示す断面図である。 実施例の離型フィルムの評価方法において、型開きした状態を模式的に示す断面図である。
1.LED封止体用金型離型フィルム
本発明のLED封止体用金型離型フィルム(離型フィルム)は、基材層Cと、4−メチル−1−ペンテン共重合体を主成分として含む最外層Aとを含む。
本発明における離型フィルムは、成形金型の内部で、LED封止体を製造するときに、成形金型の内面に配置される。金型内面に本発明の離型フィルムを配置することで、得られるLED封止体を金型から容易に剥離することができる。
最外層A(離型層)
最外層Aは、基材層Cの一方の面上に直接または他の層(接着層Bなど)を介して配置され、フィルムに離型性を付与する機能を有する。最外層Aは、後述するLED封止体の製造工程において、LED封止体と接するように配置される。そのため、最外層Aは、高い離型性と耐熱性とを有することが求められる。
最外層Aは、4−メチル−1−ペンテン共重合体を主成分として含む。4−メチル−1−ペンテン共重合体は、融点が220〜240℃と高く、樹脂成形体の製造工程における金型温度で溶融しないだけでなく、表面エネルギーが低いことから離型性に優れる。本発明において、記号「〜」はその両端の範囲を含むものであり、以下においても同様である。
4−メチル−1−ペンテン共重合体とは、4−メチル−1−ペンテンと4−メチル−1−ペンテン以外の他の成分との共重合体をいう。
4−メチル−1−ペンテンと共重合体される他の成分は、好ましくは炭素原子数2〜20のα−オレフィンである。炭素原子数2〜20のα−オレフィンの例には、エチレン、プロピレン、1−ブテン、1−ヘキセン、1−ヘプテン、1−オクテン、1−デセン、1−テトラデセン、1−ヘキサデセン、1−ヘプタデセン、1−オクタデセン、および1−エイコセン等が含まれる。これらのα−オレフィンは、単独で、または2種以上を組み合せて用いてもよい。
炭素原子数2〜20のα−オレフィンは、好ましくは炭素原子数7〜20のα−オレフィンであり、より好ましくは炭素原子数8〜20のα−オレフィンであり、さらに好ましくは炭素原子数12〜20のα−オレフィンである。
4−メチル−1−ペンテン共重合体における、4−メチル−1−ペンテン由来の構成単位の含有割合は、93質量%以上が好ましく、93〜99質量%がより好ましく、93〜95質量%がさらに好ましい。このような、4−メチル−1−ペンテン共重合体は、4−メチル−1−ペンテンに由来する良好な剛性と、α−オレフィンに由来する良好な成形性とを有する。
4−メチル−1−ペンテン共重合体における、炭素原子数2〜20のα−オレフィン由来の構成単位の含有割合は、結晶化度を一定以下にするためには、1質量%以上であることが好ましく、5質量%以上であることがより好ましい。炭素原子数2〜20のα−オレフィン由来の構成単位の含有割合の上限は、例えば7質量%程度としうる。
4−メチル−1−ペンテン共重合体は、結晶性を有することが好ましい。具体的には、4−メチル−1−ペンテン共合体は、アイソタクチック構造またはシンジオタクチック構造を有することが好ましく、アイソタクチック構造を有することがより好ましい。4−メチル−1−ペンテン共重合体の分子量は、成形性および機械的特性を満たす範囲であれば、特に限定されない。
4−メチル−1−ペンテン共重合体の、ASTM D1238に準じて、荷重5.0kg、温度260℃で測定されるメルトフローレート(MFR)は、0.5〜250g/10分であることが好ましく、1.0〜150g/10分であることがより好ましい。4−メチル−1−ペンテン共重合体のMFRが、上記範囲にあると、製膜性や得られるフィルムの機械的特性に優れる。
4−メチル−1−ペンテン共重合体は、任意の方法で製造されうる。例えば、4−メチル−1−ペンテンをチーグラ・ナッタ触媒、メタロセン系触媒等の公知の触媒の存在下で重合させて得ることができる。本発明で用いられる4−メチル−1−ペンテン共重合体は、前述のように製造したものであってもよいし;市販品であってもよい。4−メチル−1−ペンテン共重合体の市販品の例には、三井化学株式会社製TPX等が含まれる。
最外層Aは、本発明の目的を損なわない範囲で、4−メチル−1−ペンテン共重合体以外に、他の樹脂や、添加剤をさらに含んでもよい。添加剤の例には、耐熱安定剤、耐候安定剤、発錆防止剤、耐銅害安定剤、帯電防止剤等の通常ポリオレフィンに配合される公知の添加剤が含まれる。4−メチル−1−ペンテン共重合体以外の化合物の含有量は、4−メチル−1−ペンテン共重合体100質量部に対して、0.0001質量部以上10質量部未満とすることが好ましい。
前述した通り、LED封止体などの製造に用いられる金型は、半導体樹脂パッケージなどの製造に用いられる通常の金型よりも、形状が複雑で、ギャップが大きい傾向がある。従来の離型フィルムは、機械的強度が高く、LED封止体などの製造に用いられる金型に用いると、金型の形状に対して追従しにくく、離型フィルムの最表面が不均一に伸びて、離型フィルムの表面に「厚みムラ」が生じることがある。このような厚みムラが生じると、離型フィルムの離型性が局所的に低下し、離型フィルムの一部が残渣として残り、樹脂成形体であるLEDパッケージの表面が荒れることがある。
そこで、本発明では、LED封止体などの製造に用いられる金型の形状に対する追従性を高め、かつ樹脂成形体からの離型性を高め、さらに得られるLED封止体をLED素子からの光の集光を妨げない表面状態にするために、最外層Aの表面のダイナミック硬さを一定以下にすることが好ましい。具体的には、最外層Aの表面のダイナミック硬さが、0.5以上8.0以下であることが好ましく、0.5以上5.0以下であることがより好ましく、0.5以上4.0以下であることがさらに好ましい。
最外層Aのダイナミック硬さは、以下の方法で算出されうる。
1)まず、島津製作所製ダイナミック超微小硬度計DUH−W201S(ダイヤモンド製三角すい圧子115°)を用いて、離型フィルムの最外層Aの、負荷−徐荷試験モードにおける最大押し込み深さD(μm)を測定する。測定条件は、温度23±2℃、湿度50±5%下、試験荷重(P)0.50mN、負荷速度0.142mN/sec、保持時間5secとしうる。
2)得られた最大押し込み深さDの測定値を下記式に当てはめて、ダイナミック硬さを算出する。
ダイナミック硬さ=3.8584×0.5/D
最外層Aのダイナミック硬さは、最外層Aの表面の結晶化度と関係しており、表面の結晶化度が高いほどダイナミック硬さは高く;結晶化度が低いほどダイナミック硬さは低くなる。
一般的には、結晶化度を高くする(ダイナミック硬さを高くする)ほど、離型性が高まると考えられる。これに対して、本発明者らは、LED封止体などの製造工程においては、最外層Aの表面の結晶化度をむしろ低くする(ダイナミック硬さを低くする)ことで、離型性が高まることを見出した。
この理由は、必ずしも明らかではないものの以下のように推測される。即ち、離型フィルムは、LED封止体の製造に用いられる金型では、通常の金型よりも高度に伸張(延伸)されやすい。このとき、樹脂成形体と接する離型フィルムの最外層Aの表面の結晶化度が低いと、最外層Aの表面が均一に伸張変形しやすい(延伸されやすい)ため、離型フィルムの表面も局所的に延伸される部分が少なくなり、厚みムラ(凹凸)が生じにくい。それにより、成形時に、封止樹脂が離型フィルムの凹凸とLED搭載基板との間に入り込むのを抑制し、離型性が高まると考えられる。また、離型フィルムの表面の厚みムラ(凹凸)が抑制されるため、厚みムラ(凸凹)が樹脂成形体の表面に転写されるのを抑制でき、外観の良好な樹脂成形体(LEDパッケージ)を得ることができる。また、離型性の局所的な悪化による離型フィルムの残渣の発生を抑制でき、表面状態の良好な樹脂成形体(LEDパッケージ)を得ることができる。
