JP2007316237A - 画像形成装置および濃度補正方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】画像形成装置の濃度補正において、より小さいサイズの濃度パッチを用いた濃度補正を可能とする。
【解決手段】位置検出用パターンを像保持体上に形成して濃度センサにて検出する。また、色ずれ制御パッチを像保持体上に形成して色ずれセンサにて検出する。次に、位置検出用パターンと色ずれ制御パッチとの位置関係および濃度センサによる位置検出用パターンの検出結果に基づいて、色ずれセンサに対する濃度センサの相対位置を求め、濃度パッチの補正量を計算する。そして、計算された補正量を反映させて像保持体上における濃度センサの検出スポットに対応する位置に濃度パッチを形成し、この濃度パッチを濃度センサにて検出する。
【選択図】図7

Description

本発明は、プリンタや複写機等の画像形成装置に関する。
プリンタや複写機等の画像形成装置では、濃度補正の基準となるトナー像(以下、濃度パッチと呼ぶ)を形成し、この濃度パッチを濃度センサで検出し、画像形成ユニットにフィードバックして出力画像の濃度補正を行っている。この濃度パッチは、濃度センサによる検出に必要なサイズと、濃度パッチの形成位置と濃度センサの設置位置との間の相対的なずれ量(以下、濃度パッチ位置ずれ量と呼ぶ)とを考慮して設計され、通常は、10〜40mm程度の矩形のトナー像である。ここで、濃度センサによる濃度パッチの検出に必要なサイズは、濃度センサによる照射光および読取りのスポットサイズ(以下、検出スポットサイズと呼ぶ)である。
濃度パッチの形成は、通常の出力画像の形成と同様に、ユーザのプリント用トナーを用いて、感光体ドラムや中間転写体等の像保持体上に行われる。また、濃度センサによる濃度パッチの検出後の工程も、通常の画像出力時と同様であり、像保持帯がクリーニング部材により清掃され、残留トナーが廃トナーとして機内の廃トナーボックスに回収される。したがって、濃度パッチを形成するためのトナーの使用や廃トナーの回収量の増加による廃トナーボックスの交換頻度の増加の分だけ、画像形成装置のランニングコストが上昇することとなる。また、クリーニング工程の増加は、画像形成装置のダウンタイム(プリント出力を制限する時間)の増大を招き、さらに、クリーニング部材の負荷が大きくなり、クリーニング部材の寿命を短縮させてしまう。
そのため、濃度パッチは、できるだけ小さいサイズに形成することが好ましい。下記特許文献1には、結合光学系を経由した反射光を受光することで検出スポットを小さくすることにより、検出可能な濃度パッチのサイズを小さくする技術が開示されている。
特開2002−244371号公報
本発明は、上述した背景からなされたものであり、その目的は、画像形成装置の濃度補正において、より小さいサイズの濃度パッチを用いた濃度補正を可能とすることにある。
かかる目的を達成するために、本発明は、画像形成材により画像を形成し出力する画像形成装置において、像保持体上に形成された特定パターンに対する濃度センサの検出結果に基づいて濃度センサの画像検出位置を特定する濃度センサ位置特定手段と、濃度センサ位置特定手段により特定された濃度センサの画像検出位置に濃度補正用パターンを形成し、濃度センサによる濃度補正用パターンの検出結果に基づいて、出力画像の濃度補正を行う濃度補正手段とを備える。より詳細には、濃度センサ位置特定手段は、特定パターンと位置ずれ制御のための補正用パターンとの位置関係に基づき、補正用パターンを検出する位置ずれセンサとの間の相対位置によって濃度センサの位置を特定する。さらに詳細には、特定パターンは、像保持体の動作方向に対して各々一定の角度を持つ2本の線分を組み合わせて形成されるパターンであり、濃度センサ位置特定手段は、濃度センサが特定パターンを形成する2本の線分の検出間隔に基づき、特定パターンに対する濃度センサの位置を特定する。
また、上記の目的を達成する他の本発明は、出力画像の濃度補正を行う画像形成装置において、位置ずれ補正用パターン、濃度補正用パターンおよび濃度センサ位置検出用パターンを像保持体上に形成する画像形成部と、位置ずれ補正用パターンを検出する位置ずれセンサと、濃度補正用パターンおよび濃度センサ位置検出用パターンを検出する濃度センサと、濃度センサ位置検出用パターンと位置ずれ補正用パターンとの位置関係および濃度センサによる濃度センサ位置検出用パターンの検出結果に基づいて位置ずれセンサに対する濃度センサの相対位置を計算し、位置ずれセンサによる位置ずれ補正用パターンの検出位置の情報および相対位置の情報に基づいて画像形成部による濃度補正用パターンの形成位置を制御する制御部とを備える。ここで、好ましくは、少なくとも画像形成装置の電源投入時または動作モードの変更時に濃度センサ位置検出用パターンを形成し、制御部にて位置ずれセンサと濃度センサの相対位置を計算するようにしても良いし、あるいは、画像形成装置に搭載された所定の部品が交換された場合に濃度センサ位置検出用パターンを形成し、制御部にて位置ずれセンサと濃度センサの相対位置を計算するようにしても良い。
