JP2014109623A - 画像形成装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】トナーパッチの長さが長いことによる不具合を抑制しつつも、画像濃度調整制御にかかる時間の短縮を図ることを課題とする。
【解決手段】トナーパッチのトナー付着量を濃度センサにより検出し、検出したトナー付着量に基づいて画像濃度調整制御を実行する画像形成装置において、トナーパッチを形成する前に検出タイミング調整用のトナーパターン(複数のトナー像形成部により形成される各色トナー像の相対位置を調整するための位置調整パターン)を形成し、濃度センサによる当該トナーパターンの検出タイミングに基づいて、濃度センサによる当該トナーパッチの検出タイミングを調整する。
【選択図】図7

Description

本発明は、プリンタ、複写機、ファクシミリ等の画像形成装置に係り、詳しくは、画像情報に応じて像担持体上に形成したトナー像を最終的に記録材上に転移させることで記録材上に画像を形成する画像形成装置に関するものである。
電子写真方式を用いた画像形成装置は、使用環境(温度や湿度)の変化あるいは経時変化によって画像濃度が変化するという問題がある。そのため、電子写真方式の画像形成装置の多くは、常に安定した画像濃度を得るために、所定タイミングで画像濃度調整制御を実施する。画像濃度調整制御は、一般に、目標画像濃度が互いに異なる複数のトナーパッチで構成される濃度検知用の階調パターン(トナーパターン)を感光体等の像担持体上に作成し、そのパターンの各パッチ濃度を光学センサ等の濃度センサにより検出する。そして、各パッチ濃度の検出結果(濃度センサの出力値)から、特定の画像濃度で目標のトナー付着量が得られるように、作像条件(露光パワー、帯電バイアス、現像バイアスなど)を変更する。また、必要に応じて、トナー濃度制御基準値も変更して現像剤中のトナー濃度が適正値となるように調整する。
階調パターンを構成する各トナーパッチのトナー付着量を検出するための濃度センサの多くは、LEDなどの発光素子と、フォトトランジスタなどの受光素子とで構成される光学センサが用いられる。この種の光学センサは、正反射光のみを検出するタイプと、拡散反射光のみを検出するタイプと、両者を検出するタイプのいずれかが、一般に用いられている。光学センサを用いて階調パターンを構成する各トナーパッチのトナー付着量を検出する場合、階調パターンを担持するパターン担持体(像担持体や記録材搬送部材など)の表面(検出対象面)に作成された各トナーパッチにLED光を照射し、その反射光(正反射光、拡散反射光)を受光素子で検知して、その検出結果(光学センサの出力値)をトナー付着量に変換することにより、各トナーパッチに付着しているトナー量を得る。
このような光学センサを用いて各トナーパッチのトナー付着量を高精度に検出するためには、光学センサの受光素子による受光される光が、トナーパッチで反射した反射光のみであることが重要である。言い換えると、光学センサの受光素子による受光される光が、トナーパッチが付着していない検出対象面の地肌部分で反射した反射光を含まないことが重要となる。そのためには、光学センサの発光素子が照射する照射光における検出対象面上のスポット径よりも大きいトナーパッチを作成することが必要である。
ただし、トナーパッチが形成される検出対象面上の位置と光学センサの設置位置との間には、製造誤差や組み付け誤差によるズレが発生する。このようなズレが生じていても、光学センサの測定時に光学センサのスポット径がトナーパッチ内に入るように、トナーパッチのパターン担持体表面移動方向長さ(以下、単に「トナーパッチの長さ」という。)は、スポット径よりも長めに設定される。
一方で、トナーパッチの長さが長いほど、トナーパッチを形成するためのトナー使用量が増大するため、廃トナーボックスの交換頻度が増加したり、画像形成装置のランニングコストが上昇したりするといった不具合が増す。また、トナーパッチをクリーニングする際のクリーニングすべきトナー量が増大する結果、クリーニング部材の負荷が大きくなってクリーニング部材の寿命が短くなるといった不具合も増す。したがって、トナーパッチの長さは、できるだけ短いものが望まれる。
特許文献1には、濃度パッチ(トナーパッチ)を形成する前に、濃度センサによる測定時にその検出領域が濃度パッチ内に入るような適正な濃度パッチ形成位置を算出する処理を行う画像形成装置が開示されている。この画像形成装置では、まず、位置検出用のトナーパターンを像担持体上に形成して、これを濃度センサにより検出し、その検出結果から、適正な濃度パッチ形成位置(濃度パッチの基準形成位置からのオフセット量)を算出する。このように適正な濃度パッチ形成位置を算出した後、その位置に濃度パッチを形成して、これを濃度センサにより検出し、この検出結果に基づいて画像濃度調整制御を行う。
上記特許文献1に開示の画像形成装置によれば、上述したズレが是正された位置に濃度パッチを形成するので、ズレを考慮して濃度パッチの長さを長く形成する必要がなく、長さの短い濃度パッチを用いることができる。よって、濃度パッチ(トナーパッチ)の長さが長いことによる上述した不具合を軽減することができる。
ところが、上記特許文献1に開示の画像形成装置では、濃度パッチを形成する前に、位置検出用のトナーパターンを形成して、これを濃度センサで検出し、その検出結果から適正な濃度パッチ形成位置を算出するという前処理を行う必要がある。すなわち、位置検出用のトナーパターンの検出結果から適正な濃度パッチ形成位置を算出した後でないと、濃度パッチの形成を開始することができない。そのため、位置検出用のトナーパターンを形成してから濃度パッチの形成を開始するまでの時間が長く、その分、画像濃度調整制御に時間がかかるという問題が発生する。特に、形成したトナーパターンが濃度センサの検出領域まで移動する距離の長い画像形成装置においては、画像濃度調整制御により多くの時間がかかってしまう。
本発明は、以上の問題に鑑みなされたものであり、その目的とするところは、トナーパッチの長さが長いことによる不具合を抑制しつつも、画像濃度調整制御にかかる時間の短縮を図ることができる画像形成装置を提供することである。
上記目的を達成するために、本発明は、画像情報に応じたトナー像をトナー像形成手段により像担持体上に形成し、該トナー像を最終的に記録材上に転移させることで該記録材上に画像を形成する画像形成装置において、トナー付着量を検出するためのトナー付着量検出手段と、上記トナー像形成手段により形成した画像濃度調整用のトナーパッチのトナー付着量を上記トナー付着量検出手段により検出し、該トナー付着量検出手段により検出したトナー付着量に基づいて画像濃度調整制御を実行する画像濃度調整制御手段とを有し、上記画像濃度調整制御手段は、上記トナーパッチを形成する前に上記トナー像形成手段により検出タイミング調整用のトナーパターンを形成し、上記トナー付着量検出手段による該トナーパターンの検出タイミングに基づいて、該トナー付着量検出手段による該トナーパッチの検出タイミングを調整することを特徴とする。