さらに、最外層Aが均一に伸張変形する(延伸される)結果、局所的に延伸される部分が少なくなり、機械的強度を維持しやすい。その結果、金型成形時の離型フィルムの破れも抑制しうると考えられる。
最外層Aのダイナミック硬さは、前述の通り、最外層Aの結晶化度によって調整することができ;最外層Aの結晶化度は、最外層Aの構成材料(具体的には、4−メチル−1−ペンテン共重合体における共重合成分の種類や含有割合など)や、フィルムの製造工程でのキャストロールの温度などによって調整されうる。
最外層Aの表面の結晶化度を低くしてダイナミック硬さを小さくするためには、例えば最外層Aの4−メチル−1−ペンテン共重合体における、4−メチル−1−ペンテン以外の他の成分である炭素原子数2〜20のα−オレフィンの含有割合を多くしたり;α−オレフィンの炭素原子数を多くしたり;フィルムの製造工程でのキャストロール温度を調整したりすることが好ましい。
本発明では、後述するLED封止体などの樹脂成形体の製造工程において、得られる樹脂成形体の表面の光沢を向上させ、かつ樹脂成形体からの離型性をさらに高めるため、樹脂成形体と接する最外層Aの表面粗さを一定以下にすることが好ましい。具体的には、最外層Aの表面の十点平均粗さRzJISが、0μm以上1.5μm以下であることが好ましく、0μm以上1.0μm以下であることがより好ましく、0μm以上0.5μm以下であることがさらに好ましい。
即ち、最外層Aの表面の粗さが大きすぎると、金型成形時に、最外層Aの表面の粗面形状が、樹脂成形体であるLED封止体の表面に転写される。LED封止体のレンズ部分は、封止体内のLED素子からの光の方向を調整するものでもある。そのため、LED封止体の表面に、粗面形状に起因する凹凸があると、LED素子からの光が拡散してしまい、設計どおりに光を集光することが困難になることがある。
また、最外層Aの表面の粗さが大きすぎると、金型成形時に最外層Aの表面の凹凸に液状の成形用樹脂が入り込むため、成形用樹脂の硬化後に樹脂成形体からの離型フィルムの離型性が低下することがある。
これに対して、最外層Aの表面の十点平均粗さRzJISが0μm以上1.5μm以下の範囲であると、最外層Aの表面の平滑性が樹脂成形体の表面に転写して、金型設計通りに集光性を再現することが出来る。また、最外層Aの表面の凹凸に液状の成形用樹脂が入り込みにくいため、樹脂成形体からの離型がさらに容易になる。また、金型内で、離型フィルムと基板との間に隙間が形成されにくいため、樹脂成形体のバリの発生を抑制でき、金型形状を精度よく再現できる。
最外層Aの表面の十点平均粗さRzJISは、JIS−B0601に準拠した方法;具体的には、表面粗さ形測定機(東京精密社製、surfcom 130A)を用いて、測定長40mm、速度0.3mm/sにて測定されうる。
最外層Aの表面の十点平均粗さRzJISは、例えば、後述するフィルムの製造工程における、キャストロールの表面粗さ、またはタッチロールの表面粗さなどによって調整することができる。
前述の通り、本発明の離型フィルムは、機械的強度が低いと、金型内で局所的に伸びすぎてしまい、金型内の離型フィルムに凹凸皺が生じることがある。例えば、最外層Aの主成分である4−メチル−1−ペンテン共重合体の単層フィルムは、降伏点を有するため、伸張変形する際に不均一変形が生じやすい。それにより、フィルムが局所的に伸びすぎることによる凹凸皺が発生しやすい。このような凹凸皺も、前述と同様に、局所的な離型性の低下を生じさせ、樹脂成形体であるLEDパッケージの表面が荒れる原因となる。
この凹凸皺は、金型温度で均一変形する基材層Cを、本発明の離型フィルムに含有させることで解決できる。そのため、基材層Cは、降伏点を有さない材料で構成されることが好ましい。
基材層C
基材層Cは、離型フィルムの基材としての機能を有する。そのため、基材層Cは、耐熱性および機械的特性に優れることが好ましい。特に、基材層Cの主成分となる樹脂は、最外層Aの主成分である4−メチル−1−ペンテン共重合体よりも、高温での強度および耐クリープ性に優れることが好ましい。ここでの高温とは、樹脂成形体を製造する際の金型温度を意味する。
このような樹脂の例には、ポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂およびポリアミド樹脂が含まれる。なかでも、ポリアミド樹脂が好ましく、脂肪族ポリアミド樹脂がより好ましい。これらのポリアミド樹脂は、ポリエチレンテレフタレート樹脂等のポリエステル系樹脂と比較して、後述の接着層Bに含まれる変性4−メチル−1ーペンテン系重合体との接着性が高いため、最外層Aと基材層Cとの層間剥離を効果的に抑制できる。
脂肪族ポリアミド樹脂は、ラクタムの開環重合;脂肪族ジアミン成分と脂肪族ジカルボン酸成分との重縮合反応;または脂肪族アミノカルボン酸の重縮合によって得ることができる。
ラクタムを開環重合して得られる脂肪族ポリアミドの例には、ポリアミド6、ポリアミド11、ポリアミド12およびポリアミド612等が含まれる。脂肪族ジアミン成分と脂肪族ジカルボン酸成分との重縮合で得られる脂肪族ポリアミドの例には、ポリアミド66、ポリアミド610、ポリアミド46、ポリアミドMXD6、ポリアミド6T、ポリアミド6Iおよびポリアミド9T等が含まれる。
なかでも、ポリアミド6またはポリアミド66が好ましく;ポリアミド6がより好ましい。これらのポリアミドは、後述する接着層Bとの接着性が良好であるだけでなく、高融点かつ高弾性率であり、耐熱性および機械的特性に優れるからである。これらのポリアミドを含む基材層Cを有する離型フィルムは、金型内でシワを生じ難いだけでなく、ピンホール状の破れも生じ難い。ピンホール状の破れを介した封止樹脂の漏れが著しいと、金型キャビティ内壁に封止樹脂の成分の一部が付着および堆積し、短時間で金型を汚染するため、好ましくない。
脂肪族ポリアミドの、DSC法により測定される融点は、190℃以上が好ましい。190℃よりも低い融点を有する脂肪族ポリアミドを基材層Cとする離型フィルムは、耐熱性が十分でないことがあり、シワが生じやすいからである。
基材層Cは、多層であってもよく、例えば「C/C’/C」で示されるように3層であってもよい。その場合、基材層Cおよび基材層C’の少なくとも一方がポリアミド6を含むことが好ましい。
基材層Cは、前述のポリアミド樹脂等以外の他の樹脂をさらに含んでもよい。他の樹脂の好ましい例には、最外層Aの主成分である4−メチル−1−ペンテン系重合体よりも、高温での引張応力や圧縮応力に対する耐クリープ性に優れる耐熱エラストマーや、応力緩和しにくく、弾性回復性の高い耐熱エラストマーなどが含まれる。
このような耐熱エラストマーの例には、接着層Bとの接着性を考慮すると、熱可塑性ポリアミド系エラストマー、熱可塑性ポリエステル系エラストマーなどが含まれる。