また、この画像形成装置において、より詳細には、濃度センサ位置検出用パターンは、画像形成部の走査方向において位置ずれ補正用パターンから一定距離だけ離れた位置に形成され、制御部は、濃度センサによる濃度センサ位置検出用パターンの検出結果から得られる濃度センサの位置情報と、位置ずれセンサによる位置ずれ補正用パターンの検出結果から得られる位置ずれセンサの位置情報とに基づき、位置ずれセンサに対する濃度センサの相対位置を計算する。さらに詳細には、濃度センサ位置検出用パターンは、像保持体の動作方向に対して各々一定の角度を持つ2本の線分にて形成されるパターンであり、制御部は、濃度センサが濃度センサ位置検出用パターンを形成する2本の線分の検出間隔に基づき、濃度センサの位置情報を得る。
さらにまた、本発明は、画像形成装置の濃度補正方法として把握することもできる。この方法は、濃度センサ位置検出用パターンを像保持体上に形成して濃度センサにて検出するステップと、位置ずれ補正用パターンを像保持体上に形成して位置ずれセンサにて検出するステップと、濃度センサ位置検出用パターンと位置ずれ補正用パターンとの位置関係および濃度センサによる濃度センサ位置検出用パターンの検出結果に基づいて、位置ずれセンサに対する濃度センサの相対位置を計算するステップと、計算された位置ずれセンサに対する濃度センサの相対位置に基づいて像保持体上の濃度センサに対応する位置に濃度補正用パターンを形成して濃度センサにて検出するステップとを含む。また、この方法において、濃度センサ位置検出用パターンを検出するステップと位置ずれ補正用パターンを検出するステップとを並列に実行することができる。
以上のように構成された本発明によれば、画像形成装置の濃度補正において、より小さいサイズの濃度パッチを用いた濃度補正が可能となる。
以下、添付図面を参照して、本発明を実施するための最良の形態(以下、実施形態)について詳細に説明する。
本実施形態は、通常の濃度補正サイクルに先立って、特定のパターンを濃度センサにて検出し、その検出結果に基づいて濃度センサの画像検出位置(検出スポット)を精度良く特定する。そして、濃度補正サイクルにおいて、特定された画像検出位置に濃度補正用パターンを形成することにより、この濃度補正用パターンのサイズを小さくしても確実に濃度センサが検出できるようにする。
図1は、本実施形態が適用される画像形成装置の構成を示した図である。
この画像形成装置は、電子写真方式を採用した、いわゆるタンデム型のデジタルカラー機である。図1に示すように、この画像形成装置は、画像を形成する画像形成部10、印字機能として、画像形成部10の感光体ドラム11に対して静電潜像を形成する露光装置13、感光体ドラム11に保持されたトナー像を重畳して保持する中間転写体としての転写ベルト21を備えている。画像形成部10は、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の各色に対応させて設けられている。また、転写ベルト21の内側で、各画像形成部10の感光体ドラム11に対向する位置には、転写ベルト21上に画像を保持するための一次転写ロール23が設けられている。さらに、転写ベルト21に保持されたトナー像を用紙に転写するいわゆる二次転写位置には、二次転写ロール24と、転写ベルト21の内側に設けられる対向ロール25とが配置されている。また、画像形成装置は、記録媒体である用紙を収容する給紙カセット27と、転写された用紙を定着するための定着器28とを備える。さらに、画像形成装置は、これらの各構成の動作制御および出力画像の画像処理を行う制御装置30、制御装置30により利用される記憶装置として不揮発性メモリ31および読み書き自在のRAM(Random Access Memory)32を備える。そして、制御装置30による制御に必要な情報を提供するための濃度センサ41、色ずれセンサ42および環境センサ43を備える。
制御装置30は、画像読取装置(IIT:Image Input Terminal)等の画像データの入力手段から得られた画像のデジタル画像信号や色ずれ制御のためのパターン画像などの画像信号を生成して露光装置13に供給し、転写ベルト21への書き込みを行わせる。また制御装置30は、環境センサ43から機内の温度や湿度等の機内環境情報を取得し、濃度補正サイクルでは濃度センサ41から情報を取得し、色ずれ補正サイクルでは色ずれセンサ42から情報を取得する。そして、取得した情報に基づき、出力画像に対する補正処理を行ったり、上記各構成の動作制御を行ったりする。