本発明においては、トナーパッチを形成する前に形成した検出タイミング調整用のトナーパターンのトナー付着量検出手段による検出タイミングに基づいて、トナー付着量検出手段による当該トナーパッチの検出タイミングを調整する。これにより、製造誤差や組み付け誤差により、トナーパッチがトナー付着量検出手段の検出領域を通過するタイミングとトナー付着量検出手段の検出タイミングとの間にズレが発生する場合でも、検出タイミングの調整によりそのズレが是正される。よって、トナー付着量検出手段の検出領域がトナーパッチ内に入るような適切な検出タイミングでトナーパッチのトナー付着量を検出することができ、トナーパッチのトナー付着量を高精度に検出することができる。本発明においては、ズレを考慮してトナーパッチの長さを長く形成する必要がなく、長さの短いトナーパッチを用いることができるので、長いトナーパッチを用いることによる不具合を軽減できる。
更に、本発明によれば、トナーパッチの検出タイミングの調整によりズレを是正するので、トナーパッチがトナー付着量検出手段に検出される直前までに、検出タイミング調整用のトナーパターンの検出タイミングに基づく調整量が得られていればよい。したがって、検出タイミング調整用のトナーパターンの検出タイミングに基づく調整量が得られるのを待たずに、トナーパッチの形成を開始することが可能である。したがって、トナーパターンの検出結果から適正な濃度パッチ形成位置を算出するのを待たないとトナーパッチの形成を開始することができない従来構成と比較して、画像濃度調整制御にかかる時間を短縮することができる。
以上、本発明によれば、トナーパッチの長さが長いことによる不具合を抑制しつつも、画像濃度調整制御にかかる時間の短縮を図ることができるという優れた効果が得られる。
実施形態に係るプリンタの概略構成を示す模式図である。 実施形態における濃度センサの概略構成を示す模式図である。 同プリンタにおける各感光体上に形成される各色トナーパッチが同濃度センサで検出されるまでのトナーパッチ移動経路を説明するための説明図である。 位置調整パターンと階調パターンが形成された中間転写ベルトと、これらを検出する濃度センサとを示す斜視図である。 実施形態における画像濃度調整用のトナーパッチの一例を示す説明図である。 同プリンタの電気回路の要部を示すブロック図である。 実施形態における画質調整制御の制御フローの概要を示すフローチャートである。 階調パターンを構成する1つのトナーパッチと濃度センサのビームスポットとの相対位置と、濃度センサの出力電圧との関係を説明するための説明図である。 位置調整パターンの検出タイミングから、各色のトナーパッチのパッチ移動時間を計測する方法の一例を示す説明図である。 位置調整パターンの検出タイミングから、パッチ適正検出可能時間を計測する方法の一例を示す説明図である。 パッチ移動時間の計測値に応じて階調パターンのトナーパッチを検出するタイミングを変更した場合の説明図である。 従来構成におけるトナーパッチの長さを説明するための説明図である。
以下、本発明に係る画像形成装置を、電子写真方式のカラープリンタ(以下、単に「プリンタ」という。)に適用した一実施形態について説明する。
なお、本実施形態では、いわゆる中間転写方式のタンデム型画像形成装置を例に挙げて説明するが、画像形成装置の方式には特に制限されない。したがって、直接転写方式のタンデム型画像形成装置や、1ドラム型の画像形成装置、モノクロ画像形成装置など、様々な方式の画像形成装置に適用できる。
図1は、本実施形態に係るプリンタの概略構成を示す模式図である。
本プリンタは、一般的なタンデム方式のカラー画像形成装置であり、モノクロ用のブラックと、カラー3色(例えば、シアン、マゼンタ、イエロー)の各プロセスユニット(プロセスカートリッジ)102a,102b,102c,102dを備えている。各プロセスユニット102a,102b,102c,102dは、画像形成装置本体100に着脱自在に装着されている。また、画像形成装置本体100には、潜像形成手段としての露光装置103、一次転写ローラ101a,101b,101c,101d、給紙トレイ104、定着装置106などが配設されている。
プロセスユニット102a,102b,102c,102dには、像担持体である感光体108a,108b,108c,108dが設けられている。各感光体108a,108b,108c,108dは、ドラム状のものであり、本実施形態では150mm/sの線速で回転駆動する。各感光体108a,108b,108c,108dの表面には、感光体の回転に対して従動回転するローラ形状の帯電器110a,110b,110c,110dが当接配置されている。各帯電器110a,110b,110c,110dは、図示しない高圧電源によって直流電圧あるいは直流電圧に交流電圧を重畳させた帯電バイアスが印加され、これにより各感光体108a,108b,108c,108dは一様にほぼ均一な表面電位に帯電される。
帯電器110a,110b,110c,110dによって帯電処理された感光体108a,108b,108c,108dの表面には、露光装置103によって各色の画像情報に応じた露光処理がなされ、各色の静電潜像が形成される。露光装置103は、レーザーダイオードを用いたレーザービームスキャナやLEDなどで構成される。
各感光体108a,108b,108c,108d上の静電潜像は、それぞれの色に対応した現像手段としての現像器111a,111b,111c,111dによって各色トナーにより現像される。本実施形態の現像器は一成分接触現像器であるが、これに限られず、例えば二成分現像器であってもよい。各現像器111a,111b,111c,111dは、それぞれの色のトナーを担持した現像剤担持体に図示しない高圧電源から所定の現像バイアスを供給し、その現像バイアスにより各感光体108a,108b,108c,108d上の静電潜像に現像剤担持体上のトナーを付着させる。これにより、各感光体108a,108b,108c,108d上の静電潜像がトナー像として顕像化する。
4つのプロセスユニット102a,102b,102c,102dは、被転写体である中間転写体としての中間転写ベルト120の表面移動方向に沿って並べて配置されている。フルカラー画像形成時には、ブラック、シアン、マゼンタ、イエローの順で中間転写ベルト上に各色トナー像が一次転写される。各感光体108a,108b,108c,108dには、中間転写ベルト120を挟んで、一次転写ローラ101a,101b,101c,101dが対向配置されている。この一次転写ローラ101a,101b,101c,101dには、図示しない各色独立の高圧電源から所定の転写バイアス(例えば、+400[V]〜+1200[V])が供給される。この転写バイアスにより形成される転写電界の作用で、各感光体108a,108b,108c,108d上のトナー像が互いに重なり合うように中間転写ベルト120上に一次転写される。
中間転写ベルト120は、駆動ローラ122、一次転写ローラ101a,101b,101c,101d、テンションローラ121によって張架支持されており、図示しない駆動モータにより駆動ローラ122が回転駆動し、この回転駆動によって表面移動する。テンションローラ121のローラ軸両端部は図示しない付勢手段としてのばねによって付勢されており、これにより中間転写ベルト120に所定のベルト張力が付与されている。本実施形態のテンションローラ121は、直径が19[mm]で、ローラ幅が231[mm]のアルミニウム製パイプで形成されたものであり、その両端部には図示しないフランジが圧入されていて、このフランジが中間転写ベルト120の蛇行を規制する規制部材としての役割を果たしている。