熱可塑性ポリアミド系エラストマーの例には、ポリアミドをハードセグメントとし、ポリエステルまたはポリエーテルをソフトセグメントとするブロック共重合体が含まれる。ハードセグメントを構成するポリアミドの例には、ポリアミド6、ポリアミド66、ポリアミド610、ポリアミド612、ポリアミド11などが含まれる。ソフトセグメントを構成するポリエーテルの例には、ポリエチレングリコール(PEG)、ポリプロピレングリコール(PPG)、ポリテトラメチレングリコール(PTMG)などが含まれる。
熱可塑性ポリエステル系エラストマーの例には、結晶性の芳香族ポリエステル単位からなる結晶性重合体をハードセグメントとし、ポリエーテル単位または脂肪族ポリエステル単位からなる非晶性重合体をソフトセグメントとするブロック共重合体が含まれる。ハードセグメントを構成する結晶性の芳香族ポリエステル単位からなる結晶性重合体の例には、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリブチレンナフタレート(PBN)などが含まれる。ソフトセグメントを構成するポリエーテル単位からなる非晶性重合体の例には、ポリテトラメチレンエーテルグリコール(PTMG)などが含まれる。ソフトセグメントを構成する脂肪族ポリエステル単位からなる非晶性重合体の例には、ポリカプロラクトン(PCL)などの脂肪族ポリエステルが含まれる。
熱可塑性ポリエステル系エラストマーの具体例には、ポリブチレンテレフタレート(PBT)とポリテトラメチレンエーテルグリコール(PTMG)とのブロック共重合体;ポリブチレンテレフタレート(PBT)とポリカプロラクトン(PCL)とのブロック共重合体;ポリブチレンナフタレート(PBN)と脂肪族ポリエステルとのブロック共重合体などが含まれる。
熱可塑性ポリアミド系エラストマーおよび熱可塑性ポリエステル系エラストマーのDSC法により測定される融点は、190℃以上であることが好ましい。なお、熱可塑性エラストマーの融点が190℃未満であっても、熱可塑性エラストマーを、架橋剤や架橋助剤により化学的に架橋させたり、紫外線や電子線、ガンマ線などで物理的に架橋させたりすることで、高温での耐クリープ性や弾性回復性を向上させてもよい。
基材層Cは、本発明の目的を損なわない範囲で、公知の添加剤をさらに含んでいてもよい。基材層Cがポリアミド樹脂を主成分として含む場合、添加剤は、例えば耐熱老化の改善を目的とした銅化合物系を含む耐熱安定剤;ステアリン酸カルシウムおよびステアリン酸アルミニウムなどの滑剤などの公知の添加剤であってよい。
前述の通り、最外層Aのダイナミック硬さが一定以下であっても、基材層Cが金型温度で降伏点を有していたり、機械的強度が低すぎたりすると、離型フィルムの金型への固定時や金型成形時に、離型フィルムが局所的に伸びすぎて、凹凸皺を生じることがある。そのような凹凸皺は、樹脂成形体の表面に転写されて、外観不良を生じる場合がある。そこで、基材層Cは、降伏点を有さず、かつ120℃での貯蔵弾性率E’が一定範囲内であることが好ましく、例えば15MPa以上1000MPa以下であることが好ましい。
接着層B
本発明の離型フィルムは、基材層Cと最外層Aとの層間接着性を高めるためには、基材層Cと最外層Aとを接着させる接着層Bをさらに含むことが好ましい。
接着層Bは、基材層Cと最外層Aとの間に配置される。接着層Bを配置することで、成形において型締めする際に、金型内で離型フィルムに応力が集中し易い箇所における基材層Cと最外層Aとの層間剥離を抑制しうる。応力が集中しやすい箇所とは、例えば金型のキャビティの周縁部分(金型のキャビティ面とパーティング面の境界部分)などである。
接着層Bは、最外層Aおよび基材層Cの両方に対してなじみやすい樹脂を含むことが好ましい。そのため、接着層Bの主成分となる樹脂は、最外層Aの主成分である4−メチル−1−ペンテン共重合体を、基材層Cとなじみやすいように変性したもの(変性4−メチル−1−ペンテン共重合体)を含むことが好ましい。基材層Cは、好ましくはポリアミド樹脂を含むことから、変性4−メチル−1−ペンテン共重合体は、4−メチル−1−ペンテン共重合体を、不飽和カルボン酸およびその酸無水物の少なくとも一方(以下「不飽和カルボン酸等」ともいう)で変性したものであることが好ましい。
不飽和カルボン酸等で変性された4−メチル−1−ペンテン共重合体は、4−メチル−1−ペンテン共重合体と不飽和カルボン酸等とを共重合させること、好ましくは4−メチル−1−ペンテン共重合体と不飽和カルボン酸等とをグラフト重合させることによって得ることができる。4−メチル−1−ペンテン共重合体と不飽和カルボン酸等とのグラフト重合は、公知の方法、例えば4−メチル−1−ペンテン共重合体と不飽和カルボン酸等とを過酸化物等の存在下で溶融混練することによって行うことができる。
変性される4−メチル−1−ペンテン共重合体は、好ましくは前述の4−メチル−1−ペンテン共重合体でありうる。変性される4−メチル−1−ペンテン共重合体は、最外層Aと同一のものでもよいし、異なるものでもよい。変性される4−メチル−1−ペンテン共重合体の、135℃、デカヒドロナフタレン中で測定される極限粘度[η]は、0.5〜25dl/gが好ましく、0.5〜5dl/gがより好ましい。
不飽和カルボン酸等の例には、カルボキシル基と不飽和基を有する炭素数3〜20の不飽和化合物、無水カルボン酸基と不飽和基を有する炭素数3〜20の不飽和化合物などが含まれる。不飽和基の例には、ビニル基、ビニレン基、および不飽和環状炭化水素基が含まれる。
不飽和カルボン酸等の具体的な例には、アクリル酸、メタクリル酸等の不飽和モノカルボン酸;マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、シトラコン酸、アリルコハク酸、メサコン酸、グルタコン酸、ナジック酸TM、メチルナジック酸、テトラヒドロフタル酸、メチルヘキサヒドロフタル酸等の不飽和ジカルボン酸;および無水マイレン酸、無水イタコン酸、無水シトラコン酸、無水アリルコハク酸、無水グルタコン酸、無水ナジック酸TM、無水メチルナジック酸、無水テトラヒドロフタル酸、無水メチルテトラヒドロフタル酸等の不飽和ジカルボン酸無水物などが含まれる。なかでも、マレイン酸、無水マレイン酸、ナジック酸TM、または無水ナジック酸TMが好ましく、無水マレイン酸がより好ましい。これらは単独で、または2種以上を組み合わせて用いてもよい。
変性された4−メチル−1−ペンテン共重合体(以下「変性4−メチル−1−ペンテン共重合体」ともいう)のグラフト率は、20質量%以下であることが好ましく、0.1〜5質量%であることがより好ましく、0.5〜2質量%であることがさらに好ましい。グラフト率が上記範囲にある変性4−メチル−1−ペンテン共重合体は、最外層Aおよび基材層Cの両方に対して良好な接着性を有する。
変性4−メチル−1−ペンテン共重合体は、実質的に架橋構造を有さないことが好ましい。変性4−メチル−1−ペンテン系重合体が架橋構造を有さないことは、変性4−メチル−1−ペンテン共重合体を、例えばp−キシレン等の有機溶媒に溶解させて、ゲル状物が存在しないことによって確認できる。
変性4−メチル−1−ペンテン共重合体の、135℃、デカヒドロナフタレン中で測定される極限粘度[η]は、0.2〜10dl/gであることが好ましく、0.5〜5dl/gであることがより好ましい。