制御装置30は、CPU(Central Processing Unit)にて実現され、プログラム制御により上記の各機能を実現する。CPUを制御するプログラムは、不揮発性メモリ31に格納されている。この不揮発性メモリ31には、後述する濃度補正や色ずれ補正に用いられるパターン(パッチ)、濃度センサ41の画像検出位置を特定するためのパターン等、制御装置30が画像形成装置の制御のために用いる初期情報も格納されている。また、RAM32には、各種カウンタ値、ジョブの実行回数、前回の補正処理の実行情報といった、画像形成装置の動作に伴って取得される各種の情報が格納される。
各色別の露光装置13には、例えば画像読取装置(IIT)や外部のパーソナルコンピュータ装置(PC)等から得られ、画像処理装置(図示せず)によって変換されたデジタル画像信号が、制御装置30を介して供給される。露光装置13は、レーザダイオード(LD)等の光源を有している。この光源から発せられるレーザビームが、コリメートレンズによりコリメートされた後、回転多面鏡(ポリゴンミラー)の偏向反射面により走査され、結像レンズにより絞り込まれたレーザスポットとなり、感光体ドラム11を走査(主走査)露光している。感光体ドラム11は、駆動手段によって回転駆動し、露光装置13によって、レーザ走査(主走査方向)と直交する方向(副走査方向)に露光され、2次元の露光記録を実現することができる。
転写ベルト21としては、例えば、可撓性を有するポリイミド等の合成樹脂フィルムを帯状に形成し、その両端を溶着等の手段によって接続することによって、無端ベルト状に形成したものが用いられる。この転写ベルト21は、駆動ロールとバックアップロールとによって、少なくとも一部を略直線的にしたループ状に張られる。そして、この転写ベルト21の略直線的な部分に対して、略水平方向に一定間隔を隔てて、4色の画像形成部10および対向する一次転写ロール23が配列されている。図1に示す例では、転写作業を行う際の転写ベルト21の移動方向に対して上流側から下流側に向かって、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの順に画像形成部10が配列されている。画像形成部10によって形成された各色の画像が、転写ベルト21の動きにしたがってベルト上で順に重ね合わされることにより、転写ベルト21上にカラートナー画像が形成される。そして、転写ベルト21の移動と用紙搬送とのタイミングが合わされ、二次転写ロール24と対向ロール25を含む位置で、転写ベルト21上に形成されたカラートナー画像が用紙に転写される。この後、カラートナー画像が転写された用紙は、定着器28に搬送され、定着器28においてカラートナー画像が用紙に定着されて、画像形成装置の筐体外部に設けられた排出トレイに排出される。
図1に示したようなタンデム型の画像形成装置では、色ごとに形成された画像を重ねてカラー画像を形成するため、画像形成部10の各取り付け位置の誤差、各画像形成部10の周速誤差、転写対象に対する露光位置の違い、転写対象の線速の変化等により、形成された画像において色ずれが発生する場合がある。そのため、この種の画像形成装置では、各色の画像のずれ量である色ずれ量を測定し、色ずれの発生を抑制するための色ずれ制御(色ごとの位置ずれの制御)を行うことが不可欠である。また、電子写真方式による画像形成装置では、感光体上に形成した静電潜像をトナーにて現像し、このトナー像を直接あるいは中間転写体を介在させて用紙上に転写し定着させるが、この静電プロセスは、温度や湿度等の環境条件や装置の経時劣化に起因して色再現性や階調性等の画像の濃度に基づく画質変動が大きな問題となる。そのため、この種の画像形成装置では、各色のトナー画像の濃度を測定し、所望の濃度で画像を形成するための濃度制御を行うことが不可欠である。
図2は、上述した画像形成装置における色ずれ制御(カラーレジストレーションコントロール)および濃度制御(プロセスコントロール)を説明する図である。