一次転写後に感光体108a,108b,108c,108d上に残留した転写残トナーは、図示しないクリーニング手段によって回収され、廃トナー容器124に破棄される。なお、感光体108a,108b,108c,108dに対してクリーニング手段を設けず、転写残トナーを現像器で回収して再利用するクリーナレス方式を採用してもよい。また、中間転写ベルト上の転写残トナーは、クリーニングブレード123によって掻き取られ、廃トナー容器124に破棄される。
記録材としての用紙は、給紙搬送ローラ105、レジストローラ対107によって、中間転写ベルト120上のトナー像が二次転写ローラ125と対向する2次転写位置に到達するタイミングに合わせて給紙される。二次転写ローラ125には、図示しない高圧電源により所定の二次転写バイアスが印加され、これにより中間転写ベルト120上のトナー像が用紙に転移する。本実施形態において、給紙経路は、図示のように、縦型パスをとっている。用紙は、二次転写ローラ125の曲率によって中間転写ベルト120から分離され、用紙に転写されたトナー像は定着装置106によって定着された後、機外に排紙される。
上述した一次転写ローラ101a,101b,101c,101dのうち、ブラック以外のカラー3色に対応する一次転写ローラ101a,101b,101cは、図示しない接離機構によって中間転写ベルト120に対して接離可能となっている。モノクロ画像を形成する場合には、この接離手段によりカラー3色に対応する一次転写ローラ101a,101b,101cを中間転写ベルト120から離間させる。
本実施形態においては、画像濃度調整用のトナーパッチのトナー付着量を検出するトナー付着量検出手段としての濃度センサ126が中間転写ベルト120に対向配置されている。この濃度センサ126は、LEDなどの発光素子と、フォトトランジスタなどの受光素子とで構成される一般的な光学センサにより、トナーパッチの反射光量を受光し、その反射光量に応じた画像濃度からトナー付着量を得ることができる。ただし、トナーパッチのトナー付着量を検出できるものではあれば、光学センサに限らず、他の方式のセンサを採用してもよい。
図2は、本実施形態における濃度センサ126の概略構成を示す模式図である。
本実施形態の濃度センサ126は、発光素子としての赤外光LED127と、正反射受光素子128と、拡散反射受光素子129と、これらを収容するケーシング130とから構成されている。発光素子には、赤外光LEDに代えて、レーザー発光素子等の他の発光素子を用いてもよい。また、正反射受光素子128及び拡散反射受光素子129としては、いずれもフォトトランジスタを用いているが、フォトダイオードや増幅回路等からなる構成などの他の構成を採用してもよい。
本実施形態の濃度センサ126は、中間転写ベルト120の表面移動方向において、一次転写ローラ101dよりも下流側であって、クリーニングブレード123よりも上流側に配置されている。このような配置により、1つの濃度センサ126で複数の色のトナーパッチを検出することが可能となる。なお、各感光体108a,108b,108c,108dに対してそれぞれ濃度センサを設けて、感光体上でトナーパッチの検出を行うことも可能であるが、この場合センサ数が増える。
本実施形態では、濃度センサ126によるトナーパッチの検出結果に基づいて画像濃度調整制御を実行する。また、本実施形態における濃度センサ126は、中間転写ベルト120上における各色トナーの重なり位置ズレ(色ズレ)を是正するために、相対位置合わせ用のトナーパターン(位置調整パターン)の検出も行う。位置調整パターンの検出タイミングに基づいて、中間転写ベルト120上における各色トナー像の相対的な位置を調整する位置調整制御を実行する。これらの制御についての詳細は後述する。
図3は、各感光体108a,108b,108c,108d上に形成される各色トナーパッチが濃度センサ126で検出されるまでのトナーパッチ移動経路を説明するための説明図である。
画像濃度調整用のトナーパッチは、通常のトナー像と同じ作像プロセスを経て形成される。詳しくは、各感光体108a,108b,108c,108dの露光位置201a,201b,201c,201dで露光装置103の露光処理を受け、これによりトナーパッチ用の静電潜像が形成される。このトナーパッチ用の静電潜像が各現像器111a,111b,111c,111dによって各色トナーにより現像されることで、各色トナーパッチが形成される。各色トナーパッチは、それぞれ、1次転写位置202a,202b,202c,202dで中間転写ベルト120上に転写され、中間転写ベルト120の表面移動により濃度センサ126の検出位置203へ搬送される。なお、上述した位置調整制御に用いる位置調整パターンも、画像濃度調整用のトナーパッチと同様の作像プロセスを経て形成される。
図4は、位置調整パターンと画像濃度調整用のトナーパッチ(階調パターン)が形成された中間転写ベルトと、これらを検出する濃度センサ126とを示す斜視図である。
本実施形態においては、中間転写ベルト120のベルト幅方向中央部と両端部の合計3箇所それぞれに、各色の位置調整パターン301K,301C,301M,301Yと画像濃度調整用のトナーパッチ302をベルト表面移動方向(副走査方向)に沿って形成する。そのため、濃度センサ126は、これらの3箇所に対応して配置される3つのセンサ126a,126b,126cによって構成されている。
本実施形態では、図4に示すように、位置調整パターン301K,301C,301M,301Yの形成に続けて、画像濃度調整用のトナーパッチ302を形成し、これらを濃度センサ126によって検出する。本実施形態における位置調整制御と画像濃度調整制御は互いに独立して実施可能であるが、同じ時期に位置調整制御と画像濃度調整制御の両方を実施する場合には、先に位置調整パターン301K,301C,301M,301Yを形成し、その後に画像濃度調整用のトナーパッチ302を形成する。本実施形態では、後述するように、位置調整パターン301K,301C,301M,301Yを、検出タイミング調整用のトナーパターンとして用いるためである。
図5は、本実施形態における画像濃度調整用のトナーパッチ302の一例を示す説明図である。なお、図5には、説明のため、ベルト幅方向中央部のトナーパッチ302だけを示し、ベルト幅方向両端部のトナーパッチの図示を省略してある。
図5に示すように、トナー付着量(画像濃度)が互いに異なるように形成される例えば5つのトナーパッチにより各色の階調パターンが構成される。各色の階調パターンの階調数は、適宜設定される。中間転写ベルト120の表面移動方向に沿って、K色の階調パターン、C色の階調パターン、M色の階調パターン、Y色の階調パターンの順で、中間転写ベルト120上に形成される。なお、ベルト幅方向両端部に形成される階調パターンは、その中央部と同じものである。各トナーパッチのトナー付着量(画像濃度)は、現像バイアス、帯電バイアス、露光エネルギー(露光パワー)などの作像条件を変更して異ならせる。
図6は、本プリンタの電気回路の要部を示すブロック図である。