接着層Bの主成分となる樹脂は、前述の変性4−メチル−1−ペンテン共重合体のみであってもよいし、変性4−メチル−1−ペンテン共重合体と他のα−オレフィン重合体との混合物であってもよい。変性4−メチル−1−ペンテン共重合体と他のα−オレフィン重合体との混合物における、変性4−メチル−1−ペンテン共重合体の含有割合は、20〜40質量%であることが好ましい。
α−オレフィン重合体は、好ましくは炭素原子数2〜20のα−オレフィン重合体である。炭素原子数2〜20のα−オレフィン重合体の例には、エチレン、プロピレン、1−ブテン、1−ヘキセン、1−オクテン、1−デセン、1−テトラデセン、1−オクタデセンなどの重合体が含まれる。中でも、1−ブテン系重合体が好ましい。
1−ブテン系重合体は、1−ブテンの単独重合体、または1−ブテンと1−ブテン以外の炭素原子数2〜20のα−オレフィンとの共重合体でありうる。1−ブテン以外の炭素原子数2〜20のα−オレフィンの例には、エチレン、プロピレン、1−ヘキセン、1−オクテン、1−デセン、1−テトラデセン、1−オクタデセンなどが含まれ;好ましくはエチレンまたはプロピレンである。
1−ブテン系重合体は、1−ブテン由来の構成単位を60質量%以上含むことが好ましく、80質量%以上含むことがより好ましい。このような1−ブテン系重合体は、変性4−メチル−1−ペンテン共重合体との混合性(または相溶性)に優れるためである。
1−ブテン系重合体の、ASTM D1238に準じて、荷重2.16kg、温度190℃で測定されるメルトフローレート(MFR)は、0.01〜100g/10分であることが好ましく、0.1〜50g/10分であることがより好ましい。MFRが上記範囲内にある1−ブテン系重合体は、変性4−メチル−1−ペンテン共重合体との混合性(または相溶性)が良好であり、接着層Bの接着性を高めうる。
接着層Bも、最外層Aや基材層Cと同様に、主成分の他に、前述の添加剤を含んでもよい。
本発明の離型フィルムに含まれる基材層Cおよび接着層Bは、それぞれ一つであっても、複数あってもよい。基材層Cが、多層である場合、複数の基材層が直接積層されてもよいし、基材層同士の間に他の層(例えば接着層)がさらに配置されてもよい。
他の最外層A’
本発明の離型フィルムは、必要に応じて、前述した層以外の層をさらに含んでもよい。そのような層の例には、基材層Cの他方の面上に直接または接着層Bなどを介して配置され、離型フィルムの最外層Aとは反対側の面を構成する他の最外層A’が含まれる。
樹脂成形体からの離型性だけでなく、金型からの離型性も得るためには、他の最外層A’は、4−メチル−1−ペンテン系重合体を主成分として含むことが好ましい。
他の最外層A’に含まれる4−メチル−1−ペンテン系重合体は、4−メチル−1−ペンテンの単独重合体であっても、4−メチル−1−ペンテンとそれ以外の他の成分との共重合体(4−メチル−1−ペンテン共重合体)であってもよい。他の最外層A’に含まれる4−メチル−1−ペンテン共重合体としては、最外層Aに含まれる4−メチル−1−ペンテン共重合体と同様のものが挙げられる。
他の最外層A’の表面の十点平均粗さRzJISは、特に制限されないが、最外層A’と同様に一定以下であることが好ましい。これは、後述するLED封止体の製造工程において、ある一定の成形圧力が離型フィルムと樹脂成形体に加わることにより、最外層A’のRzJISに起因する凹凸だけでなく、他の最外層A’のRzJIS(金型に接している面のRzJIS)に起因する凸凹も樹脂成形体へ転写されるおそれがあるからである。
即ち、他の最外層A’の表面の十点平均粗さRzJISは、0μm以上1.5μm以下であることが好ましく、0μm以上1.0μm以下であることがより好ましく、0μm以上0.5μm以下であることがさらに好ましい。
他の最外層A’の表面の十点平均粗さRzJISは、前述と同様に、フィルムの製造工程におけるキャストロールまたはタッチロールの表面粗さ(好ましくはタッチロールの表面粗さ)などによって調整することができる。
もちろん、基材層Cが、耐熱性だけでなく離型性も有する場合には、離型フィルムの最外層Aとは反対側の面を構成する層は、基材層Cであってもよい。
本発明の離型フィルムの具体的な積層構造の例には、以下の態様が含まれる。以下の態様において、Aは最外層Aであり;Bは接着層Bであり;Cは基材層Cであり;A’は他の最外層A’であり;C’は、基材層C(中心層)の一つであり;Dは基材層Cと基材層C’を接着する接着層である。
A/C
A/C/A’
A/B/C
A/B/C/B/A’
A/B/C/C’/C/B/A’
A/B/C/D/C’/D/C/B/A’
これらの中でも、製造が容易であることなどから、「A/B/C/B/A’」の5層構造が好ましい。図1は、本発明の離型フィルムの好ましい構成の一例を示す模式図である。図1に示されるように、離型フィルム10は、基材層11と、基材層11を挟持する最外層15およびそれとは反対側の面を構成する他の最外層15’と、基材層11と最外層15との間、または基材層11と他の最外層15’との間に配置される一対の接着層13とを有する。基材層11は前記基材層Cであり;最外層15は前記最外層Aであり;接着層13は前記接着層Bであり;他の最外層15’は他の最外層A’である。
離型フィルム10の一方の面を構成する最外層15は、得られる樹脂成形体に接し;他方の面を構成する他の最外層15’は、金型内面に接する。そのため、離型フィルム10は、得られる樹脂成形体からの離型性だけでなく、金型内面からの離型性も良好になりうる。
このように、離型フィルム10は、中心層に対して対称な積層構造を有することが好ましい。対称な積層構造を有する離型フィルムは、金型内に固定されて加熱されたときに、熱膨張差や吸湿等による変形(反りなど)を生じにくいからである。
また、最外層15と他の最外層15’や一対の接着層13などの、離型フィルム10の中心層に対して対称な位置に配置される一対の層(同じ材質で構成される層)の厚みを同じにすることが好ましい。熱膨張率などに起因する変形量を互いに打ち消して、離型フィルムの変形(反りなど)を高度に抑制しうるからである。
離型フィルムの物性
離型フィルムの総厚みは、20〜100μmであることが好ましく、40〜60μmであることがより好ましい。離型フィルムの総厚みを一定以上にすることで、フィルムの機械的強度を確保しやすい。一方、離型フィルムの総厚みを一定以下とすることで、複雑な形状の金型に対しても良好な追従性が得られやすい。
具体的には、離型フィルムの総厚みが大きすぎると、機械的強度が高くなりすぎるため、金型の微細な形状に追従しにくい(金型への追従性が低下する)ことがある。それにより、金型の形状を忠実に再現できなかったり、樹脂成形体のサイズが設計よりも小さくなったりする可能性がある。それにより、余剰の封止樹脂が、金型から漏れ出すおそれがある。一方、離型フィルムの総厚みが小さすぎると、離型フィルムの機械的強度が低すぎて、成形工程で離型フィルムが破れて、樹脂漏れなどの不具合を生じる可能性がある。
離型フィルムの各層の厚みは、離型フィルムの総厚みが前記範囲になるように調整されればよい。具体的には、最外層Aの厚みは、1〜30μmであることが好ましく、5〜15μmであることがより好ましい。接着層Bの厚みは、1〜20μmであることが好ましく;基材層Cの厚みは、10〜40μmであることが好ましい。
接着層Bおよび基材層Cがそれぞれ複数ある場合、複数の接着層Bの合計厚みは2〜20μmであることが好ましく、複数の基材層Cの合計厚みは20〜40μmであることが好ましい。接着層Bが複数ある場合、各接着層Bの厚みは1〜10μmであることが好ましい。