上記の色ずれ制御および濃度制御は、各々の制御用のパッチ(画像パターン)を中間転写体等(図では転写ベルト21)に形成し、このパッチをセンサ(濃度センサ41および色ずれセンサ42)で検出し、検出値を解析することによって行う。これらの制御に用いられる濃度センサ41および色ずれセンサ42は、基本的には、発光ダイオード等の照明光源によりパッチを照明し、その正反射光や拡散反射光をフォトダイオード等の受光手段で受光する構成となっている。図2に示す例では、転写ベルト21の幅方向に沿って、左端、中央および右端に色ずれセンサ42が設けられており、各色ずれセンサ42の間に濃度センサ41が設けられている。そして、これらの色ずれセンサ42および濃度センサ41に対応する転写ベルト21上の位置に、色ずれ制御パッチおよび濃度パッチが形成される。なお、色ずれ制御パッチや濃度パッチの形成位置については、様々な手法が存在する。例えば、転写ベルト21上における出力画像の形成領域(以下、画像フレームと呼ぶ)を避けて、転写ベルト21の両端部の一定幅の領域にまとめて各パッチを形成する手法や、画像フレームどうしを一定の隙間を空けて設定し、画像フレームと画像フレームとの間に各パッチを形成する手法がある。また、出力画像の形成位置が変更された場合に、これに伴って色ずれ制御パッチおよび濃度パッチの形成位置を変更することもできる。
濃度センサ41では、受光した光強度が検出情報として得られる。したがって、パッチ(濃度パッチ)で反射して受光する光強度が所望の値となるように、各色の画像形成部10による画像形成位置を制御することとなる。一方、色ずれセンサ42では、色ずれセンサ42がパッチを検出した瞬間の時間情報が検出情報として得られる。色ずれ制御用のパッチ(以下、色ずれ制御パッチ)は特殊な形状をしており、この形状に基づいて色ずれ制御パッチの検出時間を解析することにより、色ずれセンサ42による色ずれ制御パッチの検出位置を判断することができる。そして、各色の色ずれ制御パッチの検出位置が同一となるように、各色の画像形成部10による画像形成位置を制御することにより、出力画像の色ずれを抑制することが可能となる。
ここで、濃度センサ41による濃度パッチの検出および色ずれセンサ42による色ずれ制御パッチの検出について、さらに詳細に説明する。
通常、画像形成装置の機械的な公差のため、転写ベルト21における画像フレームを基準とした濃度センサ41の検出スポットのずれ量は最大1mm程度、同じく画像フレームを基準とした濃度パッチの形成位置のずれ量は最大3mm程度である。したがって、濃度センサ41に対する濃度パッチの相対的な位置ずれは、最大3〜4mm程度となり、従来は、これに基づいて濃度パッチのサイズを決める必要があった。また、出力画像の形成位置の変更に伴って色ずれ制御パッチおよび濃度パッチの形成位置が変更される場合、画像フレームに対する用紙の転写位置を考慮する必要があり、出力画像の形成位置の制御分として2mm程度の変化量をさらに加算する必要がある。濃度パッチのサイズのうち主走査方向幅は、通常、検出スポットのサイズ+許容ずれ量×2で設計されるので、検出スポットのサイズ(直径)を0.5mmとし、上記の条件に基づいて許容ずれ量を約5mmとすると、濃度パッチの主走査方向幅は10.5mmとなる。
背景技術において説明したように、トナー消費量の削減やクリーニング部材の負荷軽減のためには、濃度パッチは、できるだけ小さいサイズに形成することが好ましい。本実施形態では、濃度制御において濃度センサ41が検出する濃度パッチのサイズを小さくするため、濃度センサ41の検出スポットの位置を高精度に特定する。具体的には、まず濃度パッチの形成位置に特殊な形状のパターン(以下、位置検出用パターン)を形成して濃度センサ41で検出する。そして、位置ずれ制御において行われるような位置のずれ量の計算を行って、位置検出用パターンに対する検出スポットの位置を求める。
図3は、色ずれ制御パッチと色ずれセンサ42との関係を示す図である。
図3に示す例では、色ずれ制御パッチとして山形のトナー画像(シェブロンパッチ)を用い、色ずれ制御パッチを構成する線分が転写ベルト21の移動方向に対してなす角度と等しい角度で「ハ」の字形状に受光領域42a、bが配置された色ずれセンサ42によって検出を行う。ここで、転写ベルト21の移動方向は副走査方向であり、主走査方向はこの方向とほぼ直交する。このような構成によれば、色ずれ制御パッチが色ずれセンサ42に対応する理想的な位置に形成された場合は、所定の基準時刻から各色ずれ制御パッチを検出するまでの時間(以下、検出時間)が、受光領域42a、bで等しくなる。例えば、図3に示すように、各パッチに対する受光領域42aの検出時間をtA1、tA2、tA3、・・・とし、受光領域42bの検出時間をtB1、tB2、tB3、・・・とすると、tA1=tB1、tA2=tB2、tA3=tB3、・・・となる。
一方、色ずれ制御パッチが上述の理想的な位置からずれて形成された場合、受光領域42aが色ずれ制御パッチを検出する検出時間tAと受光領域42bが色ずれ制御パッチを検出する検出時間tBとに差分が生じることとなる。そこで、下記の演算により、主走査方向のずれ量(L_Err)および副走査方向のずれ量(P_Err)が求まる。