同図において、制御手段たる制御部150は、演算手段たるCPU(Central Processing Unit)151、記憶手段たる不揮発性のRAM(Random Access Memory)152、記憶手段たるROM(Read Only Memory)153等を有している。この制御部150には、プロセスユニット102a,102b,102c,102d、露光装置103、濃度センサ126などが電気的に接続されている。そして、制御部150は、RAM102やROM103内に記憶している制御プログラムに基づいて、これらの各種機器を制御するようになっている。
制御部150は、画像を形成するための画像形成条件の制御も行っている。具体的には、制御部150は、プロセスユニット102a,102b,102c,102dにおける各帯電器110a,110b,110c,110dに対して帯電バイアスをそれぞれ個別に印加する制御を実施する。これにより、各色の感光体108a,108b,108c,108dが、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラック用に個別設定した各目標帯電電位にそれぞれ一様帯電せしめられる。また、制御部150は、各プロセスユニット102a,102b,102c,102dに対応する露光装置103の4つの半導体レーザの露光パワー(露光エネルギー)をそれぞれ個別に制御する。また、制御部150は、プロセスユニット102a,102b,102c,102dにおける各現像剤担持体に、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラック用に個別設定した現像バイアスをそれぞれ印加する制御を実施する。これにより、感光体108a,108b,108c,108dの静電潜像と現像剤担持体との間には、トナーを現像剤担持体側から感光体側に静電移動させる色ごとに適正化された現像ポテンシャルを作用させて、静電潜像を所望の濃度(トナー付着量)で現像することができる。
図7は、画質調整制御の制御フローの概要を示すフローチャートである。なお、ここでいう画質調整制御は、少なくとも画像濃度調整制御を含むものであり、以下の説明では位置調整制御も併せて実施する場合の例である。
制御部150は、電源投入時あるいは所定枚数のプリントを行うたびに、各色の画像濃度を適正化するための画像濃度調整制御を含む画質調整制御を実行する。なお、図7に示すフローチャートは、電源投入時における画質調整制御の制御フローを例示したものである。
まず、電源が投入され、装置が立ち上がったら(S1)、制御部150は、濃度センサ126の校正を行う(S2)。詳しくは、濃度センサ126の正反射受光素子128の出力が予め決められた所定範囲内(例えば4±0.5[V])になるように、発光素子である赤外光LED127の発光強度を調整する。具体的には、濃度センサ126の校正を開始したら、赤外光LED127をONして、中間転写ベルト120の地肌部から正反射光出力を得る。そして、この正反射光出力値が4±0.5[V]となるように、赤外光LED127に流す電流値を調整する。本実施形態では、二分探索法を用いて、正反射光出力値が4「V」に最も近くなる電流値を特定する。二分探索法の結果、正反射光出力値が4±0.5[V]の範囲に入らない場合には、濃度センサ126の校正処理は失敗となる。この失敗が連続して3回続いた場合、異常が発生したと判断して本プリンタの動作を停止する。また、本実施形態では、赤外光LED127に流す電流値の上限値を30[mA]と定めている。これは、赤外光LED127が破損しないように設定された値である。正反射光出力値が4±0.5[V]の範囲内に入った場合には、そのときの電流値を本体に保存する。
なお、濃度センサ126の校正処理には時間がかかるため、前回調整時における電流値を用いて中間転写ベルトの地肌部に対して赤外光LED127から光を照射し、その正反射光を検出し、検出した正反射光出力の平均値を求めた上で、その平均値が所定範囲内である場合には、濃度センサ126の校正処理を行う必要性がないと判断して、濃度センサ126の校正を行わなくてもよい。
次に、制御部150は、所定の条件に基づき、位置調整制御を実施するか否かを判断する(S3)。具体的には、温度や湿度等の環境が大きく変化した場合、ユーザー指示を受けた場合など、各色の相対位置ズレが発生している蓋然性が高い条件が満たされたときに、位置調整制御を実施する。
位置調整制御を実施する場合(S3のYes)、制御部150は、図4や図5に示したように、位置調整パターン301K,301C,301M,301Yと階調パターン302K,302C,302M,302Yを中間転写ベルト120上における各濃度センサ126a,126b,126cに対向する位置を通過するように、色ごとに形成する(S4)。これにより、各プロセスユニット102a,102b,102c,102dでは、各感光体108a,108b,108c,108d上に位置調整パターン及び階調パターン用の静電潜像が順次形成され、これらが各現像器111a,111b,111c,111dによって現像されて、位置調整パターン301K,301C,301M,301Y及び階調パターン302K,302C,302M,302Yとなる。そして、位置調整パターン301K,301C,301M,301Y及び階調パターン302K,302C,302M,302Yは、各感光体108a,108b,108c,108dから中間転写ベルト120に転写され、中間転写ベルト120の表面移動により濃度センサ126の検出領域へ搬送される。
濃度センサ126は、まず、各色の位置調整パターン301K,301C,301M,301Yを順次検出することになる(S5)。制御部150は、濃度センサ126が各色の位置調整パターン301K,301C,301M,301Yを検出したタイミングから、各色間の相対的な位置ズレ量(副走査方向の相対位置ズレ量)を把握し、この位置ズレがなくなるように露光装置103による各色の露光開始タイミングの補正量を算出する位置調整制御を実行する(S6)。算出した補正量は、制御部150のRAM152に最新の補正量として記憶され、次回以降の画像形成動作時には、RAM152から読み出した最新の補正量に基づき、画像情報に応じた各色の露光開始タイミングを補正する。
続いて、濃度センサ126は、各色の階調パターン302K,302C,302M,302Yにおける各トナーパッチのトナー付着量(画像濃度)を検出することになる。ここで、露光位置201a,201b,201c,201dで各色のトナーパッチの静電潜像の書き込みを開始してから、各色トナーパッチが検出位置203へ搬送されるまでの時間(各色トナーパッチのトナー付着量の適正な検出が開始されるまでの時間)を、それぞれのパッチ移動時間Ta,Tb,Tc,Tdとする。各色のパッチ移動時間Ta,Tb,Tc,Tdは、各色感光体の径のばらつきや、各色感光体を駆動するモータの回転速度のばらつき、環境や経時変化に伴う中間転写ベルト120の伸縮、濃度センサ126の取り付け誤差や個体差によるビーム照射位置(赤外光LED127のビームスポット位置)のばらつきなどの影響を受けて、ある程度の範囲でばらつきをもつ。そのため、常に固定されたタイミングで各色の階調パターン302K,302C,302M,302Yのトナーパッチを形成する場合、各色のトナーパッチが検出位置203へ搬送されるタイミングが一定にならない。