他の最外層A’の厚みは、最外層Aと同様であってよく、例えば1〜30μmとすることができ、好ましくは5〜15μmである。
離型フィルムの金型の形状に対する追従性をさらに高めるためには、金型温度での貯蔵弾性率E’を調整することが必要である。金型温度の代表例は120℃であるため、120℃での貯蔵弾性率E’を目安とすることが好ましい。即ち、本発明の離型フィルムの120℃における貯蔵弾性率E’は、30MPa以上200MPa以下であることが好ましく、65MPa以上150MPa以下であることがより好ましい。封止樹脂の種類によっては、金型温度を120℃よりも高くする場合があるが、120℃での貯蔵弾性率E’がこの範囲の離型フィルムであれば外観不良等の問題なく使用できる。
離型フィルムの120℃における貯蔵弾性率E’が30MPa未満であると、離型フィルムが柔らかすぎるため、金型への固定時または金型成形時に離型フィルムが局所的に伸びすぎて、凹凸皺を生じる可能性がある。それにより、凹凸皺が樹脂成形体の表面に転写されて、外観不良を生じることがある。一方、120℃における貯蔵弾性率E’が150MPa超であると、離型フィルムが硬すぎるため、金型の形状に沿って伸びきれず(追従しきれず)、金型面に密着させることができない可能性がある。それにより、放射状の皺が生じ、その皺が樹脂成形体の表面に転写されて外観不良を生じることがある。
離型フィルムの貯蔵弾性率E’は、以下の方法に準拠して測定されうる。
動的粘弾性装置RSA−II(TA Instruments社製)を用いて、引張モード:振動周波数1Hz、測定速度:−80℃からサンプルが融解して測定不能になる温度まで、3℃/分の速度で昇温しながら、離型フィルムの搬送方向(MD方向)の弾性率を測定し、120℃における貯蔵弾性率E’を算出する。
離型フィルムの貯蔵弾性率E’は、主に基材層Cや最外層Aの種類によって調整されうる。
金型への固定時または金型成形時の離型フィルムの破れを抑制するために、本発明の離型フィルムの120℃における引張破壊応力は、4MPa以上40MPa以下であることが好ましく、10MPa以上25MPa以下であることがより好ましい。
120℃における引張破壊応力が4MPa未満であると、金型に離型フィルムを装着するために真空吸着させる際に、フィルムが破れやすい。そのため、真空漏れが生じて、離型フィルムを金型内に吸着できなかったり、破れた箇所から封止樹脂が漏れ出して、金型を汚染したりする可能性がある。一方、120℃における引張破壊応力が40MPa超であると、フィルム由来と考えられる放射状の皺が樹脂成形体に転写され、外観不良を生じる可能性がある。
離型フィルムの引張破壊応力は、以下の方法に準拠して測定されうる。
1)試験片として、離型フィルムから幅10mmで切り出した短冊片を準備する。短冊の長手方向が、フィルムの搬送方向と平行になるようにする。
2)120℃に調整した恒温槽つきの引張試験機に、前記試験片を、チャック間距離が10mmとなるように把持させる。そして、試験片を、引張速度20mm/分(一定)にて引っ張る。得られた引張応力−ひずみ曲線における引張破壊応力を、JIS−K7161に準拠して求める。
離型フィルムの引張破壊応力は、主に基材層Cの種類によって調整されうる。
本発明の離型フィルムは、樹脂成形体と接する最外層Aのダイナミック硬さが一定以下に調整されている。そのため、離型フィルムの金型への固定時や金型成形時;特に金型成形時に、離型フィルムを破断させることなく、その最外層Aの表面を均一に伸張変形させやすくし、ネッキングによる厚みムラを抑制できる。それにより、樹脂成形体からの離型性を高めることができ、外観不良の少ない樹脂成形体を得ることができる。
また、本発明の離型フィルムは、基材層Cをさらに有する。そのため、離型フィルムの金型への固定時や金型成形時に、離型フィルムが局所的に伸びすぎることによる凹凸皺をさらに抑制できる。それにより、樹脂成形体からの離型性をさらに高めることができ、外観不良の少ない樹脂成形体を得ることができる。
2.離型フィルムの製造方法
本発明の離型フィルムは、任意の方法で製造することができる。例えば、前述の4−メチル−1−ペンテン共重合体を含む最外層A用材料の溶融物と、基材層C用材料の溶融物とを共押出して得ることができる。
即ち、本発明の離型フィルムは、1)少なくとも前述の4−メチル−1−ペンテン共重合体を含む最外層A用材料の溶融物と、基材層C用材料の溶融物とを積層しながら共押出する工程、2)共押出された積層物を、キャストロール(冷却ロール)上で冷却固化する工程と、を経て得ることができる。以下、図2を参照しながら、最外層A/接着層B/基材層Cの3層構造の離型フィルム29を製造する例を説明する。
図2は、フィルムの製造装置の一部の例を示す模式図である。図2に示されるように、フィルムの製造装置20は、主に、フィードブロック21bを有するダイス21aと、ダイス21aから押し出された溶融物を挟圧しながら冷却するキャストロール23およびタッチロール25とを有する。
1)の工程における、最外層A用材料、接着層B用材料、および基材層C用材料の各溶融物は、それぞれ溶融押出機で溶融混練して得ることができる。そして、最外層A用材料、接着層B用材料、および基材層C用材料の各溶融物を、それぞれ導管21b1、21b2および21b3を通じて、フィードブロック21bに供給する。フィードブロック21bでは、各層用の溶融物を所定の層構成となるように積層し、導管21b4を通じてダイス21aに供給する。そして、ダイス21a(例えばT型ダイス)のスリット口から、積層された溶融物をフィルム状に押し出す。
図2では、フィードブロックを有するダイスを用いたフィードブロック積層方式の例を示したが、これに限定されず、マルチホールドダイ方式やデュアルスロットダイ方式などを採用してもよい。
2)の工程では、押し出された溶融物を、キャストロール23とタッチロール25とで狭圧しながら固化し、フィルム状の積層物を得る。
得られる最外層Aのダイナミック硬さを精度よく調整するためには、最外層A用材料の溶融物がキャストロール23と接するように、溶融物を押し出すことが好ましい。
キャストロール23の材質は、金属ロールであることが好ましい。キャストロール23の温度は、得られる最外層Aのダイナミック硬さが前述の範囲となるように調整されることが好ましい。即ち、キャストロール23の温度が低すぎると、得られる積層物に歪みが残ったり、結晶化度が低くなりすぎたりする可能性がある。キャストロール23の温度が高すぎると、冷却が不十分となり、得られる積層物の表層の結晶化度が高くなりすぎる可能性がある。キャストロール23の温度は、溶融物の種類や製造装置などによって異なるが、例えば15〜80℃とすることが好ましく、15〜40℃であることがより好ましい。
キャストロール23の表面粗さは、得られる積層物の一方の面(好ましくは最外層Aの表面)のRzJISが前述の範囲となるように調整されればよい。
タッチロール25は、可とう性を有する薄肉金属外筒を有するフレキシブルロールなどでありうる。タッチロール25の温度は、キャストロール23の温度と同様としうる。タッチロール25の表面粗さは、得られる積層物の他方の面(好ましくは他の最外層A’または基材層Cの表面)のRzJISが前述の範囲となるように調整されればよい。