L_Err(n)=〔(tA(n)−tB(n))×V〕÷2
P_Err(n)=〔(tA(n)+tB(n))÷2−P(n)〕×V

ただし、Vは転写ベルト21の移動速度(プロセス速度)、P(n)は各色ずれ制御パッチn(n=1、2、3、・・・)の理論上の位置(予め設定された制御パッチnが形成されるべき位置)である。色ずれ制御に本手法を用いた場合、検出レンジが±500μm程度、検出精度は5〜10μm程度である。
次に、本実施形態による濃度センサ41の位置検出について説明する。
図4は、位置検出用パターンと濃度センサ41との関係を示す図である。
図4に示す例では、位置検出用パターンとして副走査方向に対して各々一定の角度を持つ2本の線分からなる「く」の字形状のトナー画像を副走査方向に連続的に形成したパターンを用いている。この位置検出用パターンは、一定の角度を持つ線分によって、図示のように転写ベルト21上に一定幅の帯状の領域を構成する。そして、この帯状の領域の幅方向の中央に濃度センサ41の検出スポットが対応する場合、濃度センサ41による位置検出用パターンの検出間隔は常に一定となる(この場合の検出スポットの位置を基準位置とする)。例えば、図4に示すように、「く」の字形状の一方の線分の検出時間をtC1、tC2、tC3、・・・とし、他方の線分の検出時間をtD1、tD2、tD3、・・・とすると、tD1−tC1=tC2−tD1=tD2−tC2=tC3−tD2=tD3−tC3=・・・となる。
なお、ここでは「く」の字形状のパターンを例にして説明したが、位置検出用パターンの形状は図4に示した形状に限定するものではない。例えば、図8(A)のような「く」の字を形成する線分を分割した形状のパターンや、一つの線分が副走査方向に直角に形成され、他の線分が副走査方向に角度をもって形成される図8(B)や図8(C)のような形状のパターンでも同様の性能を満たすことができる。
一方、位置検出用パターンの幅方向に対して検出スポットの位置が偏っている場合、位置検出用パターンの検出間隔は一定でなくなり、tDn−tCn≠tC(n+1)−tDn(ただし、n=1、2、3、・・・)となる。そこで、この場合の位置検出用パターンの検出位置を、上述した基準位置に対するずれ量で表すとすると、下記の演算により、主走査方向のずれ量(L_Err)および副走査方向のずれ量(P_Err)が求まる。

L_Err(n)=〔(tD(n)−tC(n))×V−L〕÷2
P_Err(n)=〔(tC(n)+tD(n))÷2−P(n)〕×V

ただし、Vは転写ベルト21の移動速度(プロセス速度)、P(n)は各色ずれ制御パッチn(n=1、2、3、・・・)の理論上の位置(予め設定された制御パッチnが形成されるべき位置)、位置検出用パターンの設計幅(濃度センサ41の検出スポットの位置が基準位置である場合のtD(n)−tC(n)に対応する長さ)である。濃度センサ41の検出スポットの位置の特定に本手法を用いた場合、検出レンジが±5mm程度、検出精度は20〜30μm程度である。
以上のようにして、位置検出用パターンに対する濃度センサ41の検出スポットの位置が高い精度で特定される。ここで、この位置検出用パターンと上述した色ずれ制御用の色ずれ制御パッチとの位置関係は画像データにおいて予め決まっており、かつ濃度センサ41と色ずれセンサ42との位置関係も機械的に決まっている。したがって、位置検出用パターンに対する濃度センサ41の検出スポットの位置、すなわち上記の基準位置に対する検出スポットの位置ずれ量と、上述した色ずれ制御パッチの位置ずれ量の差分を取ることにより、色ずれセンサ42を基準とする濃度センサ41の検出スポットの相対的な位置が計算できることとなる。
言い換えると、この2つのずれ量の差分は、色ずれ制御パッチが理想的な位置に形成され、かつ濃度センサ41の検出スポットが基準位置にある場合における転写ベルト21上の検出スポットの位置に対して、実際の検出スポットの位置がどれだけずれているかを表す。したがって、この差分値は、実際に転写ベルト21上に濃度パッチを形成する際の補正値として利用することができる。
以下、具体例を挙げて説明する。なお、ここでは簡単のため、主走査方向の位置関係のみに着目して説明する。
位置検出用パターンを濃度センサ41で検出し、検出結果を解析して得られた濃度センサ41の検出スポットの主走査方向における上述の基準位置に対するずれ量が+2570μmであるものとする(図3および図4に示したパッチとセンサとの位置関係において、主走査方向に関して、右方向へのずれ量を正(+)で表すものとする)。また、色ずれセンサ42で検出した色ずれ制御パッチの主走査方向における位置ずれ量が+1250μmであるものとする。そこで、この2つのずれ量の差分を計算すると、1320μm(=2570−1250)となる。