図8は、階調パターン302K,302C,302M,302Yを構成する1つのトナーパッチ302と濃度センサ126のビームスポットとの相対位置と、濃度センサ126の出力電圧との関係を説明するための説明図である。
図8の上側に示した図は、濃度センサ126の各サンプリング時期におけるビームスポットのトナーパッチ302に対する相対位置を示すものであり、図8の下側に示したグラフは、各サンプリング時期における濃度センサ126の正反射受光素子128の出力値(出力電圧)を示すものである。
図8のグラフに示すように、濃度センサ126の赤外光LED127から照射されたビームが中間転写ベルト120を照らす領域(ビームスポット)が、トナーパッチ302の領域から完全に外れているサンプリング時期では(t=1,t=6)、濃度センサ126の出力電圧は全サンプリング時期(t=1〜6)の出力電圧の中で最大値を示す。これは、中間転写ベルト120の表面から強い正反射光を受光した場合の出力電圧と同じである。また、ビームスポットがトナーパッチ302の領域内に完全に入っているサンプリング時期では(t=3,t=4)、全サンプリング時期(t=1〜6)の出力電圧の中で最小値を示す。これは、中間転写ベルト120の表面から正反射光を受光せず、トナーパッチ302からの僅かな正反射光だけを受光したものであり、トナーパッチ302の画像濃度(トナー付着量)を示す適正な値を示すものである。
一方で、ビームスポットがトナーパッチ302の領域内に一部だけ入っているサンプリング時期では(t=2,t=5)、濃度センサ126の出力電圧は、上述した最大値と最小値の中間値を示す。これは、中間転写ベルト120の表面から強い正反射光と、トナーパッチ302からの僅かな正反射光の両方を受光したものであり、トナーパッチ302の画像濃度(トナー付着量)を示す適正な値を示すものではない。
したがって、トナーパッチ302のトナー付着量を適正に検出するためには、ビームスポットがトナーパッチ302の領域内に完全に入っている適切なサンプリング時期(t=3,t=4)の出力電圧を、上述した中間値を示すサンプリング時期(t=2,t=5)と区別して、取得しなければならない。しかしながら、上述したとおり、トナーパッチ302が検出位置203へ搬送されるタイミングは一定ではないので、ビームスポットがトナーパッチ302の領域内に完全に入っている適切なサンプリング時期は変動する。したがって、このように変動する適切なサンプリング時期を把握して、そのサンプリング時期の出力電圧を濃度センサ126から取得する必要がある。
その方法としては、例えば、ビームスポットがトナーパッチ302の領域内に完全に入る可能性があるすべてのサンプリング時期にわたって、濃度センサ126の出力値を取得し、その中から最も低い出力値を示すものを選定するという方法が考えられる。しかしながら、この方法では、多数の出力値を一時的に保持しておく必要があり、大容量のメモリを必要とする、しかも、適切なサンプリング時期の出力値を取得した後も、全サンプリング時期についての濃度センサ126の出力値を取得し終わるまでは、適切なサンプリング時期の出力値を特定できず、処理の遅れが生じる。
そこで、本実施形態においては、各色のトナーパッチが検出位置203へ搬送されるタイミングを事前に把握し、各色のトナーパッチの検出タイミングが適切なサンプリング時期になるように補正する処理を行う(S7)。詳しくは、上述した直前の位置調整制御で用いた位置調整パターン301K,301C,301M,301Yの検出タイミングに基づいて、各色のトナーパッチの適切なサンプリング時期(検出タイミング)を特定し、その時期の濃度センサ126の出力値を取得する。これにより、パッチ移動時間Ta,Tb,Tc,Tdにばらつきがあっても、トナーパッチ302の画像濃度(トナー付着量)を示す適正な値を検出することができる。
図9は、位置調整パターン301K,301C,301M,301Yの検出タイミングから、各色のトナーパッチのパッチ移動時間Ta,Tb,Tc,Tdを計測する方法の一例を示す説明図である。
位置調整パターン301K,301C,301M,301Yについての濃度センサ126の正反射受光素子128の出力値を、所定の閾値レベルと比較する。このとき、正反射受光素子128の出力値が閾値レベルまで落ち込んだタイミングを、位置調整パターン301K,301C,301M,301Yが検出位置203に到達したタイミングであると特定する。このタイミングは、各色の位置調整パターン301K,301C,301M,301Yについて、そのトナー付着量の適正な検出が開始されるタイミングに相当する。
そして、予め決められた所定のトリガータイミングから、各色の位置調整パターン301K,301C,301M,301Yが検出位置203に到達したタイミング(位置調整パターン301K,301C,301M,301Yのトナー付着量の適正な検出が開始されるタイミング)までの時間を、それぞれ、Tk,Tc,Tm,Tyとする。ここで、トリガータイミングから、露光装置103が各色の位置調整パターン301K,301C,301M,301Yの静電潜像の書込を開始するまでの時間を、それぞれ、Tk0、Tc0、Tm0、Ty0とする。この場合、露光装置103が各色の位置調整パターン301K,301C,301M,301Yの静電潜像の書き込みを開始してから、各色の位置調整パターンのトナー付着量の適正な検出が開始されるまでの時間(位置調整パターン移動時間)は、それぞれ、Tk−Tk0、Tc−Tc0、Tm−Tm0、Ty−Ty0となる。この位置調整パターン移動時間Tk−Tk0,Tc−Tc0,Tm−Tm0,Ty−Ty0は、トナーパッチ302のパッチ移動時間Ta,Tb,Tc,Tdに相当するものである。
次に、各色の階調パターン302K,302C,302M,302Yの各トナーパッチ302のトナー付着量の適正な検出が開始されてから、各トナーパッチ302のトナー付着量の適正な検出が終了するまでの時間(パッチ適正検出可能時間)について、説明する。
図10は、位置調整パターン301K,301C,301M,301Yの検出タイミングから、パッチ適正検出可能時間tを計測する方法の一例を示す説明図である。
位置調整パターン301K,301C,301M,301Yについての濃度センサ126の正反射受光素子128の出力値を、所定の閾値レベルと比較する。このとき、正反射受光素子128の出力値が閾値レベルまで落ち込むタイミングと、その後、正反射受光素子128の出力値が閾値レベルを超えるタイミングのそれぞれについて特定する。そして、予め決められた所定のトリガータイミングから、各色の位置調整パターン301K,301C,301M,301Yについての正反射受光素子128の出力値が閾値レベルまで落ち込むタイミングまでの時間を、それぞれ、Tk1,Tc1,Tm1,Ty1とする。また、予め決められた所定のトリガータイミングから、各色の位置調整パターン301K,301C,301M,301Yについての正反射受光素子128の出力値が閾値レベルを超えるタイミングまでの時間を、それぞれ、Tk2,Tc2,Tm2,Ty2とする。一方、トリガータイミングから、露光装置103が各色の位置調整パターン301K,301C,301M,301Yの静電潜像の書込を開始するまでの時間を、それぞれ、Tk0、Tc0、Tm0、Ty0とする。