キャストロール23とタッチロール25とで挟圧しながら固化して得られた積層物は、必要に応じて他のロール27などでさらに搬送してもよい。それにより、例えば最外層A/接着層B/基材層Cの積層構造を有する離型フィルム29を得ることができる。
3.離型フィルムを用いた金型成形方法
本発明の離型フィルムは、金型成形用の離型フィルムとして好適に用いられ、なかでも樹脂封止半導体;特にLEDパッケージの製造に好ましく用いられる。
本願発明のLEDパッケージ製造方法は、離型フィルムを成形用の金型に配置する第一の工程と、金型内にLED搭載基板を配置する第二の工程と、金型内に封止樹脂を充填して型締めし、封止樹脂を硬化させてLED封止体を得る第三の工程と、得られたLED封止体を離型フィルムから剥離させる第四の工程とを含む。
図3に示されるように、上金型33a、および所定形状のキャビティ32が形成された下金型33bからなる成形用の金型33の下金型33bに、離型フィルム31を配置する。
本発明の離型フィルム31は、最外層Aとは反対側の面が、下金型33bの内面に接し;最外層A(離型層)が、後述の封止樹脂39と接するように配置する。例えば、本発明の離型フィルム31が、最外層A/接着層B/基材層C/接着層B/他の最外層A’の5層構造を有する場合、離型フィルム31は、他の最外層A’が下金型33bの内面と接し;最外層A(離型層)が、後述の封止樹脂39と接するように配置すればよい。そして、下金型33bに配置された離型フィルム31は、例えば吸引等の操作によって下金型33bの内面に密着させる。吸引時の金型温度は、例えば金型成形時と同様の温度としうる(第一の工程)。
LEDパッケージを製造するためのキャビティ32は、直径0.5〜3mm程度の半球状あるいはそれに類似する形状である。即ち、従来の半導体封止用の金型に比して、LEDパッケージ製造用の金型は、上金型33aと下金型33bとのパーティング面からキャビティ32の最深部までの段差(ギャップ)が大きい。
なお、上金型33aには、複数のLED37を配置した基板35を配設する(第二の工程)。
次に、図4に示されるように、上金型33aと離型フィルム31を介した下金型33bとの間に、被成形材料として封止樹脂39を充填する。封止樹脂39としては、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂等の熱硬化性樹脂を挙げることができる。なかでも、透明性を有する樹脂が好ましい。本発明の離型フィルムは、特にシリコーン樹脂を封止樹脂として用いた場合に、その成形温度において、ネッキングによる厚みムラを生じにくいため、高い離型性を有し、良好な外観の樹脂成形体を得ることができる。
その後、図5に示されるように、金型33内に充填した封入樹脂39内に、LED37を配置して型締めする。型締め時の圧力は、特に限定されないが、1.0〜10.0MPa程度である。また、型締め時の温度も、特に限定されないが、110〜190℃程度とすればよい。
そして、所定の条件で封止樹脂39を硬化させる。硬化時の金型温度は、封止樹脂39の種類に応じて調整されうる。例えば、封止樹脂39としてシリコーン樹脂を用いた場合は、通常、80〜160℃あり;エポキシ樹脂を用いた場合は、通常、150〜200℃である(第三の工程)。
その後、図6に示されるように、金型33を型開きする。離型フィルム31は、離型性に優れるため、金型33(上金型33a及び下金型33b)や封止樹脂39から容易に離型させることができる。以上の操作により、図7に示されるようなLEDパッケージ40を得ることができる(第四の工程)。
本発明の離型フィルムは、最外層Aのダイナミック硬さが一定以下に調整されている。そのため、前述の第一の工程で離型フィルムを金型の内面に固定する際や、第三の工程で金型成形を行う際(特に第三の工程で金型成形を行う際)に、離型フィルムの最表面が均一に延伸されるため、離型フィルムの表面の厚みムラを抑制できる。さらに、本発明の離型フィルムは、基材層Cをさらに有するため、フィルムが局所的に伸びすぎることによる凹凸皺も抑制できる。それらにより、樹脂成形体からの離型性を高めつつ、厚みムラや凹凸皺がLEDパッケージの表面に転写されることによる外観不良を抑制できる。それにより、金型の内面形状を忠実に反映した、寸法精度の高いLEDパッケージを得ることができる。
本発明の離型フィルムを用いた金型成形方法を、LEDパッケージの製造方法の例で説明したが、これに限定されず、成形金型を用いた各種成形方法に好ましく使用できる。また、本発明の離型フィルムは、前述の成形方法に限らず、通常の半導体素子の封止に適用されるトランスファー成形などの成形方法にも用いることができる。
以下において、実施例を参照して本発明をより詳細に説明する。これらの実施例によって、本発明の範囲は限定して解釈されない。
1.離型フィルムの材料
1)最外層A用材料/他の最外層A’用材料
(材料A−1)
4−メチル−1−ペンテンとダイアレン168(三菱化学株式会社製、炭素数16と18のα−オレフィンの混合物)との共重合体を、定法により製造した。共重合体中のダイアレン168由来の構成単位の含有割合は、6.5質量%とした。
(材料A−2)
4−メチル−1−ペンテンと1−デセンとの共重合体を、定法により製造した。共重合体中の1−デセン由来の構成単位の含有割合は、2.5質量%とした。
(材料A−3)
プロピレン78重量部、エチレン16重量部、1−ブテン6重量部の共重合体を得た。得られた共重合体90重量部と、ホモポリプロピレン(プライムポリマー製F107BV)10重量部とを溶融混錬して、熱可塑性エラストマーを得た。そして、60重量部の材料A−1と、40重量部の熱可塑性エラストマーとを260℃で2軸押出機にて混練し、混合物を得た。
2)接着層B用材料
変性4−メチル−1−ペンテン共重合体の合成
4−メチル−1−ペンテンとダイアレン168(三菱化学株式会社製、炭素数16と18のα−オレフィンの混合物)との共重合体(ダイアレン168由来の構成単位の含有割合は6.5質量%)を、定法により準備した。
98.8質量部の前記共重合体、1質量部の無水マレイン酸、および有機過酸化物として0.2質量部の2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルペルオキシ)ヘキサンを、ヘンシェルミキサーで混合した。得られた混合物を、温度280℃を用いて二軸押出機で混練して、無水マレイン酸でグラフト変性された変性4−メチル−1−ペンテン共重合体を得た。得られた変性4−メチル−1−ペンテン共重合体のグラフト率は、0.9質量%であった。
接着層B用材料の調製
得られた25質量部の変性4−メチル−1−ペンテン共重合体、50質量部の4−メチル−1−ペンテンとダイアレン168(三菱化学製、炭素数16と18のα−オレフィンの混合物)との共重合体(ダイアレン168由来の構成単位の含有割合は6.5質量%)、25質量部の1−ブテン共重合体、安定剤として0.10質量部のイルガノックス1010(Irganox1010)(BASF(株)製)、および0.03質量部のステアリン酸カルシウム(日油(株)製)を、ヘンシェルミキサーにて3分間低速回転して混合した。得られた混合物を、二軸押出機を用いて280℃で溶融混練して、接着層B用材料を得た。
3)基材層C用材料
(材料C−1)
ポリアミド6(宇部興産株式会社製、商品名1030B、溶融温度220℃)を準備した。