画像形成装置が10μm単位で濃度パッチの形成位置を制御可能である場合、オフセット量(補正量)は−132(=−1320÷10μm)となる。このオフセット量にしたがって、濃度制御の際における濃度パッチの主走査方向の形成位置をオフセットさせることにより、濃度パッチの形成位置を高い精度で濃度センサ41の検索スポットの位置に一致させることができる。
図5は、転写ベルト21上に濃度パッチを形成するタイミングを説明する図である。
図5に示すように、濃度パッチの形成位置は、露光基準信号からの出力タイミングによって制御される。したがって、この出力タイミングとして、設計値、色ずれ制御によって得られる色ずれ補正値と共に上述のオフセット量を加えることにより、濃度パッチの形成位置が濃度センサ41の検索スポットの位置に一致するように補正される。
ところで、以上の説明では、主走査方向における画像の倍率変動を考慮していない。この倍率変動は、露光装置13と感光体ドラム11との間の光学的距離の誤差のために、感光体ドラム11上における画像の主走査方向の幅が変動することによって生じ、この変動量が各色の画像形成部10で異なると、色ずれとして出力画像に現れる。しかしながら、この倍率変動が生じると、例えば図2に示したように主走査方向に複数個の色ずれセンサ42を設置して色ずれ制御を行う場合、各色ずれセンサ42の検出結果から得られる色ずれ制御パッチのずれ量が異なることとなる。したがって、それらのずれ量を比較して倍率変動に対する補正を濃度パッチの形成位置に反映させることで、倍率変動の影響を抑制することができる。
以上のようにして、濃度制御における濃度パッチの形成位置を高い精度で濃度センサ41の検索スポットの位置に一致させることが可能となった。なお、本実施形態によっても、濃度センサ41および色ずれセンサ42の検出誤差や、各パッチおよびパターンの形成位置の周期的変動などのため、濃度センサ41の検出スポットの位置と濃度パッチの形成位置の形成位置とを完全に一致させることは困難である。しかしながら、本実施形態による濃度パッチの形成位置の誤差は、最大で±0.5mm程度を見込めば十分である。したがって、検出スポットのサイズ(直径)を0.5mmとし、許容ずれ量を0.5mmとすると、濃度パッチの主走査方向幅は1.5(=0.5+0.5×2)mmとなり、濃度パッチのサイズを大幅に縮小することが可能となる。
図6は、以上説明した本実施形態による濃度制御の動作の流れを示すフローチャートであり、図7は、図6に示す濃度センサ位置特定処理の内容を示すフローチャートである。
図6に示すように、本実施形態では、まず制御装置30により、濃度センサ位置特定処理の開始条件が判断される(ステップ601)。この開始条件としては、機内環境が大きく変化して、濃度センサ41と色ずれセンサ42との相対的な位置関係が変更する可能性の高いイベントが設定される。例えば、電源が投入されたとき、省電力モードから通常の動作モードへ復帰したとき、環境センサ43にて検知される機内温度の変化量が予め設定された閾値を超えたとき、所定時間が経過したとき、所定枚数の画像を出力したとき、所定の部品やモジュールが交換されたとき等とすることができる。
濃度センサ位置特定処理の開始条件を満足した場合、図7に示す処理が実行される(ステップ602)。図7を参照すると、まず、それまでに設定されていたオフセット量があれば、これがリセットされる(ステップ701)。次に、位置検出用パターンおよび色ずれ制御パッチが形成され(ステップ702)、濃度センサ41および色ずれセンサ42によりそれぞれ検出される(ステップ703)。そして、上述した計算によりオフセット量が算出され(ステップ704)、図1に示すRAM32や制御装置30の内部のレジスタ等の記憶手段に格納される(ステップ705)。
次に、ステップ601で濃度センサ位置特定処理の開始条件を満足しなかった場合、またはステップ602(ステップ701〜705)の処理が実行された後、制御装置30により、色ずれ制御処理の開始条件が判断され(ステップ603)、開始条件を満足するならば、色ずれ制御処理が実行される(ステップ604)。色ずれ制御処理の開始条件は、電源が投入されたとき、省電力モードから通常の動作モードへ復帰したとき、環境センサ43にて検知される機内温度の変化量が予め設定された閾値を超えたとき、所定時間が経過したとき、所定枚数の画像を出力したとき、所定の部品やモジュールが交換されたとき等、従来の色ずれ制御処理における開始条件と同様の条件とすることができる。また、色ずれ制御処理の内容も、例えば特開2003−149905号公報に開示されるような、従来の色ずれ制御処理と同様の処理とすることができる。