本例において、露光装置103が各色の位置調整パターン301K,301C,301M,301Yの静電潜像の書き込みを開始してから、各色の位置調整パターンのトナー付着量の適正な検出が開始されるまでの時間(位置調整パターン移動時間)は、それぞれ、Tk1−Tk0、Tc1−Tc0、Tm1−Tm0、Ty1−Ty0となる。また、各色の位置調整パターン301K,301C,301M,301Yのトナー付着量の適正な検出が開始されてから、各色の位置調整パターンのトナー付着量の適正な検出が終了するまでの時間(パターン適正検出可能時間)を、それぞれ、ΔTk、ΔTc、ΔTm、ΔTyとする。このパターン適正検出可能時間ΔTk,ΔTc,ΔTm,ΔTyは、それぞれ、ΔTk=Tk2−Tk1、ΔTc=Tc2−Tc1、ΔTm=Tm2−Tm1、ΔTy=Ty2−Ty1(以下、総称して、ΔTx)とする。)となる。
ここで、各色の階調パターン302K,302C,302M,302Yの各トナーパッチ302のトナー付着量の適正な検出が開始されてから、各トナーパッチ302のトナー付着量の適正な検出が終了するまでの時間(パッチ適正検出可能時間)について、説明する。
このパッチ適正検出可能時間tは、トナーパッチ302の理想の長さをLとし、プロセス線速(感光体108a,108b,108c,108dの線速)をvとしたとき、t=L/vで示すことができる。一方、パターン適正検出可能時間ΔTxについては、位置調整パターンの理想の長さをdとしたとき、ΔTx=d/vが成り立つ。したがって、パッチ適正検出可能時間tは、パターン適正検出可能時間ΔTxを用いて、下記の関係式(1)により算出することができる。
t = (L/d) × ΔTx ・・・(1)
このように、本実施形態においては、直前の位置調整制御(S4〜S6)で用いる位置調整パターン301K,301C,301M,301Yを濃度センサ126で検出したタイミングに基づき、各色のトナーパッチのパッチ移動時間Ta,Tb,Tc,Tdと、パッチ適正検出可能時間tとを計測することができる。パッチ移動時間Ta,Tb,Tc,Tdは、露光位置201a,201b,201c,201dで各色のトナーパッチの静電潜像の書き込みを開始してから、各色トナーパッチのトナー付着量の適正な検出が開始されるまでの時間を示すものである。したがって、露光位置201a,201b,201c,201dで各色のトナーパッチの静電潜像の書き込みを開始してからパッチ移動時間Ta,Tb,Tc,Tdが経過する時点から、パッチ適正検出可能時間tが経過するまでの時点までの期間をサンプリング時間とし、トナーパッチ302の検出を行う(S10)。
図11は、パッチ移動時間Ta,Tb,Tc,Tdの計測値に応じて、階調パターンのトナーパッチを検出するタイミングを変更した場合の説明図である。
パッチ移動時間Ta,Tb,Tc,Tdの基準時間をT0とし、パッチ移動時間Ta,Tb,Tc,TdがT0より短い場合のズレ時間をΔt1とし、T0より長い場合のズレ時間をΔt2とする。
パッチ移動時間Ta,Tb,Tc,Tdの計測値が基準時間T0に一致する場合、ビームスポットの径をSとすると、サンプリング開始時期t0は、T0+(S/2)/vとすることができる。このときのサンプリング終了時期は、求めたパッチ適正検出可能時間tを用いて、t0+tとすることができる。
また、パッチ移動時間Ta,Tb,Tc,Tdの計測値T1が基準時間T0よりも短い場合、サンプリング開始時期t1は、t0+(T1−T0)=t0+Δt1とすることができる。このときのサンプリング終了時期は、求めたパッチ適正検出可能時間tを用いて、t1+tとすることができる。
また、パッチ移動時間Ta,Tb,Tc,Tdの計測値T2が基準時間T0よりも長い場合、サンプリング開始時期t2は、t0+(T2−T0)=t0+Δt2とすることができる。このときのサンプリング終了時期は、求めたパッチ適正検出可能時間tを用いて、t2+tとすることができる。
このように、直前の位置調整制御(S4〜S6)で用いる位置調整パターン301K,301C,301M,301Yを濃度センサ126で検出したタイミングに基づき、トナーパッチ302の検出タイミングを補正する。その結果、パッチ移動時間Ta,Tb,Tc,Tdにばらつきがあっても、トナーパッチ302の画像濃度(トナー付着量)を示す適正な値を検出することができる。
本実施形態における濃度センサ126によるサンプリング間隔とトナーパッチ302の長さLとの関係によれば、中間転写ベルト上の1個のトナーパッチ302が濃度センサ126の検出領域を通過する間に、その1個のトナーパッチについて複数の適正な検出結果(濃度センサ126の出力値)を得ることができる。本実施形態では、図11に示すように、1個のトナーパッチについて適正な3つのセンサ出力値を得ることができる。よって、本実施形態では、3つのセンサ出力値の平均値を算出し、その平均値を当該トナーパッチ302のトナー付着量として検出する。
各色の階調パターン302K,302C,302M,302Yの各トナーパッチ302を検出して得られた濃度センサ126の出力値は、トナー付着量とセンサ出力値との関係に基づき構築された付着量算出アルゴリズムを用いて、トナー付着量(画像濃度)へ変換処理される(S11)。本実施形態においては、特開2006−139180号に記載のように、トナーパッチ302からの正反射光と拡散反射光の両方を用いてトナー付着量を算出する。正反射光と拡散反射光の両方を用いてトナー付着量を算出することで、正反射光のみを用いてトナー付着量を算出するものに比べて、高トナー付着量の有効検出範囲を広げることができる。また、上記特開2006−139180号に記載のトナー付着量算出アルゴリズムを用いることで、温度変化、経時劣化などにより発光素子や受光素子の出力が変化したり、中間転写ベルト120の経時劣化によって受光素子の出力が変化したりしても、正確なトナー付着量を求めることが可能である。
このようにして求めた各トナーパッチ302のトナー付着量に基づいて画像濃度調整制御を実施する(S12)。画像濃度調整制御の原理は、まず、求めた各トナーパッチ302のトナー付着量から、現像ポテンシャルに対するトナー付着量を示す関係式(この関係式の傾きを「現像γ」といい、X軸切片を「現像開始電圧」という。)を求める。その後、求めた現像ポテンシャルとトナー付着量の関係式から、特定の画像濃度で目標のトナー付着量が得られるように、作像条件(露光パワー、帯電バイアス、現像バイアスなど)を変更する。また、必要に応じて、トナー濃度制御基準値も変更して現像剤中のトナー濃度が適正値となるように調整してもよい。