(材料C−2)
ポリエステル系エラストマー(東レ・デュポン社製、商品名ハイトレル4777、融点200℃)を準備した。
(材料C−3)
ポリアミド66(デュポン株式会社製、商品名ザイテル(R)45HSB、溶融温度262℃)を準備した。
2.離型フィルムの製造と評価
(実施例1)
最外層A用材料A−1、接着層B用材料、基材層用材料C−1および他の最外層A’用材料A−1の各溶融物を、Tダイ成形機を用いて、表面が鏡面処理されたキャストロール上に共押出して、A−1(最外層A)/B(接着層B)/C−1(基材層C)/B(接着層B)/A−1(他の最外層A’)の5層構造を有する離型フィルムを得た。キャストロール温度は、20℃とした。フィルム厚みは、タッチロールにて調整した。離型フィルムの各層の厚みは、A−1/B/C/B/A−1=10/5/20/5/10μm(総厚み50μm)であった。
得られた離型フィルムの、最外層Aのダイナミック硬さおよびRzJIS、フィルムの貯蔵弾性率および引張破断応力を、以下の方法で測定した。
[ダイナミック硬さ]
島津製作所製ダイナミック超微小硬度計DUH−W201S(ダイヤモンド製三角すい圧子1115°)を用いて、離型フィルムの最外層Aの、負荷−徐荷試験モードにおける最大押し込み深さ(D)を測定した。測定は、温度23±2℃、湿度50±5%下で、試験荷重(P)0.50mN、負荷速度0.142mN/sec、保持時間5secの条件で行った。
そして、最大押し込み深さD(μm)の値を下記式に当てはめて、ダイナミック硬さを算出した。
ダイナミック硬さ=3.8584×0.5/D
[RzJIS]
成形体と接する最外層A(離型層)の表面のRzJISを、JIS−B0601に準拠して、表面粗さ測定機(東京精密社製、surfcom 130A)を用いて、測定長40mm、速度0.3mm/sにて測定した。
[貯蔵弾性率]
動的粘弾性装置RSA−II(TA Instruments社製)を用いて、引張モード:振動周波数1Hz、測定速度:−80℃からサンプルが融解して測定不能になる温度まで、3℃/分の速度で昇温しながら、離型フィルムの搬送方向(MD方向)の弾性率を測定し、120℃における貯蔵弾性率E’を算出した。
[引張破断応力]
1)試験片として、離型フィルムを切り出して、幅10mmの短冊状の試験片を得た。短冊状の試験片の長手方向が、フィルムの搬送方向と平行となるようにした。
2)前記試験片を、120℃に調整した恒温槽付きの引張試験機にて、チャック間距離が10mmとなるように把持して、引張速度20mm/分(一定)で引っ張った。得られた引張応力−ひずみ曲線における引張破壊応力を、JIS−K7161に準拠して求めた。
その結果、最外層Aのダイナミック硬さは3.5であった。また、最外層Aの表面のRzJISは0.5μmであり、他の最外層A’の表面のRzJISは0.5μmであった。
さらに、得られた離型フィルムの成形時の真空吸着可否、得られた樹脂成形体(レンズ)の表面状態(平滑性、光沢および離型フィルムの残渣)の評価を、以下の方法で行なった。これらの結果を表1に示す。
図8〜12に示すように、簡易レンズ評価金型にてレンズを成形した。まず、図8に示されるように、金型内面に、半径1.25mmの半球状の孔100個と、半径0.9mmの半球状の孔300個とがそれぞれ均等な間隔で配置された下金型64を準備した。次いで、離型フィルム67を、下金型64の内面に配置し、外枠65で固定した。次いで、図9に示されるように、金型側面部に加工されたスリット部(図示なし)から真空引きを行い、離型フィルム67を下金型64のレンズ形状に追従させた。真空引きの際の金型温度は120℃とした。
1)真空吸着可否
前述の通り、下金型64に離型フィルム67を固定する際、下金型64の側面のスリット部分から真空引きを行い、離型フィルム67を金型内面に追従させる(図9参照)。その際、離型フィルム67の機械的強度が低いと、離型フィルム67が破れて真空吸着できない。そこで、離型フィルム67を金型内面に真空吸着させて追従させるときの離型フィルムの破れの有無を、以下の基準で評価した。
○:離型フィルムが破れることなく、真空吸着が可能
×:離型フィルムが破れ、真空吸着が不可能
一方、上金型61には、ポリイミドテープ(厚さ:50ミクロン)を貼付したステンレス板62(厚さ:1mm)を配置した。ステンレス板62の平面寸法は200×78mmであり;離型フィルム67の平面寸法は200×300mmであり;下金型64の平面寸法は46×88mmであった。
次いで、図10に示されるように、離型フィルム67上に、シリンジにて封止樹脂63としてシリコーン樹脂(東レダウ・コーニング製OE6631(フェニル系))を1.4mL測量注入した。
次いで、図11に示されるように、20t油圧成形機(東邦マシナリー社製、図示なし)を使用して上下方向に圧縮した。圧縮条件は、温度120℃、圧力91kgf/cm(3MPa)、圧縮時間:5分間とした。この圧縮により、離型フィルム67が、下金型64の孔の形状に追従して延伸されるとともに、延伸されて形成された離型フィルム67の孔に、液状シリコーン樹脂が侵入し、加熱硬化反応によってシリコーン樹脂でできた半球形状のレンズが成形された。
次いで、図12に示されるように、金型を解放して離型フィルム67を剥離後、成形されたレンズ88の表面状態を取り出した。そして、得られたレンズ88の表面状態(平滑性、光沢性および離型フィルムの残渣)を、光学顕微鏡(キーエンスマイクロスコープVHX−1000/1100)を用いて評価した。
2)レンズ表面の平滑性
得られたレンズ表面の皺の有無を、光学顕微鏡(100倍)にて観察した。
○:シワが観測されない
×:シワが観測される
3)レンズ表面の光沢性
得られたレンズ表面が平滑か否かを、光学顕微鏡(100倍)にて観察した。
○:表面が平滑であり透明性がある
×:表面がマット状であり透明性がない
4)離型性(レンズ表面における離型フィルムの残渣の有無)
得られた半径1.25mmのレンズ(100個)の表面を、光学顕微鏡(倍率100倍)にて観察し、離型フィルム残渣の有無を評価した。
○:レンズ上にフィルム残渣なし
△:レンズ上にフィルム残渣100個中1〜50個有り
×:レンズ上にフィルム残渣100個中51〜100個有り
(実施例2)
キャストロールの温度を60℃にした以外は実施例1と同様にして離型フィルムを得た。最外層A(離型層)のダイナミック硬さは4.6であった。得られた離型フィルムを用いて実施例1と同様にレンズを成形して評価を行った。
(実施例3)
基材層Cの材料C−1を材料C−2に変更した以外は実施例2と同様にして離型フィルムを得た。最外層A、及び最外層Aとは反対側の面(最外層A’の表面)のRzJISは、1.0μmであった。得られた離型フィルムを用いて実施例1と同様にレンズ成形を実施して評価を行った。
(比較例1)
最外層A用材料としてA−2、基材層用材料としてC−3および他の最外層A’用材料としてA−2を用い、かつ層厚みを変更した以外は実施例2と同様にしてA−2/B/C−3/B/A−2の5層構造を有する離型フィルムを得た。離型フィルムの各層の厚みは、A−2/B/C−3/B/A−2=5/3/22/3/5μm(総厚み38μm)とした。