次に、ステップ603で色ずれ制御処理の開始条件を満足しなかった場合、またはステップ604の色ずれ制御処理が実行された後、制御装置30により、濃度制御処理の開始条件が判断され(ステップ605)、開始条件を満足するならば、濃度制御処理が実行される(ステップ606)。濃度制御処理の開始条件は、電源が投入されたとき、省電力モードから通常の動作モードへ復帰したとき、環境センサ43にて検知される機内温度の変化量が予め設定された閾値を超えたとき、所定時間が経過したとき、所定枚数の画像を出力したとき、所定の部品やモジュールが交換されたとき等、従来の濃度制御処理における開始条件と同様の条件とすることができる。また、濃度制御処理の内容も、例えば特開2002−244371号公報に開示されるような、従来の濃度制御処理と同様の処理とすることができる。ただし、濃度パッチの形成は、図7のステップ705でRAM32や制御装置30のレジスタ等の記憶手段に格納されたオフセット量を反映させて行われる。
上述した各処理の開始条件の判断は、画像形成装置の起動後、電源が落とされるまで、定期的に繰り返すようにしても良いし、各処理の開始条件に対応するイベントの発生に応じて動作するイベントドリブンのシステムとしても良い。図6に示した動作例では、濃度センサ位置特定処理と色ずれ制御処理と濃度制御処理とを、それぞれ別個の処理として説明したが、図7のステップ702、703に示したように、濃度センサ位置特定処理においても色ずれ制御パッチの形成および検出を行っているので、濃度センサ位置特定処理と色ずれ制御処理とを同時に行い、色ずれ制御処理において実行された色ずれ制御パッチの形成および検出の結果を濃度センサ位置特定処理に利用するようにしても良い。また、色ずれ制御と濃度制御の方式によっては、これらの処理を同時に実行することも可能である。複数の処理を同時に実行することによって、画像形成装置におけるダウンタイム(画像出力が制限される時間)を削減することができる。
なお、濃度パッチのオフセット量は、濃度センサ41が複数存在する場合、個々の濃度センサ41ごとに設定することもできるし、一つのオフセット量で各濃度センサ41に対する濃度パッチの形成位置を制御するようにしても良い。前者の場合には各濃度センサ41に対し、より高い精度で濃度パッチの形成位置を設定することが可能となる。一方、後者の場合は、濃度パッチの形成位置の精度は多少落ちるものの、オフセット量を計算する処理が容易となり、ダウンタイムの削減につながる。
以上の本実施形態の説明では、濃度パッチのサイズのうち主走査方向幅に着目して説明したが、副走査方向幅についても同様に縮小できることは言うまでもない。従来、所定のタイミングで濃度センサ41の見開き設定を行う場合、確実に濃度パッチの検出を行えるように、濃度パッチの副走査方向幅を大きくしていた。しかし、濃度パッチの形成位置を適切に補正することにより、濃度パッチの副走査方向幅を大幅に小さくすることが可能となる。
また、別の副走査方向の検出方式として、濃度パッチ幅よりも広いタイミングで見開き領域を設定し、その範囲において濃度パッチの検出タイミングにおける検出値を得ることもできる。この方式では、時間的に長いアナログ信号をAD変換し、得られたデジタルデータをメモリに一時的に保存し、保存された値を濃度データとして解析する。この場合、濃度パッチのずれ量のデータを予め把握し、検出タイミングを補正することで、検出に要する時間を短縮することができる。また、これによりデータ保存に必要なメモリ量を削減することも可能となる。
本実施形態が適用される画像形成装置を示した図である。 本実施形態における色ずれ制御および濃度制御を説明する図である。 本実施形態における色ずれ制御パッチと色ずれセンサとの関係を示す図である。 本実施形態における位置検出用パターンと濃度センサとの関係を示す図である。 転写ベルト上に濃度パッチを形成するタイミングを説明する図である。 本実施形態による濃度制御の動作の流れを示すフローチャートである。 図6に示す濃度センサ位置特定処理の内容を示すフローチャートである。 本実施形態で用いられる位置検出用パターンの他の例を示す図である。
符号の説明
30…制御装置、31…不揮発性メモリ、32…RAM、41…濃度センサ、42…色ずれセンサ、43…環境センサ

Claims (10)

  1. 画像形成材により画像を形成し出力する画像形成装置において、
    像保持体上に形成された特定パターンに対する濃度センサの検出結果に基づいて、当該濃度センサの画像検出位置を特定する濃度センサ位置特定手段と、