一方、上記ステップS3において位置調整制御を実施しないと判断された場合(S3のNo)、制御部150は、位置調整パターン301K,301C,301M,301Yを形成せず、階調パターン302K,302C,302M,302Yだけを中間転写ベルト120上における各濃度センサ126a,126b,126cに対向する位置を通過するように、色ごとに形成する(S8)。そして、制御部150は、過去に実施された位置調整制御により制御部150のRAM152に記憶された最新の補正量を読み出し、この読み出した最新の補正量に基づき、階調パターンのトナーパッチ302の検出タイミングの補正値を算出する(S9)。位置調整制御を実施しないと判断された場合、現時点において、最新の補正量を修正するほどの変化が生じていない。よって、この最新の補正量、すなわち、最新の補正量を算出したときの位置調整パターン301K,301C,301M,301Yの検出タイミングに基づいて、階調パターンのトナーパッチ302の検出タイミングの補正値を算出しても、トナーパッチ302の画像濃度(トナー付着量)を示す適正な値を検出することができる。
なお、本実施形態では、位置調整制御を行ったが(S4〜S6)、その位置調整制御が失敗に終わった場合、その位置調整制御で用いた位置調整パターン301K,301C,301M,301Yの検出が異常であるとして、トナーパッチ302の検出タイミングの補正を行わない。この場合、過去に実施された位置調整制御により制御部150のRAM152に記憶された最新の補正量を読み出し、この読み出した最新の補正量に基づき、階調パターンのトナーパッチ302の検出タイミングの補正値を算出してもよい。あるいは、この場合には、画像濃度調整制御それ自体を中止してもよい。
また、本実施形態においては、各色の階調パターン302K,302C,302M,302Yのトナーパッチは予め設定された固定のタイミングで形成する。この場合、他の制御結果を待たずに階調パターン302K,302C,302M,302Yのトナーパッチを開始できるので、画質調整制御にかかる時間を短縮することができる。ただし、必ずしも固定のタイミングで形成する必要はなく、例えば、今回の画質調整制御を実施する前に行われた位置調整制御で調整された各色トナー像の相対位置ズレの補正値(今回の画質調整制御中の位置調整制御による補正値ではない。)を用いて、各色のトナーパッチを形成するタイミングを異ならせても良い。
また、本実施形態においては、各色間におけるトナーパッチの検出タイミングの相対関係が一定となるように、各トナーパッチの検出タイミングが調整してもよい。具体的には、例えば、ブラック色の階調パターン302Kのトナーパッチについてだけ、上述したトナーパッチの検出タイミングの調整を行い、他の色の階調パターン302C,302M,302Yのトナーパッチについては、ブラック色のトナーパッチの調整後の検出タイミングを基準に、予め決められた時間間隔だけずらした検出タイミングに調整する。この場合、他の色の階調パターン302C,302M,302Yのトナーパッチについての検出タイミングの調整が簡易化されるので、処理負荷の軽減、処理時間の短縮を図ることができる。
以上に説明したものは一例であり、本発明は、次の態様毎に特有の効果を奏する。
(態様A)
画像情報に応じたトナー像をプロセスユニット102a,102b,102c,102d等のトナー像形成手段により中間転写ベルト120等の像担持体上に形成し、該トナー像を最終的に用紙等の記録材上に転移させることで該記録材上に画像を形成する画像形成装置において、トナー付着量を検出するための濃度センサ126等のトナー付着量検出手段と、上記トナー像形成手段により形成した画像濃度調整用のトナーパッチ302のトナー付着量を上記トナー付着量検出手段により検出し、該トナー付着量検出手段により検出したトナー付着量に基づいて画像濃度調整制御を実行する制御部150等の画像濃度調整制御手段とを有し、上記画像濃度調整制御手段は、上記トナーパッチ302を形成する前に上記トナー像形成手段により検出タイミング調整用のトナーパターン301K,301C,301M,301Yを形成し、上記トナー付着量検出手段による該トナーパターンの検出タイミングに基づいて、該トナー付着量検出手段による該トナーパッチの検出タイミングを調整することを特徴とする。
これによれば、製造誤差や組み付け誤差により、パッチ移動時間Ta,Tb,Tc,Tdにばらつきが発生していても、検出タイミングの調整により、適切な検出タイミングでトナーパッチ302のトナー付着量を検出することができる。よって、パッチ移動時間Ta,Tb,Tc,Tdにばらつきを考慮してトナーパッチの長さを長く形成する必要がなく、長さの短いトナーパッチを用いることができる。その結果、トナーパッチを形成するためのトナー使用量が低減でき、廃トナー容器124の交換頻度を少なくしたり、画像形成装置のランニングコストを低下させたりといった効果が得られる。また、トナーパッチをクリーニングする際のクリーニングすべきトナー量が減るので、クリーニングブレード123の寿命が短くなるのを抑制できる。
更に、検出タイミング調整用のトナーパターン301K,301C,301M,301Yの検出タイミングに基づく補正量が得られるのを待たずに、トナーパッチ302の形成を開始することが可能なので、画像濃度調整制御にかかる時間を短縮することもできる。
(態様B)
上記態様Aにおいて、上記トナー像形成手段は、互いに重なり合って1つの画像を構成する複数のトナー像をそれぞれ形成するプロセスユニット102a,102b,102c,102d等の複数のトナー像形成部を備えており、上記複数のトナー像形成部により形成した位置調整パターン301K,301C,301M,301Y等の相対位置合わせ用のトナーパターンを上記トナー付着量検出手段により検出し、該トナー付着量検出手段による該トナーパターンの検出タイミングに基づいて、該複数のトナー像形成部により形成される各トナー像の相対位置を調整する位置調整制御を実行する制御部150等の位置調整制御手段を有し、上記画像濃度調整制御手段は、上記検出タイミング調整用のトナーパターンとして、上記相対位置合わせ用のトナーパターンを用いることを特徴とする。
これによれば、相対位置合わせ用のトナーパターンとは別個に、検出タイミング調整用のトナーパターンを形成する場合よりも、制御時間の短縮化を図ることができるとともに、トナー消費量を減らす事ができる。
(態様C)
上記態様Bにおいて、上記トナー像形成手段は、相対位置合わせ用のトナーパターン301K,301C,301M,301Yの形成に続けて画像濃度調整用のトナーパッチ302を形成し、上記画像濃度調整制御手段は、上記トナー付着量検出手段による上記トナーパターンの検出タイミングに基づいて、該トナーパターンに続けて形成されるトナーパッチの該トナー付着量検出手段による検出タイミングを調整することを特徴とする。
これによれば、画像濃度調整制御にかかる時間をより短くすることができる。
(態様D)
上記態様B又はCにおいて、上記画像濃度調整制御手段は、上記トナー付着量検出手段による上記トナーパターンの検出が異常であるとき、該トナーパターンの検出タイミングに基づくトナーパッチの検出タイミングの調整を実行しないことを特徴とする。
これによれば、不適切なトナーパターンの検出タイミングに基づいてトナーパッチの検出タイミングが誤調整されるのを防止でき、誤った画像濃度の調整が行われるのを防ぐことができる。
(態様E)
上記態様Bにおいて、上記相対位置合わせ用のトナーパターンを上記トナー付着量検出手段が検出した検出タイミングに基づく検出タイミング情報を記憶するRAM152等の記憶手段を有し、上記画像濃度調整制御手段は、上記記憶手段に記憶されている最新の検出タイミング情報に基づいて、上記トナー付着量検出手段による上記トナーパッチの検出タイミングを調整することを特徴とする。