得られた離型フィルムの最外層A(離型層)のダイナミック硬さは9.6であった。また、離型フィルムの最外層A(離型層)の表面のRzJISは0.5μmであり、他の最外層A’の表面のRzJISは8.0μmであった。さらに、得られた離型フィルムを用いて実施例1と同様にレンズを成形して評価を行った。
(比較例2)
キャストロールの表面粗度を調整して、離型フィルムの最外層A(離型層)のRzJISが10μm、他の最外層A’の表面のRzJISが12μmとなるようにした以外は比較例1と同様にして離型フィルムを得た。得られた離型フィルムを用いて実施例1と同様にレンズを成形して評価を行った。
(比較例3)
キャストロールの表面粗度を調整して、離型フィルムの最外層A(離型層)のRzJISが30μm、他の最外層A’の表面のRzJISが25μmとなるようにした以外は比較例1と同様にして離型フィルムを得た。得られた離型フィルムを用いて実施例1と同様にレンズを成形して評価を行った。
(比較例4)
最外層A用材料A−1のみを用いた以外は実施例2と同様にして単層の離型フィルムを得た。得られた離型フィルムを用いて実施例1と同様にレンズを成形して評価を行った。
(比較例5)
最外層A用材料A−3のみを用いた以外は比較例4と同様にして単層の離型フィルムを得た。得られた離型フィルムを用いて実施例1と同様にレンズを成形して評価を行った。
実施例1〜3および比較例1〜5の評価結果を表1にまとめた。
Figure 2014113703
表1に示されるように、実施例1〜3の離型フィルムは、一定以上の貯蔵弾性率や引張破断応力を有しつつ、比較例1〜3の離型フィルムよりも最外層Aのダイナミック硬さが低いことがわかる。それにより、実施例1〜3の離型フィルムは、真空吸着時に破断を生じることなく、比較例1〜3の離型フィルムよりも離型性に優れ、かつレンズ表面の平滑性も良好であることがわかる。
このことから、離型フィルムの、樹脂成形体と接する最外層Aのダイナミック硬さがある程度低いと、離型性が高く、得られる樹脂成形体の外観も良好であることがわかる。最外層Aのダイナミック硬さが低いことは、最外層Aの表面の結晶化度が低いことを示している。即ち、一般的には、フィルムの少なくとも最外層Aの結晶化度が高いと、離型性が良好であることが知られている。これに反して、本発明の離型フィルムは、最外層Aの表面の結晶化度を低くすることで、離型性を高めている。
また、実施例1〜3の離型フィルムは、樹脂成形体と接する最外層AのRzJISが小さいため、レンズ表面の光沢も良好であることがわかる。
比較例1〜3の離型フィルムは、封止樹脂との離型性が低く、レンズ表面にフィルム残渣が多数残ることがわかる。また、レンズ表面に放射状の皺が形成され、レンズ表面の平滑性が低いことがわかる。放射状の皺は、主に離型フィルムの機械的強度(貯蔵弾性率)が高いことに起因すると考えられる。また、比較例1〜3の離型フィルムは、レンズ表面の光沢が低いことがわかる。これは、最外層AのRzJISが大きいためであると考えられる。
比較例4の離型フィルムは、レンズ表面の平滑性が低いことがわかる。これは、比較例4の離型フィルムは基材層Cを有さないため、降伏点を有する。そのため、比較例4の離型フィルムは、金型への固定時や金型成形時に不均一に伸長変形し、局所的に伸びすぎて、凹凸皺が顕著に発生したと考えられる。さらに、比較例5の離型フィルムは、機械的強度が低いため、金型への追従性は良好であるものの、離型フィルムを金型内に真空吸着させる際に、本条件では離型フィルムが破れて、真空吸着させることができなかった。
本発明のフィルムは、離型性に優れ、かつ外観の良好な樹脂成形体を提供することができるため、各種離型フィルムとして幅広く用いることができる。特に、本発明の離型フィルムは、半導体やLED封止体(LEDパッケージ)などを製造するための形状が複雑な金型を用いた成形に好ましく用いられる。
10、29、31、67 離型フィルム
11 基材層
13 接着層
15 最外層
15’ 他の最外層
20 フィルムの製造装置
21a ダイス
21b フィードブロック
21b1、21b2、21b3、21b4 導管
23 キャストロール
25 タッチロール
27 ロール
32、66 キャビティ
33 金型
33a、61 上金型
33b、64 下金型
35 基板
37 LED
39、63 封止樹脂
40 LEDパッケージ
62 ステンレス板
65 外枠
88 レンズ(成形体)

Claims (11)

  1. 基材層Cと、
    4−メチル−1−ペンテンと前記4−メチル−1−ペンテン1以外の炭素数2〜20のα−オレフィンとの共重合体を主成分として含む最外層Aと、
    を含み、
    前記最外層Aが離型層であり、
    前記共重合体における前記4−メチル−1−ペンテン1以外の炭素数2〜20のα−オレフィン由来の構成単位の含有割合が1質量%以上であり、
    前記最外層Aの表面の十点平均粗さRzJISが、0μm以上1.5μm以下であり、
    23℃で測定される最大押し込み深さをD(μm)としたときに、下記式で定義される前記最外層Aのダイナミック硬さが0.5以上8.0以下である、LED封止体用金型離型フィルム。
    ダイナミック硬さ=3.8584×0.5/D
  2. 前記金型離型フィルムの前記最外層Aとは反対側の面の十点平均粗さRzJISが、0μm以上1.5μm以下である、請求項1に記載のLED封止体用金型離型フィルム。
  3. 前記基材層Cと前記最外層Aとを接着させる接着層Bをさらに含む、請求項1または2に記載のLED封止体用金型離型フィルム。
  4. 前記共重合体における4−メチル−1−ペンテン由来の構成単位の含有割合が93質量%以上である、請求項1〜3のいずれか一項に記載のLED封止体用金型離型フィルム。
  5. 前記基材層Cと、
    前記基材層Cを挟持する、前記最外層Aおよび前記共重合体を含む他の最外層A’と、
    前記最外層Aと前記基材層Cとを接着させる接着層Bおよび前記他の最外層A’と前記基材層Cとを接着させる接着層B’と、
    を含む、請求項1〜4のいずれか一項に記載のLED封止体用金型離型フィルム。
  6. 前記基材層Cは、ポリアミド樹脂を含む、請求項1〜5のいずれか一項に記載のLED封止体用金型離型フィルム。
  7. 前記接着層Bは、変性4−メチル−1−ペンテン共重合体を含む、請求項3〜6のいずれか一項に記載のLED封止体用金型離型フィルム。
  8. 前記基材層Cは、ポリアミド6を含む、請求項1〜7のいずれか一項に記載のLED封止体用金型離型フィルム。
  9. 120℃における引張破壊応力が、4.0MPa以上40MPa以下である、請求項1〜8のいずれか一項に記載のLED封止体用金型離型フィルム。
  10. 120℃における貯蔵弾性率E’が、30MPa以上200MPa以下である、請求項1〜9のいずれか一項に記載のLED封止体用金型離型フィルム。
  11. 請求項1〜10のいずれか一項に記載のLED封止体用金型離型フィルムを、前記離型フィルムの最外層Aとは反対側の面が金型内面に接するように配置する工程と、
    前記金型内に、LED搭載基板を配置する工程と、
    前記金型内に封止樹脂を充填して型締めし、前記封止樹脂を硬化させてLED封止体を得る工程と、
    得られた前記LED封止体を前記離型フィルムから剥離させる工程と
    を含む、LED封止体の製造方法。
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