    前記濃度センサ位置特定手段により特定された前記濃度センサの画像検出位置に濃度補正用パターンを形成し、当該濃度センサによる当該濃度補正用パターンの検出結果に基づいて、出力画像の濃度補正を行う濃度補正手段と
    を備えることを特徴とする画像形成装置。
  2. 前記濃度センサ位置特定手段は、前記特定パターンと位置ずれ制御のための補正用パターンとの位置関係に基づき、当該補正用パターンを検出する位置ずれセンサとの間の相対位置によって前記濃度センサの位置を特定することを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
  3. 前記特定パターンは、前記像保持体の動作方向に対して各々一定の角度を持つ2本の線分にて形成されるパターンであり、
    前記濃度センサ位置特定手段は、前記濃度センサが前記特定パターンを形成する2本の線分の検出間隔に基づき、当該特定パターンに対する当該濃度センサの位置を特定することを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
  4. 出力画像の濃度補正を行う画像形成装置において、
    位置ずれ補正用パターン、濃度補正用パターンおよび濃度センサ位置検出用パターンを像保持体上に形成する画像形成部と、
    前記位置ずれ補正用パターンを検出する位置ずれセンサと、
    前記濃度補正用パターンおよび前記濃度センサ位置検出用パターンを検出する濃度センサと、
    前記濃度センサ位置検出用パターンと前記位置ずれ補正用パターンとの位置関係および前記濃度センサによる前記濃度センサ位置検出用パターンの検出結果に基づいて前記位置ずれセンサに対する当該濃度センサの相対位置を計算し、当該位置ずれセンサによる前記位置ずれ補正用パターンの検出位置の情報および当該相対位置の情報に基づいて前記画像形成部による前記濃度補正用パターンの形成位置を制御する制御部と
    を備えることを特徴とする画像形成装置。
  5. 前記画像形成部は、少なくとも前記画像形成装置の電源投入時または動作モードの変更時に前記濃度センサ位置検出用パターンを形成し、
    前記制御部は、前記位置ずれセンサと前記濃度センサの相対位置を計算することを特徴とする請求項4に記載の画像形成装置。
  6. 前記画像形成部は、前記画像形成装置に搭載された所定の部品が交換された場合に前記濃度センサ位置検出用パターンを形成し、
    前記制御部は、前記位置ずれセンサと前記濃度センサの相対位置を計算することを特徴とする請求項4に記載の画像形成装置。
  7. 前記濃度センサ位置検出用パターンは、前記画像形成部の走査方向において前記位置ずれ補正用パターンから一定距離だけ離れた位置に形成され、
    前記制御部は、前記濃度センサによる前記濃度センサ位置検出用パターンの検出結果から得られる当該濃度センサの位置情報と、前記位置ずれセンサによる前記位置ずれ補正用パターンの検出結果から得られる当該位置ずれセンサの位置情報とに基づき、当該位置ずれセンサに対する当該濃度センサの相対位置を計算することを特徴とする請求項4に記載の画像形成装置。
  8. 前記濃度センサ位置検出用パターンは、前記像保持体の動作方向に対して各々一定の角度を持つ2本の線分にて形成されるパターンであり、
    前記制御部は、前記濃度センサが前記濃度センサ位置検出用パターンを形成する2本の線分の検出間隔に基づき、当該濃度センサの位置情報を得ることを特徴とする請求項7に記載の画像形成装置。
  9. 画像形成装置の濃度補正方法であって、
    濃度センサ位置検出用パターンを像保持体上に形成して濃度センサにて検出するステップと、
    位置ずれ補正用パターンを前記像保持体上に形成して位置ずれセンサにて検出するステップと、
    前記濃度センサ位置検出用パターンと前記位置ずれ補正用パターンとの位置関係および前記濃度センサによる当該濃度センサ位置検出用パターンの検出結果に基づいて、前記位置ずれセンサに対する当該濃度センサの相対位置を計算するステップと、
    計算された前記位置ずれセンサに対する前記濃度センサの相対位置に基づいて前記像保持体上の当該濃度センサに対応する位置に濃度補正用パターンを形成して当該濃度センサにて検出するステップと
    を含むことを特徴とする濃度補正方法。
  10. 前記濃度センサ位置検出用パターンを検出するステップと前記位置ずれ補正用パターンを検出するステップとが並列に実行される
    ことを特徴とする請求項9に記載の濃度補正方法。
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