これによれば、トナーパッチの検出タイミングの調整時に相対位置合わせ用のトナーパターンの検出を省略できるので、画像濃度調整制御にかかる時間をより短くすることができる。
(態様F)
上記態様B〜Eのいずれかの態様において、上記各トナーパッチのパッチ移動方向長さは、上記トナー付着量検出手段の検出領域に到達する基準タイミングT0の時点におけるトナーパッチの基準位置と、上記位置調整制御手段による調整可能範囲内の最大位置ズレが発生しているときにトナーパッチ302が該基準タイミングT0の時点で位置するトナーパッチ位置との差と、上記トナー付着量検出手段の検出領域のパッチ移動方向長さ(ビームスポット径S)との合計値よりも、短く設定されていることを特徴とする。
位置調整制御により調整可能なトナー像位置の調整可能範囲は、パッチ移動時間Ta,Tb,Tc,Tdのばらつきによるトナーパッチ位置の最大ズレ幅に相当する。すなわち、図12に示すように、位置調整制御による調整可能範囲内において、パッチ移動時間Ta,Tb,Tc,TdがT0より短い場合の最大ズレ時間をΔt1maxとし、T0より長い場合の最大ズレ時間をΔt2maxとした場合、パッチ移動時間Ta,Tb,Tc,Tdのばらつきによるトナーパッチ位置の最大ズレ幅は、(Δt1max+Δt2max)×vとなる。このズレ幅は、濃度センサ126の検出領域に到達する基準タイミングT0の時点におけるトナーパッチ302の基準位置と、位置調整制御による調整可能範囲内の最大位置ズレが発生しているときにトナーパッチ302が当該基準タイミングT0の時点で位置するトナーパッチ位置との差に相当する。ここで、階調パターン302K,302C,302M,302Yの形成開始タイミングとそのトナーパッチの検出タイミングとがいずれも固定のタイミングである従来構成においては、位置調整制御による調整可能範囲内での位置ズレが発生している場合でも少なくとも1つのサンプリング時期においてビームスポットがトナーパッチ302の領域内に収まるようにするために、図12の最下段に示す図のように、トナーパッチの長さを、ビームスポット径Sとトナーパッチ位置の最大ズレ幅(Δt1max+Δt2max)×vとの合計値以上とする必要がある。これに対し、本態様によれば、位置調整制御による調整可能範囲内の最大位置ズレが発生していても、そのズレに応じてトナーパッチの検出タイミングが調整されるので、トナーパッチの長さは、従来構成の場合よりも短くすることができる。
(態様G)
上記態様A〜Fのいずれかの態様において、上記トナー像形成手段により形成する上記画像濃度調整用のトナーパッチは、予め設定された固定のタイミングで形成されることを特徴とする。
これによれば、より簡易な制御で、トナーパッチの検出タイミングの調整を行うことができる。
102a,102b,102c,102d プロセスユニット
103 露光装置
108a,108b,108c,108d 感光体
120 中間転写ベルト
123 クリーニングブレード
124 廃トナー容器
125 二次転写ローラ
126 濃度センサ
127 赤外光LED
128 正反射受光素子
129 拡散反射受光素子
150 制御部
201a,201b,201c,201d 露光位置
203 検出位置
301K,301C,301M,301Y 位置調整パターン
302 トナーパッチ
302K,302C,302M,302Y 階調パターン
特開2007−31627号公報

Claims (7)

  1. 画像情報に応じたトナー像をトナー像形成手段により像担持体上に形成し、該トナー像を最終的に記録材上に転移させることで該記録材上に画像を形成する画像形成装置において、
    トナー付着量を検出するためのトナー付着量検出手段と、
    上記トナー像形成手段により形成した画像濃度調整用のトナーパッチのトナー付着量を上記トナー付着量検出手段により検出し、該トナー付着量検出手段により検出したトナー付着量に基づいて画像濃度調整制御を実行する画像濃度調整制御手段とを有し、
    上記画像濃度調整制御手段は、上記トナーパッチを形成する前に上記トナー像形成手段により検出タイミング調整用のトナーパターンを形成し、上記トナー付着量検出手段による該トナーパターンの検出タイミングに基づいて、該トナー付着量検出手段による該トナーパッチの検出タイミングを調整することを特徴とする画像形成装置。
  2. 請求項1の画像形成装置において、
    上記トナー像形成手段は、互いに重なり合って1つの画像を構成する複数のトナー像をそれぞれ形成する複数のトナー像形成部を備えており、
    上記複数のトナー像形成部により形成した相対位置合わせ用のトナーパターンを上記トナー付着量検出手段により検出し、該トナー付着量検出手段による該トナーパターンの検出タイミングに基づいて、該複数のトナー像形成部により形成される各トナー像の相対位置を調整する位置調整制御を実行する位置調整制御手段を有し、
    上記画像濃度調整制御手段は、上記検出タイミング調整用のトナーパターンとして、上記相対位置合わせ用のトナーパターンを用いることを特徴とする画像形成装置。
  3. 請求項2の画像形成装置において、
    上記トナー像形成手段は、相対位置合わせ用のトナーパターンの形成に続けて画像濃度調整用のトナーパッチを形成し、
    上記画像濃度調整制御手段は、上記トナー付着量検出手段による上記トナーパターンの検出タイミングに基づいて、該トナーパターンに続けて形成されるトナーパッチの該トナー付着量検出手段による検出タイミングを調整することを特徴とする画像形成装置。
  4. 請求項2又は3の画像形成装置において、
    上記画像濃度調整制御手段は、上記トナー付着量検出手段による上記トナーパターンの検出が異常であるとき、該トナーパターンの検出タイミングに基づくトナーパッチの検出タイミングの調整を実行しないことを特徴とする画像形成装置。
  5. 請求項2の画像形成装置において、
    上記相対位置合わせ用のトナーパターンを上記トナー付着量検出手段が検出した検出タイミングに基づく検出タイミング情報を記憶する記憶手段を有し、
    上記画像濃度調整制御手段は、上記記憶手段に記憶されている最新の検出タイミング情報に基づいて、上記トナー付着量検出手段による上記トナーパッチの検出タイミングを調整することを特徴とする画像形成装置。
  6. 請求項2乃至5のいずれか1項に記載の画像形成装置において、
    上記各トナーパッチのパッチ移動方向長さは、上記トナー付着量検出手段の検出領域に到達する基準タイミングの時点におけるトナーパッチの基準位置と、上記位置調整制御手段による調整可能範囲内の最大位置ズレが発生しているときにトナーパッチが該基準タイミングの時点で位置するトナーパッチ位置との差と、上記トナー付着量検出手段の検出領域のパッチ移動方向長さとの合計値よりも、短く設定されていることを特徴とする画像形成装置。
  7. 請求項1乃至6のいずれか1項に記載の画像形成装置において、
    上記トナー像形成手段により形成する上記画像濃度調整用のトナーパッチは、予め設定された固定のタイミングで形成されることを特徴とする画像形成装置。
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